JP2024000023A - インクリボンカセットおよび印刷装置 - Google Patents

Abstract

【課題】インクリボンが使用される印刷装置のランニングコストを低減することが可能なインクリボンカセットを提供する。【解決手段】インクリボンカセット２６では、供給側ボビン４に巻回されたインクリボン３および巻取側ボビン５に巻回されたインクリボン３が収容されるケースは、供給側ボビン４に巻回されたインクリボン３が収容される筒状の供給側ケース部３２ａと巻取側ボビン５に巻回されたインクリボン３が収容される筒状の巻取側ケース部３２ｂとを有するケース本体３２と、筒状に形成される供給側ケース部３２ａの一端および巻取側ケース部３２ｂの一端を塞ぐカバー３３とを備えている。カバー３３は、ケース本体３２に着脱可能に取り付けられている。【選択図】図４

Description

本発明は、インクリボンが収容されたインクリボンカセットに関する。また、本発明は、かかるインクリボンカセットを備える印刷装置に関する。

従来、カード搬送路で搬送されるカードに加熱されたインクリボンのインクを転写して印刷を行う印刷装置が知られている（たとえば、特許文献１参照）。特許文献１に記載の印刷装置は、インクリボンカートリッジと、インクリボンカートリッジが着脱可能に取り付けられる本体部とを備えている。インクリボンカートリッジは、インクリボンカセットと、インクリボンカセットが着脱可能に取り付けられるカートリッジ本体部とを備えている。

特許文献１に記載の印刷装置では、インクリボンカセットは、インクリボンが巻回される供給ロールと、供給ロールから供給されたインクリボンが巻き取られる巻取ロールと、供給ロールおよび巻取ロールが収容されるケース体とを備えている。ケース体は、ケース本体と、ケース本体に固定されるカバー部材とから構成されている。特許文献１に記載の印刷装置では、使用済みのインクリボンを交換するときに、インクリボンカセットごとインクリボンを交換する。

特開２０１４－１０４７４３号公報

特許文献１に記載の印刷装置のように、消耗品としてインクリボンが使用される印刷装置では、印刷装置のランニングコストがより安くなっていることが好ましい。そこで、本発明の課題は、インクリボンが使用される印刷装置のランニングコストを低減することが可能なインクリボンカセットを提供することにある。また、本発明の課題は、かかるインクリボンカセットを備える印刷装置を提供することにある。

上記の課題を解決するため、本発明の一態様のインクリボンカセットは、インクリボンとインクが転写される前のインクリボンが巻回される供給側ボビンとインクが転写された後のインクリボンが巻き取られて巻回される巻取側ボビンとを有するインクリボンユニットと、供給側ボビンに巻回されたインクリボンおよび巻取側ボビンに巻回されたインクリボンが収容されるケースとを備え、ケースは、供給側ボビンに巻回されたインクリボンが収容される筒状の供給側ケース部と巻取側ボビンに巻回されたインクリボンが収容される筒状の巻取側ケース部とを有するケース本体と、筒状に形成される供給側ケース部の一端および巻取側ケース部の一端を塞ぐとともにケース本体に着脱可能に取り付けられるカバーとを備え、ケース本体には、カバーをケース本体に固定するためのケース側係合部が形成され、カバーは、ケース側係合部に係合するカバー側係合部が形成されるロック部材と、ロック部材を移動可能に保持するカバー本体と、カバー本体に対してロック部材を付勢する付勢部材とを備え、ロック部材は、ケース側係合部とカバー側係合部とが係合してケース本体にカバーが固定されるロック位置と、ケース側係合部とカバー側係合部との係合状態が解除されてケース本体からのカバーの取外しが可能となるロック解除位置との間でカバー本体に対して移動可能となっており、付勢部材は、ロック位置に向かってロック部材を付勢していることを特徴とする。

本態様のインクリボンカセットでは、供給側ボビンに巻回されたインクリボンおよび巻取側ボビンに巻回されたインクリボンが収容されるケースは、供給側ボビンに巻回されたインクリボンが収容される筒状の供給側ケース部と巻取側ボビンに巻回されたインクリボンが収容される筒状の巻取側ケース部とを有するケース本体と、筒状に形成される供給側ケース部の一端および巻取側ケース部の一端を塞ぐカバーとを備えており、カバーは、ケース本体に着脱可能に取り付けられている。

そのため、本態様では、使用済みのインクリボンを交換するときに、ケース本体からカバーを取り外して、インクリボンユニットのみを交換することが可能になる。すなわち、本態様では、使用済みのインクリボンを交換するときに、インクリボンユニットのみを交換してケースを再利用することが可能になる。したがって、本態様のインクリボンカセットでは、インクリボンが使用される印刷装置のランニングコストを低減することが可能になる。

また、本態様では、カバーは、ケース本体のケース側係合部に係合するカバー側係合部が形成されるロック部材と、ロック部材を移動可能に保持するカバー本体と、カバー本体に対してロック部材を付勢する付勢部材とを備えている。また、本態様では、ロック部材は、ケース側係合部とカバー側係合部とが係合してケース本体にカバーが固定されるロック位置と、ケース側係合部とカバー側係合部との係合状態が解除されてケース本体からのカバーの取外しが可能となるロック解除位置との間でカバー本体に対して移動可能となっており、付勢部材は、ロック位置に向かってロック部材を付勢している。

そのため、本態様では、たとえば、作業者が、付勢部材の付勢力に抗してロック部材をロック解除位置に移動させることで、ケース本体からカバーを取り外すことが可能になる。したがって、本態様では、印刷装置が設置されている現場においても、ケース本体からカバーを容易に取り外すことが可能になり、その結果、インクリボンユニットのみを容易に交換することが可能になる。

本態様において、たとえば、筒状に形成される供給側ケース部の軸方向と筒状に形成される巻取側ケース部の軸方向とは平行になっており、供給側ケース部の軸方向に直交する所定の方向を前後方向とすると、供給側ケース部と巻取側ケース部とは、前後方向において間隔をあけた状態で配置され、カバーは、ロック部材として、カバー本体に対して前後方向にスライド可能な第１ロック部材と、第１ロック部材の後ろ側に配置されるとともにカバー本体に対して前後方向にスライド可能な第２ロック部材とを備えるとともに、付勢部材として、第１ロック部材を前側に向かって付勢する第１付勢部材と、第２ロック部材を後ろ側に向かって付勢する第２付勢部材とを備えている。

本態様において、たとえば、供給側ケース部の軸方向を左右方向とすると、カバーは、ケース本体の左端部に取り付けられ、カバー本体は、左右方向においてロック部材を挟む第１カバー本体と第２カバー本体とから構成され、第１カバー本体は、第２カバー本体の左側に配置され、ロック部材には、ロック部材を前後方向の内側にスライドさせるための指掛け部が形成され、第１カバー本体には、カバーの左面において指掛け部を露出させる開口部が形成されている。この場合には、カバーの左面において露出する指掛け部を利用して、ロック部材をロック解除位置に容易にスライドさせることが可能になる。

本態様において、インクリボンカセットは、インクリボンに関する情報が記憶されるとともにケースに取り付けられる無線タグを備えることが好ましい。このように構成すると、無線タグに記憶された情報に基づいて、印刷装置の仕様等に適合した適切なインクリボンをインクリボンカセットが有しているのか否かを印刷装置に判別させることが可能になる。

