JP5809545B2 - 暖機システム - Google Patents
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Description
このトラックローダは、パイロットポンプから吐出されて供給対象に送られるパイロット油の圧力を制御するパイロット圧制御弁を備えている。
具体的には、前記供給対象は、トラックローダに装着されるアタッチメントの油圧アクチュエータを制御するパイロット操作切換弁であり、前記パイロット圧制御弁は前記パイロット操作切換弁をパイロット操作する電磁比例弁である。
パイロット圧制御弁の応答性が遅いと、オペレータの操作と本機の動きにタイムラグが発生して、操作フィーリングの悪化、本機性能の悪化が起こる。具体的には、パイロット圧制御弁を操作する操作部材をニュートラルに戻したときにアタッチメントが停止するのに遅れがある。
暖機システムが導入されている作業機がある。
しかしながら、例えば、パイロット圧制御弁によって圧力制御されて送られるパイロット油の供給対象がオペレータスペースにある場合、弁ボディが高温になるとオペレータスペースの雰囲気温度が上昇し、オペレータスペースの環境を悪くする場合がある。
請求項1に係る発明では、ポンプから吐出されて供給対象に送られるパイロット油の圧力を制御するパイロット圧制御弁と、このパイロット圧制御弁が組み込まれた弁ボディとを備え、
前記弁ボディに該弁ボディを貫通するヒートアップ油路を形成し、このヒートアップ油路の一端側ポートを前記ポンプの吐出ポートに連通し、
前記ヒートアップ油路の下流側に、パイロット油が低温の時には弁ボディをヒートアップするようにヒートアップ油路から流出するパイロット油を作動油タンクに流し、パイロット油が所定温度以上に温まった時には弁ボディが必要以上にヒートアップしないようにヒートアップ油路から作動油タンクに流れるパイロット油の流れを制限するヒートアップ弁を設け、
前記ヒートアップ弁を、圧力設定バネによって弁体が弁閉方向に付勢され且つ前記ヒートアップ油路の他端側ポートから流出するパイロット油の圧力によって弁体が弁開方向に押圧される差圧開閉弁によって構成し、
前記ヒートアップ弁の設定圧がパイロット油の油温が高くなるにつれて上がるように圧力設定バネのバネ圧を変化させることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、ポンプから吐出されて供給対象に送られるパイロット油の圧力を制御するパイロット圧制御弁と、このパイロット圧制御弁が組み込まれた弁ボディとを備え、
前記弁ボディに該弁ボディを貫通するヒートアップ油路を形成し、このヒートアップ油路の一端側ポートを前記ポンプの吐出ポートに連通し、
前記ヒートアップ油路の下流側に、パイロット油が低温の時には弁ボディをヒートアップするようにヒートアップ油路から流出するパイロット油を作動油タンクに流し、パイロット油が所定温度以上に温まった時には弁ボディが必要以上にヒートアップしないようにヒートアップ油路から作動油タンクに流れるパイロット油の流れを制限するヒートアップ弁を設け、
前記パイロット油の供給対象が操作対象をパイロット操作するリモコン弁とされ、前記パイロット圧制御弁が前記リモコン弁の一次側圧力を制御するものであることを特徴とする。
ンクに流れるのを止めるように該パイロット油の流れを制限するものであることを特徴とする。
エンジンを始動して暖機運転をすると、パイロット油が低温の時には、ポンプによって作動油タンクから吸い上げられて吐出されたパイロット油が、弁ボディに形成されたヒートアップ油路を通り、ヒートアップ弁を介して作動油タンクへと循環する。これによって、パイロット油の油温が上昇すると共にパイロット圧制御弁が組み込まれた弁ボディが温められ、気温の低いときにおけるパイロット圧制御弁の応答性を確保することができる。
また、パイロット油が低温の時にはヒートアップ弁が開き、パイロット油が所定温度以上に温まるとヒートアップ弁が閉じてヒートアップ油路から流出するパイロット油が作動油タンクに流れるのを止める。これにより、弁ボディが必要以上に熱くなるのを確実に防止できる。
また、パイロット油の供給対象であるリモコン弁の応答性を確保することができる。
