JP2014125346A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体の集積部でのスタッカブロッキングの発生を抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】インクジェット記録装置10は、画像形成後の用紙Pを落下させて排出するチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64の下方に配置された排紙台102と、排紙台102から傾斜して立ち上がり、排紙台102へ排出された用紙Pを傾斜させて支える姿勢制御板104と、を備えている。さらに、記録装置10は、排紙台102上の用紙Pの下端部を押さえ、傾斜した用紙Pのズレを抑制する押さえ部材106と、排紙台102に集積された用紙Pの集積枚数に応じて排紙台102を移動させる移動装置120と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は画像形成装置に関する。
下記特許文献1には、画像形成装置本体から排出される用紙をサイズ毎に仕分けて保持する排紙スタッカが開示されている。この排紙スタッカでは、広幅の用紙の後端部を傾斜させた状態で支持する広幅用スタッカと、狭幅の用紙を傾斜させた状態で支持する狭幅用スタッカとを備えている。画像形成装置本体を搬送される用紙は、搬送方向の先端側から広幅用スタッカ又は狭幅用スタッカに排出される。
特開2002−104710号公報
一般的に、印刷された用紙を上下方向に積載する排出部では、下層となる用紙に荷重がかかることにより、互いに接触する面に形成された画像のインク同士、又はインクと用紙が貼り付き、インクが剥がれる、いわゆるスタッカブロッキング(記録媒体同士が付着してブロック化する現象)が発生する可能性がある。
上記の特許文献1に記載の装置では、広幅用スタッカ及び狭幅用スタッカの用紙搬送方向の中間部が窪むように湾曲した形状とされている。特に、広幅用スタッカでは、用紙搬送方向先端側が広幅用スタッカの最下部に対して上方側に湾曲している。このため、用紙が広幅用スタッカ又は狭幅用スタッカに積載されたときに、下層となる用紙に荷重がかかる可能性があり、スタッカブロッキングの発生を抑制するためには改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、記録媒体の集積部でのスタッカブロッキングの発生を抑制することができる画像形成装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明に係る画像形成装置は、画像形成後の記録媒体を装置本体から落下させて排出する搬送手段と、前記搬送手段の下方に設けられた集積部材と、前記集積部材から傾斜して立ち上がり、前記集積部材へ排出された前記記録媒体を傾斜させて支える姿勢制御板と、前記集積部材上の前記記録媒体の下端部を押さえ、傾斜した前記記録媒体のズレを抑制する押さえ部材と、前記集積部材に集積された前記記録媒体の集積枚数に応じて前記集積部材を移動させる移動手段と、を有する。
上記の発明によれば、搬送手段により画像形成後の記録媒体を装置本体から落下させて排出する。搬送手段の下方には、集積部材が設けられており、集積部材から傾斜して立ち上がった姿勢制御板が、集積部材へ排出された記録媒体を傾斜させて支える。その際、押さえ部材で集積部材上の記録媒体の下端部を押さえることで、傾斜した記録媒体のズレが抑制される。さらに、集積部材に集積された記録媒体の集積枚数に応じて、移動手段が集積部材を移動させることで、複数の記録媒体が姿勢制御板により傾斜した状態で支えされる。このような構成では、集積部材に排出された複数の記録媒体が姿勢制御板により傾斜した状態で支えられることで、複数の記録媒体の画像面にかかる力を軽減することができ、スタッカブロッキングの発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記搬送手段は、前記記録媒体の搬送方向における前記記録媒体の先端側から前記記録媒体を前記集積部材に落下させるものであり、前記搬送手段から前記記録媒体を傾斜させた状態で前記集積部材に滑り落ちるようにガイドする傾斜ガイドを備える。
上記の発明によれば、搬送手段によって、記録媒体の搬送方向における記録媒体の先端側から記録媒体が落下され、記録媒体は傾斜ガイドを傾斜した状態で滑り落ちることで、集積部材に排出される。このため、記録媒体を先端側から落下させ、記録媒体を姿勢制御板に沿って傾斜した状態で集積部材に導くことが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記搬送手段は、前記記録媒体の搬送方向における前記記録媒体の後端側から前記記録媒体を前記集積部材に落下させるものであり、前記姿勢制御板は、前記記録媒体の後端が下方側で前記記録媒体の先端が上方側となるように支える構成とされている。
上記の発明によれば、搬送手段によって、記録媒体の搬送方向における記録媒体の後端側から記録媒体が集積部材に落下され、姿勢制御板によって、記録媒体の後端が下方側で記録媒体の先端が上方側となるように記録媒体が傾斜した状態で支えられる。このため、記録媒体を後端側から落下させ、記録媒体を姿勢制御板に沿って傾斜した状態で集積部材に導くことが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記押さえ部材には、前記姿勢制御板と対向する面に、前記姿勢制御板と同じ方向へ傾斜する傾斜面が形成されている。
上記の発明によれば、押さえ部材には、姿勢制御板と対向する面に、姿勢制御板と同じ方向へ傾斜する傾斜面が形成されており、傾斜面が記録媒体の下端部に当接することで、記録媒体の下端部が姿勢制御板側に押させられる。このため、傾斜した記録媒体の姿勢制御板からのズレをより効果的に抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像形成装置において、前記押さえ部材は、前記記録媒体が落下してくるときは前記傾斜面が前記記録媒体と干渉しないように前記姿勢制御板から遠ざかる方向に移動し、前記記録媒体が落下した後に前記傾斜面が前記姿勢制御板に近づく方向に移動する移動機構を備える。
上記の発明によれば、押さえ部材は、移動機構により、記録媒体が落下してくるときは傾斜面が記録媒体と干渉しないように姿勢制御板から遠ざかる方向に移動し、記録媒体が落下した後に傾斜面が姿勢制御板に近づく方向に移動する。このため、記録媒体が落下してくるときに押さえ部材と干渉することが抑制されると共に、記録媒体が落下した後は、押さえ部材により記録媒体の姿勢制御板からのズレをより確実に抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記移動手段は、前記記録媒体の集積枚数に応じて、前記搬送手段から前記記録媒体の下端部が落下してくる位置に対して離れる方向に前記集積部材及び前記姿勢制御板を移動させる構成とされている。
上記の発明によれば、記録媒体の集積枚数に応じて、搬送手段から記録媒体の下端部が落下してくる位置に対して離れる方向に集積部材及び姿勢制御板が移動するため、記録媒体の集積枚数が変化しても、姿勢制御板により複数の記録媒体を傾斜した状態で保持することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記搬送手段は、チェーングリッパにより搬送方向における前記記録媒体の先端を把持して搬送するものであり、前記集積部材の上方側で、前記チェーングリッパにより搬送される前記記録媒体の先端が前記集積部材に近づくように前記チェーングリッパが斜めに配置されている。
上記の発明によれば、チェーングリッパにより記録媒体の先端が把持された状態で記録媒体が搬送され、集積部材の上方側で、チェーングリッパが斜めに配置されていることで、チェーングリッパにより搬送される記録媒体の先端が集積部材に近づく。このため、チェーングリッパにより把持される記録媒体の先端を解放することで、集積部材に記録媒体を斜め方向に排出することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記記録媒体の表面に液滴を吐出する吐出ヘッドと、前記記録媒体の表面に吐出された液滴を乾燥させる乾燥手段と、を備え、前記乾燥手段より前記記録媒体の搬送方向下流側に前記集積部材が設けられている。
