JP2024004449A - レジスト下層膜形成用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 解像性に優れるレジストパターンを形成可能なレジスト下層膜形成用組成物などの提供。【解決手段】 2個以上のアジド基を有する化合物(A)及び溶剤(B)を含む、レジスト下層膜形成用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト下層膜形成用組成物、レジスト下層膜、積層体、半導体素子の製造方法、及びパターン形成方法に関する。
従来から半導体装置の製造において、レジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。前記微細加工は、シリコンウェハー等の半導体基板上にフォトレジスト組成物の薄膜を形成し、その上にデバイスのパターンが描かれたマスクパターンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたフォトレジストパターンを保護膜として基板をエッチング処理することにより、基板表面に、前記フォトレジストパターンに対応する微細凹凸を形成する加工法である。近年、半導体デバイスの高集積度化が進み、使用される活性光線も、従来使用されていたi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)に加え、最先端の微細加工にはEUV光(波長13.5nm)又はEB(電子線)の実用化が検討されている。これに伴い、半導体基板等からの影響による、レジストパターン形成不良が大きな問題となっている。そこでこの問題を解決すべく、レジストと半導体基板の間にレジスト下層膜を設ける方法が広く検討されている。
レジスト下層膜形成組成物として、溶剤中に溶解した式(1)(式(1)中、Aは脂肪族環、芳香族環又は複素環を含む有機基を表す)で表される化合物(A)と、エポキシ基と反応性を有する2つの官能基を有する化合物(B)と、エポキシ基と反応性を有する1つの官能基を有する化合物(C)との反応生成物を含む、レジスト下層膜形成組成物が提案されている(特許文献1参照)。
国際公開第2022/075339号パンフレット
レジスト下層膜に要求される特性としては、例えば、上層に形成されるレジスト膜とのインターミキシングが起こらないこと(レジスト溶剤に不溶であること)、解像性に優れるレジストパターンを形成できることなどが挙げられる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、解像性に優れるレジストパターンを形成可能なレジスト下層膜形成用組成物、並びに当該レジスト下層膜形成用組成物を用いた、レジスト下層膜、積層体、半導体素子の製造方法、及びパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決する為、鋭意検討を行った結果、上記の課題を解決出来ることを見出し、以下の要旨を有する本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の態様を包含するものである。
[1] 2個以上のアジド基を有する化合物(A)及び溶剤(B)を含む、レジスト下層膜形成用組成物。
[2] 前記化合物(A)が、脂肪族環構造、芳香族環構造、及び複素環構造の少なくともいずれかを更に有する化合物である、[1]に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
[3] 前記化合物(A)が、下記式(1)で表される、[2]に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
Figure 2024004449000001
(式(1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表す。
Qは、それぞれ独立して、単結合又は2価の有機基を表す。)
[4] 前記化合物(A)が、2個以上のエポキシ基を有する化合物(A-1)と、1個以上のアジド基を有し、かつエポキシ基と反応可能な化合物(A-2)とを含む反応物の反応生成物である、[1]から[3]のいずれかに記載のレジスト下層膜形成用組成物。
[5] 前記化合物(A)が、〔(全炭素原子数+全酸素原子数)/全窒素原子数〕≧3を満たす、[1]から[4]のいずれかに記載のレジスト下層膜形成用組成物。
[6] 前記溶剤(B)が、アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルのモノカルボン酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種を含む、[1]から[5]のいずれかに記載のレジスト下層膜形成用組成物。
[7] ポリマー(C)を更に含む、[1]から[6]のいずれかに記載のレジスト下層膜形成用組成物。
[8] 前記ポリマー(C)が、イソシアヌル酸系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、アクリル系ポリマー及びポリエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である、[7]に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
[9] 架橋剤(D)を更に含む、[1]から[8]のいずれかに記載のレジスト下層膜形成用組成物。
[10] 前記架橋剤(D)が、アミノプラスト架橋剤及びフェノプラスト架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種である、[9]に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
[11] 硬化触媒(E)を更に含む、[1]から[10]のいずれかに記載のレジスト下層膜形成用組成物。
[12] [1]から[11]のいずれかに記載のレジスト下層膜形成用組成物の硬化物である、レジスト下層膜。
[13] 半導体基板と、
[12]に記載のレジスト下層膜と、
を備える積層体。
[14] 半導体基板の上に、[1]から[11]のいずれかに記載のレジスト下層膜形成用組成物を用いて、レジスト下層膜を形成する工程と、
前記レジスト下層膜の上に、レジスト膜を形成する工程と、
を含む、半導体素子の製造方法。
[15] 半導体基板の上に、[1]から[11]のいずれかに記載のレジスト下層膜形成用組成物を用いて、レジスト下層膜を形成する工程と、
前記レジスト下層膜の上に、レジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜に光又は電子線を照射し、次いで、前記レジスト膜を現像し、レジストパターンを得る工程と、
前記レジストパターンをマスクに用い、前記レジスト下層膜をエッチングする工程と、
を含む、パターン形成方法。
本発明によれば、解像性に優れるレジストパターンを形成可能なレジスト下層膜形成用組成物、並びに当該レジスト下層膜形成用組成物を用いた、レジスト下層膜、積層体、半導体素子の製造方法、及びパターン形成方法を提供することができる。
(レジスト下層膜形成用組成物)
本発明のレジスト下層膜形成用組成物は、化合物(A)、及び溶剤(B)を含む。
レジスト下層膜形成用組成物は、ポリマー(C)、架橋剤(D)、硬化触媒(E)などを含んでいてもよい。
化合物(A)は、2個以上のアジド基を有する。
化合物(A)が2個以上のアジド基を有することにより、当該化合物(A)を含むレジスト下層膜形成用組成物から形成されるレジスト下層膜の上に、解像性に優れるレジストパターンを形成できる。
<化合物(A)>
化合物(A)は、2個以上のアジド基を有する。
化合物(A)は、低分子化合物であってもよいし、高分子化合物(ポリマー)であってもよい。
化合物(A)は、本発明の効果を好適に得る観点から、脂肪族環構造、芳香族環構造、及び複素環構造の少なくともいずれかを有することが好ましい。
脂肪族環構造としては、非芳香族の炭化水素環構造であれば、特に制限されず、例えば、5員環~8員環の飽和又は不飽和の非芳香族炭化水素環が挙げられる。そのような脂肪族環構造としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環などが挙げられる。
芳香族環構造としては、芳香族炭化水素環であってもよいし、芳香族複素環であってもよい。芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などが挙げられる。芳香族複素環としては、例えば、トリアジン環などが挙げられる。
複素環構造としては、ヘテロ原子を有しかつ非芳香族の環構造であれば、特に制限されない。そのような複素環構造としては、例えば、下記式で表されるイソシアヌル酸構造が挙げられる。
Figure 2024004449000002
(式中、*は、結合手を表す。)
化合物(A)におけるアジド基は、例えば、炭素原子に結合している。その炭素原子は、芳香族炭化水素を構成する炭素原子であることが好ましい。
化合物(A)は、〔(全炭素原子数+全酸素原子数)/全窒素原子数〕≧3を満たすことが好ましく、10≧〔(全炭素原子数+全酸素原子数)/全窒素原子数〕≧3を満たすことがより好ましい。
全炭素原子数とは、化合物(A)が有する炭素原子数を指す。
全酸素原子数とは、化合物(A)が有する酸素原子数を指す。
全窒素原子数とは、化合物(A)が有する窒素原子数を指す。
化合物(A)は、本発明の効果を好適に得る観点から、化合物(A-1)と、化合物(A-2)とを含む反応物(Reactants、反応原料、ともいう)の反応生成物であることが好ましい。
化合物(A-1)は、2個以上のエポキシ基を有する化合物である。
化合物(A-2)は、1個以上のアジド基を有し、かつエポキシ基と反応可能な化合物である。
更に、反応物は、化合物(A-1)及び化合物(A-2)以外の化合物を含んでいてもよい。そのような化合物としては、エポキシ基と反応可能な基を2つ以上有する化合物(A-3)が好ましい。
反応は、例えば、触媒存在下で行ってもよい。触媒とは、例えば、テトラブチルホスホニウムブロミド、エチルトリフェニルホスホニウムブロミドのような第4級ホスホニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドのような第4級アンモニウム塩である。触媒の使用量としては、反応に使用する反応原料の全質量に対して0.1~10質量%の範囲から適量を選択して用いることができる。反応させる温度及び時間は、例えば、80~160℃、2~50時間の範囲から、最適な条件を選択することができる。
<<化合物(A-1)>>
化合物(A-1)は、2個以上のエポキシ基を有する。
