JP2024012917A - 紙葉類繰出装置及び紙葉類処理装置 - Google Patents

紙葉類繰出装置及び紙葉類処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】紙葉類の状態等に応じて繰出ローラの近傍において生じる紙葉類の繰出不良を確実に解消できる紙葉類繰出装置を提供する。【解決手段】紙葉類Mを載せるステージ2と、最上位の紙葉類Mに当接する繰出ローラ27と、繰出ローラ27を回転させる繰出ローラ回転駆動手段と、繰出ローラ27の紙葉類Mに対する圧力を変化させる繰出ローラ圧力変化手段と、繰出ローラ回転駆動手段の動作及び繰出ローラ圧力変化手段の動作を制御する制御手段とを有する紙葉類繰出装置(2,7)である。制御手段は、繰出ローラ27を紙葉類Mに所定の圧力で押付けた状態で、その繰出ローラ27を紙葉類Mの繰出方向へ正転させることによって最上位の紙葉類Mを繰出す通常の繰出工程と、繰出ローラ27の紙葉類Mに対する圧力を減少させながら繰出ローラ27の正回転を維持するリトライ工程とを有する。【選択図】図7

Description

本発明は、紙幣、カード等といった複数の紙葉類が積層された場所から紙葉類を1枚ずつ外部へ繰出す処理を行う紙葉類繰出装置に関する。また、本発明は、その紙葉類繰出装置から繰り出された紙葉類を搬送する機能を有する紙葉類処理装置に関する。
従来、特許文献1(特開2012-242999号公報)に券売機等といった紙葉類処理装置が開示されている。また、この紙葉類処理装置を構成する装置として紙葉類繰出装置が開示されている。この従来の紙葉類繰出装置においては、積層された複数の紙幣のうちの最上位のものを繰出ローラに当接させ、繰出ローラの正転によりその紙幣を外部へ送り出し、さらにフィードローラによって紙幣を出金口へ送り出すという構成が開示されている。
この従来の紙葉類繰出装置においては、繰出ローラとフィードローラとの協働によって紙幣を1枚ずつ安定して外部へ送り出すことができるが、紙幣の状態や繰出装置の設置環境に応じて繰出ローラと紙幣との間の摩擦力や押圧力にバラツキが発生し、繰出装置の近傍領域において紙幣の詰まり等といった操出し不良が発生することが、まれにあった。
従来、特許文献2(特開2010-247994号公報)に紙葉類繰出装置が開示されている。この従来の繰出装置においては、互いに対向して当接しているフィードローラとリバースローラとによって、積層された複数の紙葉類から1枚を分離して、外部へ搬送するという技術が開示されている。
この文献には、紙葉類の詰まり等といった異常が発生した場合には、紙葉類が載置されたステージを下降させ、さらにフィードローラとリバースローラとを逆転させることにより、異常に関わる紙葉類を紙葉類の集積部分に戻すという技術が開示されている。しかしながら、この従来の繰出装置は異常を解消することに関して十分な機能を発揮できなかった。
特開2012-242999号公報 特開2010-247994号公報
本発明は、従来装置における上記の問題点に鑑みて成されたものであって、紙葉類の状態等に応じて繰出ローラの近傍において生じる紙葉類の繰出不良を確実に解消できる紙葉類繰出装置を提供することを目的とする。
本発明に係る紙葉類繰出装置は、複数枚の紙葉類が積み重なった状態で載せられるステージと、前記積み重なった状態の複数枚の紙葉類のうちの最上位の紙葉類に当接する繰出ローラと、前記繰出ローラを自身の中心線を中心として回転させる繰出ローラ回転駆動手段と、前記繰出ローラの前記紙葉類に対する圧力を変化させる繰出ローラ圧力変化手段と、前記繰出ローラ回転駆動手段の動作及び前記繰出ローラ圧力変化手段の動作を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記繰出ローラを複数枚の紙葉類の最上位の紙葉類に所定の圧力で押付けた状態で、その繰出ローラを前記繰出ローラ回転駆動手段によって紙葉類の繰出方向へ正転させ、この繰出ローラの正転によって最上位の紙葉類を繰出す制御を行う紙葉類繰出装置において、前記制御手段は、前記繰出ローラ圧力変化手段によって前記繰出ローラの前記紙葉類に対する圧力を減少させながら、前記繰出ローラ回転駆動手段によって前記繰出ローラを正回転させる第1の制御工程を有することを特徴とする。
上記構成において、「繰出ローラ回転駆動手段」は、例えば図5の駆動軸28、駆動ベルト29、及び繰出ローラ駆動モータ32によって構成される。「繰出ローラ圧力変化手段」は、繰出ローラに対して紙葉類を押し付ける力を変化、より具体的には減少させることができる機構であり、例えば図2のステージ2、スライダ11、駆動ベルト12、及びステージ駆動モータ13によって構成される。「制御手段」は、例えばコンピュータやシーケンサ等によって構成でき、例えば図15の制御装置50によって構成される。
本発明に係る紙葉類繰出装置の第2の発明態様は、前記ステージを前記繰出ローラから離隔させるステージ離隔手段をさらに有しており、前記制御手段は、前記繰出ローラ回転駆動手段によって前記繰出ローラを逆転させ、同時に前記ステージ離隔手段によって前記ステージを前記繰出ローラから離隔させることにより前記ステージ上の紙葉類を前記繰出ローラから離隔させる第2の制御工程をさらに有することを特徴とする。
上記構成において「ステージ離隔手段」は、例えば、ステージを平行移動させるための機構と、その機構を動かすための動力源(例えば、電動モータ)とによって構成できる。より具体的には、例えば、図2のスライダ11、ガイドロッド14、駆動ベルト12、ステージ駆動モータ13によってステージ離隔手段を構成できる。
本発明に係る第1の紙葉類繰出装置は、上記の通り、「繰出ローラ圧力変化手段によって繰出ローラの紙葉類に対する圧力を減少させながら、繰出ローラ回転駆動手段によって繰出ローラを正回転させる」という第1の制御工程を有することを特徴とする。本発明の第2の発明態様は、その第1の制御工程に加えて、「繰出ローラを逆転させながら、同時にステージ上の紙葉類を繰出ローラから離隔させる」という第2の制御工程をさらに有することを特徴とする。
