JP2024013365A - カバー固定具 - Google Patents

カバー固定具 Download PDF

Info

Publication number
JP2024013365A
JP2024013365A JP2022115406A JP2022115406A JP2024013365A JP 2024013365 A JP2024013365 A JP 2024013365A JP 2022115406 A JP2022115406 A JP 2022115406A JP 2022115406 A JP2022115406 A JP 2022115406A JP 2024013365 A JP2024013365 A JP 2024013365A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover
seat
frame end
fin
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022115406A
Other languages
English (en)
Inventor
眞司 奥田
Shinji Okuda
幹人 村松
Mikito Muramatsu
正兵 菅野
Shohei Sugano
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2022115406A priority Critical patent/JP2024013365A/ja
Publication of JP2024013365A publication Critical patent/JP2024013365A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】シートカバーのカバー端末を、シートフレームのフレーム端部に対し、内部突起の要件を満たせるように固定することが可能なカバー固定具を提供すること。【解決手段】シートバックカバー4のカバー端末4Aをシートバックフレーム2のフレーム端部2Aのシート後方への折り返し形状により形成される溝部2Bに止着するカバー固定具10において、カバー固定具10が、カバー端末4Aに縫合されてシートバックカバー4のテンションに抗して溝部2Bに引掛けられるひれ部11と、ひれ部11から延び出してフレーム端部2Aをシート後方から覆う覆い部12と、を有する。覆い部12の外周表面12Aが、国際連合欧州経済委員会規則第17号(UN/ECE-R17)に規定する内部突起の要件を満たす曲面形状とされる。【選択図】図3

Description

本発明は、カバー固定具に関する。詳しくは、シートカバーのカバー端末をシートフレームのフレーム端部のシート後方への折り返し形状により形成される溝部に止着するカバー固定具に関する。
特許文献1には、いわゆるシェルタイプの乗物用シートが開示されている。具体的には、乗物用シートは、そのシートバックの骨格を成すシートバックフレームが、繊維強化プラスチックから成るパネル状のシェルにより構成されている。シートバックフレームは、その外周縁部が、シート前方に延び出すように曲げられると共に、その曲げられた先から更にシート後方に折り返された形状とされる。このシートバックフレームの外周縁部の折り返しにより形成される溝部には、シートバックカバーの周縁のカバー端末が引き込まれて止着されている。
具体的には、シートバックカバーのカバー端末は、樹脂製のカバー固定具を介して、シートバックフレームの外周縁部の折り返された先のフレーム端部に止着されている。カバー固定具は、シートバックカバーのカバー端末に沿って縫合される縫合脚部と、シートバックフレームのフレーム端部をシート後方から覆う覆い部と、を有する。カバー固定具は、その縫合脚部がシートバックフレームの溝部に挿通されることで、シートバックカバーの張設によるテンションにより各フレーム端部に止着された状態に保持される。
欧州特許出願公開第2522543号明細書
自動車用シートの場合、後席乗員の保護を図るための法規であるUN/ECE規則(国際連合欧州経済委員会規則)に規定する内部突起の要件に適合させる必要がある。UN/ECE規則では、シートバックの内部突起について規定したUN/ECE-R17において、ショアA硬度が50以上の部品については、その内部突起の曲率半径Rを、区画エリア毎に規定された大きさ(例えば5mm)以上とすることを要求している。したがって、フレーム端部が内部突起の要件を満たさない場合、このフレーム端部を覆うカバー固定具において内部突起の要件を満たせるようにする必要がある。そこで、本発明は、シートカバーのカバー端末を、シートフレームのフレーム端部に対し、内部突起の要件を満たせるように固定することが可能なカバー固定具を提供する。
上記課題を解決する手段として、本発明のカバー固定具は、次の手段をとる。
すなわち、本発明の第1の発明は、シートカバーのカバー端末をシートフレームのフレーム端部のシート後方への折り返し形状により形成される溝部に止着するカバー固定具であって、前記カバー端末に縫合され、前記シートカバーのテンションに抗して前記溝部に引掛けられるひれ部と、該ひれ部から延び出して前記フレーム端部をシート後方から覆う覆い部と、を有し、前記覆い部の外周表面が、国際連合欧州経済委員会規則第17号(UN/ECE-R17)に規定する内部突起の要件を満たす曲面形状とされるカバー固定具である。
第1の発明によれば、カバー固定具のひれ部により、カバー端末をシートフレームのフレーム端部の折り返しにより形成される溝部に引掛けて適切に固定することができる。そして、このカバー固定具の覆い部の外周表面を上記曲面形状とすることで、フレーム端部を内部突起の要件を満たせる形状とすることなく、内部突起の要件を満たせる構成とすることができる。
本発明の第2の発明は、上記第1の発明において、前記覆い部が、前記フレーム端部に前記溝部の内側と外側とから弾性変形を伴って挟み込み状に嵌合され、前記ひれ部が、前記覆い部の前記フレーム端部を前記溝部の内側から挟み込む内側挟み部と並列状を成すように前記覆い部から延び出るカバー固定具である。
第2の発明によれば、覆い部がフレーム端部に対して位置ずれしにくいように固定される。その結果、覆い部によりフレーム端部をより適切にシート後方から覆うことができる。
本発明の第3の発明は、上記第1の発明において、前記覆い部が、前記フレーム端部をシート後方から覆うものの、前記フレーム端部に挟み込み状には嵌合されない非嵌合構造とされるカバー固定具である。
第3の発明によれば、覆い部のフレーム端部への挟み込みを伴わないため、カバー固定具のフレーム端部への止着作業を簡便化することができる。
