JP2023551968A - タラゾパリブでの処置に対して感受性のある腫瘍を同定する方法およびその処置方法 - Google Patents

タラゾパリブでの処置に対して感受性のある腫瘍を同定する方法およびその処置方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩での処置に対して感受性のある、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される転移性腫瘍を同定する方法およびその処置方法であって、a)前記転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップと;b)前記相同組換え不全スコアが少なくとも33%である場合に、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を投与するステップとを含み、前記変異が生殖細胞系BRCA1または生殖細胞系BRCA2ではない、方法に関する。本発明は、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩で処置するために、相同組換え経路遺伝子に変異を有する転移性腫瘍を有すると決定される対象を選択する方法にも関する。

Description

本発明は、タラゾパリブでの処置に対して感受性のある腫瘍を同定する方法およびその処置方法に関する。本発明は、タラゾパリブで処置するために対象を選択する方法にも関する。
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)は、細胞におけるDNA修復の天然に存在するプロセスに関係する。PARP阻害は、合成致死性を誘導することにより、二本鎖DNA修復遺伝子における生殖細胞系変異と関連する腫瘍に対する有効な治療戦略であることが示されている(Sonnenblick,A.ら、Nat.Rev.Clin.Oncol、2015、12(1)、27~4)。
タラゾパリブは、強力な経口利用可能な低分子PARP阻害薬であり、合成致死性と称される作用であるデオキシリボ核酸(DNA)修復を損なう遺伝子変異を持つヒト癌細胞系に対して細胞毒性であり、かつDNA上のPARPタンパク質を捕捉し、それによりDNA修復、複製、および転写を妨げることによるものである。
タラゾパリブ、すなわち「(8S,9R)-5-フルオロ-8-(4-フルオロフェニル)-9-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3,2-de]フタラジン-3(7H)-オン」および「(8S,9R)-5-フルオロ-8-(4-フルオロフェニル)-9-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)-2,7,8,9-テトラヒドロ-3H-ピリド[4,3,2-de]フタラジン-3-オン」(「PF-06944076」、「MDV3800」、および「BMN673」とも称される)である化合物は、構造
Figure 2023551968000001
を有するPARP阻害薬である。
タラゾパリブ、およびトシル酸塩を含むその薬学的に許容できる塩は、国際公開WO2010/017055およびWO2012/054698において開示されている。タラゾパリブ、およびトシル酸塩を含むその薬学的に許容できる塩を調製する追加の方法は、国際公開WO2011/097602、WO2015/069851、およびWO2016/019125に記載されている。タラゾパリブ、およびトシル酸塩を含むその薬学的に許容できる塩を使用して癌を処置する追加の方法は、国際公開WO2011/097334およびWO2017/075091に開示されている。
TALZENNA(登録商標)(タラゾパリブ)(0.25mgおよび1mgカプセル剤)は、有害か、または有害の疑いのあるgBRCAm HER2陰性局所進行または転移乳癌を有する成人患者の処置について、米国および欧州を含む複数の国において承認されており、他の国では、承認されるか、または審査中で承認が期待されている。タラゾパリブは、単独の薬剤として、および他の薬剤と組み合わせての両方で、様々なヒト癌について開発中である。追加のカプセル濃度、0.5mgおよび0.75mgが米国において承認されている。
タラゾパリブは、gBRCAm HER2陰性局所進行または転移乳癌において活性であるが;しかしながら、BRCA1および/またはBRCA2変異癌を有する患者を超えて、タラゾパリブ処置に応答し得る癌患者を同定および選択することの需要がある。
下記の本発明の実施形態はそれぞれ、組み合わせる実施形態と矛盾しない、本明細書に記載の1つまたは複数の他の本発明の実施形態と組み合わせることができる。加えて、本発明を説明する下記の実施形態はそれぞれ、その範囲内に、本発明の化合物の薬学的に許容できる塩を包含する。
本発明は、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩での処置に対して感受性がある、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される転移性腫瘍を同定する方法であって、a)転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップと;b)相同組換え不全スコアが少なくとも33%である場合に、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を投与するステップとを含み、前記変異が生殖細胞系BRCA1または生殖細胞系BRCA2ではない、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される転移性腫瘍を同定する方法であって、前記変異が体細胞または生殖細胞系変異である、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される転移性腫瘍を同定する方法であって、前記変異が、PALB2、CHEK2、ATM、BRIP1、RAD50、ATR、PTEN、またはFANCAである、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される転移性腫瘍を同定する方法であって、前記変異がgCHEK2、gPALB2、またはsPTENである、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される転移性腫瘍を同定する方法であって、前記変異がgPALB2である、方法に関する。
