JP2024013044A - ハブユニット軸受 - Google Patents

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JP2024013044A JP2022114948A JP2022114948A JP2024013044A JP 2024013044 A JP2024013044 A JP 2024013044A JP 2022114948 A JP2022114948 A JP 2022114948A JP 2022114948 A JP2022114948 A JP 2022114948A JP 2024013044 A JP2024013044 A JP 2024013044A
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将充 渡部
Masamitsu Watabe
達男 若林
Tatsuo Wakabayashi
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Abstract

【課題】長期的にも係止力及び水密性能に優れるキャップを備えるハブユニット軸受を提供でする。【解決手段】外輪のインボード側端部の内周面は、最もインボード側に位置し、キャップが嵌合する嵌合面と、嵌合面のアウトボード側に連続して設けられ、径方向外側に凹む溝部と、溝部のアウトボード側壁面を構成し、径方向内側に延びる段差面と、を含む。キャップは、合成樹脂製のキャップ本体と、キャップ本体に固定された金属製の芯金と、を有する。キャップ本体は、全体が有底円筒状であり、略円板状の樹脂底板部と、樹脂底板部の径方向外側部からアウトボード側に延びて芯金を径方向外側から覆う略円筒状の樹脂筒部と、を有する。樹脂筒部は、嵌合面に嵌合される樹脂嵌合部と、樹脂嵌合部に接続してアウトボード側に櫛歯状に延びる櫛歯状樹脂延長部と、を有する。櫛歯状樹脂延長部の先端部は、段差面に突き当たる。樹脂嵌合部と接続する櫛歯状樹脂延長部の根元部は、嵌合面と溝部との間の稜部と、軸方向位置が略一致する。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するために使用されるハブユニット軸受に関する。
自動車の車輪(従動輪)を懸架装置に対して回転自在に支持するハブユニット軸受に、ABS等の制御に必要な車輪の回転速度を検出する為の回転速度検出装置を組み合わせて成る、回転速度検出装置付のハブユニット軸受が、従来から広く使用されている。
従動輪用ハブユニット軸受の軸方向内側(インボード側)は、多くの場合、エンドキャップ(センサホルダを含む)で封止されている。エンドキャップは、高い係止力が要求される為、底板部に樹脂を用いたエンドキャップにおいても芯金がモールド固定され、外輪との嵌合部分は芯金による金属嵌合とされることがある。また、樹脂と芯金は接着されているわけではないので、射出成形時の樹脂の成形収縮により発生する、樹脂と芯金との間の隙間を介しての浸水が生じることがある(特許文献1参照)。
このような浸水を防止する為、特許文献2のハブユニット軸受においては、キャップと外輪のインボード側端面との間にOリングを設けることにより、水密性能を担保している。一方、例えば、特許文献3に開示されている様に、樹脂のパッキンでも水密性を得られることを考慮すれば、Oリングは余計なコストと言える。しかしながら、特許文献4に記載されているような単純な樹脂嵌合キャップでは、水密を得られても、レオロジー的変形により長期的な係止力が得られない可能性があり、これに対応するためには、特許文献5に開示されている様な芯金加工が必要となり、これもコスト高につながる。
特開平09-061443号公報 特開2015-172408号公報 特開2007-309389号公報 特開2005-009527特開号公報 特開2009-264431号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みなされたものであり、長期的にも係止力及び水密性能に優れるキャップを備えるハブユニット軸受を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1) 内周面に複列の外輪軌道面が形成された外輪と、
