JP2023002064A - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの加硫故障を抑制することを可能にした空気入りタイヤの製造方法を提供する。【解決手段】トランスポンダ20を被覆する被覆層23がその厚さ方向においてトランスポンダ20の表面側に位置する表面層23xとトランスポンダ20の裏面側に位置する裏面層23yとを有し、被覆層23の幅方向の両端部23a,23bのうち少なくとも一方側の端部において表面層23xと裏面層23yの端部位置が互いに一致しないようにステップ24を形成し、ステップ24を有する被覆層23で被覆されたトランスポンダ20を未加硫タイヤに埋設し、未加硫タイヤを加硫する。【選択図】図4

Description

本発明は、被覆層で被覆したトランスポンダを埋設する空気入りタイヤの製造方法に関し、更に詳しくは、タイヤの加硫故障を抑制することを可能にした空気入りタイヤの製造方法に関する。
空気入りタイヤにおいて、RFIDタグ(トランスポンダ)をタイヤ内に埋設することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、トランスポンダを被覆層で被覆してタイヤ内に埋設した場合、被覆層とその周辺のゴム部材との間に空隙が発生し、加硫故障が生じるという問題がある。
特開平7-137510号公報
本発明の目的は、タイヤの加硫故障を抑制することを可能にした空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の空気入りタイヤの製造方法は、トランスポンダをタイヤ内に埋設する空気入りタイヤの製造方法において、前記トランスポンダを被覆する被覆層がその厚さ方向において前記トランスポンダの表面側に位置する表面層と前記トランスポンダの裏面側に位置する裏面層とを有し、前記被覆層の幅方向の両端部のうち少なくとも一方側の端部において前記表面層と前記裏面層の端部位置が互いに一致しないようにステップを形成し、該ステップを有する被覆層で被覆された前記トランスポンダを未加硫タイヤに埋設し、該未加硫タイヤを加硫することを特徴とするものである。
本発明では、トランスポンダを被覆する被覆層はその厚さ方向においてトランスポンダの表面側に位置する表面層とトランスポンダの裏面側に位置する裏面層とを有し、被覆層の幅方向の両端部のうち少なくとも一方側の端部において表面層と裏面層の端部位置が互いに一致しないようにステップを形成し、このステップを有する被覆層で被覆されたトランスポンダを未加硫タイヤに埋設し、この未加硫タイヤを加硫することで、ステップによって被覆層と被覆層に隣接して配置されるゴム部材との間に生じる空隙を小さくすることができる。これにより、トランスポンダ周辺におけるタイヤの加硫故障を抑制することができる。
本発明の空気入りタイヤの製造方法において、表面層と裏面層とでトランスポンダを挟み込む際に被覆層の幅方向の両端部のうち少なくとも一方側の端部において表面層と裏面層の端部位置をずらすことでステップを形成することが好ましい。これにより、タイヤの加硫故障を効果的に抑制することができる。
ステップを被覆層の幅方向の両端部に形成することが好ましい。これにより、タイヤの加硫故障を効果的に抑制することができる。
ステップの幅は1.5mm~5.0mmであることが好ましい。これにより、タイヤの加硫故障を効果的に抑制することができ、タイヤの耐久性を改善することができる。
表面層と裏面層のうち少なくとも一方の厚さは0.5mm~2.5mmであることが好ましい。これにより、タイヤの加硫故障を効果的に抑制することができる。
被覆層の比誘電率は被覆層に隣接して配置されるゴム部材の比誘電率よりも低く、被覆層の総厚さGacとトランスポンダの最大厚さGarとは1.1≦Gac/Gar≦3.0の関係を満たすことが好ましい。これにより、トランスポンダを隣接ゴム部材から十分に隔離して比誘電率が低い被覆層で包み込むので、トランスポンダの通信性を改善することができる。また、被覆層の総厚さGacの上限値をトランスポンダの最大厚さGarに対して規定することにより、タイヤの耐久性を十分に確保することができる。
被覆層はエラストマー又はゴムからなり、被覆層の比誘電率は7以下であることが好ましい。これにより、トランスポンダの電波透過性を確保し、トランスポンダの通信性を効果的に改善することができる。
被覆層のムーニー粘度は被覆層に隣接して配置されるゴム部材のムーニー粘度よりも低いことが好ましい。これにより、加硫時に被覆層のゴム流れが良好となり、被覆層と隣接ゴム部材との間に空隙が発生しても加硫故障が発生しにくくなる。
被覆層におけるレオメータによるトルク検出から得られた加硫曲線での最小値MLcは被覆層に隣接して配置されるゴム部材におけるレオメータによるトルク検出から得られた加硫曲線での最小値MLtよりも低いことが好ましい。これにより、加硫時に被覆層のゴム流れが良好となり、被覆層と隣接ゴム部材との間に空隙が発生しにくくなるので、タイヤの加硫故障を効果的に抑制することができる。
トランスポンダの長手方向が成形ドラムの周方向に対して±10°の範囲内にあるようにトランスポンダを配置することが好ましい。これにより、タイヤの耐久性を効果的に改善することができる。