図1、図2において、符号1は本発明に係る作業機として例示するトラックローダであり、このトラックローダ1は、機体2と、この機体2に装着した作業装置3と、機体2を走行可能に支持する左右一対の走行装置4とを備え、機体2の上部前部寄りにキャビン5(運転者保護装置)が搭載されている。
た支持枠体9とを備え、側壁7間は上方に開放状とされ、この機体2の後端部には、左右一対の支持枠体9間の後端開口を塞ぐ蓋部材10が開閉自在に設けられている。
前記キャビン5は、前下端が機体2の前壁8上端に載置されていると共に、背面の上下中途部が機体2に設けた支持ブラケット11に、左右方向の支持軸12廻りに揺動自在に支持されており、支持軸12回りにキャビン5を上方に揺動することにより機体2内のメンテナンス等が可能とされている。
キャビン5は上面が屋根で塞がれ、左右の側面が多数の角孔を形成した側壁で塞がれ、背面上部がリヤガラスで塞がれ、底面の前後方向中央部が底壁により塞がれていて、前方が開口した箱形に形成され、前面側が乗降口とされている。
前後従動輪16及び転輪18は、機体2に取付固定されたトラックフレーム20に横軸回りに回転自在に取り付けられ、駆動輪17はトラックフレーム20に取り付けられた油圧駆動式の走行モータ21L,21R(ホイルモータ)の回転ドラムに取り付けられ、該走行モータ21L,21Rによって駆動輪17を左右軸回りに回転駆動することによりクローラベルト19が周方向に循環回走され、これにより、トラックローダ1が前後進するように構成されている。
アーム22はキャビン5の左右両側にそれぞれ配置され、左右のアーム22はその前部側の中途部において連結体によって相互に連結されている。
左右の各アーム22は、該アーム22の先端側が機体2の前方側で昇降するように、その基部側(後部側)が機体2の後上部に第1リフトリンク24と第2リフトリンク25とを介して上下揺動自在に支持されている。
左右の各アーム22の先端側には、それぞれ装着ブラケット27が左右軸回りに回動自在に枢支連結され、左右の装着ブラケット27にバケット23の背面側が取り付けられている。
バケット23は装着ブラケット27に対して着脱自在とされており、バケット23を取り外して装着ブラケット27に各種の油圧アタッチメント(油圧駆動式の作業具)を取り付けることで、掘削以外の各種の作業(又は他の掘削作業)を行えるように構成されている。
エンジン29の前方には左右の走行モータ21L,21Rを駆動する油圧駆動装置32が設けられ、この油圧駆動装置32の前方に第1〜3ポンプP1,P2,P3が設けられ、機体2の右側壁7の前後方向中途部に、作業装置用コントロールバルブ33(油圧制御装置)と、パイロット圧制御弁ユニットPCUとが設けられている。
するアクセルペダル53(アクセル操作部材)と、ハンド操作によってエンジン29の回転数を上げ・下げ操作するアクセルレバー54(アクセル操作部材)とが設けられている。
アクセルレバー54はケーブル等を介してアクセルペダル53に連動連結されていて、アクセルレバー54を操作すると該操作に連動してアクセルペダル53が揺動動作する。また、アクセルレバー54は摩擦力によって操作された位置に保持可能である。また、アクセルペダル53はアクセルレバー54によって操作された位置から踏込み操作可能であり、該踏込み操作を解除すると戻しバネによって踏み込み前の元の位置に戻される。
次に、図3〜7を参照して、トラックローダ1の油圧システムについて説明する。
第1〜3ポンプP1,P2,P3は、エンジン29の動力によって駆動される定容量型のギヤポンプによって構成されている。
第2ポンプP2(パイロットポンプ、チャージポンプ)は、主として制御信号圧力(パイロット圧)の供給用に使用される。
前記作業装置用コントロールバルブ33は、図6に示すように、リフトシリンダ26を制御するアーム用制御弁92と、バケットシリンダ28を制御するバケット用制御弁93と、アーム22の先端側等に取り付けられるアタッチメントの油圧アクチュエータを制御するSP用制御弁94とを有する。前記各制御弁92,93,94は、パイロット方式の直動スプール形三位置切換弁(パイロット圧で切換え操作されるパイロット操作切換弁)から構成されている。
