JP2024024284A - 金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの製造方法 - Google Patents

金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本開示は、容量低下を抑制できる金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサを得ることができる製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面の局部に金属蒸着防止液を塗布し、金属蒸着させない部分を設けた前記フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面に金属を蒸着させて金属化フッ素樹脂フィルムを得る工程(1)、及び/又は、フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面に金属を蒸着させて得られた金属化フッ素樹脂フィルムに防湿液を塗布する工程(2)を含む金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの製造方法であって、前記金属蒸着防止液及び前記防湿液は、含有水分量が100ppm以下であることを特徴とする金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの製造方法。【選択図】 なし

Description

本開示は、金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの製造方法に関する。
特許文献1には、少なくとも片面の局部に金属蒸着防止液を塗布して金属蒸着させない部分を設けたポリプロピレンフィルムの両面に金属蒸着させた金属化ポリプロピレンフィルムを具備している金属化ポリプロピレンフィルムコンデンサの製造方法であって、前記金属蒸着防止液には、表面張力の単位mN/mで前記ポリプロピレンフィルムの表面張力よりも20~15mN/m小さい表面張力をもった金属蒸着防止液を用いることを特徴とする金属化フィルムコンデンサの製造方法が記載されている。
特許文献2には、金属化誘電体からなるコンデンサ素子を有するコンデンサにおいて、誘電体に金属層を積層するとともに、この金属層をフッ素系の物質からなる厚さが1オングストロームより厚い保護層により被覆した金属化誘電体を有することを特徴とするコンデンサが記載されている。
特許文献3には、フッ素樹脂を含むフッ素樹脂フィルムであって、少なくとも一方の表面の10点平均粗さが0.100~1.200μm、かつ、算術平均粗さが0.010~0.050μmであり、絶縁破壊強さが400V/μm以上であることを特徴とするフッ素樹脂フィルムが記載されている。
特許文献4には、周波数1kHz、160℃での誘電正接が0.02%以下であり、160℃での絶縁破壊強さが400V/μm以上であることを特徴とするフィルムが記載されている。
特許文献5には、コンデンサ素子を樹脂ケースに収納して樹脂封止した金属化フィルムコンデンサにおいて、前記樹脂ケースの内側面に対向する位置に舌片を有し、この舌片を前記樹脂ケースの開口端側の方に引出すとともにスプリング作用を維持して前記内側面に接触する端子を前記コンデンサ素子に接続することを特徴とする金属化フィルムコンデンサが記載されている。
特許文献6には、別々の誘電体フィルムまたは同じ誘電体フィルムの表裏両面の片側端部に設けられたマージン部を除いて金属蒸着した金属化フィルムを、それぞれのマージン部が反対側に位置するように重ねて積層または巻回した巻回体と、前記巻回体の両端面に設けた取り出し電極とを有し、前記巻回体の両端面に複数の溝が形成されていることを特徴とする金属化フィルムコンデンサが記載されている。
特許文献7には、一側辺に沿ってマージン部が残されるように、誘電体フィルムの表面に金属材料より成る電極膜を蒸着して成る複数の金属化フィルムを、上記複数の金属化フィルム同士のマージン部が反対側に配されるように積層し、又は積層巻回してコンデンサ素子を形成し、また、該コンデンサ素子の両端面に金属材料を溶射して外部電極を形成すると共に、該外部電極にリード端子を接続し、さらに、上記コンデンサ素子内部の金属化フィルム間に絶縁剤を含浸させて成る金属化フィルムコンデンサの製造方法であって、先ず、積層又は積層巻回された複数の金属化フィルムを絶縁剤中に浸漬させることにより、絶縁剤を金属化フィルム間へ含浸させ、次に、所定温度で気化する性質を備えた洗浄剤を用いてコンデンサ素子を洗浄し、以て、コンデンサ素子の両端面に付着した絶縁剤を除去し、その後、上記洗浄剤を気化させた後、コンデンサ素子の両端面に、金属材料を溶射して外部電極を形成し、さらに、該外部電極にリード端子を接続することを特徴とする金属化フィルムコンデンサの製造方法が記載されている。