本発明の一実施形態は、転移性腫瘍を同定する方法であって、前記転移性腫瘍が乳房腫瘍であり、さらに、前記乳房腫瘍がHER2陰性乳房腫瘍である、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される転移性腫瘍を同定する方法であって、前記転移性腫瘍が、次世代シーケンシングにより相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される転移性腫瘍を同定する方法であって、前記転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップが、次世代シーケンシングにより行われる、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される転移性腫瘍を同定する方法であって、前記相同組換え不全スコアが少なくとも42%である、方法に関する。
本発明の一実施形態は、転移性癌を処置する方法であって、先行実施形態のいずれか一つによりタラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を投与するステップを含む方法に関する。
本発明は、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩で処置するために、相同組換え経路遺伝子に変異を有する転移性腫瘍を有すると決定される対象を選択する方法であって、a)前記転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップと;b)前記相同組換え不全スコアが少なくとも33%である場合に、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩で処置するために対象を選択するステップとを含み、前記変異が生殖細胞系BRCA1または生殖細胞系BRCA2ではない、方法にも関する。
本発明の一実施形態はさらに、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を、選択された患者に投与するステップを含む。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有する転移性腫瘍を有すると決定される対象を選択する方法であって、前記変異が体細胞または生殖細胞系変異である、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有する転移性腫瘍を有すると決定される対象を選択する方法であって、前記変異が、PALB2、CHEK2、ATM、BRIP1、RAD50、ATR、PTEN、またはFANCAである、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有する転移性腫瘍を有すると決定される対象を選択する方法であって、前記変異がgCHEK2、gPALB2、またはsPTENである、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有する転移性腫瘍を有すると決定される対象を選択する方法であって、前記変異がgPALB2である、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有する転移性腫瘍を有すると決定される対象を選択する方法であって、前記転移性腫瘍が乳房腫瘍であり、さらに前記乳房腫瘍がHER2陰性乳房腫瘍である、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有する転移性腫瘍を有すると決定される対象を選択する方法であって、前記転移性腫瘍が、次世代シーケンシングにより相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有する転移性腫瘍を有すると決定される対象を選択する方法であって、前記転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップが、次世代シーケンシングにより行われる、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有する転移性腫瘍を同定する方法であって、前記相同組換え不全スコアが少なくとも42%である、方法に関する。
本発明は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される対象において転移性腫瘍を処置する方法であって、a)前記転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップと;b)前記相同組換え不全スコアが少なくとも33%である場合に、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を投与するステップとを含み、前記変異が生殖細胞系BRCA1または生殖細胞系BRCA2ではない、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される対象において転移性癌を処置する方法であって、前記変異が体細胞または生殖細胞系変異である、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される対象において転移性癌を処置する方法であって、前記変異がPALB2、CHEK2、ATM、BRIP1、RAD50、ATR、PTEN、またはFANCAである、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される対象において転移性癌を処置する方法であって、前記変異がgCHEK2、gPALB2、またはsPTENである、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される対象において転移性癌を処置する方法であって、前記変異がgPALB2である、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される対象において転移性癌を処置する方法であって、前記転移性腫瘍が乳房腫瘍である、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される対象において転移性癌を処置する方法であって、前記乳房腫瘍がHER2陰性乳房腫瘍である、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される対象において転移性癌を処置する方法であって、前記転移性腫瘍が、世代シーケンシングにより相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される対象において転移性癌を処置する方法であって、前記転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップが、次世代シーケンシングにより行われる、方法に関する。
