JP4331528B2 - 空気入りラジアルタイヤの製造方法およびその製造方法を用いて製造された空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤの製造方法およびその製造方法を用いて製造された空気入りラジアルタイヤ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランスポンダ、RFID、ICタグ等の電子部品を埋設した空気入りラジアルタイヤの製造方法およびその製造方法により製造された空気入りラジアルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気入りラジアルタイヤに、製造履歴、使用履歴等のタイヤ固有の情報を記憶させたトランスポンダ、RFID等の電子部品を埋め込み、それらの情報をワイヤレスにて地上から送受信して、工程管理、在庫管理、使用履歴の追跡等を行う技術は、例えば、実開平2−123404号公報に示されるように、近年においては、よく知られたものとなっている。
電子部品を埋め込む箇所としては、特開平11−42915号公報に示されるようなトレッド部、特開2002−214060号公報に示されるようなビード部が一般的であった。
【0003】
【特許文献1】
実開平2−123404号公報
【特許文献2】
特開平11−42915号公報
【特許文献3】
特開2002−214060号公報
【0004】
ところがこのような電子部品を埋め込んだ空気入りラジアルタイヤでは、電子部品を埋め込むことにより、タイヤ各部のゴムと電子部品との界面剥離が発生しやすくタイヤの耐久性が低下すること、電子部品が、タイヤの製造時に外力を受けて破壊されること、路面走行時の衝撃荷重により破壊されること等のおそれがあるとともに、電子部品の配置の位置決めおよび方向付けの精度についての信頼性が低く、依然として改良の余地があった。このためタイヤの内外周面に電子部品を配置する方法も提案されているが、電子部品が破壊されるおそれは減るものの、路面走行中に電子部品が脱落しやすいという懸念点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術が抱えるこのような問題点の解決を課題とするものであり、電子部品の破壊を防ぎ、電子部品とタイヤを構成するゴム部材との界面剥離を防止してタイヤの耐久性を高め、電子部品の配置の位置決めおよび方向付けについての精度を高めることができる空気入りラジアルタイヤの製造方法およびその製造方法により製造された空気入りラジアルタイヤを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る空気入りラジアルタイヤの製造方法は、製品タイヤの内面形状とほぼ対応する外面形状を有する剛性コア上にカーカスコードを貼着配置するととともに、このカーカスコードの外側で、剛性コアの側部域に、リボン状サイドウォールゴムを巻回積層してサイドウォール層を成型するにあたり、サイドウォール層の同種のゴム部分内に電子部品を埋設することを特徴とする。
【0007】
これによれば、サイドウォール層を成型するにあたり、剛性コアによる成型とリボン状サイドウォールゴムによる成型を組み合わせることにより、成型ドラム上でカーカスバンドをトロイダル変形させてグリーンケースを成型する従来の製法に較べ、サイドウォール層の同種のゴム部分内に電子部品を埋設するに当り、電子部品のタイヤに対する位置決めと方向付けを正確かつ容易なものとすることができるとともに、拡張変形時にサイドウォール層に大きな変形歪みをもたらす工程を排除できるので、タイヤ製造時に電子部品に対して外力が加わって、電子部品が破壊に至ることを防止することができる。また、製品タイヤにおいて、路面走行時における衝撃荷重の影響を受けにくいサイドウォールゴムへの電子部品の配置を可能ならしめて、路面走行時における衝撃荷重により、電子部品が破壊に至ることをも防止することができる。また、サイドウォール層をリボン状サイドウォールゴムにて形成するため、サイドウォール層の同種のゴム部分内に電子部品を埋設することが可能となり、製品タイヤにおけるサイドウォールゴムと電子部品との界面剥離を極力防止することができる。
【0008】
