JP2024007915A - 着用エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】着用部に対するガス発生器の位置ずれの発生を抑制して、快適に着用可能な着用エアバッグ装置を提供すること。【解決手段】装着者の骨盤周囲に巻き付けられる着用部50と、着用部内に折り畳まれて収納されるエアバッグ10と、エアバッグに膨張用ガスを供給するガス発生器20と、を備える。エアバッグが、2つの保護本体部12L,12Rと、保護本体部相互を連通させるガス供給路部13と、を備える。ガス発生器が、ガス供給路部に連結される。着用部が、ガス発生器とガス供給路部とを収納させる中央側収納部53と、折り畳まれた保護本体部を収納させる縁側収納部58L,58Rと、を備える。中央側収納部が、ガス発生器を収納させた状態での軸直交方向側の断面における周長を、縁側収納部における軸直交方向側の断面における周長よりも、大きくするように、構成されている。【選択図】図4
Description
本発明は、装着者の腰部を保護可能に構成される着用エアバッグ装置に関する。
従来、着用エアバッグ装置としては、装着者の骨盤周囲に巻き付けるようにして、着用させ、膨張したエアバッグにより、装着者の左右の大腿骨転子部からなる保護対象部位の外側を覆う構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。このような構成の着用エアバッグ装置では、具体的には、エアバッグは、膨張完了時に各保護対象部位の外側を覆うように配置される2つの保護本体部と、保護本体部の膨張完了時の上端側において保護本体部を相互に連通させるガス供給路部と、を有し、エアバッグに膨張用ガスを供給するガス発生器を、ガス供給路部に連結させる構成であった。そして、保護本体部の部位を折り畳まれたエアバッグと、ガス発生器と、を、外形形状を略筒状とされる着用部の内部に収納させ、この着用部を、骨盤周囲に巻き付けるようにして、装着者に着用させる構成であった。
この従来の着用エアバッグ装置では、折り畳まれたエアバッグとガス発生器とを収納させる着用部が、幅寸法(内径寸法)を略一定とした筒状とされていることから、保護本体部間のガス供給路部の部位、すなわち、着用部の略中央となる位置に配置されるガス発生器が、着用部の骨盤周囲への巻付け作業時や、着用状態での移動時等において、着用部内を移動するように位置ずれして、着用時の感触(着心地)が良好でない場合があった。そのため、着用部に対するガス発生器の位置ずれの発生を抑制して、着用時の感触を向上させる点に、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、着用部に対するガス発生器の位置ずれの発生を抑制して、快適に着用可能な着用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る着用エアバッグ装置は、装着者の腰部を保護可能に構成されて、
外形形状を略筒状として、装着者の骨盤周囲に巻き付けられる着用部と、
着用部内に折り畳まれて収納されるとともに、内部に膨張用ガスを流入させて装着者の左右の大腿骨転子部からなる保護対象部位の外側を覆うように膨張可能とされるエアバッグと、
エアバッグに膨張用ガスを供給するガス発生器と、
を備えて、
エアバッグが、膨張完了時に各保護対象部の外側を覆うように配置される2つの保護本体部と、保護本体部の膨張完了時の上端側において保護本体部相互を連通させるガス供給路部と、を備える構成とされ、
ガス発生器が、ガス供給路部に連結される構成の着用エアバッグ装置であって、
着用部が、中央側に配置されてガス発生器とガス供給路部とを収納させる中央側収納部と、中央側収納部の両側に配置されて折り畳まれた保護本体部を収納させる縁側収納部と、を備え、
中央側収納部が、ガス発生器を収納させた状態での軸直交方向側の断面における周長を、縁側収納部における軸直交方向側の断面における周長よりも、大きくするように、構成されていることを特徴とする。
外形形状を略筒状として、装着者の骨盤周囲に巻き付けられる着用部と、
着用部内に折り畳まれて収納されるとともに、内部に膨張用ガスを流入させて装着者の左右の大腿骨転子部からなる保護対象部位の外側を覆うように膨張可能とされるエアバッグと、
エアバッグに膨張用ガスを供給するガス発生器と、
を備えて、
エアバッグが、膨張完了時に各保護対象部の外側を覆うように配置される2つの保護本体部と、保護本体部の膨張完了時の上端側において保護本体部相互を連通させるガス供給路部と、を備える構成とされ、
ガス発生器が、ガス供給路部に連結される構成の着用エアバッグ装置であって、
着用部が、中央側に配置されてガス発生器とガス供給路部とを収納させる中央側収納部と、中央側収納部の両側に配置されて折り畳まれた保護本体部を収納させる縁側収納部と、を備え、
中央側収納部が、ガス発生器を収納させた状態での軸直交方向側の断面における周長を、縁側収納部における軸直交方向側の断面における周長よりも、大きくするように、構成されていることを特徴とする。
