JP2023553236A - 割裂とカビの発生を抑制した竹筒の製造方法 - Google Patents

割裂とカビの発生を抑制した竹筒の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は割裂とカビの発生を抑制した竹筒の製造方法に関するもので、この方法は200mash以下の黄土粉末とジオライト粉末を混合して精製水に混ぜた後、この混濁液の上澄み液をU-sonicatorを用いて1~3分程度分散させてミネラル液を製造するミネラル液製造段階;竹筒をコンプレックスに30分間浸漬させた後30分~1時間乾燥する竹筒前処理段階;前記前処理された竹筒をミネラル液に1~2時間浸漬させる浸漬段階;前記浸漬してから1~2時間自然乾燥する一次乾燥段階;前記一次乾燥後乾燥炉で180~230℃の温度で1~2時間乾燥する2次乾燥段階;及び前記2次乾燥された竹筒を30分間自然乾燥する3次乾燥段階を含む。【選択図】図3

Description

本発明は割裂とカビの発生を抑制した多用途竹筒の製造方法に関するもので、特に竹マルチ抽出物を含むマルチコンプレックスを用いたコーティングと特殊な多段乾燥方式を通じて効果的に竹を乾燥することで、様々な用途の竹筒を製造する方法に関するものである。
一般的に木においては外皮と内皮の含水率、自体強度の差によって変形が発生する。竹においても内外皮の含水率の差によって竹を間伐して放置すると、割裂(割れ、クラック)が発生する。
竹を用いた工芸品の場合、バスケット、トレイ、お櫃、傘、伝統茶道具、竹笠、煙管、杖、扇、茣蓙、カーペット、フェンス、ボウル、ダッチワイフなど様々な用品が製造されて使用されてきた。このような工芸品の場合、一部を除いては竹を薄く切って整えて製品を作るため、割裂(割れ、クラック)が発生しない。
しかし、天然の竹筒を用いて製品を作る場合は、割裂(割れ、クラック)を防ぐために2~3ヶ月に亘って陰干ししたり、火に焼く方式などの様々な方法を使用するが、時間の流れによって割裂(割れ、クラック)が発生する。従って、割裂(割れ、クラック)の発生を防ぐためには、竹の種別特性を活用した多様な加工方法が必要である。
竹の割裂(割れ、クラック)に関連して開示された先行技術として、特許文献1(韓国特許公開公報第10-0457232号、筒竹の割れ防止のための乾燥方法)がある。この文献には筒竹の切り口面を通した水分の蒸発を完全遮断又は部分遮断するように、筒竹の切り口面を適切な水分遮断膜で封止して遮蔽膜処理した後、加熱装置内で所定の温度範囲に乾燥させる段階からなる筒竹の乾燥方法が提示されている。しかし、ここでは大部分、竹を切断して使用するため、このような方法はそのまま使用することができない。
竹の場合、節ごとに生長調節物質であるジベレリン(gibberellin)が分泌されてオーキシン(auxin)と共に生長促進ホルモン成分を作り、この成分により竹は爆発的に成長するようになる。芽が出る当該年度には通常一本から3本又は4本まで枝が出るようになり、2年目には1、2、3、4本枝の最初の節や2番目の節に新しい枝が出ており、2節以上の前年度の枝は枯死死して落ちる。そのため、落ちた枝跡が鮮明に現れる。3年目には前年度に出てきた新しい枝の最初の節や2番目の節から新しい枝が出ており、前年度の枝の上部分は枯死して落ちる。このような現象が毎年繰り返されるので、その枝が落ちた跡の数を見て竹の年齢を識別する。しかし、3年生までは識別が容易であるが、3年以上になると、枝の端部が枯死して落ちるため識別することが難しい。韓国の潭陽などのように竹が育つ地域では5年生以上の木を剛竹又は苦竹といって木材や竹細工品の材料として使用し、3年生以下の竹は木質部が硬くないため、使用しない傾向がある。
竹木材(竹稈)を使用する際の使用場所によって、含有している湿気の程度によって露出部位にカビが発生するが、ほとんどの場合には栄養分の多い節部分でカビが発生する。そのため、竹は様々な保存処理方式でカビが生じることを防止する。潭陽で作られた竹工芸品の場合、水で煮て使用する方法、火で焼いて表面の微生物(菌)を死滅させ、栄養分を燃やして除去する方式でカビを防止する方法、又は合成樹脂を使用してコーティングする方式を用いて、カビの発生を防止又は抑制する。ここでは、できるだけ人工的な方式を止揚し、自然のままの方式で割裂(割れ、クラック)を防止し、カビの発生を防止する方法で竹を加工することが必要である。
