JP2024018614A - 電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】状態検出の精度を向上した清掃具及びこれを備えた電気掃除機を提供する。【解決手段】清掃具1は、モータ12と、モータ12により回転される回転清掃体11と、モータ12を制御する制御手段と、を備える。制御手段は、モータ12の負荷電流値の少なくとも増加を検出した後減少を検出したときにモータ12の駆動電力を増加させるものであって、負荷電流値の増加の検出は、少なくとも負荷電流値の過去の所定時間内の最小値から算出された条件値である算出値以上の負荷電流値を検出したことに基づく。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、モータにより回転される回転清掃体を備えた電気掃除機に関する。
従来、電気掃除機に用いられる清掃具として、回転清掃体と、この回転清掃体を回転させるモータと、を備える、いわゆるアクティブブラシ構造の吸込口体が知られている。このような吸込口体では、モータの力によって回転された回転清掃体により被掃除面から塵埃を一旦掻き上げてから吸い込むことにより、絨毯のような塵埃が絡み付きやすい被掃除面からも効率的に塵埃を除去できる。
回転清掃体は、省エネルギー性を考慮し、例えば使用者が被掃除面上で吸込口体を走行させているとき等の必要時に回転トルク又は回転数を増加させることが好ましい。そのため、被掃除面上での吸込口体の動作等の状態を精度よく検出することが望まれる。
特開2022-68680号公報
本発明が解決しようとする課題は、状態検出の精度を向上した電気掃除機を提供することである。
実施形態の電気掃除機は、モータと、モータにより回転される回転清掃体と、モータを制御する制御手段と、を備える。制御手段は、モータの負荷電流値の少なくとも増加を検出した後減少を検出したときにモータの駆動電力を増加させるものであって、負荷電流値の増加の検出は、少なくとも負荷電流値の過去の所定時間内の最小値から算出された条件値である算出値以上の負荷電流値を検出したことに基づく。又は、負荷電流値の減少の検出は、少なくとも負荷電流値の過去の所定時間内の最大値から算出された条件値である算出値以下の負荷電流値を検出したことに基づく。
第1の実施形態の電気掃除機の一部を模式的に示す断面図である。 同上電気掃除機の一部の内部構造を示すブロック図である。 同上電気掃除機を示す斜視図である。 同上モータの負荷電流値の時間変化の一例を示すグラフである。 同上モータの負荷電流値の時間変化の他の例を示すグラフである。 同上モータの負荷電流値の時間変化のさらに他の例を示すグラフである。 同上モータの負荷電流値の時間変化のさらに他の例を示すグラフである。 同上制御手段による制御を示すフローチャートである。 同上モータの駆動状態を示す説明図である。 第2の実施形態の電気掃除機の一部を模式的に示す断面図である。 同上モータの負荷電流値の時間変化のさらに他の例を示すグラフである。 第3の実施形態の電気掃除機の制御手段による制御を示すフローチャートである。 第4の実施形態の電気掃除機の制御手段による制御を示すフローチャートである。 第5の実施形態の電気掃除機のモータの負荷電流値の時間変化のさらに他の例を示すグラフである。 同上制御手段による制御を示すフローチャートである。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1において、1は清掃具である。清掃具1は、掃除ヘッド等とも呼ばれ、床等の被掃除面である被掃除部Fを掃除する。清掃具1は、ケース体10を備える。ケース体10には、集塵口100が形成されている。集塵口100に臨んで回転清掃体11がケース体10に回転可能に取り付けられている。回転清掃体11は、ケース体10に形成された空間部101に配置されている。すなわち、空間部101は、回転清掃体配置室である。空間部101の少なくとも下部が集塵口100となっている。回転清掃体11は、モータ12により回転されて被掃除部Fの塵埃を掻き上げる。
モータ12は、図2に示す制御手段13により制御される。なお、以下、清掃具1の前後方向は、使用者が清掃具1を使用する際の使用者から見た方向を基準とする。一般的には、使用者から離れる方向を前方向、使用者に近づく方向を後方向とする。例えば、図1に示す矢印FR方向を前方向、矢印RR方向を後方向とする。
図3に示すように、清掃具1は、電気掃除機CLに用いられる。本実施形態において、清掃具1は、電気掃除機CLの掃除機本体2に配置された電動送風機等の吸引源3の駆動により生じた負圧によって空気とともに塵埃を分離部4へと吸い込む、吸引型の電気掃除機CLに適用される。電気掃除機CLは、床走行型又はキャニスタ型、スティック型、アップライト型、ハンディ型、あるいは、自走式電気掃除機等、任意のものとしてよい。本実施形態では、電気掃除機CLは、スティック型の電気掃除機を例に挙げて説明する。また、図示される例では、清掃具1は、吸込口体又は床ブラシとも呼ばれ、管部である延長管5、あるいは、掃除機本体2に対し、ケース体10に接続された接続部である接続管14を介して機械的及び流体的に接続される。接続管14は、空間部101と連通し、空間部101に延長管5を介して吸引源3の吸引力が作用するように構成されている。さらに、本実施形態において、吸引源3の動作又は吸引力、及び、回転清掃体11又はモータ12の回転のオンオフは、把持操作用の手元操作部6のスイッチ7の操作により使用者が設定する。掃除機本体2には、スイッチ7により設定された操作に応じて吸引源3を動作させる本体制御部8が配置されている。スイッチ7又は本体制御部8が、制御手段13と電気的に接続される。制御手段13は、清掃具1に配置されていてもよいが、本実施形態では、本体制御部8に制御手段13の少なくとも一部が組み込まれている。好ましくは、本体制御部8は、使用者によりスイッチ7を介して設定された複数の運転モードに応じて、あるいは、状況に応じて、吸引源3の吸引力を設定可能となっている。ここで、「状況」とは、例えば被掃除部Fの塵埃の多寡、被掃除部Fの種類、あるいはモータ12や周辺の温度等を言う。電気掃除機CLの電源部Bは、例えば掃除機本体2に配置される。本実施形態において、電源部Bはバッテリ又は二次電池とするが、これに限らず、商用電源等の外部電源から電力を取るコードリール装置等でもよい。
次に、制御手段13の内部構造について、図1及び図2を参照して説明する。
制御手段13は、モータ12の駆動電力を可変する電力可変部130を有する。電力可変部130は、モータ12の駆動電力を無段階に変化させてもよいし、複数の段階のいずれかに変化させてもよい。本実施形態では、電力可変部130は、モータ12の駆動電力を、少なくとも複数の段階のいずれかに設定可能となっている。
電力可変部130によるモータ12の駆動電力の可変方法としては、例えば電源からモータ12への通電時間又は通電量を調整し、モータ12の駆動電力を、モータ12の通電時間に応じて設定する。一例として、電力可変部130は、モータ12への制御信号つまり印加電圧をPWM信号とし、PWM信号のデューティ比を調整することで、モータ12の駆動電力を設定する。つまり、PWM信号のデューティ比を100%とするとモータ12の駆動電力が最大となり、PWM信号のデューティ比を下げることでモータ12の駆動電力が減少され、回転清掃体11の回転速度及び回転トルクが低下するようになっている。つまり、電力可変部130は、モータ12の駆動電力を増加させる際に、デューティ比を増加させ、モータ12の駆動電力を減少させる際に、デューティ比を減少させる。本実施形態において、電力可変部130は、複数の異なるデューティ比を有し、モータ12のPWM信号のデューティ比をこれらのデューティ比のいずれかに選択的に設定することにより、モータ12の駆動電力を、複数の異なる駆動電力に設定可能となっている。
なお、制御手段13又は電力可変部130は、回転清掃体11を任意の方向に回転させるようにモータ12を制御してよい。例えば、制御手段13又は電力可変部130は、清掃具1の進行方向に拘らず回転清掃体11の回転方向が一方向に固定されるようにモータ12を制御してもよいし、清掃具1の進行方向に応じて回転清掃体11の回転方向が切り換わるようにモータ12を制御してもよい。本実施形態では、制御手段13又は電力可変部130は、回転清掃体11を被掃除部F側が前方から後方に向かう回転方向、つまり図1に示す矢印Xに示す反時計回り方向となるようにモータ12の回転方向を制御する。つまり、本実施形態において、制御手段13又は電力可変部130は、回転清掃体11が被掃除部Fを前方から後方に擦る回転方向となるようにモータ12の回転方向を制御する。すなわち、制御手段13又は電力可変部130は、モータ12の回転方向を所定の一定方向とする。本実施形態において、回転清掃体11の回転方向は、清掃具1の前進にとっては順回転又は正転、つまり清掃具1の前進を補助する方向であり、清掃具1の後進にとっては逆回転又は逆転、つまり清掃具1の後進に対してより大きい負荷を与える方向である。
また、制御手段13は、モータ12の負荷電流値を検出する電流検出部131を有する。モータ12の負荷電流値は、モータ12により回転される回転清掃体11の負荷状態を示す電流値であり、モータ12の実電流値と相関を有する。モータ12の実電流値は、例えば所定時間毎に所定回数取得した電流値の平均値である。一例として、実電流値は、N,Mを自然数として、1/N秒に一度取得した電流値のM回平均値とする。すなわち、実電流値は、取得時間T=M/N秒間の電流値の平均値である。好ましくは、Nは2以上であり、Mは1、又は、Nの真の約数、すなわちNより小さいNの約数である。本実施形態では、N=1000、M=100とし、実電流値を取得時間T=0.1秒間の電流値の平均値とする。この実電流値は、電力可変部130のPWM信号のデューティ比に大きく依存する。そのため、本実施形態において、負荷電流値は、PWM信号のデューティ比から独立させるために、実電流値を電力可変部130でのPWM信号のデューティ比で除した値として求められる。すなわち、(負荷電流値)=(実電流値)/(デューティ比)である。したがって、本実施形態の負荷電流値は、モータ12に流れる電流値から算出された値である。
また、負荷電流値は、モータ12に流れる電流値から算出された値に限らず、モータ12に流れる電流値自体でもよいし、モータ12に流れる電流値から所定値を減算した値等でもよい。この所定値は、回転清掃体11又はモータ12の回転負荷を一定又は略一定としたときの負荷電流値、例えば回転清掃体11を空転させたとき、特に清掃具1の製造時に確認のために回転清掃体11を空転させたときに検出されたモータ12の負荷電流値の半分の値とする。すなわち、以下、「負荷電流値」とは、モータ12に流れる電流値から算出された、この電流値と相関を有する値を含むものとする。また、「回転清掃体11又はモータ12の回転負荷」を単に「回転負荷」というものとする。
