JP2024008668A - 電気化学センサおよび電気化学センサシステム - Google Patents

電気化学センサおよび電気化学センサシステム Download PDF

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Abstract

【課題】電気化学センサを構成する三極電極の配置の工夫により、各電極の機能の切り換えに柔軟に対応することを可能にする。【解決手段】被検液中の特定成分の濃度測定に用いられる電気化学センサであって、同一の基材10上に配置された少なくとも三つの電極21,22,23を備え、前記三つの電極21,22,23のうち、少なくとも二つの電極21,22は、同一構造および同一形状を有するダイヤモンド電極によって構成され、前記二つの電極21,22はそれぞれが作用電極または対電極のいずれかとして機能するとともに、前記三つの電極21,22,23のうちの前記二つの電極21,22以外の一つの電極23が参照電極として機能し、前記二つの電極21,22は、前記一つの電極23における所定の電極基準点26を通る仮想線27を対称軸として、それぞれが線対称の位置に配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、電気化学センサおよび電気化学センサシステムに関する。
オゾン水のオゾン濃度を測定する電気化学センサとして、作用電極、対電極および参照電極の三極電極が導電性ダイヤモンド電極によって構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。斯かる電気化学センサは、オゾン水に少なくとも作用電極および対電極を接触させた状態で、作用電極と対電極との間の電流値を測定することで、オゾン濃度の測定を行う。作用電極と対電極は、並設される三極電極のうちでそれぞれが互いに隣り合うように(互いの間の距離が近くなるように)配置されている(例えば、特許文献1の「図9」参照)。
国際公開第2020/091033号
電気化学センサは、被検液(例えばオゾン水)中での電気化学反応(例えば酸化還元反応)による電子の移動を、三極電極(特に作用電極および対電極)を利用して検出することで、被検液中の特定成分(例えばオゾン)の濃度測定を行う。そのため、電気化学センサによる濃度測定結果は、各電極の状態(例えば表面状態)の影響を受け得る。その場合に、各電極の機能が固定的であると、各電極の個体差や使用に伴う状態劣化等により、所望の測定精度が得られなかったり測定感度が低下したりするおそれがある。
本開示は、電気化学センサを構成する三極電極の配置の工夫により、各電極の機能の切り換えに柔軟に対応することを可能にし、測定精度の向上や測定感度低下の抑制等を実現可能にする技術を提供する。
本開示の一態様は、
被検液中の特定成分の濃度測定に用いられる電気化学センサであって、
同一の基材上に配置された少なくとも三つの電極を備え、
前記三つの電極のうち、少なくとも二つの電極は、同一構造および同一形状を有するダイヤモンド電極によって構成され、
前記二つの電極はそれぞれが作用電極または対電極のいずれかとして機能するとともに、前記三つの電極のうちの前記二つの電極以外の一つの電極が参照電極として機能し、
前記二つの電極は、前記一つの電極における所定の電極基準点を通る仮想線を対称軸として、それぞれが線対称の位置に配置されている
電気化学センサである。
本開示の技術によれば、少なくとも作用電極と対電極との機能の切り換えに柔軟に対応することができ、測定精度の向上や測定感度低下の抑制等が実現可能となる。
本開示の第一実施形態に係る電気化学センサの概略構成例を示す斜視図である。 図1に示す電気化学センサのA-A線断面図である。 本開示の第一実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の一具体例を模式的に示す説明図である。 本開示の第一実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の他の一具体例を模式的に示す説明図(その1)である。 本開示の第一実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の他の一具体例を模式的に示す説明図(その2)である。 本開示の第一実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の他の一具体例を模式的に示す説明図(その3)である。 本開示の第一実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の他の一具体例を模式的に示す説明図(その4)である。 本開示の第一実施形態に係る電気化学センサシステムの機能構成例を示すブロック図である。 本開示の第一実施形態に係る電気化学センサシステムにおける処理動作の一具体例を示すタイムチャート図である。 本開示の第一実施形態に係る電気化学センサシステムにおける処理動作の他の一具体例を示すタイムチャート図である。 本開示の第二実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の一具体例を模式的に示す説明図である。 本開示の第二実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の他の一具体例を模式的に示す説明図(その1)である。 本開示の第二実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の他の一具体例を模式的に示す説明図(その2)である。 本開示に係る電気化学センサにおける電極配置の変形例を模式的に示す説明図(その1)である。 本開示に係る電気化学センサにおける電極配置の変形例を模式的に示す説明図(その2)である。 本開示に係る電気化学センサにおける電極配置の変形例を模式的に示す説明図(その3)であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図である。 本開示に係る電気化学センサにおける電極配置の変形例を模式的に示す説明図(その4)である。 本開示に係る電気化学センサにおける電極配置の変形例を模式的に示す説明図(その5)である。 本開示に係る電気化学センサにおける電極配置の変形例を模式的に示す説明図(その6)である。 本開示に係る電気化学センサの具体的な一構成例を示す斜視図である。 図20の電気化学センサについての六面図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は背面図、(e)は右側面図、(f)は左側面図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は例示であって、本開示は例示された態様に限定されるものではない。
<第一実施形態>
まず、本開示の第一実施形態について説明する。
(1)電気化学センサの構成
本実施形態で説明する電気化学センサは、被検液中の特定成分の濃度測定に用いられるものである。被検液は、例えば、オゾン(O)が水(水道水等)中に溶存するオゾン水である。特定成分は、例えば、オゾン水中に溶存するオゾンである。濃度測定は、例えば、リニアスイープボルタンメトリー(LSV)を利用して行う。つまり、本実施形態における電気化学センサは、オゾン水中のオゾン濃度(O濃度)を、LSVを利用して測定するものである。
(全体構成)
オゾン水中のオゾン濃度を測定するために、本実施形態における電気化学センサは、以下に説明するように構成されている。
図1は、本開示の第一実施形態に係る電気化学センサの概略構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示す電気化学センサのA-A線断面図である。
図1および図2に示すように、電気化学センサ1は、同一の基材(すなわち一つの基材)である支持基板10上に配置された三つの電極21,22,23を備えて構成されている。また、支持基板(以下、単に「基板」とも称する)10における各電極21,22,23の配置面上には、各電極21,22,23のそれぞれに導通する三本の配線(電気配線)31,32,33が互いに離間して配設されている。基板10上の配線31,32,33は、各電極21,22,23を被検液に接触させた際に、被検液が配線31,32,33に接触することがないように、絶縁性の材料等で形成された防水部材40により覆われている。
(基板構成)
基板10は、各電極21,22,23を支持するものであり、長手方向に延びる短冊形のシート状(板状)部材として形成されている。基板10は、例えば絶縁性を有する複合樹脂、セラミック、ガラス、プラスチック等の絶縁性材料で形成することができる。基板10は、例えば、ガラスエポキシ樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)で形成されていることが好ましい。また、基板10は、各電極21,22,23の配置面が絶縁性を有するように構成された半導体基板や金属基板であってもよい。基板10は、所定の物理的強度および機械的強度、例えば被検液中のO濃度を測定している間は、折れ曲がったり、破損したりすることがない強度を有している。
(電極構成)
各電極21,22,23は、基板10の短手方向に沿って並ぶように配置されている。なお、各電極21,22,23の平面的な配置については、詳細を後述する。
基板10上で並ぶ三つの電極21,22,23のうち、その並びの両端に位置する二つの電極21,22は、それぞれが作用電極または対電極のいずれかとして機能するようになっている。また、これら二つの電極21,22以外の一つの電極23、すなわち二つの電極21,22の間に位置する一つの電極23は、参照電極として機能するようになっている。
少なくとも作用電極または対電極のいずれかとして機能する二つの電極21,22、好ましくは参照電極として機能する一つの電極23も含む三つの電極21,22,23は、それぞれ、ホウ素ドープダイヤモンド電極(以下、「BDD電極」とも称する)で構成されている。BDD電極とは、ダイヤモンド膜にホウ素を高濃度ドープし、金属性質を持たせたものを電気化学用電極として用いるものであり、ここではチップ化して使用する。今回用いるBDD電極は、金属製多結晶ダイヤモンド膜等で構成された電極膜24と、導電性基板(以下、単に「基板」とも称する)25と、を備えるチップ状の電極(電極チップ)である。BDD電極は、基板25の裏面(すなわち電極膜24が設けられた面とは反対側の面)から導通をとる縦型電極として構成されている。
また、少なくとも二つ、好ましくは三つの電極21,22,23は、それぞれがBDD電極であることに加えて、それぞれが同一構造および同一形状を有する。ここでいう「同一構造」とは、それぞれが同一の積層構造であること、すなわちそれぞれが電極膜24と基板25とを備える積層構造であることを意味する。また、ここでいう「同一形状」とは、それぞれが同一のチップ平面形状であること、すなわち電極として機能する検出面が同一の平面形状および面積であり、各平面形状が描く図形が合同であることを意味する。
なお、本明細書では、作用電極または対電極のいずれかとして機能する二つの電極21,22のうちの一方のBDD電極を、第一ダイヤモンド電極(第一BDD電極)21とも称し、当該二つの電極21,22のうちの他方のBDD電極を、第二ダイヤモンド電極(第二BDD電極)22とも称する。また、参照電極として機能する一つの電極23であるBDD電極については、第三ダイヤモンド電極(第三BDD電極)23とも称する。これら第一BDD電極21、第二BDD電極22および第三BDD電極23をまとめて電極群20と称することもある。
これら第一BDD電極21~第三BDD電極23は、既述のように、それぞれが電極膜24と導電性基板25とを備えて構成されている。
