JP2024011512A - 制流方法及び制流装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業工数を低減することができる流路の分岐接続における制流方法及びそれに用いられる制流装置を提供する。【解決手段】流路を構成している流体管2に分岐ポート34を有する筐体10を密封状に外嵌させる工程と、筐体10内で流体管2の一部を切除することで、流体管2と分岐ポート34を連通させる工程と、筐体10内に、流体管2を開閉する制流弁14を流体管2の一方16側及び分岐ポート34の連通状態を維持したまま当該流体管2を開閉する位置に配置する工程と、を含む。【選択図】図2
Description
本発明は、流路の分岐接続における制流方法及びそれに用いられる制流装置に関する。
水やガス等が流れる既設の流路は、経年劣化により既設の流体管の一部が新たな流体管に更新される場合や他の流路と接続される場合がある。このような施工において、一般的に不断流工法が採用されている。
例えば、特許文献1に示される不断流工法は、既設の流路における所定区間を迂回する分岐管と、所定区間よりも上流側及び下流側に配置される各制流弁と、を用いて行われる。分岐管は、既設の流路における上流側の制流弁よりも上流側と、下流側の制流弁よりも下流側に固定された各T字管を介して、既設の流路を構成する流体管に接続されている。また、制流弁は、流体管に対して密封状に固定されており、流体管に形成された長孔を通じて弁体を流体管の管軸方向に対して垂直に進出させることが可能となっている。
このような特許文献1の不断流工法においては、各制流弁を閉塞状態とし、各T字管に接続されている分岐管を通じて流体を迂回させることにより、所定区間に流体が流入することを規制しつつ、流体の流通を保つことができる。
しかしながら、これらT字管や制流弁を設置する分岐工事にあたって流体管の一部を切除する必要があるが、流路の不断流状態を保つためには、密封状に切除装置を連結すること、密封状態を保ちながら流体管の一部を切除すること、切除後、作業弁等を併用して密封状態を保ちながら切除装置を取外すこと等といった作業を、切除を行う都度繰り返さねばならず、分岐工事が煩雑になる要因となっていた。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、作業工数を低減することができる流路の分岐接続における制流方法及びそれに用いられる制流装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の制流方法は、
流路を構成している流体管に分岐ポートを有する筐体を密封状に外嵌させる工程と、
前記筐体内で前記流体管の一部を切除することで、当該流体管と前記分岐ポートを連通させる工程と、
前記筐体内に、前記流体管を開閉する制流弁を前記流体管の一方側及び前記分岐ポートの連通状態を維持したまま当該流体管を開閉する位置に配置する工程と、を含むことを特徴としている。
この特徴によれば、制流弁が分岐ポートに影響を与えないように配置されることで、分岐ポートが常時開放されるため、従来行われていた分岐工事を不要とすることができる。
流路を構成している流体管に分岐ポートを有する筐体を密封状に外嵌させる工程と、
前記筐体内で前記流体管の一部を切除することで、当該流体管と前記分岐ポートを連通させる工程と、
前記筐体内に、前記流体管を開閉する制流弁を前記流体管の一方側及び前記分岐ポートの連通状態を維持したまま当該流体管を開閉する位置に配置する工程と、を含むことを特徴としている。
この特徴によれば、制流弁が分岐ポートに影響を与えないように配置されることで、分岐ポートが常時開放されるため、従来行われていた分岐工事を不要とすることができる。
前記課題を解決するために、本発明の制流装置は、
流路を構成している流体管に密封状に外嵌され、分岐ポートを有する筐体と、前記流体管を開閉する制流弁と、を備え、
前記制流弁は、前記筐体内において、前記流体管の一方側及び前記分岐ポートの連通状態を維持したまま前記流体管を開閉する位置に配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、制流弁が分岐ポートに影響を与えないように配置されることで、分岐ポートが常時開放されるため、従来行われていた分岐工事を不要とすることができる。