トランスポンダの中心はタイヤ構成部材のスプライス部からタイヤ周方向に10mm以上離間して配置されていることが好ましい。これにより、タイヤの耐久性を効果的に改善することができる。
トランスポンダはビード部のビードコアの上端からタイヤ径方向外側に15mmの位置とベルト層の端末からタイヤ径方向内側に5mmの位置との間に配置されていることが好ましい。これにより、金属干渉が生じにくく、トランスポンダの通信性を確保することができる。
本発明に係る空気入りタイヤの製造方法が適用される空気入りタイヤの一例を示す子午線半断面図である。 図1の空気入りタイヤの要部を示す断面図である。 (a),(b)は図1の空気入りタイヤに埋設可能なトランスポンダを示す斜視図である。 (a),(b)は被覆層により被覆されたトランスポンダを示し、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。 (a),(b)はそれぞれ本発明に係る空気入りタイヤの製造方法における被覆層のステップを形成する形成工程を示す斜視図である。 (a),(b)は本発明に係る空気入りタイヤの製造方法における成形工程を示す説明図である。 被覆層により被覆された状態で空気入りタイヤに埋設されたトランスポンダを示す断面図である。 図1の空気入りタイヤを概略的に示す子午線断面図である。 図1の空気入りタイヤを概略的に示す赤道線断面図である。 本発明に係る空気入りタイヤの製造方法が適用される空気入りタイヤの変形例の要部を示す断面図である。 (a)~(h)はそれぞれ被覆層の形状の変形例を示し、(a)~(e)は断面図であり、(f)~(h)は平面図である。 試験タイヤにおけるトランスポンダのタイヤ径方向位置を示す説明図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図1及び図2は本発明に係る空気入りタイヤの製造方法が適用される空気入りタイヤを示すものである。
図1に示すように、本実施形態の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部1と、トレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、これらサイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。
一対のビード部3間には、複数本のカーカスコードをラジアル方向に配列してなる少なくとも1層(図1では1層)のカーカス層4が装架されている。カーカス層4はゴムで被覆されている。カーカス層4を構成するカーカスコードとしては、ナイロンやポリエステル等の有機繊維コードが好ましく使用される。各ビード部3には環状のビードコア5が埋設されており、そのビードコア5の外周上に断面三角形状のゴム組成物からなるビードフィラー6が配置されている。
一方、トレッド部1におけるカーカス層4のタイヤ外周側には、複数層(図1では2層)のベルト層7が埋設されている。ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。ベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°~40°の範囲に設定されている。ベルト層7の補強コードとしては、スチールコードが好ましく使用される。
ベルト層7のタイヤ外周側には、高速耐久性の向上を目的として、補強コードをタイヤ周方向に対して例えば5°以下の角度で配列してなる少なくとも1層(図1では2層)のベルトカバー層8が配置されている。図1において、タイヤ径方向内側に位置するベルトカバー層8はベルト層7の全幅を覆うフルカバーを構成し、タイヤ径方向外側に位置するベルトカバー層8はベルト層7の端部のみを覆うエッジカバー層を構成している。ベルトカバー層8の補強コードとしては、ナイロンやアラミド等の有機繊維コードが好ましく使用される。
上記空気入りタイヤにおいて、カーカス層4の両端末4eは、各ビードコア5の廻りにタイヤ内側から外側へ折り返され、ビードコア5及びビードフィラー6を包み込むように配置されている。カーカス層4は、トレッド部1から各サイドウォール部2を経て各ビード部3に至る部分である本体部4Aと、各ビード部3においてビードコア5の廻りに巻き上げられて各サイドウォール部2側に向かって延在する部分である巻き上げ部4Bとを含む。
また、タイヤ内表面には、カーカス層4に沿ってインナーライナー層9が配置されている。トレッド部1にはキャップトレッドゴム層11が配置され、サイドウォール部2にはサイドウォールゴム層12が配置され、ビード部3にはリムクッションゴム層13が配置されている。
また、上記空気入りタイヤにおいて、カーカス層4とインナーライナー層9との間にはトランスポンダ20が埋設されている。このトランスポンダ20は、図2に示すように、被覆層23により被覆されている。この被覆層23は、トランスポンダ20の表裏両面を挟むようにしてトランスポンダ20の全体を被覆する。