本発明の第4の発明は、上記第3の発明において、前記覆い部が、前記フレーム端部をシート後方から平坦状に覆う平坦部位と、該平坦部位の前記フレーム端部を外側に越えた先からシート前方に向かって前記内部突起の要件を満たす曲面形状で湾曲して前記フレーム端部を前記溝部の外側から覆う湾曲部位と、を有するカバー固定具である。
第4の発明によれば、覆い部のシート後方への張り出しを小さく抑えつつ、覆い部によりフレーム端部をシート後方から内部突起の要件を満たせる形状で適切に覆うことができる。
本発明の第5の発明は、上記第1から第4のいずれかの発明において、前記覆い部から延び出して前記ひれ部の先端が取り外し可能に引掛けられる引掛部を更に有するカバー固定具である。
第5の発明によれば、ひれ部がシートカバーのテンションにより溝部から引き出されることを適切に抑制することができる。その結果、カバー端末を溝部に対してより適切に固定することができる。
本発明の第6の発明は、上記第1から第4のいずれかの発明において、前記フレーム端部が、シェルシートを構成するパネル状のシートシェルに形成されるカバー固定具である。
第6の発明によれば、薄型のシートシェルのフレーム端部に内部突起の要件を満たすための形状工夫を要することなく、カバー固定具によって簡便に内部突起の要件を満たせる構成とすることができる。
第1の実施形態に係るカバー固定具の概略構成を表す斜視図である。 シートバックの背面図である。 図2のIII-III線断面図である。 UN/ECE-R17で規定される内部突起の要件に係る区画エリアを表す模式図である。 カバー端末をカバー固定具に縫合する工程を表す工程図である。 第2の実施形態に係るカバー固定具の構成を表す図3に対応する断面図である。 カバー端末をカバー固定具に縫合する工程を表す工程図である。 第3の実施形態に係るカバー固定具の構成を表す図3に対応する断面図である。 カバー端末をカバー固定具に縫合する工程を表す工程図である。 第4の実施形態に係るカバー固定具の構成を表す図3に対応する断面図である。 カバー端末をカバー固定具に縫合する工程を表す工程図である。 第5の実施形態に係るカバー固定具の構成を表す図3に対応する断面図である。 カバー端末をカバー固定具に縫合する工程を表す工程図である。 第6の実施形態に係るカバー固定具の構成を表す図3に対応する断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
<カバー固定具10の概略構成>
始めに、本発明の第1の実施形態に係るカバー固定具10の構成について、図1~図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。また、以下の説明において、具体的な参照図を示さない場合、或いは参照図に該当する符号がない場合には、図1~図5のいずれかの図を適宜参照するものとする。
図1に示すように、本実施形態に係るカバー固定具10は、自動車のシート1に適用されている。シート1は、着座乗員の背凭れ部となるシートバック1Bと、着座部となるシートクッション1Cと、を備える。シート1は、シートバック1Bが着座乗員の背部を左右両側から包み込むように支持することが可能な薄型のシェル構造から成るいわゆるシェルシートとして構成される。
具体的には、シートバック1Bは、そのシェル状の骨格を成す繊維強化プラスチック製のシートバックシェル2と、シートバックシェル2の背凭れ面(前面)のクッションを成す発泡ウレタン製のシートバックパッド3と、を有する。また、シートバック1Bは、シートバックパッド3を被覆する皮革製のシートバックカバー4を有する。ここで、シートバックシェル2が、本発明の「シートフレーム」に相当する。また、シートバックカバー4が、本発明の「シートカバー」に相当する。
シートバックシェル2は、その下縁を除く外周縁部が、シート前方に延び出すように曲げられると共に、その曲げられた先から更にシート後方に折り返された形状とされる。それにより、図2~図3に示すように、シートバックシェル2の外周縁部には、上記折り返されたフレーム端部2Aの折り返し形状によって、シート後方に開口する一続きの溝部2Bが形成されている。
シートバックパッド3は、シートバックシェル2の背凭れ面(前面)に沿ったシェル状に湾曲する形に形成されている。シートバックパッド3は、シートバックシェル2の前面に被せられると共に、その外周縁部がシートバックシェル2の外周縁部に周囲から包み込むようにセットされる。
シートバックカバー4は、シートバックシェル2の背凭れ面(前面)にセットされたシートバックパッド3に対し、シート前方から被せられるようにセットされる。そして、シートバックカバー4は、その外周縁部がシートバックパッド3とシートバックシェル2の外周縁部を包み込むようにシート後方へと引き込まれてシートバックシェル2の背面(後面)に止着されている。
具体的には、シートバックカバー4は、その下縁を除く外周縁部のカバー端末4Aが、樹脂製のカバー固定具10を介して、上述したシートバックシェル2の外周縁部に沿って形成された溝部2Bに引き込まれて止着されている。また、シートバックカバー4の下縁は、不図示の樹脂製のJフックを介して、シートバックシェル2の下縁に引き込まれて止着されている。これらの止着により、シートバックカバー4は、シートバックパッド3をシートバックシェル2の背凭れ面(前面)に広く密着させた状態に張設されている。
上記カバー固定具10は、シートバックカバー4の下縁を除く外周縁部に沿って一続きに延びるように縫合されている。カバー固定具10は、インジェクション成形された長尺状の単一部材から構成されている。以下、カバー固定具10及びカバー固定具10を用いたカバー端末4Aの溝部2Bへの止着方法について、詳しく説明する。
<カバー固定具10の各部構成>
図3に示すように、カバー固定具10は、カバー端末4Aと縫合されて溝部2Bに引掛けられる平板状のひれ部11と、ひれ部11の基端から膨らむように延び出してフレーム端部2Aにシート後方から被せられる覆い部12と、を有する。覆い部12は、フレーム端部2Aに対し、溝部2Bの開口方向であるシート後方から弾性変形を伴って挟み込み状に嵌合される構成とされる。また、覆い部12は、そのフレーム端部2Aを包み込み状に覆う外周表面12Aが、後席乗員の保護を図るための法規である国際連合欧州経済委員会規則第17号(UN/ECE-R17)に規定する内部突起の要件を満たす曲面形状に形成されている。
具体的には、覆い部12の外周表面12Aは、その断面視における前端からフレーム端部2Aの真後ろに位置する後端にかけての領域が、R5.5mmの一定の曲率半径で湾曲する曲面形状とされる。このような構成とされることで、フレーム端部2Aを内部突起の要件を満たせる形状とすることなく、シートバック1Bの背面(後面)を内部突起の要件を満たせる形状とすることができる。
