JP2024007884A - 駆動機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】動力発生操作時の後傾姿勢を軽減しやすく、またペダル操作をしやすくすることができる、駆動機構を提供する。【解決手段】駆動機構は、シートに着座した利用者の左右の脚でシートの略前後方向に直動可能な一対のペダルと、ペダルを一端側で支持し他端側をペダルの出力部とする、回転軸を中心に略前後方向に揺動可能な一対の往復動レバーと、一対の往復動レバーのうち一方が前方向に揺動したときに他方を後方向に揺動させる往復動反転機構と、一端側が出力部に回動可能に接続され、他端側が後方向に向かって延びる一対の連結ロッドと、連結ロッドの他端側が回転可能に接続されたクランクピンが固定された一対の回転体が、一対のワンウェイクラッチを介してクランクピンの位相が異なるように両端に接続された回転軸を有する動力伝達部と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、駆動機構に関する。
従来、利用者(人間)の運動動作を駆動源とする駆動機構が種々利用されている。このような駆動機構を備える機器の一例として、様々な自転車(車両)が知られている。自転車のタイプとして、例えば、走行時の利用者の負担を軽減することができるように、人力走行に加え、モータ等を用いた電動アシスト走行可能な自転車が提案されている。また、駆動機構を用いて発電した電力により完全電動走行等を可能にする自転車も提案されている。
特開2000-53071号公報
利用者の運動動作を駆動源とする自転車のタイプとしては、立乗りタイプの車両があるが、その他のタイプとして、背もたれ付きのシートに座り、運転者が脚を前方に投げ出す姿勢で乗車するリカンベントタイプの自転車がある。リカンベントタイプの場合、通常の立乗りタイプの自転車に比べると運転者の運転姿勢を低くすることができて空気抵抗を少なくすることができるとともに、脚でペダルを押し動かす際の反力を背もたれに支えられた腰や背中で受け止められるため、脚力の伝達効率を安定し易くするこができる。その反面、立乗りタイプの自転車に比べて、運転時に後傾姿勢になりやすく、周囲の視認性低下や後傾姿勢を維持するための首への負担増加等が生じやすいという問題がある。また、その後傾姿勢を維持しつつペダルを操作するためには、一定の訓練や慣れが必要である場合があり、普及しにくい原因の一つになっていた。
そこで、本開示の課題の一つは、動力発生操作時の後傾姿勢を軽減しやすく、またペダル操作をしやすくすることができる、駆動機構を提供することである。
本開示の一例としての駆動機構は、シートに着座した利用者の左右の脚で前記シートの略前後方向に直動可能な一対のペダルと、前記ペダルを一端側で支持し他端側を前記ペダルの下方領域で出力部とする、回転軸を中心に前記略前後方向に揺動可能な一対の往復動レバーと、一対の前記往復動レバーのうち一方が前方向に揺動したときに他方を後方向に揺動させる往復動反転機構と、一端側が前記出力部に回動可能に接続され、他端側が前記後方向に向かって延びる一対の連結ロッドと、前記連結ロッドの他端側が回転可能に接続されたクランクピンが固定された一対の回転体が、一対のワンウェイクラッチを介して前記クランクピンの位相が異なるように両端に接続された回転軸を有する動力伝達部と、を備える。この構成によれば、例えば、一対のペダルを左右の脚で交互に踏み込む場合、引き戻り側のペダルは、往復動反転機構の動作により自動的に踏込位置に復帰する。つまり、踏込時の推力の一部がペダル復帰時の後退力として利用できる。その結果、ペダルの踏込時と復帰時の利用者の脚の筋力負荷の適正化がし易くなる。
また、駆動機構の前記往復動反転機構は、例えば、一方の前記往復動レバーの前記回転軸である第一の回転軸の端部に設けられた第一のギヤと、他方の前記往復動レバーの前記回転軸である第二の回転軸の端部に設けられ、前記第一のギヤと噛合する第二のギヤとからなり、前記第一の回転軸と前記第二の回転軸が互いに逆方向に回転するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、シンプルな構造により往復動反転機構を実現できる。
また、駆動機構の一対の前記往復動レバーのそれぞれは、例えば、一端側が前記ペダルと回動可能に接続され、他端側が前記連結ロッドに回動可能に接続されたメインレバーと、前記メインレバーの回転中心より前記ペダルの接続側に近い位置に一端側が回動可能に接続された接続ロッドと、前記接続ロッドの他端側に一端側が接続され前記メインレバーの揺動に対応して平行に移動可能なサブレバーと、で構成され、前記往復動反転機構は、一方の前記サブレバーの他端側に接続された回転軸である第一の回転軸の端部に設けられた第一のギヤと、他方の前記サブレバーの他端側に接続された回転軸である第二の回転軸の端部に設けられ、前記第一のギヤと噛合する第二のギヤとからなり、前記第一の回転軸と前記第二の回転軸が互いに逆方向に回転するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、一対のメインレバーの回転軸を同軸としても、サブレバー側に接続された往復動反転機構の動作により一対のペダルを左右の脚で交互に踏み込む場合、引き戻り側のペダルは、自動的に踏込位置に復帰する。その結果、一対のぺダルの踏込軌跡が同じになり、利用者の踏込操作をよりスムーズに違和感なく行わせ易くすることができる。
また、駆動機構の一対の前記往復動レバーのそれぞれは、一端側が前記ペダルに固定された接続ロッドと、前記接続ロッドの前記一端側に回転可能に接続され、他端側が前記連結ロッドと回転可能に接続されたメインレバーと、前記接続ロッドの他端側に回動可能に接続され、前記メインレバーの揺動に対応して平行に移動可能なサブレバーと、で構成され、前記往復動反転機構は、一方の前記サブレバーの他端側に接続された回転軸である第一の回転軸の端部に設けられた第一のギヤと、他方の前記サブレバーの他端側に接続された回転軸である第二の回転軸の端部に設けられ、前記第一のギヤと噛合する第二のギヤとからなり、前記第一の回転軸と前記第二の回転軸が互いに逆方向に回転するようにしてもよい。この構成によれば、例えば、一対のぺダルの踏込軌跡が同じになり、利用者の踏込操作をよりスムーズに違和感なく行わせ易くすることができるとともに、ペダルの踏込時に当該ペダルが揺動しないため、ペダル上の足裏載置位置に拘わらず同様な踏込動作が可能になり、ペダル操作の容易性を向上することができる。
また、駆動機構の前記ペダルの裏面と前記往復動レバーの一端側とを接続する接続部材の長さを前記第一の回転軸と前記第二の回転軸の前記略前後方向の差分長さに応じて決定し、一対の前記ペダルの踏面の高さが同じになるようにしてもよい。この構成によれば、容易な構成により一対のぺダルの踏込軌跡を同じすることが可能で、利用者の踏込操作をよりスムーズに違和感なく行わせ易くすることができる。
図1は、第1実施形態の駆動機構を適用した車両の構成を示す例示的かつ模式的な側面図である。 図2は、第1実施形態の駆動機構を適用した車両の構成を示す例示的かつ模式的な正面図である。 図3は、第1実施形態の駆動機構を適用した車両の構成を示す例示的かつ模式的な背面図である。 図4は、第1実施形態の駆動機構に含まれるワンウェイクラッチを備える動力伝達部の構成を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図5は、第1実施形態の駆動機構の往復動反転機構の構成を示す例示的かつ模式的な断面図である。 図6は、第2実施形態の駆動機構を適用した車両の構成を示す例示的かつ模式的な側面図である。 図7は、第2実施形態の駆動機構の往復動反転機構の構成を示す例示的かつ模式的な断面図である。 図8は、第3実施形態の駆動機構を適用した車両の構成を示す例示的かつ模式的な側面図である。 図9は、第4実施形態の駆動機構を適用した車両の構成を示す例示的かつ模式的な側面図である。 図10は、第4実施形態の駆動機構に含まれるワンウェイクラッチを備える回転体の構成を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図11は、第5実施形態の駆動機構を適用した車両の構成を示す例示的かつ模式的な側面図である。