上記の発明によれば、吐出ヘッドにより記録媒体の表面に液滴が吐出され、乾燥手段により記録媒体の表面に吐出された液滴が乾燥された後、記録媒体の搬送方向下流側に設けられた集積部材に記録媒体が排出される。その際、集積部材に排出された複数の記録媒体が姿勢制御板により傾斜した状態で支えられることで、複数の記録媒体の画像面にかかる力を軽減することができ、スタッカブロッキングの発生を抑制することができる。
本発明に係る画像形成装置は上記構成としたので、記録媒体の集積部でのスタッカブロッキングの発生を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置を示す正面図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に用いられる排出装置付近を示す拡大正面図である。 本発明の第1実施形態に係る画像形成装置に用いられる排出装置を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る画像形成装置に用いられる排出装置付近を示す拡大正面図である。 比較例に係る画像形成装置に用いられる排出装置付近を示す拡大正面図である。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の一例について説明する。
〔第1実施形態〕
《装置構成》
図1は、本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の第1実施形態を示す全体構成図(正面図)である。
本実施形態のインクジェット記録装置10は、枚葉の用紙(記録媒体)Pに、例えば水性UVインク(水性媒体を使用したUV(紫外線)硬化型のインク)を用いてインクジェット方式で画像を記録するものである。このインクジェット記録装置10は、装置本体11に、主として、用紙Pを給紙する給紙部12と、給紙部12から給紙された用紙Pの表面(画像記録面)に所定の処理液を付与する処理液付与部14と、処理液付与部14で処理液が付与された用紙Pの乾燥処理を行う処理液乾燥処理部16と、処理液乾燥処理部16で乾燥処理が施された用紙Pの表面に水性UVインクを用いてインクジェット方式で画像を記録する画像記録部18と、画像記録部18で画像が記録された用紙Pの乾燥処理を行うインク乾燥処理部20と、インク乾燥処理部20で乾燥処理された用紙PにUV照射処理(定着処理)を行って画像を定着させるUV照射処理部22と、UV照射処理部22でUV照射処理された用紙Pを排紙する排紙部24と、を備えている。
〈給紙部〉
給紙部12は、給紙台30に積載された用紙Pを1枚ずつ処理液付与部14に給紙する。給紙手段の一例としての給紙部12は、主として、給紙台30と、サッカー装置32と、給紙ローラ対34と、フィーダボード36と、前当て38と、給紙ドラム40とで構成される。
用紙Pは、多数枚が積層された束の状態で給紙台30に載置される。給紙台30は、図示しない給紙台昇降装置によって昇降可能に設けられる。給紙台昇降装置は、給紙台30に積載された用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、束の最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、給紙台30を昇降させる。
記録媒体としての用紙Pは、特に限定されないが、一般のオフセット印刷などで使用される汎用の印刷用紙(いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする用紙)を用いることができる。本例では塗工紙が用いられる。塗工紙は、一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。具体的には、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙などが好適に用いられる。
サッカー装置32は、給紙台30に積載されている用紙Pを上から順に1枚ずつ取り上げて、給紙ローラ対34に給紙する。サッカー装置32は、昇降自在かつ揺動自在に設けられたサクションフット32Aを備え、このサクションフット32Aによって用紙Pの上面を吸着保持して、用紙Pを給紙台30から給紙ローラ対34に移送する。この際、サクションフット32Aは、束の最上位に位置する用紙Pの先端側の上面を吸着保持して、用紙Pを引き上げ、引き上げた用紙Pの先端を給紙ローラ対34を構成する一対のローラ34A、34Bの間に挿入する。
給紙ローラ対34は、互いに押圧当接された上下一対のローラ34A、34Bで構成される。上下一対のローラ34A、34Bは、一方が駆動ローラ(ローラ34A)、他方が従動ローラ(ローラ34B)とされ、駆動ローラ(ローラ34A)は、図示しないモータに駆動されて回転する。モータは、用紙Pの給紙に連動して駆動され、サッカー装置32から用紙Pが給紙されると、そのタイミングに合わせて駆動ローラ(ローラ34A)を回転させる。上下一対のローラ34A、34Bの間に挿入された用紙Pは、このローラ34A、34Bにニップされて、ローラ34A、34Bの回転方向(フィーダボード36の設置方向)に送り出される。
フィーダボード36は、用紙幅に対応して形成され、給紙ローラ対34から送り出された用紙Pを受けて、前当て38までガイドする。このフィーダボード36は、下方に向けて傾斜して設置され、その搬送面の上に載置された用紙Pを搬送面に沿って滑らせて前当て38までガイドする。
フィーダボード36には、用紙Pを搬送するためのテープフィーダ36Aが幅方向に間隔をおいて複数設置される。テープフィーダ36Aは、無端状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。フィーダボード36の搬送面に載置された用紙Pは、このテープフィーダ36Aによって送りが与えられて、フィーダボード36の上を搬送される。
また、フィーダボード36の上には、リテーナ36Bとコロ36Cとが設置される。
リテーナ36Bは、用紙Pの搬送面に沿って前後に縦列して複数配置される(本例では2つ)。このリテーナ36Bは、用紙幅に対応した幅を有する板バネで構成され、搬送面に押圧当接されて設置される。テープフィーダ36Aによってフィーダボード36の上を搬送される用紙Pは、このリテーナ36Bを通過することにより、凹凸が矯正される。なお、リテーナ36Bは、フィーダボード36との間に用紙Pを導入しやすくするため、後端部がカールして形成される。
コロ36Cは、前後のリテーナ36Bの間に配設される。このコロ36Cは、用紙Pの搬送面に押圧当接されて設置される。前後のリテーナ36Bの間を搬送される用紙Pは、このコロ36Cによって上面が抑えられながら搬送される。
前当て38は、用紙Pの姿勢を矯正する。この前当て38は、板状に形成され、用紙Pの搬送方向と直交して配置される。また、図示しないモータに駆動されて、揺動可能に設けられる。フィーダボード36の上を搬送された用紙Pは、その先端が前当て38に当接されて、姿勢が矯正される(いわゆる、スキュー防止)。前当て38は、給紙ドラム40への用紙の給紙に連動して揺動し、姿勢を矯正した用紙Pを給紙ドラム40に受け渡す。
給紙ドラム40は、前当て38を介してフィーダボード36から給紙される用紙Pを受け取り、処理液付与部14へと搬送する。給紙ドラム40は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。給紙ドラム40の外周面上には、グリッパ40Aが備えられ、このグリッパ40Aによって用紙Pの先端が把持される。給紙ドラム40は、グリッパ40Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、処理液付与部14へと用紙Pを搬送する。
給紙部12は、以上のように構成される。給紙台30の上に積載された用紙Pは、サッカー装置32によって上から順に1枚ずつ引き上げられて、給紙ローラ対34に給紙される。給紙ローラ対34に給紙された用紙Pは、その給紙ローラ対34を構成する上下一対のローラ34A、34Bによって前方に送り出され、フィーダボード36の上に載置される。フィーダボード36の上に載置された用紙Pは、フィーダボード36の搬送面に設けられたテープフィーダ36Aによって搬送される。そして、その搬送過程でリテーナ36Bによってフィーダボード36の搬送面に押し付けられ、凹凸が矯正される。フィーダボード36によって搬送された用紙Pは、先端が前当て38に当接されることにより、傾きが矯正され、その後、給紙ドラム40に受け渡される。そして、その給紙ドラム40によって処理液付与部14へと搬送される。
〈処理液付与部〉