トランスポンダ20として、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグを用いることができる。トランスポンダ20は、図3(a),(b)に示すにように、データを記憶するIC基板21とデータを非接触で送受信するアンテナ22とを有している。このようなトランスポンダ20を用いることで、適時にタイヤに関する情報を書き込み又は読み出し、タイヤを効率的に管理することができる。なお、RFIDとは、アンテナ及びコントローラを有するリーダライタと、IC基板及びアンテナを有するIDタグから構成され、無線方式によりデータを交信可能な自動認識技術である。
トランスポンダ20の全体の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、図3(a),(b)に示すにように柱状や板状のものを用いることができる。特に、図3(a)に示す柱状のトランスポンダ20を用いた場合、タイヤの各方向の変形に対して追従することができるので好適である。この場合、トランスポンダ20のアンテナ22は、IC基板21の両端部の各々から突出し、螺旋状を呈している。これにより、走行時におけるタイヤの変形に対して追従することができ、トランスポンダ20の耐久性を改善することができる。また、アンテナ22の長さを適宜変更することにより、通信性を確保することができる。
なお、図1の実施形態では、カーカス層4の巻き上げ部4Bの端末4eがサイドウォール部2の中腹に配置された例を示したが、これに限定されるものではなく、カーカス層4の巻き上げ部4Bの端末4eは任意の高さに配置することができる。例えば、カーカス層4の巻き上げ部4Bの端末4eは、ビードコア5の側方に配置しても良い。
次に、本発明の空気入りタイヤの製造方法について説明する。上述のような空気入りタイヤを製造する場合、成形ドラムの上にインナーライナー層9を載置し、その上に被覆層23で被覆されたトランスポンダ20と、カーカス層4、ビードコア5、ビードフィラー6、ベルト層7及びベルトカバー層8からなるタイヤ構成部材とを積層し、キャップトレッドゴム層11、サイドウォールゴム層12、リムクッションゴム層13を貼り合わせて未加硫タイヤを成形し、その未加硫タイヤを加硫することにより製造する。
このような製造工程において、予め、トランスポンダ20の表裏両面を被覆する被覆層23にステップ24を形成する形成工程を実施する。この形成工程では、図4(a),(b)に示すように、被覆層23の幅方向の両端部23a,23bのうち少なくとも一方側の端部の位置が被覆層23の両面で一致しないようにステップ24を形成する。図4(a),(b)では、被覆層23の幅方向の端部23bのみにステップ24を形成している。ここで、被覆層23は、その厚さ方向においてトランスポンダ20の表面側(図4(b)の上側)に位置する表面層23xと、トランスポンダ20の裏面側(図4(b)の下側)に位置する裏面層23yとを有する。表面層23xと裏面層23yは、それぞれ複数層で構成しても良い。表面層23xと裏面層23yとは、トランスポンダ20の中心線を境として被覆層23の厚さ方向に区分される。これら表面層23xと裏面層23yの端部位置は互いに一致しておらず、言い換えれば、表面層23xの幅Wxと裏面層23yの幅Wyは異なっている。更に、被覆層23の幅方向の端部に加え、被覆層23の長さ方向の両端部23c,23dのうち少なくとも一方側の端部の位置が被覆層23の両面で一致しないようにステップ24を形成しても良い。即ち、ステップ24は、被覆層23の幅方向及び/又は長さ方向の端部23a~23dの位置が被覆層23の表裏両面でずれている部位である。なお、被覆層23の長さ方向はトランスポンダ20の延在方向であり、被覆層23の幅方向はトランスポンダ20の延在方向に対して直交する方向である。
被覆層23にステップ24を形成する形成工程において、例えば、図4(a),(b)に示す断面形状を有する被覆層23を形成する場合、図5(a)に示すように、互いに幅が異なっていて矩形の断面形状を有する2層の被覆層23を用いて、これら被覆層23の一方側の幅方向端部が一致するように積層してトランスポンダ20の全体を被覆する。これにより、積層された被覆層23の他方側の幅方向端部にステップ24を形成することができる。その際、被覆層23を構成する層の数は任意に設定することができる。また、図5(b)に示すように、矩形の断面形状を有する1層の被覆層23を用いて、この被覆層23を折り畳んでトランスポンダ20の全体を被覆しても良い。これにより、被覆層23の一方側の幅方向端部にステップ24を形成することができる。その他の方法(不図示)として、互いに同じ幅であって矩形の断面形状を有する2層の被覆層23を用いて、これら被覆層23を積層してトランスポンダ20の全体を被覆した後、積層した被覆層23の幅方向の少なくとも一方側の端部を除去することによりステップ24を形成しても良い。