ここで、図4に示すように、上述したUN/ECE-R17の規定では、シートバック1Bを背面視で区画した3つの区画エリア(第1エリアA1、第2エリアA2、及び第3エリアA3)毎に、要求する内部突起の曲率半径の大きさを規定している。第1エリアA1は、シートバック1Bの上部中央に形成されるヘッドレストの形成領域とされる。第2エリアA2は、第1エリアA1から外れたシートバック1Bの略上半領域とされる。第3エリアA3は、第1エリアA1及び第2エリアA2から外れたシートバック1Bの略下半領域とされる。
UN/ECE-R17の規定では、第1エリアA1では、その内部突起の曲率半径をR2.5mm以上とすることを要求している。また、第2エリアA2では、その内部突起の曲率半径をR5mm以上とすることを要求している。また、第3エリアA3では、その内部突起の曲率半径をR3.2mm以上とすることを要求している。なお、いずれも、ショアA硬度が50以上の部品を内部突起規制の対象としている。
これらのことを踏まえ、カバー固定具10は、そのカバー端末4Aに沿って延びる長手方向の全ての領域において、外周表面12Aの曲率半径がR5.5mmに設定されている。それにより、カバー固定具10は、全ての区画エリア(第1エリアA1、第2エリアA2、及び第3エリアA3)で要求される内部突起の要件を満たせる構成とされている。
具体的には、図3に示すように、カバー固定具10の外周表面12Aは、これよりシート後方内側に位置するシートバックシェル2の後面との間で、ヘッドフォームH(人体の頭部を単純化したφ165mmの球体)がシート後方から当接する場合の当たりを、上記内部突起の要件を満たせる当たりとすることが可能な曲面形状に形成されている。また、カバー固定具10の外周表面12Aは、これよりシート前方内側に位置するフレーム端部2Aの外側面(図示右側面)との間でも、ヘッドフォームHがシート側方から当接する場合の当たりを、上記内部突起の要件を満たせる当たりとすることが可能な曲面形状に形成されている。
覆い部12は、フレーム端部2Aを溝部2Bの内側から挟み込む内側挟み部12Bと外側から挟み込む外側挟み部12Cとを有する断面U字形状とされる。内側挟み部12Bと外側挟み部12Cとの間には、フレーム端部2Aを互いの間に受け入れ可能な細長状の隙間が形成されている。図5に示すように、この内側挟み部12Bと外側挟み部12Cとの間の隙間は、隙間の内端(図示後端)から開口端(図示前端)に向かって断面視でジグザグ状に曲がる形状とされる。
また、内側挟み部12Bと外側挟み部12Cの各開口端(図示前端)に臨む端面には、それぞれ、互いの間隔を先開き状に広げる形に傾斜するガイド面12Dが形成されている。覆い部12は、次のようにフレーム端部2Aにシート後方から押し込まれて装着される。すなわち、図3に示すように、覆い部12を、その内側挟み部12Bと外側挟み部12Cの各ガイド面12Dの間にフレーム端部2Aを差し込むように、フレーム端部2Aにシート後方から押し込む。
それにより、内側挟み部12Bと外側挟み部12Cとが、フレーム端部2Aにより押し開かれるように弾性変形しながら、これらの間にフレーム端部2Aを挟み込み状に嵌合させる。この嵌合により、覆い部12が、フレーム端部2Aに対して、内側挟み部12B及び外側挟み部12Cの弾発力により、シート後方への抜けが阻止された状態に保持される。
ひれ部11は、断面視で覆い部12のフレーム端部2Aの真後ろに位置する後端部位から図示左方(内方)、すなわち内側挟み部12Bの延び出し方向(シート前方)とは交差する方向に延び出す形状とされる。しかし、ひれ部11は、溝部2Bに挿通される段階で、作業者により内側挟み部12Bの延び出し方向と同一方向を向くように折り曲げられる。そして、ひれ部11は、上記折り曲げられた状態で、その先端に縫合されたカバー端末4Aと共にシートバックカバー4のテンションに抗して溝部2B内に押し込まれる。
それにより、ひれ部11は、シートバックカバー4のテンションにより、その覆い部12と繋がる基端から覆い部12に対して図示右方(外方)へと押圧する力を作用させる。それと共に、ひれ部11は、シートバックカバー4のテンションにより、そのカバー端末4Aと縫合された縫合部位11Aが、覆い部12と繋がる基端を支点に、図示左方(内方)へと開かれる力を受ける。
これらの作用により、ひれ部11は、フレーム端部2Aに内側(図示左側)から当接する内側挟み部12Bと溝部2Bの内側壁2Cとの間で閊えて、シートバックカバー4のテンションに抗して溝部2B内に引掛けられる。図5に示すように、上記ひれ部11は、溝部2Bに挿通される前の自由状態では、上述したように、覆い部12の後端部位から内側挟み部12Bの延び出し方向とは交差する方向に平板状に延び出す形状とされる。
このような自由状態では、ひれ部11は、図3で前述した溝部2Bの溝幅よりも内側(図示左側)に大きく張り出す拡張形状に伸長した状態を成す。そのため、ひれ部11は、上記自由状態では、溝部2B内には収まらない構成とされる。しかし、図5に示すように、ひれ部11は、上記拡張形状に伸長されることで、その図示下面にカバー端末4Aを重ねてこれらを縫合する作業を簡便に行えるようになっている。
具体的には、ひれ部11は、その先端(図示左端)に近い周縁箇所が、カバー端末4Aと縫合される縫合部位11Aとされる。したがって、ひれ部11が上記拡張形状に伸長されることで、ひれ部11の縫合部位11Aと覆い部12の内側挟み部12Bとの間の距離が、ひれ部11の延び出し方向(図示左右方向)に遠ざけられる。本実施形態では、ひれ部11が、その延び出し方向の略全域において、覆い部12と互いの延び出し方向の配置が重ならないように伸長されるようになっている。
したがって、同図に示すように、カバー固定具10を覆い部12が図示上方に張り出す向きにして、ひれ部11の図示下面にカバー端末4Aを重ねてこれらを縫合する際に、ひれ部11の図示上方に広い空きスペースを確保することができる。その結果、ひれ部11の縫合部位11Aにカバー端末4Aを縫合する際に、ミシン針M1の通されるワークの押さえ部となるミシンガイドM2やその周囲に張り出すフィンガガードM3が覆い部12と干渉しにくくなる。よって、係る縫合作業を簡便に行うことができる。
図3に示すように、カバー端末4Aと縫合されたひれ部11は、作業者により内側挟み部12Bの延び出し方向と同一方向を向くように折り曲げられながら溝部2B内に挿通される。それにより、ひれ部11は、覆い部12の溝部2Bの外部に位置する後端部位から溝部2B内に延び出すように配置される。その結果、ひれ部11の溝部2Bに対する挿通深さが浅く抑えられる。すなわち、ひれ部11は、カバー端末4Aとの縫合時(図5参照)には、覆い部12にミシンガイドM2やフィンガガードM3を干渉させないように作業スペースを広く確保できる構成でありながら、溝部2Bに対する挿通深さを浅く抑えられる構成とされる。
以上をまとめると、本実施形態に係るカバー固定具10は、次のような構成とされている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
