JP2024017499A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像品質向上と耐久性向上とを両立できる定着装置および画像形成装置を提供する。【解決手段】定着パッド56は、定着ニップ80を形成するためのニップ形成面と、記録媒体Sの搬送方向におけるニップ形成面の上流にある湾曲面とを有している。定着ニップ80の搬送方向の上流側縁部81と、定着パッド56のニップ形成面と湾曲面との境界73と、の搬送方向における距離は、境界73が上流側縁部81よりも搬送方向の下流にある場合に正の値をとり、境界73が上流側縁部81よりも搬送方向の上流にある場合に負の値をとるものとすると、記録媒体Sの幅方向の中央部における距離の値が、幅方向の端部における距離の値よりも大きい。記録媒体Sの幅方向の中央部において、ニップ形成面と湾曲面との境界73は、定着ニップ80の上流側縁部81よりも搬送方向の下流にある。【選択図】図4

Description

本開示は、定着装置および画像形成装置に関する。
定着装置に関し、特開2020-91461号公報(特許文献1)には、加圧ローラとの間で定着ベルトを挟んで定着ニップを形成するニップ形成部材が開示されている。ニップ形成部材は、定着ベルトの内周面に接触する平板状のニップ形成部と、ニップ形成部のベルト回転方向の両端部から加圧ローラ側とは反対側に屈曲する一対の屈曲部と、を有している。
特開2020-91461号公報
定着装置を通紙する用紙が、用紙幅方向での平面性が保てなくなると、用紙のシワ、画像のにじみなどが発生し、画像品質が低下することがある。また、用紙が定着ニップを通過することで、定着ベルトの表面に設けられた離型層が削られ、定着装置の耐久性が低下することがある。
本開示では、画像品質向上と耐久性向上とを両立できる定着装置および画像形成装置が提案される。
本開示では、以下の定着装置が提案される。
(第1項)記録媒体上に形成されたトナーの像を記録媒体に定着させる定着装置は、定着ベルトと、定着ベルトに接触する接触面を有する定着パッドと、定着ベルトを介して定着パッドを押圧することで定着ニップを形成する加圧ローラーとを備えている。定着パッドの接触面は、定着ニップを形成するためのニップ形成面と、記録媒体の搬送方向におけるニップ形成面の上流にあり加圧ローラーから離れる方向に湾曲する湾曲面とを有している。定着ニップの搬送方向の上流側縁部と、定着パッドのニップ形成面と湾曲面との境界と、の搬送方向における距離は、境界が上流側縁部よりも搬送方向の下流にある場合に正の値をとり、境界が上流側縁部よりも搬送方向の上流にある場合に負の値をとるものとすると、記録媒体の幅方向の中央部における距離の値が、幅方向の端部における距離の値よりも大きい。記録媒体の幅方向の中央部において、ニップ形成面と湾曲面との境界は、定着ニップの上流側縁部よりも搬送方向の下流にある。
(第2項)第1項に記載の定着装置において、記録媒体の幅方向の端部において、ニップ形成面と湾曲面との境界は、定着ニップの上流側縁部よりも搬送方向の上流にあってもよい。
(第3項)第1項または第2項に記載の定着装置において、記録媒体の幅方向の中央部における加圧ローラーの外径が、記録媒体の幅方向の端部における加圧ローラーの外径よりも大きくてもよい。
(第4項)第1項から第3項までのいずれか1項に記載の定着装置において、ニップ形成面は平坦面であってもよい。
(第5項)第1項から第4項までのいずれか1項に記載の定着装置において、記録媒体の幅方向における端部の位置は、定着装置に通紙可能な記録媒体のうち最大幅を有する記録媒体の縁が通過する位置を含んでもよい。
(第6項)第1項から第4項までのいずれか1項に記載の定着装置において、記録媒体の幅方向における端部の位置は、定着装置に通紙される頻度が最大の記録媒体の縁が通過する位置を含んでもよい。
本開示では、以下の画像形成装置が提案される。
(第7項)画像形成装置は、記録媒体上にトナーの像を形成する画像形成部と、トナーの像を記録媒体に定着させる、上記第1項から第6項までのいずれか1項に記載の定着装置とを備えている。
本開示に従った定着装置および画像形成装置によると、画像品質向上と耐久性向上とを両立することができる。
実施形態に係る画像形成装置の概略図である。 図1に示される画像形成装置の定着装置を示す概略図である。 定着パッドの外形を示す斜視図である。 定着パッドの接触面の形状と定着ニップとの関係を示す模式図である。 図4に示されるV-V線に沿う定着パッドの断面図である。 図4に示されるVI-VI線に沿う定着パッドの断面図である。 記録媒体の幅方向の中央部と端部とにおける定着ベルトの摩耗量を示す図である。 第2実施形態に係る、定着パッドの接触面の形状と定着ニップとの関係を示す模式図である。 第3実施形態に係る定着パッドの外形を示す斜視図である。 第3実施形態に係る加圧ローラーの外形を示す図である。 第3実施形態に係る、定着パッドの接触面の形状と定着ニップとの関係を示す模式図である。 第4実施形態に係る定着装置を示す概略図である。
以下、本開示に係る定着装置および画像形成装置の実施形態について、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。各実施形態から任意の構成が抽出され、それらが任意に組み合わされることも、当初から予定されている。