上述した空気入りタイヤの製造方法では、トランスポンダ20を被覆する被覆層23はその厚さ方向においてトランスポンダ20の表面側に位置する表面層23xとトランスポンダ20の裏面側に位置する裏面層23yとを有し、被覆層23の幅方向の両端部23a,23bのうち少なくとも一方側の端部において表面層23xと裏面層23yの端部位置が互いに一致しないようにステップ24を形成し、ステップ24を有する被覆層23で被覆されたトランスポンダ20を未加硫タイヤに埋設し、未加硫タイヤを加硫することで、ステップ24によって被覆層23と被覆層23に隣接して配置されるゴム部材(例えばインナーライナー層9)との間に生じる空隙を小さくすることができる。これにより、トランスポンダ20周辺におけるタイヤの加硫故障を抑制することができる。
これに対して、ステップを有しない被覆層で被覆されたトランスポンダを用いた場合、未加硫タイヤの周上に局所的に段差が形成され、トランスポンダ周辺では被覆層と被覆層と隣接して配置されるゴム部材との間に空隙が生じ、タイヤの加硫故障が発生し易くなる。その際、トランスポンダをカーカス層よりもタイヤ幅方向外側に配置していると、空気を巻き込み、トランスポンダ周辺でのクラックが発生し易くなる。一方、トランスポンダをカーカス層よりもタイヤ幅方向内側に配置していると、タイヤ径方向内側に向かって凸となるので、離型剤を巻き込み、トランスポンダ周辺でのクラックが発生し易くなる。
上記空気入りタイヤの製造方法において、表面層23xと裏面層23yとでトランスポンダ20を挟み込む際に、被覆層23の幅方向の両端部23a,23bのうち少なくとも一方側の端部において表面層23xと裏面層23yの端部位置をずらすことでステップ24を形成すると良い。例えば、2つの押出機を用いて、各押出機から押し出された帯状の表面層23xと裏面層23yをそれぞれトランスポンダ20の表裏両面に配置してトランスポンダ20の全体を被覆することができる。その際、各押出機から押し出された表面層23xと裏面層23yは互いに幅が異なっており、これら表面層23xと裏面層23yの端部位置を幅方向にずらして配置する。これにより、被覆層23の幅方向の両端部23a,23bのうち少なくとも一方側の端部にステップ24を形成することができる。このようにトランスポンダ20を被覆することで、タイヤの加硫故障を効果的に抑制することができる。
特に、ステップ24を被覆層23の幅方向の両端部に形成すると良い。このようにステップ24を被覆層23に設けることで、被覆層23と被覆層23に隣接して配置されるゴム部材との空隙をより一層小さくすることができるため、タイヤの加硫故障を効果的に抑制することができる。
また、ステップ24を有する被覆層23で被覆されたトランスポンダ20を成形ドラムD上に配置する際、図6(a),(b)に示すように、トランスポンダ20の長手方向が成形ドラムDの周方向に対して±10°の範囲内にあるようにトランスポンダ20を配置すると良い。即ち、図示の傾斜角度θは、-10°~10°の範囲にあると良い。この傾斜角度θは、成形ドラムDの周方向とトランスポンダ20の全体の中心線Lとがなす角度である。特に、被覆層23の両面で幅が異なる場合、被覆層23の両面のうち幅が広い方(例えば図4(b)で示す裏面層23y)をカーカス層4側に配置することが好ましい。このように成形ドラムDに対してトランスポンダ20を配置することで、タイヤの耐久性を効果的に改善することができる。
上記空気入りタイヤの製造方法において、被覆層23のムーニー粘度は、被覆層23に隣接して配置されるゴム部材のムーニー粘度よりも低いことが好ましい。このような隣接ゴム部材として、例えば、カーカス層4、ビードフィラー6、インナーライナー層9、サイドウォールゴム層12、リムクッションゴム層13を挙げることができる。また、隣接ゴム部材のムーニー粘度〔ML(1+4)100℃〕に対する被覆層23のムーニー粘度〔ML(1+4)100℃〕の比は、0.3~0.9であることが好ましく、0.5~0.8であることがより好ましく、0.5~0.7であることが最も好ましい。本発明において、ムーニー粘度〔ML(1+4)100℃〕とは、JIS K6300-1に準拠して、L形ロータを用いたムーニー粘度計により、予熱時間を1分とし、ロータの回転時間を4分とし、試験温度を100℃として測定されるものである。このように隣接ゴム部材に対して被覆層23のムーニー粘度を適度に設定することで、加硫時に被覆層23のゴム流れが良好となり、被覆層23と隣接ゴム部材との間に空隙が発生しても加硫故障が発生しにくくなる。
ここで、隣接ゴム部材のムーニー粘度に対する被覆層23のムーニー粘度の比が0.3よりも小さいと、加硫時に被覆層23のゴム流れが過度に良くなり、トランスポンダ20が露出するおそれがあり、隣接ゴム部材と接触した場合にはトランスポンダ20の通信性が悪化する。逆に、隣接ゴム部材のムーニー粘度に対する被覆層23のムーニー粘度の比が0.9よりも大きいと、加硫時に被覆層23のゴム流れが悪化し、隣接ゴム部材との間に空隙が発生し易くなるので、タイヤの加硫故障を生じ易くなる。
或いは、被覆層23におけるレオメータによるトルク検出から得られた加硫曲線での最小値MLcは、被覆層23に隣接して配置されるゴム部材におけるレオメータによるトルク検出から得られた加硫曲線での最小値MLtよりも低いことが好ましい。より好ましくは、被覆層23の最小値MLcと隣接ゴム部材の最小値MLtとは、0.2≦MLc/MLt<1.0の関係を満たすと良い。このように被覆層23の粘度を適度に設定することで、加硫時に被覆層23のゴム流れが良好となり、被覆層23と隣接ゴム部材との間に空隙が発生しにくくなるので、タイヤの加硫故障を効果的に抑制することができる。本発明において、レオメータによるトルク検出から得られた加硫曲線は、JIS K6300-2に準拠し、温度170℃において、得られるトルクを縦軸、加硫時間を横軸にした加硫曲線を測定したものである。この加硫曲線において、トルクの最小値がMLである。
