JP2024015903A - タイヤの製造方法及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な方法で、タイヤサイド部のタイヤ外表面近くに電子装置を取り付けることができる、タイヤの製造方法を、提供する。【解決手段】本発明のタイヤの製造方法は、タイヤサイド部に電子装置6を取り付けたタイヤを得るための、タイヤの製造方法であって、生タイヤ20を加硫するための金型31として、下型32及び上型33を用い、下型32、上型33、生タイヤ20の下型32に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍、及び生タイヤ20の上型33に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍、のうちの少なくともいずれか1つに、電子装置6を配置する、電子装置配置工程と、電子装置配置工程の後に、金型31内に生タイヤ20をセットして加硫する、加硫工程と、を含むことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、タイヤの製造方法及びタイヤに関する。
従来から、タイヤサイド部の外表面近く(外表面も含む)にRFタグ等の電子装置を取り付けた構成が知られている。例えば、特許文献1には、フィルム状電子装置をタイヤサイド部のタイヤ表面に装着した空気入りタイヤが開示されている。
特開2004-90775号公報
しかし、電子装置を、例えば、加硫済みタイヤの外表面に接着剤等で取り付けることは、特に大型のタイヤ等の場合、大きな手間がかかる。
そこで、本発明は、簡易な方法で、タイヤサイド部のタイヤ外表面近くに電子装置を取り付けることができる、タイヤの製造方法、及び、タイヤを、提供することを、目的とする。
上記課題は、以下の手段により、解決される。
(1)本発明のタイヤの製造方法は、
タイヤサイド部に電子装置を取り付けたタイヤを得るための、タイヤの製造方法であって、
生タイヤを加硫するための金型として、下型及び上型を用い、
前記下型、前記上型、前記生タイヤの前記下型に接触する側のタイヤサイド部のタイヤ外表面近傍、及び前記生タイヤの前記上型に接触する側のタイヤサイド部のタイヤ外表面近傍、のうちの少なくともいずれか1つに、前記電子装置を配置する、電子装置配置工程と、
前記電子装置配置工程の後に、前記金型内に前記生タイヤをセットして加硫する、加硫工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明に係る、タイヤの製造方法によれば、簡易な方法で、タイヤサイド部のタイヤ外表面近くに電子装置を取り付けることができる。
(2)上記(1)の、タイヤの製造方法において、
前記電子装置配置工程において、前記電子装置は、前記金型とは別体の部材に取り付けられ、前記下型及び/又は前記上型に当該金型とは別体の部材を介して配置されることが好ましい。
この場合、製造されたタイヤにおいて、例えば当該金型とは別体の部材により刻印されるマーク等を電子装置の配置されている位置の目印とすることができるとともに、当該マーク等の位置に電子装置を容易に配置することができる。
(3)上記(2)の、タイヤの製造方法において、
前記金型とは別体の部材は、セリアルプレートであることが好ましい。
この場合、製造されたタイヤにおいて、電子装置の配置されている位置の目印とすることができる追加マーク等なしに、通常セリアルプレートにより刻印される通常のタイヤが有するセリアルを電子装置配置位置を示す目印とすることができるとともに、当該セリアルの位置に電子装置を容易に配置することができる。
(4)上記(1)~(3)のいずれかの、タイヤの製造方法において、
前記電子装置配置工程において、前記電子装置は、当該電子装置の表面の少なくとも一部に弾性部材を備えていることが好ましい。
この場合、電子装置の耐久性及び/又はタイヤ本体への固着性を向上させることができる。
(5)上記(1)~(4)のいずれかの、タイヤの製造方法において、
前記電子装置配置工程において、前記電子装置は、前記下型及び/又は前記上型に、接着剤を介して配置されることが好ましい。
この場合、加硫工程において、電子装置が金型からずれたり落下したりすることを、抑制することができる。
(6)上記(1)~(5)のいずれかの、タイヤの製造方法において、
前記タイヤは、適用リムのリム径の呼びが、20インチ以上であることが好ましい。
この場合、電子装置がタイヤ内表面側に取り付けられると例えば通信性に課題を生じやすい、そのようなサイズが大きいタイヤの、タイヤサイド部のタイヤ外表面近くに、容易に電子装置を取り付けることができる。
(7)上記(1)~(6)のいずれかの、タイヤの製造方法において、
前記電子装置配置工程において、前記電子装置は、前記下型及び前記上型の双方に配置されることが好ましい。
この場合、製造されたタイヤにおいて、電子装置から情報を読み取りやすくなる。
(8)本発明のタイヤは、
上記(1)~(3)のいずれかの、タイヤの製造方法によって、製造されたことを特徴とする。
本発明に係る、タイヤによれば、タイヤの製造の際に、簡易な方法でタイヤサイド部のタイヤ外表面近くに電子装置を取り付けることができる。
本発明のタイヤは、上記(4)~(7)のいずれかの、タイヤの製造方法によって、製造されたものであってもよい。
(9)上記(8)の、タイヤにおいて、
前記電子装置は、前記タイヤサイド部のタイヤ外表面からの深さが、0.1~10.0mmである位置に、配置されていると好適である。
この場合、タイヤ走行時に電子装置が外傷を受けにくい。
本発明によれば、簡易な方法で、タイヤサイド部のタイヤ外表面近くに電子装置を取り付けることができる、タイヤの製造方法、及び、タイヤを、提供することができる。
本発明の一実施形態に係るタイヤの、タイヤ幅方向概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るタイヤ、及び、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法に用いられ得る、電子装置又は当該電子装置を含む電子装置積層体の例を示す図であり、(a)は、当該電子装置を概略的に示す平面図、(b)は、当該電子装置積層体の一例を概略的に示す斜視図、(c)は、当該電子装置積層体の他の例を概略的に示す電子装置長手方向断面図である。 本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法を説明するための、当該タイヤの製造方法に用いられ得る金型及び生タイヤの一例を示す、タイヤ幅方向概略断面図である。 図3の上型に保持されたセリアルプレート近傍を、当該セリアルプレートに固着される前の電子装置とともに示す、拡大正面断面図である。 図4のX-X概略矢視図である。 (a)~(d)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法における電子装置配置工程において配置される、金型とは別体の部材としてのセリアルプレート、弾性部材及び電子装置の構成の、異なった例を説明するための、図面である。 本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法における電子装置配置工程において、下型側及び上型側に配置される電子装置の、金型周上における配置関係の一例を説明するための、図面である。 (a)~(d)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法における電子装置配置工程において、下型側又は上型側に配置されるセリアルプレート及び電子装置の、金型周上における配置関係の異なった例を説明するための、図面である。
本発明に係るタイヤの製造方法及び本発明に係るタイヤは、任意の種類のタイヤの製造方法及び任意の種類のタイヤとして好適に利用でき、例えば、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、建設・鉱山車両用タイヤ等、又は、それらの製造方法として好適に利用でき、特には、建設・鉱山車両用タイヤ又はその製造方法として好適に利用できる。
