JP2024009629A - タイヤ加硫金型 - Google Patents

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耕司 新川
Koji Shinkawa
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Abstract

Figure 2024009629000001
【課題】タイヤの外観品質を向上させる。
【解決手段】
ここで開示されるタイヤ加硫金型10は、金型本体20と、ベントホール20bに挿通され、ベントホール20bに沿って貫通した筒状のホルダ30と、ホルダ30の内周面31に装着されたプラグ35とを備えている。プラグ35は、成形面20a側に配置された表面部36と、ベントホール20bに沿って表面部36から延び、表面部36よりも細い中間部37と、ベントホール20bに沿って中間部37から延び、ホルダ30に対して取り付けられる取付部38とを備えている。ホルダ30の内周面31と表面部37の外周面の間には、隙間39が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、タイヤ加硫金型に関する。
特開2014-058046号公報には、タイヤの外表面を成形するタイヤ成形面に空気を排出するためのベントホールが設けられた、タイヤ加硫金型が開示されている。同公報に開示されているタイヤ加硫金型のベントホールには、排気プラグが装着されている。排気プラグは、ベントホールに嵌入される筒状のハウジングと、ハウジングに挿通される棒状のステムとを備えている。ステムは、ベントホールの軸方向に延びる胴部と、タイヤ成形面に露出する頭部とを有している。加硫時に発生する空気は、ハウジングとステムの間の隙間を通過する。ハウジングの内側面には、ステムの頭部の側面が部分的に溶接されている。ハウジングとステムが溶接された部位に衝撃を与えることによって、ハウジングからステムを取り外すことができるとされている。また、再び溶接することによって、ステムをハウジングに取り付けることができるとされている。このように、ハウジングとステムが着脱可能であるため、メンテナンス性が良好であるとされている。
特開2017-196757号公報には、本体と、ベントピースとを備えたタイヤ加硫金型(同公報では、タイヤ用モールドと称されている。)が開示されている。本体には、ベントピースが挿入されるベントピース挿入室と、ベントピース挿入室から外部空間に貫通する貫通孔とを備えている。ベントピースは、上記ベントピース挿入室に挿入されるホルダと、このホルダに挿入されるプラグとを備えている。ホルダは、プラグが挿入されるプラグ挿入室と、プラグ挿入室から貫通孔に連通する連通孔とを備えている。プラグは、キャビティ面の一部をなす先端面と、プラグ挿入室の底に対向する後端面と、先端面と後端面の間に延在してプラグ挿入室の内周面に摺動する外周面とを備えている。プラグ挿入室の内周面には、雌ネジが形成されており、プラグの外周面には、雄ネジが形成されている。プラグ挿入室の雌ネジとプラグの雄ネジが螺合することによって、プラグの先端面が進退可能に構成されている。かかるタイヤ加硫金型を用いることによって、キャビティ面の段差が抑制されるとされている。
特開2014-058046号公報 特開2017-196757号公報
タイヤの加硫成形時、ローカバーが加硫されることによって発生したガスがタイヤ加硫金型とローカバーの間に残ることによって、加硫後のタイヤの外観品質が損なわれうる。
ここで開示されるタイヤ加硫金型は、タイヤの外形形状を成形する成形面と、成形面に開口したベントホールとを有する金型本体と、ベントホールに挿通され、ベントホールに沿って貫通した筒状のホルダと、ホルダの内周面に装着されたプラグとを備えている。プラグは、成形面側に配置された表面部と、ベントホールに沿って表面部から延び、表面部よりも細い中間部と、ベントホールに沿って中間部から延び、ホルダに対して取り付けられる取付部とを備えている。ホルダの内周面と表面部の外周面の間には、隙間が形成されている。
かかるタイヤ加硫金型を用いることによって、タイヤの外観品質が向上する。
図1は、タイヤ用加硫機1の模式図である。 図2は、タイヤ加硫金型10の模式図である。 図3は、タイヤ加硫金型10の断面図である。 図4は、ホルダ30およびプラグ35の模式図である。 図5は、ホルダ30およびプラグ35の平面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〈タイヤ用加硫機1〉