ここで、被覆層23の最小値MLcと隣接ゴム部材の最小値MLtとが上記関係式の下限を下回ると、加硫時に被覆層23のゴム流れが過度に良くなり、トランスポンダ20が露出するおそれがあり、隣接ゴム部材と接触した場合にはトランスポンダ20の通信性が悪化する。逆に、被覆層23の最小値MLcと隣接ゴム部材の最小値MLtとが上記関係式の上限を超えると、加硫時に被覆層23のゴム流れが悪化し、隣接ゴム部材との間に空隙が発生し易くなるので、タイヤの加硫故障を生じ易くなる。
上記空気入りタイヤの製造方法において、ステップ24の幅w(図4(b)参照)は、1.5mm~5.0mmであると良い。ステップの幅wは、被覆層23の長さ方向の両端部と被覆層23の中央部の計3点において測定される幅の平均値である。このようにステップの幅wを適度に設定することで、タイヤの加硫故障を効果的に抑制することができ、タイヤの耐久性を改善することができる。
ここで、ステップの幅wが1.5mmより小さい場合、タイヤの加硫故障に対する改善効果を十分に得ることができず、タイヤの加硫故障に伴ってタイヤの耐久性が悪化する。ステップの幅wが5.0mmより大きい場合、被覆層23と隣接ゴム部材との間の空隙が大きくなるため、タイヤの加硫故障に対する改善効果を十分に得ることができず、タイヤの加硫故障に伴ってタイヤの耐久性が悪化する。
表面層23xと裏面層23yのうち少なくとも一方の厚さt(図4(b)参照)は、0.5mm~2.5mmであると良い。被覆層23の厚さtは、トランスポンダ20の中心線を境として被覆層23の厚さ方向に分割して測定される厚さであり、即ち、表面層23xの厚さ又は裏面層23yの厚さである。なお、被覆層23が3層以上からなる場合も上記の如く測定される。
ここで、被覆層23の厚さtが1.5mmより薄い場合、トランスポンダ20の通信性が悪化する一方で、トランスポンダ20周辺でのタイヤの加硫故障を抑制することができる。被覆層23の厚さtが2.5mmより厚い場合、トランスポンダ20の通信性が改善する一方で、タイヤの加硫故障が発生し易くなる。に伴ってタイヤの耐久性が悪化する。被覆層23の厚さtを上記の範囲内に設定することで、タイヤの加硫故障を効果的に抑制することができる。
上記空気入りタイヤの製造方法において、トランスポンダ20を被覆する被覆層23の比誘電率が該被覆層23に隣接して配置されるゴム部材(例えば、インナーライナー層9、ビードフィラー6、サイドウォールゴム層12、リムクッションゴム層13、カーカス層4のコートゴム)の比誘電率よりも低く設定され、かつ、被覆層23の総厚さGacとトランスポンダ20の最大厚さGarとが1.1≦Gac/Gar≦3.0の関係を満たすと良い。被覆層23の総厚さGacは、トランスポンダ20を含む位置での被覆層23の総厚さであり、例えば、図7に示すように、タイヤ子午線断面においてトランスポンダ20の中心Cを通って最も近いカーカス層4のカーカスコードと直交する直線上での総厚さである。
このように被覆層23の比誘電率を設定し、被覆層23の総厚さGacとトランスポンダ20の最大厚さGarとが上記関係を満たすことにより、トランスポンダ20を隣接ゴム部材から十分に隔離して比誘電率が低い被覆層23で包み込むので、トランスポンダ20の通信性を改善することができる。つまり、通信機の電波の波長がλであり、トランスポンダ20を覆う被覆層23の比誘電率がεrであるとき、被覆層23を通過する電波の波長はλ/√εrとなるので、トランスポンダ20のアンテナ22の長さは波長λ/√εrに対して共振するように設定される。このようにトランスポンダ20のアンテナ22の長さを最適化することにより、通信効率が大幅に改善される。しかしながら、トランスポンダ20の通信環境を最適化するには、トランスポンダ20を被覆層23に隣接する隣接ゴム部材から十分に隔離する必要がある。そこで、1.1≦Gac/Gar≦3.0の関係を満たすことにより、トランスポンダ20の通信性を改善することが可能になる。また、被覆層23の総厚さGacの上限値をトランスポンダ20の最大厚さGarに対して規定することにより、タイヤの耐久性を十分に確保することができる。これにより、タイヤの耐久性を確保しながら、トランスポンダ20の通信性を改善することができる。
ここで、上記比が過度に小さい(被覆層23の総厚さGacが過度に薄い)と、トランスポンダ20が隣接するゴム部材と接触し、共振周波数がずれて、トランスポンダ20の通信性が悪化し、逆に上記比が過度に大きい(被覆層23の総厚さGacが過度に厚い)と、タイヤの耐久性が悪化する傾向がある。
