JP2024032296A - 運搬車両 - Google Patents

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洋二 坂口
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【課題】冷却ファン停止時のエネルギー損失の発生を抑制する。【解決手段】運搬車両は、第1油圧ポンプからの作動油によって駆動される冷却ファン用の油圧モータ及びホイストシリンダと、第2油圧ポンプからの作動油によって駆動されるステアリング回路と、第1、第2油圧ポンプの作動油を合流させてホイスト制御弁に導く合流制御弁と、を備える。ファン制御弁、合流制御弁及びホイスト制御弁は、センタバイパスラインにタンデムに接続される。ファン制御弁は、第1油圧ポンプと合流制御弁とを連通する中立位置と、第1油圧ポンプと油圧モータとを連通する回転位置とを有する。合流制御弁は、非合流位置にある場合、中立位置にあるファン制御弁を介して第1油圧ポンプとホイスト制御弁とを連通するとともに第2油圧ポンプとステアリング回路とを連通し、第2油圧ポンプとホイスト制御弁との連通を遮断する。【選択図】図3

Description

本発明は、冷却ファンを備えたダンプトラック等の運搬車両に関する。
冷却ファンを備えたダンプトラック等の運搬車両が知られている(特許文献1参照)。冷却ファンにより生成された冷却風は、エンジン冷却水などの冷却対象を冷却する。特許文献1には、作業機ポンプの小型化、低コスト化を目的として、油圧アクチュエータに作動油を供給する作業機ポンプと、ファンモータに作動油を供給するファンポンプと、ファンポンプの吐出部を油圧アクチュエータ及びファンモータ間で切り換えて接続する合流制御弁(回路切換弁)と、を備えた運搬車両が開示されている。
特開2009-228874号公報
運搬車両では、積荷の有無や道路勾配などによって走行時の負荷が変化する。例えば、空荷走行、平地走行などは、積荷走行、登坂走行などに比べて負荷が低い走行状態である。負荷が低い走行状態では、冷却ファンによる冷却対象の冷却が不要になることがある。しかしながら、特許文献1に記載の油圧回路の構成では、冷却ファンを停止するために合流制御弁を切り換えてファンポンプの吐出部とステアリング駆動用の油圧回路とを接続する必要がある。このため、特許文献1に記載の運搬車両では、走行中に作動頻度の高いステアリングシリンダの作動圧がファンポンプに作用することになる。その結果、ファンポンプの負荷が上昇し、エネルギー損失が発生する。
本発明は、冷却ファン停止時のエネルギー損失の発生を抑制可能な運搬車両を提供することを目的とする。
本発明の一態様による運搬車両は、車体に対して回動可能に設けられた荷台と、原動機によって駆動される第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプから供給される作動油によって駆動される油圧モータと、前記油圧モータによって駆動される冷却ファンと、前記冷却ファンにより生成される冷却風により、冷却対象を冷却する熱交換器と、前記荷台と前記車体との間に伸縮可能に設けられ、前記第1油圧ポンプから供給される作動油によって駆動されるホイストシリンダと、前記第1油圧ポンプから前記油圧モータに供給される作動油の流れを制御するファン制御弁と、前記第1油圧ポンプから前記ホイストシリンダに供給される作動油の流れを制御するホイスト制御弁と、前記第2油圧ポンプから供給される作動油によって駆動されるステアリングシリンダを有するステアリング回路と、を備えた運搬車両において、前記第2油圧ポンプから吐出される作動油を前記第1油圧ポンプから吐出される作動油に合流させて前記ホイスト制御弁に導く合流位置と、前記第1油圧ポンプから吐出される作動油を前記ホイスト制御弁に導くとともに前記第2油圧ポンプから吐出される作動油を前記ステアリング回路に導く非合流位置とを有する合流制御弁をさらに備え、前記ファン制御弁、前記合流制御弁及び前記ホイスト制御弁は、前記第1油圧ポンプと作動油タンクとを接続する油路にタンデムに接続され、前記ファン制御弁は、前記合流制御弁の上流側に配置され、前記合流制御弁は、前記ホイスト制御弁の上流側に配置され、前記ファン制御弁は、前記第1油圧ポンプと前記合流制御弁とを連通し、前記第1油圧ポンプと前記油圧モータとの連通を遮断する中立位置と、前記第1油圧ポンプと前記合流制御弁との連通を遮断し、前記第1油圧ポンプと前記油圧モータとを連通する回転位置と、を有し、前記合流制御弁は、前記合流位置にある場合、前記中立位置にある前記ファン制御弁を介して前記第1油圧ポンプと前記ホイスト制御弁とを連通するとともに前記第2油圧ポンプと前記ホイスト制御弁とを連通し、前記第2油圧ポンプと前記ステアリング回路との連通を遮断し、前記非合流位置にある場合、前記中立位置にある前記ファン制御弁を介して前記第1油圧ポンプと前記ホイスト制御弁とを連通するとともに前記第2油圧ポンプと前記ステアリング回路とを連通し、前記第2油圧ポンプと前記ホイスト制御弁との連通を遮断する。
本発明によれば、冷却ファン停止時のエネルギー損失の発生を抑制可能な運搬車両を提供することができる。
図1は、ダンプトラックの外観を表す斜視図である。 図2は、ダンプトラックの構成を示す平面模式図である。 図3は、ダンプトラックの油圧システムを示す図。 図4は、第1実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 図5は、第1油圧ポンプの吐出容量q(傾転角)と吐出流量Qとの関係を示す図である。 図6は、冷却水温度Tcと吐出容量qとの関係を規定する容量制御テーブルを示す図である。 図7は、第1実施形態に係る制御装置により実行されるファン制御の処理の流れの一例について示すフローチャートである。 図8は、冷却水温度Tcに応じたファン制御弁の切換位置及び第1油圧ポンプの吐出流量Qの関係を示す図である。 図9は、第2実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 図10は、第2実施形態に係る制御装置により実行されるエンジン始動時の損失低減制御の処理の流れの一例について示すフローチャートである。 図11は、第3実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 図12は、荷台用の操作装置の操作位置及び冷却水温度と、各制御弁の切換位置との関係について示す表である。
<第1実施形態>
図面を参照して、本発明の第1実施形態に係る運搬車両について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る運搬車両の一例であるダンプトラック100の外観を表す斜視図である。以下の説明において断り書きのない場合は運転席の前方(同図中においては左手前方向、矢印参照)を車体101の前方とする。
図1に示したダンプトラック100は鉱山等で稼働する大型のものであり、車体101、キャブ103、荷台104、前輪105及び後輪106を備えている。キャブ103は支持ベース102により支持され、車体101上における前側でかつ左側に位置している。キャブ103は、ダンプトラック100のオペレータが乗降する運転室を形成し、その内部には運転席、アクセルペダル、ブレーキペダル、操舵用のハンドル29(図3参照)、荷台用の操作装置91(図3参照)等が設けられている。
荷台104は車体101の後部に起伏可能に搭載されている。荷台104は、車体101の後部側に連結ピンを介して回動可能に支持され、ホイストシリンダ10(図3参照)の伸縮動作によって連結ピンを支点として上下動する。前輪105は車体101の前部の左右、後輪106は車体101の後部の左右でそれぞれ車体101を走行可能に支持している。前輪105は、ダンプトラック100のオペレータによって操舵(ステアリング操作)される操舵輪を構成し、ダンプトラック100のオペレータが操舵用のハンドル29を操作したときに、後述する左右のステアリングシリンダ34,35(図3参照)の伸縮動作に伴って舵取り操作される。後輪106は、ダンプトラック100の駆動輪を構成し、走行駆動装置(不図示)により回転駆動される。
車体101の前面には、フロントグリル107が設けられている。フロントグリル107には、外気を車体101の内部に取り入れる通気孔が複数設けられている。
図2は、ダンプトラック100の構成を示す平面模式図である。図2に示すように、車体101の内部には、エンジン1、エンジン1に接続される発電機80、エンジン1に接続される複数の油圧ポンプ、冷却風を生成する冷却ファン9、及び冷却ファン9により生成される冷却風によりエンジン冷却水を冷却する熱交換器であるラジエータ23が搭載されている。エンジン冷却水は、エンジン1を冷却する冷媒であって、冷却ファン9により生成される冷却風により冷却される冷却対象である。なお、図2では、熱交換器としてラジエータ23のみが図示されているが、作動油を冷却するオイルクーラ等の熱交換器が搭載される場合もある。
原動機としてのエンジン1は、例えば大型のディーゼルエンジン等により構成されている。冷却ファン9は、後述するファンモータ8(図3参照)によって駆動される。冷却ファン9は、車体101の前側からフロントグリル107を通じて外気を吸込み、車体101の前側から後側に向かって流れる冷却風を生成する(矢印F1参照)。フロントグリル107の後側には、ラジエータ23が配置されているため、ラジエータ23が冷却風により冷却される。
ラジエータ23は、冷却ファン9により生成された冷却風(空気)との間で熱交換を行い、エンジン1によって熱せられたエンジン冷却水を冷却する。ラジエータ23により冷却されたエンジン冷却水は、エンジン1に戻り、エンジン1を冷却する。なお、ラジエータ23は、車体101の前部に配置されているため、走行風(矢印F2参照)を受ける。したがって、ラジエータ23内のエンジン冷却水は、冷却風だけでなく、走行風によっても冷却される。
図3を参照して、ダンプトラック100の油圧システム110について説明する。図3に示すように、ダンプトラック100の油圧システム110は、エンジン1によって駆動される可変容量型の第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3並びに固定容量型の油圧ポンプ(以下、パイロットポンプと記す)4と、荷台104と車体101との間に伸縮可能に設けられ、第1油圧ポンプ2から供給される作動油によって駆動される一対のホイストシリンダ(図3では一つのみ図示)10と、第1油圧ポンプ2から供給される作動油によって駆動されるファンモータ8と、第2油圧ポンプ3から供給される作動油によって駆動される左右一対のステアリングシリンダ34,35を有するステアリング回路33と、作動油が貯留される作動油タンク22と、第1油圧ポンプ2と作動油タンク22とを接続する油路であるセンタバイパスラインCL上に設けられるファン制御弁5、合流制御弁6及びホイスト制御弁7と、ダンプトラック100の各部を制御する制御装置50と、を備えている。