このように第1の制御工程と第2の制御工程とを組み合わせることにより、紙葉類の詰まり等といった紙葉類に関する不都合をより一層確実に解消できる。なお、第1の制御工程と第2の制御工程の実施順序は任意である。すなわち、第1の制御工程を先に行うこともできるし、あるいは、第2の制御工程を先に行うこともできる。
本発明に係る紙葉類繰出装置の第3の発明態様において、前記繰出ローラ圧力変化手段は、前記繰出ローラを回転自在に支持する支持体と、この支持体を前記ステージへ向けて弾性的に付勢するバネと、前記ステージを、前記繰出ローラへ近付ける方向と前記繰出ローラから離れる方向とで平行移動させるステージ移動手段と、を有し、前記制御手段は、前記繰出ローラを複数枚の紙葉類の最上位の紙葉類に所定の圧力で押付ける状態を、前記ステージ移動手段によって前記ベース上の紙葉類を前記繰出ローラへ押し付けることによって実現し、さらに前記制御手段は、前記繰出ローラの前記紙葉類に対する圧力を減少させることを、前記ステージ移動手段によって前記ステージを前記繰出ローラから離れる方向へ移動させることによって実現することを特徴とする。
上記構成において、「ステージ移動手段」は、例えば、ステージを平行移動させるための機構と、その機構を動かすための動力源(例えば、電動モータ)とによって構成できる。この紙葉類繰出装置においては、紙葉類に対する繰出ローラの圧力を減少させる際に、繰出ローラがステージの移動に連れ移動する。
本発明に係る紙葉類繰出装置の第4の発明態様において、前記繰出ローラ圧力変化手段は、自身の中心線を中心として回転可能であり、しかし位置不動であるように配置された前記繰出ローラと、前記ステージを、前記繰出ローラへ近付ける方向と前記繰出ローラから離れる方向とで平行移動させるステージ移動手段と、を有し、前記制御手段は、前記繰出ローラを複数枚の紙葉類の最上位の紙葉類に所定の圧力で押付ける状態を、前記ステージ移動手段によって前記ベース上の紙葉類を前記繰出ローラへ押し付けることによって実現し、さらに前記制御手段は、前記繰出ローラの前記紙葉類に対する圧力を減少させることを、前記ステージ移動手段によって前記ステージを前記繰出ローラから離れる方向へ移動させることによって実現することを特徴とする。
この紙葉類繰出装置においては、紙葉類に対する繰出ローラの圧力を減少させる際に、ステージが移動するのに対して繰出ローラは静止状態に保持される。
本発明に係る紙葉類繰出装置の第5の発明態様において、前記繰出ローラ圧力変化手段は、前記繰出ローラを前記ベースへ近付く方向と前記ベースから離れる方向とで移動させる繰出ローラ位置移動手段を有しており、前記制御手段は、前記繰出ローラを複数枚の紙葉類の最上位の紙葉類に所定の圧力で押付ける状態を、前記ステージ移動手段によって前記ベース上の紙葉類を前記繰出ローラへ押し付けることによって実現し、さらに前記制御手段は、前記繰出ローラの前記紙葉類に対する圧力を減少させることを、前記繰出ローラ位置移動手段によって前記繰出ローラを前記ステージから離れる方向へ移動させることによって実現することを特徴とする。
上記構成において、「繰出ローラ位置移動手段」は、繰出ローラを平行移動させるための機構と、その機構を動作させる動力源(例えば、電動モータ)によって構成できる。この紙葉類繰出装置においては、紙葉類に対する繰出ローラの圧力を減少させる際に、ステージが移動するのではなく、繰出ローラが移動することになる。
本発明に係る紙葉類処理装置は、上記の本発明に係る紙葉類繰出装置と、その紙葉類繰出装置から繰り出された紙葉類を搬送する搬送部とを有することを特徴とする。この紙葉類処理装置は、紙葉類を取り扱う自動機器(例えば券売機)を構成する装置であり、紙葉類を1つの場所から他の場所へ搬送する機能を奏する装置である。
一般に、紙幣の状態は種々である。例えば、流通に入ってから間もなくてシワの無いきれいなものや、流通に入ってから時間が経ってシワが多いもの等がある。また、本発明の紙葉類繰出装置が設置される環境も種々である。最上位置の紙葉類とそれに接触する下側の紙葉類との摩擦力、又は最上位置の紙葉類とそれを載せているステージとの摩擦力と、繰出ローラによる下方への圧力との合力が、紙葉類を繰出すための繰出ローラのグリップ力と同じか、あるいはそのグリップ力よりも大きくなると、紙葉類の状態や設置環境に応じて、紙葉類の詰まり等といった繰出し不良が発生する場合がある。
本願請求項1の紙葉類繰出装置及び本願請求項6の紙葉類処理装置によれば、紙葉類の詰まり等が発生した場合に、単にステージを下降させたうえで繰出ローラを逆転するという対処をするのではなく、繰出ローラの紙葉類に対する圧力を減少させながら、前記繰出ローラの正回転を維持し続けるという新しい技術を採用した。これにより、ステージ上に複数の紙葉類が載置されている場合には、それらの紙葉類を好適にさばくことができる。また、ステージ上に1枚の紙葉類がある場合には、ステージに対する紙葉類の圧力状態や摩擦力状態を改善できる。これにより、詰まり等といった紙葉類に関する不都合を確実に解消できる。
本発明に係る紙葉類繰出装置を備えた紙葉類収納庫の一実施形態を示す正面図である。 図1の構造の一部分の要素を示す斜視図である。 図1の構造の他の一部分の要素の動作を示す図である。 図1の構造のさらに他の一部分の要素の動作を示す図である。 図1の構造のさらに他の一部分であって紙葉類繰出装置を構成する要素を示す斜視図である。 図1の紙葉類収納庫及び紙葉類繰出装置の通常の繰出動作時の状態を示す図である。 図1の紙葉類収納庫及び紙葉類繰出装置のリトライ時の状態を示す図である。 繰出動作の待機時を示す図である。 繰出動作の一次保留時の第1の状態を示す図である。 繰出動作の一次保留時の第2の状態を示す図である。 繰出動作の一次保留時の第3の状態を示す図である。 繰出動作の二次保留時の状態を示す図である。 繰出動作の収納動作の第1の状態を示す図である。 繰出動作の収納動作の第2の状態を示す図である。 制御回路の一実施形態を示すブロック図である。 図15の制御装置が行う制御の流れを示すフローチャートである。 図16のフローチャートの1つのサブルーチンを示すフローチャートである。 図16のフローチャートの他の1つのサブルーチンを示すフローチャートである。 本発明に係る紙葉類繰出装置の他の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る紙葉類繰出装置のさらに他の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る紙葉類処理装置の一実施形態を示す正面断面図である。
