JP2024006924A - 基板搬送方法、基板処理装置及びプログラム - Google Patents

基板搬送方法、基板処理装置及びプログラム Download PDF

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礁 鹿野
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Abstract

【課題】露光後の基板間での搬送状態のばらつきを抑制し、現像によって基板に形成されるパターンのばらつきを抑制する。【解決手段】基板をモジュール群及び露光機を経由してキャリアに搬送する搬送機構群を備え、搬送機構群には、前段モジュール、露光機、第1後段モジュールの順で基板を搬送する第1搬送機構と、第1後段モジュール、加熱モジュール、現像モジュール、第2後段モジュールの順で基板を搬送する第2搬送機構と、後段搬送機構と、が含まれる基板処理装置を用いた基板処理方法において、露光機において基板を搬入してから当該基板が搬出可能となる間隔を露光機サイクルタイムとすると、第2搬送機構による搬送区間から後段搬送機構による搬送区間へと基板を搬送する区間搬送時間と、露光機サイクルタイムと、を比較する比較工程と、比較工程の結果に応じて区間搬送時間を変更する変更設定工程と、を行う。【選択図】図5

Description

本開示は、基板搬送方法、基板処理装置及びプログラムに関する。
半導体デバイスを製造するにあたり、半導体ウエハ(以下、ウエハと記載する)に対してフォトリソグラフィが行われる。具体的には、露光機においてレジスト膜を所定のパターンに沿って露光した後、PEB(Post Exposure Bake)と呼ばれる加熱、現像の順で処理が行われるように、ウエハは基板処理装置内におけるモジュール間を搬送される。特許文献1では露光後、PEBを行うまでの時間が一定となるようにウエハを搬送することが示されている。
特開2008-130857公報
本開示は、露光機による露光後の基板間での搬送状態のばらつきを抑制し、現像によって基板に形成されるパターンのばらつきを抑制することができる技術を提供する。
本開示の基板搬送方法は、キャリアから取り出した基板をモジュール群及び露光機を経由して前記キャリアに搬送する搬送機構群を備え、
前記モジュール群には、前記露光機の前段で前記基板を載置する前段モジュールと、
前記露光機の後段で前記基板を載置する第1~第2後段モジュールと、加熱モジュールと、現像モジュールと、が含まれ、
前記搬送機構群には、前記前段モジュール、前記露光機、前記第1後段モジュールの順で前記基板を搬送する第1搬送機構と、前記第1後段モジュール、前記加熱モジュール、前記現像モジュール、前記第2後段モジュールの順で前記基板を搬送する第2搬送機構と、前記第2後段モジュールから前記キャリアへ向けて前記基板を搬送する1つ以上の後段搬送機構と、が含まれる基板処理装置を用いた基板搬送方法において、
前記露光機において前記基板を搬入してから当該基板が搬出可能となる間隔を露光機サイクルタイムとすると、
前記露光機に搬送予定の前記基板について取得される、前記第2搬送機構による搬送区間から前記後段搬送機構による搬送区間へと前記基板を搬送する区間搬送時間と、前記露光機サイクルタイムと、を比較する比較工程と、
前記比較工程の結果に応じて、前記区間搬送時間を設定する設定工程と、
を備える。
本開示は、露光機による露光後の基板間での搬送状態のばらつきを抑制し、現像によって基板に形成されるパターンのばらつきを抑制することができる。
本開示の一実施形態に係る塗布、現像装置の平面図である。 前記塗布、現像装置の縦断側面図である。 前記塗布、現像装置における搬送経路を示す説明図である。 露光機の後段側の前記搬送経路を示す説明図である。 前記塗布、現像装置にて行われる第1及び第2搬送制御の概要を示すための説明図である。 第1搬送制御の流れを示すフロー図である。 第2搬送制御の流れを示すフロー図である。 前記第1搬送制御の例を示すための塗布、現像装置におけるDEV層の模式図である。 前記第1搬送制御の例を示すための前記DEV層の模式図である。 前記第1搬送制御の例を示すための前記DEV層の模式図である。 前記第1搬送制御の例を示すための前記DEV層の模式図である。 前記第1搬送制御の例を示すための前記DEV層の模式図である。 前記第2搬送制御に関わるPJを示す説明図である。 前記第2搬送制御に関する説明図である。 前記塗布、現像装置にて行われる第3搬送制御に関する説明図である。 前記第3搬送制御の説明図である。 前記第3搬送制御の説明図である。 搬送経路を示すブロック図である。 バッファモジュールの役割を示すための説明図である。 バッファモジュールの役割を示すための説明図である。 塗布、現像装置の他の例を示す平面図である。
〔塗布、現像装置の構成〕
本開示の基板処理装置の一実施形態である塗布、現像装置1について、図1の平面図、図2の縦断側面図を夫々参照しながら説明する。塗布、現像装置1は、キャリアブロックD1と、中間ブロックD2と、処理ブロックD3と、インターフェイスブロックD4と、を左右に一列に接続して構成されている。インターフェイスブロックD4の右側(キャリアブロックD1が位置する側とは逆側)に露光機D5が接続されている。
キャリアブロックD1はステージ10を備えており、当該ステージ10には、複数枚のウエハWを格納可能なFOUP(Front Opening Unify Pod)と呼ばれる搬送容器であるキャリアCを載置可能である。また、キャリアブロックD1は搬送機構12を備え、ステージ10上のキャリアCに対して、ウエハWの受け渡しを行う。
中間ブロックD2には、多数のモジュールが積層されたタワーT1が設けられている。タワーT1の各モジュールには、上記の搬送機構12及びタワーT1の後方側に配置された搬送機構13と、上記の搬送機構12とがアクセス可能であり、搬送機構12、13の連携で、後述の処理ブロックD3の各階層とキャリアCとの間でのウエハWの受け渡しが可能である。
処理ブロックD3は、ウエハWに液処理及び加熱処理を行う階層E1~E6が下から順に積層されて構成されている。この例では、階層E1~E3は互いに同様に構成されており、液処理として、レジストの塗布によるレジスト膜の形成を行う。また、階層E4~E6は互いに同様に構成されており、液処理として現像によるレジストパターンの形成を行う。各階層E(E1~E6)において、互いに並行してウエハWの搬送及び処理が行われる。
階層E1~E6のうち代表して、図1に示す階層E6について説明する。階層E6の前後の中央には、左右に伸びるウエハWの搬送路14が形成されている。搬送路14の前方には、複数の現像モジュール15が左右に並んで設けられている。搬送路14の後方には、ウエハWを加熱する加熱モジュールが積層され、この加熱モジュールの積層体が左右に多数並べて設けられている。この加熱モジュールとしては、PEBを行うもの、及び現像後の加熱処理(ポストベーク)を行うものが含まれる。加熱モジュールについて、ここでは1A、1Bの2種類が搭載されているものとし、特に記載無い限りは加熱モジュール1AがPEBを、加熱モジュール1Bがポストベークを夫々行うものとする。
上記の搬送路14には、階層E6でウエハWを搬送する搬送機構36が設けられている。搬送機構36は、搬送路14を移動する基台と、当該基台上を進退する2つの基板保持部を備える。一方の基板保持部が進退することでモジュールからウエハWを受け取り、続いて他方の基板保持部が当該モジュールに進入してウエハWを送ることで、モジュールにてウエハWを入れ替えるように受け渡すことができる。このモジュールに対する入れ替えを入れ替え搬送と記載する場合がある。なお、モジュールとは搬送機構以外でのウエハWが載置される場所であり、ウエハWに処理を行うモジュールについては処理モジュールと記載する場合が有る。
階層E1~E3について階層E6との差異点を中心に説明すると、階層E1~E3は、現像モジュールの代わりに、ウエハWにレジストを供給してレジスト膜を形成する塗布モジュールを備えている。そして階層E1~E3における加熱モジュールは、レジスト膜形成後のウエハWを加熱する。また、搬送機構36に相当する各階層E1~E5の搬送機構については、31~35とする。
続いて、インターフェイスブロックD4について説明する。インターフェイスブロックD4には、タワーT2及び搬送機構21、22が設けられている。タワーT2には、タワーT1と同様に多数のモジュールが積層されている。搬送機構21はタワーT2のモジュール間の搬送用であり、搬送機構22はタワーT2のモジュールと露光機D5との搬送用である。なお、実際にはインターフェイスブロックD4には、例えば図で示すよりも多くのモジュール、タワー及び搬送機構が設けられるが、説明の複雑化を避けるために簡素化して示している。上記した処理ブロックD3についても一部のモジュールについての説明、図示を省略している。
タワーT1、T2について説明する。タワーT1、T2には、受け渡しモジュールTRS及び温度調整モジュールSCPLが設けられており、これらのモジュールは、階層E1~E6に対する搬入出、ブロック間やブロックと露光機D5間でのウエハWの受け渡しに用いられる。SCPLについてはウエハWを温度調整するモジュールであり、上記の搬入出やブロック間等の受け渡しの用途以外に、階層を搬送中のウエハWの温度調整を行う用途のもの、露光機に搬送直前のウエハWの温度調整を行うものが含まれる。そのように露光機D5に搬送直前のウエハWを温度調整するSCPLについてはICPLと表記する。以上の各用途のTRS、SCPLは複数ずつ設けられる。また、以降の説明では図2に示しているように、TRS、SCPLに適宜、番号を付すことで配置場所が異なるもの同士を区別する場合が有る。
〔露光機について〕
露光機D5については、ウエハWを搬入可能になるとその旨の信号(インレディ信号)を出力し、ウエハWが搬出可能になるとその旨の信号(アウトレディ信号)を出力する。後述の制御部4はこれらの信号を受信して搬送機構22の動作を制御し、インターフェイスブロックD4と露光機D5との間でのウエハWの受け渡しが行われる。一のウエハWが露光機D5に搬入されてから、当該ウエハWの露光が終了してアウトレディ信号が出力されるまでの間隔を、露光機サイクルタイムとする。ウエハWを露光機D5に順次搬送するにあたり、露光機サイクルタイム(露光機CTと略して記載する場合が有る)は一定ないしは概ね一定であり、一定の周期でウエハWを搬送するとした場合、一定ないしは概ね一定の周期でアウトレディ信号が出力される。
〔PJについて〕
塗布、現像装置1にキャリアCが搬入されると、後述の制御部4によって当該キャリアC内のウエハWには、プロセスジョブ(PJ)の設定がなされる。PJは、ウエハWにおける処理レシピ(どの種類モジュールに搬送して処理するか、同じ種類のモジュールうちのどのモジュールに搬送するか、という搬送レシピも含む)及び搬送するウエハWを指定する情報である。このようにPJによって、塗布、現像装置1におけるウエハWの搬送経路が指定され、同じPJのウエハWについては同じ処理を受けるので、同じPJのウエハWは同じロットのウエハWである。