第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3は、エンジン1により駆動されることにより、作動油タンク22から作動油を吸い込み、高圧の作動油(圧油)を吐出する。第1油圧ポンプ2の吐出口は、センタバイパスラインCLを介して作動油タンク22に接続されている。ファン制御弁5、合流制御弁6及びホイスト制御弁7は、センタバイパスラインCLに沿ってタンデムに接続されている。ファン制御弁5は、第1油圧ポンプ2からファンモータ8に供給される作動油の流れ、及び、ファンモータ8から作動油タンク22に排出される作動油の流れを制御する。ホイスト制御弁7は、第1油圧ポンプ2からホイストシリンダ10に供給される作動油の流れ、及び、ホイストシリンダ10から作動油タンク22に排出される作動油の流れを制御する。合流制御弁6は、第2油圧ポンプ3から吐出される作動油の供給先の回路を切り換える回路切換弁として機能する。
ファン制御弁5には、センタバイパスラインCLから分岐する供給油路61が接続される。合流制御弁6は、センタバイパスラインCLにおけるファン制御弁5の下流側に設けられる。合流制御弁6には、第2油圧ポンプ3の吐出口から延在する供給油路63が接続される。ホイスト制御弁7は、センタバイパスラインCLにおける合流制御弁6の下流側に設けられる。ホイスト制御弁7には、センタバイパスラインCLから分岐する供給油路62が接続される。ファンモータ8からの戻り油は、戻り油路68を通じて作動油タンク22に排出される。ホイストシリンダ10からの戻り油は、戻り油路69を通じて作動油タンク22に排出される。
ファンモータ8は、冷却ファン9を回転駆動させる油圧モータである。ファンモータ8の出入口(吸入口及び吐出口)は、一対のモータ油路81,82によってファン制御弁5に接続されている。一対のモータ油路81,82は、ファン制御弁5を介して第1油圧ポンプ2及び作動油タンク22にそれぞれ接続される。
モータ油路81には、モータ油路81の最高圧力を規定するリリーフ弁11が接続されている。モータ油路82には、モータ油路82の最高圧力を規定するリリーフ弁12が設けられている。一対のリリーフ弁11,12は、一対のモータ油路81,82内の圧力が所定値を超えると、作動油を作動油タンク22に逃がし、一対のモータ油路81,82を含むファン回路の油圧機器を保護する。
一対のモータ油路81,82と戻り油路68との間にはメイクアップ用の一対のチェック弁13,14が設けられている。チェック弁13は、戻り油路68からモータ油路81への作動油の流れを許容し、モータ油路81から戻り油路68への作動油の流れを禁止する逆止弁である。チェック弁14は、戻り油路68からモータ油路82への作動油の流れを許容し、モータ油路82から戻り油路68への作動油の流れを禁止する逆止弁である。
一対のチェック弁13,14は、ファンモータ8が慣性回転を行う場合、あるいはファンモータ8が走行風によって回転させられた場合において、モータ油路81またはモータ油路82内が負圧になると、作動油タンク22内の作動油を、戻り油路68を通じて負圧となったモータ油路81,82内に補給する。
ホイストシリンダ10は、車体101(図1参照)と荷台104(図1参照)との間に設けられる。ホイストシリンダ10は、荷台104を起伏させる1段式または多段式の油圧シリンダである。なお、図3では、2段式のホイストシリンダ10を示している。図3に示すホイストシリンダ10は、外側の外筒部10aと、外筒部10a内に摺動可能に設けられ、外筒部10a内を上側のボトム側油室10dと下側のロッド側油室10eとに画成した内筒部10bと、内筒部10b内に伸縮可能に設けられたピストンロッド10cと、を有する。
ホイストシリンダ10は、第1油圧ポンプ2から吐出された作動油(圧油)がボトム側油室10dに供給され、ロッド側油室10eから作動油(戻り油)が排出されることで、伸長する。ホイストシリンダ10が伸長することにより、連結ピンを支点として荷台104が上方に回動する。回動動作が完了すると、荷台104は、斜め後方へ下向きに傾斜した放土姿勢となる。ホイストシリンダ10は、第1油圧ポンプ2から吐出された作動油(圧油)がロッド側油室10eに供給され、ボトム側油室10d内から作動油(戻り油)が排出されることで、収縮する。ホイストシリンダ10が収縮することにより、連結ピンを支点として荷台104が下方に回動する。回動動作が完了すると、荷台104は倒伏した運搬姿勢となる。
ホイストシリンダ10のボトム側油室10d及びロッド側油室10eは、一対のアクチュエータ油路71,72によってホイスト制御弁7に接続されている。一対のアクチュエータ油路71,72は、ホイスト制御弁7を介して第1油圧ポンプ2及び作動油タンク22にそれぞれ接続されている。アクチュエータ油路71は、ホイストシリンダ10のボトム側油室10dに接続され、アクチュエータ油路72は、ホイストシリンダ10のロッド側油室10eに接続されている。
ステアリング回路33は、左右一対のステアリングシリンダ34,35と、第2油圧ポンプ3からステアリングシリンダ34,35に供給される作動油の流れを制御するステアリング制御弁31と、ステアリングシリンダ34,35とステアリング制御弁31とを接続するステアリング油路36,37と、第2油圧ポンプ3とステアリング制御弁31とを接続する高圧側油路38と、ステアリング制御弁31と作動油タンク22とを接続する低圧側油路39と、を備える。
左右のステアリングシリンダ34,35は、ハンドル29の操作に応じて伸縮することにより、左右の前輪105の操舵を行う。左側のステアリングシリンダ34は、ボトム側油室34aとロッド側油室34bとを有する油圧シリンダである。右側のステアリングシリンダ35は、ボトム側油室35aとロッド側油室35bとを有する油圧シリンダである。右側のステアリングシリンダ35のボトム側油室35aと左側のステアリングシリンダ34のロッド側油室34bとは、ステアリング油路36を介して接続されている。左側のステアリングシリンダ34のボトム側油室34aと右側のステアリングシリンダ35のロッド側油室35bとは、ステアリング油路37を介して接続されている。ステアリング油路36,37は、ステアリング制御弁31を介して高圧側油路38及び低圧側油路39に接続されている。
ハンドル29はキャブ103内に設けられている。ハンドル29は、オペレータによって左右方向に回転操作されることにより、ダンプトラック100の走行方向を制御する。ハンドル29のハンドル軸には油圧モータ30が連結され、この油圧モータ30の回転によってハンドル29に対する操作力が軽減される。
高圧側油路38には、アキュムレータ42が接続されている。アキュムレータ42は、第2油圧ポンプ3から吐出された作動油(圧油)を蓄圧する。高圧側油路38と低圧側油路39との間には、高圧側油路38の最高圧力を規定するリリーフ弁32が設けられている。したがって、高圧側油路38は、アキュムレータ42とリリーフ弁32とによって、所定の圧力に保持される。これにより、ハンドル29の操作時に適切にステアリングシリンダ34,35を駆動させ、車体101を任意の方向に旋回させることができる。なお、アキュムレータ42は、左右のステアリングシリンダ34,35に対する臨時の油圧源としても機能する。すなわち、第2油圧ポンプ3の故障等により、第2油圧ポンプ3から供給油路63に作動油が供給されないときには、アキュムレータ42に蓄圧された圧油が、左右のステアリングシリンダ34,35に供給される。
オペレータがハンドル29を回転操作すると、ステアリング制御弁31が中立位置(31N)から左右の操舵位置(31L),(31R)のいずれかに切り換えられる。これにより、第2油圧ポンプ3から供給された作動油がステアリング制御弁31を通じて左右のステアリングシリンダ34,35に供給され、ステアリングシリンダ34,35の一方が伸長し他方が収縮する。これにより、ダンプトラック100の左右の前輪105は、ハンドル29の回転操作に応じて操舵される。
ファン制御弁5は、例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成されている。ファン制御弁5は、単一の方向制御弁を用いて構成され、左右両側に油圧パイロット部5a,5bを有している。
ファン制御弁5は、スプール(弁体)を正転位置(5F)、逆転位置(5R)、及び中立位置(5N)に切り換え可能な切換弁である。ファン制御弁5は、通常時、油圧パイロット部5a,5bの双方が作動油タンク22に接続され、スプールがセンタリングスプリングにより中立位置(5N)に保持されている。
ファン制御弁5のスプールが中立位置(5N)にある場合、センタバイパスラインCLのファン制御弁5の上流側と下流側とが連通するとともに、供給油路61とモータ油路81,82との連通が遮断される。つまり、中立位置(5N)では、第1油圧ポンプ2と合流制御弁6とが連通し、第1油圧ポンプ2とファンモータ8との連通が遮断される。これにより、第1油圧ポンプ2から吐出された作動油は、ファン制御弁5を通じて合流制御弁6に供給される。また、ファン制御弁5のスプールが中立位置(5N)にある場合、ファン制御弁5の連通路5cによって、一対のモータ油路81,82同士が接続されるとともに一対のモータ油路81,82が戻り油路68に接続される。中立位置(5N)では、ファンモータ8の吸入口と吐出口と作動油タンク22とが連通路5cを介して連通しているため、外力による冷却ファン9の回転が許容されている。
ファン制御弁5のスプールが正転位置(5F)にある場合、供給油路61とモータ油路81とが連通するとともにモータ油路82と戻り油路68とが連通する。つまり、正転位置(5F)では、連通路5cを介したファンモータ8の吸入口と吐出口と作動油タンク22との連通が遮断され、ファンモータ8の吸入口と第1油圧ポンプ2とが連通するとともにファンモータ8の吐出口と作動油タンク22とが連通する。これにより、第1油圧ポンプ2から吐出された作動油は、供給油路61及びモータ油路81を通じてファンモータ8に供給され、ファンモータ8が正転方向に回転する。ファンモータ8から排出された作動油は、モータ油路82及び戻り油路68を通じて作動油タンク22に排出される。ファン制御弁5のスプールが逆転位置(5R)にある場合、供給油路61とモータ油路82とが連通するとともにモータ油路81と戻り油路68とが連通する。つまり、逆転位置(5R)では、連通路5cを介したファンモータ8の吸入口と吐出口と作動油タンク22との連通が遮断され、ファンモータ8の吸入口と第1油圧ポンプ2とが連通するとともにファンモータ8の吐出口と作動油タンク22とが連通する。これにより、第1油圧ポンプ2から吐出された作動油は、供給油路61及びモータ油路82を通じてファンモータ8に供給され、ファンモータ8が正転方向とは反対の方向である逆転方向に回転する。ファンモータ8から排出された作動油は、モータ油路81及び戻り油路68を通じて作動油タンク22に排出される。
このように、正転位置(5F)及び逆転位置(5R)は、第1油圧ポンプ2とファンモータ8とを連通し、第1油圧ポンプ2から吐出される作動油によってファンモータ8を回転させる回転位置である。なお、ファン制御弁5のスプールが回転位置(5F),(5R)にある場合、センタバイパスラインCLを介した第1油圧ポンプ2と合流制御弁6との連通が遮断される。
