JP2024027341A - 木目加飾成形品及び木目加飾成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】文字や模様等が認識しやすい構造の木目加飾成形品を提供する。【解決手段】木目加飾成形品は、突板と、透過層と、貫通部と、基材と、を備える。突板は、表面及び裏面を有する。透過層は、突板の表面に積層され、光を透過する。貫通部は、突板を貫通するように設けられ、透過層に覆われる。基材は、貫通部内に充填されるように突板の裏面に積層され、光を透過する。貫通部内における基材の透過層と当接する面は、突板の表面と面一となる。【選択図】図1

Description

本開示は、木目加飾成形品及び木目加飾成形品の製造方法に関する。
例えば、自動車等の内装部品において、木目を意匠として生かしたパネルに文字情報等を表示可能な加飾部材が知られている。
特許文献1には、文字や模様を形成するための貫通孔を突板に設けるためにレーザ光を照射し、貫通孔形成後の突板の裏面にインサート成型により補強層を積層し、補強層積層後の突板の表面に塗料を塗装することで成形される加飾部材が開示されている。この加飾部材では、塗料及び補強層を形成する樹脂組成物が貫通孔内に充填されている。
特開2019-31028号公報
しかしながら、上述した加飾部材では、突板の裏面にインサート成型により補強層が積層された後に、突板の表面に塗料が塗装される。このため、塗装により形成される塗工層の厚みが薄い場合には、突板に設けられた貫通孔の周囲に段差が生じやすい。また、補強層を形成する樹脂組成物が貫通孔を通じて突板の表面ににじみ出してしまった場合には、貫通孔の縁が見切れてしまうことが生じ得る。その結果、貫通孔により形成される文字や模様等が認識しにくくなるという問題があった。
本開示の一局面は、文字や模様等が認識しやすい構造の木目加飾成形品を提供することを目的としている。
本開示の一態様は、木目加飾成形品であって、突板と、透過層と、貫通部と、基材と、を備える。突板は、表面及び裏面を有する。透過層は、突板の表面に積層され、光を透過する。貫通部は、突板を貫通するように設けられ、透過層に覆われる。基材は、貫通部内に充填されるように突板の裏面に積層され、光を透過する。貫通部内における基材の透過層と当接する面は、突板の表面と面一となる。
このような構成では、貫通部を覆うように突板の表面に透過層が設けられており、貫通部内に基材が充填されている。このため、貫通部の付近で透過層に段差が生じたり、突板の表面における貫通部の付近に基材がにじみ出たりするのを抑制できる。したがって、木目を有する加飾成形品において、貫通部によって形成される文字や模様等を認識しやすくすることができる。
本開示の一態様は、突板と基材との間に積層され、突板を補強するための強化層を更に備えてもよい。貫通部は、強化層を更に貫通するように設けられてもよい。このような構成では、木材を薄くスライスすることにより形成される突板が、強化層によって補強される。このため、例えば、基材と一体化する前に突板に強化層が積層される場合、基材と一体化する前の突板の破損等を抑制することができる。
本開示の一態様は、強化層と基材との間に積層され、強化層を補強するためのバッキング層を更に備えてもよい。貫通部は、バッキング層を更に貫通するように設けられてもよい。このような構成では、強化層がバッキング層によって拘束されるため、強化層が積層された突板の変形が抑えられる。このため、例えば、基材と一体化する前に突板に強化層及びバッキング層が積層される場合、強化層及びバッキング層が積層された突板の基材と一体化する前の収縮等が生じにくくなり、形状や寸法が変化することを抑制することができる。また、基材が積層される側の面にバッキング層が積層されていることにより、接着剤を介さなくても、基材とバッキング層とを直接一体化させることが可能である。その結果、大きなアンカリング効果が確保されるため、強化層及びバッキング層が積層された突板と基材とを互いに強固に一体化させることができる。したがって、強化層及びバッキング層が積層された突板の基材からの剥がれや浮きを抑制することができる。
本開示の一態様では、透過層は、塗装により形成されてもよい。このような構成によれば、突板の表面に透過層を好適に形成することができる。