流路を構成している流体管に密封状に外嵌され、分岐ポートを有する筐体と、前記流体管を開閉する制流弁と、を備え、
前記制流弁は、前記筐体内において、前記流体管の一方側及び前記分岐ポートの連通状態を維持したまま前記流体管を開閉する位置に配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、制流弁が分岐ポートに影響を与えないように配置されることで、分岐ポートが常時開放されるため、従来行われていた分岐工事を不要とすることができる。
前記筐体は、前記制流弁を設置するための設置部と、前記流体管の一方側及び前記分岐ポートを連通する連通部とを有していることを特徴としている。
この特徴によれば、分岐ポートに影響が及ぶことを回避して制流弁を配置することができる。
この特徴によれば、分岐ポートに影響が及ぶことを回避して制流弁を配置することができる。
前記連通部は、前記設置部と前記筐体の壁部とによって画成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、簡素な構成で開口面積の広い貫通部を設けることができる。
この特徴によれば、簡素な構成で開口面積の広い貫通部を設けることができる。
前記設置部と前記制流弁との間を密封するシール部材をさらに有していることを特徴としている。
この特徴によれば、制流弁を設置部に設置するだけで、制流弁の開閉に応じて流体管の一方側と他方側における流体の流れを制御することが可能となる。
この特徴によれば、制流弁を設置部に設置するだけで、制流弁の開閉に応じて流体管の一方側と他方側における流体の流れを制御することが可能となる。
前記設置部は、前記シール部材用の座面を有していることを特徴としている。
この特徴によれば、制流弁の配置位置の誤差を許容して密封することができる。
この特徴によれば、制流弁の配置位置の誤差を許容して密封することができる。
前記分岐ポートは前記制流弁に対して相対移動可能に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、分岐ポートと分岐ポートに接続される流路構成部材との位置合わせが容易になる。
この特徴によれば、分岐ポートと分岐ポートに接続される流路構成部材との位置合わせが容易になる。
本発明に係る流路の分岐接続における制流方法及びそれに用いられる制流装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る流路の分岐接続における制流方法及びそれに用いられる制流装置につき、図1から図13を参照して説明する。図1~図3を参照して、制流装置1は、流路における所定区間を不断流工法にて更新する際に使用されるものであって、流路を構成する流体管2と、流体管2よりも下方にて水平方向に敷設される流路構成部材としての分岐管3を接続し、バタフライ弁14を用いて流体管2における上水の流れを制御しつつ、流体管2を流れる上水を分岐させて分岐管3に流すためのものである。なお、流体管内の流体は、本実施例では上水であるが、これに限らず例えば、工業用水、農業用水、下水等の他、ガスやガスと液体との気液混合体であっても構わない。
また、制流装置1は、流路における所定区間を不断流工法にて更新する際に限られず、一つの流路と他の流路とを接続するにあたって使用されてもよく、流路の分岐と流体の制流が伴う施工であれば適宜用いることができる。
本発明に係る流体管は、ダクタイル鋳鉄管であって、断面視略円筒状に形成されている。なお、本発明に係る流体管は、その他鋳鉄、鋼等の金属製、あるいはコンクリート製、塩化ビニール製、ポリエチレン製若しくはポリオレフィン製等であってもよい。さらになお、流体管の内周面はエポキシ樹脂層、モルタル、めっき等により被覆されてもよく、若しくは適宜の材料を粉体塗装により流体管の内周面に被覆してもよい。
図1~図3に示されるように、制流装置1は、流体管2に密封状に外嵌される筐体10と、筐体10内に配置される制流弁としてのバタフライ弁14から主に構成されている。なお、図2では、分岐管3の図示を省略している。
さらに制流装置1は、筐体10のフランジ21a(図2,図3参照)に取り付けられる蓋11と、筐体10と流体管2の間を密封するためのシールリング12,12(図2参照)と、シールリング12を筐体10と流体管2に圧着させるための押輪13,13を備えている。
