[第1実施例]
図1はこの発明の画像形成システム10の構成の一例を示す図である。図1を参照して、この発明の第1実施例である画像形成システム10は複数の画像形成装置12および情報処理装置14を含む。複数の画像形成装置12の各々は、インターネットまたはLANのようなネットワーク16を介して、他の画像形成装置12および情報処理装置14と通信可能に接続される。なお、図1に示す画像形成システム10の例では、1台の情報処理装置14がネットワーク16上に接続される場合について示してあるが、情報処理装置14は2台以上接続されてもよい。また、図示は省略するが、複数の画像形成装置12のそれぞれは、PSTN(Public Switched Telephone Networks;公衆交換電話網)およびIP網などのファクシミリ用の通信回線網(FAX通信回線網)にも接続される。
図1に示す情報処理装置14は、画像形成システム10のユーザが使用する汎用のコンピュータ(ユーザ端末)である。たとえば、情報処理装置14は、スマートフォン、デスクトップPC、ノート(ラップトップ)PCおよびタブレットPCなどである。
図2は図1に示す情報処理装置14の電気的な構成を示すブロック図である。図2を参照して、第1実施例の情報処理装置14はCPU22を含む。CPU22には、バス20を介して、RAM24、補助記憶部26、入力制御回路28、表示制御回路30および通信回路32が接続される。また、入力制御回路28には入力装置34が接続され、表示制御回路30にはディスプレイ36が接続される。
ディスプレイ36としては、LCDまたはEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。このことは、後述するディスプレイ72も同様である。
CPU22は、情報処理装置14の全体的な制御を司る。RAM24は、CPU22のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
補助記憶部26は、たとえばHDDであり、CPU22が情報処理装置14の各コンポーネントの動作を制御するための制御プログラムおよび各種データなどを記憶する情報処理装置14の補助記憶装置である。ただし、補助記憶部26としては、HDDに代えて、またはHDDとともに、SSD、フラッシュメモリ、EEPROMなどの他の不揮発性メモリが用いられてもよい。これらのことは、後述する補助記憶部56も同様である。
入力装置34は、ユーザの入力操作(ユーザ操作)を受け付けるための装置であり、たとえばタッチパネル、キーボードおよびコンピュータマウス等を含む。入力装置34がキーボードである場合には、入力装置34は、ハードウェアの操作ボタンないし操作キー(ハードウェアキー)を含む。タッチパネルは、汎用のタッチパネルであり、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。また、タッチパネルは、ディスプレイ36の表示面上に設けられても良いし、ディスプレイ36とは別に設けられてもよい。ただし、タッチパネルがディスプレイ36と一体的に形成されたタッチディスプレイが設けられてもよい。タッチパネルがディスプレイ36の表示面上に設けられる場合、ディスプレイ36には、アイコンなどのソフトウェアキー(操作キー)を含むグラフィカルユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)が表示される。この場合、GUI(操作画面)を介して入力操作を受け付ける。これらのことは、後述する入力装置70も同様である。
なお、ソフトウェアキーとは、たとえばディスプレイの表示面にソフトウェア的に再現されたキーまたはアイコンのことを言う。これに対して、ハードウェアキーとは、物理的な装置として設けられたキーまたは押しボタンのことを言う。
入力制御回路28は、入力装置34の操作に応じた操作信号ないし操作データをCPU22に出力する。たとえば、入力制御回路28は、入力装置34に含まれるタッチパネルに必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネルのタッチ有効範囲内でタッチ操作(タッチ入力)が行われると、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU22に出力する。また、入力制御回路28は、入力装置34に含まれる操作ボタンまたはハードウェアキーの操作に応じた操作信号ないし操作データをCPU22に出力する。これらのことは、後述する入力制御回路64も同様である。
表示制御回路30は、GPUおよびVRAMなどを含んでおり、CPU22の指示の下、GPUは、RAM24に記憶された画像生成データ304a(図9参照)を用いて、各種の画面を表示するための画面データをVRAMに生成し、生成した画面データをディスプレイ36に出力する。たとえば、ディスプレイ36には、各種操作画面等が表示される。これらのことは、後述する表示制御回路66も同様である。