前記各パイロット圧制御弁34,79,80は電磁比例弁によって構成され、この3つのパイロット圧制御弁のうち1つは、走行操作装置14(供給対象)に供給されるパイロット油の圧力(走行操作装置14の一次側圧力)を制御する走行系圧力制御弁34であり、他の2つはSP用制御弁94(供給対象)の受圧部94a,94bに供給されるパイロット油の圧力を制御する(SP用制御弁94をパイロット操作する)SP用操作弁79,80である。
なお、このヒートアップ油路wは直線状である必要はなく、L字状、U字状、クランク状、螺旋状、等どのような形で弁ボディ35に貫通形成されていてもよい。
このヒートアップ油路wの一端側ポート45aは第2ポンプP2から吐出されたパイロット油を流入させるインポートとされ、他端側ポート45bはヒートアップ油路wに流入したパイロット油を流出させるアウトポートとされている。
の内、一つの分岐油路x2は一方のSP用操作弁79の一次側ポート79bに接続され、他の分岐油路x3は他方のSP用操作弁80の一次側ポート80bに接続されている。
図3に示すように、第1ポンプP1の吐出ポートには該第1ポンプP1から吐出される吐出油を流通させる吐出油路qが接続され、第2ポンプP2の吐出ポートには該第2ポンプP2から吐出される吐出油(パイロット油)を流通させる吐出油路aが接続され、第3ポンプP3の吐出ポートには該第3ポンプP3から吐出される吐出油を流通させる吐出油路kが接続されている。
第2ポンプP2の吐出油路aには、オイルフィルタ56が介装されていると共に、該オイルフィルタ56の上流側にポンプ保護リリーフ弁69を有する保護リリーフ回路70が接続されている。
前記第2パイロット油路c2は、電磁方式の二位置切換弁からなる2速切換弁64,ブレーキ解除弁65及び作業ロック弁91が組み込まれた弁ブロック62に接続されている。これら2速切換弁64、ブレーキ解除弁65、作業ロック弁91については後述する。
このヒートアップ弁52は、本実施形態では、弁体52aと、この弁体52aを弁閉方向に付勢する圧力設定バネ52bと、弁体52aを弁開方向に押圧するパイロット油を導くパイロット流路52cとを備えてなる差圧開閉弁(リリーフ弁)によって構成されている。
前記圧力設定バネ52bはコイルスプリングから構成され、該コイルスプリングは、本実施形態では、パイロット油の油温が高くなるにつれてバネ定数が強くなるように(パイロット油の油温が高くなるにつれて伸びるように)形状変化する形状記憶材料(形状記憶合金)によって形成されていて、油温が高くなるにつれてヒートアップ弁52の設定圧(
圧力設定バネ52bのバネ圧)が自動的に上がるよう構成されている。
ここで、図3及び図6を参照して、油圧システムの作業系について説明する。
前記作業用操作装置15は、アーム用制御弁92とバケット用制御弁93とをパイロット操作するリモコン弁によって構成され、アーム上げ用パイロット弁86と、アーム下げ用パイロット弁87と、バケットダンプ用パイロット弁88と、バケットスクイ用パイロット弁89と、これらパイロット弁86,87,88,89について共通の(1本の)操作レバー90とを有する。
作業用操作装置15の操作レバー90は、中立位置から、前後左右と前後左右の間の斜め方向に傾動操作可能とされ、該操作レバー90を傾動操作することにより、作業用操作装置15の各パイロット弁86,87,88,89が操作されると共に、操作レバー90の中立位置からの操作量に比例したパイロット圧が該操作されたパイロット弁86,87,88,89の二次側ポートから出力される。
操作レバー90を前側(図6の矢示B2方向)に傾動させると、アーム下げ用パイロット弁87が操作されてリフトシリンダ26を縮小させる方向にアーム用制御弁92操作され、操作レバー90の傾動量に比例した速度でアーム22が下がる。
操作レバー90を左側(図6の矢示B4方向)に傾動させると、バケットスクイ用パイロット弁89が操作されてバケットシリンダ28を縮小させる方向にバケット用制御弁93が操作され、操作レバー90の傾動量に比例した速度でバケット23がスクイ動作する。
前記SP用制御弁94には、油圧ホース接続用の継手ユニット71の一対の圧油給排用継手71a,71bが油圧管路を介して接続されており、該継手71a,71bに油圧ホース等を介してアタッチメントの油圧アクチュエータを接続することにより、SP用制御弁94によってアタッチメントが操作可能とされる。