本態様において、無線タグは、たとえば、シール状に形成され、平板状の補強板に貼り付けられているか、または、平板状に形成されている。

本態様において、ケース本体およびカバーの少なくともいずれか一方には、無線タグを取り付けるための凹部が形成され、無線タグがシール状に形成されて補強板に貼り付けられている場合には、無線タグが貼り付けられた補強板が凹部に挿入されて取り付けられ、無線タグが平板状に形成されている場合には、平板状の無線タグが凹部に挿入されて取り付けられていることが好ましい。

このように構成すると、無線タグをケースに容易に着脱することが可能になる。したがって、使用済みのインクリボンを交換するときに、インクリボンユニットのみを交換してケースを再利用する場合であっても、また、交換されるインクリボンユニットの中に種類の異なるインクリボンを有するインクリボンユニットが含まれていても、ケースに取り付けられる無線タグを、インクリボンの交換時に、交換されるインクリボンに応じた無線タグに容易に付け替えることが可能になる。

本態様のインクリボンカセットは、インクリボンカセットと、インクリボンカセットが着脱可能に取り付けられる本体部とを備える印刷装置に用いることができる。この印刷装置では、たとえば、本体部は、印刷媒体が搬送される媒体搬送路と、インクリボンを加熱して媒体搬送路を通過する印刷媒体にインクリボンのインクを転写して印刷するサーマルヘッドとを備えている。この印刷装置では、印刷装置のランニングコストを低減することが可能になる。

本態様のインクリボンカセットは、インクリボンカセットと、インクリボンカセットが着脱可能に取り付けられる本体部とを備える印刷装置に用いることができる。この印刷装置は、無線タグと近距離無線通信を行うための無線通信部と、印刷装置を制御する制御部とを備え、本体部は、印刷媒体が搬送される媒体搬送路と、インクリボンを加熱して媒体搬送路を通過する印刷媒体にインクリボンのインクを転写して印刷するサーマルヘッドとを備え、制御部は、無線通信部によって読み取られたインクリボンに関する情報が所定の情報である場合に、印刷装置に印刷処理を行わせることが好ましい。

この印刷装置では、印刷装置のランニングコストを低減することが可能になる。また、この印刷装置では、無線通信部によって読み取られたインクリボンに関する情報（すなわち、無線タグに記憶されたインクリボンに関する情報）に基づいて、印刷装置の仕様等に適合した適切なインクリボンをインクリボンカセットが有している場合のみに印刷装置に印刷処理を行わせることが可能になる。

以上説明したように、本発明では、インクリボンが使用される印刷装置のランニングコストを低減することが可能になる。

本発明の実施の形態にかかる印刷装置の構成を説明するための概略側面図である。 図１に示す印刷装置の構成を説明するためのブロック図である。 本発明の実施の形態にかかるインクリボンカセットの斜視図である。 図３に示すインクリボンカセットの分解斜視図である。 図４に示すインクリボンカセットを異なる方向から示す分解斜視図である。 図４に示すカバー等の分解斜視図である。 図５に示すカバーの分解斜視図である。 本発明の他の実施の形態にかかるインクリボンカセットの斜視図である。

以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。

（印刷装置の概略構成）
図１は、本発明の実施の形態にかかる印刷装置１の構成を説明するための概略側面図である。図２は、図１に示す印刷装置１の構成を説明するためのブロック図である。図３は、本発明の実施の形態にかかるインクリボンカセット２６の斜視図である。

本形態の印刷装置１は、印刷媒体であるカード２に対して文字、記号および図形等の画像を印刷するための装置である。具体的には、印刷装置１は、帯状のフィルムにインクが塗布されて形成されたインクリボン３を使い、インクリボン３のインクを加熱することで、インクリボン３のインクをカード２に転写して印刷する熱転写方式の印刷装置である。印刷装置１は、たとえば、カード発行装置等の上位装置に搭載されて使用される。

印刷装置１は、インクリボン３が巻回される供給側ボビン４および巻取側ボビン５を有するインクリボンカートリッジ６（以下、「カートリッジ６」とする。）と、カートリッジ６が着脱可能に取り付けられる本体部７とを備えている。本体部７は、カード２を搬送するカード搬送機構８と、インクリボン３を加熱してカード２にインクリボン３のインクを転写して印刷するサーマルヘッド９と、供給側ボビン４と巻取側ボビン５との間でインクリボン３を送るリボン送り機構１０とを備えている。また、印刷装置１は、後述の無線タグ３１と近距離無線通信を行うための無線通信部１１と、印刷装置１を制御する制御部１２とを備えている。無線通信部１１は、制御部１２に電気的に接続されている。

カード２は、たとえば、厚さが０．７～０．８ｍｍ程度の塩化ビニール製のカードである。カード２は、長方形状に形成されている。カード２の表面には、たとえば、磁気データが記録される磁気ストライプが形成されている。なお、カード２の内部に、ＩＣチップや通信用のアンテナが内蔵されていても良い。また、カード２は、厚さが０．１８～０．３６ｍｍ程度のＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。

以下の説明では、互いに直交する３方向のそれぞれをＸ方向、Ｙ方向およびＺ方向とする。印刷装置１は、上下方向（鉛直方向）とＺ方向とが一致するように設置されている。したがって、以下の説明では、Ｚ方向を「上下方向」とする。また、Ｘ方向を「前後方向」とし、Ｙ方向を「左右方向」とする。また、前後方向の一方側である図１等のＸ１方向側を「前」側とし、その反対側である図１等のＸ２方向側を「後（後ろ）」側とし、左右方向の一方側である図３等のＹ１方向側を「右」側とし、その反対側である図３等のＹ２方向側を「左」側とし、上下方向の一方側である図１等のＺ１方向側を「上」側とし、その反対側である図１等のＺ２方向側を「下」側とする。

本体部７は、上側に配置される第１筺体１３と、下側に配置される第２筺体１４とから構成される筺体１５を備えている。第２筺体１４の前上端側には、回動中心軸が取り付けられている。回動中心軸の軸方向は、左右方向と一致している。第１筺体１３の前端側は、回動中心軸に回動可能に保持されており、第１筺体１３は、回動中心軸を中心にして第２筺体１４に対して回動可能となっている。図１に示す状態から回動中心軸を中心にして図１の時計回りの方向へ第１筺体１３を回動させると、筺体１５から上側に向かってカートリッジ６を取り出すことが可能になる。

本体部７の内部には、カード２が搬送される媒体搬送路としてのカード搬送路１７が形成されている。カード搬送路１７では、前後方向にカード２が搬送される。搬送時のカード２の厚さ方向は、上下方向と略一致している。また、長方形状に形成されるカード２の、搬送時の長手方向は、前後方向と略一致している。

カード搬送機構８は、カード２に当接してカード２を搬送する複数のカード搬送ローラ１９と、カード搬送ローラ１９に対向配置されるパッドローラ２０とを備えている。カード搬送ローラ１９は、下側からカード搬送路１７に臨むように配置されている。複数のカード搬送ローラ１９は、プーリやタイミングベルト等から構成される動力伝達機構を介してカード搬送用のモータに連結されている。カード搬送機構８は、制御部１２に電気的に接続されている。具体的には、カード搬送用のモータ等が制御部１２に電気的に接続されている。

サーマルヘッド９は、印刷装置１の前後方向の略中心に、かつ、カード搬送路１７の上側に配置されている。サーマルヘッド９の下側には、プラテンローラ２３が配置されている。プラテンローラ２３は、動力伝達機構を介してカード搬送用のモータに連結されており、カード搬送ローラ１９と一緒に回転する。サーマルヘッド９は、制御部１２に電気的に接続されている。