韓国登録特許第10-0457232号公報 韓国公開特許第10-2009-0118130号公報
本発明は前述したような問題点を解決するためのものであり、割裂とカビが発生する問題を解決し、温度別多段乾燥によって半永久的な様々な竹工芸用竹筒を提供することにその目的がある。
前述の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る割裂とカビの発生を抑制した竹筒の製造方法は200mash以下の黄土粉末とジオライト粉末を混合して精製水に混ぜた後、この混濁液の上澄み液をU-sonicatorを用いて1~3分程度分散させてミネラル液を製造するミネラル液製造段階;竹筒をコンプレックスに30分間浸漬させた後30分~1時間乾燥する竹筒前処理段階;前記前処理された竹筒をミネラル液に1~2時間浸漬させる浸漬段階;前記浸漬してから1~2時間自然乾燥する一次乾燥段階;前記一次乾燥後乾燥炉で180~230℃の温度で1~2時間乾燥する2次乾燥段階;及び前記2次乾燥された竹筒を30分間自然乾燥する3次乾燥段階を含んでなることができる。
前記コンプレックスは竹熱分解過程で加熱炉温度90℃~280℃以内の発生ガスを冷却して得られる酢液を蒸留し、これを3年以上静置して竹抽出液を製造する段階;タケノコ皮を80~120℃で蒸熟処理してから15~80℃の温度で20~80時間の間低温乾燥した後、低温発酵された原物を用いて熱水抽出して得られたタケノコ皮抽出物を製造する段階;及び前記竹抽出液とタケノコ皮抽出物とを1:1の割合で混合して作った竹抽出物混合液とフルボ酸(Fulvic acid)とを1:1で混合する段階を含んで製造されたことを特徴とすることができる。
前記3次乾燥後に乾燥された竹筒を280℃~330℃まで温度を上げた後、0.5~1時間還元焼成する4次乾燥段階;前記4次乾燥された竹筒を450℃温度で1~2時間焼成する焼成段階;及び前記焼成済みの竹筒を8~12時間自然冷却する冷却段階を含むことを特徴とすることができる。
前記2次乾燥段階において乾燥炉の内部に循環式容器が形成されて20分単位で自動回転する内部空気循環段階を更に含むことを特徴とすることができる。
前述のようにして、本発明は竹筒を抗菌、抗炎、抗真菌活性効果のある竹抽出物を含むマルチコンプレックスを用いて浸漬した後乾燥することで、竹筒の割裂とカビを同時に防止する効果を出すことができる。また、竹筒は乾燥過程で竹筒に内在していた樹液が外に出てコーティングの効果を出すので、竹筒を外部から保護することができる。
なお、竹筒内・外皮の含水率がほぼ等しくなるので、割裂がはるかに遅く進行することができる。そして、前記竹マルチコンプレックスの浸漬と乾燥を通じて竹筒の中の栄養分を適切に除去するので、カビ活性を阻害し、且つ竹筒を半永久的に使用することができる。
破竹(ハチク)、真竹(マダケ)、孟宗竹(モウソウチク)の節を示す写真である。 破竹、真竹、孟宗竹の竹稈管束を200倍、1,000倍拡大した写真である。 本発明の一実施形態に係る割裂とカビの発生を抑制した竹筒の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態によってミネラル液に浸漬した後、200℃高温乾燥処理前における破竹、真竹、孟宗竹の竹稈管束を200倍、500倍、1,000倍拡大した写真である。 本発明の一実施形態によってミネラル液に浸漬し、200℃高温乾燥処理後における破竹、真竹、孟宗竹の竹稈管束を200倍、500倍、1,000倍拡大した写真である。 本発明の一実施形態によってミネラル液に浸漬した後、200℃高温乾燥処理前における破竹、真竹、孟宗竹の表面画像を1,000倍、5,000倍、50,000倍拡大した写真である。 本発明の一実施形態によってミネラル液に浸漬した後、200℃高温乾燥処理後における破竹、真竹、孟宗竹の表面画像を1,000倍、5,000倍、50,000倍拡大した写真である。 本発明の一実施形態によってミネラル液に浸漬した後、200℃高温乾燥処理前/後における破竹、真竹、孟宗竹横断面を顕微鏡で撮影した画像(100倍拡大)である。 本発明の一実施形態によってミネラル液に浸漬し、200℃高温乾燥処理した竹と一般竹の割裂/抗菌結果を示す写真である。
