JP5791464B2 - 紙幣保留分離機構とこれを用いた還流式紙幣処理装置 - Google Patents
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出金保留部115では、還流式金庫112から一枚ずつ繰出し搬送されてきた複数枚の紙幣を一旦保留して堆積し、払出し口117から紙幣束として一括して払い出す。
このため、部品点数が増大して装置構成が大型化するという問題があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、出金専用の保留部を入金保留部とは別個に設けることにより発生する部品点数の増大と、それによる装置構成の大型化を解消するために、出金用の保留部と入金保留部とを一体的に構成した紙幣保留分離機構とこれを用いた還流式紙幣処理装置を提供することを目的としている。
図1は本発明の還流式紙幣処理装置において保留分離部(紙幣保留分離機構)が入金された紙幣を保留する際の状態を示す概略説明図であり、図2は保留分離部に保留された紙幣束から一枚ずつ紙幣を識別部に向けて搬送する際の状態を示す概略説明図であり、図3は還流式金庫から出金されてきた紙幣を保留分離部に保留する状態を示す概略説明図であり、図4は図3において保留分離部に保留された紙幣を入出金部から機外へ払い出す状態を示す概略説明図である。
制御手段20からの制御によって各ローラ、ベルト、ソレノイド、ゲート、モータ等を切り替え駆動することにより、所定のタイミングにて上記の各機能を実現する。
保留分離部9から送られてきた紙幣を識別部11にて金種等を判定した後、制御手段20は搬送駆動機構を駆動して当該両紙幣を下流側へ搬送し、金種別に仕分けて対応する金庫へ収納する。
また、本発明の他の特徴的な構成は、制御手段20が、還流式金庫15から釣銭として一枚ずつ送出されてきた紙幣P2を識別部11を含む搬送経路7を経由して保留分離部9に順次逆搬送して堆積してから紙幣束Pを一括して入出金部5に搬送して機外に排出するように制御する点にある。
このように本発明では、一つの保留分離部9によって入金保留機能と出金保留機能を発揮できるようにしたので、出金専用の保留部を入金保留部とは別個に設けることにより発生する部品点数の増大と、それによる装置構成の大型化を防止することができる。
保留分離部9は、紙幣(束)を上面に載置する下テーブル(バックアッププレート31、揺動テーブル35)30と、下テーブル30(バックアッププレート31)の下流端部(図面右端部)を上向きに付勢する弾性部材49と、下テーブル30の上方に配置され、回動軸(上回動軸)51を中心として上下方向へシーソー式に揺動可能に支持された上ガイド部材50と、図示しない固定部に一端を支持されて上ガイド部材50の回動軸51よりも下流側(図面右側)を上向きに付勢するバネ52と、図示しないモータからの駆動力によって回転することによりバネ52に抗して上ガイド部材50の下流端部を押し下げる突起状のカム部53aを有したカム部材(上ガイド部材駆動機構)53と、上ガイド部材50の上方に配置され、上ガイド部材に形成された開口50aから紙幣収納空間S内に下部を突出させることができ、且つ下テーブル30上の紙幣上面に接して下流方向へ回転することにより紙幣を下流側へ送出する繰出しローラ60と、繰出しローラの下流側に配置され、紙幣を一枚ずつ分離して搬送経路へと送出する分離ローラ対62(フリクションローラ63、ストップローラ64)と、繰出しローラ60の上流側に配置されて上ガイド部材50に形成された開口50b、50c(図6(b))から紙幣収納空間S内に下部を突出させる搬送ローラ65、66と、繰出しローラ60、搬送ローラ65、66を回転駆動する個別の、又は共通の駆動源(モータ)と、下テーブル30を昇降動作させるモータ、ローラ、ベルト、ソレノイド等の下テーブル駆動機構と、を備えている。
下テーブル30は、上流側端縁から下流に向けて延びる細長い矩形の切欠き部31aを有した略コ字状のバックアッププレート31と、切欠き部31a内に嵌合する(嵌り込む)長方形状の揺動テーブル35と、を備えている。バックアッププレート31はその長手方向中間部よりも上流側部位に固定した回動軸(下回動軸)32を中心として上下方向へ揺動可能に支持されている。バックアッププレート31は、下回動軸32に対してフリーな状態で揺動可能となっており、弾性部材49によって反時計回り方向へ常時付勢されている一方で、揺動テーブルに設けた係合部38aによって押し下げられる時にだけ弾性部材に抗して時計回り方向へ回動する。
バックアッププレート31は、図5(a)に示した入金保留ポジションにおける略水平、且つ上ガイド部材から離間した最下降姿勢から、(b)の入金搬送ポジションのように下回動軸32を中心としてプレート下流部31Bを上昇させた姿勢(プレート下流部を繰出しローラに圧接させた姿勢)、(c)の出金保留ポジションのように上ガイド部材から離間し、且つ略水平な姿勢(プレート下流部を下降させた姿勢)、更に(d)の出金搬送ポジションのように下回動軸を中心としてプレート下流部31Bを上昇させた姿勢(プレート下流部を繰出しローラに圧接させた姿勢)に変位可能である。
