JP2024010462A - 純水製造方法及び純水製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、シリカを含有する被処理水から混床式イオン交換装置を用いて純水を製造する純水製造方法及び純水製造装置に関する。
一般に、半導体製造工場等で用いられる純水(超純水)は、前処理装置、一次純水製造装置及び一次純水を処理するサブシステムを備えた純水製造装置を用いて製造される。
前処理装置は、上下水、地下水などの原水に含まれる懸濁物質を凝集、沈殿、濾過することで除去し、逆浸透膜及びイオン交換装置を有する一次純水製造装置によって原水成分の99~99.99%が除去されて一次純水が生成される。上記サブシステムは、一次純水に残留するごく微量のイオンやコロイド成分を除去することで超純水を生成する。
このような超純水の製造工程において、原水からイオンを除去して一次純水を生成するには、主としてイオン交換装置が用いられる。イオン交換装置としては、陽イオン(カチオン)交換樹脂と陰イオン(アニオン)交換樹脂とをそれぞれ単床として用いる複床式イオン交換装置、並びにカチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂を混合状態で用いる混床式イオン交換装置が知られている。複床式イオン交換装置については、例えば特許文献1に記載されている。また、混床式イオン交換装置については、例えば特許文献2に記載されている。
近年、超純水に要求される水質はより厳しくなる傾向にあり、発電所、医薬品製造所、半導体製造工場などで用いられる超純水には高純度の水質が要求される。上記複床式及び混床式イオン交換装置うち、混床式イオン交換装置では、イオン交換樹脂のイオン交換性能を再生する(回復させる)再生処理において、混合状態のカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを分離する必要がある。通常、分離作業では、イオン交換装置の底部から洗浄水を上昇流で注入して内部の混合樹脂を逆洗しつつ、樹脂の比重差を利用して、上層部にアニオン交換樹脂に移動させ、下層部にカチオン交換樹脂を移動させることでアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを分離する。再生作業では、分離状態において、底部から酸等のカチオン交換樹脂の再生剤を注入し、頂部からアルカリ等のアニオン交換樹脂の再生剤を注入することで再生処理を行なう。再生処理の終了後は樹脂を水洗し、エアーまたは窒素ガス等を樹脂層内に注入して、分離されたカチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂を再び混合させる。このとき、再生しきれずに残留するシリカ形アニオン交換樹脂が下層部にも存在するため、混床式イオン交換装置では、採水時に処理水側にシリカがリークしやすい傾向がある。高純度の水質が要求される超純水では、シリカもまた濃度を低減する必要がある。
本発明は上述したような背景技術が有する課題を解決するためになされたものであり、混床式イオン交換装置において処理水側にリークするシリカ濃度を低減できる純水製造方法及び純水製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の純水製造方法は、シリカを含有する被処理水から混床式イオン交換装置を用いて純水を製造する純水製造方法であって、
前記混床式イオン交換装置が内包するイオン交換樹脂に前記被処理水を接触させる採水工程と、
前記採水工程後に実行する、前記イオン交換樹脂のイオン交換性能を再生する再生工程と、
前記再生工程後に前記混床式イオン交換装置に対して通水や採水を行わない静置状態を所定の静置時間だけ維持する静置工程と、
を有し、
前記静置時間が0.5時間以上であり、720時間以内である。
前記混床式イオン交換装置が内包するイオン交換樹脂に前記被処理水を接触させる採水工程と、
前記採水工程後に実行する、前記イオン交換樹脂のイオン交換性能を再生する再生工程と、
前記再生工程後に前記混床式イオン交換装置に対して通水や採水を行わない静置状態を所定の静置時間だけ維持する静置工程と、
を有し、
前記静置時間が0.5時間以上であり、720時間以内である。
一方、本発明の純水製造装置は、シリカを含有する被処理水から純水を製造する純水製造装置であって、
