JP2024000846A - 虚像表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】虚像の表示域の位置を切り替え可能な構成であっても、各位置の調整をユーザが円滑に実施できる虚像表示装置の提供。【解決手段】ＨＵＤ１００は、車両Ａｍにおいて用いられる虚像表示装置であって、前景に重畳される虚像Ｖｉを表示する。ＨＵＤ１００は、虚像Ｖｉが表示される表示域ＶＡの位置を、通常位置ＶＰ１と上方位置ＶＰ２とを含む複数の位置間で切り替える切替機構６３を備えている。ヘッドアップＥＣＵ７０は、表示域ＶＡの位置を調整する操作の操作情報を取得し、操作情報に基づき、表示域ＶＡの位置を調整する。ヘッドアップＥＣＵ７０は、上下方向ＵＳにおける通常位置ＶＰ１を操作情報に基づき変更する第１調整モードと、第１調整モードでの調整に基づく通常位置ＶＰ１から上方位置ＶＰ２までの変位量を操作情報に基づき変更する第２調整モードとを実行する。【選択図】図１

Description

この明細書における開示は、虚像を表示する虚像表示装置に関する。

特許文献１に開示のＨＵＤ装置では、ステッピングモータによって凹面鏡が回動駆動されることにより、虚像を視認できる視認領域が上下方向に移動する。このＨＵＤ装置では、モニタリングシステムの撮像画像データを用いて乗員の眼の位置が算出され、眼の位置に応じて凹面鏡の姿勢が自動調整される。

特許第６２２１９４２号公報

近年、虚像の表示域を複数の位置間で切り替えることが可能な虚像表示装置が構想されている。こうした虚像表示装置においても、特許文献１のような自動調整が有効となり得る。しかし、特許文献１のような自動調整を可能にする場合、ドライバモニタ等の構成が必要となるため、虚像表示装置の構成が複雑化し得る。故に、表示域の各位置を円滑に手動調整できる構成が求められていた。

本開示は、虚像の表示域の位置を切り替え可能な構成であっても、各位置の調整をユーザが円滑に実施できる虚像表示装置の提供を目的とする。

上記目的を達成するため、開示された一つの態様は、車両（Ａｍ）において用いられ、前景に重畳される虚像（Ｖｉ）を表示する虚像表示装置であって、虚像が表示される表示域（ＶＡ）の位置を、第１位置（ＶＰ１）と、第１位置よりも上方の第２位置（ＶＰ２）とを少なくとも含む複数の位置間で切り替える切替機構（６３）と、表示域の位置を調整する操作の操作情報を取得する情報取得部（７１）と、操作情報に基づき表示域の位置を調整する位置調整部（７２）と、を備え、位置調整部は、上下方向（ＵＳ）における第１位置を操作情報に基づき変更する第１調整モードと、第１調整モードでの調整に基づく第１位置から第２位置までの変位量を操作情報に基づき変更する第２調整モードと、を実行する虚像表示装置とされる。

この態様における第２調整モードでは、第１調整モードでの調整に基づく第１位置から第２位置までの変位量が操作情報に基づき変更される。これにより、第１調整モードでの第１位置の調整結果が第２位置にも反映されるため、表示域の各位置を調整する作業の煩雑さが軽減され得る。その結果、虚像の表示域の位置を切り替え可能な構成であっても、ユーザは、各位置の調整を円滑に実施できる。

また開示された一つの態様は、車両（Ａｍ）において用いられ、前景に重畳される虚像（Ｖｉ）を表示する虚像表示装置であって、虚像が表示される表示域（ＶＡ）の位置を、第１位置（ＶＰ１）と、第１位置よりも上方の第２位置（ＶＰ２）とを少なくとも含む複数の位置間で切り替える切替機構（６３）と、表示域の位置を調整する操作の操作情報を取得する情報取得部（７１）と、上下方向（ＵＳ）における第１位置を操作情報に基づき変更し、第１位置から所定距離だけ上方に第２位置を設定する位置調整部（７２）と、を備える虚像表示装置とされる。

この態様では、操作情報に基づき変更される第１位置から所定距離だけ上方に第２位置が設定される。このように、第１位置及び第２位置が一体的に調整可能であれば、表示域の各位置を調整する作業の煩雑さが軽減され得る。その結果、虚像の表示域の位置を切り替え可能な構成であっても、ユーザは、各位置の調整を円滑に実施できる。

また開示された一つの態様は、車両（Ａｍ）において用いられ、前景に重畳される虚像（Ｖｉ）を表示する虚像表示装置であって、虚像が表示される表示域（ＶＡ）の位置を、第１位置（ＶＰ１）と、第１位置よりも上方の第２位置（ＶＰ２）とを少なくとも含む複数の位置間で切り替える切替機構（６３）と、表示域の位置を調整する操作の操作情報を取得する情報取得部（７１）と、操作情報に基づき表示域の位置を調整する位置調整部（７２）と、を備え、位置調整部は、上下方向（ＵＳ）における第１位置を操作情報に基づき変更する第１調整モードと、上下方向における第２位置を操作情報に基づき変更する第２調整モードと、を実行する虚像表示装置とされる。

この態様では、第１位置を操作情報に基づき変更する第１調整モードと、第２位置を操作情報に基づき変更する第２調整モードとが実行される。故に、ユーザは、第１位置及び第２位置をそれぞれ好みの位置に個別に調整できる。その結果、虚像の表示域の位置を切り替え可能な構成であっても、ユーザは、各位置の調整を円滑に実施できる。

尚、上記及び特許請求の範囲における括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。また、特に組み合わせに支障が生じなければ、特許請求の範囲において明示していない請求項同士の組み合せも可能である。

本開示の第一実施形態によるヘッドアップディスプレイの虚像表示機能を説明するための図である。 表示システムの電気的な構成を示すブロック図である。 表示域の通常位置及び上方位置の位置関係を示す図である。 通常位置及び上方位置にて虚像表示されるコンテンツの一例を示す図である。 ヘッドアップＥＣＵにて実施される位置調整処理の詳細を示すフローチャートである。 第１調整モードの詳細を説明するための図である。 第１調整モードでのガイダンス表示の一例を示す図である。 第２調整モードの詳細を説明するための図である。 第２調整モードでのガイダンス表示の一例を示す図である。 緊急警告モードの詳細を説明するための図である。 第二実施形態による位置調整処理の詳細を示すフローチャートである。 第三実施形態による位置調整処理の詳細を示すフローチャートである。 第２調整モードの詳細を説明するための図である。

以下、複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。

（第一実施形態）
図１及び図２に示す本開示の第一実施形態によるヘッドアップディスプレイ（以下、ＨＵＤ）１００は、虚像Ｖｉを表示する虚像表示装置である。ＨＵＤ１００は、メータ表示装置３０等と共に表示システム１１０を構成している。表示システム１１０は、車両Ａｍにおいて用いられ、ＨＵＤ１００による虚像表示と、メータ表示装置３０による画面表示等とを連携させて、車両Ａｍに関連する種々の情報をドライバに提示する。

メータ表示装置３０及びＨＵＤ１００は、車両Ａｍに搭載された車載ネットワークの通信バスに通信可能に接続されている。車載ネットワークの通信バスには、ナビゲーションＥＣＵ（Electronic Control Unit）２１及び運転支援ＥＣＵ２２等の他の車載ＥＣＵがさらに接続されている。通信バスにノードとして接続されたこれらの構成は、相互に通信可能である。これらＥＣＵ等のうちの特定のノード同士は、相互に直接的に電気接続され、通信バスを介することなく通信可能であってもよい。

メータ表示装置３０は、車両Ａｍに搭載される複数の表示デバイスのうちの一つであり、表示画面への画像の表示によってドライバに情報を提示する。メータ表示装置３０は、コンビネーションメータに相当する構成であり、表示画面を運転席へ向けた姿勢で、インスツルメントパネル９に収容されている。メータ表示装置３０は、メータディスプレイ３１及びメータＥＣＵ３２を備えている。