特許文献8には、第1面、及び、前記第1面と反対側の第2面を有する、硬化性樹脂を含む誘電体樹脂フィルムと、前記誘電体樹脂フィルムの前記第1面上に形成された第1金属層と、前記誘電体樹脂フィルムの前記第2面に対向する第2金属層と、を備えるフィルムコンデンサであって、前記誘電体樹脂フィルムの少なくとも前記第2面にシリコーン樹脂が含まれていることを特徴とするフィルムコンデンサが記載されている。
特許文献9には、誘電体フィルムの片面または両面に金属蒸着電極を形成した金属化フィルムを一対の金属蒸着電極が誘電体フィルムを介して対向するように積層、または巻回したコンデンサ素子の両端面に電極引出部を設け、その金属蒸着電極の抵抗値は電極引出部に接する部分の値が他の部分と比較して低くなるように構成し、前記一対の少なくとも一方の金属蒸着電極はフィルムの長手方向と幅方向に亘って微小ブロックを複数個形成し、各微小ブロック隣接間にヒューズ部を設けた分割電極パターンを構成とするとともに、かつフィルム長手方向に一定間隔で分割電極パターンを区切る電極区切り部を設けた金属化フィルムコンデンサが記載されている。
特許文献10には、誘電体フィルムの片面に第1の金属蒸着電極を形成した第1の金属化フィルムと、誘電体フィルムの片面に第2の金属蒸着電極を形成した第2の金属化フィルムを一対とし、これら第1の金属化フィルムと第2の金属化フィルムとを重ね合わせて巻回または積層した金属化フィルムコンデンサであって、前記第1の金属蒸着電極ならびに前記第2の金属蒸着電極はともに、前記誘電体フィルムの幅方向略中央部において前記誘電体フィルムの長手方向に伸びるように設けられたセンターマージンにて複数の分割電極にて構成された分割電極部と1つの電極で構成された大電極部に分離され、これら前記第1の金属蒸着電極のセンターマージンと前記第2の金属蒸着電極のセンターマージンとは少なくとも一部が重なり合ったことを特徴とする金属化フィルムコンデンサが記載されている。
特許文献11には、誘電体フィルムと、前記誘電体フィルムの一方の面側に配置され、前記誘電体フィルムの長手方向に延びるマージンにより前記誘電体フィルムの幅方向に分離された第1の金属蒸着電極と、前記誘電体フィルムの他方の面側に配置された第2の金属蒸着電極と、を備え、
これら前記第1の金属蒸着電極と前記第2の金属蒸着電極とが前記誘電体フィルムを介して対向することで、前記誘電体フィルムの幅方向に直列接続した複数の単位コンデンサが形成された金属化フィルムコンデンサであり、
前記第1の金属蒸着電極は、前記誘電体フィルムの長手方向に延びるように設けられた第1のスリットにて複数の電極部に分割され、
前記第1のスリットにて分割された複数の電極部どうしは、前記第1のスリットに設けられた第1のヒューズにて電気的に接続され、
前記第2の金属蒸着電極は、前記誘電体フィルムの長手方向に延びるように設けられた第2のスリットにて複数の電極部に分割され、
前記第2のスリットにて分割された複数の電極部どうしは、前記第2のスリットに設けられた第2のヒューズにて電気的に接続され、
前記第1のスリットの一部と前記第2のスリットの一部が少なくとも重なり合う状態で、前記誘電体フィルムを介して前記第1の金属蒸着電極と前記第2の金属蒸着電極が対向配置された金属化フィルムコンデンサ。
が記載されている。
特許文献12には、誘電体フィルムと、前記誘電体フィルムの表面に設けられた第1の金属膜電極と、前記誘電体フィルムを介して前記第1の金属膜電極に対向する第2の金属膜電極と、を有するコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子に設けられて前記第1の金属膜電極に接続された第1の外部電極と、前記コンデンサ素子に設けられて前記第2の金属膜電極に接続された第2の外部電極と、を備え、前記第1の金属膜電極は、第1のスリットにより互いに分離された第1の大電極部と第2の大電極部と、前記第1のスリットに設けられて前記第1の大電極部と前記第2の大電極部とに接続された第1のヒューズと、を有し、前記第1の金属膜電極は、実質的にアルミニウムのみを含有するアルミニウム部と、亜鉛を主に含有してアルミニウムをさらに含有するアルミニウム核亜鉛部とを有し、前記アルミニウム核亜鉛部は少なくとも前記第1のヒューズの周辺に配置されている、金属化フィルムコンデンサが記載されている。
特開2004-095606号公報 特開平11-186090号公報 国際公開第2018/142933号 国際公開第2019/093175号 特開2002-329637号公報 特開2010-245153号公報 特開2003-059751号公報 国際公開第2018/142922号 特開平10-144563号公報 特開2014-011219号公報 特開2015-106608号公報 国際公開第2016/181646号
本開示は、容量低下を抑制できる金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサを得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
