JP2024031485A - デバイスチップの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の交差するストリートが形成されたウエーハを加工する際に、漏れ光による積層体の剥離を抑制することができるデバイスチップの製造方法を提供すること。【解決手段】デバイスチップの製造方法は、機能層に対して吸収性を有する波長のレーザービームによって、ウエーハの表面側に第一の分割予定ラインに沿う第一の加工溝を形成する第一の加工溝形成ステップ1と、ウエーハの表面側に第二の分割予定ラインに沿う第二の加工溝を形成する第二の加工溝形成ステップ2と、基板に対して透過性を有する波長のレーザービームによって、基板の内部に第二の分割予定ラインに沿う第一の改質層を形成する第一の改質層形成ステップ3と、基板の内部に第一の分割予定ラインに沿う第二の改質層を形成する第二の改質層形成ステップ4と、ウエーハに対して外力を付与して第一の分割予定ラインおよび第二の分割予定ラインに沿って分割する分割ステップ5と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、デバイスチップの製造方法に関する。
近年、IC(Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)等の半導体チップの処理能力を向上するために、シリコン等の半導体基板の表面に低誘電率絶縁体被膜(Low-k膜)と機能層とが積層された積層体によって半導体チップが形成された形態の半導体ウエーハが実用化されている。また、半導体ウエーハのストリート上にTEG(Test Element Group)と称する金属膜が積層された金属パターンを部分的に配設し、半導体ウエーハを分割する前に金属パターンを通して回路の機能をテストするように構成した半導体ウエーハも実用化されている。
こうしたウエーハを分割してチップ化するために、積層体に対して吸収性を有する波長のウエーハの表面側からレーザービームを照射して加工溝を形成するとともに、基板に対して透過性を有する波長のレーザービームをウエーハの裏面側から照射して基板内部に改質層を形成し、このウエーハに対して外力を付与することで分割する方法が提案されている(特許文献1)。表面側に複数の交差するストリートが形成されているウエーハを上述の方法を用いて加工する場合、従来では、まず、第一の方向に沿って第一の加工溝を形成した後、第二の方向に沿って第二の加工溝を形成し、次に、第一の方向に沿って第一の改質層を形成した後、第二の方向に沿って第二の改質層を形成する。
特開2007-173475号公報
レーザービームによってウエーハの表面に加工溝を形成する際に発生したデブリは、形成した加工溝の両脇近傍に付着する。このため、第二の加工溝を形成する際には、ストリートの交差部において、第一の加工溝の両脇近傍に付着したデブリの上を加工することになり、第二の加工溝は交差部近傍における溝深さが浅くなり、積層体が除去されずに残存する場合がある。このような場合、第二の改質層を形成する際に、ストリートの交差部において、既に形成されている第一の改質層によりレーザービームが第二の方向に沿って反射または散乱され、第二の方向に沿って形成されたストリートにおいて、ウエーハの表面側への漏れ光が多くなる。そして、これにより、ストリートの交差部近傍において、加工溝の形成時に残存した積層体に、改質層の形成時に発生した漏れ光が照射されてしまい、積層体が剥がれてしまう可能性があることが知られている。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の交差するストリートが形成されたウエーハを加工する際に、漏れ光による積層体の剥離を抑制することができるデバイスチップの製造方法を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のデバイスチップの製造方法は、基板の表面に機能層が積層され複数のデバイスが形成されたウエーハを、該複数のデバイスを区画する複数の第一の分割予定ラインおよび該第一の分割予定ラインに交差する複数の第二の分割予定ラインに沿って分割してデバイスチップを形成するデバイスチップの製造方法であって、該ウエーハの表面側から該機能層に対して吸収性を有する波長のレーザービームを該第