メータディスプレイ３１は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ＥＬディスプレイ等である。メータディスプレイ３１は、メータＥＣＵ３２から取得する映像データに基づき、スピードメータ画像、タコメータ画像、ナビ地図画像及び運転支援画像等を、表示画面に表示する。

メータＥＣＵ３２は、車両Ａｍのユーザインターフェース機能を統括する電子制御装置である。メータＥＣＵ３２は、メータディスプレイ３１、ＨＵＤ１００及びセンターディスプレイ等の表示デバイスによる表示を統合的に制御する。メータＥＣＵ３２は、処理部、ＲＡＭ、ストレージ、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。メータＥＣＵ３２は、通信バスに出力される種々の情報に基づき、メータディスプレイ３１に提供する映像データを生成する。メータＥＣＵ３２は、後述するヘッドアップＥＣＵ７０と連携し、虚像表示のための演算処理を実行する。メータＥＣＵ３２は、虚像Ｖｉの表示に用いられる画像データを生成し、生成した画像データを、ＨＵＤ１００に逐次出力する。

ＨＵＤ１００は、車両Ａｍに搭載される複数の表示デバイスのうちの一つであり、ドライバ前方の空間中に結像される虚像Ｖｉにより、ドライバに情報を提示する。ＨＵＤ１００は、インスツルメントパネル９の内部に設けられた収容空間に収容されている。ＨＵＤ１００は、虚像Ｖｉとして結像される光（以下、表示光Ｌｖｉ）を、ウィンドシールドＷＳの投影範囲ＰＡへ向けて投影する。ウィンドシールドＷＳに投影された表示光Ｌｖｉは、投影範囲ＰＡにおいて運転席側へ反射され、ドライバによって知覚される。ドライバは、投影範囲ＰＡを通して見える前景に、虚像Ｖｉが重畳された表示を視認する。

ＨＵＤ１００は、ＰＧＵ（Picture Generation Unit）６１、拡大光学系６２、切替機構６３、ポジションセンサ６４及びヘッドアップＥＣＵ７０を備えている。

ＰＧＵ６１は、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）パネル及びバックライトを有している。ＰＧＵ６１は、ＬＣＤパネルの表示面を拡大光学系６２（後述の平面鏡）へ向けた姿勢にて、ＨＵＤ１００の筐体に固定されている。ＰＧＵ６１は、映像データの各フレーム画像をＬＣＤパネルの表示面に表示し、当該表示面をバックライトによって透過照明することで、虚像Ｖｉとして結像される表示光Ｌｖｉを拡大光学系６２へ向けて射出する。

拡大光学系６２は、合成樹脂又はガラス等からなる基材の表面にアルミニウム等の金属を蒸着させた平面鏡及び凹面鏡６２ａを少なくとも含む構成である。平面鏡は、ＰＧＵ６１から射出された表示光Ｌｖｉを凹面鏡６２ａへ向けて反射する。凹面鏡６２ａは、平面鏡から入射する表示光Ｌｖｉを反射によって広げつつ、上方の投影範囲ＰＡに投影する。

切替機構６３は、ウィンドシールドＷＳのうちで投影範囲ＰＡとなる領域を機械的に移動させる機構である。投影範囲ＰＡは、表示光Ｌｖｉが投影される範囲であり、ドライバからの見た目上で虚像Ｖｉが表示される範囲である。切替機構６３は、アクチュエータ６３ａ及びギヤユニット等によって構成されている。切替機構６３は、アクチュエータ６３ａの駆動力を、ギヤユニットを介して凹面鏡６２ａのハウジングに伝達する作動により、左右方向Ｙｏに沿って規定された回転軸まわりに凹面鏡６２ａを回動させる。切替機構６３は、凹面鏡６２ａのチルト角を増減させ、凹面鏡６２ａからウィンドシールドＷＳへ向かう表示光Ｌｖｉの射出方向を変化させる。こうした凹面鏡６２ａの姿勢変化により、表示光Ｌｖｉの投影範囲ＰＡ、ひいてはドライバによって視認される表示域ＶＡの位置が、少なくとも上下方向ＵＳに移動する。

さらに詳記すると、虚像Ｖｉを結像可能な空間中の仮想範囲を結像面ＩＳと定義したとき、表示域ＶＡは、ドライバのアイポイントＥＰと結像面ＩＳの外縁とを結ぶ仮想線に基づき規定される。表示域ＶＡは、アイポイントＥＰから見て、虚像Ｖｉが表示される画角範囲となる。ＨＵＤ１００では、垂直方向における垂直画角（例えば２°程度）よりも、水平方向における水平画角（例えば６°程度）の方が大きくされている。

切替機構６３は、表示域ＶＡの位置を車両Ａｍの上下方向ＵＳに沿って変位させ、表示域ＶＡと重なる前方範囲を前後方向ＺＧに移動させる。一例として、切替機構６３が表示域ＶＡを下方（例えば俯角４°程度）に位置させた場合、１０数ｍ～２０数ｍの前方範囲が、表示域ＶＡ内の範囲となる。対して、切替機構６３が表示域ＶＡを上方（例えば俯角２°程度）に位置させた場合、２０ｍ～６０ｍ程度の前方範囲が、表示域ＶＡ内の範囲となる。

ここで、前後方向ＺＧ及び左右方向Ｙｏは、水平面上に静止させた車両Ａｍを基準として規定される。具体的に、前後方向ＺＧは、車両Ａｍの長手方向（進行方向）に沿って規定される。また左右方向Ｙｏは、車両Ａｍの幅方向に沿って規定される。さらに、上下方向ＵＳは、前後方向ＺＧ及び左右方向Ｙｏを規定した水平面の鉛直方向に沿って規定される。尚、記載の簡略化のため、各方向を示す符号の記載を適宜省略する場合がある。

ポジションセンサ６４は、アクチュエータ６３ａ又はギヤユニットと一体的に設けられている。ポジションセンサ６４は、切替機構６３によって調整される凹面鏡６２ａのチルト角を、電気的又は磁気的に検出する。ポジションセンサ６４は、凹面鏡６２ａの現在のチルト角を示す出力信号をヘッドアップＥＣＵ７０へ向けて逐次出力する。

ヘッドアップＥＣＵ７０は、ＰＧＵ６１及びアクチュエータ６３ａを統合制御するＨＵＤ１００の制御回路である。ヘッドアップＥＣＵ７０は、処理部５１、ＲＡＭ５２、ストレージ５３、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバス等を備えたコンピュータを主体として含む構成である。ヘッドアップＥＣＵ７０には、ＬＣＤパネル、バックライト及びアクチュエータ６３ａを駆動するための駆動回路と、ポジションセンサ６４の出力信号を取得する検出回路とがさらに設けられている。

ヘッドアップＥＣＵ７０は、表示域ＶＡの位置に関連付けて、虚像Ｖｉとして表示するコンテンツＣＴ（図３及び図４参照）を変更する。具体的に、ヘッドアップＥＣＵ７０は、アクチュエータ６３ａの駆動制御により、切替機構６３と連携して、虚像Ｖｉが表示される表示域ＶＡの位置を、通常位置ＶＰ１及び上方位置ＶＰ２を含む複数の位置間で切り替える。ヘッドアップＥＣＵ７０は、アクチュエータ６３ａによる表示域ＶＡの位置の切り替えに応じて、通常位置ＶＰ１及び上方位置ＶＰ２のそれぞれに紐づく虚像Ｖｉを表示させる（図４参照）。

