JP2024022805A - 絶縁シート及びモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 比較的高い耐トラッキング性を有し、且つ、十分な耐熱性を有する絶縁シートを提供することを課題としている。【解決手段】 互いに対向するように配置された2つの外層と、前記2つの外層の間で互いに対向するように配置された2つの接着層と、前記2つの接着層の間に配置された基材層と、を備え、前記2つの外層は、いずれも芳香族ポリアミド紙であり、前記基材層が、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムであり、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムに含まれるオリゴマー成分の含有率が0.8質量%未満である、絶縁シートを提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、モータの構成部材である絶縁シート、及び、該絶縁シートを備えるモータに関する。
従来、基材層と、該基材層の一方の面及び他方の面にそれぞれ対向するように配置された2つの外層と、一方及び他方の外層と基材層との間にそれぞれ配置された2つの接着層とを備える絶縁シートが知られている。
この種の絶縁シートとしては、例えば、切削油剤に浸漬された状態で使用されるモータ用絶縁シートが知られている。この種のモータ用絶縁シートとしては、例えば、2つの外層及び基材層が、それぞれポリエチレンナフタレート樹脂フィルムで構成され、基材層と外層との間にそれぞれ配置された接着層によって5つの層が積層された絶縁シートが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の絶縁シートは、上記のような構成を有するため、比較的高い耐トラッキング性を有する。
特開2016-165806号公報
しかしながら、特許文献1に記載の絶縁シートは、必ずしも十分な耐熱性を有しない。そのため、比較的高い耐トラッキング性を有し、且つ、十分な耐熱性を有する絶縁シートが要望されている。
上記の問題点及び要望点等に鑑み、本発明は、比較的高い耐トラッキング性を有し、且つ、十分な耐熱性を有する絶縁シートを提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る絶縁シートは、
互いに対向するように配置された2つの外層と、前記2つの外層の間で互いに対向するように配置された2つの接着層と、前記2つの接着層の間に配置された基材層と、を備え、
前記2つの外層は、いずれも芳香族ポリアミド紙であり、
前記基材層が、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムであり、
前記ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムに含まれるオリゴマー成分の含有率が0.8質量%未満である。
本発明に係るモータは、上記の絶縁シートを備える。
本発明に係る絶縁シートは、比較的高い耐トラッキング性を有し、且つ、十分な耐熱性を有する。
図1は、本実施形態に係る絶縁シートを厚さ方向に切断した模式断面図である。 図2は、油冷式駆動モータのステータの斜視図である。
以下、本発明に係る絶縁シートの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の絶縁シート10は、図1に示すように、互いに対向するように配置された2つの外層13と、前記2つの外層13の間で互いに対向するように配置された2つの接着層12と、前記2つの接着層12の間に配置された基材層11と、を備える。
換言すると、本実施形態の絶縁シート10は、1つの基材層11と、該基材層11を厚さ方向において挟み込むように配置された2つの接着層12と、2つの接着層12を厚さ方向において挟み込むように配置された2つの外層13とを備える。
本実施形態では、基材層11と一方の接着層12とが直接接し、基材層11と他方の接着層12とが直接接している。また、基材層11の一方側において接着層12と外層13とが直接接し、他方側においても接着層12と外層13とが直接接している。
各外層13は、絶縁シート10の最外層であってもよい。
上記の絶縁シート10の厚さは、例えば、100μm以上400μm以下である。絶縁シート10の厚さは、120μm以上であってもよく、170μm以上であってもよい。また、絶縁シート10の厚さは、350μm以下であってもよく、300μm以下であってもよい。
上記の絶縁シート10の厚さは、190μm以上270μm以下であってもよい。上記の絶縁シート10の厚さは、耐トラッキング性がより高くなり得るという点で、好ましくは210μm以上であり、より好ましくは220μm以上である。
上記の基材層11の厚さは、例えば、25μm以上200μm以下であってもよい。基材層11の厚さは、好ましくは50μm以上150μm以下である。
上記の接着層12の厚さ(1層あたり)は、例えば、1μm以上80μm以下であってもよい。接着層12の厚さは、好ましくは5μm以上50μm以下であり、より好ましくは25μm以上40μm以下である。
2つの接着層12のうち、一方の接着層12の厚さと他方の接着層12の厚さとの差は小さいことが好ましい。例えば、一方の接着層12の厚さに対して、他方の接着層12の厚さは、0.9倍以上1.1倍以下であってもよい。