さらにこの技術によっては、サイドウォールゴムのほぼ中間部に電子部品を配設することが可能となり、ビードコアおよびベルト等の金属部分からなるべく離れた位置に電子部品を配設することができ、金属による電子部品の送受信機能への悪影響をなるべく除外することができる。
ここで、本発明でいう電子部品とは、トランスポンダ、RFIDまたはICタグ等のワイヤレス通信手段を指す。
【0009】
ここで好ましくは、電子部品を、リボン状サイドウォールゴムの積層間に配設する。
これによれば、同種のサイドウォール層の内部に電子部品を配設することにより、製品タイヤにおけるサイドウォールゴムと電子部品との界面剥離を極力防止すると言う作用効果を、さらに確実に担保することができる。
【0010】
また好ましくは、表面に電子部品を予め貼着させたリボン状サイドウォールゴムを巻回積層する。
これによれば、サイドウォール層を成型する工程中に、リボン状サイドウォールゴムに電子部品を貼着配置する工程を省き、タイヤ成型工程をより効率的なものとすることができる。
【0011】
あるいは、リボン状サイドウォールゴムの巻回積層の途中で、既巻回部分の上に電子部品を貼着配置することが好ましい。
これによれば、サイドウォール層の内部に電子部品を埋設するにあたり、剛性コア上にすでに螺旋巻回され位置決め固定されたリボン状サイドウォールゴムの外周面に電子部品を貼着配置することで、製品タイヤのサイドウォールゴムに対する電子部品の位置決めおよび方向付けの精度をより高めることができる。
【0012】
ここで好ましくは、電子部品に、リボン状サイドウォールゴムと同種のゴムによる被覆を予め施す。
これによれば、電子部品とサイドウォールゴムとの界面剥離をさらに効果的に防止することができ、かつ、電子部品の外面をリボン状サイドウォールゴムと同種のゴムで被覆することにより、リボン状ゴムとのゴム同士の接着性をもたらし、電子部品を配設するにあたっての、位置決めや方向付けを容易ならしめることができる。
【0013】
本発明に係る空気入りラジアルタイヤは、請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造されて、トレッド部、サイドウォール部およびビード部を具えるとともに、これらの各部を補強するカーカスおよび、トレッド部を補強するベルトを具え、リボン状サイドウォールゴムの巻回積層構造になるサイドウォールゴムの同種のゴム部分内に電子部品を埋設配置してなる。
【0014】
これによれば、タイヤ製造時に電子部品に対して外力が加わって、電子部品が破壊に至ることを防止し、サイドウォールゴムをリボン状サイドウォールゴムの巻回積層により形成するため、サイドウォールゴムの同種のゴム部分内に電子部品を配設することが可能となり、サイドウォールゴムと電子部品との界面剥離を極力防止することができる。また、サイドウォールゴムの内部に電子部品を埋設配置することにより、電子部品をトレッド部やビード部に埋設配設する従来技術に較べては、路面走行時における衝撃荷重により電子部品が破壊されることをより有利に防止することができる。さらに、サイドウォールゴムの半径方向のほぼ中間部に電子部品を配設することを可能とし、ビードコアおよびベルト等の金属部分からなるべく離れた位置に電子部品を配設することができ、金属が電子部品の送受信機能へ悪影響を及ぼすことをなるべく除外することができる。
【0015】
さらに好ましくは、電子部品を、タイヤを適用リムに装着するとともに、規定の空気圧を充填したときの、ビードコア中心をとおり、タイヤ中心線と平行な線分(以下、ビードコア中心ラインと言う)から測って、タイヤ断面高さの10〜30%の範囲に配設してなる。
サイドウォール部では一般に、ビードコア中心ラインから測ってタイヤ断面高さの10〜30%の範囲の領域において、路面走行時に発生する歪が小さいため、カーカス折り返し端が存在しても故障核にはならず、いわゆるローターンアップタイヤでは、カーカス巻き返し端をこの領域に配置している。これと同様の理由で、この領域に電子部品を配設することにより、電子部品とサイドウォールゴムとの界面に発生する歪を抑制し、界面剥離を防止することにより電子部品を有するタイヤの耐久性を高めることができるものである。
この数値範囲を逸脱して電子部品をサイドウォールゴムに配設すると、電子部品とサイドウォールゴムとの間の界面剥離を防止する効果が十分には得られない。