筐体10は、上方に延びる首部21、側方に延びる腕部10A,10B、及び下方に延びる胴部31を備える正面視十字状(図2参照)に形成されており、胴部31には、短管15を介して分岐管3が接続されている。また、筐体10は、流体管2の外周面2aに外装可能な分割構造であり、上下一対の分割部材20,30から構成されている。
流体管2の上方側に配置される上分割部材20は、上方に向かって延び、略円筒状に形成されている首部21と、首部21に略直交して側方に延び、流体管2の軸方向から見て半円弧状の曲板状に形成されている半割腕部22,23を備える正面視倒立T字状(図2参照)に形成されている。
図1~図3に示されるように、流体管2の下方側に配置される下分割部材30は、下方に向かって延び、周壁31aの一部が開放されている有底円筒状に形成されている胴部31と、胴部31に略直交して側方に延び、流体管2の軸方向から見て半円弧状に湾曲形成されている曲板状の半割腕部32,33と、胴部31の周方向における半割腕部32,33の間の中央より周壁31aに略直交して側方に延び、円筒状に開口形成されている分岐ポート34(図1,図3参照)と、を備えている。
胴部31は、壁部としての円筒状の周壁31aと、周壁31aの下端を閉塞する底壁31bと、周壁31aの軸方向中央、すなわち上下方向中央にて周壁31aの径方向沿って固定されている板状の内底35を有しており、周壁31aの内面と内底35の側面35aによって連通部36が画成されている。この連通部36は、後述するバタフライ弁14の開閉状態によらず、筐体10内における上方の流体管2側及び下方の分岐管3側を常時連通している。
分岐ポート34はフランジ34a(図3参照)を有している。また、分岐ポート34の内部は、胴部31の周壁31aにて開放されている部分を通じて胴部31の内部と連通している。
図2に示されるように、バタフライ弁14は、流体管2が切断された箇所に配置されており、切断された箇所を基準として上流側に位置する流体管の一方側としての入口ポート16から、下流側に位置する流体管の他方側としての出口ポート17への上水の流れを制御可能となっている。
次に、制流装置1を用いて流体管2と分岐管3を接続する一連の工程(方法)について説明する。
まず、流体管2と分岐管3を接続するための作業現場を整備する整備工程を行う。図4,図5を参照して、整備工程では、地中に埋設された流体管2の周囲と流体管2よりも下方に埋設されることになる分岐管3(図7参照)の配置箇所及びその周囲を掘削し、穴の底部にコンクリートを打設して基礎Fを形成する。なお、基礎は、下分割部材30を支持可能であれば敷鉄板等であってもよい。
次いで、筐体10に流体管2及び分岐管3を密封状に接続する接続工程を行う。接続工程では、まず基礎F上に配置した荷重支持機能及び高さ調整機能を有する複数のジャッキ4,4,…の上に下分割部材30の底壁31bを載置し、各ジャッキ4,4,…を伸長させて下分割部材30を流体管2の外周面2aに外装させる。
図6,図7に示されるように、上分割部材20を流体管2に外装させて、下分割部材30と溶接して密封状に連結し、筐体10を構成する。なお、例えば、分割部材20,30の間にシール部材を介在させ、これら分割部材20,30をボルトナットで締結し、密封状に連結してもよく、分割部材20,30の連結方法は適宜変更されてもよい。
上分割部材20と下分割部材30が連結されることにより、半割腕部22,32(図2参照)は筐体10における円筒状の腕部10Aが構成され、半割腕部23,33(図2参照)は筐体10における円筒状の腕部10Bが構成されるとともに、各腕部10A,10Bが流体管2に外装された状態となる。
各腕部10A,10Bにおいて、周方向に等配されている調整ボルト10C,10C,…を用いて、各腕部10A,10Bの軸心が流体管2の軸心に略一致するように調整する。これにより、腕部10Bの内周面と流体管2の外周面2aの間に略一定幅の環状の隙間を形成することができる。なお、図6にて図示している一つの調整ボルト10C以外は図示を省略している。
そして、流体管2における外周面2aにシールリング12(図2参照)を周方向に亘って配置し、半割状に形成された押輪13の分割体をそれぞれ流体管2に外装して連結し、腕部10Bのフランジと押輪13それぞれの貫通孔に挿通したT頭ボルトB1にナットN1を螺合する。
そして、腕部10Bのフランジと押輪13をT頭ボルトB1とナットN1(図2参照)で締結する。これらにより、腕部10Bと流体管2の間に圧入されたシールリング12を周方向に亘って略同一の力で腕部10Bの内周面及び流体管2の外周面2aに圧着させて密封することができる。
