JP2024005412A - トレッドモールド、タイヤ加硫金型およびタイヤの加硫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加硫後のタイヤの品質を向上させる。【解決手段】ここで開示されるトレッドモールド20は、タイヤのトレッド部のうち、タイヤが車体に装着された際に車体の幅方向内側の予め定められた第1領域R1を成形する第1成形部21と、タイヤのトレッド部のうち、タイヤが車体に装着された際に車体の幅方向外側の予め定められた第2領域R2を成形する第2成形部22とを備えている。第1成形部21と第2成形部22とは、それぞれ異なる金属で構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、トレッドモールド、タイヤ加硫金型およびタイヤの加硫方法に関する。
特開2015-157547号公報には、トレッド部に、キャップトレッドゴム層と、タイヤ径方向においてキャップトレッドゴム層の内側に設けられたアンダートレッドゴム層と、タイヤ径方向においてアンダートレッドゴム層の内側に設けられたコード補強層とを有する空気入りタイヤが開示されている。同公報に開示されている空気入りタイヤのキャップトレッドゴム層は、トレッド部の表面にてタイヤの幅方向に少なくとも2種のゴム組成物を有している。トレッド部には、キャップトレッドゴム層の各ゴム組成物の境界を溝底とするようにタイヤ周方向に沿った主溝が形成されている。主溝の溝表面には、導電ゴム層が設けられている。導電ゴム層は、主溝の溝表面を覆う溝表面部と、キャップトレッドゴム層の各ゴム組成物の境界で溝表面部から主溝の溝底のタイヤ径方向内側に延在する溝底延出部を備えている。溝底延出部は、アンダートレッドゴム層を貫通してコード補強層に接触している。かかる空気入りタイヤによると、キャップトレッドゴム層の界面を起点とする亀裂の発生を抑制することができ、かつ、タイヤの電気抵抗を低減することができるとされている。
特開2015-157547号公報
ところで、本発明者は、加硫後のタイヤの品質を向上させたいと考えている。
ここで開示されるトレッドモールドは、タイヤのトレッド部を成形するトレッドモールドである。タイヤのトレッド部のうち、タイヤが車体に装着された際に車体の幅方向内側の予め定められた第1領域を成形する第1成形部と、タイヤのトレッド部のうち、タイヤが車体に装着された際に車体の幅方向外側の予め定められた第2領域を成形する第2成形部とを備えている。第1成形部と第2成形部とは、それぞれ異なる金属で構成されている。
かかる構成を有するトレッド部によると、物性の異なる複数の領域が設定されているトレッド部を有するタイヤについて、加硫後のタイヤの品質を向上させることができる。
図1は、タイヤ用加硫機1の模式図である。 図2は、タイヤ加硫金型10の模式図である。 図3は、セクターシュー11と第2成形部の接続構造を示す模式図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〈タイヤ用加硫機1〉
図1は、タイヤ用加硫機1の模式図である。図1では、ローカバー40が加硫される前の状態が示されている。図1に示されているように、タイヤ用加硫機1は、タイヤ加硫金型10と、スライダ12、プッシャ14とを備えている。タイヤ用加硫機1は、また、ブラダ中心機構16と、ブラダ18とを備えている。
〈タイヤ加硫金型10〉
図2は、タイヤ加硫金型10の模式図である。図2では、ローカバー40が加硫され、タイヤが成形されている状態の図が示されている。なお、図2では、ローカバー40のハッチングは省略されている。図1に示されているように、タイヤ加硫金型10は、複数のトレッドモールド20と、一対のサイドモールド30とを備えている。タイヤ加硫金型10内でローカバー40が加熱および加圧され、タイヤが成形される。
〈ローカバー40〉
ローカバー40は、加硫成形前のタイヤであり、生タイヤとも称される。図示は省略するが、ローカバー40は、インナーライナ、ビードワイヤ、カーカス、ベルトなどの基材に、未加硫のサイドウォールゴムやトレッドゴムを貼り合わせられた筒状の部材である。図2に示されているように、ローカバー40は、トレッド部42と、サイドウォール部44とを有している。トレッド部42は、加硫後のタイヤの、路面と接する面を構成する部位である。サイドウォール部44は、加硫後のタイヤの側面を構成する部位である。
