JP2022071746A - 作業機の油圧システム - Google Patents

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Abstract

【課題】スプールに設けた連通流路によって作動油による暖機を簡単に行う油圧システムを提供する。【解決手段】作業機の油圧システム30は、作動油を吐出する油圧ポンプP2と、作動油により作動可能な油圧アクチュエータと、操作部材58の操作に基づいて作動油の流量を変更可能な操作弁と、操作弁から供給される作動油であるパイロット油が作用する受圧部を有し、且つ、受圧部に作用したパイロット油のパイロット圧に基づいて油圧アクチュエータを制御する制御弁56と、制御弁の受圧部と操作弁を接続するパイロット油路と、制御弁に接続され、且つ作動油を排出する排出流路45と、排出流路に設けられ、且つ排出流路の圧力を上昇させる設定部と、を備え、制御弁は、排出流路と受圧部とを接続する連通流路を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ等の作業機の油圧システムに関する。
従来、作業機において暖機を行う技術として特許文献1に示されているものがある。
特許文献1の作業機は、ポンプから吐出されて供給対象に送られるパイロット油の圧力を制御するパイロット圧制御弁と、このパイロット圧制御弁が組み込まれた弁ボディとを備えている。特許文献1の作業機では、弁ボディに、ポンプから吐出されたパイロット油を流入させるヒートアップ油路を設け、ヒートアップ油路に流入させたパイロット油をリリーフ弁又は絞りを介してパイロット油タンクに流すことにより弁ボディをヒートアップしている。
特許第5809544号公報
特許文献1の作業機では、暖機のために弁ボディを加工して、当該弁ボディ内に、リリーフ弁又は絞りを繋ぐ油圧油路を形成しなければならなかった。特に、排出油路や当該排出油路上のバルブ等、パイロット回路を暖機するためには部品点数が増加し、コスト高騰の問題が生じていた。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、スプールに設けた連通流路によって作動油による暖機を簡単に行うことができる作業機の油圧システムを提供することを目的とする。
本発明の作業機の油圧システムは、作動油を吐出する油圧ポンプと、作動油により作動可能な油圧アクチュエータと、操作部材の操作に基づいて作動油の流量を変更可能な操作弁と、前記操作弁から供給される作動油であるパイロット油が作用する受圧部を有し、且つ、前記受圧部に作用した前記パイロット油のパイロット圧に基づいて前記油圧アクチュエータを制御する制御弁と、前記制御弁の前記受圧部と前記操作弁を接続するパイロット油路と、前記制御弁に接続され、且つ作動油を排出する排出流路と、前記排出流路に設けられ、且つ前記排出流路の圧力を上昇させる設定部と、を備え、前記制御弁は、前記排出流路と前記受圧部とを接続する連通流路を有している。
前記制御弁は、前記受圧部にパイロット圧が作用しない場合、前記排出流路から前記制御弁に戻る作業油である戻り油を、前記連通流路を通過させて前記受圧部に流し、且つ、前記油圧アクチュエータに作動油を供給しない中立位置と、前記受圧部にパイロット圧が作用する場合、前記油圧アクチュエータに作動油を供給する側方位置と、に切換可能である。
また、連通流路は、制御弁が中立位置と側方位置との間にある場合に、パイロット油路と排出流路との接続を切断する。
また、連通流路は、制御弁が側方位置のうち一方側にあるとき、パイロット油路と排出流路との接続を切断する。
また、制御弁は、受圧部を有するボディと、ボディに収容され且つ一方向側及び他方向側に移動可能であり、且つ連通流路を有するスプールと、を含む。
上記作業機の油圧システムによれば、スプールに設けた連通流路によって作動油による暖機を簡単に行うことができる。
油圧システム(油圧油路)の概略図である。 制御弁の内部図である。 変形例における制御弁の内部図である。 複数のパイロット弁を電磁比例弁に変更した一例を示す図である。 作業機として例示するトラックローダの全体図である。 キャビンを上昇させた状態のトラックローダの一部を示す側面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図6は、本発明に係る作業機の側面図を示している。図6では、作業機の一例として、コンパクトトラックローダを示している。但し、本発明に係る作業機はコンパクトトラックローダに限定されず、例えば、スキッドステアローダ等の他の種類のローダ作業機であってもよい。また、ローダ作業機以外の作業機であってもよい。
作業機1は、図6,図5に示すように、作業機1は、機体2と、キャビン3と、作業装置4と、走行装置5とを備えている。本発明の実施形態において、作業機1の運転席8に着座した運転者の前側(図6の左側)を前方、運転者の後側(図6の右側)を後方、運転者の左側(図6の手前側)を左方、運転者の右側(図6の奥側)を右方として説明する。また、前後の方向に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。機体2の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体2から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって、機体2に近づく方向である。
キャビン3は、機体2に搭載されている。このキャビン3には運転席8が設けられている。作業装置4は機体2に装着されている。走行装置5は、機体2の外側に設けられている。機体2内の後部には、原動機が搭載されている。
作業装置4は、ブーム10と、作業具11と、リフトリンク12と、制御リンク13と、ブームシリンダ14と、バケットシリンダ15とを有している。
ブーム10は、キャビン3の右側及び左側に上下揺動自在に設けられている。作業具11は、例えば、バケットであって、当該バケット11は、ブーム10の先端部(前端部)に上下揺動自在に設けられている。リフトリンク12及び制御リンク13は、ブーム10が上下揺動自在となるように、ブーム10の基部(後部)を支持している。ブームシリンダ14は、伸縮することによりブーム10を昇降させる。バケットシリンダ15は、伸縮することによりバケット11を揺動させる。