通信回路32は、LANおよびインターネットのようなネットワークに接続するための通信回路である。この通信回路32は、有線通信回路または無線通信回路であり、CPU22からの指示に従って、TCP/IPなどのプロトコルを利用して、ネットワークを介して、他の情報処理装置14または画像形成装置12等の外部のコンピュータと通信する。ただし、通信回路32は、近距離無線などによって、ネットワーク16を介さずに、他の情報処理装置14または画像形成装置12と直接通信することが可能である。
なお、図2に示す情報処理装置14の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
図1に戻って、画像形成装置12は、複写機能、プリント機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを備えるMFP(Multifunction Peripheral)である。ただし、画像形成装置12は、少なくともプリント機能を備えていればよく、たとえば印刷装置(プリンタ)であってもよい。
図3は図1に示す画像形成装置12の電気的な構成を示すブロック図である。図3を参照して、画像形成装置12はCPU52を含む。CPU52には、バス50を介して、RAM54、補助記憶部56、画像読取部60、画像形成部62、入力制御回路64、表示制御回路66、通信回路68およびFAX通信部74が接続される。また、入力制御回路64には入力装置70が接続され、表示制御回路66にはディスプレイ72が接続される。
CPU52は、画像形成装置12の全体的な制御を司る。RAM54は、CPU52のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
画像読取部60は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える。この画像読取部60は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度および色度が検出され、原稿表面の画像に基づく読取画像データが生成される。
画像形成部(印刷装置)62は、汎用のレーザプリンタであり、感光体、帯電器、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置などを備え、印刷画像データに対応する画像(印刷画像)を記録紙(用紙)などに印刷する。ただし、画像形成部62は、レーザプリンタに代えて、インクジェットプリンタで構成されてもよい。
なお、詳細な説明は省略するが、画像形成部134は、カラーのプリント機能を備えており、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色について、感光体、帯電器および現像装置等を含む画像形成ステーションが構成される。
FAX通信部74は、ファクシミリモデム、網制御部(NCU)および符号化復号部を含む。ファクシミリモデムは、ファクシミリ通信の規格に基づいて、符号化された画像データをFAX通信回線網での伝達に適した形式のアナログ信号に変調すると共に、他の装置からのアナログ信号を復調して符号化された画像データを取得する。網制御部は、電話回線および回線交換機等を介して、FAX通信回線網に接続される。網制御部は、ファクシミリモデムをFAX通信回線網に接続するために設けられ、FAX通信回線網の閉結及び開放の回線制御を行う。また網制御部は、予め定められたファクシミリ通信のプロトコルに従って、画像データ及び制御信号等の送受信を行うと共に、ファクシミリ通信の自動発呼処理及び自動着呼処理を行う。符号化復号部は、画像データに対して予め定められた形式の符号化を行う。符号化されたデータは、補助記憶部56に一時的に記憶され、CPU52の指示の下、ファクシミリ通信により他の装置に送信される。また、符号化復号部は、ファクシミリ通信により他の装置から送信されたデータを復号して元の形式に戻す処理を行う。
なお、図3に示す画像形成装置12の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
このような画像形成システム10では、情報処理装置14において印刷対象のデータ(印刷対象データ)およびジョブ条件のデータを含む印刷データが生成され、画像形成装置12に印刷データが送信され、画像形成装置12で印刷データに従って印刷処理(印刷ジョブ)が実行される。
印刷対象データには、たとえば、情報処理装置14に記憶される画像データおよび文書データ等が含まれる。