トレッド部42は、タイヤの幅方向において、複数の種類のゴムシートを含んでいる。この実施形態では、トレッド部42は、第1トレッドゴム42aおよび第2トレッドゴム42bを有している。第1トレッドゴム42aおよび第2トレッドゴム42bは、トレッドゴム42の表面を構成している。そのため、第1トレッドゴム42aおよび第2トレッドゴム42bは、加硫後のタイヤにおいて路面と接する部位を構成する。なお、トレッド部42には、第1トレッドゴム42aおよび第2トレッドゴム42b以外のゴムシート等が含まれてもよい。例えば、第1トレッドゴム42aおよび第2トレッドゴム42bよりもタイヤの径方向内側にさらに別のゴムシート等が設けられていてもよい。
第1トレッドゴム42aおよび第2トレッドゴム42bはそれぞれ、シート状である。第1トレッドゴム42aおよび第2トレッドゴム42bはそれぞれ、ローカバー40の周方向に沿って基材(図示省略)に巻き付けられている。この実施形態では、第1トレッドゴム42aと第2トレッドゴム42bは、ローカバー40の幅方向において隣り合っている。第1トレッドゴム42aと第2トレッドゴム42bの境界は、ローカバー40の周方向において連続して形成されている。なお、第1トレッドゴム42aは、タイヤのトレッド部のうち、加硫後のタイヤが車体に取り付けられた際に、車体の幅方向内側を構成する。第2トレッドゴム42bは、第1トレッドゴム42aよりも車体の幅方向外側を構成する。
〈サイドモールド30〉
サイドモールド30は、ローカバー40の軸方向側面のサイドウォール部44を成形する金型部材である。サイドモールド30は、ブラダ18で保持された状態のローカバー40のサイドウォール部44を成形する。サイドモールド30には、タイヤのサイドウォール部を成形するサイド成形面30aが設けられている。図1に示されているように、サイドモールド30は、タイヤ加硫金型10の上方および下方に設けられた金型ベース15に取り付けられている。サイドモールド30は、円環状に形成されている。加硫前には、上方のサイドモールド30は、ローカバー40の上方に保持される。サイドモールド30が取り付けられている金型ベース15は、例えば、プレス機とプレス台とに取り付けられており、上下に移動可能に構成されている。
加硫時には、上方のサイドモールド30は、下方に移動し、ローカバー40に押し当てられる(図2参照)。このとき、一対のサイドモールド30は、トレッドモールド20と連続した成形面を構成する。サイドモールド30が取り付けられている金型ベース15は、例えば、ヒータ等によって加熱可能に構成されている。加硫時には、金型ベース15は、予め定められた加熱条件に従って加熱される。加熱された金型ベース15の熱は、主にサイドモールド30を通じてローカバー40に伝わる。それによって、ローカバー40のサイドウォール部44は、加硫される。加熱条件は、例えば、ローカバー40のサイドウォール部44を構成するゴム材料の加硫条件等に応じて適宜設定される。
下方のサイドモールド30には、ブラダ中心機構16が挿通されている。ブラダ中心機構16は、タイヤ加硫金型10の開閉に連動して、ブラダ18が取り付けられているクランプリングを開閉可能に構成されている。また、加硫時には、クランプリングの開口からブラダ18の内部の空間に向かって高温流体が導入できるように構成されていてもよい。
〈トレッドモールド20〉
トレッドモールド20は、ローカバー40の径方向外側のトレッド部42を成形する金型部材である。トレッドモールド20は、ブラダ18で保持された状態のローカバー40のトレッド部42を成形する。トレッドモールド20には、タイヤのトレッド部のトレッドパターンを成形するトレッド成形面20aが設けられている。トレッドモールド20は、ローカバー40の周方向に沿って複数並んでいる。タイヤの加硫前には、複数のトレッドモールド20はそれぞれ、隣り合うトレッドモールド20と所要の間隔を空けて並べられている。
トレッドモールド20は、スライダ12と、プッシャ14によって径方向に駆動されるように構成されている。スライダ12は、周方向に並ぶ複数のセクターシュー11から構成されている。図1に示されているように、トレッドモールド20は、それぞれのセクターシュー11の径方向内側に取り付けられている。
