JP5809544B2 - 暖機システム - Google Patents

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Description

本発明は、コンパクトトラックローダ(CTL)、スキットローダ、バックホー等の作業機の暖機システムに関するものである。
作業機として特許文献1に記載のトラックローダがある。
このトラックローダは、パイロットポンプから吐出されて供給対象に送られるパイロット油の圧力を制御するパイロット圧制御弁を備えている。
具体的には、前記供給対象は、トラックローダに装着されるアタッチメントの油圧アクチュエータを制御するパイロット操作切換弁であり、前記パイロット圧制御弁は前記パイロット操作切換弁をパイロット操作する電磁比例弁である。
特開2009−293631号公報
気温が低いときにはパイロット油の油温が低温となるが、低温ではパイロット油の粘度が高くなり、流れの抵抗による圧力損失が大きくなるので、パイロット圧制御弁の応答性(指示信号に対する圧力変動)が遅くなる。
パイロット圧制御弁の応答性が遅いと、オペレータの操作と本機の動きにタイムラグが発生して、操作フィーリングの悪化、本機性能の悪化が起こる。具体的には、パイロット圧制御弁を操作する操作部材をニュートラルに戻したときにアタッチメントが停止するのに遅れがある等である。
また、十分な暖機運転をして作動油タンク内の油が温まっていても、パイロット管路(パイロットポンプから吐出したパイロット油を流す管路)に流れる油の流量は多くないので、雰囲気温度(気温)が低いとパイロット油がパイロット圧制御弁に到達するまでに冷やされてしまい、パイロット圧制御弁が組み込まれた弁ボディ自体の温度は上がりにくい。それ故、本機を暖機させてもパイロット圧制御弁の応答性が改善されない場合がある。
また、パイロット圧制御弁を温める方法として、パイロット圧制御弁が組み込まれた弁ボディにヒートアップ水路を形成し、このヒートアップ水路にエンジンの冷却水を流す暖機システムが導入されている作業機があるが、エンジンの冷却水を弁ボディまで引く管路が別途必要であるのでコスト高となる。
また、他の方法として、弁ボディ内にヒータを組み込む方法も考えられるが、新規にヒータや配線が必要となりコスト高となる。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みて、気温が低いときにおけるパイロット圧制御弁の応答性遅れを防止することができると共に該応答遅れを防止するシステムを安価に構築することができる暖機システムを提供することを課題とする。
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、ポンプから吐出されて供給対象に送られるパイロット油の圧力を制御するパイロット圧制御弁と、前記パイロット圧制御弁が組み込まれた弁ボディと、前記弁ボディに形成されていて、前記ポンプから吐出されたパイロット油を流入させるヒートアップ油路と、前記ポンプから吐出されるパイロット油の圧力を設定するメインリリーフ弁と、前記ヒートアップ油路から流出するパイロット油を作動油タンクに流す経路に設けられていて、前記メインリリーフ弁の設定圧よりも設定圧が高いヒートアップ用リリーフ弁とを備え、
前記ヒートアップ用リリーフ弁の設定圧は、作動油タンク内の油が低温であると開き且つ作動油タンク内の油が所定温度以上になると閉じる設定圧とされていることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、前記弁ボディに、前記ヒートアップ油路から分岐して前記パイロット圧制御弁の一次側ポートに接続される分岐油路を形成したことを特徴とする。
請求項に係る発明では、前記ヒートアップ用のリリーフ弁の設定圧よりも設定圧が高いポンプ保護リリーフ弁を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、エンジンを始動して暖機運転をすると、ポンプによって作動油タンクから吸い上げられて吐出されたパイロット油が弁ボディに形成されたヒートアップ油路を通り、リリーフ弁又は絞りを介して作動油タンクへと循環する。これによって、パイロット油の油温が上昇すると共にパイロット圧制御弁が組み込まれた弁ボディが温められ、気温の低いときにおけるパイロット圧制御弁の応答性を確保することができる。
また、ポンプから吐出されてパイロット圧制御弁に供給されるパイロット油を流すパイロット管路を利用するので、弁ボディを温めることができる暖機システムを安価に構築することができる。
また、パイロット油が低温の時にはポンプから吐出されるパイロット油の圧力が高いのでメインリリーフ弁及びヒートアップ用のリリーフ弁が開いて弁ボディが温められるが、パイロット油が温まると、パイロット油の圧力が下がってメインリリーフ弁の設定圧となりヒートアップ用のリリーフ弁が閉じるので、ポンプから吐出されるパイロット油を有効活用することができる。
請求項に係る発明によれば、弁ボディ内に形成された分岐油路を介してヒートアップ油路からパイロット圧制御弁にパイロット油を供給するので、低温時における応答性の改善を良好に図ることができる。
請求項に係る発明によれば、低温時におけるエンジン始動時に、パイロット管路が急激に高圧になっても該圧をポンプ保護リリーフ弁によって逃がすことができ、ポンプを保護することができる。