SP用制御弁94は前記一対のSP用操作弁79,80によって操作可能とされ、これらSP操作弁79,80は前記作業用操作装置15の操作レバー90の頂部側に設けられたスライドボタンによって操作可能とされている。
図4に示すように、一方のSP操作弁79の二次側ポート79dは第7パイロット油路
c7を介してSP用制御弁94の一側の受圧部94aに接続され、他方のSP操作弁80の二次側ポート80dは第8パイロット油路c8を介してSP用制御弁94の他側の受圧部94bに接続されている。
また、スライドボタンを他方にスライド操作すると、制御装置CUから他方のSP操作弁80に指令信号が出力され、他方のSP操作弁80から操作量に比例したパイロット圧がSP用制御弁94の他側の受圧部94bに出力される。
ハイフロー弁83は、パイロット方式の2位置切換弁から構成され、第3ポンプP3の吐出油を作動油タンク31に戻す非増量位置と、第3ポンプP3の吐出油を増量油路nを介して一方の継手71bに流す増量位置とに切り換え自在とされ、バネによって非増量位置に切り換えられる方向に付勢され、受圧部に作用するパイロット圧によって増量位置に切り換えられる。
走行操作装置14は、走行装置4を駆動するHSTのHSTポンプ66(操作対象)をパイロット操作するリモコン弁によって構成されており、前進用のパイロット弁36と、後進用のパイロット弁37と、右旋回用のパイロット弁38と、左旋回用のパイロット弁39と、これらパイロット弁36,37,38,39について共通の(1本の)走行レバー40と、第1〜4シャトル弁41,42,43,44と、第2ポンプP2からの圧油を入力するポンプポート50と、作動油タンク31に連通するタンクポート51とを有する。
したがって、第2ポンプP2の吐出油はパイロット油として走行操作装置14に供給され、この走行操作装置14に供給されたパイロット油は該走行操作装置14の各パイロット弁36,37,38,39の一次側ポートに供給可能とされていると共に、使用されないパイロット油がタンクポート51からドレンされる。
前記ブレーキシリンダ59にはHSTモータ57の出力軸57aを制動するバネが内蔵され、また、ブレーキシリンダ59は第12パイロット油路c12を介して前記ブレーキ
解除弁65に接続されている。このブレーキ解除弁65を励磁することにより該ブレーキシリンダ59に第12パイロット油路c12のパイロット油が作用して、HSTモータ57の出力軸57aの制動が解除される。
各駆動回路32A,32Bは、一対の変速用油路h,iによって対応する走行モータ21L,21RのHSTモータ57に閉回路接続されたHSTポンプ(走行用の油圧ポンプ)66と、高圧側の変速用油路h,iの圧が設定以上になると低圧側の変速用油路h,iに逃がす高圧リリーフ弁67と、第2ポンプP2からの圧油をチェック弁68を介して低圧側の変速用油路h,iに補充するためのチャージ回路jとを備えている。
すなわち、HSTポンプ66は、パイロット圧が作用する前進用受圧部66aと後進用受圧部66bとを備えており、これら受圧部66a,66bに作用するパイロット圧によって斜板の角度が変更されて作動油の吐出方向や吐出量が変更され、これによって走行モータ21L,21Rの回転出力をトラックローダ1を前進させる方向(正転方向)或いはトラックローダ1を後進させる方向(逆転方向)に無段階に変速することができるよう構成されている。
また、油温が低温であるときには、ヒートアップ弁52の圧力設定バネ52bの設定圧が低く(ヒートアップ弁52が開きやすく)、メインリリーフ弁78と共にヒートアップ弁52が開く。
走行モータ21L,21Rのフラッシング弁60は、高圧側の変速用油路h,iの圧によって低圧側の変速用油路h,iをフラッシング用リリーフ油路mに接続するように切り換えられ、低圧側の変速用油路h,iに作動油を補充させるべく該低圧側の変速用油路h,iの作動油の一部をフラッシング用リリーフ油路mを介して走行モータ21L,21Rのハウジング内の油溜まりに逃がすものである。前記フラッシング用リリーフ弁61は、フラッシング用リリーフ油路mに介装されている。
前記走行操作装置14の走行レバー40は、中立位置から、前後左右と前後左右の間の斜め方向に傾動操作可能とされ、該走行レバー40を傾動操作することにより、走行操作