なお、PJによって指定される処理レシピには、モジュールを構成する各部を動作させるための情報を含む。さらに具体的に述べると、当該情報としては、モジュールにおける各部の動作に要する時間、ウエハWを加熱する場合には加熱の温度、ウエハWに液処理を行う場合には各液をウエハWに供給するタイミングや順番などが含まれる。そのため、PJの設定によって、後述する各搬送制御のためのパラメータ(MSCT、ACTなど)を算出可能である。
また、一のPJのウエハW、他のPJのウエハWが各々複数有るとすると、一のPJのウエハWが連続して装置に搬入された後、他のPJのウエハWが連続して装置に搬入されるように、後述の制御部4によって各搬送機構の動作が制御される。つまり、先行のPJのウエハWがまとまって装置に搬入された後、後続のPJのウエハWがまとまって装置に搬入される。そして各ウエハWは夫々のPJで指定される搬送経路で搬送され、夫々のPJで指定される処理レシピにより搬送経路中の各処理モジュールにて処理を受ける。先に搬送されたPJのウエハWは、先にキャリアCに戻される。一つのPJについて、当該PJのウエハWがすべてキャリアCに戻された場合には、当該PJについては終了する。
〔層について〕
既述した装置中の搬送機構について互いを区別するために、個別の名称を付す場合が有る。具体的に、搬送機構11、12を夫々PRA11、MPRA12とし、搬送機構31~36をPRA31~36、搬送機構21、22を夫々IFB21、IFBS22として記載する場合が有る。また搬送経路において、異なる搬送機構によって搬送が行われる各区間を「層」とする。PRA(PRA31~PRA36)以外の搬送機構に対応する層は、その搬送機構と同じ名称を付して示す。従って当該各層を、CRA層、MPRA層、IFB層、IFBS層とする。そしてPRA31~PRA33に対応する層はCOT層、PRA34~PRA36に対応する層はDEV層とする。DEV層については「層」を省略して、単にDEVとして表記する場合が有る。
また、互いにウエハWに対して同じ処理を行う区画を複数含む層をマルチスタックであるものとする。即ち、マルチスタックである層は、同じステップで同じ処理を行うモジュールを各々含むことになり、この区画をスタックとする。後に搬送経路H1でウエハWを搬送する例を示すが、この搬送経路H1ではCOT層、DEV層が各々マルチスタックの層をなす。なお、このマルチスタックをなす層については、全体で一つの層として説明する。つまり、階層E4、E5、E6が各々同様に構成されていると述べたが、この3つの階層(スタック)が各々層をなして3つのDEV層を形成するのではなく、階層E4~E6で一つのDEV層をなすものとして説明する。なお図4等でDEV層のモジュール構成を示しているが、DEV層全体ではなく、階層一つ分のモジュールのみを表示している。
COT層及びDEV層については、各層の搬送機構が層内のモジュールを順番に繰り返し移動し、層の入口のモジュール及び出口のモジュールを除いた各モジュールに対して上記のウエハWの入れ替えを行う。従って搬送機構が搬送路14を周回移動する。このような搬送機構の動作により、ウエハWが1枚ずつ、上流側のモジュールから下流側のモジュールへ順次搬送される。なおPJの切り替わり時においては、モジュールへのウエハWの搬送間隔が空くことで入れ替え搬送とはならない場合が有る。また、他の層については、例えば上流側のモジュールにウエハWが搬送されると、層内の搬送機構がウエハWを受け取り、下流側のモジュールへ搬送する。このような搬送を非同期搬送とする。
〔搬送経路の説明〕
PJで指定される搬送経路のうちの一つをH1として説明する。図3は層を単位とした搬送経路H1を表している。なお、露光機D5、キャリアCについては層とは別個に示している。図4は搬送経路H1のうち、露光機D5の直前のモジュールからDEV層の出口(DEV層の次の層の入口)に至るまでのモジュールの搬送順を示したものである。この搬送経路H1については、ウエハWが階層E1~E3のうちのいずれかと、露光機D5と、階層E4~E6のいずれかと、を通過する経路であり、当該ウエハWにレジストパターンが形成される。
キャリアCからCRA12により払い出されたウエハWは、タワーT1の受け渡しモジュールTRS1に搬送された後、MPRA13によりタワーT1で階層E1~E3の各高さの受け渡しモジュールTRS2に振り分けられる。そして当該ウエハWは、PRA31~33により受け取られ、温度調整モジュールSCPL1→塗布モジュール→加熱モジュールの順で搬送される。そのように搬送されてレジスト膜が形成されたウエハWは、タワーT2の受け渡しモジュールTRS3に搬送され、IFB21→タワーT2のTRS4→IFB21→ICPL→IFBS22→露光機D5の順で搬送され、レジスト膜が所定のパターンに沿って露光される。
露光後のウエハWは、IFBS22→タワーT2のTRS5の順で搬送された後、IFB21により、階層E4~E6の各高さの受け渡しモジュールTRS6に振り分けられる。そしてPRA34~36により、加熱モジュール1A→SCPL2→現像モジュール15の順で搬送される。それによりレジスト膜が現像されて、ウエハWにレジストパターンが形成される。その後ウエハWは、加熱モジュール1B→タワーT1のSCPL3に搬送され、MPRA13→受け渡しモジュールTRS7→CRA12→キャリアCの順で搬送される。従って層を単位として見ると搬送経路H1は、CRA層→MPRA層→COT層→IFB層→IFBS層→露光機D5→IFBS層→IFB層→DEV層→MPRA層→CRA層の順に搬送される。
ところで層において、搬送経路上での次の各層へウエハWを搬送する時間間隔を層のCT(サイクルタイム)とする。さらに詳しく述べると、層において1サイクル分の搬送に要する時間、即ち、搬送機構が受け持つ各モジュール間の搬送を1回ずつ行うために必要な時間であり、後段の層へとウエハWを搬送する予想の時間間隔に相当する。具体的に上記の搬送経路H1においては、DEV層に関してはウエハWの搬送先がMPRA層であるが、このMPRA層にウエハWを1枚搬送する時間間隔がDEV層のCTである。そして、MPRA層に関しては、COT層、CRA層の各々へウエハWを搬送するが、これらの両方の層にウエハWを1枚ずつ搬送する時間の合計がMPRAのCTである。また、DEV層、COT層については上記したようにPRAがモジュール間を周回移動するが、層のCTはこれらの周回移動が1回行われる時間(周回移動時間)に対応する。具体的には、DEV層あるいはCOT層については、PRAの周回移動時間/スタックの数=層のCTである。つまりDEV層のCTに関しては、入口のモジュールであるTRS6にPRAがアクセスしてから次にTRS6にPRAがアクセスするまでの時間をスタックの数で除した値が、当該DEV層のCTである。スタックの数は、即ちDEV層の入口をなすTRS6、DEV層の出口をなすSCPL3、現像モジュール15、加熱モジュール1A、1B及びPRAを組としたときの組の数である。
以上の搬送経路H1において、温度調整モジュールICPLは、露光機D5の前段で基板を載置する前段モジュールに相当し、受け渡しモジュールTRS5、TRS6が第1後段モジュールに相当し、SCPL3が第2後段モジュールに相当する。搬送機構21、22はICPL、露光機D5、TRS5、6間でウエハWを搬送する第1搬送機構、PRA34~36は第2搬送機構、搬送機構11、12はDEV層からキャリアCへ向けてウエハWを搬送する後段搬送機構に相当する。
〔マルチモジュールについて〕
一つの層において、搬送経路上でキャリアCから見たステップ(搬送の順番)が同じであり、ウエハWに各々同一の種類の処理を行うことができる複数の処理モジュールについて、マルチモジュールとする。例えば、図4で示している4つの加熱モジュール1Aについては同じマルチモジュールを構成し、2つの温度調整モジュールSCPL2については同じマルチモジュールを構成する。上記したPJはマルチモジュールのうち、いくつの処理モジュールを使用するかについても指定する。マルチモジュールについて、ハイフンの後に番号を付すことで互いに区別して示す場合が有る。
〔制御部について〕
図1に示すように塗布、現像装置1は、コンピュータにより構成されている制御部4を備えている。制御部4はプログラム41を備えている。プログラム41は、後述するウエハWの搬送、各モジュールでのウエハWの処理が行われるようにステップ群が組まれており、各モジュールやウエハWの各搬送機構に制御信号を出力する。その制御信号に応じて、各モジュールや搬送機構が動作する。プログラム41は、例えばコンパクトディスク、ハードディスク、DVDなどの記憶媒体に格納されて、制御部4にインストールされる。さらにプログラム41は、後述する各搬送制御を行う上で必要な各種の演算、比較及び判定を行うことで、当該各搬送制御を実行することができる。なおここでいう比較には、数値同士の減算を行う場合も含まれる。
また制御部4には、装置のユーザーが各種の設定を行うための設定部42が設けられており、マウス、キーボード、タッチパネルなどにより構成されている。後に詳述する各搬送制御の選択、モジュール及び/または層のブロッキング、各搬送制御を行う上で実施可能な各種の設定、選択を設定部42から行うことができる。なお、図示は省略しているが制御部4は、各搬送制御を実行するにあたって必要な各種のパラメータを記憶する記憶部が設けられている。また、制御部4には音や画面表示などでアラームを出力するアラーム出力部が設けられる。例えば後述するようにウエハWを露光機D5へと搬入できない状態となった場合などに、アラームが出力される。
〔搬送制御の概要〕
以下、制御部4によって行われる搬送制御の概要について説明する。この搬送制御としては、搬送経路H1として例示したように、露光後に各DEV層でウエハWの処理を行うにあたり、露光機D5のアウトレディ信号の出力時点からPEBを開始するまでの時間(Post Exposure Delay:PED時間)を、ウエハW間で一定ないしは概ね一定とするように行われる。なお、同じPJ内のみならず、異なるPJ間でもPED時間が、所定の範囲に収まるようにする。以上のように各ウエハW間でのPED時間の変動を抑えることで、露光機D5での露光により化学増幅型レジストに生じた酸の拡散をウエハW間で揃えて、レジストパターンの幅の均一性を高める。
さらに搬送制御の概要について述べる。図3、図4で示したように各PJのウエハWが順番に装置内を搬送されるとする。ここで仮に搬送経路H1における露光機D5の後段側(下流側)のいずれかの層でウエハWの搬送が遅延し、当該ウエハWが滞留することで、その上流側の層でもウエハWの搬送が遅延してしまうおそれが有る。それ故に、露光機D5から後段へのウエハWの搬送間隔が制御されないとすると、例えばウエハWをDEV層の入口であるタワーT2のTRSに滞留させなければならない状態が発生するおそれが有る。上記したようにDEV層のPRA34~36はサイクリックに移動してウエハWを搬送する。それ故にPRA34~36は、DEV層の入口のTRSから1枚ウエハWを受け取ったら、周回を終えるまで当該TRSから次のウエハWを受け取ることができない。従って、当該TRSに搬送されてからPRA34~PRA36に受け取られるまでの時間間隔が比較的大きいものとなり、加熱モジュール1Aへの搬送も遅れてしまうことで、PED時間のばらつきが発生するおそれが有る。