トラックローダの全体側面図である。 キャビンを上昇させた状態のトラックローダの一部を示す側面図である。 トラックローダの油圧システムの油圧回路である。 要部の油圧回路である。 走行系の油圧回路である。 作業系の油圧回路である。 変形例を示す油圧回路である。 他の実施形態を示す油圧回路である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1、図2において、符号1は本発明に係る作業機として例示するトラックローダであり、このトラックローダ1は、機体2と、この機体2に装着した作業装置3と、機体2を走行可能に支持する左右一対の走行装置4とを備え、機体2の上部前部寄りにキャビン5(運転者保護装置)が搭載されている。
機体2は、底壁6と、左右一対の側壁7と、前壁8と、左右各側壁7の後部に設けられた支持枠体9とを備え、側壁7間は上方に開放状とされ、この機体2の後端部には、左右一対の支持枠体9間の後端開口を塞ぐ蓋部材10が開閉自在に設けられている。
前記キャビン5は、前下端が機体2の前壁8上端に載置されていると共に、背面の上下中途部が機体2に設けた支持ブラケット11に、左右方向の支持軸12廻りに揺動自在に支持されており、支持軸12回りにキャビン5を上方に揺動することにより機体2内のメンテナンス等が可能とされている。
キャビン5内には運転席13が設けられ、この運転席13の左右一側(例えば、左側)には、走行装置4を操作するための走行操作装置14が配置され、運転席13の左右他側(例えば、右側)には、作業装置3を操作するための作業用操作装置15が配置されている。
キャビン5は上面が屋根で塞がれ、左右の側面が多数の角孔を形成した側壁で塞がれ、背面上部がリヤガラスで塞がれ、底面の前後方向中央部が底壁により塞がれていて、前方が開口した箱形に形成され、前面側が乗降口とされている。
左右の各走行装置4は、前後一対の従動輪16と、前後の従動輪16間の上方で且つ後部寄りに配置した駆動輪17と、前後の従動輪16間に配置した複数の転輪18と、これら前後従動輪16,駆動輪17及び転輪18にわたって巻き掛けられた無端帯状のクローラベルト19とを備えてなるクローラ式走行装置により構成されている。
前後従動輪16及び転輪18は、機体2に取付固定されたトラックフレーム20に横軸回りに回転自在に取り付けられ、駆動輪17はトラックフレーム20に取り付けられた油圧駆動式の走行モータ21L,21R(ホイルモータ)の回転ドラムに取り付けられ、該走行モータ21L,21Rによって駆動輪17を左右軸回りに回転駆動することによりクローラベルト19が周方向に循環回走され、これにより、トラックローダ1が前後進するように構成されている。
作業装置3は、左右一対のアーム22と、該アーム22の先端側に装着したバケット23(作業具)とを備えている。
アーム22はキャビン5の左右両側にそれぞれ配置され、左右のアーム22はその前部側の中途部において連結体によって相互に連結されている。
左右の各アーム22は、該アーム22の先端側が機体2の前方側で昇降するように、その基部側(後部側)が機体2の後上部に第1リフトリンク24と第2リフトリンク25とを介して上下揺動自在に支持されている。
また、左右の各アーム22の基部側と機体2の後下部との間には、複動式油圧シリンダからなるリフトシリンダ26が設けられ、該左右のリフトシリンダ26を左右同時に伸縮させることにより左右のアーム22が上下に揺動動作する。
左右の各アーム22の先端側には、それぞれ装着ブラケット27が左右軸回りに回動自在に枢支連結され、左右の装着ブラケット27にバケット23の背面側が取り付けられている。
装着ブラケット27とアーム22の先端側中途部との間には、複動式油圧シリンダからなるバケットシリンダ28が介装され、このバケットシリンダ28の伸縮によってバケット23が揺動動作(スクイ・ダンプ動作)するように構成されている。
バケット23は装着ブラケット27に対して着脱自在とされており、バケット23を取り外して装着ブラケット27に各種の油圧アタッチメント(油圧駆動式の作業具)を取り付けることで、掘削以外の各種の作業(又は他の掘削作業)を行えるように構成されている。
機体2の底壁6上の後側にはエンジン29が設けられ、機体2の底壁6上の前側には燃料タンク30と作動油タンク31とが設けられている。
エンジン29の前方には左右の走行モータ21L,21Rを駆動する油圧駆動装置32が設けられ、この油圧駆動装置32の前方に第1〜3ポンプP1,P2,P3が設けられ、機体2の右側壁7の前後方向中途部に、作業装置用コントロールバルブ33(油圧制御装置)と、パイロット圧制御弁ユニットPCUとが設けられている。
また、機体2の前部には、フット操作によってエンジン29の回転数を上げ・下げ操作するアクセルペダル53(アクセル操作部材)と、ハンド操作によってエンジン29の回転数を上げ・下げ操作するアクセルレバー54(アクセル操作部材)とが設けられている。
アクセルレバー54はケーブル等を介してアクセルペダル53に連動連結されていて、アクセルレバー54を操作すると該操作に連動してアクセルペダル53が揺動動作する。また、アクセルレバー54は摩擦力によって操作された位置に保持可能である。また、アクセルペダル53はアクセルレバー54によって操作された位置から踏込み操作可能であり、該踏込み操作を解除すると戻しバネによって踏み込み前の元の位置に戻される。
アクセルペダル53の下方側には、該アクセルペダル53の踏込み量(アクセル操作量)を検出するアクセルセンサASが設けられている。
次に、図3〜7を参照して、トラックローダ1の油圧システムについて説明する。
第1〜3ポンプP1,P2,P3は、エンジン29の動力によって駆動される定容量型のギヤポンプによって構成されている。
第1ポンプP1(メインポンプ)は、リフトシリンダ26、バケットシリンダ28又はアーム22の先端側に取り付けられるアタッチメントの油圧アクチュエータを駆動するために使用される。
