JP2018159439A - 流路開閉装置におけるバタフライ弁の設置方法、及び流路開閉装置 - Google Patents

流路開閉装置におけるバタフライ弁の設置方法、及び流路開閉装置 Download PDF

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Abstract

【課題】不断流状態でのバタフライ弁の設置作業を行いやすい流路開閉装置におけるバタフライ弁の設置方法、及び流路開閉装置を提供すること。
【解決手段】流体管1の所定箇所に密封状に外嵌された筐体3内において、エンドミル21により切削されて流体管1の周方向に延びる第1切削部11と、エンドミル21により切削されて第1切削部11に連続して交差するように流体管1の管軸方向に延びる第2切削部12と、からなる切削部10を形成する切削工程と、筐体3内において、バタフライ弁4の弁筐体41が第1切削部11を通過するとともに、弁筐体41を開放した開放状態の弁体43が第2切削部12を通過するように、切削部10にバタフライ弁4を設置する弁設置工程と、を有する。
【選択図】図10

Description

本発明は、流路開閉装置におけるバタフライ弁の設置方法、及び流路開閉装置に関する。
複数の流体管が接続されて構成されている流体管路にあっては、所定の流体管に対して補修や取り替え等の工事を行うことがある。このような場合、工事を行う所定区間を挟む両側において、流体管を不断流状態で切削し、その切削部にバタフライ弁を設置し、更にバイパス流路を仮設して、前記工事を行うことが広く知られている。尚、バタフライ弁は、管軸方向を向く筒状の弁筐体と、弁筐体に回動自在に取付けられる弁軸により回動可能な弁体と、を備え、弁軸を操作することにより弁体が回動して弁筐体の開口を開閉できるようになっている。
流路開閉装置の一例として、特許文献1に示されるように、流体管の外周面を筐体により密封状に囲繞し、該筐体内で切削具を用いて前記流体管を周方向に切削部を切削するとともに、その切削部にバタフライ弁を設置するようなものがある。このバタフライ弁は、弁筐体の管軸方向の幅寸法が肉薄に形成されていることから、流体管に形成される切削部は、その切削面が弁筐体に近接するように管軸方向に幅狭に形成すれば足りるため、バタフライ弁及び切削部を被覆する大きな筐体等を使用する必要がなく、流路開閉装置をコンパクトに形成できるようになっている。
特開2005−147219号公報([0018],[0027]、第20図)
従来の流路開閉装置にあっては、不断流状態でバタフライ弁を切削部に対して設置する際に弁体を開放することで、流体管を流れる流体の圧力を逃がしながら設置作業を行っていた。しかしながら、特許文献1のような流路開閉装置にあっては、切削部は、その切削面が弁筐体に近接するように形成されていることから、弁体を大きく開放することができず、流体の影響を大きく受けるため、不断流状態でバタフライ弁を設置し難かった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、不断流状態でのバタフライ弁の設置作業を行いやすい流路開閉装置におけるバタフライ弁の設置方法、及び流路開閉装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の流路開閉装置におけるバタフライ弁の設置方法は、
流体管の流路を開閉する流路開閉装置においてバタフライ弁を不断流状態で設置する設置方法であって、
前記流体管の所定箇所に密封状に外嵌された筐体内において、エンドミルにより切削されて前記流体管の周方向に延びる第1切削部と、エンドミルにより切削されて前記第1切削部に連続して交差するように前記流体管の管軸方向に延びる第2切削部と、からなる切削部を形成する切削工程と、
前記筐体内において、前記バタフライ弁の弁筐体が前記第1切削部を通過するとともに、前記弁筐体を開放した開放状態の弁体が前記第2切削部を通過するように、前記切削部に前記バタフライ弁を設置する弁設置工程と、を有することを特徴としている。
この特徴によれば、弁筐体を挿入するための第1切削部とは別に、弁筐体を開放した開放状態の弁体が通過可能に流体管の管軸方向に沿う第2切削部を、エンドミルを用いて設けたことにより、切削部の領域を必要最小限として流体管の構造強度を保持することができるばかりか、弁体を流体管の管軸方向に向けて大きく開放した状態でバタフライ弁を設置することができるため、弁設置の際に管内の流通を遮断することなく、且つ弁体が受ける流体の影響が小さくなり、バタフライ弁の設置作業を行いやすい。
前記切削工程において、前記第1切削部及び前記第2切削部は、同じエンドミルにより切削されることを特徴としている。
この特徴によれば、切削部を形成するための手段を大型化する必要がなく、同じエンドミルを用いて第1切削部及び第2切削部を容易に形成することができる。
前記切削工程において、前記第1切削部及び前記第2切削部の少なくとも一方は、エンドミルの径よりも大きな幅に切削されることを特徴としている。
この特徴によれば、エンドミルを小径化できるため、切削装置をコンパクトにできるばかりか、切削抵抗を低減することができる。
前記課題を解決するために、本発明の流路開閉装置は、
流体管の所定箇所に密封状に外嵌された筐体と、前記筐体内において流体管に形成された切削部に設置されるバタフライ弁と、を備える流路開閉装置であって、
前記切削部は、エンドミルにより切削されて前記流体管の周方向に延び前記バタフライ弁の弁筐体が通過可能な第1切削部と、エンドミルにより切削されて前記第1切削部に連続して交差するように前記流体管の管軸方向に延び前記弁筐体を開放した開放状態の弁体が通過可能な第2切削部と、を備えていることを特徴としている。
この特徴によれば、弁筐体を挿入するための第1切削部とは別に、弁筐体を開放した開放状態の弁体が通過可能に流体管の管軸方向に沿う第2切削部を、エンドミルを用いて設けたことにより、切削部の領域を必要最小限として流体管の構造強度を保持することができるばかりか、弁体を流体管の管軸方向に向けて大きく開放した状態でバタフライ弁を設置または撤去することができるため、弁設置または撤去の際に管内の流通を遮断することなく、且つ弁体が受ける流体の影響が小さくなり、バタフライ弁の設置または撤去作業を行いやすい。