そこで本実施形態の搬送制御では、露光機D5の後段側の各層のうち、次の層へのウエハWの予想搬送時間が最も長い層の当該予想搬送時間と同じになるように、露光機D5からのウエハWの搬出間隔が制御される。なお、搬送経路上の最終層(CRA層)に関しては、上記の「次の層」とはキャリアCが該当する。このように露光機D5からの搬出間隔が制御され、DEV層へのウエハWの流入量が制御されることで、DEV層の入口でウエハWが滞留することを防止してPED時間が長くなることを防ぎ、当該PED時間を所定の範囲内に収める。
以上のように本実施形態の搬送制御では、露光機D5からPEBを行う加熱モジュール1Aまでの搬送状況のみならず、当該加熱モジュール1Aよりも後段側の搬送状況に応じて、露光機D5に対するウエハWの搬送制御がなされていることになる。そのように各層の搬送状況に応じたものとなることで、PED時間のばらつきについて、より確実に抑制することができる。また、そのように各層の搬送状況が考慮されることで、モジュールのブロッキングが行われたとしても、PED時間の変動を抑制することができる。このようにPED時間の変動を抑制する搬送制御としては、第1搬送制御と、第2搬送制御とが有り、これらのうちのいずれかが塗布、現像装置1のユーザーにより選択されて実行される。
〔搬送制御に用いるパラメータ(MUTCT、MSCT、ACT)について〕
さらに詳しい第1、第2搬送制御の概略説明を行うにあたり、これらの搬送制御で用いられるパラメータであるMax Step Cycle Time(MSCT)及びArm Cycle Time(ACT)について説明する。PJにより指定される処理レシピから、各モジュールについて「ウエハWの処理時間」+「処理の前後に必要な時間(OHT:Over Head Time)」=「モジュールにおいて必要なウエハWの滞在時間(MUT:Module Using Time)」が算出される。そして下記の式1による演算が行われる。
(MUT÷使用可能モジュール数)×搬送比率・・・式1
式1中の使用可能モジュール数とは、MUTを算出したステップの使用可能モジュール数であり、1つのスタック中の数であり、PJで設定されるモジュールの数から、トラブルの発生やブロッキングを行うことによって使用されない状態とされたモジュールの数を減じたものである。また上記式中の搬送比率とは、1つのスタックへのウエハWの搬送枚数/マルチスタックを構成していて使用可能な全スタックへのウエハWの搬送枚数である。任意のステップのモジュールについて、スタック毎に式1の演算が行われ、その算出された各値のうちの最大値が、MUTサイクルタイム(MUTCT)とされる。一つの層において、入口のモジュール及び出口のモジュール(つまり他の層と兼用されているモジュール)を除いた各モジュールから上記のMUTCTが算出される。
具体的には、DEV層は3つのスタックからなり、その3つがいずれも使用可能であり、これらの3つに均等にウエハWが搬送されるようにPJにより指定されているとする。従って、搬送比率としては1/3である。その条件で、この現像モジュール15のMUTがJ秒であり、各スタックとも4つの現像モジュールが使用可能であったとすると、式1より、J秒/4×1/3=J/12秒として算出される。搬送比率が各スタック間で同じため、各スタック間で同様に計算されるので、式1で算出される値の最大値はJ/12秒である。このため現像モジュール15のMUTCT(Module Using Time Cycle Time)が、J/12秒として算出される。
当該DEV層において、同様にして加熱モジュール1A等に関しても各モジュールのMUTCTが算出される。なお、上記したようにMUTCTが算出されるのは、層の入口、出口をなすモジュール以外のモジュールであるため、DEV層に関しては、加熱モジュール1A、1B、SCPL2、現像モジュール15についてのMUTCTが算出される。
なお、MUTCTの算出に用いられるモジュールの処理時間はPJ毎に設定されているため、当該MUTCTはPJ毎に算出されることになる。また、式1において、マルチスタック以外の層及び非同期搬送の層(本例ではマルチスタック以外の層=非同期搬送の層)に関して搬送比率は1として計算する。取得対象となる層(後述する)から取得されたMUTCTのうち最大のものを、Max Step Cycle Time(MSCT)と呼ぶ。
続いて、Arm Cycle Time(ACT)について説明する。層の入口から出口までに搬送機構(搬送アーム)がウエハWを何回搬送するかという工程数を搬送工程数とする。搬送経路H1について、DEV層ではTRS6→加熱モジュール1A→温度調整モジュールSCPL2→現像モジュール15→加熱モジュール1B→SCPL3というように5回搬送が行われるので、搬送工程数は5である。他の層についても例示しておくと、MPRA層ではTRS1→TRS2、SCPL3→TRS7というように2回搬送が行われるので、搬送工程数は2である。
1つの搬送工程に要する設定時間は予め決められており、例えばK秒とする。そして、ACT=搬送工程数×設定時間÷ウエハWを搬送可能なマルチスタック数である。上記のDEV層についてはスタックが3つであり、これらすべてにウエハWが搬送可能であるものとして、ACT=5×K÷3=5K/3秒として算出される。なお、マルチスタック以外の層及び非同期搬送の層に関しては、マルチスタック数は1として計算する。ここまでにおいては搬送経路については、図3、図4で搬送経路H1のみを例示しているが、PJによって各種の搬送経路が設定される。即ち、搬送工程数はPJによって異なるので、ACTについてもPJ毎に算出される。
なお上記した層のサイクルタイムとしては、一つの層のうちの各モジュールから取得されるMUTCTの最大値及びACTのうちの大きい方の時間以上の長さに設定することができる。そのようにMUTCT及びACTから取得される層のサイクルタイムは、次の層へのウエハWの搬送に要する予想搬送時間に該当する。
〔第1及び第2搬送制御の概要について〕
上記したようにウエハWはPJ毎にまとまって塗布、現像装置1内に搬送される。そのため搬送経路H1で搬送される任意のPJのウエハWを、温度調整モジュールICPLから露光機D5に搬送、あるいは露光機D5から搬出するにあたり、その搬送経路H1の露光機D5の後段側の各層には、そのウエハWと同じPJのウエハWか、当該PJよりも先発のPJのウエハWが位置し得る。その任意のPJが露光機D5の後段で通過予定の各層からMUTCT(Module Using Time Cycle Time)ひいてはMSCT(Max Step Cycle Time)を得ると共にACT(Arm Cycle Time)を得る。そして、MSCT及びACTのうち、最大のものを露光後最大サイクルタイムとする。
この露光後最大サイクルタイム(以降、露光後最大CTと表記する場合が有る)が得られた層が、次の層へのウエハWの予想搬送時間が最も長い層であるため、露光機D5の後段の搬送を行う上で、いわゆるボトルネックとなる層である。そして、露光後最大CTがその予想搬送時間であり、第1搬送制御及び第2搬送制御では、この露光後最大CTに基づいて露光機D5からのウエハWの搬出、あるいは露光機D5へのウエハWの搬送が行われる。第1搬送制御では露光機D5からのウエハWの搬出のタイミングが制御され、第2搬送制御では露光機D5へのウエハWの搬送のタイミングが制御される。なお、PJによってMUTCT、ACTは異なり得るため、これらのMUTCT、ACTはPJ毎に算出されて、露光後最大CTが決定されることになる。一つの層について、MUTCTの最大値、ACTのうちの大きい方が1枚のウエハWを次の層へと搬送するために要する区間搬送時間に該当する。そして、一つの層におけるMUTCT、ACTは、夫々区間搬送時間の第1候補、第2候補に該当する。また、露光後最大CTは区間搬送時間のうち、最も長い最大区間搬送時間に該当する。
図5の上段、下段に夫々第1搬送制御、第2搬送制御の概要を示している。また、図6では第1搬送制御の概要を、図7では第2搬送制御の概要を、夫々図5とは別の態様で示している。各図において、露光後最大CTをX秒、露光機CTをY秒としている。図5中の点線の矢印上に、露光機D5へのウエハWの搬入間隔及びアウトレディ信号R1が出力される間隔を示しており、また、鎖線の矢印上に露光機D5からのウエハWの搬出間隔を示している。
第1搬送制御では、インレディ信号が出力されている状態でICPLから露光機D5に順次ウエハWが搬送される(図6上段)。そして露光機D5においては、Y秒を1サイクルとしてウエハWの処理がなされる。任意の一のウエハWについてのアウトレディ信号R1が出力されると(図6中段)、その出力からZ秒経過後(即ち、露光機D5にてウエハWをZ秒待機させた後)、IFBS22が当該ウエハWを受け取り、後段のTRS5へと搬送する(図6下段)。この待機時間Z秒=X秒-Y秒である。
以上のような搬送態様であるため、図5に示すように露光機D5へのウエハWの搬入間隔及びアウトレディ信号R1が出力される間隔はY秒であるが、X秒間隔でウエハWがDEV層へと搬送される。その搬送制御により、露光機D5からの搬出から加熱モジュール1Aに搬送するまでの時間がウエハW間で一定ないしは概ね一定となり、当該ウエハW間でPED時間が揃う。なお、この第1搬送制御ではアウトレディ信号R1の出力間隔が、露光機CTとして取り扱われる。従って、この第1搬送制御では、露光機D5からのウエハWの搬出が可能となる搬出間隔と、露光機最大CTと、に基づいて、当該露光機D5からのウエハWの搬出が行われる。
一方、第2搬送制御ではインレディ信号R2が出力された後(図7上段)、Z秒経過したら(即ち、ICPLにてウエハWZ秒待機させた後)、IFBS22がICPLからウエハWを受け取り、露光機D5に搬送する(図7中段)。Z秒=X秒-Y秒である。このようにインレディ信号R2の出力に遅れてウエハWが搬送されることで、アウトレディ信号R1が出力される間隔としては露光機CTよりも長く、X秒となる。そして、アウトレディ信号R1が出力され次第、IFBS22がウエハWを後段のTRS5へと搬送する(図7下段)。
第2搬送制御についてはこのような態様であるため、図5に示すように露光機D5へのウエハWの搬入間隔及びアウトレディ信号R1が出力される間隔としてはX秒となり、そのX秒間隔でウエハWがDEV層へと搬送されるように制御がなされる。そのためアウトレディ信号R1の出力から加熱モジュール1Aに搬送するまでの間隔がウエハW間で一定ないしは概ね一定となり、当該ウエハW間でPED時間が揃う。なお、この第2搬送制御はアウトレディ信号の出力後、速やかにウエハWの搬送がなされるので、露光後のウエハWがPEBを行うまでに空気に曝される時間を短くすることができる。そのため、レジストパターンの幅について、設計値に対するずれをより確実に抑えることができる利点が有る。
〔ブロッキング〕
ところで、モジュールまたは層を構成するスタックについては、制御部4の操作部からユーザーが指定することで、ブロッキングを行うことができる。このブロッキングがなされたモジュールやスタックにはウエハWが搬送されない。上記したようにMSCT及びACTは、これらのマルチモジュールのうちの使用モジュール数や使用されるスタック数に基づいて算出がなされるため、ブロッキングがなされた際には、このMSCTが再計算され、露光後最大CTの再設定がなされることになる。なお、このようにユーザーがブロッキングを行うことの他に、トラブルが検出されることにより使用不可のモジュールや使用不可のスタックが発生した場合にも、同様に再計算がなされる。このように使用されるモジュール数、使用可能なスタックの数が変化した場合には、変化した後の数に基づいて露光後最大CTが再設定されることで、PED時間のばらつきがより確実に抑制される。なお、ユーザーは、制御部4の操作部からは搬送機構に対して動作の停止を指示するブロッキングを行うことも可能である。この搬送機構の動作の停止をアームブロッキングとして記載する。