以下、本開示の実施形態および変形例を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態および変形例の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
なお、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
<第1実施形態>
図1~図3は、第1実施形態の駆動機構を適用した車両の構成を示す例示的かつ模式的な図である。具体的には、図1は、車両1に適用した駆動機構4の構成を示す例示的かつ模式的な側面図である。図2は、車両1に適用した駆動機構4の構成を示す例示的かつ模式的な正面図である。また、図3は、車両1に適用した駆動機構4の構成を示す例示的かつ模式的な背面図である。図1~図3に示す車両1は、人力走行または電動アシスト走行、完全電動走行を可能にする構成を有する。
まず、図1~図3を用いて、車両1の全体構成を説明する。図1~図3に示される車両1は、三輪電動アシスト自転車の一例である。車両1は、フレーム2と、複数(一例として三つ)の車輪3と、駆動機構4と、操舵部5と、シート装置6と、を備える。
三つの車輪3は、一つの前輪3Fと、二つの後輪3R(3RL,3RR)と、である。三つの車輪3は、回転可能にフレーム2に支持されている。詳細には、前輪3Fは、操舵部5を介してフレーム2に支持されている。二つの後輪3Rは、駆動機構4を介してフレーム2に支持されている。二つの後輪3RL,3RRは、車両1の左右方向D3に間隔をあけて設けられている。車両1の左右方向D3は、幅方向とも称される。
駆動機構4は、動力伝達部を介して二つの後輪3RL,3RRを回転駆動する。詳細は後述するが、駆動機構4は、二つのペダル11(11L,11R)と、変換機構12と、駆動ギヤ13(前側スプロケット)に接続される動力伝達部等を含む。駆動ギヤ13と従動ギヤ14(後側スプロケット)とは、チェーン15によって動力伝達可能であり、従動ギヤ14には、モータ17と、伝達部18とが接続されている。
二つのペダル11(11L,11R)は、往復移動可能に設けられている。ペダル11L,11Rは、運転者200(利用者)の脚200a,200bによって押圧操作(屈伸操作)される。変換機構12は、ペダル11L,11Rの往復運動を、動力伝達部を介して駆動ギヤ13の回転運動に変換する。チェーン15は、駆動ギヤ13と従動ギヤ14とに掛け渡されており、駆動ギヤ13の回転に伴い従動ギヤ14を回転させる。従動ギヤ14は、車軸16に連結されており、従動ギヤ14が回転することにより車軸16が回転する。車軸16には、後輪3RL,3RRが結合されており、車軸16が回転することにより後輪3RL,3RRが回転する。車軸16は、例えば左右二つに分割されており、各車軸16の間には差動装置が介在している。一方の車軸16および他方の車軸16は差動装置を介して従動ギヤ14に結合されている。
モータ17(回転電気)は、ペダル11L,11Rに作用する操作力(押圧力)に応じた回転力(アシスト力)を伝達部18を介して従動ギヤ14に付与する。これにより、車両1の走行時には、後輪3RL,3RRは、ペダル11L,11Rに作用する操作力(押圧力)とモータ17から伝達される力とによって回転駆動される。モータ17は、バッテリ(不図示)から供給される電力によって回転する。
また、駆動機構4は、ブレーキ機能を有する。駆動機構4は、ブレーキ操作部材が操作されることにより、ブレーキ装置によって制動力を発生する。また、このとき、駆動機構4は、モータ17の回生運転による制動力も発生することができる。
なお、他の実施形態においては、車両1は、モータ17と伝達部18との間等にクラッチを介在させて、駆動機構4の動作のみによって走行させる人力走行モードと、モータ17の駆動によるアシスト走行モード、モータ17の駆動のみによって走行する電動走行モードを切替可能としてもよい。また、車両1は、モータ17と伝達部18を省略して、人力駆動のみで走行するものとしてもよい。
操舵部5は、ハンドル31と、連結機構32と、を有する。連結機構32は、第1の部分33と、第2の部分34と、変換部35と、を有する。第1の部分33は、ハンドル31と結合されており、ハンドル31と一体に回転する。第2の部分34は、前輪3Fを回転可能に支持している。変換部35は、第1の部分33と第2の部分34との間に介在し、第1の部分33の回転運動を第2の部分34の回転運動に変換する。このような構成によって、ハンドル31の回転に応じて前輪3Fが転舵される。前輪3Fの上下方向は、前輪3Fが転舵されても車両1の上下方向D2に沿う。すなわち、前輪3Fは、転舵されても。車両1の上下方向D2に対して車両1の左右方向D3に傾斜しない。
フレーム2は、骨組体51と、前側支持部52と、後側支持部53と、を有する。フレーム2の前後方向、上下方向、および左右方向は、車両1の前後方向D1、上下方向D2、および左右方向D3と一致する。
骨組体51は、図3に示されるように、三角柱状に形成されている。具体的には、骨組体51は、上側メンバー54と、二つの下側メンバー55と、複数の結合メンバー56と、を有する。二つの下側メンバー55は、左側の下側メンバー55Lと、右側の下側メンバー55Rと、である。上側メンバー54、二つの下側メンバー55、および複数の結合メンバー56は、棒状に形成されている。一例として、上側メンバー54、二つの下側メンバー55、および複数の結合メンバー56は、それぞれ、円筒パイプによって構成されている。なお、上側メンバー54、二つの下側メンバー55、および複数の結合メンバー56の形状は、他の形状であってもよい。
上側メンバー54および二つの下側メンバー55は、それぞれ、車両1の前後方向D1に延びている。二つの下側メンバー55は、上側メンバー54よりも車両1の上下方向D2の下方に位置し、互いに車両1の左右方向に間隔をあけて並べられている。左側の下側メンバー55Lは、上側メンバー54よりも車両1の左右方向の左方向に位置し、右側の下側メンバー55Rは、上側メンバー54よりも車両1の左右方向の右方向に位置している。上側メンバー54および二つの下側メンバー55のそれぞれの前端部は、結合メンバー56によって連結されている。また、上側メンバー54および二つの下側メンバー55のそれぞれの後端部は、結合メンバー56によって連結されている。上側メンバー54、二つの下側メンバー55、および複数の結合メンバー56は、互いに溶接等によって固定されている。二つの下側メンバー55は、上側メンバー54よりも車両1の上下方向D2の下方に位置し上側メンバー54に固定された下側部57を構成している。
前側支持部52は、骨組体51の前端部に固定されている。前側支持部52は、操舵部5を支持している。
図1および図3に示されるように、後側支持部53は、骨組体51の後端部に固定されている。後側支持部53は、ベース壁部58と、二つの立壁部59L,59Rと、を有する。ベース壁部58は、二つの下側メンバー55の下方側に位置し、二つの下側メンバー55に固定されている。二つの立壁部59L,59Rは、ベース壁部58の左右の端部から上方に延びている。後側支持部53は、車軸16を回転可能に支持している。また、後側支持部53は、モータ17等を支持している。
シート装置6は、シート71と、位置調整装置72と、一対の反力装置73と、を有する。
シート71は、シートクッション74と、シートバック75と、を有し、運転者200がシートバック75にもたれ掛った姿勢で着座可能である。
シート71は、車両1の上下方向D2に対して車両1の左右方向D3に傾斜可能に上側メンバー54に支持されている。また、シート71は、車両1の前後方向D1に移動可能に上側メンバー54に支持されている。