電極膜24は、多結晶ダイヤモンドで構成されている。具体的には、電極膜24は、ドーパントとしてのホウ素(B)元素を含むダイヤモンド結晶、すなわち、p型の導電性を有するダイヤモンド結晶で構成される多結晶膜(多結晶ダイヤモンド膜)である。ダイヤモンド結晶とは、炭素(C)原子がダイヤモンド結晶構造と呼ばれるパターンで配列している結晶である。また、電極膜24は、Bがドープされたダイヤモンド・ライク・カーボン(DLC)膜であってもよい。電極膜24におけるB濃度は、二次イオン質量分析(Secondary Ion Mass Spectrometry(SIMS))で測定でき、例えば5×1019cm-3以上5×1021cm-3以下とすることができる。SIMSとは、電極膜24の表面にビーム状のイオン(一次イオン)を照射した際に発生するイオン(二次イオン)を質量分析計で検出して所定の物質の濃度を測定する手法である。
電極膜24は、基板25が有する二つの主面のうちいずれか一方の主面上に設けられている。本明細書では、電極膜24が設けられる基板25の主面を、「基板25の結晶成長面」とも称する。電極膜24は、基板25の結晶成長面全域にわたって設けられている。電極膜24は、表面(露出面)で、所定の電気化学反応(例えば、オゾンの酸化還元反応)を生じさせる。
電極膜24は、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition(CVD))法や、物理蒸着(Physical Vapor Deposition(PVD))法等により成長させる(堆積させる、合成する)ことができる。CVD法としては、タングステンフィラメントを用いた熱フィラメント(ホットフィラメント)CVD法、プラズマCVD法等が例示され、PVD法としては、イオンビーム法やイオン化蒸着法等が例示される。電極膜24の厚さは、例えば0.5μm以上10μm以下、好ましくは1μm以上6μm以下、より好ましくは2μm以上4μm以下とすることができる。
導電性基板25としては、低抵抗材料で構成された平板状の基板が用いられる。基板25として、シリコン(Si)を主元素として構成され、ホウ素(B)等のp型のドーパントを所定濃度で含む基板、例えばp型の単結晶Si基板を用いることができる。基板25として、p型の多結晶Si基板を用いることもできる。基板25におけるB濃度は、例えば5×1018cm-3以上1.5×1020cm-3以下、好ましくは5×1018cm-3以上1.2×1020cm-3以下とすることができる。基板25におけるB濃度が上記範囲内であることにより、基板25の比抵抗を低くしつつ、基板25の製造歩留の低下や性能劣化を回避することができる。
基板25の厚さは例えば350μm以上とすることができる。これにより、直径が6インチや8インチである市販の単結晶Si基板を、バックラップ(back rap)して厚さ調整することなく、基板25としてそのまま用いることが可能となる。その結果、BDD電極の生産性を高め、製造コストを低減することが可能となる。基板25の厚さの上限は特に限定されないが、現在一般的に市場に流通しているSi基板の厚さは、直径が12インチの単結晶Si基板で775μm程度である。このため、現在の技術における基板25の厚さの上限は例えば775μm程度とすることができる。
基板25として、Siを主元素として構成された基板(Si基板)以外の基板を用いることもできる。例えば、基板25として、炭化シリコン基板(SiC基板)等のSiの化合物を用いて構成された基板を用いることもできる。
なお、基板25として、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)等を主元素として構成された金属基板を用いることも考えられる。しかしながら、金属基板を用いた場合、リーク電流が生じやすいことから、基板25としてSi基板を用いる方が好ましい。
以上のような構成の第一BDD電極21~第三BDD電極23は、公知の成膜手法を用いて形成することができる。
(配線構成)
支持基板10上には、当該基板10の長手方向における一端部から他端部側に向かって、配線31,32,33が配設されている。配線31,32,33の形成材料としては、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)等の各種貴金属、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)等の各種金属、これらの貴金属または金属を主成分とする合金、上記貴金属、金属、または合金の酸化物、カーボン等が例示される。配線31,32,33は、同一の材料を用いて形成されていてもよく、それぞれが異なる材料を用いて形成されていてもよい。配線31,32,33は、サブトラクティブ法やセミアディティブ法等により形成することができる。また、配線31,32,33は、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷等の印刷法や、蒸着法等により形成することもできる。
配線31の一端部には、導電性の接合材34(図2参照)を介して、第一BDD電極21が電気的に接続されている。配線32の一端部には、導電性の接合材34を介して、第二BDD電極22が電気的に接続されている。配線33の一端部には、導電性の接合材34を介して、第三BDD電極23が電気的に接続されている。接合材34としては、導電性ペースト(導電性接着剤)や導電性テープ等を用いることができる。
第一BDD電極21、第二BDD電極22、第三BDD電極23のそれぞれにおける基板25側(電極膜24を積層したのとは反対の面)には、メタライズ処理することが望ましい。メタライズ処理に用いる金属は、Au、Ag、Pt、Cu、Al、マグネシウム(Mg)、Ni、Ti、Mo、タングステン(W)やそれらの積層体、合金など、半導体チップのマウントに用いられている技術を適用することが可能である。メタライズ処理を行うことで、導電性基板25と接合材34との接続抵抗を下げ、接合強度を高めることができる。
第一BDD電極21、第二BDD電極22、第三BDD電極23の基板25側を配線31,32,33に接続すること、更には、接合面の基板25側にメタライズ処理を行うことにより、オゾン濃度測定時の各BDD電極21,22,23内の電流分散に偏りが生じるのを防ぐことができ、いずれの電極21,22,23を作用電極に用いても、電極表面全体で均一に電気化学反応を生じさせることができるようになる。
また、第一BDD電極21、第二BDD電極22、第三BDD電極23の基板25側を配線31,32,33に接続することにより、各BDD電極21,22,23の表面側に電気配線や絶縁樹脂を被せる必用が無くなり、各BDD電極21,22,23の表面の汚染が防止できるだけでなく、各BDD電極21,22,23の表面を凹凸の無い平坦面に保つことでできる。これにより、いずれの電極21,22,23を作用電極に用いても、オゾン濃度測定時の各BDD電極21,22,23の周りのオゾンの拡散経路を同じになるようにすることができ、いずれの電極21,22,23を作用電極に用いても等価な回路でオゾン濃度測定ができるようになる。
第一BDD電極21と配線31との接合部の周囲、第二BDD電極22と配線32との接合部の周囲、および、第三BDD電極23と配線33との接合部の周囲は、それぞれ、絶縁性樹脂35(図2参照)で封止されている。絶縁性樹脂35は、熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂で構成することができる。熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂としては、エポキシ系の絶縁樹脂、ノボラック系の絶縁樹脂等を用いることができる。絶縁性樹脂35は、例えば、硬化前の液状の絶縁性樹脂(以下、「液状樹脂」とも称する)を、各接合材34の周囲と、第一BDD電極21、第二BDD電極22および第三BDD電極23のそれぞれの周囲と、に塗布し、加熱または紫外線照射により液状樹脂を硬化させることで設けることができる。なお、液状樹脂の塗布および硬化は、第一BDD電極21と配線31とを電気的に接続し、第二BDD電極22と配線32とを電気的に接続し、第三BDD電極23と配線33とを電気的に接続した後に行われる。液状樹脂は、例えば、接合材34、第一BDD電極21の側面、第二BDD電極22の側面および第三BDD電極23の側面を露出させることなく覆うように塗布する。また、液状樹脂は、第一BDD電極21の表面、第二BDD電極22の表面および第三BDD電極23の表面には付着しないように塗布する。なお、「第一BDD電極21の表面」、「第二BDD電極22の表面」、「第三BDD電極23の表面」とは、それぞれ、各電極が有する電極膜24の表面を意味し、具体的には、電極膜24が有する2つの主面のうち、基板25と接する面とは反対側の面を意味する。「第一BDD電極21の表面」、「第二BDD電極22の表面」、「第三BDD電極23の表面」は、被検液中のオゾンの検出に寄与する面(検出面)であるともいえる。
なお、本実施形態においては、少なくとも作用電極または対電極のいずれかとして機能する二つの電極21,22が同一構造および同一形状を有することに加え、各電極21,22と接続される配線31,32、および、各電極21,22と各配線31,32とを電気的に接続する接合材34、更にはそれらの接合部34の周囲を封止する絶縁性樹脂35についても、同一構造(材質)、同一形状を有することが望ましい。これにより、後述する第一回路52と第二回路53とが等価となり得るからである。
(電極配置)
次に、上述した構成の電気化学センサ1における各電極21,22,23の支持基板10上での配置の態様について、具体例を挙げて説明する。
図3は、本開示の第一実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の一具体例を模式的に示す説明図である。
図3に示すように、基板10上において、三つの電極21,22,23である第一BDD電極21、第二BDD電極22および第三BDD電極23は、当該基板10の短手方向に沿って並設されている。さらに詳しくは、第一BDD電極21と第二BDD電極22との間に第三BDD電極23が位置するように、それぞれが並設されている。
各電極21,22,23の平面形状は、例えば基板10の長手方向に沿って配された長辺を有する長方形状とすることができるが、これに限定されるものではなく、正方形状や円形状であっても構わない。ただし、少なくとも第一BDD電極21および第二BDD電極22、好ましくは第一BDD電極21~第三BDD電極23の全ては、それぞれが同一の平面形状であるものとする。
各電極21,22,23の平面積は、特に限定されるものではないが、例えば1mm以上、好ましくは4mm以上、より好ましくは10mm以上、さらに好ましくは20mm以上であり、好ましくは100mm以下、より好ましくは50mm以下である。ここでいう「平面積」とは、基板10の主面に対して垂直方向上方から各電極21,22,23を見た際の面積であり、被検液中のオゾンの検出に寄与する面(検出面)の面積に相当する。
各電極21,22,23の平面積が1mm以上であれば、当該電極21,22,23を精度よく安定して容易に作製することができ、ハンドリング性の低下および実装安定性の低下を抑制することもできる。
各電極21,22,23の平面積が100mm以下であれば、電気化学センサ1の大型化を回避できる、すなわち、小型の電気化学センサ1を得やすくなる。さらには、各電極21,22,23の平面積が50mm以下であることで、高感度のセンサ1を得ながら、センサ1の大型化を確実に回避できる。
基板10上に並設された各電極21,22,23のうち、第一BDD電極21と第二BDD電極22とは、これらの間に位置する第三BDD電極23における所定の電極基準点26を通る仮想線27を対称軸として、それぞれが線対称の位置に配置されている。ここで「第三BDD電極23における所定の電極基準点26」とは、第三BDD電極23について予め設定された位置基準となる点である。具体的には、例えば第三BDD電極23の平面形状における重心点または中心点が、電極基準点26として例示できる。また、「電極基準点26を通る仮想線27」は、電極基準点26を通過するように想定された線である。具体的には、電極基準点26を通り、かつ、基板10の長手方向に沿って延びる直線が、電極基準点26を通る仮想線27として例示できる。