電流検出部131によるモータ12の電流値の検出方法としては、一例として、検出素子である抵抗値が小さい抵抗、いわゆるシャント抵抗に電流を流し、シャント抵抗の両端に発生する電位差を増幅して変換部であるA/Dコンバータに入力し、A/Dコンバータの出力を取り込む。
なお、本実施形態において、電流検出部131は、検出素子及びA/Dコンバータ等を有してモータ12に流れる電流値を取得する電流値取得部、実電流値を求める実電流値算出部、及び、負荷電流値を求める負荷電流値算出部を備えるものとして説明したが、電流値取得部、実電流値算出部、及び、負荷電流値算出部については、それぞれ別個の回路部として構成されていてもよく、それらが任意に組み合わせられて構成されていてもよく、それらの一部が他の回路部の一部をなしていてもよい。すなわち、電流検出部131は、電流値取得部、実電流値算出部、及び、負荷電流値算出部を一体的に備えるものに限定されない。
さらに、制御手段13は、メモリ等の記憶部132を有する。本実施形態において、記憶部132には、電流検出部131により検出された負荷電流値が都度記憶され、保持される。記憶部132に記憶される負荷電流値は、新たな負荷電流値を検出する度に更新されてもよいし、所定時間保持されて、新たな負荷電流値が検出される度に最も古い負荷電流値が削除されてもよい。また、記憶部132には、負荷電流値の最小値及び/又は最大値が記憶される。最小値、最大値は、所定時間保持された後、削除されてもよい。さらに、記憶部132には、各種の判定用の閾値や判定値等が記憶される。なお、以下、最小値とは、一つだけの最小の値に限るものではなく、最小の値に十分近い値、又は、変動する負荷電流値のうちの複数の極小値又はピーク値のいずれか、又は、それら極小値又はピーク値の少なくともいずれかの平均値等でもよい。同様に、最大値とは、一つだけの最大の値に限るものではなく、最大の値に十分近い値、又は、変動する負荷電流値のうちの複数の極大値又はピーク値のいずれか、又は、それら極大値又はピーク値の少なくともいずれかの平均値等でもよい。
また、制御手段13は、判定部133を有する。判定部133は、電流検出部131で検出された負荷電流値及び記憶部132に記憶された過去の負荷電流値に基づき、清掃具1又は回転清掃体11の状態を判定するとともに、この判定に応じて、電力可変部130によるモータ12の駆動電力の設定を制御する。この判定部133による判定については、後述する。
なお、モータ12及び制御手段13の電源は、清掃具1に備えられていてもよいし、掃除機本体2の電源部Bから取ってもよい。
次に、第1の実施形態の動作を説明する。
掃除の際、使用者は、手元操作部6を把持し、スイッチ7を操作することで、本体制御部8が吸引源3を動作させる。吸引源3の動作により生じた負圧が、分離部4を介して延長管5、清掃具1と作用することで、集塵口100から被掃除部の塵埃が空気とともに分離部4へと吸い込まれる。使用者は、手元操作部6により清掃具1を被掃除部F上に載置した状態で前後に交互に移動させることで、被掃除部F上の塵埃を分離部4へと順次吸い込ませていく。分離部4に吸い込まれた含塵空気は、分離部4において、塵埃が分離捕集される。塵埃が分離された空気は、吸引源3を冷却した後、掃除機本体2の外部に排出される。
また、制御手段13は、電力可変部130により清掃具1のモータ12を起動させて回転清掃体11を回転させる。回転清掃体11の回転により、被掃除部Fの塵埃が掻き上げられ、この掻き上げられた塵埃が、集塵口100に作用する負圧によって分離部4へと吸い込まれる。なお、使用者は、回転清掃体11による物体の巻き込みを防止する等、必要に応じて、スイッチ7を操作して清掃具1の回転清掃体11の回転を停止させることが可能である。
制御手段13は、モータ12の起動時の駆動電力を任意に設定してよいが、本実施形態では、一例として、モータ12の起動時すなわち回転清掃体11を始動させる際に、清掃具1が被掃除部Fに接しているか否か不明であるため、より高い安全性を考慮し、好ましくは、制御手段13は、電力可変部130によりモータ12を相対的に小さい駆動電力で起動させる。これにより回転清掃体11が低速回転する。そして、制御手段13は、モータ12の駆動電力が相対的に小さい状態で所定の増加条件を満たしたことを判定部133により判定したときに、電力可変部130によりモータ12の駆動電力を増加させ、回転清掃体11を高速回転させる。この制御を、以下、電力増加制御という。また、制御手段13は、モータ12の駆動電力が相対的に大きい状態で所定の減少条件を満たしたことを判定部133により判定したときに、電力可変部130によりモータ12の駆動電力を減少させ、回転清掃体11を低速回転又は停止させる。この制御を、以下、電力減少制御という。
上記の電力増加制御は、モータ12の回転速度を、相対的に低い状態から増加させて、回転清掃体11の回転速度又は回転トルクを大きくすることを狙った制御である。電力増加制御を実施するための条件として、本実施形態では、掃除時に清掃具1が被掃除部Fに接した状態で前後に往復させる動作に着目し、この往復動作の少なくとも一部をモータ12の負荷電流値に基づき検出したときに制御手段13が電力増加制御を実施する。
すなわち、使用者が清掃具1を前方に押して清掃具1又は回転清掃体11が被掃除部Fに接した状態で前進する場合、清掃具1に下方への荷重が加わることで回転清掃体11が被掃除部Fに押し付けられるため、図4に示すように、負荷電流値I(t)が被掃除部Fの種類に応じて増加する。他方、使用者が清掃具1を後方に引いて清掃具1又は回転清掃体11が被掃除部Fに接した状態で後進する場合には、清掃具1に接続管14を介して斜め上方への引っ張り力が作用することで回転清掃体11が被掃除部Fへの押し付けが緩和されるため、負荷電流値I(t)が減少する。さらに、使用者が清掃具1を被掃除部F上で停止させている場合には、負荷電流値が、清掃具1の前進時より小さく後進時より大きい。
そのため、制御手段13は、モータ12の負荷電流値の少なくとも増加を検出した後減少を検出したときに、清掃具1が被掃除部F上で前進した後後進した、すなわち使用者が清掃具1を被掃除部F上で前後に操作しているものとして、モータ12の駆動電力を増加させる。本実施形態では、制御手段13は、モータ12の負荷電流値の少なくとも増加を検出した後、負荷電流値の減少を検出し、さらにその後負荷電流値の増加すなわち再増加を検出したときに、清掃具1が前進、後進、再度前進したものとして、モータ12の駆動電力を増加させる。
この判定においては、モータ12の負荷電流値の増加を検出する増加検出と、モータ12の負荷電流値の減少を検出する減少検出と、の精度が必要となる。
そこで、本実施形態において、制御手段13は、少なくともモータ12の負荷電流値の過去の所定時間内の最小値から算出された条件値である算出値以上の負荷電流値を検出したときに、負荷電流値が増加したと検出する。
算出値は、一例として、モータ12の負荷電流値の過去の所定時間内の最小値に対して条件値である所定の増加乗算値を乗算した値である。つまり、制御手段13は、少なくともモータ12の負荷電流値の過去の所定時間内の最小値の所定倍以上の負荷電流値を検出したときに負荷電流値が増加したと検出する。すなわち、制御手段13は、少なくともモータ12の負荷電流値の変動比に応じて負荷電流値の増加を検出する。
但し、負荷電流値自体が小さい場合、清掃具1が前進していなくても、他の条件次第では負荷電流値の変動比が大きくなることがある。
そこで、本実施形態においては、検出精度をより向上するために、好ましくは、算出値として、モータ12の負荷電流値の過去の所定時間内の最小値に対して条件値である所定の増加差分値を加算した値をさらに含む。すなわち、本実施形態の制御手段13は、少なくともモータ12の負荷電流値の変動比及び変動量に応じて負荷電流値の増加を検出する。
具体的に、制御手段13は、判定部133により、電流検出部131により検出されたモータ12の直近の負荷電流値と、記憶部132に記憶されている、現在から所定時間内の過去の最小値に対して所定の増加乗算値を乗算した増加乗算比較値Cmaと、この最小値に対して所定の増加差分値を加算した加算比較値Caと、の大小をそれぞれ比較し、直近の負荷電流値が増加乗算比較値Cma及び加算比較値Ca以上であるときに、モータ12の負荷電流値が増加したと判定する。
直近の負荷電流値とは、判定時から所定の短時間内の負荷電流値、例えば最新の負荷電流値又はその直前の負荷電流値をいうものとする。また、直前の負荷電流値とは、記憶部132に記憶されている負荷電流値のうち直近の負荷電流値に最も近い過去のもの、つまり直近の負荷電流値に対して取得時間T秒前、本実施形態では0.1秒前の負荷電流値とするが、これに限らず、直近の負荷電流値から2T秒前あるいは3T秒前等、十分短い所定時間内の過去の負荷電流値を用いてもよいし、直近の負荷電流値から所定時間内の負荷電流値の平均値等、直前の複数の負荷電流値から算出された値でもよい。
所定時間は、実電流値又は負荷電流値の取得時間Tと相関を有する時間である。本実施形態において、所定時間は、例えば1.0~2.0秒に設定されている。
また、本実施形態において、増加乗算値は、正の値であり、例えば1.25~1.3程度とする。また、増加差分値は、負荷電流値よりも十分に小さい値であり、例えば負荷電流値の1/10程度のオーダとする。本実施形態では、増加差分値は、正の値であり、例えば250~300mA程度とする。
同様に、好ましくは、制御手段13は、直近の負荷電流値が条件値である所定の増加判定閾値としての第一増加判定閾値Thi1以上であることを増加判定のさらなる条件とする。本実施形態において、第一増加判定閾値Thi1は、例えば1.0~1.1A程度とする。
本実施形態においては、環境及びモータ12のばらつきに対して最も安定している加算比較値Caとの比較結果が支配的となるように、増加乗算比較値Cma、加算比較値Ca及び第一増加判定閾値Thi1を設定することが好ましい。
これらの判定により、制御手段13は、図5に示すように負荷電流値I(t)が増加したことを検出する。
それに対し、例えば使用者が清掃具1をゆっくりと前後させている場合、図6に示すように、負荷電流値I(t)の変動が緩やかになるため、負荷電流値I(t)が増加している最中に上記の条件を満たして増加検出のタイミングti1が生じると、後述する減少検出の開始のタイミングti2が負荷電流値I(t)の増加のピーク内に掛かることとなり、検出精度が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態では、好ましくは、負荷電流値が増加している最中には、増加検出を生じさせず、負荷電流値が増加から減少に転じるタイミング、すなわち負荷電流値の増加のピークを過ぎたタイミングti3で増加検出を生じさせるように増加検出を遅延させることで、増加検出に続く減少検出の精度を確保する。