左側及び右側の各ブーム10の前部同士は、異形の接続パイプで接続されている。各ブーム10の基部(後部)同士は、円形の接続パイプで接続されている。
リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダ14は、左側と右側の各ブーム10に対応して機体2の左側と右側にそれぞれ設けられている。
リフトリンク12は、各ブーム10の基部の後部に、縦向きに設けられている。このリフトリンク12の上部(一端側)は、各ブーム10の基部の後部寄りに枢支軸(第1枢支軸)16を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。また、リフトリンク12の下部(他端側)は、機体2の後部寄りに枢支軸(第2枢支軸)17を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第2枢支軸17は、第1枢支軸16の下方に設けられている。
ブームシリンダ14の上部は、枢支軸(第3枢支軸)18を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第3枢支軸18は、各ブーム10の基部であって、当該基部の前部に設けられている。ブームシリンダ14の下部は、枢支軸(第4枢支軸)19を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第4枢支軸19は、機体2の後部の下部寄りであって第3枢支軸18の下方に設けられている。
制御リンク13は、リフトリンク12の前方に設けられている。この制御リンク13の一端は、枢支軸(第5枢支軸)20を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第5枢支軸20は、機体2であって、リフトリンク12の前方に対応する位置に設けられている。制御リンク13の他端は、枢支軸(第6枢支軸)21を介して横軸回りに回転自在に枢支されている。第6枢支軸21は、ブーム10であって、第2枢支軸17の前方で且つ第2枢支軸17の上方に設けられている。
ブームシリンダ14を伸縮することにより、リフトリンク12及び制御リンク13によって各ブーム10の基部が支持されながら、各ブーム10が第1枢支軸16回りに上下揺動し、各ブーム10の先端部が昇降する。制御リンク13は、各ブーム10の上下揺動に伴って第5枢支軸20回りに上下揺動する。リフトリンク12は、制御リンク13の上下揺動に伴って第2枢支軸17回りに前後揺動する。
ブーム10の前部には、バケット11の代わりに別の作業具が装着可能とされている。別の作業具は、例えば、油圧圧砕機、油圧ブレーカ、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等のアタッチメント(予備アタッチメント)である。以下の説明において、予備アタッチメントを油圧アクチュエータ11ということがある。
左側のブーム10の前部には、接続部材50が設けられている。接続部材50は、予備アタッチメントに装備された油圧機器と、ブーム10に設けられたパイプ等の第1管材とを接続する装置である。具体的には、接続部材50の一端には、第1管材が接続可能で、他端には、予備アタッチメントの油圧機器に接続された第2管材が接続可能である。これにより、第1管材を流れる作動油は、第2管材を通過して油圧機器に供給される。
バケットシリンダ15は、各ブーム10の前部寄りにそれぞれ配置されている。バケットシリンダ15を伸縮することで、バケット11が揺動される。
左側及び右側の各走行装置5は、本実施形態ではクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置が採用されている。なお、前輪及び後輪を有する車輪型の走行装置を採用してもよい。
次に、本発明に係る作業機1の油圧システム30について説明する。
図1に示すように、油圧システム30は、ブーム10、バケット11、予備アタッチメント等を作動させる作業系の油圧システム30である。また、作業系の油圧システム30は、複数の制御弁56と、第1油圧ポンプ(油圧ポンプ)P1と、第2油圧ポンプP2を備えている。
第1油圧ポンプP1は、原動機の動力によって駆動するポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第1油圧ポンプP1は、作動油タンク22に貯留された作動油を吐出可能である。特に、第1油圧ポンプP1は、主に制御に用いる作動油を吐出する。
第2油圧ポンプP2は、第1油圧ポンプP1とは異なる位置に設置されたポンプであって、定容量型のギヤポンプによって構成されている。第2油圧ポンプP2は、作動油タンク22に貯留された作動油を吐出可能である。特に、第2油圧ポンプP2は、主に油圧アクチュエータ11を作動させる作動油を吐出する。
第2油圧ポンプP2の吐出側には、メイン油路(油路)39が設けられている。このメイン油路39には、複数の制御弁56が接続されている。制御弁56は、パイロット油のパイロット圧によって作動油を流す方向を切換可能な弁である。また、制御弁56は、油圧機器を制御可能な弁である。油圧機器とは、例えば、ブーム、バケット、油圧圧砕機、油圧ブレーカ、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等の油圧装置を制御(駆動)するための機器であって、例えば、油圧シリンダ、油圧モータ等である。
図1に示すように、複数の制御弁56は、第1制御弁56A、第2制御弁56B、第3制御弁56Cである。第1制御弁56Aは、ブーム10を制御する油圧シリンダ(ブームシリンダ)14を制御する弁である。第2制御弁56Bは、バケット11を制御する油圧シリンダ(バケットシリンダ)15を制御する弁である。第3制御弁56Cは、油圧圧砕機、油圧ブレーカ、アングルブルーム、アースオーガ、パレットフォーク、スイーパー、モア、スノウブロア等の予備アタッチメントに装着された油圧機器(油圧シリンダ、油圧モータ)を制御する弁である。