以下、本発明に係る紙葉類繰出装置を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。また、本明細書に添付した図面では特徴的な部分を分かり易く示すために実際のものとは異なった比率で構成要素を示す場合がある。
図1は、本発明に係る紙葉類繰出装置を用いた紙葉類収納庫の正面構造を示している。図1において、紙葉類収納庫1は、ステージ2と、搬送ベルト3と、セパレータ4と、フラッパ5と、押え板6と、繰出ユニット7とを有している。これらの各要素は直方体形状のケース8に納められている。本実施形態では、繰出ユニット7とステージ2とによって紙葉類繰出装置が構成されている。
ステージ2は、図2に示すように、開口10a,10bを備えたプラスチック製で略直方体形状の部材である。開口10a,10bは、ステージ2上に紙幣が存在するか否かを光センサによって検知する際等において活用できる。ステージ2はスライダ11によって支持されている。スライダ11は駆動ベルト12に連結されている。駆動ベルト12はステージ駆動モータ13によって駆動されて正時計方向及び反時計方向へ周回移動する。駆動ベルト12の周回移動により、スライダ11従ってステージ2はガイドロッド14に沿って図の上下方向へ直線的に移動する。
搬送ベルト3は、紙葉類の搬送方向Aに沿って長い無端で環状のベルトである。搬送ベルト3は紙葉類としての紙幣Mの幅方向に関して2つ設けられている。これらの搬送ベルト3は正確に同期して矢印B-B’方向へ周回移動する。
図8は図1の矢印Yに従って紙葉類収納庫1の幅方向(図8の左右方向)に関する内部構造を示している。図8に示すように、セパレータ4は紙葉類収納庫1の幅方向に関して2つ設けられている。セパレータ4は、図3に示すように、紙葉類搬送方向Aに沿って長い部材である。セパレータ4の入金口18側の端部4aは広い面積の矩形状に形成されている。また、セパレータ4の中央部分4bは細くなっている。
セパレータ4の奥側(図3の右側)の端部は、揺動アーム19に連結している。揺動アーム19は支点20を中心として回動自在である。揺動アーム19の他端には電磁ソレノイド21の出力ロッドが接続されている。電磁ソレノイド21がONすると、揺動アーム19が下方へ回動し、その結果、セパレータ4が鎖線で示す下方位置へ平行移動する。
フラッパ5は、図8に示すように、紙葉類収納庫1の幅方向(図8の左右方向)に関して2つ設けられている。フラッパ5は図4において、支点22を中心として回動可能である。フラッパ5は、図示しないバネによって付勢されており、自然状態において水平状態にある。フラッパ5の先端に矢印Cのように力が加わると、フラッパ5は図示しないバネのバネ力に抗して矢印D方向へ回動する。力Cが無くなると、フラッパ5はバネ力のために矢印D’のように水平状態に戻る。
押え板6は図8に示すように紙葉類収納庫1の幅方向(図8の左右方向)に関して広い幅を有している。押え板6は図3においてその奥側端部がガイドロッド25に嵌合している。押え板6はガイドロッド25に沿って上下移動可能である。押え板6は自然状態において自重によって降下する。押え板6の下に何等かの物があれば、押え板6はその物を自重で押した状態で停止する。図8に示す状況では押え板6はフラッパ5に載っている。
図1に示す繰出ユニット7は、図5に示すように、支持体26と、支持体26に支持された繰出ローラ27とを有している。支持体26は駆動軸28によってケース8(図1)に回動可能に支持されている。駆動軸28は駆動ベルト29を介して繰出ローラ駆動モータ32に連結されている。繰出ローラ駆動モータ32が作動すると駆動軸28が自身の中心線X0を中心として回転する。駆動軸28は伝動ベルト33を介して繰出ローラ27に連結されている。駆動軸28が回転すると繰出ローラ27が回転する。繰出ローラ27は矢印E方向へ正転でき、あるいは矢印F方向へ逆転できる。正転Eは紙葉類としての紙幣を紙葉類収納庫1の外へ繰出す方向である。逆転Fは紙幣を紙葉類収納庫1の内部へ戻す方向である。駆動軸28の内部にはバネ34が設けられている。バネ34は支持体26を駆動軸28を中心として矢印Gで示す下方向へ弾性的に付勢する。これにより、繰出ローラ27も矢印G方向へ回動するように弾性的に付勢されている。
図3に示すように、繰出ユニット7の支持体26に検知片35が設けられている。支持体26と検知片35は一体である。検知片35の近傍に揺動センサ38が設けられている。揺動センサ38はケース8に固定されていて位置不動である。揺動センサ38は検知片35によって遮光されたときに繰出ローラ27が所定の繰出位置にセットされたことを示すON信号を出力する。揺動センサ38は検知片35によって遮光されていないとき(すなわち透光状態のとき)、OFF信号を出力する。
図1において紙葉類収納庫1の下部に設けた入金口18の外側の近傍に導入ローラ39が設けられている。紙葉類収納庫1の上部に出金口40が設けられている。この出金口40の内側の近傍に分離ユニット41が設けられている。分離ユニット41は、回転する分離ローラ41aと、回転しない円筒部材41bとによって構成されている。円筒部材41bは、ワンウェイクラッチによって一方方向だけに回転可能になっているローラに代えることもできる。
出金口40の外側の近傍に繰出検知センサ44が設けられている。繰出検知センサ44の下流側にピンチローラ45及び押えローラ46が設けられている。これらのローラ45,46は互いに所定の圧力で押し付け合っている。
ステージ2は、図1に示す第1位置P1と、図6に示す第2位置P2と、図12に示す第3位置P3といった3つの位置をとることができる。ステージ2の第1位置P1は、図1に示すように、ステージ2の上面が搬送ベルト3よりも下になる位置である。ステージ2の第2位置P2は、図6に示すように、ステージ2の上面に置かれた紙幣を繰出ローラ27へ押し付けることができる位置である。ステージ2の第3位置P3は、図12に示すように、ステージ2の上面がセパレータ4よりも上であって、しかしフラッパ5の上にはならない位置である。