通常位置ＶＰ１は、ドライバの周辺視野ＰＶＦ（図３参照）内に虚像Ｖｉを表示させる表示域ＶＡの位置である。通常位置ＶＰ１は、上方位置ＶＰ２よりも下方に規定される。通常位置ＶＰ１は、表示域ＶＡの基準位置であり、上方位置ＶＰ２よりも使用される期間の長い常時位置に相当する。通常位置ＶＰ１の表示域ＶＡ内には、例えばスピードメータＣＴｖ（図４上段参照）等の車両情報を示すコンテンツＣＴが表示される。以下の説明では、通常位置ＶＰ１に紐づくコンテンツＣＴを、第１コンテンツＣＴ１と記載する。例えば、ナビゲーションＥＣＵ２１の経路情報に基づくルートガイド、運転支援ＥＣＵ２２にて認識された道路標識等が、第１コンテンツＣＴ１として通常位置ＶＰ１に表示されてよい。ドライバは、情報を入手したいタイミングで、通常位置ＶＰ１の表示域ＶＡ内に表示された第１コンテンツＣＴ１の虚像Ｖｉを認識できる。

上方位置ＶＰ２は、ドライバの中心視野ＣＶＦ（図３参照）にかかるように虚像Ｖｉを表示させる表示域ＶＡの位置である。上方位置ＶＰ２は、通常位置ＶＰ１よりも上方に規定される。通常位置ＶＰ１から上方位置ＶＰ２への表示域ＶＡの移動は、ドライバに通知すべき特定のイベントが発生した場合に実施される。上方位置ＶＰ２の表示域ＶＡ内には、例えば経路案内コンテンツＣＴｒｇ（図４下段参照）、及び歩行者報知コンテンツ等のイベントに関連するコンテンツＣＴが表示される。以下の説明では、上方位置ＶＰ２に紐づくコンテンツＣＴを、第２コンテンツＣＴ２と記載する。ドライバは、イベントが発生したタイミングで、前方から視線を大きく外すことなく、上方位置ＶＰ２の表示域ＶＡ内に表示された第２コンテンツＣＴ２の虚像Ｖｉを認識できる。

ここまで説明した画角位置とコンテンツＣＴとを連携させた虚像表示制御を実現するため、ヘッドアップＥＣＵ７０は、ストレージ５３に記憶されたプログラム（虚像表示プログラム）を処理部５１によって実行し、複数の機能部を備える。具体的に、ヘッドアップＥＣＵ７０は、情報取得部７１及び表示制御部７２等の機能部を備える。

情報取得部７１は、通信バス及びメータＥＣＵ３２と接続されている。情報取得部７１は、ナビゲーションＥＣＵ２１により提供される経路情報、並びに運転支援ＥＣＵ２２により提供される自車周囲の物標情報及び制御ステータス情報等を、通信バスから取得する。情報取得部７１には、メータＥＣＵ３２によって生成される虚像表示のための画像データが逐次入力される。

情報取得部７１は、操作部６８と電気的に接続されている。操作部６８は、ドライバによる表示域ＶＡの位置調整と、虚像表示のオン及びオフの切り替えとを行うためのスイッチである。情報取得部７１は、ドライバ等によって操作部６８が操作された場合に、操作部６８へ入力される操作の操作情報を取得する。入力情報は、情報取得部７１から表示制御部７２に提供され、ドライバの操作に応じた表示域ＶＡの位置調整及び虚像表示のオンオフ切り替えが実施される。インスツルメントパネル９に設けられた専用のスイッチ、ステアリングホイールに設けられたステアスイッチ、タッチパネル機能を有するセンターディスプレイ、及びドライバの発話を検出する音声入力装置等が、操作部６８として利用可能である。

表示制御部７２は、ＰＧＵ６１及びアクチュエータ６３ａを統合制御する制御部である。表示制御部７２は、ＰＧＵ６１へ向けて出力する映像データ及び制御信号と、アクチュエータ６３ａへ向けて出力する駆動信号とを生成する。表示制御部７２は、ポジションセンサ６４の出力信号に基づきアクチュエータ６３ａの作動を制御することで、特定のチルト角に凹面鏡６２ａの姿勢を変位させる。表示制御部７２は、虚像Ｖｉとして表示させるコンテンツＣＴを選択すると共に、表示されるコンテンツＣＴの内容に応じて表示域ＶＡの位置を制御する。

表示制御部７２は、情報取得部７１にて取得される情報に基づき、予め設定されたデータテーブルを参照し、虚像表示させるコンテンツＣＴと表示域ＶＡの位置とを選択する。表示制御部７２は、コンテンツＣＴの選択結果に基づき、映像データの生成に使用する画像の素材データを、ＲＡＭ５２又はストレージ５３から抽出する。表示制御部７２は、素材データから生成した画像データと、メータＥＣＵ３２より提供される画像データとを適宜組み合わせ、映像データの各フレーム画像を生成する。表示制御部７２は、連続した多数のフレーム画像よりなる映像データを、ＰＧＵ６１に逐次出力する。

表示制御部７２は、表示域ＶＡの移動実施を決定した場合、アクチュエータ６３ａの駆動開始又は駆動終了に関連させて、虚像表示するコンテンツＣＴの内容を切り替える。一例として、表示制御部７２は、通常位置ＶＰ１から上方位置ＶＰ２へと表示域ＶＡを移動させる場合、表示域ＶＡの移動を開始させる直前に、虚像表示するコンテンツＣＴを切り替える。反対に、上方位置ＶＰ２から通常位置ＶＰ１へと表示域ＶＡを移動させる場合、表示制御部７２は、表示域ＶＡの移動を完了した直後に、虚像表示するコンテンツＣＴを切り替える。

＜位置調整モード＞
表示制御部７２は、操作情報に基づき表示域ＶＡの位置を調整する位置調整処理（図５参照）を開始する。表示制御部７２は、位置調整処理において、第１調整モードと第２調整モードとを実行する。第１調整モードは、上下方向ＵＳにおける通常位置ＶＰ１を操作情報に基づき変更する調整モードである（図６参照）。第２調整モードは、第１調整モードでの調整に基づく通常位置ＶＰ１から上方位置ＶＰ２までの変位量を操作情報に基づき変更する調整モードである（図８参照）。位置調整処理において、第１調整モードと第２調整モードとは、個別に実行される。即ち、１回の位置調整処理では、第１調整モード及び第２調整モードのうちの一方のみが実行される。表示制御部７２は、表示域ＶＡの位置を調整する操作の操作情報が情報取得部７１にて取得されたことに基づき、位置調整処理を開始する。表示制御部７２は、走行中の位置調整処理の実施を許可してもよく、又は位置調整処理の実施を車両Ａｍの停止中に制限してもよい。

表示制御部７２は、位置調整処理の開始に基づき、ガイダンス表示を開始する（Ｓ１１）。操作開始直後のガイダンス表示では、第１フレーム画像部Ｐｆ１及び第２フレーム画像部Ｐｆ２を含むガイドコンテンツＣＴｇが表示される（図７参照）。第１フレーム画像部Ｐｆ１及び第２フレーム画像部Ｐｆ２は共に、Ｌ字状の画像要素を４つ組み合わせてなる枠状に描画されている。第１フレーム画像部Ｐｆ１及び第２フレーム画像部Ｐｆ２は、表示域ＶＡの中央に上下方向ＵＳに並んで表示される。第１フレーム画像部Ｐｆ１は、第２フレーム画像部Ｐｆ２の下方に表示され、通常位置ＶＰ１の表示域ＶＡを想起させる画像部である。第２フレーム画像部Ｐｆ２は、第１フレーム画像部Ｐｆ１よりも上方に表示され、上方位置ＶＰ２の表示域ＶＡを想起させる画像部である。

表示制御部７２は、通常位置ＶＰ１及び上方位置ＶＰ２のうちで調整対象とする表示位置を選択及び決定する操作の操作情報を、情報取得部７１を通じて把握する（Ｓ１２）。表示制御部７２は、調整対象を選択する操作情報に基づき、第１フレーム画像部Ｐｆ１及び第２フレーム画像部Ｐｆ２のうちで、選択中の表示位置に対応する一方を、他方よりも高い輝度、或いは明度又は彩度の高い表示色にて表示させる。