第1制御弁56A、第2制御弁56Bは、それぞれパイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。第1制御弁56A、第2制御弁56Bは、パイロット圧によって、中立位置、中立位置とは異なる第1位置、中立位置及び第1位置とは異なる第2位置に切り換わる。
第1制御弁56Aには、油路を介してブームシリンダ14が接続され、第2制御弁56Bには、油路を介してバケットシリンダ15が接続されている。
ブーム10、バケット11の操作は、運転席8の周囲に設けられた操作レバー58等の操作部材によって行うことができる。操作レバー(操作部材)58は、中立位置から、前後、左右、斜め方向に傾動可能に支持されている。操作レバー58を傾動操作することにより、操作レバー58の下部に設けられた複数のパイロット弁59A、59B、59C、59Dを操作することができる。即ち、複数のパイロット弁59A、59B、59C、59Dは、操作部材58の操作に基づいて作動油の流量を変更する。パイロット弁59A、59B、59C、59Dと第1油圧ポンプP1とは、吐出油路40によって接続されている。また、パイロット弁59A、59B、59C、59Dは、作動油タンク22に接続する排出ポート(ポート)を有し、排出油路42を介して作動油タンク22に接続されている。
複数のパイロット弁59A、59B、59C、59Dと複数の制御弁56とは、複数の油路43a、43b、43c、43dによって互いに接続されている。具体的には、パイロット弁59Aは、油路43aを介して第1制御弁56Aに接続されている。パイロット弁59Bは、油路43bを介して第1制御弁56Aに接続されている。パイロット弁59Cは、油路43cを介して第2制御弁56Bに接続されている。パイロット弁59Dは、油路43dを介して第2制御弁56Bに接続されている。パイロット弁59A、59B、59C、59Dは、それぞれ操作レバー58の操作に応じて出力する作動油の圧力が設定可能である。
詳しくは、操作レバー58を前側に傾動させると、下降用パイロット弁59Aが操作されて当該下降用パイロット弁59Aから出力されるパイロット油のパイロット圧が設定される。このパイロット圧は、第1制御弁56Aの受圧部に作用し、ブームシリンダ14が短縮して、ブーム10は下降する。
操作レバー58を後側に傾動させると、上昇用パイロット弁59Bが操作されて当該上昇用パイロット弁59Bから出力されるパイロット油のパイロット圧が設定される。このパイロット圧は、第1制御弁56Aの受圧部に作用し、ブームシリンダ14が伸長して、ブーム10は上昇する。
操作レバー58を右側に傾動させると、バケットダンプ用のパイロット弁59Cが操作されて当該パイロット弁59Cから出力されるパイロット油のパイロット圧が設定される。このパイロット圧は、第2制御弁56Bの受圧部に作用し、バケットシリンダ15は伸長して、バケット11がダンプ動作する。
操作レバー58を左側に傾動させると、バケットスクイ用のパイロット弁59Dが操作され当該パイロット弁59Dから出力されるパイロット油のパイロット圧が設定される。このパイロット圧は、第2制御弁56Bの受圧部に作用し、バケットシリンダ15は短縮して、バケット11がスクイ動作する。
第3制御弁56Cは、パイロット方式の直動スプール形3位置切換弁である。第3制御弁56Cは、パイロット圧によって、第1位置62a、第2位置62b、第3位置62cに切り換わる。即ち、第3制御弁56Cは、第1位置62a、第2位置62b及び第3位置62cに切り換わることによって、予備アタッチメントの油圧機器へ向かう作動油の方向、流量及び圧力を制御する。なお、以下の説明において、第1位置62a及び第2位置62bを「側方位置」ということがある。また、第3位置62cを「中立位置」ということがある。
第3制御弁56Cには、給排油路83が接続されている。給排油路83の一端は、第3制御弁56Cの給排ポート57に接続され、給排油路83の中途部は、接続部材50に接続され、給排油路83の他端部は、予備アタッチメントの油圧機器に接続される。給排油路83は、上述した第1管材及び第2管材等で構成される。
詳しくは、給排油路83は、第3制御弁56Cの第1給排ポート57aと接続部材50の第1ポートとを接続する第1給排油路83aを含んでいる。また、給排油路83は、第3制御弁56Cの第2給排ポート57bと接続部材50の第2ポートとを接続する第2給排油路83bとを含んでいる。つまり、第3制御弁56Cを操作することによって、第3制御弁56Cから第1給排油路83aに向けて作動油を流すことができる。また、第3制御弁56Cを操作することによって、第3制御弁56Cから第2給排油路83bに向けて作動油を流すことができる。
第3制御弁56Cは、作動油を受圧する受圧部61a、61bを有しており、複数の比例弁60によって操作される。以下の説明において、比例弁60を操作弁ということがある。具体的に説明すると、受圧部61a、61bに比例弁60からの作動油が作用することで、第3制御弁56Cは操作される。比例弁60は、励磁によって開度が変更可能な電磁弁である。複数の比例弁60は、第1比例弁60Aと、第2比例弁60Bである。第1比例弁60A及び第2比例弁60Bには、吐出油路40が接続されている。第1比例弁60A及び第2比例弁60Bには、第1油圧ポンプP1から、作動油のうち制御用として用いられる作動油であるパイロット油が供給される。以降、説明の便宜上、受圧部61a、61bに作用する作動油のことをパイロット油ということがある。
第3制御弁56Cと、比例弁60(第1比例弁60A、第2比例弁60B)とは、制御油路86により接続されている。
制御油路86は、比例弁60(第1比例弁60A、第2比例弁60B)を介して、パイロット油を第3制御弁56Cに流す油路である。制御油路86は、鋼管、パイプ、ホース等で構成されている。制御油路86は、第1制御油路86aと第2制御油路86bとを含んでいる。第1制御油路86aは、第1比例弁60Aと第3制御弁56Cの受圧部61aとを接続する油路である。第2制御油路86bは、第2比例弁60Bと第3制御弁56Cの受圧部61bとを接続する油路である。なお、制御油路86をパイロット油路ということがある。つまり、第1制御油路86aを第1パイロット油路といい、第2制御油路86bを第2パイロット油路ということがある。