上記空気入りタイヤの製造方法において、図7に示すように、トランスポンダ20の厚さ方向の中心Cは被覆層23の厚さ方向の一方側の表面から該被覆層23の総厚さGacの25%~75%の範囲内に配置されていると良い。これにより、トランスポンダ20が被覆層23によって確実に被覆されるので、トランスポンダ20の周辺環境が安定し、共振周波数のずれを生じることがなく、トランスポンダ20の通信距離を十分に確保することができる。
また、被覆層23の組成として、被覆層23は、ゴム又はエラストマーと20phr以上の白色フィラーとからなることが好ましい。このように被覆層23を構成することで、カーボンを含有する場合に比べ、被覆層23の比誘電率を比較的低くすることができ、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。なお、本明細書において、「phr」は、ゴム成分(エラストマー)100重量部あたりの重量部を意味する。
この被覆層23を構成する白色フィラーは、20phr~55phrの炭酸カルシウムを含むことが好ましい。これにより、被覆層23の比誘電率を比較的低くすることができ、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。但し、白色フィラーに炭酸カルシウムが過度に含まれると脆性的になり、被覆層23としての強度が低下するため好ましくない。また、被覆層23は、炭酸カルシウムの他に、20phr以下のシリカ(白色フィラー)や5phr以下のカーボンブラックを任意に含むことができる。少量のシリカやカーボンブラックを併用した場合、被覆層23の強度を確保しつつ、その比誘電率を低下させることができる。
また、被覆層23の比誘電率は、7以下であることが好ましく、2~5であることがより好ましい。このように被覆層23の比誘電率を適度に設定することで、トランスポンダ20が電波を放射する際の電波透過性を確保し、トランスポンダ20の通信性を効果的に改善することができる。なお、被覆層23を構成するゴムの比誘電率は、常温において860MHz~960MHzの比誘電率である。ここで、常温はJIS規格の標準状態に準拠し、23±2℃、60%±5%RHである。当該ゴムは23℃、60%RHで24時間処理された後に静電容量法により比誘電率が計測される。上述した860MHz~960MHzの範囲は、現状のUHF帯のRFIDの割り当て周波数に該当するが、上記割り当て周波数が変更された場合、その割り当て周波数の範囲の比誘電率を上記の如く規定すれば良い。
上記空気入りタイヤの製造方法において、トランスポンダ20を、タイヤ径方向の配置領域として、ビードコア5の上端5e(タイヤ径方向外側の端部)からタイヤ径方向外側に15mmの位置P1と、ベルト層7の端末7eからタイヤ径方向内側に5mmの位置P2との間に配置すると良い。即ち、トランスポンダ20は、図8に示す領域S1に配置すると良い。トランスポンダ20が領域S1に配置された場合、金属干渉が生じにくく、トランスポンダ20の通信性を確保することができる。ここで、トランスポンダ20が位置P1よりもタイヤ径方向内側に配置されると、リムフランジ付近での応力集中によりトランスポンダ20と隣接ゴム部材とが剥離し易くなると共に、ビードコア5等の金属部材と近くなるためトランスポンダ20の通信性が悪化する傾向がある。一方、トランスポンダ20が位置P2よりもタイヤ径方向外側に配置されると、トランスポンダ20が走行時の応力振幅が大きい領域に位置し、トランスポンダ20自体の破損やトランスポンダ20周辺での界面剥離が発生し易くなる。
図9に示すように、タイヤ周上には、タイヤ構成部材の端部同士が重ねられてなる複数のスプライス部がある。図9には各スプライス部のタイヤ周方向の位置Qが示されている。トランスポンダ20の中心を、タイヤ構成部材のスプライス部からタイヤ周方向に10mm以上離間して配置すると良い。即ち、トランスポンダ20を、図9に示す領域S2に配置すると良い。具体的には、トランスポンダ20を構成する基板21が位置Qからタイヤ周方向に10mm以上離間していると良い。更には、アンテナ22を含むトランスポンダ20の全体が位置Qからタイヤ周方向に10mm以上離間していることがより好ましく、被覆ゴムにより被覆された状態のトランスポンダ20の全体が位置Qからタイヤ周方向に10mm以上離間していることが最も好ましい。また、スプライス部がトランスポンダ20から離間して配置されるタイヤ構成部材は、トランスポンダ20と隣接する部材であると良い。このようなタイヤ構成部材として、例えば、カーカス層4、ビードフィラー6、ベルト層7、インナーライナー層9、キャップトレッドゴム層11、サイドウォールゴム層12、リムクッションゴム層13を挙げることができる。タイヤ構成部材のスプライス部から離間させた位置にトランスポンダ20を配置することで、タイヤの耐久性を効果的に改善することができる。
なお、図9の実施形態では、各タイヤ構成部材のスプライス部のタイヤ周方向の位置Qが等間隔に配置された例を示したが、これに限定されるものではない。タイヤ周方向の位置Qは任意の位置に設定することができ、いずれの場合であってもトランスポンダ20は各タイヤ構成部材のスプライス部からタイヤ周方向に10mm以上離間するように配置される。
図10は本発明に係る空気入りタイヤの製造方法が適用される空気入りタイヤの変形例を示すものである。図10において、図1及び図2と同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