上記の外層13の厚さ(1層あたり)は、例えば、20μm以上100μm以下であってもよい。外層13の厚さは、好ましくは30μm以上70μm以下であり、より好ましくは35μm以上55μm以下である。
2つの外層13のうち、一方の外層13の厚さと他方の外層13の厚さとの差は小さいことが好ましい。例えば、一方の外層13の厚さに対して、他方の外層13の厚さは、0.9倍以上1.1倍以下であってもよい。
なお、上記の各層の厚さは、平均厚さを指す。各層の厚さは、ランダムに選んだ少なくとも5ケ所の厚さを平均することによって求められる。以下、同様である。
各層の厚さは、例えば、絶縁シート10の側面又は断面をデジタルマイクロスコープで観察することによって測定できる。
絶縁シート10の総厚さに対する基材層11の厚さの比は、0.20以上であってもよく、0.30以上であることが好ましい。なお、斯かる厚さの比は、0.50以下であってもよい。
絶縁シート10の総厚さに対する接着層12の合計厚さ(2層分の厚さ)の比は、0.10以上であってもよく、0.15以上であってもよく、0.19以上であってもよく、0.20以上であってもよい。また、斯かる比は、0.40以下であってもよく、0.30以下であってもよい。
絶縁シート10の総厚さに対する外層13の合計厚さ(2層分の厚さ)の比は、0.20よりも大きいことが好ましい。なお、斯かる比は、0.50以下であってもよい。
絶縁シート10の総厚さに対する、1つの接着層12及び1つの外層13の合計厚さの比は、0.30以上であってもよい。また、斯かる比は、0.35以下であってもよい。
絶縁シート10の総厚さに対する、基材層11及び2つの外層13の合計厚さの比は、0.70以上であってもよい。また、斯かる比は、0.80未満であってもよく、0.79未満であることが好ましい。
基材層11の厚さに対する、(基材層11の片面側における)1つの接着層12及び1つの外層13の合計厚さの比は、0.50以上であってもよい。また、斯かる比は、1.50以下であってもよい。
外層13の各厚さに対する接着層12の各厚さの比は、0.20以上であってもよく、0.35以上であってもよく、0.40以上であってもよく、0.50以上であってもよい。また、斯かる比は、1.00以下であってもよく、0.80以下であってもよい。
外層13の各厚さに対する接着層12の各厚さの比は、0.35以上であることが好ましく、0.40よりも大きいことがさらに好ましい。斯かる比が0.35以上であることにより、絶縁シート10の耐トラッキング性がより高くなり得る。
なお、外層13の各厚さに対する接着層12の各厚さの比に関わる上記のごとき数値範囲は、基材層11の一方の面側、又は、他方の面側の少なくともいずれかで満たされていることが好ましい。基材層11の一方側及び他方側の両方で、外層13の各厚さに対する接着層12の各厚さの比が上記のごとき数値範囲内にあることがより好ましい。
基材層11は、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムである。基材層11のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムに含まれるオリゴマー成分の含有率は、0.8質量%未満(0質量%を包含する)である。従って、本実施形態の絶縁シート10は、基材層11のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムが0.8質量%以上のオリゴマー成分を含んでいる場合と比べて、より良好な耐熱性を有することができる。
上記のオリゴマー成分の含有率は、以下のようにして測定される。具体的には、一辺が5cm程度の略正方形状のフィルムサンプルをメタノールで洗浄した後、該フィルムサンプルを160℃の熱風オーブン中で1時間乾燥して初期質量(M[g])を測定する。その後、ソックスレー抽出器などを用いて、上記フィルムサンプルに対して、沸騰キシレン(約400mL)による抽出処理を48時間施す。続いて、抽出処理後のフィルムサンプルの質量(M[g])を測定する。そして、初期質量(M)に対する質量減少分(M-M)の割合[(M-M)/M]を計算することによって、オリゴマー成分の含有率を求める。
なお、質量減少分を正確に測定するために、抽出処理に利用したキシレンを十分に除去した後に、抽出処理後のフィルムサンプルの質量(M[g])を測定する。好ましくは、抽出処理後にフィルムサンプルを水洗し、次に、表面に付着しているキシレンを軽く拭き取った後、さらに160℃の熱風オーブン中で8時間乾燥し、デシケータ内で放冷した後に、抽出処理後のフィルムサンプルの質量(M[g])を測定する。
上記のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムとしては、例えば、テレフタル酸若しくは2,6-ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸と、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、若しくは1,4-シクロヘキサンジメタノールなどのジオールと、の重合体で形成されたフィルムが挙げられる。