従って、第1比例弁60Aを開くと、パイロット油は第1制御油路86aを介して第3制御弁56Cの受圧部61aに作用する。また、当該第1比例弁60Aの開度によって受圧部61aに付与(作用)するパイロット圧が決まる。受圧部61aに付与されたパイロット圧が所定値以上になると、スプールSの移動によって、第3制御弁56Cは、第3位置(中立位置)62cから第1位置62aに切り換わる。また、第2比例弁60Bを開くと、パイロット油は第2制御油路86bを介して第3制御弁56Cの受圧部61bに作用し、当該第2比例弁60Bの開度によって受圧部61bに付与(作用)するパイロット圧が決まる。受圧部61bに付与されたパイロット圧が所定値以上になると、スプールSの移動によって、第3制御弁56Cは、第3位置(中立位置)62cから第2位置62bに切り換わる。
比例弁60(第1比例弁60A、第2比例弁60B)の励磁等は、制御装置90で行う。制御装置90は、CPU等から構成されている。制御装置90には、操作部材99が接続されている。制御装置90は、操作部材99の操作量(例えば、スライド量、揺動量等)に基づいて比例弁60を励磁し、当該比例弁60の開度を調整(制御)する。なお、操作部材99は、揺動自在なシーソ型スイッチ、スライド自在なスライド型スイッチ、或いは、押圧自在なプッシュ型スイッチ等である。即ち、複数の比例弁60(第1比例弁60A、第2比例弁60B)は、操作部材99の操作に基づいてパイロット油の流量を変更する。
具体的に説明すると、操作部材99がシーソ型スイッチである場合、当該シーソ型スイッチ99を一方向側に揺動させると制御装置90は、第1比例弁60Aを開くよう励磁する。言い換えれば、シーソ型スイッチ99を一方向側に揺動させると、第1比例弁60Aを開き、パイロット油は第1制御油路86aを介して第3制御弁56Cの受圧部61aに作用する。受圧部61aに付与されたパイロット圧が所定値以上になると、スプールSの移動によって、第3制御弁56Cは、第3位置(中立位置)62cから第1位置62aに切り換わる。一方、シーソ型スイッチ99を他方向側に揺動させると制御装置90は、第2比例弁60Bを開くよう励磁する。言い換えれば、シーソ型スイッチ99を他方向側に揺動させると、第2比例弁60Bが開き、パイロット油は第2制御油路86bを介して第3制御弁56Cの受圧部61bに作用する。受圧部61bに付与されたパイロット圧が所定値以上になると、スプールSの移動によって、第3制御弁56Cは、第3位置(中立位置)62cから第2位置62bに切り換わる。
次に第3制御弁56Cについて詳しく説明する。
以下、説明の便宜上、図2~図6において紙面左側を左、紙面右側を右、左及び右の方向を横方向、横方向に直交する方向を縦方向という。
作業系油圧システムは、排出流路45の圧力を上昇させる設定部を有している。図1に示すように、設定部は、例えば、作動弁である逆止弁27とオイルクーラ28とを含んでいる。逆止弁27は、排出流路45に設けられている。詳しく説明すると、排出流路45は、一方端側が分岐点45aで分岐して、それぞれ第1ポート111及び第5ポート115と接続されており、他方端側が作動油タンク22と接続されている。逆止弁27は、排出流路45における当該分岐点45aと作動油タンク22との間に設けられている。逆止弁27は、作動油が作動油タンク22に向けて流れることを許容し且つ作動油が第3制御弁56Cに向けて流れるのを阻止する弁である。逆止弁27は差圧を設定する設定部材27aを有している。設定部材27aはスプリング等で構成されていて、作動油の流れを許容する方向と反対側(阻止する方向)から弁体を所定の付勢力で押すことによって差圧を生じさせる。オイルクーラ28は、排出流路45において、逆止弁27と作動油タンク22との間に設けられている。逆止弁27から排出された作動油はオイルクーラ28の流入ポート28aに流入する。流入ポート28aで冷却された作動油は、オイルクーラ28の流入ポート28aとは異なる排出ポート28bから作動油タンク22に排出される。
従って、逆止弁27と分岐点45aとの区間、逆止弁27とオイルクーラ28の流入ポート28aとの区間は、設定部である逆止弁27及びオイルクーラ28によって作動油の圧力が高くなる。それゆえ、例えば、第3制御弁56Cが中立位置62cにあり、排出流路45において、分岐点45a側の作動油の圧力が、作動油タンク22側の作動油の圧力よりも低くなった場合に、排出流路45の作動油を、第3制御弁56Cの第5ポート115側に戻すことができる。なお、設定部は、排出流路45の圧力を上昇させればよく、設定部は、排出流路45に設けられたリリーフ弁であってもよい。また、上述した連通流路82を含む油圧回路を第1制御弁56A及び第2制御弁56Bに適用してもよい。
なお、図1に示すように、メイン油路39から分岐して排出油路42に接続する油路77を設け、当該油路77に設けた逆止弁127を設定部としてもよい。
図2に示すように、第3制御弁56Cは、ボディBを備えている。ボディBは、鋳物や樹脂などで形成されている。なお、第1制御弁56A及び第2制御弁56Bも同じボディBを備えている。即ち、ボディBが第1制御弁56A、第2制御弁56B及び第3制御弁56Cの共通の部材となっているが、制御弁56毎に個別のボディBを備えていても良い。
図1に示すように、第3制御弁56Cに対応するボディBは、作動油を流す複数のポートを有している。複数のポートは、第1ポート111、第2ポート112、第3ポート113、第4ポート114、第5ポート115及び第6ポート116を含んでいる。図2に示すように、ボディBは、作動油を流す複数の流路を有している。複数の流路は、第1流路71、第2流路72、第3流路73、第4流路74、第5流路75及び第6流路76を含んでいる。
第1流路71は、ボディBに形成された流路である。第1流路71は、第1ポート111に繋がる流路である。第1流路71は、作動油タンク22に接続された排出流路45と連通している。従って、第1流路71から作動油タンク22に向かう作動油は、第1ポート111及び排出流路45を通って作動油タンク22に入る。
第2流路72は、ボディBに形成された流路である。第2流路72は、第2ポート112に繋がる流路である。第2流路72は、接続部材50に接続された第1給排油路83aと連通している。従って、第2流路72から接続部材50に向かう作動油は、第2ポート112及び第1給排油路83aを通って接続部材50に入る。また、接続部材50から第3制御弁56Cに向かう作動油は、第1給排油路83aを通って第2ポート112及び第2流路72に入る。