合流制御弁6は、例えば6ポート3位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成されている。合流制御弁6は、単一の方向制御弁を用いて構成され、左右両側に油圧パイロット部6a,6bを有している。
合流制御弁6は、スプール(弁体)を合流位置(6C)、分流位置(6D)、及び中立位置(6N)に切り換え可能な切換弁である。合流制御弁6は、通常時、油圧パイロット部6a,6bの双方が作動油タンク22に接続され、スプールがセンタリングスプリングにより中立位置(6N)に保持されている。
合流制御弁6のスプールが合流位置(6C)にある場合、供給油路63とセンタバイパスラインCLとが連通し、供給油路63とステアリング回路33の高圧側油路38との連通が遮断される。したがって、合流制御弁6が合流位置(6C)にある場合には、中立位置(5N)にあるファン制御弁5を介して第1油圧ポンプ2とホイスト制御弁7とが連通するとともに第2油圧ポンプ3とホイスト制御弁7とが連通し、第2油圧ポンプ3とステアリング回路33との連通が遮断される。これにより、合流制御弁6が合流位置(6C)にある場合であって、ファン制御弁5が中立位置(5N)にあるときには、第1油圧ポンプ2から吐出される作動油と第2油圧ポンプ3から吐出される作動油とが合流してホイスト制御弁7に導かれる。
合流制御弁6のスプールが中立位置(6N)にある場合、供給油路63とステアリング回路33の高圧側油路38とが連通する。また、合流制御弁6のスプールが中立位置(6N)にある場合、センタバイパスラインCLの合流制御弁6の上流側と下流側とが連通する。つまり、中立位置(6N)では、ファン制御弁5とホイスト制御弁7とが連通する。したがって、合流制御弁6が中立位置(6N)にある場合には、中立位置(5N)にあるファン制御弁5を介して第1油圧ポンプ2とホイスト制御弁7とが連通するとともに第2油圧ポンプ3とステアリング回路33とが連通し、第2油圧ポンプ3とホイスト制御弁7との連通が遮断される。これにより、合流制御弁6が中立位置(6N)にある場合であって、ファン制御弁5が中立位置(5N)にあるときには、第1油圧ポンプ2から吐出された作動油はファン制御弁5及び合流制御弁6を通じてホイスト制御弁7に導かれ、第2油圧ポンプ3から吐出された作動油はステアリング回路33に導かれる。つまり、中立位置(6N)は、第1油圧ポンプ2から吐出される作動油と第2油圧ポンプ3から吐出される作動油を合流させない非合流位置である。
合流制御弁6のスプールが分流位置(6D)にある場合、供給油路63がステアリング回路33の高圧側油路38とアクチュエータ油路85に連通する。これにより、第2油圧ポンプ3から吐出される作動油が分流して、ステアリング回路33とアクチュエータ油路85に導かれる。このため、アクチュエータ油路85に接続されるアタッチメントアクチュエータ86は、走行中に動作可能となる。なお、分流位置(6D)は、中立位置(6N)と同様、第1油圧ポンプ2から吐出される作動油と第2油圧ポンプ3から吐出される作動油を合流させない非合流位置である。
ホイスト制御弁7は、例えば6ポート4位置の油圧パイロット式方向制御弁により構成されている。ホイスト制御弁7は、単一の方向制御弁を用いて構成され、左右両側に油圧パイロット部7a,7bを有している。
ホイスト制御弁7は、複数の切換位置として、作動油の供給及び排出によりホイストシリンダ10を伸長させて荷台104を上向きに回動させる上げ位置(7R)と、作動油の供給及び排出によりホイストシリンダ10を収縮させて荷台104を下向きに回動させる下げ位置(7L)と、荷台104の自重によりホイストシリンダ10を収縮させて荷台104の自重落下を許容する浮き位置(7F)と、作動油の供給及び排出を停止して荷台104を保持する中立位置(7N)と、を有する。ホイスト制御弁7は、スプール(弁体)を上げ位置(7R)、下げ位置(7L)、浮き位置(7F)、及び中立位置(7N)に切り換え可能な切換弁である。ホイスト制御弁7は、通常時、油圧パイロット部7a,7bの双方が作動油タンク22に接続され、スプールがセンタリングスプリングにより中立位置(7N)に保持されている。
ホイスト制御弁7のスプールが中立位置(7N)にある場合、供給油路62及び戻り油路69とアクチュエータ油路71,72との連通が遮断される。これにより、ホイストシリンダ10への作動油の供給と、ホイストシリンダ10からの作動油の排出が停止するため、ホイストシリンダ10の動きが止まる。また、ホイスト制御弁7のスプールが中立位置(7N)にある場合、センタバイパスラインCLのホイスト制御弁7の上流側と下流側とが連通する。
ホイスト制御弁7のスプールが上げ位置(7R)にある場合、供給油路62とアクチュエータ油路71とが連通するとともにアクチュエータ油路72と戻り油路69とが連通する。なお、センタバイパスラインCLのホイスト制御弁7の上流側と下流側との連通は遮断される。これにより、ファン制御弁5が中立位置(5N)にある場合には、第1油圧ポンプ2から吐出された作動油は、供給油路62及びアクチュエータ油路71を通じてホイストシリンダ10のボトム側油室10dに供給される。また、ロッド側油室10e内の作動油が、アクチュエータ油路72及び戻り油路69を通じて作動油タンク22に排出される。これにより、ホイストシリンダ10が伸長する方向、すなわち荷台104を持上げる方向に駆動される。
ホイスト制御弁7のスプールが下げ位置(7L)にある場合、供給油路62とアクチュエータ油路72とが連通するとともにアクチュエータ油路71と戻り油路69とが連通する。なお、センタバイパスラインCLのホイスト制御弁7の上流側と下流側との連通は遮断される。これにより、ファン制御弁5が中立位置(5N)にある場合には、第1油圧ポンプ2から吐出された作動油は、供給油路62及びアクチュエータ油路72を通じてホイストシリンダ10のロッド側油室10eに供給される。また、ボトム側油室10d内の作動油が、アクチュエータ油路71及び戻り油路69を通じて作動油タンク22に排出される。これにより、ホイストシリンダ10が収縮する方向、すなわち荷台104を下降させる方向に駆動される。
ホイスト制御弁7のスプールが浮き位置(7F)にある場合、供給油路62とホイスト制御弁7の下流側のセンタバイパスラインCLとが連通する。また、ホイスト制御弁7のスプールが浮き位置(7F)にある場合、アクチュエータ油路71と戻り油路69とが連通する。これにより、ホイストシリンダ10は、ボトム側油室10d内の作動油が作動油タンク22に排出され、ロッド側油室10e内には、図示しない油路を介して作動油タンク22内の作動油が補給される。したがって、ホイスト制御弁7が浮き位置(7F)にある場合には、ホイストシリンダ10が荷台104側の自重によって収縮可能となっている。
パイロットポンプ4は、パイロット油路を介して複数の電磁弁16~21に接続されている。パイロットポンプ4と複数の電磁弁16~21との間のパイロット油路には、パイロット油路の圧力を規定するパイロットリリーフ弁15が設けられている。複数の電磁弁16~21は、制御装置50からの制御電流に応じて、パイロット油路の圧力(一次圧)を減圧して、減圧後の圧力(二次圧)をパイロット圧として出力する減圧弁である。電磁弁16~21は、オフ信号としての待機用の制御電流が入力されているときには、油圧パイロット部5a,5b,6a,6b,7a,7bと作動油タンク22とを連通する。電磁弁16~21は、オン信号としての駆動用の制御電流が入力されているときには、油圧パイロット部5a,5b,6a,6b,7a,7bに生成したパイロット圧を出力する。
ファン制御弁5を駆動させるための電磁弁16,17は、エンジン冷却水の温度に応じて制御装置50から出力される制御指令(制御電流)に応じて、動作する。ホイスト制御弁7を駆動させるための電磁弁18,19は、荷台用の操作装置91の操作に応じて制御装置50から出力される制御指令(制御電流)に応じて、動作する。合流制御弁6を駆動させるための電磁弁20,21は、荷台用の操作装置91及び図示しないアタッチメントアクチュエータ86の操作装置の操作に応じて制御装置50から出力される制御指令(制御電流)に応じて、動作する。
制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の処理装置51、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の不揮発性メモリ52、所謂RAM(Random Access Memory)と呼ばれる揮発性メモリ53、入出力インタフェース、及び、その他の周辺回路を備えたコンピュータで構成される。これらのハードウェアは、協働してソフトウェアを動作させ、複数の機能を実現する。なお、制御装置50は、1つのコンピュータで構成してもよいし、複数のコンピュータで構成してもよい。
不揮発性メモリ52には、各種演算が実行可能なプログラム、各種演算に用いられるデータ(データテーブル、閾値、数式等)が格納されている。すなわち、不揮発性メモリ52は、本実施形態の機能を実現するプログラムを読み取り可能な記憶媒体(記憶装置)である。揮発性メモリ53は、処理装置51による演算結果及び入出力インタフェースから入力された信号を一時的に記憶する記憶媒体(記憶装置)である。処理装置51は、不揮発性メモリ52に記憶されたプログラムを揮発性メモリ53に展開して演算実行する装置であって、プログラムに従って入出力インタフェース、不揮発性メモリ52及び揮発性メモリ53から取り入れたデータに対して所定の演算処理を行う。
制御装置50の入出力インタフェースには、ホイスト制御弁7の切換操作、すなわちホイストシリンダ10の操作を行う操作装置91が接続されている。操作装置91は、例えば電気レバー装置により構成され、キャブ103内のオペレータによって手動で傾転操作される操作レバー91aを有している。操作装置91は、ホイスト制御弁7の各切換位置、すなわち中立位置(7N)、上げ位置(7R)、浮き位置(7F)及び下げ位置(7L)に対応する中立位置、上げ位置、浮き位置及び下げ位置のいずれかに操作される。操作装置91は、操作位置に応じた操作信号を制御装置50に出力する。
制御装置50の入出力インタフェースには、温度センサ25が接続されている。温度センサ25は、エンジン1の冷却水系統28を流れるエンジン冷却水の温度を検出し、その検出結果を表す信号を制御装置50に出力する。冷却水系統28は、エンジン冷却水を貯留する冷却水タンク27と、冷却水タンク27内のエンジン冷却水を吸い込んで吐出する冷却水循環ポンプ24と、冷却風によってエンジン冷却水を冷却するラジエータ23と、を含んで構成される。冷却水系統28は、冷却水循環ポンプ24によりエンジン冷却水を系統内で循環させることが可能な循環系統である。エンジン冷却水は、エンジン1等の冷却対象物26の熱を吸収することにより、冷却対象物26を冷却する。エンジン冷却水は、冷却対象物26から熱を受けることにより温度が上昇する。温度が上昇したエンジン冷却水は、ラジエータ23において冷却ファン9により生成された冷却風によって冷却される。温度センサ25は、例えば、冷却水タンク27または冷却水循環ポンプ24の吸入側の管路に設けられ、ラジエータ23に供給されるエンジン冷却水の温度を検出する。