ジョブ条件は、たとえば、印刷部数、原稿用紙サイズ、出力用紙サイズ、原稿の向き、カラーモード、片面/両面印刷、倍率、ステープル処理の有無およびページ集約の有無等の、通常の印刷機能に係る条件(通常の印刷条件)を含む。印刷ジョブが実行される場合、情報処理装置14のディスプレイ36には、通常の印刷条件を設定するためのプリンタドライバのGUI(グラフィカルユーザインタフェース)画面が表示される。なお、GUI画面を介して通常の印刷条件を設定する技術については、周知技術であり、本発明の本質的部分とは直接関係しないため、詳しい説明を省略する。
画像形成装置12が印刷データを取得すると、印刷データに含まれる印刷対象データに画像処理が施された印刷用の画像(印刷画像)のデータ(印刷画像データ)が生成される。印刷画像データは、カラーモード、倍率、ページ集約等の印刷条件に従って生成され、印刷対象データに印刷条件が反映された画像データである。また、印刷画像データは、印刷データに含まれる。
以下、図4~図8等を参照して本実施例の画像形成システム10の動作例を説明する。まず、図4に示すように、本実施例の画像形成システム10では、複数の画像形成装置12は、親機12aおよび子機12bを含む。複数の画像形成装置12のうち、少なくとも1台が親機12aに設定されており、親機12a以外の画像形成装置12は、子機12bに設定される。また、親機12aは、CPU52aおよびRAM54aを含み、子機12bは、CPU52bおよびRAM54bを含む。以下、親機12aと子機12bとを特に区別しない場合には単に「画像形成装置12」と言うことがある。
また、本実施例の画像形成システム10では、印刷ジョブの機能(印刷機能)には、登録印刷機能および印刷データ送信機能が含まれる。
登録印刷機能とは、親機12aに印刷データが保持(登録)され、ユーザ所望の子機12bから印刷指示を受け付けた場合に、印刷データがユーザ所望の子機12bに転送され、ユーザ所望の子機12bで印刷データに係る印刷ジョブが実行される機能のことである。すなわち、登録印刷機能では、親機12aはプリントサーバとして利用される。
また、印刷データ送信機能とは、或る画像形成装置12において印刷ジョブが実行されたときに、印刷ジョブに係る印刷データに含まれる印刷画像データが所定の送信先装置に送信される機能のことである。印刷画像データは、ファクシミリ通信によって送信されたり、電子メール(E-mail)に添付されて送信されたりする。送信先装置としては、印刷ジョブを実行した画像形成装置12以外の画像形成装置12(他の画像形成装置12)、情報処理装置14およびネットワーク16等を介して通信可能な他の外部装置が該当する。
図5に示すように、本実施例のプリンタドライバのGUIは、通常の印刷条件を設定するための各種設定画面に加えて、機能設定画面100を含む。
機能設定画面100は、ジョブ条件のうち、登録印刷機能および印刷データ送信機能に係る条件(通常の印刷条件以外の条件)を設定するための画面であり、設定部102および指示部104を含む。
設定部102は、登録印刷機能の設定アイコン102aおよび印刷データ送信機能の設定アイコン102bを含む。
登録印刷機能の設定アイコン102aは、登録印刷機能の有効/無効を設定するためのアイコンであり、印刷データ送信機能の設定アイコン102bは、印刷データ送信機能の内容を設定する送信先設定画面120(図6参照)を表示させるためのアイコンである。
登録印刷機能の設定アイコン102aには、チェックボックス102cが設けられる。チェックボックス102cにチェックマークが表示されていない状態で、登録印刷機能の設定アイコン102a(チェックボックス102cを含む)が操作されると、チェックボックス102cにチェックマークが表示される。一方、チェックボックス102cにチェックマークが表示された状態で登録印刷機能の設定アイコン102aが操作されると、チェックマークが非表示にされる。
チェックボックス102cにチェックマークが表示されている場合には、登録印刷機能が有効にされ、チェックボックス102cにチェックマークが表示されていない場合には、登録印刷機能が無効にされる。したがって、ユーザは、登録印刷機能の設定アイコン102aを操作することによって、登録印刷機能の有効/無効を切り替えることができる。
指示部104は、機能設定画面100の右下に配置され、指示部104には、OKアイコン104aおよびキャンセルアイコン104bが含まれる。OKアイコン104aは、当該画面(ここでは機能設定画面100)で設定された内容を確定させる機能が割り当てられたアイコンである。キャンセルアイコン104bは、当該画面(ここでは機能設定画面100)で設定された内容を破棄する機能が割り当てられたアイコンである。なお、キャンセルアイコン104bが選択された場合には、それまで表示されていた操作画面(ここでは機能設定画面100)が閉じられて、他の操作画面(たとえば通常の印刷条件を設定するための設定画面)または初期画面(ホーム画面)等が表示される。後述する、OKアイコン128aとキャンセルアイコン128bについても同様であり、OKアイコン144aとキャンセルアイコン144bについて同様であり、OKアイコン164aとキャンセルアイコン164bについても同じでるある。