混床式イオン交換装置と、
前記混床式イオン交換装置が内包するイオン交換樹脂に前記被処理水を接触させる採水工程、前記採水工程後に実行する、前記イオン交換樹脂のイオン交換性能を再生する再生工程及び前記再生工程後に前記混床式イオン交換装置に対して通水や採水を行わない静置状態を所定の静置時間だけ維持する静置工程を実行する制御装置と、
を有し、
前記静置時間が0.5時間以上であり、720時間以内である。
混床式イオン交換装置と、
前記混床式イオン交換装置が内包するイオン交換樹脂に前記被処理水を接触させる採水工程、前記採水工程後に実行する、前記イオン交換樹脂のイオン交換性能を再生する再生工程及び前記再生工程後に前記混床式イオン交換装置に対して通水や採水を行わない静置状態を所定の静置時間だけ維持する静置工程を実行する制御装置と、
を有し、
前記静置時間が0.5時間以上であり、720時間以内である。
本発明によれば、混床式イオン交換装置において処理水側にリークするシリカ濃度を低減できる。
次に本発明について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の純水製造方法で用いる純水製造装置の一構成例を示すブロック図である。
図1で示すように、純水製造装置(一次純水製造装置)は、不図示の前処理装置で処理された被処理水を一時的に貯留する被処理水タンク1と、被処理水からイオンを除去する樹脂塔2と、樹脂塔2を通水した処理水を一時的に貯留する処理水タンク3と、被処理水タンク1から樹脂塔2に被処理水を送水するためのポンプ(P)4と、一次純水製造装置の動作を制御する制御装置5とを有する。また、図1で示す一次純水製造装置は、樹脂塔2に洗浄水またはイオン交換樹脂の再生剤を供給するためのポンプ(P)6及び7と、再生後のイオン交換樹脂を混合するためのエアー等を樹脂塔2に注入するためのコンプレッサ(C)8とをさらに有する。制御装置5は、図1で示す一次純水製造装置を含む純水製造装置全体の動作を制御する構成であってもよい。樹脂塔2は、イオン交換樹脂(カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂)を内包する、上述した混床式イオン交換装置である。被処理水タンク1に貯留された被処理水は樹脂塔2の頂部から供給され、処理水は樹脂塔2の底部から処理水タンク3へ供給される。処理水は、周知の濃度計を用いてシリカ濃度が計測されてもよい。
樹脂塔2の頂部及び底部からは、不図示のタンクからポンプ6及び7を通して洗浄水が供給される。また、樹脂塔2の頂部及び底部からは、不図示のタンクからポンプ6及び7を通してイオン交換樹脂の再生剤が供給される。再生及び水洗浄廃液はカチオン交換樹脂とアニオン樹脂の境界面付近に設置される不図示の集水管(中間コレクター)から排出される。さらに、樹脂塔2の底部からは、再生後のイオン交換樹脂を混合するために、コンプレッサ8を介してエアー等が注入される。図1では、図面が複雑になるのを避けるために、樹脂塔2に対して洗浄水及び再生剤が同一のラインを通して供給されている。しかしながら、実際の樹脂塔2には、洗浄水と再生剤とがそれぞれ異なるラインを通して供給されることもある。
制御装置5は、被処理水用のポンプ4、洗浄水用及び再生剤用のポンプ6及び7、コンプレッサ8、並びに濃度計等と周知の通信手段を介して接続され、ポンプ4、洗浄水用及び再生剤用のポンプ6及び7、並びにコンプレッサ8等の動作の制御が可能であり、濃度計による計測結果を受信できる。通信手段は、周知の有線通信手段または無線通信手段のどちらを用いてもよく、その通信規格も周知のどのような規格を用いてもよい。また、制御装置5は、タイマーを備え、後述する樹脂塔2の静置工程における静置時間を制御する。
制御装置5は、例えば、周知のPLC(Programmable Logic Controller)で実現できる。制御装置5は、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置、I/Oインタフェース、通信装置等を備えた周知の情報処理装置(コンピュータ)で実現してもよい。制御装置5は、予め記憶装置に保存されたプログラムにしたがって、PLCまたは情報処理装置が備えるプロセッサが処理を実行することで、本発明の純水製造方法を実現する。