[第1実施形態]
<画像形成装置100の構成>
図1は、実施形態に係る画像形成装置100の概略図である。以下では、カラープリンターとしての画像形成装置100について説明するが、画像形成装置100は、カラープリンターに限定されない。たとえば、画像形成装置100は、モノクロプリンターであってもよいし、ファックスであってもよいし、スキャナー、プリンターおよびコピー機の機能を有する複合機(MFP:Multi-Functional Peripheral)であってもよい。
画像形成装置100は、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、定着装置50と、筐体90と、制御部101と、操作パネル102とを備えている。
筐体90は、画像形成装置100の外殻を規定している。筐体90は、内部に、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40と、定着装置50と、制御部101とを収容している。
操作パネル102は、筐体90に組み付けられている。操作パネル102は、各種情報をユーザに通知する表示部、および、各種ユーザ操作を受け付ける入力部を含んでいる。より具体的には、操作パネル102は、入力部の機能として、テンキーを含む各種入力キー群、およびタッチセンサなどを含むとともに、表示部の機能として、タッチセンサと一体化した液晶表示部、およびLED(Light Emitting Diode)などからなる各種インジケータを含んでいる。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、中間転写ベルト30と、一次転写ローラー31と、二次転写ローラー33と、カセット37と、従動ローラー38と、駆動ローラー39と、タイミングローラー40とによって、画像形成部が構成されている。この画像形成部は、後述する搬送経路41に沿って搬送される記録媒体S上に、トナー画像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト30に沿って順に並べられている。画像形成ユニット1Yは、トナーボトル15Yからトナーの供給を受けてイエロー(Y)のトナーの像を形成する。画像形成ユニット1Mは、トナーボトル15Mからトナーの供給を受けてマゼンタ(M)のトナーの像を形成する。画像形成ユニット1Cは、トナーボトル15Cからトナーの供給を受けてシアン(C)のトナーの像を形成する。画像形成ユニット1Kは、トナーボトル15Kからトナーの供給を受けてブラック(BK)のトナーの像を形成する。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、中間転写ベルト30に沿って中間転写ベルト30の回転方向の順に配置されている。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、それぞれ、像担持体としての感光体10と、複数の機能部材とを備えている。複数の機能部材は、たとえば、帯電装置11と、露光装置12と、現像装置13と、クリーニング装置17とを含んでいる。
帯電装置11は、感光体10の表面を一様に帯電する。露光装置12は、制御部101からの制御信号に応じて感光体10にレーザー光を照射し、入力された画像パターンに従って感光体10の表面を露光する。これにより、入力画像に応じた静電潜像が感光体10上に形成される。
現像装置13は、現像ローラー14を回転させながら、現像ローラー14に現像バイアスを印加し、現像ローラー14の表面にトナーを付着させる。これにより、トナーが現像ローラー14から感光体10に転写され、静電潜像に応じたトナーの像が感光体10の表面に現像される。
感光体10と中間転写ベルト30とは、一次転写ローラー31を設けている部分で互いに接触している。一次転写ローラー31は、ローラー形状を有し、回転可能に構成されている。トナーの像と反対極性の転写電圧が一次転写ローラー31に印加されることによって、トナーの像が感光体10から中間転写ベルト30に転写される。イエロー(Y)のトナーの像、マゼンタ(M)のトナーの像、シアン(C)のトナーの像、およびブラック(BK)のトナーの像が順に重ねられて感光体10から中間転写ベルト30に転写される。これにより、カラーのトナーの像が中間転写ベルト30上に形成される。
トナーは、樹脂と、樹脂に分散された着色剤とを含む。樹脂としては、従来公知の材料を特に限定されることなく用いることができ、たとえば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル系共重合樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、または、酢酸ビニル樹脂等を挙げることができる。トナーは、樹脂および着色剤以外に、離型剤を含む。離型剤は、ワックスを含む。ワックスとしては、従来公知の材料を特に限定されることなく用いることができ、たとえば、合成エステルワックスを挙げることができる。
中間転写ベルト30は、従動ローラー38および駆動ローラー39に張架されている。駆動ローラー39は、たとえばモーター(図示しない)によって回転駆動される。中間転写ベルト30および従動ローラー38は、駆動ローラー39に連動して回転する。これにより、中間転写ベルト30上のトナーの像が二次転写ローラー33に搬送される。