なお、基材層11を構成するポリエチレンテレフタレート樹脂は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
また、基材層11は、本実施形態におけるように、単層であってもよく、複数のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムが積層されたラミネートフィルムであってもよい。基材層11がラミネートフィルムである場合、ラミネートフィルムを構成する少なくとも1層が、オリゴマー成分の含有率が0.8質量%未満のポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムであればよい。
上記の基材層11としては、例えば、製品名「ルミラー X10Sタイプ」(東レ社製)、又は、製品名「Dメリネックス 238」(DuPont社製)などの市販品を採用できる。
本実施形態の絶縁シート10を構成する接着層12は、例えばポリマー成分を含む。ポリマー成分としては、例えば、アクリルポリマー、ウレタンポリマー、又は、エポキシ樹脂などが挙げられる。
上記のアクリルポリマーは、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルが重合した重合体であることが好ましい。
上記のアクリルポリマーは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体であってもよく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと他の重合性モノマーとの共重合体であってもよい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」という表記は、「アクリル」及び「メタクリル」の両方を包含することを指す。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート[例えば、ノルマルプロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレートなど]、ブチル(メタ)アクリレート[例えば、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、セカンダリーブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレートなど]、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノルマルオクチル(メタ)アクリレート、ノルマルノニル(メタ)アクリレート、又は、イソノニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
他の重合性モノマーとしては、例えば、エチレン、スチレン、塩化ビニル、アクリル酸、ブタジエン、又は、アクリロニトリルなどが挙げられる。
共重合体としては、例えば、エチレン-(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸アルキルエステル-アクリル酸共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸アルキルエステル-アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル-塩化ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル-アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル-塩化ビニル共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸アルキルエステル-ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル-アクリロニトリル共重合体等などが挙げられる。
接着層12は、ポリアクリル酸ブチル(PAB)をポリイソシアネートで架橋させた高分子化合物を含むことが好ましい。
接着層12は、アクリル酸ブチル(PAB)とテルペンフェノールとポリイソシアネートとの架橋反応物を含むことがより好ましい。接着層12が斯かる架橋反応物を含むことにより、120~180℃という高温の水含有油に絶縁シート10が浸漬された場合に、外層13(芳香族ポリアミド紙)との密着性がより良好となる。テルペンフェノールの添加量は、アクリル酸ブチル(PAB)100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
また、テルペンフェノールに代えてアルキルフェノールを用いた場合でも、上記のごとき密着性がより良好となり得る。アルキルフェノールの添加量も、アクリル酸ブチル(PAB)100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
なお、ポリアクリル酸ブチル(PAB)は、分子中の一部にカルボキシ基を有し得る。
上記のアクリルポリマーは、1種が単独で、又は、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