外周面に複列の内輪軌道面が形成された内輪と、
前記複列の内輪軌道面と、前記複列の外輪軌道面と、の間に転動自在に配置された複数の転動体と、
前記外輪のインボード側端部に固定され、前記外輪のインボード側の開口を塞ぐキャップと、
を備えるハブユニット軸受であって、
前記外輪の前記インボード側端部の内周面は、
最もインボード側に位置し、前記キャップが嵌合する嵌合面と、
前記嵌合面のアウトボード側に連続して設けられ、径方向外側に凹む溝部と、
前記溝部のアウトボード側壁面を構成し、径方向内側に延びる段差面と、
を含み、
前記キャップは、合成樹脂製のキャップ本体と、前記キャップ本体に固定された金属製の芯金と、を有し、
前記キャップ本体は、全体が有底円筒状であり、略円板状の樹脂底板部と、前記樹脂底板部の径方向外側部からアウトボード側に延びて前記芯金を径方向外側から覆う略円筒状の樹脂筒部と、を有し、
前記樹脂筒部は、前記嵌合面に嵌合される樹脂嵌合部と、前記樹脂嵌合部に接続してアウトボード側に櫛歯状に延びる櫛歯状樹脂延長部と、を有し、
前記櫛歯状樹脂延長部の先端部は、前記段差面に突き当たり、
前記樹脂嵌合部と接続する前記櫛歯状樹脂延長部の根元部は、前記嵌合面と前記溝部との間の稜部と、軸方向位置が略一致する、
ハブユニット軸受。
(2) 前記芯金は、前記嵌合面よりもアウトボード側に延び、
前記樹脂筒部は、前記櫛歯状樹脂延長部の径方向内側において前記樹脂嵌合部に接続し、アウトボード側に延びて前記芯金を径方向外側から覆う樹脂覆い部を有し、
前記櫛歯状樹脂延長部と前記樹脂覆い部との間には、前記櫛歯状樹脂延長部の前記根元部までスリットが形成される、
(1)に記載のハブユニット軸受。
(3) 前記キャップが前記外輪に嵌合される前の状態における、前記櫛歯状樹脂延長部の軸方向寸法は、前記溝部の軸方向寸法よりも大きい、
(1)又は(2)に記載のハブユニット軸受。
(4) 前記櫛歯状樹脂延長部の肉厚は、前記樹脂嵌合部の肉厚よりも小さい、
(1)又は(2)に記載のハブユニット軸受。
本発明のハブユニット軸受によれば、長期的にも係止力及び水密性能に優れるキャップを備えるハブユニット軸受を提供できる。
第一実施形態に係るハブユニット軸受の断面図である。 第一実施形態に係るハブユニット軸受の要部拡大図である。 外輪に固定される前のキャップの要部断面図である。 第二実施形態に係るハブユニット軸受の断面図である。 第二実施形態に係るハブユニット軸受の要部拡大図である。 外輪に固定される前のキャップの要部断面図である。 第三実施形態に係るハブユニット軸受における、外輪に固定される前のキャップの要部断面図である。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係るハブユニット軸受について、図1~図2を用いて詳細に説明する。図1は、第一実施形態に係るハブユニット軸受の断面図である。図2は、第一実施形態に係るハブユニット軸受の要部拡大図である。
なお、ハブユニット軸受に関して、本明細書及び特許請求の範囲の全体で、軸方向に関して「外」とは、自動車への組み付け状態で車体の幅方向外側となる、図1の左側を言い、「アウトボード側」とも称す。また、反対に車体の幅方向中央側となる、図1の右側を、軸方向に関して「内」と言い、「インボード側」とも称す。
本実施形態のハブユニット軸受1は、従動輪用であり、外輪2と、内輪3と、複数の転動体4、4と、を主に備える。
外輪2は、外周面に形成された静止側フランジ7と、内周面に形成された複列(2列)の外輪軌道面8a、8bと、を有している。外輪2は、使用時に、静止側フランジ7を、懸架装置のナックルに結合固定する事により、この懸架装置に支持された状態で回転しない。
内輪3は、ハブ輪9と内輪部材10とにより構成されており、外輪2の径方向内側に外輪2と同軸(同芯)に配置されている。