図1において、紙葉類収納庫1の奥側(図1の右側)に少なくとも2つの位置センサ47a,47bが設けられている。センサ47aはステージ2の第1位置P1を規定するためのセンサである。センサ47bはステージ2の第3位置P3(図12)を規定するためのセンサである。ステージ2の第2位置P2(図6)は繰出ユニット7の揺動センサ38によって規定される。
(制御装置)
図15は本実施形態の紙葉類収納庫1で用いる制御回路を示している。この制御回路は、制御装置50を有している。制御装置50はコンピュータ、シーケンサ等によって構成される。制御装置50は、繰出処理の全般の動作を制御する繰出演算部51と、紙幣の詰まりを解消するための第1リトライ演算部52と、紙幣の詰まりを解消するための第2リトライ演算部53と、メモリ54とを有している。
繰出演算部51、第1リトライ演算部52、及び第2リトライ演算部53は、例えばコンピュータの演算処理部によって構成される。メモリ54は、例えば半導体メモリ等といった内部メモリや、ハードディスク等といった外部メモリによって構成される。制御装置50の入力端子には、揺動センサ38(図1)、繰出検知センサ44(図1)、及び位置センサ47a,47b(図1)の各種入力機器が接続されている。制御装置50の出力端子には、セパレータ4駆動用の電磁ソレノイド21(図3)、ステージ2駆動用のステージ駆動モータ13(図2)、及び繰出ローラ27駆動用の繰出ローラ駆動モータ32(図5)の各種出力機器が接続されている。
本実施形態では、本発明の「繰出ローラ回転駆動手段」は、図5の駆動軸28、駆動ベルト29、及び繰出ローラ駆動モータ32によって構成されている。「繰出ローラ圧力変化手段」は、図2のステージ2、スライダ11、駆動ベルト12、及びステージ駆動モータ13によって構成されている。「制御手段」は図15の制御装置50によって構成されている。
(動作)
以下、上記構成より成る紙葉類収納庫1の動作について説明する。図1の紙葉類収納庫1の下部に入金口18及び搬送ベルト3が設けられている。図8にも示すように、搬送ベルト3とセパレータ4との間の空間が初期保留部Jである。セパレータ4とフラッパ5との間の空間が保留部Qである。保留部Qの上方の空間領域が紙幣収納部Sである。繰出ローラ27は紙幣収納部Sの上部領域に設けられている。
庫内領域内において、保留すべき紙幣を保留しておくための保留部Qが下段に設けられている。取引が確定した紙幣を収納するための紙幣収納部Sが中段に設けられている。そして、紙葉類としての紙幣を払い出すための繰出ローラ27が上段に設けられている。これ以降、第1の入金動作である紙幣の一次保留のための動作、第2の入金動作である紙幣の二次保留のための動作、第3の入金動作である紙幣の収納動作、そして出金動作である紙幣の繰出動作の各動作を順次に説明する。
(紙幣の一次保留)
図1において、導入ローラ39によって入金口18に紙葉類としての紙幣Mが導入されると、搬送ベルト3によって紙幣Mが庫内領域の内部の底部へ導入される。そして紙幣Mは搬送ベルト3の上に静止する(図9参照)。導入された紙幣Mの待機状態は、図1及び図9に示すように、ステージ2が第1位置P1にあり、ステージ2の上面が搬送ベルト3の上走行部よりも下方位置にあり、セパレータ4下面が搬送ベルト3の上走行部よりも上方位置にある、という状態である。このとき、搬送ベルト3とセパレータ4との間の空間が紙幣のための初期保留部Jとして機能する。
図9において1枚目の紙幣Mが搬送ベルト3の上走行部に送り込まれた後、セパレータ4が長手方向(図9の紙面を貫通する方向)の紙幣端部を叩くように下降して紙幣Mの下側へ入る。次に、セパレータ4は、紙幣Mを自身の上面側に載せた状態で上昇する。こうして、図10に示すように、紙幣Mが保留部Q内に保留される。
次に、2枚目の紙幣M2が搬送ベルト3とセパレータ4の下面との間の空間内、すなわち初期保留部J内へ送り込まれる。次に、図9に示したセパレータ4の下降動作及び上昇動作を行う。これにより、2枚目の紙幣M2が保留部Q内へ持ち上げられて、1枚目の紙幣Mに接触する。これ以降、図1の入金口18へ複数の紙幣が順次に送り込まれるたびに同じ動作が繰り返されて、図11に示すように、保留部Q内に保留されている紙幣Mに追加の紙幣が順次に集積されて行く。これにより保留部Q内に複数枚の紙幣が保留される。以上が一次保留の動作である。
本実施形態において、保留部Qに収容できる紙幣の最大枚数、すなわち最大保留枚数は、20枚に設定されている。これは、図1の入金口18の前段に設置される搬送部(図示せず)において搬送可能な最大束搬送枚数が20枚であることに対応して決められたものである。
なお、「一時保留」は、客が入金を行ってから取引が確定するまでの間に行われる保留である。「取引の確定」とは、例えば、客によって取引開始ボタン(例えば本紙葉類収納庫が適用される券売機の取引開始ボタン)が押され、種々の取引条件が入力され、最後に取引対象物が客に提供された状態である。取引開始ボタンが押されても、途中で客から取消しの意思表示があった場合には、取引は確定しない。
(取引の取消しに対応した動作)
本実施形態の紙葉類収納庫1を例えば券売機に使用する場合には、客は入金した後、取引の確定を指示する前に、取引の取消しの意思表示を行うときがある。例えば券売機等の接客面内の所定の場所に設けられた取引取消ボタンをオン操作する場合がある。この場合には、図11に示す一次保留状態においてセパレータ4が図9の鎖線で示すように下方へ下がる。これにより紙幣が搬送ベルト3の上走行部に載る。次に、図1において搬送ベルト3、導入ローラ39を紙幣導入方向と逆の方向へ作動させる。これにより、保留部Q内に束の状態で保留されていた紙幣を束の状態のまま入金口18(この場合は返却口)へ向けて送り出す。こうして送り出された紙幣束は客に返却される。
(紙幣の二次保留)
「二次保留」は、順番が先の客が取引を確定した後、次の客による入金が行われるまでの間に行われる保留である。取引対象物品の客への提供により取引が確定した場合には、図12に示すように、ステージ2が図11に示す第1位置P1から図12に示す第3位置P3へわずかに上がる。すなわち、一次保留されていた紙幣Mがテージ2の上面板に載った状態で上方へ移動する。第3位置P3にある紙幣が二次保留状態にある紙幣である。