本発明の着用エアバッグ装置では、折り畳まれたエアバッグとガス発生器とを収納させる着用部が、略筒状とされるものの、着用部は、中央側に配置されてガス発生器とエアバッグにおけるガス供給路部とを収納させる中央側収納部と、中央側収納部の左右両側に配置されてエアバッグにおける保護本体部の部位を折り畳んで収納させる縁側収納部と、を備えて、中央側収納部の軸直交方向側の断面における周長を、縁側収納部における軸直交方向側の断面での周長よりも大きくするように、構成されている。すなわち、縁側収納部は、周壁を広げた断面積を、中央側収納部よりも小さく設定される構成である。そのため、着用エアバッグ装置(着用部)の骨盤周囲への巻付け作業時や、着用状態での移動時等において、中央側収納部内のガス発生器が、着用部内を、着用部の軸方向に沿うように左右にずれようとしても、隣接する縁側収納部内への進入を規制されるような態様となって、さらなる移動を抑制されることから、装着者に与えるガス発生器の位置ずれの感触を抑えることができる。
したがって、本発明の着用エアバッグ装置では、着用部に対するガス発生器の位置ずれを抑制して、快適に着用することができる。
また、本発明の着用エアバッグ装置において、着用部を、装着者側に配置される内側パネルと、外側に配置される外側パネルと、を備える構成として、
外側パネルにおいて中央側収納部を構成する部位の平らに展開した状態での上下方向側の幅寸法を、内側パネルにおける中央側収納部を構成する部位の平らに展開した状態の上下方向側の幅寸法よりも、大きく設定することが、好ましい。
外側パネルにおいて中央側収納部を構成する部位の平らに展開した状態での上下方向側の幅寸法を、内側パネルにおける中央側収納部を構成する部位の平らに展開した状態の上下方向側の幅寸法よりも、大きく設定することが、好ましい。
上記構成の着用エアバッグ装置では、中央側収納部が、装着者から離れた外側に配置される外側パネルの上下方向側の幅寸法を、内側パネルの上下方向側の幅寸法よりも大きく設定するように構成されていることから、着用時に、中央側収納部の領域では、装着者から離隔している外側パネルが湾曲し、装着者側の内側パネルが、上下の略全域にわたって装着者に略沿うようにして、配置されることとなり、装着者にフィットさせやすくなって、着用時の感触を一層良好にすることができる。
さらに、上記構成の着用エアバッグ装置において、中央側収納部を、縁側収納部を構成する素材よりも、伸縮性の高い素材から、形成する構成とすれば、ガス発生器の周囲を、だぶつかせることなく、中央側収納部によって略隙間なく覆うことが可能となり、見栄え良く、中央側収納部自体によって着用時のガス発生器の動きを一層抑制することもできて、好ましい。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の着用エアバッグ装置Sは、保護対象者(例えば、高齢者)としての装着者Mに着用(装着)させて使用するものであり、具体的には、図1,2,14,15に示すように、装着者Mの腰部MWを保護可能に、腰部MWの周囲(詳細には、骨盤MPの周囲)に巻き付けるように着用させて使用する。実施形態では、上下,前後,左右の方向は、特に断らない限り、装着者Mに着用させた状態での装着者Mの上下,前後,左右の方向と一致するものである。
着用エアバッグ装置Sは、図3~12に示すように、エアバッグ10と、エアバッグ10に膨張用ガスを供給するガス発生器20と、装着者Mの転倒を検知するセンサ部2を備えてガス発生器20を作動させる作動制御装置1と、エアバッグ10とガス発生器20と作動制御装置1とを内部に収納させて装着者Mの骨盤MP周囲(腰部MWの周囲)に巻き付けられる着用部としてのアウタカバー部50と、を備える構成とされている。
作動制御装置1は、上下前後左右の3軸周りの角速度を検知可能な角速度センサと、3軸方向の加速度を検知可能な加速度センサと、を有するセンサ部2を、を備えるとともに、センサ部2からの信号によって、装着者Mの通常動作とは異なる転倒動作を検知すると、ガス発生器20を作動させるように、構成されている。具体的には、装着者Mが通常動作と異なった転倒動作を開始していると、作動制御装置1は、種々の閾値から判定可能な判定手段を備えていることから、その判定手段の判定に基づいて装着者Mの転倒を検出し、ガス発生器20を作動させることとなる。この作動制御装置1には、センサ部2の作動用やガス発生器20の作動用信号の出力のために、図示しない電池等からなる電源が、内蔵されている。実施形態の場合、作動制御装置1は、ガス発生器20から離れて、アウタカバー部50における後述する右側の巻付部63Rの領域に、配設されている(図1,3参照)。
エアバッグ10は、可撓性を有したシート体から形成されるもので、実施形態の場合、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる織布から形成されている。エアバッグ10は、実施形態の場合、図12のAに示すように、外形形状を略同一として、装着時に装着者M側(内側)に配置される内側壁部10aと、外側に配置される外側壁部10bと、を有し、内側壁部10aと外側壁部10bとの周縁相互を、縫着(結合)させることにより、膨張完了形状を略板状とした袋状とされている。エアバッグ10は、膨張完了時に装着者Mの腰部MWの左右の側方を覆うように配置される2つの保護本体部12(12L,12R)と、保護本体部12L,12Rの上端側において保護本体部12L,12R相互を連通させるガス供給路部13と、を備えている。
各保護本体部12(12L,12R)は、膨張完了時に、保護対象部位としての大腿骨転子部TPの外側を覆うもので(図1,2の二点鎖線及び図15参照)、平らに展開した状態の外形形状を、大腿骨転子部TPの周囲を広く覆い可能に、上下方向側を左右方向側よりやや幅広とした略長方形板状とされている。これらの保護本体部12L,12Rは、外側壁部10bと内側壁部10aを重ねるように平らに展開した状態から、上下方向側の幅寸法を縮めるようにして(実施形態の場合、内側壁部10a側に巻くようなロール折りにより)、アウタカバー部50における後述する縁側収納部58(58L,58R)内に収納可能な幅寸法に、折り畳み(図12のB参照)、折り畳まれた状態で、縁側収納部58L,58R内に収納される(図5参照)。各保護本体部12L,12Rは、ガス発生器20から吐出される膨張用ガスを内部に流入させて膨張する際に、図5の二点鎖線に示すように、アウタカバー部50の縁側収納部58L,58Rに設けられる後述する突出用開口59L,59Rから、下方に突出するようにして、膨張することとなる。