装置14の各パイロット弁36,37,38,39が操作されると共に、走行レバー40の中立位置からの操作量に比例したパイロット圧が該操作されたパイロット弁36,37,38,39の二次側ポートから出力されるよう構成されている。
また、走行レバー40を右側(図5では矢示A3方向)に傾動させると、右旋回用パイロット弁38が操作されて該パイロット弁38からパイロット圧が出力され、該パイロット圧は第1シャトル弁41から第1流路46を介して左用駆動回路32AのHSTポンプ66の前進用受圧部66aに作用すると共に第4シャトル弁44から第4流路49を介して右用駆動回路32BのHSTポンプ66の後進用受圧部66bに作用する。
また、走行レバー40を左側(図5では矢示A4方向)に傾動させると、左旋回用パイロット弁39が操作されて該パイロット弁39からパイロット圧が出力され、該パイロット圧は第2シャトル弁42から第2流路47を介して右用駆動回路32BのHSTポンプ66の前進用受圧部66aに作用すると共に第3シャトル弁43から第3流路43を介して左用駆動回路32AのHSTポンプ66の後進用受圧部66bに作用する。
また、走行レバー40を斜め方向に傾動させると、各駆動回路32A,32Bの前進用受圧部66aと後進用受圧部66bとに作用するパイロット圧の差圧によって、走行モータ21L,21Rの出力軸57aの回転方向及び回転速度が決定され、トラックローダ1が前進又は後進しながら右旋回又は左旋回する。
)へと回転数を増大可能とされ、エンジン29の回転数を増大させることにより、HSTポンプ66の回転数が増加して該HSTポンプ66の吐出量が上がり、走行速度が増加する。
そして、このアクセルセンサAS及び回転センサRSの検出信号に基づいて、エンジン29がアクセルペダル53又はアクセルレバー54の操作量に応じた(アクセル操作部材53,54によって決定される)回転数(目標エンジン回転数)となるように、コントローラECUによってインジェクタの燃料噴射量が制御される。
本実施形態のトラックローダ1にあっては、前記制御装置CU及び走行系圧力制御弁34によって、実エンジン回転数に応じて走行操作装置14の各パイロット弁36,37,38,39の一次側圧力を変化させる制御を行うことにより、エンジンストールを防止しつつエンジン29に大きな負荷が作用するような作業における走行速度の向上を図っている。
なお、前記弁ボディ35をヒートアップさせるヒートアップ性能は、ヒートアップ弁52のオーバーライド特性を操作することにより調整することができる。
また、第2ポンプP2から吐出されてヒートアップ油路wを経て作動油タンク31に戻る油の油温が所定温度以上(常温以上)に温められると、バイパス油路g等を流れる油の圧力が低くなると共にヒートアップ弁52の設定圧が上がり、ヒートアップ弁52が閉じる(したがって、この実施形態にあっては、ヒートアップ弁52は、パイロット油が所定温度以上に温まった時には閉じてヒートアップ油路wから流出するパイロット油が作動油タンク31に流れるのを止めるように該パイロット油の流れを制限するものである)。
)。これによって、第2ポンプP2から吐出される油の有効活用ができる。
走行系圧力制御弁34からパイロット油が供給される走行操作装置14はオペレータスペース内に配置されていることから、この走行操作装置14が熱くなるとオペレータスペースの雰囲気温度の上昇を招くが、本実施形態では、パイロット圧制御弁ユニットPCUの弁ボディ35が必要以上に熱くならないので、パイロット圧制御弁ユニットPCUの走行系圧力制御弁34からパイロット油が供給される走行操作装置14熱くならず、オペレータスペースの雰囲気温度の上昇を抑制することができる。
この第2ポンプP2の吐出量に変動が起こる場合において、ヒートアップ弁52の設定圧をメインリリーフ弁78の設定圧よりも高くして、低温時はヒートアップ弁52が開き、常温以上ではヒートアップ弁52が閉じるようにしたものにあっては、ヒートアップ弁52の設定圧が一定であると、第2ポンプP2の吐出量が増えた場合に油温が常温以上であってもヒートアップ弁52が開く場合がある。ヒートアップ弁52が開きっぱなしになると、油温が高温となった場合にもヒートアップ油路wに圧油が流れ、パイロット圧制御弁ユニットPCUが熱くなると共に走行系圧力制御弁34からパイロット油が供給される走行操作装置14も熱くなり、オペレータスペースの雰囲気温度の上昇を招くが、本実施形態では、ヒートアップ弁52の圧力設定バネ52が形状記憶材料によって形成されていて、油温の上昇と共にヒートアップ弁52の設定圧(圧力設定バネ52のバネ圧)が高くなるように構成されているので、第2ポンプP2の吐出量に変動が起こる場合であっても、常温以上の油温でヒートアップ弁52が確実に閉じるように設定することができる。