一の分割予定ラインに沿って照射して第一の加工溝を形成する第一の加工溝形成ステップと、該第一の加工溝形成ステップを実施した後、該ウエーハの表面側から該機能層に対して吸収性を有する波長のレーザービームを該第二の分割予定ラインに沿って照射して第二の加工溝を形成する第二の加工溝形成ステップと、該第二の加工溝形成ステップを実施した後、該ウエーハの裏面側から該基板に対して透過性を有する波長のレーザービームを該第二の分割予定ラインに沿って照射して該基板の内部に第一の改質層を形成する第一の改質層形成ステップと、該第一の改質層形成ステップを実施した後、該ウエーハの裏面側から該基板に対して透過性を有する波長のレーザービームを該第一の分割予定ラインに沿って照射して該基板の内部に第二の改質層を形成する第二の改質層形成ステップと、該第二の改質層形成ステップを実施した後、該ウエーハに対して外力を付与して該第一の分割予定ラインおよび該第二の分割予定ラインに沿って分割する分割ステップと、を備えることを特徴とする。
本発明は、複数の交差するストリートが形成されたウエーハを加工する際に、漏れ光による積層体の剥離を抑制することができる。
図1は、実施形態に係るデバイスチップの製造方法の加工対象のウエーハの一例を示す斜視図である。 図2は、図1に示すウエーハの断面図である。 図3は、実施形態に係るデバイスチップの製造方法の流れを示すフローチャートである。 図4は、図3に示す第一の加工溝形成ステップの一状態を示す斜視図である。 図5は、図3に示す第一の加工溝形成ステップの後のウエーハを示す平面図である。 図6は、図5のウエーハの一部を拡大して示す平面図である。 図7は、図6のA-A’線断面図である。 図8は、図6のB-B’線断面図である。 図9は、図3に示す第二の加工溝形成ステップの後のウエーハを示す平面図である。 図10は、図9のウエーハの一部を拡大して示す平面図である。 図11は、図10のB-B’線断面図である。 図12は、図3に示す第一の改質層形成ステップの一状態を示す斜視図である。 図13は、図3に示す第一の改質層形成ステップの後のウエーハを示す平面図である。 図14は、図13のウエーハにおいて第一の改質層に沿う断面図である。 図15は、図3に示す第二の改質層形成ステップの後のウエーハを示す平面図である。 図16は、図15のウエーハにおいて第二の改質層に沿う断面図である。 図17は、図3に示す分割ステップの一状態を一部断面で示す側面図である。 図18は、図17の後の分割ステップの一状態を一部断面で示す側面図である。 図19は、図3に示す分割ステップの別の一例を示す斜視図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。更に、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
〔実施形態〕
本発明の実施形態に係るデバイスチップ18の製造方法について、図面に基づいて説明する。図1は、実施形態に係るデバイスチップ18の製造方法の加工対象のウエーハ10の一例を示す斜視図である。図2は、図1に示すウエーハ10の断面図である。図1および図2に示すウエーハ10は、シリコン(Si)、サファイア(Al)、ガリウムヒ素(GaAs)、炭化ケイ素(SiC)、またはリチウムタンタレート(LiTaO)等を基板11とする円板状の半導体デバイスウエーハ、光デバイスウエーハ等のウエーハである。
ウエーハ10は、表面12に、第一の分割予定ライン13および第二の分割予定ライン14が設定される。第一の分割予定ライン13は、第一の方向21に延び、第一の方向21に直交する第二の方向22に並んで複数設定される。第二の分割予定ライン14は、第二の方向22に延び、第一の方向21に並んで複数設定される。
ウエーハ10は、格子状に設定された第一の分割予定ライン13および第二の分割予定ライン14によって区画された領域に形成されたデバイス15を有している。デバイス15は、例えば、IC、またはLSI等の集積回路、CCD(Charge Coupled Device)、またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサである。