サーマルヘッド９は、カード搬送路１７を通過するカード２に近づく方向およびこのカード２から離れる方向へサーマルヘッド９を移動させるヘッド移動機構２４に連結されている。ヘッド移動機構２４は、ヘッド移動用のモータと、モータの動力をサーマルヘッド９に伝達するための動力伝達機構等を備えている。ヘッド移動機構２４は、制御部１２に電気的に接続されている。具体的には、ヘッド移動用のモータ等が制御部１２に電気的に接続されている。

カード２およびインクリボン３は、上下方向において、サーマルヘッド９とプラテンローラ２３との間を通過する。また、サーマルヘッド９は、ヘッド移動機構２４から伝達される動力によって、プラテンローラ２３に対して上下動する。サーマルヘッド９は、インクリボン３を介してカード２の上面に所定の当接力で当接して、カード搬送路１７を通過するカード２の上面に印刷を行う。前後方向におけるサーマルヘッド９の両側等には、印刷装置１内でインクリボン３を案内するためのガイド軸２５が設置されている。

カートリッジ６は、上述の供給側ボビン４および巻取側ボビン５を有するインクリボンカセット２６（図３参照）と、インクリボンカセット２６が着脱可能に取り付けられるカートリッジ本体部２７とを備えている。上述のように、カートリッジ６は、本体部７に着脱可能に取り付けられている。すなわち、インクリボンカセット２６は、本体部７に着脱可能に取り付けられている。カートリッジ６は、カード搬送路１７の上側に配置されており、上側から筺体１５に着脱可能となっている。カートリッジ本体部２７は、リボン送り機構１０の動力を供給側ボビン４および巻取側ボビン５に伝達するための動力伝達機構等を備えている。

供給側ボビン４および巻取側ボビン５は、円筒状に形成されている。供給側ボビン４は、供給側ボビン４の軸方向と左右方向とが一致するように配置され、巻取側ボビン５は、巻取側ボビン５の軸方向と左右方向とが一致するように配置されている。供給側ボビン４は、サーマルヘッド９よりも前側に配置され、巻取側ボビン５は、サーマルヘッド９よりも後ろ側に配置されている。供給側ボビン４には、サーマルヘッド９に向かって供給されるインクリボン３（すなわち、インクが転写される前のインクリボン３）が巻回されている。巻取側ボビン５には、サーマルヘッド９によってカード２にインクが転写された後のインクリボン３が巻き取られて巻回されている。

本形態では、カートリッジ本体部２７の左側からカートリッジ本体部２７へのインクリボンカセット２６の着脱が可能となっている。すなわち、カートリッジ本体部２７からインクリボンカセット２６を取り外すときには、インクリボンカセット２６を左側に抜き出し、カートリッジ本体部２７にインクリボンカセット２６を取り付けるときには、カートリッジ本体部２７の左側に配置されるインクリボンカセット２６を右側に押し込む。インクリボンカセット２６の具体的な構成については後述する。

リボン送り機構１０は、インクリボン３に当接してインクリボン３を送るリボン送りローラと、リボン送りローラに対向配置されるパッドローラと、リボン送りローラが連結されるリボン送り用のモータと、モータの動力をリボン送りローラ等に伝達するための動力伝達機構とを備えている。リボン送り機構１０は、制御部１２に電気的に接続されている。具体的には、リボン送り用のモータ等が制御部１２に電気的に接続されている。

（インクリボンカセットの構成）
図４は、図３に示すインクリボンカセット２６の分解斜視図である。図５は、図４に示すインクリボンカセット２６を異なる方向から示す分解斜視図である。図６は、図４に示すカバー３３等の分解斜視図である。図７は、図５に示すカバー３３の分解斜視図である。

上述のように、インクリボンカセット２６は、インクリボン３が巻回される供給側ボビン４および巻取側ボビン５を備えている。本形態では、インクリボン３と供給側ボビン４と巻取側ボビン５とによってインクリボンユニット２９が構成されている。インクリボンカセット２６は、インクリボンユニット２９に加え、供給側ボビン４に巻回されたインクリボン３および巻取側ボビン５に巻回されたインクリボン３が収容されるケース３０と、ケース３０に取り付けられる無線タグ３１とを備えている。

ケース３０は、ケース本体３２と、ケース本体３２に着脱可能に取り付けられるカバー３３とを備えている。本形態のケース３０は、ケース本体３２とカバー３３とによって構成されている。また、インクリボンカセット２６は、供給側ボビン４を手動で回転させるための摘み３４、スリーブ３５、カップリング３６および圧縮コイルバネ３７と、巻取側ボビン５を手動で回転させるための摘み３９、スリーブ４０、カップリング４１および圧縮コイルバネ４２とを備えている。

ケース本体３２は、供給側ボビン４に巻回されたインクリボン３が収容される筒状の供給側ケース部３２ａと、巻取側ボビン５に巻回されたインクリボン３が収容される筒状の巻取側ケース部３２ｂと、供給側ケース部３２ａと巻取側ケース部３２ｂとを繋ぐ連結部３２ｃとを備えている。供給側ケース部３２ａおよび巻取側ケース部３２ｂは、円筒状に形成されている。供給側ケース部３２ａは、供給側ケース部３２ａの軸方向と左右方向とが一致するように配置され、巻取側ケース部３２ｂは、巻取側ケース部３２ｂの軸方向と左右方向とが一致するように配置されている。

また、供給側ケース部３２ａは、巻取側ケース部３２ｂよりも前側に配置されており、供給側ケース部３２ａと巻取側ケース部３２ｂとは、前後方向に間隔をあけた状態で配置されている。このように、円筒状に形成される供給側ケース部３２ａの軸方向と円筒状に形成される巻取側ケース部３２ｂの軸方向とは平行になっている。本形態の左右方向（Ｙ方向）は、供給側ケース部３２ａおよび巻取側ケース部３２ｂの軸方向となっている。また、本形態の前後方向（Ｘ方向）は、供給側ケース部３２ａの軸方向に直交する所定の方向となっている。

連結部３２ｃは、供給側ケース部３２ａの左端と巻取側ケース部３２ｂの左端とを繋いでいる。連結部３２ｃは、前後方向において、供給側ケース部３２ａと巻取側ケース部３２ｂとの間に配置されている。前後方向における供給側ケース部３２ａと巻取側ケース部３２ｂとの間であって、連結部３２ｃの右側では、インクリボン３がケース本体３２の外部に露出している。

ケース本体３２には、カバー３３をケース本体３２に固定するための係合穴３２ｄおよび係合突起３２ｇ、３２ｈが形成されている（図４参照）。本形態の係合穴３２ｄおよび係合突起３２ｇ、３２ｈは、ケース側係合部となっている。係合穴３２ｄは、供給側ケース部３２ａの左前端部と巻取側ケース部３２ｂの左後端部との２箇所に形成されている。一方の係合穴３２ｄは、前後方向で供給側ケース部３２ａを貫通する四角穴であり、他方の係合穴３２ｄは、前後方向で巻取側ケース部３２ｂを貫通する四角穴である。

係合突起３２ｇは、連結部３２ｃに形成されている。具体的には、係合突起３２ｇは、連結部３２ｃの前後方向の中心よりも前側に形成されている。また、係合突起３２ｇは、上下方向に間隔をあけた状態で２箇所に形成されている。係合突起３２ｇは、左側に向かって伸びている。係合突起３２ｇは、鉤型状に形成されており、係合突起３２ｇの先端部（左端部）には、後ろ側に向かって突出する凸部が形成されている。