処理液付与部14は、用紙Pの表面(画像記録面)に所定の処理液を付与する。この処理液付与部14は、主として、用紙Pを搬送する処理液付与ドラム42と、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの印刷面に所定の処理液を付与する処理液付与ユニット44とで構成される。
処理液付与ドラム42は、給紙部12の給紙ドラム40から用紙Pを受け取り、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する。処理液付与ドラム42は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。処理液付与ドラム42の外周面上には、グリッパ42Aが備えられ、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液付与ドラム42は、このグリッパ42Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、処理液乾燥処理部16へと用紙Pを搬送する(1回転で1枚の用紙Pを搬送する。)。処理液付与ドラム42と給紙ドラム40は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
処理液付与ユニット44は、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に処理液をローラ塗布する。この処理液付与ユニット44は、主として、用紙Pに処理液を塗布する塗布ローラ44Aと、処理液が貯留される処理液槽44Bと、処理液槽44Bに貯留された処理液を汲み上げて、塗布ローラ44Aに供給する汲み上げローラ44Cとで構成される。汲み上げローラ44Cは、塗布ローラ44Aに押圧当接して設置されるとともに、一部を処理液槽44Bに貯留された処理液に浸漬させて設置される。この汲み上げローラ44Cは、処理液を計量して汲み上げ、塗布ローラ44Aの周面に一定の厚さで処理液を付与する。塗布ローラ44Aは、用紙幅に対応して設けられ、用紙Pに押圧当接されて、その周面に付与された処理液を用紙Pに塗布する。塗布ローラ44Aは、図示しない当接離間機構に駆動されて、処理液付与ドラム42の周面に当接する当接位置と、処理液付与ドラム42の周面から離間する離間位置との間を移動する。当接離間機構は、用紙Pの通過タイミングに合わせて、塗布ローラ44Aを移動させ、処理液付与ドラム42によって搬送される用紙Pの表面に処理液を塗布する。
なお、本例では、処理液をローラ塗布する構成としているが、処理液を付与する方法は、これに限定されるものではない。この他、インクジェットヘッドを用いて付与する構成やスプレーにより付与する構成を採用することもできる。
処理液付与部14は、以上のように構成される。給紙部12の給紙ドラム40から受け渡された用紙Pは、処理液付与ドラム42で受け取られる。処理液付与ドラム42は、用紙Pの先端をグリッパ42Aで把持して、回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けて搬送する。この搬送過程で塗布ローラ44Aが用紙Pの表面に押圧当接され、用紙Pの表面に処理液が塗布される。
ここで、この用紙Pの表面に塗布する処理液は、後段の画像記録部18で用紙Pに打滴する水性UVインク中の色材を凝集させる機能を有する処理液が塗布される。このような処理液を用紙Pの表面に塗布して水性UVインクを打滴することにより、汎用の印刷用紙を用いた場合であっても、着弾干渉等を起こすことなく、高品位な印刷を行うことができる。
〈処理液乾燥処理部〉
処理液乾燥処理部16は、表面に処理液が付与された用紙Pを乾燥処理する。この処理液乾燥処理部16は、主として、用紙Pを搬送する処理液乾燥処理ドラム46と、用紙搬送ガイド48と、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの印刷面に熱風を吹き当てて乾燥させる処理液乾燥処理ユニット50とで構成される。
処理液乾燥処理ドラム46は、処理液付与部14の処理液付与ドラム42から用紙Pを受け取り、画像記録部18へと用紙Pを搬送する。処理液乾燥処理ドラム46は、円筒状に組んだ枠体で構成され、図示しないモータに駆動されて回転する。処理液乾燥処理ドラム46の外周面上には、グリッパ46Aが備えられ、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端が把持される。処理液乾燥処理ドラム46は、このグリッパ46Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、画像記録部18に用紙Pを搬送する。なお、本例の処理液乾燥処理ドラム46は、外周面上の2カ所にグリッパ46Aが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。処理液乾燥処理ドラム46と処理液付与ドラム42は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
用紙搬送ガイド48は、処理液乾燥処理ドラム46による用紙Pの搬送経路に沿って配設され、用紙Pの搬送をガイドする。
処理液乾燥処理ユニット50は、処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて熱風を吹き当てて乾燥処理する。本例では、2台の処理液乾燥処理ユニット50が、処理液乾燥処理ドラム内に配設され、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される用紙Pの表面に向けて熱風を吹き当てる構成とされている。
処理液乾燥処理部16は、以上のように構成される。処理液付与部14の処理液付与ドラム42から受け渡された用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46で受け取られる。処理液乾燥処理ドラム46は、用紙Pの先端をグリッパ46Aで把持して、回転することにより、用紙Pを搬送する。この際、処理液乾燥処理ドラム46は、用紙Pの表面(処理液が塗布された面)を内側に向けて搬送する。用紙Pは、処理液乾燥処理ドラム46によって搬送される過程で処理液乾燥処理ドラム46の内側に設置された処理液乾燥処理ユニット50から熱風が表面に吹き当てられて、乾燥処理される。すなわち、処理液中の溶媒成分が除去される。これにより、用紙Pの表面にインク凝集層が形成される。
〈画像記録部〉
画像記録部18は、用紙Pの印刷面にC、M、Y、Kの各色のインク(水性UVインク)の液滴を打滴して、用紙Pの印刷面にカラー画像を描画する。この画像記録部18は、主として、用紙Pを搬送する画像記録ドラム52と、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pを押圧して、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に密着させる用紙押さえローラ54と、用紙PにC、M、Y、Kの各色のインク滴を吐出する吐出ヘッドの一例としてのインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kと、用紙Pに記録された画像を読み取るインラインセンサ58と、インクミストを捕捉するミストフィルタ60と、ドラム冷却ユニット62とで構成される。
画像記録ドラム52は、処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取り、インク乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。画像記録ドラム52は、円筒状に形成され、図示しないモータに駆動されて回転する。画像記録ドラム52の外周面上には、グリッパ52Aが備えられ、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端が把持される。画像記録ドラム52は、このグリッパ52Aによって用紙Pの先端を把持して回転することにより、用紙Pを周面に巻き掛けながら、インク乾燥処理部20へと用紙Pを搬送する。また、画像記録ドラム52は、その周面に多数の吸引穴(図示せず)が所定のパターンで形成される。画像記録ドラム52の周面に巻き掛けられた用紙Pは、この吸引穴から吸引されることにより、画像記録ドラム52の周面に吸着保持されながら搬送される。これにより、高い平滑性をもって用紙Pを搬送することができる。