また、ウエーハ10は、基板11の表面12に機能層16が積層されている。機能層16は、SiOF、BSG(SiOB)等の無機物系の膜やポリイミド系、パリレン系等のポリマー膜である有機物系の膜からなるLow-k膜と、導電性の金属により構成された導電体膜とが積層されてなる。Low-k膜は、導電体膜と積層されて、デバイス15を形成する。導電体膜は、デバイス15の回路を構成する。このために、デバイス15は、互いに積層されたLow-k膜と、Low-k膜間に積層された導電体膜とにより構成される。
ウエーハ10は、例えば、環状のフレーム30およびテープ31に支持した状態で搬送および加工される。フレーム30は、金属または樹脂で形成され、ウエーハ10の外径より大きな開口を有する環状の板部材である。テープ31は、エキスパンド性を有し、フレーム30の開口より外径が大きなシート状である。テープ31は、フレーム30の開口を覆うように、フレーム30の裏面側に貼着される。ウエーハ10は、フレーム30の開口の所定の位置に位置決めされて裏面17側がテープ31に貼着することによって、フレーム30およびテープ31に固定される。
なお、テープ31は、例えば、エキスパンド性を有する合成樹脂で構成された基材層と、基材層に積層されかつエキスパンド性および粘着性を有する合成樹脂で構成された糊層と、を含んで構成されてもよく、あるいは、糊層を有さず、熱可塑性を有する樹脂から構成されてもよい。
ウエーハ10は、複数の第一の分割予定ライン13および複数の第二の分割予定ライン14に沿って個々のデバイス15に分割されて、デバイスチップ18に製造される。なお、デバイスチップ18は、実施形態において、正方形状であるが、長方形状であってもよい。また、ウエーハ10は、実施形態では円板状であるが、本発明では円板状でなくともよい。
図3は、実施形態に係るデバイスチップ18の製造方法の流れを示すフローチャートである。デバイスチップ18の製造方法は、加工対象のウエーハ10から複数のデバイスチップ18を製造する方法である。デバイスチップ18の製造方法は、図3に示すように、第一の加工溝形成ステップ1と、第二の加工溝形成ステップ2と、第一の改質層形成ステップ3と、第二の改質層形成ステップ4と、分割ステップ5と、を含む。
(第一の加工溝形成ステップ1)
図4は、図3に示す第一の加工溝形成ステップ1の一状態を示す斜視図である。図5は、図3に示す第一の加工溝形成ステップ1の後のウエーハ10を示す平面図である。図6は、図5のウエーハ10の一部を拡大して示す平面図である。図7は、図6のA-A’線断面図である。図8は、図6のB-B’線断面図である。
なお、A-A’線断面図は、第一の分割予定ライン13を直交しかつデバイス15を通る断面図、すなわち、第二の分割予定ライン14に平行かつ第二の分割予定ライン14上ではない断面図である。また、B-B’線断面図は、デバイス15を通らず、第二の分割予定ライン14に沿う断面図である。したがって、B-B’線断面図では、紙面奥行方向の奥側に、デバイス15の側面が見える。第一の加工溝形成ステップ1は、ウエーハ10の表面12側からレーザービーム40を第一の分割予定ライン13に沿って照射して第一の加工溝23を形成するステップである。
図4に示すように、実施形態の第一の加工溝形成ステップ1では、レーザー加工装置45によるアブレーション加工によって、ウエーハ10の表面12側に第一の分割予定ライン13に沿う第一の加工溝23を形成する。第一の加工溝形成ステップ1でウエーハ10に向けて照射するレーザービーム40は、機能層16に対して吸収性を有する波長のレーザービームである。
レーザー加工装置45は、チャックテーブル46と、レーザービーム照射ユニット47と、撮像ユニット48と、チャックテーブル46とレーザービーム照射ユニット47とを相対的に移動させる不図示の移動ユニットと、を備える。実施形態において、レーザー加工装置45の加工送り方向は、水平面における一方向を示すX軸方向である。また、レーザー加工装置45の割り出し送り方向は、水平面において、X軸方向に直交する方向を示すY軸方向である。
第一の加工溝形成ステップ1では、まず、テープ31を介してウエーハ10の裏面17側をチャックテーブル46の保持面(上面)に保持する。チャックテーブル46の保持面は、例えば、ポーラスセラミック等から形成された円板形状であって、水平方向と平行な平面である。保持面は、例えば、真空吸引経路を介して真空吸引源と接続している。チャックテーブル46は、保持面上に載置されたウエーハ10を吸引保持する。レーザー加工装置45は、例えば、チャックテーブル46の周囲に複数配置されるクランプ部材を備えてもよく、クランプ部材によって、ウエーハ10を支持するフレーム30を挟持してもよい。