上記の接着層12が含み得るウレタンポリマーは、例えば、分子中に複数のヒドロキシ基を有するポリオール成分と、分子中に複数のイソシアネート基を有するポリイソシアネート成分とのウレタン化反応生成物であってもよい。なお、本明細書において、「ウレタンポリマー」は、「ポリウレタン-ウレア樹脂」を包含せず、ウレア結合を実質的に含んでいないポリマーである。
上記のポリオール成分としては、従来公知のポリオール成分が挙げられ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
上記のポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレン/ブチレンアジペートジオール、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペートジオール、ポリ-3-メチルペンタンアジペートジオール、ポリブチレンイソフタレートジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリ-3-メチルバレロラクトンジオールなどが挙げられる。
上記のポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、又は、これらのランダム/ブロック共重合体などが挙げられる。
上記のポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリネオペンチルカーボネートジオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリ(1,4-シクロヘキサンジメチレンカーボネート)ジオール、又は、これらのランダム/ブロック共重合体などが挙げられる。
上記のポリオール成分としては、他にも、ダイマージオールやその水素添加物、ポリブタジエンポリオールやその水素添加物、ポリイソプレンポリオールやその水素添加物、アクリルポリオール、エポキシポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、シロキサン変性ポリオール、α,ω-ポリメチルメタクリレートジオール、α,ω-ポリブチルメタクリレートジオールなどが挙げられる。
上記のポリイソシアネート成分としては、従来公知のポリイソシアネート成分が挙げられる。
上記のポリイソシアネート成分としては、例えば、トルエン-2,4-ジイソシアネート、トルエン-2,6-ジイソシアネート、4-メトキシ-1,3-フェニレンジイソシアネート、4-イソプロピル-1,3-フェニレンジイソシアネート、4-クロル-1,3-フェニレンジイソシアネート、4-ブトキシ-1,3-フェニレンジイソシアネート、2,4-ジイソシアネートジフェニルエーテル、4,4’-メチレンビス(フェニレンイソシアネート)(MDI)、クルードまたはポリメリックMDI、ジュリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5-ナフタレンジイソシアネート、ベンジジンジイソシアネート、o-ニトロベンジジンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアネートジベンジルなどの芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
また、上記のポリイソシアネート成分としては、例えば、メチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。
また、上記のポリイソシアネート成分としては、1,4-シクロへキシレンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,5-テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、水添XDIなどの脂環式イソシアネートが挙げられる。
また、上記のポリイソシアネート成分としては、これらのジイソシアネートと、低分子量のポリオールとを、末端がイソシアネートとなるように反応させて得られるポリウレタンプレポリマーなどが挙げられる。
なお、上記のウレタンポリマーは、従来公知の一般的な製造方法によって製造できる。
例えば、ウレタンポリマーは、上記のポリオール成分と上記のポリイソシアネート成分とを、ワンショット法や多段法によりウレタン化反応させることによって製造できる。
また、前記ワンショット法や多段法は、通常、20℃以上150℃以下、好ましくは、60℃以上110℃以下の範囲の温度で実施することができる。
接着層12を形成させるために、ウレタンポリマーを含む市販品として、例えば、DIC社製の製品名「タイフォース SA-30-L」などを用いることができる。
上記の接着層12が含み得るエポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ樹脂としては、上記のフェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。フェノールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、150g/eq以上であることが好ましく、160g/eq以上であることがより好ましく、170g/eq以上であることがより好ましい。また、フェノールノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、200g/eq以下であることが好ましく、190g/eq以下であることがより好ましく、180g/eq以下であることがより好ましい。