別の方式で定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的な用語は本発明が属する技術分野で熟練した専門家が通常的に理解するものと同じ意味を持っている。一般的に、本明細書で使用される命名法は当技術分野で周知であり、通常的に使用されるものである。
本明細書全体で、どの部分がどのような構成要素を「含む」とする時、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素を更に含むことができることを意味する。
以下、本発明に係る割裂とカビの発生を抑制した竹筒の製造方法について説明する。
図1は真竹、破竹、孟宗竹の節を示す写真であり、図2は真竹、破竹、孟宗竹の竹稈管束を200倍、1,000倍拡大した写真である。顕微鏡はCarl-Zeiss Smart zoom 5 Digital Microscopeを用いて観察して撮影し、表面は100倍、内部組織は200倍と1,000倍拡大して撮影した。
孟宗竹と破竹の場合、下の顕微鏡写真のように幹(竹稈)の気孔がくまなく形成されて、必ず前述した方式を用いて乾燥することを特徴とする。しかし、真竹の場合、竹稈の顕微鏡写真で見られるように孟宗竹と破竹に比べて竹稈の組織がはるかに緻密であるので、別途の処理なしに乾燥して使用する際に割裂が生じないことがある。その例として、潭陽産の竹製器やマッサージなどのように竹を筒として使用する製品の場合、大部分は真竹を使って製作する。ただし、カビ防止を同時に鑑みて進行するためには、前述した方法によって処理する方が効果的である。
図3は本発明の一実施形態に係る割裂とカビの発生を抑制した竹筒の製造方法を示すフローチャートである。
前記本発明に係る割裂とカビの発生を抑制した竹筒の製造方法はミネラル液製造段階(S100)、竹筒前処理段階(S200)、浸漬段階(S300)、一次乾燥(S400)、2次乾燥(S500)及び3次乾燥(S600)を含む。前記ミネラル液製造段階(S100)と竹筒前処理段階(S200)は順に進行するか、又はそれぞれ進行した後、製造したミネラル液 と竹筒を浸漬段階(S300)に適用することができる。
前記ミネラル液製造段階(S100)は混合土製造段階(S110)、混濁液製造段階(S120)、ミネラル分散段階(S130)を含む。前記混合土製造段階(S110)では黄土粉末とジオライトとを2:8の割合で混合して混合土を製造する。前記混濁液製造段階(S120)では製造した混合土と精製水とを3:7の割合で混合して製造する。前記ミネラル分散段階(S130)では回収した上澄み液をU-sonicatorを用いてpulse modeを5秒に固定した後、1~3分程度ミネラルを分散させてミネラル液を製造する。
前記竹筒前処理段階(S200)は竹マルチコンプレックス製造段階(S210)、抗菌処理(S220)及び抗菌乾燥段階(S230)を含む。前記竹マルチコンプレックス製造段階(S210)では竹抽出物とフルボ酸(Fulvic acid)とを混合して竹マルチコンプレックスを製造する。前記抗菌処理(S220)は製造した竹マルチコンプレックスに竹筒を30分間浸漬する。前記抗菌乾燥段階(S230)では浸漬した竹筒を回収した後、30分~1時間の間乾燥する。
前記浸漬段階(S300)では竹マルチコンプレックスに浸漬後に乾燥した竹筒をミネラル液に入れて1時間~2時間の間浸漬する。
前記一次乾燥(S400)では浸漬した後竹筒を1時間~2時間の間自然乾燥する。前記2次乾燥(S500)はで自然乾燥後に製造した竹筒を温度別多段乾燥が可能な乾燥炉で1~2時間180~230℃で還元焼成する。前記3次乾燥(S600)では還元焼成した竹筒を循環させて30分間自然乾燥した後、表面を拭いて異物を除去する。
本発明における抗真菌活性のための竹コンプレックスは抗菌、抗塩に効果的な竹抽出物にフルボ酸(Fulvic acid)を混合してpHを下げた酸性溶液である。酸性度によって微生物を効果的に死滅させ、浸漬時に竹筒内部に浸透して栄養成分を外へ排出できるようにしたことを特徴とする。