化合物(A-1)が有するエポキシ基の数は、2個以上であれば、特に制限されず、例えば、2個~6個などが挙げられるが、本発明の効果を好適に得る観点から、2個~4個が好ましく、3個がより好ましい。
化合物(A-1)におけるエポキシ基は、脂環式エポキシ基であってもよいし、脂環式エポキシ基でなくてもよい。
化合物(A-1)としては、2個以上のエポキシ基を有し、かつオキシラン環以外の環構造を有する化合物が好ましい。そのような化合物は、例えば、下記式(A-1-1)で表される。
Figure 2024004449000003
(式(A-1-1)中、nは、2~6の整数を表す。Rは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素原子数1~3のアルキル基を表す。Xは、オキシラン環以外の環構造を有するn価の基を表す。)
式(A-1-1)中のXが有する環構造は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよいが、1つが好ましい。
式(A-1-1)中のXが有する環構造としては、脂肪族環構造、芳香族環構造、複素環構造が挙げられる。
式(A-1-1)中のnは、2~4が好ましく、3がより好ましい。
式(A-1-1)中のRは、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
式(A-1-1)で表される化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2024004449000004
Figure 2024004449000005
化合物(A-1)の分子量としては、特に制限されないが、例えば、200~600が挙げられる。
<<化合物(A-2)>>
化合物(A-2)は、エポキシ基と反応可能な化合物である。
化合物(A-2)は、1個以上のアジド基を有する。
化合物(A-2)が有する、エポキシ基と反応可能な基は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよいが、1つ又は2つが好ましく、1つがより好ましい。
エポキシ基と反応可能な基としては、例えば、カルボキシ基、フェノール性ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基などが挙げられる。
化合物(A-2)が有するアジド基は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよいが、1つが好ましい。
化合物(A-2)としては、本発明の効果を好適に得る観点から、下記式(A-2-1)又は式(A-2-2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2024004449000006
(式(A-2-1)中、Yは、カルボキシ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、又はアミノ基を表す。R11は、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルキル基、又は炭素原子数1~6のアルコキシ基を表す。m1は、1~3の整数を表す。m2は、0~4の整数を表す。m1+m2は、5以下である。m1が2以上のとき、2つ以上のYは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。m2が2以上のとき、2つ以上のR11は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
式(A-2-2)中、Yは、カルボキシ基、メルカプト基、又はアミノ基を表す。R12は、炭素原子数1~6のアルキレン基を表す。)
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
化合物(A-2)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2024004449000007
<<化合物(A-3)>>
化合物(A-3)は、エポキシ基と反応可能な基を2つ以上有する化合物である。
エポキシ基と反応可能な基としては、例えば、カルボキシ基、アミノ基、フェノール性ヒドロキシ基、酸二無水物基などが挙げられる。
エポキシ基と反応可能な基が酸二無水物基の場合、エポキシ基と酸二無水物基との反応の後に残ったカルボキシ基は、化合物(A)に存在していてもよいし、下記式(3d)で表される少なくとも1種の化合物と反応していてもよい。
Figure 2024004449000008
(式(3d)中、Rはメチル基又はエチル基を表す。)
化合物(A-3)は、例えば、脂肪族環、芳香族環、複素環、フッ素原子、ヨウ素原子又は硫黄原子を含む。
硫黄原子は、スルフィド結合、ジスルフィド結合又はスルホニル基として化合物(A-3)に含まれることが好ましい。
化合物(A-3)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2024004449000009
Figure 2024004449000010
化合物(A)は、例えば、下記式(1)で表される。
Figure 2024004449000011
(式(1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表す。
Qは、それぞれ独立して、単結合又は2価の有機基を表す。)
式(1)中のRは、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
式(1)中のN-Q-基としては、例えば、下記式(1-A)で表される基が挙げられる。
Figure 2024004449000012
(式(1-A)中、Y11は、-C(=O)-O-、-O-、-S-、又は-NH-を表す。R11は、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルキル基、又は炭素原子数1~6のアルコキシ基を表す。m2は、0~4の整数を表す。m2が2以上のとき、2つ以上のR11は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
式(1-B)中、Y12は、-C(=O)-O-、-S-、又は-NH-を表す。R12は、炭素原子数1~6のアルキレン基を表す。
*は、結合手を表す。)
化合物(A)の重量平均分子量の下限は例えば500、1,000、2,000、又は3,000である。
化合物(A)の重量平均分子量の上限は例えば30,000、20,000、又は10,000である。
レジスト下層膜形成用組成物における化合物(A)の含有量としては、特に制限されないが、本発明の効果を好適に得る観点から、膜構成成分に対して、40質量%~99質量%が好ましく、45質量%~95質量%がより好ましく、50質量%~90質量%が特に好ましい。
なお、本発明において、膜構成成分とは、組成物に含まれる溶剤以外の成分を意味する。
<溶剤(B)>
溶剤(B)としては、特に制限されず、水であってもよいし、有機溶剤であってもよい。
有機溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールモノアルキルエーテルのモノカルボン酸エステルなどが挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルのアルキレン基としては、例えば、炭素原子数2~4のアルキレン基が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルのアルキル基としては、例えば、炭素原子数1~4のアルキル基が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルの炭素原子数としては、例えば、3~8が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルのモノカルボン酸エステルのアルキレン基としては、例えば、炭素原子数2~4のアルキレン基が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルのモノカルボン酸エステルのアルキル基としては、例えば、炭素原子数1~4のアルキル基が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルのモノカルボン酸エステルのモノカルボン酸としては、炭素原子数2~4の飽和モノカルボン酸が挙げられる。
炭素原子数2~4の飽和モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルのモノカルボン酸エステルの炭素原子数としては、例えば、5~10が挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルのモノカルボン酸エステルとしては、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどが挙げられる。
その他の有機溶剤としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノール、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、2-ヒドロキシイソ酪酸エチル、エトキシ酢酸エチル、酢酸2-ヒドロキシエチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヘプタノン、メトキシシクロペンタン、アニソール、γ-ブチロラクトン、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
これらの溶剤(B)の中で、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールモノアルキルエーテルのモノカルボン酸エステルが好ましい。
これらの溶剤(B)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
溶剤(B)における有機溶剤の質量割合としては、特に制限されないが、50質量%~100質量%が好ましい。
レジスト下層膜形成用組成物における溶剤(B)の含有量としては、特に制限されないが、50質量%~99.99質量%が好ましく、75質量%~99.95質量%がより好ましく、90質量%~99.9質量%が特に好ましい。
<ポリマー(C)>
化合物(A)は、それ単独で硬化膜を形成可能であることから、レジスト下層膜形成用組成物は、化合物(A)を主成分として含んでいてもよいが、他方で、レジスト下層膜形成用組成物は、ポリマー(C)を更に含んでいてもよい。
なお、ポリマー(C)は、化合物(A)とは異なる構造である。ポリマー(C)は、例えば、アジド基を有さない。
ポリマー(C)は、例えば、有機ポリマーである。
ポリマー(C)は、例えば、イソシアヌル酸系ポリマーである。イソシアヌル酸系ポリマーとは、以下のイソシアヌル酸骨格を有するポリマーを指す。