第2ポンプP2(パイロットポンプ、チャージポンプ)は、主として制御信号圧力(パイロット圧)の供給用に使用される。
第3ポンプP3(サブポンプ)は、アーム22の先端側に取り付けられるアタッチメントの油圧アクチュエータが大容量を必要とする油圧アクチュエータである場合に該油圧アクチュエータに供給する作動油の流量を増量するのに使用される。
前記作業装置用コントロールバルブ33は、図6に示すように、リフトシリンダ26を制御するアーム用制御弁92と、バケットシリンダ28を制御するバケット用制御弁93と、アーム22の先端側等に取り付けられるアタッチメントの油圧アクチュエータを制御するSP用制御弁94とを有する。前記各制御弁92,93,94は、パイロット方式の直動スプール形三位置切換弁(パイロット圧で切換え操作されるパイロット操作切換弁)から構成されている。
前記パイロット圧制御弁ユニットPCUは、図4に示すように、弁ボディ35と、この弁ボディ35内に組み込まれた3つのパイロット圧制御弁34,79,80とを有する。
前記各パイロット圧制御弁34,79,80は電磁比例弁によって構成され、この3つのパイロット圧制御弁のうち1つは、走行操作装置14(供給対象)に供給されるパイロット油の圧力(走行操作装置14の一次側圧力)を制御する走行系圧力制御弁34であり、他の2つはSP用制御弁94(供給対象)の受圧部94a,94bに供給されるパイロット油の圧力を制御する(SP用制御弁94をパイロット操作する)SP用操作弁79,80である。
油圧システムは、これら走行系圧力制御弁34、SP用操作弁79,80を制御する制御装置CUを備えている。走行系圧力制御弁34、SP用操作弁79,80の比例ソレノイド34a,79a,80aは制御装置CUに伝送路を介して接続されていて、該制御装置CUから各比例ソレノイド34a,79a,80aに出力される出力電流によって、走行系圧力制御弁34、SP用操作弁79,80の二次側圧力が制御される。
弁ボディ35は、例えば四角ブロック状に形成されていて、該弁ボディ35には、対向面間に直線状に形成されたヒートアップ油路wが貫通形成されている。
なお、このヒートアップ油路wは直線状である必要はなく、L字状、U字状、クランク状、螺旋状、等どのような形で弁ボディ35に貫通形成されていてもよい。
このヒートアップ油路wの一端側ポート45aは第2ポンプP2から吐出されたパイロット油を流入させるインポート(ヒートアップ油路wの始端)とされ、他端側ポート45bはヒートアップ油路wに流入したパイロット油を流出させるアウトポート(ヒートアップ油路wの終端)とされている。
弁ボディ35には、ヒートアップ油路wから分岐された3つの分岐油路x1,x2,x3が形成されている。この3つの分岐油路x1,x2,x3の内一つの分岐油路x1は走行系圧力制御弁34の一次側ポート34bに接続され、残りの2つの分岐油路x2,x3の内、一つの分岐油路x2は一方のSP用操作弁79の一次側ポート79bに接続され、他の分岐油路x3は他方のSP用操作弁80の一次側ポート80bに接続されている。
また、弁ボディ35にはドレン油路y1を介して作動油タンク31に接続されたタンクポート55と、このタンクポート55と走行系圧力制御弁34の排油ポート34cとを接続する排油路e1と、この排油路e1と各SP用操作弁79,80の排油ポート79c,80cとを接続する排油接続路e2,e3とが形成されている。
図3に示すように、第1ポンプP1の吐出ポートには該第1ポンプP1から吐出される吐出油を流通させる吐出油路qが接続され、第2ポンプP2の吐出ポートには該第2ポンプP2から吐出される吐出油(パイロット油)を流通させる吐出油路aが接続され、第3ポンプP3の吐出ポートには該第3ポンプP3から吐出される吐出油を流通させる吐出油路kが接続されている。
また、図3及び図4に示すように、第2ポンプP2の吐出油路aは、チャージ圧供給路bと、パイロット圧供給路cとに分岐されている。
第2ポンプP2の吐出油路aには、オイルフィルタ56が介装されていると共に、該オイルフィルタ56の上流側にポンプ保護リリーフ弁69を有する保護リリーフ回路70が接続されている。
パイロット圧供給路cは、始端が吐出油路aに接続され終端が前記ヒートアップ油路wのインポート45aに接続された第1パイロット油路c1と、始端がヒートアップ油路wのアウトポート45bに接続された第2パイロット油路c2とを有する。前記ヒートアップ油路wはパイロット圧供給路cの一部を構成している。
前記第2パイロット油路c2は、電磁方式の二位置切換弁からなる2速切換弁64,ブレーキ解除弁65及び作業ロック弁91が組み込まれた弁ブロック62に接続されている。これら2速切換弁64、ブレーキ解除弁65、作業ロック弁91については後述する。
前記弁ブロック62には、始端が第2パイロット油路c2に接続され終端が2速切換弁64に接続された第3パイロット油路c3と、この第3パイロット油路c3から分岐されてブレーキ解除弁65に接続された第4パイロット油路c4と、第3パイロット油路c3から分岐されて作業ロック弁91に接続された第5パイロット油路c5と、ドレン油路y2を介して作動油タンク31に連通し且つ2速切換弁64,ブレーキ解除弁65及び作業ロック弁91の排油ポートに接続された排油路dとが形成されている。
前記第5パイロット油路c5の分岐点81は第4パイロット油路c4の分岐点82よりも上流側に位置し、該第5パイロット油路c5の分岐点81よりも上流側において、第3パイロット油路c3がヒートアップ用リリーフ弁52を有するヒートアップ用リリーフ回路73によって前記排油路dに接続されている。
前記ヒートアップ用リリーフ弁52の設定圧はポンプ保護リリーフ弁69の設定圧よりも低い圧に設定されている。