具体的に、制御手段13は、モータ12の所定の負荷電流値とその直前の負荷電流値とに基づく算出値Cが条件値である所定の負の増加変動値Fa以下であることをさらに検出したことに基づき、負荷電流値の増加を検出する。
所定の負荷電流値とは、判定時から所定の短時間内の負荷電流値をいい、例えば最新の負荷電流値とする。本実施形態において、所定の負荷電流値とその直前の負荷電流値とに基づく算出値Cとは、所定の負荷電流値とその直前の負荷電流値との差である。
増加変動値Faは、負荷電流値よりも十分に小さい値であり、例えば負荷電流値の1/10程度のオーダとする。この増加変動値Faは、回転負荷を一定としたときの負荷電流値の変動に基づき設定される値である。本実施形態において、増加変動値Faは、例えば-50mAとする。
なお、算出値Cは、所定の負荷電流値とその直前の負荷電流値との比でもよい。この場合、増加変動値Faは、1より大きい所定の値として設定される。
一方、本実施形態において、制御手段13は、少なくともモータ12の負荷電流値の過去の所定時間内の最大値から算出された条件値である算出値以下の負荷電流値を検出したときに、負荷電流値が減少したと検出する。
算出値は、一例として、モータ12の負荷電流値の過去の所定時間内の最大値に対して条件値である所定の減少差分値を減算した減算比較値Csである。すなわち、制御手段13は、少なくともモータ12の負荷電流値の変動量に応じて負荷電流値の減少を検出する。
また、掃除機本体2の電源部Bからモータ12等の電源を取っている場合、清掃具1が延長管5から外れると、モータ12の負荷電流値として電流検出部131により検出される値が急激に減少する。そこで、このような清掃具1の外れを清掃具1の後進として誤検出することを抑制するために、好ましくは、制御手段13は、直近の負荷電流値が条件値である所定の第一減少判定閾値Ths1以上であることをさらに検出したことに基づき、負荷電流値の減少を検出する。本実施形態において、第一減少判定閾値Ths1は、例えば200mAとする。
また、好ましくは、モータ12の負荷電流値が高い状態のまま増減した場合には、例えば回転清掃体11に物体が巻き込まれている状態等が想定される。そこで、このような状態を清掃具1の前進又は後進として誤検出することを抑制するために、好ましくは、制御手段13は、直近の負荷電流値が条件値である所定の第二減少判定閾値Ths2未満であることをさらに検出したことに基づき、負荷電流値の減少を検出する。第二減少判定閾値Ths2は、第一減少判定閾値Ths1より大きい値であり、例えば1.8Aとする。
また、再増加検出は、増加検出の条件のうち、少なくともいずれかを満たした場合とすればよい。本実施形態では、制御手段13は、少なくともモータ12の負荷電流値の過去の所定時間内の最小値から算出された算出値以上の負荷電流値を検出したこと、及び/又は、モータ12の負荷電流値の過去の所定時間内の最小値に対して条件値である所定の増加差分値を加算した値以上の負荷電流値を検出したとき、及び/又は、直近の負荷電流値が条件値である所定の第一増加判定閾値Thi1以上であるとき、に負荷電流値が再増加したと検出する。これに限らず、再増加検出は、増加検出と同一の条件としてもよい。また、再増加検出において、増加乗算値、増加乗算比較値Cma、増加差分値、加算比較値Ca、第一増加判定閾値Thi1、増加変動値Fa等は、増加検出と同一の値でもよいし異なる値でもよい。
さらに、再増加検出には、増加検出と異なる条件を付加してもよい。例えば、減少検出と同様に、制御手段13は、直近の負荷電流値が条件値である所定の増加判定閾値である第二増加判定閾値Thi2以上であることをさらに検出したときに負荷電流値が再増加したと検出してもよい。本実施形態において、第二増加判定閾値Thi2は、第一減少判定閾値Ths1と同一でもよいし異なっていてもよい。第二増加判定閾値Thi2は、例えば200mAとする。また、例えば、所定の短時間、例えば0.3秒以内に負荷電流値の再増加を検出した場合等、過度に短時間でモータ12の負荷電流値が増減した場合には、清掃具1の前進又は後進等の往復動作ではない場合が想定されるので、その場合、制御手段13は、負荷電流値が再増加したとは判定せず、負荷電流値の増加検出及び減少検出を初期化してキャンセルしてもよい。
そして、制御手段13は、判定部133により、負荷電流値の増加を検出した後、第一所定時間T1内に負荷電流値の減少を検出し、さらにその後、第二所定時間T2内に負荷電流値の再増加を検出した第一条件を満たした場合、判定部133から電力可変部130に信号を出力してモータ12の駆動電力を増加させる、又は、相対的に大きい駆動電力に設定する。したがって、制御手段13は、負荷電流値の増加を検出した後、第一所定時間T1内に負荷電流値の減少を検出しない場合には、その直前の負荷電流値の増加検出を初期化してキャンセルする。同様に、制御手段13は、負荷電流値の減少を検出した後、第二所定時間T2内に負荷電流値の再増加を検出しない場合には、負荷電流値の増加検出及び減少検出を初期化してキャンセルする。
ここで、第一所定時間T1は、一般的な使用者が清掃具1を前進させてから後進に切り換えるまでの時間に基づき設定される。一般的な使用者による清掃具1の移動速度は、JIS等の所定の規格に規定されているように、0.5m/秒であり、一般的な使用者が清掃具1の前進を開始してから停止するまでの時間は、0.8~1秒程度である。本実施形態において、第一所定時間T1は、例えば0.8秒に設定される。
同様に、第二所定時間T2は、一般的な使用者が清掃具1を後進させてから前進に切り換えるまでの時間に基づき設定される。一般的な使用者が清掃具1の後進を開始してから停止するまでの時間は、1~1.5秒程度である。本実施形態において、第二所定時間T2は、第一所定時間T1より長く、例えば1.0秒に設定される。
なお、本実施形態において、電力増加制御における「モータ12の駆動電力を増加させる」又は「相対値に大きい駆動電力に設定する」とは、制御手段13が、電力可変部130により、モータ12の駆動電力をデューティ100%以下の所定の第一駆動電力に設定することを言う。第一駆動電力とは、電力可変部130で設定可能な複数の駆動電力のうち相対的に大きいほうの駆動電力である。本実施形態では、電力可変部130は、第一駆動電力用のPWM信号のデューティ比を例えば100%とする。したがって、仮にモータ12の駆動電力が第一駆動電力の状態で、第一条件を満たした場合には、モータ12の駆動電力はそのまま維持されることとなる。
一方、上記の電力減少制御は、モータ12の回転速度を、相対的に高い状態から減少させて、回転清掃体11の回転速度又は回転トルクを小さくすることを狙った制御である。電力減少制御を実施する条件としては、任意の条件としてよいが、本実施形態では、電力増加制御を実施しないときには制御手段13が電力減少制御を実施して省電力化する。つまり、本実施形態において、制御手段13は、例えば木床等の回転負荷が小さい被掃除部Fを掃除する場合、清掃具1が被掃除部F上で静止している場合、あるいは、清掃具1が被掃除部Fから離れている場合等に電力減少制御を実施する。
例えば、第三所定時間T3内に負荷電流値の増加が検出されない第二条件を満たした場合に、制御手段13が判定部133から電力可変部130に信号を出力してモータ12の駆動電力を減少させる、又は、相対的に小さい駆動電力に設定する電力減少制御を実施する。すなわち、制御手段13は、電力減少制御を実施する条件を、電流検出部131により検出されたモータ12の負荷電流値に基づき判定部133により判定する。これらの判定により、制御手段13は、図7に示すように負荷電流値I(t)が減少したことを検出する。
ここで、第三所定時間T3は、第一所定時間T1及び第二所定時間T2より長く、例えば第一所定時間T1又は第二所定時間T2の約2倍の長さ又は第一所定時間T1と第二所定時間T2との和とする。この第三所定時間T3は、使用者が清掃具1を被掃除部F上で前後に往復させる時間に応じて設定される。本実施形態において、第三所定時間T3は、例えば2.0秒とする。
なお、本実施形態において、電力減少制御における「モータ12の駆動電力を減少させる」又は「相対値に小さい駆動電力に設定する」とは、制御手段13が、電力可変部130により、モータ12の駆動電力をデューティ100%未満の所定の第二駆動電力に設定することを言う。第二駆動電力とは、電力可変部130で設定可能な複数の駆動電力のうち相対的に小さいほうの駆動電力、あるいは、回転清掃体11に使用者が触れても安全な小さい回転数となる駆動電力等であり、第一駆動電力より小さい。本実施形態では、電力可変部130は、第一駆動電力用のPWM信号のデューティ比を例えば30%、あるいは40%とする。したがって、仮にモータ12の駆動電力が第二駆動電力の状態で、第二条件を満たした場合には、モータ12の駆動電力はそのまま維持されることとなる。
これらの制御を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。このフローチャートに挙げる例では、直近の負荷電流値を、最新の負荷電流値の直前の負荷電流値とし、所定の負荷電流値を、最新の負荷電流値とする。
まず、ステップS1において、制御手段13は、判定部133において、初期化として、タイマを0に設定して計時を開始させる。
次いで、ステップS2において、制御手段13は、判定部133において、直近の負荷電流値I(t-T)が増加乗算比較値Cma以上、かつ、加算比較値Ca以上であるか、を判定する。ステップS2において、直近の負荷電流値I(t-T)が増加乗算比較値Cma以上、かつ、加算比較値Ca以上であると判定した場合、つまりステップS2のYESの場合、ステップS3において、制御手段13は、判定部133において、直近の負荷電流値I(t-T)が第一増加判定閾値Thi1以上であるか、を判定する。
ステップS3において、直近の負荷電流値I(t-T)が第一増加判定閾値Thi1以上であると判定した場合、つまりステップS3のYESの場合、ステップS4において、制御手段13は、判定部133において、算出値Cが増加変動値Fa以下であるか、を判定する。
ステップS4において、算出値Cが増加変動値Fa以下であると判定した場合、つまりステップS4のYESの場合、負荷電流値の増加検出の条件が満たされるので、ステップS5において、タイマを0に設定して計時を開始させ、ステップS8に進む。