第3流路73は、ボディBに形成された流路である。第3流路73は、第3ポート113に繋がる流路である。第3流路73は、接続部材50に接続された第2給排油路83bと連通している。従って、第3流路73から接続部材50に向かう作動油は、第3ポート113及び第2給排油路83bを通って接続部材50に入る。また、接続部材50から第3制御弁56Cに向かう作動油は、第2給排油路83bを通って第3ポート113及び第3流路73に入る。
第4流路74は、ボディBに形成された流路である。第4流路74は、第4ポート114に繋がる流路である。第4流路74は、作動油を吐出する第2油圧ポンプP2に接続されるメイン油路39と連通している。具体的には、第4流路74は、右流路74aと左流路74bとを含んでいる。右流路74aは、左流路74bの右に位置している。言い換えれば、左流路74bは、右流路74aの左に位置している。右流路74aと左流路74bとは連通している。
第5流路75は、ボディBに形成された流路である。第5流路75は、第5ポート115に繋がる流路である。第5流路75は、作動油を排出する流路であって排出流路45と接続されている。即ち、第5流路75に排出された作動油は、第5ポート115及び排出流路45を介して作動油タンク22に排出される。具体的には、第5流路75は、右流路75aと左流路75bとを含んでいる。右流路75aは、左流路75bの右に位置している。言い換えれば、左流路75bは、右流路75aの左に位置している。右流路75aと左流路75bとは連通している。
第6流路76は、ボディBに形成された流路である。第6流路76は、第6ポート116に繋がる流路である。第6流路76は、作動油を吐出する第2油圧ポンプP2に接続されるメイン油路39と連通している。具体的には、第6流路76は、右流路76aと左流路76bとを含んでいる。右流路76aは、左流路76bの右に位置している。言い換えれば、左流路76bは、右流路76aの左に位置している。右流路76aと左流路76bとは連通している。
ボディBには、ボディBの横方向の一端(左端)から他端(右端)に延びる環状(円筒状)の壁部36(貫通孔36a)が形成されている。即ち、ボディBには、円柱状に形成されたスプールSを挿入する直線状の貫通孔36aが形成されている。貫通孔36aを構成する環状の壁部36には、第1流路71、第2流路72、第3流路73、第4流路74、第5流路75、第6流路76が達している(繋がっている)。詳しくは、第1流路71の端部91が壁部36に達している。第2流路72の端部92が壁部36に達している。第3流路73の端部93が壁部36に達している。第4流路74の右流路74aの端部94aが壁部36に達している。第4流路74の左流路74bの端部94bが壁部36に達している。第5流路75の右流路75aの端部95aが壁部36に達している。第5流路75の左流路75bの端部95bが壁部36に達している。第6流路76の右流路76aの端部96aが壁部36に達している。第6流路76の左流路76bの端部96bが壁部36に達している。なお、端部91、端部92、端部93、端部94a、端部94b、端部95a、端部95b、端部96a及び端部96bは、凹状に形成されている。
図2に示すように、第3制御弁56Cは、ボディBに収容され且つ長手方向に移動可能なスプールSを有している。スプールSは、ボディBの内部を長手方向に移動することによって、第1流路71、第2流路72、第3流路73、第4流路74、第5流路75及び第6流路76の接続先を変更可能である。
以下、スプールSについて詳しく説明する。
スプールSは、円柱状に形成されている。円柱状のスプールSは、ボディBの内部に形成された貫通孔36aに挿入されている。スプールSは、第1接続部101と、第2接続部102と、第3接続部103と、第4接続部104とを有した部分(接続部S1)と、スプールSの接続部S1から突出した部分(突出部S2)を有している。
第1接続部101は、第3流路73の端部93と、第5流路75の右流路75a(端部95a)と、第6流路76の右流路76a(端部96a)とオーバーラップ(一致)可能である。第2接続部102は、第1流路71の端部91と、第4流路74の右流路74a(端部94a)とオーバーラップ(一致)可能である。第3接続部103は、第1流路71の端部91と、第4流路74の左流路74b(端部94b)とオーバーラップ(一致)可能である。第4接続部104は、第2流路72の端部92と、第5流路75の左流路75b(端部95b)と、第6流路76の左流路76b(端部96b)とオーバーラップ(一致)可能である。
具体的には、図2の下図に示すように、第3制御弁56Cが第1位置62aにあるとき、第1接続部101は、第3流路73(端部93)と、第6流路76の右流路76a(端部96a)とオーバーラップ(一致)する。第4接続部104は、第2流路72(端部92)と、第5流路75の左流路75b(端部95b)とオーバーラップ(一致)する。即ち、第1接続部101によって、第3流路73と、第6流路76の右流路76aとが接続され、図2の下図のR1に示すように作動油は、第6流路76の右流路76aから第3流路73へ流れる。また、第4接続部104によって、第2流路72と、第5流路75の左流路75bとが接続され、図2の下図のR2に示すように作動油は、第2流路72から第5流路の左流路75bへ流れる。
また、図2の上図に示すように、第3制御弁56Cが第2位置62bにあるとき、第1接続部101は、第3流路73(端部93)と、第5流路75の右流路75a(端部95a)とオーバーラップ(一致)する。第4接続部104は、第2流路72の端部92と、第6流路76の左流路76b(端部96b)とオーバーラップ(一致)する。即ち、第1接続部101によって、第3流路73と、第5流路75の右流路75aとが接続され、図2の上図のR3に示すように作動油は、第3流路73から第5流路75の右流路75aへ流れる。また、第4接続部104によって、第2流路72と、第6流路76の左流路76bとが接続され、図2の上図のR4に示すように作動油は、第6流路の左流路76bから第2流路72へ流れる。