入出力インタフェースの入力部は、各種装置(操作装置91、温度センサ25等)から入力された信号を処理装置51で演算可能なデータに変換する。また、入出力インタフェースの出力部は、処理装置51での演算結果に応じた出力用の信号を生成し、その信号を各種装置(電磁弁16~21、レギュレータ2a,3a等)に出力する。
制御装置50は、第1油圧ポンプ2のレギュレータ2a及び第2油圧ポンプ3のレギュレータ3aに制御信号を出力する。レギュレータ2aは、第1油圧ポンプ2の押しのけ容積(1回転当たりの吐出容量)を可変制御する容量制御装置であり、レギュレータ3aは、第2油圧ポンプ3の押しのけ容積(1回転当たりの吐出容量)を可変制御する容量制御装置である。例えば、油圧ポンプが斜板式のピストンポンプである場合、レギュレータは油圧ポンプの斜板の傾転角(押しのけ容積)を制御する傾転アクチュエータと、油圧ポンプの吐出圧を元圧として傾転アクチュエータの制御圧を生成する電磁比例弁とを有している。
制御装置50は、操作装置91が中立位置に操作されている場合には、温度センサ25により検出されるエンジン冷却水の温度(以下、冷却水温度とも記す)Tcに基づいて、ファン制御弁5を制御する。ファン制御弁5の制御内容については後述する。
制御装置50は、操作装置91が中立位置に操作されている場合には、ホイスト制御弁7を中立位置(7N)に保持させる。つまり、制御装置50は、電磁弁18,19の双方にオフ信号を出力する。制御装置50は、操作装置91が浮き位置に操作されている場合には、ホイスト制御弁7を浮き位置(7F)に切り換える制御を行う。つまり、制御装置50は、電磁弁18にオフ信号を出力するとともに電磁弁19に第1オン信号を出力する。これにより、電磁弁19により生成されたパイロット圧が油圧パイロット部7bに作用し、ホイスト制御弁7が浮き位置(7F)に切り換えられる。
制御装置50は、操作装置91が上げ位置に操作されている場合には、ホイスト制御弁7を上げ位置(7R)に切り換える制御を行う。つまり、制御装置50は、電磁弁18にオン信号を出力するとともに電磁弁19にオフ信号を出力する。これにより、電磁弁18により生成されたパイロット圧が油圧パイロット部7aに作用し、ホイスト制御弁7が上げ位置(7R)に切り換えられる。制御装置50は、操作装置91が下げ位置に操作されている場合には、ホイスト制御弁7を下げ位置(7L)に切り換える制御を行う。つまり、制御装置50は、電磁弁18にオフ信号を出力するとともに電磁弁19に第2オン信号を出力する。第2オン信号は第1信号よりも電流値が大きい。これにより、電磁弁19により生成されたパイロット圧が油圧パイロット部7bに作用し、ホイスト制御弁7が下げ位置(7L)に切り換えられる。
制御装置50は、操作装置91が上げ位置に操作されている場合には、合流制御弁6を合流位置(6C)に切り換える制御を行う。つまり、制御装置50は、電磁弁20にオン信号を出力するとともに電磁弁21にオフ信号を出力する。これにより、電磁弁20により生成されたパイロット圧が油圧パイロット部6aに作用し、合流制御弁6が合流位置(6C)に切り換えられる。
したがって、操作装置91が上げ位置に操作されると、第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3の双方から吐出される作動油がホイストシリンダ10に供給される。これにより、容量の大きいホイストシリンダ10をスムーズに伸長させ、荷台104から土砂等の積荷を放出することができる。本実施形態によれば、第1油圧ポンプ2から吐出される作動油のみを用いてホイストシリンダ10の伸長動作を実行する構成に比べて、第1油圧ポンプ2の小型化を図ることができる。
なお、制御装置50は、アタッチメントアクチュエータ86の操作装置(不図示)が操作されている場合には、合流制御弁6を分流位置(6D)に切り換える制御を行う。また、制御装置50は、操作装置91が中立位置、浮き位置及び下げ位置のいずれかに操作され、かつ、アタッチメントアクチュエータ86の操作装置が操作されていない場合には、合流制御弁6を中立位置(6N)に保持させる。
制御装置50は、例えば、冷却水温度Tcに基づき、ファン制御弁5の切換位置を制御して、ファンモータ8の回転と停止及びファンモータ8の回転方向を制御する。また、制御装置50は、例えば、冷却水温度Tcに基づき、レギュレータ2aを介して第1油圧ポンプ2の吐出容量qを最小容量qminから最大容量qmaxまでの範囲で制御することにより、ファンモータ8の回転速度を制御する。
なお、制御装置50は、例えば、圧力センサ(不図示)により検出されるアキュムレータ42の圧力に基づき、レギュレータ3aを介して第2油圧ポンプ3の吐出容量qを最小容量qminから最大容量qmaxまでの範囲で制御する。第2油圧ポンプ3の吐出容量qの最小容量qmin及び最大容量qmaxは、第1油圧ポンプ2と異なる値としてもよいし、同じ値としてもよい。
図4を参照して、冷却ファン9及び第1油圧ポンプ2の制御に関する制御装置50の機能について説明する。図4は、制御装置50の機能ブロック図である。図4に示すように、制御装置50は、不揮発性メモリ52に記憶されているプログラムを実行することにより、判定部54、弁制御部55、及びポンプ制御部56として機能する。
図4に示すように、判定部54は、温度センサ25により検出された冷却水温度Tcが第1閾値Tc1以上であるか否かを判定する。また、判定部54は、温度センサ25により検出された冷却水温度Tcが第2閾値Tc2以上であるか否かを判定する。第1閾値Tc1及び第2閾値Tc2は、予め不揮発性メモリ52に記憶されている。第1閾値Tc1及び第2閾値Tc2の大小関係は、Tc1<Tc2である。判定部54は、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満である場合、冷却ファン9の停止条件が成立したと判定する。したがって、第1閾値Tc1は、冷却ファン9の駆動を停止するか否かを判定するための閾値といえる。
弁制御部55は、判定部54の判定結果に基づき、ファン制御弁5の切換位置を制御する。判定部54により、冷却ファン9の停止条件は成立していないと判定された場合、弁制御部55は、電磁弁16にオン信号を出力するとともに電磁弁17にオフ信号を出力して、ファン制御弁5を正転位置(5F)に切り換える。ファン制御弁5が正転位置(5F)に切り換えられると、供給油路61とモータ油路81とが連通し、モータ油路82と戻り油路68とが連通する。これにより、ファンモータ8が第1油圧ポンプ2から供給される作動油によって回転する。
また、判定部54により、冷却ファン9の停止条件が成立したと判定された場合、弁制御部55は、電磁弁16,17にオフ信号を出力して、ファン制御弁5を中立位置(5N)に切り換える。ファン制御弁5が中立位置(5N)に切り換えられると、供給油路61とモータ油路81,82との連通が遮断される。また、モータ油路81とモータ油路82と作動油タンク22とがファン制御弁5の連通路5cを介して連通する。その結果、ファンモータ8は、時間の経過に従って減速し、停止する。ファンモータ8が、慣性により回転している間は、中立位置(5N)にあるファン制御弁5の連通路5cとチェック弁13あるいはチェック弁14を介して作動油タンク22から作動油が補給される。このため、ファンモータ8でのキャビテーションの発生を防止することができる。
ポンプ制御部56は、温度センサ25により検出された冷却水温度Tcに基づき、第1油圧ポンプ2の吐出流量Qを制御する。なお、第1油圧ポンプ2の吐出流量Qは、エンジン1の回転速度と、第1油圧ポンプ2の吐出容量(容積)qによって決まる。本実施形態に係るポンプ制御部56は、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを制御することにより、第1油圧ポンプ2の吐出流量Qを制御する。
図5は、第1油圧ポンプ2の吐出容量q(斜板の傾転角に相当)と吐出流量Qとの関係を示す図である。なお、第2油圧ポンプ3の吐出容量qと吐出流量Qの関係も図5に示す関係と同じであるため説明を省略する。図5に示すように、エンジン回転速度が一定である場合、第1油圧ポンプ2の吐出流量Qは、第1油圧ポンプ2の吐出容量qの増加に応じて比例的に増加する。吐出容量qが最小値(0%)である場合、吐出流量Qは最小流量Qminとなる。吐出容量qが最大値(100%)である場合、吐出流量Qは最大流量Qmaxとなる。
ポンプ制御部56は、予め不揮発性メモリ52に記憶されている容量制御テーブル(図6参照)を用いて、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを演算する。図6は、冷却水温度Tcと吐出容量qとの関係を規定する容量制御テーブルを示す図である。図6に示すように、容量制御テーブルにより規定される冷却水温度Tcと吐出容量qの関係は以下のとおりである。冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満では、吐出容量qは最小容量qminとなる。冷却水温度Tcが第1閾値Tc1以上第2閾値Tc2未満では、冷却水温度Tcの上昇に応じて吐出容量qが比例的に増加する。冷却水温度Tcが第2閾値Tc2以上では、吐出容量qは最大容量qmaxとなる。
ポンプ制御部56は、容量制御テーブルを参照し、温度センサ25により検出された冷却水温度Tcに基づき、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを演算する。したがって、ポンプ制御部56は、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満である場合には、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを最小容量qminに制御する。また、ポンプ制御部56は、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1以上である場合には、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを最小容量qminよりも大きい吐出容量qに制御する。具体的には、ポンプ制御部56は、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1以上かつ第2閾値Tc2未満である場合には、冷却水温度Tcが高くなるほど第1油圧ポンプ2の吐出容量qを増加させ、冷却水温度Tcが第2閾値Tc2以上である場合には、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを最大容量qmaxに制御する。
図7を参照して、制御装置50により実行されるファン制御の処理の流れの一例について説明する。図7のフローチャートに示す処理は、イグニッションスイッチ(不図示)がオンされることにより開始され、所定の制御周期で繰り返し実行される。