本開示は、フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面の局部に金属蒸着防止液を塗布し、金属蒸着させない部分を設けた上記フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面に金属を蒸着させて金属化フッ素樹脂フィルムを得る工程(1)、及び/又は、フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面に金属を蒸着させて得られた金属化フッ素樹脂フィルムに防湿液を塗布する工程(2)を含む金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの製造方法であって、上記金属蒸着防止液及び上記防湿液は、含有水分量が100ppm以下であることを特徴とする金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの製造方法に関する。
上記金属蒸着防止液及び/又は上記防湿液は、シリコン系オイル又はフッ素系オイルであることが好ましい。
上記フッ素樹脂フィルムは、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン共重合体、及び、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種のフッ素樹脂を含むことが好ましい。
本開示の製造方法は、上記構成を有することにより、容量低下を抑制できる金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサを得ることができる。
本開示は、フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面の局部に金属蒸着防止液を塗布し、金属蒸着させない部分を設けた上記フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面に金属を蒸着させて金属化フッ素樹脂フィルムを得る工程(1)、及び/又は、フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面に金属を蒸着させて得られた金属化フッ素樹脂フィルムに防湿液を塗布する工程(2)を含む金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの製造方法であって、上記金属蒸着防止液及び上記防湿液は、含有水分量が100ppm以下であることを特徴とする金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの製造方法に関する。
本開示の製造方法は、上記特徴を有することにより、容量低下を抑制できる金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサを得ることができる。
工程(1)及び/又は工程(2)で用いる上記フッ素樹脂フィルムとしては、テトラフルオロエチレン〔TFE〕/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕共重合体〔PFA〕、TFE/ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕共重合体〔FEP〕、ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕、TFE/HFP/VdF共重合体〔THV〕、VdF/TFE共重合体〔VT〕、Et/TFE/HFP共重合体〔EFEP〕、ポリクロロトリフルオロエチレン〔PCTFE〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕/TFE共重合体、Et/CTFE共重合体、ポリフッ化ビニル〔PVF〕、ポリフッ化ビニリデン〔PVdF〕、エチレン〔Et〕/TFE共重合体〔ETFE〕等を含むものが挙げられる。PFA、FEP、PTFE、THV、VT、EFEP、PCTFE、CTFE/TFE共重合体、Et/CTFE共重合体、PVF、PVdF、ETFEは、従来公知のものを使用できる。
さらに、フッ素樹脂は、更に、エチレン性不飽和単量体(但し、テトラフルオロエチレン及びフッ化ビニリデンを除く。)に基づく重合単位を含んでもよい。
上記フッ素樹脂フィルムとしては、PFA、FEP、PTFE、PVdF、VT、及び、ETFEからなる群より選択される少なくとも1種のフッ素樹脂を含むことが好ましく、PFA、FEP、PVdF、VT、及び、ETFEからなる群より選択される少なくとも1種のフッ素樹脂を含むことがより好ましい。
上記フッ素樹脂フィルムは、低い静摩擦係数を有することによって優れた巻き取り性を有し、更に、絶縁破壊強さに優れることから、フィルムコンデンサのフィルムとして特に好適に使用できる。