竹筒の割裂を防ぐために考案した混合土分散液は200mash以下の黄土粉末とジオライト(CAS NO 1318-02-1)を混合して使用し、黄土の割合が多いほど乾燥時の竹筒の色沢が著しく変化するため、様々な実験を経て最適の比率を導き出した。ここで、U-sonicatorを用いてpulse modeを5秒に固定した後1~3分程度分散させる理由は、ミネラルを細かく割って竹の内部に浸透しやすくするためである。破竹と孟宗竹の場合、内部構造が緻密ではないため、必ず分散液に浸漬して使用することが好ましい。
また、本発明は前記割裂とカビの発生を抑制した竹炭筒の製造方法を更に含むことができる。前記竹炭筒の製造方法は3次乾燥(S600)で製造した竹筒を焼成して製造する。前記竹炭筒の製造方法は4次乾燥段階(S700)、焼成段階(S800)及び冷却段階(S900)を含む。
前記4次乾燥段階(S700)では乾燥した竹筒を乾燥炉で280℃~330℃まで温度を上げた後、30分~1時間の間還元焼成する。
前記焼成段階(S800)では還元焼成後乾燥炉の温度を450℃に上げた後、1~2時間焼成する。前記乾燥炉の場合、内部の上下温度差によって竹筒の乾燥及び焼成が適切に行われないことを防止するために、循環式容器を設置し、20分ずつ自動回転することを特徴とする。急激に温度が上がって竹筒の割裂が発生することを防ぐため、竹の熱分解温度である280℃~330℃に温度を固定して30分~1時間加熱した後、再び温度を450℃に固定して1~2時間還元焼成することを特徴とする。
前記冷却段階(S900)は焼成済みの竹筒を8時間~12時間冷却する。
以下、本発明の理解を助けるために本発明の実施例の実験結果に基づいてより詳細に説明する。ただし、これらの実験結果は本発明を例示するものに過ぎず、添付した特許請求の範囲を制限するものではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で実施例に対する様々な変更及び修正が可能であることは当業者にとって明らかである。これらの変形及び修正が添付した特許請求の範囲に属することも当然である。
実施例
破竹、真竹、孟宗竹を竹抽出物とフルボ酸(Fulvic acid)を混合して製造した竹マルチコンプレックスに1時間浸漬させた後、製造したミネラル液に1時間浸漬した。その後、自然乾燥してから横断面と表面の形状を走査電子顕微鏡(以下、「SEM」という)、及び実体顕微鏡で撮影し、高温乾燥(180(±30)℃)した後、横断面と表面の形状をSEM及び実体顕微鏡で撮影した。
[高温乾燥前/後における竹の横断面及び表面の形状分析]
SEM撮影及び実体顕微鏡で観察するために、薄い試料(厚さ0.5mm以下)を採取してカーボンテープを貼着した直径3cmの円形スタブに貼り付けた。その後、105℃で1時間乾燥させ、放冷後に試片の角にカーボン塗料を部分的に処理し、導体に作るためにコーティングを行った。その後、試料をSEMに取り付け、様々な倍率で横断面及び表面を観察した。6点の横断に切断した試料はSEM観察後実体顕微鏡に移し、100倍の倍率で管束を観察した。
高温乾燥条件は200℃とし、乾燥過程で竹の一部成分が表面に染み出して、竹の管束のような空隙を塞ぐ可能性を確認しようとする。
図4は本発明の一実施形態によってミネラル液に浸漬した後、200℃高温乾燥処理前における破竹、真竹、孟宗竹の竹稈管束を200倍、500倍、1,000倍拡大した写真である。図4に示した写真のように、破竹、真竹、孟宗竹の横断面SEM写真を見ると、管束の内部のしわ状が相異なることを除いては、別の差は現れなかった。
図5はミネラル液に浸漬してから200℃高温乾燥処理の後における破竹、真竹、孟宗竹の横断面の竹稈管束を200倍、500倍、1,000倍拡大した写真である。乾燥後には管束の内部のしわ表面が粗いことが現れた。これは竹が高温に露出されて竹の内部物質が表面に染み出して乾燥しながら固まったことに現れた。
図6は本発明の一実施形態によってミネラル液に浸漬してから200℃高温乾燥処理の前における破竹、真竹、孟宗竹の表面SEM画像を1,000倍、5,000倍、50,000倍拡大したものである。真竹は破竹と比べると表面の微細突起がほとんどない特徴がある。孟宗竹は破竹と異なり表面の微細突起がほとんどなく、真竹と比較すると表面が粗い特徴がある。