【0016】
ここで適用リムとは下記の規格に規定されたリムをいい、規定の空気圧とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいう。
そして規格とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められている。例えば、アメリカ合衆国では”THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK”であり、欧州では”The European Tyre and Rim Technical OrganizationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の”JATMA YEAR BOOK”である。
【0017】
あるいは、電子部品を、ビードコア中心ラインから測って、タイヤ断面高さの50〜65%の範囲に配設することが好ましい。
サイドウォール部では一般に、ビードコア中心ラインから測ってタイヤ断面高さの50〜65%の範囲の領域において、路面走行時に発生する歪が小さいため、カーカス折り返し端が存在しても故障核とはならず、いわゆるハイターンアップタイヤでは、カーカス巻き返し端をこの領域に配置している。これと同様の理由で、この領域に電子部品を配設することにより、電子部品とサイドウォールゴムとの界面に発生する歪を抑制し、界面剥離を防止することにより電子部品を有するタイヤの耐久性を高めることができる。
この数値範囲を逸脱して電子部品をサイドウォールゴムに配置すると、電子部品とサイドウォールゴムとの間の界面剥離を防止する効果が十分には得られない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図1は本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【0019】
図1〜6は、本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。図中51は製品タイヤの内面形状にほぼ対応する外周面形状を有する円環状の剛性コアの一部を示す。
ここではじめに長尺のリボン状ゴムを剛性コアの外周面上の円周方向に延在させてほぼ螺旋状に巻回して、図1に示すように、剛性コア51の外周面を覆う形態にて、インナーライナー素材52を形成して、インナーライナー素材52の外周側の半径方向内側端近傍に、図2に示すように、コードのほぼ渦巻状の螺旋巻回構造による内側ビード素材53を配設する。さらに、カーカスコード54を、剛性コア51のそれぞれの内周側端近傍にて剛性コア51の子午線方向への延在部分と、周方向への延在部分とを交互に形成して、内側ビード素材53間にトロイダルに配設して、カーカス素材55を形成する。
【0020】
さらに、カーカス素材55の周方向への延在部分の外周側に、図3に示すように、コードのほぼ渦巻状の螺旋巻回構造による外側ビード素材56を配設する。加えて、カーカス素材54のクラウン部の外周側に、二層のベルト層素材57を配設する。
さらに、図4に示すように、カーカス素材55の、剛性コア51のクラウン域を隔てた両側部域に、長尺のリボン状サイドウォールゴム58を剛性コア51の外周面上の円周方向に延在させてその剛性コア51の幅方向及び半径方向にほぼ螺旋状に巻回して、図5に示すように、その幅方向外側にサイドウォール層59を形成し、そのサイドウォール層59の形成途中にて剛性コア上に螺旋巻回され位置決めされたリボン状サイドウォールゴムに、あらかじめリボン状サイドウォールゴム58と同種のゴムを被覆した電子部品60を貼着配置した後、さらにリボン状ゴムサイドウォールゴム58を螺旋状に巻回して、サイドウォール層59の内部に電子部品60を埋設する。この場合、あらかじめ螺旋巻回前のリボン状ゴムサイドウォール58に電子部品60を貼着配置してもよい。その後、図6に示すように、カーカス素材55のクラウン部の外周部にリボン状ゴムを螺旋巻回してトレッドゴム素材61を形成する。なお、トレッドゴム素材61については別途成型したものを貼り付けてもよい。
【0021】