本開示の一態様は、表面及び裏面を有する突板と、光を透過する透過層と、強化層と、バッキング層と、光を透過する基材と、を備える木目加飾成形品の製造方法である。木目加飾成形品の製造方法は、裏面に強化層が接着された状態の突板の表面に、透過層を積層することと、強化層に、バッキング層を積層させてシート部材を形成することと、バッキング層側からシート部材を加工することで、バッキング層、強化層及び突板を貫通し、透過層に覆われる貫通部をシート部材に設けることと、シート部材におけるバッキング層に、インサート成形により、基材が貫通部内に充填されるように基材を積層することと、を備える。
このような構成では、透過層、突板、強化層及びバッキング層がこの順で積層されたシート部材におけるバッキング層側から当該シート部材を加工することにより、透過層を残した状態で貫通部が設けられた後、シート部材に、基材がインサート成形される。これにより、貫通部を覆うように透過層が設けられ、貫通部内に基材が充填される。このため、貫通部の付近で透過層に段差が生じたり、突板の表面における貫通部の付近に基材がにじみ出たりするのを抑制できる。したがって、木目を有する加飾成形品において、貫通部によって形成される文字や模様等を認識しやすくすることができる。
木目加飾成形品を模式的に示す断面図である。 木目加飾成形品の製造方法のフローチャートである。 図3A~図3Fは、木目加飾成形品の製造方法を模式的に示す図である。
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.構成]
<木目加飾成形品>
図1に示す木目加飾成形品100は、例えば、自動車の内装部品に用いられ、木目を意匠として有する加飾成形品である。木目加飾成形品100は、突板1と、強化層2と、透過層3と、接着層4と、バッキング層5と、基材6と、トップコート層7と、貫通部10と、を備える。
木目加飾成形品100は、図1における上側を上方として、上方から順にトップコート層7、透過層3、突板1、強化層2、接着層4、バッキング層5、基材6が積層した成形品である。なお、図1は、木目加飾成形品100の構造を模式的に表したものであるため、実際の木目加飾成形品と比較して厳密な配置、形状、大きさの比率等が相違する場合がある。図3についても同様である。以下の説明では、透過層3、突板1、強化層2、接着層4及びバッキング層5が積層された部材をシート部材110と称する。
シート部材110におけるバッキング層5、接着層4、強化層2及び突板1を貫通する貫通部10は、光を透過するように構成されており、当該木目加飾成形品100を後述する意匠面101から見た場合に、文字や模様等を形成する。木目加飾成形品100におけるトップコート層7が形成される面が、木目や文字等が表示される意匠面101であり、木目加飾成形品100における基材6が形成される面が、非意匠面102である。木目加飾成形品100は、例えば、当該木目加飾成形品100を非意匠面102側から光源200によって照らして、貫通部10に光を透過させることによって、木目内に文字や模様等を表示可能に構成されている。なお、本実施形態の木目加飾成形品100は、光源200による光の照射がない場合でも、木目内の文字や模様等が認識可能に構成されている。
<突板>
突板1は、木目加飾成形品100を化粧するためのものである。本実施形態では、突板1は、例えばメープル、ウォルナットなどの無垢の木材を薄くスライスすることにより形成されている。突板1は、約0.05mm以上、約2.0mm以下の範囲内の厚さを有する。本実施形態の木目加飾成形品100には、約0.2mm以上、約0.3mm以下の厚さを有する突板1が用いられる。突板1は、意匠面101を向くように配置される表面11、及び、非意匠面102を向くように配置される裏面12を有する。
<強化層>
強化層2は、突板1の裏面12に積層され、割れやすい突板1を補強するためのものである。本実施形態では、強化層2は、不織布により形成される。強化層2は、図示を省略するが、メラミンユリア系の接着剤によって接着されることで突板1の裏面12に積層される。メラミンユリア系の接着剤は、熱を加えると硬化する熱硬化性を有している。このため、突板1の裏面12に上記接着剤を介して強化層2が積層された状態において、突板1の表面11から例えば熱プレスを行うと、当該接着剤が硬化して、突板1と強化層2とが一体化する。なお、強化層は、例えば、エポキシ系、オレフィン系の接着剤によって突板1に接着されてもよい。強化層2は、約0.05mm以上、約1.0mm以下の範囲内の厚さを有する。本実施形態の木目加飾成形品100には、約0.1mmの厚さを有する強化層2が用いられる。