ガス供給路部13は、上下方向側の幅寸法を、中央側収納部53内に収納可能で、かつ、エアバッグ10の膨張完了時に、アウタカバー部50における中央側収納部53内で膨張可能な寸法に、設定されている。また、ガス供給路部13における外側壁部10bの部位には、ガス発生器20からの膨張用ガスを流入させる流入口15が、配設されている(図6,8参照)。外側壁部10bにおける流入口15の周縁には、取付ボルト44を貫通させるための4つの取付孔16が、配設されている。実施形態の場合、エアバッグ10は、詳細な図示を省略するが、上縁側の所定箇所を、アウタカバー部50における後述するカバー本体51の上縁側に取り付けられている。
ガス発生器20は、図8~11に示すように、ガスボンベ21と、開裂ピン25と、開裂ピン25を移動させるための移動手段30と、ホルダ33と、を備える構成とされている。ガスボンベ21、開裂ピン25、及び、移動手段30は、ホルダ33によって保持されて、エアバッグ10における流入口15に取り付けられている。このガス発生器20は、図3,4に示すように、着用エアバッグ装置Sの左右の略中央となる位置に配設されるもので、装着者Mへの装着時に、図2に示すように、装着者Mの背面において、移動手段30を左側に位置させ、ガスボンベ21を右側に位置させるようにして、ガスボンベ21の軸方向を左右方向(水平方向、アウタカバー部50の長手方向)に略沿わせて、配置されることとなる。
ガスボンベ21は、アルミニウム等の金属製のボトル内に二酸化炭素等からなる膨張用ガスGを封入して構成されており、円柱状の本体部22と、本体部22の先端側に設けられて小径の略円柱状の先端部23と、を備えている。ガスボンベ21は、先端部23の先端面23aに設けられる隔壁23bを、開裂ピン25により、開裂させることにより、本体部22内に封入される膨張用ガスGを先端面23aから吐出させる構成である(図11参照)。先端部23は、ホルダ33における後述するホルダ本体34に取り付けられるもので外周面側に、ホルダ本体34の一端側(実施形態の場合、右端34b側)に設けられる雌ねじ35bに螺合可能な雄ねじ23cを、配設させている(図10参照)。
開裂ピン25を移動させるための移動手段30は、ガスボンベ21の先端部23側において、ガスボンベ21と直列的に並設されるもので、図11に示すように、開裂ピン25を移動させるための移動用ガスRを、点火時に先端30aから吐出させる構成とされている。実施形態では、移動手段30としては、汎用のエアバッグ装置に使用されるインフレーターのスクイブを、援用している。移動手段30は、信管と、信管により着火される火薬と、を備える電気点火式とされている。移動手段30は、ホルダ本体34に取り付けられるもので、外周面側に、ホルダ本体34の他端側(実施形態の場合、左端34a側)に設けられる雌ねじ35aに螺合可能な雄ねじ30bを、配設させている(図10参照)。
開裂ピン25は、金属製として、ホルダ33の後述する移動路36内に配設されるもので、図11に示すように、移動路36内を摺動可能な略円柱状の元部25aと、元部25aから先細り状の略円錐状に突出する先端部25cと、を備えている。この開裂ピン25は、移動手段30の作動前の初期位置では、元部25aの端面25bを移動手段30の先端面に当接させている(図11のA参照)。
ホルダ33は、ポリプロピレン等の合成樹脂から一体成形されるもので、図8,9に示すように、軸方向を左右方向に略沿わせるようにして配置される略円筒状のホルダ本体34と、ホルダ本体34から両側(上下両側)に鍔状に突出する鍔部40,40と、を備えて構成されている。
ホルダ本体34は、略円筒状として、換言すれば、貫通孔35を有する構成とされるもので、このホルダ本体34の貫通孔35において、中央側の部位が、図10,11に示すように、開裂ピン25を摺動可能に収納する移動路36を、構成している。ホルダ本体34の両端(左端34a,右端34b)側の部位の内周面側(すなわち、貫通孔35の両端側)には、ガスボンベ21の先端部23と、移動手段30と、をそれぞれ取り付けるための雌ねじ35a,35bが、形成されている(図10参照)。また、ホルダ本体34における移動路36の領域には、分岐してガスボンベ21からの膨張用ガスGをエアバッグ10側に供給させるための供給用開口部37が、形成されている。供給用開口部37は、開口径を、移動路36の開口径よりも小径として、移動路36と略直交するように配設されている(図8~10参照)。この供給用開口部37は、移動時の開裂ピン25によるガスボンベ21の先端面23aの開裂開始まで、開裂ピン25によって閉塞され、かつ、先端面23aの開裂後に開裂ピン25によって閉塞されずに、ガスボンベ21からの膨張用ガスを流入可能とするような位置に、形成されている(図11参照)。
ホルダ33において、ホルダ本体34から延びるように形成される各鍔部40には、ホルダ33をエアバッグ10に取り付けるための取付ボルト44を貫通させるための取付孔40aが、それぞれ、2箇所ずつに、形成されている(図6,8参照)。ホルダ33は、エアバッグ10の内周面側に配設されるインナプレート42と協働して、エアバッグ10に取り付けられる構成である。