前記第2切削部は、前記流体管における前記筐体の作業用開口側に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、筐体を動かすことなく、作業用開口を介してバタフライ弁の設置または撤去作業を行うことができる。
前記第2切削部は、前記流体管の外径方向に向けて拡開したテーパ状の切削面を有していることを特徴としている。
この特徴によれば、バタフライ弁の設置の際に、テーパ状の切削面を案内面として利用することができる。
(a)は実施例1における流路開閉装置を示す一部側断面図、(b)は、同じく一部正面断面図である。 (a)は筐体及びエンドミルを流体管の周方向の一方に傾斜して取付けた状態を示す一部正面断面図であり、(b)は、同じく周方向の他方に傾斜して取付けた状態を示す一部正面断面図である。 (a)は筐体に切削手段と第1移動装置とを取付けた状態を示す一部側断面図、(b)はA−A断面図である。 (a)〜(c)は第2切削部を形成する手順を示す説明図である。 (a)は筐体に切削手段と第2移動装置とを取付けた状態を示す一部側断面図、(b)はB−B断面図である。 第2移動装置を示す側断面図である。 (a)〜(c)は第1切削部を形成する手順を示す説明図である。 筐体にオフセット移動装置を取付けた状態を示す一部側断面図である。 (a)は筐体から補修弁装置を取外した状態を示す側断面図、(b)はC−C断面図である。 (a)は切削部にバタフライ弁を設置した状態を示す側断面図、(b)はC’−C’断面図である。 (a)は実施例1の変形例を示す上面図であり、(b)は同じく一部正面断面図である。 (a)〜(c)は実施例2における第1移動装置を示す説明図である。 (a)〜(c)は実施例2の変形例を示す説明図である。 第2切削部の形成手順の変形例を示す説明図である。 第2切削部の形成手順の別の変形例を示す説明図である。
本発明に係る流路開閉装置におけるバタフライ弁の設置方法、及び流路開閉装置を実施するための形態を実施例1,2に基づいて以下に説明する。尚、説明の便宜上、図1(a)の紙面左側を流体管の上流側、右側を下流側とする。
実施例1に係る流路開閉装置におけるバタフライ弁の設置方法、及び流路開閉装置につき、図1から図11を参照して説明する。
上水道として使用される流体管路は、複数の流体管や弁等の接続部材が複数連設されて構成されており(図では流体管1のみ図示)、地中に埋設されている。尚、流体管路には図示しない複数の支管がそれぞれ接続されて、これらの支管は各家庭・施設等に敷設されている。
図1に示されるように、流体管1は、ダクタイル鋳鉄製であって、断面視略円形状に形成され、内周面がエポキシ樹脂層1aで被覆されている。尚、本発明に係る流体管は、その他鋳鉄、鋼等の金属製、あるいはコンクリート製、塩化ビニール製、ポリエチレン製若しくはポリオレフィン製等であってもよい。さらに尚、流体管の内周面はエポキシ樹脂層に限らず、例えばモルタル等により被覆されてもよく、若しくは適宜の材料を粉体塗装により流体管の内周面に被覆してもよい。
流路開閉装置2は、例えば経年劣化等の不具合により、特定の流体管に対して補修や取り替え等の工事を行う場合に、工事を行う特定の流体管よりも上流側の流体管1の所定箇所に設置され、流体管1内の流体を一時的に遮断するために使用されるものであり、このような流路開閉装置2の配設により、流体管路の特定の流体管には流体が流下しないように操作できるため、特定の流体管の管部分の撤去やあるいは補修等の作業が可能となる。また、流路開閉装置2を設置する際には、供給地域の利便性を考慮し、流体管1に不断流状態で導入される。尚、本実施例では流体管内の流体は上水であるが、本実施例の上水に限らず、例えば工業用水や農業用水、下水の他、ガスやガスと液体との気液混合体であっても構わない。
先ず、流路開閉装置2の構造について図1、図9及び図10に基づいて説明する。流路開閉装置2は、流体管1の所定箇所に密封状に外嵌される筐体3と、当該筐体3内において流体管1に設けられる切削部10と、切削部10に設置されるバタフライ弁4と、から主に構成されている。尚、後に詳述するように、切削部10は、流体管1の周方向に延びる第1切削部11と、流体管1の管軸方向に延びる第2切削部12と、を備えている。
筐体3は、第1分割筐体31と第2分割筐体32とからなる上下2部分に分割可能となっている。筐体3は、流体管1の外径よりも大なる内径を有する円筒形からなっており、筐体3の前後両端部の内周面には、環状のシール部材5,5が配設されており、シール部材5,5は、筐体3を流体管1に外嵌した際に、筐体3の内面と流体管1の外面との間で密封状に圧接されるようになっている。尚、筐体3は2分割に限らず、3以上の部分に分割されてもよい。
また、筐体3は、バタフライ弁4における後述する弁筐体41の外周縁を収容可能な凹部3Aが周方向に亘って形成されている。第1分割筐体31には、上向きに延出する分岐部31Aが形成されており、分岐部31Aには、筐体3内に連通する作業用開口部31Bが形成されている。
バタフライ弁4は、管軸方向を向く略円形状の開口41aを有する弁筐体41と、弁筐体41に回動自在に取付けられる弁軸(図示略)と、弁軸により回動可能な弁体43と、を備えている。具体的には、弁筐体41は、分岐部31Aの内周面に当接可能な上蓋部41Aと、上蓋部41Aから下方側に延び流体管1に直交する仕切壁部41Bと、からなり、開口41aは、仕切壁部41Bに形成されている。上蓋部41Aの周縁部には、シール部材6が嵌合されており、バタフライ弁4の設置状態においてシール部材6は、分岐部31Aの内周面に密封状に圧接される。また、仕切壁部41Bの周縁部は、筐体3における凹部3A内に収容されるとともに、シール部材7が嵌合されており、シール部材7は、凹部3Aの内周面に密封状に圧接される。
前記弁軸は、開口41aの中心を通るように上下方向に直交して延びている。開口41aの内周面には、弁座部41bが形成されている。弁軸の上端部には、作業用開口部31Bから筐体3外に突出するように減速機42が取付けられており、弁体43を小さなトルクで開閉操作できるようになっている。
また、弁体43は、流体の流れを止める止流面を有し、該止流面が流体管1の管軸に沿って配置された開放状態の位置(図1参照)と、流体管1の管軸に直交して配置された閉塞状態の位置(図示略)との間で回動可能となっている。つまり、弁軸を操作することにより弁体43が回動して開口41aを開閉できるようになっている。より詳しくは、弁体43における前記止流面が流体管1の管軸に直交して配置されたときには、弁体43の外周面が弁座部41bに圧接するため、開口41aを密封状に閉鎖できる。