図1は、タイヤ用加硫機1の模式図である。図1では、ローカバー40が加硫される前の状態が示されている。図1では、ベントホール20b、ホルダ30、プラグ35等の図示は省略されている。図1に示されているように、タイヤ用加硫機1は、タイヤ加硫金型10と、ブラダ26とを備えている。タイヤ用加硫機1のタイヤ加硫金型10内でローカバー40が加硫されることによって、タイヤが成形される。
〈ローカバー40〉
ローカバー40は、加硫成形前の未加硫のタイヤであり、生タイヤとも称される。図示は省略するが、ローカバー40は、ビードワイヤーやカーカスやベルトなどの基材に、未加硫のサイドウォールゴムやトレッドゴムが貼り合わせられた筒状の部材である。図1に示されているように、ローカバー40は、トレッド部42と、サイドウォール部44とを有している。トレッド部42は、加硫後のタイヤの、路面と接する面を構成する部位である。サイドウォール部44は、加硫後のタイヤの側面を構成する部位である。ローカバー40は、ブラダ26によってタイヤ加硫金型10に押し当てられた状態で加熱および加圧される。
〈ブラダ26〉
ブラダ26は、ブラダ中心機構16に取り付けられている。ブラダ中心機構16は、後述するタイヤ加硫金型10の開閉に連動して、ブラダ26が取り付けられているクランプリングを開閉可能に構成されている。ブラダ中心機構16は、加硫時に、ブラダ26の内部の空間に向かって高温流体を導入できるように構成されている。ブラダ26の内部の空間に向かって高温流体が導入されることによってブラダ26が膨張する。膨張したブラダ26によってローカバー40がタイヤ加硫金型10に押し当てられる。
〈タイヤ加硫金型10〉
図2は、タイヤ加硫金型10の模式図である。図2では、ローカバー40が加硫され、タイヤが成形されている状態の図が示されている。図2では、ローカバー40がタイヤ加硫金型10に押し当てられている部分の断面が模式的に示されている。図2に示されているように、タイヤ加硫金型10は、金型本体20と、ホルダ30と、プラグ35とを備えている。ホルダ30およびプラグ35は、併せてベントピースとも称される。金型本体20、ホルダ30およびプラグ35は、タイヤの外形形状を成形する成形面20aを形成している。
〈金型本体20〉
金型本体20は、成形面20aと、ベントホール20bとを有している。成形面20aは、タイヤの外形形状を成形する面である。成形面20aは、トレッドモールド22と、サイドモールド24とによって形成されている。トレッドモールド22は、ブラダ26で保持されたローカバー40の外径方向のトレッド部42を成形する金型部材である。サイドモールド24は、ブラダ26で保持されたローカバー40の軸方向側面のサイドウォール部44を成形する金型部材である。特に限定されないが、この実施形態では、金型本体20は、アルミニウム製である。金型本体20は、タイヤの加硫時に、図示しないヒータによって加熱される。
トレッドモールド22は、ローカバー40の周方向に分割された複数のモールドで構成されている。図示は省略するが、複数のトレッドモールド22は、周方向において所定の間隔を空けて配置されうる。図1に示されているように、トレッドモールド22は、金型開閉機構12に取り付けられている。金型開閉機構12は、トレッドモールド22が取り付けられたスライダ12aと、上下方向に駆動されるプッシャ12bとを備えている。スライダ12aの外側面には、下方に向かうにつれて外方に広がった傾斜面が形成されている。プッシャ12bには、スライダ12aの傾斜面に対向するように、下方に向かうにつれて外方に向けて広がった傾斜面が形成されている。プッシャ12bの傾斜面と、スライダ12aの傾斜面との当たりによって、スライダ12aが内外に移動する。これによって、トレッドモールド22は、径方向に開閉される。
サイドモールド24は、円環状に形成されている。サイドモールド24は、タイヤ加硫金型10の上方および下方に設けられている。サイドモールド24は、上方および下方の金型ベース14に取り付けられている。金型ベース14は、例えば、プレス機とプレス台とに取り付けられている。この実施形態では、上方の金型ベース14は、プレス台に取り付けられており、上下に移動可能に構成されている。