図3に示されるように、反力装置73は、左右に二つ設けられている。二つの反力装置73は、シート71と下側部57との間に伸縮可能に介在し、シート71の傾斜によって縮んだ場合にシート71に反力を与える。具体的には、左側の反力装置73Lは、シート71のシートクッション74の左端部と、左側の下側メンバー55Lとの間に介在し、シートクッション74の左端部に反力を与える。右側の反力装置73Rは、シート71のシートクッション74の右端部と、右側の下側メンバー55Rとの間に介在し、シートクッション74の左端部に反力を与える。
各反力装置73は、ダンパー85と、ばね86と、を有する。ばね86とダンパー85とは、一体に伸縮するように互いに連結されている。反力装置73は、シート71と一体となって、車両1の前後方向に移動可能である。
シート装置6の構成において、車両1を旋回させる場合に、シート71に着座した運転者200がハンドル31を操舵するとともに車両1の旋回の内側に体重移動をすることより、シートクッション74の旋回内側の端部が旋回内側の反力装置73のダンパー85の上端部を下方に押圧する。これにより、ダンパー85およびばね86が縮みながら、シート71が車両1の上下方向D2に対して車両1の左右方向D3であって旋回内側に傾斜する。例えば、左旋回の場合には、車両1の上下方向D2に対してシート71が左方向に傾斜する。別の言い方をすると、左旋回の場合には、シートクッション74の左端部が車両1の上下方向D2の下方に移動し、シートクッション74の右端部が車両1の上下方向D2の上方に移動する。一方、右旋回の場合には、シートクッション74の右端部が車両1の上下方向D2の下方に移動し、シートクッション74の左端部が車両1の上下方向D2の上方に移動する。すなわち、車両1の旋回時には、シートクッション74の左右の端部のうち、旋回内側の端部が車両1の上下方向D2の下方に移動し、シートクッション74の左右の端部のうち、旋回外側の端部が車両1の上下方向D2の上方に移動する。
旋回の終了の際には、運転者200がハンドル31を戻すとともに姿勢を元に戻すことにより、シート71の上下方向D4が車両1の上下方向D2に沿うようにシート71の姿勢が変化する。この際、反力装置73は、シート71に引っ張られることなく、ばね86の復元力によって定常状態に復帰する。
以上のように、本実施形態では、車両1は、フレーム2と、三つまたは四つの車輪3と、シート71と、反力装置73と、を備える。フレーム2は、車両1の前後方向D1に延びた上側メンバー54と、上側メンバー54よりも車両1の上下方向D2の下方に位置し上側メンバー54に固定された下側部57と、を有する。三つまたは四つの車輪3は、前輪3Fと、後輪3RL,3RRと、を含み、前輪3Fと後輪3RL,3RRとの少なくとも一方が二つであり、回転可能にフレーム2に支持されている。シート71は、車両1の上下方向D2に対して車両1の左右方向D3に傾斜可能に上側メンバー54に支持されている。反力装置73は、シート71と下側部57との間に伸縮可能に介在し、シート71の傾斜によって縮んだ場合にシート71に反力を与える。
このような構成によれば、例えば、シート71に着座した運転者200は、車両1の旋回時に旋回の内側に体重移動をする場合に、シート71を旋回内側に傾斜させることできるので、体重移動をスムーズに行うことできる。その結果、車両1の旋回時の安定性を向上させることができる。
また、シート71は、位置調整装置72によって車両1の前後方向D1の位置の調整を可能に上側メンバー54に連結されている。このような構成によれば、運転者200の体形に応じて車両1の前後方向D1におけるシート71の位置を調整することができる。
次に、上述のように構成される車両1に搭載される駆動機構4の詳細を図1及び図4、図5を用いて説明する。図4は、駆動機構4に含まれるワンウェイクラッチ12Wを備える動力伝達部の構成を示す例示的かつ模式的な平面図である。
上述したように、駆動機構4は、二つのペダル11と、変換機構12と、駆動ギヤ13(前側スプロケット)が接続される動力伝達部と、を含む。変換機構12は、二つのペダル11により入力される直動運動を駆動ギヤ13の回転運動に変換する。駆動ギヤ13の回転運動は、チェーン15を介して従動ギヤ14(後側スプロケット)に伝達され車軸16、すなわち車輪3を回転させて、車両1を走行させる。
変換機構12は、具体的には、一対の往復動レバー12a(12aL,12aR)と、一対の連結ロッド12b(12bL,12bR)と、動力伝達部を構成する一対の回転体12c(12cL、12cR)と、を含む。
図1に示されるように、一対の往復動レバー12a(12aL,12aR)は、一端側に運転者200の足裏を載せて踏込動作可能なペダル11(11L,11R)を回動可能に支持し、他端側がペダル11(11L,11R)の下方領域に位置する出力部12ab(12abL,12abR)を備える棒状の部材である。往復動レバー12a(12aL,12aR)は、棒状の中間領域に形成される回転軸12ac(12acL,12acR)を中心に揺動可能である。回動軸12acL,12acRは、立壁部59L,59Rに回動可能にそれぞれ軸支されている。したがって、往復動レバー12a(12aL,12aR)は、車両1の略前後方向に揺動可能である。すなわち、ペダル11(11L、11R)は、車両1のシート装置6に着座した運転者200が左右の脚200a,200bを屈伸運動することで車両1(シート装置6)の略前後方向に直動可能となる。後述するが、往復動レバー12aLの回転軸12acLと、往復動レバー12aRの回転軸12acRは、車両1の前後方向にオフセットして配置され、往復動反転機構Mを構成する。
図4に示されるように、往復動レバー12a(12aL,12aR)の出力部12abには、例えば、ベアリング12eを介して連結ロッド12b(12bL,12bR)の一端側が回動可能に接続される。
図1に示されるように、連結ロッド12b(12bL,12bR)は、他端側が着座姿勢の運転者200の脚200a,200bの下方領域を通り、車両1(シート装置6)の後方に向かって延びる棒状部材である。連結ロッド12b(12bL,12bR)の他端側は、円盤形状の回転体12c(12cL、12cR)に固定されたクランクピン12d(12dL,12dR)に、ベアリング12eを介して回転可能に接続されている。クランクピン12dLとクランクピン12dRは、回転体12c(12cL、12cR)の周縁部に固定されている。したがって、運転者200が、ペダル11(11L,11R)を車両1の前方向に交互に踏み込み、往復動レバー12a(12aL,12aR)を車両1の略前後方向に揺動させる直動運動を行うと、その直動運動に対応して連結ロッド12b(12bL,12bR)が車両1の略前後方向に直動運動する。その結果、回転体12c(12cL,12cR)が連結ロッド12b(12bL,12bR)の前後方向の移動量に応じて回転する。
一般に、連結ロッド12b(12bL,12bR)の前後方向の移動量(ストローク)が、クランクピン12d(12dL,12dR)を上死点及び下死点を超えて回転すれば、回転体12c(12cL,12cR)を一方向に回転させることができる。ただし、その場合、運転者200は、ペダル11(11L,11R)を予め定められた量(例えばフルストローク)まで踏み込む必要があり、不慣れな運転者200や高齢者には踏込操作時の負担になったり、疲労の増加を招いたりする場合がある。