また、分岐部31Aのフランジ部の周方向には、先端が作業用開口部31Bの径方向に進退自在な抜止ボルト8,8,…が複数配設されており、内径方向に進出状態の抜止ボルト8,8,…が上蓋部41Aの上端縁に係止されることにより、バタフライ弁4が作業用開口部31Bより離脱することが防止されている。尚、分岐部31Aのフランジ部には、蓋部材9が密封状に取付けられている。
このように構成される流路開閉装置2の管軸方向の両端側には、流体管1の外周面に固定される移動規制部材60,60が配設されており、この移動規制部材60,60により流路開閉装置2が流体管1の管軸方向に移動することが規制されている。詳しくは、移動規制部材60は、上下に分割された2部材により構成されており、移動規制部材60の径方向に進退可能なネジ60aが周方向に複数配設されており、各ネジ60aを内径方向に進出させて流体管1の外周面に食い込ませることで強固に取付け可能となっている。また、移動規制部材60は、筐体3の周方向に亘って外径側に突出する凸部3aの一部に外嵌する鉤状の係止部61を有しており、移動規制部材60から筐体3が管軸方向に離間することを規制している。尚、移動規制部材60は2分割に限らず、3以上の部材に分割されてもよい。また、ネジ60aの個数は図示した数に限られず、適宜数に設定されるものである。
次いで、流路開閉装置2の設置方法について図2〜図10に基づいて説明する。
図2(a)及び図3(a)に示されるように、先ず、流体管1の所定箇所に筐体3を密封状に外嵌するとともに、筐体3に対して切削装置20、補修弁装置70、第1移動装置50を取付ける。
切削装置20は、先端面と外周面との両方で切削可能なエンドミル21と、エンドミル21より上方に接続されるロッド22と、ロッド22を上下方向に案内する案内体23と、エンドミル21を回転駆動させるための回動モータ25と、ロッド22を上下方向に手動にて進退させる操作端部22aと、補修弁装置70の上部に接続される筒状の接続体24と、を備えている。エンドミル21は、接続体24内に収容され、ロッド22は、接続体24を貫通しており、案内体23、回動モータ25及び操作端部22aは、接続体24外に配置されている。尚、ロッド22を上下方向に進退させる手段として、主導の操作端部22aを例示したが、例えば、モータなどの駆動力により上下に進退可能となっていてもよい。
補修弁装置70は、弁筐体と開口を有するボール状の弁体とを有するボールバルブ71と、ボールバルブ71の下方に固定される板状体72と、を備えており、分岐部31A内に挿入される。ボールバルブ71は、前記弁体をハンドル73により操作することで前記開口が上下方向を向く開状態と、前記開口が前後または左右方向を向く閉状態と、に切替え可能となっている。また、板状体72は、作業用開口部31Bを閉塞するように略水平に延び、その外周縁から分岐部31Aの内周面に沿って上方向に延びる側壁部72aを備え、進出状態の抜止ボルト8,8,…が側壁部72aの上端部に係止されることにより、補修弁装置70が分岐部31Aに接続される。尚、板状体72の側壁部72aの外周面と分岐部31Aの内周面との間には、環状のシール部材74が圧接されており(図4参照)、これにより筐体3が密封される。
図2(a)に示されるように、筐体3、切削装置20及び補修弁装置70は、上下鉛直方向の仮想線Hに対し、流体管1の周方向の一方である時計回りに所定の角度α(本実施例では5°)振った第1の傾斜状態で、流体管1に取り付けられる。
第1移動装置50は、流体管1の外周面において流路開閉装置2よりも上流側に離間した位置に固定される固定治具51と、固定治具51から流体管1と平行に配設される油圧ジャッキ52と、油圧ジャッキ52の先端(下流側)に設けられ筐体3の周方向に亘って外径側に突出する凸部3aの一部に外嵌する側断面視コ字状の嵌合部材53(図3(b)参照)と、を備えている。具体的には、固定治具51は、上下に分割された2部材により構成されており、固定治具51の径方向に進退可能なネジ54,54,…が周方向に複数形成されており、各ネジ54,54,…を内径方向に進出させて流体管1の外周面に食い込ませることで強固に取付け可能となっている。そして、油圧ジャッキ52を伸縮させることにより、流路開閉装置2を流体管1の管軸方向に移動させることができるようになっている。すなわち、第1移動装置50は、切削手段を流体管1の管軸方向に移動させる手段として機能している。尚、固定治具51は2分割に限らず、3以上の部材に分割されてもよい。また、ネジ54の個数は図示した数に限られず、適宜数に設定されるものである。
尚、第1移動装置50を取付ける際には、油圧ジャッキ52の伸縮ストロークが中間位置の状態、つまり固定治具51と嵌合部材53との距離が中間距離の状態で取付けられるとともに、第1移動装置50を動作させる際には、固定治具51と嵌合部材53との距離が最も近接した状態、つまり近接限界距離の状態まで移動させ、その後に、固定治具51と嵌合部材53との距離が最も離間した状態、つまり、離間限界距離の状態となるまで動作させる。つまり、第1移動装置50が切削装置20(エンドミル21)を流体管1の管軸方向に移動させる距離は、油圧ジャッキ52の伸縮代分と等しくなっている。さらに尚、油圧ジャッキ52及び嵌合部材53は、固定治具51の周方向にそれぞれ1つ、または2つ以上設けられてもよく、流路開閉装置2の重量や形状に合わせて自由に変更することができる。
また、本実施例では、筐体3に管軸方向への移動力を与える手段として油圧ジャッキ52を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、筐体3に管軸方向への移動力を与えることができるものであればよく、例えば、ネジにより管軸方向に伸縮する部材等であってもよい。
次に、切削部10を形成する切削工程について説明する。まず、図2(a)に示された筐体3、切削装置20及び補修弁装置70の第1の傾斜状態において、ボールバルブ71を開状態とし、エンドミル21を回動させるとともに、図4(a)に示されるように、ロッド22を下降させ、エンドミル21の先端面で流体管1の側壁を直交方向に貫通するように切削する。このときには、流体管1内の流体が筐体3内に流入するが、上述のように、筐体3は密封されているので、筐体3外に流体が流出することを防止できる。尚、切削の際は、図示しないドレンバルブを開放して切粉を排出しながら行う。