この方法によれば、電子部品60のタイヤに対する位置決めと方向付けを正確かつ容易なものとすることができるとともに、サイドウォール層59に対して拡張変形時に大きな変形、歪をもたらす工程を排除できるので、タイヤ製造時に電子部品60に対して外力が加わって、電子部品が破壊に至ることを防止することができる。また、路面走行時における衝撃荷重の影響を受けにくいサイドウォールゴムへの電子部品の配置を可能ならしめて、路面走行時における衝撃荷重により、電子部品が破壊に至ることをも防止することができる。また、サイドウォール層59をリボン状サイドウォールゴム58にて形成し、かつそのリボン状サイドウォールゴム58と同種のゴムで電子部品を被覆しているため、サイドウォールゴムの同種のゴム部分内に電子部品を埋設することが可能となり、サイドウォールゴムと電子部品との界面剥離を極力防止することができる。
【0022】
図7は請求項5に係る発明の実施の形態をタイヤの半部について示す幅方向断面図であり、図中1はトレッド部を、2はトレッド部1の側部に連続して半径方向内方へ延びる一対のサイドウォール部を、そして3は各サイドウォール部2の半径方向の内周側に連続するビード部をそれぞれ示す。図中SHはタイヤ断面高さを示す。
さらに、それぞれのビード部内に配設された一対のビード4間にトロイダルに延在して上記各部1、2、3を補強するカーカス5を形成する。また、このようなカーカス5のクラウン部の外周側に、図では二層のベルト層6を配設し、その外周側にトレッドゴム7を配設する。
【0023】
電子部品8はサイドウォール部2のサイドウォールゴム9の図に斜線で示す領域Mに配設する。ここで、領域Mはビードコア中心ラインKから測って、タイヤ断面高さSHの10〜30%の範囲に属する領域であり、領域Lはビードコア中心ラインから測って、タイヤ断面高さSHの50〜65%の範囲に属する領域であり、ともに路面走行時に発生する歪が小さい領域である。
サイドウォール部2のサイドウォールゴム9は、本発明の請求項1に係る製法により、リボン状サイドウォールゴムを螺旋巻回して形成したものとし、電子部品8はその巻回途中で領域Mに属するように配置する。
これにより、衝撃荷重を受けにくいサイドォールゴム9の、特に歪が小さい領域Mに電子部品8を配設して、電子部品8の破壊を防止し、電子部品8とサイドウォールゴム9との界面剥離をも防止することができる。
【0024】
【実施例】
本発明に係る電子部品を有する空気入りタイヤの製造方法による、製品タイヤにおける電子部品の不良率、通信性、電子部品とサイドウォールゴムとの界面剥離に起因するタイヤ耐久性および電子部品の配設位置の精度を評価する目的で、サイズが195/65 R15の、実施例タイヤ1および従来の製造方法で製造した比較例タイヤ2〜5とを、電子部品の不良率、通信性、タイヤ耐久性、電子部品の配置位置精度を評価項目として比較評価した。ここで、不良率は、加硫成形後の製品タイヤにおいて、電子部品が機能低下または機能停止した個数を測定し、○は5%以内、△は5〜10%、×は10%超として評価した。また、通信性は、図8に示す丸印の五箇所の測定点において、電子部品に対する質問機および受信機を設置して、質問機が電子部品内部の電子回路の駆動電力及び応答信号のエネルギーを付与した場合に、受信機が電子部品が発信する応答信号を受信できるかどうか測定し、○は全位置にて通信可、△は3〜4箇所で通信可、×は2箇所以下で通信可として評価した。タイヤ耐久性についてはサイズが15×6Jのリムに装着し、タイヤへの充填空気圧を300kPaとし、1万kmドラム回転試験を行い、走行後にタイヤを解剖し、電子部品周辺の亀裂発生状況および亀裂長さを測定し、○は亀裂なし、△は亀裂長さが3mm以下、×は亀裂長さが3mm超として評価した。また電子部品の配設位置の精度については、○は良好、△は可、×は不良とした。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0004331528
【0026】
ここで、実施例タイヤ1は、図1〜6に示す、本発明の請求項3に係る電子部品を有する空気入りタイヤの製造方法により製造したものであり、図7に示す形態のものである。ここではトレッドゴムもリボン状ゴムを巻回することにより形成している。サイドウォールゴムの内部の電子部品の配設位置はビードコア中心ラインからタイヤ断面高さの20%の位置としている。