<透過層>
透過層3は、突板1の表面11に積層され、木目加飾成形品100の意匠面101を保護するためのものである。本実施形態では、透過層3は、ポリエステル塗料を突板1に塗装することにより形成され、光を透過する。透過層3は、透明であることが好ましい。透過層3は、突板1の表面11に下塗り層、着色層、厚塗り層を重ねて塗装することにより形成される。
<接着層>
接着層4は、強化層2に積層され、強化層2に後述するバッキング層5を接着させるためのものである。本実施形態では、接着層4は、水性ビニルウレタン系の接着剤により形成される。
<バッキング層>
バッキング層5は、上述した接着層4によって接着されることで強化層2に積層され、強化層2が破れたり、縮んだりして変形しないように、強化層2を補強するためのものである。また、バッキング層5は、当該バッキング層5に積層される後述する基材6をインサート成形により接合し、一体化する際のアンカリング層としても機能する。本実施形態では、バッキング層5は、天然繊維を用いた織布により形成される。バッキング層5は、約0.05mm以上、約2.0mm以下の範囲内の厚さを有する。本実施形態の木目加飾成形品100には、約0.2mmの厚さを有するバッキング層5が用いられる。
<基材>
基材6は、バッキング層5に積層され、木目加飾成形品100に強度及び剛性を付与するためのものである。具体的には、基材6は、インサート成形によって、シート部材110と一体化される。本実施形態では、基材6は、インサート成形に適しており、かつ、強度、耐熱性や寸法安定性に優れた樹脂材料、例えばポリカーボネートによって形成され、光を透過する。基材6は、透明又は半透明(例えば、乳白色)である。本実施形態では、基材6は、約1.9mmの厚さを有する。
<トップコート層>
トップコート層7は、透過層3に積層され、木目加飾成形品100の意匠面101の見栄えを向上させるためのものである。トップコート層7は、鏡面仕上げ又はつや消し仕上げが可能な塗料により形成され、光を透過する。トップコート層7は、透明であることが好ましい。
<貫通部>
貫通部10は、シート部材110におけるバッキング層5、接着層4、強化層2及び突板1を貫通する貫通孔である。貫通部10は、突板1の表面11側の開口が透過層3によって覆われている。貫通部10内には、貫通部10における突板1の裏面12側の開口から基材6が充填されている。貫通部10内における基材6の透過層3と当接する面は、突板1の表面11と面一となる。換言すると、貫通部10には、透過層3は充填されておらず、基材6のみが充填されている。つまり、貫通部10内には、透過層3が入り込んでいない。これにより、貫通部10上における透過層3の平らな下面と、貫通部10内における基材6の平らな上面とは、貫通部10における突板1の表面11側の開口において当接する。上述したように、貫通部10は、木目加飾成形品100において表示する文字や模様等を形成する。本実施形態では、貫通部10は、シート部材110にレーザ光を照射し、バッキング層5、接着層4、強化層2及び突板1を一部除去することにより形成される。本実施形態では、レーザ光の照射には、波長が10.6μmのCO2レーザが用いられる。なお、レーザの種類及びレーザ波長は、上述した条件に限定されるものではなく、様々な種類のレーザを任意の波長で用いることが可能である。
[2.木目加飾成形品の製造方法]
次に、木目加飾成形品100の製造方法を図2、図3A~図3Fを用いて説明する。
図2に示すように、木目加飾成形品100の製造方法は、突板1の裏面12に強化層2を貼り合わせること(S1)と、突板1の表面11に透過層3を積層すること(S2)と、強化層2にバッキング層5を貼り合わせてシート部材110を形成すること(S3)と、バッキング層5側からシート部材110を加工することで当該シート部材110に貫通部10を設けること(S4)と、シート部材110におけるバッキング層5に、インサート成形により、基材6を接合すること(S5)と、シート部材110における透過層3にトップコート層7を積層すること(S6)と、を備える。