以下、本発明に係るタイヤの製造方法及び本発明に係るタイヤの実施形態について、図面を参照しつつ例示説明する。
各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。
本明細書において、「タイヤ周方向」とは、タイヤの回転軸を中心にタイヤが回転する方向をいい、「タイヤ径方向」とは、タイヤの回転軸と直交する方向をいい、「タイヤ幅方向」とは、タイヤの回転軸と平行な方向をいう。一部の図面では、タイヤ周方向を符号「CD」で示し、タイヤ径方向を符号「RD」で示し、タイヤ幅方向を符号「WD」で示している。
また、本明細書において、タイヤ径方向に沿ってタイヤの回転軸に近い側を「タイヤ径方向内側」と称し、タイヤ径方向に沿ってタイヤの回転軸から遠い側を「タイヤ径方向外側」と称する。さらに、本明細書において、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLに近い側を「タイヤ幅方向内側」と称し、タイヤ幅方向に沿ってタイヤ赤道面CLから遠い側を「タイヤ幅方向外側」と称する。また、本明細書において、「タイヤ内表面」とは、タイヤ内腔に面するタイヤの表面を指し、「タイヤ外表面」とは、タイヤの外部に面するタイヤの表面を指す。
本明細書において、上記の「タイヤ周方向」等の用語及び「CD」等の符号は、加硫後のタイヤ(即ち、完成品のタイヤ)のみならず、加硫前の生タイヤにおいても、使用されるものとする。また、本明細書において、生タイヤを加硫するための金型について、上記と同様の意味で、「金型周方向」等の用語及び「CD」等の符号を使用する場合がある。
<タイヤ>
まず、図1を参照しつつ、本発明の任意の実施形態に係るタイヤの製造方法によって得ることのできるタイヤの一例、ひいては、当該タイヤの製造方法によって得られたタイヤの一例、換言すれば、本発明の一実施形態に係るタイヤについて、説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ10を説明するための図面であり、当該タイヤ10の、タイヤ幅方向概略断面図である。
本発明の一実施形態に係るタイヤ10は、後述する、本発明の任意の実施形態に係るタイヤの製造方法によって、製造されたタイヤであるので、後述する、当該タイヤの製造方法によって得られる効果を享受することができ、換言すれば、当該タイヤ10によれば、タイヤ10の製造の際に、簡易な方法でタイヤサイド部のタイヤ外表面近くに電子装置を取り付けることができる。
なお、本発明の実施形態のタイヤ10は、任意の種類及び/又は任意のサイズのタイヤとして構成されてよい。例えば、本実施形態のタイヤ10、ひいては、後述する本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法により製造されるタイヤ10は、適用リムのリム径の呼びが、20インチ以上であるタイヤとして、構成されてよい。適用リムのリム径の呼びが20インチ以上である、当該リム径の呼びの例としては、例えば、25インチ、29インチ、33インチ、35インチ、49インチ、51インチ、57インチ、63インチ等が挙げられる。タイヤ10の適用リムのリム径の呼びが20インチ以上である場合、本実施形態によれば、電子装置がタイヤ内表面側に取り付けられると例えば通信性に課題を生じやすい、そのようなサイズが大きいタイヤの、タイヤサイド部のタイヤ外表面近くに容易に電子装置を取り付けることができる。
ここで、本明細書において、「適用リムのリム径の呼び」(以下、単に「リム径の呼び」ともいう。)とは、タイヤ内径ひいては適用リムのリム径であって、より具体的には、一般にタイヤのサイドウォール部に表示されているタイヤサイズの表示中、適用リムのリム径の呼称(インチ)、即ち、適用リムのリム径をインチで表したものを指す。例えば、タイヤサイズが「29.5R25」であれば、リム径の呼びは「25インチ」であり、タイヤサイズが「18.00R33」であれば、リム径の呼びは「33インチ」であり、タイヤサイズが「46/90R57」であれば、リム径の呼びは「57インチ」であり、タイヤサイズが「59/80R63」であれば、リム径の呼びは「63インチ」である。
本明細書において、上記「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association, Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指すが、これらの産業規格に記載のないサイズの場合は、空気入りタイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。「適用リム」には、現行サイズに加えて将来的に前述の産業規格に記載されるサイズも含まれる。「将来的に記載されるサイズ」の例として、ETRTO 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズが挙げられ得る。
本実施形態に係るタイヤ10は、空気入りタイヤであり、図1に示すように、ビード部1と、サイドウォール部2と、トレッド部3と、を有している。
ビード部1は、タイヤ10をリムに装着したときに、タイヤ径方向内側及びタイヤ幅方向外側においてリムに接するように構成された部分である。トレッド部3は、タイヤ10のうち、1対のトレッド端どうしの間のタイヤ幅方向部分である。サイドウォール部2は、1対のビード部1とトレッド部3との間の部分である。本明細書において、タイヤ10のサイドウォール部2とビード部1とを総称して、タイヤサイド部8と呼ぶ場合がある。なお、上記サイドウォール部2とは、少なくとも後述するベルト7よりタイヤ径方向内側の部分であって、ビード部1よりタイヤ径方向外側の部分を指す。
より具体的に、本実施形態のタイヤ10は、ビードコア11を有する、1対のビード部1と、当該1対のビード部1間を1対のサイドウォール部2及びトレッド部3を介してトロイド状に延在する、少なくとも1枚(図示の例では、1枚)のカーカスプライからなるカーカス4と、トレッド部3におけるカーカス4(即ち、カーカス4のクラウン部)のタイヤ径方向外側に設けられた、少なくとも1層(図示の例では、6層)のベルト層からなるベルト7と、タイヤサイド部8(より具体的に、本例では、サイドウォール部2)に取り付けられた、電子装置6と、を備えている。図1に示すように、本例において、電子装置6のタイヤ外表面10o側には、セリアル5が刻印されている。
ここで、本明細書において、「電子装置」とは、電子部品を備える装置であって、例えば、外部との通信機能を有するものを指す。
なお、本明細書において、タイヤ10のうち、電子装置6又は後述する電子装置積層体60を除く部分を、「タイヤ本体」と称し、後述する生タイヤ20のうち、電子装置6又は後述する電子装置積層体60を除く部分を、「生タイヤ本体」と称する場合がある。
本例において、各ビードコア11は、対応するビード部1に埋設されている。ビードコア11は、周囲をゴムにより被覆されている複数のビードワイヤを備えているものとすることができる。但し、ビードコア11は、1本のビードワイヤからなっていてもよい。ビードワイヤは、金属(例えばスチール)から構成されると好適である。ビードワイヤは、例えば、モノフィラメント又は撚り線からなるものとすることができる。なお、ビードワイヤは、有機繊維やカーボン繊維等から構成されてもよい。本例において、図1に示すように、ビードコア11のタイヤ幅方向断面形状は、正6角形状であるが、ビードコア11の当該断面形状は、他の形状、例えば、正6角形状以外の多角形状、円形状等であってもよい。
本例において、図1に示すように、カーカス4は、1対のビード部1のビードコア11間に位置するカーカス本体部と、カーカス本体部の両端から各ビードコア11の廻りでタイヤ幅方向内側から外側に向かって折り返されたカーカス折返し部と、を備えている。但し、カーカス4は、カーカス折返し部を備えていなくてもよい。