〔第3搬送制御の概要について〕
ところで、PEB終了から現像開始までの時間をPPD(Post PEB Delay)時間と呼称する。第2搬送制御が実行されている状況の下、同じPJ内でのPPD時間の変動を抑制するための第3搬送制御の実行を可能とするか否かを、ユーザーが選択可能である。このPPD時間の変動によってもウエハWのパターンの形状が変化する場合が有る。特にレジスト膜が金属を含有するレジストにより構成される場合は、その変化が比較的大きいことが懸念され、この第3搬送制御が特に有効となり得る。
上記したように同じPJの各ウエハWを搬送するにあたり、DEV層のPRA34~PRA36はサイクリックに動作し、ウエハWの入れ替え搬送を行う。この周回が1回行われる時間に対応する時間が、DEV層のCT(サイクルタイム)である。PRA34~36の各々の1回の周回で1枚のウエハWが各スタックから次の層へ搬送されるので、上記したようにDEV層のCT=PRA34~36の周回移動時間/スタックの数である。
ここで露光機CTが長く、搬送を行う上でのボトルネックになっているとする。つまり、一のPJについて露光機D5を通過してDEV層を搬送されるにあたり、当該DEV層にて算出される各MUTCT(Module Using Time Cycle Time)及びACT(Arm Cycle Time)に関しては比較的小さいものとする。そのようにDEV層において、各MUTCT及びACTが小さくても上記の入れ替え搬送を行うために、少なくともそのPJのウエハWが全て露光機D5を通過するまで、DEV層のCTが露光機CTとなるようにPRA34~PRA36の動作が調整される。従って、仮に露光機CTが50秒であるとすれば、PRA34~PRA36の周回移動時間が150秒とされ、DEV層のCTが露光機CTと同じ50秒(150秒/スタック数:3)となるように合わせ込まれる。
仮にそのPJのウエハWが全て露光機D5を通過してDEV層へ搬送された後、例えば高スループットを得るためにDEV層のCTの露光機CTへの合わせ込みを解除することを考える。つまり、本来のDEV層のCT(DEV層におけるMUTCTの最大値及びACTのうちの大きい方の時間)となるように、PRA34~PRA36のDEV層での周回速度が変更されるとする。しかし、そうなるとPJの後段のウエハW、少なくともPJの最後のウエハWについては、PJの前段のウエハWに比べて、DEV層内を早く搬送されるので、同じPJのウエハW間で、PPD時間がばらついてしまう。
第3搬送制御に関しては、DEV層に搬送される同じPJのウエハWについて、先頭のウエハWがDEV層に搬送されてから最後のウエハWがその出口のモジュールに搬送されるまでの間、当該DEV層のCTが変化しないように制御され、当該PJのウエハW間のPPD時間の変動を抑制する。DEV層がこれまでに述べたようにマルチスタックであるとすると、一のスタックに搬送されるPJのウエハWで先頭のウエハWが当該スタックへ搬入されてから、最後のウエハWが当該スタックの出口のモジュールに搬送されるまで、当該スタックにてPRAが周回する時間が維持される。
なお、DEV層のCTの露光機CTへの合わせ込みは条件次第で実施されるので、この合わせ込みが行われない場合も有る。その場合においても同様に、同じPJの最後のウエハWが、DEV層のスタックの出口のモジュールに搬送されるまで、DEV層のCTが変化せず、PPD時間の変動が抑制される。
〔異フローの説明〕
各搬送制御の具体的な説明の前に、異フローについて説明しておく。露光機D5の後段のステップについて、以下のいずれかの条件を満たすPJ同士が異フローであるとされる。1つは、先発のPJと後発のPJとで、ステップ数が異なる場合が挙げられる。具体的には例えば、いずれか一方のPJでは通過するモジュールを他方のPJでは通過しない場合が挙げられる。
他の1つは、同一ステップで使用するモジュールが異なる場合である。これは具体的には、先発PJ、後発PJとも同じステップでウエハWを加熱モジュールに搬送するが、先発PJでは加熱モジュールとして1Aを、後発PJでは加熱モジュールとして1Bを使用する例が挙げられる。その他に、先発PJと後発PJとで同じマルチモジュールを使用するが、マルチモジュールのうち異なる番号のもの(つまり異なる箇所に位置するもの)を使用する例が挙げられる。さらに異フローとなる他の1つとしては、マルチモジュールのうち、先発PJと後発PJとで使用するモジュールとして設定される数が異なる場合がある。以上に述べたように、異フローとなるPJについては、互いに搬送経路が異なる。
以下、各搬送制御について詳しく説明する。説明にあたり先発のPJ-AのウエハW、後発のPJ-BのウエハWについて夫々A1、A2、A3・・・・、B1、B2、B3・・・と表記する場合が有る。英字はPJを表し、数字は一つのPJにおける装置への搬入順である。なお、後述するようにPJによっては露光機D5を経由しない搬送経路となる場合が有るが、ここでは各PJが図3、図4で説明した露光機D5を経由する搬送経路H1で搬送されるものとする。
〔第1搬送制御の詳細〕
以下、第1搬送制御について詳しく説明する。第1搬送制御を行うにあたり、露光後最大CTの決定がなされるが、これまでに述べたように第1搬送制御は、露光機D5から搬出されるウエハWの搬送経路上でのボトルネックに応じて露光機D5からの搬出タイミングを制御するものである。そのため、露光後最大CTの決定のために必要なMSCT(Max Step Cycle Time)及びACT(Arm Cycle Time)の算出対象となるPJとしては、露光機D5から搬出されるPJが属するPJ(説明の便宜上、搬出PJとする)か、あるいは搬出PJよりも先発のPJであり、終了しておらず、且つ搬出PJが露光機D5以降に通過するいずれかの層を通過するPJである。この先発のPJとしては、1つであることには限られず、複数の場合が有る。
さらにそのMSCTの元になるMUTCT(Module Using Time Cycle Time)及びACTの算出について述べる。層に関して見ると、上記のボトルネックに応じた搬送を行う目的から、上記の搬出PJが露光機D5の後段で通過する層が算出対象となる。従ってIFBS層、IFB層、DEV層、MPRA層、CRA層が対象の層である。算出対象のPJのウエハWが存在し、且つ算出対象である層からMUTCT及びACTが算出される。そして各層から得られるMUTCTの最大値であるMSCTと、各層から得られるACTのうちの最大値と、について最大となるものが、露光後最大CTとして決定される。露光機D5からアウトレディ信号が出力されると、その露光後最大CTの決定と、そのアウトレディ信号からの露光機CTの取得と、が行われる。
この露光機CTについては、当該アウトレディ信号R1が出力されたタイミングと、その直前にアウトレディ信号R1が出力されたタイミングとの間隔を、露光機CTとみなすことで取得する。そして、当該露光機CTと、露光後最大CTとの比較がなされ、露光機D5からのウエハWの搬出抑制を行うか否かの決定がなされる。搬出抑制を行う場合には、アウトレディ信号R1出力時点から露光機D5からの搬送を行うまでの露光機D5における待機時間が決定される。この待機時間は、図6で説明したZ秒に相当し、露光機CTと露光後最大CTとの差分に相当する時間である。
図8は、PJ-AのウエハWが露光機D5を順次通過し、DEV層に搬入されている状態を示している。そして露光機D5からアウトレディ信号R1が出力され、ウエハA9を露光機D5から搬出するものとする。そのアウトレディ信号R1が出力されてからその直前にアウトレディ信号が出されるまでの間隔(即ち、ウエハA8、A9について夫々のアウトレディ信号が出された間隔)が20秒であったとすると、この20秒が露光機CTとみなされる。そして、ウエハA9のアウトレディ信号R1が出された時点で、取得された露光後最大CTが22秒であったとする。
つまり、図8に示す状況は、露光後最大CT>露光機CTである。露光後最大CTと露光機CTとがこのような関係の場合は、露光機D5からのウエハWの搬出抑制を行うと決定される。さらにウエハA9についてのアウトレディ信号R1の出力時点から、露光機CT-露光後最大CTの差分の時間が経過した時点でウエハA9が露光機D5から搬出されるように決定される。従って具体的に、この図8の状況では、アウトレディ信号R1が出力されてから22秒-20秒=2秒後にウエハA9が露光機D5から搬出されるようにIFBS22の動作が制御される。
この図8の状況は、上記したように露光機D5の後段の各層のうち、次の層へウエハWを1枚搬送するために露光機CTの20秒よりも長い、22秒を要する層が有るということである。アウトレディ信号R1の出力後、速やかに露光機D5からウエハA9を搬出すると、DEV層の加熱モジュール1Aへ搬送されるまでの経路で滞留してしまうおそれが有るため、このように露光機D5からの搬出を遅らせる。
図9は、露光機CTが22秒であること、及び取得される露光後最大CTが20秒であることについて、図8で説明した状況とは異なっている。従って、図9では露光後最大CT<露光機CTである。このような関係の場合、アウトレディ信号R1が出力され次第、IFBS22はウエハA9を受け取り、後段のTRSへと搬送する。つまり、図8で説明したアウトレディ信号R1出力後の露光機D5からのウエハWの搬出抑制は行われない。これは、露光機D5が搬送のボトルネックとなっており、露光機D5よりも後段でのウエハWの滞留は抑制されることによる。なお同様の主旨により、露光後最大CT=露光機CTである場合についても、露光機D5からの搬出抑制は行われない
図10は加熱モジュール1A-1のブロッキングがなされたことで、露光後最大サイクルタイムが22秒から24秒に変化している点が、図8で説明した状態とは異なっている。ブロッキングによって再計算がなされたため、図8の状態に対して露光後最大CTに変化が生じている。この図10の状態は図8の状態と同様、露光後最大CT>露光機CTであるため、露光機D5からのウエハWの搬出抑制がなされ、アウトレディ信号R1の出力から露光後最大CT-露光機CTの時間経過後に、露光機D5からのウエハWの搬出が行われる。具体的には、アウトレディ信号R1の出力後、24秒-20秒=4秒後に露光機D5からウエハWが搬出される。
図11は、DEV層の一つのスタックにてPJ-A、PJ-Bが各々搬送中であり、ウエハB7が露光機D5から搬出される状態を示しており、露光機CTは20秒である。PJ-A、PJ-Bは同じ搬送経路H1で搬送されるため、DEV層のACT(Arm Cycle Time)については同じであるが、PJ-A、PJ-B間でのDEV層のMUTCT(Module Using Time Cycle Time)の最大値は異なる。PJ-AについてのDEV層のMUTCT、ACTのうちで最大の時間は22秒であり、PJ-BについてのDEV層のMUTCT、ACTのうちで最大の時間は19秒である。なお、露光機D5の後段でDEV層以外の各層から取得されるMUTCT及びACTはいずれも19秒よりも小さいものとする。