タイヤの加硫前には、トレッドモールド22は、径方向外側において、隣り合うトレッドモールド22とは離れた状態で配置されている。上方のサイドモールド24は、ローカバー40の上方に保持される。タイヤの加硫時には、トレッドモールド22は、径方向内側に移動し、複数のモールドが周方向に連続する。上方のサイドモールド24は、下方に移動する。これによって、トレッドモールド22とサイドモールド24は連続し、タイヤの成形面20aが形成される。
金型本体20の成形面20aには、ベントホール20bが開口している。ベントホール20bは、タイヤの加硫時に、金型本体20とローカバー40との間において発生するガスを排出するための孔である。この実施形態では、ベントホール20bは、成形面20a側から深さ方向に横切る断面が略円形状の孔である。ベントホール20bは、トレッドモールド22に複数形成されている。図2に示されているように、ベントホール20bは、トレッドモールド22を径方向に沿って貫通している。ベントホール20bには、ホルダ30が挿通されている。
〈ホルダ30〉
図3は、タイヤ加硫金型10の断面図である。図3では、金型本体20にホルダ30およびプラグ35が挿通された状態のタイヤ加硫金型10の断面が示されている。図3では、ホルダ30は、スリット33に沿った断面が示されている。図4は、ホルダ30およびプラグ35の模式図である。図4では、プラグ35が装着されたホルダ30の内部を部分的に露出させた図が模式的に示されている。図5は、ホルダ30およびプラグ35の平面図である。図5では、プラグ35が装着されたホルダ30を、ホルダ30の端部30a側から見た図が模式的に示されている。
図3に示されているように、ホルダ30は、ベントホール20bに挿通される部材である。この実施形態では、ホルダ30は、SUS430から形成されている。ホルダ30は、ベントホール20bの径に対応した外径を有している。この実施形態では、ホルダ30の外径は、ベントホール20bの径よりもわずかに大きく形成されている。ホルダ30は、ベントホール20bに圧入され、金型本体20(この実施形態では、トレッドモールド22)に取り付けられる。ホルダ30の一方の端部30aは、金型本体20の内側(成形面20a側)に露出している。ホルダ30の端部30aは、金型本体20の成形面20aと略同一平面上に設けられている。ホルダ30の端部30aは、成形面20aの一部を形成している。以下では、端部30aを成形面30aとも称する。金型本体20には、ホルダ30を位置決めするための構成が設けられていてもよい。例えば、金型本体20の、ベントホール20bが形成された位置には、ホルダ30を位置決めするための段差が設けられていてもよい。
ホルダ30は、筒状に形成されている。ホルダ30は、ベントホール20bに沿って貫通している。ホルダ30に形成されている貫通孔は、ホルダ30の一方の端部30aから他方の端部30bに向かって貫通している。換言すると、貫通孔は、ホルダ30の軸方向に沿って貫通している。この実施形態では、ホルダ30は、略円筒状である。なお、ホルダ30の形状は特に限定されない。
図4に示されているように、ホルダ30には、スリット33が形成されている。スリット33は、ホルダ30の軸方向に沿って延びている。この実施形態では、スリット33は、ホルダ30の成形面30aと反対側の端部30bから延びている。この実施形態では、スリット33は、プラグ35がホルダ30に装着された際に、軸方向において、少なくとも一部が後述するプラグ35の中間部37と重なる位置に形成されている。なお、スリット33の長さは、特に限定されない。
この実施形態では、ホルダ30には、4本のスリット33が形成されている(図5参照)。4本のスリット33は、ホルダ30の周方向に沿って略均等な間隔で設けられている。なお、スリット33の本数は特に限定されないが、通気の安定性の観点から、2本以上であることが好ましく、4本以上であることがより好ましい。また、部品強度の観点から、スリット33の本数は、6本以下であることが好ましい。スリット33の幅は特に限定されないが、通気の安定性と部品強度の観点から、0.3mm以上0.6mm以下であることが好ましい。
この実施形態では、ホルダ30の内周面には、後述するプラグ35が取り付けられる雌ねじ31aが形成されている。雌ねじ31aは、ホルダ30の少なくとも一部に形成されていればよい。この実施形態では、雌ねじ31aは、ホルダ30の内周面31のうち、スリット33が設けられている部位に形成されている。
〈プラグ35〉
