JP2024027400A - 屋根構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】施工性に優れ、パネルと軒樋との間での浸水の発生を抑制して、初期の防水性能が長期にわたり確保できる屋根構造体を提供する。【解決手段】屋根構造体100は、パネル11と、パネル11の傾斜方向下方側の縁部に沿って設けられた樋部材30とを備える。屋根構造体100は、パネル11と樋部材30との間に設けられ側壁部33aをパネル11の縁部に固定する樋支持部と、パネル11と樋部材30との間の隙間を上方から覆い、樋部材30の長手方向に沿って配置された帯状の水切り部材60とを備える。水切り部材60は、長手方向に直交する幅方向の一端部が樋支持部よりも上方でパネル11に固定され、幅方向の他端部が側壁部33a上端を跨いで樋内に垂下して配置され、樋支持部を上方から覆う遮蔽姿勢から樋支持部を表出させる表出姿勢まで弾性変形が可能である。【選択図】図3

Description

本発明は、屋根構造体に関する。
建築物の屋根や庇等の屋根を板状のパネルを用いて構成した屋根構造体が広く知られている。例えば、図17に示す屋根構造体では、柱や建築物の壁面に支持されたパネル111の端部に、樋部材113が設けられ、パネル111の上面に沿って流れる雨水を樋部材113で受けるようになっている。
ここで示すパネル111は、ハニカムコア等のコア部材115、及びコア部材115を囲んで設けた枠部材117を、2枚の面板(上面板119A,下面板119B)で挟み込んで構成される。枠部材117の外側には、樋部材113が枠部材117の長手方向(図17の奥行き方向)に沿って配置される。樋部材113は、枠部材117の側面にねじ123によって固定されており、上面板119Aと樋部材113の側壁125との間の隙間はシール材127で埋められ、隙間から下方への雨水の浸入を防いでいる。
「建築構造用アルミニウム合金製 接着ハニカムパネル製品設計・製作マニュアル」 アルミニウム建築構造協議会,平成29年10月
しかしながら、上記した屋根構造では、パネル111の上面板119Aと樋部材113のとの間の隙間にシール材127を設ける施工に多くの工数を要していた。また、シール材127は、紫外線や環境温度に晒されるため劣化しやすい環境下にある。そして、経年劣化等によりシール材127に剥離が生じた場合には、直ちにその直下へ水が浸入することになるため、その対策を講じておく必要があった。
そこで本発明は、施工性に優れ、パネルと軒樋との間での浸水の発生を抑制して、初期の防水性能が長期にわたり確保できる屋根構造体を提供することを目的とする。
本発明は、下記の構成からなる。
水平面から傾斜して支持されるパネルと、前記パネルの傾斜下方側の縁部に沿って設けられ、底壁部と該底壁部から立ち上がる一対の側壁部を有して上方が開口された樋部材とを備える屋根構造体であって、
前記パネルと前記樋部材との間に設けられ、前記一対の側壁部のうち前記パネル側に配置された一方を前記パネルの前記縁部に固定する樋支持部と、
前記パネルと前記樋部材との間の隙間を上方から覆い、前記樋部材の長手方向に沿って配置された帯状の水切り部材と、
を備え、
前記水切り部材は、前記長手方向に直交する幅方向の一端部が前記樋支持部よりも上方で前記パネルに固定され、前記幅方向の他端部が前記一対の側壁部の前記パネル側に配置された一方の上端を跨いで樋内に垂下して配置され、前記樋支持部を上方から覆う遮蔽姿勢から前記樋支持部を表出させる表出姿勢まで弾性変形が可能である、
屋根構造体。
本発明によれば、施工性に優れ、パネルと軒樋との間での浸水の発生を抑制して、初期の防水性能が長期にわたり確保できる。
図1は、屋根構造体の全体構成図である。 図2は、パネルの一部を切り欠いて内部構造を示したパネルの概略斜視図である。 図3は、図1に示すパネルと樋部材のIII-III線で切断した断面図である。 図4は、図3に示す上段凹部の近傍における部分拡大図である。 図5Aは、水切り部材の斜視図である。 図5Bは、図5Aに示す水切り部材のV-V線で切断した断面図である。 図6は、水切り部材の下段突起部を下段凹部に嵌合させた状態を示す工程説明図である。 図7は、上段突起部が上段凹部に挿入されて双方が嵌合した状態を示す部分断面図である。 図8は、樋部材をパネルに取り付ける様子を示す部分断面図である。 図9は、屋根構造体のパネル同士の接合部付近を示す概略斜視図である。 図10は、図9に示すX-X線で切断した概略断面図である。 図11は、屋根構造体の第2構成例における要部断面図である。 図12は、屋根構造体の第3構成例における要部断面図である。 図13は、屋根構造体の第4構成例における要部断面図である。 図14は、屋根構造体の第5構成例における要部断面図である。 図15は、屋根構造体の第6構成例における要部断面図である。 図16は、屋根構造体の第7構成例における要部断面図である。 図17は、従来の屋根構造体の構成を示す断面図である。
以下、本発明に係る屋根構造体の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1構成例>
(屋根構造体の構成)
図1は、屋根構造体100の全体構成図である。