表示制御部７２は、操作情報に基づき、操作対象とする表示域ＶＡの位置を決定する。このとき表示制御部７２は、通常位置ＶＰ１が調整対象として選択されたか否かを判定する（Ｓ１３）。通常位置ＶＰ１が調整対象として選択された場合（Ｓ１３：ＹＥＳ）、表示制御部７２は、表示モードを第１調整モードへ移行する（Ｓ１４）。一方、上方位置ＶＰ２が調整対象として選択された場合（Ｓ１３：ＮＯ）、表示制御部７２は、表示モードを第２調整モードへ移行する（Ｓ１９）。

表示制御部７２は、第１調整モード（図６参照）の実行開始に基づき（Ｓ１４）、ガイダンス表示を第１調整モード用の態様（図７参照）に変更する（Ｓ１５）。第１調整モードに対応するガイダンス表示において、ガイドコンテンツＣＴｇは、第１フレーム画像部Ｐｆ１を第２フレーム画像部Ｐｆ２よりも強調することで、通常位置ＶＰ１が調整対象であることを示す。

表示制御部７２は、第１フレーム画像部Ｐｆ１を強調するため、第１フレーム画像部Ｐｆ１を第２フレーム画像部Ｐｆ２よりも高い輝度、或いは明度又は彩度の高い表示色にて表示させる。表示制御部７２は、第２フレーム画像部Ｐｆ２を第１フレーム画像部Ｐｆ１に対してトーンダウンさせる。表示制御部７２は、第１フレーム画像部Ｐｆ１を点滅表示させてもよい。

表示制御部７２は、第１フレーム画像部Ｐｆ１の内側に、調整中メッセージＰｍ及び第１アイコンＩｃ１を表示させる。調整中メッセージＰｍは、「調整中」等の文字を主体とする画像部と、調整方向を示す矢印状の画像部等とによって構成されている。第１アイコンＩｃ１は、通常位置ＶＰ１の表示域ＶＡに表示される第１コンテンツＣＴ１に関連した態様のアイコンである。具体的に、スピードメータＣＴｖ（図４参照）、及びルートガイド等を小型化又は簡素化した画像が、第１アイコンＩｃ１として表示される。

表示制御部７２は、第１フレーム画像部Ｐｆ１を強調するため、調整中メッセージＰｍ及び第１アイコンＩｃ１を第１フレーム画像部Ｐｆ１の内側に交互に表示させることで、調整中メッセージＰｍ及び第１アイコンＩｃ１の点滅表示を実施する。表示制御部７２は、第１フレーム画像部Ｐｆ１の内側に調整中メッセージＰｍ及び第１アイコンＩｃ１を並べて表示させ、これらの画像部を点滅させてもよい。さらに、第１アイコンＩｃ１は、第１フレーム画像部Ｐｆ１の側方等に表示され、第１フレーム画像部Ｐｆ１又は調整中メッセージＰｍと共に点滅表示されてもよい。

表示制御部７２は、第１調整モードの開始後、通常位置ＶＰ１を上下方向ＵＳに調整する操作の操作情報を、情報取得部７１を通じて把握する（Ｓ１６）。表示制御部７２は、操作情報に基づき、通常位置ＶＰ１を調整する（Ｓ１７）。具体的に、操作部６８にて上方向のスイッチが操作された場合、表示制御部７２は、通常位置ＶＰ１を上方向に少しずつ移動させる。反対に、操作部６８にて下方向のスイッチが操作された場合、表示制御部７２は、通常位置ＶＰ１を下方向に少しずつ移動させる。

表示制御部７２は、通常位置ＶＰ１を現在位置で決定する操作の操作情報を把握するまで、又は、操作の無い状態が所定の時間経過するまで、通常位置ＶＰ１の調整操作の受け付けを継続する。そして、決定操作の操作情報を把握した場合（Ｓ１８：ＹＥＳ）又は第１調整モードがタイムアウトとなった場合、表示制御部７２は、位置調整モードを終了し（Ｓ２４）、通常の表示モードへと移行させる。

表示制御部７２は、第２調整モード（図８参照）の実行開始に基づき（Ｓ１９）、ガイダンス表示を第２調整モード用の態様（図９参照）に変更する（Ｓ２０）。第２調整モードに対応するガイダンス表示において、ガイドコンテンツＣＴｇは、第２フレーム画像部Ｐｆ２を第１フレーム画像部Ｐｆ１よりも強調することで、上方位置ＶＰ２が調整対象であることを示す。

表示制御部７２は、第２フレーム画像部Ｐｆ２を強調するため、第２フレーム画像部Ｐｆ２を第１フレーム画像部Ｐｆ１よりも高い輝度、或いは明度又は彩度の高い表示色にて表示させる。表示制御部７２は、第１フレーム画像部Ｐｆ１を第２フレーム画像部Ｐｆ２に対してトーンダウンさせる。表示制御部７２は、第２フレーム画像部Ｐｆ２を点滅表示させてもよい。

表示制御部７２は、第２フレーム画像部Ｐｆ２の内側に、調整中メッセージＰｍ及び第２アイコンＩｃ２を表示させる。調整中メッセージＰｍは、第１調整モードにて第１フレーム画像部Ｐｆ１の内側に表示されるものと実質同一の画像部である。第２アイコンＩｃ２は、上方位置ＶＰ２の表示域ＶＡに表示される第２コンテンツＣＴ２に関連した態様のアイコンである。具体的に、経路案内コンテンツＣＴｒｇ（図４参照）及び歩行者報知コンテンツ等を小型化又は簡素化した画像が、第２アイコンＩｃ２として表示される。

表示制御部７２は、第２フレーム画像部Ｐｆ２を強調するため、調整中メッセージＰｍ及び第２アイコンＩｃ２を第２フレーム画像部Ｐｆ２の内側に交互に表示させることで、調整中メッセージＰｍ及び第２アイコンＩｃ２の点滅表示を実施する。表示制御部７２は、第２フレーム画像部Ｐｆ２の内側に調整中メッセージＰｍ及び第２アイコンＩｃ２を並べて表示させ、これらの画像部を点滅させてもよい。さらに、第２アイコンＩｃ２は、第２フレーム画像部Ｐｆ２の側方等に表示され、第２フレーム画像部Ｐｆ２又は調整中メッセージＰｍと共に点滅表示されてもよい。

表示制御部７２は、第２調整モードの開始後、通常位置ＶＰ１から上方位置ＶＰ２までの相対移動量を設定する操作の操作情報を、情報取得部７１を通じて把握する（Ｓ２１）。表示制御部７２は、操作情報に基づき、通常位置ＶＰ１から上方位置ＶＰ２までの変位量を段階的に変更する（Ｓ２２）。表示制御部７２は、表示域ＶＡの上方への変位量を、「無し」、「小」、「中」、「大」のうちで切り替える。

変位量が「無し」に設定された場合、上方位置ＶＰ２は、通常位置ＶＰ１と一致した位置となる（図８ 上段参照）。この場合、表示域ＶＡを上方に変位させる機能が一時的にキャンセルされる。変位量が「小」又は「中」に設定された場合、上方位置ＶＰ２は、通常位置ＶＰ１と部分的に重なる位置に設定される（図８ 中上段及び中下段参照）。変位量が「大」に設定された場合、上方位置ＶＰ２は、通常位置ＶＰ１と重ならない位置に設定される（図８ 下段参照）。変位量が「大」に設定された場合、上方位置ＶＰ２の下縁は、通常位置ＶＰ１の上縁と接していてもよく、又は通常位置ＶＰ１の上縁から僅かに離れていてもよい。

表示制御部７２は、操作部６８にて上方向のスイッチが操作された場合、変位量を１段大きい設定に切り替える。反対に、操作部６８にて下方向のスイッチが操作された場合、表示制御部７２は、変位量を１段小さい設定に切り替える。第２調整モードでの１回のスイッチ操作による表示域ＶＡの調整量（移動量）は、第１調整モードでの１回のスイッチ操作による表示域ＶＡの調整量よりも十分に大きくされている。