プラグ35は、図3に示されているように、ホルダ30の内周面31に装着される部材である。この実施形態では、プラグ35の長さは、ホルダと略同一である。プラグ35は、表面部36と、中間部37と、取付部38とを備えている。この実施形態では、プラグ35は、SUS430から形成されている。特に限定されないが、プラグ35は、SUS400系から形成されていることが好ましい。SUS400系は、フェライト系ステンレス鋼およびマルテンサイト系のステンレス鋼を含んでいる。SUS400系は、磁性を有するステンレス鋼である。
表面部36は、成形面20a側に配置される部位である。この実施形態では、表面部36は、略円盤状に形成されている。表面部36は、金型本体20の内側(成形面20a側)に露出し、成形面20aの一部を形成する面を含んでいる。表面部36は、端面36aを有している。端面36aは、金型本体20の成形面20aおよびホルダ30の成形面30aと略同一平面上に設けられている。以下では、端面36aを成形面36aとも称する。表面部36の外径は、ホルダ30の内径よりもわずかに小さい寸法に設定されている。これによって、ホルダ30の内周面と表面部36の外周面の間には、隙間39が形成されている。隙間39からは、タイヤの加硫時に、金型本体20とローカバー40との間において発生するガスが通過する。
表面部36からは、中間部37が延びている。中間部37は、表面部36の成形面36aとは反対側の端部から延びている。中間部37は、ベントホール20bに沿って延びている。中間部37は、表面部36よりも細く形成された部位である。この実施形態では、中間部37は、テーパ部37a,37cと、円柱部37bとを有している。テーパ部37aは、表面部36からベントホール20bの深さ方向に向かって徐々に縮径した部位である。換言すると、テーパ部37aは、ベントホール20bの深さ方向に向かって先細る略円錐台状に形成されている。ここでは、金型本体20の表面(成形面20a)からベントホール20bに沿って金型本体20の内部に向かう方向を深さ方向と称する。テーパ部37aの深さ方向の端部からは、円柱部37bが延びている。円柱部37bは、外径が略一定の円柱状に形成されている。円柱部37bの深さ方向の端部からは、テーパ部37cが延びている。テーパ部37cは、ベントホール20bの深さ方向に向かって徐々に拡径した部位である。換言すると、テーパ部37cは、ベントホール20bの深さ方向に向かって先太る略円錐台状に形成されている。
中間部37は、表面部36よりも細く形成されている。このため、プラグ35がホルダ30に装着された際に、プラグ35の中間部37とホルダ30の内周面31の間には、空間34が形成される。空間34には、隙間39を通過したガスが流れ込む。なお、中間部37の形状は、上述した形態に限定されない。例えば、中間部37は、表面部36よりも細い略一定の外径を有する円柱形状であってもよい。
深さ方向において、中間部37の端部(テーパ部37cの深さ方向の端部)からは、取付部38が延びている。この実施形態では、取付部38は、略円柱状に形成されている。取付部38は、ホルダ30に対して取り付けられる部位を有している。この実施形態では、取付部38は、雄ねじ38aを有している。雄ねじ38aは、ベントホール20bに沿った方向において取付部38の一部に形成されている。取付部38において、雄ねじ38aが形成された部位以外の部位は、略円柱状に形成されている。取付部38の雄ねじ38aが形成されていない部位は、ホルダ30の雌ねじ31aのねじ山に挿通可能な太さに設定されうる。プラグ35の雄ねじ38aは、ホルダ30の雌ねじ31aと係合する。プラグ35は、取付部38の雄ねじ38aを介してホルダ30に取り付けられる。プラグ35の雄ねじ38aがホルダ30の雌ねじ31aに対して締められたり緩められたりされることによって、軸方向においてホルダ30とプラグ35の相対的な位置が調整されうる。例えば、成形面30aと成形面36aが同一平面上配置されるように、ホルダ30に対するプラグ35の位置が調整されうる。成形面30aと成形面36aが同一平面上に調整されることによって、加硫成形後のタイヤの表面に段差が生じにくい。