屋根構造体100は、パネル部材10と、パネル部材10に固定される樋部材30と、パネル部材10を吊り下げて固定する1本又は複数本(図1では3本)のフレーム13とを有する。パネル部材10は、複数枚(図示例では2枚)のパネル11が互いの一辺同士を対面させて接続される。ここで、Y方向は複数枚のパネル11の接続方向、Z方向は屋根構造体100の高さ方向、X方向はY方向及びZ方向に直交する方向である。
フレーム13は、例えば、H型鋼等の鋼材やアルミニウム合金等の材料からなり、脚部13aと、脚部13aの上部から略水平方向に延びる梁部13bとを有する逆L字形に形成されている。各脚部13aの下端は、地面への埋設等により固定される。なお、図1に示すフレーム13の形状は一例であって、その形状や各部の配置形態に限定されない。
複数枚のパネル11を有するパネル部材10は、フレーム13の梁部13bに懸架される。懸架されたパネル部材10は、脚部13aから梁部13bの延びる方向(X方向)へ向かって水平面(XY面)からの高さが漸増するようにそれぞれ傾斜して配置されている。また、隣り合うパネル11同士は、互いに対向する端部で接続されている。また、各パネル11には、傾斜下方側の縁部に沿って長尺状の樋部材30が固定される。パネル部材10を構成するパネル11の枚数は、2枚に限らず3枚以上でもよく、接続されるパネル11の形状や大きさは同じでもよく、互いに異なってもよい。
図2は、パネル11の一部を切り欠いて内部構造を示したパネル11の概略斜視図である。以降の説明では、同一の部材又は部位については、同一の符号を付与することで、その説明を簡単化、又は省略する。
パネル11は、コア部材15と、コア部材15の周囲を囲んで配置される平面視で矩形板状の枠部材17と、コア部材15及び枠部材17を板厚方向に挟んで固定する上面板19及び下面板21とを備える。
コア部材15は、アルミニウム又はアルミニウム合金製の壁体を蜂の巣状に立設したハニカム構造体を芯材として備える。コア部材15がハニカム構造体であることで、パネル11を軽量でしかも高剛性な構成にできる。また、コア部材15が、上面板19及び下面板21に挟まれることで、パネル11の耐久性が向上し、日差しや積雪等の環境負荷に強い、高強度で耐久性の高い構造となる。
枠部材17は、上面板19及び下面板21の外縁と同じ位置、又は外縁よりも内側に最外縁を有する枠体である。この枠部材17は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金の押し出し成形品、あるいは中実の角材等の棒状体からなり、各棒状体の端部同士を組み合わせて矩形状にされる。コア部材15及び枠部材17のZ方向の両端は、上面板19と下面板21との間に設けた接着材23により、上面板19と下面板21に接着される。
上面板19及び下面板21は、アルミニウム又はアルミニウム合金の板材からなり、その他にも鉄板やステンレス板、樹脂板、CFRP等の繊維強化樹脂板、又はこれらを適宜組み合わせた板材にしてもよい。
コア部材15の厚さは、3mm~300mm程度である。また、上面板19及び下面板21の厚さは、それぞれ0.2mm~3.0mm、好ましくは1.5mm~2.5mmである。上面板19の梁部13b(図1参照)に固定される側には、スタッドボルト等の複数の支持ボルト25が設けられる。各支持ボルト25は、フレーム13のサイズ、形状に応じて適宜の間隔で設けられ、梁部13bに設けられた不図示の取付金具に締結される。これにより、パネル11は、フレーム13の梁部13bに支持される。
図3は、図1に示すパネル11と樋部材30のIII-III線で切断した断面図である。樋部材30は、平面視したパネル11における矩形状の枠部材17の一辺に沿って配置される。樋部材30は、その長手方向に直交する断面において、底壁部31と、底壁部31の両脇から上方(Z方向)に立ち上がる一対の側壁部33a,33bとを有する凹状の部材である。つまり、樋部材30の底壁部31の上方は開口されている。
一対の側壁部33a,33bのうちパネル11側に配置される一方の側壁部33aは、パネル11に対向する外側面にパネル11側へ突出する樋連結部35を有する。樋連結部35には、樋部材30をパネル11の枠部材17に接続するねじ37等の締結部材を挿通する貫通孔39が形成されている。
樋部材30の側壁部33a,33bの上縁近傍に、各側壁部33a,33bから互いに内側に突出したリブ41a,41bを設けてもよい。各リブ41a,41bは、樋部材30の長手方向に沿って連続して形成されるが、樋部材30の大きさ、形状によっては省略できる。また、樋部材30の側壁部33aの下縁近傍にパネル11側に突出するリブ41cが設けられている。
枠部材17は、上面板19及び下面板21のX方向端部の近傍に、パネル11側に凹んで形成された凹部43a,43bを有する。上面板19側の凹部43a(以下、上段凹部UCともいう。)、及び下面板21側の凹部43bの各内部空間には、シール材45が充填されてもよい。シール材45は、施工時においてゲル状又はジェル状で流動性を有し、施工後に硬化して固体のシールとして機能する。つまり、上面板19と枠部材17との間、及び下面板21と枠部材17との間が、シール材45によって水密に密閉されることで、上面板19及び下面板21と、枠部材17との間からの水分の浸入をより確実に防止できる。また、シール材45は、単独で凹部43bを埋めて設けた構成にしてもよく、後述する水切り部材60と一体に硬化させた構成にしてもよい。