セクターシュー11の外側には、プッシャ14が設けられている。プッシャ14は、ジャケットとも称される。プッシャ14は、例えば、ヒータ等によって加熱可能に構成されている。プッシャ14は、内部に高温流体や冷却水が導入可能に構成されていてもよい。加硫時には、プッシャ14は、予め定められた加熱条件に従って加熱される。加熱されたプッシャ14の熱は、主にセクターシュー11とトレッドモールド20を通じてローカバー40に伝わる。それによって、ローカバー40のトレッド部42は、加硫される。加熱条件は、例えば、ローカバー40のトレッド部42を構成するゴム材料の加硫条件等に応じて適宜設定される。また、プッシャ14は、セクターシュー11を径方向に駆動する。
セクターシュー11の外側面には、下方に向かうに従って外方に広がった傾斜面11aが形成されている。プッシャ14は、セクターシュー11の傾斜面11aに当たるように下方に延びた部材である。プッシャ14は、図示しない駆動装置によって上下方向に駆動される。プッシャ14には、セクターシュー11の傾斜面11aに対向するように、下方に向かうに従って外方に広がった傾斜面14aが形成されている。プッシャ14が下方に駆動されると、プッシャ14の傾斜面14aと、セクターシュー11の傾斜面11aとの当たりによって、セクターシュー11が内外に移動する。加硫時には、プッシャ14が下方に移動することによってセクターシュー11が径方向内側に移動する。セクターシュー11が径方向内側に移動し、複数のトレッドモールド20は、径方向内側に移動し周方向に連続する。それによって、複数のトレッドモールド20は、円筒状に連結され、周方向に連続したトレッド成形面20aが形成される。図2に示されているように、トレッド成形面20aの幅方向の両端は、加硫時にサイドモールド30のサイド成形面30aに連続する。これによって、タイヤの外形形状が成形される。
セクターシュー11に取り付けられたトレッドモールド20は、第1成形部21と、第2成形部22とを備えている。図2に示されているように、第1成形部21は、トレッドモールド20の下部を構成している。第1成形部21は、タイヤのトレッド部のうちの第1領域R1を成形する金型部材である。第1領域R1は、タイヤが車体に装着された際に、車体の幅方向内側を構成する予め定められた領域である。第1成形部21は、トレッドモールド20のトレッド成形面20aのうち、下部の成形面21aを構成している。第2成形部22は、トレッドモールド20の上部を構成している。第2成形部22は、タイヤのトレッド部のうちの第2領域R2を成形する金型部材である。第2領域R2は、タイヤが車体に装着された際に、車体の幅方向内側を構成する予め定められた領域である。第2成形部22は、トレッドモールド20のトレッド成形面20aのうち、下部の成形面22aを構成している。
この実施形態では、第1成形部21と第2成形部22とは上下方向において隣り合っている。セクターシュー11が径方向内側に移動され、タイヤ加硫金型10が閉じられた状態では、第1成形部21と第2成形部22の境界は、環状に連続する。このため、第1成形部21と第2成形部22は、互いに周方向に連続して隣り合う。また、この実施形態では、タイヤの幅方向において、トレッド部の第1領域R1は、第2領域R2よりも狭くなるように設定されている。このため、タイヤの幅方向において、第1成形部21は、第2成形部22よりも狭く形成されている。
第1成形部21と第2成形部22とは、それぞれ異なる金属で構成されている。第1成形部21と第2成形部22に用いられる金属の種類は特に限定されず、例えば、ローカバー40の加硫条件や加熱時の熱膨張差等によって適宜選択されうる。この実施形態では、第1成形部21としては、ステンレス鋼が用いられている。また、第2成形部22としては、アルミニウムが用いられている。このように、金属の種類が異なることによって、第1成形部21と第2成形部22とは、熱伝導率が異なっている。この実施形態では、ステンレス鋼が用いられている第1成形部の熱伝導率は、アルミニウムが用いられている第2成形部の熱伝導率よりも低くなっている。
第1成形部21と第2成形部22は、セクターシュー11に対してそれぞれ個別に着脱可能に構成されている。図3は、セクターシュー11と第2成形部の接続構造を示す模式図である。図3に示されているように、第2成形部22は、スライドワッシャー22bと、ガイド溝22cとを備えている。スライドワッシャー22bは、第2成形部22の上端に設けられている。セクターシュー11には、スライドワッシャー22bと対応するガイド溝11bが形成されている。ガイド溝11bは、径方向の内側から外側に沿って形成されている。第2成形部22をセクターシュー11に取り付ける際には、スライドワッシャー22bをガイド溝11bに沿って径方向外側に向かってスライドさせる。