次いで、図4(b)に示されるように、前述した第1移動装置50を固定治具51と嵌合部材53とが近接限界距離の状態となるまで動作させ、固定治具51に筐体3を引き寄せる。これにより、切削装置20が筐体3ごと流体管1の管軸方向に移動され、流体管1の側壁がエンドミル21の外周面により管軸方向に沿って切削される。
そして、図4(c)に示されるように、第1移動装置50を固定治具51と嵌合部材53とが離間限界距離の状態となるまで動作させると、所定の寸法で管軸方向に延びる第2切削部12の一方の切削面12aが形成される。その後、エンドミル21が第2切削部12の長手方向中央部に位置するまで第1移動装置50を動作させる(固定治具51と嵌合部材53とが近接する方向に動かす)。そして、エンドミル21を一時的に退避させる方が好ましいが、退避させずに次工程に移ってもよい。
次に、筐体3、切削装置20及び補修弁装置70を、図2(a)に示した第1の傾斜状態から、図2(b)に示されるように、上下鉛直方向の仮想線Hに対し、流体管1の周方向の他方である反時計回りに所定の角度−α(本実施例では−5°)振った第2の傾斜状態で、流体管1に取り付け直す。
次いで、図2(b)に示された筐体3、切削装置20及び補修弁装置70の第2の傾斜状態において、上記した説明と同様に、エンドミル21を回動させるとともに、ロッド22を下降させ、エンドミル21の先端面で流体管1の側壁を直交方向に貫通するように切削する(図4(a)参照)。
次いで、前述した第1移動装置50を固定治具51と嵌合部材53とが近接限界距離の状態となるまで動作させ、固定治具51に筐体3を引き寄せる。これにより、切削装置20が筐体3ごと流体管1の管軸方向に移動され、流体管1の側壁がエンドミル21の外周面により管軸方向に沿って切削される(図4(b)参照)。
そして、第1移動装置50を固定治具51と嵌合部材53とが離間限界距離の状態となるまで動作させると、所定の寸法で管軸方向に延びる第2切削部12の他方の切削面12aが形成される(図4(c)参照)。その後、エンドミル21が第2切削部12の長手方向中央部に位置するまで第1移動装置50を動作させる。
尚、図5(b)では、説明の便宜上、補修弁装置70や切削装置20の構成の図示を省略している。更に尚、第2切削部12を形成するためのエンドミル21の動作は、上記に限られず、例えば近接限界距離の状態から離間限界距離の状態となるまで動作してもよいし、あるいは離間限界距離の状態から近接限界距離の状態となるまで動作しても構わない。
次に、図5(a)に示されるように、エンドミル21を接続体24内に退避させ、ボールバルブ71を閉状態とし、第1移動装置50を取外すとともに、移動規制部材62,60’と第2移動装置80と支持体90,90とを流体管1に取付ける。尚、移動規制部材62は、周方向に沿って複数の雌ネジ部62bを備えた大径のフランジ部62aを有するとともに係止部61を有さない以外、移動規制部材60と同一の構造となっている。また移動規制部材60’は、係止部61を有さない以外、移動規制部材60と同一の構造となっている。また、支持体90,90は、移動規制部材60と同一の構造で、切削時に加わる外力に対抗するように、金属材等により構成されており、移動規制部材62,60’の前後方向に離間して配置され流体管1を支持している。なお、支持体90,90は例えばスラストブロックのようなコンクリート等で構成されてもよい。
図5(a)及び図6に示されるように、第2移動装置80は、移動規制部材60’(本実施例では下流側)の上部に固定される駆動伝達部81と、筐体3の一方側端部(本実施例では筐体3の下流側端部)に接続される従動スプロケット82と、から主に構成されている。
具体的には、駆動伝達部81は、図示しない駆動モータや減速機などにより回動可能であり流体管1の管軸方向と平行に配設される回動軸83と、回動軸83に設けられた駆動スプロケット84と、従動スプロケット82と駆動スプロケット84とに巻回された無端チェーン85と、を備えており、駆動スプロケット84が回動軸83を中心として回動することに伴って、無端チェーン85を介して従動スプロケット82に回転駆動力が付与され、従動スプロケット82が流体管1の周方向に回動するようになっている。すなわち、第2移動装置80は、切削手段を流体管1の周方向に移動させる手段として機能している。また、移動規制部材62(本実施例では上流側)と筐体3との間には、ローラ86が回動自在に複数配設されており、筐体3が周方向に円滑に回転するように補助している。
次に、ボールバルブ71を開状態とし、図7(a)に示されるように、第2切削部12内にエンドミル21を挿入する。このとき、エンドミル21は、第2切削部12の長手方向中央部よりも上流側に配置される。
次いで、図7(b)、(c)に示されるように、エンドミル21を第2切削部12内に配置した状態で、筐体3を所定の回転方向(正面から見て反時計回り)に回動させるように第2移動装置80を駆動させる。これにより、切削装置20が筐体3ごと流体管1の周方向に反時計回りに回動され、流体管1の側壁における正面から見て左側半分がエンドミル21の外周面により切削される。
そして、図7(c)の状態から筐体3を略360度回動させるように第2移動装置80を更に駆動させる。これにより、切削装置20が筐体3ごと流体管1の周方向に略360度回動され、流体管1の側壁における正面から見て右側半分もエンドミル21の外周面により切削される。そして、エンドミル21を一時的に第2切削部12から退避させる方が好ましいが、退避させずに次工程に移ってもよい。
次に、図8に示されるように、移動規制部材62のフランジ62aの上側の雌ネジ部62bに挿通した押しボルト63を螺挿することで、この押しボルト63の先端により筐体3を管軸方向に所定長さオフセット移動させる。同様に、フランジ62aの下側の雌ネジ部62bに挿通した押しボルト62の先端に、雌ネジ部64bを備えた管軸方向に延びる介設部材64を螺合させ、当該押しボルト63を螺挿することで、介設部材64の先端により筐体3をオフセット移動させる。すなわち、移動規制部材62、押しボルト63及び介設部材64はオフセット移動装置を構成している。