第一の加工溝形成ステップ1では、次に、移動ユニットによってチャックテーブル46を加工位置まで移動させる。次に、撮像ユニット48でウエーハ10を撮像することによって、第一の分割予定ライン13を検出する。第一の分割予定ライン13が検出されたら、チャックテーブル46を鉛直方向軸回りに回転させて、ウエーハ10の第一の分割予定ライン13が沿う第一の方向21と、レーザー加工装置45の加工送り方向(X軸方向)とを一致させるとともに、不図示の移動ユニットによって、第一の分割予定ライン13とレーザービーム照射ユニット47の照射部との位置合わせを行うアライメントを遂行する。
第一の加工溝形成ステップ1では、次に、レーザービーム40の集光点41をウエーハ10の表面12の機能層16近傍に位置付けた状態で、ウエーハ10の表面12側からレーザービーム40を照射しながら、集光点41を第一の分割予定ライン13に沿って相対的に加工送り方向に移動させる。これにより、第一の分割予定ライン13に沿った第一の加工溝23が形成され、図7および図8に示すように、第一の分割予定ライン13に沿って機能層16が除去されて基板11が露出する。
この際、第一の分割予定ライン13の幅方向の両脇近傍には、アブレーション加工によって発生したデブリ19が付着する。より詳しくは、デブリ19は、図6および図7に示すように、第一の分割予定ライン13において、概ね第一の加工溝23とデバイス15との間に付着している。また、デブリ19は、図6および図8に示すように、第二の分割予定ライン14と直交する交差部においても、第一の分割予定ライン13の長手方向に沿って延長する位置である第一の分割予定ライン13の両脇に付着している。すなわち、第二の分割予定ライン14の長手方向において、第一の分割予定ライン13と交差する部分の両端部で、デブリ19が第二の分割予定ライン14上を横断するように付着している。
一本の第一の分割予定ライン13に第一の加工溝23を形成した後は、集光点41を割り出し送り方向(Y軸方向)、すなわち第二の方向22に相対的に移動させ、隣接する第一の分割予定ライン13に同様に第一の加工溝23を形成する。図5に示すように、全ての第一の分割予定ライン13に第一の加工溝23を形成すると、第一の加工溝形成ステップ1を終了し、第二の加工溝形成ステップ2に移行する。
(第二の加工溝形成ステップ2)
図9は、図3に示す第二の加工溝形成ステップ2の後のウエーハ10を示す平面図である。図10は、図9のウエーハ10の一部を拡大して示す平面図である。図11は、図10のB-B’線断面図である。図11は、図8と同一の断面を示しており、すなわち、デバイス15を通らず、第二の分割予定ライン14上を通る断面図である。第二の加工溝形成ステップ2は、第一の加工溝形成ステップ1を実施した後に実施される。第二の加工溝形成ステップ2は、ウエーハ10の表面12側からレーザービーム40を第二の分割予定ライン14に沿って照射して第二の加工溝24を形成するステップである。
実施形態の第二の加工溝形成ステップ2では、図4に示すレーザー加工装置45によるアブレーション加工によって、ウエーハ10の表面12側に第二の分割予定ライン14に沿う第二の加工溝24を形成する。第二の加工溝形成ステップ2でウエーハ10に向けて照射するレーザービーム40は、機能層16に対して吸収性を有する波長のレーザービームである。
第二の加工溝形成ステップ2では、まず、チャックテーブル46を鉛直方向軸回りに回転させて、ウエーハ10の第二の分割予定ライン14が沿う第二の方向22と、レーザー加工装置45の加工送り方向(X軸方向)とを一致させるとともに、不図示の移動ユニットによって、第二の分割予定ライン14とレーザービーム照射ユニット47の照射部との位置合わせを行うアライメントを遂行する。
第二の加工溝形成ステップ2では、次に、レーザービーム40の集光点41をウエーハ10の表面12の機能層16近傍に位置付けた状態で、ウエーハ10の表面12側からレーザービーム40を照射しながら、集光点41を第二の分割予定ライン14に沿って相対的に加工送り方向に移動させる。これにより、第二の分割予定ライン14に沿った第二の加工溝24が形成され、図11に示すように、第二の分割予定ライン14に沿って機能層16が除去されて基板11が露出する。