図12において、ケース8の正面の下部に一次保留扉9が設けられている。この一次保留扉9は鍵をかけることにより開くことができないようにすることができる。図11に示す一次保管状態においては、一次保留扉9の鍵を解除して扉9を開けば、紙幣Mを外部へ取り出すことができる。一方、図12に示す二次保留状態においては、一次保留扉9の鍵を解除して扉9を開いても、紙幣に触れることはできない。従って、二次保留状態においては紙幣の外部への抜き取りができない。こうして、客が取引を確定した後は、投入した紙幣が取り戻せない状態となる。
(紙幣の収納動作)
本紙葉類収納庫1を券売機に適用した場合を考えることにする。この場合、順番が先の客によって取引が確定され、さらに取引を実行するための所定の処理(例えば、つり銭の演算処理やつり銭の払出し処理等)が行われた後、次の客によって購入動作が開始されると(例えば入金が行われると)、図12において紙幣Mを紙幣収納部Sへ収納するための動作である紙幣収納動作が開始される。
紙幣収納動作が開始される前の状態は、図13に示すように、紙幣収納部S内に既に複数枚の紙幣Mが積載されており、その上に押え板6が位置し、入金された紙幣M3が保留部Q内に保留されている。紙幣収納動作が開始されると、まず、ステージ2が図11の第1位置P1から図12の第3位置P3へと上昇する。すなわち、ステージ2が保留部Qの範囲内でわずかに上昇する。
次に、図13及び図14に示すように、フラッパ5の上面が水平状態にあるステージ2の上面板よりも所定距離だけ上に上がるまで、ステージ2が持上げられる。これにより、紙幣がフラッパ5の上面板よりも上方へ持ち上げられる。
ステージ2が図12に示す第3位置P3から所定距離の持上げ位置まで上昇する際、ステージ2上の紙幣はフラッパ5の上面板を押し上げながら上昇する。すなわち、ステージ2上の紙幣は、ストッパ5の上面板を上方へ押し広げて開き移動させながら庫内領域を上昇する。そして、ステージ2は、図14に示すように、移動するフラッパ5の上面板から離れることができる所定距離まで持ち上げられる。
ステージ2が所定距離の上方位置まで持ち上がると、紙幣によるフラッパ5の上面板への押上力が解除される。すると、フラッパ5はバネ力等といった弾性力又は自重によって水平位置まで戻る。次に、ステージ2は、初期位置である最下位位置へ下がる。これにより、紙幣はフラッパ5の上面板の上方領域である紙幣収納部Sに収納される。こうして、新しく収納した紙幣が既に収納されていた紙幣の下に追加的に集積される。
図21は、紙葉類(例えば紙幣)を取り扱う自動機器である券売機の構成要素の1つである紙葉類処理装置60を示している。この紙葉類処理装置60は紙葉類を1つの場所から他の場所へ搬送する機能を有する装置である。本実施形態の紙葉類収納庫1を券売機の紙葉類処理装置60(図21参照)の万円収納庫113a、千円収納庫113b、及び補充回収庫114として使用する場合を考えれば、これらの収納庫及び回収庫の目標収納枚数が500枚である。また、本実施形態の紙葉類収納庫1を券売機60の2千円/5千円収納庫113cとして使用する場合を考えれば、この収納庫の目標収納枚数が200枚である。従って、紙幣収納部Sは少なくともそれらの目標収納枚数の紙幣Mを収容できる高さを持った空間領域である。
本実施形態では、図11の保留部Q内の紙幣Mを紙幣収納部S内へ移動させるとき、既に紙幣収納部S内に置かれている紙幣M(図13参照)と、これから紙幣収納部Sへ収納しようとしている紙幣とを、一旦、ステージ2によって所定距離だけフラッパ5の上方へ持ち上げる。そしてその後に、ステージ2をフラッパ5の下方へ降下させて、紙幣をフラッパ5の上面板の上に置く。これにより、紙幣が紙幣収納部Sの底部に置かれる。
従って、本実施形態において紙幣収納部S内に500枚、200枚等といった目標枚数の紙幣を収納しようとするならば、紙幣収納部Sの高さは、それらの目標枚数分の高さに加えて、収納動作のために必要とされるステージ2の持上げ高さを加えた高さにする必要がある。
(紙幣の繰出動作)
以上のようにして紙幣収納部S内に紙幣が収納された後、収納庫1から紙幣を取り出すタイミングが到来すると(図16のステップS2)、ステージ2が図6の第2位置P2へ上昇する(図16のステップS3~S5)。これにより、紙幣のうちの最上位置の紙幣が紙葉類繰出手段としての下方に向けて付勢されている繰出ローラ27に所定の圧力で当接する。
ステージ2上に載置されている紙幣の枚数が変動してもその紙幣を一定の圧力で繰出ローラ27に当接させるため、本実施形態では、紙幣の最上位置のものを検知するための揺動センサ38を繰出ローラ27の近傍に配置している。この揺動センサ38によって最上位置の紙幣を検出し、その検出結果に基づいてステージ2を常に正確に第2位置P2へセットできるようにしている。
ステージ2が第2位置P2にセットされて、紙幣の最上位置のものが繰出ローラ27に当接すると、その繰出ローラ27が紙幣を搬送する回転である正転を行う(図16のステップS6)。この正転により、最上位の紙幣が図1の出金口40へ向けて繰り出される。この繰出しによってステージ2上の紙幣が減少すると、紙幣の繰出ローラ27に対する圧力を一定に保持するために、ステージ2が上昇移動する(図16のステップS7でYES、ステップS3~S5)。こうして、ステージ2の上に収納されている紙幣は、ステージ2と繰出ローラ27との協働によって収納庫1の外部へ送り出される。
なお、図6において、繰出ローラ27によって繰出された紙幣が複数枚重なっている場合には、互いに圧力状態で当接している分離ローラ41aと円筒部材41bとの働きにより、最上位の1枚が分離される。そして、分離された1枚の紙幣がピンチローラ45や押えローラ46による機構で引き出されて、後段の紙幣搬送部(図示せず)へ繰り出される。