すなわち、カバー固定具(10)は、シートカバー(4)のカバー端末(4A)をシートフレーム(2)のフレーム端部(2A)のシート後方への折り返し形状により形成される溝部(2B)に止着するカバー固定具(10)である。カバー固定具(10)は、カバー端末(4A)に縫合され、シートカバー(4)のテンションに抗して溝部(2B)に引掛けられるひれ部(11)と、ひれ部(11)から延び出してフレーム端部(2A)をシート後方から覆う覆い部(12)と、を有し、覆い部(12)の外周表面(12A)が、国際連合欧州経済委員会規則第17号(UN/ECE-R17)に規定する内部突起の要件を満たす曲面形状とされる。
上記構成によれば、カバー固定具(10)のひれ部(11)により、カバー端末(4A)をシートフレーム(2)のフレーム端部(2A)の折り返しにより形成される溝部(2B)に引掛けて適切に固定することができる。そして、このカバー固定具(10)の覆い部(12)の外周表面(12A)を上記曲面形状とすることで、フレーム端部(2A)を内部突起の要件を満たせる形状とすることなく、内部突起の要件を満たせる構成とすることができる。
また、覆い部(12)が、フレーム端部(2A)に溝部(2B)の内側と外側とから弾性変形を伴って挟み込み状に嵌合され、ひれ部(11)が、覆い部(12)のフレーム端部(2A)を溝部(2B)の内側から挟み込む内側挟み部(12B)と並列状を成すように覆い部(12)から延び出る。上記構成によれば、覆い部(12)がフレーム端部(2A)に対して位置ずれしにくいように固定される。その結果、覆い部(12)によりフレーム端部(2A)をより適切にシート後方から覆うことができる。
また、フレーム端部(2A)が、シェルシートを構成するパネル状のシートシェル(2)に形成される。上記構成によれば、薄型のシートシェル(2)のフレーム端部(2A)に内部突起の要件を満たすための形状工夫を要することなく、カバー固定具(10)によって簡便に内部突起の要件を満たせる構成とすることができる。
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態に係るカバー固定具20の構成について、図6~図7を用いて説明する。図6に示すように、本実施形態に係るカバー固定具20は、カバー端末4Aと縫合されて溝部2Bに引掛けられる折れ曲がり板状のひれ部21と、ひれ部21の基端から膨らむように延び出してフレーム端部2Aをシート後方から覆う覆い部22と、を有する。覆い部22は、その内部が中空状となる断面D字状の閉断面形状とされている。覆い部22は、フレーム端部2Aをシート後方から覆うものの、第1の実施形態(図3参照)で示した構成とは異なり、フレーム端部2Aに挟み込み状には嵌合されない非嵌合構造とされる。
覆い部22は、そのフレーム端部2Aをシート後方から覆う外周表面22Aが、UN/ECE-R17に規定する内部突起の要件を満たす曲面形状に形成されている。具体的には、覆い部22の外周表面22Aは、そのフレーム端部2Aにシート後方から対面する基端から、シート後方に湾曲するように図示右側に向かって膨らむ曲面形状とされる。そして、覆い部22の外周表面22Aは、その図示右側に膨らんだ先からフレーム端部2Aの真後ろを通って内側(図示左側)へと延びる後端にかけての領域が、R5.5mmの一定の曲率半径で湾曲する曲面形状とされる。
このような構成とされることで、フレーム端部2Aを内部突起の要件を満たせる形状とすることなく、シートバック1Bの背面(後面)を内部突起の要件を満たせる形状とすることができる。具体的には、カバー固定具20の外周表面22Aは、これよりシート後方内側に位置するシートバックシェル2の後面との間で、ヘッドフォームH(人体の頭部を単純化したφ165mmの球体)がシート後方から当接する場合の当たりを、上記内部突起の要件を満たせる当たりとすることが可能な曲面形状に形成されている。
また、カバー固定具20の外周表面22Aは、これよりシート前方内側に位置するフレーム端部2Aの外側面(図示右側面)との間でも、ヘッドフォームHがシート側方から当接する場合の当たりを、上記内部突起の要件を満たせる当たりとすることが可能な曲面形状に形成されている。
ひれ部21は、図6に示す断面視で、覆い部22のフレーム端部2Aにシート後方から対面する前面の図示左端からシート前方に延び出して、溝部2B内でシート後方に向かって折り返し状に畳まれた状態に設けられる構成とされる。具体的には、ひれ部21は、覆い部22の前面の図示左端からシート前方に延び出す第1脚部21Aと、第1脚部21Aの延びた先からシート後方に折り返し状に延びる第2脚部21Bと、を有する。
ひれ部21は、溝部2Bに挿通される段階で、第2脚部21Bが作業者により上記のように折り返されて、覆い部22から延び出す引掛部22Bに引掛けられることで、折り返された状態に保持される。そして、ひれ部21は、上記折り返された状態で、第2脚部21Bに縫合されたカバー端末4Aと共にシートバックカバー4のテンションに抗して溝部2B内に押し込まれる。
それにより、ひれ部21は、シートバックカバー4のテンションにより、そのフレーム端部2Aに図示左側(溝部2Bの内側)から当接する第1脚部21Aの基端が、フレーム端部2Aに図示右方(外方)へと押圧する力を作用させる。それと共に、ひれ部21は、シートバックカバー4のテンションにより、そのカバー端末4Aと縫合された第2脚部21Bの折り返し部分が、上記フレーム端部2Aと当接する第1脚部21Aの基端を支点に、図示左方(内方)へと傾けられる力を受ける。
これらの作用により、ひれ部21は、フレーム端部2Aと溝部2Bの内側壁2Cとの間で閊えて、シートバックカバー4のテンションに抗して溝部2B内に引掛けられる。ひれ部21は、その第1脚部21Aから第2脚部21Bが折り返される折り返し部分が、第1脚部21Aからシート幅方向に平板状に延び出して、その先で第2脚部21Bが折り返される構成とされる。それにより、ひれ部21は、その第1脚部21Aと第2脚部21Bとこれらの折り返し部分との間で、断面視三角形を描く構成とされる。
それにより、ひれ部21の折り返し部分が、溝部2Bの内部で幅広となって溝部2Bとの隙間が狭められる構成とされている。その結果、ひれ部21がシートバックカバー4のテンションにより溝部2Bの内部で係止される際の傾き量が抑制され、カバー端末4Aを溝部2Bに対してより適切に固定できるようになっている。
図7に示すように、上記ひれ部21は、溝部2Bに挿通される前の自由状態では、第2脚部21Bが引掛部22Bに対する引掛状態から外されて、第1脚部21Aに対して直交する方向に折れ曲がり状に延び出す形状とされる。このような自由状態では、ひれ部21は、図6で前述した溝部2Bの溝幅よりも内側(図示左側)に大きく張り出す拡張形状に伸長した状態を成す。