この際、第二の分割予定ライン14が第一の分割予定ライン13と交差する部分において、レーザービーム40が第一の加工溝形成ステップ1で発生したデブリ19にも照射される。すなわち、図6および図8に示す第二の分割予定ライン14上を縦断して付着している2列のデブリ19上を、図10に示すように、更に横断するようにレーザー加工されて第二の加工溝24が形成される。これにより、図11に示すように、第二の分割予定ライン14においてデブリ19が付着した部分、すなわち、第一の加工溝23と交差する手前および奥(図11に示す第一の加工溝23の左右)では、第二の加工溝24の溝深さが他の部分より浅くなり、機能層16が残存する(以下、残存した機能層16を機能層161と称する)。
一本の第二の分割予定ライン14に第二の加工溝24を形成した後は、集光点41を割り出し送り方向(Y軸方向)、すなわち第一の方向21に相対的に移動させ、隣接する第二の分割予定ライン14に同様に第二の加工溝24を形成する。図9に示すように、全ての第二の分割予定ライン14に第二の加工溝24を形成すると、第二の加工溝形成ステップ2を終了し、第一の改質層形成ステップ3に移行する。
(第一の改質層形成ステップ3)
図12は、図3に示す第一の改質層形成ステップ3の一状態を示す斜視図である。図13は、図3に示す第一の改質層形成ステップ3の後のウエーハ10を示す平面図である。図14は、図13のウエーハ10において第一の改質層25に沿う断面図である。なお、図14は、図8および図11に示すB-B’線断面図の断面と同一の断面を示しており、すなわち、デバイス15を通らず、第二の分割予定ライン14(第二の加工溝24)に沿う断面図である。第一の改質層形成ステップ3は、第二の加工溝形成ステップ2を実施した後に実施される。第一の改質層形成ステップ3は、ウエーハ10の裏面17側からレーザービーム40を第二の分割予定ライン14に沿って照射して基板11の内部に第一の改質層25を形成するステップである。
改質層とは、密度、屈折率、機械的強度またはその他の物理的特性が周囲のそれとは異なる状態になった領域のことを意味する。改質層は、例えば、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域、およびこれらの領域が混在した領域等である。改質層は、ウエーハ10の他の部分よりも機械的な強度等が低い。
図12に示すように、実施形態の第一の改質層形成ステップ3では、レーザー加工装置45によるステルスダイシング加工によって、ウエーハ10の基板11の内部に第二の分割予定ライン14に沿う第一の改質層25を形成する。第一の改質層形成ステップ3でウエーハ10に向けて照射するレーザービーム40は、基板11に対して透過性を有する波長のレーザービームである。
第一の改質層形成ステップ3では、まず、第一の加工溝形成ステップ1および第二の加工溝形成ステップ2でウエーハ10に貼着されていたテープ31をウエーハ10の裏面17から剥がし、新たなテープ31をウエーハ10の表面12側に貼着する。次に、テープ31を介してウエーハ10の表面12側をチャックテーブル46の保持面(上面)に吸引保持する。
第一の改質層形成ステップ3では、次に、移動ユニットによってチャックテーブル46を加工位置まで移動させる。次に、撮像ユニット48でウエーハ10を撮像することによって、第二の分割予定ライン14を検出する。第二の分割予定ライン14が検出されたら、チャックテーブル46を鉛直方向軸回りに回転させて、ウエーハ10の第二の分割予定ライン14が沿う第二の方向22と、レーザー加工装置45の加工送り方向(X軸方向)とを一致させるとともに、不図示の移動ユニットによって、第二の分割予定ライン14とレーザービーム照射ユニット47の照射部との位置合わせを行うアライメントを遂行する。
第一の改質層形成ステップ3では、次に、レーザービーム40の集光点41をウエーハ10の基板11の内部に位置付けた状態で、ウエーハ10の裏面17側からレーザービーム40を照射しながら、集光点41を第二の分割予定ライン14に沿って相対的に加工送り方向に移動させる。これにより、図13および図14に示すように、第二の加工溝24に沿った第一の改質層25が形成される。