さらに、周方向に等配されているボルト13A,13A,…(図3参照)を用いて、押輪13の内径側に配置されている図示しない爪部材を流体管2に押圧しつける。これにより、流体管2が腕部10Bより抜出すことを防止することができる。なお、腕部10A側については、腕部10B側の説明と同様であるため、その説明は省略する。
図7に示されるように、下分割部材30における分岐ポート34のフランジ34aと短管15のフランジとを図示しないボルトナットにより締結する。続けて、短管15のフランジと分岐管3のフランジとを図示しないボルトナットにより締結する。これにより、流路構成部材としての短管15及び分岐管3が下分割部材30に接続される。なお、分岐ポート34のフランジ34aと短管15のフランジとの間、短管15のフランジと分岐管3のフランジとの間にそれぞれガスケットを介設して密封することは言うまでもない。
次いで、流体管2を切除する切除工程を行う。図8に示されるように、切除工程では、まず首部21のフランジ21aと作業弁5の弁箱5aを図示しないボルトナットで締結する。なお、首部21のフランジ21aと弁箱5aとの間にガスケットを介設して密封することは言うまでもない。
図9に示されるように、続けて、弁箱5aのフランジと取付フランジ筒6の下方のフランジを図示しないボルトナットで連結し、取付フランジ筒6の上方のフランジと切除装置7を図示しないボルトナットで連結する。なお、弁箱5aのフランジと取付フランジ筒6の下方のフランジとの間、取付フランジ筒6の上方のフランジと切除装置7との間にそれぞれガスケットを介設して密封することは言うまでもない。
そして、作業弁5の弁箱5a内から図示しない弁体を後退させて開放状態とし、切除装置7のカッタ8により流体管2の一部を不断流状態で切断する。これにより、筐体10、短管15及び分岐管3の内部に管内流体が流入する。なお、分岐管3の図示しない他端部等に開閉弁が閉塞状態で設けられているため、管内流体が当該開閉弁を超えて流出することは防止されている。
なお、内底35は、流体管2よりも十分に離間した位置に設けられているため、流体管2を切断するにあたってカッタ8の円筒部材8a及びセンタドリル8bが接触しにくくなっている。
また、筐体10の胴部31は、底壁31bの上方に設けられている弁37(図1,図3参照)を開放することで、カッタ8により流体管2を切断する際に発生する切り粉を流体とともに外部へ排出することができる。
その後、直接の図示は省略するが、カッタ8を流体管2の切片と共に引き上げ、作業弁5の弁体を弁箱5a内に進出させて閉塞状態とする。これにより、上水の漏水を防止して不断流状態を保ったまま切除装置7、取付フランジ筒6を作業弁5より取外すことができる。
次いで、筐体10内に制流体としてのバタフライ弁14を設置する制流体設置工程を行う。図10に示されるように、制流体設置工程では、まず弁箱5aのフランジと挿入装置9の筐体9aを連結する。続けて、作業弁5を開放状態とし、挿入装置9の駆動機構9bを操作して開放状態にあるバタフライ弁14を筐体10内に配置する。なお、弁箱5aのフランジと筐体9aとの間にガスケットを介設して密封することは言うまでもない。
ここで、バタフライ弁14の設置について図11,図12を参照して詳しく説明する。図12(b)に示されるように、バタフライ弁14は、筐体10内に形成されている設置部18における座面18aにパッキン44,45が圧着された状態で配置される。
図11,図12(a)に示されるように、設置部18は、内底35と、筐体10における腕部10A,10B間の軸方向中央に形成されている上向きコ字状の台座18bによって構成されており、座面18aは、台座18bの端面によって構成されている。
図11に示されるように、内底35は、胴部31の径方向半分を仕切る半円板状部35bと、それよりも小径かつ線対称形状であり、胴部31の中心に位置する小半円板状部35cを有しており、半円板状部35bが胴部31の周壁31aに密封状に溶接・固定されている。小半円板状部35cは、後述する基台38aの形状に合わせて形成されている。
また、内底35の側面35aについて詳しくは、小半円板状部35cを径方向に挟んで半円板状部35bの腕部10Aに対向する端面と、小半円板状部35cの腕部10Aに対向する端面によって形成されている。これにより、図11にてドット柄を付して示すように、周壁31aの内面と内底35の側面35aによって画成される連通部36は、上面視U字状に貫通形成されている。