図7に示すように、ステップS110において、制御装置50は、温度センサ25から冷却水温度Tcを取得し、処理をステップS120に進める。ステップS120において、制御装置50は、ステップS110で取得した冷却水温度Tcが第1閾値Tc1以上であるか否かを判定する。ステップS120において、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1以上であると判定された場合には、処理がステップS130に進む。ステップS120において、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満であると判定された場合には、処理がステップS135に進む。
ステップS130において、制御装置50は、電磁弁16にオン信号を出力するとともに、電磁弁17にオフ信号を出力する。電磁弁16にオン信号が入力されると、電磁弁16によってパイロット圧が生成され、生成されたパイロット圧がファン制御弁5の油圧パイロット部5aに入力される。これにより、ファン制御弁5が、正転位置(5F)に切り換えられ、第1油圧ポンプ2から吐出される作動油によって、ファンモータ8が正転方向に回転する。
ステップS130の処理が終了すると、処理が次のステップS140に進む。ステップS140において、制御装置50は、ステップS110で取得した冷却水温度Tcが第2閾値Tc2以上であるか否かを判定する。ステップS140において、冷却水温度Tcが第2閾値Tc2以上であると判定された場合には、処理がステップS150に進む。ステップS140において、冷却水温度Tcが第2閾値Tc2未満であると判定された場合には、処理がステップS155に進む。
ステップS150において、制御装置50は、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを最大容量qmaxにするための制御信号をレギュレータ2aに出力して、本制御周期における図7のフローチャートに示す処理を終了する。ステップS155において、制御装置50は、容量制御テーブル(図6参照)とステップS110で取得した冷却水温度Tcに基づいて、第1油圧ポンプ2の吐出容量qの目標値を決定する。制御装置50は、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを冷却水温度Tcに応じた目標値にするための制御信号をレギュレータ2aに出力して、本制御周期における図7のフローチャートに示す処理を終了する。
上述したように、ステップS120において、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満であると判定された場合には、処理がステップS135に進む。ステップS135において、制御装置50は、電磁弁16,17にオフ信号を出力する。電磁弁16,17にオフ信号が入力されると、ファン制御弁5の油圧パイロット部5a,5bは作動油タンク22に接続される。これにより、ファン制御弁5は、センタリングスプリングの付勢力によって中立位置(5N)に切り換えられる。
ステップS135の処理が終了すると、処理が次のステップS137に進む。ステップS137において、制御装置50は、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを最小容量qminにするための制御信号をレギュレータ2aに出力して、本制御周期における図7のフローチャートに示す処理を終了する。
なお、図示しないが、制御装置50は、操作装置91が中立位置または浮き位置に操作されているか否かを判定し、操作装置91が中立位置または浮き位置に操作されている場合に、図7のフローチャートに示す制御を実行する。制御装置50は、操作装置91が上げ位置または下げ位置に操作されている場合には、冷却水温度Tcに関わらず、ファン制御弁5を中立位置(5N)に制御する。すなわち、制御装置50は、操作装置91が上げ位置または下げ位置に操作されている場合には、ホイストシリンダ10の動作を優先する。
また、図7のフローチャートでは、ステップS120で否定判定された場合にステップS137の処理が実行され、ステップS140で肯定判定された場合にステップS150の処理が実行され、ステップS140で否定判定された場合にステップS155の処理が実行される例について説明した。しかしながら、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満であるとき、及び、冷却水温度Tcが第2閾値Tc2以上であるときにも、制御装置50が容量制御テーブル(図6参照)を用いて吐出容量qの目標値を演算してもよい。例えば、ステップS137,S140,S150,S155の処理を省略し、ステップS110とステップS120との間においてステップS155に相当する処理を実行してもよい。
図8を参照して、本実施形態に係るダンプトラック100が走行しているときの油圧システム110の主な動作について説明する。なお、ダンプトラック100の走行中は、操作装置91が中立位置に操作されているため、ホイスト制御弁7は中立位置(7N)で保持されている。また、合流制御弁6は、中立位置(6N)あるいは分流位置(6D)にある。図8は、冷却水温度Tcに応じたファン制御弁5の切換位置及び第1油圧ポンプ2の吐出流量Qの関係を示す図である。ダンプトラック100の走行中、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1以上である場合、制御装置50は、ファン制御弁5を正転位置(5F)に切り換える制御を行う。つまり、制御装置50は、電磁弁16にオン信号を出力するとともに電磁弁17にオフ信号を出力する。これにより、ファン制御弁5が正転位置(5F)に切り換えられる。
ここで、例えば、土砂等の運搬物の放土動作を行った後の空荷走行中において、冷却風及び走行風により、ラジエータ23内を流れるエンジン冷却水の冷却が継続されると、冷却水温度Tcが低下する。冷却水温度Tcが第1閾値Tc1以上第2閾値Tc2未満の範囲では、冷却水温度Tcに応じて第1油圧ポンプ2の吐出容量qが制御される。さらに冷却水温度Tcが低下して、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満になると、制御装置50は、電磁弁16及び電磁弁17のそれぞれにオフ信号を出力する。これにより、ファン制御弁5が中立位置(5N)に切り換えられる。したがって、冷却ファン9の回転が時間の経過に伴って減速し、停止する。冷却ファン9による冷却風の生成が停止するため、エンジン冷却水の過冷却を防止することができる。また、制御装置50は、第1油圧ポンプ2の吐出流量Qを最小流量Qminに制御する。これにより、第1油圧ポンプ2から吐出された作動油は、中立位置(5N)にあるファン制御弁5、中立位置(6N)もしくは分流位置(6D)にある合流制御弁6、及び中立位置(7N)にあるホイスト制御弁7を通じて作動油タンク22に排出される。したがって、第1油圧ポンプ2と作動油タンク22とを接続するセンタバイパスラインCLでの圧力損失を低減し、第1油圧ポンプ2の吐出圧を低く抑えることができる。その結果、第1油圧ポンプ2の負荷が低減し、エンジン1の負荷が減少する。したがって、本実施形態によれば、第1油圧ポンプ2のエネルギー損失を低減し、燃料消費を抑えることができる。
上述した実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)ファン制御弁5、合流制御弁6及びホイスト制御弁7は、第1油圧ポンプ2と作動油タンク22とを接続するセンタバイパスライン(油路)CLにタンデムに接続される。センタバイパスラインCL上において、ファン制御弁5は合流制御弁6の上流側に配置され、合流制御弁6はホイスト制御弁7の上流側に配置される。合流制御弁6は、第2油圧ポンプ3から吐出される作動油を第1油圧ポンプ2から吐出される作動油に合流させてホイスト制御弁7に導く合流位置(6C)と、第1油圧ポンプ2から吐出される作動油をホイスト制御弁7に導くとともに第2油圧ポンプ3から吐出される作動油をステアリング回路33に導く非合流位置である中立位置(6N)及び分流位置(6D)とを有する。
ファン制御弁5は、第1油圧ポンプ2と合流制御弁6とを連通し、第1油圧ポンプ2とファンモータ(油圧モータ)8との連通を遮断する中立位置(5N)と、第1油圧ポンプ2と合流制御弁6との連通を遮断し、第1油圧ポンプ2とファンモータ8とを連通する回転位置としての正転位置(5F)及び逆転位置(5R)と、を有している。
合流制御弁6は、合流位置(6C)にある場合、中立位置(5N)にあるファン制御弁5を介して第1油圧ポンプ2とホイスト制御弁7とを連通するとともに第2油圧ポンプ3とホイスト制御弁7とを連通し、第2油圧ポンプ3とステアリング回路33との連通を遮断する。合流制御弁6は、非合流位置(6N),(6D)にある場合、中立位置(5N)にあるファン制御弁5を介して第1油圧ポンプ2とホイスト制御弁7とを連通するとともに第2油圧ポンプ3とステアリング回路33とを連通し、第2油圧ポンプ3とホイスト制御弁7との連通を遮断する。
この構成によれば、走行中など、ホイストシリンダ10の駆動が行われていない場合であって、ファン制御弁5が中立位置(5N)に切り換えられたときに、第1油圧ポンプ2から吐出される作動油は、ファン制御弁5、合流制御弁6及びホイスト制御弁7を通じて作動油タンク22に導かれる。このため、走行中などに冷却ファン9を停止したときのエネルギー損失の発生を抑制することができる。その結果、ダンプトラック100の燃料消費を低減することができる。なお、第2油圧ポンプ3から吐出された作動油は、合流制御弁6を通じてステアリング回路33に導かれるため、走行中は、任意の方向に旋回が可能である。
ステアリング回路33は、走行中の作動頻度が高い。ここで、冷却ファン9の停止時に第1油圧ポンプ2の作動油を第2油圧ポンプ3の作動油に合流させてステアリング回路33に導く構成とする場合、ステアリング回路33の作動圧が第1油圧ポンプ2に対して発生することになる。これに対して、本実施形態では、ダンプトラック100の走行中における冷却ファン9の停止時に、ステアリング回路33の作動圧が第1油圧ポンプ2に作用することがないため、第1油圧ポンプ2の寿命を向上することができる。
(2)制御装置50は、温度センサ25により検出された冷却水温度(冷却対象の温度)Tcが、第1閾値Tc1以上であるか否かを判定する。制御装置50は、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1以上である場合には、ファン制御弁5を正転位置(回転位置)5Fに切り換え、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満である場合には、ファン制御弁5を中立位置(5N)に切り換える。
本実施形態に係るダンプトラック100は、ホイストシリンダ10の使用頻度が低いため、ホイストシリンダ10及びファンモータ8に作動油を供給する油圧ポンプ(第1油圧ポンプ2)が兼用されている。また、単一の制御弁であるファン制御弁5が、第1油圧ポンプ2から吐出される作動油の供給先をホイストシリンダ10またはファンモータ8に切り換える機能と、ファンモータ8の回転と停止を切り換える機能とを兼ね備えている。このため、それぞれの機能を実現するための制御弁を個別に設ける必要がないので、油圧回路の構成を簡素化できる。また、負荷の低い走行状態が継続され、冷却風と走行風とによって冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満になった場合には、ファン制御弁5が中立位置(5N)に切り換えられる。これにより、冷却ファン9による冷却風の生成が停止するため、エンジン冷却水の過冷却を防止することができる。つまり、本実施形態によれば、簡素な構成で、エンジン冷却水(冷却対象)の過冷却を防止可能なダンプトラック(運搬車両)100を提供することができる。