図4は、図3に示す上段凹部UCの近傍における部分拡大図である。
枠部材17は、上面板19に対向して上段凹部UCを画成する段付き部47を有する。段付き部47は、上段凹部UCの凹部底面を形成する第一面部49と、上面板19の対向壁となる第二面部51からなる。
また、枠部材17は、第二面部51における上段凹部UCの開口端から図4の下方に向けて延びる第三面部53と、第二面部51の下方で第三面部53から反パネル側に突出して、樋連結部35に重ねられる第四面部55とを有する。第三面部53には、詳細を後述する開口孔57が形成され、開口孔57のパネル11側には下段凹部LCが画成される。また、第四面部55には、ねじ37と螺合するねじ孔59が形成される。
樋部材30に設けられた樋連結部35は、枠部材17の第四面部55に上方から重ねられる。そして、樋連結部35に形成された貫通孔39から挿入されたねじ37が、ねじ孔59に螺合することで、樋部材30と枠部材17とが締結される。樋連結部35、第四面部55及びねじ37は、パネル11と樋部材30との間に設けられ、樋部材30の側壁部33aをパネル11の縁部に固定する樋支持部として機能する。
また、図3に示す樋部材30のリブ41cは、枠部材17の下面板21側の一部に当接する。これにより、樋部材30の重量により作用するモーメントが枠部材17によって受け止められる。
水切り部材60の一端部は、枠部材17に設けた上段凹部UC及び下段凹部LCに固定され、パネル11に固定される。この水切り部材60は、枠部材17と側壁部33aとの間の隙間を上方から塞ぐように、側壁部33aの上端を跨いで配置される。
図5Aは、水切り部材60の斜視図である。図5Bは、図5Aに示す水切り部材60のV-V線断面図である。
図5Aに示すように、水切り部材60は、その長手方向に沿って断面形状が一様となる帯状に形成されている。水切り部材60は、例えばシリコーンゴム、合成ゴム、軟質の塩化ビニル等の柔軟で可撓性を有する材料が使用でき、製造が簡単な押出成形品であるのが好ましい。
図5Bに示すように、水切り部材60の長手方向に直交する断面形状は、全体が逆U字形であり、薄肉の板状片61の幅方向WDの一端側に上段突起部63と下段突起部65が形成される。上段突起部63は、図4に示す上段凹部UCに嵌合され、下段突起部65は、上段凹部UCの下方の開口孔57を有する下段凹部LCに嵌合される。つまり、上段突起部63と上段凹部UC、及び下段突起部65と下段凹部LCは、水切り部材60をパネル11に固定する固定機構としてそれぞれ機能する。上段凹部UCと下段凹部LCは、パネル11の側面にパネル11の内側へ凹んで形成されている。このように、水切り部材60はパネル11と樋部材30との間の隙間内で固定されるため、外側に張り出すことなく、高いスペース効率で取り付けられる。
下段突起部65は、板状片61の一端側の先端に形成されている。上段突起部63は、上段凹部UCと下段凹部LCの開口孔57の配置位置に対応する距離だけ下段突起部65から離れた位置に形成されている。図5Bに示すように、板状片61は、上段突起部63の位置から下段突起部65に向けて延びる基端側延出部61aと、基端側延出部61aの延出方向に直交して、他端側の先端まで延びる先端側延出部61bとを有する。先端側延出部61bは、その中間位置で基端側延出部61aと略平行に折れ曲がる屈曲部61cを有するが、変形が容易な材料であれば先端側延出部61b全体を平坦状に形成してもよい。板状片61の上段突起部63の付け根部分には、パネル11の上面板19の端面に当接する段付き部61dが形成される。
上段突起部63は、水切り部材60の長手方向に連続する中空部67を有し、下段突起部65も同様に長手方向に連続する中空部69を有する。これにより、それぞれの嵌合時における変形を容易にしている。また、上段突起部63は、上段凹部UCの内壁面に当接する面(図5Bの上下面)に、上段突起部63の内側から外側に向けて拡幅する、断面形状が台形形状の直線溝63a,63bが、水切り部材60の長手方向に沿って連続して形成されている。つまり、直線溝63a,63bの断面形状は、溝底部から溝開口部に向けて広がる台形状であり、溝内における溝底面と溝側面とのなす角(溝底角)は鈍角である。さらに、上段突起部63は、その先端(上段凹部43a、開口孔57への挿入方向先端)の角部に面取り部63cが形成されている。また、下段突起部65についても同様に、挿入方向先端の角部には面取り部65aが形成されている。
(水切り部材の設置手順)
次に、水切り部材60をパネル11に設置する手順とその効果を順に説明する。以下の手順は、作業者による手作業を想定しているが、適宜な機械を使用して行ってもよい。
図6は、水切り部材60の下段突起部65を下段凹部LCに嵌合させた状態を示す工程説明図である。
パネル11の傾斜下側の端部において、樋部材30をパネル11に取り付ける前に、水切り部材60をパネル11に取り付ける。具体的には、まず、パネル11の上面板19と第二面部51との間の上段凹部UCに、シール材45を充填する。
次いで、パネル11のX方向外方に露出する第三面部53に形成された開口孔57に、水切り部材60の下段突起部65を挿入して、下段突起部65と下段凹部LCとを嵌合させる。下段突起部65は中空であるため変形しやすく、開口孔57を通じて下段凹部LCに容易に嵌合できる。この嵌合動作をパネル11のY方向に沿って実施する。これにより、帯状の水切り部材60は、その全長にわたってパネル11に仮止めされる。