エポキシ当量は、JIS K 7236により求めることができる。
接着層12がエポキシ樹脂を含む場合、接着層12は、さらにエポキシ樹脂の硬化剤を含むことが好ましい。
斯かる硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤などが挙げられ、フェノール系硬化剤が好ましい。
フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、及び、酸無水物系硬化剤を、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のフェノール系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂、ビスフェノール系フェノール樹脂、又は、トリフェニルメタン型フェノール樹脂などが挙げられる。
上記のアミン系硬化剤としては、例えば、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド、ジアミノフェニルメタン、又は、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
上記の酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、又は、無水マレイン酸などが挙げられる。
接着層12がエポキシ樹脂を含む場合、接着層12は、エポキシ樹脂に加えて、上述したアクリルポリマーを含んでもよい。
また、接着層12は、エポキシ樹脂として上記のフェノールノボラック型エポキシ樹脂を含み、さらに、アクリルポリマーとして上記のポリアクリル酸ブチル(PAB)を含むことが好ましい。
この場合、接着層12は、エポキシ樹脂の量を100質量部としたときに、上記のアクリルポリマーを100質量部以上含んでもよく、150質量部以上含んでもよく、200質量部以上含んでもよい。
また、接着層12は、エポキシ樹脂の量を100質量部としたときに、上記のアクリルポリマーを300質量部以下含んでもよく、250質量部以下含んでもよい。
本実施形態に係る絶縁シート10において、上記の接着層12を熱質量示差熱分析(TG-DTA)した場合に、5質量%の質量減少が認められる温度が350℃以下であることが好ましく、300℃以下であることがより好ましい。これにより、絶縁シート10が高温雰囲気下に暴露されたときに、の接着層12に含まれる樹脂などの有機物がより熱分解され易くなる。
そのため、外層13の外表面で有機物の熱分解が進行する前に、接着層12に含まれる有機物の熱分解がより進行しやすくなる。絶縁シート10が使用されるときに高温になると、高温時の熱は、接着層12の有機物の熱分解に消費される。熱が斯かる熱分解に消費される分、外層13の外表面において、外層13に含まれる有機物の熱分解が抑制され得る。外層13に含まれる有機物の熱分解が抑制される分、遊離炭素で形成される導電路が外層13の外表面に生じることが抑制される。
また、接着層12に含まれる有機物が熱分解されやすくなる分、斯かる有機物は、熱分解しても遊離炭素の状態に留まらず、二酸化炭素などのガスにまで十分に熱分解され得る。ガスが生じる反応は、吸熱反応となる場合が多いことから、この吸熱反応によっても、外層13の外表面において外層13に含まれる有機物の熱分解が抑制される。これにより、外層13の外表面において遊離炭素による導電路が形成されることが抑制される。
このように、本実施形態に係る絶縁シート10は、上記のごとく接着層12において5質量%の質量減少が認められる温度が350℃以下であることによって、外層13が全芳香族ポリアミド紙であっても、より良好な耐トラッキング性を発揮できる。
なお、接着層12において5質量%の質量減少が認められる温度は、実施例に記載の方法で求めることができる。
接着層12は、上述したポリマー成分以外に、粘着付与剤(タッキファイヤー)などの添加剤を含んでもよい。接着層12における上記樹脂成分以外の成分の含有率は、5質量%未満であることが好ましく、0.8質量%未満であることがより好ましい。
接着層12の目付量は、例えば、10g/m以上20g/m以下であってもよい。
上記の接着層12は、例えば、市販品のポリマーで形成されてもよい。上記の接着層12は、例えば、複数種のポリマーが架橋反応されたポリマー組成物で形成されてもよい。
本実施形態の絶縁シート10を構成する2つの外層13は、いずれも芳香族ポリアミド紙である。外層13が芳香族ポリアミド紙であるため、本実施形態の絶縁シート10は、良好な耐熱性を有することができる。
芳香族ポリアミド紙としては、例えば、全芳香族ポリアミドからなる短繊維及び全芳香族ポリアミドからなる合成パルプのうち少なくとも一方が抄紙された全芳香族ポリアミド紙、芳香族ポリアミドからなる短繊維又は芳香族ポリアミドからなる合成パルプの少なくとも一方と雲母粉末(マイカフレーク)とを含むシート、又は、これらの紙若しくはシートに高温・高圧のカレンダー加工処理を施したシートなどを採用できる。
芳香族ポリアミド紙としては、より良好な耐熱性を有するという点で、全芳香族ポリアミド紙が好ましい。