インナプレート42は、鋼等の板金製として、外形形状を略長方形状とされるもので、中央に、膨張用ガスを通過させる流通口42aを配設させ、四隅付近に、取付ボルト44を貫通させる取付孔42bを配設させている。インナプレート42は、図6,10に示すように、エアバッグ10の内周面側における流入口15の周縁に配設される構成である。そして、インナプレート42,エアバッグ10,鍔部40に設けられる各取付孔42b,17,40aに、取付ボルト44を貫通させて、ナット45を締結すれば、ホルダ33をエアバッグ10に取り付けることができて、ガス発生器20をエアバッグ10に取り付けることができる。
着用部としてのアウタカバー部50は、折り畳まれたエアバッグ10とガス発生器20と作動制御装置1とを収納させるカバー本体51と、カバー本体51の中央側の領域における装着時の外側を覆うように配置される蓋部70と、アウタカバー部50を装着者Mの腰部MWに巻き付けるための装着手段74,77と、を備えている。
カバー本体51は、外形形状を略筒状として、装着者Mの骨盤MP周囲(腰部MWの周囲)に巻き付けられるもので、両端側(左端,右端側)を閉塞されて、内部に、折り畳まれたエアバッグ10とガス発生器20と作動制御装置1とを収納させる構成とされている。カバー本体51は、図4~7に示すように、中央側に配置されてガス発生器20とガス供給路部13とを収納させる中央側収納部53と、中央側収納部53の左右両側に配置されて折り畳まれた保護本体部12(12L,12R)を収納させる縁側収納部58(58L,58R)と、縁側収納部58(58L,58R)から延びる巻付部63(63L,63R)と、を備えている。このカバー本体51は、平らに展開した状態での外形形状を、略左右対称形とされている。詳細には、実施形態の場合、左側の巻付部63Lが、右側の巻付部63Rよりも僅かに長さ寸法を小さくするように、構成されている(図2,3参照)。
中央側収納部53は、図4,6,7に示すように、ガス発生器20と、エアバッグ10におけるガス供給路部13と、を内部に収納させるもので、装着時に装着者M側(内側)に配置される内側壁部53aと、外側に配置される外側壁部53bと、を有している。中央側収納部53における外側壁部53bには、カバー本体51内に収納させた状態のエアバッグ10に、ガス発生器20を取り付けるための取付用開口54が、形成されている。取付用開口54は、実施形態の場合、左右方向に略沿ったスリット状として、ファスナー55により開閉可能な構成とされている(図4,6参照)。具体的には、実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、この取付用開口54を経て、カバー本体51内に収納されている折り完了体97の状態のエアバッグ10に予め取り付けられているホルダ33に、移動手段30とガスボンベ21とを連結させて、エアバッグ10にガス発生器20を取り付ける構成であり、取付用開口54は、長さ寸法を、ガス発生器20の軸方向側の長さ寸法と略同一として、中央側収納部53の外側壁部53bにおける上下左右の略中央となる位置に、形成されている(図4参照)。また、中央側収納部53は、平らに展開した状態での左右方向側の幅寸法を、ガス発生器20の長さ寸法よりも若干大きな寸法に、設定されている。
また、中央側収納部53は、平らに展開した状態での外形形状を、左右の中央側を最も上下に幅広とし、左縁側と右縁側とにかけて幅寸法を僅かに狭めるような形状とされている。実施形態の場合、中央側収納部53において、外側壁部53b(後述する外側中央パネル87)は、平らに展開した状態での上下方向側の幅寸法を、内側壁部53a(後述する内側中央パネル85)の平らに展開した状態での上下方向側の幅寸法よりも、大きく設定されている(図6,13参照)。
各縁側収納部58(58L,58R)は、中央側収納部53から左右に延びるように配設されるもので、折り畳まれた各保護本体部12(12L,12R)(ロール折り部位98L,98R)を、それぞれ、内部に収納させる構成であり、装着時に装着者M側(内側)に配置される内側壁部58aと、外側に配置される外側壁部58bと、を有している(図4,5参照)。縁側収納部58L,58Rは、下縁58c側に、エアバッグ10の膨張時に、内部に膨張用ガスを流入させて膨張する保護本体部12L,12Rを下方に向かって突出可能な突出用開口59L,59Rを、有している。各突出用開口59L,59Rは、内側壁部58aと外側壁部58bの下縁相互を分離させるようにして、形成されている。この突出用開口59L,59Rを形成する突出用開口形成部位には、実施形態の場合、一対のスナップボタン60が、左右方向側で4箇所に並設されており(図3,4参照)、図5に示すように、この一対のスナップボタン60により、内側壁部58aと外側壁部58bとの下縁相互が仮結合されて、突出用開口59L,59Rを閉塞している。そして、実施形態では、スナップボタン60による仮結合状態は、エアバッグ10の膨張時に、膨張する保護本体部12L,12R自体によって解除されることとなり、このスナップボタン60による仮結合状態を解除して形成される突出用開口59L,59Rから、保護本体部12L,12Rが、下方に突出しつつ膨張することとなる(図3,5の二点鎖線参照)。