第2成形部22のガイド溝22cは、セクターシュー11と対向する面に形成されている。換言すると、ガイド溝22cは、第2成形部22の成形面22aとは反対側に形成されている。セクターシュー11は、第2成形部22のガイド溝22cと対応する位置に突条11cを有している。第2成形部22がセクターシュー11に取り付けられる際には、突条11cは、ガイド溝22cに嵌まる。これによって、第2成形部22がセクターシュー11に対して位置決めされる。なお、加硫時の熱膨張を考慮して、ガイド溝22cと突条11cの間には、加硫時の熱膨張を緩和するための隙間が形成されるように、寸法が設定されていることが好ましい。同様に、ガイド溝11bとスライドワッシャー22bの間には、加硫時の熱膨張を緩和するための隙間が形成されるように、寸法が設定されていることが好ましい。
第2成形部22は、セクターシュー11に対してボルト22d,22eによって取り付けられる。ボルト22dはセクターシュー11の側面を貫通する貫通孔11dから挿通され、第2成形部22の取付孔22d1に取り付けられている。ボルト22eは、セクターシュー11の上部を貫通する貫通孔11eから挿通され、第2成形部22のスライドワッシャー22bに取り付けられている。第2成形部22は、ボルト22d,22eによって異なる方向から取り付けられていることによって、セクターシュー11に対して安定的に取り付けられうる。なお、詳細な説明は省略するが、第1成形部21は、第2成形部22と同様に、セクターシュー11に対して着脱可能に構成されている。
ところで、タイヤのトレッドパターンは、タイヤの操縦性、直進安定性、駆動力、制動力等に影響する。そのため、車両には、走行目的に応じたトレッドパターンを有するタイヤが選択される。例えば、タイヤの幅方向において異なる物性を有するように、タイヤのトレッドパターンを変えたい場合がある。本発明者は、所望のタイヤ性能を得るために、タイヤのトレッド部のうち、タイヤが車体に装着された際に車体の幅方向内側を構成する部位と、外側を構成する部位とで異なる物性を有するゴムを用いることを検討している。本発明者は、トレッド部のうち、車体の幅方向外側に硬度の高いゴムを用い、車体の幅方向内側に硬度の低いゴムを用いることを検討している。
例えば、四輪のレーシングカーに装着されるレース用のタイヤにおいて、タイヤのトレッド部に硬度の低いゴムを用いることによって、タイヤの発熱性能とグリップ性能が向上しうる。タイヤのトレッド部に硬度の高いゴムを用いることによって、タイヤの耐摩耗性と耐久性が向上しうる。また、タイヤのトレッド部のうち、車体の幅方向内側を構成する部位と、車体の幅方向外側を構成する部位との幅の比率を調整することにより、所望のタイヤ性能に近づけることができる。硬度の高いゴムの比率を大きくし、硬度の低いゴムの比率を小さくすることによって、レース用のタイヤにより求められる性能が向上しうる。
以下、ここで開示されるトレッドモールド20を備えたタイヤ加硫金型10を用いたタイヤの加硫方法を説明する。タイヤの加硫方法は、例えば、ローカバー40を用意する工程と、ローカバー40を加硫成形する工程とを含んでいる。
〈ローカバー40を用意する工程〉
ローカバー40を用意する工程では、トレッド部42に、第1トレッドゴム42aおよび第2トレッドゴム42bを含んだローカバー40が用意される。第1トレッドゴム42aは、加硫後のタイヤの第1領域R1を構成するゴムシートである。第2トレッドゴム42bは、加硫後のタイヤの第2領域R2を構成するゴムシートである。第1トレッドゴム42aと第2トレッドゴム42bは、異なる物性のゴム材料から構成されている。この実施形態では、第1トレッドゴム42aは、第2トレッドゴム42bよりも粘度の低いゴム材料から構成されている。
ローカバー40を製造する方法は特に限定されないが、例えば、以下の要領で製造されうる。まず、第1トレッドゴム42aと第2トレッドゴム42bを用意する。成形ドラムに、インナーライナ、ビードワイヤ、カーカス、ベルトなどの基材を貼り付ける。基材の軸方向両端にサイドウォール部44を構成するサイドウォールゴムを貼り付ける。シート状の第1トレッドゴム42aとシート状の第2トレッドゴム42bを貼り付ける。第1トレッドゴム42aと第2トレッドゴム42bは、ローカバー40の周方向に連続して隣り合うように、基材に貼り付けられる。