Figure 2024004449000013
(式中、*は、結合手を表す。)
なお、*で表される結合手の一つは、水素原子と結合していてもよい。
また、ポリマー(C)は、例えば、ポリエステル系ポリマーである。ポリエステル系ポリマーとは、少なくとも主鎖にエステル結合を有するポリマーを指す。ポリエステル系ポリマー中のエステル結合は、例えば、-CO-X基(Xは、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子数1~4のアルキル基を表す。)と、ヒドロキシ基又はエポキシ基との反応によって、形成される。
なお、あるポリマーがイソシアヌル酸骨格を有しかつ主鎖にエステル結合を有する場合、そのポリマーは、イソシアヌル酸系ポリマーであり、かつポリエステル系ポリマーでもある。
また、ポリマー(C)は、例えば、アクリル系ポリマーである。アクリル系ポリマーは、例えば、重合性不飽和結合を有する基を有する化合物の重合性不飽和結合が重合してなるポリマーである。アクリル系ポリマーは、ホモポリマーであってもよいし、コポリマーであってもよい。重合性不飽和結合を有する基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニルアリール基(例えば、スチリル基)、ビニルオキシ基、アリル基などが挙げられる。
また、ポリマー(C)は、例えば、ポリエーテルである。ポリエーテルは、例えば、フェノール性ヒドロキシ基を2つ有する化合物と、エポキシ基を2つ有する化合物との反応生成物である。
ポリエーテルとしては、例えば、WO2022/071468に記載のポリマーが挙げられる。そのようなポリマーは、例えば、下記式(11)で表される化合物(B)から誘導されるポリマーである。
Figure 2024004449000014
(式(11)中、Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子若しくは炭素原子数6~40のアリール基で置換されてもよい炭素原子数1~10のアルキレン基又はスルホニル基を表し、T及びTは炭素原子数1~10のアルキル基を表し、n1及びn2は各々独立して0~4の整数を表す。)
ポリマーは、例えば、化合物(B)と、化合物(B)と反応可能な化合物(C)との反応生成物である。
ポリマー(C)は、例えば、単位構造中にヒドロキシ基を有するポリマーである。ヒドロキシ基は、例えば、2級炭素原子に結合するヒドロキシ基である。
ポリマー(C)は、例えば、下記式(P)で表される単位構造を有するポリマーであってもよい。下記式(P)で表される単位構造を有するポリマーは、例えば、WO2022/196662に記載のポリマー(式(P)で表される単位構造を有するポリマー)であってもよい。
Figure 2024004449000015
(式(P)中、A、A、A、A、A及びAは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。
及びQは、それぞれ独立して、複素環構造又は炭素原子数6~40の芳香族環構造を含む2価の有機基を表す。
及びTは、それぞれ独立して、単結合、エステル結合又はエーテル結合を表す。
及びLは、それぞれ独立して、単結合、置換されていてもよい炭素原子数1~10のアルキレン基又は置換されていてもよい炭素原子数2~10のアルケニレン基を表す。)
式(P)で表される単位構造の具体例を追記する。
としては、例えば、下記式(P-1)で表される構造が挙げられる。
Figure 2024004449000016
(式(P-1)中、Xは、下記式(P-1-1)、下記式(P-1-2)又は下記式(P-1-3)を表す。
及びZは、それぞれ独立して、単結合、又は下記式(P-1-4)を表す。
*は、結合手を表す。)
Figure 2024004449000017
(式(P-1-1)及び(P-1-2)中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、酸素原子若しくは硫黄原子で中断されていてもよい炭素原子数1~10のアルキル基、酸素原子若しくは硫黄原子で中断されていてもよい炭素原子数2~10のアルケニル基、酸素原子若しくは硫黄原子で中断されていてもよい炭素原子数2~10のアルキニル基、ベンジル基又はフェニル基を表し、該フェニル基は、炭素原子数1~6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基及び炭素原子数1~6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の基で置換されていてもよい。RとRは互いに結合して炭素原子数3~6の環を形成していてもよい。*は結合手を表す。*1は炭素原子に結合する結合手を表す。*2は窒素原子に結合する結合手を表す。
式(P-1-3)中、Rは、水素原子、酸素原子若しくは硫黄原子で中断されていてもよい炭素原子数1~10のアルキル基、酸素原子若しくは硫黄原子で中断されていてもよい炭素原子数2~10のアルケニル基、酸素原子若しくは硫黄原子で中断されていてもよい炭素原子数2~10のアルキニル基、ベンジル基又はフェニル基を表し、該フェニル基は、炭素原子数1~6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基及び炭素原子数1~6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの1価の基で置換されていてもよい。*1は炭素原子に結合する結合手を表す。*2は窒素原子に結合する結合手を表す。)
Figure 2024004449000018
(式(P-1-4)中、m1は0~4の整数であり、m2は0又は1であり、m3は0又は1であり、m4は0~2の整数である。ただし、m3が1の場合、m1及びm2は同時に0にならない。*3は式(P-1)中の窒素原子に結合する結合手を表す。*4は結合手を表す。)
本明細書において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
本明細書において、アルキル基としては、直鎖状に限らず分岐状でもよく環状でもよい。直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基などが挙げられる。環状のアルキル基(シクロアルキル基)としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
本明細書において、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n-ペンチルオキシ基、イソプロポキシ基などが挙げられる。
本明細書において、アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n-ペンチルチオ基、イソプロピルチオ基などが挙げられる。
本明細書において、アルケニル基としては、例えば、エテニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-メチル-1-エテニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基などが挙げられる。
本明細書において、アルキニル基としては、上記「アルケニル基」に挙げられたアルケニル基の2重結合が3重結合に置き換えられている基が挙げられる。
本明細書において、アルケニルオキシ基としては、例えば、ビニルオキシ基、1-プロペニルオキシ基、2-n-プロペニルオキシ基(アリルオキシ基)、1-n-ブテニルオキシ基、プレニルオキシ基などが挙げられる。
本明細書において、アルキニルオキシ基としては、例えば、2-プロピニルオキシ基、1-メチル-2-プロピニルオキシ基、2-メチル-2-プロピニルオキシ基、2-ブチニルオキシ基、3-ブチニルオキシ基などが挙げられる。
本明細書において、アシル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基などが挙げられる。
本明細書において、アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシなどが挙げられる。
本明細書において、アリールカルボニル基としては、例えば、フェニルカルボニル基などが挙げられる。
本明細書において、アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
本明細書において、アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,3-プロピレン基、2,2-プロピレン基、1-メチルエチレン基、1,4-ブチレン基、1-エチルエチレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、1,5-ペンチレン基、1-メチルブチレン基、2-メチルブチレン基、1,1-ジメチルプロピレン基、1,2-ジメチルプロピレン基、1-エチルプロピレン基、2-エチルプロピレン基、1,6-ヘキシレン基、1,4-シクロヘキシレン基、1,8-オクチレン基、2-エチルオクチレン基、1,9-ノニレン基及び1,10-デシレン基等が挙げられる。
式(P-1)で表される構造としては、例えば、以下の構造が挙げられる。
Figure 2024004449000019
Figure 2024004449000020
Figure 2024004449000021
Figure 2024004449000022
Figure 2024004449000023
Figure 2024004449000024
(*は、結合手を表す。)
及びQにおける炭素原子数6~40の芳香族環としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、アセナフテン、フルオレン、トリフェニレン、フェナレン、フェナントレン、インデン、インダン、インダセン、ピレン、クリセン、ペリレン、ナフタセン、ペンタセン、コロネン、ヘプタセン、ベンゾ[a]アントラセン、ジベンゾフェナントレン、ジベンゾ[a,j]アントラセンから誘導される芳香族環が挙げられる。これらの中でもベンゼン、ナフタレン及びアントラセンから選ばれることが好ましい。
及びQにおける、炭素原子数6~40の芳香族環構造を含む2価の有機基としては、例えば、置換基を有していてもよい炭素原子数6~40の2価の芳香族基が挙げられる。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数1~6のアルコキシ基などが挙げられる。
式(P)中の-T-L-Q-L-T-としては、例えば、以下の2価の有機基が挙げられる。
Figure 2024004449000025
Figure 2024004449000027
(*は、結合手を表す。)