各巻付部63(63L,63R)は、各縁側収納部58(58L,58R)と一体的に形成されて、それぞれ、縁側収納部58(58L,58R)から左右の外方に延びるように形成されており(図3,4参照)、装着時に装着者M側(内側)に配置される内側壁部63aと、外側に配置される外側壁部63bと、を有している。実施形態では、巻付部63L,63Rの部位に、アウタカバー部を装着者Mの腰部MWに巻き付けるための装着手段74,77が、配設されている。また、実施形態では、作動制御装置1は、右端側に配置される巻付部63R内に、収納されている。右側に配設される巻付部63Rの下縁63c側には、折り畳んだエアバッグ10(折り完了体97)をカバー本体51内に収納させるための収納用開口65が、ファスナー66によって開閉可能な状態として、形成されている(図3,4,13参照)。この収納用開口65は、右側の巻付部63Rの下縁63c側の略全域にわたって、形成されている。
縁側収納部58(58L,58R)と巻付部63(63L,63R)とは、縁側収納部58(58L,58R)における中央側収納部53側となる中央側縁58d側を、僅かに幅広とされる以外は、平らに展開した状態の幅寸法を略一定とされており、平らに展開した状態での幅寸法(上下方向側での幅寸法)を、中央側収納部53の上下方向側の幅寸法よりも小さく設定されている。実施形態の場合、縁側収納部58と巻付部63とは、カバー本体51を平らに展開した状態で、中央側収納部53から離れた巻付部63の先端縁63d側を、上側に位置させるように、左右方向に対して僅かに傾斜するように、構成されている(図3,4参照)。
蓋部70は、カバー本体51の中央側の領域における装着時の外側を覆うように配置されるもので、実施形態の場合、図3,4に示すように、中央側収納部53と、各縁側収納部58L,58Rにおける中央側収納部53側半分程度の領域と、の外側を覆うような構成とされている。蓋部70は、外形形状を、左右に幅広とした略半楕円形状とされて、上縁70a側をカバー本体51の上縁51aに連結されて上下で開閉可能とされて、開きの先端側となる下縁70b側を、結合手段としての一対のスナップボタン72を用いて、カバー本体51の下縁51b側に着脱自在に取付可能な構成とされている。スナップボタン72は、蓋部70の下縁70b側において、中央を除いた左側と右側との領域(カバー本体51における縁側収納部58L,58Rの領域)に、それぞれ2個ずつ、計4箇所に、配設されている(図4参照)。この蓋部70は、上縁70a側を幅広として、下縁70b側にかけて狭幅とするように、端縁を傾斜させて構成されていることから、スナップボタン72により下縁70b側をカバー本体51側に取り付けた状態で、カバー本体51からの浮き上がりを目立たせないようにすることもできる。
アウタカバー部50を装着者Mに巻き付けるための装着手段としては、実施形態の場合、図3,4に示すように、一対のバックル部74と、一対の面状ファスナー77と、が、使用されている。面状ファスナー77は、左側の巻付部63Lの外側壁部63b側に配置される鉤状側部位77aと、右側の巻付部63Rの内側壁部63a側に配置されるループ側部位77bと、を備えており、左側の巻付部63Lを装着者M側に位置させ、右側の巻付部63Rを外側から重ねるようにして、巻付部63L,63Rを相互に連結可能とされている。バックル部74は、保持ベルト75によってカバー本体51に取り付けられるもので、雄側部材74aと雌側部材74bとを備えている。具体的には、左側の巻付部63Lの外側壁部63b側において、面状ファスナー77の鉤状側部位77aよりも元部側(縁側収納部58L側)に、雄側部材74aが、保持ベルト75を介して取り付けられ、右側の巻付部63Rの先端縁63d側(すなわち、面状ファスナー77のループ側部位77bよりも先端側)に、雌側部材74bが、保持ベルト75を介して取り付けられている。実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、装着手段として、一対のバックル部74と一対の面状ファスナー77とを使用することにより、体格の異なる装着者に着用させる場合にも、装着者の腰回りに適宜フィットさせることができ、かつ、外れを防止して、装着状態を安定させることができる。
カバー本体51及び蓋部70は、可撓性を有したシート体から形成されている。実施形態の場合、カバー本体51は、部分的に形成素材を異ならせて、形成されている。カバー本体51は、図13に示すように、内側左上パネル80L,内側左下パネル81L,内側右上パネル80R,内側右下パネル81R,外側左パネル83L,外側右パネル83R,内側中央パネル85,外側中央パネル87から、構成されている。実施形態の場合、内側左下パネル81L,内側右下パネル81Rは、低伸縮素材LMから形成され、残りの内側左上パネル80L,内側右上パネル80R,内側中央パネル85,外側左パネル83L,外側右パネル83R,外側中央パネル87は、高伸縮素材HMから形成されている。
内側左上パネル80Lは、図13に示すように、外形形状を、左右方向に沿った略帯状として、カバー本体51における左側の縁側収納部58Lの内側壁部58aから巻付部63Lの内側壁部63aにかけての部位の上側の領域を、構成している(図5参照)。内側左下パネル81Lは、外形形状を、左右方向に沿った略帯状として、カバー本体51における左側の縁側収納部58Lの内側壁部58aから巻付部63Lの内側壁部63aにかけての部位の下側の領域を、構成している(図5参照)。詳細には、内側左上パネル80Lは、幅寸法W2を、内側左下パネル81Lの幅寸法W3の1/4程度に、設定されている(図13参照)。内側右上パネル80R及び内側右下パネル81Rは、図13に示すように、長さ寸法を若干異ならせる以外は、それぞれ、内側左上パネル80L及び内側左下パネル81Lと略左右対称形とされるもので、カバー本体51における右側の縁側収納部58Rの内側壁部58aから巻付部63Rの内側壁部63aにかけての部位を、構成している。