この場合、既述したルールにより露光後最大CTは、PJ-Aから算出された22秒として決定される。そして、露光後最大CT>露光機CTであるため、ウエハB7の露光機D5からの搬出抑制が行われ、アウトレディ信号R1の出力後、22秒-20秒=2秒後に当該ウエハWB7の露光機D5からの搬出が行われる。このように一つの層に複数のPJ(即ち複数のロットのウエハW)が位置する場合、PJ毎にMUTCTが算出されて、露光後最大CTが決定されることになる。
図12はPJ-A、PJ-Bが互いに異フローであり、PJ-Aが露光機D5を通過して、DEV層を含む露光機D5の後段の各層を搬送中の状態を示している。この場合、PJ-Bは露光機D5には搬送されず、露光機D5の前段側のモジュールで待機する。つまりPJ-Bの各ウエハWは、露光機D5の直前のモジュールであるICPLまでは搬送されるが、露光機D5には搬送されない。PJ-AのウエハWがすべてキャリアC内に格納されてPJ-Aが終了すると、露光機D5及びその後段へと、PJ-Bの各ウエハWが順次搬送されて、これまでに説明したように搬送制御がなされる。
異フローである各PJが露光機D5の後段に混在してしまうと、PJの切り替わりに各搬送機構の搬送動作が変化することによって、比較的大きなPED時間の変動が発生するおそれが有る。その変動を防止するために、このように先発PJ(第1ロット)と後発PJ(第2ロット)とが異フローの関係である場合、先発PJが終了するまで、後発PJの露光機D5への搬送が行われないようにする。
〔第2搬送制御の詳細〕
続いて、第2搬送制御について詳しく説明する。第2搬送制御を行うにあたっても露光後最大CTの決定がなされる。既述したように第2搬送制御についても第1搬送制御と同様に、露光機D5以降のウエハWの搬送経路でのボトルネックに応じて露光機D5からの搬送間隔を制御するものである。そのため露光後最大CTの決定のために必要なMUTCT(Module Using Time Cycle Time)及びACT(Arm Cycle Time)の算出対象となるPJとしては、以下の条件αまたは条件βに適合するウエハWである。なお、条件βに適合するPJは、第1搬送制御の場合と同様、1つとは限られない。図13は、ウエハWに設定されたPJを、先発のものから順にA、B、C、Dとして表し、これらのPJA~Dと、条件α、βとの対応を示したものである。条件αに適合するものがPJ-D、条件βに適合するものがPJ-A~PJ-Cである。
条件α:露光機D5へ次に搬入予定のPJが属するPJ(説明の便宜上、搬入PJとする)
条件β:搬入PJよりも先発のPJであり、終了しておらず、且つ搬入PJが露光機D5以降に通過するいずれかの層を通過するPJ
さらにそのMUTCT、ACTの算出について層に関して見ると、上記のボトルネックに応じた搬送を行う目的から、上記の搬入PJが露光機D5以降で通過する層が算出対象となる。第2搬送制御においても第1搬送制御と同様、算出対象のPJのウエハWが存在し、且つ算出対象である層からMUTCT、ACTが算出され、そのうちの最大値が露光後最大CTとして決定されることになる。
この決定について、より具体的に説明すると、図13に示したPJ-A~PJ-Dはいずれも、搬送経路H1で搬送されるものとして、ICPLにPJ-DのウエハWが位置した状態となっている。つまり、このPJ-DのウエハWが次に露光機D5に搬入予定のウエハWに該当し、このPJ-DのウエハWの搬送先である、IFBS層、DEV層、MPRA層、CRA層が算出対象の層である。そのうちのIFBS層、DEV層、MPRA層にPJ-A~PJ-DのウエハWが位置し、CRA層にはいずれのウエハWも位置しないとすれば、IFBS層、DEV層、MPRA層からMUTCT、ACTが算出され、露光後最大CTが決定されることになる。なお、以上に述べた露光後最大CTの決定は、第1搬送制御においても同様である。
そして、露光機D5からインレディ信号が出力され、且つICPLにウエハWが載置された状態で、上記の露光後最大CTが算出される。そして、直前にウエハWを露光機D5へ搬送してから経過した時間をG1、ICPLから露光機D5へのウエハWの搬送に要する時間をG2とすると、G1、G2の合計時間が算出され、その合計時間(G1+G2)と、露光後最大CTとの比較がなされる。比較の結果、露光後最大CT>時間G1+時間G2である場合(図14上段に示す場合)は、ICPLにおけるウエハWについて、当該ICPLにて待機させるように決定する。なお、時間G2を算出するためのパラメータ(搬送機構22が露光機D5、ICPL間の移動に要する時間、及び搬送機構22の基板保持部の進退により露光機D5、ICPLの各々に対してウエハWの受け渡しに要する時間)は制御部4に記憶されることで、当該時間G2については算出可能である。また制御部4は、インレディ信号の出力された時刻を記憶し、時間G1についても取得可能であるとする。
そのようにICPLでウエハWの待機を行うと決定された場合は、そのICPLでの待機時間が、露光後最大CT-時間G1-時間G2として算出される。つまり、露光後最大CTと時間G1、G2の合計時間との差分に応じた時間だけ、ICPLにおけるウエハWの待機を行う。なお、このように算出される待機時間は、図7で説明したZ秒に相当する。このように待機時間を露光後最大CTに基づいた時間として算出することで、第1搬送制御を行う場合と同様、露光機D5からウエハWが搬出される間隔を調整し、PEBがなされる前にウエハWが滞留することを防止する。
一方、露光後最大CT≦時間G1+時間G2と判定された場合は、ICPLに搬送されたウエハWについて、当該ICPLでの待機を行わずに露光機D5へ搬送する。図14下段に示す例は、露光後最大CT<時間G1+時間G2であるため、ICPLでの待機が行わないケースを示している。このように待機を行わないのは、露光機D5が搬送のボトルネックになっている(即ち、露光機D5よりも後段が搬送のボトルネックになっていない)ので、露光機D5から搬出されたウエハWについて、PEB用の加熱モジュール1Aへ至るまでに、搬送の停滞が起こらないと予想されるためである。
〔露光機への搬送停止条件〕
第2搬送制御の実行中においても第1搬送制御の実行中と同様、PED時間の変動をより確実に抑制するために、先発PJと後発PJとが異フローの関係である場合、先発PJのウエハWがすべてキャリアCに搬送されて当該PJが終了するまで、後発のPJは露光機D5へは搬送されない。従って図12で示したように、PJ-A、PJ-Bが互いに異フローであり、PJ-Aが露光機D5を通過して、DEV層を含む露光機D5の後段を搬送中は、PJ-Bは露光機D5の直前のモジュールであるICPLまでは搬送されるが、露光機D5には搬送されない。そしてPJ-Aの終了後に、露光機D5へ順次PJ-Bが搬送される。
また第2搬送制御の実行中、ICPLに位置するウエハWが露光機D5以降に通過するステップ及び/または層であって、以下の条件1~条件4のいずれかを満たす場合は、当該ウエハWの露光機D5への搬送を行わない。条件1としては、マルチスタックのすべてのスタックの搬送機構に対してアームブロッキングの指示をしていることである。具体的には、既述したように3つ存在するDEV層のスタックうちのPRA34~36のすべてにアームブロッキングの指示をしている場合である。条件2としては、アームブロッキングを指定していないが、同じ層で同じステップのすべてのモジュールが使用不可になっていることである。具体的には上記の搬送経路H1でウエハWを搬送して処理を行うにあたり、DEV層の中でのすべての現像モジュール15(即ち、3つのスタックすべての現像モジュール15)が使用不可であるとする。その場合は、この条件2に該当する。
条件3、4を説明する前にバイパス対象モジュール及び検査モジュールについて説明する。一のモジュールについて使用不可となった場合に、その一のモジュールを経由せずに当該一のモジュールの後段のモジュールへとウエハWを搬送することができるように設定されたモジュールをバイパス対象モジュールとする。そのような搬送を行うことが不可のモジュールをバイパス対象外モジュールとする。つまり、バイパス対象モジュールは、当該モジュールへウエハWを搬送しないということが許容されるモジュールであるが、既述の搬送経路H1上のモジュールは、いずれもバイパス対象外モジュールであるものとする。また、塗布、現像装置1についてはDEV層など任意の層にウエハWを撮像して所定の検査を行うための検査モジュールを搭載してもよい。そのように検査を行うことが目的であるため、検査モジュールへの搬送は省くことも可能である。条件3としては露光機D5の後段において、モジュールブロッキングが未指示の状態で、あるステップにおけるバイパス対象外モジュールがいずれも使用不可の場合である。条件4としては露光機D5の後段のあるステップにおける、検査モジュール以外のバイパス対象外モジュールがいずれも搬送不可の場合である。
このように条件1~4は、ICPLに位置するウエハWが通過する予定の層及び/または通過する予定のモジュールへの搬送が行えず、仮に露光機D5に搬送したら、露光機D5の後段にて搬送を停止しなければならない状態である場合に、露光機D5への搬入停止がなされるように設定されている。即ち、露光機の後段における一のモジュールと、当該一のモジュールの後段の他のモジュールとの間でウエハWの搬送が行えない場合は露光機D5へウエハWを搬送しない。そして、上記の条件1~4をいずれにも該当せず、搬送を停止しなければならない状態が解消されたら、ICPLから露光機D5へのウエハWの搬送を行う。
〔パラメータ算定対象となる層の説明の補足〕
第2搬送制御を行うにあたり、後発PJに対して先発PJが異フローである場合には、後発PJの露光機D5への搬送は行わないものとして述べた。しかし、そのように異フローの存在によって露光機D5への搬送停止を行うか否かは、ユーザーが選択可能である。さらに具体的には、先発PJと後発PJとで通過する層及び/またはモジュールが異なっていても先発のPJの終了前に後発のPJを露光機D5へ搬送できるように設定することが可能である。当該設定を、異フロー許容設定とする。異フロー許容設定により、先発のPJが終了するまでの露光機D5での後発PJの待機が行われないようにし、スループットを高めることができる。後発PJが搬送経路H1で説明した各層を通過するものとして、この後発PJのウエハWがICPLに搬送された場合に、上記したように第2搬送制御に必要な露光後最大CTを取得するために必要なMUTCT、ACTを取得する対象の層について、説明を補足する。
ここでは先発PJとしては下記の搬送経路H1と同じ層を通過するか、あるいは以下の搬送経路H2~H5で搬送される場合が有るものとする。なお、先発PJで使用される処理モジュールとしては、搬送経路H1で使用される処理モジュールと同じ種類の処理モジュールであることには限られず、一部のモジュールを通過しなかったり、図1等では説明を省略しているモジュールに搬送されたりしてよい。
搬送経路H2:キャリアC→CRA層→MPRA層→COT層→IFB層→IFBS層→IFBS層→IFB層→DEV層→MPRA層→CRA層→キャリアC
搬送経路H3:キャリアC→CRA層→MPRA層→COT層→IFB層→IFB層→DEV層→MPRA層→CRA層→キャリアC
搬送経路H4:キャリアC→CRA層→MPRA層→COT層→MPRA層→CRA層→キャリアC
搬送経路H5:キャリアC→CRA層→MPRA層→DEV層→MPRA層→CRA層→キャリアC