カーカス4を構成する各カーカスプライは、1本又は複数本のカーカスコードと、カーカスコードを被覆する被覆ゴムと、を含んでいる。カーカスコードは、例えば、モノフィラメント又は撚り線で形成することができる。本例において、カーカスコードは、スチール製である。カーカスコードがスチール製であることにより、例えばサイズが大きいタイヤでカーカスを簡易なラジアル構造としても、十分な強度が得られる。
また、本例において、カーカス4は、ラジアル構造である。即ち、カーカス4のカーカスプライが含む各カーカスコードは、実質的にタイヤ幅方向に沿って(即ち、トレッド部3のタイヤ径方向外方からの投影視において、タイヤ幅方向に対して実質的に0°の角度で傾斜せずに)、延びている。
但し、カーカスコードは、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されていてもよい。また、カーカス4は、バイアス構造であってもよい。
本例において、ベルト7を構成する各ベルト層は、1本又は複数本のベルトコードと、ベルトコードを被覆する被覆ゴムと、を含んでいる。ベルトコードは、例えば、モノフィラメント又は撚り線で形成することができる。ベルトコードは、金属(例えばスチール)から構成されていてもよいし、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されていてもよい。
セリアル5は、タイヤの製造番号、製造年月日、メーカー名等を、文字、数字、記号、図形等で表した識別標識であり、製造されたタイヤの種類等の識別を容易とするためのものである。セリアル5は、例えば、後述するセリアルプレート50によりタイヤ10に刻印される。
図1に示すように、本例において、より具体的に、電子装置6は、タイヤサイド部8におけるタイヤ外表面10oの近傍に配置されている。ここで、本明細書において、「タイヤ外表面(の)近傍」又は「タイヤ外表面(の)近く」とは、少なくとも、カーカス4(より具体的に、本例では、カーカス4のカーカス折返し部)よりタイヤ幅方向外側の位置を指し、タイヤ外表面の位置も含む。
電子装置6は、タイヤサイド部8内に埋め込まれていてもよいし、タイヤサイド部8のタイヤ外表面10o上に取り付けられていてもよい。図1の例では、電子装置6は、サイドウォール部2内に埋め込まれている。
また、本実施形態において、電子装置6は、それ単体(図2(a)参照)でタイヤ10のタイヤサイド部8に取り付けられていてもよいし、電子装置6の表面の少なくとも一部に弾性部材61を備えている、電子装置6を含む電子装置積層体60(図2(b)~図2(c)参照)としてタイヤ10のタイヤサイド部8に取り付けられていてもよい。換言すれば、電子装置6は、後述する本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法における電子装置配置工程において、それ単体(図2(a)参照)で用いられてもよいし、上記電子装置積層体60(図2(b)~図2(c)参照)として用いられてもよい。電子装置配置工程において、電子装置6が、当該電子装置6の表面の少なくとも一部に弾性部材61を備えている場合、電子装置6の耐久性及び/又はタイヤ本体への固着性を向上させることができる。
本実施形態において、電子装置6は、タイヤサイド部8のタイヤ外表面10oからの深さが、0.1~10.0mmである位置に、配置されていると好適である。この場合、タイヤ走行時に、電子装置6が外傷を受けにくく、ひいては、電子装置6の耐久性を向上させることができるとともに、電子装置6の情報を外部から読み取りやすい。同様の観点から、電子装置6は、タイヤサイド部8のタイヤ外表面10oからの深さが、0.5~5.0mmである位置に、配置されているとさらに好適である。
なお、電子装置6が例えば後述する図2(a)~図2(c)のいずれかに示すようなRFタグである場合、薄板状のICチップ6aにおける厚さ方向TD両側の面(例えば図2(a)では、紙面表側と裏側の面)がタイヤ外表面10oに沿うように(即ち、両者が略平行になるように)、上記タイヤ外表面10o側に取り付けられ、当該ICチップ6aの厚さ方向TDの中心が上記深さ位置に配置されていてよい。
なお、図示の例で、トレッド部3におけるベルト7のタイヤ径方向外側には、トレッド部3のタイヤ外表面10oであるトレッド踏面を形成するトレッドゴムが備えられている。トレッド踏面には、トレッドパターンが形成されている。本例において、当該トレッドパターンは、ラグ溝によりタイヤ周方向にラグが区画形成されたラグパターンであるが、当該トレッドパターンは、特に限定されない。
さらに、図示の例で、タイヤサイド部8におけるカーカス4のタイヤ幅方向外側には、タイヤサイド部8のタイヤ外表面10oを形成するサイドゴムが備えられている。
また、本実施形態のタイヤ10は、タイヤ内表面が、空気及び/又はガス低透過性のインナーライナー(特に図示せず)で構成されている。
図2は、本発明の一実施形態に係るタイヤ、及び、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法に用いられ得る、電子装置又は当該電子装置を含む電子装置積層体の例を示す図であり、図2(a)は、当該電子装置の一例を概略的に示す平面図、図2(b)は、当該電子装置積層体の一例を概略的に示す斜視図、図2(c)は、当該電子装置積層体の他の例を概略的に示す電子装置長手方向断面図である。
図2(a)に示すように、本例において、電子装置6は、記憶部等を有するICチップ6aと、電磁波を送信及び/又は受信する1つ以上(図示の例では、2つ)のアンテナ6bと、を有する、RFタグである。RFタグは、一般に、RFID(Radio Frequency Identification)タグとも呼ばれるものである。
本例において、アンテナ6bは、ICチップ6aに接続され、直線状、波状、又は螺旋状(図示の例では、螺旋状)に延びている。本例では、2本のアンテナ6bが、ICチップ6aから互いに反対方向に延びている。但し、アンテナ6bは、ICチップ6aから一方側だけに延びていてもよい。また、本例では、2本のアンテナ6bは、後述するICチップ6aの長辺方向LDの長さが同じである。但し、2本のアンテナは、ICチップ6aの長辺方向LDの長さが互いに異なっていてもよい。
本例において、ICチップ6aは、平面視(図2(a)参照)略矩形状の厚さの薄い薄板状を呈している。ここで、ICチップ6aの「厚さ」とは、平面視でICチップ6aの長辺に沿う方向に平行な方向(以下、「ICチップ(6a)の長辺方向」ともいう。)LDと、平面視でICチップ6aの短辺に沿う方向に平行な方向(以下、「ICチップ(6a)の短辺方向」ともいう。)SDと、の双方に垂直な方向(以下、「ICチップ(6a)の厚さ方向」ともいう。)TDの厚さを指す。なお、本例において、ICチップ(6a)の長辺方向LDは、電子装置(6)の長手方向でもあり、ICチップ(6a)の短辺方向SDは、電子装置(6)の短手方向でもあり、ICチップ(6a)の厚さ方向TDは、電子装置(6)の厚さ方向でもある。
ICチップ6aは、例えば、任意の既知のメモリである記憶部及び任意の既知のプロセッサである制御部を有している。ICチップ6aは、1つ以上のアンテナ6bで受信する電磁波により発生する誘導起電力により動作してもよい。即ち、電子装置6は、パッシブ型の通信装置であってもよい。或いは、電子装置6は、電池をさらに備え、自らの電力により電磁波を発生して通信可能であってもよい。即ち、電子装置6は、アクティブ型の通信装置であってもよい。ICチップ6aの制御部は、例えば、記憶部に記憶されたタイヤの製造管理、出荷管理、使用履歴管理等のデータを読み取る、或いは、記憶部にこれらのデータを書き込むことができる。
