JP2024030430A - 捕集装置及び画像形成システム - Google Patents

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【課題】印刷物中のVOC成分を効率よく捕集してコストを低減する。【解決手段】捕集装置(13)は、画像形成ゾーン(22)から搬出された印刷物(S)からVOC成分を捕集する。捕集装置には、画像形成ゾーンの下流で印刷物中の水分を蒸発させる水分蒸発ゾーン(32)と、水分蒸発ゾーンの下流で印刷物中のVOC成分を捕集する捕集ゾーン(42)と、が設けられている。水分蒸発ゾーンの湿度が、水分が蒸発し始めるタイミングよりもVOC成分が蒸発し始めるタイミングが遅れるような湿度に調整される。【選択図】図3

Description

本発明は、捕集装置及び画像形成システムに関する。
一般に、インクジェット方式の画像形成装置に用いられるインクには有機溶剤が含まれており、インクの蒸発時には人体に有害な揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)が発生する。このため、画像形成装置には印刷物から蒸発したVOC成分を捕集する捕集装置が取り付けられており、吸引ファンによって印刷ヘッド周辺の空気が捕集装置に導かれている。この種の捕集装置として、印刷ヘッドからのインクの吐出量に応じて、吸引ファンの吸引量を可変するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の捕集装置では効率的なファン制御によって消費電力が抑えられている。
特開2014-148131号公報
しかしながら、特許文献1に記載の捕集装置では、人体に有害なVOC成分と共に人体に無害な水蒸気も同時に捕集されるため、後段のVOC成分の処理に無駄な費用が生じたり、特殊なファンが必要になってコストが増加したりする問題がある。
そこで、本発明は、印刷物中のVOC成分を効率よく捕集してコストを低減することを目的とする。
本発明の一態様の捕集装置は、画像形成ゾーンから搬出された印刷物からVOC成分を捕集する捕集装置であって、前記画像形成ゾーンの下流で印刷物中の水分を蒸発させる水分蒸発ゾーンと、前記水分蒸発ゾーンの下流で印刷物中のVOC成分を捕集する捕集ゾーンと、を備え、前記水分蒸発ゾーンの湿度が、水分が蒸発し始めるタイミングよりもVOC成分が蒸発し始めるタイミングが遅れるような湿度に調整される。
前記捕集装置において、前記水分蒸発ゾーンでは、印刷物の印字率に応じて湿度が調整される。
前記捕集装置において、前記水分蒸発ゾーンの入口の高さが、前記画像形成ゾーンの印刷ヘッドと印刷物のヘッドギャップの高さと同じである。
前記捕集装置において、前記水分蒸発ゾーンの入口側には、印刷物に向けて加湿気体を供給する加湿器が設けられている。
前記捕集装置において、前記水分蒸発ゾーンの出口側には、当該水分蒸発ゾーンの水蒸気を排気する排気ファンが設けられている。
前記捕集装置において、前記水分蒸発ゾーンには、当該水分蒸発ゾーンの湿度を検出する湿度センサーが設けられており、前記湿度センサーの検出結果に基づいて前記加湿器と前記排気ファンが制御される。
前記捕集装置において、前記湿度センサーは、前記水分蒸発ゾーンの上流側の湿度を検出する上流側湿度センサーと前記水分蒸発ゾーンの下流側の湿度を検出する下流側湿度センサーであり、前記上流側湿度センサーの検出結果が湿度調整範囲の下限を下回ると前記加湿器が作動され、前記下流側湿度センサーの検出結果が湿度調整範囲の上限を上回ると前記排気ファンが作動される。
本発明の一態様の画像形成システムは、印刷物を形成する前記画像形成ゾーンを備えた画像形成装置と、上記に記載の捕集装置と、を備えている。
本発明によれば、水の飽和蒸気圧がVOCの飽和蒸気圧よりも高いため、水分蒸発ゾーンの湿度の調整によって印刷物中のVOC成分の蒸発が抑えられて水分が先に蒸発される。水分蒸発ゾーンで印刷物から水分が蒸発された後に、水分蒸発ゾーンの下流の捕集ゾーンで印刷物からVOC成分が蒸発されるため、人体に有害なVOC成分だけを効率的に捕集することができる。VOC成分と共に水蒸気が捕集されないので、後段のVOC成分の処理に無駄な費用が生じたり、特殊なファンが必要になったりすることがなくコストを低減することができる。