上記工程(1)は、上記フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面の局部に金属蒸着防止液を塗布し、金属蒸着させない部分を設けた上記フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面に金属を蒸着させて金属化フッ素樹脂フィルムを得る工程である。当該工程(1)により、フィルムコンデンサを構成する電極層としての金属蒸着膜を上記フッ素樹脂フィルム上に設けることができる。当該工程(1)において、上記フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面の局部に金属蒸着防止液を塗布することにより、金属蒸着させない部分(マージン)が形成された金属化フッ素樹脂フィルムを得ることができる。当該工程(1)は、上記フッ素樹脂フィルムの金属蒸着防止液を塗布した側の面に金属を蒸着させる工程である。
上記金属蒸着防止液は、含有水分量が100質量ppm以下である。これにより、上記金属蒸着液に含まれる水分による金属蒸着膜の劣化を抑制することができ、コンデンサの容量低下を抑制することができる。
上記含有水分量は、90質量ppm以下であることが好ましく、80質量ppm以下であることがより好ましく、70質量ppm以下であることが更に好ましく、60質量ppm以下であることが更により好ましく、50質量ppm以下であることが特に好ましい。
上記含有水分量は、以下の方法により測定する。
金属蒸着防止液を150℃で2時間加熱した前後の質量を測定し、以下の式に従って算出する。試料を3回取り、それぞれ算出した後、平均を求め、当該平均値を採用する。
水分含有量(質量%)=[(加熱前の金属蒸着防止液の質量(g))-(加熱後の金属蒸着防止液の質量(g))]/(加熱前の金属蒸着防止液の質量(g))×100
上記金属蒸着防止液は、防湿性向上の為に、シリコン系オイル又はフッ素系オイルであることが好ましい。
上記シリコン系オイル及び上記フッ素系オイルとしては、従来公知のものを使用でき、例えば、特開2018-157055号公報に記載のものを使用できる。
上記工程(1)における塗布は、公知の方法により行うことができる。
上記工程(1)及び/又は(2)において蒸着される金属は、特に限定されないが、一般的に、アルミニウム、亜鉛、金、白金、銅などの導電性金属が挙げられる。上記工程(1)及び/又は(2)のように、上記フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面に金属を蒸着させて金属化フッ素樹脂フィルムを得る蒸着金属被覆では、電極層を薄くでき、その結果、体積に対して容量を大きくでき、誘電体との密着性に優れ、また、厚さのバラつきが小さくできる。蒸着金属被膜は、一層のものに限らず、たとえば耐湿性を持たせるためにアルミニウム層にさらに半導体の酸化アルミニウム層を形成して電極層とする方法(たとえば特開平2-250306号公報など)など、必要に応じて多層にしてもよい。蒸着金属膜抵抗も特に限定されないが、好ましくは0.1~100Ω/□、より好ましくは1~20Ω/□の範囲とする。蒸着金属膜抵抗がこの範囲である時に、コンデンサの容量や強度がバランスされ好適である。
電極層として蒸着金属被膜を用いる場合、被膜の形成方法は特に限定されず、たとえば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを採用することができる。通常は、真空蒸着法が用いられる。
真空蒸着法としては、たとえば成形品のバッチ方式と、長尺品で使用される半連続(セミコンテニアス)方式と連続(air to air)方式などがあり、現在は、半連続方式が主力として行われている。半連続方式の金属蒸着法は、真空系の中で金属蒸着、巻き取りした後、真空系を大気系に戻し、蒸着されたフィルムを取り出す方法である。
半連続方式については、具体的には、たとえば特許第3664342号明細書の図1を参照して記載されている方法で行うことができる。
上記フッ素樹脂フィルム上に金属薄膜層を形成する場合、あらかじめフッ素樹脂フィルム表面に、コロナ処理、プラズマ処理など、接着性向上のための処理を施しておくこともできる。
蒸着フィルムの絶縁性を確保するための未蒸着部分(マージン)幅については0.5~10mm程度が望ましい。
また、蒸着フィルムはヘビーエッジの有無を問わない。へビーエッジとは、細断後の金属蒸着膜の幅方向端面の電極形成部付近において金属膜厚が、他に比べて厚い部分を示す。ヘビーエッジ形成方法としては蒸着源上方にスリット板を設け、ヘビーエッジを形成する箇所のスリットを長手方向に長くする方法や、蒸着ステージを多数設け、所定の箇所を厚くする方法があるが、いずれの方法を用いても良い。その際の蒸着膜抵抗についてはアクティブ部2~100Ω/□、ヘビーエッジ部1~10Ω/□程度が望ましい。アクティブ部の蒸着金属をアルミ、ヘビーエッジ部の蒸着金属を亜鉛等、異なる金属を用いてもよいし同一の金属を用いても良い。
また、特開平08-111342号公報に記載の珪素、チタン及びジルコニウム酸化物の1種を亜鉛核付け層もしくは蒸着層上に保護膜形成してもよい。
蒸着については、フィルム欠陥による破壊からデバイスを保護し、信頼性を向上させる目的としてヒューズパターンを組み込んだものでも良い。また、そのヒューズパターン構成によっては破壊による静電容量低下を極小化することが可能となる。