図2(b)は、電子装置6の表面の少なくとも一部に弾性部材61を備えている、電子装置6を含む電子装置積層体60の一例を、示している。即ち、本例において、電子装置6は、当該電子装置6の表面の少なくとも一部に、弾性部材61を備えている。より具体的に、本例において、電子装置6は、電子装置6の厚さ方向TDにおける一方側の表面の全体に設けられた一方側弾性部材61aと、電子装置6の厚さ方向TDにおける他方側の表面の全体に設けられた他方側弾性部材61bと、を備えた、電子装置積層体60として、構成されている。図2(b)に示すように、本例において、弾性部材61(一方側弾性部材61a及び他方側弾性部材61b)は、例えば、厚さの薄いシート状のゴムである。換言すれば、本例において、電子装置6は、厚さ方向TDにおける一方側及び他方側の表面の全体がいわばシート状の被覆ゴムで被覆された、電子装置積層体60として、構成されている。
なお、図2(b)の例における電子装置6自体の構成は、電子装置6単体として説明した上述の図2(a)の電子装置6の構成と同じである。
図2(c)は、電子装置6の表面の少なくとも一部に弾性部材61を備えている、電子装置6を含む電子装置積層体60の他の例を、示している。即ち、本例においても、図2(b)の例と同様、電子装置6は、当該電子装置6の表面の少なくとも一部に、弾性部材61を備えている。より具体的に、本例においても、図2(b)の例と同様、電子装置6は、電子装置6の厚さ方向TDにおける一方側の表面の全体に設けられた一方側弾性部材61aと、電子装置6の厚さ方向TDにおける他方側の表面の全体に設けられた他方側弾性部材61bと、を備えた、電子装置積層体60として、構成されている。本例においても、図2(b)の例と同様、弾性部材61(一方側弾性部材61a及び他方側弾性部材61b)は、例えば、ゴムとすることができる。但し、図2(c)に示すように、本例においては、図2(b)の例とは異なり、弾性部材61(一方側弾性部材61a及び他方側弾性部材61b)は、厚さの薄いシート状ではなく、やや厚さの厚いパッチ状とされている。本例において、一方側弾性部材61aの厚さは他方側弾性部材61bの厚さより厚くされているが、両者の厚さの関係は、特に限定されない。換言すれば、本例において、電子装置6は、厚さ方向TDにおける一方側及び他方側の表面の全体がいわばパッチ状の被覆ゴムで被覆された、電子装置積層体60として、構成されている。
なお、図2(c)の例における電子装置6自体の構成も、電子装置6単体として説明した上述の図2(a)の電子装置6の構成と同じである。
なお、上述の図2(b)及び図2(c)の例では、電子装置6は、電子装置6の表面の全体に弾性部材61を備えているが、電子装置6を電子装置積層体60として構成する場合、電子装置6は、電子装置6の表面の少なくとも一部にのみ弾性部材61を備えていてもよい。例えば、図2(b)及び図2(c)の例において、電子装置6は、電子装置6の厚さ方向TDにおける、上記一方側表面の一部若しくは全部、又は、上記他方側表面の一部若しくは全部、のみに、弾性部材61を備えていてもよい。
前述のとおり、上述の電子装置6単体又は電子装置6を含む電子装置積層体60を、後述する本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法における電子装置配置工程において、用いることができ、ひいては、上述の電子装置6単体又は電子装置6を含む電子装置積層体60が、当該タイヤの製造方法によって製造されたタイヤ、即ち、図1を参照しつつ説明した本発明の一実施形態に係るタイヤ10の、タイヤサイド部8に取り付けられていてもよい。
なお、図1では電子装置6を含む電子装置積層体60を簡略化して記載しているが、図1の例において、電子装置6は、薄板状のICチップ6aの厚さ方向TDにおける一方側及び他方側の表面がタイヤ外表面10oに沿うように(即ち、両者が略平行になるように)、タイヤ外表面10oの近傍に取り付けられている。
図1に示す本発明の一実施形態に係るタイヤ10において、電子装置6が、例えば図2(a)に示すようなRFタグでありアンテナ6bを有する場合、タイヤ回転軸方向視において、当該アンテナ6bが、カーカス4のカーカスプライが含むカーカスコードの延在方向と交差する方向(好ましくは、当該延在方向と垂直な方向)に延びるように、電子装置6がタイヤ10に取り付けられていてもよい。カーカス4がラジアル構造であれば、この場合、電子装置6の長手方向LDの全体がサイドウォール部2の曲げ歪の影響を受けて大きく曲げられることが抑制され、電子装置6の耐久性を向上させることができる。
<タイヤの製造方法>
次に、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法について、図3~図5を参照しつつ説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法を説明するための、当該タイヤの製造方法に用いられ得る金型及び生タイヤの一例を示す、タイヤ幅方向概略断面図である。図4は、図3の上型に保持されたセリアルプレート近傍を、当該セリアルプレートに固着される前の電子装置とともに示す、拡大正面断面図である。図5は、図4のX-X概略矢視図である。
まず、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法に用いられ得る金型について、説明する。
図3において、符号30はタイヤ加硫装置であり、このタイヤ加硫装置30は、未加硫のタイヤ、即ち、生タイヤ20を加硫することで、例えば図1に示すようなタイヤ10を製造することができる。生タイヤ20は、タイヤ10と同様に、一対のビード部21と、各ビード部21からそれぞれタイヤ径方向外側に向かって延びるサイドウォール部22と、これらサイドウォール部22のタイヤ径方向外端同士を連結するトレッド部15と、を備えている。本明細書において、生タイヤ20のサイドウォール部22とビード部21とを総称して、タイヤサイド部28と呼ぶ場合がある。ここで、図3においては、生タイヤ20がタイヤ10と同様に有するタイヤの内部部材、例えば、ビードコア、カーカス、ベルト等は、煩雑を避けるため、その記載が省略されている。
本例において、タイヤ加硫装置30は、金型31を有し、当該金型31は、少なくとも、略リング状の下型32と、略リング状の上型33と、から構成されている。下型32は、そのタイヤ径方向略中央領域上面に、生タイヤ20の一方側(下側)のタイヤサイド部28の少なくとも一部に対し型付けを行う、タイヤサイド部型付け面323を有している。同様に、上型33は、そのタイヤ径方向略中央領域下面に、生タイヤ20の他方側(上側)のタイヤサイド部28の少なくとも一部に対し型付けを行う、タイヤサイド部型付け面333を有している。
図3中、符号321及び符号331は、生タイヤ20のトレッド部23に対し型付けを行う、金型31におけるトレッド部型付け面であり、符号322及び符号332は、それぞれ、生タイヤ20の一方側(下側)の半部及び他方側(上側)の半部にラグ溝を形成するための、金型31におけるラグ溝形成用骨である。図3に示すように、ラグ溝形成用骨322及び333は、それぞれ、下型32のタイヤ径方向外側端部分及び上型33のタイヤ径方向外側端部分から、タイヤ径方向内側に向かって突出するとともに、タイヤ周方向に例えば等距離離れて配置されている。
本例において、タイヤ加硫装置30は、シェーピングユニット34を有している。当該シェーピングユニット34は、生タイヤ20の一方側(下側)のビード部21が着座されて当該ビード部21を主に片付けすることができる、一方側支持体35と、生タイヤ20の他方側(上側)のビード部21が着座されて当該ビード部21を主に片付けすることができる、他方側支持体36と、を有している。これら一方側支持体35及び他方側支持体36は、図示していない連結機構により、脱着可能に連結されることができる。
なお、図3中、符号80は、上記一方側支持体35及び他方側支持体36に、タイヤ幅方向の一端及び他端がそれぞれ機密状態で係止された、シェーピングユニット34に設けられた屈曲可能なブラダである。
図3~図5の例において、符号324及び符号334は、それぞれ、タイヤサイド部型付け面323及び333に形成された、セリアルプレート50を保持するための、平面視(図5参照)ほぼ矩形状の凹部である。本例において、凹部324及び325の底壁は、図3及び図4の断面視において、当該凹部324及び334の位置でのタイヤサイド部型付け面323及び333の接線に対してほぼ平行な平坦面から構成されている。