次いで、上記した説明と同様に、第2切削部12内にエンドミル21を挿入する。このとき、エンドミル21は、第2切削部12の長手方向中央部に配置される(図7(a)参照)。
次いで、エンドミル21を第2切削部12内に配置した状態で、筐体3を所定の回転方向(正面から見て反時計回り)に回動させるように第2移動装置80を駆動させる。これにより、切削装置20が筐体3ごと流体管1の周方向に反時計回りに回動され、流体管1の側壁における正面から見て左側半分がエンドミル21の外周面により切削される(図7(b)、(c)参照)。
そして、図7(c)の状態から筐体3を略360度回動させるように第2移動装置80を更に駆動させる。これにより、切削装置20が筐体3ごと流体管1の周方向に略360度回動され、流体管1の側壁における正面から見て右側半分もエンドミル21の外周面により切削され、切削工程が完了する。
なお、第2移動装置80は、上記した回転方向(正面から見て反時計回り)に略360度回動させてもよいし、あるいは、図7(c)の状態から、第2移動装置80を上記と逆の回転方向(正面から見て時計回り)に回動させるようにしてもよい。
すなわち、図9に示されるように、流体管1の全周に亘って第1切削部11が形成される。より詳しくは、第1切削部11が第2切削部12の長手方向中央部から流体管1の全周に亘って形成されることから、切削部10は、第1切削部11と第2切削部12とが連続するように直交する形状を成す(図9参照)。尚、第2切削部12における管軸方向の長手寸法(油圧ジャッキ52の伸縮代)は、第1切削部11における周方向の長手寸法(流体管1の外周の長さ)よりも短くなっているとともに、弁体43の直径(後述する寸法L2)よりも僅かに長くなっている。
また、上記したように、第2切削部12の切削工程によれば、図9(b)に示されるように、第2切削部12の管軸方向の端部に、上記したエンドミル21の周面形状に沿って湾曲した湾曲部12bが形成される。より詳しくは、湾曲部12bは、筒状体であるエンドミル21と略同径の凹設面が周方向に並設された平面視略ω形状に形成されている。このように、第2切削部12の管軸方向の端部にエンドミル21の周面形状に沿って湾曲した湾曲部12bが形成されることで、当該第2切削部12の形成により流体管1の管体に生じる内部応力が局所集中せずに分散化できる。
また、上記した切削工程によれば、第1切削部11及び第2切削部12がエンドミル21の径よりも大きな幅に切削されており、このようにすることで、エンドミル21を小径化できるため、切削装置20をコンパクトにできるばかりか、切削抵抗を低減することができる。なお、本実施例に限らず、第1切削部11及び第2切削部12のいずれか一方がエンドミル21の径よりも大きな幅に切削されていてもよい。
更に、上記したように筐体3及び切削装置20を流体管1の周方向に所定角度±α(本実施例では5°及び−5°)振った傾斜状態にて、第2切削部12を切削することで、第2切削部12の管軸方向に延びる切削面12a,12aは、外径方向に向けて拡開したテーパ状に形成されている。このようにすることで、バタフライ弁4の設置の際に、テーパ状の切削面12a,12aを案内面として利用することができる。
また、エンドミル21が流体管1の全周に亘って切削することから、流体管1は、上流側の流体管1Fと下流側の流体管1Rとに分断されるが、支持体90,90により支持されているため、流体管1の分断により筐体3が位置ずれすることが防止される。
次いで、筐体3の下方に支持体91(図9(a)参照)を補助的に配置して支持強度を高める。尚、支持体91はジャッキなどを用いて上下動可能とすると良い。また、第2移動装置80を撤去するとともに、ボールバルブ71を閉状態とし切削装置20を撤去する。また、移動規制部材62,60’を撤去し、該移動規制部材62,60’に代えて移動規制部材60,60を設置する。
その後、図9(a)に示されるように、分岐部31Aのフランジ上に作業弁100を載置した状態でボルト・ナット等により密封状に接続し、作業弁100の上方に筒状体103を密封状に接続する。作業弁100は、作業用開口部31Bに連通する連通口101a及び弁収容部101bを有する弁箱101と、弁収容部101bから進退することで連通口101aを開閉可能な弁体102と、を備えている。また、作業弁100の連通口101aは、補修弁装置70が挿通可能な大きさに形成されており、筒状体103の内部空間は、補修弁装置70を収容可能な大きさに形成されている。
そして、ここでは図示しない上下に進退可能なロッドの先端に取付けられたアタッチメント104を補修弁装置70の上部に接続するとともに、各抜止ボルト8を退行させて補修弁装置70と分岐部31Aとの接続を解除し、前記ロッドを上方に移動させて補修弁装置70を筒状体103内に引き上げる。その後、弁体102により連通口101aを閉塞して筐体3を密封することで、補修弁装置70を撤去可能となる。
次いで、弁設置工程について説明する。補修弁装置70及びアタッチメント104を撤去した後、図10(a)に示されるように、前記ロッドの先端に別のアタッチメント105を取付け、アタッチメント105の下端にバタフライ弁4を取付ける。そして、弁体102を開操作して連通口101aを開放し、前記ロッドを下方に移動させてバタフライ弁4を切削部10内に挿入設置する。
このときには、特に図10(b)に示されるように、弁体43の止流面が流体管1の管軸に沿って配置された開放状態とし、バタフライ弁4の弁筐体41が第1切削部11を通過するとともに、弁体43が第2切削部12を通過するように切削部10にバタフライ弁4を設置する。
具体的には、図10(a),(b)に示されるように、第2切削部12の管軸方向(長手方向)の最長の寸法L1は、弁体43の直径寸法L2よりも大きく形成されている。また、第1切削部11の管軸方向(短手方向)の幅寸法L3は、弁筐体41の管軸方向の厚み寸法L4よりも大きく形成されているため、開放状態の弁体43が流体管1の管壁に干渉することなく第2切削部12を通過でき、弁筐体41が流体管1F,1Rに干渉することなく第1切削部11を通過できるようになっている。また、第1切削部11及び第2切削部12は、上記したように同じエンドミル21を用いてそれぞれ2列にわたり切削して形成されており、本実施例では第1切削部11の管軸方向の切削幅寸法L3は第2切削部12の周方向の切削幅寸法L5よりも大寸に形成されている。なお、これに限らず、設置するバタフライ弁4の弁筐体41及び弁体43の寸法に応じて、第1切削部11の管軸方向の切削幅寸法L3が第2切削部12の周方向の切削幅寸法L5と略同寸に形成されてもよいし、あるいは第1切削部11の管軸方向の切削幅寸法L3が第2切削部12の周方向の切削幅寸法L5よりも小寸に形成されても構わない。