上述した実施形態では、雌ねじ31aと雄ねじ38aによってホルダ30とプラグ35の相対的な位置が調整可能に構成されている。これによって、ホルダ30に対するプラグ35の位置が容易に調整されうる。また、ホルダ30に対するプラグ35の位置は、ねじを締められたり緩められたりされることによって調整されるため、微調整が容易である。例えば、製造ばらつき等によってホルダ30やプラグ35の寸法に個体差がある場合にも、ホルダ30とプラグ35の位置関係が微調整されやすい。これによって、成形面20aに段差が生じにくくなる。
なお、プラグ35は、金型本体20に取り付けられたホルダ30に対して、成形面20a側から取り付けられる。上述したように、プラグ35は、SUS430から形成されている。SUS430は、磁性を有している。磁性を有する材料を含んだ工具(例えば、先端にネオジム磁石を含んだドライバ)を用い、磁力によって成形面36aを保持した状態で、プラグ35をホルダ30に取り付けることができる。磁力によって成形面36aを保持することができるため、プラグ35の成形面36aに工具穴等を形成する必要がない。成形面36aに穴が形成されていないことによって、加硫成形後のタイヤの表面にゴムが盛り上がった部分が形成されにくい。
ところで、タイヤの加硫成形時には、ローカバーが加硫されることによってタイヤ加硫金型とローカバーとの間でガスが発生する。発生したガスは、ローカバーとタイヤ加硫金型の間に溜まりうる。ガスがタイヤ加硫金型の外部に排出されない場合には、加硫成形後のタイヤの表面にベア(くぼみ)が生じるなど外観品質が損なわれうる。このため、タイヤ加硫金型の成形面には、加硫時に発生したガスを排出するための通気構造(ベントホール)が設けられている。
上述した実施形態では、タイヤ加硫金型10は、タイヤの外形形状を成形する成形面20aと成形面20aに開口したベントホール20bを有する金型本体20と、ベントホール20bに挿通され、ベントホール20bに沿って貫通した筒状のホルダ30と、ホルダ30の内周面31に装着されたプラグ35とを備えている。プラグ35は、成形面20a側に配置された表面部36と、ベントホール20bに沿って表面部36から延び、表面部36よりも細い中間部37と、ベントホール20bに沿って中間部37から延び、ホルダ30に対して取り付けられる取付部38とを備えている。ホルダ30の内周面31と表面部37の外周面の間には、隙間39が形成されている。加硫時にタイヤ加硫金型10の成形面20aとローカバー40の間で発生したガスは、ホルダ30とプラグ35の間に形成された隙間39を通ってベントホール20bに流れ込む。タイヤ加硫金型10では、ホルダ30の内周面31とプラグ35の中間部37の間に、空間34が形成されている。空間34が形成されていることによって、加硫時に発生したガスは、ホルダ30とプラグ35の間に流れ込み、効率的にベントホール20bを通過しやすい。加硫時に発生したガスが効率的にベントホール20bから排出されることによって、加硫後のタイヤの表面にベアが発生しにく。その結果、タイヤの外観品質が損なわれにくい。
上述した実施形態では、ホルダ30には、軸方向に沿って延びるスリット33が形成されている。加硫時に発生したガスがスリット33を通過することによって、ガスがより効率よくベントホール20bに排出されうる。
上述した実施形態では、スリット33は、軸方向において、少なくとも一部が中間部37と重なる位置に形成されている。かかる構成によって、ホルダ30の内周面31とプラグ35の中間部37の間の空間34に流入したガスは、スリット33を通ってベントホール20bに排出されやすい。このため、ガスがより効率よくベントホール20bに排出されうる。
上述した実施形態では、スリット33は、ホルダ30の成形面30aと反対側の端部30bから延びている。かかる構成によって、成形面30aと反対側の端部30bにおいてガスが効率よくベントホール20bに排出されうる。
また、上述した実施形態では、ホルダ30の成形面30aと反対側の端部30bから延びたスリット33が中間部37と重なる位置まで延びている。スリット33は、取付部38が設けられた部位を通過して形成されている。このため、スリット33は、空間34と繋がっている。空間34に流入したガスは、スリット33を通ってベントホール20bに排出されやすい。その結果、ガスがより効率よくベントホール20bに排出されうる。
なお、タイヤ加硫金型の通気構造として大きな隙間や孔等が形成されている場合には、当該隙間にローカバーのゴム材料がベントホールに流れ込む場合がある。ベントホールにゴム材料が流れ込むことによって、加硫後のタイヤに線状や筒状のゴム片が形成されうる。かかるゴム片は、スピューやバリとも称される。加硫後のタイヤにゴム片が形成される場合にも、加硫後のタイヤの外観品質が損なわれうる。