第一の改質層25は、後述の第二の改質層26(図15および図16参照)より先に形成される。このため、第一の改質層形成ステップ3においては、レーザービーム40が別の改質層に照射されることによるレーザービーム40の散乱は発生しない。したがって、このレーザービーム40の散乱による漏れ光が、図14に示す残存した機能層161に照射されることはない。
一本の第二の分割予定ライン14に第一の改質層25を形成した後は、集光点41を割り出し送り方向(Y軸方向)、すなわち第一の方向21に相対的に移動させ、隣接する第二の分割予定ライン14に同様に第一の改質層25を形成する。図13に示すように、全ての第二の分割予定ライン14に第一の改質層25を形成すると、第一の改質層形成ステップ3を終了し、第二の改質層形成ステップ4に移行する。
(第二の改質層形成ステップ4)
図15は、図3に示す第二の改質層形成ステップ4の後のウエーハ10を示す平面図である。図16は、図15のウエーハ10において第二の改質層26に沿う断面図である。なお、図16は、図8、図11および図14に示すB-B’線断面図の断面と直交し、デバイス15を通らず、第一の分割予定ライン13(第一の加工溝23)に沿う断面図である。第二の改質層形成ステップ4は、第一の改質層形成ステップ3を実施した後に実施される。第二の改質層形成ステップ4は、ウエーハ10の裏面17側からレーザービーム40を第一の分割予定ライン13に沿って照射して基板11の内部に第二の改質層26を形成するステップである。
実施形態の第二の改質層形成ステップ4では、図12に示すレーザー加工装置45によるステルスダイシング加工によって、ウエーハ10の基板11の内部に第一の分割予定ライン13に沿う第二の改質層26を形成する。第二の改質層形成ステップ4でウエーハ10に向けて照射するレーザービーム40は、基板11に対して透過性を有する波長のレーザービームである。
第二の改質層形成ステップ4では、まず、チャックテーブル46を鉛直方向軸回りに回転させて、ウエーハ10の第一の分割予定ライン13が沿う第一の方向21と、レーザー加工装置45の加工送り方向(X軸方向)とを一致させるとともに、不図示の移動ユニットによって、第一の分割予定ライン13とレーザービーム照射ユニット47の照射部との位置合わせを行うアライメントを遂行する。
第二の改質層形成ステップ4では、次に、レーザービーム40の集光点41をウエーハ10の基板11の内部に位置付けた状態で、ウエーハ10の裏面17側からレーザービーム40を照射しながら、集光点41を第一の分割予定ライン13に沿って相対的に加工送り方向に移動させる。これにより、図15および図16に示すように、第一の加工溝23に沿った第二の改質層26が形成される。
この際、図16に示すように、第二の改質層26を形成する第一の分割予定ライン13上には、第二の分割予定ライン14と交差する部分において、既に第一の改質層25が形成されている。したがって、第一の分割予定ライン13が第二の分割予定ライン14と交差する部分において、レーザービーム40が第一の改質層形成ステップ3で形成された第一の改質層25に照射される。これにより、レーザービーム40の一部が、第一の改質層25において第一の分割予定ライン13に沿う方向に反射するため、第一の分割予定ライン13に沿う漏れ光が増加する。
ここで、第一の分割予定ライン13上に形成された第一の加工溝23は、第二の加工溝24よりも先に形成される、すなわち、第一の加工溝形成ステップ1中にレーザービーム40がデブリ19に照射されることがない。したがって、第二の加工溝24では、図14に示すように、機能層161が残存しているのに対し、第一の分割予定ライン13上に形成される第一の加工溝23では、図16に示すように、機能層161が残存せず除去されている。これにより、第一の分割予定ライン13に沿うレーザービーム40の漏れ光が、残存した機能層161に照射されることを抑制することができる。
一本の第一の分割予定ライン13に第二の改質層26を形成した後は、集光点41を割り出し送り方向(Y軸方向)、すなわち第二の方向22に相対的に移動させ、隣接する第一の分割予定ライン13に同様に第二の改質層26を形成する。図15に示すように、全ての第一の分割予定ライン13に第二の改質層26を形成すると、第二の改質層形成ステップ4を終了し、分割ステップ5に移行する。