このように、基板10上においては、第三BDD電極23の電極基準点26を通る仮想線27を対称軸として、第一BDD電極21と第二BDD電極22とが線対称の位置に配置されている。したがって、第一BDD電極21と第二BDD電極22とは、それぞれが同一の平面形状であることに加え、それぞれが第三BDD電極23の電極基準点26を通る仮想線27から等距離の位置に配置されていることになる。
なお、第一BDD電極21および第二BDD電極22と同様に、各電極21,22,23が配設される基板10についても、対称性を有する平面形状に形成されていることが好ましい。つまり、基板10は、第三BDD電極23の電極基準点26を通る仮想線27を対称軸として、当該基板10の平面形状が対称性を有していることが好ましい。対称性を有する場合、基板10上において、第三BDD電極23の電極基準点26を通る仮想線27は、当該基板10の短手方向の中心を通過することになる。また、基板10の角部にR加工やC面取り加工等が施された角処理部11が設けられる場合、角処理部11は、第三BDD電極23の電極基準点26を通る仮想線27を挟んで両辺側のそれぞれに位置することになる。
以上に説明した具体例では、第一BDD電極21~第三BDD電極23が基板10の短手方向に沿って並ぶように配置されている構成について説明したが、各電極21,22,23の配置がこれに限定されるものではない。つまり、各電極21,22,23は、第一BDD電極21と第二BDD電極22とが線対称であれば、他の態様で配置されていてもよい。
図4は、本開示の第一実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の他の一具体例を模式的に示す説明図(その1)である。
図4に示す配置態様では、基板10上において、第一BDD電極21~第三BDD電極23が、当該基板10の長手方向に沿って並ぶように配置されている。そして、第一BDD電極21と第二BDD電極22との間に位置する第三BDD電極23の電極基準点26を通る仮想線27を対称軸として、第一BDD電極21と第二BDD電極22とが線対称の位置に配置されている。つまり、対称軸となる仮想線27は、基板10の短手方向に沿って延びるように配されている。このような配置態様の場合も、第一BDD電極21と第二BDD電極22とは、それぞれが同一の平面形状であることに加え、それぞれが第三BDD電極23の電極基準点26を通る仮想線27から等距離の位置に配置されていることになる。
また、上述した各具体例では、第一BDD電極21~第三BDD電極23が基板10で一列に並ぶように配置されている構成について説明したが、各電極21,22,23の配置がこれに限定されるものではない。
図5は、本開示の第一実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の他の一具体例を模式的に示す説明図(その2)である。
図5に示す配置態様では、基板10上において、第一BDD電極21と第二BDD電極22が当該基板10の短手方向に沿って並んでいるが、その列から離れて第三BDD電極23が位置するように、各電極21,22,23が配置されている。そして、第三BDD電極23の電極基準点26を通る仮想線27を対称軸として、第一BDD電極21と第二BDD電極22とが線対称の位置に配置されている。このような配置態様の場合も、第一BDD電極21と第二BDD電極22とは、それぞれが同一の平面形状であることに加え、それぞれが第三BDD電極23の電極基準点26を通る仮想線27から等距離の位置に配置されていることになる。
このような配置態様であれば、第一BDD電極21~第三BDD電極23が一列に並ぶ場合に比べて、第一BDD電極21と第二BDD電極22との間隔を近づけることができる。したがって、電気化学センサ1のコンパクト化に容易に対応し得るようになる。
また、上述した各具体例では、第一BDD電極21~第三BDD電極23がいずれも同一の平面形状である構成について説明したが、各電極21,22,23の配置がこれに限定されるものではない。
図6は、本開示の第一実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の他の一具体例を模式的に示す説明図(その3)である。図7は、本開示の第一実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の他の一具体例を模式的に示す説明図(その4)である。
図6または図7に示す配置態様では、参照電極として機能する第三BDD電極23が、第一BDD電極21および第二BDD電極22とは異なる平面形状で形成されている。一方、第一BDD電極21と第二BDD電極22とは、第三BDD電極23の電極基準点26を通る仮想線27を対称軸として、それぞれが線対称の位置に配置されている。このような配置態様の場合も、第一BDD電極21と第二BDD電極22とは、それぞれが同一の平面形状であることに加え、それぞれが第三BDD電極23の電極基準点26を通る仮想線27から等距離の位置に配置されていることになる。
(2)システム構成
次に、上述した電気化学センサ1を備えて構成される電気化学センサシステムについて説明する。
図8は、本開示の第一実施形態に係る電気化学センサシステムの機能構成例を示すブロック図である。
図8に示すように、電気化学センサシステム(以下、単に「システム」とも称する)は、電気化学センサ1に加えて、電気化学測定装置2を備えて構成されている。電気化学測定装置2には、コンピュータ装置3が接続されている。なお、電気化学測定装置2とコンピュータ装置3は、一体の装置として構成されていてもよい。
(電気化学センサ)
電気化学センサ1は、既述のように、第一BDD電極21、第二BDD電極22および第三BDD電極23を備えている。第一BDD電極21は、作用電極または対電極のいずれかとして機能する。これと同様に、第二BDD電極22も、作用電極または対電極のいずれかとして機能する。ただし、第一BDD電極21と第二BDD電極22とは、それぞれが異なる電極として機能するようになっている。第三BDD電極23は、参照電極として機能する。
(電気化学測定装置)
電気化学測定装置(以下、単に「測定装置」とも称する)2は、例えばポテンショスタットとしての機能を有するもので、被検液に接触する各電極21,22,23における電気化学反応を制御して、その電位・電流を測定するために用いられるものである。
本実施形態における測定装置2は、電気化学測定回路(以下、単に「測定回路」とも称する)51と、第一回路52と、第二回路53と、選択回路54と、を備えて構成されている。
測定回路51は、各電極21,22,23への印加電圧の制御により、作用電極と対電極の間に電圧をかけ、参照電極の電位を基準にして作用電極の電位を掃引可能にするものである。さらに、測定回路51は、作用電極で生じる電気化学反応に応じて、作用電極と対電極との間をえる電流値の測定を行うものである。つまり、測定回路51は、三電極法による電気化学測定を、LSVを利用して行うものである。LSVの詳細は、公知技術を利用すればよく、ここではその説明を省略する。
第一回路52は、作用電極または対電極のいずれかとして機能する二つの電極21,22のうちの一方を作用電極とし他方を対電極として機能させるように、電気化学センサ1における配線31,32と測定回路51との間を電気的に接続するものである。具体的には、第一回路52は、第一BDD電極21を作用電極とし、第二BDD電極22を対電極として機能させるように、各配線31,32と測定回路51との間を接続する回路パターンで構成されている。
第二回路53は、第一回路52とは逆に、二つの電極21,22のうちの一方を対電極とし他方を作用電極として機能させるように、電気化学センサ1における配線31,32と測定回路51との間を電気的に接続するものである。具体的には、第二回路53は、第一BDD電極21を対電極とし、第二BDD電極22を作用電極として機能させるように、各配線31,32と測定回路51との間を接続する回路パターンで構成されている。
なお、第一回路52と第二回路53のいずれも、二つの電極21,22以外の一つの電極23である第三BDD電極23については参照電極として機能させるように、電気化学センサ1における配線33と測定回路51との間を接続する回路パターンとなっているものとする。
また、第一回路52と第二回路53は、それぞれが互いに等価な回路になっている。等価な回路とは、電気化学測定を行う際の電気回路が等価であると同時に、測定時の電気化学反応が同等の環境で進行することを意味する。特に、電気化学反応を同等の環境で進行させるためには、それぞれの回路に接続する各電極の形状、反応に寄与する電極の面積、各電極の配置(同等または対称配置)、間隔等が揃っている必要がある。
選択回路54は、測定回路51による電圧印加および電流値測定にあたり、第一回路52と第二回路53とのいずれかを選択して、電気化学センサ1における各配線31,32,33と測定回路51との間の電気的な接続を確立させるものである。つまり、選択回路54は、各配線31,32,33と測定回路51との間の電気的な接続を、第一回路52と第二回路53のどちらによって確立させるかを切り換えるものである。選択回路54は、公知のスイッチ回路を利用して構成することができる。選択回路54による選択切り換えは、外部(例えばコンピュータ装置3)からの指示によるものであってもよいし、システム利用者の操作によるものであってもよい。
(コンピュータ装置)
コンピュータ装置3は、測定装置2に接続されて用いられるもので、所定プログラムを実行する情報処理機能を有するものであれば、パーソナルコンピュータ装置に代表される据置型のものに限定されず、スマートフォンに代表される携帯型の情報端末装置等であってもよい。
コンピュータ装置3は、所定プログラムを実行することにより、測定装置2における処理動作を制御する制御部60として機能するように構成されている。制御部60が行う制御には、電気化学測定処理の制御、すなわち測定装置2による電流値の測定結果に基づき被検液であるオゾン水中のO濃度を測定する処理についての制御が含まれる。
また、制御部60は、所定プログラムを実行することにより、選択制御部61、測定値管理部62および通電制御部63としても機能するようになっている。
選択制御部61は、測定装置2における選択回路54に対して、第一回路52と第二回路53とについての選択の切り換え指示を与えるものである。つまり、選択制御部61は、選択回路54を制御することで、第一回路52と第二回路53との選択切り換えを行うものである。選択制御部61による第一回路52と第二回路53との選択切り換えは、予め設定された定期的なタイミングで行うものとする。定期的なタイミングの具体例については、詳細を後述する。
測定値管理部62は、測定装置2の測定回路51を通じて得られる電流値の測定結果(以下、単に「測定値」とも称する)を管理するものである。さらに詳しくは、測定値管理部62は、第一回路52による接続確立時と第二回路53による接続確立時とのそれぞれで得られる複数の測定値を取得するとともに、これら複数の測定値に基づいて一つの測定値を導き出し、導き出した一つの測定値を被検液であるオゾン水中のO濃度を測定するための測定値とするものである。測定値管理部62での複数測定値の取得や一つの測定値の導出等の具体例については、詳細を後述する。
通電制御部63は、測定装置2の測定回路51による電気化学センサ1の各電極21,22,23への通電状態を制御するものである。さらに詳しくは、通電制御部63は、電気化学センサ1の各電極21,22,23に対して、測定装置2の測定回路51から、被検液であるオゾン水中のO濃度の測定に必要となる通電を行うとともに、これとは別に(すなわち、その通電とは異なるタイミングで)、O濃度の測定の際とは異なる態様での通電を行って、これにより各電極21,22,23の状態回復処理を施すものである。通電制御部63による通電制御やこれによる状態回復処理等の具体例については、詳細を後述する。