台座18bは、上分割部材20に形成されている段部21b,21c、環状段部21d、下分割部材30に形成されている基台38a、段部38b,38cから構成されている。
段部21bは、連通路39とは反対側にて、首部21に沿って軸方向に延びるリブ状に形成されており、連通路39側の端面は、下方から上方に向かって外径側に傾斜している。段部21cは、段部21bを鏡像反転した形状である。環状段部21dは、段部21b,21cの上端が連続しており、首部21の内周面に沿って周方向に延びる環状のリブ状に形成されており、その内径側の端面は、下方から上方に向かって外径側に傾斜している。
また、段部21bにおける連通路39側の端面と、環状段部21dの内径側端面は、滑らかに連続するように形成されている。これは、段部21cと環状段部21dについても同様である。
基台38aは、円板状に形成されており、首部21の径方向中央に位置合わせされて内底35の上に一体に形成されており、小半円板状部35cに重なっている。段部38bは、基台38aより内底35に沿って連通路39とは反対側に延びて略直交し、周壁31aに沿って上方に延びるL字状のリブ状に形成されている。また、段部38bにおける連通路39側の端面は、下方から上方に向かって外径側に傾斜している。段部38cは、段部38bを鏡像反転した形状である。
また、基台38aの上方側端面と、内底35の上端面と略平行に延びる段部38b,38cそれぞれの上方側端面は、滑らかに連続するように形成されている。これは、段部21cと環状段部21dについても同様である。
また、段部21b及び段部31cは、分割部材20,30が連結されて筐体10が構成された状態において、連通路39側の端面が滑らかに連続するように形成されている。これは、段部21c,31cについても同様である。
図2,図12(b)に示されるように、バタフライ弁14は、ほぼ中央部に開口を有する倒立台形状の仕切壁40と、仕切壁40の上端部に回動可能に取付けられる開閉軸41と、開閉軸41を中心に回動して仕切壁40の開口を開閉可能に設けられた弁体42と、仕切壁40の上端部に密封状に接続される略水平方向に延びる略円形の蓋部43を備える。仕切壁40には、その両側面及び底面に亘ってシール部材としてのパッキン44が固着され、蓋部43には、その外周面の全周に亘ってシール部材としてのパッキン45が固着されており、パッキン44,45は連続するように接続される。
これにより、バタフライ弁14を筐体10内に挿入することにより、パッキン44が座面18aのうち、段部21b,21c、基台38a、段部38b,38cそれぞれの端面に当接し、パッキン45が座面18aのうち、環状段部21dの端面に圧着する。
このとき、仕切壁40において弁体42を垂直軸回りに回動可能に支持する円柱状の支持部40aは、基台38a上に載置される(図12(b)参照)。上述したように、内底35は、小半円板状部35cを有しているため、バタフライ弁14を安定して支持できる。
さらに、内底35は、支持部40aを設置可能に、円板を直径方向と略平行に切断して形成された内底と比較して、連通部36の開口面積を広く設けることができる。
そして、首部21の周方向に配置されている複数の抑えボルト24(図1参照)を首部21の内径側に進出させて、パッキン44を段部21b,21c、基台38a、段部38b,38cそれぞれの端面に圧着させて固定する。
抑えボルト24について詳しくは、首部21の周壁を貫通し、この周壁に形成された貫通部の雌ネジに螺合されている。抑えボルト24は所定方向に回動させることで首部21の内径側に進出するため、バタフライ弁14の蓋部43に当接させることで、蓋部43の抜け止めをなすことができる。なお、抑えボルト24のような抑え手段は、貫通部の雌ネジに螺合される進出部材と、進出部材に従動して制流弁に当接する当接部材が別体であってもよく、その数や配置を含め、適宜変更されてもよい。
図13に示されるように、挿入装置9、作業弁5を筐体10から取り外し、首部21の内周面と蓋部43に外嵌されたリング47との間にパッキン46を配置した後、首部21のフランジ21aと蓋11をボルトB2とナットN2にて締結する。なお、首部21のフランジ21aと蓋11との間にガスケットを介設して密封することは言うまでもない。