(3)制御装置50は、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1以上である場合には、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを最小容量qminよりも大きい吐出容量に制御し、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満である場合には、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを最小容量qminに制御する。この構成によれば、走行中に、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満になると、ファン制御弁5が中立位置(5N)に切り換えられるとともに、第1油圧ポンプ2の吐出容量qが低減する。これにより、エンジン1の負荷が低減するので、走行中の燃料消費を抑えることができる。
(4)制御装置50は、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1以上かつ第2閾値Tc2未満である場合には、冷却水温度Tcが高くなるほど第1油圧ポンプ2の吐出容量qを増加させる。また、制御装置50は、冷却水温度Tcが第2閾値Tc2以上である場合には、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを最大容量qmaxに制御する。
この構成によれば、冷却水温度Tcが高くなるほど、冷却ファン9の回転速度を上昇させ、エンジン冷却水に対する冷却効果を高めることができる。冷却水温度Tcに応じて冷却ファン9の回転速度を制御することにより、エンジン冷却水が低くなりすぎたり高くなりすぎたりすることを抑制できる。
(5)合流制御弁6は、非合流位置として、第1油圧ポンプ2から吐出される作動油をホイスト制御弁7に導くとともに第2油圧ポンプ3から吐出される作動油をステアリング回路33に導く中立位置(6N)と、第1油圧ポンプ2から吐出される作動油をホイスト制御弁7に導くとともに第2油圧ポンプ3から吐出される作動油を分流してステアリング回路33とアタッチメントアクチュエータ86とに導く分流位置(6D)とを有している。この構成によれば、ダンプトラック100の走行中における冷却ファン9の停止時に、合流制御弁6が中立位置(6N)及び分流位置(6D)のいずれに切り換えられている場合であってもエンジン1の負荷を軽減することができる。
(6)ファン制御弁5は、回転位置として、ファンモータ8を正転方向に回転させるための正転位置(5F)と、ファンモータ8を正転方向とは反対の逆転方向に回転させるための逆転位置(5R)と、を有している。ファン制御弁5が逆転位置(5R)に切り換えられると、冷却ファン9から前方に向かって流れる冷却風が生成され、フロントグリル107の通気孔のフィルタやラジエータ(熱交換器)23の隙間等に付着した塵芥が除去される。したがって、本実施形態によれば、塵芥によって低下したラジエータ23の冷却性能を容易に回復することができる。
なお、制御装置50は、例えば、ダンプトラック100のメンテナンス時、あるいは定期的に、ファン制御弁5を一時的に逆転位置(5R)に切り換える構成とすることができる。メンテナンス時にサービスマンによって入力装置が操作され、入力装置から制御装置50に冷却ファン9の逆転指令が入力されると、制御装置50はファン制御弁5を所定時間だけ逆転位置(5R)に切り換える。また、制御装置50は、タイマ機能によりダンプトラック100の稼働時間を計測し、稼働時間が所定稼働時間を経過する度にファン制御弁5を所定時間だけ逆転位置(5R)に切り換える。なお、制御装置50は、エンジン1の始動時またはエンジン1の停止時に、ファン制御弁5を一時的に逆転位置(5R)に切り換えてもよい。
(7)油圧システム110は、ファン制御弁5とファンモータ8とを接続する一対のモータ油路81,82と、一対のモータ油路81,82と作動油タンク22との間に設けられた一対のチェック弁13,14と、を備えている。この構成では、ファン制御弁5が中立位置(5N)に切り換えられている状態において、例えば、走行風によって冷却ファン9が回転したときに、作動油タンク22からチェック弁13,14を通じてファンモータ8の吸入口に作動油が補給されるとともに、作動油タンク22からファン制御弁5を通じてファンモータ8の吸入口に作動油が補給される。したがって、ファンモータ8の吸入口が負圧になることを抑制し、キャビテーションの発生を防止することができる。つまり、キャビテーションに起因したファンモータ8の損傷を防止することができる。チェック弁13,14だけでなく、ファン制御弁5を通じて作動油タンク22から作動油がファンモータ8の吸入口に補給されるため、チェック弁13,14のみを通じて作動油を補給する場合に比べて、キャビテーションの発生を効果的に防止することができる。なお、冷却ファン9が正回転あるいは逆回転しているときにファン制御弁5が中立位置(5N)に切り換えられ、冷却ファン9が慣性により回転し続けるような場合も同様である。すなわち、冷却ファン9が慣性により回転したときには、ファン制御弁5の連通路5c、及びチェック弁13あるいはチェック弁14を通じて作動油タンク22からファンモータ8の吸入口に作動油が補給されるため、ファンモータ8の吸入側が負圧になることを抑制できる。
また、ファン制御弁5のスプールが中立位置(5N)にある状態では、モータ油路81とモータ油路82とが連通している。つまり、本実施形態に係るファン制御弁5は、いわゆる中立フリー式の方向切換弁である。このため、吐出側のモータ油路の作動油もファン制御弁5を通じて吸入側のモータ油路に供給される。したがって、本実施形態によれば、中立位置(5N)において一対のモータ油路81,82同士を連通させない場合(中立ブロック式の方向切換弁を備える場合)に比べて、効果的にキャビテーションの発生を防止することができる。
<第2実施形態>
図9及び図10を参照して、本発明の第2実施形態に係るダンプトラック(運搬車両)について説明する。なお、第1実施形態で説明した構成と同一もしくは相当する構成には同一の参照記号を付し、相違点を主に説明する。
第2実施形態に係る制御装置50は、第1実施形態で説明した機能に加え、以下で説明する機能を有する。図9は、第2実施形態に係る制御装置50の機能ブロック図である。図9に示すように、制御装置50には、回転速度センサ41が接続されている。回転速度センサ41は、エンジン1の回転速度(以下、エンジン回転速度とも記す)Nを検出し、その検出結果を表す信号を制御装置50に出力する。
判定部54は、回転速度センサ41の検出結果に基づき、エンジン1の状態を判定する。弁制御部55は、判定部54の判定結果に基づき、合流制御弁6の切換位置を制御する。ポンプ制御部56は、判定部54の判定結果に基づき、第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3の吐出容量qを制御する。
図10は、第2実施形態に係る制御装置50により実行されるエンジン始動時の損失低減制御の処理の流れの一例について示すフローチャートである。図10のフローチャートに示す処理は、イグニッションスイッチ(不図示)がオン、すなわちイグニッション電源が投入されることにより開始される。なお、イグニッションスイッチは、例えば、オフ位置、オン位置及びスタート位置を有するエンジンキースイッチである。イグニッションスイッチがオフ位置からオン位置に操作されると、イグニッション電源がオンされる。すなわち、制御装置50に電力が供給され、制御装置50が起動する。イグニッションスイッチがオン位置からスタート位置に操作されると、スタータモータ40によりエンジン1が始動される。
ステップS220において、判定部54は、回転速度センサ41により検出されたエンジン回転速度Nに基づき、エンジン1が始動中であるか否か、すなわちスタータモータ40によりエンジン1がクランキングされている状態であるか否かを判定する。判定部54は、例えば、エンジン回転速度Nが0よりも大きいか否かを判定する。エンジン回転速度Nが0である場合には、判定部54は、エンジン1が始動中でないと判定する。エンジン回転速度Nが0よりも大きい場合には、判定部54は、エンジン1が始動中であると判定し、処理をステップS230に進める。判定部54は、エンジン1が始動中であると判定されるまで、所定の制御周期で繰り返しステップS220の処理を実行する。
ステップS230において、ポンプ制御部56は、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを最小容量qminにするための制御信号をレギュレータ2a,3aに出力して、処理をステップS240に進める。
ステップS240において、弁制御部55は、電磁弁20にオン信号を出力するとともに電磁弁21にオフ信号を出力して、合流制御弁6を合流位置(6C)に切り換える。なお、図示しないが、弁制御部55は、電磁弁16~19にはオフ信号を出力する。これにより、ホイスト制御弁7が中立位置(7N)に保持されるとともに、ファン制御弁5が中立位置(5N)に保持される。合流制御弁6を合流位置(6C)に切り換える処理(S240)が終了すると、処理がステップS250に進む。
ステップS250において、判定部54は、回転速度センサ41により検出されたエンジン回転速度Nに基づき、エンジン1の始動が完了したか否かを判定する。例えば、判定部54は、エンジン回転速度Nがアイドリング回転速度(速度閾値)Ni以上である場合には、エンジン1の始動が完了したと判定し、処理をステップS270に進める。判定部54は、エンジン回転速度Nがアイドリング回転速度(速度閾値)Ni未満である場合には、エンジン1の始動は完了していないと判定し、処理をステップS230に戻す。なお、エンジン1の始動が完了しているか否かの速度閾値は、アイドリング回転速度Niよりも僅かに低い値としてもよい。
また、エンジン1の始動完了の判定方法は上記方法に限定されず、以下のような判定方法が採用されてもよい。例えば、判定部54は、エンジン回転速度Nが速度閾値以上である状態が所定時間継続した場合には、エンジン1の始動が完了したと判定する。判定部54は、エンジン回転速度Nが速度閾値以上である状態が所定時間継続していない場合には、エンジン1の始動は完了していないと判定する。
ステップS270において、弁制御部55は、電磁弁20にオフ信号を出力するとともに電磁弁21にオフ信号を出力して、合流制御弁6を中立位置(6N)に切り換え、図10のフローチャートに示す処理を終了する。なお、図10のフローチャートに示す処理が終了すると、制御装置50は、図7のフローチャートに示す処理に移行する。