(3)システム処理動作
次に、上述したシステムにおける処理動作について、被検液であるオゾン水中のO濃度を測定する場合を例に挙げて説明する。
(濃度測定処理)
上述したシステムを用いて被検液であるオゾン水中のO濃度を測定する場合には、電気化学センサ1の各電極21,22,23をオゾン水に接触させた状態にする。このとき、被検液であるオゾン水は、電気化学センサ1に対して十分な量を確保することが望ましい。オゾン水の量が少ないと、濃度測定によりオゾンが消費されることの影響で、精確な濃度測定ができないおそれが生じるからである。また、各電極21,22,23を接触させるオゾン水は、撹拌等をしない静止の状態、すなわち液体の流れが生じていない状態とし、その状態を保持しておくことが望ましい。後述する選択切り換えを行う際のそれぞれの測定条件を同一に揃えるためである。そして、各電極21,22,23をオゾン水に接触させた状態において、測定装置2の測定回路51が、各電極21,22,23への印加電圧の制御により、作用電極と対電極の間に電圧をかけ、参照電極の電位を基準にして作用電極の電位を掃引し、そのときに作用電極と対電極との間を流れる電流値を測定する。
(選択切り換え)
このとき、測定装置2の選択回路54は、コンピュータ装置3の選択制御部61からの指示に従いつつ、第一回路52と第二回路53とのいずれかを選択して、各電極21,22,23と測定回路51との間の電気的接続を確立させる。これにより、例えば、第一回路52を選択した場合には、第一BDD電極21を作用電極とし第二BDD電極22を対電極として機能させつつ、オゾン水中のO濃度の測定を行うことになる。また、例えば、第二回路53を選択した場合には、第一BDD電極21を対電極とし第二BDD電極22を作用電極として機能させつつ、オゾン水中のO濃度の測定を行うことになる。つまり、第一回路52、第二回路53および選択回路54の存在によって、第一BDD電極21と第二BDD電極22とのどちらを作用電極または対電極として機能させるかの選択切り換えに対応するようになっている。
このような選択切り換えに対応する第一BDD電極21と第二BDD電極22とは、それぞれが同一の積層構造を有し、それぞれが同一の平面形状および面積である検出面を有し、さらには第三BDD電極23の電極基準点26を通る仮想線27に対して線対称の位置に配置されている。つまり、第一BDD電極21と第二BDD電極22とは、それぞれが同一構造および同一形状で、しかも参照電極として機能する第三BDD電極23から等距離の位置に配置されているので、第三BDD電極23からみたそれぞれの構成状況が左右対称の配置である以外は全く同一条件となる。
したがって、選択切り換えによって第一BDD電極21と第二BDD電極22とのどちらを作用電極として機能させた場合であっても、機能上の差異の発生を抑制することができる。このように、第一BDD電極21と第二BDD電極22とは、その配置構成により、どちらも作用電極または対電極として機能させることが可能であり、当該機能の選択(固定的な選択のみならず当該選択の切り換えを含む)に対応することができるのである。
また、電気化学センサ1において、第一BDD電極21および第二BDD電極22のみならず、これらを支持する基板10についても対称性を有する平面形状に形成されていれば、機能上の差異の発生を抑制する上で、より一層有効なものとなる。被検液であるオゾン水中のO濃度を測定する際には、作用電極として機能する第一BDD電極21または第二BDD電極22のいずれかの電極表面でオゾン水中のOが消費される一方で、その作用電極から離れた位置からOが拡散して電極表面に供給されることになるが、基板10が対称性を有する平面形状であれば、第一BDD電極21と第二BDD電極22とのどちらを作用電極として選択しても、Oの電極表面への拡散供給経路に差異が生じないようにし得るからである。
(切り換えタイミング)
以上のような選択切り換えを、選択回路54に指示を与える選択制御部61は、予め設定された定期的なタイミングで行う。これにより、選択制御部61は、第一回路52と第二回路53とについての選択切り換えを、自動的(強制的)に行うことが可能となる。以下、選択切り換えを行う定期的なタイミングについて、具体例を挙げて説明する。
図9は、本開示の第一実施形態に係る電気化学センサシステムにおける処理動作の一具体例を示すタイムチャート図である。
図9に示す具体例では、オゾン水中のO濃度の測定開始にあたり、まず、選択回路54が第一回路52を選択して、各電極21,22,23と測定回路51との間の電気的接続を確立させる(ステップ101、以下ステップを「S」と略す。)。そして、第一BDD電極21を作用電極とし第二BDD電極22を対電極として機能させる状態を、作用電極電位の電位につき参照電極に対しての掃引開始から掃引終了までを一回路による検出の実行単位として、その検出実行単位が終了するまで継続させる。
その後、第一回路52による検出実行単位が終了すると、そのタイミングで、選択回路54が選択切り換えを行う(S102)。この選択切り換えにより、選択回路54が第二回路53を選択して、各電極21,22,23と測定回路51との間の電気的接続を確立させる(S103)。そして、第一BDD電極21を対電極とし第二BDD電極22を作用電極として機能させる状態を、その検出実行単位が終了するまで継続させる。
選択回路54が選択し得る全ての回路について、すなわち第一回路52と第二回路53とのそれぞれについて、これらを利用した検出実行単位が終了すると、オゾン水中のO濃度について一回の濃度測定が終了したものとする。このように、選択回路54は、一回の濃度測定の開始から終了までの間で、第一回路52と第二回路53とのそれぞれによる検出を実行する毎のタイミング(すなわち、それぞれの検出実行単位が終了する毎のタイミング)で、第一回路52と第二回路53との選択切り換えを行う。
つまり、図9に示す具体例では、予め設定された定期的なタイミングで第一回路52と第二回路53との選択切り換えを行うが、そのタイミングが一回の濃度測定の開始から終了までの間で一回路(第一回路52または第二回路53)による検出を実行する毎のタイミングに設定されている。斯かるタイミングで選択切り換えを行うことで、同一条件でのオゾン水中のO濃度の測定を、第一回路52と第二回路53との選択切り換えをしつつ、各回路52,53により重複して行うことが可能である。なお、ここで説明するタイミングは、検出実行単位の終了と同時のタイミングの他に、検出実行単位の終了から所定のインターバル期間を確保したタイミングであってもよい。所定のインターバル期間は、例えば、繰り返し測定をする際の測定環境を揃えるために必要と考えられる期間である。
このようなタイミングでの選択切り換えを行えば、各回路52,53を通じて得られる測定結果である電流値(以下、単に「測定値」とも称する。)について、以下のような処理を行えるようになる。
例えば、コンピュータ装置3の測定値管理部62は、一回の濃度測定の開始から終了までの間において、第一回路52と第二回路53とのそれぞれで得られる複数の測定値を取得する。具体的には、測定値管理部62は、第一回路52による検出実行単位(S101)の終了時点で、その第一回路52を通じて得られる測定値を取得する(S104)。また、測定値管理部62は、第二回路53による検出実行単位(S103)の終了時点で、その第二回路53を通じて得られる測定値を取得する(S105)。
これら複数の測定値を取得すると、測定値管理部62は、取得した複数の測定値に基づいて一つの測定値を導き出す(S106)。一つの測定値としては、例えば、複数の測定値のうちで最も良好な測定結果に相当する最大値、複数の測定値に含まれるノイズ成分を除去した平均値、これらに準ずる所定の演算値等のいずれかを用いることができる。なお、一つの測定値の導出に際しては、例えば、初回測定を除く二回目以降の複数の測定値を用いて一つの測定値を導き出すようにしてもよい。初回測定については、測定誤差の影響が生じ易いことが懸念されるからである。
そして、測定値管理部62が一つの測定値を導き出すと、その後は、その一つの測定値に基づき、コンピュータ装置3の制御部60が、オゾン水中のO濃度を特定するために必要な処理を行う。したがって、各回路52,53により重複して行った濃度測定で得られる複数の測定値から一つの測定値を導き出すことで、例えば、第一BDD電極21と第二BDD電極22との個体差や各電極21,22の使用に伴う状態劣化等により、各電極21,22のいずれかに所望の測定精度が得られないものが存在していても、その影響が濃度測定結果としての測定値に及ぶことを抑制し得るようになる。つまり、各電極21,22の状態(例えば表面状態)の影響がO濃度についての測定値に及ぶことを極力排除することが可能になり、その結果として測定精度の向上を図ることが実現可能となる。
また、各回路52,53を通じて複数の測定値を取得した場合には、これらから一つの測定値を導き出すことに加えて、または一つの測定値を導き出すことなく、得られた複数の測定値を互いに比較して、その比較結果から各電極21,22の状態(例えば表面状態)を検知することもできる。具体的には、第一回路52で得られた測定値と第二回路53で得られた測定値とを比較することで、例えば、それぞれの間に通常の測定ばらつき以上の差が発生した場合に、第一BDD電極21または第二BDD電極22のどちらか一方が表面汚染等で劣化していると判断するといったように、各電極21,22の状態を検知することが可能となる。したがって、各回路52,53により重複して行った濃度測定で得られる複数の測定値を比較することで、各電極21,22の状態劣化を検知した場合に、例えば、エラーメッセージを表示したり、後述する状態回復処理の必要性やセンサ交換の必要性等についての情報出力を行ったりし得るようになり、その結果としてシステムの状態を常に最適に保つことが実現可能となる。
以上に、各回路52,53の選択切り換えを行う定期的なタイミングの一具体例を説明したが、選択切り換えを行う定期的なタイミングは、上述の一具体例に限定されるものではない。
図10は、本開示の第一実施形態に係る電気化学センサシステムにおける処理動作の他の一具体例を示すタイムチャート図である。
図10に示す具体例では、オゾン水中のO濃度の測定開始にあたり、まず、選択回路54が第一回路52を選択して、各電極21,22,23と測定回路51との間の電気的接続を確立させる(S201)。そして、第一BDD電極21を作用電極とし第二BDD電極22を対電極として機能させる状態を、作用電極と対電極との電位の掃引開始から掃引終了まで継続させ、掃引の終了によりオゾン水中のO濃度について一回の濃度測定が終了したものとする。つまり、一回の濃度測定において、各回路による重複検出を行わない点で、上述した一具体例(図9参照)の場合とは異なる。
その後、新たな被検液であるオゾン水についてO濃度の測定を行うが、予め設定されたn(nは自然数)回の濃度測定が終了するまでは、第一回路52の選択により第一BDD電極21を作用電極とし第二BDD電極22を対電極として機能させる状態を継続させる。図例では、三回の濃度測定を繰り返す場合を示しているが、同一条件での濃度測定の回数がこれに限定されることはなく、予め設定されたn回であれば、一回であってもよいし、複数回であってもよい。
n回の濃度測定が終了すると、そのタイミングで、選択回路54が選択切り換えを行う(S202)。この選択切り換えにより、選択回路54が第二回路53を選択して、各電極21,22,23と測定回路51との間の電気的接続を確立させる(S204)。そして、第一BDD電極21を対電極とし第二BDD電極22を作用電極として機能させる状態を、改めてn回の濃度測定が終了するまで継続させる。
このように、選択回路54は、一回または複数回の濃度測定を実行する毎のタイミングで、第一回路52と第二回路53との選択切り換えを行う。斯かるタイミングで選択切り換えを行うことで、同一電極が作用電極となる電極構成での濃度測定が必要以上に繰り返されることがなくなる。したがって、濃度測定の繰り返しに伴う経時的な電極状態(例えば表面状態)の劣化を抑制することが実現可能となる。