切削部10にバタフライ弁4を挿入した後、各抜止ボルト8を進行させると、バタフライ弁4が筐体3に押し付けられ、上蓋部41Aの周縁部に固着されたシール部材6が分岐部31Aの内周面に密封状に圧接されるとともに、仕切壁部41Bの周縁部に固着されたシール部材7が筐体3(凹部3A)の内周面に密封状に圧接されるため、筐体3が密封され弁設置工程が完了する。尚、バタフライ弁4が切削部10に設置された状態にあっては、弁体43が流体管1内に配置され、弁体43の直径(寸法L2)は流体管1の内径よりも小さいため、流体管1に干渉することなく回動可能となっている。
その後、作業弁100及び筒状体103を撤去するとともに、蓋部材9及び減速機42を取付けることにより流路開閉装置2が構成される(図1参照)。
以上説明したように、流路開閉装置2におけるバタフライ弁4の設置方法は、流体管1の所定箇所に密封状に外嵌された筐体3内において、エンドミル21により切削されて流体管1の周方向に延びる第1切削部11と、エンドミル21により切削されて第1切削部11に連続して交差するように流体管1の管軸方向に延びる第2切削部12と、からなる切削部10を形成する切削工程と、筐体3内において、バタフライ弁4の弁筐体41が第1切削部11を通過するとともに、弁筐体41を開放した開放状態の弁体43が第2切削部12を通過するように、切削部10にバタフライ弁4を設置する弁設置工程と、を有する。
このように、弁筐体41を挿入するための第1切削部11とは別に、弁筐体41を開放した開放状態の弁体43が通過可能に流体管1の管軸方向に沿う第2切削部12を、エンドミル21を用いて設けたことにより、切削部10の領域を必要最小限として流体管1の構造強度を保持することができるばかりか、弁体43を流体管1の管軸方向に向けて大きく開放した状態でバタフライ弁4を設置することができるため、バタフライ弁設置の際に管内の流通を遮断することなく、且つ弁体43が受ける流体の影響が小さくなり、バタフライ弁4の設置作業を行いやすい。
また、切削工程において、第1切削部11及び第2切削部12は、同じエンドミル21により切削されており、このようにすることで、切削するための手段を大型化する必要がなく、同じエンドミル21を用いて第1切削部11及び第2切削部12を容易に形成することができる。ここで「同じエンドミル」とは、同じタイプ・仕様のエンドミルを意味しており、交換したエンドミルでも同じタイプ・仕様であれば含まれる。
尚、バタフライ弁4が必要なくなった場合や経年劣化した場合には、筐体3からバタフライ弁4を撤去することがあるが、この場合も同様に、弁体43を大きく開放した状態で引き上げることにより、管内の流通を遮断することなく、且つ弁体43が受ける流体の影響が小さくなり、バタフライ弁4の撤去作業を簡便に行うことができる。
さらに、切削部10は、弁体43が開放状態のバタフライ弁4を挿通することができればよい。つまり、第1切削部11及び第2切削部12は、弁筐体41及び開放状態の弁体43を挿通可能な大きさであれば足りるので、例えば、大きなホールソーを用いて切削部を形成した場合に比べて、バタフライ弁4及び切削部10を被覆する筐体3をコンパクトにできる。また、切削部10を形成するための切削領域を極小化できるため、切削に伴い発生する切片や切り粉の廃棄量を低減できる。
また、切削工程は、第2切削部12を形成した後、第1切削部11を流体管1の全周に亘って形成する。これによれば、流体管1が分断前の管軸方向に連続した状態で第2切削部12を形成した後、第1切削部11を形成することで流体管1が分断されるため、第1切削部11を形成して流体管1F,1Rに分割した状態で、流体管1F,1Rにそれぞれ第2切削部12を形成することに比べ、第2切削部12の形成作業が簡便である。また、第1切削部11の形成により流体管1が分断される前に、第2切削部12を形成するので、流体管1が安定した状態で第2切削部12を形成することができる。
また、第1切削部11と第2切削部12は、略直交している。具体的には、第1切削部11は、流体管1の管軸方向に直交する方向に延びており、第2切削部12は、第1切削部11に直交、つまり流体管1の管軸に沿って形成されるため、バタフライ弁4の設置または撤去時には、弁体43における流体管1内の流体に直交(対向)する領域を小さくでき、弁体43が受ける流体の圧力を極力小さくできる。さらに、図10(b)に示されるように、弁体43は、中央部から周縁部に向けて厚みが細くなるように形成されているため、弁体43が流体の影響を受けにくい。
また、流路開閉装置2が構成された状態において、第2切削部12は、流体管1における筐体3の作業用開口部31B側に設けられているため、筐体3を動かすことなく、作業用開口部31Bを介してバタフライ弁4の撤去作業を行うことができる。また例えば、筐体3に設置されたバタフライ弁4を撤去し、その後に新たなバタフライ弁4を設置する場合にも、筐体3を動かすことなく、作業用開口部31Bを介してバタフライ弁4の設置作業を行うことができる。
また、前述のように、第1移動装置50が切削装置20を流体管1の管軸方向に移動させる距離(第2切削部12の管軸方向の寸法L1)は、油圧ジャッキ52の伸縮代分と等しくなっているため、伸縮代の異なる油圧ジャッキ(伸縮手段)に変更するだけで第2切削部12の管軸方向の寸法L1を簡便に変更できる。
次に、実施例1に係る第2切削部12を形成する際のエンドミル21の動作の変形例について説明する。図11(a)、(b)に示されるように、筐体3に固定設置される板状体72の上面に、この板状体72に対し管軸直交方向に移動可能なスライド部材75が密封状態で設置され、当該スライド部材75の上面に、ボールバルブ71の弁筐体の下端が密封状に固定されている。より詳しくは、スライド部材75の挿通孔75bに管軸直交方向に挿通された長軸ボルト77が、板状体72に固定された長軸ナット76に螺合されており、当該長軸ボルト77を長軸ナット76に対し螺挿することで、管軸直交方向に移動可能に構成される。