凹部324及び334には、それぞれ、例えばスチール製の薄板から構成されたセリアルプレート50が保持されている。本例において、これらのセリアルプレート50は、それぞれ、平面視(図5参照)凹部324及び334と実質上同一のほぼ矩形状を呈している。これらのセリアルプレート50は、ステンレススチール、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属板から構成されていてもよい。これらのセリアルプレート50には、タイヤの製造番号、製造年月日、メーカー名等を表すための、文字、数字、記号、図形等からなる識別標識51がそれぞれプレス装置等による打刻により設けられており、これらの識別標識51が転写によって生タイヤ20ひいては製造されたタイヤ10に刻印されると、当該製造されたタイヤ10の種類等の識別が容易となる。本例において、各識別標識51は、図4及び図5に示されるように、セリアルプレート50の長手方向ひいてはタイヤ周方向にほぼ等距離離れて配置されるとともに、セリアルプレート50の裏面から表面に向かって突出している。
セリアルプレート50が、スチール等の強磁性体から構成されている場合には、図4に示すように、上型33の凹部334の底壁又はその近傍に1つ又は複数(本例では、複数)の磁石(例えば、永久磁石)52を埋設し、当該磁石52によりセリアルプレート50を吸着することが好ましい。これにより、例えば、加硫前後の上型33の昇降等によりセリアルプレート50が上型33から落下等することを、簡単な構造で効果的に抑制することができる。
なお、後述する本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法における電子装置配置工程において、セリアルプレート50は、電子装置6又は電子装置6を含む電子装置積層体60と例えば固着されて用いられることになるが、図4においては、セリアルプレート50に固着される前の、当該電子装置6又は電子装置積層体60が、互いの固着面の位置関係を示す実線の白太矢印とともに示されている。図4における点線の白太矢印は、当該電子装置6又は電子装置積層体60が、生タイヤ20(図4では、図示せず)に配置される場合があることを示している。
なお、図4及び図5には、上型33側の凹部334及び当該凹部334に保持されたセリアルプレート50のみが示されているが、下型32側の凹部324及び当該凹部324に保持されたセリアルプレート50も、同様の構成であってよい。また、図4及び図5中で示されている、タイヤ径方向RD及びタイヤ幅方向WDの矢印は、それぞれ、必ずしも厳密なタイヤ径方向RD及びタイヤ幅方向WDを示しているものではない。
ここで、本例において、図3に示すように、前述の電子装置6(前述の電子装置積層体60に含まれる電子装置6を含む。以下、同じ)が、下型32及び上型33に配置されている。より具体的に、本例において、電子装置6は、金型31とは別体の部材であるセリアルプレート50に取り付けられており、下型32及び上型33に当該金型31とは別体の部材であるセリアルプレート50を介して配置されている。
但し、電子装置6は、生タイヤ20が加硫空間VSに載置され、下型32及び上型33が互いに閉止され、加硫が開始される前の状態で、下型32、上型33、生タイヤ20の下型32に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍、及び生タイヤ20の上型33に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍、のうちの少なくともいずれか1つに、配置されていればよい。
以下、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法について、説明する。
本実施形態のタイヤの製造方法は、例えば、図3~図5を用いて説明したような、タイヤ加硫装置30,ひいては、金型31、下型32及び上型33等を用いて、タイヤ10を製造するものである。
本実施形態に係るタイヤの製造方法は、例えば、図1を参照しつつ前述したような、タイヤサイド部8に電子装置6を取り付けたタイヤ10を得るための、タイヤの製造方法である。前述のとおり、タイヤ10の種類及び/又はサイズは任意であってよいが、タイヤ10は、例えば、適用リムのリム径の呼びが、20インチ以上であるタイヤとして、構成されてよい。
本実施形態に係るタイヤの製造方法は、生タイヤ20を加硫するための金型31として、下型32及び上型33を用いる。金型31、下型32及び上型33の構成は、鉛直方向下側に設けられた下型32及び下型32より鉛直方向上側に設けられた上型33を用いる限り、特に制限されないが、金型31、下型32及び上型33として、例えば、図3~図5を参照しつつ前述したような、金型31、下型32及び上型33を用いることができる。
本実施形態に係るタイヤの製造方法は、電子装置配置工程と、加硫工程と、を含む。
(電子装置配置工程)
図3を参照して、電子装置配置工程では、下型32、上型33、生タイヤ20の下型32に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍、及び生タイヤ20の上型33に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍、のうちの少なくともいずれか1つに、電子装置6を配置する。ここで、上記「生タイヤ20の下型32(又は、上型33)に接触する側のタイヤサイド部28」とは、後述する加硫工程において、下型32(又は、上型33)に接触する生タイヤ20のタイヤ半部における、タイヤサイド部28、との意味である。
より具体的に、図3に示すタイヤ加硫装置30を用いる本例では、電子装置配置工程において、電子装置6は、下型32及び上型33(具体的には、下型32のタイヤサイド部型付け面323及び上型33のタイヤサイド部型付け面333)に配置されるが、上述のとおり、電子装置配置工程において、電子装置6は、下型32、上型33、生タイヤ20の下型32に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍、及び生タイヤ20の上型33に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍、のうちの少なくともいずれか1つに、換言すれば、これらから選択される1つ以上の部位に、配置されればよい。
電子装置6は、図2(a)を参照しつつ前述したような電子装置6単体として、上述の部位に配置されてもよいし、図2(b)~図2(c)を参照しつつ前述したような電子装置積層体60に含まれる電子装置6として、当該電子装置積層体60が上述の部位に配置されることにより電子装置6が当該部位に配置されてもよい。
さらに具体的に、図3に示すタイヤ加硫装置30を用いる本例では、電子装置配置工程において、電子装置6は、金型31(ひいては、下型32及び/又は上型33)に直接配置されるのではなく、金型31(ひいては、下型32及び/又は上型33)とは別体の部材(例えば、後述する図6のセリアルプレート50)に取り付けられ、下型32及び/又は上型33に当該金型31とは別体の部材を介して配置される。なお、電子装置6は、当該金型31とは別体の部材の生タイヤ20側に取り付けられるとよい。これにより、製造されたタイヤ10において、例えば当該金型31とは別体の部材により刻印されるマーク等を電子装置6の配置されている位置の目印とすることができるとともに、当該マーク等の位置に電子装置6を容易に配置することができる。なお、電子装置6が例えば図2(b)~図2(c)に例示される電子装置積層体60として下型32及び/又は上型33に配置される場合、上記「金型31とは別体の部材」には、当該電子装置積層体60に含まれる弾性部材61(一方側弾性部材61a及び他方側弾性部材61b)は含まれないものとする。