また、図2の中図に示すように、第3制御弁56Cが第3位置(中立位置)62cにあるとき、第2接続部102は、第1流路71の端部91と、第4流路74の右流路74a(端部94a)とオーバーラップ(一致)する。第3接続部103は、第1流路71の端部91と、第4流路74の左流路74b(端部94b)とオーバーラップ(一致)する。即ち、第2接続部102と第3接続部103とによって、第1流路71と、第4流路74の右流路74aと、第4流路74の左流路74bとが接続される。従って、第3制御弁56Cを第3位置(中立位置)62cにしたとき、第4流路74を介して第3制御弁56Cに供給された作動油は、図2の中図のR5に示すように第1流路71及び排出流路45を通って、作動油タンク22に排出される。
突出部S2は、接続部S1の左端及び右端から突出しており、且つボディBから突出している。突出部S2は円筒状であって、外径は、接続部S1の外径よりも小さく形成されている。ここで、スプールSの移動量を第3位置62cから第1位置62aまでの移動量M1とし、第3位置62cから第2位置62bまでの移動量M2とする。本実施形態において、スプールSが第3位置(中立位置)62cにあるとき、接続部S1は、ボディBの右端からM1以上、ボディBの左端からM2以上突出している。言い換えれば、接続部S1の長手方向の長さLは、ボディBの左右方向の長さNよりも、スプールSの最大移動量M(第1位置から第2位置までの移動量、M1+M2)以上長い(L≧N+M)。
また、ボディBは、スプールSに作用する作動油(パイロット油)が供給される受圧部を有している。即ち、受圧部は、操作弁60から供給されるパイロット油が作用する部分であり、受圧部61aと受圧部61bとを含んでいる。受圧部61aは、第1給排ポート57aを有し且つ一方の突出部S2を収納する。受圧部61bは、第2給排ポート57bを有し且つ他方の突出部S2を収納する。受圧部61aは、スプールSの一方向側(例えば、右端)に設けられている。受圧部61bは、スプールSの他方向側(例えば、左端)に設けられている。
受圧部61aには、第1制御油路86aが接続され、受圧部61bには、第2制御油路86bが接続されている。第1制御油路86aのパイロット油の圧力(パイロット圧)は、受圧部61aに作用し、第2制御油路86bのパイロット油の圧力(パイロット圧)は、受圧部61bに作用する。受圧部61aにパイロット圧が作用すると、スプールSの突出部S2が加圧され、スプールSは、図1に示すように左側に移動する。受圧部61bにパイロット圧が作用すると、スプールSの突出部S2が加圧され、スプールSは、図1に示すように右側に移動する。
さて、スプールSは、複数の連通流路82を有している。複数の連通流路82は、受圧部(受圧部61a、受圧部61b)と、第5流路75(右流路75a、左流路75b)とを接続可能な流路である。即ち、複数の連通流路82は、第5流路75に連通する排出流路45と、受圧部(受圧部61a、受圧部61b)とを接続可能な油路である。
複数の連通流路82は、第1連通流路82aと、第2連通流路82bとを含んでいる。第1連通流路82aは、スプールSの一方向側(例えば右側)に設けられて、スプールSが所定位置にあるときに、受圧部61aの内部と第5流路75の右流路75aとを接続する。第2連通流路82bは、スプールSの他方向側(例えば左側)に設けられて、スプールSが所定位置にあるときに、受圧部61bの内部と第5流路75の左流路75bとを接続する。
図2に示すように、第1連通流路82aは、スプールSの長手方向に延びた溝である複数の油路を含む。第1連通流路82aは、スプールSの右端の外周面に設けられている。具体的に説明すると、第1連通流路82aはスプールSの右端97からスプールSの他方向側(例えば左方向側)に向かって形成されている。第1連通流路82aの長手方向の長さG1は、ボディBの外周面と第5流路75の右流路75aとの間の外壁88の厚み(受圧部61aの左端部と右流路75aを構成する壁部との距離)T1と、スプールSの第3位置62cから第2位置62bまでの移動量M2と、の和よりも長い(G1>T1+M2)。つまり、スプールSが第1位置62a及び第3位置62cにあるときに、第1連通流路82aは、受圧部61a及び右流路75aを介して、第1パイロット油路86aと排出流路45とを接続する。このため、第1連通流路82aは、排出流路45からの戻り油を第1パイロット油路86aに流すことができる。
具体的には、スプールSが第1位置62aにあるとき、受圧部61aに作動油の圧力(パイロット油のパイロット圧)が作用するため、図2の下図のR6に示すように、受圧部61aに作用したパイロット油は、第1連通流路82aを通って、右流路75aに至り、右流路75aを通過して排出流路45に排出される。一方で、スプールSが第3位置62cにあり、且つ、受圧部61aにパイロット圧が作用しないとき、設定部(逆止弁27、オイルクーラ28)によって、第3制御弁56Cの第5ポート115に作用した作動油が、図2の中図のR7に示すように、右流路75aを通過して、第1連通流路82aに流れ、受圧部61aの内部に戻る。受圧部61aに戻った作動油は、第1制御油路86aを通過して、操作弁60Aの排出ポートから作動油タンク等に戻ることで暖機を行うことができる。
第2連通流路82bは、スプールSの長手方向に延びた溝である複数の油路を含む。第2連通流路82bは、スプールSの左端の外周面に設けられている。具体的に説明すると、第2連通流路82bはスプールSの左端98からスプールSの一方向側(例えば右方向側)に向かって形成されている。第2連通流路82bの長手方向の長さG2は、ボディBの外周面と第5流路75の左流路75bとの間の外壁89の厚み(受圧部61bの右端部と左流路75bを構成する壁部との距離)T2と、スプールSの移動量を第3位置62cから第1位置62aまでの移動量M1と、の和よりも長い(G2>T2+M1)。つまり、スプールSが第2位置62b及び第3位置62cにあるときに、第2連通流路82bは、受圧部61b及び左流路75bを介して、第2パイロット油路86bと排出流路45とを接続する。このため、第2連通流路82bは、排出流路45からの戻り油を第2パイロット油路86bに返すことができる。