このようにすることで、スライド部材75の移動に伴い、エンドミル21を管軸に略直交する略水平方向に所定寸法(図示β)スライド移動させることができるため、上記したように筐体3を流体管1に対し傾斜させずとも、エンドミル21よりも幅広の第2切削部12を形成することができる。
次に、実施例2に係る流路開閉装置におけるバタフライ弁の設置方法につき、図12を参照して説明する。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。
図12に示すように、切削手段を流体管1の管軸方向に移動させる手段としての第1移動装置500は、分岐部31Aに接続される作業弁100の上部に配設されている。第1移動装置500は、作業弁100の上部に接続されるベースプレート501と、ベースプレート501に対して相対移動可能に設けられた可動プレート502と、可動プレート502に駆動力を与える駆動手段503と、から主に構成されており、可動プレート502の上部に切削装置20が接続されている。
ベースプレート501の中央部には、作業用開口部31Bに連通するスリット501aが開口形成されており、ベースプレート501の上面には、流体管1の管軸方向に沿って延びるレール504,504がスリット501aを挟んで並列して配置されている。尚、スリット501aの周囲には、パッキンが固着されている。
可動プレート502は、作業用開口部31Bに連通するスリット502aと、レール504,504に嵌合された凹部505,505と、を有し、レール504,504上をスライド移動可能となっている。また、可動プレート502は、ネジ孔508を有する構造部509が上方に突出して形成されている。尚、可動プレート502は、ベースプレート501におけるスリット501aのパッキンに密封状に当接した状態でスライド移動するようになっている。
駆動手段503は、ベースプレート501の上面に管軸方向に離間する2つの立設片506,506と、立設片506,506間に渡って回動自在且つ軸方向に移動不能に取付けられるネジ棒507と、を備え、ネジ棒507は、可動プレート502における構造部509のネジ孔508に螺挿されている。すなわち、ネジ棒507が軸回りに回動することにより可動プレート502が流体管1の管軸方向にスライドするようになる。尚、ネジ棒507の一端には、ハンドル507aが取付けられており、ハンドル507aを把持してネジ棒507の回動操作を行うことができるようになっている。
このように、ベースプレート501に対して可動プレート502をスライド移動させることにより、切削装置20を流体管1の管軸方向に移動させることができる。つまり、筐体3を管軸方向に移動させなくて済むので、第2切削部12を形成した後、第1移動装置500を取外すことなく、第1切削部11の切削作業に移行することができる。
尚、本実施例では、ネジ棒507により可動プレート502を管軸方向に移動させる形態を例示したが、油圧ジャッキなどにより可動プレート502を管軸方向に移動させてもよい。
また、第1移動装置500は、作業弁100の上部に接続されることに限られず、図13に示されるように、筐体3’の分岐部31Aに直接接続されていてもよい。具体的には、ベースプレート501’の下方には、作業用開口部31B内に挿入される環状の突片501bが設けられており、突片501bに設けられた凹部501c(図13(c)参照)に抜止ボルト8,8,…が挿入されることで接続されている。尚、突片501bの外周面には、パッキン501d(図13(c)参照)が配設されており、分岐部31Aの内周面に圧接されている。また、可動プレート502の上方には、ボールバルブ71を介して切削装置20が接続されている。
このように、実施例2で示したような管軸方向に幅広な作業弁100に代えて、該作業弁100に比べ管軸方向に幅狭なボールバルブ71を用いることにより、切削工程時に必要な作業スペース(掘削領域)の管径方向の高さを抑えることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、第2切削部12を切削する工程において、上記した実施例に限られず、図14に示される変形例に係る手順にて形成してもよい。すなわち、上記した筐体3、切削装置20及び補修弁装置70の第1の傾斜状態にて、エンドミル21は、先ず第1移動装置50により固定治具51と嵌合部材53とが近接限界距離の位置(図示aの位置)から第2切削部12の切削を開始する。
次いでエンドミル21は、第1移動装置50により固定治具51と嵌合部材53とが離間限界距離の位置(図示bの位置)まで切削した後、さらに筐体3、切削装置20及び補修弁装置70を上記した第2の傾斜状態の位置(図示cの位置)まで角度を振りながら切削する。
更にエンドミル21は、第1移動装置50により固定治具51と嵌合部材53とが近接限界距離の位置(図示dの位置)まで切削することで、第2切削部112を形成する。
このように形成された第2切削部112は、図14に示されるように、管軸方向の一方の端部の湾曲部112dが平面視略U形状に形成されるとともに、管軸方向の一方の端部の湾曲部112bが平面視略ω形状に形成される。
また例えば、第2切削部12を切削する工程において、図15に示される別の変形例に係る手順にて形成してもよい。すなわち、上記した筐体3、切削装置20及び補修弁装置70の第1の傾斜状態にて、エンドミル21は、先ず第1移動装置50により固定治具51と嵌合部材53とが中間距離の位置(図示eの位置)から第2切削部12の切削を開始する。
次いでエンドミル21は、第1移動装置50により固定治具51と嵌合部材53とが離間限界距離の位置(図示fの位置)まで切削した後、さらに筐体3、切削装置20及び補修弁装置70を上記した第2の傾斜状態の位置(図示gの位置)まで角度を振りながら切削する。
更にエンドミル21は、第1移動装置50により固定治具51と嵌合部材53とが近接限界距離の位置(図示hの位置)まで切削した後、さらに筐体3、切削装置20及び補修弁装置70を第1の傾斜状態の位置(図示iの位置)まで角度を振りながら切削する。次いでエンドミル21は、第1移動装置50により固定治具51と嵌合部材53とが中間距離の位置(図示eの位置)、すなわち切削開始位置まで切削することで、第2切削部212を形成する。