図3に示すタイヤ加硫装置30を用いる本例では、より具体的に、上記金型31とは別体の部材は、セリアルプレート50である。これにより、製造されたタイヤ10において、電子装置6の配置されている位置の目印とすることができる追加マーク等なしに、通常セリアルプレート50により刻印される通常のタイヤ10が有するセリアル5を電子装置配置位置を示す目印とすることができるとともに、当該セリアル5の位置に電子装置を容易に配置することができる。但し、上記金型31とは別体の部材は、セリアルプレート50には限定されず、例えば、製造されたタイヤ10において電子装置6の位置を視認できる目印としての追加マークを刻印するための、セリアルプレート50とは別の追加プレート等であってもよい。しかし、当該追加プレートによる追加マーク等なしに、効率的に電子装置6の位置を視認できるようにする観点からは、上記金型31とは別体の部材は、セリアルプレート50であることが好ましい。
(加硫工程)
図3を参照して、加硫工程では、上述の電子装置配置工程の後に、金型31内に生タイヤ20をセットして加硫する。
より具体的に、図3に示すタイヤ加硫装置30を用いる本例では、加硫工程において、例えば、一方側支持体35及び他方側支持体36に未加硫の生タイヤ20の両ビード部21がそれぞれ着座された後、これら一方側支持体35及び他方側支持体36どうしが図示しない連結機構により連結され、その後、ブラダ80内に内圧が充填されると、生タイヤ20は略トロイド状に変形しながら、これら一方側支持体35、他方側支持体36及びブラダ80からなるシェーピングユニット34に支持される。次に、このようにしてシェーピングユニット34に装着された生タイヤ20は、図示しない搬送手段により開放状態の下、上型33内に搬入された後、下型32のラグ溝形成用骨322と生タイヤ20の一方側(下側)のタイヤ半部に形成されたラグ溝形成用溝とを合致させながら下型32上に載置される。その後、下型32及び上型33を閉止して、金型31内、即ち、加硫空間VS内に生タイヤ20をセット(収納)した後、ブラダ80内に高温・高圧の加硫媒体を供給して、生タイヤ20を加硫する。
なお、加硫工程において、セリアルプレート50に形成された識別標識51が生タイヤ20に転写・刻印され、加硫後のタイヤ10、即ち、製造されたタイヤ10において、当該識別標識と51と補完関係にある凹み等からなるセリアル5が形成される。加硫後のタイヤ10においては、セリアルプレート50は、タイヤ10から取り外される。
また、本例において、加硫工程において、セリアルプレート50の生タイヤ20側に取り付けられた電子装置6が生タイヤ20に固着され、加硫後のタイヤ10、即ち、製造されたタイヤ10において、電子装置6がタイヤ10に取り付けられる。
次に、上述した実施形態による主な効果を、以下に説明する。
まず、本実施形態に係るタイヤの製造方法によれば、生タイヤ20を加硫するための金型31として、下型32及び上型33を用いる。これにより、製造するタイヤ10が、例えば、適用リムのリム径の呼びが20インチ以上である、サイズが大きいタイヤである場合であっても、支障なく容易に当該タイヤ10に対応するサイズが大きい生タイヤ20を加硫し、当該タイヤ10を製造することができる。
また、本実施形態に係るタイヤの製造方法によれば、電子装置配置工程において、下型32、上型33、生タイヤ20の下型32に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍、及び生タイヤ20の上型33に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍、のうちの少なくともいずれか1つに、電子装置6を配置し、加硫工程において、当該生タイヤ20を加硫する。これにより、電子装置6は、生タイヤ20を加硫するだけの簡易な方法で、加硫後にタイヤ10のタイヤ外表面10o近くに貼り付けたりすることなく、タイヤ10のタイヤサイド部8のタイヤ外表面10o近くに取り付けることができる。この点は、タイヤ10が、例えば、適用リムのリム径の呼びが20インチ以上であるような、サイズが大きいタイヤである場合に、特に有用である。
以上より、本実施形態に係るタイヤの製造方法によれば、簡易な方法で、製造されたタイヤ10の、タイヤサイド部8のタイヤ外表面10o近くに電子装置6を取り付けることができ、ひいては、電子装置6の例えば通信性を向上することができる。
本実施形態において、電子装置配置工程において、電子装置6が、金型31とは別体の部材に取り付けられ、下型32及び/又は上型33に当該金型31とは別体の部材を介して配置されること、並びに、上記金型31とは別体の部材が、セリアルプレート50であること、による効果は、前述のとおりである。
以下、本実施形態に係るタイヤの製造方法における、好適な構成や変形例等について、さらに説明する。
前述のとおり、電子装置配置工程において、電子装置6は、当該電子装置6の表面の少なくとも一部に弾性部材61(一方側弾性部材61a及び/又は他方側弾性部材61b)を備えていること、換言すれば、電子装置6は、図2(b)~図2(c)に示すような、電子装置6を含む電子装置積層体60として構成されていることが好ましい。この場合、加硫工程において、電子装置6と下型32、上型33及び/又は生タイヤ20との間に当該弾性部材61を介在させることが可能となり、ひいては、電子装置6の耐久性及び/又はタイヤ本体への固着性を向上させることができる。
ここで、図6(a)~図6(d)(以下、「図6」と総称する場合がある。)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法における電子装置配置工程において配置される、金型とは別体の部材としてのセリアルプレート、弾性部材及び電子装置の構成の、異なった例を説明するための、図面である。図6(a)~図6(d)は、主にそれらセリアルプレート50等のタイヤ幅方向における配置関係、及び、一方側弾性部材61aと他方側弾性部材61bとの厚さの概略関係を、対比して説明するためだけの模式図であり、実際には上記セリアルプレート50等は互いに固着されており、また、各寸法等は正確なものではない。図6(a)~図6(d)の電子装置6、電子装置積層体60、一方側弾性部材61a及び他方側弾性部材61bは、それぞれ、図2(b)~図2(c)のそれらと対応している。また、図6において、電子装置6は、紙面上下方向を当該電子装置6の厚さ方向TD(図示せず)として描かれている。
但し、電子装置配置工程において配置される、金型31とは別体の部材としてのセリアルプレート50、弾性部材(一方側弾性部材61a及び/又は他方側弾性部材61b)及び電子装置6の構成は、図6の例に限定されるものではない。
図6に示すように、電子装置配置工程で用いられる電子装置6は、厚さ方向両側の表面に弾性部材(一方側弾性部材61a及び他方側弾性部材61b)を備えていてもよいし(図2(c)、(d)参照)、厚さ方向一方側の表面、特には、セリアルプレート50側の表面のみに弾性部材(一方側弾性部材61a)を備えていてもよい(図2(a)、(b)参照)。電子装置6が、セリアルプレート50側の表面に弾性部材(一方側弾性部材61a)を備えていることで、電子装置6の耐久性及びセリアルプレート50への固着性が向上し、生タイヤ20側の表面にも弾性部材(他方側弾性部材61b)を備えていることで、電子装置6の耐久性がさらに向上するとともに、電子装置6の生タイヤ20ひいては製造されるタイヤ10本体への固着性が向上する。
また、図6(a)と図6(b)、及び、図6(c)と図6(d)、の例の間では、弾性部材(一方側弾性部材61a)の厚さが異なっている。当該弾性部材の厚さが厚い方が、より電子装置6の耐久性が向上する。
電子装置配置工程において、金型31(下型32及び/又は上型33)(図3参照)に配置される電子装置6が、例えば図6に例示される構成として当該金型31に配置される場合、セリアルプレート50、弾性部材(一方側弾性部材61a及び/又は他方側弾性部材61b)及び電子装置6は、金型31への配置前に、予め一体化させておくことが好ましい。この場合、電子装置6を金型31に配置させる際の、作業効率を向上させることができるとともに、セリアルプレート50に対する電子装置6の位置ずれを防止することができる。