本第2実施形態に係るダンプトラック100において、エンジン1をスタータモータ40により始動させるときの油圧システム110の主な動作について説明する。オペレータがイグニッションスイッチをオフ位置からオン位置を経由してスタート位置に操作すると、スタータモータ40に電力が供給され、スタータモータ40が駆動する。これにより、スタータモータ40によるエンジン1のクランキングが開始する。クランキング動作中は、エンジン1の回転速度は、エンジン始動完了後の最小回転速度であるアイドリング回転速度には達していない。
制御装置50は、エンジン(原動機)1が始動中であるか否かを判定し、エンジン1が始動中であると判定した場合に、合流制御弁6を合流位置(6C)に切り換える制御信号(電磁弁20へのオン信号)を出力する(S220,S240)。なお、ファン制御弁5及びホイスト制御弁7は、それぞれ中立位置(5N),(7N)に保持される。これにより、第1油圧ポンプ2と作動油タンク22とが、ファン制御弁5、合流制御弁6及びホイスト制御弁7を介して連通する。エンジン1をスタータモータ40により始動させる際、合流制御弁6が合流位置(6C)に切り換えられ、第1油圧ポンプ2から吐出される作動油と第2油圧ポンプ3から吐出される作動油とが合流して、センタバイパスラインCLを通じて作動油タンク22に排出される。したがって、本実施形態によれば、合流制御弁6を中立位置(6N)に位置させた状態でエンジン1を始動させる場合に比べて、第2油圧ポンプ3の負荷を低減できる。これにより、エンジン1に作用する負荷を低減することができるので、スタータモータ40によるエンジン1の始動性を向上することができる。
さらに、制御装置50は、エンジン1が始動中であると判定した場合に、第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3の吐出容量qを最小容量qminに制御する(S220,S230)。この構成によれば、例えば、エンジン始動時に第1油圧ポンプ2の吐出容量qを冷却水温度Tcに応じた値に制御するなど、第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3の吐出容量qが最小容量qminよりも大きい状態でエンジン1の始動が行われる場合に比べて、エンジン1に作用する負荷を低減することができる。これにより、さらにエンジン1の始動性を向上することができる。
このように、本第2実施形態によれば、第1実施形態で説明した作用効果に加え、エンジン始動性を向上することができる。特に、作動油が低温となる冬場、寒冷地等の低気温環境下においては、油圧ポンプの負荷が上昇しやすい。本第2実施形態によれば、低気温環境下においてもエンジン始動性が良好なダンプトラック100を提供することができる。
<第3実施形態>
図11及び図12を参照して、本発明の第3実施形態に係るダンプトラック(運搬車両)について説明する。なお、第1実施形態で説明した構成と同一もしくは相当する構成には同一の参照記号を付し、相違点を主に説明する。
第1実施形態に係る制御装置50は、荷台用の操作装置91の操作位置が上げ位置または下げ位置にある場合には、冷却水温度Tcに関わらず、ファン制御弁5を中立位置(5N)に保持させていた。これに対して、第3実施形態に係る制御装置50は、冷却水温度Tcが警報温度付近まで上昇したときには、荷台用の操作装置91の操作位置が上げ位置または下げ位置にある場合であっても、ファン制御弁5を正転位置(5F)に切り換える。なお、警報温度とは、エンジン1のオーバーヒートを防止するために、警報を出力する温度である。
第3実施形態に係る制御装置50は、冷却水温度Tcが第2閾値Tc2よりも高い第3閾値Tc3未満であるときに、操作装置91が上げ位置または下げ位置に操作された場合には、ホイストシリンダ10の動作を優先し、冷却水温度Tcが第3閾値Tc3以上であるときに、操作装置91が上げ位置または下げ位置に操作された場合には、ファンモータ8の動作を優先する。第3閾値Tc3は、例えば、警報温度よりもやや低い温度に相当し、予め不揮発性メモリ52に記憶されている。
図11は、第3実施形態に係る制御装置50の機能ブロック図である。判定部54は、温度センサ25により検出された冷却水温度Tcが第3閾値Tc3以上であるか否かを判定する。
判定部54は、操作装置91から出力される操作位置を表す信号に基づき、操作装置91の操作位置、すなわちホイストシリンダ10に対してどのような操作がなされたのかを判定する。具体的には、判定部54は、操作装置91によりホイスト制御弁7を上げ位置(7R)に切り換えるためのホイスト上げ操作が行われているか否かを判定する。判定部54は、操作装置91によりホイスト制御弁7を下げ位置(7L)に切り換えるためのホイスト下げ操作が行われているか否かを判定する。判定部54は、操作装置91によりホイスト制御弁7を浮き位置(7F)に切り換えるための浮き操作が行われているか否かを判定する。
図12は、荷台用の操作装置91の操作位置及び冷却水温度Tcと、各制御弁5~7の切換位置との関係について示す表である。図12に示すように、弁制御部55は、判定部54の判定結果に基づき、電磁弁16~21に制御信号を出力することにより、ホイスト制御弁7、合流制御弁6、及びファン制御弁5を制御する。
弁制御部55は、操作装置91の操作位置が中立位置である場合、すなわち操作装置91が非操作状態(初期状態)である場合には、ホイスト制御弁7を中立位置(7N)に保持するとともに合流制御弁6を中立位置(6N)に保持する。弁制御部55は、操作装置91の操作位置が上げ位置である場合、すなわち操作装置91によりホイスト上げ操作が行われている場合には、ホイスト制御弁7を上げ位置(7R)に切り換えるとともに合流制御弁6を合流位置(6C)に切り換える。弁制御部55は、操作装置91の操作位置が下げ位置である場合、すなわち操作装置91によりホイスト下げ操作が行われている場合には、合流制御弁6を中立位置(6N)に保持しつつ、ホイスト制御弁7を下げ位置(7L)に切り換える。弁制御部55は、操作装置91の操作位置が浮き位置である場合、すなわち操作装置91により浮き操作が行われている場合には、合流制御弁6を中立位置(6N)に保持しつつ、ホイスト制御弁7を浮き位置(7F)に切り換える。
弁制御部55は、操作装置91の操作位置が中立位置または浮き位置である場合には、第1実施形態と同様、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満であるときにファン制御弁5を中立位置(5N)に保持し、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1以上であるときにファン制御弁5を正転位置(5F)に切り換える。
一方、弁制御部55は、操作装置91の操作位置が上げ位置または下げ位置である場合には、冷却水温度Tcが第3閾値Tc3未満であるときにファン制御弁5を中立位置(5N)に保持し、冷却水温度Tcが第3閾値Tc3以上であるときにファン制御弁5を正転位置(5F)に切り換える。
以上のとおり、本第3実施形態に係る制御装置50は、操作装置91によりホイスト上げ操作が行われた場合には、ホイスト制御弁7を上げ位置に切り換えるとともに合流制御弁6を合流位置(6C)に切り換える。また、制御装置50は、冷却水温度Tcが第3閾値Tc3未満であるときにホイスト上げ操作が行われた場合には、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1以上であってもファン制御弁5を中立位置(5N)に切り換える。これにより、第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3の双方から吐出される作動油が合流制御弁6において合流してホイストシリンダ10に供給される。その結果、ホイストシリンダ10をスムーズに伸長させることができる。
一方、制御装置50は、冷却水温度Tcが第3閾値Tc3以上であるときにホイスト上げ操作が行われた場合には、ファン制御弁5を正転位置(5F)に切り換える。これにより、第1油圧ポンプ2から吐出された作動油が、ファン制御弁5を通じてファンモータ8に供給されるとともに、第2油圧ポンプ3から吐出された作動油が、合流制御弁6を通じてホイストシリンダ10に供給される。その結果、冷却ファン9により冷却風を生成してエンジン冷却水を冷却しつつ、ホイストシリンダ10を伸長させることができる。したがって、本第3実施形態によれば、エンジン1のオーバーヒートを防止することができる。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、上述の異なる実施形態で説明した構成同士を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせることも可能である。
<変形例1>
上記実施形態では、ポンプ制御部56が、冷却水温度Tcと第1油圧ポンプ2の吐出容量qとの関係を規定する容量制御テーブルに基づき、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを制御する例について説明した。しかしながら、第1油圧ポンプ2の吐出容量qの制御方法は、上記実施形態で説明した方法に限定されない。例えば、ポンプ制御部56は、冷却水温度Tcと第1油圧ポンプ2の吐出容量qとの関係を規定する数式(関数)に基づき、第1油圧ポンプ2の吐出容量qを制御してもよい。
また、ポンプ制御部56は、容量制御テーブル及び数式を用いずに、判定部54の判定結果に基づき、吐出容量qを制御してもよい。例えば、ポンプ制御部56は、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満であると判定された場合には、吐出容量qを最小容量qminに制御し、冷却水温度Tcが第2閾値Tc2以上であると判定された場合には、吐出容量qを最大容量qmaxに制御する。この場合、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満の状態から第2閾値Tc2まで上昇する過程では、吐出容量qが最小容量qminに制御され、冷却水温度Tcが第2閾値Tc2を超えると吐出容量qが最大容量qmaxに制御される。また、冷却水温度Tcが第2閾値Tc2以上の状態から第1閾値Tc1まで低下する過程では、吐出容量qが最大容量qmaxに制御され、冷却水温度Tcが第1閾値Tc1未満になると吐出容量qが最小容量qminに制御される。
<変形例2>
第2実施形態において、判定部54が回転速度センサ41の検出結果に基づいて、エンジン1が始動中であるか否かを判定する例について説明した。しかしながら、エンジン1が始動中であるか否かの判定方法は、これに限定されない。例えば、判定部54は、イグニッションスイッチ(エンジンキースイッチ)が、スタート位置に操作された場合には、エンジン1が始動中であると判定し、スタート位置に操作されていない場合には、エンジン1は始動中でないと判定してもよい。
<変形例3>
第2実施形態において、エンジン1の始動中は、第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3の吐出容量qが最小容量qminに制御される例について説明したが、図10のステップS230の処理は省略してもよい。