また、電子部品は、3mm×4mm×0.4mmのRFIDICチップの両側に60mmのアンテナをつけたものを、5.0mm×6.0mm×1.0mmの絶縁性のシートの中に埋設し、その外面をサイドウォールゴムと同組成の未加硫ゴムで被覆したものとする。
ここで、電子部品のアンテナはゴムとの接着性を高めるため、黄銅めっきを施すものとし、以下の比較例1〜4に用いる電子部品も同様とする。
【0027】
また、比較例タイヤ1は、成型ドラム上でカーカスバンドをトロイダル変形させてグリーンケースを成型する従来の製法により製造されたタイヤであり、サイドウォールゴムをリボン状ゴムを螺旋巻回して形成し、その巻回途中に電子部品を配設し、トレッドゴムもリボン状ゴムを螺旋巻回して形成したものである。電子部品の配設位置はビードコア中心ラインからタイヤ断面高さの20%の位置としている。
電子部品は実施例1のものと同様とする。
【0028】
さらに、比較例タイヤ2は、成型ドラム上でカーカスバンドをトロイダル変形させてグリーンケースを成型する従来の製法により製造されたタイヤであり、ベルトの外周側に電子部品を配設し、さらにその外周側にリボン状ゴムを螺旋巻回してトレッドゴムを形成したものである。
また、電子部品は、3mm×4mm×0.4mmのRFIDICチップの両側に60mmのアンテナをつけたものを、5.0mm×6.0mm×1.0mmの絶縁性のシートの中に埋設し、トレッドゴムと同組成の未加硫ゴムで被覆したものとする。
【0029】
また、比較例タイヤ3は、成型ドラム上でカーカスバンドをトロイダル変形させてグリーンケースを成型する従来の製法により製造されたタイヤであり、カーカスのクラウン域を隔てた両側部域に電子部品を配設し、さらにその外周側にシート状のサイドウォールゴムを貼着したものである。
また、電子部品は、3mm×4mm×0.4mmのRFIDICチップの両側に60mmのアンテナをつけたものを、5.0mm×6.0mm×1.0mmの絶縁性のシートの中に埋設し、サイドウォールゴムと同組成の未加硫ゴムで被覆したものとする。
【0030】
比較例タイヤ4は、成型ドラム上でカーカスバンドをトロイダル変形させてグリーンケースを成型する従来の製法により製造されたタイヤであり、ベルトの外周側にシート状のベースゴムを配設し、その外周側に電子部品を配設して、そのさらに外周側にキャップゴムを配設し、トレッド部を形成したものである。
また、電子部品は、3mm×4mm×0.4mmのRFIDICチップの両側に60mmのアンテナをつけたものを、5.0mm×6.0mm×1.0mmの絶縁性のシートの中に埋設し、ベースゴム及びキャップゴムと同組成の未加硫ゴムで被覆したものとする。
【0031】
実施例タイヤ1と比較例タイヤ1とを比較すると、実施例タイヤ1は電子部品の配設位置の精度が格段に高められ、通信性をも高められていることが分かる。これは実施例タイヤ1では、剛性コアの上でリボンを巻回してその途中で電子部品を配設しているため、成型ドラム上でリボンを巻回してサイドウォールゴムを形成してその途中で電子部品をサイドウォールゴム内に配設した比較例タイヤ2に較べて、電子部品を配設するにあたり、より精度よく位置決めし方向付け出来るためである。また実施例タイヤ1と比較例タイヤ2とを比較すると、実施例タイヤ1は、電子部品の配設位置を、剛性コアの上でリボンを巻回してその途中で電子部品を配設しているため、比較例タイヤ2に比して電子部品の配置位置の精度を高められていることがわかる。
【0032】
比較例タイヤ3は成型ドラムによる製法で製造され、カーカスとサイドゴムとの間に電子部品を配設しているため、実施例タイヤ1は比較例タイヤ3に比して、タイヤ耐久性において著しく優れていることが分かる。また、実施例タイヤ1は比較例タイヤ4に比して、比較例タイヤ4はベースゴムとキャップゴムとの異なる種類のゴム間に電子部品を配設し、実施例タイヤ1では同種のゴムの内部に電子部品を配設しているため、不良率、タイヤ耐久性、電子部品の配置位置精度について、実施例タイヤ1の方が優れていることがわかる。
【0033】
【発明の効果】