なお、この吸引穴からの吸引は一定の範囲でのみ作用し、所定の吸引開始位置から所定の吸引終了位置との間で作用する。吸引開始位置は、用紙押さえローラ54の設置位置に設定され、吸引終了位置は、インラインセンサ58の設置位置の下流側に設定される(たとえば、インク乾燥処理部20に用紙を受け渡す位置に設定される。)。すなわち、少なくともインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの設置位置(画像記録位置)とインラインセンサ58の設置位置(画像読取位置)では、用紙Pが画像記録ドラム52の周面に吸着保持されるように設定される。
なお、用紙Pを画像記録ドラム52の周面に吸着保持させる機構は、上記の負圧による吸着方法に限らず、静電吸着による方法を採用することもできる。
また、本例の画像記録ドラム52は、外周面上の2カ所にグリッパ52Aが配設され、1回の回転で2枚の用紙Pが搬送できるように構成されている。画像記録ドラム52と処理液乾燥処理ドラム46は、互いの用紙Pの受け取りと受け渡しのタイミングが合うように、回転が制御される。すなわち、同じ周速度となるように駆動されるとともに、互いのグリッパの位置が合うように駆動される。
用紙押さえローラ54は、画像記録ドラム52の用紙受取位置(処理液乾燥処理ドラム46から用紙Pを受け取る位置)の近傍に配設される。この用紙押さえローラ54は、ゴムローラで構成され、画像記録ドラム52の周面に押圧当接させて設置される。処理液乾燥処理ドラム46から画像記録ドラム52に受け渡された用紙Pは、この用紙押さえローラ54を通過することによりニップされ、画像記録ドラム52の周面に密着させられる。
4台のインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送経路に沿って一定の間隔をもって配置される。このインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、用紙幅に対応したラインヘッドで構成され、ノズル面が画像記録ドラム52の周面に対向するように配置される。各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kは、ノズル面に形成されたノズル列から、画像記録ドラム52に向けてインクの液滴を吐出することにより、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pに画像を記録する。
なお、上記のように、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kから吐出させるインクは、水性UVインクが用いられる。水性UVインクは、打滴後に紫外線(UV)を照射することにより、硬化させることができる。
インラインセンサ58は、画像記録ドラム52による用紙Pの搬送方向に対して、最後尾のインクジェットヘッド56Kの下流側に設置され、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kで記録された画像を読み取る。このインラインセンサ58は、たとえば、ラインスキャナで構成され、画像記録ドラム52によって搬送される用紙Pからインクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kによって記録された画像を読み取る。
なお、インラインセンサ58の下流側には、インラインセンサ58に近接して接触防止板59が設置される。この接触防止板59は、搬送の不具合等によって用紙Pに浮きが生じた場合に、用紙Pがインラインセンサ58に接触するのを防止する。
ミストフィルタ60は、最後尾のインクジェットヘッド56Kとインラインセンサ58との間に配設され、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉する。このように、画像記録ドラム52の周辺の空気を吸引してインクミストを捕捉することにより、インラインセンサ58へのインクミストの進入を防止でき、読み取り不良等の発生を防止できる。
ドラム冷却ユニット62は、画像記録ドラム52に冷風を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。このドラム冷却ユニット62は、主として、エアコン(図示せず)と、そのエアコンから供給される冷気を画像記録ドラム52の周面に吹き当てるダクト62Aとで構成される。ダクト62Aは、画像記録ドラム52に対して、用紙Pの搬送領域以外の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する。本例では、画像記録ドラム52のほぼ上側半分の円弧面に沿って用紙Pが搬送されるので、ダクト62Aは、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気を吹き当てて、画像記録ドラム52を冷却する構成とされている。具体的には、ダクト62Aの吹出口が、画像記録ドラム52のほぼ下側半分を覆うように円弧状に形成され、画像記録ドラム52のほぼ下側半分の領域に冷気が吹き当てられる構成とされている。
ここで、画像記録ドラム52を冷却する温度は、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの温度(特にノズル面の温度)との関係で定まり、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kの温度よりも低い温度となるように冷却される。これにより、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kに結露が生じるのを防止することができる。すなわち、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kよりも画像記録ドラム52の温度を低くすることにより、画像記録ドラム側に結露を誘発することができ、インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kに生じる結露(特にノズル面に生じる結露)を防止することができる。
画像記録部18は、以上のように構成される。処理液乾燥処理部16の処理液乾燥処理ドラム46から受け渡された用紙Pは、画像記録ドラム52で受け取られる。画像記録ドラム52は、用紙Pの先端をグリッパ52Aで把持して、回転することにより、用紙Pを搬送する。画像記録ドラム52に受け渡された用紙Pは、まず、用紙押さえローラ54を通過することにより、画像記録ドラム52の周面に密着される。これと同時に画像記録ドラム52の吸着穴から吸引されて、画像記録ドラム52の外周面上に吸着保持される。用紙Pは、この状態で搬送されて、各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kを通過する。そして、その通過時に各インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56KからC、M、Y、Kの各色のインクの液滴が表面に打滴されて、表面にカラー画像が描画される。用紙Pの表面にはインク凝集層が形成されているので、フェザリングやブリーディング等を起こすことなく、高品位な画像を記録することができる。
インクジェットヘッド56C、56M、56Y、56Kによって画像が記録された用紙Pは、次いで、インラインセンサ58を通過する。そして、そのインラインセンサ58の通過時に表面に記録された画像が読み取られる。この記録画像の読み取りは必要に応じて行われ、読み取られた画像から吐出不良等の検査が行われる。読み取りを行う際は、画像記録ドラム52に吸着保持された状態で読み取りが行われるので、高精度に読み取りを行うことができる。また、画像記録直後に読み取りが行われるので、たとえば、吐出不良等の異常を直ちに検出することができ、その対応を迅速に行うことができる。これにより、無駄な記録を防止できるとともに、損紙の発生を最小限に抑えることができる。
この後、用紙Pは、画像記録ドラム52への吸着が解除された後、インク乾燥処理部20へと受け渡される。
〈インク乾燥処理部〉
インク乾燥処理部20は、画像記録後の用紙Pを乾燥処理し、用紙Pの表面に残存する液体成分を除去する。インク乾燥処理部20は、主として、画像が記録された用紙Pを搬送する搬送手段の一例としてのチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与機構(吸着手段)66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pを乾燥処理する乾燥手段の一例としてのインク乾燥処理ユニット68とで構成される。