(分割ステップ5)
図17は、図3に示す分割ステップ5の一状態を一部断面で示す側面図である。図18は、図17の後の分割ステップ5の一状態を一部断面で示す側面図である。分割ステップ5は、第二の改質層形成ステップ4を実施した後に実施される。分割ステップ5は、ウエーハ10に対して外力を付与して第一の分割予定ライン13および第二の分割予定ライン14に沿って分割するステップである。
図17および図18に示すように、実施形態の分割ステップ5では、拡張装置50がテープ31に対して放射方向に外力を与えることによって、ウエーハ10を分割する。拡張装置50は、チャックテーブル51と、クランプ部材52と、昇降ユニット53と、突き上げ部材54と、コロ部材55と、を備える。突き上げ部材54は、チャックテーブル51の外周かつ同軸に設けられる円筒形状である。コロ部材55は、チャックテーブル51の保持面と同一平面上または僅かに上方、かつ突き上げ部材54の上端に、回転自在に設けられる。
図17に示すように、分割ステップ5では、まず、テープ31を介してウエーハ10の表面12側をチャックテーブル51の保持面(上面)に載置し、フレーム30の外周部をクランプ部材52で固定する。この際、コロ部材55は、フレーム30の内縁とウエーハ10の外縁との間のテープ31に当接する。
図18に示すように、分割ステップ5では、次に、昇降ユニット53によって、チャックテーブル51および突き上げ部材54を一体的に上昇させる。この際、テープ31は、外周部がフレーム30を介してクランプ部材52で固定されているため、フレーム30の内縁とウエーハ10の外縁との間の部分が面方向に拡張される。更に、突き上げ部材54の上端に設けられたコロ部材55がテープ31との摩擦を緩和する。
分割ステップ5では、テープ31の拡張の結果、テープ31に放射状に引張力が作用する。テープ31に放射状の引張力が作用すると、図18に示すように、テープ31が貼着されたウエーハ10が、第一の分割予定ライン13に沿った第二の改質層26と第二の分割予定ライン14に沿った第一の改質層25とを破断起点にして分割されて、デバイスチップ18に個片化される。ウエーハ10がデバイスチップ18に分割された後は、例えば、ピックアップ工程において、周知のピッカーでテープ31からデバイスチップ18がピックアップされる。
(分割ステップ5の変形例)
図19は、図3に示す分割ステップ5の別の一例を示す斜視図である。図19に示すように、変形例の分割ステップ5では、研削装置60がウエーハ10の裏面17側を研削することでウエーハ10を押圧する外力を与えることによって、ウエーハ10を分割する。研削装置60は、チャックテーブル61と、スピンドル62と、研削ホイール63と、研削砥石64と、不図示の研削水供給ノズルと、を備える。研削ホイール63は、回転軸部材であるスピンドル62の下端に取り付けられる。研削砥石64は、研削ホイール63の下面に装着される。
図19に示す分割ステップ5では、まず、ウエーハ10の表面12側をチャックテーブル61の保持面(上面)に吸引保持する。次に、チャックテーブル61を軸心回りに回転させた状態で、研削ホイール63を軸心回りに回転させる。なお、研削ホイール63は、チャックテーブル61の軸心と平行な回転軸で回転する。
次に、不図示の研削水供給ノズルから研削水を供給するとともに、研削ホイール63の下面に装着された研削砥石64をチャックテーブル61に所定の送り速度で近付けることによって、研削砥石64でウエーハ10を裏面17側から研削して、ウエーハ10を所定の仕上げ厚みまで薄化する。
この際、ウエーハ10は、研削ホイール63の研削砥石64により押圧されるので、第二の改質層26および第一の改質層25から、第一の加工溝23および第二の加工溝24の溝底にまで亀裂が伸展して、第一の分割予定ライン13および第二の分割予定ライン14に沿って、基板11および機能層16が分割されて、デバイスチップ18に個片化される。その後は、図17および図18に示す分割ステップ5と同様に、例えば、ピックアップ工程において、周知のピッカーでテープ31からデバイスチップ18がピックアップされる。