係合突起３２ｈは、連結部３２ｃに形成されている。具体的には、係合突起３２ｈは、連結部３２ｃの前後方向の中心よりも後ろ側に形成されている。また、係合突起３２ｈは、上下方向に間隔をあけた状態で２箇所に形成されている。係合突起３２ｈは、左側に向かって伸びている。係合突起３２ｈは、鉤型状に形成されており、係合突起３２ｈの先端部（左端部）には、前側に向かって突出する凸部が形成されている。

また、ケース本体３２には、無線タグ３１を取り付けるための凹部３２ｅが形成されている。凹部３２ｅは、連結部３２ｃの右面に形成されている。凹部３２ｅは、連結部３２ｃの前後方向の中心部分に形成されている。凹部３２ｅは、左側に向かって長方形状に窪んでいる。また、凹部３２ｅは、連結部３２ｃの下端部から連結部３２ｃの上端までの間に形成されている。凹部３２ｅの縁には、凹部３２ｅから無線タグ３１が右側へ抜けるのを防止するための突起３２ｆが形成されている。突起３２ｆは、凹部３２ｅの内側に向かって突出している。なお、本形態では、無線タグ３１は、カバー３３に形成される後述の凹部５１ｆに取り付けられており、凹部３２ｅには、取り付けられていない。

供給側ケース部３２ａの前下端部には、インクリボン３を案内するためのローラ４４が回転可能に取り付けられている。ローラ４４は、ローラ４４の軸方向と左右方向とが一致するように配置されている。また、供給側ケース部３２ａの下端部には、プリズムが固定されている。プリズムの下側には、本体部７に取り付けられる反射型の光学式センサが配置されている。供給側ボビン４から引き出されるインクリボン３は、上下方向において、プリズムと光学式センサとの間に挟まれている。本形態では、光学式センサの検知結果に基づいて、カートリッジ６が本体部７に取り付けられたことが検知される。

カバー３３は、ケース本体３２の左端部に取り付けられている。カバー３３は、供給側ケース部３２ａおよび巻取側ケース部３２ｂの左端を塞いでいる。すなわち、カバー３３は、筒状に形成される供給側ケース部３２ａおよび巻取側ケース部３２ｂの一端を塞いでいる。カバー３３は、ケース本体３２の係合穴３２ｄに係合するカバー側係合部としての係合突起４５ａ、４６ａとケース本体３２の係合突起３２ｇ、３２ｈに係合するカバー側係合部としての係合突起４５ｂ、４６ｂとが形成されるロック部材４５、４６と、ロック部材４５、４６を移動可能に保持するカバー本体４７と、カバー本体４７に対してロック部材４５、４６を付勢する付勢部材としての圧縮コイルバネ４８、４９とを備えている。

本形態のカバー３３は、カバー本体４７に対して前後方向にスライド可能な２個のロック部材４５、４６を備えている。ロック部材４６は、ロック部材４５の後ろ側に配置されている。また、カバー３３は、２個の圧縮コイルバネ４８、４９を備えている。圧縮コイルバネ４８は、ロック部材４５を前側に向かって付勢している。圧縮コイルバネ４９は、ロック部材４６を後ろ側に向かって付勢している。本形態のロック部材４５は第１ロック部材であり、ロック部材４６は第２ロック部材であり、圧縮コイルバネ４８は第１付勢部材であり、圧縮コイルバネ４９は第２付勢部材である。

カバー本体４７は、左右方向においてロック部材４５、４６を挟む第１カバー本体５１と第２カバー本体５２とから構成されている。第１カバー本体５１は、ロック部材４５、４６の左側に配置され、第２カバー本体５２は、ロック部材４５、４６の右側に配置されている。すなわち、第１カバー本体５１は、第２カバー本体５２の左側に配置されている。

ロック部材４５の前端側には、左右方向でロック部材４５を貫通する貫通穴４５ｃが形成されている。貫通穴４５ｃは、前後方向にわずかに長い長円形状に形成されている。係合突起４５ａは、貫通穴４５ｃの縁の前端部に形成されている。すなわち、係合突起４５ａは、ロック部材４５の前端部に形成されている。係合突起４５ａは、貫通穴４５ｃの縁から右側に向かって伸びている。係合突起４５ａは、前後方向に弾性変形可能となっている。係合突起４５ａは、鉤型状に形成されており、係合突起４５ａの先端部（右端部）には、前側に向かって突出する凸部が形成されている。

係合突起４５ｂは、ロック部材４５の後端部に形成されている。また、係合突起４５ｂは、ロック部材４５の上端と下端との２箇所に形成されている。係合突起４５ｂは、右側に向かって伸びている。係合突起４５ｂは、鉤型状に形成されており、係合突起４５ｂの先端部（右端部）には、前側に向かって突出する凸部が形成されている。

カバー３３がケース本体３２に取り付けられている状態では、係合突起４５ａの先端部の凸部は、供給側ケース部３２ａに形成される係合穴３２ｄの中に配置されている。係合突起４５ａは、供給側ケース部３２ａの係合穴３２ｄに後ろ側から係合する。また、カバー３３がケース本体３２に取り付けられている状態では、係合突起４５ｂの先端部の凸部は、係合突起３２ｇの先端部の凸部の後ろ側に配置されている。係合突起４５ｂは、係合突起３２ｇに後ろ側から係合する。

ロック部材４５には、ロック部材４５を後ろ側へスライドさせるための指掛け部４５ｄが形成されている。指掛け部４５ｄは、貫通穴４５ｃの後ろ側に配置されている。指掛け部４５ｄは、左右方向でロック部材４５を貫通する貫通穴と、この貫通穴の縁の後端部に形成される突出部４５ｅとによって構成されている。突出部４５ｅは、左側に向かって突出している。突出部４５ｅは、前後方向を厚さ方向とする平板状に形成されている。ロック部材４５の後端部には、圧縮コイルバネ４８の前端部に挿入される突起が形成されている。

ロック部材４６の後端側には、左右方向でロック部材４６を貫通する貫通穴４６ｃが形成されている。貫通穴４６ｃは、前後方向にわずかに長い長円形状に形成されている。係合突起４６ａは、貫通穴４６ｃの縁の後端部に形成されている。すなわち、係合突起４６ａは、ロック部材４６の後端部に形成されている。係合突起４６ａは、貫通穴４６ｃの縁から右側に向かって伸びている。係合突起４６ａは、前後方向に弾性変形可能となっている。係合突起４６ａは、鉤型状に形成されており、係合突起４６ａの先端部（右端部）には、後ろ側に向かって突出する凸部が形成されている。

係合突起４６ｂは、ロック部材４６の前端部に形成されている。また、係合突起４６ｂは、ロック部材４６の上端と下端との２箇所に形成されている。係合突起４６ｂは、右側に向かって伸びている。係合突起４６ｂは、鉤型状に形成されており、係合突起４６ｂの先端部（右端部）には、後ろ側に向かって突出する凸部が形成されている。

カバー３３がケース本体３２に取り付けられている状態では、係合突起４６ａの先端部の凸部は、巻取側ケース部３２ｂに形成される係合穴３２ｄの中に配置されている。係合突起４６ａは、巻取側ケース部３２ｂの係合穴３２ｄに前側から係合する。また、カバー３３がケース本体３２に取り付けられている状態では、係合突起４６ｂの先端部の凸部は、係合突起３２ｈの先端部の凸部の後ろ側に配置されている。係合突起４６ｂは、係合突起３２ｈに前側から係合する。