チェーングリッパ64は、インク乾燥処理部20、UV照射処理部22、排紙部24において共通して使用される用紙搬送機構であり、画像記録部18から受け渡された用紙Pを受け取って、排紙部24まで搬送する。
このチェーングリッパ64は、主として、画像記録ドラム52に近接して設置される第1スプロケット64Aと、排紙部24に設置される第2スプロケット64Bと、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる無端状のチェーン64Cと、チェーン64Cの走行をガイドする複数のチェーンガイド(図示せず)と、チェーン64Cに一定の間隔をもって取り付けられる複数のグリッパ64Dとで構成される。第1スプロケット64Aと、第2スプロケット64Bと、チェーン64Cと、チェーンガイドとは、それぞれ一対で構成され、用紙Pの幅方向の両側に配設される。グリッパ64Dは、一対で設けられるチェーン64Cに掛け渡されて設置される。
第1スプロケット64Aは、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pをグリッパ64Dで受け取ることができるように、画像記録ドラム52に近接して設置される。この第1スプロケット64Aは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられるとともに、図示しないモータが連結される。第1スプロケット64A及び第2スプロケット64Bに巻き掛けられるチェーン64Cは、このモータを駆動することにより走行する。
第2スプロケット64Bは、画像記録ドラム52から受け取った用紙Pを排紙部24で回収できるように、排紙部24に設置される。すなわち、この第2スプロケット64Bの設置位置が、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路の終端側とされる。この第2スプロケット64Bは、図示しない軸受に軸支されて、回転自在に設けられる。
チェーン64Cは、無端状に形成され、第1スプロケット64Aと第2スプロケット64Bとに巻き掛けられる。
チェーンガイドは、所定位置に配置されて、チェーン64Cが所定の経路を走行するようにガイドする(用紙Pが所定の搬送経路を走行して搬送されるようにガイドする。)。本例のインクジェット記録装置10では、第2スプロケット64Bが第1スプロケット64Aよりも高い位置に配設される。このため、チェーン64Cが、途中で傾斜するような走行経路が形成される。具体的には、第1水平搬送経路70Aと、第1傾斜搬送経路70Bと、第2傾斜搬送経路70Cと、で構成される。
第1水平搬送経路70Aは、第1スプロケット64Aと同じ高さに設定され、第1スプロケット64Aに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定される。第1傾斜搬送経路70Bは、用紙搬送方向下流側が第2スプロケット64Bよりも高い位置となるように傾斜して配置され、チェーン64Cが用紙搬送方向下流側(排紙部24側)に向かって上り勾配で走行するように設定される。第2傾斜搬送経路70Cは、第2スプロケット64Bよりも高い位置から第2スプロケット64Bまで傾斜して配置され、第2スプロケット64Bに巻き掛けられたチェーン64Cが、用紙搬送方向下流側(排紙部24側)に向かって下り勾配で走行するように設定される。すなわち、第1傾斜搬送経路70Bは、第1水平搬送経路70Aと第2傾斜搬送経路70Cとの間に設定され、第1水平搬送経路70Aと第2傾斜搬送経路70Cとの間を結ぶように設定される。
チェーンガイド(図示省略)は、第1水平搬送経路70Aと、第1傾斜搬送経路70Bと、第2傾斜搬送経路70Cとを形成するように配設される。具体的には、少なくとも第1水平搬送経路70Aと第1傾斜搬送経路70Bとの接合ポイント、及び、第1傾斜搬送経路70Bと第2傾斜搬送経路70Cとの接合ポイントに配設される。
グリッパ64Dは、チェーン64Cに一定の間隔をもって複数取り付けられる。このグリッパ64Dの取り付け間隔は、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。すなわち、画像記録ドラム52から順次受け渡される用紙Pをタイミングを合わせて画像記録ドラム52から受け取ることができるように、画像記録ドラム52からの用紙Pの受け取り間隔に合わせて設定される。
チェーングリッパ64は、以上のように構成される。上記のように、第1スプロケット64Aに接続されたモータ(図示せず)を駆動すると、チェーン64Cが走行する。チェーン64Cは、画像記録ドラム52の周速度と同じ速度で走行する。また、画像記録ドラム52から受け渡される用紙Pが、各グリッパ64Dで受け取れるようにタイミングが合わせられる。
バックテンション付与機構66は、チェーングリッパ64によって先端を把持されながら搬送される用紙Pにバックテンションを付与する。このバックテンション付与機構66は、主として、インク乾燥処理部20とUV照射処理部22にそれぞれ配置されるガイドプレート72を備えている。ガイドプレート72は、ガイドプレート72の上面に複数の吸引穴(図示省略)が形成されており、吸引ファン82により複数の吸引穴から空気を吸引することで、ガイドプレート72の上面に用紙Pが吸引されるようになっている。
ガイドプレート72は、用紙幅に対応した幅を有する中空状のボックスプレートで構成される。このガイドプレート72は、チェーングリッパ64による用紙Pの搬送経路(=チェーンの走行経路)に沿って配設されている。より具体的には、第1水平搬送経路70Aと第1傾斜搬送経路70Bとを走行するチェーン64Cに沿って配設され、チェーン64Cから所定距離離間して配設される。チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pは、その裏面(画像が記録されていない側の面)が、ガイドプレート72の上面(チェーン64Cと対向する面:摺接面)の上を摺接しながら搬送される。
その際、ガイドプレート72の摺接面(上面)に形成された多数の吸引穴(図示省略)から空気が吸引されることで、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pの裏面が吸引穴に吸引される。これにより、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションが付与される。
上記のように、ガイドプレート72は、第1水平搬送経路70Aと第1傾斜搬送経路70Bとを走行するチェーン64Cに沿って配設されるので、第1水平搬送経路70Aと第1傾斜搬送経路70Bとを搬送されている間、バックテンションが付与される。
インク乾燥処理ユニット68は、チェーングリッパ64の内部(特に第1水平搬送経路70Aを構成する部位)に設置され、第1水平搬送経路70Aを搬送される用紙Pに対して乾燥処理を施す。このインク乾燥処理ユニット68は、第1水平搬送経路70Aを搬送される用紙Pの表面に熱風を吹き当てて乾燥処理する。インク乾燥処理ユニット68は、第1水平搬送経路70Aに沿って複数台配置される。この設置数は、インク乾燥処理ユニット68の処理能力や用紙Pの搬送速度(=印刷速度)等に応じて設定される。すなわち、画像記録部18から受け取った用紙Pが第1水平搬送経路70Aを搬送されている間に乾燥させることができるように設定される。したがって、第1水平搬送経路70Aの長さも、このインク乾燥処理ユニット68の能力を考慮して設定される。
インク乾燥処理部20は、以上のように構成される。画像記録部18の画像記録ドラム52から受け渡された用紙Pは、チェーングリッパ64で受け取られる。チェーングリッパ64は、用紙Pの先端をグリッパ64Dで把持して、平面状のガイドプレート72に沿わせて用紙Pを搬送する。チェーングリッパ64に受け渡された用紙Pは、まず、第1水平搬送経路70Aを搬送される。この第1水平搬送経路70Aを搬送される過程で用紙Pは、チェーングリッパ64の内部に設置されたインク乾燥処理ユニット68によって乾燥処理が施される。すなわち、表面(画像記録面)に熱風が吹き当てられて、乾燥処理が施される。この際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンションが付与されながら乾燥処理が施される。これにより、用紙Pの変形を抑えながら乾燥処理することができる。