表示制御部７２は、変位量の設定を決定する操作の操作情報を把握するまで、又は、操作の無い状態が所定の時間経過するまで、相対移動量の調整操作の受け付けを継続する。そして、決定操作の操作情報を把握した場合（Ｓ２３：ＹＥＳ）又は第２調整モードがタイムアウトとなった場合、表示制御部７２は、位置調整モードを終了し（Ｓ２４）、通常の表示モードへと移行させる。

＜緊急警告モード＞
表示制御部７２は、緊急性の高いとして予め規定されたイベントが発生した場合、表示モードを緊急警告モードに切り替える（図１０参照）。一例として、運転支援ＥＣＵ２２が自動緊急ブレーキを作動させた場合、表示制御部７２は、情報取得部７１に提供される制御ステータス情報に基づき、通常の表示モードから緊急警告モードへの切り替えを実施する。

表示制御部７２は、緊急警告モードにおいて、第２調整モードでの調整に基づく上方位置ＶＰ２よりも上方の緊急位置ＶＰｅに、表示域ＶＡを移動させる。即ち、通常位置ＶＰ１から緊急位置ＶＰｅまでの相対移動量は、通常位置ＶＰ１から上方位置ＶＰ２までの相対移動量よりも大きい。その結果、緊急位置ＶＰｅは、上方位置ＶＰ２よりも中心視野ＣＶＦの中心近くに位置する。緊急位置ＶＰｅは、例えば表示域ＶＡの可動範囲のうちで、最も上方となる位置である。

表示制御部７２は、緊急位置ＶＰｅの表示域ＶＡに、例えば自動緊急ブレーキの作動を通知する緊急コンテンツＣＴｅを表示させる。この場合の緊急コンテンツＣＴｅは、自動緊急ブレーキの作動原因となっている物標を注意喚起するコンテンツＣＴとしても機能する。緊急コンテンツＣＴｅは、緊急位置ＶＰｅの表示域ＶＡの中央、又は中央よりも上縁寄りに表示される。

ここまで説明した第一実施形態における第２調整モードでは、第１調整モードでの調整に基づく通常位置ＶＰ１から上方位置ＶＰ２での変位量が、操作情報に基づき変更される。これにより、第１調整モードでの通常位置ＶＰ１の調整結果が上方位置ＶＰ２にも反映されるため、表示域ＶＡの各位置を調整する作業の煩雑さが軽減され得る。その結果、虚像Ｖｉの表示域ＶＡの位置を切り替え可能な構成であっても、ユーザは、各位置の調整を円滑に実施できる。

加えて第一実施形態では、第１調整モードと第２調整モードとが個別に実行される。故に、運転席のポジションが変更された場合、又はドライバが変わった場合等であれば、第１調整モードのみを実行し、通常位置ＶＰ１の上下方向ＵＳの調整のみで、上方位置ＶＰ２が適切に調整され得る。また、上方位置ＶＰ２を調整したい場合、ユーザは、第２調整モードのみを実行すればよくなる。以上のように、第１調整モードと第２調整モードとを別々に実行できれば、ユーザは、通常位置ＶＰ１及び上方位置ＶＰ２の両方を常に調整する必要がなくなる。その結果、各位置を手動調整する構成でも、調整作業の煩雑さが軽減され得る。

また第一実施形態の第２調整モードでは、操作情報に基づき変位量が段階的に変更される。上方位置ＶＰ２は、通常位置ＶＰ１よりも利用される期間が短い。故に、上方位置ＶＰ２は、精緻に調整されなくても、ドライバに違和感を与え難い。そのため、変位量の段階的な変更を可能とすれば、調整機能を損なうことなく、上方位置ＶＰ２の調整作業が簡素化され得る。

さらに第一実施形態では、第１調整モードが実行される場合、ガイドコンテンツＣＴｇは、通常位置ＶＰ１が調整対象であることを示す。また、第２調整モードが実行される場合、ガイドコンテンツＣＴｇは、上方位置ＶＰ２が調整対象であることを示す。以上のようなガイドコンテンツＣＴｇの表示によれば、ドライバは、調整対象となっている表示域ＶＡの位置を容易に把握できる。その結果、各位置の調整がいっそう円滑に実施可能になる。

加えて第一実施形態のガイドコンテンツには、第１フレーム画像部Ｐｆ１及び第１フレーム画像部Ｐｆ１よりも上方に表示される第２フレーム画像部Ｐｆ２が含まれている。そして、第１調整モードが実行される場合、第１フレーム画像部Ｐｆ１は、第２フレーム画像部Ｐｆ２よりも強調される。対して、第２調整モードが実行される場合、第２フレーム画像部Ｐｆ２は、第１フレーム画像部Ｐｆ１よりも強調される。故に、ドライバは、調整対象となっている表示域ＶＡの位置を容易に把握でき、各位置の調整を円滑に実施できる。

また第一実施形態では、第１調整モードの実行中には、通常位置ＶＰ１の表示域ＶＡに表示される第１コンテンツＣＴ１に関連した態様の第１アイコンＩｃ１が表示される。さらに、第２調整モードの実行中には、上方位置ＶＰ２の表示域ＶＡに表示される第２コンテンツＣＴ２に関連した態様の第２アイコンＩｃ２が表示される。以上のような第１アイコンＩｃ１及び第２アイコンＩｃ２が表示されることで、ドライバは、調整対象となっている表示域ＶＡの位置をさらに容易に把握できる。その結果、各位置の調整がいっそう円滑に実施可能になる。

さらに第一実施形態では、緊急度が高いとして予め規定された緊急コンテンツＣＴｅが表示される場合、第２調整モードでの調整に基づく上方位置ＶＰ２よりも上方に表示域ＶＡが移動される。故に、上方位置ＶＰ２が中心視野ＣＶＦから比較的遠い位置に設定されていても、緊急コンテンツＣＴｅは、中心視野ＣＶＦの中央に近い位置に表示され得る。以上によれば、緊急度の高い情報がドライバに伝わり易くなるので、虚像表示の有用性がいっそう向上する。

尚、上記の第一実施形態において、通常位置ＶＰ１が「第１位置」に相当し、上方位置ＶＰ２が「第２位置」に相当し、第１フレーム画像部Ｐｆ１が「下側画像部」に相当し、第２フレーム画像部Ｐｆ２が「上側画像部」に相当する。さらに、表示制御部７２が「位置調整部」に相当し、ＨＵＤ１００が「虚像表示装置」に相当する。

（第二実施形態）
本開示の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態では、表示制御部７２にて実施される位置調整処理（図１１参照）の内容が、第一実施形態（図５参照）とは異なっている。以下、第二実施形態での位置調整処理の詳細を、図１１に基づき、図１及び図２等を参照しつつ説明する。

表示制御部７２は、情報取得部７１による操作情報に基づき位置調整処理を開始する。第二実施形態の位置調整処理では、第２調整モードを実行するフローが省略されており、通常位置ＶＰ１のみが調整される。上方位置ＶＰ２は、位置調整処理において操作情報に基づき変更される通常位置ＶＰ１から所定距離だけ上方に設定される。所定距離は、例えば通常位置ＶＰ１の上縁と上方位置ＶＰ２の下縁とが重なるように、縦画角分の大きさとされる。

表示制御部７２は、位置調整処理の開始に基づき、通常の表示モードから調整モードへの移行を実施する（Ｓ２０１）。表示制御部７２は、調整モードへの移行に基づき、ガイダンス表示を開始する（Ｓ２０２）。第二実施形態のガイダンス表示は、第一実施形態における第１調整モード用のガイダンス表示（図７参照）と実質同一であり、通常位置ＶＰ１が調整対象であることを示す内容とされる。ガイダンス表示では、調整中メッセージＰｍ及び第１アイコンＩｃ１が、第１フレーム画像部Ｐｆ１に関連づけて、通常位置ＶＰ１の表示域ＶＡに表示される。