ハブ輪9には、外輪2の軸方向外側(アウトボード側)開口から軸方向外方に突出した部分に、径方向外側に延出して、車輪(駆動輪)及びディスクロータ等の制動用回転部材を支持固定するための円輪状の回転側フランジ11が設けられている。具体的に、回転側フランジ11には複数の挿通孔11aが設けられ、各挿通孔11aには、ハブボルト17がセレーション嵌合されている。なお、回転側フランジ11の複数の挿通孔11aを雌ねじ孔とし、ハブボルトを螺合することで、車輪(駆動輪)及びディスクロータ等の制動用回転部材を支持固定することもできる。
また、ハブ輪9の外周面のうち、外輪2の軸方向外側(アウトボード側)列の外輪軌道面8aと対向する部分には、アウトボード側列(一方の列)の内輪軌道面12aが設けられている。また、ハブ輪9の外周面のうち、外輪2の軸方向内側(インボード側)列の外輪軌道面8bと対向する軸方向内端部には、小径段部13が設けられている。
内輪部材10の外周面には、インボード側列(他方の列)の内輪軌道面12bが設けられている。内輪部材10は、そのアウトボード側端面を小径段部13の段差面に突き当てた状態でハブ輪9の小径段部13の外周面に外嵌されると共に、そのインボード側端面が加締め部24によって結合固定されることで、ハブ輪9に固定されている。
転動体4、4は、アウトボード側列の外輪軌道面8aと内輪軌道面12aとの間部分、及び、インボード列の外輪軌道面8bと内輪軌道面12bとの間部分に、1対の保持器6,6により保持された状態で転動自在に設けられている。
外輪2の内周面のアウトボード側端部には、シールリング5が支持固定されている。シールリング5は、外輪2の内周面とハブ輪9の外周面との間に存在する、複数の転動体4、4が設けられた内部空間18のアウトボード側端開口を塞いでいる。シールリング5は、ハブ輪9の外周面のうち、内輪軌道面12aのアウトボード側の大径段部20、または大径段部20に支持固定された摺接部材に摺接する。
図示の例では設けられていないが、内輪部材10のインボード側端部には、円環状のエンコーダが支持固定されていても構わない。その場合、後述のキャップ30にはセンサを固定するための穴等が設けられ、当該キャップ30はセンサホルダとして機能する。
外輪2のインボード側端部には、外輪2のインボード側の開口を塞ぐ、有底円筒状のキャップ30が固定される。
図2に示すように、外輪2のインボード側端部の内周面は、最もインボード側に位置し、キャップ30が嵌合する嵌合面2bと、嵌合面2bのアウトボード側に連続して設けられ、径方向外側に凹む溝部2cと、溝部2cのアウトボード側壁面を構成し、径方向内側に延びる段差面2dと、を含む。段差面2dは、嵌合面2bよりも径方向内側に延びる。
図3は、外輪に固定される前のキャップの要部断面図である。図2及び図3に示すように、キャップ30は、充填剤を含有する合成樹脂製のキャップ本体50と、キャップ本体50に固定された金属製の芯金40と、を有する。
キャップ本体50は、合成樹脂を射出成形(アキシャルドロー成形)する事により、全体が有底円筒状に造られており、略円板状の樹脂底板部51と、樹脂底板部51の径方向外側部からアウトボード側に延びて芯金40を径方向外側から覆う略円筒状の樹脂筒部53と、を有する。
樹脂底板部51は、樹脂筒部53の軸方向を向く開口を塞ぐ底部である。樹脂底板部51の外径は、樹脂筒部53の外径よりも大きい。そして、樹脂底板部51のうち樹脂筒部53よりも大径の部分は、外輪2のインボード側端面2aと軸方向に当接する。
キャップ本体50を構成する合成樹脂材としては、例えばポリアミド66樹脂に、必要に応じて充填剤が付加されている。充填剤は、例えば、繊維状の強化材として、グラスファイバー、カーボンファイバー、或いは金属繊維が用いられる。又、必要に応じて、ポリアミド樹脂に、非晶性芳香族ポリアミド樹脂(変性ポリアミド6T/6I)、低吸水脂肪族ポリアミド樹脂(ポリアミド11樹脂、ポリアミド12樹脂、ポリアミド610樹脂、ポリアミド612樹脂)を適宜加える事で、より耐水性を向上させても良い。
芯金40は、ステンレス鋼板や圧延鋼板等の金属から造られており、全体が円環状に形成されている。芯金40は、軸方向に延びる略円筒状の芯金筒部41と、芯金筒部41のインボード側端部から径方向外側に延びる芯金フランジ部43と、を有する断面L字状である。