本実施形態の画像形成システムの模式図である。 水分及びVOC成分の湿度毎の蒸発タイミングの説明図である。 水分及びVOC成分の湿度毎の蒸発タイミングの説明図である。 水分及びVOC成分の湿度毎の蒸発タイミングの説明図である。 本実施形態の画像形成装置及び捕集装置の模式図である。 VOC成分の捕集効果と画像品質の評価の一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態の捕集装置を適用した画像形成システムについて説明する。図1は、本実施形態の画像形成システムの模式図である。図2は、水分及びVOC成分の湿度毎の蒸発タイミングの説明図である。各図に適宜付される矢印L、Rは、それぞれ画像形成システムの左側、右側を示している。
図1に示すように、画像形成システム1は、給紙装置11と、画像形成装置12と、捕集装置13と、後処理装置14とを一列に並べて、シートに対して給紙処理、画像形成処理、捕集処理、後処理までの一連の処理を連続的に実施している。また、画像形成システム1には、これら各装置を統括管理する制御装置(不図示)が設けられている。給紙装置11には、シート束が収容された複数の給紙カセット(不図示)が設けられている。給紙カセットのシート束からシートが1枚ずつ分離されて、給紙装置11から画像形成装置12に向けてシートが送り出される。
画像形成装置12には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色の印刷ヘッド24(図3参照)が設けられている。印刷ヘッド24からシートに向けてインク滴が吐出されて、インクジェット方式によってシートにカラー画像が記録されて印刷物Sが形成される。インク滴の吐出によって印刷物Sが形成されながら、画像形成装置12から捕集装置13に向けて印刷物Sが送り出される。捕集装置13には、搬送路に沿って複数のファン等が設けられている。捕集装置13において印刷物Sから蒸発したVOC成分が捕集されながら、捕集装置13から後処理装置14に向けて印刷物Sが送り出される。
後処理装置14には、ステイプル装置(不図示)やパンチ装置(不図示)等が設けられている。ステイプル装置によって数枚の印刷物Sの端部が綴じられて、パンチ装置によって印刷物Sの側縁にパンチ穴が形成されている。後処理済みの印刷物Sは後処理装置14の排紙トレイ15に排出される。制御装置では、一列に並んだ各装置の処理タイミングや、隣り合う装置の間で印刷物S(シート)の搬送タイミング等が制御されている。このようにして、シートにカラー画像が記録されて印刷物Sが形成され、印刷物Sに後処理が施されて排紙トレイ15上に積み重ねられる。
ところで、印刷物Sのインクには水分とVOC成分が含まれているが、捕集装置13では印刷物SからVOC成分だけを捕集することが望まれている。ここで、水分の飽和蒸気圧がVOC成分の飽和蒸気圧よりも高いため、捕集装置13内の湿度を調整することによって水分の蒸発タイミングとVOC成分の蒸発タイミングを異ならせることができる。湿度調整によって水分の蒸発タイミングとVOC成分の蒸発タイミングが変更されるが、湿度調整は印刷物Sのインクの滲み等の画像品質にも影響を与えてしまう。このため、蒸発タイミングだけでなく画像品質も考慮して湿度調整する必要がある。
図2Aに示すように、低湿度(例えば、湿度10%)の環境下では、印刷物S中のインクの滲みが無く画像品質を向上させることができる。しかしながら、印刷物Sから水分とVOC成分が略同じタイミングで蒸発し始めるため、印刷物Sから蒸発したVOC成分だけを効率的に捕集することができない。図2Bに示すように、高湿度(例えば、湿度100%)の環境下では、印刷物S中のインクが滲んで画像品質が悪化する。また、印刷物S中の印刷物Sから水分とVOC成分の蒸発が抑えられて、印刷物Sから蒸発したVOC成分を捕集することができない。