また、図12(b)に示されるように、蓋11は、バタフライ弁14の蓋部43の一部を挿通可能なフランジ付き円筒状に形成されており、首部21のフランジ21aに締結されることで、パッキン46を押圧して首部21の内周面と蓋部43に圧着させる。これにより、パッキン46は、図13に示されるように、首部21の内周面と蓋部43の間を密封する。
以上説明したように、本実施例の流路の分岐接続における制流方法及び制流装置1は、バタフライ弁14を開放状態とすることにより、開口の開度に応じて入口ポート16と出口ポート17の間で上水を流すことができる。
また、バタフライ弁14を閉塞状態とすることにより、設置部18と共に入口ポート16と出口ポート17の間の上水の流れを規制することができる。
さらに、バタフライ弁14がいずれの状態であっても、連通部36の上方には弁体42以外が重ならないように配置されているため、連通部36はバタフライ弁14によって塞がれることなく常時開放されている。言い換えれば、バタフライ弁14を流体管2の入口ポート16及び分岐ポート34の連通状態を維持したまま当該流体管2を開閉する位置、すなわち入口ポート16より分岐ポート34に流入する分岐流にバタフライ弁14の動作の影響が及ぶことを回避できる位置にバタフライ弁14が配置されている。
このように、流体管2を切断する箇所が一か所だけで、流路の分岐と、バタフライ弁14の設置を行うことができるため、従来行われていた分岐工事を不要とすることができるようになっている。
また、制流装置1と分岐管3を接続している短管15には、バタフライ弁が設けられているため、分岐管3側への上水の流れを制御することができる。例えば、接続を流路における所定区間の上流側にて、上述したように制流装置1を用いて流体管2と分岐管3を接続し、所定区間の下流側にて、制流装置1を垂直軸回りに反転させて流体管2と分岐管3を接続し、各バタフライ弁14,14を閉塞状態とし、かつ各短管15のバタフライ弁を開放状態とすることで、所定区間への上水の流入を規制する一方で、分岐管3を通じて上水を迂回させることができる。
このように、切断された流体管の一方側が上流側であり、分岐ポートが下流側であってもよく、分岐ポートが上流側であり、切断された流体管の他方側が上流側であってもよく、適宜変更されてもよい。同様に、切断された流体管の一方側が上流側であり、他方側が下流側であってもよく、切断された流体管の一方側が下流側であり、他方側が上流側であってもよく、適宜変更されてもよい。
また、連通部36は、胴部31の周壁31aと内底35によって画成されているため、例えば、筐体内を上下に区画する内底を設け、同内底を迂回するように上方側の空間と下方側の空間とに連通される連通管が筐体に設けられているような構成と比較して、簡素な構成で連通部36を形成することができる。さらに、後述する内底135に形成された貫通孔である連通部136と比較して、開口面積を広くすることができる。
また、バタフライ弁14は、パッキン44,45を有しているため、設置部18に設置するだけで、バタフライ弁14の開閉に応じて上水の流れを制御することが可能となる。さらに、バタフライ弁14を一時的に筐体10より取り出すことでパッキン44,45を交換することができるため、筐体10の設置部18にシール部材が配置されている構成と比較してメンテナンスが容易である。
また、設置部18は、座面18aを有しているため、バタフライ弁14を配置するにあたり僅かに傾動する等して、配置位置に誤差が生じていたとしても、この誤差を許容して密封することができる。
また、下分割部材30の胴部31には、内底35の上方に、バタフライ弁14を跨ぐように設けられている弁付きの連通路39(図1参照)が設けられているため、閉塞状態にあるバタフライ弁14を開放するにあたって、連通路39を通じて下流側に流体を流入させ、バタフライ弁14の上流側と下流側との圧力差を低減することにより、安全かつ容易にバタフライ弁14を開放することができる。
また、制流弁としてバタフライ弁14が採用されているため、特許文献1のようなゲート弁を採用した構成と比較して、制流装置1を小型化することができる。
次に、実施例2に係る制流装置つき、図14を参照して説明する。なお、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