機能設定画面100で印刷データ送信機能の設定アイコン102bが操作されると、図6に示すような送信先設定画面120がディスプレイ36に表示される。送信先設定画面120は、印刷データ送信機能の有効/無効を設定し、印刷データ送信機能が有効にされる場合に送信先装置を設定するための画面である。
送信先設定画面120は、設定部122、候補表示部124、送信先表示部126および指示部128を含む。なお、指示部128は、OKアイコン128aおよびキャンセルアイコン128bを含む。
設定部122は、第1アイコン122a、第2アイコン122b、第3アイコン122cおよび第4アイコン122dを含む。
第1アイコン122aは、印刷データ送信機能の有効/無効を設定する機能が割り当てられたアイコンである。第1アイコン122aには、チェックボックス122eが設けられる。第1アイコン122a(チェックボックス122eを含む)が操作されると、チェックボックス122eにチェックマークが表示されたり、チェックマークが非表示にされたりする。チェックボックス122eにチェックマークが表示されている場合には、印刷データ送信機能が有効にされ、チェックボックス122eにチェックマークが表示されていない場合には、印刷データ送信機能が無効にされる。すなわち、ユーザは、第1アイコン122aを操作することによって、印刷データ送信機能の有効/無効を切り替えることができる。
第2アイコン122bは、送信先装置の候補となる装置(候補装置)の宛先情報(メールアドレス、FAX番号等)を取得する機能が割り当てられたアイコンである。本実施例では、候補装置の宛先情報のデータ(宛先情報を含むアドレス帳等のデータ)は、親機12aに記憶されており、第2アイコン122bが操作されると、候補装置の宛先情報のデータ(宛先情報データ)が親機12aから情報処理装置14に転送される。情報処理装置14が候補装置の宛先情報データを取得すると、図6に示すように、候補表示部124に、候補装置の情報(候補装置の装置ID,名称等)がリスト表示される。一方、情報処理装置14が候補装置の宛先情報データを取得していない状態では、候補表示部124には、候補装置の情報が表示されない。
なお、候補装置の宛先情報データは、情報処理装置14に記憶されていてもよい。この場合、候補装置の情報は最初から表示され、第2アイコン122bは省略されてもよい。
第3アイコン122cは、候補装置の候補の中から送信先装置を選択(送信先装置を追加)する機能が割り当てられたアイコンである。具体的には、候補表示部124に表示された候補装置のうち少なくとも1つの装置が選択された状態で、第3アイコン122cが操作されると、選択中の装置が送信先装置に設定される。送信先表示部126には、送信先装置に設定された装置の情報がリスト表示される。
なお、候補表示部124に表示された候補装置のうち、選択されている装置(選択中の装置)の情報に対応する部分には、模様が付されたり、適当な色彩が付されたりする。このようにすれば、ユーザは、自身が選択した装置を認識することができる。
第4アイコン122dは、送信先装置を削除する機能が割り当てられたアイコンである。具体的には、送信先表示部126に表示された送信先装置のうち少なくとも1つの装置が選択された状態で、第4アイコン122dが操作されると、選択中の装置が送信先装置から除外される(送信先装置の設定が解除される)。送信先装置から除外された装置の情報は、送信先表示部126から削除される。
なお、印刷データ送信機能が無効にされている場合には、第2アイコン122b、第3アイコン122cおよび第4アイコン122dは、選択できないように(無効化)されてもよい。
印刷データ送信機能が有効にされ、1台以上の送信先装置が設定された状態で、OKアイコン128aが操作されると、印刷データ送信機能を利用して送信先装置に印刷画像データを送信するコマンド(送信指示)のデータ(送信指示データ)が情報処理装置14で生成される。この送信指示データは、印刷データに含まれる。
そして、上述したように、登録印刷機能を利用する印刷ジョブに係る印刷データは、情報処理装置14から親機12aに送信され、親機12aに保持される。その後、ユーザが任意の子機12b(出力用の子機12b)の設置場所へ行って、登録印刷機能を利用するための操作を行うと、出力用の子機12bのディスプレイ72には、図7に示すような印刷データ選択画面140が表示される。
印刷データ選択画面140は、登録印刷機能を利用する印刷ジョブに係る印刷データの中から、出力用の印刷データを選択するための画面であり、複数の選択アイコン142および指示部144を含む。また、印刷データ選択画面140には、たとえば“印刷データを選択してください。”のように、印刷データの選択を促すためのメッセージ(通知文)が表示される。なお、指示部144は、OKアイコン144aおよびキャンセルアイコン144bを含む。