また、油温が低温であるときにおけるヒートアップ弁52の設定圧の設定の仕方により(低温時のヒートアップ弁52の設定圧を低めに設定しておくことにより)、ヒートアッ
プ弁52がポンプ保護の機能も兼ねるようにすることも可能である。
また、弁ボディ35内に形成された分岐油路x1,x2,x3を介してヒートアップ油路wからパイロット圧制御弁ユニットPCUの各制御弁34,79,80にパイロット油を供給するので、低温時における応答性の改善を良好に図ることができる。
図8は他の実施形態の油圧システムを示している。
この図8に示す実施形態が前記実施形態と異なる点は、ヒートアップ弁76を電磁開閉弁で構成すると共に油温を検出する温度センサ85を設け、この温度センサ85によって検出した油温に基づいて、油温が低温の時にヒートアップ弁76を開き、油温が所定温度以上(常温以上)に温まったときにヒートアップ弁76を閉じるように、該ヒートアップ弁76を電気的に開閉制御するようにした点である。
この電磁開閉弁からなるヒートアップ弁76は、図例では、油の流通を遮断する遮断位置76aと油の流通を許容する開通位置76bとに切換え自在とされ、バネ76cによって開通位置76bに切換わる方向に付勢され、ソレノイド76dを励磁することにより遮断位置76bに切り換えられる。
このヒートアップ弁76のソレノイド76dは伝送路を介して制御装置CUに接続されていて、制御装置CUによって開閉制御される。
温度センサ85は、図例では、作動油タンク31内に設けられていると共に制御装置CUに伝送路を介して接続されていて、作動油タンク31内の油の温度を検出すると共に検出値を制御装置CUに送り、該制御装置CUは温度センサ85の検出値に基づいてヒートアップ弁76を開閉制御する。
この図8に示す実施形態にあっても、ヒートアップ弁76は、パイロット油が所定温度以上に温まった時には閉じてヒートアップ油路wから流出するパイロット油が作動油タンク31に流れるのを止めるように該パイロット油の流れを制限するものである。
図9は、前記図8に示す実施形態とは異なる他の実施形態の油圧システムを示している。
この実施形態が図8に示す実施形態と異なる点は、ヒートアップ弁95を電磁比例流量制御弁で構成し、温度センサ85によって検出した油温に基づいて、油温が低温の時にヒートアップ弁95を全開し、パイロット油の油温が高くなるにつれてヒートアップ油路wから作動油タンク31へと流れるパイロット油の流量が徐々に減少するように、該ヒートアップ弁95の開度を電気的に制御するようにした点である。
ンク31に流れるパイロット油の流れを制限している。
その他の主要な構成については、前記実施形態と同様であるので、前記実施形態と同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
このヒートアップ弁95の比例ソレノイド95dは伝送路を介して制御装置CUに接続されていて、制御装置CUから比例ソレノイドに対して出力される出力電流によって可変絞り部95aの開度が制御される。
前述した本実施形態では、パイロット圧の供給用のポンプとして第1ポンプ(メインポンプ)P1とは別に第2ポンプ(パイロットポンプ)P2を設けているが、これに限定されることはなく、第1ポンプP1から吐出する油の一部をパイロット油として利用した油圧システムに本発明を採用してもよい。
また、前記ヒートアップ弁52を電磁比例リリーフ弁によって構成し、この電磁比例リリーフ弁の比例ソレノイドに対して制御装置CUから出力される出力電流によって、該電磁比例リリーフ弁の設定圧を変えるようにしてもよい。
31 作動油タンク
34 パイロット圧制御弁(走行系圧力制御弁)
35 弁ボディ
45a 一端側ポート(インポート)
45b 他端側ポンプ(アウトポート)
52 ヒートアップ弁
52a 弁体
52b 圧力設定バネ