ヒューズパターンについては、Tパターンや特許第3454043号等に記載のダイヤモンドパターン、特許第6040592号、特許第6330139号、特許第6748851号等に記載のセグメントパターンを形成しても良い。
上記工程(2)は、フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面に金属を蒸着させて得られた金属化フッ素樹脂フィルムに防湿液を塗布する工程である。当該工程(2)により、金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサ用フィルムの防湿性を向上させることができる。
上記防湿液は、含有水分量が100質量ppm以下である。これにより、上記防湿液に含まれる水分による金属蒸着膜の劣化を抑制することができ、コンデンサの容量低下を抑制することができる。
上記含有水分量は、90質量ppm以下であることが好ましく、80質量ppm以下であることがより好ましく、70質量ppm以下であることが更に好ましく、60質量ppm以下であることが更により好ましく、50質量ppm以下であることが特に好ましい。
上記含有水分量は、以下の方法により測定する。
防湿液を150℃で2時間加熱した前後の質量を測定し、以下の式に従って算出する。試料を3回取り、それぞれ算出した後、平均を求め、当該平均値を採用する。
含有水分量(質量%)=[(加熱前の防湿液の質量(g))-(加熱後の防湿液の質量(g))]/(加熱前の防湿液の質量(g))×100
上記防湿液は、防湿性向上の為に、シリコン系オイル又はフッ素系オイルであることが好ましい。
上記シリコン系オイル及び上記フッ素系オイルとしては、従来公知のものを使用でき、例えば、特開2018-157055号公報に記載のものを使用できる。
上記工程(2)における塗布は、公知の方法により行うことができる。
本開示の製造方法は、上記工程(1)及び/又は上記工程(2)を含んでいればよく、(i)上記工程(1)及び上記工程(2)を含むものであってもよいし、(ii)上記工程(1)を含み、上記工程(2)を含まないものであってもよいし、(iii)上記工程(1)を含まず、上記工程(2)を含むものであってもよい。
(i)の態様では、工程(1)の金属蒸着防止液、及び、工程(2)の防湿液の含有水分量がいずれも上述した範囲内にあることが必要である。
(ii)の態様では、工程(1)の金属蒸着防止液の含有水分量が上述した範囲内にあることが必要であり、(iii)では、工程(2)の防湿液の含有水分量が上述した範囲内にあることが必要である。
本開示の製造方法は、上記工程(1)及び/又は(2)で得られた上記金属化フッ素樹脂フィルムを細断する工程(3)を含んでいてもよい。上記工程(3)において、上記金属化フッ素樹脂フィルムを細断する幅は、所定の幅であればよく、一般的には20mm幅~150mm幅程度である。上記工程(3)において、細断された金属化フッ素樹脂フィルムは、リール状に巻き取られてもよい。上記工程(3)において、細断方法はリール状に整えられるものであれば特に限定されないが、上記金属化フッ素樹脂フィルムを長手方向に連続的に所定幅に切断するスリッターを用いることが、フィルム幅の均一性、端面形状から望ましい。また、フィルム幅はフィルムの長手軸方向のカット端面形状は上面(金属蒸着面側から基材面を透かす、或いはその逆の方向)から見て直線である必要はなく、一定周期で、連続的な波形であっても構わない。回転刃、カミソリ刃での中空切りや上刃、下刃で挟んで切断するシャースリットが一般的には用いられる。
上記工程(1)、工程(2)、又は、工程(3)により、上記フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面に、電極層としての金属蒸着膜を備える金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサ用フィルムが得られる。当該金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサ用フィルムも本開示の1つである。
本開示の製造方法は、上記工程(3)で得られた細断された金属化フッ素樹脂フィルムから金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサを形成する工程(4)を含んでいてもよい。上記工程(4)は、上記細断された金属化フッ素樹脂フィルムを巻回して素子を形成する工程(4-1)、上記素子を加工してメタリコン電極を形成する工程(4-2)、並びに、上記メタリコン電極に、端子付けし、封止して、金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサを形成する工程(4-3)を含んでいてもよい。
上記工程(4-1)における巻回は、公知の方法により行うことができる。
上記工程(4-1)における巻回条件については特に限定されないが、張力1~50MPa、タッチロール圧100g(0.98N)~1000g(9.8N)(※10~50mm幅の場合)、巻取回転数100~4000rpmで巻き取られる。