繰出ローラ27及び回転する分離ローラ41aの紙幣搬送速度は後段の搬送部における紙幣搬送速度よりも遅くなるように設定されている。ピンチローラ45の紙幣搬送速度は後段の搬送部における紙幣搬送速度と同じになっている。この速度設定により、紙幣の繰出が安定して円滑に行われる。ステージ2が移動する際、押え板6はステージ2と協働して紙幣Mを挟んだ状態でステージ2と一緒に移動する。なお、全ての紙幣が繰出された状態では押え板6は図1に示すようにフラッパ5の上に位置する。
本実施形態においては、最上位置の紙幣を繰出ローラ27に所定の圧力で当接させる位置は、具体的には揺動センサ38のON(遮光)によって検出する(図16のステップS4でYES)。図15の制御装置50は揺動センサ38の遮光検出によるON信号の入力で、ステージ2の駆動手段である図2のステージ駆動モータ13を停止させる(ステップS5)。これにより、ステージ2が第2位置P2で停止する。このステージ2の停止位置は予め行った動作確認により決定した繰出しに最適な位置である。
次に制御装置50は、図5の繰出ローラ27の駆動源である繰出ローラ駆動モータ32を制御して、繰出ローラ27を正転させる。すなわち制御装置50は、繰出ローラ27を紙幣を繰出す方向への回転させる(図16のステップS6)。また、制御装置50は、図1において繰出ローラ27の近傍に配置された繰出検知センサ44の遮光(ON)を監視する(図16のステップS8)。すなわち制御装置50は繰出検知センサ44のONを検知するためのタイマをセットする。
繰出検知センサ44のON(遮光)信号が所定時間(本実施形態では2秒)経過するまでに検出されれば正常動作として監視を終了させ、繰出枚数を確認する(図16のステップS9)。繰出枚数が完了した場合には繰出の動作を終了する(図16のステップS9でYES)。操出枚数に到達していない場合には、検出紙幣の繰出ローラ27に対する圧力を一定に保持するためまでの動作に戻り(図16のステップS9,S4)、繰出の動作を継続する。
(紙幣の繰出処理におけるリトライ処理)
繰出検知センサ44の監視に戻って、繰出検知センサ44のON(遮光)信号が所定時間経過するまでに検出されなかった場合(図16のステップS8でNO)、本発明の第2の制御工程である第1リトライ処理に移行する(ステップS10)。第1リトライ処理においては、まず、図17のステップS32において繰出ローラ27を逆転させる。すなわち、紙幣を繰出し方向とは反対側に移動させる。
そして同時に、制御装置50は、ステージ2を二次保留位置である図12の第3位置P3まで下げる(ステップS33、S34でYES、S35)。すなわち、制御装置50は、ステージ2を繰出ローラ27から離す(すなわち離隔させる)ことにより、ステージ2上の紙幣Mを繰出ローラ27から離す(すなわち離隔させる)。これは、繰出しにより紙幣の端部がずれてうまく繰出せない状態を解除して、その端部を揃えたり、最上位の紙幣の繰出ローラ27の接触位置を変更したりするためである。
次に、制御装置50は、ステージ2を再び図6の第2位置P2へと上昇させる(ステップS35、S36、S37)。この第2位置P2は、紙幣のうちの最上位置の紙幣を紙葉類繰出手段としての繰出ローラ27に所定の圧力で当接させる位置である。以上が第1リトライ処理(本発明の第2の制御工程)である。この第1リトライ処理により繰出検知センサ44からON(遮光)信号が出力された場合には通常の処理に戻る(図16のステップS12でYES)。
1回の第1リトライ処理で繰出検知センサ44がON(遮光)しない場合には(図16のステップS12でNO)、所定回数(本実施形態では3回)の第1リトライ処理を繰り返し(ステップS13)、それでも繰出検知センサ44のON(遮光)が所定時間経過するまでに検出されなかった場合は、本発明の第1の制御工程である第2リトライ処理へ移行する(図16のステップS13でNO、S14)。
第2リトライ処理に進むと、図18のステップS42、S43、S44、S45において、図7の繰出ローラ27を正転させながら揺動センサ38がOFF(透光)するまでステージ2を下げる。次に、制御装置50は、ステージ2を第2位置P2(図6)へと再び上昇させる(ステップS45、S46、S47)。ステージ2の第2位置P2は、紙幣のうちの最上位置の紙幣を繰出ローラ27に所定の圧力で当接させる位置である。以上の処理が第2のリトライ処理(本発明の第1の制御工程)である。
上記の手順において、揺動センサ38がON(遮光)状態からOFF(透光)状態になるまでの時間、すなわちステージ2が第2リトライ処理(第1の制御工程)のために下降する距離は、第1リトライ処理(第2の制御工程)において最上位の紙幣を繰出ローラから離隔させるためにステージ2が下降する距離に比べて小さい距離である。
ところで、紙幣の状態は種々である。例えば、流通に入ってから間もなくてシワの無いきれいなものや、流通に入ってから時間が経ってシワが多いもの等がある。また、本実施形態の紙葉類収納庫1の設置環境も種々である。他方、繰出ローラ27がステージ2上の紙幣を押圧するときには、その繰出ローラ27によって最上位置の紙幣に対して操出し方向への力が生じると共に、複数の紙幣間及び紙幣とステージ2との間に摩擦力が生じる。これらの摩擦力は繰出ローラ27が紙幣を繰出す力に対して反対方向に働く力となる。繰出ローラ27による紙幣の繰出し力がそれと反対方向に働く力よりも大きい場合には紙幣が正常に繰出されるが、紙幣の状態や収納庫の設置環境の状況に応じて、繰出ローラ27による紙幣の繰出し力がそれと反対方向に働く力につり合ってしまったり、繰出ローラ27による紙幣の繰出し力がそれと反対方向に働く力よりもわずかに小さくなってしまう場合が生じることがある。このような場合には、繰出ローラ27の近傍において紙幣の詰まりが生じて紙幣を正常に繰出すことができなくなるおそれがある。
このような場合に、繰出ローラ27を紙幣の繰出し方向へ回転(すなわち正転)させながらステージ2を繰出ローラ27から離れる方向へ移動させれば、繰出ローラ27の下方への圧力を変化(具体的には減少)させることができ、さらに繰出ローラ27自体の紙幣に対する接触位置の変化や摩擦力の変化を誘起させることができる。その結果、紙幣の詰まりを生じさせている力のバランスを適正に崩すことができ、紙幣の繰出し不良を解消することができる。このように力のバランスを適正に崩すことは、ステージ2を繰出ローラ27に対して必要以上に大きく移動させる必要は無い。本発明者の実験によれば、ステージ2を最大で4~6mm程度、繰出ローラ27から離すことにより、紙幣の紙詰まり等といった紙幣の繰出し不良を解消できた。