第1トレッドゴム42aと第2トレッドゴム42bは、材料が混合されて未加硫ゴムが製造され、当該未加硫ゴムが押出成形されることによって用意されうる。第1トレッドゴム42aと第2トレッドゴム42bの材料は、それぞれ別個に混合される。第1トレッドゴム42aと第2トレッドゴム42bの材料としては、原材料となる天然ゴムや合成ゴム、シリカやカーボンブラック等の各種添加剤、硫黄などの加硫材、オイル等が用いられる。第1トレッドゴム42aと第2トレッドゴム42bの粘度は、混合される材料によって調整されてもよい。例えば、上記混合される材料のうち、オイルの含有量を多くすることによって、製造されるゴム材料の粘度を下げることができる。この実施形態では、第1トレッドゴム42aは、第2トレッドゴム42bよりも粘度が低くなるように材料の配合が調整されている。製造された未加硫ゴムは、押出成形される。押出成形された未加硫ゴムは、適当な寸法になるように端部が切断され、第1トレッドゴム42aと第2トレッドゴム42bが製造される。第1トレッドゴム42aと第2トレッドゴム42bは、それぞれ別に製造され、基材に貼り付けられてもよく、押出成形後に繋げられた後に基材に貼り付けられてもよい。第1トレッドゴム42aと第2トレッドゴム42bの幅はそれぞれ、第1成形部21と第2成形部22の幅に合わせて成形されている。
〈ローカバー40を加硫成形する工程〉
ローカバー40を加硫成形する工程では、上述したタイヤ用加硫機1を用いてローカバー40が成形される。ここでは、タイヤのトレッド部のうち、第1領域R1が第1成形部21で成形され、第2領域R2が第2成形部で成形されるように、ローカバー40がタイヤ加硫金型10にセットされる。図2に示されているように、この実施形態では、ローカバー40のうち、第1トレッドゴム42a側の側面が下方に来るように下側のサイドモールド30にセットされる。
ローカバー40が下側のサイドモールド30にセットされると、上方の金型ベース15(図1参照)が下方に駆動される。これによって、一対のサイドモールド30が閉じられる。また、プッシャ14が下方に駆動される。これによって、セクターシュー11が径方向内側に向かって駆動され、複数のトレッドモールド20が閉じられる。ブラダ18内部の空間に高温流体が導入され、ローカバー40がタイヤ加硫金型10に押し当てられ、加硫が開始される。このとき、加硫後のタイヤの第1領域R1を構成する第1トレッドゴム42aが第1成形部21に当接し、第2領域R2を構成する第2トレッドゴム42bが第2成形部22に当接する。このため、ローカバー40のうち、第1成形部21で成形される部位の粘度は、第2成形部で成形される部位の粘度よりも低くなっている。
加硫時には、金型ベース15とプッシャ14が加熱される。金型ベース15とプッシャ14が加熱されると、タイヤ加硫金型10にも熱が伝わる。ローカバー40は、タイヤ加硫金型10を介して加熱される。ローカバー40は、加硫後に、タイヤ加硫金型10から取り出され、冷却される。
ところで、ローカバーに用いられているゴム材料の物性が異なる場合には、必要な加硫量等の加硫条件も異なりうる。必要な加硫量が異なる複数のゴム材料を加硫する場合には、加硫温度や加硫時間等の加硫条件を設定することが困難である。例えば、必要な加硫量が多いゴム材料に合わせて加硫条件を設定した場合、必要な加硫量が少ないゴム材料は、加硫過多になりうる。この場合、材料のポリマーと硫黄の結合が破壊されて物性が低下する懸念がある。一方、必要な加硫量が少ないゴム材料に合わせて加硫条件を設定した場合、必要な加硫量が多いゴム材料は、加硫不足になりうる。この場合、加硫後のタイヤにポロシティが発生する懸念がある。