上記の短繊維又は上記の合成パルプを構成する全芳香族ポリアミドとしては、例えば、m-フェニレンジアミンとイソフタル酸との縮重合物、p-フェニレンジアミンとテレフタル酸との縮重合物などが挙げられる。
上記の外層13は、ラミネート加工、又は、表面処理などが施されていてもよい。表面処理は、ポリアミド樹脂(例えばアミド基がメトキシメチル化されたメトキシメチル化ポリアミド樹脂)などを含むコーティング剤によって施されてもよい。なお、上記の外層13としては、例えば、市販品(製品名「Nomex」DuPont社製など)を採用できる。
本実施形態の絶縁シート10は、例えば、1×1013Ω・cm以上の体積抵抗率を有する。絶縁シート10の体積抵抗率は、1×1014Ω・cm以上であることが好ましい。
本実施形態の絶縁シート10は、比較的高い耐トラッキング性を有し、且つ、十分な耐熱性を有する。
接着層12が、上述したアクリルポリマーを含むことによって、耐トラッキング性がより良好になり得る。また、良好な耐油性を有し得る。
また、上述した、接着層12の5質量%の質量減少が認められる温度が350℃以下であることが好ましく、300℃以下であることがより好ましい。これにより、耐トラッキング性がより良好になり得る。また、良好な耐油性を有し得る。
続いて、本実施形態の絶縁シート10の製造方法について説明する。
本実施形態の絶縁シート10の製造方法では、例えば、上記の接着層12を構成することとなる各成分と、(必要に応じて)有機溶媒とを含む混合物を調製し、斯かる混合物を基材層11の両面にそれぞれ塗工し、塗工された混合物に含まれる有機溶媒を(必要に応じて)揮発させて2つの接着層12を作製する。さらに、各接着層12に外層13を貼り合わせることにより、絶縁シート10を製造できる。
なお、塗工装置としては、例えば、ロールコータなどを用いることができる。
上記の有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン(MEK)、トルエンなどを用いることができる。
有機溶媒を含む混合物を外層13に塗布するときは、ダイコーティング法、リバースコーティング法など、一般的な塗布方法を採用することができる。塗布における温度は、例えば、室温(15~25℃)である。
上記のごとく製造された絶縁シート10は、例えば、モータを構成する部材の用途で使用される。絶縁シート10は、例えば、自動車の駆動モータの絶縁シートとして使用されてもよい。
自動車としては、例えば、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)などが挙げられる。
駆動モータとしては、例えば、HVモータ、モータジェネレータ、オルタネータ、4WDモータ、オイルポンプモータ、EPSモータ、コンプレッサモータ、インホイールモータなどが挙げられる。
自動車の駆動モータとしては、油冷式駆動モータが挙げられる。油冷式駆動モータは、ATFなどの冷却油によって冷却される駆動モータである。
例えば、絶縁シート10は、加熱された状態で使用され得る。絶縁シート10が加熱された状態で長時間使用されると、酸化劣化が起こり得る。
例えば、絶縁シート10は、油に浸漬された状態で使用され得る。油としては、例えば、オートマチックオイル(ATF)などが挙げられる。絶縁シート10が油に浸漬された状態で使用されると、ATFなどの油に含まれる水分が加水分解反応を生じさせ得る。
これに対して、本実施形態の絶縁シートは、良好な耐トラッキング性を有しつつ、良好な耐熱性も有することができる。よって、上記の酸化劣化を抑制できる。場合によっては、本実施形態の絶縁シートは、良好な耐油性も有し、上記の加水分解反応も抑制できる。
次に、本発明のモータの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態のモータは、上述した絶縁シート10を備える。絶縁シート10は、例えばモータ用絶縁シートである。
例えば、モータは、ハイブリッド自動車又は電気自動車などに搭載された駆動用モータである。斯かる駆動用モータは、例えば油冷式駆動モータである。
自動車の油冷式駆動モータは、永久磁石を備えたロータ(回転子)と、該ロータを回転させるための力を発生させるステータ20(固定子)とを備えている。図2に示すように、ステータ20は、コイル21及びステータコア22を有する。ステータ20は、コイル21に磁界を発生させることによってロータを回転させている。
上記のごとき油冷式駆動モータにおいて、コイル21は、例えば、互いに接続された複数のセグメント導体によって構成される。上記のごとき油冷式駆動モータでは、ステータコア22やロータコアなどのコアが複数のスロット溝を有し、複数のスロット溝のそれぞれに、各コイル21が収容されている。
また、上記のごとき油冷式駆動モータでは、コイル21とスロット溝の内壁面との間の絶縁性を確保するために、モータ用絶縁シートが使用される。モータ用絶縁シート及びコイル21は、スロット溝内のそれぞれに収容されている。詳しくは、モータ用絶縁シートは、コイル21に周回された状態でスロット溝内に収容されている。
そして、モータ用絶縁シートで周回されたコイル21は、スロット溝内に含浸させた絶縁樹脂(例えば、エポキシワニス)を介して、スロット溝内に固定されている。