上述した実施形態では、ホルダ30にプラグ35が取り付けられた際に、ホルダ30の成形面30aとプラグ35の成形面36aの間には、隙間39が形成されている。隙間39からは、タイヤの加硫時に、金型本体20とローカバー40との間において発生するガスが通過する。隙間39を通過したガスは、ベントホール20bを通ってタイヤ加硫金型10の外に排出される。本発明者の検討によると、成形面20aにおいて、ホルダ30の内径と、プラグ35の表面部36の外径の差は、0.03mm以上0.05mm以下であることが好ましい。このような寸法に設定されることによって、隙間39は、ガスを通しつつローカバー40のゴム材料が通りにくくなる。その結果、加硫後のタイヤにゴム片が形成されにくく、タイヤの外観品質が良好になりうる。
以下、ここで開示されるタイヤ加硫金型の実施例について説明する。以下の例では、表1に示されている形状のホルダおよびプラグを作製し、タイヤを加硫成形した。ここでは、各例では、155/65R14の寸法のタイヤを2200本加硫成形した。
なお、タイヤの加硫成形として、1100個のベントピースが設けられたタイヤ加硫金型を用いた。当該ベントピースに嵌まる寸法に設計された各例のホルダおよびプラグを取り付け、タイヤを加硫成形した。タイヤの加硫成形後、タイヤ表面に発生したベアを目視で検査し、外観を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2024009629000002
表1の「隙間」は、ホルダの内径とプラグの外径との差を示す。例1~6において、ホルダは、略円筒形状である。表1の「形状」の「円柱」とは、プラグの形状が、円筒状のホルダの内周面に対応した円柱形状であることを示す。表1の「形状」の「3部」とは、プラグの形状が、上述した表面部36、中間部37および取付部38を備えるプラグ35と同様の形状であることを示す。なお、ホルダのスリットの形状は、上述したホルダ30のスリット33と同様の形状に設定した。ホルダのスリットの幅は、0.4mmに設定した。
例1では、ホルダは鉄製であり、プラグはステンレス製であった。例1では、プラグの成形面を構成する面に工具穴を形成した。例1では、当該工具穴に工具(ドライバ)の先端を入れ、プラグをホルダに取り付けた。
例2~例6では、ホルダおよびプラグはSUS430製であった。例2~例6では、プラグの成形面を構成する面に工具穴を形成しなかった。例2~例6では、先端にネオジム磁石が含まれた工具を用いて磁力によってプラグの成形面を保持した状態で、プラグをホルダに取り付けた。
例1では、加硫成形されたタイヤの表面に、プラグ成形面の工具穴が転写されていた。例2~例6では、プラグ成形面に工具穴は設けられていないため、工具穴に由来するような跡は形成されていなかった。このため、例2~例6は、例1と比較して外観品質は良好であった。
例2と例3との比較により、表面部、中間部および取付部を備えるホルダを用いることによって、ベアの発生が抑制されることがわかる。例3~例6の比較により、ホルダにスリットを形成することにより、ベアの発生がより抑制されることがわかる。例4~6の比較により、スリットを4本以上にすることによって、ベアの発生がさらに抑制されることがわかる。
タイヤの加硫成形後、各例についてホルダからプラグを取り外した。例1のプラグでは、ホルダとの隙間が形成されていた部位に、ゴム片が付着していた。本発明者の知見では、例1のプラグとホルダの間の隙間が大きかったため、ホルダとプラグの隙間にゴム片が入り込むことによって隙間が詰まっていた。これによって、ガスが排出されにくくなり、、タイヤの表面にベアが発生しやすくなっていた。なお、例2~例6のプラグには、ホルダとの隙間が形成されていた部位に、ゴム片の付着はなかった。
以上、ここで開示されるタイヤ加硫金型について、種々説明した。しかしながら、ここで開示されるタイヤ加硫金型は、特に言及されない限りにおいて、上述した形態に限定されない。例えば、上述した実施形態では、ホルダとプラグの長さは、略同一に設定されていたが、かかる形態に限定されない。プラグは、ホルダよりも長くてもよいし、ホルダは、プラグよりも長くてもよい。例えば、ホルダがプラグよりも長い場合、スリットは、軸方向において、少なくとも一部がプラグと重なる位置に形成されていることが好ましく、取付部と重なる位置に形成されていることがより好ましい。かかる構成によって、加硫時に発生したガスがベントホールに排出されやすい。