外側左パネル83Lは、図13に示すように、外形形状を、装着時の中央側となる右縁側の部位を、部分的に僅かに拡開させるような略帯状として構成されるもので、カバー本体51における左側の縁側収納部58Lの外側壁部58bと巻付部63Lの外側壁部63bとを構成している。詳細には、外側左パネル83Lは、縁側収納部58Lの外側壁部58bの右半分程度の領域を構成する部位を、右縁側にかけて僅かに拡開させるように構成されている。外側左パネル83Lにおいて、一定の幅寸法を有する領域の幅寸法W1は、内側左上パネル80Lの幅寸法W2と内側左下パネル81Lの幅寸法W3との和と、略同一とされている(図13参照)。すなわち、縁側収納部58Lにおける左半分程度の領域(中央側収納部53から離れた巻付部63L側の領域)では、外側壁部58bと内側壁部58aとは、上下方向側での幅寸法を、略同一に設定されている。外側右パネル83Rは、長さ寸法を若干異ならせる以外は、外側左パネル83Lと略左右対称形とされるもので、カバー本体51における右側の縁側収納部58Rの外側壁部58bと巻付部63Rの外側壁部63bとを構成している。
内側中央パネル85は、中央側収納部53の内側壁部53aを構成し、外側中央パネル87は、中央側収納部53の外側壁部53bを構成している(図6,13参照)。内側中央パネル85と外側中央パネル87とは、ともに、外形形状を、下縁側にかけて狭幅とした略台形状とされており、それぞれ、略左右対称形状とされている(図13参照)。内側中央パネル85と外側中央パネル87とは、上下方向側の幅寸法を異ならせる構成とされるもので、外側中央パネル87は、上下方向側の幅寸法W4を、内側中央パネル85の上下方向側の幅寸法W5よりも、大きく設定されている。実施形態の場合、外側中央パネル87の幅寸法W4は、内側中央パネル85の幅寸法W5の4/3程度に、設定されている。外側中央パネル87の上縁側と下縁側との左右方向側の幅寸法W6,W7は、それぞれ、内側中央パネル85の上縁側と下縁側の左右方向側の幅寸法W8,W9と、略同一に設定されている。また、外側中央パネル87の上下方向側の幅寸法W4は、外側左パネル83L(外側右パネル83R)において一定の幅寸法を有する領域の幅寸法W1よりも大きく設定されており、具体的には、幅寸法W4は、幅寸法W1の3/2程度とされている。内側中央パネル85の上下方向側の幅寸法W5も、内側左上パネル80L(内側右上パネル80R)の幅寸法W2と内側左下パネル81L(内側右下パネル81R)の幅寸法W3との和(幅寸法W1と略一致)よりも大きく設定されており、具体的には、幅寸法W5は、幅寸法W1の9/7程度とされている。
すなわち、実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、中央側収納部53が、内側壁部53aと外側壁部53bとの上下方向側の幅寸法を、ともに、縁側収納部58(58L,58R)の内側壁部58aと外側壁部58bとの上下方向側の幅寸法よりも大きく設定されて、軸直交方向側の断面(上下方向側の断面)における周長を、縁側収納部58(58L,58R)の軸直交方向側の断面における周長よりも、大きくする構成とされている(図5,6参照)。また、実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、縁側収納部58(58L,58R)の内側壁部58aにおける下側の領域の部位(内側左下パネル81L,内側右下パネル81R)が、低伸縮素材LMから形成されており、換言すれば、中央側収納部53が、縁側収納部58(58L,58R)を構成する素材よりも、伸縮性の高い素材から、形成されている。
蓋部70は、図13に示すように、カバー本体51における中央側収納部53を覆う領域を構成する中央パネル90と、カバー本体51における左右の縁側収納部58L,58Rを覆う領域を構成する左パネル91L,右パネル91Rと、蓋部70の裏面側における先端側(下縁70b側)の領域を補強する補強中央パネル93,補強左パネル94L,補強右パネル94Rと、から構成されている。中央パネル90及び補強中央パネル93は、それぞれ、略左右対称形状とされており、左パネル91L及び右パネル91Rは、左右対称形とされており、補強左パネル94L及び補強右パネル94Rも、左右対称形とされている。この蓋部70を構成する各パネルも、高伸縮素材HMから、形成されている。
実施形態の場合、カバー本体51及び蓋部70を形成する高伸縮素材HMとしては、ポリウレタン繊維とレーヨン繊維とポリエステル繊維とからなる合成繊維製の織布が用いられ、低伸縮素材LMとしては、ポリエステル繊維からなるメッシュ素材が、用いられている。そして、カバー本体51及び蓋部70は、各パネルにおいて対応する縁部を縫着させることにより、形成されている。