複数の選択アイコン142のそれぞれは、親機12aに保持されている複数の印刷データのそれぞれに対応する。複数の選択アイコン142のそれぞれには、対応する印刷データを識別するための文字列(たとえば印刷データのデータ名、作成者、作成日時、親機12aに登録された日時等)が表示される。図7に示す例では、親機12aに4つの印刷データが保持されており、印刷データ選択画面140には、4つの印刷データのそれぞれに対応する4つの選択アイコン142a~142dが表示される。
そして、ユーザに操作された選択アイコン142は選択状態となる。複数の選択アイコン142のいずれか1つが選択された状態でOKボタン146aが操作されると、選択状態の選択アイコン142に対応する印刷データが、出力用の印刷データとして確定される(出力用の印刷データとして取り扱われる)。以下、出力用の印刷データが確定されるまでの一連のユーザ操作のことを印刷指示操作ということがある。
出力用の印刷データが確定されると、出力用の子機12bは、親機12aに対し出力用の印刷データに係る印刷ジョブの印刷コマンド(印刷指示)を送信する。親機12aは、印刷指示を受け付けると、印刷指示に係る出力用の印刷データを出力用の子機12bに送信する。
出力用の印刷データに送信指示データが含まれない場合には、親機12aは、出力用の印刷データをそのまま出力用の子機12bに送信する。
一方、出力用の印刷データに送信指示データが含まれる場合には、親機12aは、出力用の印刷データから送信指示データを削除した後、送信指示データを含まない出力用の印刷データを出力用の子機12bに送信するとともに、出力用の印刷データに含まれる印刷画像データを送信先装置に送信する。
出力用の子機12bは、出力用の印刷データを取得(受信)すると、出力用の印刷データに従って印刷ジョブを実行する。
候補装置および送信先装置の宛先情報のデータについては、たとえば、図8に示すような宛先情報テーブルによって管理される。宛先情報テーブルは、予め作成されており、親機12aの補助記憶部56、情報処理装置14の補助記憶部26または情報処理装置14がアクセス可能な外部のサーバ等の所定の記憶先に記憶される。本実施例では、宛先情報テーブルは、親機12aの補助記憶部56に記憶されている。
図8に示すように、宛先情報テーブルでは、送信先装置の候補となる装置の各々に割り当てられた固有の識別情報(装置ID)に対応して、印刷画像データを送信可能な宛先の内容(たとえばメールアドレス、FAX番号)が記述される。
なお、図8に示す宛先情報テーブルの各欄には、識別情報および宛先に対応する文字列、記号または図形等が記述されているが、これらの内容は、情報処理装置14および親機12aにおける内部処理で作成および使用されるだけである。このため、宛先情報テーブルの各欄に記述される内容は、人間が解読できない記号等で記述されてもよい。
なお、本実施例の画像形成システム10では、情報処理装置14で送信先装置の設定処理が実行される際、および、親機12aから印刷画像データが送信先装置に送信される際に、宛先情報テーブルが使用される。
画像形成システム10の上記のような動作は、情報処理装置14のCPU22がRAM24に記憶された情報処理装置用の制御プログラムを実行し、画像形成装置12のCPU52がRAM54に記憶された画像形成装置用の制御プログラムを実行することによって実現される。具体的な処理については、後でフロー図を用いて説明する。
図9は図2に示したRAM24のメモリマップ300の一例を示す図解図である。図9に示すように、RAM24は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。RAM24のプログラム記憶領域302には、上述したように、情報処理装置用の制御プログラムが記憶される。情報処理装置用の制御プログラムは、通信プログラム302a、表示プログラム302b、操作検出プログラム302c、ジョブ条件設定プログラム302d、送信先設定プログラム302eおよび送信プログラム302fを含む。
通信プログラム302aは、ネットワーク16を介して間接的に、または、ネットワーク16を介さずに直接的に、親機12aを含む画像形成装置12または外部のコンピュータと通信するためのプログラムである。
表示プログラム302bは、後述する画像生成データ304aを用いて、機能設定画面100および送信先設定画面120などの各種の画面に対応する表示画像データを生成し、ディスプレイ36に出力するためのプログラムである。
操作検出プログラム302cは、入力装置34が操作されたことに応じて入力制御回路38から出力される操作信号(操作データ)を取得するためのプログラムである。また、入力装置34としてタッチパネルが設けられる場合には、入力制御回路28から出力されるタッチ座標データを取得するためのプログラムでもある。CPU22は、操作検出プログラム302cによって取得された操作データまたはタッチ座標データに応じて、ディスプレイ36に表示される各種の画面に含まれる各種のボタンやアイコンなどが操作されたかどうかを判断する。