前記ポンプ保護リリーフ弁69は、オイルフィルタ56が詰まった場合や作動油タンク31内の油が低温である場合において、エンジン29の始動時に吐出路aが高圧となる場合に、該圧を逃がして第2ポンプP2やオイルフィルタ56を保護するためのものであり、作動油タンク31内の油が低温である時において、後述するメインリリーフ弁78やヒートアップ用リリーフ弁52の設定圧よりも高い圧で開く。
ここで、図3及び図6を参照して、油圧システムの作業系について説明する。
前記作業用操作装置15は、アーム用制御弁92とバケット用制御弁93とをパイロット操作するリモコン弁によって構成され、アーム上げ用パイロット弁86と、アーム下げ用パイロット弁87と、バケットダンプ用パイロット弁88と、バケットスクイ用パイロット弁89と、これらパイロット弁86,87,88,89について共通の(1本の)操作レバー90とを有する。
この作業用操作装置15の一次側ポートは、第6パイロット油路c6を介して前記作業ロック弁91に接続されている。この作業ロック弁91を励磁することにより第2ポンプP2の吐出油が第6パイロット油路c6を介して各パイロット弁86,87,88,89の一次側ポートに供給可能とされる。また、作業ロック弁91が消磁されることにより第2ポンプP2からの圧油が各パイロット弁86,87,88,89に供給不能とされて作業用操作装置15が操作不能となる。
アーム用制御弁92、バケット用制御弁93及びSP用制御弁94は、シリーズ回路を構成するように、第1ポンプP1の吐出油路qに接続され、第1ポンプP1の吐出油が、リフトシリンダ26、バケットシリンダ28、又はアタッチメントの油圧アクチュエータにそれぞれ供給可能とされている。
作業用操作装置15の操作レバー90は、中立位置から、前後左右と前後左右の間の斜め方向に傾動操作可能とされ、該操作レバー90を傾動操作することにより、作業用操作装置15の各パイロット弁86,87,88,89が操作されると共に、操作レバー90の中立位置からの操作量に比例したパイロット圧が該操作されたパイロット弁86,87,88,89の二次側ポートから出力される。
本実施形態では、操作レバー90を後側(図6の矢示B1方向)に傾動させると、アーム上げ用パイロット弁86が操作されてリフトシリンダ26を伸長させる方向にアーム用制御弁92が操作され、操作レバー90の傾動量に比例した速度でアーム22が上がる。
操作レバー90を前側(図6の矢示B2方向)に傾動させると、アーム下げ用パイロット弁87が操作されてリフトシリンダ26を縮小させる方向にアーム用制御弁92操作され、操作レバー90の傾動量に比例した速度でアーム22が下がる。
操作レバー90を右側(図6の矢示B3方向)に傾動させると、バケットダンプ用パイロット弁88が操作されてバケットシリンダ28を伸長させる方向にバケット用制御弁93が操作され、操作レバー90の傾動量に比例した速度でバケット23がダンプ動作する。
操作レバー90を左側(図6の矢示B4方向)に傾動させると、バケットスクイ用パイロット弁89が操作されてバケットシリンダ28を縮小させる方向にバケット用制御弁93が操作され、操作レバー90の傾動量に比例した速度でバケット23がスクイ動作する。
また、操作レバー90を斜め方向に傾動させると、アーム22の上げ又は下げ動作と、バケット23のスクイ又はダンプ動作とを複合した動作が行える。
前記SP用制御弁94には、油圧ホース接続用の継手ユニット71の一対の圧油給排用継手71a,71bが油圧管路を介して接続されており、該継手71a,71bに油圧ホース等を介してアタッチメントの油圧アクチュエータを接続することにより、SP用制御弁94によってアタッチメントが操作可能とされる。
なお、この継手ユニット71にはドレン用継手71cが備えられている。
SP用制御弁94は前記一対のSP用操作弁79,80によって操作可能とされ、これらSP操作弁79,80は前記作業用操作装置15の操作レバー90の頂部側に設けられたスライドボタンによって操作可能とされている。
図4に示すように、一方のSP操作弁79の二次側ポート79dは第7パイロット油路c7を介してSP用制御弁94の一側の受圧部94aに接続され、他方のSP操作弁80の二次側ポート80dは第8パイロット油路c8を介してSP用制御弁94の他側の受圧部94bに接続されている。
操作レバー90に設けたスライドボタンを一方にスライド操作すると、操作信号が制御装置CUに入力され、該制御装置CUから一方のSP操作弁79に指令信号が出力され、一方のSP操作弁79から操作量に比例したパイロット圧がSP用制御弁94の一側の受圧部94aに出力される。
また、スライドボタンを他方にスライド操作すると、制御装置CUから他方のSP操作弁80に指令信号が出力され、他方のSP操作弁80から操作量に比例したパイロット圧がSP用制御弁94の他側の受圧部94bに出力される。
前記第3ポンプP3の吐出油路kはハイフロー弁83に接続されている。
ハイフロー弁83は、パイロット方式の2位置切換弁から構成され、第3ポンプP3の吐出油を作動油タンク31に戻す非増量位置と、第3ポンプP3の吐出油を増量油路nを介して一方の継手71bに流す増量位置とに切り換え自在とされ、バネによって非増量位置に切り換えられる方向に付勢され、受圧部に作用するパイロット圧によって増量位置に切り換えられる。
ハイフロー弁83の受圧部にパイロット圧を作用させるか否かは電磁方式の二位置切換弁からなる切換弁84によって行われ、この切換弁84を励磁することにより第6パイロット油路c6から分岐した第9パイロット油路c9のパイロット圧がハイフロー弁83の受圧部に作用し、切換弁84を消磁することによりパイロット圧がハイフロー弁83の受圧部に作用しないように構成されている。