次に、パネル11に仮止めした水切り部材60を、図6の矢印P1方向に押し上げながら、上段突起部63を上段凹部UCへ挿入する。
図7は、上段突起部63が上段凹部UCに挿入されて双方が嵌合した状態を示す部分断面図である。
上段突起部63を上段凹部UCに押し込むと、上段突起部63が中空部67によって弾性変形しながら上段凹部UCに挿入され、上段凹部UCに充填されたシール材45が流動して直線溝63a,63bに入り込む。そして、上面板19の端面19aを、水切り部材60の段付き部60dに突き当たるまで押し込み、上段突起部63を上段凹部UC内に挿入する。このようにして、水切り部材60をY方向へパネル11の縁部に沿って順に嵌合してゆく。こうして、水切り部材60の全長にわたり、上段突起部63が上段凹部UCにシール材45によって接着されることで水切り部材60がパネル11に固定される。
上記のように、水切り部材60をパネル11に設置する際、作業者は、水切り部材60をパネル11の下段凹部LCに仮止した状態で、上段突起部63を上段凹部UCに押し込んで固定する。この手順によれば、上段凹部UCに予め充填したシール材45に作業者が触れることなく、簡単に嵌合、接着作業を完了できる。仮に、水切り部材60とパネル11とを1段の凹部と突起部とでシール材45により接着する場合、作業者は、水切り部材60を支えながら、凹部から溢れる出るシール材45を除去しつつ、パネル11の外縁に沿って突起部の挿入と、凹部から溢れるシール材45の除去とを同時に行うことになる。このような作業環境では、作業者の手等に溢れ出たシール材45が付着しやすく、作業者がパネル11に手を触れた際、手に付着したシール材45によりパネル11を汚すことがある。その結果、パネル11の各部を清掃する作業が新たに必要となる。
しかし、本構成のように上下2段の凹部(上段凹部UC,下段凹部LC)と突起部(上段突起部63、下段突起部65)とを用いて、下段を仮止め用、上段を本接合用として水切り部材60をパネル11と段階的に接合することで、作業に負担を強いることなく、良好な施工性で水切り部材60の設置が可能となる。また、上段突起部63を上段凹部UCに挿入した際、上段突起部63と上段凹部UCとの隙間から溢れ出たシール材45が直線溝63a,63bに収容され、上段突起部63の根元部まで溢れ出ることが抑制される。仮に、上段突起部63の根元部にシール材45が到達しても、第二面部51よりも下方は下段突起部65によりシール材45の流路は遮断されている。また、上面板19の端面19aと水切り部材60の段付き部61dとの間からシール材45がはみ出す場合もあり得るが、その場合でも、清掃する面はパネル11の上面だけで済む。
そして、所定時間後にシール材45が硬化することにより、水切り部材60はパネル11に強固に固定される。
上段突起部63は、直線溝63a,63bの一方の側壁の傾斜(溝底角θ1)と他方の側壁の傾斜(溝底角θ2)がいずれも鈍角である。そのため、鋭角のアリ溝の場合と比較して、直線溝3a,63b内では巣が発生し難くなる。これにより、上段突起部63と上段凹部UCの内壁面とがシール材45によって確実に接着される。その結果、水切り部材60を確実に固定できるとともに、高いシール性を確保できる。
なお、シール材45を設けない場合であっても、上段突起部63は、上段凹部UCとの嵌合によって上段凹部UCに固定されるため、水切り部材60を安定して支持できる。
なお、水切り部材60と上面板19とは、水切り部材60の段付き部61dと上面板19の端面19aとが突き当たり、双方の上面が同じ高さになるのが好ましい。その場合、上面板19と水切り部材60との上面同士が面一となって、パネル11上を流れる雨水を円滑に水切り部材60に受け渡し、図3に示す樋部材30の樋内に導くことができる。
次に、樋部材30をパネル11に取り付ける。
図8は、樋部材30をパネル11に取り付ける様子を示す部分断面図である。水切り部材60がパネル11に固定されると、板状片61のパネル11から離れた側の先端側延出部61bが垂れ下がって配置される。作業者は、この垂れ下がった先端側延出部61bを図8の矢印P2方向に持ち上げながら、樋部材30を上側からパネル11に固定する。具体的には、作業者は、水切り部材60の先端側延出部61bを持ち上げ、パネル11の枠部材17に形成した第四面部55を表出させる。そして、樋部材30の樋連結部35を第四面部55の上に重ね、樋連結部35の貫通孔39を第四面部55のねじ孔59の位置に合わせて、樋連結部35と第四面部55とをねじ37により締結する。
このねじ37の締結作業は、ドライバー等の工具を図8の矢印AC方向から挿入することでパネル11の上方から実施できる。締結後は、持ち上げた先端側延出部61bを元の位置に下げることで、図3に示すように、水切り部材60によってパネル11と樋部材30との間の隙間が上方から覆われる。
上記のように、水切り部材60は、その長手方向(Y方向)に直交する幅方向(X方向)の一端部が、樋支持部(樋連結部35、第四面部55)よりも上方でパネル11に固定される。そして、幅方向(X方向)の他端部が、側壁部33aの上端を跨いで樋内に垂下して配置される。このような樋支持部を上方から覆う(図8の破線で示す板状片61)状態を水切り部材60の「遮蔽姿勢」とし、樋支持部を表出させる(図8の実線で示す板状片61)状態を水切り部材60の「表出姿勢」とした場合、水切り部材60は、少なくとも遮蔽姿勢から表出姿勢までの弾性変形が可能となっている。