このように先発PJと後発PJとで搬送経路が違う場合であっても、露光機の後段でのウエハWの搬送経路におけるボトルネックに応じてICPLでの待機を行うようにする主旨から、露光機D5に次に搬送されるウエハWの通過する予定の層がMUTCT及びACTの取得対象の層となる。従って取得対象の層としては、先発PJが搬送経路H1、H2で搬送される場合は、IFBS層、IFB層、DEV層、MPRA層及びCRA層であり、搬送経路H3で搬送される場合は、IFB層、DEV層、MPRA層及びCRA層であり、搬送経路H4で搬送される場合は、MPRA層及びCRA層であり、搬送経路H5で搬送される場合、IFB層、DEV層、MPRA層及びCRA層である。
以上のように異フロー許容設定がなされていても、算定対象となる各層からこれまでに述べたように、各PJのMUTCT、ACTが取得されて露光後最大CTが決定される。そして、その露光後最大CTに応じて、ICPLにてウエハWが待機する。この異フロー許容設定が行われている場合、後発PJのウエハWが通過しないステップがボトルネックとなる先発PJが存在する場合であっても、後発PJが先発PJを追い越しできずにDEV層の入口などで待機する状態となってPED時間が乱れることが防止されることになる。
ところで、露光機D5への搬送を停止する行う第1~第4条件及び異フロー許容設定について、第2搬送制御に関する事項として説明したが、第1搬送制御についても適用される。つまり、第1搬送制御を行うにあたり、第1~第4条件のいずれかに該当する場合は、露光機D5へのウエハWの搬送を停止する。また、第1搬送制御を行うにあたり、搬送される層、モジュールが異なる先発PJの終了前に、後発PJのウエハWを露光機D5に搬送可能な設定とすることができる。
〔第3搬送制御の説明〕
続いて、第3搬送制御について説明する。この第3搬送制御を行うにあたっては、予め露光機CTの設定がなされる。第1搬送制御の説明で、アウトレディ信号の出力間隔を露光機CTとみなすことを述べたが、PPD時間をより精度高く制御するために、露光機CTは予め用意した設定値を用いるか、露光機D5から取得することが好ましい。露光機D5から取得する場合は、例えば塗布、現像装置1で処理を開始する際に、塗布、現像装置1の制御部4と露光機D5の図示しない制御部とを統括するホストコンピュータを経由することで制御部4が取得可能であるようにする。
ユーザーによって第3搬送制御を行う選択がなされた状態で、上記の第2搬送制御が実行される。例えば任意のPJが搬送経路H1で搬送されるにあたり、露光機D5に搬入される前に当該PJのDEV層のCTと、露光機CTと、が比較される。なお、ここでのDEV層のCTとは、PJで指定されるDEV層におけるACT、及び入口及び出口以外のモジュールから取得されるMUTCTのうちの最大値であり、以降は本来のDEV層のCTとして表記する場合が有る。なお、この本来のDEV層のCTは、これまでに述べてきたようにPRA34~36の周回移動時間とスタック数とから算出される時間であり、PJによって予め設定された、PRAの周回移動時間に対応する区間搬送時間に該当する。ウエハWの搬送にあたって、この本来のDEV層のCTが設定されるとは限られないため、この本来のDEV層のCTとは、制御部4が演算によって取得することができ、DEV層のCTとして設定され得る候補値である。露光機CTも、この本来のDEV層のCTと同じく、DEV層のCTとして設定され得る候補値である。
比較の結果、露光機CTの方が長い(露光機CT>DEV層のCT)場合は、ICPLよりも後段において露光機D5及びDEV層のうち、露光機D5の方が搬送のボトルネックとなる。この場合、上記のPJのウエハWは、ICPL、露光機D5を介してDEV層へ搬入された後、DEV層では、区間搬送時間である当該DEV層のCTが露光機CTへの合わせ込まれた状態で、出口のモジュールであるSCPL3へ向けて搬送される(図15)。従って、当該PJのウエハWは、本来のDEV層のCTよりも長いCTが設定された状態で、DEV層内を搬送される。さらに詳しく述べると、DEV層のPRA34~36は、PJによって予め決められた時間とは異なる時間での周回動作を行うことで、DEV層における搬送が行われていることになる。先述したように同じPJのウエハWのうち、少なくとも当該DEV層にて搬送される最後のウエハWがSCPL3に搬送されるまで(即ち、当該PJの当該DEV層での搬送が終わるまで)、DEV層のCTは変化しない。後発のPJ次第では、DEV層のCTは露光機CTのまま維持される。
なお、以上のように搬送が行われる間、第2搬送制御の実行中のため、ICPLから露光機D5へウエハWを搬送するにあたり、図14で説明した計算がなされることで、ICPLにおけるウエハWの待機が適宜行われることになる。ただし、露光機D5が搬送のボトルネックであることで、インレディ信号の出力間隔が比較的長いことから、インレディ信号が出力された時点で露光後最大CT<時間G1+時間G2の傾向となる。そのためICPLでのウエハWの待機は行われ難い傾向である。
このように搬送制御がなされることで、同じPJのすべてのウエハWがDEV層内を一定間隔で搬送されるため、当該PJのウエハW間でPPD時間が揃う。また、露光機サイクルタイム(即ち、露光機D5からのウエハWの搬出間隔)と、DEV層のサイクルタイムとが同じであるため、各ウエハWは一定間隔で加熱モジュール1Aへ搬送されるので、同じPJのウエハW間でPED時間も揃う。
一方、露光機D5に搬入される前のPJについてのDEV層のCTと、露光機CTとの比較の結果、露光機CTの方が長い場合(露光機CT≦DEV層のCTの場合)は、露光機D5及びDEV層のうち、DEV層の方が搬送のボトルネックとなる。この場合は、上記のPJのウエハWは、ICPL、露光機D5を介してDEV層へ搬入された後、DEV層では、本来のDEV層のCTが設定された状態で、出口のモジュールであるSCPL3へ向けて搬送される(図16)。つまり、DEV層のCTの露光機CTへの合わせ込みは行われない。この場合も第2搬送制御が実行されているため、図14で説明した計算によりICPLにおけるウエハWの待機が適宜行われる。
上記のように第2搬送制御が実行されていることで、露光機D5からのウエハWの搬出間隔、ひいてはDEV層への搬入間隔が一定ないしは概ね一定である。そして、DEV層内では一定間隔(本来のDEV層のCT)で順次、ウエハWが搬送されるので、この場合においてもPED時間及びPPD時間がウエハW間で揃う。このように本来のDEV層のCTでウエハWが搬送される場合も、同じPJのウエハWのうち、当該DEV層にて搬送される最後のウエハWがDEV層の出口のモジュールに搬送されるまで、DEV層のCTは変化しない。
〔露光機へのウエハの搬入制限〕
第3搬送制御が行われる設定とした場合、先発PJと後発PJとが異フローであると、先発PJが終了するまで後発PJのウエハWは露光機D5には搬送されず、第1搬送制御及び第2搬送制御で説明したように、後発PJは先発PJの終了後にICPLから順次露光機D5に搬送される。従って、先発PJの終了までにICPLに搬送されたウエハWは、ICPLで待機する。これは第1搬送制御及び第2搬送制御で述べた異フローの後発PJを露光機D5への搬入を防ぐ理由と同様、先発PJが終了するまでに後発PJのウエハWを露光機D5に搬送してしまうと、当該後発PJのウエハWをDEV層の入口で待機させる場合が発生して、PED時間が伸びるおそれが有るためである。
また後発PJと先発PJとについて、DEV層のCTが変更される関係となる場合においても後発PJのウエハWは露光機D5へは搬送されず、先発PJが終了するまで後発PJのウエハWは露光機D5には搬送されない。これは先発PJの先頭のウエハWから最後のウエハWまで一定のサイクルでDEV層内を搬送されるので、その間、DEV層のCTが異なる後発のPJについてはDEV層内を搬送できないためである。
具体例を挙げると、先発PJについて露光機CT>露光後最大CTという関係で、DEV層のCTが露光機CTへ合わせ込まれて搬送が行われているとする。そして、ICPLに搬送された後発PJについては、DEV層のCT>露光機CTになるものであるとする。即ち、後発PJのDEV層搬送時には合わせ込みが行われず、DEV層のCTが変化することになる。そのため後発PJは、先発PJの終了まで露光機D5へは搬送されない。また他の例を挙げると、先発PJについてDEV層のCTが本来のCTで搬送されており、ICPLに搬送された後発のPJについて、DEV層のCTがその先発のPJのDEVのCTとは異なるように設定されているものとする。その場合も後発PJのDEV層搬送時にDEV層のCTが変化することになるので、後発PJは、先発PJの終了まで露光機D5へは搬送されない。このように先発PJの搬送時に対して、DEV層におけるPRA34~36の周回移動の時間が変更されることになる場合、後発PJの露光機D5への搬送は停止される。
〔使用モジュール数の制限について〕
仮にDEV層の一つのスタックにおいて任意の一のステップのマルチモジュールをすべて使用する場合を考える。その場合は、マルチモジュールのうちの一のモジュールに搬送されたウエハWは、マルチモジュールの数の分だけDEV層のサイクル(即ち、PRAの周回)が行われた後、当該マルチモジュールの次のモジュールへと搬送される。従って、当該ウエハWは、DEV層のCT×マルチモジュールの数の時間分だけ、当該一のモジュールに滞在する。具体的に、図15、図16に示すように加熱モジュール1Aとしては1A-1~1A-4の4個が設けられているため、加熱モジュール1A-1に搬送されたウエハWは4サイクル経過後に次のSCPL2へと搬送される。図15等で述べたDEV層のCTの合わせ込みが行われる場合は、ウエハWは加熱モジュール1A-1に、露光機CT×4サイクル分の時間滞在することになる。
そのDEV層のCTについては露光機CTへの合わせ込みにより、本来のCTから見て延長されている。従ってウエハWの各モジュールへの滞在時間についても延長され、PPD時間についても長期化する傾向となる。このPPD時間が長くなることを抑制するために、この合わせ込みの実行時に、DEV層におけるマルチモジュールにおける使用モジュール数を制限することができる。より詳しくはDEV層の入口及び出口を除いた各ステップのモジュールについての数を制限することができ、この制限は、使用モジュール数が露光機CTでDEV層の搬送を行うために最低限必要な数(必要モジュール数とする)になるように行われる。つまりDEV層の各ステップにおいて、当該DEV層の1サイクルにあたり1枚のウエハWを次のステップへ搬送可能な最低のモジュールの数が必要モジュール数であり、ここでの1サイクルの時間は露光機CTの時間である。なお、この使用モジュール数の制限を行うか否かは、ユーザーが選択可能である。
図17はそのように使用モジュール数を制限してDEV層の搬送を行う例を示しており、使用しないモジュールに×印を付している。説明の煩雑化を防ぐために、先ず、DEV層がマルチスタックでは無いものとして、必要モジュール数の算出方法を述べると、当該必要モジュール数としては、各モジュールのMUT/露光機CTの値とし、算出値が小数値を含む場合はその小数値を切り上げて整数とする。例えば露光機CTが100秒であるとする。そして任意のPJについて、加熱モジュール1AのMUTは90秒、SCPL2のMUTは40秒、現像モジュール15のMUTは130秒、加熱モジュール1BのMUTは90秒と算出されるとする。この場合、加熱モジュール1Aの必要モジュール数は、90秒/100秒の小数点以下を切り上げることで、1として算出される。同様の計算で、SCPL2、現像モジュール15、加熱モジュール1Bについての必要モジュール数は、夫々1、2、1と算出される。