ロック部材４６には、ロック部材４６を前側へスライドさせるための指掛け部４６ｄが形成されている。指掛け部４６ｄは、貫通穴４６ｃの前側に配置されている。指掛け部４６ｄは、左右方向でロック部材４６を貫通する貫通穴と、この貫通穴の縁の前端部に形成される突出部４６ｅとによって構成されている。突出部４６ｅは、左側に向かって突出している。突出部４６ｅは、前後方向を厚さ方向とする平板状に形成されている。ロック部材４６の前端部には、圧縮コイルバネ４９の後端部に挿入される突起が形成されている。

第１カバー本体５１の前端部には、右側に向かって突出する円筒状の筒部５１ａが形成されている。第１カバー本体５１の後端部には、右側に向かって突出する円筒状の筒部５１ｂが形成されている。筒部５１ａ、５１ｂの内周側には、左右方向の中間位置で筒部５１ａ、５１ｂを仕切る平板状の仕切り壁５１ｃが形成されている。仕切り壁５１ｃの左側には、仕切り壁５１ｃから左側に向かって突出する円筒状の内側筒部５１ｄが形成されている。内側筒部５１ｄの外径は、筒部５１ａ、５１ｂの内径よりも小さくなっている。内側筒部５１ｄは、筒部５１ａ、５１ｂの内周側に配置されている。内側筒部５１ｄの軸心は、筒部５１ａ、５１ｂの軸心と一致している。仕切り壁５１ｃには、内側筒部５１ｄの内周面に通じる貫通穴が形成されている。

第１カバー本体５１には、カバー３３の左面において指掛け部４５ｄ、４６ｄを露出させるための開口部５１ｅが形成されている。開口部５１ｅは、第１カバー本体５１を左右方向で貫通する貫通穴である。開口部５１ｅは、筒部５１ａの後ろ側と筒部５１ｂの前側との２箇所に形成されている。また、第１カバー本体５１には、無線タグ３１を取り付けるための凹部５１ｆが形成されている。すなわち、カバー３３には、無線タグ３１を取り付けるための凹部５１ｆが形成されている。

凹部５１ｆは、第１カバー本体５１の左面に形成されている。凹部５１ｆは、第１カバー本体５１の前後方向の中心部分に形成されており、前後方向において２個の開口部５１ｅの間に配置されている。凹部５１ｆは、右側に向かって長方形状に窪んでいる。また、凹部５１ｆは、第１カバー本体５１の下端部から第１カバー本体５１の上端までの間に形成されている。凹部５１ｆの縁には、凹部５１ｆから無線タグ３１が左側へ抜けるのを防止するための突起５１ｇが形成されている。突起５１ｇは、凹部５１ｆの内側に向かって突出している。

第２カバー本体５２の前端部には、左右方向で第２カバー本体５２を貫通する貫通穴５２ａが形成されている。第２カバー本体５２の後端部には、左右方向で第２カバー本体５２を貫通する貫通穴５２ｂが形成されている。また、第２カバー本体５２には、ロック部材４５の係合突起４５ｂが挿通される２個の貫通穴５２ｃと、ロック部材４６の係合突起４６ｂが挿通される２個の貫通穴５２ｄとが形成されている。貫通穴５２ｃ、５２ｄは、左右方向で第２カバー本体５２を貫通している。

上述のように、ロック部材４５、４６は、左右方向において第１カバー本体５１と第２カバー本体５２との間に挟まれている。カバー３３が組み立てられた状態では、ロック部材４５の貫通穴４５ｃの内周側および第２カバー本体５２の貫通穴５２ａの内周側に第１カバー本体５１の筒部５１ａが配置され、ロック部材４６の貫通穴４６ｃの内周側および第２カバー本体５２の貫通穴５２ｂの内周側に第１カバー本体５１の筒部５１ｂが配置されている。第２カバー本体５２は、主としてネジ５４によって第１カバー本体５１に固定されている。

圧縮コイルバネ４８は、ロック部材４５の後ろ側に配置されている。圧縮コイルバネ４８の後端部には、第１カバー本体５１の前後方向の中心部の右面側に形成される突起が挿入されている。圧縮コイルバネ４９は、ロック部材４６の前側に配置されている。圧縮コイルバネ４９の前端部には、第１カバー本体５１の前後方向の中心部の右面側に形成される突起が挿入されている。

カップリング３６、４１は、円筒状に形成される筒部３６ａ、４１ａを備えている。カップリング３６、４１は、筒部３６ａ、４１ａの軸方向と左右方向とが一致するように配置されている。また、カップリング３６、４１は、筒部３６ａ、４１ａの右端に繋がる円環状かつ平板状の円環部３６ｂ、４１ｂと、円環部３６ｂ、４１ｂの内周側から左側に向かって突出する有底円筒状の内側筒部３６ｃ、４１ｃと、内側筒部３６ｃ、４１ｃの左端に配置される内側筒部３６ｃ、４１ｃの底部の中心から左側に向かって突出する棒状の摘み係合部３６ｄ、４１ｄとを備えている。

筒部３６ａ、４１ａの軸心と内側筒部３６ｃ、４１ｃの軸心と摘み係合部３６ｄ、４１ｄの軸心とは一致している。円環部３６ｂの右面には、供給側ボビン４の左端側に形成される歯車４ａに係合する複数の凸部３６ｅが形成されている。円環部４１ｂの右面には、巻取側ボビン５の左端側に形成される歯車５ａに係合する複数の凸部４１ｅが形成されている。スリーブ３５、４０は、円板状に形成されている。スリーブ３５、４０は、スリーブ３５、４０の厚さ方向と左右方向とが一致するように配置されている。スリーブ３５、４０には、摘み係合部３６ｄ、４１ｄが挿通される貫通穴が形成されている。

スリーブ３５は、第１カバー本体５１の筒部５１ａの内周側に配置されている。スリーブ３５は、仕切り壁５１ｃの右側に配置されている。カップリング３６の、右端部を除いた大半部分は、筒部５１ａの内周側に配置されている。円環部３６ｂは、筒部５１ａの右側に配置されている。圧縮コイルバネ３７は、左右方向においてスリーブ３５と円環部３６ｂとの間に配置されている。また、圧縮コイルバネ３７は、筒部３６ａの内周側であって、かつ、内側筒部３６ｃの外周側に配置されている。圧縮コイルバネ３７の左端は、スリーブ３５の右面に接触し、圧縮コイルバネ３７の右端は、円環部３６ｂの左面に接触している。

スリーブ３５と仕切り壁５１ｃとの間には、座金５６が配置されている。摘み係合部３６ｄは、筒部５１ａの内周側に配置される内側筒部５１ｄに挿通されている。摘み係合部３６ｄの左端は、内側筒部５１ｄの左端より左側に配置されている。摘み係合部３６ｄの左端には、摘み３４が取り付けられている。摘み３４は、内側筒部５１ｄの外周面に沿って左右方向を回転の軸方向として回転可能となっている。作業者が摘み３４を回すと、供給側ボビン４が回転する。