また、種々言及した形態の各構成は、互いに阻害しない関係であれば、適宜に組み合わせることができる。本明細書は以下の開示を含んでおり、以下の開示は、上記した実施形態には限定されない。
本発明(1)は、タイヤ加硫金型に関する。本発明におけるタイヤ加硫金型は、
タイヤの外形形状を成形する成形面と、前記成形面に開口したベントホールとを有する金型本体と、
前記ベントホールに挿通され、前記ベントホールに沿って貫通した筒状のホルダと、
前記ホルダの内周面に装着されたプラグと
を備え、
前記プラグは、
前記成形面側に配置された表面部と、
前記ベントホールに沿って前記表面部から延び、前記表面部よりも細い中間部と、
前記ベントホールに沿って前記中間部から延び、前記ホルダに対して取り付けられる取付部と
を備え、
前記ホルダの内周面と前記表面部の外周面の間には、隙間が形成されている。
本発明(2)は、本発明(1)に記載されたタイヤ加硫金型であって、前記ホルダには、軸方向に沿って延びるスリットが形成されている。
本発明(3)は、本発明(2)に記載されたタイヤ加硫金型であって、前記スリットは、軸方向において、少なくとも一部が前記中間部と重なる位置に形成されている。
本発明(4)は、本発明(2)または(3)に記載されたタイヤ加硫金型であって、前記スリットは、前記成形面と反対側の端部から延びている。
本発明(5)は、本発明(2)から(4)までの何れか1つに記載されたタイヤ加硫金型であって、前記スリットは、軸方向において、少なくとも一部が前記取付部と重なる位置に形成されている。
本発明(6)は、本発明(1)から(5)までの何れか1つに記載されたタイヤ加硫金型であって、前記成形面において、前記ホルダの内径と、前記プラグの前記表面部の外径の差は、0.03mm以上0.05mm以下である。
本発明(7)は、本発明(1)から(6)までの何れか1つに記載されたタイヤ加硫金型であって、前記ホルダおよび前記プラグは、SUS400系から形成されている。
1 タイヤ用加硫機
10 タイヤ加硫金型
20 金型本体
20a 成形面
20b ベントホール
22 トレッドモールド
24 サイドモールド
30 ホルダ
30a 端部(成形面)
30b 端部
31 内周面
33 スリット
34 空間
35 プラグ
36 表面部
36a 端面(成形面)
37 中間部
38 取付部
39 隙間
40 ローカバー

Claims (7)

  1. タイヤの外形形状を成形する成形面と、前記成形面に開口したベントホールとを有する金型本体と、
    前記ベントホールに挿通され、前記ベントホールに沿って貫通した筒状のホルダと、
    前記ホルダの内周面に装着されたプラグと
    を備え、
    前記プラグは、
    前記成形面側に配置された表面部と、
    前記ベントホールに沿って前記表面部から延び、前記表面部よりも細い中間部と、
    前記ベントホールに沿って前記中間部から延び、前記ホルダに対して取り付けられる取付部と
    を備え、
    前記ホルダの内周面と前記表面部の外周面の間には、隙間が形成されている、
    タイヤ加硫金型。
  2. 前記ホルダには、軸方向に沿って延びるスリットが形成されている、請求項1に記載されたタイヤ加硫金型。
  3. 前記スリットは、軸方向において、少なくとも一部が前記中間部と重なる位置に形成されている、請求項2に記載されたタイヤ加硫金型。
  4. 前記スリットは、前記成形面と反対側の端部から延びている、請求項2または3に記載されたタイヤ加硫金型。
  5. 前記スリットは、軸方向において、少なくとも一部が前記取付部と重なる位置に形成されている、請求項2または3に記載されたタイヤ加硫金型。
  6. 前記成形面において、前記ホルダの内径と、前記プラグの前記表面部の外径の差は、0.03mm以上0.05mm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載されたタイヤ加硫金型。
  7. 前記ホルダおよび前記プラグは、SUS400系から形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載されたタイヤ加硫金型。
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