本実施形態の駆動機構4の場合、回転体12c(12cL,12cR)は、ワンウェイクラッチ12W(12WL,12WR)を含む動力伝達機構が駆動ギヤ13の回転軸13sに接続されている。図4に示されるように、駆動ギヤ13は、ハウジング13aに収容され、回転軸13sがベアリング13bによって回転可能に軸支されている。ワンウェイクラッチ12Wは、一方向の回転時のみ動力伝達が可能で、逆方向の回転時には動力伝達を行わない(空転する)ものである。ワンウェイクラッチ12Wは、例えば、図1において、連結ロッド12b(12bL,12bR)が車両1の後方に向かって移動したときのみ、動力伝達する動力伝達部を構成するものとする。つまり、連結ロッド12b(12bL,12bR)が車両1の前方に向かって移動したときには、動力伝達部は動力伝達を行わない。その結果、クランクピン12d(12dL,12dR)が上死点や下死点を超えない場合でも回転体12c(12cL、12cR)は、一定方向(例えば、図1における反時計回り方向に回転して、車両1を前進走行させる回転運動を発生させることができる。この場合、クランクピン12dLとクランクピン12dRの位相をずらしておけば、車両1の前後方向に連結ロッド12b(12bL、12bR)が交互に直動運動することにより、ペダル11(11L,11R)の踏込量(ペダル可動域)の大小に拘わらず、駆動ギヤ13が一方向(走行方向)に回転し、車両1を前進走行させる回転力を発生させることができる。
ところで、前述したように、回転体12c(12cL、12cR)と回転軸13sとの間にワンウェイクラッチ12W(12WL,12WL)を介在させた場合、車両1の後方に移動した連結ロッド12bを運転者200が人力により引き戻す必要がある。例えば、足裏とペダル11とをベルト等により固定して、脚力を利用して後方に引き戻す必要がある。
そこで、駆動機構4は、図5に示すような往復動反転機構Mを備える。図5は、図1におけるA-A断面図である。往復動反転機構Mは、一対の往復動レバー12aL,12aRのうち一方が前方向に揺動したときに他方を後方向に揺動させる機構である。具体的には、往復動反転機構Mは、例えば、一方の往復動レバー12aLの回転軸12acL(第一の回転軸)の端部に設けられた第一のギヤ12amLと、他方の往復動レバー12aRの回転軸12acR(第二の回転軸)の端部に設けられ、第一のギヤ12amLと噛合する第二のギヤ12amRとから構成される。回転軸12acLと回転軸12acRは、立壁部59L,59R等に固定されたブラケットBLにベアリング12eによって回転可能に軸支され、互いに逆方向に回転する。その結果、例えば、回転軸12aaLを介して回転可能に接続されたペダル11Lが踏み込まれ、往復動レバー12aLが揺動すると回転軸12acLが車両1の前方向に回転させられる。したがって、第一のギヤ12amLと噛合する第二のギヤ12amRは、車両1の後方向に回転させられる。つまり、第二のギヤ12amRを備える回転軸12acRが車両1の後方向に回転し往復動レバー12aR(回転軸12aaRを介して接続されたペダル11R)を踏込開始位置に自動復帰させる。ペダル11Rが踏み込まれた場合も同様に、ペダル11Lを踏込開始位置に自動復帰させる。
このように、第1実施形態の駆動機構4の場合、往復動反転機構Mの動作により、運転者200(利用者)は、人力でペダル11を後方に引き戻す必要がなく、ペダル11は常に踏込可能状態に復帰するので、ペダリングが容易になる。また、ペダル11Lの踏込時の推力の一部がペダル11Rの復帰時の後退力として利用できる。ペダル11Rを踏み込んだ場合も同様である。その結果、ペダル11の踏込時と復帰時の運転者の脚の筋力負荷の適正化がし易くなる。
また、第1実施形態の駆動機構4の場合、一対のペダル11が車両1の略前後方向に直動操作可能となり、かつペダル操作で発生した直動運動を運転者200が前方に脚200a,200bを投げ出すように着座姿勢の下方領域を通して後輪3R(駆動輪)に回転運動を与えるように伝達できる。つまり、運転者200の脚200a,200bを着座姿勢より下方領域で略前後方向で直動運動させることが可能になる。その結果、ペダル11のペダリングのワークスペースと、連結ロッド12b等の駆動機構4の可動スペースの適正化、両立化が容易になるとともに、シート装置6から着座姿勢を起こし易くなり、駆動機構4は、周囲の視認性改善や首への負担軽減に寄与することができる。また、駆動ギヤ13と連結ロッド12bとの間にワンウェイクラッチ12Wが存在するため、連結ロッド12bを動作させる場合に、ペダル11の前後可動域が狭くクランクピン12dの位置が回転体12cの上死点または下死点を超えなくても回転体12cを一方向に効率的に回転させることができる。その結果、運転者200の個人差によるスロトーク量の差や筋力の差に基づくペダル11の前後の可動域の違いがある場合でも、可動域の制限が緩和され、ペダル11の操作性を向上することができる。
<第2実施形態>
上述した第1実施形態の場合、往復動反転機構Mを往復動レバー12aの回転軸12acに適用しているため、往復動レバー12aLの回転軸12acLと、往復動レバー12aRの回転軸12acRは、車両1の前後方向にオフセットして配置される。つまり、往復動レバー12aLの揺動軌跡と往復動レバー12aRの揺動軌跡がオフセット量に対応してずれる。その結果、往復動レバー12aにペダル11がそのまま接続されている場合、ペダル11の踏込開始位置に段差が生じ、運転者200の左右の踏込量に差異が生じて違和感を与えてしまう場合がある。
そこで、第2実施形態の駆動機構4の場合、往復動反転機構Mの配置位置を変更することで、往復動レバー12aLの回転軸12acLと往復動レバー12aRの回転軸12acRを同軸とすることを可能にして、往復動レバー12aLの揺動軌跡と往復動レバー12aRの揺動軌跡のオフセットを解消する。
図6及び図7を用いて、第2実施形態を説明する。図6は、第2実施形態の駆動機構4が適用可能な車両1の構成を示す例示的かつ模式的な側面図である。また、図7は、第2実施形態の駆動機構4の往復動反転機構Mの構成を示す例示的かつ模式的な断面図であり、図6におけるA-A断面図である。なお、第2実施形態の駆動機構4は第1実施形態の駆動機構4に対して、ペダル11に接続される往復動レバー12aにおけるリンク機構及び往復動反転機構Mの適用位置が異なるのみで、他の構成、例えば、車両1の操舵部5、シート装置6、ダンパー85や車軸16の周辺構造は同じである。したがって、第2実施形態と第1実施形態において、実質的に同じ構成には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
一対の往復動レバー12a(12aL,12aR)のそれぞれは、メインレバー12a1(12a1L,12a1R)と接続ロッド12a2(12a2L,12a2R)とサブレバー12a3(12a3L,12a3R)とでリンク機構を構成している。
具体的には、メインレバー12a1Lは、回転軸12aaLを介して一端側がペダル11Lと回動可能に接続され、他端側が回転軸12acを介して連結ロッド12bLに回動可能に接続された棒状の部材である。同様に、メインレバー12a1Rは、回転軸12aaRを介して一端側がペダル11Rと回動可能に接続され、他端側が回転軸12acを介して連結ロッド12bRに回動可能に接続された棒状の部材である。また、接続ロッド12a2Lの一端側は、メインレバー12a1Lの回転中心(回転軸12ac)よりペダル11Lの接続側(回転軸12aaL)に近い位置で回転軸12afLを介して回動可能に接続されている。同様に、接続ロッド12a2Rの一端側は、メインレバー12a1Rの回転中心(回転軸12ac)よりペダル11Rの接続側(回転軸12aaR)に近い位置で回転軸12afRを介して回動可能に接続されている。また、サブレバー12a3Lの一端側は、接続ロッド12a2Lの他端側に回転軸12agLを介して接続され、メインレバー12a1Lの揺動に対応して平行に移動可能な棒状の部材である。サブレバー12a3Rの一端側は、接続ロッド12a2Rの他端側に回転軸12agRを介して接続され、メインレバー12a1Rの揺動に対応して平行に移動可能な棒状の部材である。