表示制御部７２は、通常位置ＶＰ１を上下方向ＵＳに調整する操作の操作情報を、情報取得部７１を通じて把握する（Ｓ２０３）。表示制御部７２は、操作情報に基づき、通常位置ＶＰ１を上下方向ＵＳに沿って調整する（Ｓ２０４，図６参照）。表示制御部７２は、通常位置ＶＰ１を決定する操作情報を把握するまで、又は、操作の無い状態が所定の時間経過するまで、通常位置ＶＰ１の調整操作の受け付けを継続する。そして、決定操作の操作情報を把握した場合（Ｓ２０５：ＹＥＳ）又は調整モードがタイムアウトとなった場合、表示制御部７２は、調整モードを終了し（Ｓ２０６）、通常の表示モードへと移行させる。

ここまで説明した第二実施形態では、操作情報に基づき変更される通常位置ＶＰ１から所定距離だけ上方に上方位置ＶＰ２が設定される。このように、通常位置ＶＰ１及び上方位置ＶＰ２が一体的に調整可能であれば、表示域ＶＡの各位置を調整する作業の煩雑さが軽減され得る。その結果、虚像Ｖｉの表示域ＶＡの位置を切り替え可能な構成であっても、ユーザは、各位置の調整を円滑に実施できる。

詳記すると、第二実施形態では、通常位置ＶＰ１から上方位置ＶＰ２の移動量は、予め決まっている。故に、通常位置ＶＰ１から上方位置ＶＰ２に移動させる場合には、予め決められた移動量となるように、切替機構６３が凹面鏡６２ａを回転させる。以上によれば、表示域ＶＡの位置調整に関連するドライバの設定項目は、一つのみとなる。したがって、表示域の位置調整が容易となる。

加えて第二実施形態では、通常位置ＶＰ１を調整する調整モードが実行される場合、ガイドコンテンツＣＴｇは、通常位置ＶＰ１が調整対象であることを示す。故に、ドライバは、通常位置ＶＰ１が調整対象となっていることを容易に把握し、表示域ＶＡの位置の調整をいっそう円滑に実施できる。

また第二実施形態では、通常位置ＶＰ１の表示域ＶＡに表示される第１コンテンツＣＴ１に関連した態様の第１アイコンＩｃ１が、調整モードの実行中に表示される。このような第１アイコンＩｃ１の表示によれば、ドライバは、通常位置ＶＰ１が調整対象であることをさらに容易に把握できる。以上により、表示域ＶＡの位置の調整は、いっそう円滑に実施され得る。尚、上記の第二実施形態では、第１コンテンツＣＴ１が「情報コンテンツ」に相当し、第１アイコンＩｃ１が「関連アイコン」に相当する。

（第三実施形態）
本開示の第三実施形態は、第一実施形態の別の変形例である。第三実施形態でも、表示制御部７２にて実施される位置調整処理（図１２参照）の内容が、第一実施形態（図５参照）とは異なっている。以下、第三実施形態での位置調整処理の詳細を、図１２に基づき、図１及び図２等を参照しつつ説明する。

表示制御部７２は、操作情報に基づき開始する位置調整処理において、第１調整モード及び第２調整モードを順に実行する。即ち、第二実施形態の位置調整処理では、通常位置ＶＰ１及び上方位置ＶＰ２の調整が順に実施される。表示制御部７２は、位置調整処理の開始に基づき、通常の表示モードから第１調整モードへの移行を実施する（Ｓ３０１）。表示制御部７２は、第１調整モードへの移行に基づき、第１調整モードに対応するガイダンス表示（図７参照）を開始する（Ｓ３０２）。このガイダンス表示は、第２フレーム画像部Ｐｆ２よりも第１フレーム画像部Ｐｆ１を強調することで、通常位置ＶＰ１が調整対象であることを示す内容とされる。

表示制御部７２は、通常位置ＶＰ１を上下方向ＵＳに調整する操作の操作情報を、情報取得部７１を通じて把握する（Ｓ３０３）。表示制御部７２は、操作情報に基づき、通常位置ＶＰ１を上下方向ＵＳに沿って調整する（Ｓ３０４，図６参照）。表示制御部７２は、通常位置ＶＰ１の決定操作の操作情報を把握するまで、又は、操作の無い状態が所定の時間経過するまで、通常位置ＶＰ１の調整操作の受け付けを継続する。そして、決定操作の操作情報を把握した場合（Ｓ３０５：ＹＥＳ）又は第１調整モードがタイムアウトとなった場合、表示制御部７２は、第１調整モードから第２調整モードへと移行させる（Ｓ３０６）。尚、表示制御部７２は、第１調整モードがタイムアウトとなった場合、第２調整モードの実行を省略し、調整モードを終了してもよい。

表示制御部７２は、第２調整モードへの移行に基づき、第２調整モードに対応するガイダンス表示（図９参照）を開始する（Ｓ３０７）。このガイダンス表示は、第１フレーム画像部Ｐｆ１よりも第２フレーム画像部Ｐｆ２を強調することで、上方位置ＶＰ２が調整対象であることを示す内容とされる。表示制御部７２は、上方位置ＶＰ２を上下方向ＵＳに調整する操作の操作情報を、情報取得部７１を通じて把握する（Ｓ３０８）。表示制御部７２は、操作情報に基づき、上方位置ＶＰ２を上下方向ＵＳに沿って調整する（Ｓ３０９，図１３参照）。

ここで、上方位置ＶＰ２の調整方法は、通常位置ＶＰ１の調整方法と実質同一とされる。具体的に、操作部６８にて上方向のスイッチが操作された場合、表示制御部７２は、上方位置ＶＰ２を上方向に少しずつ移動させ、操作部６８にて下方向のスイッチが操作された場合、表示制御部７２は、上方位置ＶＰ２を下方向に少しずつ移動させる。１回のスイッチ操作による表示域ＶＡの調整量（移動量）は、各調整モードにおいて互いに同一とされる。

表示制御部７２は、上方位置ＶＰ２の決定操作の操作情報を把握するまで、又は、操作の無い状態が所定の時間経過するまで、上方位置ＶＰ２の調整操作の受け付けを継続する。そして、決定操作の操作情報を把握した場合（Ｓ３１０：ＹＥＳ）又は第２調整モードがタイムアウトとなった場合、表示制御部７２は、調整モードを終了し（Ｓ３１１）、通常の表示モードへと移行させる。

ここまで説明した第三実施形態では、通常位置ＶＰ１を操作情報に基づき変更する第１調整モードと、上方位置ＶＰ２を操作情報に基づき変更する第２調整モードとが実行される。故に、ユーザは、通常位置ＶＰ１を及び上方位置ＶＰ２をそれぞれ好みの位置に個別に調整できる。その結果、虚像Ｖｉの表示域ＶＡの位置を切り替え可能な構成であっても、ユーザは、各位置の調整を円滑に実施できる。

加えて第三実施形態では、第１調整モードの終了後に第２調整モードが開始される。このように、使用される期間が長く、基準となる通常位置ＶＰ１を先に設定することで、上方位置ＶＰ２を含む全体の位置調整がスムーズに進み得る。

（他の実施形態）
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用できる。

上記実施形態の変形例１では、メータディスプレイ３１又はセンターディスプレイにガイドコンテンツＣＴｇが表示される。こうした変形例１では、ＨＵＤ１００によるガイドコンテンツＣＴｇの表示は、省略されてもよい。メータディスプレイ３１又はセンターディスプレイに表示されても、ガイドコンテンツＣＴｇは、上下どちらの表示位置が調整中であるのかをドライバに分かり易く示すことができる。また、ＨＵＤ１００、メータディスプレイ３１及びセンターディスプレイの少なくとも一つによるガイダンス表示は、実施されなくてもよい。