具体的には、スプールSが第2位置62bにあるとき、受圧部61aにパイロット圧が作用するため、図2の上図のR8に示すように、受圧部61aに作用したパイロット油は、第2連通流路82bを通って、左流路75bに至り、左流路75bを通過して排出流路45に排出される。一方で、スプールSが第3位置62cにあり、且つ、受圧部61aにパイロット圧が作用しないとき、設定部(逆止弁27、オイルクーラ28)によって、第3制御弁56Cの第5ポート115に作用した作動油が、図2の中図のR9に示すように、排出流路45の作動油が左流路75bを通過して、第2連通流路82bに流れ、受圧部61bの内部に戻る。受圧部61bに戻った作動油は、第2制御油路86bを通過して、操作弁60Bの排出ポートから作動油タンク等に戻ることで暖機を行うことができる。
なお、本実施形態において、第1連通流路82aは、スプールSの長手方向に延びた複数の油路から構成され、第2連通流路82bは、スプールSの長手方向に延びた複数の油路から構成されている。ここで、連通流路82は、受圧部61a、61bと第5流路75とを接続できればよく、第1連通流路82a及び第2連通流路82bは、螺旋状の溝等であってもよい。
なお、スプールSが第1位置62a及び第3位置62cにあるときに、第1連通流路82aは、右流路75aを介して、第1パイロット油路86aと排出流路45とを接続し、第2連通流路82bは、スプールSが第2位置62b及び第3位置62cにあるときに、左流路75bを介して、第2パイロット油路86bと排出流路45とを接続すればよく、上述した構成に限定されない。例えば、図3は、第3制御弁56Cの連通流路82の変形例を示している。
図3に示すように、第1連通流路82aは、スプールSの長手方向に延びた溝である複数の第1外部油路82a1及び第2外部油路82a2と、を含む。第1外部油路82a1は、スプールSの右端97から他方向側(例えば左方向側)に向かって形成されている。つまり、第2外部油路82a2は、第1連通流路82aにおいて、第1外部油路82a1の他方向側に形成されている。第1外部油路82a1の長手方向の長さH1は、ボディBの外周面と第5流路75の右流路75aとの間の外壁88の厚み(受圧部61aの左端部と右流路75aを構成する壁部との距離)T1よりも長い(H1>T1)。また、第2外部油路82a2の長手方向の長さH2は、ボディBの外周面と第5流路75の右流路75aとの間の外壁88の厚み(受圧部61aの左端部と右流路75aを構成する壁部との距離)T1よりも長い(H2>T2)。係る場合、第1連通流路82aの長手方向の長さG1は、少なくとも、ボディBの外周面と第5流路75の右流路75aとの間の外壁88の厚み(受圧部61aの左端部と右流路75aを構成する壁部との距離)T1の2倍よりも長い(G1>T1×2)。
つまり、図3に示すように、スプールSが第1位置62aにあるとき、第1外部油路82a1は、受圧部61a及び右流路75aを介して、第1パイロット油路86aと排出流路45とを接続する。また、スプールSが第3位置62cにあるときに、第2外部油路82a2は、受圧部61a及び右流路75aを介して、第1パイロット油路86aと排出流路45とを接続する。第1連通流路82aは、少なくともスプールSが第1位置62aと第3位置62cの間、第2位置62bと第3位置62cの間、及び第2位置62bにあるときに、切断される。言い換えれば、第1連通流路82aは、中立位置62cと側方位置62a,62bとの間、及び側方位置62a,62bのうちの一方側である側方位置62bにあるとき、第1パイロット油路86aと排出流路45とを切断する。具体的には、スプールSが第1位置62aにあるとき、図3の下図のR10に示すように、作動油は受圧部61aの内部から右流路75aを介して排出流路45に排出される。また、スプールSが第3位置62cにあり、且つ、受圧部61aが作動油の圧力を受けないとき、図3の中図のR11に示すように、作動油は、排出流路45から右流路75aを介して受圧部61aの内部に供給される。
図3に示すように、第2連通流路82bは、スプールSの長手方向に延びた溝である複数の第1外部油路82b1及び第2外部油路82b2と、を含む。第1外部油路82b1は、スプールSの左端98から一方向側(例えば右方向側)に向かって形成されている。つまり、第2外部油路82b2は、第2連通流路82bにおいて、第1外部油路82b1の一方向側に形成されている。第1外部油路82b1の長手方向の長さH3は、ボディBの外周面と第5流路75の左流路75bとの間の外壁88の厚み(受圧部61bの右端部と左流路75bを構成する壁部との距離)T2よりも長い(H3>T2)。また、第2外部油路82b2の長手方向の長さH4は、ボディBの外周面と第5流路75の左流路75bとの間の外壁88の厚み(受圧部61bの左端部と左流路75bを構成する壁部との距離)T2よりも長い(H4>T2)。係る場合、第2連通流路82bの長手方向の長さG2は、少なくとも、ボディBの外周面と第5流路75の左流路75bとの間の外壁88の厚み(受圧部61bの左端部と左流路75bを構成する壁部との距離)T2の2倍よりも長い(G2>T2×2)。つまり、図3に示すように、スプールSが第2位置62bにあるとき、第1外部油路82b1は、受圧部61b及び左流路75bを介して、第2パイロット油路86bと排出流路45とを接続する。また、スプールSが第3位置62cにあるときに、第2外部油路82b2は、受圧部61b及び左流路75bを介して、第2パイロット油路86bと排出流路45とを接続する。第2連通流路82bは、少なくともスプールSが、第1位置62a、第1位置62aと第3位置62cの間、及び第2位置62bと第3位置62cの間にあるときに、切断される。言い換えれば、第2連通流路82bは、中立位置62cと側方位置62a,62bとの間、及び側方位置62a,62bのうちの一方側である側方位置62aにあるとき、第2パイロット油路86bと排出流路45とを切断する。具体的には、スプールSが第2位置62bにあるとき、図3の上図のR12に示すように、作動油は受圧部61bの内部から左流路75bを介して排出流路45に排出される。また、スプールSが第3位置62cにあり、且つ、受圧部61bが作動油の圧力を受けないとき、図3の中図のR13に示すように、作動油は、排出流路45から左流路75bを介して受圧部61bの内部に供給される。