次に、実施形態の着用エアバッグ装置Sの組み立てについて、説明をする。作動制御装置1は、予め、アウタカバー部50のカバー本体51内に収納させておく。また、ホルダ33を、インナプレート42ともに、取付ボルト44とナット45とを利用して、予め、エアバッグ10の外側壁部10bに取り付けておく。そして、内側壁部10aと外側壁部10bとの外周縁相互を結合させて、エアバッグ10を袋状に形成した後、エアバッグ10を、内側壁部10aと外側壁部10bとを重ねて平らに展開した状態から、カバー本体51内に収納可能に折り畳む(図12のA,B参照)。具体的には、実施形態の場合、エアバッグ10は、保護本体部12L,12Rの部位を、それぞれ、下端側から内側壁部10a側に向かって巻くようにロール折りして、ロール折り部位98L,98Rを形成するように折り畳まれている(図5参照)。次いで、折り畳まれたエアバッグ10(折り完了体97)を、右側の巻付部63Rの下縁63c側に形成される収納用開口65を経て、カバー本体51の内部に収納させ、上縁側の所定箇所を、カバー本体51側に連結させる。その後、カバー本体51の中央側収納部53の外側壁部53bに形成される取付用開口54を経て、エアバッグ10に取り付けられているホルダ33に、移動手段30とガスボンベ21とを取り付ければ、エアバッグ10にガス発生器20を取り付けることができる。その後、作動制御装置1からの作動信号入力用のリード線(図符号省略)を、ガス発生器20に接続させた後に、ガス発生器20をカバー本体51内に収納させて、ファスナー55により取付用開口54を閉じ、蓋部70を、カバー本体51を覆うように配置させて、下縁70b側をスナップボタン72によって、カバー本体51の下縁51b側に連結させれば、着用エアバッグ装置Sを製造することができる。
実施形態の着用エアバッグ装置Sは、装着手段としての面状ファスナー77とバックル部74とを利用して、装着者Mの腰部MW(骨盤MP)の周囲に巻き付けられるようにして、装着者Mに装着されることとなる。そして、実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、装着者Mに装着させた状態で、センサ部2が装着者Mの転倒を検知すれば、作動制御装置1からガス発生器20に作動信号が出力されて、ガス発生器20からの膨張用ガスGが、流入口15を経て、エアバッグ10内に流入することとなり、エアバッグ10が、折りを解消するように展開しつつ、カバー本体51から各保護本体部12L,12Rを突出させるように膨張して、図1,2の二点鎖線及び図15に示すように、膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、折り畳まれたエアバッグ10とガス発生器20とを収納させる着用部としてのアウタカバー部50が、略筒状とされるものの、アウタカバー部50は、中央側に配置されてガス発生器20とエアバッグ10におけるガス供給路部13とを収納させる中央側収納部53と、中央側収納部53の左右両側に配置されてエアバッグ10における保護本体部12L,12Rの部位を折り畳んで収納させる縁側収納部58L,58Rと、を備えて、中央側収納部53の軸直交方向側の断面における周長を、縁側収納部58L,58Rにおける軸直交方向側の断面での周長よりも大きくするように、構成されている。すなわち、縁側収納部58L,58Rは、周壁を広げた断面積を、中央側収納部53よりも小さく設定される構成である(図5~7参照)。そのため、着用エアバッグ装置S(アウタカバー部50)の骨盤MP周囲への巻付け作業時や、着用状態での移動時等において、中央側収納部53内のガス発生器20が、アウタカバー部50(カバー本体51)内を、アウタカバー部50の軸方向に沿うように左右にずれようとしても、図7,14に示すように、隣接する縁側収納部58L,58R内への進入を規制されるような態様となって、さらなる移動を抑制されることから、装着者に与えるガス発生器20の位置ずれの感触を抑えることができる。
したがって、実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、着用部としてのアウタカバー部50に対するガス発生器20の位置ずれを抑制して、快適に着用することができる。
また、実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、中央側収納部53が、装着者Mから離れた外側に配置される外側壁部53bを構成する外側中央パネル87の上下方向側の幅寸法W4を、内側壁部53aを構成する内側中央パネル85の上下方向側の幅寸法W5よりも大きく設定するように構成されている。そのため、着用時に、中央側収納部53の領域では、装着者Mから離隔している外側壁部53b(外側中央パネル87)が湾曲し、装着者M側の内側壁部53a(内側中央パネル85)が、上下の略全域にわたって装着者に略沿うようにして、配置されることとなり(図6参照)、装着者Mにフィットさせやすくなって、着用時の感触を一層良好にすることができる。なお、このような点を考慮しなければ、中央側収納部を、内側壁部を構成する内側パネル(実施形態における内側中央パネル)の上下方向側の幅寸法を、外側壁部を構成する外側パネル(実施形態における外側中央パネル)の上下方向側の幅寸法よりも大きく設定するようにして、構成してもよい。
さらに、実施形態の着用エアバッグ装置では、アウタカバー部50のカバー本体51が、部分的に形成素材を異ならせて、形成されており、具体的には、縁側収納部58L,58Rの一部(具体的には、内側壁部59aの下側の領域である内側左下パネル81L,内側右下パネル81R)が、低伸縮素材LMから形成されており、残りの部位が、高伸縮素材HMから形成されている。換言すれば、実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、中央側収納部53が、縁側収納部58L,58Rを構成する素材よりも、伸縮性の高い素材から、形成されている。そのため、ガス発生器20の周囲を、だぶつかせることなく、中央側収納部53によって略隙間なく覆うことが可能となり、見栄え良く中央側収納部53自体によって着用時のガス発生器の動きを一層抑制することもできる。なお、このような点を考慮しなければ、中央側収納部を、高伸縮素材から形成しなくともよい。