<変形例4>
第1実施形態では、第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3を駆動する原動機がエンジン1である例について説明したが、原動機は電動モータであってもよい。
<変形例5>
上記実施形態では、冷却風による冷却対象がエンジン1を冷却するエンジン冷却水である例について説明したが、冷却風による冷却対象はこれに限定されない。例えば、冷却風による冷却対象は、ブレーキ装置を冷却する冷却油であってもよい。また、車体101を走行させる走行装置の駆動源として、走行用電動モータと、走行用電動モータを制御する走行用インバータを備えている場合には、走行用インバータを冷却する冷却水が冷却風による冷却対象であってもよい。
さらに、冷却対象は作動油であってもよい。オイルクーラは、作動油と冷却風とを熱交換することにより、作動油を冷却する。この場合、冷却対象の循環系統は、作動油タンク22と第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3とを含む油圧回路によって構成される。作動油の粘度は、作動油の温度の低下に応じて増加する。このため、作動油が過冷却状態になると、高粘度の作動油が第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3から吐出されることになり、油路内での圧力損失が高くなる。その結果、第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3の負荷が大きくなり、燃料消費が悪化してしまう。しかしながら、本実施形態の変形例によれば、作動油の温度が第1閾値Tc1未満になると、冷却ファン9の回転が停止し、作動油の過冷却が防止されるため、第1油圧ポンプ2及び第2油圧ポンプ3の負荷の増加を防ぐことができる。
<変形例6>
上記実施形態では、冷却ファン9を用いた冷却が不要になる場合として、負荷が低い走行状態において、走行風と冷却風とによってエンジン冷却水の温度が第1閾値Tc1未満になった場合について説明した。しかしながら、エンジン冷却水の冷却が不要になる場合は、これに限定されない。例えば、低気温環境下では、ラジエータ23が走行風を直接受けるような位置に配置されていない場合であっても、エンジン冷却水の冷却が不要になる場合がある。つまり、ラジエータ23等の熱交換器は、車体101の前部に配置される場合に限定されない。本発明は、車体101の側部や後部に熱交換器が配置された運搬車両にも適用することができる。
<変形例7>
上記実施形態では、合流制御弁6が6ポート3位置の方向制御弁である例について説明した。しかしながら、合流制御弁6は、分流位置(6D)を有していない6ポート2位置の方向制御弁としてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1…エンジン(原動機)、2…第1油圧ポンプ、2a…レギュレータ、3…第2油圧ポンプ、3a…レギュレータ、4…パイロットポンプ、5…ファン制御弁、5a,5b…油圧パイロット部、5F…正転位置(回転位置)、5N…中立位置、5R…逆転位置、6…合流制御弁、6a,6b…油圧パイロット部、6C…合流位置、6D…分流位置(非合流位置)、6N…中立位置(非合流位置)、7…ホイスト制御弁、7a,7b…油圧パイロット部、7F…浮き位置、7L…下げ位置、7N…中立位置、7R…上げ位置、8…ファンモータ(油圧モータ)、9…冷却ファン、10…ホイストシリンダ(油圧シリンダ)、11,12…リリーフ弁、13,14…チェック弁、15…パイロットリリーフ弁、16~21…電磁弁、22…作動油タンク、23…ラジエータ(熱交換器)、24…冷却水循環ポンプ、25…温度センサ、26…冷却対象物、27…冷却水タンク、28…冷却水系統(循環系統)、29…ハンドル、30…油圧モータ、31…ステアリング制御弁、33…ステアリング回路、34,35…ステアリングシリンダ、36,37…ステアリング油路、38…高圧側油路、39…低圧側油路、40…スタータモータ、41…回転速度センサ、42…アキュムレータ、50…制御装置、51…処理装置、52…不揮発性メモリ(記憶装置)、53…揮発性メモリ(記憶装置)、54…判定部、55…弁制御部、56…ポンプ制御部、61~63…供給油路、68,69…戻り油路、71,72…アクチュエータ油路、80…発電機、81,82…モータ油路、85…アクチュエータ油路、86…アタッチメントアクチュエータ、91…操作装置、91a…操作レバー、100…ダンプトラック(運搬車両)、101…車体、102…支持ベース、103…キャブ、104…荷台、105…前輪、106…後輪、107…フロントグリル、110…油圧システム、CL…センタバイパスライン(油路)、N…エンジン回転速度、Ni…アイドリング回転速度(速度閾値)、q…吐出容量(押しのけ容積)、Q…吐出流量、qmax…最大容量、Qmax…最大流量、qmin…最小容量、Qmin…最小流量、Tc…冷却水温度(冷却対象の温度)、Tc1…第1閾値、Tc2…第2閾値、Tc3…第3閾値

Claims (7)

  1. 車体に対して回動可能に設けられた荷台と、
    原動機によって駆動される第1油圧ポンプ及び第2油圧ポンプと、
    前記第1油圧ポンプから供給される作動油によって駆動される油圧モータと、
    前記油圧モータによって駆動される冷却ファンと、
    前記冷却ファンにより生成される冷却風により、冷却対象を冷却する熱交換器と、
    前記荷台と前記車体との間に伸縮可能に設けられ、前記第1油圧ポンプから供給される作動油によって駆動されるホイストシリンダと、
    前記第1油圧ポンプから前記油圧モータに供給される作動油の流れを制御するファン制御弁と、
    前記第1油圧ポンプから前記ホイストシリンダに供給される作動油の流れを制御するホイスト制御弁と、
    前記第2油圧ポンプから供給される作動油によって駆動されるステアリングシリンダを有するステアリング回路と、を備えた運搬車両において、
    前記第2油圧ポンプから吐出される作動油を前記第1油圧ポンプから吐出される作動油に合流させて前記ホイスト制御弁に導く合流位置と、前記第1油圧ポンプから吐出される作動油を前記ホイスト制御弁に導くとともに前記第2油圧ポンプから吐出される作動油を前記ステアリング回路に導く非合流位置とを有する合流制御弁をさらに備え、
    前記ファン制御弁、前記合流制御弁及び前記ホイスト制御弁は、前記第1油圧ポンプと作動油タンクとを接続する油路にタンデムに接続され、
    前記ファン制御弁は、前記合流制御弁の上流側に配置され、
    前記合流制御弁は、前記ホイスト制御弁の上流側に配置され、
    前記ファン制御弁は、
    前記第1油圧ポンプと前記合流制御弁とを連通し、前記第1油圧ポンプと前記油圧モータとの連通を遮断する中立位置と、
    前記第1油圧ポンプと前記合流制御弁との連通を遮断し、前記第1油圧ポンプと前記油圧モータとを連通する回転位置と、を有し、
    前記合流制御弁は、
    前記合流位置にある場合、前記中立位置にある前記ファン制御弁を介して前記第1油圧ポンプと前記ホイスト制御弁とを連通するとともに前記第2油圧ポンプと前記ホイスト制御弁とを連通し、前記第2油圧ポンプと前記ステアリング回路との連通を遮断し、
    前記非合流位置にある場合、前記中立位置にある前記ファン制御弁を介して前記第1油圧ポンプと前記ホイスト制御弁とを連通するとともに前記第2油圧ポンプと前記ステアリング回路とを連通し、前記第2油圧ポンプと前記ホイスト制御弁との連通を遮断する
    ことを特徴とする運搬車両。
  2. 請求項1に記載の運搬車両において、
    前記原動機は、スタータモータにより始動されるエンジンであり、
    前記エンジンが始動中であるか否かを判定し、前記エンジンが始動中であると判定した場合に、前記合流制御弁を前記合流位置に切り換える制御信号を出力する制御装置を備える
    ことを特徴とする運搬車両。
  3. 請求項2に記載の運搬車両において、
    前記制御装置は、前記エンジンが始動中であると判定した場合に、前記第1油圧ポンプ及び前記第2油圧ポンプの吐出容量を最小容量に制御する
    ことを特徴とする運搬車両。
  4. 請求項1に記載の運搬車両において、
    前記冷却対象の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサの検出結果に基づいて前記ファン制御弁を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、
    前記温度センサにより検出された前記冷却対象の温度が、第1閾値以上であるか否かを判定し、
    前記冷却対象の温度が前記第1閾値以上である場合には、前記ファン制御弁を前記回転位置に切り換え、
    前記冷却対象の温度が前記第1閾値未満である場合には、前記ファン制御弁を前記中立位置に切り換える
    ことを特徴とする運搬車両。
  5. 請求項4に記載の運搬車両において、
    前記制御装置は、
    前記冷却対象の温度が前記第1閾値以上である場合には、前記第1油圧ポンプの吐出容量を最小容量よりも大きい吐出容量に制御し、
    前記冷却対象の温度が前記第1閾値未満である場合には、前記第1油圧ポンプの吐出容量を前記最小容量に制御する
    ことを特徴とする運搬車両。
  6. 請求項5に記載の運搬車両において、
    前記制御装置は、
    前記冷却対象の温度が前記第1閾値以上かつ第2閾値未満である場合には、前記冷却対象の温度が高くなるほど前記第1油圧ポンプの吐出容量を増加させ、
    前記冷却対象の温度が前記第2閾値以上である場合には、前記第1油圧ポンプの吐出容量を最大容量に制御する
    ことを特徴とする運搬車両。
  7. 請求項6に記載の運搬車両において、
    前記ホイストシリンダを操作する操作装置を備え、
    前記ホイスト制御弁は、前記ホイストシリンダを伸長させて前記荷台を上向きに回動させる上げ位置と、前記ホイストシリンダを収縮させて前記荷台を下向きに回動させる下げ位置と、前記荷台を保持する中立位置と、を有し、
    前記制御装置は、
    前記温度センサにより検出された前記冷却対象の温度が、前記第2閾値よりも高い第3閾値以上であるか否かを判定し、
    前記操作装置により前記ホイスト制御弁を前記上げ位置に切り換えるためのホイスト上げ操作が行われているか否かを判定し、
    前記操作装置により前記ホイスト上げ操作が行われた場合には、前記ホイスト制御弁を上げ位置に切り換えるとともに前記合流制御弁を前記合流位置に切り換え、
    前記冷却対象の温度が前記第3閾値未満であるときに前記ホイスト上げ操作が行われた場合には、前記冷却対象の温度が前記第1閾値以上であっても前記ファン制御弁を前記中立位置に切り換え、
    前記冷却対象の温度が前記第3閾値以上であるときに前記ホイスト上げ操作が行われた場合には、前記ファン制御弁を前記回転位置に切り換える
    ことを特徴とする運搬車両。
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