本実施形態においては、芯金筒部41のアウトボード側端面41bが嵌合面2bと軸方向に重なる(径方向に対向する)位置に配置されている。一方、芯金筒部41のインボード側端部は、嵌合面2bよりもインボード側に延びている。そして、芯金筒部41のインボード側端部に接続する芯金フランジ部43は、樹脂底板部51中を径方向外側に延びる。芯金フランジ部43の径方向外側端部は、径方向において外輪2のインボード側端面2aと重なる(軸方向に対向する)。
芯金40は、キャップ本体50にモールド固定されている。これにより、芯金40は、径方向外側から樹脂筒部53によって覆われる。なお、芯金40を成形型から浮かせて射出成形を行うことは困難であるため、芯金40の径方向外側か径方向内側のいずれかは成形型との係止面(樹脂が覆わない面)にする必要がある。そこで、本実施形態では、芯金筒部41の内周面41aは、射出成形時に移動型に係止されるために、フラッシュ(バリ。樹脂の流れ出し。)が発生した部分を除き、樹脂によって被覆されない。
キャップ本体50の樹脂筒部53は、外輪2のインボード側端部の内周面を構成する嵌合面2bに嵌合される樹脂嵌合部54と、樹脂嵌合部54に接続してアウトボード側に櫛歯状に延びる櫛歯状樹脂延長部55と、を有する。
樹脂嵌合部54は、芯金筒部41を径方向外側から覆い、具体的には芯金筒部41の外周面41c及びアウトボード側端面41bを覆う。また、樹脂嵌合部54の外径は、外輪2の嵌合面2bの内径より僅かに大きい。そして、樹脂嵌合部54は、外輪2の嵌合面2bに圧入されて内嵌される。ここで、樹脂嵌合部54のアウトボード側端面54aは、外輪2の溝部2cのインボード側壁面と略同一位置である。
櫛歯状樹脂延長部55は、円周方向に互いに離間するように分割された複数の櫛歯からなる。ここで、複数の櫛歯の数は任意に設定してよいが、より係止力を得るためには櫛歯同士の間の隙間は狭い方が好ましい。櫛歯状樹脂延長部55は、樹脂嵌合部54のアウトボード側端面54aの径方向外側部と接続する根元部55aと、外輪2の段差面2dに突き当たる先端部55bと、を有する。図3に示すように、キャップ30が外輪2に圧入嵌合される前の状態では、櫛歯状樹脂延長部55は、軸方向に略直線状に延びる。そして、図2に示すように、キャップ30が外輪2に圧入嵌合されることによって、先端部55bが段差面2dに突き当たり、櫛歯状樹脂延長部55は径方向外側へと開いて溝部2cに入り込むように変形する。
ここで、樹脂嵌合部54と接続する櫛歯状樹脂延長部55の根元部55aは、嵌合面2bと溝部2cとの間の稜部(嵌合面2bと溝部2cのインボード側壁面との角部)2eと、軸方向位置が略一致する。これにより、稜部2eと樹脂嵌合部54の接触面圧を上げ、キャップ30の係止力と水密性能を高めており、また、長期的にはレオロジー的変形で、櫛歯状樹脂延長部55の根元部5aの変形が固定されるので、キャップ30は抜けにくくなる。
また、キャップ30が外輪2に圧入嵌合される前の状態における、櫛歯状樹脂延長部55の軸方向寸法L1(図3参照)は、溝部2cの軸方向寸法L2(図2参照)よりも大きい(L1>L2)。これにより、キャップ30が外輪2に圧入嵌合された際に、櫛歯状樹脂延長部55の先端部55bが段差面2dに突き当たり、櫛歯状樹脂延長部55は径方向外側へと開いて溝部2cに入り込むように変形する。
なお、上述したように、キャップ本体50の樹脂としては、グラスファイバーを添加したポリアミド66等、熱可塑性樹脂に強化繊維を加えて耐水性を向上した樹脂が使用されるが、このような材料でも水膨潤性は残留している。したがって、ハブユニット軸受1に泥水が掛かった場合、外輪2との突合せ面付近においてキャップ本体50が水膨潤して面圧が上昇し、本構造においても、水密性は担保される。
[第二実施形態]
図4は、第二実施形態に係るハブユニット軸受の断面図である。図5は、第二実施形態に係るハブユニット軸受の要部拡大図である。図6は、外輪に固定される前のキャップの要部断面図である。
本実施形態においては、芯金40は、外輪2の嵌合面2bよりもアウトボード側に延びて、第一実施形態よりも軸方向寸法が延長されている。そして、芯金筒部41のアウトボード側端面41bは、嵌合面2bよりもアウトボード側に位置し、溝部2cと軸方向に重なる。