ここでいう「露出」とは、第四面部55又は樋連結部35の上方に遮るものがなく、貫通孔39とねじ孔59の位置に容易に、ドライバー等の工具がアクセス可能になるという意味であるが、板状片61との間の隙間を通して、作業者が工具を差し込める空間が存在する状態を含むものとする。つまり、「露出」とは、作業者によるねじ37の締結作業が可能な状態を意味する。
本構成の屋根構造体によれば、樋部材30をパネル11の上側のみから取り付けでき、パネル11の下側からの締結作業が不要となるため、施工性が向上する。また、水切り部材60によって、パネル11上を流れる水を、パネル11と樋部材30との間に漏らすことなく確実に樋部材30の樋内に導くことができる。そして、樋部材30をパネル11に取り付ける際、水切り部材60をめくり上げることで、樋連結部35及び第四面部55を簡単に露出できる。そのため、ねじ37による締結作業を、作業者は楽な姿勢で簡単に実施でき、樋部材30の取り付け施工性が高められる。また、施工後には、パネル11と樋部材30との間が水切り部材60によって上方から覆われるため、水漏れを確実に防止できる。
なお、本構成の水切り部材60には、上下二段となる上段突起部63と下段突起部65とを設けているが、後述するように、水切り部材60の長手方向長さや施工条件によっては下段突起部65を省略して、上段突起部63だけで接合する構成にしてもよい。また、上下二段となった領域と、一段になった領域とを組み合わせた構成にしてもよい。更に、設置条件によっては、下段突起部65と下段凹部LCとをシール材45を用いて接合して、上段突起部63と上段凹部UCとを仮止め用として嵌合する構成にしてもよい。
(パネル同士の継ぎ目からの排水)
図9は、屋根構造体のパネル11同士の接合部付近を示す概略斜視図である。図9は、図1のPA部を拡大して示している。図10は、図9に示すX-X線で切断した概略断面図である。
図9に示すように、隣り合うパネル11の端部同士の間の目地には、パネル11の上面にカバー部材71が目地に沿って設けられる。カバー部材71の下方には、半円筒形のキャッチパン73が配置される。キャッチパン73は、パネル11同士の目地から雨水がしみ出した場合に、その雨水を受けて傾斜下方側の端部から矢印P3で示すように排水する。
また、隣り合うパネル11の端部同士の間の角部には、水切り部材60の外側を覆うコーナーカバー75が設けられる。図9には、水切り部材60とコーナーカバー75を破線で示している。図10に示すように、キャッチパン73の端部から流れ出る雨水は、水切り部材60の先端側延出部61bに突き当たり、下方の樋内に流れ落ちて排出される。このように、水切り部材60は、樋部材30のパネル11側の側壁部33aとの間に隙間を有して配置されることで、パネル11の外側に表出した面のみならず、パネル11の内側に向いた面も雨水を樋部材30に導く二次排水のガイド効果を有する。
<第2構成例>
図11は、屋根構造体の第2構成例における要部断面図である。
本構成の屋根構造体は、前述した第1構成例に対して樋部材30と水切り部材60Aとの配置関係が異なる以外、第1構成例と同様の構成である。
本構成の樋部材30は、側壁部33aの樋内側に突出するリブ41a(図4)を備えていない。そのため、水切り部材60Aの先端側延出部61bは、樋部材30の側壁部33aの内壁面に密着している。
これによれば、樋部材30から溢れ出るほど雨水が増量した場合でも、樋部材30とパネル11との間の隙間が先端側延出部61bにより覆われているため、樋内の雨水がパネル11側に浸入することはない。なお、先端側延出部61bと側壁部33aとは、単に当接させておくのが好ましいが、必要に応じてその一部又は全体を互いに接合、又は接着してもよい。
<第3構成例>
図12は、屋根構造体の第3構成例における要部断面図である。
本構成の屋根構造体は、前述した第1構成例に対して水切り部材60Bの先端側延出部61bの先端に返し部61eを設けた以外、第1構成例と同様の構成である。
水切り部材60Bの返し部61eは、先端側延出部61bの先端がパネル11側に向けて突出するように屈曲して形成される。この返し部61eは、樋部材30の樋内に流れ落ちる雨水の跳ね返りが、樋部材30とパネル11との隙間へ浸入することを抑制する。返し部61eの突出長さは、樋部材30の側壁部33aに接触するまでの範囲で任意の長さに設定できる。
<第4構成例>
図13は、屋根構造体の第4構成例における要部断面図である。
前述した第1構成例の水切り部材60では、上段突起部63と下段突起部65とが、パネル11の側面にパネル内側へそれぞれ凹んで形成された上段凹部UCと下段凹部LCに、パネル11の側方から押し込んで嵌合させていたが、押し込む方向はこれに限らない。本構成の屋根構造体では、パネル11の樋部材30側の端部で、上方に開口する凹部を設けることで、この凹部に水切り部材60Cを上方から下方に向けて押し込んで嵌合させる。
この場合の水切り部材60Cは、板状片61と、板状片61に設けられた突起部81とを有する。板状片61は、突起部81からパネル11側に延びる基端側延出部83と、突起部81から樋部材30側に延びる先端側延出部85とを有する。また、枠部材17の上面板19と段付き部47との間の凹部43aには、シール材45が充填されてもよい。樋部材30は、パネル11側の側壁部33aとの間に所定の隙間を有して配置され、樋連結部35と第四面部55とがねじ37により締結されている。