上記第一実施形態の変形例２では、第１調整モードと第２調整モードとが互いに独立していない。変形例２による位置調整処理では、第１調整モードの実行後に、第２調整モードが実行される。また、上記第一実施形態の変形例３では、１回のスイッチ操作による表示域ＶＡの調整量（移動量）が、各調整モードにおいて互いに同一とされている。さらに、上記第一実施形態の変形例４では、変位量の「無し」の設定が用意されていない。

上記第三実施形態の変形例５では、上記第一実施形態と同様に、第１調整モードと第２調整モードとが個別に実行可能とされている。また、上記第三実施形態の変形例６では、第２調整モードの実行後に第１調整モードが実行される。さらに、上記第一実施形態の緊急警告モードは、第二，第三実施形態のＨＵＤ１００も実施可能であってよい。

上記実施形態の変形例７の切替機構６３は、上下方向ＵＳに加えて、左右方向Ｙｏにも表示域ＶＡを変位させることができる。さらに、切替機構６３は、通常位置ＶＰ１及び上方位置ＶＰ２とは異なる位置に、表示域ＶＡを位置させてもよい。また、切替機構６３は、ＰＧＵ６１及び拡大光学系６２を含む光学ユニット全体を、ＨＵＤ１００の筐体に対して変位させてもよい。

上記実施形態の変形例８では、ヘッドアップＥＣＵ７０の処理機能の一部又は全てが、メータＥＣＵ３２又は他の車載ＥＣＵに実施されている。こうした変形例８では、メータＥＣＵ３２又は他の車載ＥＣＵを含むシステムが、「虚像表示装置」に相当し得る。

上記実施形態のＰＧＵ６１には、ＬＣＤパネル及びバックライトに替えて、ＥＬ（Electro Luminescence）パネルが設けられていてもよい。また、ＥＬパネルに替えて、プラズマディスプレイパネル、ブラウン管及びＬＥＤ等の表示器を用いたＰＧＵ６１が採用されてもよい。さらに、ＬＣＤパネル及びバックライトに替えて、レーザプロジェクタ又はＤＬＰ（Digital Light Processing，登録商標）とスクリーンとが設けられていてもよい。こうした構成を採用したＰＧＵ６１では、スクリーンに描画された表示像が、拡大光学系６２によってウィンドシールドＷＳに投影され、虚像Ｖｉとして結像される。加えて、拡大光学系６２に採用される光学要素は、凹面鏡に限定されず、種々のミラー、レンズ及びホログラフィック光学素子等、適宜変更されてよい。

上記実施形態のヘッドアップＥＣＵ７０及びメータＥＣＵ３２に設けられる処理部は、ＲＡＭと結合された演算処理のためのハードウェアである。処理部は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）及びＧＰＵ（Graphics Processing Unit）等の演算コアを少なくとも一つ含む構成である。処理部は、例えばＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array）及び他の専用機能を備えたＩＰコア等をさらに含む構成であってよい。一方、ＲＡＭは、映像生成のためのビデオＲＡＭを含む構成であってよい。処理部は、ＲＡＭへのアクセスにより、本開示の虚像表示方法を実現するための種々の処理を実行する。

ストレージは、不揮発性の記憶媒体（持続的有形コンピュータ読み取り媒体，non-transitory tangible storage medium）を含む構成である。各ＥＣＵ３２，７０のストレージには、処理部によって実行される種々のプログラム（表示制御プログラム等）が格納されている。こうした記憶媒体は、回路基板上に設けられた構成に限定されず、メモリカード等の形態で提供され、スロット部に挿入されて、各ＥＣＵ３２，７０の制御回路に電気的に接続される構成であってよい。さらに、記憶媒体は、各ＥＣＵ３２，７０へのプログラムのコピー基となる光学ディスク及びのハードディスクドライブ等であってもよい。

上記実施形態にて、ヘッドアップＥＣＵ７０及びメータＥＣＵ３２によって提供されていた各機能は、ソフトウェア及びそれを実行するハードウェア、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの複合的な組合せによっても提供可能である。さらに、こうした機能がハードウェアとしての電子回路によって提供される場合、各機能は、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によっても提供可能である。

上記の表示システムを搭載する車両は、一般的な自家用の乗用車に限定されず、レンタカー用の車両、有人タクシー用の車両、ライドシェア用の車両、貨物車両及びバス等であってもよい。また、表示システムを搭載する車両は、右ハンドル車両であってもよく、又は左ハンドル車両であってもよい。さらに、車両が走行する交通環境は、左側通行を前提とした交通環境であってもよく、右側通行を前提とした交通環境であってもよい。本開示による表示制御は、それぞれの国及び地域の道路交通法、さらに車両のハンドル位置等に応じて適宜最適化されてよい。

本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウェア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウェア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。

（技術的思想の開示）
この明細書は、以下に列挙する複数の項に記載された複数の技術的思想を開示している。いくつかの項は、後続の項において先行する項を択一的に引用する多項従属形式（a multiple dependent form）により記載されている場合がある。さらに、いくつかの項は、他の多項従属形式の項を引用する多項従属形式（a multiple dependent form referring to another multiple dependent form）により記載されている場合がある。これらの多項従属形式で記載された項は、複数の技術的思想を定義している。
（技術的思想１）
車両（Ａｍ）において用いられ、前景に重畳される虚像（Ｖｉ）を表示する虚像表示装置であって、
前記虚像が表示される表示域（ＶＡ）の位置を、第１位置（ＶＰ１）と、前記第１位置よりも上方の第２位置（ＶＰ２）とを少なくとも含む複数の位置間で切り替える切替機構（６３）と、
前記表示域の位置を調整する操作の操作情報を取得する情報取得部（７１）と、
前記操作情報に基づき前記表示域の位置を調整する位置調整部（７２）と、を備え、
前記位置調整部は、上下方向（ＵＳ）における前記第１位置を前記操作情報に基づき変更する第１調整モードと、前記第１調整モードでの調整に基づく前記第１位置から前記第２位置までの変位量を前記操作情報に基づき変更する第２調整モードと、を実行する虚像表示装置。
（技術的思想２）
前記位置調整部は、前記第１調整モードと前記第２調整モードとを個別に実行する技術的思想１に記載の虚像表示装置。
（技術的思想３）
前記位置調整部は、前記第２調整モードにおいて、前記操作情報に基づき前記変位量を段階的に変更する技術的思想１又は２に記載の虚像表示装置。
（技術的思想４）
車両（Ａｍ）において用いられ、前景に重畳される虚像（Ｖｉ）を表示する虚像表示装置であって、
前記虚像が表示される表示域（ＶＡ）の位置を、第１位置（ＶＰ１）と、前記第１位置よりも上方の第２位置（ＶＰ２）とを少なくとも含む複数の位置間で切り替える切替機構（６３）と、
前記表示域の位置を調整する操作の操作情報を取得する情報取得部（７１）と、
上下方向（ＵＳ）における前記第１位置を前記操作情報に基づき変更し、前記第１位置から所定距離だけ上方に前記第２位置を設定する位置調整部（７２）と、
を備える虚像表示装置。
（技術的思想５）
前記位置調整部は、前記操作情報に基づき前記第１位置を調整する調整モードを実行する場合に、前記第１位置が調整対象であることを示すガイドコンテンツ（ＣＴｇ）を表示させる技術的思想４に記載の虚像表示装置。
（技術的思想６）
前記位置調整部は、前記第１位置の前記表示域に表示される情報コンテンツ（ＣＴ１）に関連した態様の関連アイコン（Ｉｃ１）を、前記調整モードの実行中に表示させる技術的思想５に記載の虚像表示装置。
（技術的思想７）
車両（Ａｍ）において用いられ、前景に重畳される虚像（Ｖｉ）を表示する虚像表示装置であって、
前記虚像が表示される表示域（ＶＡ）の位置を、第１位置（ＶＰ１）と、前記第１位置よりも上方の第２位置（ＶＰ２）とを少なくとも含む複数の位置間で切り替える切替機構（６３）と、
前記表示域の位置を調整する操作の操作情報を取得する情報取得部（７１）と、
前記操作情報に基づき前記表示域の位置を調整する位置調整部（７２）と、を備え、
前記位置調整部は、上下方向（ＵＳ）における前記第１位置を前記操作情報に基づき変更する第１調整モードと、前記上下方向における前記第２位置を前記操作情報に基づき変更する第２調整モードと、を実行する虚像表示装置。
（技術的思想８）
前記位置調整部は、前記第１調整モードの終了後に前記第２調整モードを開始する技術的思想７に記載の虚像表示装置。
（技術的思想９）
前記位置調整部は、前記第１調整モードを実行する場合に前記第１位置が調整対象であることを示し、前記第２調整モードを実行する場合に前記第２位置が調整対象であることを示すガイドコンテンツ（ＣＴｇ）を表示させる技術的思想１～３，７，８のいずれか一項に記載の虚像表示装置。
（技術的思想１０）
前記ガイドコンテンツは、下側画像部（Ｐｆ１）、及び前記下側画像部よりも上方に表示される上側画像部（Ｐｆ２）を含み、
前記位置調整部は、前記第１調整モードを実行する場合に前記下側画像部を前記上側画像部よりも強調し、前記第２調整モードを実行する場合に前記上側画像部を前記下側画像部よりも強調する技術的思想９に記載の虚像表示装置。
（技術的思想１１）
前記位置調整部は、
前記第１位置の前記表示域に表示される第１コンテンツ（ＣＴ１）に関連した態様の第１アイコン（Ｉｃ１）を、前記第１調整モードの実行中に表示させ、
前記第２位置の前記表示域に表示される第２コンテンツ（ＣＴ２）に関連した態様の第２アイコン（Ｉｃ２）を、前記第２調整モードの実行中に表示させる技術的思想１０に記載の虚像表示装置。
（技術的思想１２）
前記位置調整部は、緊急度が高いとして予め規定された緊急コンテンツ（ＣＴｅ）が表示される場合、前記第２調整モードでの調整に基づく前記第２位置よりも上方に前記表示域を移動させる技術的思想１～３，７～１１のいずれか一項に記載の虚像表示装置。