そして、図7に示されるように、往復動反転機構Mが、一対のサブレバー12a3の他端に適用されている。具体的には、往復動反転機構Mは、一方のサブレバー12a3Lの他端側に接続された回転軸12ac1L(第一の回転軸)の端部に設けられた第一のギヤ12am1Lと、他方のサブレバー12a3Rの他端側に接続された回転軸12ac1R(第二の回転軸)の端部に設けられ、第一のギヤ12am1Lと噛合する第二のギヤ12am1Rとを含む。回転軸12ac1Lと回転軸12ac1Rは、立壁部59L,59R等に固定されたブラケットBLにベアリング12eによって回転可能に軸支され、互いに逆方向に回転する。その結果、例えば、回転軸12aaLを介して回転可能に接続されたペダル11Lが踏み込まれ、往復動レバー12aLを構成するメインレバー12a1L、接続ロッド12a2L、サブレバー12a3Lが車両1の前方側に揺動すると、サブレバー12a3Lに接続された回転軸12ac1Lが車両1の前方向に回転させられる。したがって、第一のギヤ12am1Lと噛合する第二のギヤ12am1Rは、車両1の後方向に回転させられる。つまり、第二のギヤ12am1Rを備える回転軸12ac1Rが車両1の後方向側に回転し往復動レバー12aR(回転軸12aaRを介して接続されたペダル11R)を踏込開始位置に自動復帰させる。ペダル11Rが踏み込まれた場合も同様に、ペダル11Lを踏込開始位置に自動復帰させる。
このように、第2実施形態の駆動機構4の場合、サブレバー12a3に設けた往復動反転機構Mの動作により、運転者200は、人力でペダル11を後方に引き戻す必要がなく、ペダル11は常に踏込可能状態に復帰する。この場合、メインレバー12a1L,12a1Rの回転軸12acは同軸上に配置することが可能になり、メインレバー12a1L,12a1Rの揺動軌跡のずれを解消することができる。なお、往復動反転機構Mで生じる回転軸12ac1Lと回転軸12ac1Rのオスセットは、接続ロッド12a2Lと接続ロッド12a2Rの長さを調整することで吸収することができる。その結果、往復動レバー12aにペダル11がそのまま接続されている場合でも、ペダル11の踏込開始位置に段差が生じることなく、運転者200の左右の踏込量は同程度とすることが可能になり、違和感のない左右均一の踏込動作ができるようにすることができる。なお、第2実施形態の駆動機構4においても、ペダル11Lの踏込時の推力の一部がペダル11Rの復帰時の後退力として利用できる。ペダル11Rを踏み込んだ場合も同様である。その結果、ペダル11の踏込時と復帰時の運転者の脚の筋力負荷の適正化がし易くなる。
<第3実施形態>
図8は、第3実施形態の駆動機構が適用可能な車両1の構成を示す例示的かつ模式的な側面図である。第3実施形態は、第2実施形態の変形例であり、ペダル11aの操作感を変更するものである。なお、第3実施形態のペダル11aは、第1実施形態、第2実施形態に示される往復動レバー12aのように運転者200の足裏全体が載る踏面が大きく回転可能に接続されたペダル11に比べて、踏面が小さく、往復動レバー12aに回転不能に固定されている。
第3実施形態の駆動機構4の場合も、往復動反転機構Mの構成位置は、第2実施形態と同じであり、往復動レバー12aLの回転軸12acLと往復動レバー12aRの回転軸12acRを同軸とすることで、往復動レバー12aLの揺動軌跡と往復動レバー12aRの揺動軌跡のオフセットを解消している。
なお、第3実施形態の駆動機構4は第2実施形態の駆動機構4に対して、ペダル11の構成及びペダル11に接続される往復動レバー12aにおけるリンク機構が異なるのみで、他の構成、例えば、車両1の操舵部5、シート装置6、ダンパー85や車軸16の周辺構造は同じである。したがって、第3実施形態と第2実施形態において、実質的に同じ構成には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
一対の往復動レバー12a(12aL,12aR)のそれぞれは、メインレバー12a1(12a1L,12a1R)と接続ロッド12a2(12a2L,12a2R)とサブレバー12a3(12a3L,12a3R)とでリンク機構を構成している。
具体的には、接続ロッド12a2Lは、一端側がペダル11aLに固定された棒状の部材である。また、メインレバー12a1Lは、接続ロッド12a2Lの一端側(ペダル11aLに近い側)に回転軸12afLを介して回転可能に接続され、他端側(出力部12abL)が連結ロッド12bLと回転可能に接続されている。また、サブレバー12a3Lは、接続ロッド12a2Lの他端側に回転軸12agLを介して回動可能に接続され、メインレバー12a1Lの揺動に対応して平行に移動可能である。同様に、接続ロッド12a2Rは、一端側がペダル11aRに固定された棒状の部材である。また、メインレバー12a1Rは、接続ロッド12a2Rの一端側(ペダル11aRに近い側)に回転軸12afRを介して回転可能に接続され、他端側(出力部12abR)が連結ロッド12bRと回転可能に接続されている。また、サブレバー12a3Rは、接続ロッド12a2Rの他端側に回転軸12agRを介して回動可能に接続され、メインレバー12a1Rの揺動に対応して平行に移動可能である。
そして、往復動反転機構Mが、一対のサブレバー12a3の他端に適用されている。なお、一対のサブレバー12a3に対する往復動反転機構Mの構成は、図7で説明した第2実施形態の構成と同じなので、その説明は省略する。往復動反転機構Mは、第2実施形態と同様に、運転者200が人力でペダル11aを後方に引き戻す必要がなく、ペダル11aは常に踏込可能状態に復帰させる。この場合、メインレバー12a1L,12a1Rの回転軸12acは同軸上に配置することが可能になり、メインレバー12a1L,12a1Rの揺動軌跡のずれを解消することができる。なお、往復動反転機構Mで生じる回転軸12ac1Lと回転軸12ac1Rのオスセットは、接続ロッド12a2Lと接続ロッド12a2Rの長さを調整することで吸収することができる。その結果、往復動レバー12aにペダル11aがそのまま固定されている場合でも、ペダル11aの踏込開始位置に段差が生じることなく、運転者200の左右の踏込量は同程度とすることが可能になり、違和感のない左右均一の踏込動作ができるようにすることができる。なお、第3実施形態の駆動機構4においても、ペダル11aLの踏込時の推力の一部がペダル11aRの復帰時の後退力として利用できる。ペダル11aRを踏み込んだ場合も同様である。その結果、ペダル11aの踏込時と復帰時の運転者の脚の筋力負荷の適正化がし易くなる。
また、一対のペダル11aの踏込軌跡が同じになり、運転者200に踏込操作をよりスムーズに違和感なく行わせ易くすることができるとともに、ペダル11aが接続ロッド12a2に固定されているため踏込時に当該ペダル11aが揺動しない。そのため、ペダル上の足裏載置位置に拘わらず同様な踏込動作が可能になり、ペダル操作の容易性を向上することができる。ペダル11aの挙動は、一般的な自動車のアクセルパダルと同様であり、自動車の運転に慣れた運転者に、ペダル11aの操作を受け入れやすくすることができる。
<第4実施形態>
図9は、第4実施形態の駆動機構4Aを適用可能な車両1Aの構成を示す例示的かつ模式的な側面図である。なお、車両1Aは、上述した各実施形態における往復動反転機構Mやワンウェイクラッチ12Wを含む機構を立乗り自転車タイプの車両1Aに適用した場合の変形例である。
車両1Aは、一般的な立乗り自転車と同様に、パイプ等で構成された複数のフレームで構成されている。車両1Aのフレームは、例えば、前方フレームFaと、サドルフレームFbと、後方フレームFcで構成されている。
前方フレームFaの前端には、車輪3(前輪3F)を支持するとともに、前輪3Fを操舵する操舵部5(ハンドル31)が設けられている。また、サドルフレームFbには、運転者200の臀部を載せるサドル6Aが固定されている。また、サドルフレームFbにおいて、サドル6Aの下方には、運転者200の脚200a,200bを載せて、脚200a,200bにより上下方向D2に往復移動可能な一対のペダル11A(11AL,11AR)が配置されている。ペダル11Aの往復運動による駆動力は、変換機構12Aにより回転運動による駆動力に変換され後方フレームFcに支持される車輪3(後輪3R)に伝達され、後輪3Rを回転させ、車両1Aを前方に走行させる。