図14に示されるように、制流装置101は、下分割部材130の胴部131の下端が軸方向に開放されており、胴部131内に分岐ポート19bを有するL字状の進退部材19が挿入され、胴部131と進退部材19の間が密封部材としてのシールリングSと押圧手段Pを用いて密封される点で、前記実施例1と異なっている。
進退部材19は、下方に向かって延びる有底円筒状に形成されている基部19aと、基部19aに略直交して延びる円筒状に形成されている分岐ポート19bを備えている。
押圧手段Pは、押輪P1と、締結部材であるT頭ボルトB3及びナットN3と、胴部131のフランジ131aによって構成されている。
次に、筐体110と進退部材19の連結について説明する。まず、胴部131内に進退部材19の基部19aを挿入し、基部19aの外周面にシールリングSを周方向に亘って配置し、押輪P1の分割体を基部19aに外嵌して連結し押輪P1を構成する。そして、胴部131のフランジ131aと押輪P1をT頭ボルトB3とナットN3で締結する。これにより、シールリングSが胴部131の環状凸部131bに押圧されて胴部131の内周面と基部19aの外周面にそれぞれ圧着され、胴部131と進退部材19の間が密封される。
このとき、T頭ボルトB3とナットN3によって胴部131のフランジ131aと押輪P1を締め付ける力を加減することにより、下分割部材130と進退部材19を相対的に移動させることができる。これにより、筐体10に対する進退部材19の進出量を調整することで、エルボ等を用いて分岐ポート19bの位置に合わせるように分岐管3を延設することを省略することができる。すなわち、流体管2と分岐管3との位置合わせを容易に行うことができる。
また、胴部131及び基部19aは円筒状であるため、基部19aが胴部131に挿入されたまま進退部材19を360度回動させることができる。これにより、分岐ポート19bの向きを調整することができるため、エルボ等を用いて分岐ポート19bの位置に合わせるように分岐管3を延設することを省略することができる。これにより、分岐管3の構成を簡素にすることができる。
また、連通部136は内底135に形成された貫通孔である。言い換えれば、内底135は、胴部131の内周面に沿って周方向に連続している。例えば、前記実施例1のように連通部36の一部が胴部31の周壁31aによって画成されている場合には、基部19aの一部が連通部36内に進出して胴部31の軸心に対して基部19aが傾動する虞がある。これに対して、内底135は、基部19aの上端面が周方向に亘って内底135の下端面に当接することで、胴部131の軸心に対して基部19aが傾動することを防止することができる。
なお、進退部材は、円筒状に限られず、その断面形状は適宜変更されてもよい。
また、管路構成部材と筐体の間が押圧手段によって押圧されるシールリングによって密封される構成として説明したが、これに限られず、位置合わせをしたのち溶接で密封状に連結されてもよく、適宜変更されてもよい。
また、進退部材は下分割部材内に挿入される構成として説明したが、これに限られず、進退部材に下分割部材が挿入される構成であってもよく、適宜変更されてもよい。
また、進退部材は、シールリングを圧着するまでは筐体に対して挿脱自在である構成として説明したが、これに限られず、進退部材の抜け出しや過挿入を防止するために、タイロッドを用いて連結していてもよく、タイロッドを用いて筐体に対する位置を固定してもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、制流弁は、バタフライ弁であるとして説明したが、これに限られず、ゲート弁、ボール弁等他の種類の弁であってもよく、適宜変更されてもよい、
また、前記実施例では、シール部材は、バタフライ弁に設けられている構成として説明したが、これに限られず、設置部に設けられていてもよい。
また、前記実施例では、連通部は、筐体の壁部及び設置部によって画成される、または内底に形成された貫通孔であるとして説明したが、これに限られず、例えば内底によって区画される筐体内の空間の一方側と他方側を筐体の外部より連通する連通路が設けられることで形成されていてもよく、適宜変更されてもよい。
また、前記実施例では、分岐管は、水平方向に延びる構成として説明したが、これに限られず、垂直方向に延びる構成であってもよく、その延出方向は適宜変更されてもよい。
また、前記実施例では、分岐ポートは、流体管の下方に配置されている構成として説明したが、これに限られず、流体管よりも上方に配置されていてもよく、流体管よりも側方に配置されていてもよく、その位置は適宜変更されてもよい。