クリーニング装置17は、感光体10に圧接されている。クリーニング装置17は、トナーの像の転写後に感光体10の表面に残留するトナーを回収する。
カセット37には、記録媒体Sがセットされる。記録媒体Sは、画像形成装置100において形成される画像を記録するために用いられる。記録媒体Sは、普通紙、印画紙、厚紙、封筒などの紙製の記録媒体であってもよく、OHP(オーバーヘッド・プロジェクター)用紙などの樹脂製の記録媒体であってもよい。記録媒体Sは、カセット37から1枚ずつ、タイミングローラー40によって、搬送経路41に沿って二次転写ローラー33に送られる。
二次転写ローラー33は、ローラー形状を有し、回転可能に構成されている。二次転写ローラー33は、トナーの像と反対極性の転写電圧を搬送中の記録媒体Sに印加する。これにより、トナーの像は、中間転写ベルト30から二次転写ローラー33に引き付けられ、中間転写ベルト30上のトナーの像が記録媒体Sに転写される。二次転写ローラー33への記録媒体Sの搬送タイミングは、中間転写ベルト30上のトナーの像の位置に合わせてタイミングローラー40によって調整される。タイミングローラー40により、中間転写ベルト30上のトナーの像は、記録媒体Sの適切な位置に転写される。
定着装置50は、自身を通過する記録媒体Sを加圧および加熱する。これにより、トナーの像が記録媒体Sに定着する。このように、定着装置50は、搬送経路41に沿って搬送される記録媒体S上のトナーの像を、記録媒体Sに定着させる。トナーの像が定着された記録媒体Sは、トレイに排紙される。
なお、上述では、印刷方式としてタンデム方式を採用している画像形成装置100について説明したが、画像形成装置100の印刷方式は、タンデム方式に限定されない。画像形成装置100内における各構成の配置は、採用される印刷方式に従って適宜変更され得る。画像形成装置100の印刷方式として、ロータリー方式または直接転写方式が採用されてもよい。ロータリー方式の場合、画像形成装置100は、1つの感光体10と、同軸上で回転可能に構成される複数の現像装置13で構成される。画像形成装置100は、印刷時には、各現像装置13を感光体10に順に導き、各色のトナーの像を現像する。直接転写方式の場合、画像形成装置100は、感光体10上に形成されたトナーの像が記録媒体Sに直接転写される。
<定着装置50の構成>
続いて、定着装置50の構造について詳細に説明する。図2は、図1に示される画像形成装置100の定着装置50を示す概略図である。
図2に示されるように、定着装置50は、加圧ローラー51と、無端状の定着ベルト52と、定着ヒーター54を有する加熱ローラー53と、定着パッド56とを主に有している。
加圧ローラー51は、定着ベルト52の外側に配置されている。加圧ローラー51は、定着パッド56に対向している。加圧ローラー51は、図示しない付勢部材の付勢力により、定着ベルト52を間に挟み込んで定着パッド56を加圧する。これにより、定着ベルト52が定着パッド56に押圧される。加圧ローラー51は、定着ベルト52を介して定着パッド56を押圧する。
加圧ローラー51が定着パッド56の形状にならうように圧縮変形することで、加圧ローラー51と定着ベルト52との間に、加圧ローラー51と定着ベルト52との接触領域である定着ニップが形成される。
加圧ローラー51は、たとえば、芯金、弾性層、および離型層で構成されている。芯金は、アルミニウムまたは鉄鋼などの金属製であり、中空円筒形状を有している。弾性層は、芯金の外周面を被覆している。弾性層は、たとえばシリコーンゴムなどの弾性材料によって構成されている。離型層は、弾性層を覆うように設けられている。離型層は、たとえば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)またはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などによって構成されている。
加圧ローラー51は、駆動モーターからのトルクによって回転する。加圧ローラー51の回転に伴って、定着ベルト52が周回する。加圧ローラー51が回転することにより、定着ベルト52は、加圧ローラー51の回転方向と反対方向に回転する。加熱ローラー53は、定着ベルト52の周回運動に伴って回転する。
加圧ローラー51は、定着ベルト52を従動回転させることによって、記録媒体Sを搬送する。定着ベルト52を介した定着パッド56および加圧ローラー51は、未定着のトナーTを担持した記録媒体Sを定着ニップで挟持して、所定の搬送方向に搬送しながら記録媒体Sを加熱および加圧する。記録媒体Sが定着ニップを通過する間にトナーTが加熱および加圧されることにより、記録媒体S上に形成されたトナーTが溶融して、トナーTの像が記録媒体Sに定着する。
加圧ローラー51の軸方向(図2においては、紙面垂直方向)の長さは、定着装置50に通紙可能な記録媒体Sのうち最大幅を有する記録媒体Sの幅よりも長い。これは、定着ベルト52、加熱ローラー53および定着パッド56についても、同様である。なお、記録媒体Sの幅とは、搬送方向に直交しかつ記録媒体Sの厚み方向に直交する方向(図2においては、紙面垂直方向)における記録媒体Sの寸法をいう。搬送経路41に沿う記録媒体Sの搬送方向を、図2中に矢印で示す。