以上説明したように、第一の分割予定ライン13と第二の分割予定ライン14との交差部近傍では、第二の加工溝形成ステップ2において、第一の加工溝形成ステップ1で生じたデブリ19上を加工することにより、レーザービーム40がデブリ19に遮断されてデブリ19の直下に存在する機能層16が第二の分割予定ライン14上に残存する場合があることが知られている(図11等の機能層161参照)。また、第二の改質層形成ステップ4においては、第一の改質層形成ステップ3で形成された第一の改質層25により反射または散乱されたレーザービーム40が、加工送り方向に照射されることが知られている。
実施形態に係るデバイスチップ18の製造方法では、第一の分割予定ライン13および第二の分割予定ライン14について、加工溝形成時の加工順と、改質層形成時の加工順とを逆にしている。すなわち、第二の改質層形成ステップ4においては、第一の改質層形成ステップ3で形成された第一の改質層25により反射または散乱されたレーザービーム40は、第一の加工溝23が沿う第一の分割予定ライン13上に照射され、第二の分割予定ライン14上に残存した機能層161に照射されることを抑制できる。このように、機能層161の残存する領域と、漏れ光が発生する領域との重複を回避することが可能であるため、機能層16の剥離の低減に貢献し、加工品質を向上できるという効果を奏する。
なお、第二の分割予定ライン14に対してアブレーション加工する際に、機能層16が残存しないように、レーザービーム40の出力を上げたり、加工速度を落したり等、強く加工する場合は、ウエーハ10へのダメージが大きくなり抗折強度の低下を招く可能性がある。本発明では、第二の分割予定ライン14上に機能層161が残存していても、レーザービーム40の漏れ光が残存した機能層161に照射されることを抑制できるため、レーザー加工の強さを変更する必要はない。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、第一の改質層形成ステップ3および第二の改質層形成ステップ4では、ウエーハ10の裏面17側に貼着したシート31越しにレーザービーム40を照射してもよい。すなわち、第二の加工溝形成ステップ2の後、テープ31をウエーハ10の裏面17側から剥がさないまま、ウエーハ10の表面12側をチャックテーブル46に吸引保持してもよい。この際、ウエーハ10の表面12側にシート状の保持部材を貼着して、デバイス15を保護することが好ましい。
10 ウエーハ
11 基板
12 表面
13 第一の分割予定ライン
14 第二の分割予定ライン
15 デバイス
16、161 機能層
17 裏面
18 デバイスチップ
19 デブリ
21 第一の方向
22 第二の方向
23 第一の加工溝
24 第二の加工溝
25 第一の改質層
26 第二の改質層
40 レーザービーム

Claims (1)

  1. 基板の表面に機能層が積層され複数のデバイスが形成されたウエーハを、該複数のデバイスを区画する複数の第一の分割予定ラインおよび該第一の分割予定ラインに交差する複数の第二の分割予定ラインに沿って分割してデバイスチップを形成するデバイスチップの製造方法であって、
    該ウエーハの表面側から該機能層に対して吸収性を有する波長のレーザービームを該第一の分割予定ラインに沿って照射して第一の加工溝を形成する第一の加工溝形成ステップと、
    該第一の加工溝形成ステップを実施した後、該ウエーハの表面側から該機能層に対して吸収性を有する波長のレーザービームを該第二の分割予定ラインに沿って照射して第二の加工溝を形成する第二の加工溝形成ステップと、
    該第二の加工溝形成ステップを実施した後、該ウエーハの裏面側から該基板に対して透過性を有する波長のレーザービームを該第二の分割予定ラインに沿って照射して該基板の内部に第一の改質層を形成する第一の改質層形成ステップと、
    該第一の改質層形成ステップを実施した後、該ウエーハの裏面側から該基板に対して透過性を有する波長のレーザービームを該第一の分割予定ラインに沿って照射して該基板の内部に第二の改質層を形成する第二の改質層形成ステップと、
    該第二の改質層形成ステップを実施した後、該ウエーハに対して外力を付与して該第一の分割予定ラインおよび該第二の分割予定ラインに沿って分割する分割ステップと、
    を備えることを特徴とする、デバイスチップの製造方法。
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