図7は200℃高温乾燥処理の後における破竹、真竹、孟宗竹の表面SEM画像を1,000倍、5,000倍、50,000倍拡大したものである。破竹は乾燥前と比較すると表面に多くの微細突起が残っており、乾燥により突起形態が変形したことが現れる。真竹は乾燥前と類似の突起がほとんど観察されず、依然として滑らかな表面を示す。孟宗竹も乾燥前と類似の表面微細突起があるが、破竹と比べると破竹よりその数が少なく現れる。
図4乃至図7を参照すると、高温乾燥前/後における破竹、真竹、孟宗竹の横断面と表面をSEMで観察した結果、高温乾燥後に管束の内部のしわ表面が粗くなったことが写真で現れる。これは高温乾燥時に竹内部物質が固まったことによるものと判断する。
図8は高温乾燥処理前/後における破竹、真竹、孟宗竹の横断面を実体顕微鏡で観察したものである。高温乾燥後に破竹、真竹、孟宗竹の管束が詰まっていることが実体顕微鏡イメージ上に現れた。これはミネラル処理した(浸漬した)竹が高温乾燥時に竹の内部物質が染み出した後蒸発されなく固まってコーティングの効果を出すようになる。従って、竹筒を外部から保護することができ、竹筒を半永久的に使用することができる。
[竹マルチコンプレックスの抗菌試験]
竹抽出物とフルボ酸(Fulvic acid)を混合して調製した竹マルチコンプレックスの抗菌効果を試験した。
試験菌の前培養は試験菌株を斜面培地から採取し、Tryptic soy brothに接種した後、35±1℃で18~24時間の間培養した。試験菌液の調製においては、生菌数が(1~9.9)×10CFU/mLになるように滅菌生理食塩水に希釈して得られたものを試験菌液として使用した。試料(原液)20mLに試験菌液0.2mLを添加して混合した後、(22±2)℃で60分及び90分間放置した。試験菌株Staphylococous aureus、Staphylococous epidermidisに対する抗菌効果試験のため、最初の希釈はD/E neutralizing brothを用いて行った。中和した試験液を段階別に希釈して各濃度当たりPetri dish2枚に1mLずつ分注した。予め準備した(45~50)℃のTryptic soy agarをPetri dishに(15~25)mL分注し、室温で凝固させた。凝固されたPetri dishを逆にして(35±1)℃で(24~48)時間の間培養した。試験は各菌株当たり2回繰り返して行い、初期及び対照生菌数の測定は滅菌生理食塩水を用いて行った。
培養後、生菌数の観察は(30~300)個を示すPetri dishを選択して行った。最低希釈段階でのみ生菌数が観察される場合には、観察の範囲に関係なく計数した。細菌が増殖した場合、培地上の菌数に希釈倍数を掛けて算出した。培地で細菌が増殖していない場合は、中和段階で行われた希釈倍数を掛けて「10未満」(<10)と表した。
下記表1はStaphylococous aureusの抗菌試験結果を示す。
Figure 2023553236000002
初期接種菌数は3.1×10CFU/mL、60分及び90分後対照菌数はそれぞれ3.2×10CFU/mL及び4.5×10CFU/mLで観察された。60分及び90分後試験菌数は、2回の反復試験でいずれも<10CFU/mLで観察された。
下記表2はStaphylococous epidermidisの抗菌試験結果を示す。
Figure 2023553236000003
初期接種菌数は3.2×10CFU/mL、60分及び90分後対照菌数はそれぞれ3.5×10CFU/mL及び3.7×10CFU/mLで観察された。60分及び90分後試験菌数は2回の反復試験でいずれも<10CFU/mLで観察された。
下記表3は表1及び表2の抗菌試験結果の総合を示すものである。(単位:meam log)
Figure 2023553236000004
LR = Log reduction試験結果、Staphylococous aureusに対する抗菌試験値は60分、90分それぞれ>5.49、>5.49であり、Staphylococous epidermidisに対する抗菌試験値は60分、90分それぞれ>5.51、>5.51で現れた。Log reductionが4以上であれば99.99%以上、5以上であれば99.999%を意味する。