以上に述べたところから明らかなように、この発明によれば、サイドウォールゴムに電子部品を埋め込むに当り、電子部品のタイヤに対する位置決めと方向付けを正確かつ容易なものとすることができるとともに、サイドウォールゴムに対して拡張変形時に大きな変形や歪みをもたらす工程を排除することができるため、タイヤ製造時に電子部品に対して外力が加わって、電子部品が破壊に至ることを防止することができる。また、路面走行時における衝撃荷重の影響を受けにくいサイドウォールゴムの内部への電子部品の配置を可能ならしめて、路面走行時における衝撃荷重により、電子部品が破壊に至ることをも防止することができる。また、サイドウォールゴムをリボン状サイドウォールゴムにて形成するため、サイドウォールゴムの同種のゴム部分内に電子部品を埋設することが可能となり、サイドウォールゴムと電子部品との界面剥離を極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図2】 本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図3】 本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図4】 本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図5】 本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図6】 本発明の空気入りタイヤの製造方法を例示する断面斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態をタイヤの半部について示す幅方向断面図である。
【図8】 質問機及び受信機の供試タイヤに対する設置位置を表わす模式図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 ビード
5 カーカス
6 ベルト層
7 トレッドゴム
8 電子部品
9 サイドウォールゴム
51 剛性コア
52 インナーライナー素材
53 内側ビード素材
54 カーカスコード
55 カーカス素材
56 外側ビード
57 ベルト層素材
58 リボン状サイドウォールゴム
59 サイドウォール層
60 電子部品
61 トレッドゴム素材

Claims (8)

  1. 製品タイヤの内面形状とほぼ対応する外面形状を有する剛性コア上にカーカスコードを貼着配置するととともに、このカーカスコードの外側で、剛性コアの側部域に、リボン状サイドウォールゴムを巻回積層してサイドウォール層を成型するにあたり、
    サイドウォール層の同種のゴム部分内に電子部品を埋設する空気入りラジアルタイヤの製造方法。
  2. 電子部品を、リボン状サイドウォールゴムの積層間に配設する請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤの製造方法。
  3. 表面に電子部品を予め貼着させたリボン状サイドウォールゴムを巻回積層する請求項1もしくは2に記載の空気入りラジアルタイヤの製造方法。
  4. リボン状サイドウォールゴムの巻回積層の途中で、既巻回部分の上に電子部品を貼着配置する請求項1もしくは2に記載の空気入りラジアルタイヤの製造方法。
  5. 電子部品に、リボン状サイドウォールゴムと同種のゴムによる被覆を予め施す請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法により製造されて、トレッド部、サイドウォール部およびビード部を具えるとともに、これらの各部を補強するカーカスおよび、トレッド部を補強するベルトを具える空気入りラジアルタイヤであって、
    リボン状サイドウォールゴムの巻回積層構造になるサイドウォールゴムの同種のゴム部分内に電子部品を埋設配置してなる空気入りラジアルタイヤ。
  7. 電子部品を、タイヤを適用リムに装着するとともに、規定の空気圧を充填したときの、ビードコア中心をとおり、タイヤ中心線と平行な線分から測って、タイヤ断面高さの10〜30%の範囲に配設してなる請求項6に記載の空気入りラジアルタイヤ。
  8. 電子部品を、タイヤを適用リムに装着するとともに、規定の空気圧を充填したときの、ビードコア中心をとおり、タイヤ中心線と平行な線分から測って、タイヤ断面高さの50〜65%の範囲に配設してなる請求項6に記載の空気入りラジアルタイヤ。
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