上述した実施形態では、図1に示すように、複数のパイロット弁59A、59B、59C、59Dは、操作レバー58の操作に応じてスプールの位置が変化する弁(機械的に作動する弁)であったが、図4に示すように、複数のパイロット弁59A、59B、59C、59Dは、電気的に作動する電磁比例弁であってもよい。
図4に示すように、例えば、操作レバー58は、当該操作レバー58の操作量及び操作方向を検出するセンサを介して制御装置90に接続されている。
操作レバー58を前側に傾動させると、制御装置90は、操作レバー58の操作量に応じて下降用パイロット弁59Aのソレノイドに電流などの制御信号を出力し、当該下降用パイロット弁59Aから出力されるパイロット油のパイロット圧が設定される。
操作レバー58を後側に傾動させると、制御装置90は、操作レバー58の操作量に応じて上昇用パイロット弁59Bのソレノイドに制御信号を出力し、当該上昇用パイロット弁59Bから出力されるパイロット油のパイロット圧が設定される。
操作レバー58を右側に傾動させると、制御装置90は、操作レバー58の操作量に応じてバケットダンプ用のパイロット弁59Cのソレノイドに制御信号を出力し、当該バケットダンプ用のパイロット弁59Cから出力されるパイロット油のパイロット圧が設定される。
操作レバー58を左側に傾動させると、制御装置90は、操作レバー58の操作量に応じてバケットスクイ用のパイロット弁59Dのソレノイドに制御信号を出力し、当該バケットスクイ用のパイロット弁59Dから出力されるパイロット油のパイロット圧が設定される。
上述した作業機の油圧システムは、油圧ポンプP1と、油圧アクチュエータ11と、操作弁60A,60Bと、制御弁56Cと、パイロット油路86と、排出流路45と、設定部(逆止弁27、オイルクーラ28)と、を備え、制御弁56Cは、連通流路82を有している。これによって、スプールSの一方向側及び他方向側にそれぞれ設けられた受圧部61a,61bの内部にパイロット油を供給した場合に、当該供給されたパイロット油を一方向側及び他方向側の連通流路82を介して作動油タンク22に排出することができる。また、受圧部61a,61bに作動油の圧力が作用しない場合、連通流路82を介して、排出流路45からの戻り油を操作弁60A,60Bに作動油を返すことができる。このため、制御弁56C、制御油路86、及び比例弁60を含む油圧回路を簡単に暖機することができる。
また、制御弁56Cは、中立位置62cと、側方位置62a,62bと、に切換可能である。これによって、制御弁56Cが中立位置62cにあり、第1比例弁60A及び第2比例弁60Bが制御油路86と排出流路45と連通している場合に、排出流路45からの戻り油を操作弁60A,60Bに作動油を返すことができる。このため、制御弁56C、制御油路86、及び比例弁60を含む油圧回路を簡単に暖機することができる。
また、連通流路82は、制御弁56Cが中立位置62cと側方位置62a,62bとの間にある場合に、パイロット油路86と排出流路45との接続を切断する。これによって、制御弁56Cが中立位置62cと側方位置62a,62bとの中途位置にあるときは、作動油の損失量を減少させることができる。
また、連通流路82は、制御弁56Cが側方位置62a,62bのうち一方側にあるとき、パイロット油路86と排出流路45との接続を切断する。これによって、制御弁56Cが側方位置62a,62bとの中途位置にあるときは、作動油の損失量を一層減少させることができる。
また、制御弁56Cは、ボディBと、スプールSと、を含む。これによって、油圧回路全体の構成変更等の大幅な変更を加えることなく、簡単に暖機を行うことができる。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 作業機
30 油圧システム(作業系の油圧システム)
45 排出流路
56 制御弁
58 操作レバー(操作部材)
60 比例弁(操作弁)
61a 受圧部
61b 受圧部
62a 第1位置(側方位置)
62b 第2位置(側方位置)
62c 第3位置(中立位置)
82 連通流路
86 制御油路(パイロット油路)
86a 第1制御油路(第1パイロット油路)
86b 第2制御油路(第2パイロット油路)
P1 第1油圧ポンプ

Claims (5)

  1. 作動油を吐出する油圧ポンプと、
    作動油により作動可能な油圧アクチュエータと、
    操作部材の操作に基づいて作動油の流量を変更可能な操作弁と、
    前記操作弁から供給される作動油であるパイロット油が作用する受圧部を有し、且つ、前記受圧部に作用した前記パイロット油のパイロット圧に基づいて前記油圧アクチュエータを制御する制御弁と、
    前記制御弁の前記受圧部と前記操作弁を接続するパイロット油路と、
    前記制御弁に接続され、且つ作動油を排出する排出流路と、
    前記排出流路に設けられ、且つ前記排出流路の圧力を上昇させる設定部と、
    を備え、
    前記制御弁は、前記排出流路と前記受圧部とを接続する連通流路を有している作業機の油圧システム。
  2. 前記制御弁は、
    前記受圧部にパイロット圧が作用しない場合、前記排出流路から前記制御弁に戻る作業油である戻り油を、前記連通流路を通過させて前記受圧部に流し、且つ、前記油圧アクチュエータに作動油を供給しない中立位置と、
    前記受圧部にパイロット圧が作用する場合、前記油圧アクチュエータに作動油を供給する側方位置と、に切換可能である請求項1に記載の作業機の油圧システム。
  3. 前記連通流路は、前記制御弁が前記中立位置と前記側方位置との間にある場合に、前記パイロット油路と前記排出流路との接続を切断する請求項2に記載の作業機の油圧システム。
  4. 前記連通流路は、前記制御弁が前記側方位置のうち一方側にあるとき、前記パイロット油路と前記排出流路との接続を切断する請求項2又は3に記載の作業機の油圧システム。
  5. 前記制御弁は、前記受圧部を有するボディと、
    前記ボディに収容され且つ一方向側及び他方向側に移動可能であり、且つ前記連通流路を有するスプールと、
    を含む請求項1~4のいずれかに記載の作業機の油圧システム。
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