この場合、パネル11の端部にねじ37の締結により樋部材30を固定し、その後、パネル11の端部と、樋部材30の側壁部33aとの間の隙間となる鉛直凹部VCに水切り部材60Cの突起部81を挿入する。突起部81は、中空部87が形成されて変形が容易であるため、鉛直凹部VCに挿入した際に弾性変形して鉛直凹部VCの内壁面に隙間無く嵌合される。
本構成では、パネル11と樋部材30をねじ37により締結した後に、水切り部材60Cの突起部81を鉛直凹部VCに嵌合させる組み付け手順となる。水切り部材60は、前述したように弾性材料からなるため、鉛直凹部VCから突起部81を図13の上方へ引き出すことで、水切り部材60Cのパネル11からの離脱が容易となる。
つまり、水切り部材60Cは、先端側延出部85が側壁部33aの上端を跨いで樋内に垂下して配置される。そして、水切り部材60Cは、樋連結部35と第四面部55を上方から覆う遮蔽姿勢から、先端側延出部85を上方に持ち上げることで鉛直凹部VCから取り外すことができる。
上記のように、水切り部材60を鉛直凹部VCから離脱させることで、ねじ37へのアクセスが可能となり、各種のメンテナンス作業が行える。また、パネル11の樋部材30側の端部で鉛直凹部VCが上方に開口して形成されることで、水切り部材60Cを鉛直凹部VCの上方から簡単に挿入でき、突起部81と鉛直凹部VCとの嵌合を良好な施工性で実施できる。
さらに、水切り部材60Cは、板状片61の基端側延出部83が上面板19を覆って配置されるため、パネル11上で流れる雨水は、水切り部材60Cの上面を伝って樋部材30の樋内に案内される。これにより、パネル11と樋部材30との間に雨水が侵入することがない。
また、シール材45を設ける場合、突起部81の嵌合時に、凹部43aに充填されたシール材45が硬化前であれば、シール材45によって突起部81を鉛直凹部VCに接着固定できる。
<第5構成例>
図14は、屋根構造体の第5構成例における要部断面図である。
本構成では、第1構成例の樋部材30のパネル11側とは反対側に、更に他のパネル11Aを設けている。追加したパネル11Aは、樋部材30が傾斜下方側となるように傾斜して配置され、パネル11Aの上面に流れる雨水を樋部材30に流し落とす。
この場合、パネル11Aと樋部材30とは機械的に締結されておらず、パネル11A側の水切り部材60が、樋部材30の側壁部33bの上方から樋内に垂れ下がって配置されているだけで繋がっている。そのため、パネル11とパネル11Aとが別々に支持されて、風雨、積雪等により互いに相対移動した場合でも、相互に移動可能であるために局所的に大きな応力が発生することない。よって、外力からの耐久性に優れた構成にできる。
<第6構成例>
図15は、屋根構造体の第6構成例における要部断面図である。
本構成では、第1構成例の水切り部材60の下段突起部65を省略している他は、第1構成例と同様の構成である。水切り部材60Dは、上段突起部63を上段凹部UCに嵌合させることでパネル11に固定される。この場合、パネル11側の下段凹部LCは省略されていてもよい。本構成によれば、水切り部材60Dを固定する作業をより簡単化でき、施工性を向上できる。
<第7構成例>
図16は、屋根構造体の第7構成例における要部断面図である。
前述した各構成例では、樋部材30のパネル11への取り付けは、パネル11の上面側から樋部材30を設置する手順となるが、本構成では、樋部材30をパネル11の下面側から設置する。そのため、本構成の樋部材30の側壁部33aには、パネル11の下面側でパネル11側へ突出する樋連結部36と、パネル11の上面側でパネル11側に突出するリブ41dとを設けている。また、枠部材17は、前述した第四面部55と、樋連結部36に重なるリブ41cとを有する。
樋連結部36とリブ41cには、樋部材30をパネル11の枠部材17に接続するねじ37等の締結部材を挿通する貫通孔39が形成されている。第四面部55とリブ41dとは、互いに係合する凹凸形状を有する。また、第四面部55とリブ41dとは不図示のねじにより締結してもよい。
本構成によれば、第四面部55とリブ41dとを係合させた仮止め状態で、樋連結部36とリブ41cとをねじ37で締結することで、樋部材30をパネル11に固定できる。このようにすれば、樋部材30を、パネル11の上方からの取り付けに限らず、下方から取り付けることもできる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示される。
(1) 水平面から傾斜して支持されるパネルと、前記パネルの傾斜下方側の縁部に沿って設けられ、底壁部と該底壁部から立ち上がる一対の側壁部を有して上方が開口された樋部材とを備える屋根構造体であって、
前記パネルと前記樋部材との間に設けられ、前記一対の側壁部のうち前記パネル側に配置された一方を前記パネルの前記縁部に固定する樋支持部と、
前記パネルと前記樋部材との間の隙間を上方から覆い、前記樋部材の長手方向に沿って配置された帯状の水切り部材と、
を備え、