一方、ステップS2において、直近の負荷電流値I(t-T)が増加乗算比較値Cma以上でない、又は、加算比較値Ca以上でない、と判定した場合、ステップS3において、直近の負荷電流値I(t-T)が第一増加判定閾値Thi1以上でないと判定した場合、及び、ステップS4において、算出値Cが増加変動値Fa以下でないと判定した場合、つまりステップS2~S4のNOの場合、ステップS6において、制御手段13は、タイマを参照し、第三所定時間T3が経過したか、を判定する。ステップS6において、第三所定時間T3が経過したと判定した場合、つまりステップS6のYESの場合、ステップS7において、制御手段13は、電力減少制御を実施し、ステップS1に進む。また、ステップS6において、第三所定時間T3が経過していないと判定した場合、つまりステップS6のNOの場合、ステップS2に進む。
ステップS8において、制御手段13は、タイマを参照し、第一所定時間T1が経過したか、を判定する。ステップS8において、第一所定時間T1が経過したと判定した場合、つまりステップS8のYESの場合、負荷電流値の増加検出がキャンセルされ、ステップS1に進む。また、ステップS8において、第一所定時間T1が経過していないと判定した場合、つまりステップS8のNOの場合、ステップS9において、制御手段13は、判定部133において、所定の負荷電流値I(t)が減算比較値Cs以下であるか、を判定する。ステップS9において、所定の負荷電流値I(t)が減算比較値Cs以下であると判定した場合、つまりステップS9のYESの場合、ステップS10において、制御手段13は、判定部133において、所定の負荷電流値I(t)が第一減少判定閾値Ths1以上、かつ、第二減少判定閾値Ths2未満であるか、を判定する。
ステップS10において、所定の負荷電流値I(t)が第一減少判定閾値Ths1以上、かつ、第二減少判定閾値Ths2未満であると判定した場合、つまりステップS10のYESの場合、負荷電流値の減少検出の条件が満たされるので、ステップS11において、タイマを0に設定して計時を開始させ、ステップS12に進む。
一方、ステップS9において、所定の負荷電流値I(t)が減算比較値Cs以下でないと判定した場合、及び、ステップS10において、所定の負荷電流値I(t)が第一減少判定閾値Ths1以上でない、又は、第二減少判定閾値Ths2未満でない、と判定した場合、つまりステップS9,S10のNOの場合、それぞれステップS8に進む。
ステップS12において、制御手段13は、タイマを参照し、第二所定時間T2が経過したか、を判定する。ステップS12において、第二所定時間T2が経過したと判定した場合、つまりステップS12のYESの場合、負荷電流値の増加検出及び減少検出がキャンセルされ、ステップS1に進む。
また、ステップS12において、第二所定時間T2が経過していないと判定した場合、つまりステップS12のNOの場合、ステップS13において、制御手段13は、判定部133において、所定の負荷電流値I(t)が第二増加判定閾値Thi2以上であるか、を判定する。ステップS13において、所定の負荷電流値I(t)が第二増加判定閾値Thi2以上でないと判定した場合、つまりステップS13のNOの場合、負荷電流値の増加検出及び減少検出がキャンセルされ、ステップS1に進む。また、ステップS13において、所定の負荷電流値I(t)が第二増加判定閾値Thi2以上であると判定した場合、つまりステップS13のYESの場合、ステップS14において、制御手段13は、判定部133において、所定の負荷電流値I(t)が増加乗算比較値Cma以上、かつ、加算比較値Ca以上であるか、を判定する。
ステップS14において、所定の負荷電流値I(t)が増加乗算比較値Cma以上、かつ、加算比較値Ca以上であると判定した場合、つまりステップS14のYESの場合、ステップS15において、制御手段13は、判定部133において、所定の負荷電流値I(t)が第一増加判定閾値Thi1以上であるか、を判定する。
そして、ステップS15において、所定の負荷電流値I(t)が第一増加判定閾値Thi1以上であると判定した場合、つまりステップS15のYESの場合、負荷電流値の再増加検出の条件が満たされるので、ステップS16において、制御手段13は電力増加制御を実施し、ステップS1に進む。
また、ステップS14において、所定の負荷電流値I(t)が増加乗算比較値Cma以上でない、又は、加算比較値Ca以上でないと判定した場合、及び、ステップS15において、所定の負荷電流値I(t)が第一増加判定閾値Thi1以上でないと判定した場合、つまりステップS14,S15のNOの場合、ステップS12に進む。
なお、このフローチャートに示すステップS2~S4の順番は任意に変更してよい。同様に、ステップS9とステップS10との順番、及び/又は、ステップS13~S15の順番は、それぞれ任意に変更してよい。
上記の電力減少制御及び電力増加制御によるモータ12の状態遷移を図9に示す。図示される例では、運転開始後のモータ12の起動時には、モータ12は相対的に小さい駆動電力で駆動されて低速回転状態となる。なお、他の例として、モータ12は、第一駆動電力等で起動させて高速回転状態としてもよい。低速回転状態から第一条件を満たした場合には電力増加制御により高速回転状態、つまり第一駆動電力による駆動状態に遷移する。また、高速回転状態から第二条件を満たした場合には、電力減少制御により低速回転状態、つまり第二駆動電力による駆動状態に遷移したり、停止状態に遷移したりする。さらに、低速回転状態において、減少待機状態中に第一所定時間T1が経過した場合、及び、負荷電流値が第一減少判定閾値Ths1未満又は第二減少判定閾値Ths2以上の場合、あるいは再増加待機状態中に第二所定時間T2が経過した場合、及び、負荷電流値が第二増加判定閾値Thi2未満の場合等には、負荷電流値の増加検出及び減少検出がキャンセルされて、電力増加制御の初期状態である増加待機状態に遷移する。したがって、清掃具1は、絨毯等の回転負荷が大きい被掃除部F上で掃除動作をしているときに、モータ12の駆動電力がデューティ比100%の第一駆動電力でモータ12及び回転清掃体11が高速回転し、掃除動作を検出しないときに、モータ12の駆動電力がデューティ比40%あるいは30%の第二駆動電力でモータ12及び回転清掃体11が中速回転又は低速回転する。運転終了時には、モータ12の駆動電力がデューティ比0%となってモータ12及び回転清掃体11が回転停止する。
さらに、制御手段13は、好ましくは、モータ12の起動と、モータ12の駆動電力の変更、つまり電力増加制御あるいは電力減少制御と、の少なくともいずれかの後の一定時間、少なくともモータ12の駆動電力の変更に関する処理をしない。ここで、駆動電力の変更に関する処理をしない、とは、モータ12の負荷電流値を測定しない、モータ12の駆動電力の増加又は減少の判定をしない、モータ12の駆動電力を増加又は減少させない、のうちの少なくともいずれかを意味する。最も簡単な例としては、制御手段13は、モータ12の起動後と、モータ12の駆動電力の変更後、つまり電力増加制御後あるいは電力減少制御後に、一定時間処理を待機する。
このように、第1の実施形態によれば、制御手段13が、モータ12の負荷電流値が少なくとも増加した後減少したと判定したときにモータ12の駆動電力を増加させるものであって、負荷電流値の増加の検出が、少なくとも直近の負荷電流値の過去の所定時間内の最小値から算出した算出値以上の負荷電流値を検出したことに基づく、すなわちモータ12の直近の負荷電流値の変動比に基づき負荷電流値の増加を検出することで、モータ12の消費電流値の個体差すなわちばらつき、特に電力を回転エネルギーに変換する効率に個体差があったり、清掃具1の周辺又はモータ12の温度のばらつき、あるいは、回転清掃体11への塵埃の絡み付き等が生じたりしている場合であっても、回転負荷を精度よく推測でき、清掃具1の動作等の状態検出の精度を向上できる。
また、上記算出値として、少なくとも直近の負荷電流値の過去の所定時間内の最小値に対して条件値である所定の増加乗算値を乗算した増加乗算比較値Cmaを用いることで、清掃具1の動作等の状態検出の精度をより向上できる。
例えば、負荷電流値を回転負荷xの関数としてI(x)=a+bx…(1)と表し、aを回転負荷とは独立した一定の負荷電流値、bを回転負荷に対する負荷電流値の感度、例えばモータ12の巻線抵抗により電流から回転エネルギーへの変換効率とするとき、bに影響する要因が大きい状況下、つまりbにばらつきがある場合であっても、モータ12の負荷電流値の変動比に基づき負荷電流値の増加を検出することで、回転負荷の推測精度が向上する。
特に、負荷電流値として、モータ12に流れる電流値から所定値を減算した値を用いる場合には、上記の式(1)のaに相当する部分がI(x)から差し引かれることで、I(x)がbに対してより強く追従することとなるため、モータ12の負荷電流値の変動比に基づく負荷電流値の増加の検出精度をより向上できる。特に、所定値を回転清掃体11の空転時のモータ12の負荷電流値とすることにより、上記の式(1)のaに近い値をI(x)から差し引くことができるので、負荷電流値の増加の検出精度をより向上できる。
本実施形態では、上記算出値として、直近の負荷電流値が最小値に対して条件値である所定の増加差分値を加算した加算比較値Caをさらに含む、すなわちモータ12の直近の負荷電流値の変動量を負荷電流値の増加検出のさらなる条件とすることで、回転負荷と独立した負荷電流値の要因、つまり上記の式(1)のaの要因を排除でき、回転負荷を精度よく推測でき、状態検出の精度をより向上できる。
したがって、本実施形態では、制御手段13が、少なくともモータ12の負荷電流値の変動比及び変動量に応じて負荷電流値の増加を検出することで、上記の式(1)のa、bのそれぞれの要因に起因するばらつきや変動を排除して、清掃具1の前進の動作検出をより高精度に実施できる。すなわち、負荷電流値が大きい状況では変動比よりも変動量による判断が有効であり、負荷電流値が小さい状況では変動量による判断よりも変動比による判断が有効であるため、両方を用いることにより、負荷電流値の大小に関係なく負荷電流値の増加の検出精度を保つことが可能になる。
制御手段13は、直近の負荷電流値が条件値である所定の第一増加判定閾値Thi1以上であることをさらに検出したことに基づき負荷電流値の増加を検出するので、例えば負荷電流値の変動比及び/又は変動量が仮に大きくても負荷電流値自体が小さい場合には清掃具1の前進動作と推定せずに、負荷電流値の増加の検出精度をより向上できる。
制御手段13は、モータ12の所定の負荷電流値とその直前の負荷電流値とに基づく算出値Cが条件値である所定の負の増加変動値Fa以下であることをさらに検出したことに基づき負荷電流値の増加を検出するので、負荷電流値の増加のピークを過ぎたタイミングで負荷電流値の増加を検出するように増加検出のタイミングを遅延させることができる。そのため、例えば使用者が清掃具1を通常よりもゆっくりと前後させている場合等、負荷電流値が上昇を続けている場合に、増加検出に続く減少検出のタイミングを遅延させることで、負荷電流値の増加中に減少検出のタイミングが掛かったり、負荷電流値の増加中に減少検出の第一所定時間T1が超過したりしないようにでき、負荷電流値の減少の検出精度を向上できる。