〈UV照射処理部〉
UV照射処理部(露光部)22は、水性UVインクを用いて記録された画像に紫外線(UV)を照射して、画像を定着させる。このUV照射処理部22は、主として、用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pにバックテンションを付与するバックテンション付与機構66と、チェーングリッパ64によって搬送される用紙Pに紫外線を照射するUV照射ユニット74とで構成される。
上記のように、チェーングリッパ64とバックテンション付与機構66は、インク乾燥処理部20及び排紙部24と共に共通して使用される。
UV照射ユニット74は、チェーングリッパ64の内部(特に第1傾斜搬送経路70Bを構成する部位)に設置され、第1傾斜搬送経路70Bを搬送される用紙Pの表面に紫外線を照射する。このUV照射ユニット74は、紫外線ランプ(UVランプ)を備え、第1傾斜搬送経路70Bに沿って複数配設される。そして、第1傾斜搬送経路70Bを搬送される用紙Pの表面に向けて紫外線を照射する。このUV照射ユニット74の設置数は、用紙Pの搬送速度(=印刷速度)等に応じて設定される。すなわち、用紙Pが第1傾斜搬送経路70Bを搬送されている間に照射した紫外線によって画像を定着させることができるように設定される。したがって、第1傾斜搬送経路70Bの長さも、この用紙Pの搬送速度等を考慮して設定される。
UV照射処理部22は、以上のように構成される。チェーングリッパ64に搬送されてインク乾燥処理部20で乾燥処理が施された用紙Pは、次いで、第1傾斜搬送経路70Bを搬送される。この第1傾斜搬送経路70Bを搬送される過程で用紙Pは、チェーングリッパ64の内部に設置されたUV照射ユニット74によりUV照射処理が施される。すなわち、UV照射ユニット74から表面に向けて紫外線が照射される)。この際、用紙Pは、バックテンション付与機構66によってバックテンションが付与されながらUV照射処理が施される。これにより、用紙Pの変形を抑えながらUV照射処理を施すことができる。また、UV照射処理部22は、第1傾斜搬送経路70Bに設置されており、第1傾斜搬送経路70Bには傾斜したガイドプレート72が設置されているため、たとえ、用紙Pが搬送途中でグリッパ64Dから落下した場合であっても、ガイドプレート72上を滑らせて排出させることができる。
〈排紙部〉
排紙部24は、一連の画像記録処理が行われた用紙Pを回収する。この排紙部24は、主として、UV照射された用紙Pを搬送するチェーングリッパ64と、複数の用紙Pを任意の傾斜角度に傾斜させて保持する排出装置100と、を備えている。排出装置100は、装置本体11に配設されたチェーングリッパ64の下方側に配置されている。排出装置100は、用紙Pが排出される集積部材の一例としての排紙台102と、排紙台102から所定の角度で傾斜するように延びた姿勢制御板104と、を備えている。この排出装置100については、後に詳述する。
上記のように、チェーングリッパ64は、インク乾燥処理部20とUV照射処理部22と排紙部24に共通して使用される。チェーングリッパ64は、排出装置100の上方側で用紙Pを解放し、排紙台102に用紙Pを落下させて排出する。排出装置100では、排紙台102上に姿勢制御板104に沿って用紙Pを任意の傾斜角度に傾斜させた状態で用紙Pがスタックされる。
〈排紙部の詳細〉
次に、本実施形態のインクジェット記録装置10の主要部である排出装置100について、さらに詳しく説明する。
図2及び図3に示されるように、排出装置100は、略水平方向に配置されると共に用紙Pの下端部側が当接するように用紙Pが集積される排紙台102と、排紙台102の一辺側から所定の角度で傾斜するように立ち上がった姿勢制御板104と、を備えている。姿勢制御板104は、チェーングリッパ64より搬送される用紙Pの搬送方向上流側に向かって上り勾配となるように配置されている。すなわち、チェーングリッパ64から排紙台102に落下させた用紙Pを姿勢制御板104によって任意の傾斜で支えるようになっている。
本実施形態では、排紙台102と姿勢制御板104とは一体的に形成されている。なお、排紙台102と姿勢制御板104とは別部材を一体的に組み付けたものでもよい。排紙台102に対する姿勢制御板104の傾斜角度は、複数の用紙Pが傾斜された状態で保持されたときに、下層側となる用紙P(姿勢制御板104側の用紙P)に付加される荷重がなるべく少なくなるような角度に設定されることが好ましい。なお、排紙台102に対する姿勢制御板104の傾斜角度は、図2に示す構成に限定されるものではなく、0°から90°の範囲で変更が可能である。
排出装置100は、チェーングリッパ64から用紙Pが落下してくるときに用紙Pの下端部と干渉しない位置に移動し、かつ用紙Pが落下した後に用紙Pの下端部を押さえるように移動する押さえ部材106と、押さえ部材106を所定の位置に移動させる移動機構の一例としてのソレノイド108と、を備えている。さらに、排出装置100は、用紙Pの集積枚数(排出量)に応じて、姿勢制御板104及び排紙台102を水平方向に移動させる移動手段の一例としての移動装置120を備えている。
チェーングリッパ64は、用紙Pの先端を把持しているグリッパ64Dを解放させることで、用紙Pの搬送方向における用紙Pの先端側から用紙Pを排紙台102に落下させる構成されている。本実施形態では、排紙台102の上方側で、チェーングリッパ64により用紙Pが第2傾斜搬送経路70Cを搬送される過程で、用紙Pの先端を把持しているグリッパ64Dを解放する。排紙台102の上方側では、チェーングリッパ64により搬送される用紙Pの先端が排紙台102に近づくようにチェーングリッパ64が斜めに配置されている。
チェーングリッパ64の下方側には、用紙Pを傾斜させた状態で滑り落ちるようにガイドする傾斜ガイド110が配置されている。傾斜ガイド110は、用紙Pの搬送方向下流側に向かって下方側に凸状に湾曲するように形成されている。本実施形態では、用紙Pの搬送方向下流側に向かって下り勾配となるようにチェーングリッパ64が斜めに配置されていると共に、チェーングリッパ64に沿って所定の間隔をおいて傾斜ガイド110が配置されている。これにより、用紙Pの先端を把持しているグリッパ64Dが解放されたときに、用紙Pが傾斜ガイド110に沿って矢印A方向に滑り落ちることで、用紙Pが傾斜した状態で用紙Pの先端部が押さえ部材106と対向する位置に落下する。
押さえ部材106は、用紙Pが排紙台102に排出される位置(落下してくる位置)よりも用紙Pの搬送方向下流側に配置されている。言い換えると、押さえ部材106は、姿勢制御板104に対して用紙Pがスタックされる位置を挟んで反対側に配置されている。押さえ部材106は、姿勢制御板104と対向する面に、姿勢制御板104と同じ方向へ傾斜する傾斜面106Aを備えている。傾斜面106Aは、排紙台102上に用紙Pが集積される位置で用紙Pの下端部側(用紙Pの先端部側)に当接することで、姿勢制御板104によって任意の傾斜で保持された用紙Pの下方側へのズレ(滑り)を抑制するようになっている。
押さえ部材106における傾斜面106Aと反対側の背面106Bには、ソレノイド108のロッド108Aが接続されている。ロッド108Aが進退することで、押さえ部材106が姿勢制御板104に近づく方向と遠ざかる方向(矢印B方向)に移動するようになっている。押さえ部材106は、用紙Pが落下してくるときは傾斜面106Aが用紙Pと干渉しないように姿勢制御板104から遠ざかる方向に移動し、用紙Pが落下した後に傾斜面106Aが姿勢制御板104に近づく方向に移動する。これにより、用紙Pが排紙台102上に集積される位置に落下したときに、押さえ部材106の傾斜面106Aが用紙Pの下端部(先端部)を姿勢制御板104の方向に押圧し、用紙Pを任意の傾斜状態で保持すると共に、姿勢制御板104からの用紙Pの下方側へのズレ(滑り)を抑制するようになっている。
図3に示されるように、排紙台102における用紙Pの幅方向両側には、用紙Pの幅方向両側をガイドする左右のガイド板112、114が配置されている。図示を省略するが、左右のガイド板112、114の少なくとも一方は、用紙Pのサイズに応じて用紙Pの幅方向に沿って移動する構成とされている。