この選択切り換えのタイミングと合わせて、通電制御部63は、各電極21,22,23への通電状態を制御して、各電極21,22,23に対してO濃度の測定の際とは異なる態様での通電を行うようにしてもよい(S203)。これにより、通電制御部63は、通電状態を制御した各電極21,22,23の状態回復処理を施すことになる。
ここでいう「O濃度の測定の際とは異なる態様での通電」とは、被検液であるオゾン水中のO濃度の測定とは異なるタイミング(例えば、濃度測定を行う前または後)で、例えば、濃度測定の際よりも高い電流密度での通電処理を行ったり、または濃度測定の際とは逆方向に流れる電流での通電処理を行ったりすることを意味する。このような態様での通電処理を行えば、その通電によって作用電極の表面を酸化させたり作用電極の表面で気泡を発生させたりし得るようになり、これにより作用電極の経時的な電極表面の汚染や変質等を回復させることが可能となる。つまり、電極表面の酸化等を通じて、作用電極の経時的な電極表面の汚染や変質等を回復させる処理を、当該作用電極の「状態回復処理」として施すことが可能となる。
このような状態回復処理のための通電制御を行う場合に、通電制御部63は、その通電制御を、第一回路52と第二回路53との選択切り換えのタイミングに合わせて、第一回路52を通じて作用電極として機能する第一BDD電極21もしくは第二回路53を通じて作用電極として機能する第二BDD電極22のいずれか一方、またはこれらの両方に対して行う。
例えば、第一BDD電極21に対して行う場合、通電制御部63は、その第一BDD電極21を作用電極として機能させてn回の濃度測定を行った後(すなわち当該濃度測定の終了後)に、その第一BDD電極21に対して状態回復処理のための通電を行う。つまり、第一BDD電極21によるn回の濃度測定の終了後に、その第一BDD電極21の状態回復処理を行う。
また、例えば、第二BDD電極22に対して行う場合、通電制御部63は、その第二BDD電極22を作用電極として機能させてn回の濃度測定を行う前に(すなわち当該濃度測定に先立って)、その第二BDD電極22に対して状態回復処理のための通電を行う。つまり、第二BDD電極22による濃度測定の開始に先立って、その第二BDD電極22の状態回復処理を行う。
なお、図10に示す具体例では、第一回路52から第二回路53への選択切り換えを行うタイミングで状態回復処理を施す場合を例示しているが、これとは逆に第二回路53から第一回路52への選択切り換えを行うタイミングにおいても、全く同様に状態回復処理を施すようにしてもよい。ただし、状態回復処理を施すタイミングは、第一回路52と第二回路53との選択切り換えを行う毎である必要はなく、例えば、第一回路52と第二回路53の測定値の差から電極劣化具合を検知し、その検知結果に応じて(すなわち電極劣化が検知された後のタイミングで)行うようにしてもよい。
以上のような通電制御により第一BDD電極21または第二BDD電極22に状態回復処理を施せば、例えば、オゾン水中のO濃度の測定の繰り返しによって電極表面に経時的な汚染や変質等が生じた場合であっても、その汚染や変質等を除去して、電極表面の状態を回復させることが可能となる。したがって、作用電極として機能する第一BDD電極21または第二BDD電極22の状態回復処理を施せば、電極表面の汚染や変質等によって誘起される検出感度低下を抑制することができる。
(4)本実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、以下に示す一つまたは複数の効果を奏する。
(a)本実施形態において、電気化学センサ1は、第一BDD電極21および第二BDD電極22が同一構造および同一形状を有しており、しかも第一BDD電極21および第二BDD電極22が第三BDD電極23に対して対称配置されている。そのため、第三BDD電極23からみた第一BDD電極21および第二BDD電極22の構成状況が左右対称配置であること以外は全く同一条件となり、これら第一BDD電極21および第二BDD電極22のどちらも作用電極または対電極として機能させることが可能である。さらには、作用電極または対電極としての機能について、当該機能の切り換えにも対応し得るようになる。
したがって、本実施形態の電気化学センサ1における電極配置によれば、第一BDD電極21と第二BDD電極22との状態に応じて電極機能を選択する、といったことが可能となる。このような電極機能の選択を行えば、電極選択による濃度測定結果の測定精度の向上や、選択切り換えによる測定感度低下の抑制等が図れる。
つまり、本実施形態の電気化学センサ1によれば、三極電極の配置の工夫により、例えば電極機能の選択切り換えを行いつつオゾン水中のO濃度の測定をするといったように、その濃度測定に対する柔軟度(汎用性)を確保し得るセンサ構成が実現可能となり、その結果として、測定精度の向上や測定感度低下の抑制等が実現可能になる。
(b)本実施形態において、電気化学センサ1は、電極配置に加えて、各電極21,22,23を支持する基板10についても、対称性を有する平面形状に形成されている。基板10が対称性を有する平面形状であれば、第一BDD電極21と第二BDD電極22とのどちらを作用電極として選択しても、Oの電極表面への拡散供給経路に差異が生じないようにし得る。したがって、第一BDD電極21と第二BDD電極22のそれぞれの機能上の差異の発生を抑制する上でより一層有効なものとなり、電気化学センサ1の測定精度の向上や測定感度低下の抑制等の実現に非常に好適なものとなる。
(c)本実施形態において、電気化学センサ1が濃度測定の対象とする特定成分は、被検液であるオゾン水中の溶存オゾンである。したがって、本実施形態の電気化学センサ1は、オゾン水中のO濃度測定に用いて好適であり、そのO濃度測定ついて、測定精度の向上や測定感度低下の抑制等が実現可能になる。
(d)本実施形態において、電気化学センサ1を備えて構成される電気化学センサシステムは、その電気化学センサ1に加えて第一回路52および第二回路53を備えることで、電気化学センサ1における第一BDD電極21と第二BDD電極22とのどちらを作用電極または対電極として機能させるかの選択切り換えに対応するようになっている。
したがって、このような選択切り換えを経ることで、本実施形態の電気化学センサシステムでは、例えば、第一回路52による濃度測定と第二回路53による濃度測定とをそれぞれ行い、それぞれの測定結果に基づいて最終的な測定結果を抽出する(測定結果が良好なほうを選ぶ、測定結果を平均化してノイズ成分を除去する等)といったことが可能となり、その結果として濃度測定結果の測定精度向上が図れるようになる。また、例えば、第一回路52による濃度測定と第二回路53による濃度測定とを必要に応じて適宜切り換えることによって、同一電極が作用電極となる電極構成の濃度測定が継続的に繰り返されることを回避でき、その結果として各電極21,22の表面状態(汚れ等の蓄積)の劣化による測定感度低下の抑制が図れるようになる。
つまり、本実施形態の電気化学センサシステムによれば、第一BDD電極21と第二BDD電極22とのそれぞれの状態に応じて、第一回路52による濃度測定と第二回路53による濃度測定との選択を適宜切り換えることで、電気化学センサ1の測定精度の向上や測定感度低下の抑制等が実現可能になる。
(e)本実施形態で説明したように、第一回路52と第二回路53との選択切り換えを予め設定された定期的なタイミングで行えば、その選択切り換えを自動的(強制的)に行うことが可能となり、電気化学センサ1の測定精度の向上や測定感度低下の抑制等を実現する上で非常に有効なものとなる。
(f)本実施形態で説明したように、第一回路52と第二回路53との選択切り換えのタイミングについて、一回の濃度測定の開始から終了までの間で一回路による検出を実行する毎のタイミングに設定すれば、同一条件でのオゾン水に対するO濃度測定を第一回路52と第二回路53とのそれぞれについての選択切り換えをしつつ重複して行うことが可能となる。したがって、重複する測定結果から一つの測定結果を導き出すことが実現可能となり、O濃度測定の測定精度の向上を実現する上で非常に有効なものとなる。
(g)本実施形態で説明したように、オゾン水中のO濃度測定にあたり、重複する測定結果から一つの測定結果を導き出し、導き出した一つの測定値をO濃度測定のための測定値とすれば、例えば、第一BDD電極21と第二BDD電極22との個体差や使用に伴う状態劣化等により、各電極21,22のいずれかに所望の測定精度が得られないものが存在していても、その影響が濃度測定の結果に及ぶことを抑制できる。つまり、各電極21,22の状態(例えば表面状態)の影響を極力排除することが可能になり、これにより被検液であるオゾン水中のO濃度測定について測定精度の向上が図れるようになる。
(h)本実施形態で説明したように、第一回路52と第二回路53との選択切り換えのタイミングについて、n回(一回または複数回)のO濃度測定を実行する毎のタイミングに設定すれば、同一電極が作用電極となる電極構成でのO濃度測定が必要以上に繰り返されることがなくなる。したがって、O濃度測定の繰り返しに伴う経時的な電極状態(例えば表面状態)の劣化を抑制することが実現可能となり、O濃度測定の測定感度低下の抑制等を実現する上で非常に有効なものとなる。
(i)本実施形態で説明したように、オゾン水中のO濃度の測定とは異なるタイミング(例えば、O濃度測定を行う前または後)で、第一BDD電極21または第二BDD電極22に対してO濃度測定の際とは異なる態様での通電を行って、これにより第一BDD電極21または第二BDD電極22の状態回復処理を行うようにすれば、例えば、O濃度測定の繰り返しによって電極表面に経時的な汚染や変質等が生じた場合であっても、その汚染や変質等を除去して、電極表面の状態を回復させることが可能となる。したがって、作用電極として機能する第一BDD電極21または第二BDD電極22の状態回復処理を施すことで、電極表面の汚染や変質等によって誘起される検出感度低下を抑制することができ、その結果として、O濃度測定の測定感度低下の抑制等を実現する上で非常に有効なものとなる。
(j)本実施形態で説明したように、第一回路52と第二回路53との選択切り換えを行うことにより、同一条件でのオゾン水に対するO濃度測定を第一回路52と第二回路53とのそれぞれについての選択切り換えをしつつ重複して行うことが可能となる。これにより、第一回路52で得られた測定値と第二回路53で得られた測定値を比較することが可能となり、第一BDD電極21または第二BDD電極22のどちらか一方が表面汚染等で劣化している場合に、それを検知することが可能となる。したがって、各電極21,22の状態劣化を検知した場合に、例えば、エラーメッセージを表示したり、状態回復処理の必要性やセンサ交換の必要性等についての情報出力を行ったりし得るようになり、その結果としてシステムの状態を常に最適に保つことが実現可能となる。
<第二実施形態>
次に、本開示の第二実施形態について説明する。なお、ここでは、主として第一実施形態の場合との相違点について説明する。
(5)電気化学センサの構成
本実施形態で説明する電気化学センサ1は、各電極21,22,23の支持基板10上での配置の態様が、上述した第一実施形態の場合とは異なる。
(電極配置)
図11は、本開示の第二実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の一具体例を模式的に示す説明図である。なお、図中において、第一実施形態の場合と同一の構成要素については、同一の符号を付している。
本実施形態において、三つの電極21,22,23である第一BDD電極21、第二BDD電極22および第三BDD電極23は、それぞれが同一構造および同一形状を有する。ここでいう「同一構造」および「同一形状」は、第一実施形態の場合と同じ意味である。また、本実施形態においては、三つの電極21,22,23が同一構造および同一形状を有することに加え、各電極21,22,23と接続される配線31,32,33、および、各電極21,22,23と各配線31,32,33とを電気的に接続する接合材34、更にはそれらの接合部34の周囲を封止する絶縁性樹脂35についても、同一構造(材質)、同一形状を有することが望ましい。これにより、後述する第一回路~第六回路のそれぞれが等価となり得るからである。