図18に示す第2リトライ処理(第1の制御工程)の結果、図16のステップS16で繰出検知センサ44がON(遮光)になった場合(ステップS16でYES)には、繰出ローラ27を停止させた後、通常の処理に戻る。1回の第2リトライ処理で繰出検知センサ44がON(遮光)しない場合には、所定回数(本実施形態では6回)の第2リトライ処理を繰り返し(図16のステップS15、S16、S17)、それでも繰出検知センサ44のON(遮光)が所定時間が経過するまでに検出されない場合は、装置異常とする(ステップS18)。
なお、第1リトライ処理(第2の制御工程)及び第2リトライ処理(第1の制御工程)の回数や順番については適宜に変更しても良い。また、そのような変更は動作の種類(例えば、図5のバネ34のバネ圧を変更したり、揺動センサ38がON(遮光)状態からOFF(透光)状態になるまでの時間を変更したりする場合等)によって変更しても良い。
(紙葉類繰出装置のその他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
(第1例)
例えば、本発明では「第2リトライ処理(本発明の第1の制御工程)において、繰出ローラの紙葉類に対する圧力を減少させながら、その繰出ローラを正回転させる」ことを特徴としている。本明細書によって説明した上記の実施形態では、図5に示すように繰出ローラ27を支持する支持体26が駆動軸28を中心として揺動する構成の繰出ユニット7を、図7のように紙葉類収納庫1の上部に固定状態で配置し、この繰出ローラ27に対してステージ2を降下させることにより、繰出ローラ27の紙葉類Mに対する圧力を減少させるようにした。
この実施形態では、通常の紙幣繰出動作時にはバネ付勢された支持体26によって繰出ローラ27が紙幣上面に所定圧力で当接し、第2リトライ時にステージ2が下方へ移動したときには、繰出ローラ27は支持体26の揺動によってステージ2と連れ移動する。
このような実施形態に代えて、図5において支持体26が駆動軸28に対して揺動しない構成、すなわち繰出ローラ27が図1において上下方向へ揺動しないで位置不動に保持される構成を採用できる。この実施形態では、第2リトライ時にステージ2だけが下方へ移動するだけで、下方へ移動するステージ2に対して繰出ローラ27は連れ移動しない。
(第2例)
図5に示した繰出ユニット7に代えて図19に示すような繰出ユニット57を用いることが可能である。この繰出ユニット57では、繰出ユニット57を支持する支持体56は揺動しない構成であり、支持体56の全体がガイドロッド58に沿って平行移動する構成になっている。この実施形態では、繰出ユニット56の全体を図7のステージ2上の紙幣Mから離れる方向(図19では上方向)に移動させることにより、繰出ローラ27の紙葉類Mに対する圧力を減少させることができる。
(第3例)
さらに、図5の繰出ユニット7に代えて図20に示すような繰出ユニット67を用いることが可能である。この繰出ユニット67では、先端の支持体66bが支持体本体66aに対してL-L線で示すように揺動可能になっている。また、支持体本体66aがガイドロッド68に沿って平行移動する構成になっている。この実施形態では、繰出ローラ27と図7のステージ2との両方を移動させることにより、繰出ローラ27の紙葉類Mに対する圧力を減少させることができる。
(紙葉類処理装置の一実施形態)
図21は本発明に係る紙葉類処理装置の一実施形態を示している。ここに示す紙葉類処理装置60は、図1に示した本発明に係る紙葉類収納庫1を使用している。図21では、紙葉類を取り扱う自動機器である券売機の主要部である紙葉類処理装置60を示している。この紙葉類処理装置60は紙葉類である紙幣を1つの場所から他の場所へ搬送する機能を有する装置である。図21は、紙葉類処理装置60において出金及び出金リジェクト処理を行う際の紙幣の動きを太い矢印によって示している。リジェクトとは、不適正な紙幣を返却することである。
紙葉類処理装置60においてつり銭の金額は、投入された貨幣の金額と購入する物品の金額との差額によって決まる。つり札は、つり銭の金額に応じて必要金種の札によって決められる。つり札は図21において出金口104を通して外部へ払い出される。
各金種の収納庫113a,113b,113cが本発明に係る紙葉類繰出装置を備えた紙葉類収納庫、例えば図1に示す紙葉類収納庫1によって形成されている。各金種の収納庫113a,113b,113c内の紙幣収納部Sの上方位置に紙幣繰出部Rが設けられている。つり札は、該当金額の紙幣繰出部Rによって1枚ずつ搬送路へ繰り出され、識別部110によって金種が識別され、さらに制御部の演算処理により金額が計算され、出金部105へ搬送される。
出金部105において紙幣の保留が完了すると、その紙幣が出金口104を通して一括で払い出される。識別部110で識別できなかった紙幣は、出金リジェクト庫118aへ搬送される。一括で払い出された紙幣は、出金口104にて抜取り待機状態で保持される。一定時間内に客による紙幣の抜取りが行われない場合には、その紙幣を取忘れ回収庫118cに取り込んで回収する。
本実施形態において、各金種の収納庫113a,113b,113cが、例えば図1に示す紙葉類収納庫1によって形成されている。そして、図21の各収納庫における紙幣繰出部Rが本発明に係る紙葉類繰出装置によって形成されている。そして、各収納庫113a,113b,113cの間に紙幣の搬送部が設置されている。この搬送部は、駆動ローラと従動ローラとの間に掛け渡された複数のベルトや、ベルトによる紙幣の搬送路を切換える爪部材等によって形成されている。
また、紙葉類処理装置60において、補給及び補給リジェクト処理を行う。前述した各金種の収納庫へ補給回収庫114に収納された札を補給する。補給リジェクトとは、不適正な紙幣を収納庫へ補給せず別の場所へ収納する。本実施形態において、補給回収庫114も、例えば図1に示す紙葉類収納庫1によって形成されている。そして、図21の補給回収庫114における紙幣操出部Rが本発明に係る紙葉類繰出装置によって形成されている。