図2Cに示すように、中湿度(例えば、湿度50%)の環境下では、印刷物S中の多少のインクの滲みが生じるが、空気の流れを作り出すことによってインクの滲みを抑えることができる。また、印刷物S中のVOC成分の蒸発が抑えられた状態で印刷物Sから水分が先に蒸発し始めて、印刷物S中の水分が十分に蒸発した後にVOC成分が蒸発し始める。そこで、本実施形態の捕集装置13では、この中湿度の環境下でのVOC成分の蒸発タイミングの遅れを利用して、印刷物Sから水分が十分に蒸発した後にVOC成分だけを効率的に捕集している。
図3を参照して、捕集装置について説明する。図3は、本実施形態の画像形成装置及び捕集装置の模式図である。
図3に示すように、捕集装置13の上流側には画像形成装置12が設置されている。画像形成装置12のハウジング21の内側には画像形成ゾーン22が形成されている。画像形成ゾーン22には搬送ユニット23と印刷ヘッド24が上下に対向して設けられている。画像形成ゾーン22では搬送ユニット23によってシートが捕集装置13に向けてベルト搬送されながら、印刷ヘッド24の各ノズルからシートにインク滴が吐出されて印刷物Sが形成される。このとき、印刷ヘッド24と搬送ユニット23上の印刷物Sの間には僅かなヘッドギャップが空けられている。
捕集装置13は、画像形成ゾーン22から搬出された印刷物SからVOC成分を捕集するように構成されている。捕集装置13のハウジング31、41が搬送方向に並んでおり、搬送方向上流側のハウジング31の内側には水分蒸発ゾーン32が形成され、搬送方向下流側のハウジング41の内側には捕集ゾーン42が形成されている。画像形成ゾーン22の下流の水分蒸発ゾーン32では印刷物S中の水分が蒸発して排気され、水分蒸発ゾーン32の下流の捕集ゾーン42では印刷物S中のVOC成分が蒸発して捕集される。このように、捕集装置13では印刷物中の水分とVOC成分が2段階に分けて蒸発される。
水分蒸発ゾーン32の下部には搬送ユニット33が設けられており、水分蒸発ゾーン32の上部の下流側には水蒸気用の排気ファン34が設けられている。水分蒸発ゾーン32の入口35側には湿度センサー付きの加湿器36が設けられ、水分蒸発ゾーン32の出口37側には湿度センサー38が設けられている。加湿器36によって水分蒸発ゾーン32が加湿され、排気ファン34によって水分蒸発ゾーン32が除湿されて、水分蒸発ゾーン32の湿度が所定の湿度調整範囲内に調整されている。水分蒸発ゾーン32の湿度分布が均一に近づくように、ハウジング31の天面が一定に高さに形成されている。
水分蒸発ゾーン32の入口35の高さは、画像形成ゾーン22の印刷ヘッド24と印刷物Sのヘッドギャップの高さと同じになっている。水分蒸発ゾーン32の入口35が最小限の大きさに形成されて、画像形成ゾーン22から水分蒸発ゾーン32への空気の流入による湿度の変化が抑えられている。印刷物Sが1[m/s]以下で低速搬送される場合には、印刷物Sの搬入時の空気の動きによって水分蒸発ゾーン32の湿度が乱されることはない。本実施形態の捕集装置13では、印刷物Sが高速搬送される場合等も考慮して、水分蒸発ゾーン32の入口35側の加湿器36によって印刷物Sに向けて加湿気体が供給されている。
加湿気体のダウンフローによって印刷物Sの搬入時の空気の動きが遮られて、画像形成ゾーン22から水分蒸発ゾーン32への空気の流入による湿度の変化が抑えられる。このとき、印刷物Sの搬送速度に合わせて加湿器36から加湿気体が供給されることが好ましい。印刷物Sの搬送速度よりも加湿気体の供給速度が遅すぎると、印刷物Sの搬入時に画像形成ゾーン22から水分蒸発ゾーン32に空気が入り込み易くなる。一方で、印刷物Sの搬送速度よりも加湿気体の供給速度が速すぎると、水分蒸発ゾーン32から画像形成ゾーン22に加湿気体が流入して印刷物Sの画像品質を悪化させる恐れがある。
排気ファン34は水分蒸発ゾーン32の上部で出口側に設けられている。排気ファン34によって水分蒸発ゾーン32から水蒸気が排気されて除湿されると共に、水分蒸発ゾーン32の気体に対して流動性が与えられて印刷物Sの滲みが抑えられる。排気ファン34が加湿器36から十分に離されているため、加湿器36から供給される加湿気体の流れが排気ファン34の吸引によって乱されることがない。なお、水分蒸発ゾーン32には排気ファン34とは別に気体還流装置が設けられて、排気ファン34による排気を伴うことなく、気体還流装置によって水分蒸発ゾーン32内で気体が流動されてもよい。