定着ベルト52は、無端状に形成されている。定着ベルト52の周回経路の内側に、定着パッド56および加熱ローラー53が配置されている。定着ベルト52は、定着パッド56と加熱ローラー53とに、回転可能にかけ回されている。
定着ベルト52は、基層と、基層を被覆する弾性層と、弾性層を被覆する離型層とを有している。基層は、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、銅などの金属、または、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミドなどの樹脂で形成されてもよい。弾性層は、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムなどの耐熱性の高い材料で形成されてもよい。離型層は、フッ素樹脂またはフッ素系コーティングなどの、離型性を付与した構成であってもよい。
加熱ローラー53は、定着ベルト52の内側に配置されている。加熱ローラー53は、定着パッド56から離れた位置に配置されている。加熱ローラー53は、アルミニウムまたはSUSなどの金属材料製の芯金を有している。芯金は、中空円筒形状を有している。芯金の外周面に、異物などによる外周面の傷の発生を抑制するために、PTFEなどをコーティングしてもよい。芯金の外周面に、耐熱離型層を被覆してもよい。
芯金の内部に、定着ベルト52を加熱する加熱部材の一例としての定着ヒーター54が配置されている。加熱ローラー53は、定着ヒーター54を内蔵している。定着ヒーター54は、芯金を内側から加熱する。定着ヒーター54の発生する熱は、加熱ローラー53を介して、定着ベルト52に伝達され、さらに、定着ベルト52を介して、定着ニップを通過する記録媒体Sに伝達される。
定着ヒーター54は、たとえばハロゲンヒーターである。定着ヒーター54としてハロゲンヒーターを用いる場合、芯金の内周面を黒色にしてもよい。定着ベルト52を加熱する加熱部材は、ハロゲンヒーターの他に、誘導加熱式ヒーターまたはカーボンヒーターであってもよく、加熱ローラー53および定着ベルト52を抵抗発熱体として発熱させるものを利用してもよい。
定着パッド56は、定着ベルト52の内側に配置されている。定着パッド56は、定着ベルト52を間に挟んで加圧ローラー51に対向するように配置されている。定着パッド56は、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、または液晶ポリマーなどの、耐熱性の樹脂で形成されている。定着パッド56は回転不能であり、回転する定着ベルト52は定着パッド56の表面に対して摺動する。
<定着パッド56の構成>
図3は、定着パッド56の外形を示す斜視図である。定着パッド56は、定着ベルト52の内周面に接触する接触面60と、接触面60と反対側の支持面61とを有している。接触面60は、定着ベルト52の内周面に対向している。加圧ローラー51は、接触面60の表面形状にならうように弾性変形する。支持面61が図示しない支持部材に当接して支持されることにより、定着パッド56は定着ベルト52の内側に保持される。
図4は、定着パッド56の接触面60の形状と定着ニップ80との関係を示す模式図である。図5は、図4に示されるV-V線に沿う定着パッド56の断面図である。図6は、図4に示されるVI-VI線に沿う定着パッド56の断面図である。図5および図6には、定着パッド56と、加圧ローラー51の一部と、定着装置50に通紙される記録媒体Sの搬送経路と、が模式的に図示されている。図5および図6では、定着ベルト52は図示を省略されている。図5,6に示される非接触部64は、定着パッド56の外表面のうち、定着ベルト52の内周面に対向するが定着ベルト52には接触しない部分である(図2も併せて参照)。
図3~図6を参照して、接触面60は、ニップ形成面71を有している。ニップ形成面71は、加圧ローラー51と定着ベルト52との間に定着ニップ80を形成するための、定着パッド56の表面の一部分である。ニップ形成面71は、平坦面であってもよい。ここでいう「平坦」とは、ニップ形成面71が厳密な平面であることを含み、かつ、ニップ形成面71がおおよそ平坦であることを含むものである。たとえば、微小な曲率を有し僅かに湾曲する面が、「平坦」に含まれてもよい。
接触面60は、湾曲面72を有している。湾曲面72は、記録媒体Sの搬送方向(図4中に示される「通紙方向」)において、ニップ形成面71の上流にある。湾曲面72は、加圧ローラー51から離れる方向に湾曲している。湾曲面72は、ニップ形成面71を延長した仮想平面に対して加圧ローラー51から離れてゆくように形成されている。湾曲面72は、通紙方向の下流に向かうに従って加圧ローラー51に近づくように、通紙方向に対して湾曲している。湾曲面72は、記録媒体Sの通紙経路に向かって凸の形状に湾曲している。湾曲面72は、円筒面形状を有していてもよい。ニップ形成面71は、湾曲面72の接平面を構成してもよい。
接触面60は、ニップ形成面71と湾曲面72との境界73を有している。境界73は、記録媒体Sの搬送方向におけるニップ形成面71の上流端を構成する。境界73は、記録媒体Sの搬送方向における湾曲面72の下流端を構成する。