変換機構12Aは、一対の往復動レバー12a4(12a4L,12a4R)と、一対の連結ロッド12b(12bL,12bR)と、一対の回転体12c(12cL、12cR)と、を含む。
一対の往復動レバー12a4(12a4L,12a4R)は、一端側に設けられた回転軸12af(12afL,12afR)を介して回転可能にペダル11A(11AL,11AR)を支持し、他端側の出力部12ab(12abL,12abR)に連結ロッド12b(12bL,12bR)が接続されている棒状の部材である。また、往復動レバー12a4(12a4L,12a4R)の長手方向の略中部には回転軸12ac2(12ac2L,12acR))が設けられ、この部分に往復動反転機構Mが適用されている。
車両1Aにおける往復動反転機構Mの構成(A-A断面図)は、第1実施形態において図5で説明した往復動反転機構Mと同じである。したがって、図9の車両1Aにおける往復動反転機構Mの構成の説明は、図5における往復動レバー12a(12aL,12aR)及び回転軸12ac(12acL,12acR)を往復動レバー12a4(12a4L,12a4R)及び回転軸12ac(12acL,12acR)に読み替えればよく、その説明は省略する。
出力部12ab(12abL,12abR)に回動可能に接続されている連結ロッド12b(12bL,12bR)の他端側は、円盤形状の回転体12c(12cL、12cR)に固定されたクランクピン12d(12dL,12dR)に回転可能に接続されている。
図10は、図9におけるB-B断面であり、車両1Aの駆動機構4Aに含まれるワンウェイクラッチ12Wを備える回転体12cの構成を示す例示的かつ模式的な平面図である。後方フレームFcは、後輪3Rの車軸16Aを車幅方向の左右からベアリング12eを介して回転可能に軸支している。また、後方フレームFcは、車幅方向の左右に配置された回転体12c(12cL,12cR)の回転軸12cd(12cdL,12cdR)を、ベアリング12eを介して回転可能に軸支している。なお、図10に示す断面図には、連結ロッド12bのうち連結ロッド12bLのみが見えている。また、連結ロッド12bLが回転可能に接続されるクランクピン12dLは見えていない。
動力伝達部を構成する回転体12c(12cL,12cR)は、回転軸12cd(12cdL,12cdR)を中心位置に備える円盤状の第1回転体12ca(12caL,12caR)と、ワンウェイクラッチ12W(12WL,12WR)を介して接続されたリング状の第2回転体12cb(12cbL,12cbR)で構成されている。図9に示されるように、連結ロッド12bLが回転可能に接続されるクランクピン12dLは、第1回転体12caLの外縁部の一部に固定されている。同様に、連結ロッド12bRが回転可能に接続されるクランクピン12dRは、第1回転体12caR(不図示)の外縁部の一部に固定されている。第2回転体12cb(12cbL,12cbR)の外縁部と車軸16の外縁部には、互いに噛合するギヤが形成され、回転体12c(12cL,12cR)の回転力が車軸16Aに伝達可能である。
図9において、運転者200が脚200a,200bを上下方向D2に往復運動(略直動運動)させることにより、その往復運動は、往復動レバー12a4(12a4L,12a4R)及び連結ロッド12b(12bL,12bR)が接続されたクランクピン12d(12dL,12dR)に伝達される。その結果、回転体12c(12cL,12cR)を回転させる。この場合、第1回転体12ca(12caL,12caR)と第2回転体12cb(12cbL,12cbR)とは、ワンウェイクラッチ12W(12WL,12WR)を介して接続されているため、クランクピン12d(12dL,12dR)が上死点または下死点を超えさせることなく第1回転体12ca(12caL,12caR)を揺動させた場合でも、第2回転体12cb(12cbL,12cbR)を一方向に回転させることができる。つまり、車軸16Aを一方向(例えば、反時計まわり方向)に回転させ、車両1Aを前進走行させることができる。
このように、往復動反転機構Mやワンウェイクラッチ12Wを含む機構を立乗り自転車タイプの車両1Aに適用することにより、第1実施形態~第3実施形態で示す車両1と同様に、運転者200が行う脚200a,200bの往復運動を一方向に回転する回転運動に変換することができる。その結果、後輪3Rを効率的に前進方向に回転させて、車両1Aをスムーズに前進走行させることができる。
<第5実施形態>
上述した第1実施形態~第4実施形態の構成の場合、車両1は、運転者200が行う脚200a,200bの往復運動を回転運動に変換して、直接またはアシストを受けながら車軸16を回転させて走行させるものである。第5実施形態の車両1は、例えば、運転者200が行う脚200a,200bの往復運動を回転運動に変換して、モータを発電機として機能させ、バッテリを充電する。そして、バッテリを駆動源として車軸16に接続されたモータを駆動して、車両1を走行させる。
図11を用いて、第5実施形態を説明する。図11は、第5実施形態の駆動機構4が適用可能な車両1の構成を示す例示的かつ模式的な側面図である。なお、第5実施形態の駆動機構4は、ペダル11による往復運度が変換機構112によって回転運動に変換され、モータ95(第二の回転電機という場合もある)を回転させる。つまり、モータ95が発電機として機能して、車両1の搭載されたバッテリ116を充電する点で、上述した第1実施形態~第4実施形態とは異なる。その他の車両1のフレーム2、操舵部5、シート装置6、ダンパー85や車軸16の周辺構造は同じである。したがって、第5実施形態において、第1実施形態等と実質的に同じ構成には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
上述したように、駆動機構4は、二つのペダル11(11L,11R)と、変換機構112と、駆動ギヤ113に接続される動力伝達部(回転体112c)と、を含む。変換機構112は、二つのペダル11により入力される直動運動を駆動ギヤ113の回転運動に変換する。駆動ギヤ113の回転運動は、モータ95に伝達され、モータ95の回転軸が回転させられることにより、前述したように、モータ95が発電機として機能して発電し、バッテリ116を充電する。バッテリ116に充電された電力によりモータ17(第一の回転電機という場合もある)が回転駆動可能となり、その回転力が伝達部18を介して車軸16に伝達され、車両1の走行(例えば、先進走行)が実施可能となる。なお、他の実施形態では、モータ95で発電された電力は、直接モータ17に提供されて、モータ17を回転駆動するようにしてもよい。この場合、ペダル11の踏込速度等に応じてモータ17の回転力(車両1の速度)が決定される。
続いて、第5実実施形態における変換機構112の詳細について説明する。変換機構112は、運転者200の脚200a,200bによって行われるペダル11の交互の踏み込み動作による往復運動を回転運動に変換して、発電機として機能するモータ95の回転軸を回転させて発電を行わせる機構である。変換機構112は、具体的には、一対の往復動レバー112a(112aL,112aR)と、一対の連結ロッド112b(112bL,112bR)と、一対の回転体112c(112cL、112cR)と、を含む。なお、図11の例の場合、変換機構112及びモータ95は、車両1の前方領域でペダル11と操舵部5の第1の部分33との間の領域に配置されている。つまり、変換機構112は、ペダル11のペダリングや操舵部5の操舵と干渉し難い、空いている空間を利用して配置されている。