そのため、ひれ部21は、上記自由状態では、溝部2B内には収まらない構成とされる。しかし、図7に示すように、ひれ部21は、上記拡張形状に伸長されることで、その第2脚部21Bの図示下面にカバー端末4Aを重ねてこれらを縫合する作業を簡便に行えるようになっている。
具体的には、ひれ部21は、その第2脚部21Bの先端(図示左端)に近い周縁箇所が、カバー端末4Aと縫合される縫合部位21Cとされる。したがって、ひれ部21が上記拡張形状に伸長されることで、ひれ部21の縫合部位21Cと覆い部22との間の距離が、第2脚部21Bの延び出し方向(図示左右方向)に遠ざけられる。
したがって、同図に示すように、カバー固定具20を覆い部22が図示上方に張り出す向きにして、第2脚部21Bの図示下面にカバー端末4Aを重ねてこれらを縫合する際に、第2脚部21Bの図示上方に広い空きスペースを確保することができる。その結果、第2脚部21Bの縫合部位21Cにカバー端末4Aを縫合する際に、ミシン針M1の通されるワークの押さえ部となるミシンガイドM2やその周囲に張り出すフィンガガードM3が覆い部22と干渉しにくくなる。よって、係る縫合作業を簡便に行うことができる。
図6に示すように、カバー端末4Aと縫合された第2脚部21Bは、作業者により第1脚部21Aに対して折り返されて、覆い部22から延び出す引掛部22Bに押し込まれて引掛けられる。引掛部22Bは、覆い部22の断面D字の後端部位から溝部2Bに向かってシート前方斜め内側(図示左側)に爪状に延び出す形状とされる。引掛部22Bは、第2脚部21Bのカバー端末4Aと縫合された縫合部位21Cより先の端部を、覆い部22の側面部22Cとの間に挟み込む形に引掛ける構成とされる。引掛部22Bは、溝部2Bの外部で第2脚部21Bの先端部を引掛ける短尺な構成とされる。
上記引掛けにより、ひれ部21は、溝部2B内に挿通可能な折り返し状の形に保持される。上記引掛け後に、ひれ部21は、作業者により溝部2B内にシート後方から挿通される。この挿通により、ひれ部21は、シートバックカバー4のテンションに抗して、フレーム端部2Aと溝部2Bの内側壁2Cとの間で閊えた状態に引掛けられる。そして、この引掛けにより、カバー固定具20は、第1脚部21Aがフレーム端部2Aに内側(図示左側)から押圧されることで、覆い部22がフレーム端部2Aをシート後方から覆った状態に保持される。
このように、ひれ部21は、溝部2Bに折り返し状態とされて挿通されることから、溝部2Bに対する挿通深さを浅く抑えられる構成とされる。すなわち、ひれ部21は、カバー端末4Aとの縫合時(図7参照)には、覆い部22にミシンガイドM2やフィンガガードM3を干渉させないように作業スペースを広く確保できる構成でありながら、溝部2Bに対する挿通深さを浅く抑えられる構成とされる。
上記カバー固定具20は、ひれ部21を溝部2B内に挿通するのみで、覆い部22をフレーム端部2Aにシート後方から被せた状態にセットすることができる。すなわち、カバー固定具20は、覆い部22がフレーム端部2Aに挟み込み状に嵌合される構成ではないことから、ひれ部21を溝部2B内に挿通するのみの簡便な作業によって溝部2Bへの止着を行うことができる。
したがって、フレーム端部2Aの厚みが、シートバックシェル2を構成する繊維の織布又は編物の積層厚の違いにより部位毎に異なることがあっても、その影響を受けることなく溝部2Bへの止着を容易に行うことができる。すなわち、覆い部22がフレーム端部2Aを挟み込む構成ではないため、フレーム端部2Aの部位毎の厚みの変化の影響を受けにくいためである。なお、ひれ部21は、溝部2Bに挿通される前の自由状態において、第2脚部21Bが第1脚部21Aと面一状に伸長して拡張形状を成す構成であっても良い。
上記以外の構成は、第1の実施形態で示した構成と実質的に同一の構成となっている。したがって、第1の実施形態で示した構成と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略することとする。
以上をまとめると、本実施形態に係るカバー固定具20は、次のような構成とされている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
すなわち、カバー固定具(20)は、シートカバー(4)のカバー端末(4A)をシートフレーム(2)のフレーム端部(2A)のシート後方への折り返し形状により形成される溝部(2B)に止着するカバー固定具(20)である。カバー固定具(20)は、カバー端末(4A)に縫合され、シートカバー(4)のテンションに抗して溝部(2B)に引掛けられるひれ部(21)と、ひれ部(21)から延び出してフレーム端部(2A)をシート後方から覆う覆い部(22)と、を有する。覆い部(22)の外周表面(22A)が、国際連合欧州経済委員会規則第17号(UN/ECE-R17)に規定する内部突起の要件を満たす曲面形状とされる。
上記構成によれば、カバー固定具(20)のひれ部(21)により、カバー端末(4A)をシートフレーム(2)のフレーム端部(2A)の折り返しにより形成される溝部(2B)に引掛けて適切に固定することができる。そして、このカバー固定具(20)の覆い部(22)の外周表面(22A)を上記曲面形状とすることで、フレーム端部(2A)を内部突起の要件を満たせる形状とすることなく、内部突起の要件を満たせる構成とすることができる。
また、覆い部(22)が、フレーム端部(2A)をシート後方から覆うものの、フレーム端部(2A)に挟み込み状には嵌合されない非嵌合構造とされる。上記構成によれば、覆い部(22)のフレーム端部(2A)への挟み込みを伴わないため、カバー固定具(20)のフレーム端部(2A)への止着作業を簡便化することができる。
また、カバー固定具(20)が、覆い部(22)から延び出してひれ部(21)の先端が取り外し可能に引掛けられる引掛部(22B)を更に有する。上記構成によれば、ひれ部(21)がシートカバー(4)のテンションにより溝部(2B)から引き出されることを適切に抑制することができる。その結果、カバー端末(4A)を溝部(2B)に対してより適切に固定することができる。
(第3の実施形態)
続いて、本発明の第3の実施形態に係るカバー固定具20の構成について、図8~図9を用いて説明する。図8に示すように、本実施形態に係るカバー固定具20は、第2の実施形態(図6参照)で示した構成と比べて、引掛部22Dがより長くシート前方へと延び出して溝部2B内に入り込む構成とされる。また、カバー固定具20は、引掛部22Dが、第2脚部21Bをその折り返された先の途中箇所から第1脚部21Aと面当接させるように屈曲させて、第2脚部21Bを第1脚部21A及び覆い部22の側面部22Cとの間に挟み込む構成とされる。