具体的には、まず、S1では、図3Aに示すように、突板1の裏面12に、図示を省略する接着材によって不織布を接着させることで、突板1の裏面12に強化層2を貼り合わせる。次に、S2では、図3Bに示すように、裏面12に強化層2が接着された状態の突板1の表面11に、ポリエステル塗料を塗装することで、突板1の表面11に透過層3を積層する。次に、S3では、図3Cに示すように、強化層2に接着層4を接着させた後、天然繊維の織布を接着層4に接着させることで、強化層2にバッキング層5を貼り合わせる。このように、S1~S3の工程を得て、シート部材110が形成される。
次に、S4では、図3Dに示すように、バッキング層5側からレーザ光を照射し、シート部材110における透過層3を残して、シート部材110のバッキング層5、接着層4、強化層2及び突板1を一部除去することで、シート部材110に貫通部10を設ける。このようにシート部材110に貫通部10を設けることによって、木目加飾成形品100において表示される文字や模様等が形成される。
次に、S5では、図3Eに示すように、シート部材110におけるバッキング層5に、インサート成形により、基材6を接合する。このとき、貫通部10内には、基材6が充填される。具体的には、図示しない金型内にシート部材110をセットし、シート部材110のバッキング層5側に、溶融した樹脂材料を射出することにより、シート部材110と基材6とを一体化するとともに、全体を所定の形状に成形する。
最後に、S6では、図3Fに示すように、シート部材110における透過層3に、鏡面仕上げ又はつや消し仕上げが可能な塗料を塗装することで、透過層3にトップコート層7を積層させて、木目加飾成形品100の製造を完了する。
[3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(3a)本実施形態では、貫通部10における突板1の表面11側の開口を覆うように、突板1の表面11に透過層3が設けられている。また、貫通部10における突板1の裏面12側の開口から、貫通部10内に基材6が充填されている。このため、貫通部10の付近で透過層3に段差が生じたり、突板1の表面11における貫通部10の付近に基材6がにじみ出たりするのを抑制できる。これにより、貫通部10によって形成される文字や模様部分の段差による見にくさや、貫通部10の縁が見切れて文字や模様部分がぼやけることを生じにくくすることができる。したがって、木目加飾成形品100において、貫通部10によって形成される文字や模様等を認識しやすくすることができる。
(3b)本実施形態では、木目加飾成形品100が貫通部10を備え、トップコート層7、透過層3及び基材6が光を透過するように構成されている。このため、木目加飾成形品100の基材6側に光源200が配置される場合、光源200によって光を照射して、貫通部10に光を透過させることによって、文字や模様等を光らせて木目加飾成形品100の意匠面101に表示させることができる。更に、貫通部10が光を透過しない突板1等を貫通しているため、周囲が明るい環境下においては、基材6側から光源200によって光を照射しなくても、木目加飾成形品100の意匠面101において文字や模様等を認識することができる。すなわち、木目加飾成形品100において、周囲の明るさに左右されずに文字や模様等を認識しやすくすることができる。また、貫通部10が突板1を貫通している。このため、貫通部が突板を貫通しない構成において文字等を光らせて表示させる場合と比較して、木目加飾成形品100において、突板の木材の種類に左右されずに文字や模様等を認識しやすくすることができる。
(3c)本実施形態では、シート部材110におけるバッキング層5側から当該シート部材110を加工することにより、透過層3を残した状態で貫通部10が設けられた後、シート部材110に、基材6がインサート成形によって接合される。これにより、透過層3を残した状態で貫通部10が形成される。このため、例えば、文字のAのように周囲が全て貫通部10に囲われるような部分を有する意匠や、細かな表現が必要な意匠を、容易に形成することができる。
また、透過層3を残した状態でインサート成形により基材6が貫通部10内に充填される。これにより、突板1の表面11における貫通部10の付近に基材6がにじみ出たりするのを抑制できるため、貫通部10の縁が見切れて文字や模様部分がぼやけることを生じにくくすることができる。その結果、貫通部10によって形成される文字や模様部分の際まで杢を表現することが可能である。また、透過層3の厚みが薄い場合でも、貫通部10の付近で透過層3に段差が生じることを抑制することができるため、意匠面101のフラットな状態が得られやすい。例えば、突板等に貫通部が設けられてから透過層が積層される場合は、意匠面をフラットな状態とするために、貫通部の付近に生じやすい段差がなくなるまで塗装する必要がある。一方、本実施形態の構成では、貫通部10の付近で透過層3に段差が生じることを抑制することができるため、貫通部10の付近に生じやすい段差がなくなるまで塗装する必要が生じない。