本実施形態の絶縁シート及びモータは上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の絶縁シート又はモータに限定されるものではない。
即ち、一般的な絶縁シート又はモータにおいて用いられる種々の形態が、本発明の効果を損ねない範囲において、採用され得る。
本明細書によって開示される事項は、以下のものを含む。
(1)
互いに対向するように配置された2つの外層と、前記2つの外層の間で互いに対向するように配置された2つの接着層と、前記2つの接着層の間に配置された基材層と、を備え、
前記2つの外層は、いずれも芳香族ポリアミド紙であり、
前記基材層が、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムであり、
前記ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムに含まれるオリゴマー成分の含有率が0.8質量%未満である、絶縁シート。
(2)
前記接着層を熱質量示差熱分析(TG-DTA)した場合に、5質量%の質量減少が認められる温度が、350℃以下である、上記(1)に記載の絶縁シート。
(3)
前記絶縁シートの総厚さに対する前記接着層の合計厚さの比は、0.10以上0.40以下である、上記(1)又は(2)に記載の絶縁シート。
(4)
前記基材層の一方の面側において、前記外層の厚さに対する前記接着層の厚さの比は、0.20以上1.00以下である、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の絶縁シート。
(5)
前記2つの接着層の両方が、それぞれアクリルポリマーを含む、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の絶縁シート。
(6)
前記アクリルポリマーは、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルが重合したアクリルポリマーである、上記(5)に記載の絶縁シート。
(7)
前記アクリルポリマーは、(メタ)アクリル酸ブチルエステルと、テルペンフェノールと、ポリイソシアネートとの架橋反応物である、上記(6)に記載の絶縁シート。
(8)
上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の絶縁シートを備える、モータ。
次に実験例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
絶縁シートを製造するための外層、接着層、及び基材層それぞれの材料又は原料を以下に示す。
<外層の材料>
・全芳香族ポリアミド紙(PA紙)
製品名「ノーメックス シリーズ」(デュポン帝人アドバンスドペーパー社製)
所望の厚さを有する品番を都度使用
<接着層の原料>
・アクリルポリマー(Ac)
ポリアクリル酸ブチル(PAB)とテルペンフェノールとポリイソシアネートと有機溶媒(メチルエチルケトン(MEK))とを混合した混合液を調製した。なお、斯かる混合液から接着層を形成するときに、有機溶媒を揮発させた後、さらに温度130℃で24時間の熱硬化処理を実施した。
・ポリウレタン(Pu)
ポリオール成分とイソシアネート成分とのウレタン化反応生成物を固形分濃度が25質量%となるように、有機溶媒(トルエン及びメチルエチルケトン)と混合し、混合液を得た。なお、斯かる混合溶液から接着層を形成するときに、有機溶媒の揮発の後、さらに130℃で24時間の硬化処理を施した。
・エポキシ樹脂含有高分子化合物(Ep)
ポリアクリル酸ブチル(PAB)を含む有機溶媒(MEK)にフェノールノボラック型エポキシ樹脂及びフェノール系硬化剤を加えた混合溶液を用いた。混合溶液は、有機溶媒の100質量部に対して、ポリアクリル酸ブチルを140質量部含み、有機溶媒の100質量部に対して、フェノールノボラック型エポキシ樹脂を60質量部含んでいた。また、混合溶液は、フェノールノボラック型エポキシ樹脂100質量部に対してフェノール系硬化剤を45質量部、及び、硬化促進剤を3質量部含んでいた。
なお、上記混合溶液から接着層を形成するときに、有機溶媒の揮発後、さらに130℃で24時間の硬化処理を施した。
<基材層の材料>
・低オリゴマー含有率ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(L-PET)
オリゴマー含有率:0.8質量%未満
製品名「メリネックス 238」(DuPont社製)
・ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム(PEN)
製品名「テオネックスQ5100」(東洋紡社製)
・通常ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(N-PET)
オリゴマー含有率:0.8質量%以上
製品名「ルミラー シリーズ」(東レ社製)
(実施例1~8、比較例1、参考例1~3)
各実施例及び各比較例などの絶縁シートの構成(各層の厚さや材質など)について表1及び表2にそれぞれ示す。なお、特に言及していない限り、実施例及び比較例のいずれの絶縁シートも、図1に示すような5層積層構造を有する。
なお、参考例1~3は、いずれも樹脂フィルム1層の構成を有する。
<絶縁シートの製造>