より詳しくは、引掛部22Dは、第2脚部21Bと共に、その縫合部位21Cに縫合されたカバー端末4Aも併せて第1脚部21A及び覆い部22の側面部22Cとの間に挟み込む構成とされる。このような構成とされることで、カバー固定具20は、溝部2Bの内部でひれ部21とカバー端末4Aと引掛部22Dと側面部22Cとが重なる幅広な構造となる。その結果、ひれ部21がシートバックカバー4のテンションにより溝部2Bの内部で係止される際の傾き量が抑制され、カバー端末4Aを溝部2Bに対してより適切に固定できるようになっている。
また、図9に示すように、ひれ部21は、溝部2Bに挿通される前の自由状態において、第2脚部21Bを拡張形状に伸長させることで、その図示下面にカバー端末4Aを重ねて縫合する際に、第2脚部21Bの図示上方に広い空きスペースを確保することができる。よって、第2脚部21Bの縫合部位21Cにカバー端末4Aを縫合する作業を簡便に行うことができる。上記以外の構成は、第1又は第2の実施形態で示した構成と実質的に同一の構成となっている。したがって、第1又は第2の実施形態で示した構成と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略することとする。
以上をまとめると、本実施形態に係るカバー固定具20は、次のような構成とされている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
すなわち、カバー固定具(20)が、覆い部(22)から延び出してひれ部(21)の先端が取り外し可能に引掛けられる引掛部(22D)を更に有する。上記構成によれば、ひれ部(21)がシートカバー(4)のテンションにより溝部(2B)から引き出されることを適切に抑制することができる。その結果、カバー端末(4A)を溝部(2B)に対してより適切に固定することができる。
(第4の実施形態)
続いて、本発明の第4の実施形態に係るカバー固定具10の構成について、図10~図11を用いて説明する。図10に示すように、本実施形態に係るカバー固定具10は、第1の実施形態(図3参照)で示した構成に加え、更に、覆い部12の内側挟み部12Bの先端から断面視J字状にシート前方へと延び出す引掛部12Eを有する構成とされる。
引掛部12Eは、内側挟み部12Bの先端から、溝部2Bの内周面形状に沿ってシート前方へと延び出して断面J字状に溝部2Bの開口方向であるシート後方に折り返される形状とされる。引掛部12Eは、溝部2Bに挿通される前の段階において、ひれ部11が作業者により内側挟み部12Bの延び出し方向と同一方向を向くように折り曲げられてJ字の内部に引掛けられることで、ひれ部11をその弾性に抗して折り曲げた状態に保持するようになっている。
引掛部12Eは、上記ひれ部11が引掛けられた状態で、ひれ部11及びその先端に縫合されたカバー端末4Aと共に溝部2B内に挿通される。それにより、引掛部12Eは、ひれ部11がシートバックカバー4のテンションにより溝部2Bの内部で開かれる動きを規制して、カバー端末4Aを溝部2Bに適切に止着させた状態に保持するようになっている。
図11に示すように、ひれ部11は、溝部2Bに挿通される前の自由状態において、引掛部12Eから外された拡張形状に伸長されることで、その図示下面にカバー端末4Aを重ねて縫合する際に、その図示上方に広い空きスペースを確保できるようになっている。よって、ひれ部11の縫合部位11Aにカバー端末4Aを縫合する作業を簡便に行うことができる。上記以外の構成は、第1の実施形態で示した構成と実質的に同一の構成となっている。したがって、第1の実施形態で示した構成と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略することとする。
以上をまとめると、本実施形態に係るカバー固定具10は、次のような構成とされている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
すなわち、カバー固定具(10)が、覆い部(12)から延び出してひれ部(11)の先端が取り外し可能に引掛けられる引掛部(12E)を更に有する。上記構成によれば、ひれ部(11)がシートカバー(4)のテンションにより溝部(2B)から引き出されることを適切に抑制することができる。その結果、カバー端末(4A)を溝部(2B)に対してより適切に固定することができる。
(第5の実施形態)
続いて、本発明の第5の実施形態に係るカバー固定具10の構成について、図12~図13を用いて説明する。図12に示すように、本実施形態に係るカバー固定具10は、第1の実施形態(図3参照)で示した構成と比べて、内側挟み部12Bが、外側挟み部12Cよりも長くシート前方に延び出す延長部位B1を有する構成となっている。また、ひれ部11も、内側挟み部12Bよりも長くシート前方へと延び出す延長部位11Bを有する構成となっている。
このような構成とされていることにより、カバー固定具10は、溝部2B内の深い位置で、内側挟み部12Bの延長部位B1とひれ部11の延長部位11Bとが溝幅方向に重なり状に並ぶ構成となる。その結果、ひれ部11が短い構成と比べて、ひれ部11がシートバックカバー4のテンションにより溝部2Bの内部で係止される際の傾き量が抑制されやすくなる。したがって、カバー端末4Aを溝部2Bに対してより適切に固定することができる。
また、内側挟み部12Bとひれ部11とが溝部2B内に深く入り込む長い形状とされることで、カバー固定具10が溝部2B内からシート後方に引き抜かれる不測の負荷が掛けられた場合に、これらの溝部2Bとのラップ代が長いことから、カバー固定具10が溝部2Bから引き抜かれにくい。上記以外の構成は、第1の実施形態で示した構成と実質的に同一の構成となっている。したがって、第1の実施形態で示した構成と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略することとする。
(第6の実施形態)
続いて、本発明の第6の実施形態に係るカバー固定具30の構成について、図14を用いて説明する。図14に示すように、本実施形態に係るカバー固定具30は、カバー端末4Aと縫合されて溝部2Bに引掛けられる板状のひれ部31と、ひれ部31の基端から外側(図示右側)に張り出し状に延びてフレーム端部2Aをシート後方から覆う覆い部32と、を有する。覆い部32は、フレーム端部2Aをシート後方から覆うものの、フレーム端部2Aに挟み込み状には嵌合されない非嵌合構造とされる。
具体的には、覆い部32は、フレーム端部2Aをシート後方から平坦状に覆う平坦部位32Aと、平坦部位32Aのフレーム端部2Aを外側(図示右側)に越えた先からシート前方に向かって湾曲する湾曲部位32Bと、を有する。覆い部32は、湾曲部位32Bによりフレーム端部2Aの外側面(図示右側面)を外側(図示右側)から覆う。
覆い部32は、そのフレーム端部2Aをシート後方から覆う外周表面32Cが、UN/ECE-R17に規定する内部突起の要件を満たす曲面形状に形成されている。具体的には、覆い部32の外周表面32Cは、湾曲部位32Bの前端から平坦部位32Aの平坦状に延びる後面と繋がる後端にかけての領域が、R5.5mmの一定の曲率半径で湾曲する曲面形状とされる。このような構成とされることで、フレーム端部2Aを内部突起の要件を満たせる形状とすることなく、シートバック1Bの背面(後面)を内部突起の要件を満たせる形状とすることができる。