このように形成された第2切削部212は、図15に示されるように、管軸方向の両方の端部の湾曲部212d、212dがいずれも平面視略U形状に形成される。
なお、図15に示される第2切削部212は、図14に係る手順にて上記したようにa〜eの位置まで切削した後、筐体3、切削装置20及び補修弁装置70の第1の傾斜状態の位置(図15のiの位置)まで角度を振りながら切削することによって形成されてもよい。
また例えば、前記実施例では、切削工程において、第2切削部12を形成した後、第1切削部11を形成する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1切削部11を形成した後、第2切削部12を形成してもよい。
更に例えば、前記実施例では、切削工程において、エンドミル21を周方向に2列にわたり切削することによって、第2切削部12を形成したが、例えばエンドミル21を周方向に1列のみ又は3列以上にわたり切削することによって、第2切削部12を形成してもよい。同様に、エンドミル21を管軸方向に2列にわたり切削することによって、第1切削部11を形成したが、例えばエンドミル21を管軸方向に1列のみ又は3列以上にわたり切削することによって、第1切削部11を形成しても構わない。
このように、エンドミル21を所定回数平行に切削することによって、エンドミル21が比較的小径でコンパクトな切削装置20であっても、バタフライ弁4の弁筐体41及び弁体43の形状に応じた適宜寸法の第1切削部11及び第2切削部12を形成することができる。
また、第1切削部11は、流体管1を分断するように流体管1の全周に亘って形成される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バタフライ弁4における弁筐体41が通過可能であれば、流体管1の周方向の一部を切り欠いて設けられてもよい。この場合、弁筐体の外形形状を流体管1の内周面と筐体3の内周面とに連続して密封状に当接する、もしくは、流体管1の内周面と切削面とに連続して密封状に当接するようにし、密封性を高めることが好ましい。
また、前記実施例では、第1切削部11と第2切削部12とが直交する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、弁体43の止流面を流体管と直交しないように配置できるものであれば、例えば、第1切削部11と第2切削部12とが斜めに交差するようになっていてもよい。
尚、本実施例では、第2切削部12が第1切削部11から管軸方向に延びる上流側の幅と下流側の幅とが略同一となるように形成されていたが、第1切削部11から管軸方向に延びる上流側の幅と下流側の幅とが異なるように形成されていてもよい。例えば、弁体43の一方の面側に寄せて弁軸が接続されている場合には、弁体43を開放状態にすると該弁体43における弁筐体41から管軸方向に突出する幅が上流側と下流側で異なることとなるが、弁体43が弁筐体41から管軸方向に突出する上流側の幅と下流側の幅とに合わせて、第1切削部11から延びる第2切削部12の上流側の幅と下流側の幅とが異なるように形成することが切削部10を最小化するという観点から好ましい。
また、前記実施例では、流体管1の上方からバタフライ弁4を挿入設置する形態を例示したが、流体管1に対して交差する方向からであれば、上下、左右、斜め方向のいずれの方向から挿入されるようになっていてもよい。
1 流体管
2 流路開閉装置
3,3’ 筐体
4 バタフライ弁
10 切削部
11 第1切削部
12 第2切削部
12a 切削面
21 エンドミル
31A 分岐部
31B 作業用開口部
41 弁筐体
43 弁体
50 第1移動装置
80 第2移動装置
112,212 第2切削部
500 第1移動装置

Claims (6)

  1. 流体管の流路を開閉する流路開閉装置においてバタフライ弁を不断流状態で設置する設置方法であって、
    前記流体管の所定箇所に密封状に外嵌された筐体内において、エンドミルにより切削されて前記流体管の周方向に延びる第1切削部と、エンドミルにより切削されて前記第1切削部に連続して交差するように前記流体管の管軸方向に延びる第2切削部と、からなる切削部を形成する切削工程と、
    前記筐体内において、前記バタフライ弁の弁筐体が前記第1切削部を通過するとともに、前記弁筐体を開放した開放状態の弁体が前記第2切削部を通過するように、前記切削部に前記バタフライ弁を設置する弁設置工程と、を有することを特徴とする流路開閉装置におけるバタフライ弁の設置方法。
  2. 前記切削工程において、前記第1切削部及び前記第2切削部は、同じエンドミルにより切削されることを特徴とする請求項1に記載の流路開閉装置におけるバタフライ弁の設置方法。
  3. 前記切削工程において、前記第1切削部及び前記第2切削部の少なくとも一方は、エンドミルの径よりも大きな幅に切削されることを特徴とする請求項1または2に記載の流路開閉装置におけるバタフライ弁の設置方法。
  4. 流体管の所定箇所に密封状に外嵌された筐体と、前記筐体内において流体管に形成された切削部に設置されるバタフライ弁と、を備える流路開閉装置であって、
    前記切削部は、エンドミルにより切削されて前記流体管の周方向に延び前記バタフライ弁の弁筐体が通過可能な第1切削部と、エンドミルにより切削されて前記第1切削部に連続して交差するように前記流体管の管軸方向に延び前記弁筐体を開放した開放状態の弁体が通過可能な第2切削部と、を備えていることを特徴とする流路開閉装置。
  5. 前記第2切削部は、前記流体管における前記筐体の作業用開口側に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の流路開閉装置。
  6. 前記第2切削部は、前記流体管の外径方向に向けて拡開したテーパ状の切削面を有していることを特徴とする請求項4または5に記載の流路開閉装置。
JP2017057434A 2017-03-23 2017-03-23 流路開閉装置におけるバタフライ弁の設置方法、及び流路開閉装置 Active JP6896470B2 (ja)

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