次に、図3,図4及び図5を参照して、油圧システムの走行系について説明する。
走行操作装置14は、走行装置4を駆動するHSTのHSTポンプ66(操作対象)をパイロット操作するリモコン弁によって構成されており、前進用のパイロット弁36と、後進用のパイロット弁37と、右旋回用のパイロット弁38と、左旋回用のパイロット弁39と、これらパイロット弁36,37,38,39について共通の(1本の)走行レバー40と、第1〜4シャトル弁41,42,43,44と、第2ポンプP2からの圧油を入力するポンプポート50と、作動油タンク31に連通するタンクポート51とを有する。
前記走行操作装置14のポンプポート50は第10パイロット油路c10を介して走行系圧力制御弁34の二次側ポート34dに接続されている。
したがって、第2ポンプP2の吐出油はパイロット油として走行操作装置14に供給され、この走行操作装置14に供給されたパイロット油は該走行操作装置14の各パイロット弁36,37,38,39の一次側ポートに供給可能とされていると共に、使用されないパイロット油がタンクポート51からドレンされる。
左右の各走行モータ21L,21Rは、高低2速に変速可能な斜板形可変容量アキシャルモータによって構成されたHSTモータ57(走行用の油圧モータ)と、このHSTモータ57の斜板の角度を切り換えることによりHSTモータ57を高低2速に変速操作する斜板切換シリンダ58と、HSTモータ57の出力軸57a(走行モータ21L,21Rの出力軸57a)を制動するブレーキシリンダ59と、フラッシング弁60と、フラッシング用リリーフ弁61とを有する。
前記斜板切換シリンダ58はパイロット方式の二位置切換弁からなるシリンダ切換弁63によって圧油が作用する状態と圧油が作用しない状態とに切り換えられる。斜板切換シリンダ58に圧油が作用していないときにはHSTモータ57が1速状態とされ、斜板切換シリンダ58に圧油が作用しているときにはHSTモータ57が2速状態に切り換えられる。
シリンダ切換弁63は第11パイロット油路c11を介して2速切換弁64に接続されていて、2速切換弁64によってシリンダ切換弁63が切換え操作される。
前記ブレーキシリンダ59にはHSTモータ57の出力軸57aを制動するバネが内蔵され、また、ブレーキシリンダ59は第12パイロット油路c12を介して前記ブレーキ解除弁65に接続されている。このブレーキ解除弁65を励磁することにより該ブレーキシリンダ59に第12パイロット油路c12のパイロット油が作用して、HSTモータ57の出力軸57aの制動が解除される。
前記油圧駆動装置32は、左走行モータ21L用の駆動回路32A(左用駆動回路)と、右走行モータ21R用の駆動回路32B(右用駆動回路)とを備えている。
各駆動回路32A,32Bは、一対の変速用油路h,iによって対応する走行モータ21L,21RのHSTモータ57に閉回路接続されたHSTポンプ(走行用の油圧ポンプ)66と、高圧側の変速用油路h,iの圧が設定以上になると低圧側の変速用油路h,iに逃がす高圧リリーフ弁67と、第2ポンプP2からの圧油をチェック弁68を介して低圧側の変速用油路h,iに補充するためのチャージ回路jとを備えている。
各駆動回路32A,32BのHSTポンプ66は、エンジン29の動力によって駆動される斜板形可変容量アキシャルポンプであると共にパイロット圧で斜板の角度が変更されるパイロット方式の油圧ポンプ(斜板形可変容量油圧ポンプ)である。
すなわち、HSTポンプ66は、パイロット圧が作用する前進用受圧部66aと後進用受圧部66bとを備えており、これら受圧部66a,66bに作用するパイロット圧によって斜板の角度が変更されて作動油の吐出方向や吐出量が変更され、これによって走行モータ21L,21Rの回転出力をトラックローダ1を前進させる方向(正転方向)或いはトラックローダ1を後進させる方向(逆転方向)に無段階に変速することができるよう構成されている。
各チャージ回路jは前記チャージ圧供給路bに接続されていて、各チャージ回路jに第2ポンプP2の吐出油が供給可能とされている。また、右用駆動回路32Bのチャージ回路jには、メインリリーフ弁78を有するメインリリーフ回路74が接続されている。このメインリリーフ回路74のメインリリーフ弁78の設定圧は前記ヒートアップ用リリーフ弁52の設定圧よりも低い圧に設定されている。
作動油タンク31内の油が所定温度以上の温かい油温であるとき(油温が常温以上であるとき)においては、ヒートアップ用リリーフ弁52は閉じていて、前記メインリリーフ弁78によって第2ポンプP2から吐出された圧油を流通させる油圧管路内の油の圧力が設定される。また、作動油タンク31内の油が低温であると、油の粘度が高くなることから、第2ポンプP2から吐出された圧油を流通させる油圧管路内の油の圧力がメインリリーフ弁78の設定圧以上の高圧となってヒートアップ用リリーフ弁52が開くように設定されている。
走行モータ21L,21Rのフラッシング弁60は、高圧側の変速用油路h,iの圧によって低圧側の変速用油路h,iをフラッシング用リリーフ油路mに接続するように切り換えられ、低圧側の変速用油路h,iに作動油を補充させるべく該低圧側の変速用油路h,iの作動油の一部をフラッシング用リリーフ油路mを介して走行モータ21L,21Rのハウジング内の油溜まりに逃がすものである。前記フラッシング用リリーフ弁61は、フラッシング用リリーフ油路mに介装されている。
前記走行モータ21L,21RのHSTモータ57及びフラッシング弁60等と駆動回路32A,32Bと一対の変速用油路h,iとで分離型のHST(静油圧トランスミッション)が構成されている。