具体的には、カバー固定具30の外周表面32Cは、これよりシート後方内側に位置するシートバックシェル2の後面との間で、ヘッドフォームH(人体の頭部を単純化したφ165mmの球体)がシート後方から当接する場合の当たりを、上記内部突起の要件を満たせる当たりとすることが可能な曲面形状に形成されている。また、カバー固定具30の外周表面32Cは、これよりシート前方内側に位置するフレーム端部2Aの外側面(図示右側面)との間でも、ヘッドフォームHがシート側方から当接する場合の当たりを、上記内部突起の要件を満たせる当たりとすることが可能な曲面形状に形成されている。
カバー固定具30は、上記のように覆い部32がフレーム端部2Aを平坦部位32Aによってシート後方から覆い、フレーム端部2Aを外側(図示右側)に越えた先から湾曲部位32Bが湾曲する形状とされる。このような構成とされることで、覆い部32のシート後方への張り出しを小さく抑えつつ、覆い部32によりフレーム端部2Aをシート後方から内部突起の要件を満たせる形状で適切に覆うことができる。
ひれ部31は、図14に示す断面視で、覆い部32の基端(図示左端)からシート前方に板状に延び出す形状とされる。ひれ部31は、その内側面(図示左面)にカバー端末4Aが重ねられて、その先端と基端との間の中央箇所に沿った縫合部位31Aにおいてカバー端末4Aと縫合される。
ひれ部31は、そのシート前方に延び出した先の先端に、溝部2Bの内部で断面T字状に幅を広げるように張り出す第1張出部位31Bを有する。また、ひれ部31は、その縫合部位31Aより基端寄りの中間箇所に、外側(図示右側)にのみ幅を広げるように張り出す第2張出部位31Cを有する。
上記ひれ部31は、その縫合部位31Aに縫合されたカバー端末4Aと共に、シートバックカバー4のテンションに抗して溝部2B内に押し込まれる。それにより、ひれ部31は、シートバックカバー4のテンションにより、その第2張出部位31Cがフレーム端部2Aに図示左側(溝部2Bの内側)から当接して、フレーム端部2Aに図示右方(外方)へと押圧する力を作用させる。それと共に、ひれ部31は、シートバックカバー4のテンションにより、その先端の第1張出部位31Bが、上記フレーム端部2Aと当接する第2張出部位31Cを支点に、図示左方(内方)へと傾けられて溝部2Bの内側壁2Cに押し当てられる。
これらの作用により、ひれ部31は、フレーム端部2Aと溝部2Bの内側壁2Cとの間で閊えて、シートバックカバー4のテンションに抗して溝部2B内に引掛けられる。ひれ部31は、そのシート幅方向に張り出す第1張出部位31Bと第2張出部位31Cとがフレーム端部2Aと溝部2Bの内側壁2Cとに当接する幅広な構成とされることで、溝部2Bとの隙間が狭められる構成とされる。それにより、ひれ部31がシートバックカバー4のテンションにより溝部2Bの内部で係止される際の傾き量が抑制され、カバー端末4Aを溝部2Bに対してより適切に固定できるようになっている。
以上をまとめると、本実施形態に係るカバー固定具30は、次のような構成とされている。なお、以下において括弧書きで付す符号は、上記実施形態で示した各構成に対応する符号である。
すなわち、カバー固定具(30)は、シートカバー(4)のカバー端末(4A)をシートフレーム(2)のフレーム端部(2A)のシート後方への折り返し形状により形成される溝部(2B)に止着するカバー固定具(30)である。カバー固定具(30)は、カバー端末(4A)に縫合され、シートカバー(4)のテンションに抗して溝部(2B)に引掛けられるひれ部(31)と、ひれ部(31)から延び出してフレーム端部(2A)をシート後方から覆う覆い部(32)と、を有する。覆い部(32)の外周表面(32C)が、国際連合欧州経済委員会規則第17号(UN/ECE-R17)に規定する内部突起の要件を満たす曲面形状とされる。
上記構成によれば、カバー固定具(30)のひれ部(31)により、カバー端末(4A)をシートフレーム(2)のフレーム端部(2A)の折り返しにより形成される溝部(2B)に引掛けて適切に固定することができる。そして、このカバー固定具(30)の覆い部(32)の外周表面(32C)を上記曲面形状とすることで、フレーム端部(2A)を内部突起の要件を満たせる形状とすることなく、内部突起の要件を満たせる構成とすることができる。
また、覆い部(32)が、フレーム端部(2A)をシート後方から覆うものの、フレーム端部(2A)に挟み込み状には嵌合されない非嵌合構造とされる。上記構成によれば、覆い部(32)のフレーム端部(2A)への挟み込みを伴わないため、カバー固定具(30)のフレーム端部(2A)への止着作業を簡便化することができる。
また、覆い部(32)が、フレーム端部(2A)をシート後方から平坦状に覆う平坦部位(32A)と、平坦部位(32A)のフレーム端部(2A)を外側に越えた先からシート前方に向かって内部突起の要件を満たす曲面形状で湾曲してフレーム端部(2A)を溝部(2B)の外側から覆う湾曲部位(32B)と、を有する。上記構成によれば、覆い部(32)のシート後方への張り出しを小さく抑えつつ、覆い部(32)によりフレーム端部(2A)をシート後方から内部突起の要件を満たせる形状で適切に覆うことができる。
また、フレーム端部(2A)が、シェルシートを構成するパネル状のシートシェル(2)に形成される。上記構成によれば、薄型のシートシェル(2)のフレーム端部(2A)に内部突起の要件を満たすための形状工夫を要することなく、カバー固定具(30)によって簡便に内部突起の要件を満たせる構成とすることができる。
《その他の実施形態について》
以上、本発明の実施形態を6つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態の他、各種の形態で実施することができるものである。
1.本発明におけるカバー固定具のひれ部と覆い部とは、各実施形態で示した構成を適宜選択的に組み合わせて適用することができるものである。例えば、第2の実施形態及び第3の実施形態で示した折り返し状に延びるタイプのひれ部21に、第1の実施形態、第4の実施形態及び第5の実施形態で示した挟み込み状の覆い部12を組み合わせた構成であっても良い。また、第2の実施形態及び第3の実施形態で示した非挟み込みタイプの覆い部22に、第1の実施形態、第4の実施形態及び第5の実施形態で示した折り曲げタイプのひれ部11を組み合わせた構成であっても良い。
2.カバー固定具が第2の実施形態及び第3の実施形態で示したような折り返し状に延びるタイプのひれ部21を備える場合において、ひれ部の先端を引掛け可能な引掛部を備えない構成であっても構わない。