図10に示すように、カーカス層4よりタイヤ幅方向外側の部位にトランスポンダ20が埋設されている。具体的には、トランスポンダ20は、カーカス層4の巻き上げ部4Bとリムクッションゴム層13との間に配置されている。このようにトランスポンダ20をカーカス層4よりタイヤ幅方向外側の部位に埋設した空気入りタイヤを製造する場合、成形ドラムの上にインナーライナー層9を載置し、その上にカーカス層4、ビードコア5、ビードフィラー6、ベルト層7及びベルトカバー層8からなるタイヤ構成部材を積層し、キャップトレッドゴム層11、サイドウォールゴム層12、リムクッションゴム層13を貼り合わせて未加硫タイヤを成形し、その未加硫タイヤを加硫することにより製造する。この未加硫タイヤを成形する際に、被覆層23で被覆されたトランスポンダ20を、例えば、カーカス層4とサイドウォールゴム層12又はリムクッションゴム層13との間に配置する。上述した空気入りタイヤの製造方法であっても、ステップ24によって被覆層23と被覆層23に隣接して配置されるゴム部材(例えばサイドウォールゴム層12、リムクッションゴム層13等)との間に生じる空隙を小さくすることができる。これにより、トランスポンダ20周辺におけるタイヤの加硫故障を抑制することができる。
なお、図10の実施形態では、トランスポンダ20がカーカス層4の巻き上げ部4Bとリムクッションゴム層13との間に配置された例を示したが、これに限定されるものではない。他にも、トランスポンダ20は、カーカス層4の本体部4Aとサイドウォールゴム層12との間に配置することができる。また、カーカス層4の巻き上げ部4Bの端末4eはサイドウォール部2の中腹に配置しても良く、或いは、カーカス層4の巻き上げ部4Bの端末4eは、ビードコア5の側方に配置しても良い。このようなロータンナップ構造において、トランスポンダ20をビードフィラー6とサイドウォールゴム層12又はリムクッションゴム層13との間に配置することができる。
上述した実施形態では、被覆層23の幅方向の一方側の端部のみにステップ24を形成した例を示したが、これに限定されるものではない。ステップ24を形成するにあたって、図11(a)に示すように、被覆層23の幅方向の両端部にステップ24を形成することもでき、図11(b)に示すように、被覆層23の幅方向の両端部に複数段のステップ24を形成することもでき、図11(c)に示すように、被覆層23の幅方向の両端部に傾斜面からなるステップ24を形成することもでき、図11(d)に示すように、被覆層23の幅方向の両端部に傾斜面と平坦面とを組み合わせたステップ24を形成することもできる。更に、これらを組み合わせることもでき、被覆層23の幅方向の両側で非対称の形状を有するステップ24を設けることもできる。
また、ステップ24を形成するにあたって、図11(e)に示すように、同じ幅を有する2層の被覆層23を幅方向の端部の位置をずらしてステップ24を形成することもでき、図11(f)に示すように、被覆層23の幅方向の端部だけでなく、被覆層23の長さ方向の一方側の端部にもステップ24を形成することもでき、図11(g),(h)に示すように、被覆層23の幅方向の両端部と被覆層23の長さ方向の両端部にステップ24を形成することもできる。
タイヤサイズ245/35R21で、トランスポンダをタイヤ内に埋設する空気入りタイヤの製造方法において、トランスポンダを被覆層で被覆し、該被覆層で被覆したトランスポンダを未加硫タイヤに埋設し、該未加硫タイヤを加硫し、被覆層のステップの有無、被覆層のステップの幅、Gac/Gar、被覆層の材質、被覆層の比誘電率、トランスポンダのタイヤ周方向位置及びトランスポンダのタイヤ径方向位置を表1のように設定した従来例及び実施例1~13のタイヤを製作した。
なお、従来例及び実施例1~13において、トランスポンダはカーカス層とインナーライナー層との間に埋設されており、トランスポンダを被覆する被覆層の比誘電率は該被覆層に隣接して配置されるゴム部材(インナーライナー層及びカーカス層のコートゴム)よりも低く設定されている。
表1において、トランスポンダのタイヤ周方向位置は、トランスポンダの中心からタイヤ構成部材のスプライス部までのタイヤ周方向に測定された距離[mm]を示す。また、トランスポンダのタイヤ径方向位置は、図12に示すA~Cのそれぞれの位置に対応する。
これら試験タイヤについて、下記試験方法により、タイヤ評価(加硫故障及び耐久性)並びにトランスポンダ評価(通信性)を実施し、その結果を表1に併せて示した。
加硫故障:
各試験タイヤを200本ずつ製造し、トランスポンダ周辺での加硫故障の発生を目視で確認し、加硫故障の発生率を算出した。評価結果は、加硫故障が無かった場合を「◎(優)」で示し、加硫故障の発生率が3%未満の場合を「○(良)」で示し、加硫故障の発生率が3%以上の場合を「△(可)」の3段階で示した。
耐久性(タイヤ):