上述した実施形態では、タイヤ用加硫機1に用いられるトレッドモールド20は、タイヤのトレッド部のうち、タイヤが車体に装着された際に車体の幅方向内側の予め定められた第1領域R1を成形する第1成形部21と、タイヤのトレッド部のうち、タイヤが車体に装着された際に車体の幅方向外側の予め定められた第2領域R2を成形する第2成形部22とを備えている。第1成形部21と第2成形部22とは、それぞれ異なる金属で構成されている。このように、トレッドモールド20に用いられる金属の種類を変えることによって、第1領域R1と第2領域R2の加硫量を調整することができる。例えば、トレッドモールド20では、第1領域R1と第2領域R2のうち、必要な加硫量が多い領域を成型する部位には熱伝導率が高い金属を用い、必要な加硫量が少ない領域を成型する部位には熱伝導率が低い金属を用いることが好ましい。その結果、それぞれの領域における加硫量はそれぞれ、最適な加硫量に近づきやすくなり、加硫後のタイヤの品質が向上する。
上述した実施形態では、第1成形部21で成形される第1トレッドゴム42aは、第2成形部22で成形される第2トレッドゴム42bよりも、粘度が低くなるように材料の配合が調整されている。このため、第1トレッドゴム42aは、第2トレッドゴム42bよりも加硫反応が早く進む。換言すると、第1トレッドゴム42aは、第2トレッドゴム42bよりも必要な加硫量が少ない。
ここで用いられているトレッドモールド20は、第1成形部21は、ステンレス鋼によって形成されており、第2成形部22は、アルミニウムによって成形されている。ステンレス鋼から構成されている第1成形部21の熱伝導率は、アルミニウムから構成されている第2成形部の熱伝導率よりも低いことにより、第2成形部22と比較して第1成形部21の成形面22aは、温度が低くなる。そのため、必要な加硫量が少ない第1トレッドゴム42aの加硫量を抑えることができる。その結果、第1トレッドゴム42aおよび第2トレッドゴム42bの両方は、最適な加硫量に近づきやすくなり、加硫後のタイヤの品質が向上する。
上述した実施形態では、第1成形部21と第2成形部22がそれぞれ個別に着脱可能に構成されたセクターシュー11をさらに備えている。かかる構成を有するトレッドモールド20では、トレッド部42を構成するトレッドゴム42として用いられるゴム材料の種類や幅等に応じて第1成形部21と第2成形部22を選択し、適宜に付け替えることができる。必要な加硫量に応じて第1成形部21と第2成形部22が選択されることによって、最適な加硫量に近づくように加硫条件を設定しやすくなる。また、第1成形部21と第2成形部22がそれぞれ着脱可能な構成であることによって、トレッドモールド20のメンテナンス性が良好である。
上述した実施形態では、第1成形部21は、ステンレス鋼から構成され、第2成形部22は、アルミニウムから構成されているが、かかる形態に限定されない。例えば、第1トレッドゴム42aに粘度の高いゴム材料、第2トレッドゴム42bに粘度の低いゴム材料を用いたい場合には、第1成形部21にアルミニウム、第2成形部22にステンレス鋼を用いてもよい。また、アルミニウムやステンレス鋼に限られず、例えば、鉄やチタン等、所望のタイヤ性能に応じて種々の金属を使用することができる。
ここで開示される技術は、四輪の車両に装着されるタイヤを加硫するトレッドモールドおよびタイヤ加硫金型に好ましく適用される。なお、二輪の車両に装着されるタイヤを加硫するトレッドモールドおよびタイヤ加硫金型は、ここで開示される技術からは除かれる。
以上、ここで開示されるトレッドモールドについて、種々説明した。しかしながら、ここで開示されるトレッドモールドは、特に言及されない限りにおいて、上述した形態に限定されない。また、種々言及した形態の各構成は、互いに阻害しない関係であれば、適宜に組み合わせることができる。本明細書は以下の開示を含んでおり、以下の開示は、上記した実施形態には限定されない。
本発明(1)は、タイヤのトレッド部を成形するトレッドモールドであって、
前記タイヤの前記トレッド部のうち、前記タイヤが車体に装着された際に前記車体の幅方向内側の予め定められた第1領域を成形する第1成形部と、
前記タイヤの前記トレッド部のうち、前記タイヤが車体に装着された際に前記車体の幅方向外側の予め定められた第2領域を成形する第2成形部と
を備え、
前記第1成形部と前記第2成形部とは、それぞれ異なる金属で構成されている、
トレッドモールドである。
本発明(2)は、本発明(1)に記載のトレッドモールドであって、前記第1成形部と前記第2成形部とは、熱伝導率が異なる。
本発明(3)は、本発明(2)に記載されたトレッドモールドであって、前記第1成形部の熱伝導率は、前記第2成形部の熱伝導率よりも低い。
本発明(4)は、本発明(1)から(3)のいずれかとの任意の組合せのトレッドモールドであって、前記タイヤの幅方向において、前記第1成形部は、前記第2成形部よりも狭く形成されている。