ポリマー(C)は、例えば、以下に説明する、WO2009/008446、WO2011/074494、WO2013/018802などに記載のポリマーであってもよい。
・WO2009/008446に記載の下記式(1)で表される繰り返しの単位構造を有するポリマー)。
Figure 2024004449000028
(式(1)中、Rはメトキシ基、炭素原子数1~13のアルキル基またはハロゲン原子を表し、nは0~4の整数を表し、Rは水素原子、シアノ基、フェニル基、炭素原子数1乃至13のアルキル基またはハロゲン原子を表し、Xはエーテル結合またはエステル結合を表し、A、A、A、A、A及びAは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、Qは2つの炭素原子間の2価の有機基を表す。)
・WO2011/074494に記載の下記式(1)で表される繰り返しの単位構造を有するポリマー。
Figure 2024004449000029
(式(1)中、Xはエステル結合あるいはエーテル結合を表す。A、A、A、A、A、及びAは、それぞれ水素原子、メチル基またはエチル基を表し、Qは下記式(2)又は下記式(3)を表す。)
Figure 2024004449000030
(式(2)及び(3)中Qは炭素原子数1~10のアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、またはアントリレン基を表し、そして、前記フェニレン基、ナフチレン基、及びアントリレン基は、それぞれ、炭素原子数1~6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、及び炭素原子数1~6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよく、n及びnはそれぞれ0または1の数を表し、Xは下記式(4)、下記式(5)または下記式(6)を表す。)
Figure 2024004449000031
(式(4)、(5)及び(6)中R及びRはそれぞれ、水素原子、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数2~6のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、そして、前記ベンジル基及びフェニル基は、炭素原子数1~6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、及び炭素原子数1~6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよく、また、RとRは互いに結合して炭素原子数3~6の環を形成していてもよく、Rは炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数2~6のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、そして、前記ベンジル基及びフェニル基は、炭素原子数1~6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、及び炭素原子数1~6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよい。)
・WO2013/018802に記載の下記式(1a)の構造を有するポリマー
Figure 2024004449000032
(式(1a)中、A、A、A、A、A、及びAは、それぞれ、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、Xは下記式(2)、下記式(3)、下記式(4)、又は下記式(0)を表す。Qは下記式(5)または下記式(6)を表す。)
Figure 2024004449000033
(式(2)、(3)、(4)及び(0)中、R及びRはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数3~6のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、そして、前記炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数3~6のアルケニル基、ベンジル基及びフェニル基は、炭素原子数1~6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基及び炭素原子数1~6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよく、また、RとRは互いに結合して炭素原子数3~6の環を形成していてもよく、Rはハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数3~6のアルケニル基、ベンジル基またはフェニル基を表し、そして、前記フェニル基は、炭素原子数1~6のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、及び炭素原子数1~6のアルキルチオ基からなる群から選ばれる基で置換されていてもよい。)
Figure 2024004449000034
(式(5)及び(6)中Qは炭素原子数1~10のアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、またはアントリレン基を表し、そして、前記アルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、及びアントリレン基は、それぞれ、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数2~7のカルボニルオキシアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1~6のアルコキシ基、フェニル基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、炭素原子数1~6のアルキルチオ基、ジスルフィド基を有する基、カルボキシル基又はそれらの組み合わせからなる基で置換されていてもよく、n及びnはそれぞれ0または1の数を表し、Xは前記式(2)、前記式(3)、又は前記式(0)を表す。)
また、ポリマー(C)は、WO2020/026834に記載されている、主鎖に少なくとも1つの-C(=O)-O-基を含む繰り返し構造単位及び側鎖に少なくとも1つのヒドロキシ基を含む繰り返し構造単位を有するか、又は主鎖に少なくとも1つの-C(=O)-O-基を含みかつ側鎖に少なくとも1つのヒドロキシ基を含む繰り返し構造単位を有する樹脂であってよい。
さらに、ポリマー(C)は、下記式(1-1)で表される繰り返し構造単位及び下記式(1-2)で表される繰り返し構造単位を有する共重合体であってよい。
Figure 2024004449000035
(式(1-1)、(1-2)中、R及びRはそれぞれ独立に、炭素原子数2~20の直鎖状、分岐状又は環状の官能基を含む二価の有機基を表し、該有機基は硫黄原子、窒素原子又は酸素原子を少なくとも1つ有してもよく、i及びjはそれぞれ独立に0又は1を表し、2つのQはそれぞれ単結合、-O-基又は-C(=O)-O-基を表し、ただし、i及びjの両方が0の場合は、2つのQのうち少なく1つのQは-C(=O)-O-基を表す。)
なお、ポリマー(C)に関して、WO2022/196662、WO2009/008446、WO2011/074494、WO2013/018802、WO2020/026834、WO2022/071468に記載のポリマーの内容は、全てが明示されたと同程度に本明細書に組み込まれるものである。
ポリマー(C)は、下記式(E)で表される構造を有していてもよい。式(E)で表される構造は、例えば、ポリマー(C)の末端(片末端又は両末端)に位置する。
Figure 2024004449000036
(式(E)中、Yは、1価の基を表す。n11は、0又は1を表す。)
式(E)中のYにおける1価の基としては、例えば、炭素原子数1~30の1価の有機基が挙げられる。
式(E)中のYとしては、例えば、置換基で置換されていてもよい脂肪族環から水素原子を1つ除いた1価の残基、置換基で置換されていてもよい1価の芳香族基が挙げられる。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数1~6のアルコキシ基などが挙げられる。
置換基で置換されていてもよい1価の芳香族基における芳香族基としては、例えば、芳香族炭化水素基が挙げられる。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
式(EA)で表される化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2024004449000037
Figure 2024004449000038
Figure 2024004449000039
Figure 2024004449000040
Figure 2024004449000041
Figure 2024004449000042
ポリマー(C)の分子量は特に限定されない。
ポリマー(C)の重量平均分子量の下限は、例えば、500、1,000、2,000、又は3,000である。
ポリマー(C)の重量平均分子量の上限は、例えば、30,000、20,000、又は10,000である。
レジスト下層膜形成用組成物が、ポリマー(C)を含む場合、レジスト下層膜形成用組成物におけるポリマー(C)の含有量としては、特に制限されないが、化合物(A)に対して、100質量%~1000質量%が好ましく、100質量%~750質量%がより好ましく、200質量%~500質量%が特に好ましい。
<架橋剤(D)>
架橋剤(D)としては、特に制限されない。
架橋剤(D)は、化合物(A)、及びポリマー(C)とは異なる構造である。
架橋剤(D)としては、アミノプラスト架橋剤、フェノプラスト架橋剤が好ましい。
アミノプラスト架橋剤は、メラミンやグアナミン等のアミノ基を有する化合物とホルムアルデヒドとの付加縮合物である。
フェノプラスト架橋剤とは、フェノール性ヒドロキシ基を有する化合物とホルムアルデヒドとの付加縮合物である。
架橋剤(D)としては、例えば、下記構造を2以上有する化合物が挙げられる。
Figure 2024004449000043
(構造中、R101は、水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、又は炭素原子数2~6のアルコキシアルキル基を表す。*は、結合手を表す。)
結合手は、例えば、窒素原子、芳香族炭化水素環を構成する炭素原子などに結合している。
101としては、水素原子、メチル基、エチル基又は下記構造で表される基が好ましい。