前記走行操作装置14の走行レバー40は、中立位置から、前後左右と前後左右の間の斜め方向に傾動操作可能とされ、該走行レバー40を傾動操作することにより、走行操作装置14の各パイロット弁36,37,38,39が操作されると共に、走行レバー40の中立位置からの操作量に比例したパイロット圧が該操作されたパイロット弁36,37,38,39の二次側ポートから出力されるよう構成されている。
走行レバー40を前側(図5では矢示A1方向)に傾動させると、前進用パイロット弁36が操作されて該パイロット弁36からパイロット圧が出力され、該パイロット圧は第1シャトル弁41から第1流路46を介して左用駆動回路32AのHSTポンプ66の前進用受圧部66aに作用すると共に第2シャトル弁42から第2流路を介して右用駆動回路32Bの前進用受圧部66aに作用する。 これにより左右の走行モータ21L,21Rの出力軸57aが走行レバー40の傾動量に比例した速度で正転(前進回転)してトラックローダ1が前方に直進する。
また、走行レバー40を後側(図5では矢示A2方向)に傾動させると、後進用パイロット弁37が操作されて該パイロット弁37からパイロット圧が出力され、該パイロット圧は第3シャトル弁43から第3流路48を介して左用駆動回路32AのHSTポンプ66の後進用受圧部66bに作用すると共に第4シャトル弁44から第4流路を介して右用駆動回路32BのHSTポンプ66の後進用受圧部66bに作用する。
これにより左右の走行モータ21L,21Rの出力軸57aが走行レバー40の傾動量に比例した速度で逆転(後進回転)してトラックローダ1が後方に直進する。
また、走行レバー40を右側(図5では矢示A3方向)に傾動させると、右旋回用パイロット弁38が操作されて該パイロット弁38からパイロット圧が出力され、該パイロット圧は第1シャトル弁41から第1流路46を介して左用駆動回路32AのHSTポンプ66の前進用受圧部66aに作用すると共に第4シャトル弁44から第4流路49を介して右用駆動回路32BのHSTポンプ66の後進用受圧部66bに作用する。
これにより左走行モータ21Lの出力軸57aが正転し且つ右走行モータ21Rの出力軸57aが逆転してトラックローダ1が右側に旋回する。
また、走行レバー40を左側(図5では矢示A4方向)に傾動させると、左旋回用パイロット弁39が操作されて該パイロット弁39からパイロット圧が出力され、該パイロット圧は第2シャトル弁42から第2流路47を介して右用駆動回路32BのHSTポンプ66の前進用受圧部66aに作用すると共に第3シャトル弁43から第3流路43を介して左用駆動回路32AのHSTポンプ66の後進用受圧部66bに作用する。
これにより右走行モータ21Rの出力軸57aが正転し且つ左走行モータ21Lの出力軸57aが逆転してトラックローダ1が左側に旋回する。
また、走行レバー40を斜め方向に傾動させると、各駆動回路32A,32Bの前進用受圧部66aと後進用受圧部66bとに作用するパイロット圧の差圧によって、走行モータ21L,21Rの出力軸57aの回転方向及び回転速度が決定され、トラックローダ1が前進又は後進しながら右旋回又は左旋回する。
すなわち、走行レバー40を左斜め前側に傾動操作すると該走行レバー40の傾動角度に対応した速度でトラックローダ1が前進しながら左旋回し、走行レバー40を右斜め前側に傾動操作すると該走行レバー40の傾動角度に対応した速度でトラックローダ1が前進しながら右旋回し、走行レバー40を左斜め後側に傾動操作すると該走行レバー40の傾動角度に対応した速度でトラックローダ1が後進しながら左旋回し、走行レバー40を右斜め後側に傾動操作すると該走行レバー40の傾動角度に対応した速度でトラックローダ1が後進しながら右旋回する。
前記第1〜4流路46〜49には、それぞれショック緩和用絞り77が設けられ、HSTポンプ66の前進用受圧部66a及び後進用受圧部66bに対する走行操作装置14からのパイロット油の供給又は前進用受圧部66a及び後進用受圧部66bからのパイロット油の戻りはショック緩和用絞り77を介して行われるので、急激な車速の変動が防止される。
前記エンジン29は、前記アクセルペダル53又はアクセルレバー54によって、これらアクセル操作部材53,54の操作量が0であるアイドリング回転(1150rpm)から、前記アクセル操作部材53,54を最大に操作したマックス回転(2480rpm)へと回転数を増大可能とされ、エンジン29の回転数を増大させることにより、HSTポンプ66の回転数が増加して該HSTポンプ66の吐出量が上がり、走行速度が増加する。
本実施形態にあっては、コモンレール式の電子制御燃料供給装置SUが設けられ、該電子制御燃料供給装置SUによってエンジン29に燃料が供給される。この電子制御燃料供給装置SUは、燃料を蓄える筒状の管からなるコモンレールと、燃料タンク30内の燃料を高圧にしてコモンレールに送るサプライポンプと、コモンレールに蓄えた高圧の燃料をエンジン29の気筒に噴射するインジェクタと、このインジェクタの燃料噴射量をコントロールするコントローラECUとを備えている。
前記コントローラECUには、アクセルペダル53の操作量を検出するアクセルセンサASとエンジン29の実際の回転数(実エンジン回転数)を検出する回転センサRSとが伝送路を介して接続されていて、該コントローラECUにアクセルセンサAS及び回転センサRSの検出信号が入力される。
そして、このアクセルセンサAS及び回転センサRSの検出信号に基づいて、エンジン29がアクセルペダル53又はアクセルレバー54の操作量に応じた(アクセル操作部材53,54によって決定される)回転数(目標エンジン回転数)となるように、コントローラECUによってインジェクタの燃料噴射量が制御される。