このような構成において、本実施形態では、図1で示した一次純水製造装置を以下で説明する採水工程及び再生工程で運転すると共に、再生工程後に樹脂塔2に対して通水や採水等を行わない静置状態を所定の時間だけ維持する静置工程を設ける。採水工程、再生工程及び静置工程は、以下の(1)~(3)で説明する工程である。採水工程、再生工程及び静置工程は、制御装置5が、被処理水用のポンプ4、洗浄水用及び再生剤用のポンプ6及び7、コンプレッサ8等の動作を制御することで実現される。制御装置5は、採水工程、再生工程及び静置工程を繰り返し実行することで、樹脂塔2を用いて被処理水から処理水(一次純水)を製造する。
(1)採水工程
採水工程は、被処理水からイオンを除去して一次純水を生成する工程である。採水工程では、ポンプ4を用いて樹脂塔2に被処理水を供給して樹脂塔2内のイオン交換樹脂と被処理水とを接触させ、イオン交換によって被処理水からイオンを除去した処理水(一次純水)を生成する。
(2)再生工程
再生工程は、樹脂塔2に内包するイオン交換樹脂のイオン交換性能を再生する工程である。再生工程には、以下の(2-1)~(2-5)で示す工程が含まれる。
(2-1)分離工程
樹脂塔2の底部から洗浄水を上昇流で注入し、樹脂塔2内におけるカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを分離する。このとき、洗浄水には、周知の分離促進剤を添加したり、薬品を用いてイオン交換樹脂のイオン形を変換させたりしてもよい。
(2-2)通薬工程
分離工程後、再生剤を用いてアニオン交換樹脂を再生形(OH形、以下、R-OHと記す)に変換し、カチオン交換樹脂を再生形(H形、以下、R-Hと記す)に変換することで、それぞれのイオン交換性能を再生する。
(2-3)押出、洗浄工程
通薬工程後、樹脂塔2の頂部及び底部から洗浄水を再生剤通薬方向と同方向で注入し、樹脂塔2内に残る再生剤を洗浄水で押出して洗浄する。
(2-4)混合工程
押出、洗浄工程後、エアー等を樹脂塔2の底部から注入することで樹脂塔2内のカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを混合させる。イオン交換樹脂は、樹脂の種類やイオン形によって比重差があるため、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とが均等に分布するように混合する。
(2-5)ブロー工程
混合工程後、イオン交換樹脂の圧密及び洗浄のために樹脂塔内に洗浄水を下降流で注入する。本ブロー工程は、省略してもよい。
(3)静置工程
静置工程は、再生工程の終了後、樹脂塔2に通水や採水等を行わない静置状態で所定の時間(静置時間)だけ維持する工程である。静置時間は、被処理水のシリカ負荷及び処理水に要求されるシリカ濃度によって異なるが、0.5時間以上であることが望ましい。静置時間は、後述する実施例で示すように、5時間以上であることがより望ましく、17.5時間以上であることがさらに望ましい。
(1)採水工程
採水工程は、被処理水からイオンを除去して一次純水を生成する工程である。採水工程では、ポンプ4を用いて樹脂塔2に被処理水を供給して樹脂塔2内のイオン交換樹脂と被処理水とを接触させ、イオン交換によって被処理水からイオンを除去した処理水(一次純水)を生成する。
(2)再生工程
再生工程は、樹脂塔2に内包するイオン交換樹脂のイオン交換性能を再生する工程である。再生工程には、以下の(2-1)~(2-5)で示す工程が含まれる。
(2-1)分離工程
樹脂塔2の底部から洗浄水を上昇流で注入し、樹脂塔2内におけるカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを分離する。このとき、洗浄水には、周知の分離促進剤を添加したり、薬品を用いてイオン交換樹脂のイオン形を変換させたりしてもよい。
(2-2)通薬工程
分離工程後、再生剤を用いてアニオン交換樹脂を再生形(OH形、以下、R-OHと記す)に変換し、カチオン交換樹脂を再生形(H形、以下、R-Hと記す)に変換することで、それぞれのイオン交換性能を再生する。
(2-3)押出、洗浄工程
通薬工程後、樹脂塔2の頂部及び底部から洗浄水を再生剤通薬方向と同方向で注入し、樹脂塔2内に残る再生剤を洗浄水で押出して洗浄する。
(2-4)混合工程