三つの電極21,22,23のそれぞれが同一構造および同一形状を有することから、本実施形態では、第一BDD電極21および第二BDD電極22に加え、第三BDD電極23も含めて、機能の選択切り換えに対応し得る。つまり、本実施形態において、第一BDD電極21、第二BDD電極22および第三BDD電極23は、それぞれ作用電極、対電極または参照電極のいずれかとして機能するようになっている。
このような選択切り換えに対応すべく、本実施形態において、第一BDD電極21、第二BDD電極22および第三BDD電極23は、基板10における所定の基材基準点28を中心として、それぞれが三回対称の位置に配置されている。ここで「基板10における所定の基材基準点28」とは、基板10上において予め設定された位置基準となる点である。具体的には、例えば、各電極21,22,23のそれぞれについて第一実施形態で説明した電極基準点26a,26b,26cを通る仮想線27a,27b,27cを想定した場合に、基材基準点28は、それぞれの仮想線27a,27b,27cが交わる点に位置する。また、「三回対称」とは、基材基準点28を中心にして120°回転させる度に、少なくとも図形(例えば、各電極21,22,23の平面形状)の基準点(例えば、各電極21,22,23の電極基準点26a,26b,26c)が重なることになる対称性のことである。三回対称であれば、各電極21,22,23の電極基準点26a,26b,26cを結ぶ線が正三角形を描くことになる。
このように、基板10上においては、第一BDD電極21、第二BDD電極22および第三BDD電極23のそれぞれが、基材基準点28を中心として三回対称の位置に配置されている。したがって、例えば、第一BDD電極21を基準として考えると、第二BDD電極22と第三BDD電極23とは、それぞれが同一の平面形状であることに加え、第一BDD電極21の電極基準点26aを通る仮想線27aを対称軸とする線対称の関係にあり、その仮想線27aから等距離の位置に配置されていることになる。また、例えば、第二BDD電極22を基準として考えると、第一BDD電極21と第三BDD電極23とは、それぞれが同一の平面形状であることに加え、第二BDD電極22の電極基準点26bを通る仮想線27bを対称軸とする線対称の関係にあり、その仮想線27bから等距離の位置に配置されていることになる。また、例えば、第三BDD電極23を基準として考えると、第一BDD電極21と第二BDD電極22とは、それぞれが同一の平面形状であることに加え、第三BDD電極23の電極基準点26cを通る仮想線27cを対称軸とする線対称の関係にあり、その仮想線27cから等距離の位置に配置されていることになる。
以上に説明した具体例では、第一BDD電極21~第三BDD電極23の平面形状が長方形状であり、それぞれの長辺方向が基材基準点28を中心にして放射状に位置するように配置されている構成について説明したが、各電極21,22,23の配置がこれに限定されるものではない。つまり、各電極21,22,23は、基材基準点28を中心として三回対称の位置に配置されていれば、他の態様で配置されていてもよい。
図12は、本開示の第二実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の他の一具体例を模式的に示す説明図(その1)である。
図12に示す配置態様では、第一BDD電極21~第三BDD電極23の平面形状が正方形状に形成されている。そして、第一BDD電極21~第三BDD電極23の平面形状の構成辺が同一方向に揃うように、それぞれが配置されている。ただし、各電極21,22,23の電極基準点26a,26b,26cは、基板10上の基材基準点28を中心にして、それぞれが三回対称の位置に配置されている。つまり、第一BDD電極21、第二BDD電極22および第三BDD電極23は、少なくともそれぞれの電極基準点26a,26b,26cが三回対称配置に対応していれば、それぞれの電極基準点26a,26b,26cに対して平面形状を回転自由に配置しても構わない。
このような配置態様の場合も、第一BDD電極21と第二BDD電極22とは、第三BDD電極23からみて対称性を有して配置されていると見做すことができる。また、第一BDD電極21と第三BDD電極23とは、第二BDD電極22からみて対称性を有して配置されていると見做すことができる。また、第二BDD電極22と第三BDD電極23とは、第一BDD電極21からみて対称性を有して配置されていると見做すことができる。つまり、図12に示す配置態様についても、図11に示す配置態様と同様に取り扱うことが可能である。
また、上述した各具体例では、各電極21,22,23のうち第三BDD電極23が最も基板10の先端側に位置するように配置されている構成について説明したが、各電極21,22,23の配置がこれに限定されるものではない。
図13は、本開示の第二実施形態に係る電気化学センサにおける電極配置の他の一具体例を模式的に示す説明図(その2)である。
図13に示す配置態様では、図11または図12に示す配置態様の場合とは逆に、第三BDD電極23が基板10の先端から最も離れる側に位置するように配置されている。このような配置態様の場合も、各電極21,22,23は、基板10上の基材基準点28を中心にして、それぞれが三回対称の位置に配置されていることになる。
つまり、本開示の第二実施形態においては、各電極21,22,23のそれぞれの間の相対的な位置関係が基材基準点28を中心にした三回対称となるように設定されていれば、各電極21,22,23と基板10との相対的な位置関係については特に限定されるものではない。
(6)システム構成
次に、本開示の第二実施形態における電気化学センサシステムの機能構成例について説明する。なお、ここではシステム構成の図示を省略するが、第一実施形態の場合と同一の構成要素については同一の符号を用いて説明を行う。
第二実施形態で例に挙げるシステムは、上述したように各電極21,22,23が三回対称配置された電気化学センサ1を備える。そして、その電気化学センサ1に対応するように、測定装置2が以下のように構成されている。
測定装置2は、測定回路51および選択回路54に加えて、第一回路~第六回路を備えて構成されている。
第一回路は、第一BDD電極21を作用電極とし、第二BDD電極22を対電極とし、第三BDD電極23を参照電極として機能させるように、各配線31,32,33と測定回路51との間を電気的に接続する回路パターンで構成されたものである。
第二回路は、第一BDD電極21を対電極とし、第二BDD電極22を作用電極とし、第三BDD電極23を参照電極として機能させるように、各配線31,32,33と測定回路51との間を電気的に接続する回路パターンで構成されたものである。
第三回路は、第一BDD電極21を作用電極とし、第二BDD電極22を参照電極とし、第三BDD電極23を対電極として機能させるように、各配線31,32,33と測定回路51との間を電気的に接続する回路パターンで構成されたものである。
第四回路は、第一BDD電極21を対電極とし、第二BDD電極22を参照電極とし、第三BDD電極23を作用電極として機能させるように、各配線31,32,33と測定回路51との間を電気的に接続する回路パターンで構成されたものである。
第五回路は、第一BDD電極21を参照電極とし、第二BDD電極22を作用電極とし、第三BDD電極23を対電極として機能させるように、各配線31,32,33と測定回路51との間を電気的に接続する回路パターンで構成されたものである。
第六回路は、第一BDD電極21を参照電極とし、第二BDD電極22を対電極とし、第三BDD電極23を作用電極として機能させるように、各配線31,32,33と測定回路51との間を電気的に接続する回路パターンで構成されたものである。
これら第一回路~第六回路に対応して、選択回路54は、測定回路51による電圧印加および電流値測定にあたり、第一回路~第六回路のいずれか一つを選択して、電気化学センサ1における各配線31,32,33と測定回路51との間の電気的な接続を確立させるようになっている。
(7)システム処理動作
次に、上述したシステムにおける処理動作について説明する。
本実施形態のシステムにおいても、第一実施形態の場合と同様に、被検液であるオゾン水中のO濃度を測定する場合には、電気化学センサ1の各電極21,22,23をオゾン水に接触させた状態で、各電極21,22,23への印加電圧の制御により、作用電極と対電極の間に電圧をかけ、参照電極の電位を基準にして作用電極の電位を掃引し、そのときに作用電極と対電極との間を流れる電流値を測定する。
このとき、測定装置2の選択回路54は、コンピュータ装置3の選択制御部61からの指示に従いつつ、第一回路~第六回路のいずれか一つを選択して、各電極21,22,23と測定回路51との間の電気的接続を確立させる。つまり、三つの電極21,22,23のそれぞれを作用電極、対電極または参照電極のいずれとして機能させるかの選択切り換えに対応するようになっている。
このような選択切り換えに対応する第一BDD電極21、第二BDD電極22および第三BDD電極23は、基材基準点28を中心として、それぞれが三回対称の位置に配置されている。したがって、第一回路~第六回路のいずれを選択した場合であっても、参照電極に対する作用電極および対電極の構成状況が同一条件となり、これら作用電極および対電極における機能上の差異の発生を抑制することができる。
つまり、本実施形態においては、作用電極と対電極のみならず、参照電極も含めて、これらの機能の選択切り換えに対応することができる。これにより、濃度測定に対する柔軟度(汎用性)をより一層確保し得るようになり、その結果として、さらなる測定精度の向上や測定感度低下の抑制等が実現可能になる。つまり、上述した第一実施形態では二種の測定結果から一つの測定値を導き出すのに対し、本実施形態においては、三種の測定結果から一つの測定値を導き出すことができるので、より測定精度を高めることが可能となる。また、測定結果のばらつきの管理も行い易くなり、電極劣化等の検知感度も高めることが可能となる。
本実施形態においても、各電極21,22,23における機能の選択切り換えについては、予め設定された定期的なタイミングで自動的(強制的)に行う。
例えば、定期的なタイミングの一例として、一回路(第一回路~第六回路のいずれか)による検出を実行する毎のタイミングで、各回路についての選択切り換えを行う。そして、同一条件でのオゾン水中のO濃度の測定を各回路により重複して行いつつ、それぞれの回路による検出実行単位が全て終了すると、オゾン水中のO濃度について一回の濃度測定が終了したものとする。
このようなタイミングでの選択切り換えを行えば、重複して行った濃度測定で得られる複数の測定値から一つの測定値を導き出すことが可能となり、その結果として測定精度の向上を図ることが実現可能となる。しかも、その場合において、作用電極と対電極のみならず参照電極も含めて機能の選択切り換えに対応することで、基となる複数の測定値が増えるので、より一層の測定精度の向上に寄与し得るようになる。
また、例えば、定期的なタイミングの他の例として、一回または複数回の濃度測定を実行する毎のタイミングで、各回路についての選択切り換えを行う。
このようなタイミングでの選択切り換えを行えば、濃度測定の繰り返しに伴う経時的な電極状態の劣化を抑制できるようになるが、作用電極と対電極のみならず参照電極も含めて機能の選択切り換えに対応することで、電極状態の劣化の度合いをより一層抑制することが実現可能となる。
(8)本実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、第一実施形態で説明した効果に加えて、以下に示す一つまたは複数の効果を奏する。