水分蒸発ゾーン32の上流側に加湿器36が設けられ、水分蒸発ゾーン32の下流側に排気ファン34が設けられているため、水分蒸発ゾーン32の上流側の湿度が最も高く、水分蒸発ゾーン32の下流側の湿度が最も低くなると考えられる。水分蒸発ゾーン32の上流側の湿度は加湿器36に付属の湿度センサー(上流側湿度センサー)によって検出され、水分蒸発ゾーン32の下流側の湿度は出口37付近の湿度センサー(下流側湿度センサー)38によって検出されている。これら加湿器36の湿度センサーと出口37付近の湿度センサー38の検出結果に応じて水分蒸発ゾーン32の湿度が調整される。
加湿器36の湿度センサーの検出結果が湿度調整範囲を下回ると、加湿器36が作動されて水分蒸発ゾーン32が加湿される。湿度センサー38の検出結果が湿度調整範囲を上回ると、排気ファン34が作動されて水分蒸発ゾーン32が除湿される。加湿器36と排気ファン34によって水分蒸発ゾーン32全体の湿度が湿度調整範囲に収められる。湿度調整範囲は、水分とVOC成分の飽和蒸気圧の違いを考慮した中湿度の範囲に設定されている。これにより、水分蒸発ゾーン32の湿度が、水分が蒸発し始めるタイミングよりもVOC成分が蒸発し始めるタイミングが遅れるような湿度に調整される。
なお、水分蒸発ゾーン32では、印刷物Sの印字率に応じて湿度が調整されて、印刷物Sに含まれる水分量に応じて水分蒸発ゾーン32の湿度が調整されてもよい。印字率が高い場合には水蒸気が増えて水分蒸発ゾーン32の湿度が高くなり易く、印字率が低い場合には水分蒸発ゾーン32の湿度が高くなり難い。このため、排気ファン34の送風量を変化させることによって印刷物Sの滲み等を抑えることができる。例えば、印字率5%では排気ファン34の送風が停止され、印字率30%では排気ファン34の送風が弱められ、印字率50%では排気ファン34の送風が強められてもよい。
水分蒸発ゾーン32では搬送ユニット33によって印刷物Sがベルト搬送されながら、湿度制御された雰囲気中で印刷物Sから蒸発した水分が機外に排出される。水分蒸発ゾーン32では印刷物S中のVOC成分の蒸発が抑えられるため、排気ファン34によって水蒸気だけが機外に排出される。水分蒸発ゾーン32から機外にVOC成分が排出されないため、排気ファン34には一般的なファンを用いることができる。水分蒸発ゾーン32を通過することによって印刷物Sから水分が取り除かれて、水分蒸発ゾーン32から捕集ゾーン42に向かって印刷物Sが搬出される。
捕集ゾーン42の下部には搬送ユニット43が設けられており、捕集ゾーン42の上部には搬送方向に並んだVOC用の複数の排気ファン44が設けられている。捕集ゾーン42では搬送ユニット43によって印刷物Sがベルト搬送されながら、印刷物Sから蒸発したVOC成分が捕集される。このとき、複数の排気ファン44には特殊なフィルターを持ったファンが用いられて、フィルターによってVOC成分が捕集されてもよい。また、複数の排気ファン44に排気ダクトを介して廃液タンク(不図示)が接続され、複数の排気ファン44によって捕集されたVOC成分が廃液タンクに貯留されてもよい。
VOC成分の捕集効率を高めるために、水分蒸発ゾーン32よりも捕集ゾーン42が搬送方向に長く形成されている。このように、水分蒸発ゾーン32で印刷物S中の水分が蒸発された後に、捕集ゾーン42で印刷物S中のVOC成分が蒸発されるため、人体に有害なVOC成分だけを効率的に捕集することができる。なお、水分蒸発ゾーン32の排気ファン34も捕集ゾーン42の排気ファン44も印刷物Sの搬入に合わせて作動される。また、水分蒸発ゾーン32の加湿器36は、水分蒸発ゾーン32に適切な湿度環境を作るために、印刷物Sの印字率等に応じて完成時間を見積もって作動される。
図4を参照して、VOC成分の捕集効果及び画像品質について説明する。図4は、VOC成分の捕集効果と画像品質の評価の一例を示す図である。なお、ここでは説明の便宜上、図3の符号を適宜使用して説明する。