前記制御装置CUは電子制御燃料供給装置SUのコントローラECUに伝送路を介して接続されていて、電子制御燃料供給装置SUから制御装置CUへと目標エンジン回転数及び実エンジン回転数の情報が入力される。
本実施形態のトラックローダ1にあっては、前記制御装置CU及び走行系圧力制御弁34によって、実エンジン回転数に応じて走行操作装置14の各パイロット弁36,37,38,39の一次側圧力を変化させる制御を行うことにより、エンジンストールを防止しつつエンジン29に大きな負荷が作用するような作業における走行速度の向上を図っている。
前記構成のトラックローダ1にあっては、エンジン29を始動すると第2ポンプP2が起動し、作動油タンク31内の油が吸い上げられて第2ポンプP2から吐出するが、気温が低いときにおいては、作動油タンク31内の油は低温であるので、吐出油路a、チャージ圧供給路b、パイロット圧供給路c内の油の圧力がメインリリーフ弁78の設定圧よりも高くなり、ヒートアップ用リリーフ弁52が開く。
ヒートアップ用リリーフ弁52が開くことにより、第2ポンプP2から吐出した油は第1パイロット油路c1からヒートアップ用油路wに流入すると共に該ヒートアップ油路wから第2パイロット油路c2へと流出し、第3パイロット油路c3からヒートアップ用リリーフ回路73等を介して作動油タンク31へと戻る(作動油タンク31→第2ポンプP2→吐出油路a→第1パイロット油路c1→ヒートアップ油路w→第2パイロット油路c2→第3パイロット油路c3→ヒートアップ用リリーフ回路73→排油路d→ドレン油路y2→作動油タンク31の経路で油が循環する)。
一方、作動油タンク31内の油は、作動油タンク31→第1ポンプP1、第2ポンプP2及び第3ポンプP3→油圧管路→作動油タンク31の経路で循環することにより温められ、この温められた油がヒートアップ油路wを流れることによりパイロット圧制御弁ユニットPCUの弁ボディ35がヒートアップされ、作動油タンク31の温度とパイロット圧制御弁ユニットPCUの温度とを同等にすることができる。
これによって、気温が低いときにおいて、走行系圧力制御弁34及びSP用操作弁79,80の応答性が遅くなるのを防止することができる(応答性を良好にすることができる)。そして、走行系圧力制御弁34の応答性遅れに起因するエンジンストールの防止と、SP用操作弁79,80の応答性遅れに起因するアタッチメントの動作遅れの防止とをそれぞれ図ることができる。
また、走行系圧力制御弁34から送られるパイロット油の供給対象がHSTポンプ66をパイロット操作する走行用操作装置14であるので、この走行用操作装置14の低温時における応答性も確保することができる。
なお、前記弁ボディ35をヒートアップさせるヒートアップ性能は、ヒートアップ用リリーフ弁52のオーバーライド特性を操作することにより調整することができる。
また、第2ポンプP2から吐出されてヒートアップ油路wを経て作動油タンク31に戻る油の油温が所定温度以上に温められると、ヒートアップ用リリーフ回路73等を流れる油の圧力が低くなり、ヒートアップ用リリーフ弁52が閉じる。これによって、第2ポンプP2から吐出される油の有効活用ができる。
また、ヒートアップ油路wを流れるパイロット油が所定温度以上に温まるとヒートアップ用リリーフ弁52が閉じるので、パイロット圧制御弁ユニットPCUの弁ボディ35が必要以上にヒートアップされることがない。
走行系圧力制御弁34からパイロット油が供給される走行操作装置14はオペレータスペース内に配置されていることから、この走行操作装置14が熱くなるとオペレータスペースの雰囲気温度の上昇を招くが、本実施形態では、パイロット圧制御弁ユニットPCUの弁ボディ35が必要以上に熱くならないので、パイロット圧制御弁ユニットPCUの走行系圧力制御弁34からパイロット油が供給される走行操作装置14熱くならず、オペレータスペースの雰囲気温度の上昇を抑制することができる。
また、気温の低いときには、条件によって、エンジン29の始動時に、第2ポンプP2の吐出油がヒートアップ用リリーフ弁52の設定圧より高い高圧となることが考えられるが、このようなときには、ポンプ保護リリーフ弁69が開き、該圧を逃がす。これにより、第2ポンプP2及びオイルフィルタ56の保護を図ることができる。
また、第2ポンプP2から吐出されてパイロット圧制御弁ユニットPCUの各制御弁34,79,80に供給されるパイロット油を流すパイロット管路を利用するので、パイロット圧制御弁ユニットPCUの弁ボディ35を温めることができる暖機システムを安価に構築することができる。
また、弁ボディ35内に形成された分岐油路x1,x2,x3を介してヒートアップ油路wからパイロット圧制御弁ユニットPCUの各制御弁34,79,80にパイロット油を供給するので、低温時における応答性の改善を良好に図ることができる。
なお、ヒートアップ用リリーフ弁52を設ける位置はパイロット圧制御弁ユニットPCUの下流側であればどこでもよい。
また、本実施形態では、ヒートアップ用リリーフ弁52と並列にメインリリーフ弁78を設けているが、ヒートアップ用リリーフ弁52によって、作動油タンク31内の油が所定温度以上の温かい油温であるときにおいて、第2ポンプP2から吐出された圧油を流通させる油圧管路内の油の圧力を設定するメインリリーフ弁を兼ねてもよい。
また、本実施形態では、パイロット圧の供給用のポンプとして第1ポンプ(メインポンプ)P1とは別に第2ポンプ(パイロットポンプ)P2を設けているが、これに限定されることはなく、第1ポンプP1から吐出する油の一部をパイロット油として利用した油圧システムに本発明を採用してもよい。