本発明(5)は、本発明(1)から(4)のいずれかとの任意の組合せのトレッドモールドであって、前記第1成形部と前記第2成形部がそれぞれ個別に着脱可能に構成されたセクターシューをさらに備える。
本発明(6)は、本発明(1)から(4)のいずれかに記載されたトレッドモールドを備えた、タイヤ加硫金型である。
本発明(7)は、トレッドモールドを用いてローカバーを加硫成形する工程を含み、
前記トレッドモールドは、それぞれ異なる金属から構成された第1成形部と、第2成形部とを備え、
前記加硫成形する工程では、前記タイヤのトレッド部のうち、車両にタイヤが装着された際に前記車体の幅方向内側の予め定められた第1領域が第1成形部で成形され、
前記車両に前記タイヤが装着された際に前記車体の幅方向外側の予め定められた第2領域が第2成形部で成形される、
タイヤの加硫方法である。
本発明(8)は、本発明(7)に記載されたタイヤの加硫方法であって、前記ローカバーのうち、前記第1成形部で成形される部位の粘度は、前記第2成形部で成形される部位の粘度よりも低い。
本発明(9)は、本発明(8)に記載されたタイヤの加硫方法であって、前記第1成形部の熱伝導率は、前記第2成形部の熱伝導率よりも低い。
本発明(10)は、本発明(7)から(9)のいずれかとの任意の組合せのタイヤの加硫方法であって、前記第1成形部は、前記タイヤの幅方向において前記第2成形部よりも狭く形成されている。
1 タイヤ用加硫機
10 タイヤ加硫金型
11 セクターシュー
12 スライダ
14 プッシャ
15 金型ベース
16 ブラダ中心機構
18 ブラダ
20 トレッドモールド
21 第1成形部
22 第2成形部
30 サイドモールド
40 ローカバー
42 トレッド部(トレッドゴム)
42a 第1トレッドゴム
42b 第2トレッドゴム
44 サイドウォール部

Claims (10)

  1. タイヤのトレッド部を成形するトレッドモールドであって、
    前記タイヤの前記トレッド部のうち、前記タイヤが車体に装着された際に前記車体の幅方向内側の予め定められた第1領域を成形する第1成形部と、
    前記タイヤの前記トレッド部のうち、前記タイヤが車体に装着された際に前記車体の幅方向外側の予め定められた第2領域を成形する第2成形部と
    を備え、
    前記第1成形部と前記第2成形部とは、それぞれ異なる金属で構成されている、
    トレッドモールド。
  2. 前記第1成形部と前記第2成形部とは、熱伝導率が異なる、請求項1に記載されたトレッドモールド。
  3. 前記第1成形部の熱伝導率は、前記第2成形部の熱伝導率よりも低い、請求項2に記載されたトレッドモールド。
  4. 前記タイヤの幅方向において、前記第1成形部は、前記第2成形部よりも狭く形成されている、請求項1から3までのいずれか一項に記載されたトレッドモールド。
  5. 前記第1成形部と前記第2成形部がそれぞれ個別に着脱可能に構成されたセクターシューをさらに備える、請求項1から3までのいずれか一項に記載されたトレッドモールド。
  6. 請求項1から3までのいずれか一項に記載されたトレッドモールドを備えた、
    タイヤ加硫金型。
  7. トレッドモールドを用いてローカバーを加硫成形する工程を含み、
    前記トレッドモールドは、それぞれ異なる金属から構成された第1成形部と、第2成形部とを備え、
    前記加硫成形する工程では、前記タイヤのトレッド部のうち、車両にタイヤが装着された際に前記車体の幅方向内側の予め定められた第1領域が第1成形部で成形され、
    前記車両に前記タイヤが装着された際に前記車体の幅方向外側の予め定められた第2領域が第2成形部で成形される、
    タイヤの加硫方法。
  8. 前記ローカバーのうち、前記第1成形部で成形される部位の粘度は、前記第2成形部で成形される部位の粘度よりも低い、請求項7に記載されたタイヤの加硫方法。
  9. 前記第1成形部の熱伝導率は、前記第2成形部の熱伝導率よりも低い、請求項8に記載されたタイヤの加硫方法。
  10. 前記第1成形部は、前記タイヤの幅方向において前記第2成形部よりも狭く形成されている、請求項7~9のいずれか一項に記載されたタイヤの加硫方法。
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