樹脂筒部53は、櫛歯状樹脂延長部55の径方向内側において樹脂嵌合部54に接続し、アウトボード側に延びて芯金40を径方向外側から覆う樹脂覆い部56を有する。樹脂覆い部56は、芯金筒部41の外周面41c及びアウトボード側端面41bを覆う。櫛歯状樹脂延長部55と樹脂覆い部56との径方向における間には、櫛歯状樹脂延長部55の根元部55aまでスリットSが形成される、
図6に示すように、キャップ30が外輪2に圧入嵌合される前の状態では、櫛歯状樹脂延長部55は、軸方向に略直線状に延びる。そして、図5に示すように、キャップ30が外輪2に圧入嵌合されることによって、先端部55bが段差面2dに突き当たり、櫛歯状樹脂延長部55は径方向外側へと開いて溝部2cに入り込むように変形する。
ここで、樹脂嵌合部54と接続する櫛歯状樹脂延長部55の根元部55aは、嵌合面2bと溝部2cとの間の稜部(嵌合面2bと溝部2cのインボード側壁面との角部)2eと、軸方向位置が略一致する。これにより、稜部2eと樹脂嵌合部54の接触面圧を上げ、キャップ30の係止力と水密性能を高めており、また、長期的にはレオロジー的変形で、櫛歯状樹脂延長部55の根元部5aの変形が固定されるので、キャップ30は抜けにくくなる。
また、キャップ30が外輪2に圧入嵌合される前の状態における、櫛歯状樹脂延長部55の軸方向寸法L1(図6参照)は、溝部2cの軸方向寸法L2(図5参照)よりも大きい(L1>L2)。これにより、キャップ30が外輪2に圧入嵌合された際に、櫛歯状樹脂延長部55の先端部55bが段差面2dに突き当たり、櫛歯状樹脂延長部55は径方向外側へと開いて溝部2cに入り込むように変形する。
さらに、本実施形態によれば、樹脂覆い部56が設けられるとともに、櫛歯状樹脂延長部55と樹脂覆い部56との径方向における間にはスリットSが形成されるので、稜部2eと樹脂嵌合部54の接触面圧をさらに上げることで、キャップ30の係止力と水密性能をさらに高めることができる。
また、本実施形態の櫛歯状樹脂延長部55の肉厚(径方向寸法)は、樹脂嵌合部54の肉厚(径方向寸法)よりも小さいので、キャップ30が外輪2に圧入嵌合された際に、櫛歯状樹脂延長部55が変形し易い構造となっている。
[第三実施形態]
図7は、第三実施形態に係るハブユニット軸受における、外輪に固定される前のキャップの要部断面図である。
本実施形態のキャップ30は、樹脂筒部53の形状が第一実施形態と異なる。図7に示すように、櫛歯状樹脂延長部55を構成する複数の櫛歯それぞれは、その内周面55cが、インボード側(根元部55a側)からアウトボード側(先端部55b側)に向かうにしたがって径方向外側に傾斜するテーパ面となっている。これにより、櫛歯状樹脂延長部55のそれぞれの櫛歯は、先細り形状とされている。なお、先端部55bも、インボード側からアウトボード側に向かうにしたがって径方向外側に傾斜するテーパ面であってもよい。
また、樹脂筒部53は、櫛歯状樹脂延長部55の根元部55aの径方向内側に、インボード側に向かって凹む切り欠き57を有する。切り欠き57は、櫛歯状樹脂延長部55の内周面55cのインボード側端部と、樹脂嵌合部54のアウトボード側端面54aと、を接続する
図7に示すように、キャップ30が外輪2に圧入嵌合される前の状態では、櫛歯状樹脂延長部55は、軸方向に略直線状に延びる。そして、第一実施形態と同様(図2参照)、キャップ30が外輪2に圧入嵌合されることによって、先端部55bが段差面2dに突き当たり、櫛歯状樹脂延長部55は径方向外側へと開いて溝部2cに入り込むように変形する。
ここで、樹脂嵌合部54と接続する櫛歯状樹脂延長部55の根元部55aは、図2に示した嵌合面2bと溝部2cとの間の稜部(嵌合面2bと溝部2cのインボード側壁面との角部)2eと、軸方向位置が略一致する。これにより、稜部2eと樹脂嵌合部54の接触面圧を上げ、キャップ30の係止力と水密性能を高めており、また、長期的にはレオロジー的変形で、櫛歯状樹脂延長部55の根元部5aの変形が固定されるので、キャップ30は抜けにくくなる。
また、キャップ30が外輪2に圧入嵌合される前の状態における、櫛歯状樹脂延長部55の軸方向寸法L1(図7参照)は、溝部2cの軸方向寸法L2(図2参照)よりも大きい(L1>L2)。これにより、キャップ30が外輪2に圧入嵌合された際に、櫛歯状樹脂延長部55の先端部55bが段差面2dに突き当たり、櫛歯状樹脂延長部55は径方向外側へと開いて溝部2cに入り込むように変形する。