ジョブ条件設定プログラム302dは、ユーザ操作に従って、通常の印刷条件、登録印刷機能および印刷データ送信機能に係る条件を設定するためのプログラムである。なお、登録印刷機能および印刷データ送信機能に係る条件の設定を行う場合には、表示プログラム302bに従って機能設定画面100および送信先設定画面120などがディスプレイ36に表示される。
送信先設定プログラム302eは、印刷データ送信機能が有効にされる場合に、ユーザ操作に従って、送信先装置を設定するためのプログラムである。
送信プログラム302fは、印刷データを指定された画像形成装置12に送信するためのプログラムである。また、送信プログラム302fは、登録印刷機能を利用する印刷ジョブに係る印刷データを、親機12aに送信するためのプログラムでもある。ただし、印刷データの送信時には、通信プログラム302aが実行される。
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、候補装置の宛先情報データが情報処理装置14に記憶されていない場合に、候補装置の宛先情報データを記憶先の装置(たとえば親機12a)から取得するための取得プログラム、情報処理装置14が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
また、RAM24のデータ記憶領域304には、画像生成データ304a、操作データ304b、印刷データ304c、送信指示データ304dおよび宛先情報データ304eなどが記憶される。
画像生成データ304aは、ディスプレイ36に表示する各種の画面に対応する表示画像データを生成するためのポリゴンデータまたはテクスチャデータ等のデータである。操作データ304bは、操作検出プログラム302cに従って検出した操作データであり、時系列に従って記憶される。印刷データ304cは、少なくとも、印刷対象データ、通常の印刷条件のデータおよび登録印刷機能の有効/無効を示すデータ等を含む印刷ジョブのデータである。また、印刷データ304cは、印刷データ送信機能を利用する場合には、送信指示データ304dを含む。送信指示データ304dは、印刷データ送信機能が有効であることを示すデータ、並びに、送信先装置を識別するための識別情報のデータまたは送信先装置の宛先情報のデータを含む。宛先情報データ304eは、候補装置の宛先情報のデータである。
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、情報処理装置用の制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、情報処理装置用の制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
図10は図3に示す画像形成装置12のRAM54のメモリマップ400の一例を示す図解図である。図10に示すように、RAM54は、プログラム記憶領域402およびデータ記憶領域404を含む。RAM54のプログラム記憶領域402には、上述したように、画像形成装置用の制御プログラムが記憶される。この画像形成装置用の制御プログラムは、通信プログラム402a、表示プログラム402b、操作検出プログラム402c、受信プログラム402d、記憶プログラム402e、第1送信プログラム402f、判断プログラム402g、第2送信プログラム402hおよび印刷指示プログラム402iを含む。
通信プログラム402aは、ネットワーク16を介して間接的に、または、ネットワーク16を介さずに直接的に、情報処理装置14、他の画像形成装置12または外部のコンピュータと通信するためのプログラムである。また、通信プログラム402aは、FAX通信回線網を介して、他の装置とファクシミリ通信するためのプログラムである。
表示プログラム402bは、後述する画像生成データ404aを用いて、印刷データ選択画面140などの各種の画面に対応する表示画像データを生成し、ディスプレイ72に出力するためのプログラムである。
操作検出プログラム402cは、入力装置70が操作されたことに応じて入力制御回路64から出力される操作データを取得するためのプログラムである。また、入力装置70としてタッチパネルが設けられる場合には、入力制御回路64から出力されるタッチ座標データを取得するためのプログラムでもある。CPU52は、操作検出プログラム402cによって取得された操作データまたはタッチ座標データに応じて、ディスプレイ72に表示される各種の画面に含まれる各種のボタンやアイコンなどが操作されたかどうかを判断する。
受信プログラム402dは、情報処理装置14から送信される印刷データを受信するためのプログラムである。また、受信プログラム402dは、親機12aから送信される印刷データを受信するためのプログラムである。ただし、印刷データの受信時には、通信プログラム402aが実行される。