また、上記の場合において、上記各部材を一体化させる際、弾性部材による各部材間の接着力を確保するため、当該弾性部材(一方側弾性部材61a及び/又は他方側弾性部材61b)を加温しておいてもよい。
また、電子装置配置工程において、例えば図6の各例における、セリアルプレート50、弾性部材(一方側弾性部材61a及び/又は他方側弾性部材61b)、電子装置6及び金型31が互いに固着・一体化されている状態において、電子装置6の厚さ方向の中心とセリアルプレート50との間の間隔は、0.1~10.0mmであると好適である。この場合、製造されたタイヤ10において、タイヤ走行時に、電子装置6が外傷を受けにくく、ひいては、電子装置6の耐久性を向上させることができるとともに、電子装置6の情報を外部から読み取りやすい。同様の観点から、上記間隔は、0.5~5.0mmであるとさらに好適である。
電子装置配置工程において、電子装置6は、下型32及び/又は上型33ひいては金型31に、接着剤を介して配置されることが好ましい。この場合、例えば後の加硫工程において、電子装置6が金型31からずれ又は落下することを抑制することができる。
より具体的に、電子装置配置工程において、電子装置6は、金型31に接着剤を介して直接接着され配置されてもよいが(図示せず)、電子装置6は、例えば図6の各例のように、金型31に対して弾性部材(一方側弾性部材61a)及び金型31とは別体の部材(例えば、セリアルプレート50)等を介して配置されてもよく、その場合、電子装置6は、電子装置6から金型31までの各部材のうちの、少なくとも1つの隣接する部材間に設けた接着剤を介して金型31に配置されてもよい。例えば、図6に示す各例において、一方側弾性部材61aとセリアルプレート50との間のみに設けた接着剤(図示せず)を介して、電子装置6を金型31に配置することができる。
なお、電子装置6を、下型32及び上型33の双方に配置する場合、上型33側のみで上記接着剤が使用されてもよく、即ち、電子装置6は、上型33にのみ、接着剤を介して配置されてもよい。電子装置6は、上型33から落下しやすいからである。
電子装置配置工程において、電子装置6は、下型32及び上型33の双方に配置されることが好ましい。この場合、製造されたタイヤ10において、タイヤ赤道面CLを境界とする、一方側のタイヤ半部におけるタイヤサイド部8のタイヤ外表面10o近傍、及び、他方側のタイヤ半部におけるタイヤサイド部8のタイヤ外表面10o近傍、の双方に電子装置6が取り付けられることになるので、タイヤ幅方向両側の外部から電子装置6に保存された情報等を読み取ることができ、タイヤ10の車両に対する装着方向にかかわらず例えば大型のタイヤであっても電子装置6の通信性を担保することができるとともに、例えば一方側の電子装置6が故障し機能しなくなった場合であっても、他方側の電子装置6から情報を読み取ることが可能となる。
但し、電子装置配置工程において、電子装置6は、下型32及び上型33の一方のみに配置されてもよい。この場合、電子装置6は、特に下型32のみに配置されてよい。下型32に配置された電子装置6は、重力の作用により、ずれにくいからである。
ここで、図7は、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法における電子装置配置工程において、下型側及び上型側に配置される電子装置の、金型周上における配置関係の一例を説明するための、図面である。図8(a)~(d)(以下、「図8」と総称する場合がある。)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係るタイヤの製造方法における電子装置配置工程において、下型側又は上型側に配置されるセリアルプレート及び電子装置の、金型周上における配置関係の異なった例を説明するための、図面である。
電子装置配置工程において、電子装置6は、製造されたタイヤ10において2個以上装着されるように、下型32、上型33、生タイヤ20の下型32に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍(以下、「生タイヤ20の下型32側のタイヤサイド部28」ともいう。)、及び/又は生タイヤ20の上型33に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍(以下、「生タイヤ20の上型33側のタイヤサイド部28」ともいう。)に、総計で2個以上配置されてよい。
この場合、当該2個以上の電子装置6のうち、1つ以上の当該電子装置6が下型32側(下型32及び生タイヤ20の下型32側のタイヤサイド部28を、含む。以下、同じ。)に配置され、1つ以上の当該電子装置6が上型33側(上型33及び生タイヤ20の上型33側のタイヤサイド部28を、含む。以下、同じ。)に配置され、これら2個以上の電子装置6は、金型31におけるタイヤ回転軸方向視において、タイヤ回転軸の位置を中心とした際に、金型周方向で45°以上互いに離間するように配置されていると好適である。この場合、製造されたタイヤ10において、2個以上の電子装置6のうちのいずれか少なくとも1つの電子装置6に故障や剥離が生じたとしても、他のいずれかの電子装置6が機能を発揮したまま残存する可能性が高まり、ひいては、例えば、電子装置6によりタイヤ10の情報を読み書きすることができなくなることを防止することができる。
図7に示す例では、総計4個の電子装置6のうち、2個の電子装置6が下型32(図では、下型32のタイヤサイド部型付け面323で示している)側に配置され、2個の電子装置6が上型33(図では、上型33のタイヤサイド部型付け面333で示している)側に配置され、これら4個の電子装置6は、タイヤ回転軸方向視において、金型周方向で45°以上(図の例では、略90°)互いに離間するように配置されている。
また、上記の場合、2個以上の電子装置6は、金型周方向に等間隔に配置されることが好ましい。このような配置によれば、製造されたタイヤ10において、タイヤ走行時における故障や剥離の原因となる事象の影響を平潤化して、いずれかの電子装置6が機能を発揮したまま残存することをより一層確実にすることができるからである。なお、「金型周方向に等間隔に配置」とは、電子装置6が下型32側及び上型33側のいずれに位置しているかを問わず、下型32側及び上型33側のいずれか一方又は両方において等間隔に配置されてもよいし、金型31におけるタイヤ回転軸方向視において、下型32側及び上型33側の両方を合わせて視たときに等間隔に配置されてもよい。
さらに、上記の場合、下型32側に配置された電子装置6と、上型33側に配置された電子装置6とが、金型周方向に交互に配列されることが好ましい。このような配置によれば、製造されたタイヤ10において、一の電子装置6に故障等の原因となる事象が生じた場合に、タイヤ周方向に隣接する他の電子装置6が、上記一の電子装置6とは異なるタイヤ幅方向半部に位置することとなるため、当該他の電子装置6に故障の原因等となる事象の影響が及ぶのを極力避けることができるからである。
また、上記の場合、下型32側に配置された電子装置6の個数と上型33側に配置された電子装置6の個数とが同数であることが好ましい。この場合、より一層、故障の原因となる事象の影響を平潤化することができる。
電子装置配置工程において、電子装置6は、下型32側又は上型33側のいずれか少なくとも一方について、金型周上1個以上、好ましくは2個以上配置されるとよい。電子装置6が金型周上2個以上配置されることにより、例えば電子装置6全体としての通信性が高まる。
図8は、金型31の一方側(例えば、下型32側。以下、下型32側について主に説明するが、上型33側も同様である。)における、セリアルプレート50及び電子装置6の配置関係を示しているものであり、図8(a)は、電子装置6が金型周上1個配置される例を示し、図8(b)~図8(d)は、電子装置6が金型周上2個以上配置される例を示している。