本発明に係る紙葉類繰出装置を用いれば、紙葉類収納庫の中で紙幣を詰まらせること無く安定して連続的に紙幣を収納庫の中から外部の紙幣搬送部へ繰り出すことができるので、各収納庫間での紙幣の搬送を中断させることなく安定して連続的に行うことができる。
1:紙葉類収納庫、2:ステージ(紙葉類繰出装置)、3:搬送ベルト、4:セパレータ、4a:入金口側の端部、4b:中央部分、5:フラッパ、6:押え板、7:操出ユニット(紙葉類繰出装置)、8.ケース、9.一時保留扉、10a,10b:開口、11:スライダ、12:駆動ベルト、13:ステージ駆動モータ、14:ガイドロッド、18:入金口、19:揺動アーム、20:支点、21:電磁ソレノイド、22:支点、25:ガイドロッド、26:支持体、27:操出ローラ、28:駆動軸、29:駆動ベルト、32:操出ローラ駆動モータ(操出ローラ回転駆動手段)、33:伝動ベルト、34:バネ、35:検知片、38:揺動センサ、39:導入ローラ、40:出金口、41:分離ユニット、41a:回転する分離ローラ、41b:回転しない円筒部材、44:操出検知センサ、45:ピンチローラ、46:押えローラ、47a,47b,47c:位置センサ、50:制御装置、51:操出演算部、52:第1リトライ演算部、53:第2リトライ演算部、54:メモリ、56:支持体、57:操出ユニット、58:ガイドロッド、60:紙葉類処理装置、66a:支持体本体、66b:先端の支持体、67:操出ユニット、68:ガイドロッド、P1:第1位置、P2:第2位置、P3:第3位置、J:初期保留部、Q:保留部、S:紙幣収納部

Claims (6)

  1. 複数枚の紙葉類が積み重なった状態で載せられるステージと、
    前記積み重なった状態の複数枚の紙葉類のうちの最上位の紙葉類に当接する繰出ローラと、
    前記繰出ローラを自身の中心線を中心として回転させる繰出ローラ回転駆動手段と、
    前記繰出ローラの前記紙葉類に対する圧力を変化させる繰出ローラ圧力変化手段と、
    前記繰出ローラ回転駆動手段の動作及び前記繰出ローラ圧力変化手段の動作を制御する制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記繰出ローラを複数枚の紙葉類の最上位の紙葉類に所定の圧力で押付けた状態で、その繰出ローラを前記繰出ローラ回転駆動手段によって紙葉類の繰出方向へ正転させ、この繰出ローラの正転によって最上位の紙葉類を繰出す制御を行う
    紙葉類繰出装置において、
    前記制御手段は、前記繰出ローラ圧力変化手段によって前記繰出ローラの前記紙葉類に対する圧力を減少させながら、前記繰出ローラ回転駆動手段によって前記繰出ローラを正回転させる第1の制御工程を有する
    ことを特徴とする紙葉類繰出装置。
  2. 前記ステージを、前記繰出ローラから離隔させるステージ離隔手段を有しており、
    前記制御手段は、前記繰出ローラ回転駆動手段によって前記繰出ローラを逆転させ、同時に前記ステージ離隔手段によって前記ステージを前記繰出ローラから離隔させることにより前記ステージ上の紙葉類を前記繰出ローラから離隔させる第2の制御工程を有することを特徴とする請求項1記載の紙葉類繰出装置。
  3. 前記繰出ローラ圧力変化手段は、
    前記繰出ローラを回転自在に支持する支持体と、
    この支持体を前記ステージへ向けて弾性的に付勢するバネと、
    前記ステージを、前記繰出ローラへ近付ける方向と前記繰出ローラから離れる方向とで平行移動させるステージ移動手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記繰出ローラを複数枚の紙葉類の最上位の紙葉類に所定の圧力で押付ける状態を、前記ステージ移動手段によって前記ベース上の紙葉類を前記繰出ローラへ押し付けることによって実現し、さらに
    前記制御手段は、前記繰出ローラの前記紙葉類に対する圧力を減少させることを、前記ステージ移動手段によって前記ステージを前記繰出ローラから離れる方向へ移動させることによって実現する
    ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類繰出装置。
  4. 前記繰出ローラ圧力変化手段は、
    自身の中心線を中心として回転可能であり、しかし位置不動であるように配置された前記繰出ローラと、
    前記ステージを、前記繰出ローラへ近付ける方向と前記繰出ローラから離れる方向とで平行移動させるステージ移動手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記繰出ローラを複数枚の紙葉類の最上位の紙葉類に所定の圧力で押付ける状態を、前記ステージ移動手段によって前記ベース上の紙葉類を前記繰出ローラへ押し付けることによって実現し、さらに
    前記制御手段は、前記繰出ローラの前記紙葉類に対する圧力を減少させることを、前記ステージ移動手段によって前記ステージを前記繰出ローラから離れる方向へ移動させることによって実現する
    ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類繰出装置。
  5. 前記繰出ローラ圧力変化手段は、前記繰出ローラを前記ベースへ近付く方向と前記ベースから離れる方向とで移動させる繰出ローラ位置移動手段を有しており、
    前記制御手段は、前記繰出ローラを複数枚の紙葉類の最上位の紙葉類に所定の圧力で押付ける状態を、前記ステージ移動手段によって前記ベース上の紙葉類を前記繰出ローラへ押し付けることによって実現し、さらに
    前記制御手段は、前記繰出ローラの前記紙葉類に対する圧力を減少させることを、前記繰出ローラ位置移動手段によって前記繰出ローラを前記ステージから離れる方向へ移動させることによって実現する
    ことを特徴とする請求項1記載の紙葉類繰出装置。
  6. 請求項1記載の紙葉類繰出装置と、
    前記紙葉類繰出装置から繰り出された紙葉類を搬送する搬送部と、
    を有することを特徴とする紙葉類処理装置。
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