前記水切り部材は、前記長手方向に直交する幅方向の一端部が前記樋支持部よりも上方で前記パネルに固定され、前記幅方向の他端部が前記一対の側壁部の前記パネル側に配置された一方の上端を跨いで樋内に垂下して配置され、前記樋支持部を上方から覆う遮蔽姿勢から前記樋支持部を表出させる表出姿勢まで弾性変形が可能である、
屋根構造体。
この屋根構造体によれば、水切り部材がパネルと樋部材との間を上方から覆うため、パネル上を流れる水をパネルと樋部材との間に漏らすことなく、確実に樋内に導くことができる。また、樋部材をパネルに取り付ける際、水切り部材を上方にめくり上げることで樋支持部にアクセスできるため、施工性が向上する。また、樋部材のパネルへの取り付け後のメンテナンスを、水切り部材を弾性変形させて動かすことで、作業性よく容易に実施できる。
(2) 前記水切り部材と前記パネルとを押し込み操作により嵌合させる固定機構を備える、(1)に記載の屋根構造体。
この屋根構造体によれば、樋部材のパネルへの取り付けが、水切り部材とパネルとの押し込み操作による嵌合といった簡単な作業であるため、施工性を向上できる。
(3) 前記固定機構は、
前記樋支持部に設けられた凹部と、
前記水切り部材に設けられ、前記凹部に嵌合する突起部を有する、(2)に記載の屋根構造体。
この屋根構造体によれば、凹部と突起部とを嵌合させることで、水切り部材をパネルに確実に固定できる。
(4) 前記凹部は、前記パネルの厚さ方向に上下二段で配置された上段凹部及び下段凹部を有し、
前記突起部は、前記上段凹部に嵌合する上段突起部、及び前記下段凹部に嵌合する下段突起部を有する、(3)に記載の屋根構造体。
この屋根構造体によれば、上下二段に配置された突起部と凹部との組のいずれか一方を水切り部材の仮止め用に使用し、他方を水切り部材の固定用に使用できる。その結果、水切り部材を仮止めによって安定した姿勢に保持しつつ、パネルとの接合が行えるため、作業性が向上して安定した取り付けが可能となる。
(5) 前記上段凹部の内側にシール材が設けられている、(4)に記載の屋根構造体。
この屋根構造体によれば、上段凹部に設けたシール材によって上段突起部が固定されるため、パネルの上面側で確実に雨水を漏れ止めできる。また、水切り部材をパネルに取り付ける取り付け施工時に、シール材が上段凹部から漏れ出た場合でも、漏れ出たシール材が、作業者の手等に付着しにくい。そのため、作業者が触るパネル等にシール材が付くことを抑制でき、施工後のシール材の清掃作業が簡単で済む。
(6) 前記上段突起部は、前記上段凹部への挿入方向の断面視で、前記上段凹部の内壁面に当接する面に、前記突起部の内側から外側に向けて拡幅する台形形状の溝が前記長手方向に沿って形成され、前記溝の溝底角が鈍角である、(5)に記載の屋根構造体。
この屋根構造体によれば、上段突起部の上段凹部への挿入時に、上段凹部に設けられたシール材が凹部内から押し出された際に、上段突起部の溝内に入り込む。これにより、余剰なシール材のパネル内へのはみ出しが抑制される。また、溝内に入り込んだシール材が断面台形形状の溝内に巣等を生じずに充填されるため、上段突起部と上段凹部の内壁面とを確実に接着できる。これにより、水切り部材が確実に固定され、上段突起部と上段凹部との間で高いシール性を確保できる。
(7) 前記凹部は、前記パネルの側面に前記パネルの内側へ凹んで形成されている、(3)から(5)のいずれか1つに記載の屋根構造体。
この屋根構造体によれば、突起部をパネルの側方から凹部へ押し込む動作で水切り部材をパネルに固定できる。
(8) 前記凹部は、前記パネルの前記樋部材側の端部で上方に開口して形成されている、(3)から(5)のいずれか1つに記載の屋根構造体。
この屋根構造体によれば、突起部をパネルの上方から凹部に押し込む動作で水切り部材をパネルに固定できる。
(9) 前記水切り部材の前記樋内に垂下した部分と、前記樋部材の前記パネル側に配置された一方の前記側壁部との間に空間が形成されている、(1)から(8)のいずれか1つに記載の屋根構造体。
この屋根構造体によれば、例えば、複数のパネル同士の間に雨水を受けるキャッチパンを設けた場合に、キャッチパンに流れ落ちた雨水を側壁部と水切り部材との間に空間を利用して排出できる。
(10) 前記水切り部材の前記樋内に垂下した部分は、前記一対の側壁部の前記パネル側に配置された一方の側壁部と密着している、(1)から(8)のいずれか1つに記載の屋根構造体。
この屋根構造体によれば、水切り材と側壁部とが密着することで、樋部材の樋内の雨水が溢れ出る場合に、樋部材とパネルとの間に雨水が侵入することを未然に防止できる。
(11) 前記水切り部材の前記幅方向の他端部に、前記一対の側壁部の前記パネル側に配置された一方の樋側壁へ向けて延びる返し部が設けられた、(1)から(10)のいずれか1つに記載の屋根構造体。
この屋根構造体によれば、返し部によって樋部材の樋内に流れ落ちた雨水の跳ね返りが、樋部材とパネルとの隙間へ浸入することを抑制できる。
(12) 前記パネルは、板状のコア部材と、前記コア部材の側面を囲む枠部材と、前記コア部材及び前記枠部材を板厚方向に挟んで固定される上面板及び下面板とを備える、(1)から(11)のいずれか1つに記載の屋根構造体。
この屋根構造体によれば、日差しや積雪等の環境負荷に強い、高強度で耐久性の高いパネル構造となる。
(13) 前記コア部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金製の壁体を蜂の巣状に立設したハニカム構造体である(12)に記載の屋根構造体。