また、制御手段13が、少なくとも直近の負荷電流値の過去の所定時間内の最大値から算出した算出値以下の負荷電流値を検出したときに負荷電流値が減少したと検出するので、回転負荷と独立した負荷電流値の要因、つまり上記の式(1)のaの要因を排除でき、回転負荷を精度よく推測でき、状態検出の精度をより向上できる。
上記の算出値としては、直近の負荷電流値の過去の所定時間内の最大値に対して条件値である所定の減少差分値を減算した減算比較値Csを用いることで、状態検出の精度をより向上できる。
制御手段13は、直近の負荷電流値が条件値である所定の第一減少判定閾値Ths1以上であることをさらに検出したことに基づき負荷電流値の減少を検出するので、例えば清掃具1が延長管5から抜けた場合を清掃具1の後進と誤検出することを抑制でき、負荷電流値の減少の検出精度を向上できる。
制御手段13は、直近の負荷電流値が条件値である所定の第二減少判定閾値Ths2未満であることをさらに検出したことに基づき負荷電流値の減少を検出するので、負荷電流値が高止まりした状態で増減した場合を清掃具1の前進又は後進として誤検出することを抑制でき、負荷電流値の減少の検出精度を向上できる。
そして、制御手段13は、負荷電流値の少なくとも増加を検出した後減少を検出したときにモータ12の駆動電力を増加させることで、瞬間的な負荷電流値の増加等に応じてモータ12の駆動電力を増加させる場合と比較して、清掃具1の状態をより精度よく検出でき、その検出した状態に応じてモータ12の駆動電力を制御できる。
特に、本実施形態において、制御手段13は、負荷電流値の少なくとも増加を検出した後、第一所定時間T1内に負荷電流の減少を検出し、その後第二所定時間T2内に負荷電流値の再増加を検出したときに、モータ12の駆動電力を増加させることで、例えば使用者が清掃具1を絨毯等の回転負荷が大きい被掃除部Fに載置した状態で前後に移動させたことを所定の負荷電流値の変動に応じて、より確実に検出可能となる。そのため、モータ12が低い駆動電力で駆動されている状態で、この動作の検出に応じてモータ12の駆動電力を増加させることによって、掃除具1を被掃除部Fに接した状態で前後に移動させる掃除操作に応じて、清掃具1又は回転清掃体11が被掃除部Fに対する離着を検出する安全装置等を用いることなく、回転清掃体11の回転トルクを容易に増加させることができるとともに、安全装置が不要であることで清掃具1を軽量化できる。
制御手段13は、第三所定時間T3内に負荷電流値の増加を検出しない場合に、モータ12の駆動電力を低減させることで、清掃具1の動作を検出しないとき、あるいは、被掃除部Fが木床等の回転負荷が小さい被掃除部Fである場合には、モータ12及び回転清掃体11の回転トルクを低減できるとともに、不要な電力消費を抑制できる。
すなわち、単に負荷電流値の減少に応じて清掃具1の後進を検出する従来の場合では、清掃具1を被掃除部F上で後進させると、清掃具1が浮上する方向に力が加わるため、負荷電流値は被掃除部Fの種類によって大きな差が生じにくいことから、絨毯等の、回転負荷が大きくモータ12及び回転清掃体11の回転トルクが要求される被掃除部Fを掃除している際でも後進を検出できなかったり、上記の通り、モータ12の個体差、温度、回転清掃体11への塵埃の絡み付き等の要因によっても負荷電流値が影響を受けやすくなったりすることから、適切にモータ12の駆動電力を増加させることができないことが懸念される。そのため、負荷電流値の大きな上昇が第三所定時間T3内に発生するか否かに応じて駆動電力の増加又は減少を判断することにより、清掃具1を移動させているか、静止しているか又は木床等の回転負荷が小さい被掃除部F上にあるか、の判定精度を向上できる。したがって、モータ12のばらつき、回転清掃体11の汚れや毛絡み、温度等の影響を排除でき、清掃具1を使い込んだ場合、あるいは気温が低い冬季の掃除等の場合であっても、絨毯等の回転負荷が大きい被掃除部F上では回転トルクを維持しつつ、木床等の回転負荷が小さい被掃除部F上では回転トルクを低減させる制御が可能になる。
そして、上記の清掃具1を備えることで、清掃具1の動作等の状態に応じて駆動電力を制御可能な、省電力な電気掃除機CLを提供できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について、図10及び図11を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態において、図10に示すように、清掃具1は、清掃具1又は回転清掃体11の被掃除部Fに対する離着を検出する安全装置9を備えている。安全装置9は、被掃除部Fに対する離着を被掃除部Fに対する離着に応じて直接検出する既知のものである。制御手段13は、安全装置9が被掃除部Fから離れたことを検出したことに応じて、電力減少制御を実施する。この場合、第1の実施形態のように、モータ12の負荷電流値を用いて、清掃具1又は回転清掃体11が被掃除部Fから離れていることを検出しなくてもよい。
そこで、電力増加制御については、清掃具1又は回転清掃体11が被掃除部Fに接しているか否かの判定を主として安全装置9に任せているため、制御手段13は、電流検出部131によりモータ12の負荷電流値の増加を検出した後減少を検出した場合、判定部133から電力可変部130に信号を出力してモータ12の駆動電力を増加させる、又は、相対的に大きい駆動電力に設定する。
負荷電流値の増加検出及び減少検出の条件は、第1の実施形態と同一でもよいし、異なっていてもよい。すなわち、増加乗算値、増加乗算比較値Cma、増加差分値、加算比較値Ca、第一増加判定閾値Thi1、増加変動値Fa、減少差分値、減算比較値Cs、第一減少判定閾値Ths1、第二減少判定閾値Ths2等は、第1の実施形態と同一でもよいし、異なっていてもよい。そのため、モータ12の負荷電流値の増加を検出した後、第一所定時間T1内に減少を検出し、さらに第二所定時間T2内に再増加を検出する第1の実施形態の電流増加制御と比較して、第二所定時間T2分、判定時間が短くなり、つまり図8のステップS11~S15の判定が不要となり、素早くモータ12の駆動電力すなわち回転清掃体11の回転数を増加させることができる。
また、安全装置9を有する清掃具1の場合、被掃除部Fの凹凸や段差を通過する際に被掃除部Fに対して安全装置9が瞬間的に離着することで、制御手段13がモータ12の駆動電力を瞬間的に減少させ増加させることで、例えば図11に示すように、負荷電流値I(t)が瞬間的に減少した後増加するような変化が生じる場合がある。そのため、負荷電流値の増加のみに基づき電力増加制御を実施すると、木床等の回転負荷が小さい被掃除部Fの凹凸や段差を通過した際にモータ12の駆動電力を誤って増加させることが懸念される。そこで、本実施形態では、負荷電流値が増加した後減少したことを検出した場合にモータ12の駆動電力を増加させるため、被掃除部Fの凹凸や段差を通過する際の負荷電流値の瞬間的な変化に起因してモータ12の駆動電力を誤って増加させることを抑制できる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について、図12を参照して説明する。なお、上記の各実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態においては、制御手段13は、上記の各実施形態の負荷電流値の減少検出において、モータ12の負荷電流値の変動量に代えて、モータ12の負荷電流値の変動比に応じて負荷電流値の減少を検出する。すなわち、制御手段13は、算出値として、モータ12の負荷電流値が少なくとも負荷電流値の過去の所定時間内の最大値に対して条件値である所定の減少乗算値を乗算した減少乗算比較値Cmsを用いる。つまり、制御手段13は、少なくともモータ12の負荷電流値の過去の所定時間内の最大値の所定倍以下の負荷電流値を検出したことに基づき負荷電流値の減少を検出する。
具体的に、制御手段13は、判定部133により、電流検出部131により検出されたモータ12の直近の負荷電流値と、記憶部132に記憶されている、現在から所定時間内の過去の最大値に対して所定の減少乗算値を乗算した減少乗算比較値Cmsと、の大小を比較し、直近の負荷電流値が減少乗算比較値Cms以下であることに基づき、モータ12の負荷電流値の減少を検出する。
減少乗算値は、正の値であり、例えば1/1.3~1/1.25程度とする。減少乗算値は、増加乗算値の逆数でもよいし、増加乗算値の逆数とは異なる数でもよい。
図12に示すように、制御手段13は、上記の各実施形態のステップS9に代えて、制御手段13は、判定部133において、所定の負荷電流値I(t)が減少乗算比較値Cms以下であるか、を判定するステップS20を備える。すなわち、ステップS20において、制御手段13は、判定部133において、所定の負荷電流値I(t)が減少乗算比較値Cms以下であるか、を判定する。ステップS20において、所定の負荷電流値I(t)が減少乗算比較値Cms以下であると判定した場合、つまりステップS20のYESの場合、ステップS10に進む。また、ステップS20において、所定の負荷電流値I(t)が減少乗算比較値Cms以下でないと判定した場合、つまりステップS20のNOの場合、ステップS8に進む。その他のステップについては、各実施形態と同様である。
このようにすることで、モータ12の消費電流値の個体差すなわちばらつき、特に電力を回転エネルギーに変換する効率に個体差があったり、清掃具1の周辺又はモータ12の温度のばらつき、あるいは、回転清掃体11への塵埃の絡み付き等が生じたりしている場合であっても、回転負荷を精度よく推測でき、状態検出の精度を向上できる。
例えば、第1の実施形態の式(1)のbに影響する要因が大きい状況下、つまりbにばらつきがある場合であっても、モータ12の負荷電流値の変動比を負荷電流値の減少検出に用いることで、回転負荷の推測精度が向上する。