押出、洗浄工程後、エアー等を樹脂塔2の底部から注入することで樹脂塔2内のカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを混合させる。イオン交換樹脂は、樹脂の種類やイオン形によって比重差があるため、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とが均等に分布するように混合する。
(2-5)ブロー工程
混合工程後、イオン交換樹脂の圧密及び洗浄のために樹脂塔内に洗浄水を下降流で注入する。本ブロー工程は、省略してもよい。
(3)静置工程
静置工程は、再生工程の終了後、樹脂塔2に通水や採水等を行わない静置状態で所定の時間(静置時間)だけ維持する工程である。静置時間は、被処理水のシリカ負荷及び処理水に要求されるシリカ濃度によって異なるが、0.5時間以上であることが望ましい。静置時間は、後述する実施例で示すように、5時間以上であることがより望ましく、17.5時間以上であることがさらに望ましい。
このように、再生工程後に静置工程を設けることで、樹脂塔(混床式イオン交換装置)2から処理水側にリークするシリカ濃度を低減できる。上述したように、混床式イオン交換装置では、混合によって樹脂塔2の下層部にシリカ形アニオン交換樹脂が移動している状態で採水工程を実施すると、処理水側にシリカがリークしやすい傾向がある。再生工程後に静置工程を設けると、シリカが拡散して樹脂塔2の下層部のシリカ形アニオン交換樹脂が低減し、処理水側へリークするシリカも低減すると考えられる。
静置時間は、処理水に要求されるシリカ濃度に応じて、実験結果等に基づいて予め設定しておけばよい。処理水のシリカ濃度を濃度計で計測する場合、静置時間は、処理水に要求されるシリカ濃度に応じて変更してもよい。
次に本発明の実施例について説明する。
(第1実施例)
第1実施例では、静置工程を設けることで処理水のシリカ濃度が低減できることを示す。
(第1実施例)
第1実施例では、静置工程を設けることで処理水のシリカ濃度が低減できることを示す。
表1は、静置工程を有する第1条件と、静置工程を有さない第1比較例の実験条件及び処理水のシリカ濃度をそれぞれ示している。表2は、本実施例で行うカチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂の再生条件をそれぞれ示している。
第1条件及び第1比較例は、静置工程の有無以外は同じ条件で実験を行う。すなわち、同じ製造メーカの同じ型番のイオン交換樹脂を用い、同じ内径のカラムを樹脂塔2として用い、シリカ負荷が同じ被処理水を同じ採水時間だけ通水させ、表2で示す条件でカチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂を再生させた後、同じ混合条件及び同じブロー条件でイオン交換樹脂を混合させる。第1条件の静置時間は17.5時間(h)とし、第1比較例の静置時間は0時間(h)とする。
なお、実際の一次純水製造装置では、採水工程、再生工程及び静置工程を同一の樹脂塔2内で実施するが、第1実施例の実験で用いる採水用のカラムは内径が小さく、逆洗や混合をうまく実施できない。そのため、第1実施例では、採水用のカラム内のイオン交換樹脂を内径が大きいカラムに移し替えて逆洗を実施している。また、第1実施例では、再生後のイオン交換樹脂を採水用のカラムへ移し替える前に手作業で混合している。さらに、採水用のカラムには中間コレクターに相当する構成が無いため、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の再生を別々のカラムで実施している。したがって、第1実施例で示す実験の作業工程は、採水、カラムの移し替え、アニオン交換樹脂の取り出し(カチオン交換樹脂はそのまま)、両イオン交換樹脂の再生(通薬、押出、洗浄)、両イオン交換樹脂の取り出し、混合、採水用のカラムに対する両イオン交換樹脂の充填、静置(第1条件のみ)、ブロー(15分間洗浄)及び採水(初期のシリカリークの濃度を確認するため)の順となっている。
表1及び表2、並びに後述する表3及び表4中で用いる略称の意味は以下の通りである。
CER:カチオン(陽イオン)交換樹脂。
AER:アニオン(陰イオン)交換樹脂。
LV(m/h):線速度。樹脂塔(カラム)断面を通過する洗浄水の速度(流速)を表す。
SV(L/L-樹脂/h):空間速度。単位樹脂量を通過する薬剤や洗浄水の速度(流速)を表す。
UPW:超純水(Ultra-Pure Water)。