同様に、スリーブ４０は、第１カバー本体５１の筒部５１ｂの内周側に配置されている。スリーブ４０は、仕切り壁５１ｃの右側に配置されている。カップリング４１の、右端部を除いた大半部分は、筒部５１ｂの内周側に配置されている。円環部４１ｂは、筒部５１ｂの右側に配置されている。圧縮コイルバネ４２は、左右方向においてスリーブ４０と円環部４１ｂとの間に配置されている。また、圧縮コイルバネ４２は、筒部４１ａの内周側であって、かつ、内側筒部４１ｃの外周側に配置されている。圧縮コイルバネ４２の左端は、スリーブ４０の右面に接触し、圧縮コイルバネ４２の右端は、円環部４１ｂの左面に接触している。

スリーブ４０と仕切り壁５１ｃとの間には、座金５６が配置されている。摘み係合部４１ｄは、筒部５１ｂの内周側に配置される内側筒部５１ｄに挿通されている。摘み係合部４１ｄの左端は、内側筒部５１ｄの左端より左側に配置されている。摘み係合部４１ｄの左端には、摘み３９が取り付けられている。摘み３９は、内側筒部５１ｄの外周面に沿って左右方向を回転の軸方向として回転可能となっている。作業者が摘み３９を回すと、巻取側ボビン５が回転する。

ロック部材４５、４６は、係合突起４５ａ、４６ａと係合穴３２ｄとが係合し、かつ、係合突起４５ｂと係合突起３２ｇとが係合するとともに、係合突起４６ｂと係合突起３２ｈとが係合してケース本体３２にカバー３３が固定されるロック位置と、係合突起４５ａ、４６ａと係合穴３２ｄとの係合状態、係合突起４５ｂと係合突起３２ｇとの係合状態および係合突起４６ｂと係合突起３２ｈとの係合状態が解除されてケース本体３２からのカバー３３の取外しが可能となるロック解除位置との間でカバー本体４７に対して移動可能となっている。すなわち、ロック部材４５、４６は、ロック位置とロック解除位置との間でカバー本体４７に対して左右方向にスライド可能となっている。カバー本体４７とロック部材４５、４６との間には、ロック部材４５、４６を左右方向に案内するためのガイドが形成されている。

圧縮コイルバネ４８、４９は、ロック位置に向かってロック部材４５、４６を付勢している。ロック部材４５、４６をロック解除位置に移動させるときには、作業者が指掛け部４５ｄ、４６ｄに指を掛けて、前後方向の内側にロック部材４５、４６をスライドさせる。すなわち、作業者が２個の指掛け部４５ｄ、４６ｄを摘まんで、前後方向の内側にロック部材４５、４６をスライドさせる。このように、ロック部材４５、４６には、前後方向の内側にロック部材４５、４６を移動させるための指掛け部４５ｄ、４６ｄが形成されている。本形態では、使用済みのインクリボン３を交換するときに、ロック部材４５、４６をロック解除位置に移動させて、ケース本体３２からカバー３３を取り外し、インクリボンユニット２９のみを交換する。

無線タグ３１には、インクリボン３に関する情報が記憶されている。具体的には、無線タグ３１には、インクリボン３の種類等の情報を含むインクリボン３の識別情報等が記憶されている。無線タグ３１は、シール状に形成されている。シール状に形成された無線タグ３１は、平板状の補強板５８に貼り付けられている。補強板５８は、たとえば、樹脂材料で形成されている。補強板５８は、長方形状に形成されている。

補強板５８に貼り付けられた無線タグ３１は、第１カバー本体５１の凹部５１ｆに上側から挿入されて取り付けられている。無線タグ３１は、インクリボンユニット２９とセットになっており、使用済みのインクリボン３を交換する際に、インクリボンユニット２９が交換されると、凹部５１ｆに取り付けられていた無線タグ３１も、交換後のインクリボンユニット２９とセットになっている無線タグ３１に交換される。

本形態では、カートリッジ６が本体部７に取り付けられると、無線通信部１１が、無線タグ３１に記憶されたインクリボン３に関する情報を読み取る。制御部１２は、無線通信部１１によって読み取られたインクリボン３に関する情報が所定の情報である場合に、印刷装置１に印刷処理を行わせる。具体的には、制御部１２は、無線通信部１１によって読み取られたインクリボン３に関する情報が、印刷装置１の仕様等に適合した適切なインクリボン３に関する情報である場合のみに、カード搬送機構８、サーマルヘッド９、リボン送り機構１０およびヘッド移動機構２４を動作させて、印刷装置１に印刷処理を行わせる。なお、本形態では、無線タグ３１が第１カバー本体５１に取り付けられておらず、無線通信部１１がインクリボン３に関する情報を読み取ることができない場合には、制御部１２は、印刷装置１に印刷処理を行わせない。

（本形態の主な効果）
以上説明したように、本形態では、供給側ボビン４に巻回されたインクリボン３および巻取側ボビン５に巻回されたインクリボン３が収容されるケース３０は、供給側ボビン４に巻回されたインクリボン３が収容される筒状の供給側ケース部３２ａと巻取側ボビン５に巻回されたインクリボン３が収容される筒状の巻取側ケース部３２ｂとを有するケース本体３２と、供給側ケース部３２ａおよび巻取側ケース部３２ｂの左端を塞ぐカバー３３とを備えており、カバー３３は、ケース本体３２に着脱可能に取り付けられている。

そのため、本形態では、上述のように、使用済みのインクリボン３を交換するときに、ケース本体３２からカバー３３を取り外して、インクリボンユニット２９のみを交換することが可能になる。すなわち、本形態では、使用済みのインクリボン３を交換するときに、インクリボンユニット２９のみを交換してケース３０を再利用することが可能になる。したがって、本形態では、インクリボン３が使用される印刷装置１のランニングコストを低減することが可能になる。

本形態では、ロック部材４５、４６は、ケース本体３２にカバー３３が固定されるロック位置と、ケース本体３２からのカバー３３の取外しが可能となるロック解除位置との間でカバー本体４７に対して移動可能となっており、圧縮コイルバネ４８、４９は、ロック位置に向かってロック部材４５、４６を付勢している。そのため、本形態では、作業者が、圧縮コイルバネ４８、４９の付勢力に抗してロック部材４５、４６をロック解除位置に移動させることで、ケース本体３２からカバー３３を取り外すことが可能になる。したがって、本形態では、印刷装置１が設置されている現場においても、ケース本体３２からカバー３３を容易に取り外すことが可能になり、その結果、インクリボンユニット２９のみを容易に交換することが可能になる。

また、本形態では、ロック部材４５、４６の指掛け部４５ｄ、４６ｄをカバー３３の左面で露出させるための開口部５１ｅが第１カバー本体５１に形成されており、指掛け部４５ｄ、４６ｄがカバー３３の左面で露出している。そのため、本形態では、指掛け部４５ｄ、４６ｄを利用して、ロック部材４５、４６をロック解除位置に容易にスライドさせることが可能になる。

本形態では、インクリボン３に関する情報が記憶される無線タグ３１がケース３０に取り付けられている。また、本形態では、印刷装置１は、無線タグ３１と近距離無線通信を行うための無線通信部１１を備えている。そのため、本形態では、印刷装置１の制御部１２は、無線タグ３１に記憶された情報に基づいて、印刷装置１の仕様等に適合した適切なインクリボン３をインクリボンカセット２６が有しているのか否かを判別することが可能になる。また、制御部１２は、無線通信部１１によって読み取られたインクリボン３に関する情報に基づいて、印刷装置１の仕様等に適合した適切なインクリボン３をインクリボンカセット２６が有していると判断した場合のみに印刷装置１に印刷処理を行わせることが可能になる。