上記工程(4-1)において、上記細断された金属化フッ素樹脂フィルムは2枚以上重ねて巻回してもよい。2枚以上重ねて巻回する場合には、上記細断された金属化フッ素樹脂フィルムそれぞれをずらすことが好ましい。上記ズラシ幅としては、0.1~5mmが好ましい。
上記工程(4-2)において、上記工程(4-1)で得られた素子は丸型、もしくは扁平型の金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサに加工される。扁平型の場合は1~50N/cm、常温~150℃でプレス処理を行うことができる。上記プレス処理は、公知の方法により行うことができ、例えば、特許第3768417号、特許等6965897号等に記載の方法により行うことができる。
上記工程(4-1)で得られた素子の両端面に亜鉛(Zn)、アルミ、錫等の金属を溶融噴射することでメタリコン電極を形成することができる。上記溶融噴射は、公知の方法により行うことができる。
上記工程(4-3)における端子付けは、上記メタリコン電極に、リード線もしくは端子をはんだ付けや溶接して行うことができる。また、上記封止は、樹脂ケースもしくは金属ケースに挿入し、下記に示す固定方法により実施することができる。
固定方法は、特に限定されず、たとえば樹脂で封止したり絶縁ケースなどに封入したりすることにより、固定と構造の保護とを同時に行えばよい。リード線の接続方法も限定されず、溶接、超音波圧接、熱圧接、粘着テープによる固定などが例示される。巻き込む前から電極にリード線を接続しておいてもよい。絶縁ケースに封入する場合など、必要に応じて、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で開口部などを封止して酸化劣化などを防止してもよい。封止時にはシリカゲルやゼオライト等の吸湿材を入れてもよい。
フッ素樹脂は一般的に高耐熱であるため、フロー方式、リフロー方式いずれの方式でも基板実装が可能である。
本開示の製造方法は、素子性能安定化の為に、上記工程(4-1)で得られた上記素子、又は、上記工程(4-2)で得られたメタリコン電極を加熱してエージング処理する工程(5)を含んでいてもよい。上記工程(5)における温度条件は、特に限定されないが、金属化フッ素樹脂フィルムが熱収縮する温度以上で加熱することにより、エージング金属化フッ素樹脂フィルムどうしの密着性を高めて金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサとしての性能をより安定化できる。例えば、真空オーブン炉を用いて減圧下で120℃、24時間で実施してもよい。
上記工程(5)におけるエージング処理は、公知の方法により行うことができ、例えば、特開2002-329637号公報、特開2010-245153号公報等に記載の方法により行うことができる。
本開示の製造方法は、上記工程(5)の後、電圧処理を行う工程(6)を含んでいてもよい。上記工程(6)における電圧処理において、電圧値については特に限定されないが、金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサとしての定格電圧よりも高い電圧を規定の時間印加することが望ましい。上記工程(6)は、金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの耐電圧特性検査を兼ねているものであり、この電圧処理工程で印加される電圧に耐えられない素子、又は、メタリコン電極は、当該工程(6)の後、除去される。
上記工程(6)における電圧処理は、公知の方法により行うことができ、例えば、特開2010-245153号公報等に記載の方法により行うことができる。
フィルムコンデンサの構造としては、たとえば、電極層とフィルムが交互に積層された積層型(特開昭63-181411号公報、特開平3-18113号公報など)や、テープ状のフィルムと電極層を巻き込んだ巻回型(フィルム上に電極が連続して積層されていない特開昭60-262414号公報などに開示されたものや、フィルム上に電極が連続して積層されている特開平3-286514号公報などに開示されたものなど)などがあげられる。構造が単純で、製造も比較的容易な、フィルム上に電極層が連続して積層されている巻回型フィルムコンデンサの場合は、一般的には片面に電極を積層したフィルムを電極同士が接触しないように2枚重ねて巻き込んで、必要に応じて、巻き込んだ後に、ほぐれないように固定して製造される。フィルムは片面蒸着及び両面蒸着、又は、未蒸着フィルムを組み合わせて巻回してもよい。また、上記フッ素樹脂フィルムと他材(PP、PET、PEN、PPS等)を交互に巻回する構造でもよい。
本開示の製造方法により得られる金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサは、パワー半導体の周辺部材として用いられるフィルムコンデンサに特に好適である。