なお、第3の実施形態を、上記の各実施形態に対して、負荷電流値の減少検出のさらなる条件として組み合わせてもよい。すなわち、制御手段13は、少なくともモータ12の負荷電流値の変動比及び変動量に応じて負荷電流値の減少を検出してもよい。この場合には、第1の実施形態の式(1)のa、bのそれぞれの要因に起因するばらつきや変動を排除して、清掃具1の後進の状態検出をより高精度に実施できる。すなわち、負荷電流値が大きい状況では変動比よりも変動量による判断が有効であり、負荷電流値が小さい状況では変動比両による判断よりも変動比による判断が有効であるため、両方を用いることにより、負荷電流値の大小に関係なく負荷電流値の減少の検出精度を保つことが可能になる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について、図13を参照して説明する。なお、各実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態では、負荷電流値の増加検出に用いられる条件値の少なくともいずれかが複数セット設定されている。すなわち、算出値である増加乗算値、算出値である増加差分値、増加判定閾値、増加変動値のうちの少なくともいずれかが複数セット設定されている。本実施形態では、増加乗算値及び増加差分値がそれぞれ一対ずつ設定されている。つまり、増加乗算値に、第一増加乗算値と第二増加乗算値とが設定され、増加差分値に、第一増加差分値と第二増加差分値とが設定されている。
本実施形態において、第一増加乗算値と第一増加差分値とが一の増加判定用セットをなし、第二増加乗算値と第二増加差分値とが他の増加判定用セットをなす。第一増加乗算値に対して第二増加乗算値が小さく、第一増加差分値に対して第二増加差分値が大きい。すなわち、一の増加判定用セットと他の増加判定用セットとで、増加乗算値と増加差分値との大小関係、及び、増加乗算比較値と加算比較値との大小関係がそれぞれ逆となっている。本実施形態では、一の増加判定用セットは、負荷電流値の変動量による増加検出が他の増加判定用セットより出やすく、他の増加判定用セットは、負荷電流値の変動比による増加検出が一の増加判定用セットより出やすい。そのため、モータ12の負荷電流値が相対的に小さい場合には一の増加判定用セットが有効であり、モータ12の負荷電流値が相対的に大きい場合には他の増加判定用セットが有効となる。本実施形態において、第一増加乗算値は、例えば1.5とし、第一増加差分値は、例えば200mAとする。また、第二増加乗算値は、例えば1.2とし、第二増加差分値は、例えば300mAとする。
そして、負荷電流値の増加の検出は、少なくとも、モータ12の負荷電流値の過去の所定時間内の最小値に対して第一増加乗算値を乗算した値以上、かつ、最小値に対して第一増加差分値を加算した値以上の負荷電流値を検出したこと、又は、モータ12の負荷電流値の過去の所定時間内の最小値に対して第二増加乗算値を乗算した値以上、かつ、最小値に対して第二増加差分値を加算した値以上の負荷電流値を検出したこと、に基づく。
具体的に、制御手段13は、判定部133により、電流検出部131により検出されたモータ12の直近の負荷電流値と、記憶部132に記憶されている、現在から所定時間内の過去の最小値に対して所定の第一増加乗算値を乗算した第一増加乗算比較値Cma1と、この最小値に対して所定の第一増加差分値を加算した第一加算比較値Ca1と、の大小をそれぞれ比較し、直近の負荷電流値が第一増加乗算比較値Cma1及び第一加算比較値Ca1以上であることを、モータ12の負荷電流値が増加したことの検出の一条件とする。
又は、制御手段13は、判定部133により、電流検出部131により検出されたモータ12の直近の負荷電流値と、記憶部132に記憶されている、現在から所定時間内の過去の最小値に対して所定の第二増加乗算値を乗算した第二増加乗算比較値Cma2と、この最小値に対して所定の第二増加差分値を加算した第二加算比較値Ca2と、の大小をそれぞれ比較し、直近の負荷電流値が第二増加乗算比較値Cma2及び第二加算比較値Ca1以上であることを、モータ12の負荷電流値が増加したことの検出の一条件とする。
すなわち、制御手段13は、各増加判定セットと負荷電流値とを比較し、少なくともいずれか一方が満たされたときに、モータ12の負荷電流値が増加したと検出する。
また、本実施形態では、負荷電流値の減少検出の条件に用いられる条件値の少なくともいずれかが複数セット設定されている。すなわち、算出値である減少差分値、算出値である減少乗算値、第一減少判定閾値、第二減少判定閾値のうちの少なくともいずれかが複数セット設定されている。本実施形態では、減少差分値及び減少乗算値がそれぞれ一対ずつ設定されている。つまり、減少差分値に、第一減少差分値と第二減少差分値とが設定され、減少乗算値に、第一減少乗算値と第二減少乗算値とが設定されている。
本実施形態において、第一減少差分値と第一減少乗算値とが一の減少判定用セットをなし、第二減少差分値と第二減少乗算値とが他の減少判定用セットをなす。第一減少差分値に対して第二減少差分値が大きく、第一減少乗算値に対して第二減少乗算値が大きい。そのため、一の減少判定用セットと他の減少判定用セットとで、減少乗算比較値と減少比較値との大小関係が逆となっている。本実施形態では、一の減少判定用セットは、負荷電流値の変動量を他の減少判定用セットより厳しく判定するため、モータ12の負荷電流値が相対的に大きい場合に有効であり、他の減少判定用セットは、負荷電流値の変動比を一の減少判定用セットより厳しく判定するため、モータ12の負荷電流値が相対的に小さい場合に有効である。
本実施形態において、第一減少差分値は、例えば200mA、第一減少乗算値は、1未満、例えば1/1.5とする。また、第二減少差分値は、例えば300mAとし、第二減少乗算値は、1未満、例えば1/1.2とする。すなわち、本実施形態では、第一増加差分値と第一減少差分値との絶対値が等しく、第二増加差分値と第二減少差分値との絶対値が等しい。また、第一増加乗算値と第一減少乗算値とは、互いに逆数であり、第二増加乗算値と第二減少乗算値とは、互いに逆数である。これに限らず、第一増加差分値、第一増加乗算値、第二減少差分値及び第二減少乗算値は任意に設定してよい。
そして、負荷電流値の減少の検出は、少なくとも、モータ12の負荷電流値の過去の所定時間内の最大値に対して第一減少差分値を減算した値以下、かつ、最大値に対して第一減少乗算値を乗算した値以下の負荷電流値を検出したこと、又は、モータ12の負荷電流値の過去の所定時間内の最大値に対して第二減少差分値を減算した値以下、かつ、最大値に対して第二減少乗算値を乗算した値以下の負荷電流値を検出したこと、に基づく。
具体的に、制御手段13は、判定部133により、電流検出部131により検出されたモータ12の直近の負荷電流値と、記憶部132に記憶されている、現在から所定時間内の過去の最大値に対して所定の第一減少差分値を減算した第一減算比較値Cs1と、この最小値に対して所定の第一減少乗算値を乗算した第一減少乗算比較値Cms1と、の大小をそれぞれ比較し、直近の負荷電流値が第一減算比較値Cs1及び第一減少乗算比較値Cms1以下であることを、モータ12の負荷電流値が減少したことの検出の一条件とする。
又は、制御手段13は、判定部133により、電流検出部131により検出されたモータ12の直近の負荷電流値と、記憶部132に記憶されている、現在から所定時間内の過去の最大値に対して所定の第二減少差分値を減算した第二減算比較値Cs2と、この最小値に対して所定の第二減少乗算値を乗算した第二減少乗算比較値Cms2と、の大小をそれぞれ比較し、直近の負荷電流値が第二減算比較値Cs2及び第二減少乗算比較値Cms2以下であることを、モータ12の負荷電流値が減少したことの検出の一条件とする。
すなわち、制御手段13は、各減少判定セットと負荷電流値とを比較し、少なくともいずれか一方が満たされたときに、モータ12の負荷電流値が減少したと検出する。
好ましくは、制御手段13は、モータ12の負荷電流値が相対的に大きい場合に有効な一の増加判定用セットと一の減少判定用セットとを1ペアとし、モータ12の負荷電流値が相対的に小さいとき場合に有効な他の増加判定用セットと他の減少判定用セットとを別の1ペアとする。
なお、本実施形態において、負荷電流値の再増加検出については、増加検出と同様に、各増加判定セットと負荷電流値とを比較し、少なくともいずれか一方が満たされたときに、モータ12の負荷電流値が最増加したと検出する。
これらの制御を、図13のフローチャートを例に挙げて説明する。この例では、直近の負荷電流値を、最新の負荷電流値の直前の負荷電流値とし、所定の負荷電流値を、最新の負荷電流値とする。
このフローチャートは、図8に示すフローチャートにおけるステップS2に代えて下記のステップS21~S26を実施し、ステップS9に代えて下記のステップS27~S32を実施し、ステップS14に代えて下記のステップS33~S38を実施するものである。その他のステップについては、各実施形態と同様である。
つまり、ステップS1に続くステップS21において、制御手段13は、判定フラグ1,2を0にセットする。判定フラグ1は、一の増加判定用セットの有効/無効を判定するフラグであり、判定フラグ2は、他の増加判定用セットの有効/無効を判定するフラグである。次いで、ステップS22において、制御手段13は、判定部133において、直近の負荷電流値I(t-T)が第一増加乗算比較値Cma1以上、かつ、第一加算比較値Ca1以上であるか、を判定する。ステップS22において、直近の負荷電流値I(t-T)が第一増加乗算比較値Cma1以上、かつ、第一加算比較値Ca1以上であると判定した場合、つまりステップS22のYESの場合、ステップS23において、制御手段13は判定フラグ1を1にセットし、ステップS24に進む。また、ステップS22において、直近の負荷電流値I(t-T)が第一増加乗算比較値Cma1以上でない、又は、第一加算比較値Ca1以上でない、と判定した場合、つまりステップS22のNOの場合、そのままステップS24に進む。
ステップS24において、制御手段13は、判定部133において、直近の負荷電流値I(t-T)が第二増加乗算比較値Cma2以上、かつ、第二加算比較値Ca2以上であるか、を判定する。ステップS24において、直近の負荷電流値I(t-T)が第二増加乗算比較値Cma2以上、かつ、第二加算比較値Ca2以上であると判定した場合、つまりステップS24のYESの場合、ステップS25において、制御手段13は判定フラグ2を1にセットし、ステップS26に進む。また、ステップS24において、直近の負荷電流値I(t-T)が第二増加乗算比較値Cma2以上でない、又は、第二加算比較値Ca2以上でない、と判定した場合、つまりステップS24のNOの場合、そのままステップS26に進む。
そして、ステップS26において、制御手段13は、判定部133において、判定フラグ1が1であるか、又は、判定フラグ2が1であるか、を判定する。ステップS26において、判定フラグ1が1である、又は、判定フラグ2が1である、と判定した場合、つまりステップS26のYESの場合、ステップS3に進む。また、ステップS26において、判定フラグ1が1でない、及び、判定フラグ2が1でない、と判定した場合、ステップS6に進む。なお、ステップS6において、第三所定時間T3以上経過していないと判定した場合、つまりステップS6のNOの場合、ステップS21に進む。