Figure 2024004449000044
(構造中、R102は、水素原子、メチル基、又はエチル基を表す。*は、結合手を表す。)
架橋剤(D)としては、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物、ウレア化合物、フェノール性ヒドロキシ基を有する化合物が好ましい。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
メラミン化合物としては、例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンの1乃至6個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、ヘキサメトキシエチルメラミン、ヘキサアシロキシメチルメラミン、ヘキサメチロールメラミンのメチロール基の1乃至6個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物などが挙げられる。
グアナミン化合物としては、例えば、テトラメチロールグアナミン、テトラメトキシメチルグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1乃至4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルグアナミン、テトラアシロキシグアナミン、テトラメチロールグアナミンの1乃至4個のメチロール基がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物などが挙げられる。
グリコールウリル化合物としては、例えば、テトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1乃至4個がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1乃至4個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物などが挙げられる。
また、グリコールウリル化合物としては、例えば、下記式(1E)で表されるグリコールウリル誘導体であってもよい。
Figure 2024004449000045
(式(1E)中、4つのRはそれぞれ独立にメチル基又はエチル基を表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、又はフェニル基を表す。)
前記式(1E)で表されるグリコールウリル誘導体として、例えば、下記式(1E-1)~式(1E-6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2024004449000046
式(1E)で表されるグリコールウリル誘導体は、例えば、下記式(2E)で表されるグリコールウリル誘導体と、下記式(3d)で表される少なくとも1種の化合物とを反応させることで得られる。
Figure 2024004449000047
(式(2E)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~4のアルキル基、又はフェニル基を表し、Rはそれぞれ独立に炭素原子数1~4のアルキル基を表す。)
Figure 2024004449000048
(式(3d)中、Rはメチル基又はエチル基を表す。)
前記式(2E)で表されるグリコールウリル誘導体として、例えば、下記式(2E-1)~式(2E-4)で表される化合物が挙げられる。さらに前記式(3d)で表される化合物として、例えば下記式(3d-1)及び式(3d-2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2024004449000049
Figure 2024004449000050
ウレア化合物としては、例えば、テトラメチロールウレア、テトラメトキシメチルウレア、テトラメチロールウレアの1乃至4個のメチロール基がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメトキシエチルウレアなどが挙げられる。
フェノール性ヒドロキシ基を有する化合物としては、例えば、下記式(G-1)又は式(G-2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2024004449000051
(式(G-1)及び式(G-2)中、Qは単結合又はm1価の有機基を示す。
及びRはそれぞれ炭素原子数2乃至10のアルキル基、又は炭素原子数1乃至10のアルコキシ基を有する炭素原子数2乃至10のアルキル基を示す。
及びRはそれぞれ水素原子又はメチル基を示す。
及びRはそれぞれ炭素原子数1乃至10のアルキル基、又は炭素原子数6乃至40のアリール基を示す。
は1≦n≦3の整数、nは2≦n≦5の整数、nは0≦n≦3の整数、nは0≦n≦3の整数、3≦(n+n+n+n)≦6の整数を示す。
は1≦n≦3の整数、nは1≦n≦4の整数、nは0≦n≦3の整数、nは0≦n≦3の整数、2≦(n+n+n+n)≦5の整数を示す。
m1は2乃至10の整数を示す。)
また、フェノール性ヒドロキシ基を有する化合物としては、例えば、下記式(G-3)又は式(G-4)で表される化合物が挙げられる。
式(G-1)又は式(G-2)で示される化合物は、下記式(G-3)又は式(G-4)で示される化合物と、ヒドロキシル基含有エーテル化合物又は炭素原子数2乃至10のアルコールとの反応によって得られるものであってよい。
Figure 2024004449000052

(式(G-3)及び式(G-4)中、Qは単結合又はm2価の有機基を示す。
、R、R11及びR12はそれぞれ水素原子又はメチル基を示す。
及びR10はそれぞれ炭素原子数1乃至10のアルキル基、又は炭素原子数6乃至40のアリール基を示す。
は1≦n≦3の整数、n10は2≦n10≦5の整数、n11は0≦n11≦3の整数、n12は0≦n12≦3の整数、3≦(n+n10+n11+n12)≦6の整数を示す。
13は1≦n13≦3の整数、n14は1≦n14≦4の整数、n15は0≦n15≦3の整数、n16は0≦n16≦3の整数、2≦(n13+n14+n15+n16)≦5の整数を示す。
m2は2乃至10の整数を示す。)
におけるm2価の有機基としては、例えば、炭素原子数1~4のm2価の有機基が挙げられる。
式(G-1)又は式(G-2)で表される化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2024004449000053
Figure 2024004449000054
Figure 2024004449000055
Figure 2024004449000056
Figure 2024004449000057
式(G-3)又は式(G-4)で表される化合物としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2024004449000058
Figure 2024004449000059
上記化合物は旭有機材工業(株)、本州化学工業(株)の製品として入手することができる。製品としては、例えば、旭有機材工業(株)の商品名TMOM-BPが挙げられる。
これらの中でも、グリコールウリル化合物が好ましく、具体的にはテトラメチロールグリコールウリル、テトラメトキシグリコールウリル、テトラメトキシメチルグリコールウリル、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1乃至4個がメトキシメチル化した化合物又はその混合物、テトラメチロールグリコールウリルのメチロール基の1乃至4個がアシロキシメチル化した化合物又はその混合物が好ましく、テトラメトキシメチルグリコールウリルがより好ましい。
架橋剤(D)の分子量としては、特に制限されないが、500以下が好ましい。
レジスト下層膜形成用組成物における架橋剤(D)の含有量としては、特に制限されないが、化合物(A)に対して、例えば1質量%~70質量%であり、好ましくは、5質量%~60質量%である。
<硬化触媒(E)>
レジスト下層膜形成用組成物に任意成分として含まれる硬化触媒(E)は、熱酸発生剤、光酸発生剤何れも使用することができるが、熱酸発生剤を使用することが好ましい。
熱酸発生剤としては、例えば、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウム-p-トルエンスルホネート(ピリジニウム-p-トルエンスルホン酸)、ピリジニウムフェノールスルホン酸、ピリジニウム-p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸(p-フェノールスルホン酸ピリジニウム塩)、ピリジニウム-トリフルオロメタンスルホン酸、サリチル酸、カンファースルホン酸、5-スルホサリチル酸、4-クロロベンゼンスルホン酸、4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、1-ナフタレンスルホン酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、N-メチルモルホリン-p-トルエンスルホン酸、N-メチルモルホリン-p-ヒドロキシベンゼンスルホン酸、N-メチルモルホリン-5-スルホサリチル酸等のスルホン酸化合物及びカルボン酸化合物が挙げられる。
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、及びジスルホニルジアゾメタン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロノルマルオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート及びビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩化合物、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のスルホニウム塩化合物等が挙げられる。
スルホンイミド化合物としては、例えばN-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(ノナフルオロノルマルブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド及びN-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。
ジスルホニルジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p-トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4-ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、及びメチルスルホニル-p-トルエンスルホニルジアゾメタン等が挙げられる。