特に、実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、低伸縮素材LMとして、メッシュ素材を使用している。すなわち、実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、着用時に、装着者Mに広い面積で接触することとなる縁側収納部58L,58Rから巻付部63L,63Rにかけての内側壁部58a,63aにおける下側の領域が、メッシュ素材から形成されていることから、着用時のムレの発生を抑制できて、一層快適に着用することができる。
また、実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、縁側収納部58L,58Rから巻付部63L,63Rにかけての外側壁部58b,63bと、内側壁部58a,63aの上縁側の部位と、を構成する内側左上パネル80L,内側右上パネル80R,外側左パネル83L,外側右パネル83Rと、蓋部70も、高伸縮素材HMから、形成されている。そのため、腰部MWの周囲に沿わせるような巻付による着用時のごわつき等の発生を抑制できて、着用時の快適性を一層向上させることができる。
なお、実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、アウタカバー部50は、エアバッグ10及びガス発生器20を内部に収納させる前の平らに展開した状態で、中央側収納部53の上下方向側の幅寸法を、縁側収納部58L,58Rの上下方向側の幅寸法よりも、大きく設定している。すなわち、中央側収納部53は、内部にガス供給路部13とガス発生器20とを収納させる前の状態においても、軸直交方向側の断面における周長を、折り畳まれた保護本体部12L,12Rを内部に収納させる前の状態の縁側収納部58L,58Rの軸直交方向側の断面における周長よりも、大きく設定されている。本発明の着用エアバッグ装置は、このような構成に限定されるものではない。例えば、中央側収納部を形成する素材と、縁側収納部を形成する素材との伸縮率を大きく異ならせ、中央側収納部を形成する素材を、網地等、縁側収納部を形成する素材と比較して大きく伸縮可能な素材から形成すれば、中央側収納部と縁側収納部とを、平らに展開した状態での上下方向側の幅寸法を略同一とすることもできて、内部にエアバッグとガス発生器とを収納させた際に、中央側収納部が、伸びて、周長を、縁側収納部の周長よりも大きくするような構成としてもよい。
実施形態の着用エアバッグ装置Sでは、エアバッグの2つの保護本体部によって、装着者Mの大腿骨TBの付け根付近(大腿骨転子部TP)を安定して保護することができることから、装着者Mが、転倒によって、治療が長引く大腿骨TBを骨折することを抑制できて、高齢者に好適に使用することができる。
10…エアバッグ、12(12L,12R)…保護本体部、13…ガス供給路部、20…ガス発生器、50…アウタカバー部(着用部)、51…カバー本体、53…中央側収納部、53a…内側壁部、53b…外側壁部、58(58L,58R)…縁側収納部、58a…内側壁部、58b…外側壁部、85…内側中央パネル、87…外側中央パネル、LM…低伸縮素材、HM…高伸縮素材、M…装着者、MW…腰部、TP…大腿骨転子部(保護対象部位)、S…着用エアバッグ装置。
Claims (3)
- 装着者の腰部を保護可能に構成されて、
外形形状を略筒状として、該装着者の骨盤周囲に巻き付けられる着用部と、
該着用部内に折り畳まれて収納されるとともに、内部に膨張用ガスを流入させて前記装着者の左右の大腿骨転子部からなる保護対象部位の外側を覆うように膨張可能とされるエアバッグと、
該エアバッグに膨張用ガスを供給するガス発生器と、
を備えて、
前記エアバッグが、膨張完了時に前記各保護対象部の外側を覆うように配置される2つの保護本体部と、該保護本体部の膨張完了時の上端側において前記保護本体部相互を連通させるガス供給路部と、を備える構成とされ、
前記ガス発生器が、前記ガス供給路部に連結される構成の着用エアバッグ装置であって、
前記着用部が、中央側に配置されて前記ガス発生器と前記ガス供給路部とを収納させる中央側収納部と、該中央側収納部の左右両側に配置されて折り畳まれた前記保護本体部を収納させる縁側収納部と、を備え、
前記中央側収納部が、前記ガス発生器を収納させた状態での軸直交方向側の断面における周長を、前記縁側収納部における軸直交方向側の断面における周長よりも、大きくするように、構成されていることを特徴とする着用エアバッグ装置。 - 前記着用部が、前記装着者側に配置される内側パネルと、外側に配置される外側パネルと、を備える構成とされて、
前記外側パネルが、前記中央側収納部を構成する部位の平らに展開した状態での上下方向側の幅寸法を、前記内側パネルにおける前記中央側収納部を構成する部位の平らに展開した状態の上下方向側の幅寸法よりも、大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の着用エアバッグ装置。 - 前記中央側収納部が、前記縁側収納部を構成する素材よりも、伸縮性の高い素材から、形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の着用エアバッグ装置。
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