(3d)本実施形態では、木材を薄くスライスすることにより形成される突板1が、強化層2によって補強される。このため、基材6と一体化する前の突板1の破損等を抑制することができる。また、突板1が木材であるために本来的に有する異方性による影響が低減される結果、木目加飾成形品100の反りや捻れを抑制することができる。
(3e)本実施形態では、強化層2がバッキング層5によって拘束されるため、強化層2が積層された状態の突板1の変形が抑えられる。このため、突板1に強化層2及びバッキング層5が積層されるシート部材110の基材6と一体化する前の収縮等が生じにくくなり、形状や寸法が変化することを抑制することができる。また、シート部材110には、基材6が積層される側の面にバッキング層5が積層されているため、接着剤を介さなくても、基材6とバッキング層5とを直接一体化させることが可能である。更にバッキング層5が天然繊維により形成されているため、基材6をシート部材110にインサート成形により一体化するときに、バッキング層5の表面の微細な凹凸に溶融した樹脂材料が入り込む。その結果、シート部材110と基材6との間に大きなアンカリング効果が確保されるため、シート部材110と基材6とを互いに強固に一体化させることができる。したがって、シート部材110の基材6からの剥がれや浮きを抑制することができる。
(3f)本実施形態では、突板1の表面11に透過層3及びトップコート層7が積層される。このため、意匠面101の平滑性が増すことで、より美しい仕上がりの木目加飾成形品100が得られるとともに、意匠面101が保護されることで、木目加飾成形品100の耐久性を高めることができる。
(3g)本実施形態では、透過層3及びトップコート層7が塗装により形成される。このため、天然木から形成されることから突板1の表面が複雑な形状をしている場合でも、透過層3を塗装として、突板1の導管等による表面の隙間を埋めることによって、貫通部10によって形成される文字や模様等をより際立たせることができる。また、透過層3やトップコート層7を積層する過程では、塗工、研削、塗工という流れの作業が繰り返されるため、インサート成型による木目加飾成形品100に生じ得るヒケや突板1の導管の凹凸感をフラットにすることができる。
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(4a)上記実施形態では、木目加飾成形品100が自動車の内装部品に用いられることを例示したが、木目加飾成形品100の用途はこれに限定されるものではない。例えば、木目加飾成形品は、例えば、家具、家電製品等に用いられてもよい。また、例えば、木目加飾成形品は、貫通部にセンサを埋め込むことによって、貫通部に触れることでセンサが反応し、貫通部がスイッチとなるような用途として用いられてもよい。また、例えば、木目加飾成形品の基材側に光源が配置される場合、光源の色を変えることによって、貫通部によって形成される文字や模様等において、多彩な表現を実現することも可能である。
(4b)上記実施形態では、上方から順にトップコート層7、透過層3、突板1、強化層2、接着層4、バッキング層5、基材6が積層した木目加飾成形品100を例示したが、木目加飾成形品の構成はこれに限定されるものではない。例えば、木目加飾成形品は、少なくとも、透過層3、突板1及び基材6を備える構成であってもよい。つまり、木目加飾成形品は、トップコート層7、強化層2、接着層4、バッキング層5の少なくとも1つ又は全てを有しない構成であってもよい。
(4c)上記実施形態では、突板1が無垢の基材により形成されていたが、突板には、例えば、漂白処理や染色処理が施されていてもよい。突板に漂白処理を施すことにより、その色が薄められることで、色むらの少ない突板を得ることができる。また、突板に染色処理を施すことにより、突板に色付けをし、その色調を所望の色調に容易に調整することができる。更に、突板に漂白処理及び染色処理を併せて行った場合には、色むらが少なく、かつ、所望の色調の突板を容易に得ることができる。
(4d)上記実施形態では、強化層2が不織布により形成されていたが、強化層は、例えば、普通紙、和紙、化学繊維などにより形成されていてもよい。