揺動テーブル35は、入金搬送時(図5(b))、及び出金搬送時(図5(d))に下テーブル上の紙幣束の幅方向中央部を押し上げる手段である。また、入金保留時(図5(a))、及び出金保留時(図5(c))には、バックアッププレートのプレート上流部31A上面と同一平面状(面一)になることにより、その上に堆積する各紙幣を平坦化する。
更に、揺動テーブル35の中間位置(ブラケット35a)を回動自在に支持した軸部材38の軸方向一端部に設けた係合部38aが、バックアッププレート31の対応する位置にある被係合部31Cと係合可能な位置関係にある。このため、例えば図5(b)の状態にある時に軸部材38が図示しないリンク機構を駆動することによって下降することにより係合部38aが被係合部31Cの内底面を押し下げるため、バックアッププレート31が押し下げられ、下回動軸32を回動中心として時計回り方向へ下降回動して(c)の状態に移行する。
被係合部31Cは上方が開放した凹所であり、この凹所内に嵌合した係合部38aが弾性部材49に抗して凹所底面を押し下げることによりバックアッププレート31は下回動軸32を中心として時計回り方向へ回動して右端部(下流側端部)を下降させる一方で、係合部38aを上昇させて被係合部31Cから離間させることにより弾性部材49の復帰力によってバックアッププレートは反時計回り方向へ回動する。
揺動テーブル35は軸部材38が図示しないリンク機構を駆動することによって上下方向に移動するので、バックアッププレート31とは独立して動作する。バックアッププレートが図5(b)(d)のように反時計回り方向に回動した姿勢にある時に、揺動テーブルだけを軸部材38により上昇させることができる。
従って、バックアッププレートを図5(b)(d)の姿勢に付勢する弾性部材49と、バックアッププレートを弾性部材49に抗して図5(a)(c)の姿勢に移行させる揺動テーブル35を支持する軸部材38との協働により、バックアッププレートが図5(a)の入金保留ポジションや図5(c)の出金保留ポジションのように揺動テーブルに対して傾斜しない姿勢(面一姿勢)と、図5(b)の入金搬送ポジションや図5(d)の出金搬送ポジションのように揺動テーブルに対して傾斜した姿勢をとることができる。
ここで、揺動テーブル35の上ガイド部材50方向への押し付け力は、紙幣束出金搬送ポジション(図5(d))のときに給紙圧力を得るために十分な強さで、入金搬送ポジション(図5(b))のときには繰出しローラ60による紙幣の繰出しを妨げない程度の強さ又は押圧力を生じない設定にしている。
図5(a)に示した入金保留ポジションでは、図面左方の入出金部5から挿入されてきた紙幣束Pを紙幣収納空間S内に受け入れやすくするために、カム部材53が上ガイド部材50を上回動軸51を中心として回動させて上流側端部(左端部)を上向きに傾斜させる一方で、図示しないリンク機構を駆動させて軸部材38が下降することにより、下テーブル30全体を可能な限り水平な姿勢にして紙幣収納空間Sの上流側開口と下流側開口の開口量を大きくしている。この時、バックアッププレート31のプレート上流部31Aは揺動テーブル35に対して非傾斜状態となり、プレート下流部31Bは上ガイド部材50から十分に離間した位置を保っている。プレート上流部31Aが揺動テーブル35に対して非傾斜状態となることにより、紙幣束載置面としての下テーブル30の上面に段差がなくなり、紙幣束を全体的に平坦化して載置することができる。
またこの時、弾性部材49はバックアッププレート31のプレート下流部31Bによって圧縮されている。
この状態で入出金部5から挿入された紙幣束Pは大きく開放された紙幣収納空間S内に放出され、下テーブル30(31、35)上に保留される。
このポジションでは、図示しないリンク機構が軸部材38を上昇させているため、弾性部材49の付勢力によってバックアッププレートは下回動軸32を中心としてプレート下流部31Bを上昇させており、プレート下流部31Bにより紙幣束前部を繰出しローラ60に押し付けて繰出しのための圧力を得ることができる。
また、このポジションでは、上ガイド部材50の右端が分離ローラ対62のニップ部に位置するように設定している。
即ち、カム部材53を回転させることにより上ガイド部材50を上回動軸51を中心として反時計回りに回動させて上ガイド部材50の下流側端部を上方に変位させる。また、図示しないリンク機構を駆動することで軸部材38を下降させると、係合部38aが被係合部31Cを押し下げてバックアッププレートは弾性部材49に抗して下回動軸32を中心として時計回り方向へ回動し、プレート下流部31Bを下方へ変位させる。このため、紙幣収納空間Sの入口(右側開口部)を最大限に拡開して紙幣を受入れ易くすることができる。このポジションでは、プレート上流部31Aが揺動テーブル35に対して非傾斜状態(面一状態)となることにより、紙幣束載置面としての下テーブル30の上面に段差がなくなり、安定して順次紙幣を堆積することができる。