記憶プログラム402eは、受信した印刷データが登録印刷機能を利用する印刷ジョブに係る印刷データである場合に、当該印刷データを補助記憶部56に記憶するためのプログラムである。
第1送信プログラム402fは、登録印刷機能を利用する印刷ジョブの印刷指示を受け付けた場合に、印刷指示に係る出力用の印刷データを出力用の子機12bに送信するためのプログラムである。ただし、印刷データの送信時には、通信プログラム402aが実行される。
判断プログラム402gは、出力用の印刷データに送信指示データが含まれるかどうかを判断するためのプログラムである。
第2送信プログラム402hは、出力用の印刷データに送信指示データが含まれる場合であって、当該出力用の印刷データに含まれる印刷画像データを送信先装置に送信するためのプログラムである。ただし、印刷画像データの送信時には、通信プログラム402aが実行される。
印刷指示プログラム402iは、親機12aに対して、ユーザが選択した出力用の印刷データに係る印刷ジョブの印刷指示を送信するためのプログラムである。
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域402には、画像読取部60を制御して、原稿の画像を読み取り(スキャンし)、読み取った画像に対応する画像信号(読取画像データ)を出力するための画像読取プログラム、画像形成部62を制御して、印刷画像データに応じて多色または単色の画像を記録媒体(用紙)に形成するための画像形成プログラム、画像形成装置12が備える各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。また、プログラム記憶領域402には、送信先装置の宛先情報データが自装置に記憶されていない場合に、送信先装置の宛先情報データを記憶先の装置(たとえば情報処理装置14)から取得するための取得プログラムなども記憶される。
また、親機12aにおける画像形成装置用の制御プログラムでは、印刷指示プログラム402iが省略されてもよい。さらに、子機12bにおける画像形成装置用の制御プログラムでは、第1送信プログラム402f、判断プログラム402gおよび第2送信プログラム402hが省略されてもよい。
また、RAM54のデータ記憶領域404には、画像生成データ404a、操作データ404b、印刷データ404cおよび宛先情報データ404dなどが記憶される。
画像生成データ404aは、ディスプレイ72に表示する各種の画面に対応する表示画像データを生成するためのポリゴンデータまたはテクスチャデータ等のデータである。操作データ404bは、操作検出プログラム402cに従って検出した操作データであり、時系列に従って記憶される。印刷データ404cは、少なくとも、印刷画像データ、通常の印刷条件のデータおよび登録印刷機能の有効/無効を示すデータ等を含む印刷ジョブのデータである。また、印刷データ404cは、送信指示データを含むことがある。宛先情報データ404dは、候補装置および送信先装置の宛先情報のデータである。
なお、図示は省略するが、データ記憶領域404には、画像形成装置用の制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたり、画像形成装置用の制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)やレジスタが設けられたりする。
図11は親機12aのCPU52aの送信処理の一例を示すフロー図である。この送信処理は、印刷指示を受け付けた場合に開始される。
図11に示すように、送信処理が開始されると、CPU52aは、ステップS1で、印刷指示に係る出力用の印刷データに送信指示データが含まれるかどうかを判断する。ステップS1で“NO”であれば、つまり、出力用の印刷データに送信指示データが含まれないと判断した場合は、ステップS3で、出力用の印刷データをそのまま出力用の子機12bに送信して、送信処理を終了する。
一方、ステップS1で“YES”であれば、つまり、出力用の印刷データに送信指示データが含まれると判断した場合には、ステップS5で、送信指示データを削除した出力用の印刷データを出力用の子機12bに送信して、ステップS7で、出力用の印刷データに含まれる印刷画像データを送信先装置に送信して、送信処理を終了する。
図12は子機12bのCPU52bの印刷処理の一例を示すフロー図である。この印刷処理は、子機12bで印刷指示操作を受け付けた場合に開始される。
図12に示すように、印刷処理が開始されると、CPU52bは、ステップS31で、印刷指示を親機12aに送信して、ステップS33で、印刷データを受信したかどうかを判断する。ステップS33で“NO”であれば、つまり、印刷データを受信しないと判断した場合は、ステップS33に戻る。