図11に示されるように、一対の往復動レバー112a(112aL,112aR)は、棒状の部材である。一対の往復動レバー112a(112aL,112aR)の一端側には、運転者200の足裏を載せて踏込動作が可能なペダル11(11L,11R)が、固定された回転軸112aa(112aaL,112aaR)がベアリングを介して回転可能に支持されている。また、往復動レバー112a(112aL,112aR)の他端側には、出力部112ab(112abL,112abR)が形成され、当該出力部112abに対して回転可能に連結ロッド112b(112bL,112bR)が接続されている。往復動レバー112a(112aL,112aR)は、回転軸112aaと出力部112abの間において、出力部112abに偏った位置に形成された回転軸112ac(112acL,112acR)を中心に揺動可能である。回転軸112ac(112acL,112acR)は、往復動反転機構Mを構成する。往復動反転機構Mは、図5で説明した構造とであり、詳細な説明は省略するが、往復動反転機構Mの動作により、運転者200(利用者)は、人力でペダル11を後方に引き戻す必要がなく、ペダル11は常に踏込可能状態に復帰するので、ペダリングが容易になる。また、ペダル11Lの踏込時の推力の一部がペダル11Rの復帰時の後退力として利用できる。ペダル11Rを踏み込んだ場合も同様である。その結果、ペダル11の踏込時と復帰時の運転者の脚の筋力負荷の適正化がし易くなる。したがって、往復動レバー112a(112aL,112aR)は、運転者200が車両1の略前方向にペダル11(11L,11R)を交互に踏み込むことにより、回転軸112ac(112acL,112acR)を中心として揺動可能となる。
連結ロッド112b(112bL,112bR)の他端側は、ベアリングが設けられ、円盤状の回転体112c(112cL,112cR)に固定されたクランクピン112d(112dL,112dR)が挿入されている。
クランクピン112dLとクランクピン112dRは、図11に示されるように、回転体112c(112cL、112cR)の周縁部に、例えば、位相を180°ずらした状態で固定されている。回転体112c(112cL,112cR)は、その回転中心が駆動ギヤ113の回転軸に固定されている。駆動ギヤ113は、前側支持部52(例えば、ハウジング)に収容され、回転軸がベアリングによって回転可能に軸支されている。したがって、運転者200が、ペダル11(11L,11R)を車両1の前方向に交互に踏み込み、往復動レバー112a(112aL,112aR)を車両1の略前後方向に揺動させる直動運動を行うと、その直動運動に対応して連結ロッド112b(112bL,112bR)が車両1の略前後方向に直動運動する。その結果、回転体112c(112cL,112cR)が連結ロッド112b(112bL,112bR)の前後方向の移動量に応じて回転軸を中心に回転する。すなわち、ペダル11(11L,11R)の直動運動が駆動ギヤ113を回転運動させる。
連結ロッド112b(112bL,112bR)の前後方向の移動量(ストローク)が、クランクピン112d(112dL,112dR)を上死点及び下死点を超えて回転させる移動量である場合、回転体112c(112cL,112cR)を一方向に回転することができる。つまり、駆動ギヤ113も一方向に回転する。
図11に示されるように、前側支持部52(ハウジング)にはモータ95が固定され、駆動ギヤ113にモータ95の回転軸に固定されたギヤが噛合している。したがって、駆動ギヤ113が一方向に回転することによりモータ95も一方向に従動回転して、発電を行うことができる。なお、この場合、運転者200は、ペダル11(11L,11R)を予め定められた量(例えばフルストローク)まで交互に踏み込むことで、クランクピン112dは、ターンオーバーし、駆動ギヤ113をスムーズに回転させて、モータ95による効率的な発電を実現することができる。なお、図11のような構成の場合、一対のクランクピン112dが位相をずらして配置されているため、運転者200が一方のペダル11を踏み込む際の踏力は、他方のペダル11を踏込開始位置に戻す。したがって、ペダル11の交互の踏み込みをスムーズに行うことができる。
上述したように、図11の構成の場合、運転者200は、ペダル11(11L,11R)を予め定められた量(例えばフルストローク)まで交互に踏み込む必要がある。そのため、不慣れな運転者200や高齢者には踏込操作時の負担になったり、疲労の増加を招いたりする場合がある。例えば、クランクピン112dが上死点や下死点を超えない場合、回転体112cは逆回転する場合があり、回転体112cの連続的な一方向の回転ができない場合ある。
そこで、第5実施形態の場合も、回転体112c(112cL,112cR)は、ワンウェイクラッチを介して駆動ギヤ113の回転軸に接続されている。なお、ワンウェイクラッチの構造は作用効果は、図4で説明した、ワンウェイクラッチ12Wと実質的に同じであり、図4を参照し、詳細な説明は省略する。
図5で説明したように、ワンウェイクラッチは、一方向の回転時のみ動力伝達が可能で、逆方向の回転時には動力伝達を行わない(空転する)動力伝達部を構成する。ワンウェイクラッチは、例えば、図11において、連結ロッド112b(112bL,112bR)が車両1の後方に向かって移動したときのみ、動力伝達するものとする。つまり、連結ロッド112b(112bL,112bR)が車両1の前方に向かって移動したときには、動力伝達を行わない。その結果、クランクピン112d(112dL,112dR)が上死点や下死点を超えない場合(ターンオーバーしない場合)でも回転体112c(112cL、112cR)は、一定方向(例えば、図11における反時計回り方向に回転して、駆動ギヤ113を一定方向に回転運動させることができる。この場合、クランクピン112dLとクランクピン112dRの位相をずらしておけば、車両1の前後方向に連結ロッド112b(112bL、112bR)が交互に直動運動することにより、ペダル11(11L,11R)の踏込量(ペダル可動域)の大小に拘わらず、駆動ギヤ113が一方向に回転し、モータ95において発電を効率的に行うことができる。
なお、この構成によれば、ペダル11(11L,11R)はそれぞれ、独立して前後方向D1に往復運動可能となる。したがって、例えば、片側のペダル11のみを往復運動させても駆動ギヤ113を一方向に回転可能であり、モータ95の充電を行うことができる。その結果、運転者200は、片足操作による発電が可能になる。つまり、脚200a,200bの疲労程度や操作上の好み等に応じたペダリングが可能になり、車両1走行のための動力発生を実現することができる。なお、この場合、踏み込むペダル11の選択は任意であり、また、片足操作の途中で、操作する脚を入れ替えても発電を継続することができる。
なお、図11において、車両1の変換機構112は、例えば、一対の回転体112cに固定されたクランクピン112dが、回転体112cを回転させるときに、クランクピン112dのターンオーバーを抑制する抑制部を備えてもよい。抑制部は、連結ロッド112b(クランクピン112d)が例えば、下死点を超えて回転することを抑制するストッパSPLとすることが可能である。例えば、ペダル11Lに対する抑制部(ストッパSPL)の場合、出力部112abL側の連結ロッド112bLが車両1の前方部を構成するフレーム2や壁面等と当接する位置に設け、連結ロッド112bLがそれ以上前方に移動し、クランクピン112dLが下死点を超えてクランクピン112d(回転体112c)がターンオーバーすることを防止する。一方、ペダル11Rに対する抑制部の場合、回転軸112aaR側の往復動レバー112aRが車両1の前方部を構成するフレーム2や壁面等と当接する位置にストッパSPRを設け、往復動レバー112aRがそれ以上前方に移動し、クランクピン112dRが下死点を超えて回転体112cがターンオーバーすることを防止する。このように、下死点を超えてクランクピン112dのターンオーバーが発生しないようにすることにより、クランクピン112dの位置とペダル11の踏込位置の関係の把握が容易になり、変換機構112によって変換される回転運動の制御、つまり、車両1の動力制御が容易になる。
<変形例>