表3は、静置工程を有する第2条件~第6条件と、静置工程を有さない第2比較例の実験条件及び処理水のシリカ濃度をそれぞれ示している。
表3で示すように、第2条件の静置時間は1時間(h)であり、第3条件の静置時間は3.4時間(h)であり、第4条件の静置時間は5.4時間(h)であり、第5条件の静置時間は20時間(h)であり、第6条件の静置時間は24時間(h)である。第2比較例の静置時間は0時間(h)である。その他の条件は、第2条件~第6条件及び第2比較例で同一である。図2は、表3で示す第2条件~第6条件及び第2比較例における処理水のシリカ濃度を示すグラフである。
表3及び図2から分かるように、処理水のシリカ濃度は、静置時間が長くなる程低くなる。また、静置時間は、第2条件で示す1時間以上、最低でも0.5時間以上であれば、静置工程を有さない第2比較例よりも処理水のシリカ濃度が低くなると考えられる。
また、図2から分かるように、処理水のシリカ濃度は、静置時間が5時間程度までは大きく減少し、さらに静置時間が長くなると、減少が緩やかとなり、静置時間が17.5時間を超えると安定する。なお、静置時間が24時間である第6条件では、シリカ濃度の計測結果が測定限界(2μg/L)以下であるため、図2のグラフではシリカ濃度を「0」としている。そのため、第6条件は、静置時間に対するシリカ濃度の変化を観察するデータから除外する。
したがって、静置時間は、0.5時間以上であることが望ましく、5時間以上であることがより望ましく、17.5時間以上であることがさらに望ましい。但し、静置時間があまり長くなると、純水製造装置を用いた超純水の製造効率が低下するために好ましくない。表3及び図2から分かるように、処理水のシリカ濃度は、静置時間が24時間を超えればあまり変化しないと考えられる。したがって、静置時間は、例えば720時間(30日)以内であることが望ましい。
表4は、同じ静置時間(17.5時間)において、樹脂塔2内の温度を変えた第7条件及び第8条件の処理水のシリカ濃度をそれぞれ示している。表4から分かるように、同じ実験条件及び同じ静置時間に設定した場合、樹脂塔2内の静置温度が高い方が処理水のシリカ濃度を低減できることが分かる。但し、樹脂塔2内の静置温度が高すぎると、イオン交換樹脂の製品寿命が低下する等の問題が発生するおそれがある。したがって、樹脂塔2内の静置温度は、20℃から60℃の範囲内において、例えば、処理水に要求されるシリカ濃度に応じて適宜設定すればよい。
樹脂塔2内の温度は、例えば、樹脂塔2の外周にヒータ等を取り付け、樹脂塔2内の温度を周知の温度計で計測しつつ、制御装置5によってヒータのオン/オフを制御することで設定すればよい。
1 被処理水タンク
2 樹脂塔
3 処理水タンク
4、6、7 ポンプ
5 制御装置
8 コンプレッサ
2 樹脂塔
3 処理水タンク
4、6、7 ポンプ
5 制御装置
8 コンプレッサ
Claims (5)
- シリカを含有する被処理水から混床式イオン交換装置を用いて純水を製造する純水製造方法であって、
前記混床式イオン交換装置が内包するイオン交換樹脂に前記被処理水を接触させる採水工程と、
前記採水工程後に実行する、前記イオン交換樹脂のイオン交換性能を再生する再生工程と、
前記再生工程後に前記混床式イオン交換装置に対して通水や採水を行わない静置状態を所定の静置時間だけ維持する静置工程と、
を有し、
前記静置時間が0.5時間以上であり、720時間以内である純水製造方法。 - 前記静置時間が5時間以上である請求項1に記載の純水製造方法。
- 前記静置時間が17.5時間以上である請求項1または2に記載の純水製造方法。
- 前記静置工程における前記混床式イオン交換装置内の温度が20℃から60℃の範囲である請求項1または2に記載の純水製造方法。
- シリカを含有する被処理水から純水を製造する純水製造装置であって、
混床式イオン交換装置と、
前記混床式イオン交換装置が内包するイオン交換樹脂に前記被処理水を接触させる採水工程、前記採水工程後に実行する、前記イオン交換樹脂のイオン交換性能を再生する再生工程及び前記再生工程後に前記混床式イオン交換装置に対して通水や採水を行わない静置状態を所定の静置時間だけ維持する静置工程を実行する制御装置と、
を有し、
前記静置時間が0.5時間以上であり、720時間以内である純水製造装置。
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