ここで、製造されたタイヤ10においてタイヤ幅方向一方側及び他方側の半部に設けられるセリアル5は、それぞれ、タイヤ周上通常1個であり、ひいては、タイヤの加硫前において下型32側及び上型33側に配置されるセリアルプレート50も、それぞれ、金型周上通常1個である。そこで、電子装置配置工程において、例えば、下型32側について、セリアルプレート50に取り付けられた電子装置6(以下、「セリアルプレート付き電子装置6」ともいう。)と、セリアルプレート50に取り付けられない電子装置6(以下、「単独電子装置6」ともいう。)とで、合わせて2個以上の電子装置6を配置する場合、図8(b)~図8(d)に示す各例のように、セリアルプレート付き電子装置6を起点に、金型周上等間隔で、換言すれば、タイヤ回転軸Oを中心とする中心角θが等しくなるように、単独電子装置6を配置することが好ましい。この場合、前述のとおり、製造されたタイヤ10において、いずれかの電子装置6が機能を発揮したまま残存することをより一層確実にすることができるとともに、視認性の良いセリアル5の位置を基準にタイヤ周上等間隔で電子装置6が取り付けられていることになるので、電子装置6の位置を把握しやすくなる。
図8(b)は、上記のようにして、2個の電子装置6を中心角θが180°になるように金型周上に等間隔で配置した例であり、図8(c)は、上記のようにして、3個の電子装置6を中心角θが120°になるように金型周上に等間隔で配置した例であり、図8(d)は、上記のようにして、4個の電子装置6を中心角θが90°になるように金型周上に等間隔で配置した例である。
なお、電子装置配置工程において、下型32側又は上型33側のいずれか少なくとも一方について、金型(下型32側又は上型33側)周上の任意の点Pから見た中心角が±90°である金型周上の点をPr、Plとしたときに(図8(a)参照)、当該任意の点Pを含む円弧Pl-P-Pr内に必ず少なくとも1個の電子装置6が存在するように、金型周上に複数の電子装置6が配置されることが好ましい。この場合、製造されたタイヤ10が大型のタイヤであってどのような回転位置で縦置きで静止していたとしても、当該静止したタイヤの10の最下点から中心角で±90°の範囲内に必ず電子装置6が存在することになり、現場での利便性が向上する。
上述したところは、本発明の例示的な実施形態を説明したものであり、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で様々な変更を行うことができる。
例えば、上述の実施形態におけるタイヤの製造方法では、電子装置配置工程において、主に下型32及び/又は上型33のみに電子装置6を配置したが、これに加えて又はこれに代えて、電子装置配置工程において、電子装置6を、生タイヤ20側、即ち、生タイヤ20の下型32に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍、及び/又は、生タイヤ20の上型33に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍、に配置してもよい。この場合であっても、例えば図6の各例に示す、セリアルプレート50、弾性部材(一方側弾性部材61a及び/又は他方側弾性部材61b)及び電子装置6を用い、これらを予め一体化させた上で、生タイヤ20に配置することにより、電子装置6を、生タイヤ20の上記部位に配置してよい。また、上記の場合、特には、電子装置6を、図6の各例に示すように、少なくともセリアルプレート50、又は、セリアルプレート50及び弾性部材(一方側弾性部材61a及び/又は他方側弾性部材61b)とともに、生タイヤ20の上型33に接触する側のタイヤサイド部28のタイヤ外表面20o近傍に、配置してよい。上型33に配置されたセリアルプレート50は、それ自体が、例えば加硫前後における上型33の昇降中等に上型33から落下しやすい場合があるからである。
本発明に係るタイヤの製造方法及び本発明に係るタイヤは、任意の種類のタイヤの製造方法及び任意の種類のタイヤとして好適に利用でき、例えば、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、建設・鉱山車両用タイヤ等、又は、それらの製造方法として好適に利用でき、特に、建設・鉱山車両用タイヤ又はその製造方法として好適に利用できる。
10:タイヤ、 20:生タイヤ、 10o、20o:タイヤ外表面、
1、21:ビード部、 11:ビードコア、 2、22:サイドウォール部、
3、23:トレッド部、 4:カーカス、
5:セリアル、 50:セリアルプレート、 51:識別標識、 52:磁石、
6:電子装置、 6a:ICチップ、 6b:アンテナ、 60:電子装置積層体、
61:弾性部材、 61a:一方側弾性部材、 61b:他方側弾性部材、
7:ベルト、 8、28:タイヤサイド部、
30:タイヤ加硫装置、 31:金型、 32:下型、 33:上型、
321、331:トレッド部型付け面、 322、332:ラグ溝形成用骨、
323、333:タイヤサイド部型付け面、 324、334:凹部、
34:シェーピングユニット、 35:一方側支持体、 36:他方側支持体、
80:ブラダ、
CD:タイヤ周方向、 CL:タイヤ赤道面、 LD:長辺方向(長手方向)、
O:タイヤ回転軸、 P、Pl、Pr:点、 RD:タイヤ径方向、
SD:短辺方向(短手方向)、 TD:厚さ方向、 VS:加硫空間、
WD:タイヤ幅方向

Claims (9)

  1. タイヤサイド部に電子装置を取り付けたタイヤを得るための、タイヤの製造方法であって、
    生タイヤを加硫するための金型として、下型及び上型を用い、
    前記下型、前記上型、前記生タイヤの前記下型に接触する側のタイヤサイド部のタイヤ外表面近傍、及び前記生タイヤの前記上型に接触する側のタイヤサイド部のタイヤ外表面近傍、のうちの少なくともいずれか1つに、前記電子装置を配置する、電子装置配置工程と、
    前記電子装置配置工程の後に、前記金型内に前記生タイヤをセットして加硫する、加硫工程と、
    を含むことを特徴とする、タイヤの製造方法。
  2. 前記電子装置配置工程において、前記電子装置は、前記金型とは別体の部材に取り付けられ、前記下型及び/又は前記上型に当該金型とは別体の部材を介して配置される、請求項1に記載のタイヤの製造方法。
  3. 前記金型とは別体の部材は、セリアルプレートである、請求項2に記載のタイヤの製造方法。
  4. 前記電子装置配置工程において、前記電子装置は、当該電子装置の表面の少なくとも一部に弾性部材を備えている、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤの製造方法。
  5. 前記電子装置配置工程において、前記電子装置は、前記下型及び/又は前記上型に、接着剤を介して配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤの製造方法。
  6. 前記タイヤは、適用リムのリム径の呼びが、20インチ以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤの製造方法。
  7. 前記電子装置配置工程において、前記電子装置は、前記下型及び前記上型の双方に配置される、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤの製造方法。
  8. 請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤの製造方法によって、製造されたことを特徴とする、タイヤ。
  9. 前記電子装置は、前記タイヤサイド部のタイヤ外表面からの深さが、0.1~10.0mmである位置に、配置されている、請求項8に記載のタイヤ。
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