また、ステップS27において、制御手段13は、判定フラグ3,4を0にセットする。判定フラグ3は、一の減少判定用セットの有効/無効を判定するフラグであり、判定フラグ4は、他の減少判定用セットの有効/無効を判定するフラグである。
ステップS28において、制御手段13は、判定部133において、所定の負荷電流値I(t)が第一減算比較値Cs1以下、かつ、第一減少乗算比較値Cms1以下であるか、を判定する。ステップS28において、所定の負荷電流値I(t)が第一減算比較値Cs1以下、かつ、第一減少乗算比較値Cms1以下であると判定した場合、つまりステップS28のYESの場合、ステップS29において、制御手段13は、判定フラグ3を1にセットし、ステップS30に進む。また、ステップS28において、所定の負荷電流値I(t)が第一減算比較値Cs1以下でない、又は、第一減少乗算比較値Cms1以下でない、と判定した場合、つまりステップS28のNOの場合、そのままステップS30に進む。
また、ステップS30において、制御手段13は、判定部133において、所定の負荷電流値I(t)が第二減算比較値Cs2以下、かつ、第二減少乗算比較値Cms2以下であるか、を判定する。ステップS30において、所定の負荷電流値I(t)が第二減算比較値Cs1以下、かつ、第二減少乗算比較値Cms1以下であると判定した場合、つまりステップS30のYESの場合、ステップS31において、制御手段13は、判定フラグ4を1にセットし、ステップS32に進む。また、ステップS30において、所定の負荷電流値I(t)が第二減算比較値Cs2以下でない、又は、第二減少乗算比較値Cms2以下でない、と判定した場合、つまりステップS30のNOの場合、そのままステップS32に進む。
そして、ステップS32において、制御手段13は、判定部133において、判定フラグ1,3がともに1であるか、又は、判定フラグ2,4がともに1であるか、を判定する。ステップS32において、判定フラグ1,3がともに1である、又は、判定フラグ2,4がともに1である、と判定した場合、つまりステップS32のYESの場合、ステップS10に進む。また、ステップS32において、判定フラグ1,3がともに1でない、及び、判定フラグ2,4がともに1でない、と判定した場合、つまりステップS32のNOの場合、ステップS27に進む。なお、ステップS10において、所定の負荷電流値I(t)が第一減少判定閾値Ths1以上でない、又は、第二減少判定閾値Ths2未満でない、と判定した場合、つまりステップS10のNOの場合、ステップS27に進む。
さらに、ステップS33において、制御手段13は、判定フラグ5,6を0にセットする。判定フラグ5は、一の増加判定用セットの有効/無効を判定するフラグであり、判定フラグ6は、他の増加判定用セットの有効/無効を判定するフラグである。
また、ステップS34において、制御手段13は、判定部133において、所定の負荷電流値I(t)が第一増加乗算比較値Cma1以上、かつ、第一加算比較値Ca1以上であるか、を判定する。ステップS34において、所定の負荷電流値I(t)が第一増加乗算比較値Cma1以上、かつ、第一加算比較値Ca1以上であると判定した場合、つまりステップS34のYESの場合、ステップS35において、制御手段13は、判定フラグ5を1にセットし、ステップS36に進む。また、ステップS34において、所定の負荷電流値I(t)が第一増加乗算比較値Cma1以上でない、又は、第一加算比較値Ca1以上でない、と判定した場合、つまりステップS34のNOの場合、そのままステップS36に進む。
また、ステップS36において、制御手段13は、判定部133において、所定の負荷電流値I(t)が第二増加乗算比較値Cma2以上、かつ、第二加算比較値Ca2以上であるか、を判定する。ステップS36において、所定の負荷電流値I(t)が第二増加乗算比較値Cma2以上、かつ、第二加算比較値Ca2以上であると判定した場合、つまりステップS36のYESの場合、ステップS37において、制御手段13は、判定フラグ6を1にセットし、ステップS38に進む。また、ステップS36において、所定の負荷電流値I(t)が第二増加乗算比較値Cma2以上でない、又は、第二加算比較値Ca2以上でない、と判定した場合、つまりステップS36のNOの場合、そのままステップS38に進む。
そして、ステップS38において、制御手段13は、判定部133において、判定フラグ1,3,5がいずれも1であるか、又は、判定フラグ2,4,6がいずれも1であるか、を判定する。ステップS38において、判定フラグ1,3,5がいずれも1である、又は、判定フラグ2,4,6がいずれも1である、と判定した場合、つまりステップS38のYESの場合、ステップS15に進む。また、ステップS38において、判定フラグ1,3,5の少なくともいずれかが1でない、及び、判定フラグ2,4,6の少なくともいずれかが1でない、と判定した場合、つまりステップS38のNOの場合、ステップS33に進む。なお、ステップS15において、所定の負荷電流値I(t)が第一増加判定閾値Thi1以上でないと判定した場合、つまりステップS15のNOの場合、ステップS33に進む。
このように、負荷電流値の増加検出及び/又は減少検出の条件値を複数セット設定することにより、増加検出及び/又は減少検出の精度をより向上できる。
また、負荷電流値の増加検出の条件値において、第一増加乗算値に対して第二増加乗算値が小さく、第一増加差分値に対して第二増加差分値が大きいため、負荷電流値の過去の所定時間内の最小値に増加乗算値を乗算した増加乗算比較値と、最小値に増加差分値を加算した増加比較値と、の大小関係が一の増加判定用セットと他の増加判定用セットとで逆となる。そのため、第一増加乗算値と第一増加差分値とを1セットとする一の増加判定用セットを用いて負荷電流値の増加を検出する場合には、モータ12の負荷電流値の変動量に対して増加検出が出やすくなり、第二増加乗算値と第二増加差分値とを1セットとする他の増加判定用セットを用いて増加検出する場合には、モータ12の負荷電流値の変動比に対して増加検出が出やすくなる。そのため、一の増加判定用セットを用いる場合には、モータ12の負荷電流値が小さい場合の判定精度が向上し、他の増加判定用セットを用いる場合には、モータ12の負荷電流値が大きい場合の判定精度が向上する。よって、負荷電流値の大小に関係なく負荷電流値の増加の検出精度を保つことが可能になる。
同様に、負荷電流値の減少検出の条件値において、第一減少差分値に対して第二減少差分値が大きく、第一減少乗算値に対して第二減少乗算値が大きいため、負荷電流値の過去の所定時間内の最大値から減少差分値を減算した減少乗算比較値と、最大値に減少乗算値を乗算した減少比較値と、の大小関係が一の減少判定用セットと他の減少判定用セットとで逆となる。そのため、第一減少差分値と第一減少乗算値とを1セットとする一の減少判定用セットを用いて負荷電流値の減少を検出する場合には、モータ12の負荷電流値の変動量に対して減少検出が出やすくなり、第二減少差分値と第二減少乗算値とを1セットとする他の減少判定用セットを用いて負荷電流値の減少を検出する場合には、モータ12の負荷電流値の変動比に対して減少検出が出やすくなる。そのため、一の減少判定用セットを用いる場合には、モータ12の負荷電流値が小さい場合の判定精度が向上し、他の減少判定用セットを用いる場合には、モータ12の負荷電流値が大きい場合の判定精度が向上する。よって、負荷電流値の大小に関係なく負荷電流値の減少の検出精度を保つことが可能になる。
そして、一の増加判定用セットと一の減少判定用セットとを負荷電流値の増加検出及び減少検出に用いる1ペアとすることで、モータ12の負荷電流値が相対的に小さいときに負荷電流値の増加検出と減少検出との精度が向上する。同様に、他の増加判定用セットと他の減少判定用セットとを負荷電流値の増加検出及び減少検出に用いる1ペアとすることで、モータ12の負荷電流値が相対的に大きいときに負荷電流値の増加検出と減少検出との精度が向上する。
なお、第4の実施形態においては、増加検出、減少検出、及び、再増加検出のそれぞれにおいて、条件値が複数セット設定されている例を挙げて説明したが、これに限らず、増加検出、減少検出、再増加検出の少なくともいずれかの条件値が複数セット設定されていれば、同様の作用効果を奏することができる。
また、第4の実施形態に例を示した条件値以外の条件値が複数セット設定されていてもよい。
さらに、条件値のセットは、2セットに限らず、3セット以上でもよい。
また、条件値のセットは、条件値自体が異なる場合と、基準となる条件値に対する補正値が異なる場合と、を含むものとする。
さらに、清掃具1は、吸引源3の吸引力の反力によって被掃除部Fに押し付けられる力が生じるため、吸引源3に複数の運転モードがある場合、あるいは、被掃除部F上の塵埃量の検出、及び/又は、被掃除部Fの種類の検出、及び/又は吸引源3あるいは周辺の温度の検出等に応じて吸引源3の吸引力を本体制御部8により制御する場合、吸引源3の吸引力に強さに応じて清掃具1の被掃除部Fへの吸い付きの強さが異なることにより、清掃具1が被掃除部F上を動く際の回転負荷が異なる。例えば、強い吸引力で木床等の回転負荷が小さい被掃除部F上を掃除する場合と、弱い吸引力で絨毯等の回転負荷が大きい被掃除部F上を掃除する場合と、で回転負荷が近似する。したがって、吸引源3の吸引力に応じて、負荷電流値の増加検出及び/又は減少検出の条件値を異ならせることが好ましい。そこで、制御手段13は、吸引源3の吸引力に応じて、条件値のセットを複数セットのいずれかから選択してもよい。一例として、吸引源3の吸引力が大きいほど、値が大きい条件値のセットを選択するようにする。この場合には、吸引源3の吸引力の大小に拘らず、負荷電流値の増加検出及び/又は減少検出の精度をより向上できる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について、図14及び図15を参照して説明する。なお、各実施形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態は、負荷電流値が減少している最中には、減少検出を生じさせず、負荷電流値が減少から増加に転じるタイミング、すなわち負荷電流値の減少の底を過ぎたタイミングで減少検出を生じさせるように減少検出を遅延させることで、減少検出に続く再増加検出の精度を確保するものである。
すなわち、例えば使用者が清掃具1をゆっくりと前後させている場合、図14に示すように、負荷電流値I(t)の変動が緩やかになるため、負荷電流値I(t)が減少している最中に上記の条件を満たして負荷電流値の減少検出のタイミングti4が生じると、負荷電流値の再増加検出の開始のタイミングti5が負荷電流値I(t)の減少の底の幅内に掛かることとなり、検出精度が低下するおそれがある。そこで、制御手段13は、負荷電流値の減少の底を過ぎたタイミングti6で負荷電流値の減少の検出を生じさせるように減少検出のタイミングを遅延させる。