また、前述した実施形態では、パイロット圧制御弁ユニットPCUの弁ボディ35に貫通形成したヒートアップ油路wの下流側にヒートアップ用リリーフ弁52を設けたものを例示したが、これに限定されることはなく、図7に示すように、ヒートアップ用リリーフ弁52(ヒートアップリリーフ回路73)をパイロット圧制御弁ユニットPCUの弁ボディ35に組み込んでもよい。
図7(a)に示すものは、弁ボディ35の一面から該一面に対向する対向面に向けて非貫通の孔からなるヒートアップ油路wを形成し、このヒートアップ油路wの始端75aに第1パイロット油路c1を接続し、ヒートアップ油路wの終端75bと排油路e1とをヒートアップ用リリーフ回路73によって接続したものである。
なお、この場合、第2パイロット油路c2を設ける場合は、例えば、第1パイロット油路c1から第2パイロット油路c2を分岐させればよい。
図7(b)に示すものは、弁ボディ35に、該弁ボディ35を貫通する貫通路85を形成し、この貫通路85の一端85aに第1パイロット油路c1を接続し、貫通路85の他端85bに第2パイロット油路c2を接続し、貫通路85の中途部(貫通路85の他端85b側寄り)と排油路e1とをヒートアップ用リリーフ回路73によって接続したものである。
この図7(b)に示す実施形態にあっては、ヒートアップ用リリーフ回路73の貫通路85に対する接続点95と、貫通路85の一端85aとの間がヒートアップ油路wとされている。したがって、この実施形態では、貫通路85の一端85aがヒートアップ油路wの始端とされ、接続点95がヒートアップ油路wの終端とされている。
前記図7(a)、(b)に示す実施形態のその他の構成については、前記図1〜図6に示す実施形態と同様に構成される。
なお、この図7に示す実施形態のものにあっても、ヒートアップ油路wは直線状に限定されることはない。
図8は他の実施形態を示し、第5パイロット油路c5の分岐点よりも下流側において、第3パイロット油路c3と排油路dとを接続する接続油路gに絞り76を介装したものである。
この実施形態においても、圧油が、作動油タンク31→第2ポンプP2→吐出油路a→第1パイロット油路c1→ヒートアップ油路w→第2パイロット油路→第3パイロット油路→接続油路g及び絞り76→排油路d→ドレン油路y2→作動油タンク31の経路で循環することにより、パイロット圧制御弁ユニットPCUの弁ボディ35がヒートアップされ、気温が低いときにおいて、走行系圧力制御弁34及びSP用操作弁79,80の応答性が遅くなるのを防止することができ、また、パイロット圧制御弁ユニットPCUの弁ボディ35を温めることができる暖機システムを安価に構築することができる。
その他の構成は前記実施形態と同様であるので、前記実施形態と同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
また、この実施形態のものにあっても、図7(a)、(b)と同じようにして、接続油路g及び絞り76をパイロット圧制御弁ユニットPCUの弁ボディ35に組み込んでもよい。
すなわち、図7(a)を参照すると、ヒートアップ用リリーフ回路73の代わりに、ヒートアップ油路wの終端75bと排油路e1とを接続油路gで接続し、この接続油路gに絞り76を介装する。また、図7(b)を参照すると、ヒートアップ用リリーフ回路73の代わりに、貫通路85の中途部と排油路e1とを接続油路gで接続し、この接続油路gに絞り76を介装する。
31 作動油タンク
34 パイロット圧制御弁(走行系圧力制御弁)
34b 一次側ポート
35 弁ボディ
45a 一端側ポート(インポート)
45b 他端側ポンプ(アウトポート)
52 ヒートアップ用リリーフ弁
69 ポンプ保護リリーフ弁
76 絞り
78 メインリリーフ弁
79 パイロット圧制御弁(SP用制御弁)
79a 一次側ポート
80 パイロット圧制御弁(SP用制御弁)
80a 一次側ポート
P2 ポンプ(パイロットポンプ、第2ポンプ)
w ヒートアップ油路
x1 分岐油路
x2 分岐油路
x3 分岐油路

Claims (3)

  1. ポンプ(P2)から吐出されて供給対象に送られるパイロット油の圧力を制御するパイロット圧制御弁(34,79,80)と、
    前記パイロット圧制御弁(34,79,80)が組み込まれた弁ボディ(35)と
    前記弁ボディ(35)に形成されていて、前記ポンプ(P2)から吐出されたパイロット油を流入させるヒートアップ油路(w)と、
    前記ポンプ(P2)から吐出されるパイロット油の圧力を設定するメインリリーフ弁(78)と、
    前記ヒートアップ油路(w)から流出するパイロット油を作動油タンク(31)に流す経路に設けられていて、前記メインリリーフ弁(78)の設定圧よりも設定圧が高いヒートアップ用リリーフ弁(52)とを備え、
    前記ヒートアップ用リリーフ弁(52)の設定圧は、作動油タンク(31)内の油が低温であると開き且つ作動油タンク(31)内の油が所定温度以上になると閉じる設定圧とされていることを特徴とする暖機システム。
  2. 前記弁ボディ(35)に、前記ヒートアップ油路(w)から分岐して前記パイロット圧制御弁(34,79,80)の一次側ポート(34b,79b,80b)に接続される分岐油路(x1,x2,x3)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の暖機システム。
  3. 前記ヒートアップ用のリリーフ弁(52)の設定圧よりも設定圧が高いポンプ保護リリーフ弁(69)を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の暖機システム。
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