図4に示すように、相対湿度が異なる環境で、水分蒸発ゾーン32の加湿レベルと排気ファン34のON、OFFを変更して、捕集装置13によるVOC成分の捕集効果と画像品質について評価した。相対湿度は湿度5%程度の低湿度、湿度20%程度の中湿度、湿度50%以上の高湿度の3つの環境を用意し、水分蒸発ゾーン32の加湿レベルについては最大で湿度50%までの範囲で加湿無し、中加湿、高加湿の3段階で変更した。VOC成分の捕集効果については水分の含有量から評価し、画像品質については低印字率、中印字率、高印字率の3段階に分けてインクの滲みを指標にして評価した。
比較例1では、低湿度環境下にて加湿せずに排気ファン34をOFFにして、VOC成分の捕集効果と低印字率の画像品質を評価した。比較例1では、VOC成分だけを捕集することはできなかったが、低印字率ではインクの滲みの無い良好な画像品質が得られた。実施例1、2では、低湿度環境下にて高加湿で排気ファン34をOFFにして、VOC成分の捕集効果と低印字及び中印字率の画像品質を評価した。実施例1、2では、VOC成分だけを捕集することができ、低印字率及び中印字率のいずれにおいてもインクの滲みの無い良好な画像品質が得られた。
比較例2では、低湿度環境下にて高加湿で排気ファン34をOFFにして、VOC成分の捕集効果と高印字率の画像品質を評価した。比較例2では、VOC成分だけを捕集することができたが、高印字率ではインクの滲みが生じて画像品質が悪化した。実施例3では、低湿度環境下にて高加湿で排気ファン34をONにして、VOC成分の捕集効果と高印字率の画像品質を評価した。実施例3では、VOC成分だけを捕集することができ、高印字率ではインクの滲みの無い良好な画像品質が得られた。低湿度環境下の高印字率では、空気を流動させる除湿動作が画像品質の維持に効果的であった。
比較例3では、中湿度環境下にて中加湿で排気ファン34をOFFにして、VOC成分の捕集効果と中印字率の画像品質を評価した。比較例3では、VOC成分だけを捕集することができたが、中印字率ではインクの滲みが生じて画像品質が悪化した。実施例4では、中湿度環境下にて中加湿で排気ファン34をONにして、VOC成分の捕集効果と中印字率の画像品質を評価した。実施例4では、VOC成分だけを捕集することができ、中印字率ではインクの滲みの無い良好な画像品質が得られた。中湿度環境下の中印字率では、空気を流動させる除湿動作が画像品質の維持に効果的であった。
比較例4では、高湿度環境下にて加湿せずに排気ファン34をOFFにして、VOC成分の捕集効果と高印字率の画像品質を評価した。比較例4では、VOC成分だけを捕集することができたが、高印字率ではインクの滲みが生じて画像品質が悪化した。実施例5では、高湿度環境下にて加湿せずに排気ファン34をONにして、VOC成分の捕集効果と高印字率の画像品質を評価した。実施例5では、VOC成分だけを捕集することができ、高印字率ではインクの滲みの無い良好な画像品質が得られた。高湿度環境下の高印字率では、加湿せずに空気を流動させる除湿動作が画像品質の維持に有効であった。
このように、低湿度環境下及び中湿度環境下では加湿によってVOC成分だけを捕集することができ、高湿度環境下では加湿せずにVOC成分だけを捕集することができた。また、高湿度環境や加湿環境等によってインクに滲みが生じ易くなるが、除湿動作によって空気を流動させることで中印字率や高印字率でもインクの滲みを抑えることができた。このように、加湿動作と除湿動作を組み合わせて、所定の湿度調整範囲内に湿度を調整することによって、画像品質を低下させることなく、VOC成分の捕集効果を向上させることができた。
以上、本実施形態によれば、水の飽和蒸気圧がVOCの飽和蒸気圧よりも高いため、水分蒸発ゾーン32の湿度の調整によって印刷物S中のVOC成分の蒸発が抑えられて水分が先に蒸発される。水分蒸発ゾーン32で印刷物Sから水分が蒸発された後に、水分蒸発ゾーン32の下流の捕集ゾーン42で印刷物SからVOC成分が蒸発されるため、人体に有害なVOC成分だけを効率的に捕集することができる。VOC成分と共に水蒸気が捕集されないので、後段のVOC成分の処理に無駄な費用が生じたり、特殊なファンが必要になったりすることがなくコストを低減することができる。
なお、本実施形態において、加湿器として湿度センサー付きの加湿器が用いられたが、加湿器と湿度センサーが別体に形成されていてもよい。