(4e)上記実施形態では、透過層3がポリエステル塗料を突板1に塗装することにより形成されていたが、透過層は、例えば、アクリル塗料により形成されていてもよい。また、透過層は、塗工により形成されるものに限定されるものではなく、例えば、エポキシ系、オレフィン系の接着剤やUV硬化型の接着剤などを用いて、ポリカーボネート樹脂板、アクリル樹脂板等の板材を突板1に接着させることにより形成されてもよい。
(4f)上記実施形態では、接着層4が水性ビニルウレタン系の接着剤により形成されていたが、接着層は、例えば、エポキシ系、オレフィン系の接着剤により形成されてもよい。
(4g)上記実施形態では、バッキング層5が天然繊維を用いた織布により形成されていたが、バッキング層は、例えば、普通紙、和紙、化学繊維、突板等の木質材などにより形成されてもよい。また、バッキング層には、例えば、遮光性のある素材が用いられてもよい。このように遮光性を有する素材によりバッキング層が形成される場合、光が透過する貫通部10以外部分において光が透過されにくくなるため、貫通部10により形成される文字等をより際立たせることが可能である。
(4h)上記実施形態では、基材6がポリカーボネート樹脂によって形成されていたが、基材は、例えば、ABS樹脂、PP樹脂により形成されてもよい。
(4i)上記実施形態では、木目加飾成形品100の再表面に塗料により形成されるトップコート層7が設けられていたが、木目加飾成形品は、トップコート層7を有しない構成であってもよい。また、その場合、透過層3に磨きをかけることで木目加飾成形品の意匠面の見栄えを向上させてもよい。
(4j)上記実施形態では、貫通部10がレーザ光の照射により形成されていたが、貫通部は、例えば、シート部材110のバッキング層5、接着層4、強化層2及び突板1を刃物等によって除去することにより形成されてもよい。
(4k)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
1…突板、2…強化層、3…透過層、4…接着層、5…バッキング層、6…基材、7…トップコート層、10…貫通部、11…表面、12…裏面、100…木目加飾成形品、101…意匠面、102…非意匠面、110…シート部材、200…光源。

Claims (5)

  1. 木目加飾成形品であって、
    表面及び裏面を有する突板と、
    前記表面に積層され、光を透過する透過層と、
    前記突板を貫通するように設けられ、前記透過層に覆われる貫通部と、
    前記貫通部内に充填されるように前記裏面に積層され、光を透過する基材と、
    を備え、
    前記貫通部内における前記基材の前記透過層と当接する面は、前記表面と面一となる、木目加飾成形品。
  2. 請求項1に記載の木目加飾成形品であって、
    前記突板と前記基材との間に積層され、前記突板を補強するための強化層を更に備え、
    前記貫通部は、前記強化層を更に貫通するように設けられる、木目加飾成形品。
  3. 請求項2に記載の木目加飾成形品であって、
    前記強化層と前記基材との間に積層され、前記強化層を補強するためのバッキング層を更に備え、
    前記貫通部は、前記バッキング層を更に貫通するように設けられる、木目加飾成形品。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の木目加飾成形品であって、
    前記透過層は、塗装により形成される、木目加飾成形品。
  5. 表面及び裏面を有する突板と、光を透過する透過層と、強化層と、バッキング層と、光を透過する基材と、を備える木目加飾成形品の製造方法であって、
    前記裏面に前記強化層が接着された状態の前記突板の前記表面に、前記透過層を積層することと、
    前記強化層に、前記バッキング層を積層させてシート部材を形成することと、
    前記バッキング層側から前記シート部材を加工することで、前記バッキング層、前記強化層及び前記突板を貫通し、前記透過層に覆われる貫通部を前記シート部材に設けることと、
    前記シート部材における前記バッキング層に、インサート成形により、前記基材が前記貫通部内に充填されるように前記基材を積層することと、
    を備える、木目加飾成形品の製造方法。
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