各試験タイヤを標準リムのホイールに組み付け、空気圧120kPa、最大負荷荷重に対して102%、走行速度81kmの条件でドラム試験機にて走行試験を実施した後、タイヤに故障が発生した際の走行距離を測定した。評価結果は、走行距離が6480kmに達した場合を「◎(優)」で示し、走行距離が4050km以上6480km未満の場合を「○(良)」で示し、走行距離が4050km未満の場合を「△(可)」の3段階で示した。
通信性(トランスポンダ):
各試験タイヤについて、リーダライタを用いてトランスポンダとの通信作業を実施した。具体的には、リーダライタにおいて出力250mW、搬送波周波数860MHz~960MHzとして通信可能な最長距離を測定した。評価結果は、通信距離1000mm以上の場合を「◎(優)」で示し、通信距離が500mm以上1000mm未満の場合を「○(良)」で示し、通信距離が500mm未満の場合を「△(可)」の3段階で示した。
Figure 2023002064000002
この表1から判るように、実施例1~13の空気入りタイヤは、従来例に比べて、タイヤの加硫故障の発生を抑制することができた。更に、実施例1~7,9~13の空気入りタイヤは、従来例に比べて、タイヤの耐久性を改善することができ、実施例5~13の空気入りタイヤは、従来例に比べて、トランスポンダの通信性を改善することができた。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
12 サイドウォールゴム層
13 リムクッションゴム層
20 トランスポンダ
23 被覆層
23a~23d 端部
23x 表面層
23y 裏面層
24 ステップ
CL タイヤ中心線

Claims (12)

  1. トランスポンダをタイヤ内に埋設する空気入りタイヤの製造方法において、
    前記トランスポンダを被覆する被覆層がその厚さ方向において前記トランスポンダの表面側に位置する表面層と前記トランスポンダの裏面側に位置する裏面層とを有し、前記被覆層の幅方向の両端部のうち少なくとも一方側の端部において前記表面層と前記裏面層の端部位置が互いに一致しないようにステップを形成し、該ステップを有する被覆層で被覆された前記トランスポンダを未加硫タイヤに埋設し、該未加硫タイヤを加硫することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記表面層と前記裏面層とで前記トランスポンダを挟み込む際に前記被覆層の幅方向の両端部のうち少なくとも一方側の端部において前記表面層と前記裏面層の端部位置をずらすことで前記ステップを形成することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記ステップを前記被覆層の幅方向の両端部に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記ステップの幅が1.5mm~5.0mmであることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記表面層と前記裏面層のうち少なくとも一方の厚さが0.5mm~2.5mmであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記被覆層の比誘電率が該被覆層に隣接して配置されるゴム部材の比誘電率よりも低く、前記被覆層の総厚さGacと前記トランスポンダの最大厚さGarとが1.1≦Gac/Gar≦3.0の関係を満たすことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 前記被覆層がエラストマー又はゴムからなり、前記被覆層の比誘電率が7以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  8. 前記被覆層のムーニー粘度が該被覆層に隣接して配置されるゴム部材のムーニー粘度よりも低いことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  9. 前記被覆層におけるレオメータによるトルク検出から得られた加硫曲線での最小値MLcが該被覆層に隣接して配置されるゴム部材におけるレオメータによるトルク検出から得られた加硫曲線での最小値MLtよりも低いことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  10. 前記トランスポンダの長手方向が成形ドラムの周方向に対して±10°の範囲内にあるように前記トランスポンダを配置することを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  11. 前記トランスポンダの中心がタイヤ構成部材のスプライス部からタイヤ周方向に10mm以上離間して配置されていることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
  12. 前記トランスポンダがビード部のビードコアの上端からタイヤ径方向外側に15mmの位置とベルト層の端末からタイヤ径方向内側に5mmの位置との間に配置されていることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
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