また、本実施形態において、水分蒸発ゾーンの上流側に湿度センサー付きの加湿器が設けられ、水分蒸発ゾーンの下流側に湿度センサーが設けられたが、水分蒸発ゾーンには少なくとも1つの湿度センサーが設けられていればよい。湿度センサーの検出結果によって加湿器と排気ファンが制御されて水分蒸発ゾーンの湿度が適切に調整される。
また、本実施形態において、水分蒸発ゾーンの入口側に加湿器が設けられ、水分蒸発ゾーンの出口側に排気ファンが設けられたが、加湿器と排気ファンの位置関係は特に限定されない。
また、本実施形態において、記録メディアの種類は特に限定されず、例えば、普通紙、コート紙、トレーシングペーパー、OHP(Over Head Projector)シートでもよい。また、本実施形態の捕集装置は、インクが浸透しない非浸透系メディアに有効である。
なお、本実施形態を説明したが、他の実施形態として、上記実施形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
また、本発明の技術は上記の実施形態に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方によって実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
1 :画像形成システム
12:画像形成装置
13:捕集装置
22:画像形成ゾーン
24:印刷ヘッド
32:水分蒸発ゾーン
34:水分蒸発ゾーンの排気ファン
35:水分蒸発ゾーンの入口
36:加湿器(上流側湿度センサー)
37:水分蒸発ゾーンの出口
38:湿度センサー(下流側湿度センサー)
42:捕集ゾーン
44:捕集ゾーンの排気ファン
S :印刷物

Claims (8)

  1. 画像形成ゾーンから搬出された印刷物からVOC成分を捕集する捕集装置であって、
    前記画像形成ゾーンの下流で印刷物中の水分を蒸発させる水分蒸発ゾーンと、
    前記水分蒸発ゾーンの下流で印刷物中のVOC成分を捕集する捕集ゾーンと、を備え、
    前記水分蒸発ゾーンの湿度が、水分が蒸発し始めるタイミングよりもVOC成分が蒸発し始めるタイミングが遅れるような湿度に調整されることを特徴とする捕集装置。
  2. 前記水分蒸発ゾーンでは、印刷物の印字率に応じて湿度が調整されることを特徴とする請求項1に記載の捕集装置。
  3. 前記水分蒸発ゾーンの入口の高さが、前記画像形成ゾーンの印刷ヘッドと印刷物のヘッドギャップの高さと同じであることを特徴とする請求項1に記載の捕集装置。
  4. 前記水分蒸発ゾーンの入口側には、印刷物に向けて加湿気体を供給する加湿器が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の捕集装置。
  5. 前記水分蒸発ゾーンの出口側には、当該水分蒸発ゾーンの水蒸気を排気する排気ファンが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の捕集装置。
  6. 前記水分蒸発ゾーンには、当該水分蒸発ゾーンの湿度を検出する湿度センサーが設けられており、
    前記湿度センサーの検出結果に基づいて前記加湿器と前記排気ファンが制御されることを特徴とする請求項5に記載の捕集装置。
  7. 前記湿度センサーは、前記水分蒸発ゾーンの上流側の湿度を検出する上流側湿度センサーと前記水分蒸発ゾーンの下流側の湿度を検出する下流側湿度センサーであり、
    前記上流側湿度センサーの検出結果が湿度調整範囲の下限を下回ると前記加湿器が作動され、前記下流側湿度センサーの検出結果が湿度調整範囲の上限を上回ると前記排気ファンが作動されることを特徴とする請求項6に記載の捕集装置。
  8. 印刷物を形成する前記画像形成ゾーンを備えた画像形成装置と、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の捕集装置と、を備えていることを特徴とする画像形成システム。
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