硬化触媒(E)は一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化触媒(E)が使用される場合、当該硬化触媒(E)の含有割合は、架橋剤(D)に対し、例えば0.1質量%~50質量%であり、好ましくは、1質量%~30質量%である。
<その他の成分>
レジスト下層膜形成用組成物には、ピンホールやストリエーション等の発生がなく、表面むらに対する塗布性をさらに向上させるために、さらに界面活性剤を添加することができる。
界面活性剤としては、例えば、直鎖又は分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸(例えばドデシルベンゼンスルホン酸等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製、商品名)、メガファックF171、F173、R-30(DIC(株)製、商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製、商品名)、アサヒガードAG710、サーフロンS-382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(AGC(株)製、商品名)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。
これらの界面活性剤の配合量は、レジスト下層膜形成用組成物の全固形分に対して通常2.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以下である。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また2種以上の組合せで添加することもできる。
本発明のレジスト下層膜形成用組成物が含む固形分、すなわち前記溶剤を除いた成分は例えば0.01質量%~10質量%である。
(レジスト下層膜)
本発明のレジスト下層は、前述したレジスト下層膜形成用組成物の硬化物である。
レジスト下層膜は、例えば、前述したレジスト下層膜形成用組成物を半導体基板上に塗布し、焼成することにより製造することができる。
レジスト下層膜形成用組成物が塗布される半導体基板としては、例えば、シリコンウエハ、ゲルマニウムウエハ、及びヒ化ガリウム、リン化インジウム、窒化ガリウム、窒化インジウム、窒化アルミニウム等の化合物半導体ウエハが挙げられる。
表面に無機膜が形成された半導体基板を用いる場合、当該無機膜は、例えば、ALD(原子層堆積)法、CVD(化学気相堆積)法、反応性スパッタ法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、スピンコーティング法(スピンオングラス:SOG)により形成される。前記無機膜として、例えば、ポリシリコン膜、酸化ケイ素膜、窒化珪素膜、BPSG(Boro-Phospho Silicate Glass)膜、窒化チタン膜、窒化酸化チタン膜、タングステン膜、窒化ガリウム膜、及びヒ化ガリウム膜が挙げられる。
このような半導体基板上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明のレジスト下層膜形成用組成物を塗布する。その後、ホットプレート等の加熱手段を用いてベークすることによりレジスト下層膜を形成する。ベーク条件としては、ベーク温度100℃~400℃、ベーク時間0.3分~60分間の中から適宜、選択される。好ましくは、ベーク温度120℃~350℃、ベーク時間0.5分~30分間、より好ましくは、ベーク温度150℃~300℃、ベーク時間0.8分~10分間である。
レジスト下層膜の膜厚としては、例えば0.001μm(1nm)~10μm、0.002μm(2nm)~1μm、0.005μm(5nm)~0.5μm(500nm)、0.001μm(1nm)~0.05μm(50nm)、0.002μm(2nm)~0.05μm(50nm)、0.003μm(3nm)~0.05μm(50nm)、0.004μm(4nm)~0.05μm(50nm)、0.005μm(5nm)~0.05μm(50nm)、0.003μm(3nm)~0.03μm(30nm)、0.003μm(3nm)~0.02μm(20nm)、0.005μm(5nm)~0.02μm(20nm)、0.005μm(5nm)~0.02μm(20nm)、0.003μm(3nm)~0.01μm(10nm)、0.005μm(5nm)~0.01μm(10nm)、0.003μm(3nm)~0.006μm(6nm)、又は0.005μm(5nm)である。
本明細書におけるレジスト下層膜の膜厚の測定方法は、以下のとおりである。
・測定装置名:エリプソ式膜厚測定装置RE-3100 ((株)SCREEN)
・SWE(単波長エリプソメータ)モード
・8点の算術平均(例えば、ウエハX方向に1cm間隔で8点測定)
(積層体)
本発明の積層体は、半導体基板と、本発明のレジスト下層膜とを備える。
半導体基板としては、例えば、前述の半導体基板が挙げられる。
レジスト下層膜は、例えば、半導体基板の上に配される。
(半導体素子の製造方法、パターン形成方法)
本発明の半導体素子の製造方法は、少なくとも以下の工程を含む。
・半導体基板の上に、本発明のレジスト下層膜形成用組成物を用いて、レジスト下層膜を形成する工程、及び
・レジスト下層膜の上に、レジスト膜を形成する工程
本発明のパターン形成方法は、少なくとも以下の工程を含む。
・半導体基板の上に、本発明のレジスト下層膜形成用組成物を用いて、レジスト下層膜を形成する工程、
・レジスト下層膜の上に、レジスト膜を形成する工程
・レジスト膜に光又は電子線を照射し、次いで、レジスト膜を現像し、レジストパターンを得る工程、及び
・レジストパターンをマスクに用い、レジスト下層膜をエッチングする工程
通常、レジスト下層膜の上にレジスト層が形成される。
レジスト層の膜厚としては、例えば、3,000nm以下であり、2,000nm以下であり、1,800nm以下であり、1,500nm以下であり、1,000nm以下である。下限は100nmであり、80nmであり、50nmであり、30nmであり、20nmであり、10nmである。
レジスト下層膜の上に公知の方法(例えば、レジスト組成物の塗布、及び焼成)で形成されるレジスト膜としては照射に使用される光又は電子線(EB)に応答するものであれば特に限定はない。ネガ型フォトレジスト及びポジ型フォトレジストのいずれも使用できる。
なお、本明細書においてはEBに応答するレジストもフォトレジストと称する。
フォトレジストとしては、ノボラック樹脂と1,2-ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、及び酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、メタル元素を含有するレジストなどがある。例えば、JSR(株)製商品名V146G、シプレー社製商品名APEX-E、住友化学(株)製商品名PAR710、及び信越化学工業(株)製商品名AR2772、SEPR430等が挙げられる。また、例えば、Proc.SPIE,Vol.3999,330-334(2000)、Proc.SPIE,Vol.3999,357-364(2000)、やProc.SPIE,Vol.3999,365-374(2000)に記載されているような、含フッ素原子ポリマー系フォトレジストを挙げることができる。
また、WO2019/188595、WO2019/187881、WO2019/187803、WO2019/167737、WO2019/167725、WO2019/187445、WO2019/167419、WO2019/123842、WO2019/054282、WO2019/058945、WO2019/058890、WO2019/039290、WO2019/044259、WO2019/044231、WO2019/026549、WO2018/193954、WO2019/172054、WO2019/021975、WO2018/230334、WO2018/194123、特開2018-180525、WO2018/190088、特開2018-070596、特開2018-028090、特開2016-153409、特開2016-130240、特開2016-108325、特開2016-047920、特開2016-035570、特開2016-035567、特開2016-035565、特開2019-101417、特開2019-117373、特開2019-052294、特開2019-008280、特開2019-008279、特開2019-003176、特開2019-003175、特開2018-197853、特開2019-191298、特開2019-061217、特開2018-045152、特開2018-022039、特開2016-090441、特開2015-10878、特開2012-168279、特開2012-022261、特開2012-022258、特開2011-043749、特開2010-181857、特開2010-128369、WO2018/031896、特開2019-113855、WO2017/156388、WO2017/066319、特開2018-41099、WO2016/065120、WO2015/026482、特開2016-29498、特開2011-253185等に記載のレジスト組成物、感放射性樹脂組成物、有機金属溶液に基づいた高解像度パターニング組成物等のいわゆるレジスト組成物、金属含有レジスト組成物が使用できるが、これらに制限されない。
レジスト組成物としては、例えば、以下の組成物が挙げられる。
酸の作用により脱離する保護基で極性基が保護された酸分解性基を有する繰り返し単位を有する樹脂A、及び、下記一般式(121)で表される化合物を含む、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(121)中、mは、1~6の整数を表す。
及びRは、それぞれ独立に、フッ素原子又はパーフルオロアルキル基を表す。
は、-O-、-S-、-COO-、-SO-、又は、-SO-を表す。
は、置換基を有していてもよいアルキレン基又は単結合を表す。
は、置換基を有していてもよい環状有機基を表す。
は、カチオンを表す。
金属-酸素共有結合を有する化合物と、溶媒とを含有し、上記化合物を構成する金属元素が、周期表第3族~第15族の第3周期~第7周期に属する、極端紫外線又は電子線リソグラフィー用金属含有膜形成組成物。
下記式(31)で表される第1構造単位及び下記式(32)で表され酸解離性基を含む第2構造単位を有する重合体と、酸発生剤とを含有する、感放射線性樹脂組成物。
Figure 2024004449000061