上記したようにこれは使用されるDEV層のスタックの数を1とした場合の値である。これまで述べてきたように使用されるDEV層のマルチスタック数を3とするなら、例えば既述したMUTCTを求める式1と同様、搬送比率を用いてスタック毎の必要モジュール数を決めればよい。つまり3つの各スタックに均等にウエハWが搬送されるものとして、1つのスタックの現像モジュール15の必要モジュール数は、130秒/マルチスタックの数(=3)/露光機CT=1として決定すればよい。
以上のように各ステップのマルチモジュールについて、算出された必要モジュール数に応じて、いずれのモジュールを使用するかを決定する。例えば、番号の若い順からその算出された数のモジュールが使用されるようにする。そして、そのように使用が決定されたモジュールに限定して、この必要モジュール数の算出の元になったPJのウエハWを搬送し、処理を行う。このようにマルチモジュールのうち、使用されるモジュール数が限られることで、そのように使用されるモジュールにおけるウエハWの滞在時間は、露光機CT×必要モジュール数となるので、モジュール数を限らない場合に比べてウエハWは速やかに次のステップのモジュールに搬送される。それ故に、PPD時間が短縮化される。
なお、先発PJと後発PJとで算出される必要モジュール数が異なる場合がある。具体例を挙げると、加熱モジュール1Aにおいて、先発のPJでは処理時間が75秒、後発のPJでは処理時間が100秒であることで、先発のPJ、後発のPJとの間でMUT、ひいてはMUTから算出される必要モジュール数が異なる場合が有る。このように算出される必要モジュール数が異なる場合、既述した先発PJと後発PJとが異フローとなる条件に該当するため、後発PJについては先発PJが終了するまで、露光機D5への搬送が行われない。
上記したように使用モジュール数の制限を行うか否かは選択可能である。この選択の一例として、PPD時間が比較的長くてもウエハWに形成されるパターンへの影響が無い、ないしは小さい場合は、必要モジュール数の変動によって後発のウエハWが露光機D5へ搬送不可になることでのスループットの低下が防止されるように、使用モジュール数の制限を行わない設定とする。そして、PPD時間が比較的長いと、ウエハWに形成されるパターンへの影響が比較的大きい場合には、使用モジュール数の制限を行う設定とすることで、PPD時間を抑制すればよい。
〔補足事項〕
以上のように第1搬送制御と、第2搬送制御及び第3搬送制御とは別個に行われるので、第1~第3搬送制御のうち、第1搬送制御のみ、あるいは第2搬送制御及び第3搬送制御のみが行われるように制御部4が構成されていてもよい。なお、第2搬送制御及び第3搬送制御については、第2搬送制御のみ行われるようにしてもよい。
第3搬送制御を行うにあたって露光機CTを設定することを述べた。そして、第1搬送制御を行う際にアウトレディ信号の出力間隔を露光機CTとみなすと述べたが、第1~第3搬送制御を実行可能であるとした場合には、第1搬送制御において、そのアウトレディ信号の出力間隔を用いる代わりに、第3搬送制御を行うために設定される露光機CTを利用してもよい。なお、精度高くPPD時間の制御を行うために第3搬送制御では既述したように露光機CTを設定しているが、その既述のように設定することには限られない。第1搬送制御と同様にアウトレディ信号の出力間隔を、露光機CTとみなして使用してもよい。また、露光機D5に適切な間隔でウエハWを搬入出すると、アウトレディ信号の出力間隔だけでなく、インレディ信号の出力間隔も概ね露光機CTと同じになることから、適切なタイミングで取得したインレディ信号の出力間隔を露光機CTとみなして使用してもよい。以上のように露光機CTの取得方法は任意である。
第1搬送制御、第2搬送制御で既述したように演算を行い、取得した時間だけ、露光機D5、ICPLに待機をさせるように述べたが、適宜オフセットの時間を設定してもよい。従って、取得した時間に応じた時間、ウエハWを待機させることができ、ここでいう取得した時間に応じた時間には、取得した時間そのものも含まれる。
〔バッファモジュール〕
図18においては露光機D5による露光後でDEV層に搬送する前のウエハWを一旦格納するバッファモジュール5をインターフェイスブロックD4に設け、このバッファモジュール5を利用した搬送が行われる例を示しており、上記したPPD時間を揃えるための第3搬送制御が行われた状態で当該搬送がなされる。この搬送の概要を述べると、ウエハWは露光機D5から搬出されてTRS5に受け渡される。そして、このTRS5のウエハWは条件次第で、DEV層の入口であるTRS6に直接搬送されるか、あるいは格納モジュールであるバッファモジュール5に一旦格納された後にTRS6に搬送される。なお、TRS6への搬送後には、ウエハWはこれまでに説明したようにDEV層内の各モジュールを順番に搬送される。
バッファモジュール5は側方からウエハWを搬入出可能な筐体を備えており、例えば筐体内にウエハWを上下方向に並べて格納可能である。この筐体内にはNガスを供給する供給口が開口しており、筐体内をNガス雰囲気とする。従って、当該筐体内におけるウエハWを格納する領域の雰囲気は、筐体の外側の大気雰囲気とは異なる。PED時間の変動によってレジストパターンのCDが変動することを述べたが、これは塗布、現像装置1が設置されるクリーンルーム内の大気中の成分の作用による。後述するように第3搬送制御を行うにあたり、露光機CTの変動に起因して、PED時間が同じPJのウエハW間でずれる場合がある。必要に応じてバッファモジュール5に当該ウエハWが格納されることでウエハWが大気に曝されることを防止し、それによってこのPED時間のずれによるCDのばらつきが抑制されるようにする。
図19、図20のタイミングチャートを用いて、バッファモジュール5の役割をさらに詳しく説明する。なお、ここでも説明の便宜上、DEV層のスタックの数は1つであるものとするが、スタックが複数の場合であっても同様に搬送を行うことができる。図19、図20のチャートは、PJ-AのウエハA1~A3の搬送例を示すものであり、図19、図20で各々異なる搬送例を示し、また同じ図内でも上段、下段で各々異なる搬送例を示している。
チャート図中のK1は、ウエハWが露光機D5に搬入されてからアウトレディ信号が出力されるまでの期間+インターフェイスブロックD4(IFB層、IFBS層)を搬送される期間である。従って、この期間K1は露光機CTに応じて長さが変化する期間であり、露光機CT対応期間として呼称する。図中のK2は、DEV層のPRA36によってウエハWが搬送される期間であり、DEV層搬送期間として呼称する。図中のK3は、DEV層においてウエハWがモジュールにて処理を受ける期間と、PRA36による受け取りを待つ期間とを合わせた期間である。従って、この期間K3はPRA36の周回移動時間に応じて長さが変化する期間であり、非搬送期間として呼称する。
DEV層搬送期間K2及び非搬送期間K3の合計の長さの期間が、ウエハWのDEV層での滞在期間である。実際には、ウエハA1~A3の各々について、期間K2、K3は時間が経過するにつれて交互に繰り返し出現することになるが、チャートでは煩雑化を防ぐために期間K2を一まとめにすると共に、期間K3を一まとめにして示している。そのように一まとめにしたDEV層搬送期間K2の開始のタイミングは、PRA36がDEV層の入口でウエハWを受け取るタイミングを示している。またチャート中、一定間隔で時刻t1~t4を示している。
図19上段の搬送例は、第3搬送制御が行われる上で露光機CTが一定である状態を示し、時刻t1、t2、t3の各々でウエハA1、A2、A3はDEV層のPRA36に受け取られる。そして、露光機CTと同じ周回移動時間をもってPRA36が周回し、ウエハA1~A3に対してDEV層での搬送、処理が行われる。そして、時刻t2、t3、t4の各々でウエハA1、A2、A3はDEV層から搬出される。このように搬送がなされることで、PED時間及びPPD時間についてウエハA1~A3間で揃っている。
図19下段及び図20の各段の搬送例は、露光機CTの変動が生じた場合の搬送例について示したものである。具体的にはウエハA2についてのアウトレディ信号が、予定されるタイミングよりも早く出力された場合の搬送例を示している。図19下段の搬送例では、そのウエハA2について図19の上段の例と同じく時刻t2でPRA36に受け取られるように搬送制御が行われている。従って、このウエハA2は図19上段の例よりも長く露光機D5にて待機しており、それ故にウエハA2のPED時間は、ウエハA1、A3のPED時間と異なってしまっている。なお、PRA36は一定の周回移動時間をもってウエハA1~A3を搬送しているため、PPD時間についてはウエハA1~A3間で揃っている。
図20上段は、ウエハA1~A3でPED時間が揃うように搬送制御が行われる例を示している。ウエハA1についてはモジュールにて待機する時間を短縮させる。即ち、ウエハA1の期間K3について短縮する。それによってPRA36が時刻t2よりも早いタイミングでDEV層の入口(TRS6)でウエハA2を受け取る。そして、このウエハA2の期間K3については延長し、ウエハA3については図19上段と同様、時刻t3でDEV層の入口にてPRA36に受け取られるようにする。しかし、このように期間K3をウエハA1~A3間で変動させることは、PRA36の周回移動時間が変動することであるためPPD時間のばらつきが生じてしまう。
そこでウエハA1、A2の期間K3を変更する代わりに、図20下段に示すようにウエハA2をDEV層の入口(TRS6)に搬送する前に、バッファモジュール5に一旦格納する。その後、ウエハA2をDEV層の入口へ搬送し、露光機CTが一定の場合と同様、時刻t2でPRA36がウエハA2を受け取るようにする。なお、ウエハA1、A3については図19上段の例と同様に搬送されることで、時刻t1、t3で夫々PRA36に受け取られる。このように搬送制御が行われることで、図20下段の搬送例では図19下段で述べたPED時間がウエハA1~A3間で変動することの影響が抑えられる。なお、図19下段の搬送例と同様、図20下段の搬送例についてもPRA36は一定の周回移動時間をもってウエハA1~A3を搬送しているため、PPD時間についてはウエハA1~A3間で揃っている。従って、この図20下段に示す搬送例では、ウエハA1~A3間でレジストパターンのCDの均一性が低下することが防止される。
以上の図20下段の搬送例が、図18に示した搬送例に該当する。この搬送例ついてさらに詳しく説明すると、制御部4により、露光機D5のアウトレディ信号の出力タイミングについて、露光機CTに基づいた予定の出力タイミング(予定の搬出可能タイミング)よりも実際のアウトレディ信号の出力タイミング(実際の搬出可能タイミング)が早いか否かの判定がなされる。そして、予定の出力タイミングよりも実際の出力タイミングが早くないと判定されたウエハA1、A3については、バッファモジュール5を経由せずにDEV層の入口(TRS6)に搬送される。予定の出力タイミングよりも実際の出力タイミングが早いと判定されたウエハA2については、上記したようにバッファモジュール5を経由してDEV層の入口に搬送される。このようにアウトレディ信号の出力タイミングのずれに応じて、バッファモジュール5に搬送するか否かの判定が行われ、その判定結果に従ってウエハA1、A3と、ウエハA2とで搬送経路が異なるように搬送制御が行われる。