Ａｍ 車両、ＣＴ１ 第１コンテンツ（情報コンテンツ）、ＣＴ２ 第２コンテンツ、ＣＴｅ 緊急コンテンツ、ＣＴｇ ガイドコンテンツ、Ｉｃ１ 第１アイコン（関連アイコン）、Ｉｃ２ 第２アイコン、Ｐｆ１ 第１フレーム画像部（下側画像部）、Ｐｆ２ 第２フレーム画像部（上側画像部）、ＵＳ 上下方向、ＶＡ 表示域、ＶＰ１ 通常位置（第１位置）、ＶＰ２ 上方位置（第２位置）、Ｖｉ 虚像、６３ 切替機構、７１ 情報取得部、７２ 表示制御部（位置調整部）、１００ ＨＵＤ（虚像表示装置）

Claims (12)

1. 車両（Ａｍ）において用いられ、前景に重畳される虚像（Ｖｉ）を表示する虚像表示装置であって、
   前記虚像が表示される表示域（ＶＡ）の位置を、第１位置（ＶＰ１）と、前記第１位置よりも上方の第２位置（ＶＰ２）とを少なくとも含む複数の位置間で切り替える切替機構（６３）と、
   前記表示域の位置を調整する操作の操作情報を取得する情報取得部（７１）と、
   前記操作情報に基づき前記表示域の位置を調整する位置調整部（７２）と、を備え、
   前記位置調整部は、上下方向（ＵＳ）における前記第１位置を前記操作情報に基づき変更する第１調整モードと、前記第１調整モードでの調整に基づく前記第１位置から前記第２位置までの変位量を前記操作情報に基づき変更する第２調整モードと、を実行する虚像表示装置。
2. 前記位置調整部は、前記第１調整モードと前記第２調整モードとを個別に実行する請求項１に記載の虚像表示装置。
3. 前記位置調整部は、前記第２調整モードにおいて、前記操作情報に基づき前記変位量を段階的に変更する請求項１又は２に記載の虚像表示装置。
4. 車両（Ａｍ）において用いられ、前景に重畳される虚像（Ｖｉ）を表示する虚像表示装置であって、
   前記虚像が表示される表示域（ＶＡ）の位置を、第１位置（ＶＰ１）と、前記第１位置よりも上方の第２位置（ＶＰ２）とを少なくとも含む複数の位置間で切り替える切替機構（６３）と、
   前記表示域の位置を調整する操作の操作情報を取得する情報取得部（７１）と、
   上下方向（ＵＳ）における前記第１位置を前記操作情報に基づき変更し、前記第１位置から所定距離だけ上方に前記第２位置を設定する位置調整部（７２）と、
   を備える虚像表示装置。
5. 前記位置調整部は、前記操作情報に基づき前記第１位置を調整する調整モードを実行する場合に、前記第１位置が調整対象であることを示すガイドコンテンツ（ＣＴｇ）を表示させる請求項４に記載の虚像表示装置。
6. 前記位置調整部は、前記第１位置の前記表示域に表示される情報コンテンツ（ＣＴ１）に関連した態様の関連アイコン（Ｉｃ１）を、前記調整モードの実行中に表示させる請求項５に記載の虚像表示装置。
7. 車両（Ａｍ）において用いられ、前景に重畳される虚像（Ｖｉ）を表示する虚像表示装置であって、
   前記虚像が表示される表示域（ＶＡ）の位置を、第１位置（ＶＰ１）と、前記第１位置よりも上方の第２位置（ＶＰ２）とを少なくとも含む複数の位置間で切り替える切替機構（６３）と、
   前記表示域の位置を調整する操作の操作情報を取得する情報取得部（７１）と、
   前記操作情報に基づき前記表示域の位置を調整する位置調整部（７２）と、を備え、
   前記位置調整部は、上下方向（ＵＳ）における前記第１位置を前記操作情報に基づき変更する第１調整モードと、前記上下方向における前記第２位置を前記操作情報に基づき変更する第２調整モードと、を実行する虚像表示装置。
8. 前記位置調整部は、前記第１調整モードの終了後に前記第２調整モードを開始する請求項７に記載の虚像表示装置。
9. 前記位置調整部は、前記第１調整モードを実行する場合に前記第１位置が調整対象であることを示し、前記第２調整モードを実行する場合に前記第２位置が調整対象であることを示すガイドコンテンツ（ＣＴｇ）を表示させる請求項１又は７に記載の虚像表示装置。
10. 前記ガイドコンテンツは、下側画像部（Ｐｆ１）、及び前記下側画像部よりも上方に表示される上側画像部（Ｐｆ２）を含み、
    前記位置調整部は、前記第１調整モードを実行する場合に前記下側画像部を前記上側画像部よりも強調し、前記第２調整モードを実行する場合に前記上側画像部を前記下側画像部よりも強調する請求項９に記載の虚像表示装置。
11. 前記位置調整部は、
    前記第１位置の前記表示域に表示される第１コンテンツ（ＣＴ１）に関連した態様の第１アイコン（Ｉｃ１）を、前記第１調整モードの実行中に表示させ、
    前記第２位置の前記表示域に表示される第２コンテンツ（ＣＴ２）に関連した態様の第２アイコン（Ｉｃ２）を、前記第２調整モードの実行中に表示させる請求項１０に記載の虚像表示装置。
12. 前記位置調整部は、緊急度が高いとして予め規定された緊急コンテンツ（ＣＴｅ）が表示される場合、前記第２調整モードでの調整に基づく前記第２位置よりも上方に前記表示域を移動させる請求項１又は７に記載の虚像表示装置。

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