この屋根構造体によれば、軽量で高剛性なパネル構造となる。
(14) 前記水切り材は、シリコーンゴム、合成ゴム、軟質の塩化ビニルのうち、いずれかから選択される材料からなる、(12)又は(13)に記載の屋根構造体。
この屋根構造体によれば、水切り材が柔軟な弾性材料によって構成され、作業者が容易に弾性変形させることができ、作業性を向上できる。
10 パネル部材
11 パネル
11A パネル
13 フレーム
13a 脚部
13b 梁部
15 コア部材
17 枠部材
19 上面板
19a 端面
21 下面板
23 接着材
25 支持ボルト
30 樋部材
31 底壁部
33a 側壁部
33b 側壁部
35,36 樋連結部
37 ねじ
39 貫通孔
40 水切り部材
41a,41b,41c,41d リブ
43a 凹部(上段凹部)
43b 凹部
45 シール材
47 段付き部
49 第一面部
51 第二面部
53 第三面部
55 第四面部
57 開口孔
59 ねじ孔
60,60A,60B,60C 水切り部材
60d 段付き部
61 板状片
61a 基端側延出部
61b 先端側延出部
61c 屈曲部
61d 段付き部
61e 返し部
63 上段突起部
63a 直線溝
63b 直線溝
63c 面取り部
65 下段突起部
65a 面取り部
67,69 中空部
71 カバー部材
73 キャッチパン
75 コーナーカバー
81 突起部
83 基端側延出部
85 先端側延出部
87 中空部
100 屋根構造体
LC 下段凹部
UC 上段凹部
VC 鉛直凹部
WD 幅方向
θ1,θ2 溝底角

Claims (14)

  1. 水平面から傾斜して支持されるパネルと、前記パネルの傾斜下方側の縁部に沿って設けられ、底壁部と該底壁部から立ち上がる一対の側壁部を有して上方が開口された樋部材とを備える屋根構造体であって、
    前記パネルと前記樋部材との間に設けられ、前記一対の側壁部のうち前記パネル側に配置された一方を前記パネルの前記縁部に固定する樋支持部と、
    前記パネルと前記樋部材との間の隙間を上方から覆い、前記樋部材の長手方向に沿って配置された帯状の水切り部材と、
    を備え、
    前記水切り部材は、前記長手方向に直交する幅方向の一端部が前記樋支持部よりも上方で前記パネルに固定され、前記幅方向の他端部が前記一対の側壁部の前記パネル側に配置された一方の上端を跨いで樋内に垂下して配置され、前記樋支持部を上方から覆う遮蔽姿勢から前記樋支持部を表出させる表出姿勢まで弾性変形が可能である、
    屋根構造体。
  2. 前記水切り部材と前記パネルとを押し込み操作により嵌合させる固定機構を備える、
    請求項1に記載の屋根構造体。
  3. 前記固定機構は、
    前記樋支持部に設けられた凹部と、
    前記水切り部材に設けられ、前記凹部に嵌合する突起部を有する、
    請求項2に記載の屋根構造体。
  4. 前記凹部は、前記パネルの厚さ方向に上下二段で配置された上段凹部及び下段凹部を有し、
    前記突起部は、前記上段凹部に嵌合する上段突起部、及び前記下段凹部に嵌合する下段突起部を有する、
    請求項3に記載の屋根構造体。
  5. 前記上段凹部の内側にシール材が設けられている、
    請求項4に記載の屋根構造体。
  6. 前記上段突起部は、前記上段凹部への挿入方向の断面視で、前記上段凹部の内壁面に当接する面に、前記突起部の内側から外側に向けて拡幅する台形形状の溝が前記長手方向に沿って形成され、前記溝の溝底角が鈍角である、
    請求項5に記載の屋根構造体。
  7. 前記凹部は、前記パネルの側面に前記パネルの内側へ凹んで形成されている、
    請求項3に記載の屋根構造体。
  8. 前記凹部は、前記パネルの前記樋部材側の端部で上方に開口して形成されている、
    請求項3に記載の屋根構造体。
  9. 前記水切り部材の前記樋内に垂下した部分と、前記樋部材の前記パネル側に配置された一方の前記側壁部との間に空間が形成されている、
    請求項1に記載の屋根構造体。
  10. 前記水切り部材の前記樋内に垂下した部分は、前記一対の側壁部の前記パネル側に配置された一方の側壁部と密着している、
    請求項1に記載の屋根構造体。
  11. 前記水切り部材の前記幅方向の他端部に、前記一対の側壁部の前記パネル側に配置された一方の樋側壁へ向けて延びる返し部が設けられた、
    請求項1に記載の屋根構造体。
  12. 前記パネルは、板状のコア部材と、前記コア部材の側面を囲む枠部材と、前記コア部材及び前記枠部材を板厚方向に挟んで固定される上面板及び下面板とを備える、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の屋根構造体。
  13. 前記コア部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金製の壁体を蜂の巣状に立設したハニカム構造体である請求項12に記載の屋根構造体。
  14. 前記水切り材は、シリコーンゴム、合成ゴム、軟質の塩化ビニルのうち、いずれかから選択される材料からなる、
    請求項12に記載の屋根構造体。
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