本形態では、第１カバー本体５１に、無線タグ３１を取り付けるための凹部５１ｆが形成されており、補強板５８に貼り付けられた無線タグ３１は、凹部５１ｆに上側から挿入されて取り付けられている。そのため、本形態では、無線タグ３１をケース３０に容易に着脱することが可能になる。したがって、本形態では、上述のように、使用済みのインクリボン３を交換するたびに、凹部５１ｆに取り付けられる無線タグ３１を交換する場合であっても、無線タグ３１を容易に交換することが可能になる。

（他の実施の形態）
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。

上述した形態において、図８に示すように、無線タグ３１は、ケース本体３２の凹部３２ｅに取り付けられていても良い。無線タグ３１が凹部３２ｅに取り付けられている場合には、カートリッジ本体部２７にインクリボンカセット２６が取り付けられると、カートリッジ６の外側から無線タグ３１が見えなくなる。一方、無線タグ３１が凹部５１ｆに取り付けられている場合には、カートリッジ本体部２７にインクリボンカセット２６が取り付けられたときに、カートリッジ６の外側から無線タグ３１が見える。なお、上述した形態において、ケース本体３２に凹部３２ｅが形成されていなくても良い。また、無線タグ３１が凹部３２ｅに取り付けられる場合には、第１カバー本体５１に凹部５１ｆが形成されていなくても良い。

上述した形態において、無線タグ３１は、平板状に形成されていても良い。この場合には、補強板５８が不要になる。また、この場合には、平板状の無線タグ３１が凹部５１ｆに上側から挿入されて取り付けられる。また、上述した形態において、シール状の無線タグ３１がケース３０に直接貼り付けられていても良い。この場合には、ケース３０に凹部３２ｅ、５１ｆが形成されていなくても良い。さらに、上述した形態において、インクリボンカセット２６は、無線タグ３１を備えていなくても良い。この場合には、印刷装置１は、無線通信部１１を備えていない。また、この場合には、ケース３０に凹部３２ｅ、５１ｆが形成されていなくても良い。

上述した形態において、ケース本体３２に、係合穴３２ｄに代えて、係合突起４５ａ、４６ａに相当するケース側係合部としての係合突起が形成されるとともに、ロック部材４５、４６に、係合突起４５ａ、４６ａに代えて、係合穴３２ｄに相当するカバー側係合部としての係合穴が形成されても良い。また、上述した形態において、ケース本体３２に、係合突起３２ｇ、３２ｈに代えて、係合突起４５ｂ、４６ｂに係合するケース側係合部としての係合穴が形成されていても良いし、ロック部材４５、４６に、係合突起４５ｂ、４６ｂに代えて、係合突起３２ｇ、３２ｈに係合するカバー側係合部としての係合穴が形成されていても良い。

上述した形態において、ケース本体３２に、係合突起３２ｇ、３２ｈが形成されていなくても良い。この場合には、ロック部材４５、４６に、係合突起４５ｂ、４６ｂが形成されていない。また、上述した形態において、ケース本体３２に、係合穴３２ｄが形成されていなくても良い。この場合には、ロック部材４５、４６に、係合突起４５ａ、４６ａが形成されていない。

上述した形態において、カバー本体４７に対してロック部材４５、４６を付勢する付勢部材は、圧縮コイルバネ４８、４９以外のバネ部材であっても良い。また、上述した形態では、カートリッジ本体部２７に取り付けられたインクリボンカセット２６が本体部７に着脱可能となっているが、インクリボンカセット２６が、本体部７に直接、着脱可能となるように、本体部７が構成されていても良い。また、上述した形態において、印刷装置１で印刷される印刷媒体は、印刷用紙等のカード２以外のものであっても良い。

（本技術の構成）
なお、本技術は以下のような構成を取ることが可能である。
（１）インクリボンとインクが転写される前の前記インクリボンが巻回される供給側ボビンとインクが転写された後の前記インクリボンが巻き取られて巻回される巻取側ボビンとを有するインクリボンユニットと、前記供給側ボビンに巻回された前記インクリボンおよび前記巻取側ボビンに巻回された前記インクリボンが収容されるケースとを備え、
前記ケースは、前記供給側ボビンに巻回された前記インクリボンが収容される筒状の供給側ケース部と前記巻取側ボビンに巻回された前記インクリボンが収容される筒状の巻取側ケース部とを有するケース本体と、筒状に形成される前記供給側ケース部の一端および前記巻取側ケース部の一端を塞ぐとともに前記ケース本体に着脱可能に取り付けられるカバーとを備え、
前記ケース本体には、前記カバーを前記ケース本体に固定するためのケース側係合部が形成され、
前記カバーは、前記ケース側係合部に係合するカバー側係合部が形成されるロック部材と、前記ロック部材を移動可能に保持するカバー本体と、前記カバー本体に対して前記ロック部材を付勢する付勢部材とを備え、
前記ロック部材は、前記ケース側係合部と前記カバー側係合部とが係合して前記ケース本体に前記カバーが固定されるロック位置と、前記ケース側係合部と前記カバー側係合部との係合状態が解除されて前記ケース本体からの前記カバーの取外しが可能となるロック解除位置との間で前記カバー本体に対して移動可能となっており、
前記付勢部材は、前記ロック位置に向かって前記ロック部材を付勢していることを特徴とするインクリボンカセット。
（２）筒状に形成される前記供給側ケース部の軸方向と筒状に形成される前記巻取側ケース部の軸方向とは平行になっており、
前記供給側ケース部の軸方向に直交する所定の方向を前後方向とすると、
前記供給側ケース部と前記巻取側ケース部とは、前後方向において間隔をあけた状態で配置され、
前記カバーは、前記ロック部材として、前記カバー本体に対して前後方向にスライド可能な第１ロック部材と、前記第１ロック部材の後ろ側に配置されるとともに前記カバー本体に対して前後方向にスライド可能な第２ロック部材とを備えるとともに、前記付勢部材として、前記第１ロック部材を前側に向かって付勢する第１付勢部材と、前記第２ロック部材を後ろ側に向かって付勢する第２付勢部材とを備えることを特徴とする（１）記載のインクリボンカセット。
（３）前記供給側ケース部の軸方向を左右方向とすると、
前記カバーは、前記ケース本体の左端部に取り付けられ、
前記カバー本体は、左右方向において前記ロック部材を挟む第１カバー本体と第２カバー本体とから構成され、
前記第１カバー本体は、前記第２カバー本体の左側に配置され、
前記ロック部材には、前記ロック部材を前後方向の内側にスライドさせるための指掛け部が形成され、
前記第１カバー本体には、前記カバーの左面において前記指掛け部を露出させる開口部が形成されていることを特徴とする（２）記載のインクリボンカセット。
（４）前記インクリボンに関する情報が記憶されるとともに前記ケースに取り付けられる無線タグを備えることを特徴とする（１）から（３）のいずれかに記載のインクリボンカセット。
（５）前記無線タグは、シール状に形成され、平板状の補強板に貼り付けられているか、または、平板状に形成されていることを特徴とする（４）記載のインクリボンカセット。
（６）前記ケース本体および前記カバーの少なくともいずれか一方には、前記無線タグを取り付けるための凹部が形成され、
前記無線タグがシール状に形成されて前記補強板に貼り付けられている場合には、前記無線タグが貼り付けられた前記補強板が前記凹部に挿入されて取り付けられ、
前記無線タグが平板状に形成されている場合には、平板状の前記無線タグが前記凹部に挿入されて取り付けられていることを特徴とする（５）記載のインクリボンカセット。
（７）（１）から（３）のいずれかに記載のインクリボンカセットと、前記インクリボンカセットが着脱可能に取り付けられる本体部とを備え、
前記本体部は、印刷媒体が搬送される媒体搬送路と、前記インクリボンを加熱して前記媒体搬送路を通過する前記印刷媒体に前記インクリボンのインクを転写して印刷するサーマルヘッドとを備えることを特徴とする印刷装置。
（８）（４）から（６）のいずれかに記載のインクリボンカセットと、前記インクリボンカセットが着脱可能に取り付けられる本体部とを備える印刷装置であって、
前記無線タグと近距離無線通信を行うための無線通信部と、前記印刷装置を制御する制御部とを備え、
前記本体部は、印刷媒体が搬送される媒体搬送路と、前記インクリボンを加熱して前記媒体搬送路を通過する前記印刷媒体に前記インクリボンのインクを転写して印刷するサーマルヘッドとを備え、
前記制御部は、前記無線通信部によって読み取られた前記インクリボンに関する情報が所定の情報である場合に、前記印刷装置に印刷処理を行わせることを特徴とする印刷装置。