(k)本実施形態において、電気化学センサ1は、第一BDD電極21、第二BDD電極22および第三BDD電極23が同一構造および同一形状を有しており、しかも各電極21,22,23が基材基準点28に対して三回対称な位置に配置されている。そのため、これら三つの電極21,22,23のそれぞれについて、作用電極、対電極または参照電極として機能させることが可能である。さらには、作用電極、対電極または参照電極としての機能について、当該機能の切り換えにも対応し得るようになる。
したがって、本実施形態の電気化学センサ1における電極配置によれば、三極電極の配置の工夫により、例えば電極機能の選択切り換えを行いつつオゾン水中のO濃度の測定をするといったように、その濃度測定に対する柔軟度(汎用性)を確保し得るセンサ構成が実現可能となり、その結果として、より一層の測定精度の向上や測定感度低下の抑制等が実現可能になる。
(l)本実施形態において、電気化学センサ1を備えて構成される電気化学センサシステムは、その電気化学センサ1に加えて第一回路~第六回路を備えることで、電気化学センサ1における各電極21,22,23のそれぞれを作用電極、対電極または参照電極のいずれとして機能させるかの選択切り換えに対応するようになっている。
したがって、本実施形態の電気化学センサシステムによれば、作用電極と対電極のみならず参照電極も含めて、それぞれの機能の選択切り換えに対応し得るようになり、その結果として、より一層の測定精度の向上や測定感度低下の抑制等が実現可能になる。
<変形例等>
以上に第一実施形態および第二実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態の内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
(回路構成)
例えば、上述の各実施形態では、電気化学センサシステムにおいて、測定装置2が選択回路54を備える場合を例に挙げたが、複数回路(例えば、第一回路52と第二回路53、または、第一回路~第六回路)のいずれかを択一的に選択して被検液であるオゾン水中のO濃度を測定を行うように構成されていれば、必ずしもスイッチ回路等の選択回路54を備えている必要はない。すなわち、複数回路の択一的な選択は、選択回路54によらないものであっても構わない。
(濃度測定)
また、例えば、上述の各実施形態では、オゾン水中のO濃度の測定に際してLSV測定を行う場合を例に挙げたが、必ずしもこれに限定されることはなく、サイクリックボルタンメトリー(cyclic voltammetry:CV)測定であっても構わないし、クロノアンペロメトリー測定や定電位を印加してあらかじめ規定したタイミングにおける電流値を測定するやり方でも構わない。
また、例えば、上述の各実施形態では、被検液がオゾン水であり、濃度測定の対象となる特定成分がオゾン水中の溶存オゾンである場合を例に挙げたが、必ずしもこれに限定されることはなく、電気化学反応を利用して濃度測定を行い得るものであれば、他の種類の被検液および特定成分にも適用可能である。
(選択切り換え)
また、上述の各実施形態のうち、特に第一実施形態においては、線対象配置された第一BDD電極21と第二BDD電極22とにつき、これらのどちらを作用電極または対電極として機能させるか選択切り換えを行う場合を例に挙げている。この点については、以下のような変形例を構成することも考えられる。
当該変形例では、線対象配置された第一BDD電極21と第二BDD電極22とにつき、これらのどちらを作用電極または参照電極として機能させるか選択切り換えを行うようにする。このような構成であっても、参照電極からみた作用電極および対電極の構成状況が選択切り換えの前後で同一条件となるため、第一実施形態で説明した作用効果を得ることが可能となる。
つまり、本開示には、以下に述べる技術的思想も含まれるものとする。
本開示の一態様には、
被検液中の特定成分の濃度測定に用いられる電気化学センサであって、
同一の基材上に配置された少なくとも三つの電極を備え、
前記三つの電極のうち、少なくとも二つの電極は、同一構造および同一形状を有するダイヤモンド電極によって構成され、
前記二つの電極はそれぞれが作用電極または参照電極のいずれかとして機能するとともに、前記三つの電極のうちの前記二つの電極以外の一つの電極が対電極として機能し、
前記二つの電極は、前記一つの電極における所定の電極基準点を通る仮想線を対称軸として、それぞれが線対称の位置に配置されている
電気化学センサが含まれる。
また、本開示の他の態様には、
上記の一態様に係る電気化学センサと、
前記電気化学センサにおける前記二つの電極のうちの一方を作用電極とし他方を参照電極として機能させる第一回路と、
前記一方の電極を参照電極とし前記他方の電極を作用電極として機能させる第二回路と、を備え、
前記第一回路と前記第二回路とのいずれかを選択して前記被検液中の前記特定成分の濃度測定を行うように構成された
電気化学センサシステムが含まれる。
なお、上記の変形例と同様に、第一BDD電極21と第二BDD電極22とについて、これらのどちらを対電極または参照電極として機能させるか選択切り換えを行うことも考えられるが、その場合には第三BDD電極23が作用電極として固定的に機能することになる。作用電極が固定的であると、必ずしも第一実施形態で説明した選択切り換えの作用効果が得られるとは限らない。そのため、電極機能の選択切り換えについては、少なくとも、第一実施形態で説明したように作用電極と対電極の機能を入れ替え可能にするか、上記の変形例のように作用電極と参照電極の機能を入れ替え可能にするか、または第二実施形態で説明したように作用電極、対電極および参照電極のそれぞれの機能を入れ替え可能にすることが好ましい。
(電極数)
また、例えば、上述の各実施形態では、基板10上に三つの電極21,22,23が配置されている場合を例に挙げたが、必ずしもこれに限定されることはなく、基板10上に四つ以上の電極が配置されていてもよい。
図14は、本開示に係る電気化学センサにおける電極配置の変形例を模式的に示す説明図(その1)である。図15は、本開示に係る電気化学センサにおける電極配置の変形例を模式的に示す説明図(その2)である。
図14または図15に示す配置態様では、いずれも、基板10上に配置された電極群20が、四つのBDD電極によって構成されている。このような配置態様の場合、例えば、電極群20の中から三つの電極の組み合わせを抽出し、その組み合わせを構成する各電極について第一実施形態または第二実施形態で説明したような選択切り換えを行い、さらに必要に応じてその組み合わせを適宜変更する、といった運用が実現可能となる。その場合に、三つの電極の組み合わせについては、測定時の条件(回路)が等価(各電極の位置関係が同一または対称配置)になるように抽出すること、すなわち当該組み合わせが等価になるように抽出することが望ましい。また、例えば、作用電極、対電極または参照電極の少なくとも一つについて、その機能を複数の電極によって実現するようにした上で、第一実施形態または第二実施形態で説明したような選択切り換えを行う、といった運用が実現可能となる。
つまり、基板10上に配置された電極群20は、少なくとも三つの電極によって構成されていれば、本開示に係る技術的思想を適用することが可能である。
(電極配置)
また、例えば、上述の各実施形態では、基板10の同一面上に三つの電極21,22,23が配置されている場合を例に挙げたが、必ずしもこれに限定されることはなく、各電極21,22,23が基板10の異なる面上に配置されていてもよい。
図16は、本開示に係る電気化学センサにおける電極配置の変形例を模式的に示す説明図(その3)である。
図16に示す配置態様では、平板状の基板10の一方の面(例えば上面)に一つの電極23が配置され、他方の面(例えば下面)に二つの電極21,22が配置されている。このような電極配置の場合であっても、電極23からみた二つの電極21,22の対象配置を実現することができる。また、基板10の厚さ等によっては、各電極21,22,23を三回対称の位置関係とすることも実現可能である。
図17は、本開示に係る電気化学センサにおける電極配置の変形例を模式的に示す説明図(その4)である。
図17に示す配置態様では、四角柱状の基板10における三つの側面のそれぞれに三つの電極21,22,23が分散して配置されている。このような電極配置の場合であっても、電極23からみた二つの電極21,22の対象配置を実現することができる。また、基板10の断面サイズ等によっては、各電極21,22,23を三回対称の位置関係とすることも実現可能である。
図18は、本開示に係る電気化学センサにおける電極配置の変形例を模式的に示す説明図(その5)である。
図18に示す配置態様では、一面が開いた四角柱状の基板10の内面を構成する三つの壁面のそれぞれに三つの電極21,22,23が分散して配置されている。このような電極配置の場合であっても、電極23からみた二つの電極21,22の対象配置を実現することができる。また、基板10の断面サイズ等によっては、各電極21,22,23を三回対称の位置関係とすることも実現可能である。
図19は、本開示に係る電気化学センサにおける電極配置の変形例を模式的に示す説明図(その6)である。
図19に示す配置態様では、平板状の基板10における同一の面上に三つの電極21,22,23を並べて配置した後に、その基板10を所望断面形状(例えば断面コの字型)となるように折り曲げて、各電極21,22,23が異なる面上に配置されるようにしている。このような電極配置の場合であっても、電極23からみた二つの電極21,22の対象配置を実現することができる。また、基板10の折り曲げ後における断面形状等によっては、各電極21,22,23を三回対称の位置関係とすることも実現可能である。
(具体的な一構成例)
ここで、本開示に係る電気化学センサの具体的な一構成例について、図20および図21に例示する。
図20は、本開示に係る電気化学センサの具体的な一構成例を示す斜視図である。
図例の電気化学センサ1は、基板10の同一面上において、三つの電極21,22,23が三回対称の位置に配置され、かつ、これらのうちの二つが線対称の関係となるように各電極21,22,23が配置されて構成されている。また、基板10上には、各電極21,22,23が配置された側とは反対の端縁側に、各電極21,22,23と配線31,32,33を介して導通する端子部36,37,38が設けられているが、その導通を確立する配線31,32,33は防水部材40により覆われている。
図21は、図20の電気化学センサについての六面図である。図21において、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は背面図、(e)は右側面図、(f)は左側面図を、それぞれ示している。
<本開示の好ましい態様>
以下、本開示の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本開示の一態様によれば、
被検液中の特定成分の濃度測定に用いられる電気化学センサであって、
同一の基材上に配置された少なくとも三つの電極を備え、
前記三つの電極のうち、少なくとも二つの電極は、同一構造および同一形状を有するダイヤモンド電極によって構成され、
前記二つの電極は、前記基板に設けられた配線に同一の導電性の接合材を用いて同等の構造で接続され、
前記二つの電極の配線との接合部の周囲は、同一の絶縁性樹脂を用いて同等の構造で封止され、
前記二つの電極は、前記一つの電極における所定の電極基準点を通る仮想線を対称軸として、それぞれが線対称の位置に配置されている
電気化学センサが提供される。
ここで、前記ダイヤモンド電極は導電性の基材の上に多結晶ダイヤモンド膜を積層した構造であり、
前記ダイヤモンド電極の前記導電性の基材が、前記接合材を介して前記配線と電気的に接続されており、
前記ダイヤモンド膜表面には、前記配線、前記接合材、前記導電性樹脂が接触していない。
(付記2)
本開示の一態様によれば、
被検液中の特定成分の濃度測定に用いられる電気化学センサであって、