パワー半導体としては、ダイオード、トランジスタ、IC(集積回路)等が挙げられる。特に、高温での使用が可能なSiC(シリコンカーバイド)半導体を用いたパワー半導体の周辺部材として用いられるフィルムコンデンサの誘電性フィルムとして特に好適である。
つぎに本開示を実施例により説明するが、本開示は下記実施例に限定されるものではない。
含有水分量
金属蒸着防止液又は防湿液を150℃で2時間加熱した前後の質量を測定し、以下の式に従って算出した。試料を3回取り、それぞれ算出した後、平均を求め、当該平均値を採用した。
含有水分量(質量%)=[(加熱前の金属蒸着防止液又は防湿液の質量(g))-(加熱後の金属蒸着防止液又は防湿液の質量(g))]/(加熱前の金属蒸着防止液又は防湿液の質量(g))×100
耐久試験後の容量維持率
実施例及び比較例で得られた金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサについて、初期静電容量(C0)を測定した。また、実施例及び比較例で得られた金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサについて、85℃、500V、1000時間後の耐久試験後の静電容量(C1)を測定した。初期静電容量(C0)に対する耐久試験後の静電容量(C1)を耐久試験後の容量維持率(C1/C0(%))として算出した。
実施例1~実施例10及び比較例1~9
表1及び2に示すフィルム材料に、マージン幅が2mmになるように、表1及び2に示す金属蒸着防止液を塗布し、得られたフッ素樹脂フィルムに金属を蒸着させて金属化フッ素樹脂フィルムを得た。得られた金属化フッ素樹脂フィルムを50mm幅に細断した。細断した金属化フッ素樹脂フィルム2枚を0.5mmずつずらして巻回して素子を形成した。得られた素子を用いてメタリコン電極を形成し、端子付け、封止して、20μFの金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサを成形した。得られた金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサについて、耐久試験後の容量維持率を評価した。結果を表1及び2に示す。
実施例11、12及び比較例10、11
表3に示すフィルム材料に、マージン幅が2mmになるように、表3に示す金属蒸着防止液を塗布し、得られたフッ素樹脂フィルムに金属を蒸着させて金属化フッ素樹脂フィルムを得た。得られた金属化フッ素樹脂フィルムに、表3に示す防湿液を塗布した。得られた金属化フッ素樹脂フィルムを50mm幅に細断した。細断した金属化フッ素樹脂フィルム2枚を0.5mmずつずらして巻回して素子を形成した。得られた素子を用いてメタリコン電極を形成し、端子付け、封止して、20μFの金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサを成形した。得られた金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサについて、耐久試験後の容量維持率を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2024024284000001
Figure 2024024284000002
Figure 2024024284000003


Claims (3)

  1. フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面の局部に金属蒸着防止液を塗布し、金属蒸着させない部分を設けた前記フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面に金属を蒸着させて金属化フッ素樹脂フィルムを得る工程(1)、及び/又は、
    フッ素樹脂フィルムの少なくとも片面に金属を蒸着させて得られた金属化フッ素樹脂フィルムに防湿液を塗布する工程(2)を含む金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの製造方法であって、
    前記金属蒸着防止液及び前記防湿液は、含有水分量が100ppm以下であることを特徴とする金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの製造方法。
  2. 前記金属蒸着防止液及び/又は前記防湿液は、シリコン系オイル又はフッ素系オイルである請求項1記載の金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの製造方法。
  3. 前記フッ素樹脂フィルムは、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン共重合体、及び、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種のフッ素樹脂を含む請求項1又は2記載の金属化フッ素樹脂フィルムコンデンサの製造方法。

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