(式(31)中、Arは、炭素原子数6~20のアレーンから(n+1)個の水素原子を除いた基である。Rは、ヒドロキシ基、スルファニル基又は炭素原子数1~20の1価の有機基である。nは、0~11の整数である。nが2以上の場合、複数のRは同一又は異なる。Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。式(32)中、Rは、上記酸解離性基を含む炭素原子数1~20の1価の基である。Zは、単結合、酸素原子又は硫黄原子である。Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。)
環状炭酸エステル構造を有する構造単位、下記式で表される構造単位及び酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂(A1)と、酸発生剤とを含有するレジスト組成物。
Figure 2024004449000062
[式中、
は、ハロゲン原子を有してもよい炭素原子数1~6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表し、Xは、単結合、-CO-O-*又は-CO-NR-*を表し、*は-Arとの結合手を表し、Rは、水素原子又は炭素原子数1~4のアルキル基を表し、Arは、ヒドロキシ基及びカルボキシル基からなる群から選ばれる1以上の基を有していてもよい炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基を表す。]
レジスト膜としては、例えば、以下が挙げられる。
下記式(a1)で表される繰り返し単位及び/又は下記式(a2)で表される繰り返し単位と、露光によりポリマー主鎖に結合した酸を発生する繰り返し単位とを含むベース樹脂を含むレジスト膜。
(式(a1)及び式(a2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数4~6の3級アルキル基である。Rは、それぞれ独立に、フッ素原子又はメチル基である。mは、0~4の整数である。Xは、単結合、フェニレン基若しくはナフチレン基、又はエステル結合、ラクトン環、フェニレン基及びナフチレン基から選ばれる少なくとも1種を含む炭素原子数1~12の連結基である。Xは、単結合、エステル結合又はアミド結合である。)
レジスト材料としては、例えば、以下が挙げられる。
下記式(b1)又は式(b2)で表される繰り返し単位を有するポリマーを含むレジスト材料。
Figure 2024004449000064
(式(b1)及び式(b2)中、Rは、水素原子又はメチル基である。Xは、単結合又はエステル基である。Xは、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素原子数1~12のアルキレン基又は炭素原子数6~10のアリーレン基であり、該アルキレン基を構成するメチレン基の一部が、エーテル基、エステル基又はラクトン環含有基で置換されていてもよく、また、Xに含まれる少なくとも1つの水素原子が臭素原子で置換されている。Xは、単結合、エーテル基、エステル基、又は炭素原子数1~12の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基であり、該アルキレン基を構成するメチレン基の一部が、エーテル基又はエステル基で置換されていてもよい。Rf~Rfは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であるが、少なくとも1つはフッ素原子又はトリフルオロメチル基である。また、Rf及びRfが合わさってカルボニル基を形成してもよい。R~Rは、それぞれ独立に、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素原子数1~12のアルキル基、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素原子数2~12のアルケニル基、炭素原子数2~12のアルキニル基、炭素原子数6~20のアリール基、炭素原子数7~12のアラルキル基、又は炭素原子数7~12のアリールオキシアルキル基であり、これらの基の水素原子の一部又は全部が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、オキソ基、シアノ基、アミド基、ニトロ基、スルトン基、スルホン基又はスルホニウム塩含有基で置換されていてもよく、これらの基を構成するメチレン基の一部が、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カーボネート基又はスルホン酸エステル基で置換されていてもよい。また、RとRとが結合して、これらが結合する硫黄原子と共に環を形成してもよい。)
下記式(a)で表される繰り返し単位を含むポリマーを含むベース樹脂を含むレジスト材料。
Figure 2024004449000065
(式(a)中、Rは、水素原子又はメチル基である。Rは、水素原子又は酸不安定基である。Rは、直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素原子数1~6のアルキル基、又は臭素以外のハロゲン原子である。Xは、単結合若しくはフェニレン基、又はエステル基若しくはラクトン環を含んでいてもよい直鎖状、分岐状若しくは環状の炭素原子数1~12のアルキレン基である。Xは、-O-、-O-CH-又は-NH-である。mは、1~4の整数である。uは、0~3の整数である。ただし、m+uは、1~4の整数である。)
露光により酸を発生し、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化するレジスト組成物であって、
酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)及びアルカリ現像液に対して分解性を示すフッ素添加剤成分(F)を含有し、
前記フッ素添加剤成分(F)は、塩基解離性基を含む構成単位(f1)と、下記一般式(f2-r-1)で表される基を含む構成単位(f2)と、を有するフッ素樹脂成分(F1)を含有する、レジスト組成物。
Figure 2024004449000066
[式(f2-r-1)中、Rf21は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基又はシアノ基である。n”は、0~2の整数である。*は結合手である。]
前記構成単位(f1)は、下記一般式(f1-1)で表される構成単位、又は下記一般式(f1-2)で表される構成単位を含む。
Figure 2024004449000067
[式(f1-1)、(f1-2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のハロゲン化アルキル基である。Xは、酸解離性部位を有さない2価の連結基である。Aarylは、置換基を有していてもよい2価の芳香族環式基である。X01は、単結合又は2価の連結基である。Rは、それぞれ独立に、フッ素原子を有する有機基である。]
コーティング、コーティング溶液、及びコーティング組成物としては、例えば、以下が挙げられる。
金属炭素結合および/または金属カルボキシラート結合により有機配位子を有する金属オキソ-ヒドロキソネットワークを含むコーティング。
無機オキソ/ヒドロキソベースの組成物。
コーティング溶液であって、有機溶媒;第一の有機金属組成物であって、式RSnO(2-(z/2)-(x/2))(OH)(ここで、0<z≦2および0<(z+x)≦4である)、式R’SnX4-n(ここで、n=1または2である)、またはそれらの混合物によって表され、ここで、RおよびR’が、独立して、1~31個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、およびXが、Snに対する加水分解性結合を有する配位子またはそれらの組合せである、第一の有機金属組成物;および加水分解性の金属化合物であって、式MX’(ここで、Mが、元素周期表の第2~16族から選択される金属であり、v=2~6の数であり、およびX’が、加水分解性のM-X結合を有する配位子またはそれらの組合せである)によって表される、加水分解性の金属化合物を含む、コーティング溶液。
有機溶媒と、式RSnO(3/2-x/2)(OH)(式中、0<x<3)で表される第1の有機金属化合物とを含むコーティング溶液であって、前記溶液中に約0.0025M~約1.5Mのスズが含まれ、Rが3~31個の炭素原子を有するアルキル基またはシクロアルキル基であり、前記アルキル基またはシクロアルキル基が第2級または第3級炭素原子においてスズに結合された、コーティング溶液。
水と、金属亜酸化物陽イオンと、多原子無機陰イオンと、過酸化物基を含んで成る感放射線リガンドとの混合物を含んで成る無機パターン形成前駆体水溶液。
光又は電子線の照射は、例えば、所定のパターンを形成するためのマスク(レチクル)を通して行われる。例えば、i線、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV(極端紫外線)またはEB(電子線)が使用される。本発明のレジスト下層膜形成用組成物は、EB(電子線)又はEUV(極端紫外線:13.5nm)照射用に適用されることが好ましく、EUV(極端紫外線)露光用に適用されることがより好ましい。
電子線の照射エネルギー及び光の露光量としては、特に制限されない。
光又は電子線の照射後であって現像の前に、ベーク(PEB:Post Exposure Bake)を行ってもよい。
ベーク温度としては、特に制限されないが、60℃~150℃が好ましく、70℃~120℃がより好ましく、75℃~110℃が特に好ましい。
ベーク時間としては、特に制限されないが、1秒間~10分間が好ましく、10秒間~5分間がより好ましく、30秒間~3分間が特に好ましい。
現像には、例えば、アルカリ現像液が用いられる。
現像温度としては、例えば、5℃~50℃が挙げられる。
現像時間としては、例えば、10秒間~300秒間が挙げられる。
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n-プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジーn-ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第4級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。さらに、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。これらの中で好ましい現像液は第四級アンモニウム塩の水溶液、さらに好ましくはテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液及びコリンの水溶液である。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。アルカリ現像液に代えて、酢酸ブチル等の有機溶媒で現像を行い、フォトレジストのアルカリ溶解速度が向上していない部分を現像する方法を用いることもできる。