同一の基材上に配置された少なくとも三つ以上の電極を備え、
前記三つ以上の電極から三つの電極を選び、各電極に作用電極、対電極または参照電極のいずれかの機能を割り振る組合せの中に、前記作用電極を割り振る電極が異なり、かつ、前記被検液中の特定成分の濃度測定を行う際の電気化学測定の回路が等価となる組合せが二つ以上存在する
電気化学センサが提供される。
(付記3)
本開示の一態様によれば、
被検液中の特定成分の濃度測定に用いられる電気化学センサであって、
同一の基材上に配置された少なくとも三つの電極を備え、
前記三つの電極のうち、少なくとも二つの電極は、同一構造および同一形状を有するダイヤモンド電極によって構成され、
前記二つの電極はそれぞれが作用電極または対電極のいずれかとして機能するとともに、前記三つの電極のうちの前記二つの電極以外の一つの電極が参照電極として機能し、
前記二つの電極は、前記一つの電極における所定の電極基準点を通る仮想線を対称軸として、それぞれが線対称の位置に配置されている
電気化学センサが提供される。
(付記4)
本開示の他の一態様によれば、
被検液中の特定成分の濃度測定に用いられる電気化学センサであって、
同一の基材上に配置された少なくとも三つの電極を備え、
前記三つの電極のうち、少なくとも二つの電極は、同一構造および同一形状を有するダイヤモンド電極によって構成され、
前記二つの電極はそれぞれが作用電極または参照電極のいずれかとして機能するとともに、前記三つの電極のうちの前記二つの電極以外の一つの電極が対電極として機能し、
前記二つの電極は、前記一つの電極における所定の電極基準点を通る仮想線を対称軸として、それぞれが線対称の位置に配置されている
電気化学センサが提供される。
(付記5)
本開示のさらに他の一態様によれば、
被検液中の特定成分の濃度測定に用いられる電気化学センサであって、
同一の基材上に配置された少なくとも三つの電極を備え、
前記三つの電極は、同一構造および同一形状を有するダイヤモンド電極によって構成され、
前記三つの電極がそれぞれ作用電極、対電極または参照電極のいずれかとして機能し、
前記三つの電極は、前記基材における所定の基材基準点を中心として、それぞれが三回対称の位置に配置されている
電気化学センサが提供される。
(付記6)
好ましくは、
前記基材は、対称性を有する平面形状に形成されている
付記3から5のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記7)
好ましくは、
前記特定成分は、前記被検液中の溶存オゾンである
付記3から5のいずれか1態様に記載の電気化学センサが提供される。
(付記8)
本開示の一態様によれば、
付記3に記載の電気化学センサと、
前記電気化学センサにおける前記二つの電極のうちの一方を作用電極とし他方を対電極として機能させる第一回路と、
前記一方の電極を対電極とし前記他方の電極を作用電極として機能させる第二回路と、を備え、
前記第一回路と前記第二回路とのいずれかを選択して前記被検液中の前記特定成分の濃度測定を行うように構成された
電気化学センサシステムが提供される。
(付記9)
本開示の他の一態様によれば、
付記4に記載の電気化学センサと、
前記電気化学センサにおける前記二つの電極のうちの一方を作用電極とし他方を参照電極として機能させる第一回路と、
前記一方の電極を参照電極とし前記他方の電極を作用電極として機能させる第二回路と、を備え、
前記第一回路と前記第二回路とのいずれかを選択して前記被検液中の前記特定成分の濃度測定を行うように構成された
電気化学センサシステムが提供される。
(付記10)
本開示のさらに他の一態様によれば、
付記5に記載の電気化学センサと、
前記電気化学センサにおける前記三つの電極のそれぞれを第一電極、第二電極および第三電極とした場合に、前記第一電極を作用電極とし前記第二電極を対電極とし前記第三電極を参照電極として機能させる第一回路と、
前記第一電極を対電極とし前記第二電極を作用電極とし前記第三電極を参照電極として機能させる第二回路と、
前記第一電極を作用電極とし前記第二電極を参照電極とし前記第三電極を対電極として機能させる第三回路と、
前記第一電極を対電極とし前記第二電極を参照電極とし前記第三電極を作用電極として機能させる第四回路と、
前記第一電極を参照電極とし前記第二電極を作用電極とし前記第三電極を対電極として機能させる第五回路と、
前記第一電極を参照電極とし前記第二電極を対電極とし前記第三電極を作用電極として機能させる第六回路と、を備え、
前記第一回路から前記第六回路までのいずれか一つを選択して前記被検液中の前記特定成分の濃度測定を行うように構成された
電気化学センサシステムが提供される。
(付記11)
好ましくは、
予め設定された定期的なタイミングで複数回路についての選択切り換えを行う選択制御部
を備える付記8から10のいずれか1態様に記載の電気化学センサシステムが提供される。
(付記12)
好ましくは、
前記タイミングが、一回の濃度測定の開始から終了までの間で一回路による検出を実行する毎のタイミングに設定されている
付記11に記載の電気化学センサシステムが提供される。
(付記13)
好ましくは、
複数回路のそれぞれで得られる複数の測定値を取得するとともに、前記複数の測定値に基づいて一つの測定値を導き出し、前記一つの測定値を前記被検液中の前記特定成分の濃度測定のための測定値とする測定値管理部
を備える付記12に記載の電気化学センサシステムが提供される。
(付記14)
好ましくは、
前記タイミングが、一回または複数回の濃度測定を実行する毎のタイミングに設定されている
付記11に記載の電気化学センサシステムが提供される。
(付記15)
好ましくは、
前記電気化学センサにおける各電極に対して、前記被検液中の前記特定成分の濃度測定の際とは異なる態様での通電を行って、前記各電極の状態回復処理を施す通電制御部
を備える付記8から10のいずれか1態様に記載の電気化学センサシステムが提供される。
1…電気化学センサ、2…電気化学測定装置、3…コンピュータ装置、10…支持基板(基材)、21…第一BDD電極、22…第二BDD電極、23…第三BDD電極、24…電極膜、25…導電性基板、26,26a,26b,26c…電極基準点、27,27a,27b,27c…仮想線、28…基材基準点、31,32,33…配線、51…電気化学測定回路、52…第一回路、53…第二回路、54…選択回路、60…制御部、61…選択制御部、62…測定値管理部、63…通電制御部

Claims (13)

  1. 被検液中の特定成分の濃度測定に用いられる電気化学センサであって、
    同一の基材上に配置された少なくとも三つの電極を備え、
    前記三つの電極のうち、少なくとも二つの電極は、同一構造および同一形状を有するダイヤモンド電極によって構成され、
    前記二つの電極はそれぞれが作用電極または対電極のいずれかとして機能するとともに、前記三つの電極のうちの前記二つの電極以外の一つの電極が参照電極として機能し、
    前記二つの電極は、前記一つの電極における所定の電極基準点を通る仮想線を対称軸として、それぞれが線対称の位置に配置されている
    電気化学センサ。
  2. 被検液中の特定成分の濃度測定に用いられる電気化学センサであって、
    同一の基材上に配置された少なくとも三つの電極を備え、
    前記三つの電極のうち、少なくとも二つの電極は、同一構造および同一形状を有するダイヤモンド電極によって構成され、
    前記二つの電極はそれぞれが作用電極または参照電極のいずれかとして機能するとともに、前記三つの電極のうちの前記二つの電極以外の一つの電極が対電極として機能し、
    前記二つの電極は、前記一つの電極における所定の電極基準点を通る仮想線を対称軸として、それぞれが線対称の位置に配置されている
    電気化学センサ。
  3. 被検液中の特定成分の濃度測定に用いられる電気化学センサであって、
    同一の基材上に配置された少なくとも三つの電極を備え、
    前記三つの電極は、同一構造および同一形状を有するダイヤモンド電極によって構成され、
    前記三つの電極がそれぞれ作用電極、対電極または参照電極のいずれかとして機能し、
    前記三つの電極は、前記基材における所定の基材基準点を中心として、それぞれが三回対称の位置に配置されている
    電気化学センサ。
  4. 前記基材は、対称性を有する平面形状に形成されている
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  5. 前記特定成分は、前記被検液中の溶存オゾンである
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電気化学センサ。
  6. 請求項1に記載の電気化学センサと、
    前記電気化学センサにおける前記二つの電極のうちの一方を作用電極とし他方を対電極として機能させる第一回路と、
    前記一方の電極を対電極とし前記他方の電極を作用電極として機能させる第二回路と、を備え、
    前記第一回路と前記第二回路とのいずれかを選択して前記被検液中の前記特定成分の濃度測定を行うように構成された
    電気化学センサシステム。
  7. 請求項2に記載の電気化学センサと、
    前記電気化学センサにおける前記二つの電極のうちの一方を作用電極とし他方を参照電極として機能させる第一回路と、
    前記一方の電極を参照電極とし前記他方の電極を作用電極として機能させる第二回路と、を備え、
    前記第一回路と前記第二回路とのいずれかを選択して前記被検液中の前記特定成分の濃度測定を行うように構成された
    電気化学センサシステム。
  8. 請求項3に記載の電気化学センサと、
    前記電気化学センサにおける前記三つの電極のそれぞれを第一電極、第二電極および第三電極とした場合に、前記第一電極を作用電極とし前記第二電極を対電極とし前記第三電極を参照電極として機能させる第一回路と、
    前記第一電極を対電極とし前記第二電極を作用電極とし前記第三電極を参照電極として機能させる第二回路と、
    前記第一電極を作用電極とし前記第二電極を参照電極とし前記第三電極を対電極として機能させる第三回路と、
    前記第一電極を対電極とし前記第二電極を参照電極とし前記第三電極を作用電極として機能させる第四回路と、
    前記第一電極を参照電極とし前記第二電極を作用電極とし前記第三電極を対電極として機能させる第五回路と、
    前記第一電極を参照電極とし前記第二電極を対電極とし前記第三電極を作用電極として機能させる第六回路と、を備え、
    前記第一回路から前記第六回路までのいずれか一つを選択して前記被検液中の前記特定成分の濃度測定を行うように構成された
    電気化学センサシステム。
  9. 予め設定された定期的なタイミングで複数回路についての選択切り換えを行う選択制御部
    を備える請求項6から8のいずれか1項に記載の電気化学センサシステム。
  10. 前記タイミングが、一回の濃度測定の開始から終了までの間で一回路による検出を実行する毎のタイミングに設定されている
    請求項9に記載の電気化学センサシステム。
  11. 複数回路のそれぞれで得られる複数の測定値を取得するとともに、前記複数の測定値に基づいて一つの測定値を導き出し、前記一つの測定値を前記被検液中の前記特定成分の濃度測定のための測定値とする測定値管理部
    を備える請求項10に記載の電気化学センサシステム。
  12. 前記タイミングが、一回または複数回の濃度測定を実行する毎のタイミングに設定されている
    請求項9に記載の電気化学センサシステム。
  13. 前記電気化学センサにおける各電極に対して、前記被検液中の前記特定成分の濃度測定の際とは異なる態様での通電を行って、前記各電極の状態回復処理を施す通電制御部
    を備える請求項6から8のいずれか1項に記載の電気化学センサシステム。
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