定着装置50に搬送される記録媒体Sの幅方向は、図4においては図中の上下方向であり、図5,6においては紙面垂直方向である。記録媒体Sの幅方向に対して、境界73は屈曲している。定着パッド56は、記録媒体Sの幅方向の中央部のパッド中央部76と、記録媒体Sの幅方向の端部のパッド端部77とを有している。パッド端部77における境界73は、パッド中央部76における境界73よりも、記録媒体Sの搬送方向の上流に位置している。
パッド端部77は、記録媒体Sの幅方向における記録媒体Sの縁Se1,Se2が通過する位置を含んでいる。パッド端部77は、定着装置50に通紙可能な記録媒体Sのうち最大幅を有する記録媒体Sの縁Se1,Se2が通過する位置を含んでいてもよい。パッド端部77は、定着装置50に通紙される頻度が最大の記録媒体Sの縁Se1,Se2が通過する位置を含んでいてもよい。
たとえば、画像形成装置100がA4機である場合、パッド端部77は、A4サイズ縦通紙時の用紙幅の縁部が通過する位置を含んでもよく、レターサイズまたはLegalサイズ縦通紙時の用紙幅の縁部が通過する位置を含んでもよい。画像形成装置100がA3機である場合、パッド端部77は、レターサイズ横通紙時の用紙幅の縁部が通過する位置を含んでもよく、A4サイズ縦通紙時の用紙幅の縁部が通過する位置を含んでもよく、SRA3サイズ縦通紙時の用紙幅の縁部が通過する位置を含んでもよい。
加圧ローラー51と定着ベルト52との間に形成される定着ニップ80の、記録媒体Sの搬送方向における上流側の縁部が、上流側縁部81である。上流側縁部81は、定着ニップ80を通過する記録媒体SおよびトナーTへの圧力の付与が生じ始める開始端である。定着ニップ80の、記録媒体Sの搬送方向における下流側の縁部が、下流側縁部82である。下流側縁部82は、定着ニップ80を通過する記録媒体SおよびトナーTへの圧力の付与が終了する終了端である。
本実施形態においては、上流側縁部81と下流側縁部82とは、記録媒体Sの幅方向に延びている。記録媒体Sの搬送方向における定着ニップ80の長さ(図4中に示される「Nip幅」)は、記録媒体Sの幅方向の中央部と端部とにおいて、一定である。本実施形態の定着装置50は、記録媒体Sの幅方向で均一なNip幅が得られるように構成されている。Nip幅は、記録媒体Sの幅方向で必ずしも均一でなくてもよい。
パッド中央部76において、定着パッド56のニップ形成面71と湾曲面72との境界73は、定着ニップ80の上流側縁部81よりも、記録媒体Sの搬送方向の下流にある。パッド端部77において、定着パッド56のニップ形成面71と湾曲面72との境界73は、定着ニップ80の上流側縁部81よりも、記録媒体Sの搬送方向の上流にある。
本明細書において、定着ニップ80の上流側縁部81と、定着パッド56の境界73と、の記録媒体Sの搬送方向における距離は、境界73が上流側縁部81よりも搬送方向の下流にある場合に正の値をとり、境界73が上流側縁部81よりも搬送方向の上流にある場合に負の値をとるものとする。図4に示される距離Daは、パッド中央部76における境界73と上流側縁部81との距離である。距離Dbは、パッド端部77における境界73と上流側縁部81との距離である。
本実施形態においては、パッド中央部76においては、境界73が上流側縁部81よりも搬送方向の下流にあるので、距離Daは正の値をとる。パッド端部77においては、境界73が上流側縁部81よりも搬送方向の上流にあるので、距離Dbは負の値をとる。パッド中央部76における距離Daの値が、パッド端部77における距離Dbの値よりも、大きくなっている。
図5には、パッド中央部76における定着パッド56と加圧ローラー51との断面が図示されている。図5に示されるように、パッド中央部76では、境界73は上流側縁部81よりも搬送方向の下流にある。境界73は、定着ニップ80の内側にある。湾曲面72の一部が、定着ニップ80の内側にある。定着ニップ80の入口で、湾曲面72が定着ニップ80を形成している。定着ニップ80の内側で、加圧ローラー51は、定着パッド56の形状に合わせて変形している。そのため、パッド中央部76では、定着ニップ80の入口付近において、定着ニップ80が湾曲した形状となる。記録媒体Sは、記録媒体Sの幅方向の中央部において、定着ニップ80の入口で湾曲面72に沿って曲げられる。
図6には、パッド端部77における定着パッド56と加圧ローラー51との断面が図示されている。図6に示されるように、パッド端部77では、境界73は上流側縁部81よりも搬送方向の上流にある。境界73は、定着ニップ80の外側にある。湾曲面72の全体が、定着ニップ80の外側にある。ニップ形成面71が、定着ニップ80の全体を形成している。定着ニップ80の内側で、加圧ローラー51は、定着パッド56の形状に合わせて変形している。そのため、パッド端部77では、定着ニップ80は平坦な形状となる。記録媒体Sは、記録媒体Sの幅方向の端部において、平坦な形状を保って定着ニップ80を通過する。
図7は、記録媒体Sの幅方向の中央部と端部とにおける定着ベルト52の摩耗量を示す図である。図7の横軸は、記録媒体Sの幅方向における定着ベルト52の位置を示す。図7の縦軸は、定着ベルト52の摩耗量を示す。図7中の破線は、記録媒体Sの縁に相当する位置を示す。