一方、ステップS33で“YES”であれば、つまり、印刷データを受信したと判断した場合には、ステップS35で、印刷データに従って印刷ジョブを実行して、印刷処理を終了する。
この第1実施例では、親機12aが、印刷データの印刷指示を受け付けた場合に、印刷データを出力用の子機12bに送信するとともに、当該印刷データに送信指示データが含まれる場合に、印刷データに含まれる印刷画像データを送信先装置に送信するようにした。このため、ユーザが所望の画像形成装置(子機12b)で印刷処理を行うことができ、印刷処理と同時に印刷画像を所望の送信先装置に送信できる。したがって、ユーザの利便性を向上させることができる。
[第2実施例]
第2実施例の画像形成システム10は、出力用の印刷データに含まれる印刷画像データが送信先装置に送信された場合に、出力用の子機12bにおいて印刷画像データの送信結果がユーザに通知されるようにした以外は第1実施例と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
第2実施例では、出力用の印刷データに送信指示データが含まれる場合には、親機12aは、送信指示データを削除した出力用の印刷データを出力用の子機12bに送信し、出力用の印刷データに含まれる印刷画像データを送信先装置に送信するとともに、印刷画像データの送信結果のデータ(送信結果データ)を出力用の子機12bに送信する。
出力用の子機12bは、印刷画像データの送信結果を取得(受信)すると、印刷画像データの送信結果をユーザに通知する。たとえば、図13に示すように、印刷画像データの送信結果をユーザに通知するための通知画面160がディスプレイ72に表示される。すなわち、印刷画像データの送信結果が画面通知される。
通知画面160は、通知文162および指示部164を含む。なお、指示部164は、OKアイコン164aおよびキャンセルアイコン164bを含む。
通知文162は、たとえば“印刷画像データが正しく送信されました。”のように、出力用の印刷データに含まれる印刷画像データが送信先装置に送信された旨をユーザに通知するためのメッセージである。なお、通知画面160のような画面通知に代えて、またはこれに加えて、出力用の印刷データに含まれる印刷画像データが送信先装置に送信された旨が音声通知されるようにしてもよい。
また、第2実施例では、上述したような動作を実現するために、画像形成装置用の制御プログラムは、印刷画像データの送信結果をユーザに通知するための通知プログラムを含む。通知プログラムは、印刷画像データの送信結果を出力用の子機12bに送信するためのプログラムおよび印刷画像データの送信結果を受信した場合に画面通知および/または音声通知を行うためのプログラムなどを含む。
以下、フロー図を用いて、第2実施例における送信処理および印刷処理について説明するが、第1実施例で説明した送信処理および印刷処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。
図14は第2実施例における送信処理の一例の一部を示すフロー図である。図14に示すように、親機12aのCPU52aは、送信処理を開始すると、ステップS7で、印刷画像データを送信先装置に送信して、ステップS51で、送信結果データを出力用の子機12bに送信して、送信処理を終了する。
なお、ステップS7までの処理の内容については、第1実施例と同じであるので説明を省略する。
図15は第2実施例における印刷処理の一例の一部を示すフロー図である。図15に示すように、子機12bのCPU52bは、印刷処理を開始すると、ステップS35で、印刷データに従って印刷ジョブを実行して、ステップS71で、送信結果データを受信したかどうかを判断する。ステップS71で“YES”であれば、つまり、送信結果データを受信したと判断した場合には、ステップS73で、印刷画像データの送信結果データをユーザに通知して、印刷処理を終了する。
一方、ステップS71で“NO”であれば、つまり、送信結果データを受信しないと判断した場合には、ステップS75で、印刷ジョブを開始してからまたは印刷ジョブが終了してから所定時間経過(たとえば、30~120秒)したかどうかを判断する。ステップS75で“NO”であれば、つまり、所定時間経過していないと判断した場合には、ステップS71に戻る。一方、ステップS75で“YES”であれば、つまり、所定時間経過したと判断した場合には、印刷処理を終了する。
なお、ステップS35までの処理の内容については、第1実施例と同じであるので説明を省略する。
この第2実施例によれば、印刷画像データの送信結果をユーザが認識することができ、ユーザの利便性をより向上させることができる。
なお、上述の実施例で挙げた具体的な構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。また、上述の実施例で示したフロー図の各ステップは、同じ結果が得られるのであれば、処理される順番は適宜変更することが可能である。