76 ヒートアップ弁
79 パイロット圧制御弁(SP用制御弁)
80 パイロット圧制御弁(SP用制御弁)
P2 ポンプ(パイロットポンプ、第2ポンプ)
w ヒートアップ油路
Claims (6)
- ポンプ(P2)から吐出されて供給対象に送られるパイロット油の圧力を制御するパイロット圧制御弁(34,79,80)と、このパイロット圧制御弁(34,79,80)が組み込まれた弁ボディ(35)とを備え、
前記弁ボディ(35)に該弁ボディ(35)を貫通するヒートアップ油路(w)を形成し、このヒートアップ油路(w)の一端側ポート(45a)を前記ポンプ(P2)の吐出ポートに連通し、
前記ヒートアップ油路(w)の下流側に、パイロット油が低温の時には弁ボディ(35)をヒートアップするようにヒートアップ油路(w)から流出するパイロット油を作動油タンク(31)に流し、パイロット油が所定温度以上に温まった時には弁ボディ(35)が必要以上にヒートアップしないようにヒートアップ油路(w)から作動油タンク(31
)に流れるパイロット油の流れを制限するヒートアップ弁(52)を設け、
前記ヒートアップ弁(52)を、圧力設定バネ(52b)によって弁体(52a)が弁閉方向に付勢され且つ前記ヒートアップ油路(w)の他端側ポート(45b)から流出するパイロット油の圧力によって弁体(52a)が弁開方向に押圧される差圧開閉弁によって構成し、
前記ヒートアップ弁(52)の設定圧がパイロット油の油温が高くなるにつれて上がるように圧力設定バネ(52b)のバネ圧を変化させることを特徴とする暖機システム。 - 前記ヒートアップ弁(52)が、パイロット油が低温の時には開いてヒートアップ油路(w)から流出するパイロット油を作動油タンク(31)に流し、パイロット油が所定温度以上に温まった時には閉じてヒートアップ油路(w)から流出するパイロット油が作動油タンク(31)に流れるのを止めるように該パイロット油の流れを制限するものであることを特徴とする請求項1に記載の暖機システム。
- 前記圧力設定バネ(52b)をパイロット油の油温が高くなるにつれてバネ定数が強くなるように形状変化する形状記憶材料によって形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の暖機システム。
- ポンプ(P2)から吐出されて供給対象に送られるパイロット油の圧力を制御するパイロット圧制御弁(34,79,80)と、このパイロット圧制御弁(34,79,80)が組み込まれた弁ボディ(35)とを備え、
前記弁ボディ(35)に該弁ボディ(35)を貫通するヒートアップ油路(w)を形成し、このヒートアップ油路(w)の一端側ポート(45a)を前記ポンプ(P2)の吐出ポートに連通し、
前記ヒートアップ油路(w)の下流側に、パイロット油が低温の時には弁ボディ(35)をヒートアップするようにヒートアップ油路(w)から流出するパイロット油を作動油タンク(31)に流し、パイロット油が所定温度以上に温まった時には弁ボディ(35)が必要以上にヒートアップしないようにヒートアップ油路(w)から作動油タンク(31)に流れるパイロット油の流れを制限するヒートアップ弁(52,76,95)を設け、
前記パイロット油の供給対象が操作対象をパイロット操作するリモコン弁(14)とされ、前記パイロット圧制御弁(34)が前記リモコン弁(14)の一次側圧力を制御するものであることを特徴とする暖機システム。 - 前記ヒートアップ弁(52,76,95)が、パイロット油が低温の時には開いてヒートアップ油路(w)から流出するパイロット油を作動油タンク(31)に流し、パイロット油が所定温度以上に温まった時には閉じてヒートアップ油路(w)から流出するパイロット油が作動油タンク(31)に流れるのを止めるように該パイロット油の流れを制限するものであることを特徴とする請求項4に記載の暖機システム。
- 前記パイロット油の供給対象が操作対象をパイロット操作するリモコン弁(14)とされ、前記パイロット圧制御弁(34)が前記リモコン弁(14)の一次側圧力を制御するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の暖機システム。
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