図7に示されるように、定着ベルト52の端部では、記録媒体Sの裁断面の荒れによる削れなどで、定着ベルト52の表層の摩耗量が多くなる。定着ベルト52の摩耗量を低減するために、定着ベルト52と記録媒体Sとの間で速度差を生じさせなくすることが望まれる。そのため、図6に示されるように、パッド端部77での定着ニップ80の形状を平坦にして、記録媒体Sの通紙経路をなるべく直線にしている。
一方、パッド中央部76では、図5に示されるように、記録媒体Sを定着ニップ80の入口付近で曲げるような定着ニップ80の形状としている。定着ニップ80内で記録媒体を曲げることで、記録媒体Sの幅方向の剛性が向上する。これにより、記録媒体Sの平面性が保たれ、記録媒体Sのシワ、画像のにじみなどの発生が抑制される。
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態に係る、定着パッド56の接触面60の形状と定着ニップ80との関係を示す模式図である。第2実施形態に係る定着パッド56は、第1実施形態と同じ、図3に示される外形を有している。第1実施形態では、パッド端部77における境界73と上流側縁部81との距離Dbが負の値をとる例について説明した。距離Dbは、負の値でなくても、パッド中央部76における境界73と上流側縁部81との距離Daよりも小さな値であればよい。
第2実施形態では、加圧ローラー51が定着パッド56を加圧する力が、第1実施形態よりも増加している。加圧ローラー51の定着パッド56への押し付け量が、第1実施形態よりも増加している。そのため、図8に示されるNip幅は、図4に示される第1実施形態のNip幅よりも、大きくなっている。その結果、パッド中央部76とパッド端部77との両方において、定着パッド56のニップ形成面71と湾曲面72との境界73は、定着ニップ80の上流側縁部81よりも、記録媒体Sの搬送方向の下流にある。図8に示される距離Daは正の値をとり、距離Dbは正の値をとる。
第2実施形態では、パッド端部77における境界73は、パッド中央部76における境界73よりも、記録媒体Sの搬送方向の上流に位置している。そのため、距離Daの絶対値が、距離Dbの絶対値よりも大きくなっている。第1実施形態と同様に、パッド中央部76における距離Daの値が、パッド端部77における距離Dbの値よりも、大きくなっている。
[第3実施形態]
図9は、第3実施形態に係る定着パッド56の外形を示す斜視図である。第1実施形態の定着パッド56と異なり、第3実施形態に係る定着パッド56の接触面60では、ニップ形成面71と湾曲面72との境界73は屈曲していない。境界73は、記録媒体Sの幅方向に延びている。境界73は、その全体に亘って、記録媒体Sの搬送方向における同じ位置にある。定着パッド56は、記録媒体Sの幅方向において同じ形状を有している。
図10は、第3実施形態に係る加圧ローラー51の外形を示す図である。加圧ローラー51は、記録媒体Sの幅方向の中央部のローラー中央部96と、記録媒体Sの幅方向の端部のローラー端部97とを有している。第3実施形態の加圧ローラー51は、記録媒体Sの幅方向において、均一な外径を有していない。具体的に、ローラー中央部96における加圧ローラー51の外径が、ローラー端部97における加圧ローラー51の外径よりも、大きくなっている。
図11は、第3実施形態に係る、定着パッド56の接触面60の形状と定着ニップ80との関係を示す模式図である。第3実施形態においては、上流側縁部81と下流側縁部82とは、湾曲した形状となる。パッド中央部76における上流側縁部81は、パッド端部77における上流側縁部81よりも、記録媒体Sの搬送方向の上流に位置している。パッド中央部76における下流側縁部82は、パッド端部77における下流側縁部82よりも、記録媒体Sの搬送方向の下流に位置している。
図11に示されるNip幅は、パッド中央部76において最大であり、記録媒体Sの幅方向においてパッド中央部76から離れるにつれて小さくなっている。パッド中央部76におけるNip幅は、パッド端部77におけるNip幅よりも、大きくなっている。
パッド中央部76において、定着パッド56のニップ形成面71と湾曲面72との境界73は、定着ニップ80の上流側縁部81よりも、記録媒体Sの搬送方向の下流にある。パッド端部77において、定着パッド56のニップ形成面71と湾曲面72との境界73は、定着ニップ80の上流側縁部81よりも、記録媒体Sの搬送方向の上流にある。
パッド中央部76においては、境界73が上流側縁部81よりも搬送方向の下流にあるので、距離Daは正の値をとる。パッド端部77においては、境界73が上流側縁部81よりも搬送方向の上流にあるので、距離Dbは負の値をとる。第1実施形態と同様に、パッド中央部76における距離Daの値が、パッド端部77における距離Dbの値よりも、大きくなっている。
[第4実施形態]
第1実施形態において、図2を参照して、定着ニップ80の上方に定着パッド56を配置した上パッド方式の構成について説明した。他の例として、定着パッド56を定着ニップ80の下方に配置した下パッド方式の構成としてもよい。図12は、第4実施形態に係る定着装置50を示す概略図である。
下パッド方式の定着装置50は、図12に示されるように、加圧ローラー51と、無端状の定着ベルト52と、定着ヒーター54を有する加熱ローラー53と、定着パッド56と、無端状の定着ベルト57とを主に有している。