また、本実施形態の櫛歯状樹脂延長部55の肉厚(径方向寸法)は、樹脂嵌合部54の肉厚(径方向寸法)よりも小さいので、キャップ30が外輪2に圧入嵌合された際に、櫛歯状樹脂延長部55が変形し易い構造となっている。
さらに、櫛歯状樹脂延長部55を構成する複数の櫛歯それぞれは、その内周面55cが、インボード側からアウトボード側に向かうにしたがって径方向外側に傾斜するテーパ面となっている。したがって、キャップ30が外輪2に圧入嵌合された際に、櫛歯状樹脂延長部55が拡径するように変形し易い構造となっている。
また、樹脂筒部53は、櫛歯状樹脂延長部55の根元部55aの径方向内側に、インボード側に向かって凹む切り欠き57を有する。したがって、キャップ30が外輪2に圧入嵌合された際に、櫛歯状樹脂延長部55が拡径するように変形し易い構造となっている。
1 ハブユニット軸受
2 外輪
2a インボード側端面
2b 嵌合面
2c 溝部
2d 段差面
2e 稜部
3 内輪
4 転動体
5 シールリング
7 静止側フランジ
8a,8b 外輪軌道面
9 ハブ輪
10 内輪部材
11 回転側フランジ
11a 挿通孔
12a,12b 内輪軌道面
13 小径段部
14 エンコーダ
17 ハブボルト
18 内部空間
20 大径段部
24 加締め部
30 キャップ
40 芯金
41 芯金筒部
41a 内周面
41b アウトボード側端面
41c 外周面
43 芯金フランジ部
50 キャップ本体
51 樹脂底板部
53 樹脂筒部
54 樹脂嵌合部
54a アウトボード側端面
55 櫛歯状樹脂延長部
55a 根元部
55b 先端部
55c 内周面
56 樹脂覆い部
57 切り欠き
S スリット

Claims (4)

  1. 内周面に複列の外輪軌道面が形成された外輪と、
    外周面に複列の内輪軌道面が形成された内輪と、
    前記複列の内輪軌道面と、前記複列の外輪軌道面と、の間に転動自在に配置された複数の転動体と、
    前記外輪のインボード側端部に固定され、前記外輪のインボード側の開口を塞ぐキャップと、
    を備えるハブユニット軸受であって、
    前記外輪の前記インボード側端部の内周面は、
    最もインボード側に位置し、前記キャップが嵌合する嵌合面と、
    前記嵌合面のアウトボード側に連続して設けられ、径方向外側に凹む溝部と、
    前記溝部のアウトボード側壁面を構成し、径方向内側に延びる段差面と、
    を含み、
    前記キャップは、合成樹脂製のキャップ本体と、前記キャップ本体に固定された金属製の芯金と、を有し、
    前記キャップ本体は、全体が有底円筒状であり、略円板状の樹脂底板部と、前記樹脂底板部の径方向外側部からアウトボード側に延びて前記芯金を径方向外側から覆う略円筒状の樹脂筒部と、を有し、
    前記樹脂筒部は、前記嵌合面に嵌合される樹脂嵌合部と、前記樹脂嵌合部に接続してアウトボード側に櫛歯状に延びる櫛歯状樹脂延長部と、を有し、
    前記櫛歯状樹脂延長部の先端部は、前記段差面に突き当たり、
    前記樹脂嵌合部と接続する前記櫛歯状樹脂延長部の根元部は、前記嵌合面と前記溝部との間の稜部と、軸方向位置が略一致する、
    ハブユニット軸受。
  2. 前記芯金は、前記嵌合面よりもアウトボード側に延び、
    前記樹脂筒部は、前記櫛歯状樹脂延長部の径方向内側において前記樹脂嵌合部に接続し、アウトボード側に延びて前記芯金を径方向外側から覆う樹脂覆い部を有し、
    前記櫛歯状樹脂延長部と前記樹脂覆い部との間には、前記櫛歯状樹脂延長部の前記根元部までスリットが形成される、
    請求項1に記載のハブユニット軸受。
  3. 前記キャップが前記外輪に嵌合される前の状態における、前記櫛歯状樹脂延長部の軸方向寸法は、前記溝部の軸方向寸法よりも大きい、
    請求項1又は2に記載のハブユニット軸受。
  4. 前記櫛歯状樹脂延長部の肉厚は、前記樹脂嵌合部の肉厚よりも小さい、
    請求項1又は2に記載のハブユニット軸受。
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