１ 印刷装置
２ カード（印刷媒体）
３ インクリボン
４ 供給側ボビン
５ 巻取側ボビン
７ 本体部
９ サーマルヘッド
１１ 無線通信部
１２ 制御部
１７ カード搬送路（媒体搬送路）
２６ インクリボンカセット
２９ インクリボンユニット
３０ ケース
３１ 無線タグ
３２ ケース本体
３２ａ 供給側ケース部
３２ｂ 巻取側ケース部
３２ｄ 係合穴（ケース側係合部）
３２ｇ、３２ｈ 係合突起（ケース側係合部）
３２ｅ 凹部
３３ カバー
４５ ロック部材（第１ロック部材）
４５ａ、４５ｂ、４６ａ、４６ｂ 係合突起（カバー側係合部）
４５ｄ、４６ｄ 指掛け部
４６ ロック部材（第２ロック部材）
４７ カバー本体
４８ 圧縮コイルバネ（付勢部材、第１付勢部材）
４９ 圧縮コイルバネ（付勢部材、第２付勢部材）
５１ 第１カバー本体
５１ｅ 開口部
５１ｆ 凹部
５２ 第２カバー本体
５８ 補強板
Ｘ 前後方向
Ｙ 左右方向（供給側ケース部の軸方向）

Claims (8)

1. インクリボンとインクが転写される前の前記インクリボンが巻回される供給側ボビンとインクが転写された後の前記インクリボンが巻き取られて巻回される巻取側ボビンとを有するインクリボンユニットと、前記供給側ボビンに巻回された前記インクリボンおよび前記巻取側ボビンに巻回された前記インクリボンが収容されるケースとを備え、
   前記ケースは、前記供給側ボビンに巻回された前記インクリボンが収容される筒状の供給側ケース部と前記巻取側ボビンに巻回された前記インクリボンが収容される筒状の巻取側ケース部とを有するケース本体と、筒状に形成される前記供給側ケース部の一端および前記巻取側ケース部の一端を塞ぐとともに前記ケース本体に着脱可能に取り付けられるカバーとを備え、
   前記ケース本体には、前記カバーを前記ケース本体に固定するためのケース側係合部が形成され、
   前記カバーは、前記ケース側係合部に係合するカバー側係合部が形成されるロック部材と、前記ロック部材を移動可能に保持するカバー本体と、前記カバー本体に対して前記ロック部材を付勢する付勢部材とを備え、
   前記ロック部材は、前記ケース側係合部と前記カバー側係合部とが係合して前記ケース本体に前記カバーが固定されるロック位置と、前記ケース側係合部と前記カバー側係合部との係合状態が解除されて前記ケース本体からの前記カバーの取外しが可能となるロック解除位置との間で前記カバー本体に対して移動可能となっており、
   前記付勢部材は、前記ロック位置に向かって前記ロック部材を付勢していることを特徴とするインクリボンカセット。
2. 筒状に形成される前記供給側ケース部の軸方向と筒状に形成される前記巻取側ケース部の軸方向とは平行になっており、
   前記供給側ケース部の軸方向に直交する所定の方向を前後方向とすると、
   前記供給側ケース部と前記巻取側ケース部とは、前後方向において間隔をあけた状態で配置され、
   前記カバーは、前記ロック部材として、前記カバー本体に対して前後方向にスライド可能な第１ロック部材と、前記第１ロック部材の後ろ側に配置されるとともに前記カバー本体に対して前後方向にスライド可能な第２ロック部材とを備えるとともに、前記付勢部材として、前記第１ロック部材を前側に向かって付勢する第１付勢部材と、前記第２ロック部材を後ろ側に向かって付勢する第２付勢部材とを備えることを特徴とする請求項１記載のインクリボンカセット。
3. 前記供給側ケース部の軸方向を左右方向とすると、
   前記カバーは、前記ケース本体の左端部に取り付けられ、
   前記カバー本体は、左右方向において前記ロック部材を挟む第１カバー本体と第２カバー本体とから構成され、
   前記第１カバー本体は、前記第２カバー本体の左側に配置され、
   前記ロック部材には、前記ロック部材を前後方向の内側にスライドさせるための指掛け部が形成され、
   前記第１カバー本体には、前記カバーの左面において前記指掛け部を露出させる開口部が形成されていることを特徴とする請求項２記載のインクリボンカセット。
4. 前記インクリボンに関する情報が記憶されるとともに前記ケースに取り付けられる無線タグを備えることを特徴とする請求項１記載のインクリボンカセット。
5. 前記無線タグは、シール状に形成され、平板状の補強板に貼り付けられているか、または、平板状に形成されていることを特徴とする請求項４記載のインクリボンカセット。
6. 前記ケース本体および前記カバーの少なくともいずれか一方には、前記無線タグを取り付けるための凹部が形成され、
   前記無線タグがシール状に形成されて前記補強板に貼り付けられている場合には、前記無線タグが貼り付けられた前記補強板が前記凹部に挿入されて取り付けられ、
   前記無線タグが平板状に形成されている場合には、平板状の前記無線タグが前記凹部に挿入されて取り付けられていることを特徴とする請求項５記載のインクリボンカセット。
7. 請求項１から３のいずれかに記載のインクリボンカセットと、前記インクリボンカセットが着脱可能に取り付けられる本体部とを備え、
   前記本体部は、印刷媒体が搬送される媒体搬送路と、前記インクリボンを加熱して前記媒体搬送路を通過する前記印刷媒体に前記インクリボンのインクを転写して印刷するサーマルヘッドとを備えることを特徴とする印刷装置。
8. 請求項４から６のいずれかに記載のインクリボンカセットと、前記インクリボンカセットが着脱可能に取り付けられる本体部とを備える印刷装置であって、
   前記無線タグと近距離無線通信を行うための無線通信部と、前記印刷装置を制御する制御部とを備え、
   前記本体部は、印刷媒体が搬送される媒体搬送路と、前記インクリボンを加熱して前記媒体搬送路を通過する前記印刷媒体に前記インクリボンのインクを転写して印刷するサーマルヘッドとを備え、
   前記制御部は、前記無線通信部によって読み取られた前記インクリボンに関する情報が所定の情報である場合に、前記印刷装置に印刷処理を行わせることを特徴とする印刷装置。

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