定着ベルト52は、定着パッド56に回転可能にかけ回されている。定着ベルト52の周回経路の内側に、定着パッド56が配置されている。定着パッド56は、定着ベルト52の内側に配置されている。加圧ローラー51は、定着ベルト52の外側に配置されている。加圧ローラー51は、定着パッド56に対向している。
定着ベルト57は、加圧ローラー51と加熱ローラー53とに、回転可能にかけ回されている。定着ベルト57の周回経路の内側に、加圧ローラー51および加熱ローラー53が配置されている。定着ベルト57は、定着ベルト52と同様に、基層と、基層を被覆する弾性層と、弾性層を被覆する離型層とを有している。
定着パッド56は、定着ベルト52と定着ベルト57とを間に挟んで加圧ローラー51に対向するように配置されている。加圧ローラー51は、図示しない付勢部材の付勢力により、定着ベルト52,57を間に挟み込んで定着パッド56を加圧する。これにより、定着ベルト52が定着パッド56に押圧される。加圧ローラー51は、定着ベルト52,57を介して定着パッド56を押圧する。加圧ローラー51が定着パッド56の形状にならうように圧縮変形することで、定着ベルト52と定着ベルト57との間に、定着ベルト52と定着ベルト57との接触領域である定着ニップが形成される。
加圧ローラー51は、駆動モーターからのトルクによって回転する。加圧ローラー51の回転に伴って、定着ベルト57が周回する。加圧ローラー51が回転することにより、定着ベルト52は、加圧ローラー51の回転方向と反対方向に回転する。定着パッド56は回転不能であり、回転する定着ベルト52は定着パッド56の表面に対して摺動する。加圧ローラー51は、定着ベルト52,57を従動回転させることによって、記録媒体Sを搬送する。
加熱ローラー53は、定着ベルト57の内側に配置されている。加熱ローラー53は、定着ベルト57の周回運動に伴って回転する。加熱ローラー53は、加圧ローラー51から離れた位置に配置されている。加熱ローラー53は、金属材料製の芯金と、芯金の内部に配置された定着ヒーター54とを有している。定着ヒーター54の発生する熱は、加熱ローラー53を介して、定着ベルト57に伝達され、さらに、定着ベルト57を介して、定着ニップを通過する記録媒体Sに伝達される。
下パッド方式の定着装置50においても、パッド中央部76では記録媒体Sを定着ニップ80の入口で曲げるような定着ニップの形状とし、パッド端部77では定着ニップ80を平坦にすることで、定着ベルト52の摩耗量を低減できるとともに記録媒体Sのシワ、画像のにじみなどの発生が抑制される。
[作用および効果]
上述した説明と一部重複する記載もあるが、実施形態の定着装置50の特徴的な構成および作用効果についてまとめて記載すると、以下の通りである。
図4,8,11に示されるように、パッド中央部76において、定着パッド56のニップ形成面71と湾曲面72との境界73は、定着ニップ80の上流側縁部81よりも記録媒体Sの搬送方向の下流にある。定着パッド56の湾曲面72が、定着ニップ80内にある構成とされている。パッド中央部76において、定着ニップ80の入口で、湾曲面72に沿って搬送される記録媒体Sが搬送方向に曲げられる。これにより、記録媒体Sの幅方向の剛性が高くなり、幅方向の変形に強くなる。パッド中央部76で記録媒体Sの平面性が保てるので、記録媒体のシワ、画像のにじみなどの発生が抑制され、画像品質を向上できる。
特に封筒は、紙を二枚重ねた状態で定着装置50に通紙されるので、シワ、画像のにじみが発生しやすい。一方、封筒は一般的に、最も通紙頻度の高い記録媒体Sよりも用紙幅が狭いことが多い。パッド中央部76で封筒を曲げることのできる構成とすることで、用紙幅の狭い封筒に、シワ、画像のにじみが発生することを抑制できる。
また、記録媒体Sが定着ニップ80を通過するときに、定着ベルト52の表面に設けられた離型層と記録媒体Sとの間で摩擦が生じることで、離型層が削られる。離型層の削れが進行してゆくと、トナーTの定着ベルト52からの離型性が低下する。定着ベルト52からトナーTが離れないまま定着ニップ80を通過すると、そのトナーTが残った定着ベルト52が次に定着ニップ80まで周回してきたときに、定着ベルト52上のトナーTが記録媒体Sに付着して、画像汚れとなる。特に記録媒体Sの縁Se1,Se2に相当する位置において、定着ベルト52の離型層の削れ量が大きい。
そのため、定着ニップ80の上流側縁部81と、定着パッド56の境界73との距離の値を、パッド中央部76においてより大きく、パッド端部77においてより小さくしている。パッド端部77において、定着ニップ80の形状を平坦に近づけることにより、定着ベルト52と記録媒体Sとの間の速度差を低減できる。定着ベルト52と記録媒体Sとが定着ニップ80を通過するときの定着ベルト52に対するストレスを下げて、定着ベルト52の離型層と記録媒体Sとの摩擦を小さくできる。これにより、離型層の削れを抑制できる。
したがって、実施形態の定着装置50は、定着パッド56の境界73と定着ニップ80の上流側縁部81との位置を規定することにより、画像品質向上と耐久性向上とを両立することができる。