各ポジションにおける上ガイド部材50、下テーブル30(バックアッププレート31、揺動テーブル35)の位置は、図6(a)中に示したポジションセンサ70によって検知される。
このように本発明では、一つの保留分離部9によって入金保留機能と出金保留機能を発揮できるようにしたので、出金専用の保留部を入金保留部とは別個に設けることにより発生する部品点数の増大と、それによる装置構成の大型化を防止することができる。
Claims (3)
- 上流側から紙幣束を受け入れて保留すると共に該紙幣束から一枚ずつに分離した紙幣を下流側へ送り出す一方、下流側から一枚ずつ送出されてきた紙幣を順次受け入れて堆積してから、堆積した紙幣束を一括して上流側に排出する紙幣保留分離機構であって、
紙幣を上面に載置する下テーブルと、該下テーブルの上方に配置され上回動軸を中心として上下方向へ揺動可能に支持された上ガイド部材と、該上ガイド部材の上回動軸よりも下流側を上向きに付勢するバネと、回転することにより前記バネに抗して上ガイド部材の下流端部を押し下げるカム部を有したカム部材と、前記下テーブル上の紙幣上面に接して出金方向へ回転することにより最上部の紙幣を一枚ずつ搬送経路に送出する繰出しローラと、前記繰出しローラの上流側に配置されて前記下テーブル上の紙幣上面に接する搬送ローラと、を備え、
前記下テーブルは、上流側端縁から下流に向けて延びる切欠き部を有すると共に、上流側に偏位した位置に設けた位置固定の下回動軸によりフリーな状態で回転自在に支持されて上下方向へ揺動するバックアッププレートと、前記切欠き部内に嵌合する揺動テーブルと、を備え、
前記バックアッププレートの下流側端部を前記繰出しローラに向けて上向きに付勢する弾性部材を備え、
前記揺動テーブルは、前記下回動軸から下流側に一体的に延びる連接部材によって上下方向へ揺動自在に軸支されており、
上昇位置にある前記揺動テーブルを下降させる際に該揺動テーブルに設けた係合部によって前記バックアッププレートを押し下げるように構成したことを特徴とする紙幣保留分離機構。 - 前記紙幣保留分離機構内に上流側から紙幣束を入金する入金保留ポジションでは、前記カム部材が前記上ガイド部材を前記上回動軸を中心として回動させて上流側端部を上向きに傾斜させる一方で、前記下テーブル全体を略水平な姿勢にして、前記上ガイド部材と前記下テーブルとの間に形成される紙幣収納空間の上流側開口と下流側開口の開口量を大きくし、
前記保留分離部内に保留された紙幣束の最上部から一枚ずつ紙幣を下流側へ送出する入金搬送ポジションでは、前記弾性部材からの圧力により前記バックアッププレートのプレート下流部と繰出しローラとの間で紙幣束前部を挟圧しつつ、繰出しローラを繰出し方向へ回転駆動し、
下流側から一枚ずつ搬送されてきた紙幣を受け入れる出金保留ポジションでは、前記カム部材を回転させることにより前記上ガイド部材を前記上回動軸を中心として回動させて該上ガイド部材の下流側端部を上方に変位させると共に、前記揺動テーブルを下降させることにより前記係合部が前記バックアッププレートを押し下げて前記下回動軸を中心として回動させてそのプレート下流部を下方へ変位させ、
前記出金保留ポジションにおいて順次堆積された紙幣束を上流側に一括して搬送する出金搬送ポジションでは、前記上ガイド部材の下面が入出金部に向けて紙幣束をガイドできるように姿勢変更すると共に、前記揺動テーブルによって紙幣束の幅方向中心部を押し上げて前記上ガイド部材の下面との間で挟持しつつ、前記バックアッププレートのプレート下流部が前記繰出しローラとの間で紙幣束を挟圧保持し、この状態で前記繰出しローラ、前記搬送ローラを排出方向へ回転駆動することを特徴とする請求項1に記載の紙幣保留分離機構。 - 入金部と出金部を兼ねた入出金部と、紙幣を識別する識別部と、前記入出金部と前記識別部との間に配置された保留分離部と、前記識別部から下流側へ搬送されてきた紙幣を金種別に仕分ける分岐部と、該分岐部により仕分けられた紙幣を金種別に収容し収容された紙幣中から一枚ずつ前記保留分離部に送出する還流式金庫と、制御手段と、を備えた還流式紙幣処理装置であって、
前記保留分離部は、前記入出金部側を上流として配置した請求項1又は2に記載の紙幣保留分離機構で構成されていることを特徴とする還流式紙幣処理装置。
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KR102213788B1 (ko) * | 2019-10-31 | 2021-02-08 | 이경서 | 지폐 분류 장치 |
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