図2及び図3に示されるように、移動装置120は、箱状の筐体122と、筐体122内に軸受(図示省略)を介して架け渡されたボールネジ124と、筐体122の側面部におけるボールネジ124の一端側に取り付けられたモータ126と、ボールネジ124の回転により軸方向に沿って移動する移動部128と、を備えている。筐体122の上面部122Aの上方側には、図示しないガイドレールに沿って排紙台102が水平方向(矢印C方向)に移動可能とされている。ガイドレールとしては、通常のガイドでもよいが、直進性を確保するためにリニアガイドを設けてもよい。筐体122の上面部122Aには、ボールネジ124に沿って矩形状の開口部122Bが形成されており、開口部122Bを介して移動部128と排紙台102とが連結部130で連結されている。
このような移動装置120では、モータ126によりボールネジ124が回転すると、移動部128が軸方向に移動し、移動部128と連結部130で連結された排紙台102が水平方向(矢印C方向)に移動する。排紙台102の移動により排紙台102と一体的に形成された姿勢制御板104も移動する。本実施形態では、排紙台102及び姿勢制御板104は、用紙Pの集積枚数(排出量)に応じて、チェーングリッパ64から用紙Pの下端部が落下してくる位置に対して離れる方向に相対的に移動するように制御されている。
本実施形態では、チェーングリッパ64から用紙Pの下端部が落下してくる位置は変わらない設定とし、排紙台102及び姿勢制御板104のみが、用紙Pの集積枚数に応じて、水平方向(矢印C方向)に移動する構成とされている。なお、本実施形態に限定されず、チェーングリッパ64から用紙Pの下端部が落下してくる位置を用紙搬送方向下流側に移動させると共に、排紙台102及び姿勢制御板104を水平方向(矢印C方向)に移動する構成としてもよい。すなわち、チェーングリッパ64から用紙Pの下端部が落下してくる位置と、排紙台102及び姿勢制御板104とが、用紙Pの集積枚数に応じて、離れる方向に相対的に移動する構成であればよい。
筐体122の上面部122Aには、開口部122Bの上方側に略コ字状の支持板132が架け渡されており、支持板132の上面にソレノイド108が配設されている。これにより、排紙台102及び姿勢制御板104が筐体122に対して水平方向に移動しても、ソレノイド108は筐体122の支持板132に固定された状態となる。
なお、移動装置120は、用紙Pの集積枚数に応じて、用紙Pの下端部が落下してくる位置に対して離れる方向に段階的に移動する構成であっても、用紙Pの下端部が落下してくる位置に対して離れる方向にゆっくりと連続的に移動する構成であってもよい。
次に、本実施形態の排出装置100の作用及び効果を有する。
図2に示されるように、チェーングリッパ64によって第2傾斜搬送経路70Cを搬送されてきた用紙Pは、排紙台102の上方側の所定の位置で、用紙Pの先端を把持するグリッパ64Dを解放する。これにより、用紙Pが先端側から傾斜ガイド110に沿って傾斜した状態で矢印A方向に滑り落ちることで、用紙Pの先端が押さえ部材106と対向する位置に落下する。その際、チェーングリッパ64により搬送される用紙Pの先端が排紙台102に近づくようにチェーングリッパ64が斜めに配置されていることで、用紙Pが傾斜した状態で落下しやすくなる。
用紙Pが傾斜した状態で先端側から落下してくると、ソレノイド108により、押さえ部材106の傾斜面106Aが用紙Pと干渉しないように姿勢制御板104から遠ざかる方向に移動し、用紙Pが落下した後に傾斜面106Aが姿勢制御板104に近づく方向に移動する。これにより、用紙Pが排紙台102に集積される位置に落下したときに、押さえ部材106の傾斜面106Aによって用紙Pの先端部(下端部)が姿勢制御板104の方向に押圧される。このため、用紙Pが姿勢制御板104により任意の傾斜状態で保持されると共に、押さえ部材106により用紙Pが姿勢制御板104から下方側にずれる(滑る)を抑制することができる。
これにより、用紙Pの先端部側から排紙台102に落下してきた複数の用紙Pを姿勢制御板104によって任意の傾斜で保持することができる。
また、移動装置120によって、排紙台102及び姿勢制御板104が、用紙Pの集積枚数に応じて、チェーングリッパ64から用紙Pの下端部が落下してくる位置に対して離れる方向に移動するように制御されている。すなわち、用紙Pの集積枚数に応じて、排紙台102及び姿勢制御板104が矢印C方向に移動する。これにより、用紙Pの集積枚数が増加しても、排紙台102及び姿勢制御板104が矢印C方向に移動することで、複数の用紙Pを姿勢制御板104により任意の傾斜で支えることができる。
このような排出装置100では、姿勢制御板104により複数の用紙Pが傾斜した状態で集積されることで、複数の用紙Pの画像面(画像形成面)にかかる力を軽減することができ、いわゆるスタッカブロッキングの発生を抑制することができる。
図5には、比較例の画像形成装置200の排紙部24が示されている。図5に示されるように、この画像形成装置200では、第1傾斜搬送経路70Bの用紙Pの搬送方向下流側に、略水平方向に配置された第2水平搬送経路202Cを備えている。第2水平搬送経路202Cは、第2スプロケット64Bと同じ高さに設定され、第2スプロケット64Bに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定されている。第2水平搬送経路202Cの下方側には、用紙Pが排出される排出装置204が設けられている。
排出装置204は、略水平方向に配置された排紙台206を備えており、排紙台206上に用紙Pを積み重ねて回収する。また、排紙台206には、用紙Pが整然と積み重ねられるように、用紙Pの側端面に接触する用紙当て部208が設けられている。なお、用紙当て部は、用紙の前、後ろ、横にそれぞれ設けてもよい。
なお、排紙台206は、図示しない排紙台昇降装置によって昇降可能に設けられている。排紙台昇降装置は、排紙台206にスタックされる用紙Pの増減に連動して、その駆動が制御され、最上位に位置する用紙Pが常に一定の高さに位置するように、排紙台206を昇降させる。
このような排出装置204では、チェーングリッパ64により搬送された用紙Pの先端を把持するグリッパ64Dを排紙台206の上方側で解放することで、排紙台206上に用紙Pを上下方向に積み重ねて回収する。このため、排紙台206上に積み重ねられた用紙Pでは、下層となる用紙Pに荷重がかかることにより、互いに接触する面に形成された画像のインク同士、又はインクと用紙が貼り付き、インクが剥がれる、いわゆるスタッカブロッキングが発生する可能性がある。
これに対して、本実施形態の排出装置100では、図2に示されるように、排紙台102に排出された複数の用紙Pが姿勢制御板104により任意の傾斜で保持される。このため、複数の用紙Pの画像面(画像形成面)にかかる力を軽減することができ、いわゆるスタッカブロッキングの発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、ボールネジ124を備えた移動装置120により排紙台102及び姿勢制御板104を略水平方向(矢印C方向)に移動させたが、これに限定されるものではなく、移動装置の構成は変更可能である。例えば、移動装置として、モータとギアにより排紙台102及び姿勢制御板104を略水平方向に移動させる構成などを用いてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、図4を用いて、本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置に用いられる排出装置について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図4に示されるように、本実施形態のインクジェット記録装置146は、チェーングリッパ64による第1傾斜搬送経路70Bの用紙Pの搬送方向下流側に、略水平方向に配置された第2水平搬送経路148Cを備えている。第2水平搬送経路148Cは、第2スプロケット64Bと同じ高さに設定され、第2スプロケット64Bに巻き掛けられたチェーン64Cが、水平に走行するように設定されている。第2水平搬送経路148Cの下方側には、用紙Pが排出される排出装置150が設けられている。
排出装置150は、略水平方向に配置されると共に用紙Pの下端部側が当接するように用紙Pが集積される集積部材の一例としての排紙台152と、用紙搬送下流側に対応する排紙台152の一辺側から所定の角度で傾斜するように立ち上がった姿勢制御板154と、を備えている。姿勢制御板154は、チェーングリッパ64より搬送される用紙Pの搬送方向下流側に向かって上り勾配となるように配置されている。