図4,11に示されるように、パッド端部77において、定着パッド56の境界73は定着ニップ80の上流側縁部81よりも搬送方向の上流にあってもよい。定着ベルト52の離型層の削れ量の大きいパッド端部77において、定着パッド56の湾曲面72の全体を定着ニップ80の外側に配置する。これにより、パッド端部77において湾曲面72の形状が定着ニップ80の形状に影響することがなくなる。パッド端部77において、定着ニップ80の形状をより平坦に近づけることができる。したがって、定着ベルト52の離型層の削れを抑制することができる。
図10に示されるように、ローラー中央部96における加圧ローラー51の外径が、ローラー端部97における加圧ローラー51の外径よりも大きくてもよい。このような形状の加圧ローラー51と、ニップ形成面71と湾曲面72とを有する定着パッド56と、の組み合わせによって、パッド中央部76において境界73を上流側縁部81よりも搬送方向の下流にし、パッド中央部76における上流側縁部81と境界73との距離の値をパッド端部77の距離の値よりも大きくする構成を、実現することができる。図9に示される外形を有する定着パッド56を適用してもよく、この場合、定着パッド56の外形を簡略にできるので、定着パッド56の製造コストを低減できる。
図5,6に示されるように、ニップ形成面71は平坦面であってもよい。このようにすれば、定着ニップ80の形状を、ニップ形成面71に対応した平坦な形状にできる。定着ベルト52と記録媒体Sとが定着ニップ80を通過するときに最も定着ベルト52にストレスを与えない形状が実現できる。これにより、定着ベルト52の離型層の削れを抑制でき、耐久性をさらに向上することができる。
図4,11に示されるように、パッド端部77は、定着装置50に通紙可能な記録媒体Sのうち最大幅を有する記録媒体Sの縁Se1,Se2が通過する位置を含んでもよい。パッド端部77は、定着装置50に通紙される頻度が最大の記録媒体Sの縁Se1,Se2が通過する位置を含んでもよい。記録媒体Sの縁Se1,Se2が通過する位置において、定着ベルト52の離型層の削れ量が大きい。記録媒体Sの縁Se1,Se2が通過する位置の定着ニップ80の形状を平坦に近づけることにより、定着ベルト52の離型層の削れを抑制でき、耐久性を向上することができる。
図1に示されるように、画像形成装置100は、記録媒体S上にトナーTの像を形成する画像形成部と、トナーTの像を記録媒体Sに定着させる、上記のいずれかの局面の定着装置50とを備えている。これにより、画像品質の向上と、定着装置50の耐久性の向上とを両立した、画像形成装置100を実現することができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
50 定着装置、51 加圧ローラー、52,57 定着ベルト、53 加熱ローラー、54 定着ヒーター、56 定着パッド、60 接触面、61 支持面、64 非接触部、71 ニップ形成面、72 湾曲面、73 境界、76 パッド中央部、77 パッド端部、80 定着ニップ、81 上流側縁部、82 下流側縁部、96 ローラー中央部、97 ローラー端部、100 画像形成装置、S 記録媒体、Se1,Se2 縁、T トナー。

Claims (7)

  1. 記録媒体上に形成されたトナーの像を前記記録媒体に定着させる定着装置であって、
    定着ベルトと、
    前記定着ベルトに接触する接触面を有する定着パッドと、
    前記定着ベルトを介して前記定着パッドを押圧することで定着ニップを形成する加圧ローラーとを備え、
    前記接触面は、前記定着ニップを形成するためのニップ形成面と、前記記録媒体の搬送方向における前記ニップ形成面の上流にあり前記加圧ローラーから離れる方向に湾曲する湾曲面とを有し、
    前記定着ニップの前記搬送方向の上流側縁部と、前記ニップ形成面と前記湾曲面との境界と、の前記搬送方向における距離は、前記境界が前記上流側縁部よりも前記搬送方向の下流にある場合に正の値をとり、前記境界が前記上流側縁部よりも前記搬送方向の上流にある場合に負の値をとるものとし、
    前記記録媒体の幅方向の中央部における前記距離の値が、前記幅方向の端部における前記距離の値よりも大きく、
    前記中央部において、前記境界は前記上流側縁部よりも前記搬送方向の下流にある、定着装置。
  2. 前記端部において、前記境界は前記上流側縁部よりも前記搬送方向の上流にある、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記中央部における前記加圧ローラーの外径が、前記端部における前記加圧ローラーの外径よりも大きい、請求項1に記載の定着装置。
  4. 前記ニップ形成面は平坦面である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記端部は、前記定着装置に通紙可能な前記記録媒体のうち最大幅を有する前記記録媒体の縁が通過する位置を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記端部は、前記定着装置に通紙される頻度が最大の前記記録媒体の縁が通過する位置を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 記録媒体上にトナーの像を形成する画像形成部と、
    前記トナーの像を前記記録媒体に定着させる、請求項1に記載の定着装置とを備える、画像形成装置。
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