次いで、形成したレジストパターンをマスクとして、レジスト下層膜をエッチングする。エッチングは、ドライエッチングであってもよし、ウェットエッチングであってもよいが、ドライエッチングであることが好ましい。
用いた半導体基板の表面に前記無機膜が形成されている場合、その無機膜の表面を露出させ、用いた半導体基板の表面に前記無機膜が形成されていない場合、その半導体基板の表面を露出させる。その後半導体基板を公知の方法(ドライエッチング法等)により半導体基板を加工する工程を経て、半導体素子が製造できる。
次に実施例を挙げ本発明の内容を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記合成例1~合成例2に示すポリマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略称する)による測定結果である。測定には東ソー株式会社製GPC装置を用い、測定条件等は次のとおりである。
・GPCカラム:Shodex GF-710HQ、Shodex GF-510HQ、Shodex GF-310HQ〔登録商標〕(昭和電工(株))
・カラム温度:40℃
・流量:0.6ml/min
・溶離液:N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)
・標準試料:ポリスチレン(東ソー株式会社)
<合成例1>
Tris(2,3-epoxy propyl) isocyanulate(TEPIC)(日産化学(株)製)2.00g、4-Azidobenzoic Acid(東京化成工業(株)製)3.57g、及びテトラブチルホスホニウムブロマイド(ACROSS社製)0.045gを、反応容器中のプロピレングリコールモノメチルエーテル50.5gに加え溶解させた。反応容器を窒素置換後、105℃で24時間反応させ、生成物溶液を得た。当該生成物溶液は、室温に冷却しても白濁等を生じることはなく、プロピレングリコールモノメチルエーテルに対する溶解性は良好である。GPC分析を行ったところ、得られた溶液中の化合物は標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量960であった。本合成例で得られた化合物は、下記式(1)で表される構造を有する。
Figure 2024004449000068
<合成例2>
モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸(四国化成工業(株)製)100g、5,5-ジエチルバルビツール酸66.4g、及びベンジルトリエチルアンモニウムクロリド4.1gをプロピレングリコールモノメチルエーテル682gに溶解させた後、130℃で24時間反応させポリマーを含む溶液を得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は6800であった。なお、得られたポリマーは、式(2)の構造を繰り返しの単位構造とするポリマーであると考えられる。
Figure 2024004449000069
<実施例1>
合成例2で得られたポリマー溶液0.39g(固形分:19.9重量%)に、合成例1で得られた化合物溶液0.37g(固形分:7.39重量%)、プロピレングリコールモノメチルエーテル34.3g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート14.97gを加え溶解させた。その後孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、リソグラフィー用レジスト下層膜形成用組成物とした。
<比較例1>
合成例2で得られたポリマー溶液1.53g(固形分:4.86重量%)に、テトラメトキシメチルグリコールウリル(日本サイテックインダストリーズ(株)製)0.02g、ピリジニウムフェノールスルホン酸0.019g、プロピレングリコールモノメチルエーテル33.3g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート14.97gを加え溶解させた。その後孔径0.05μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、リソグラフィー用レジスト下層膜形成用組成物とした。
〔フォトレジスト溶剤への溶出試験〕
実施例1及び比較例1のレジスト下層膜形成用組成物を、それぞれスピナーにより、半導体基板であるシリコンウェハー上に塗布した。シリコンウェハーをホットプレート上に配置し、215℃で1分間ベークし、レジスト下層膜(膜厚5nm)を形成した。これらのレジスト下層膜をフォトレジストに使用する溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテル/プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート=7/3(質量比)に浸漬し、それらの溶剤に不溶であることを確認した。
〔電子線描画装置によるポジ型レジストパターンの形成〕
実施例1及び比較例1のレジスト下層膜形成用組成物を、スピナーを用いてシリコンウェハー上にそれぞれ塗布した。そのシリコンウェハーを、ホットプレート上で215℃、60秒間ベークし、膜厚5nmのレジスト下層膜を得た。そのレジスト下層膜上に、EUV用ポジ型レジスト溶液(メタクリルポリマー含有)をスピンコートし、110℃で60秒間加熱し、EUVレジスト膜を形成した。そのレジスト膜に対し、電子線描画装置(ELS-G130)を用い、所定の条件で露光した。露光後、90℃で60秒間ベーク(PEB)を行い、クーリングプレート上で室温まで冷却し、アルカリ現像液(2.38%TMAH水溶液)で現像し、ライン・アンド・スペースパターンを形成した。レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、CG4100)を用いた。上記レジストパターンの形成において、CDサイズ17nmのラインパターンを形成した場合は「良好」、CDサイズ17nmのラインパターンが倒れもしくは剥がれが見られた場合には「不良」と示した。結果を表1に示す。
Figure 2024004449000070
実施例1は比較例1と比較して、ラインパターンの倒れや剥がれが抑制され、解像性に優れており、良好なパターン形成能を有することが示唆された。

Claims (15)

  1. 2個以上のアジド基を有する化合物(A)及び溶剤(B)を含む、レジスト下層膜形成用組成物。
  2. 前記化合物(A)が、脂肪族環構造、芳香族環構造、及び複素環構造の少なくともいずれかを更に有する化合物である、請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  3. 前記化合物(A)が、下記式(1)で表される、請求項2に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
    Figure 2024004449000071
    (式(1)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素原子数1~3のアルキル基を表す。
    Qは、それぞれ独立して、単結合又は2価の有機基を表す。)
  4. 前記化合物(A)が、2個以上のエポキシ基を有する化合物(A-1)と、1個以上のアジド基を有し、かつエポキシ基と反応可能な化合物(A-2)とを含む反応物の反応生成物である、請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  5. 前記化合物(A)が、〔(全炭素原子数+全酸素原子数)/全窒素原子数〕≧3を満たす、請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  6. 前記溶剤(B)が、アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルのモノカルボン酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  7. ポリマー(C)を更に含む、請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  8. 前記ポリマー(C)が、イソシアヌル酸系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、アクリル系ポリマー及びポリエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項7に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  9. 架橋剤(D)を更に含む、請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  10. 前記架橋剤(D)が、アミノプラスト架橋剤及びフェノプラスト架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項9に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  11. 硬化触媒(E)を更に含む、請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載のレジスト下層膜形成用組成物の硬化物である、レジスト下層膜。
  13. 半導体基板と、
    請求項12に記載のレジスト下層膜と、
    を備える積層体。
  14. 半導体基板の上に、請求項1から11のいずれかに記載のレジスト下層膜形成用組成物を用いて、レジスト下層膜を形成する工程と、
    前記レジスト下層膜の上に、レジスト膜を形成する工程と、
    を含む、半導体素子の製造方法。
  15. 半導体基板の上に、請求項1から11のいずれかに記載のレジスト下層膜形成用組成物を用いて、レジスト下層膜を形成する工程と、
    前記レジスト下層膜の上に、レジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜に光又は電子線を照射し、次いで、前記レジスト膜を現像し、レジストパターンを得る工程と、
    前記レジストパターンをマスクに用い、前記レジスト下層膜をエッチングする工程と、
    を含む、パターン形成方法。
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