また、前記実施例では、分岐ポートは、上面視において流体管に対して直交方向に延びている構成として説明したが、これに限られず、流体管と略平行に延びていてもよく、側面視において流体管に対して直交方向に延びていてもよく、流体管に対する向きは適宜変更されてもよい。
また、前記実施例では、切除装置は、カッタを有するホールソーであるとして説明したが、これに限られず、穿孔機であってもよく、エンドミルであってもよく、適宜変更されてもよい。すなわち、流路を構成する流体管は、切断されることに限定されるものではなく、少なくとも一部が切除された箇所を通じて流体が流通可能となればよい。
1 制流装置
2 流体管
2a 外周面
3 分岐管(流路構成部材)
10 筐体
11 蓋
14 バタフライ弁(制流弁)
15 短管(流路構成部材)
16 入口ポート(流体管の一方側)
17 出口ポート(流体管の他方側)
18 設置部
18a 座面
20 上分割部材
30 下分割部材
31a 周壁(壁部)
34 分岐ポート
35 内底
36 連通部
44 パッキン(シール部材)
45 パッキン(シール部材)
46 パッキン
101 制流装置
110 筐体
130 下分割部材
135 内底
136 連通部
19 進退部材
19b 分岐ポート
P 押圧手段
S シールリング(密封部材)
2 流体管
2a 外周面
3 分岐管(流路構成部材)
10 筐体
11 蓋
14 バタフライ弁(制流弁)
15 短管(流路構成部材)
16 入口ポート(流体管の一方側)
17 出口ポート(流体管の他方側)
18 設置部
18a 座面
20 上分割部材
30 下分割部材
31a 周壁(壁部)
34 分岐ポート
35 内底
36 連通部
44 パッキン(シール部材)
45 パッキン(シール部材)
46 パッキン
101 制流装置
110 筐体
130 下分割部材
135 内底
136 連通部
19 進退部材
19b 分岐ポート
P 押圧手段
S シールリング(密封部材)
Claims (7)
- 流路を構成している流体管に分岐ポートを有する筐体を密封状に外嵌させる工程と、
前記筐体内で前記流体管の一部を切除することで、当該流体管と前記分岐ポートを連通させる工程と、
前記筐体内に、前記流体管を開閉する制流弁を前記流体管の一方側及び前記分岐ポートの連通状態を維持したまま当該流体管を開閉する位置に配置する工程と、を含むことを特徴とする制流方法。 - 流路を構成している流体管に密封状に外嵌され、分岐ポートを有する筐体と、前記流体管を開閉する制流弁と、を備え、
前記制流弁は、前記筐体内において、前記流体管の一方側及び前記分岐ポートの連通状態を維持したまま前記流体管を開閉する位置に配置されていることを特徴とする制流装置。 - 前記筐体は、前記制流弁を設置するための設置部と、前記流体管の一方側及び前記分岐ポートを連通する連通部とを有していることを特徴とする請求項2に記載の制流装置。
- 前記連通部は、前記設置部と前記筐体の壁部とによって画成されていることを特徴とする請求項3に記載の制流装置。
- 前記設置部と前記制流弁との間を密封するシール部材をさらに有していることを特徴とする請求項3に記載の制流装置。
- 前記設置部は、前記シール部材用の座面を有していることを特徴とする請求項5に記載の制流装置。
- 前記分岐ポートは前記制流弁に対して相対移動可能に設けられていることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の制流装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022113530A JP2024011512A (ja) | 2022-07-14 | 2022-07-14 | 制流方法及び制流装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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2022
- 2022-07-14 JP JP2022113530A patent/JP2024011512A/ja active Pending
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