上記の接着層を構成することとなる各成分と、有機溶媒とを含む混合物を調製した。斯かる混合物を基材層の両面に、乾燥後の接着層の厚さが所定厚さになるようにロールコータを用いてそれぞれ塗工した。塗工された混合物に含まれる有機溶媒を揮発(乾燥)させて、基材層の両側にそれぞれ接着層を作製した。さらに、各接着層に外層を貼り合わせることによって、各絶縁シートを製造した。
<熱質量示差熱分析(TG-DTA)での熱分解性測定>
各例の接着層について、熱質量示差熱分析(TG-DTA)での熱分解性を評価した。
具体的には、以下の手順にしたがって評価した。
(1)各例の接着層を外層の片面の全面に塗工した後、100℃で1分間乾燥させた。なお、塗工は、乾燥後の接着層の厚さが12μmとなるように行った。
(2)130℃のオーブン中に24時間放置して、接着層における硬化反応を進行させた。硬化反応を進行させた後、接着層から外層を剥離した。
(3)熱質量示差熱分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、型式「EXSTAR6000」)を用いて硬化反応後の接着層についてTG-DTA曲線を得た。なお、空気100mL/分の雰囲気下、常温(23±2℃)から10℃/分で昇温を行った。そして、5質量%の質量減少が認められる温度を読み取った。結果を、以下の表1及び表2にそれぞれ示す。

以下のようにして、各実施例及び各比較例で製造した絶縁シートについて、耐トラッキング性、耐熱性、耐油性をそれぞれ評価した。
<耐トラッキング性の評価試験>
国際電気標準会議の規格、具体的にはIEC60112に従って試験を実施した。
詳しくは、100mm×100mmのサイズ、3mm以上の厚さの平板状試験サンプルを20枚用意する。白金電極を試験サンプル表面に置き、電極間に電圧を印加し、電圧を印加した状態で電極間に一定間隔で電解液(0.1質量%塩化アンモニウム水溶液)を滴下する。トラッキングが発生するまで、又は、滴下数が100滴に達するまで試験を継続する。そして、トラッキングが発生するまでに要した電解液の滴下数をカウントする。1電圧ごとに5回の試験を実施し、カウントされた滴下数が全て50滴以上であれば、印加した電圧では合格と判断する。このような操作を25V刻みの様々な電圧で繰り返し、CTI(比較トラッキング指数)を求める。
<耐熱性の評価試験>
150mm×150mmの正方形に切り出した絶縁シートの試験用試料を240℃の乾燥機中で1000時間加熱した。
その後、常温まで冷却し、電圧を上昇(1000V/秒)させつつ各試験用試料の絶縁破壊電圧(BDV)を常温にて測定した。1000時間まで測定を実施した。
500時間目でBDVが初期のBDVに対して50%未満になった場合を不良(○)、50%以上であった場合を良(○)と評価した。
結果を表1及び表2にそれぞれ示す。
<耐油性(耐加水分解性)の評価試験>
150mm×150mmの正方形に切り出した絶縁シートの試験用試料をループ状に成形した試験体を用意した。試験体に対して、120℃、相対湿度100%、気圧0.2MPaの条件でプレッシャークッカー試験(PCT)を実施した。
その後、常温まで冷却し、電圧を上昇(1000V/秒)させつつ各試験用試料の絶縁破壊電圧(BDV)を常温にて測定した。150時間まで測定を実施した。
100時間目でBDVが初期のBDVに対して80%未満になった場合を不良(○)、80%以上であった場合を良(○)と評価した。
結果を表1及び表2にそれぞれ示す。
上記の評価試験の結果を表1及び表2にそれぞれに示す。
表1及び表2から把握されるように、実施例の絶縁シートは、比較例の絶縁シートに比べて、耐トラッキング性が高く、しかも、耐熱性が高かった。
実施例のうち特定の絶縁シート(接着層がアクリルポリマーを含む場合)は、耐油性も良好であった。
また、実施例の接着層を熱質量示差熱分析(TG-DTA)した場合に、5質量%の質量減少が認められる温度が350℃以下、さらには300℃以下であることによって、耐トラッキング性がより高くなった。
本発明の絶縁シートは、例えば、モータを構成する部材の用途で、好適に使用される。本発明の絶縁シートは、例えば、モータに備えられ、オートマチックオイル(ATF)に浸漬された状態でも好適に使用される。
11:基材層、 12:接着層、 13:外層、
10:絶縁シート。

Claims (4)

  1. 互いに対向するように配置された2つの外層と、前記2つの外層の間で互いに対向するように配置された2つの接着層と、前記2つの接着層の間に配置された基材層と、を備え、
    前記2つの外層は、いずれも芳香族ポリアミド紙であり、
    前記基材層が、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムであり、
    前記ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムに含まれるオリゴマー成分の含有率が0.8質量%未満である、絶縁シート。
  2. 前記接着層を熱質量示差熱分析した場合に、5質量%の質量減少が認められる温度が、350℃以下である、請求項1に記載の絶縁シート。
  3. 前記2つの接着層の両方が、それぞれアクリルポリマーを含む、請求項1又は2に記載の絶縁シート。
  4. 請求項1又は2に記載の絶縁シートを備える、モータ。
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