破竹、真竹、孟宗竹それぞれ200個ずつ準備した後、割裂(クラック)とカビの発生可否を実験した。破竹、真竹、孟宗竹それぞれ100個は竹マルチコンプレックスに浸漬してからミネラル液に浸漬した後、200℃で高温乾燥処理した。残りの破竹、真竹、孟宗竹それぞれ100個は竹マルチコンプレックスとミネラル液に浸漬せずに200℃で高温乾燥処理した。
Figure 2023553236000005
表4と図9を参照すると、竹マルチコンプレックスとミネラル処理後に高温乾燥した竹(破竹、真竹、孟宗竹)には割裂とカビが現れなかったが、一般竹には割裂とカビの両方が現れた。100個のうち2つの真竹では割裂が現れなかったが、98個とも割裂が現れた。これを通じて一般竹は竹マルチコンプレックスとミネラル処理をせずに高温乾燥をすると、乾燥過程で竹内部から出る樹液が割裂を引き起こす要因となり、高温乾燥後にカビがより活発に現れることを確認した。本発明は竹筒を抗菌、抗炎、抗真菌活性効果のある竹抽出物を含むマルチコンプレックスを用いて浸漬した後乾燥することで、竹筒の割裂とカビを同時に防止する効果を出すことができ、高温乾燥過程を通じて竹筒の中の栄養分を適切に除去してカビ活性を阻害するので、竹筒を半永久的に使用することができる。
以上、本発明内容の特定の部分を詳細に説明したが、図面に例示したものに限定されるものではなく、当業界の通常の知識を有する者において、このような具体的な技術は単に好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されるものではないことは明らかである。従って、本発明の実質的な範囲は添付した請求項とそれらの等価物によって定義すべきであろう。

Claims (5)

  1. 200mash以下の黄土粉末とジオライト粉末を混合して精製水に混ぜた後、この混濁液の上澄み液をU-sonicatorを用いて1~3分程度分散させてミネラル液を製造するミネラル液製造段階;
    竹筒をコンプレックスに30分間浸漬させた後30分~1時間乾燥する竹筒前処理段階;
    前記前処理された竹筒をミネラル液に1~2時間浸漬させる浸漬段階;
    前記浸漬してから1~2時間自然乾燥する一次乾燥段階;
    前記一次乾燥後乾燥炉で180~230℃の温度で1~2時間乾燥する2次乾燥段階;及び
    前記2次乾燥された竹筒を30分間自然乾燥する3次乾燥段階を含むことを特徴とする割裂とカビの発生を抑制した竹筒の製造方法。
  2. 前記コンプレックスは竹熱分解過程で加熱炉温度90℃~280℃以内の発生ガスを冷却して得られる酢液を蒸留し、これを3年以上静置して竹抽出液を製造する段階;
    タケノコ皮を80~120℃で蒸熟処理してから15~80℃の温度で20~80時間の間低温乾燥した後、低温発酵された原物を用いて熱水抽出して得られたタケノコ皮抽出物を製造する段階;及び
    前記竹抽出液とタケノコ皮抽出物とを1:1の割合で混合して作った竹抽出物混合液とフルボ酸(Fulvic acid)とを1:1で混合する段階を含んで製造されたことを特徴とする請求項1に記載の割裂とカビの発生を抑制した竹筒の製造方法。
  3. 前記3次乾燥後に乾燥された竹筒を280℃~330℃まで温度を上げた後、0.5~1時間還元焼成する4次乾燥段階;
    前記4次乾燥された竹筒を450℃温度で1~2時間焼成する焼成段階;及び
    前記焼成済みの竹筒を8~12時間自然冷却する冷却段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の割裂とカビの発生を抑制した竹筒の製造方法。
  4. 前記2次乾燥段階において乾燥炉の内部に循環式容器が形成されて20分単位で自動回転する内部空気循環段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の割裂とカビの発生を抑制した竹筒の製造方法。
  5. 請求項1、3乃至4のいずれか一項に記載の方法で製造されたことを特徴とする割裂とカビの発生を抑制した竹筒。
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