時刻t2でPRA36がウエハA2を受け取れるようにするために、バッファモジュール5でウエハA2は、アウトレディ信号についての予定の出力タイミングと実際の出力タイミングとのずれの時間に対応する時間だけ待機される。具体的には例えば、このずれの時間からTRS5からバッファモジュール5への搬送に要する時間及びバッファモジュール5からDEV層の入口のTRS6への搬送に要する時間を差し引いた時間だけ待機されることになる。
図21には、バッファモジュール5を搭載したインターフェイスブロックD4の構成例を示している。図1で示した例とは異なり、IFBS22がタワーT2の右側に配置され、IFB21がタワーT2の前方側に配置されており、IFB21の前方側にバッファモジュール5が配置されている。なお、このようなレイアウトとすることには限られず、例えばタワーT2を構成するモジュールとしてバッファモジュール5を設けてもよい。IFB21、IFBS22についても、既述した各モジュール、露光機D5に対してウエハWの受け渡しが行えればよいので、配置を適宜変更可能である。インターフェイスブロックD4における搬送機構の数についても、IFB21、IFBS22の2つのみを設けることに限られず、設置されるモジュールの数や配置に応じて適切な数を設ければよい。
なお、PED時間によるレジストパターンのCDの変動は、上記したように大気中の成分によって引き起こされるが、その成分の中では水分の作用が大きいと考えられている。そのためバッファモジュール5を構成する筐体内に供給するガスとしては、筐体の内外で雰囲気が異なるようにするガスであって、より具体的には筐体の外側に比べて筐体内の相対湿度を低くするガスが好ましく用いられる。故に、筐体内に供給されるガスとしてはNガスには限られず、アルゴンガスなどのNガス以外の不活性ガスや、筐体の周囲の大気よりも水の含有率が低いドライエアなどのガスであってもよい。また、バッファモジュール5は複数枚のウエハWを格納可能であるように述べたが、露光機サイクルタイムが比較的安定する露光機D5を用い、バッファモジュール5への搬送が散発的になる場合、1枚のみのウエハWを格納可能な構成としてもよい。
ところでこれまでの説明で示されるように、同じPJのウエハWについて、DEV層のサイクルが一定であり、DEV層のPRAの受け取りまでの間に、Nガス雰囲気でウエハWを待機させてPED時間のばらつきの影響を抑えることで、当該ウエハW間でのパターンのCDを均一化させることができる。そのためDEV層の入口、即ちTRS6について、バッファモジュール5によって構成されていてもよい。即ち、バッファモジュール5としては、露光機D5からDEV層の入口に至るまでの搬送経路上に設けられていればよく、この場合での入口に至る、とは入口そのものも含む。
なお基板処理装置としては塗布、現像装置に限られない。例えば、レジスト塗布を行わず、露光、現像以降の処理のみを行う構成の装置であってもよい。基板としてもウエハWに限られず、FPD(フラットパネルディスプレイ)基板であってもよい。そして、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更及び組み合わせがなされてもよい。
C キャリア
ICPL 温度調整モジュール
TRS 受け渡しモジュール
W ウエハ
1A 加熱モジュール
11 CRA(搬送機構)
12 MPRA(搬送機構)
15 現像モジュール
21 IFB(搬送機構)
22 IFBS(搬送機構)
34~36 PRA(搬送機構)

Claims (16)

  1. キャリアから取り出した基板をモジュール群及び露光機を経由して前記キャリアに搬送する搬送機構群を備え、
    前記モジュール群には、前記露光機の前段で前記基板を載置する前段モジュールと、
    前記露光機の後段で前記基板を載置する第1~第2後段モジュールと、加熱モジュールと、現像モジュールと、が含まれ、
    前記搬送機構群には、前記前段モジュール、前記露光機、前記第1後段モジュールの順で前記基板を搬送する第1搬送機構と、前記第1後段モジュール、前記加熱モジュール、前記現像モジュール、前記第2後段モジュールの順で前記基板を搬送する第2搬送機構と、前記第2後段モジュールから前記キャリアへ向けて前記基板を搬送する1つ以上の後段搬送機構と、が含まれる基板処理装置を用いた基板搬送方法において、
    前記露光機において前記基板を搬入してから当該基板が搬出可能となる間隔を露光機サイクルタイムとすると、
    前記露光機に搬送予定の前記基板について取得される、前記第2搬送機構による搬送区間から前記後段搬送機構による搬送区間へと前記基板を搬送する区間搬送時間と、前記露光機サイクルタイムと、を比較する比較工程と、
    前記比較工程の結果に応じて、前記区間搬送時間を設定する設定工程と、
    を備える基板搬送方法。
  2. 前記設定工程は、
    前記比較工程において前記露光機サイクルタイムが、前記区間搬送時間よりも長い場合に、前記区間搬送時間が、当該露光機サイクルタイムとなるように設定する工程である請求項1記載の基板搬送方法。
  3. 前記露光機から搬出され、前記第1後段モジュールに搬送される前の前記基板を格納モジュールに搬送し、周囲とは異なる雰囲気を形成した領域に前記基板を格納する格納工程を含む請求項2記載の基板搬送方法。
  4. 前記露光機サイクルタイムに基づいた前記露光機からの前記基板の予定の搬出可能タイミングと、実際の搬出可能タイミングとのずれに応じて、前記格納工程が行われるか否かが決定される請求項3記載の基板搬送方法。
  5. 前記格納工程は、
    前記ずれの時間に対応する時間、前記基板を前記格納モジュールに滞留させる工程を含む請求項4記載の基板搬送方法。
  6. 前記基板に対して同種の処理を行うモジュールをマルチモジュールとすると、
    前記第2搬送機構の搬送区間におけるマルチモジュールについて、モジュールにおける前記基板の滞在時間と、前記露光機サイクルタイムと、に基づいて、使用するモジュールの数を決定する工程と、
    前記設定工程が実行された状態で、前記決定された数のモジュールに前記基板を搬送する工程と、
    を含む請求項2記載の基板搬送方法。
  7. 前記比較工程において、前記露光機サイクルタイムが前記区間搬送時間以下である場合に、前記設定工程が行われない請求項3記載の基板搬送方法。
  8. 複数の前記基板を含むロットを搬送するにあたり、前記ロットの先頭の基板を前記第2搬送機構により搬送してから、当該第2搬送機構で当該ロットの最後の基板を前記第2後段モジュールに搬送するまで、前記区間搬送時間が変更されない請求項7記載の基板搬送方法。
  9. 前記露光機の後段側の搬送経路にて、前記基板の搬送を行う前記各搬送機構に対応する搬送区間毎に、前記基板を次の搬送区間へと搬送するために要する区間搬送時間を取得する工程と、
    前記区間搬送時間のうちで最も長い最大区間搬送時間に基づいて、前記第1搬送機構による前記露光機に対する前記基板の搬入を行う搬入工程と、を備え、
    前記搬入工程は、
    前記前段モジュールから前記露光機への前記基板の搬送に要する時間と、前記露光機へ直前に搬送された前記基板の当該搬送後の経過時間と、の合計時間と、前記最大区間搬送時間と、を比較する時間比較工程と、
    前記時間比較工程により、最大区間搬送時間が前記合計時間よりも長い場合は、当該合計時間と当該最大区間搬送時間との差分に応じた時間、次に前記露光機に搬送する基板を前記前段モジュールにて待機させた後に、当該基板を前記露光機に搬送する工程と、
    を含む請求項8記載の基板搬送方法。
  10. 前記区間搬送時間を取得する工程は、前記搬送区間に位置する前記基板の各モジュールでの滞在時間と、マルチモジュールにおけるモジュールの使用数と、に応じて、当該区間搬送時間の第1候補を取得する工程と、
    当該搬送区間における前記搬送機構の搬送工程数に対応する、前記区間搬送時間の第2候補を取得する工程と、
    を含み、
    各搬送区間から取得される前記第1候補及び前記第2候補のうち最も長いものが前記最大区間搬送時間である請求項9記載の基板搬送方法。
  11. 前記マルチモジュールにおけるモジュールの使用数が変動した場合に、前記最大区間搬送時間を再取得する工程を含む請求項10記載の基板搬送方法。
  12. 前記露光機の後段に先に搬送される前記基板の第1ロット、次に搬送される前記基板の第2ロットについて、
    前記第1のロットを搬送する際の前記第2搬送機構の区間搬送時間と、第2のロットを搬送する際の前記第2搬送機構の区間搬送時間とが異なるか、あるいは第1ロットと第2ロットとで前記露光機の後段における搬送経路が異なる場合、
    前記第1ロットの最後の基板が前記キャリアに搬送されるまで、前記第2ロットの前記露光機への搬送を停止する請求項1記載の基板搬送方法。
  13. キャリアから取り出した基板をモジュール群及び露光機を経由して前記キャリアに搬送する搬送機構群を備え、
    前記モジュール群には、前記露光機の前段で前記基板を載置する前段モジュールと、
    前記露光機の後段で前記基板を載置する第1~第2後段モジュールと、加熱モジュールと、現像モジュールと、が含まれ、
    前記搬送機構群には、前記前段モジュール、前記露光機、前記第1後段モジュールの順で前記基板を搬送する第1搬送機構と、前記第1後段モジュール、前記加熱モジュール、前記現像モジュール、前記第2後段モジュールの順で前記基板を搬送する第2搬送機構と、前記第2後段モジュールから前記キャリアへ向けて前記基板を搬送する1つ以上の後段搬送機構と、が含まれる基板処理装置において、
    前記露光機において前記基板を搬入してから当該基板が搬出可能となる間隔を露光機サイクルタイムとすると、
    前記露光機に搬送予定の前記基板について取得される、前記第2搬送機構による搬送区間から前記後段搬送機構による搬送区間へと前記基板を搬送する区間搬送時間と、前記露光機サイクルタイムと、を比較する比較ステップと、前記比較工程の結果に応じて、前記区間搬送時間を設定する設定ステップと、が行われるように制御信号を出力する制御部を備える基板処理装置。
  14. 前記設定ステップは、前記比較工程において前記露光機サイクルタイムが、前記区間搬送時間よりも長い場合に、前記区間搬送時間が、当該露光機サイクルタイムとなるように変更するステップである請求項13記載の基板処理装置。
  15. 前記露光機から搬出され、前記第1後段モジュールに搬送される前の前記基板を格納する格納モジュールが設けられ、
    前記格納モジュールは、周囲とは異なる雰囲気を形成した領域に前記基板を格納する請求項14記載の基板処理装置。
  16. 基板処理装置に用いられるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータプログラムは、請求項1に記載された基板搬送方法を実行するようにステップ群が組まれていることを特徴とするプログラム。
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