具体的に、制御手段13は、モータ12の所定の負荷電流値とその直前の負荷電流値とに基づく算出値Cが条件値である所定の正の減少変動値Fs以上であることをさらに検出したことに基づき、負荷電流値の減少を検出する。
本実施形態において、所定の負荷電流値とその直前の負荷電流値とに基づく算出値Cとは、所定の負荷電流値とその直前の負荷電流値との差である。
減少変動値Fsは、負荷電流値よりも十分に小さい値であり、例えば負荷電流値の1/10程度のオーダとする。この減少変動値Fsは、回転負荷を一定としたときの負荷電流値の変動に基づき設定される値である。本実施形態において、減少変動値Fsは、例えば50mAとする。減少変動値Fsは、増加変動値Faと絶対値が等しくてもよいし、異なっていてもよい。
なお、算出値Cは、所定の負荷電流値とその直前の負荷電流値との比でもよい。この場合、減少変動値Fsは、1より小さい所定の正の値として設定される。この減少変動値Fsは、増加変動値Faの逆数でもよいし、増加変動値Faの逆数とは異なる値でもよい。
この制御を、図15のフローチャートを例に挙げて説明する。この例では、第1の実施形態の図8に示すフローチャートにおいて、ステップS8に続いて、下記のステップS39~S41を実施する。その他のステップについては、各実施形態と同様である。
つまり、ステップS8に続いて、ステップS39において、制御手段13は、判定部133において、直近の負荷電流値I(t-T)が減算比較値Cs以下であるか、を判定する。ステップS39において、直近の負荷電流値I(t-T)が減算比較値Cs以下であると判定した場合、つまりステップ3S9のYESの場合、ステップS40において、制御手段13は、判定部133において、直近の負荷電流値I(t-T)が第一減少判定閾値Ths1以上、かつ、第二減少判定閾値Ths2未満であるか、を判定する。
ステップS40において、直近の負荷電流値I(t-T)が第一減少判定閾値Ths1以上、かつ、第二減少判定閾値Ths2未満であると判定した場合、つまりステップS40のYESの場合、ステップS41に進む。また、ステップS39において、直近の負荷電流値I(t-T)が減算比較値Cs以下でないと判定した場合、及び、ステップS40において、直近の負荷電流値I(t-T)が第一減少判定閾値Ths1以上でない、又は、第二減少判定閾値Ths2未満でない、と判定した場合、つまりステップS39,S40のNOの場合、それぞれステップS8に進む。なお、ステップS39,S40の順番は逆でもよい。
そして、ステップS41において、制御手段13は、判定部133において、算出値Cが減少変動値Fs以上であるか、を判定する。
ステップS41において、算出値Cが減少変動値Fs以上であると判定した場合、つまりステップS41のYESの場合、負荷電流値の減少検出の条件が満たされるので、ステップS11に進む。
また、ステップS41において、算出値Cが減少変動値Fs以上でないと判定した場合、つまりステップS41のNOの場合、ステップS8に進む。
このように、制御手段13が、モータ12の所定の負荷電流値とその直前の負荷電流値とに基づく算出値が条件値である所定の正の減少変動値Fs以下であることをさらに検出したことに基づき負荷電流値の減少を検出するので、負荷電流値の減少の底を過ぎたタイミングで負荷電流値の減少を検出するように減少検出のタイミングを遅延させることができる。そのため、例えば使用者が清掃具1を通常よりもゆっくりと前後させている場合等、負荷電流値が下降を続けている場合に、減少検出に続く再増加検出のタイミングを遅延させることで、負荷電流値の減少中に再増加検出のタイミングが掛かったり、負荷電流値の減少中に再増加検出の第二所定時間T2が超過したりしないようにでき、負荷電流値の再増加の検出精度を向上できる。
なお、上記の各実施形態の増加検出の条件と減少検出の条件とは、互いに独立して設定されていてよい。例えば、各実施形態の増加検出の条件のみを採用し、減少検出の条件は任意としてもよいし、各実施形態の減少検出の条件のみを採用し、増加検出の条件は任意としてもよい。
また、各実施形態に設定されている増加検出の条件は、互いに矛盾しない限り、任意に組み合わせてよい。同様に、各実施形態に設定されている減少検出の条件は、互いに矛盾しない限り、任意に組み合わせてよい。
さらに、各実施形態に設定されている増加検出の条件と減少検出の条件とを任意に組み合わせてもよい。
また、電気掃除機CLは、吸引源3により負圧又は吸引力を生じさせるものに限らず、回転清掃体11の回転により塵埃を分離部4に掻き上げて集積するものでもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲をこれらの実施形態に限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
3 吸引源
11 回転清掃体
12 モータ
13 制御手段
101 空間部
CL 電気掃除機

Claims (18)

  1. モータと、
    該モータにより回転される回転清掃体と、
    前記モータを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記モータの負荷電流値の少なくとも増加を検出した後減少を検出したときに前記モータの駆動電力を増加させるものであって、前記負荷電流値の増加の検出は、少なくとも前記負荷電流値の過去の所定時間内の最小値から算出された条件値である算出値以上の負荷電流値を検出したことに基づく
    ことを特徴とする電気掃除機。
  2. 前記算出値は、前記最小値に対して条件値である所定の増加乗算値を乗算した値を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
  3. 前記算出値は、前記最小値に対して条件値である所定の増加差分値を加算した値をさらに含む
    ことを特徴とする請求項2記載の電気掃除機。
  4. 前記増加乗算値は、第一増加乗算値と、前記第一増加乗算値より小さい第二増加乗算値と、を有し、
    前記増加差分値は、第一増加差分値と、前記第一増加差分値より大きい第二増加差分値と、を有し、
    前記負荷電流値の増加の検出は、少なくとも、前記最小値に対して前記第一増加乗算値を乗算した値以上、かつ、前記最小値に対して前記第一増加差分値を加算した値以上の負荷電流値を検出したこと、又は、前記最小値に対して前記第二増加乗算値を乗算した値以上、かつ、前記最小値に対して前記第二増加差分値を加算した値以上の負荷電流値を検出したこと、に基づく
    ことを特徴とする請求項3記載の電気掃除機。
  5. 前記負荷電流値の増加の検出は、前記負荷電流値が条件値である所定の増加判定閾値以上であることにさらに基づく
    ことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
  6. 前記負荷電流値の増加の検出は、前記モータの所定の負荷電流値とその直前の負荷電流値とに基づく算出値が条件値である所定の負の増加変動値以下であることにさらに基づく
    ことを特徴とする請求項5記載の電気掃除機。
  7. モータと、
    該モータにより回転される回転清掃体と、
    前記モータを制御する制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記モータの負荷電流値の少なくとも増加を検出した後減少を検出したときに前記モータの駆動電力を増加させるものであって、前記負荷電流値の減少の検出は、少なくとも前記負荷電流値の過去の所定時間内の最大値から算出された条件値である算出値以下の負荷電流値を検出したことに基づく
    ことを特徴とする電気掃除機。
  8. 前記算出値は、前記最大値に対して条件値である所定の減少差分値を減算した値を含む
    ことを特徴とする請求項7記載の電気掃除機。
  9. 前記算出値は、前記最大値に対して条件値である所定の減少乗算値を乗算した値を含む
    ことを特徴とする請求項7記載の電気掃除機。
  10. 前記算出値は、前記最大値に対して条件値である所定の減少乗算値を乗算した値を含む
    ことを特徴とする請求項8記載の電気掃除機。
  11. 前記減少差分値は、第一減少差分値と、前記第一減少差分値より大きい第二減少差分値と、を有し、
    前記減少乗算値は、第一減少乗算値と、前記第一減少乗算値より大きい第二減少乗算値と、を有し、
    前記負荷電流値の減少の検出は、少なくとも、前記最大値に対して前記第一減少差分値を減算した値以下、かつ、前記最大値に対して前記第一減少乗算値を乗算した値以下の負荷電流値を検出したこと、又は、前記最大値に対して前記第二減少差分値を減算した値以下、かつ、前記最大値に対して前記第二減少乗算値を乗算した値以下の負荷電流値を検出したこと、に基づく
    ことを特徴とする請求項10記載の電気掃除機。
  12. 前記負荷電流値の減少の検出は、前記負荷電流値が条件値である所定の第一減少判定閾値以上であることにさらに基づく
    ことを特徴とする請求項7記載の電気掃除機。
  13. 前記負荷電流値の減少の検出は、前記負荷電流値が条件値である所定の第二減少判定閾値未満であることにさらに基づく
    ことを特徴とする請求項7記載の電気掃除機。
  14. 前記負荷電流値の減少の検出は、前記モータの所定の負荷電流値とその直前の負荷電流値とに基づく算出値が条件値である正の所定の減少変動値以上であることにさらに基づく
    ことを特徴とする請求項13記載の電気掃除機。
  15. 吸引源を備え、
    前記回転清掃体は、前記吸引源と連通する空間部に位置し、
    前記条件値は、複数セット設定され、
    前記制御手段は、前記吸引源の吸引力に応じて前記条件値のセットを選択する
    ことを特徴とする請求項1又は7記載の電気掃除機。
  16. 前記負荷電流値は、前記モータに流れる電流値から所定値を減算した値である
    ことを特徴とする請求項1又は7記載の電気掃除機。
  17. 前記制御手段は、前記負荷電流値の少なくとも増加を検出した後、第一所定時間内に前記負荷電流値の減少を検出し、その後第二所定時間内に前記負荷電流値の増加を検出したときに、前記モータの駆動電力を増加させる
    ことを特徴とする請求項1又は7記載の電気掃除機。
  18. 前記制御手段は、第三所定時間内に前記負荷電流値の増加を検出しない場合に、前記モータの駆動電力を低減させる
    ことを特徴とする請求項1又は7記載の電気掃除機。
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