第2実施形態、第3実施形態では、ペダル11の踏込開始位置に段差を往復動反転機構Mの適用位置を変更することで、解消する例を示した。他の実施形態においては、簡易的に、往復動レバー12aとペダル11との接続状態を調整することで、往復動反転機構Mの適用位置を第1実施形態のまま、すなわち、往復動レバー12aの回転軸12acの位置としたままとしても段差を解消することを可能にしている。具体的には、図1に示されるように、ペダル11の裏面と往復動レバー12aの一端側(回転軸12aaL、回転軸12aaR)とを接続する接続部材11b(11bL、11bR)の長さを往復動レバー12a(12aL,12aR)の回転軸12acL(第一の回転軸)と回転軸12acR(第二の回転軸)の車両1の前後方向の差分長さに応じて決定(調整)し、一対のペダル11の踏面の高さが同じになるようにする。この場合、一対の往復動レバー12aの揺動軌跡は異なるものの、一対のペダル11の踏込軌跡は簡易的に同じにすることが可能になり、運転者200に踏込操作をよりスムーズに違和感なく行わせ易くすることができる。図11に示す第5実施形態においても同様である。
また、第1実施形態~第3実施形態において、運転者200が、ペダル11を車両1の略前後方向に直動ペダリングすることにより駆動ギヤ13が回転する。駆動輪である後輪3Rは、駆動ギヤ13のギヤ径より小径の従動ギヤ14を備える車軸16によって支持され、駆動ギヤ13と従動ギヤ14との間には、チェーン15が架け渡されている。したがって、駆動ギヤ13の回転は増速され従動ギヤ14に伝達され、後輪3Rを回転させるので、車両1の走行性能を向上することができる。この場合、ギヤ径の異なる従動ギヤ14を複数配列し、チェーン15を架け替えることによりギヤ比を変化させることが可能となり、状況に応じた走行状態を実現することができる。
なお、バッテリ116等からの電力供給を受けて駆動するモータ17は、ペダル11L,11Rに作用する操作力(押圧力)に応じた回転力(アシスト力)を伝達部18を介して従動ギヤ14(駆動輪)に付与する。これにより、車両1の走行時には、後輪3RL,3RRは、ペダル11L,ペダル11Rに作用する操作力(押圧力)とモータ17から伝達される力とによって回転駆動され、運転者200の走行時の負荷の軽減に寄与できる。また別の実施形態において、モータ17は、駆動ギヤ13にアシスト力を付与してもよく、同様に運転者200の走行時の負荷の軽減に寄与することができる。なお、モータ17は、ジェネレータとしても機能し、非アシスト走行時に回生を行い、バッテリを充電するようにしてもよい。なお、上述した実施形態では、駆動ギヤ13がチェーン15を介して従動ギヤ14に接続される例を示した。別の実施形態では、駆動ギヤ13に車軸16を設け、駆動ギヤ13が後輪3Rを直接回転させるようにしてもよい。
したがって、第1実施形態~第3実施形態の車両1は、例えばモータ17を伝達部18から切り離して、ペダル11のペダリングのみにより走行する、人力走行モード、モータ17を伝達部18に接続したうえで、モータ17のアシストを受けることなく走行する回生走行モード、モータ17のアシストを受けて走行するアシスト走行モード、モータ17の駆動のみで走行する電動走行モード等を実現することができる。
同様に、第4実施形態の車両1Aにおいても、車軸16Aの外縁部にギヤ径の異なる複数のギヤを配列して、第2回転体12cb(12cbL,12cbR)の外縁部のギヤとの噛合関係を変化させて、ギヤ比を変化させてもよい。この場合も、状況に応じた走行状態を実現することができる。
また、車両1Aに対しても、回転体12cを車軸16に対して切離可能とするとともに、車軸16Aにモータを切離可能に設けてもよい。そして、車軸16Aに対する回転体12cやモータの切離状態を切替可能としてもよい。この場合、例えば、第4実施形態で説明したように、ペダル11Aのペダリングのみによって車両1Aを走行させる「人力走行モード」やモータのみで走行させる「電動走行モード」を実現しすることができる。また、ペダル11Aのペダリングとモータを用いて走行させる「アシスト走行モード」、モータのアシストを受けることなく充電しながら走行する「回生走行モード」等も実現可能である。
以上、本実施形態および変形例を説明したが、上述した実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態および変形例は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…車両、3…車輪、3F…前輪、3R…後輪、4…駆動機構、5…操舵部、6…シート装置、11…ペダル、12…変換機構、12W…ワンウェイクラッチ、12a…往復動レバー、12ab…出力部、12ac…回転軸、12b…連結ロッド、12c…回転体、12d…クランクピン、12e…ベアリング、12amL…第一のギヤ、12amR…第二のギヤ、13…駆動ギヤ、14…従動ギヤ、15…チェーン、16…車軸、17…モータ(回転電気)、200…運転者、200a,200b…脚、M…往復動反転機構。

Claims (5)

  1. シートに着座した利用者の左右の脚で前記シートの略前後方向に直動可能な一対のペダルと、
    前記ペダルを一端側で支持し他端側を前記ペダルの出力部とする、回転軸を中心に前記略前後方向に揺動可能な一対の往復動レバーと、
    一対の前記往復動レバーのうち一方が前方向に揺動したときに他方を後方向に揺動させる往復動反転機構と、
    一端側が前記出力部に回動可能に接続され、他端側が前記後方向に向かって延びる一対の連結ロッドと、
    前記連結ロッドの他端側が回転可能に接続されたクランクピンが固定された一対の回転体が、一対のワンウェイクラッチを介して前記クランクピンの位相が異なるように両端に接続された回転軸を有する動力伝達部と、
    を備える、駆動機構。
  2. 前記往復動反転機構は、一方の前記往復動レバーの前記回転軸である第一の回転軸の端部に設けられた第一のギヤと、他方の前記往復動レバーの前記回転軸である第二の回転軸の端部に設けられ、前記第一のギヤと噛合する第二のギヤとからなり、前記第一の回転軸と前記第二の回転軸が互いに逆方向に回転する、請求項1に記載の駆動機構。
  3. 一対の前記往復動レバーのそれぞれは、一端側が前記ペダルと回動可能に接続され、他端側が前記連結ロッドに回動可能に接続されたメインレバーと、前記メインレバーの回転中心より前記ペダルの接続側に近い位置に一端側が回動可能に接続された接続ロッドと、前記接続ロッドの他端側に一端側が接続され前記メインレバーの揺動に対応して平行に移動可能なサブレバーと、で構成され、
    前記往復動反転機構は、一方の前記サブレバーの他端側に接続された回転軸である第一の回転軸の端部に設けられた第一のギヤと、他方の前記サブレバーの他端側に接続された回転軸である第二の回転軸の端部に設けられ、前記第一のギヤと噛合する第二のギヤとからなり、前記第一の回転軸と前記第二の回転軸が互いに逆方向に回転する、請求項1に記載の駆動機構。
  4. 一対の前記往復動レバーのそれぞれは、一端側が前記ペダルに固定された接続ロッドと、
    前記接続ロッドの前記一端側に回転可能に接続され、他端側が前記連結ロッドと回転可能に接続されたメインレバーと、前記接続ロッドの他端側に回動可能に接続され、前記メインレバーの揺動に対応して平行に移動可能なサブレバーと、で構成され、
    前記往復動反転機構は、一方の前記サブレバーの他端側に接続された回転軸である第一の回転軸の端部に設けられた第一のギヤと、他方の前記サブレバーの他端側に接続された回転軸である第二の回転軸の端部に設けられ、前記第一のギヤと噛合する第二のギヤとからなり、前記第一の回転軸と前記第二の回転軸が互いに逆方向に回転する、請求項1に記載の駆動機構。
  5. 前記ペダルの裏面と前記往復動レバーの一端側とを接続する接続部材の長さを前記第一の回転軸と前記第二の回転軸の前記略前後方向の差分長さに応じて決定し、一対の前記ペダルの踏面の高さが同じになるようにする、請求項2に記載の駆動機構。
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