この排出装置150は、チェーングリッパ64により用紙Pの搬送方向における後端側から用紙Pを排紙台152に落下させるものであり、排紙台152に落下してきた用紙Pを姿勢制御板154によって任意の傾斜で支える構成とされている。その際、姿勢制御板154によって、用紙Pの後端が下方側で用紙Pの先端が上方側となるように保持される。
排出装置150は、チェーングリッパ64から用紙Pが落下してくるときに用紙Pの下端部と干渉しない位置に移動し、かつ用紙Pが落下した後に用紙Pの下端部を押さえるように移動する押さえ部材106を備えている。押さえ部材106は、用紙Pが排紙台152に排出される位置よりも用紙Pの搬送方向上流側に配置されている。言い換えると、押さえ部材106は、姿勢制御板154に対して用紙Pがスタックされる位置を挟んで反対側に配置されている。押さえ部材106は、姿勢制御板154と対向する面に、姿勢制御板154と同じ方向へ傾斜する傾斜面106Aを備えており、傾斜面106Aが用紙Pの下端部側(後端部側)を姿勢制御板154の方向に押圧することで、姿勢制御板154によって任意の傾斜で保持された用紙Pの下方側へのズレ(滑り)を抑制するようになっている。
さらに、排出装置150は、用紙Pの集積枚数に応じて、姿勢制御板154及び排紙台152を略水平方向(矢印D方向)に移動させる移動手段の一例としての移動装置120を備えている。移動装置120は、排紙台152及び姿勢制御板154が、用紙Pの集積枚数に応じて、チェーングリッパ64から用紙Pの下端部が落下してくる位置に対して離れる方向に移動するように制御されている。
次に、本実施形態の排出装置150の作用及び効果を有する。
チェーングリッパ64によって第2水平搬送経路148Cを搬送されてきた用紙Pは、排紙台152の上方側でガイド(図示省略)から外れることで、用紙Pの先端がグリッパ64Dに把持された状態で、用紙Pの後端側が矢印Eに示すように下方側に回転する。この状態で、グリッパ64Dを解放することで、用紙Pが後端側から落下し、姿勢制御板154に沿って傾斜した状態で排紙台152に落下する。
用紙Pが傾斜した状態で後端側から落下してくると、ソレノイド108により、押さえ部材106の傾斜面106Aが用紙Pと干渉しないように姿勢制御板154から遠ざかる方向に移動し、用紙Pが落下した後に傾斜面106Aが姿勢制御板154に近づく方向に移動する。これにより、用紙Pが排紙台152に集積される位置に落下したときに、押さえ部材106の傾斜面106Aが用紙Pの後端部側を姿勢制御板154の方向に押圧する。このため、用紙Pが姿勢制御板154により任意の傾斜状態で保持されると共に、押さえ部材106により用紙Pが姿勢制御板154から下方側にずれる(滑る)ことを抑制することができる。
また、移動装置120によって、排紙台152及び姿勢制御板154が、用紙Pの集積枚数に応じて、チェーングリッパ64から用紙Pの下端部が落下してくる位置に対して離れる方向に移動するように制御されている。すなわち、用紙Pの集積枚数に応じて、排紙台152及び姿勢制御板154が矢印D方向に移動する。これにより、用紙Pの集積枚数が増加しても、排紙台152及び姿勢制御板154が矢印D方向に移動することで、複数の用紙Pを姿勢制御板154により任意の傾斜で支えることができる。
このような排出装置150では、排紙台152に排出された複数の用紙Pが姿勢制御板104により任意の傾斜で保持されることで、複数の用紙Pの画像面(画像形成面)にかかる力を軽減することができ、いわゆるスタッカブロッキングの発生を抑制することができる。
<その他>
以上、本発明の実施例について記述したが、本発明は上記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
なお、第1実施形態、第2実施形態において、押さえ部材は、用紙Pが落下してくるときに用紙Pの下端部と干渉しない位置に移動し、用紙Pが落下した後に用紙Pの下端部を押さえるように移動するが、これに限定されるものではない。例えば、チェーングリッパから用紙Pが落下してくる位置が適切に設定されていれば、押さえ部材は、用紙Pが落下してくるときに姿勢制御板から離れる方向に移動する必要はないため、押さえ部材がこのような移動をしない構成でもよい。
また、第1実施形態、第2実施形態において、押さえ部材を移動させる移動機構は、ソレノイドに限定するものではなく、他の移動機構に変更可能である。例えば、アクチュエータ、モータとギア、又はカムなどにより移動させる移動機構を用いてもよい。
また、第1実施形態、第2実施形態では、水性UVインクを用いて記録された画像に紫外線(UV)を照射して画像を定着させるUV照射処理部22を備えた画像形成装置が用いられているが、これに限定されるものではない。例えば、通常のインクを用い、UV照射処理部22を設けない画像形成装置においても、本発明を適用することができる。
10 インクジェット記録装置(画像形成装置)
11 装置本体
56C、56M、56Y、56K インクジェットヘッド(吐出ヘッド)
64 チェーングリッパ(搬送手段)
68 インク乾燥処理ユニット(乾燥手段)
70C 第2傾斜搬送経路
100 排出装置
102 排紙台(集積部材)
104 姿勢制御板
106 押さえ部材
106A 傾斜面
108 ソレノイド(移動機構)
110 傾斜ガイド
120 移動装置(移動手段)
146 インクジェット記録装置(画像形成装置)
150 排出装置
152 排紙台(集積部材)
154 姿勢制御板
P 用紙(記録媒体)

Claims (8)

  1. 画像形成後の記録媒体を装置本体から落下させて排出する搬送手段と、
    前記搬送手段の下方に設けられた集積部材と、
    前記集積部材から傾斜して立ち上がり、前記集積部材へ排出された前記記録媒体を傾斜させて支える姿勢制御板と、
    前記集積部材上の前記記録媒体の下端部を押さえ、傾斜した前記記録媒体のズレを抑制する押さえ部材と、
    前記集積部材に集積された前記記録媒体の集積枚数に応じて前記集積部材を移動させる移動手段と、
    を有する画像形成装置。
  2. 前記搬送手段は、前記記録媒体の搬送方向における前記記録媒体の先端側から前記記録媒体を前記集積部材に落下させるものであり、
    前記搬送手段から前記記録媒体を傾斜させた状態で前記集積部材に滑り落ちるようにガイドする傾斜ガイドを備える請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記搬送手段は、前記記録媒体の搬送方向における前記記録媒体の後端側から前記記録媒体を前記集積部材に落下させるものであり、
    前記姿勢制御板は、前記記録媒体の後端が下方側で前記記録媒体の先端が上方側となるように支える構成とされている請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記押さえ部材には、前記姿勢制御板と対向する面に、前記姿勢制御板と同じ方向へ傾斜する傾斜面が形成されている請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記押さえ部材は、前記記録媒体が落下してくるときは前記傾斜面が前記記録媒体と干渉しないように前記姿勢制御板から遠ざかる方向に移動し、前記記録媒体が落下した後に前記傾斜面が前記姿勢制御板に近づく方向に移動する移動機構を備える請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記移動手段は、前記記録媒体の集積枚数に応じて、前記搬送手段から前記記録媒体の下端部が落下してくる位置に対して離れる方向に前記集積部材及び前記姿勢制御板を移動させる構成とされている請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記搬送手段は、チェーングリッパにより搬送方向における前記記録媒体の先端を把持して搬送するものであり、
    前記集積部材の上方側で、前記チェーングリッパにより搬送される前記記録媒体の先端が前記集積部材に近づくように前記チェーングリッパが斜めに配置されている請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記記録媒体の表面に液滴を吐出する吐出ヘッドと、
    前記記録媒体の表面に吐出された液滴を乾燥させる乾燥手段と、を備え、
    前記乾燥手段より前記記録媒体の搬送方向下流側に前記集積部材が設けられている請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
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