3.フレーム端部は、シェルシートを構成するパネル状のシートバックシェルに形成されるものの他、シェルシート以外のシートバックフレームに形成されるものであっても良い。また、シートフレームは、上記実施形態で示したようなシートバックがシートクッションに対してリクライニング可能に連結されるリクライニングタイプのフレーム構造を成すものの他、シートバックとシートクッションとが一体のリクライニング不能なシェル構造を成すいわゆるフルバケットタイプのフレーム構造を成すものであってもよい。
1 シート
1B シートバック
1C シートクッション
2 シートバックシェル(シートフレーム)
2A フレーム端部
2B 溝部
2C 内側壁
3 シートバックパッド
4 シートバックカバー(シートカバー)
4A カバー端末
10 カバー固定具
11 ひれ部
11A 縫合部位
11B 延長部位
12 覆い部
12A 外周表面
12B 内側挟み部
B1 延長部位
12C 外側挟み部
12D ガイド面
12E 引掛部
20 カバー固定具
21 ひれ部
21A 第1脚部
21B 第2脚部
21C 縫合部位
22 覆い部
22A 外周表面
22B 引掛部
22C 側面部
22D 引掛部
30 カバー固定具
31 ひれ部
31A 縫合部位
31B 第1張出部位
31C 第2張出部位
32 覆い部
32A 平坦部位
32B 湾曲部位
32C 外周表面
M1 ミシン針
M2 ミシンガイド
M3 フィンガガード
H ヘッドフォーム
A1 第1エリア
A2 第2エリア
A3 第3エリア

Claims (6)

  1. シートカバーのカバー端末をシートフレームのフレーム端部のシート後方への折り返し形状により形成される溝部に止着するカバー固定具であって、
    前記カバー端末に縫合され、前記シートカバーのテンションに抗して前記溝部に引掛けられるひれ部と、
    該ひれ部から延び出して前記フレーム端部をシート後方から覆う覆い部と、を有し、
    前記覆い部の外周表面が、国際連合欧州経済委員会規則第17号(UN/ECE-R17)に規定する内部突起の要件を満たす曲面形状とされるカバー固定具。
  2. 請求項1に記載のカバー固定具であって、
    前記覆い部が、前記フレーム端部に前記溝部の内側と外側とから弾性変形を伴って挟み込み状に嵌合され、
    前記ひれ部が、前記覆い部の前記フレーム端部を前記溝部の内側から挟み込む内側挟み部と並列状を成すように前記覆い部から延び出るカバー固定具。
  3. 請求項1に記載のカバー固定具であって、
    前記覆い部が、前記フレーム端部をシート後方から覆うものの、前記フレーム端部に挟み込み状には嵌合されない非嵌合構造とされるカバー固定具。
  4. 請求項3に記載のカバー固定具であって、
    前記覆い部が、前記フレーム端部をシート後方から平坦状に覆う平坦部位と、該平坦部位の前記フレーム端部を外側に越えた先からシート前方に向かって前記内部突起の要件を満たす曲面形状で湾曲して前記フレーム端部を前記溝部の外側から覆う湾曲部位と、を有するカバー固定具。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のカバー固定具であって、
    前記覆い部から延び出して前記ひれ部の先端が取り外し可能に引掛けられる引掛部を更に有するカバー固定具。
  6. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のカバー固定具であって、
    前記フレーム端部が、シェルシートを構成するパネル状のシートシェルに形成されるカバー固定具。
JP2022115406A 2022-07-20 2022-07-20 カバー固定具 Pending JP2024013365A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022115406A JP2024013365A (ja) 2022-07-20 2022-07-20 カバー固定具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022115406A JP2024013365A (ja) 2022-07-20 2022-07-20 カバー固定具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024013365A true JP2024013365A (ja) 2024-02-01

Family

ID=89718779

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022115406A Pending JP2024013365A (ja) 2022-07-20 2022-07-20 カバー固定具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024013365A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100259079A1 (en) Cover material terminal treating member, seat part, and vehicle seat
CN109927597B (zh) 座椅靠背板、装饰罩以及交通工具用座椅
US9981579B2 (en) Vehicle seat
CN111532178B (zh) 车辆座椅
JP2018019893A (ja) トリムカバー及びシート部品
US11013342B2 (en) Conveyance seat and seat cover for the same
JP6341431B2 (ja) シート装置
JP2012125505A (ja) 車両用シートのトリムカバー端末固定構造
CN111183059B (zh) 乘坐物用座椅
JP2024013365A (ja) カバー固定具
JP4591196B2 (ja) 車両用シート
JP2024013369A (ja) カバー固定具
WO2016098672A1 (ja) シート
JP5821377B2 (ja) 車両用シートパッド
JP6753176B2 (ja) 乗物用シート
JP2013056612A (ja) 車両用シートバック
JP2020203565A (ja) シート
JP6946232B2 (ja) 乗物用シート
JP7052525B2 (ja) 乗物用シートカバー
JP7158244B2 (ja) 車両用シート及び車両用シートの製造方法
JP7359746B2 (ja) 乗物用シートおよびその製造方法
JP7021892B2 (ja) 車両用シート
JP5883422B2 (ja) 乗物用シート
JP2017081362A (ja) 車両用シート及びその製造方法
JP5424321B2 (ja) アームレスト