本発明の一実施形態は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される対象において転移性癌を処置する方法であって、前記相同組換え不全スコアが少なくとも42%である、方法に関する。
相同組換えに変異を有する進行HER2陰性乳癌または他の固形腫瘍を有するBRCA1およびBRCA2野生型患者におけるタラゾパリブの第II相治験の流れ図が示されている。 腫瘍型により、全処置患者(n=20)についてのRECIST v.1.1による標的病変の最長径の和(SLD)の最良変化のウォーターフォールプロットで、全患者についての最良処置効果が示されている。登録に使用された遺伝子の生殖細胞系(g)または体細胞(s)変異が示されている。破線は、腫瘍サイズの30%縮小を表している。 全ての評価可能な患者での原発性および転移性試料における相同組換え不全(HRD)スコアのプロットが示されている。水平の点線は、≧33(既知のBRCA1/2欠損卵巣癌の99%捕捉)または≧42(既知のBRCA1/2欠損卵巣癌の95%捕捉)のHRD閾値を示している。 対の原発性および転移性試料でのHRDスコアのプロットが示されている。水平の点線は、≧33(既知のBRCA1/2欠損卵巣癌の99%捕捉)または≧42(既知のBRCA1/2欠損卵巣癌の95%捕捉)のHRD閾値を示している。 RECISTによるSLDの最良変化に対するHRDスコアのプロットが示されている。ピアソン相関(r=0.64;p=0.008)が実線で示されている。垂直の点線は、≧33(既知のBRCA1/2欠損卵巣癌の99%捕捉)または≧42(既知のBRCA1/2欠損卵巣癌の95%捕捉)のHRD閾値を示している。腫瘍型は、登録に使用された遺伝子変異によりラベリングされている。患者が1つよりも多いHRDスコアを有した場合(例えば、原発性および転移性腫瘍のアッセイにより)、高い方のスコアが使用された。
本発明は、本発明の好ましい実施形態の次の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解され得る。本明細書において使用される専門用語は、具体的な実施形態を記載することを目的としているに過ぎず、限定することを意図していないことは理解されるべきである。さらに、本明細書において具体的に定義されていない限り、本明細書において使用される専門用語には、関連分野において公知のとおりの従来の意味が与えられていることは理解されるべきである。
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段に示されていない限り、複数形の言及も含む。例えば、「a」可塑剤には、1つまたは複数の可塑剤が含まれる。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、数値で定義されるパラメーター(例えば、タラゾパリブの量)を修飾するために使用される場合、パラメーターが、そのパラメーターについての規定の数値を10%下回る、または上回るほど変化し得ることを意味する。例えば、約1mgの用量は、0.9mgから1.1mgの間で変動し得る。
「異常な細胞増殖」は、本明細書で使用される場合、別段に示されていない限り、正常な制御機構(例えば、接触阻害の喪失)とは独立している細胞増殖を指す。異常な細胞増殖は、良性(非癌性)であっても、または悪性(癌性)であってもよい。
「癌」、「癌性」、または「悪性」という用語は、典型的には未制御の細胞増殖により特徴づけられる哺乳類における生理学的状態を指すか、またはそれを説明する。本明細書で使用される場合、「癌」は、異常な細胞増殖に起因する任意の悪性および/または侵襲性増殖または腫瘍を指す。本明細書で使用される場合、「癌」は、それらを形成する細胞の種類で名付けられる固形腫瘍、血液、骨髄、またはリンパ系の癌を指す。固形腫瘍の例には、これに限定されないが、肉腫および癌腫が含まれる。血液の癌の例には、これに限定されないが、白血病、リンパ腫および骨髄腫が含まれる。「癌」という用語は、これに限定されないが、身体の特異的な部位に由来する原発性癌、始まった場所から身体の他の部分へと転移している転移性癌、寛解後の元の原発性癌からの再発、および後のものとは異なる種類の先行癌の履歴を有する人における新たな原発性癌である二次原発性癌を含む。癌の例には、これに限定されないが、癌腫、リンパ腫、白血病、芽細胞腫、および肉腫が含まれる。そのような癌のより特定の例には、扁平上皮細胞癌、骨髄腫、肺癌、小細胞肺癌、小細胞前立腺癌、非小細胞肺癌、神経膠腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫(FL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLCBCL)、急性骨髄性白血病(AML)、多発性骨髄腫、胃腸(tract)癌、腎臓癌、卵巣癌、子宮癌、子宮内膜癌、肝臓癌、腎臓癌、腎細胞癌、前立腺癌、去勢感受性前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)、甲状腺癌、黒色腫、軟骨肉腫、神経芽細胞腫、膵臓癌、多形性膠芽腫、子宮頸癌、直腸癌、脳癌、胃癌、膀胱癌、肝細胞癌、肝細胞癌、乳癌、結腸癌、頭頚部癌、および唾液腺癌が含まれる。
「患者」または「対象」という用語は、ヒトおよび哺乳類獣医学上の患者、例えば、ウシ、ウマ、イヌ、およびネコを含む、治療が望ましいか、または治験、疫学的研究に参加しているか、または対照として使用されている任意の単一の対象を指す。ある特定の好ましい実施形態では、対象はヒトである。
本明細書で使用される場合の、癌を「処置する」または「処置すること」という用語は、本発明による治療を、癌を有するか、または癌と診断されている対象に投与して、例えば、癌細胞の数の減少、腫瘍サイズの縮小、周辺器官への癌細胞浸潤の速度の低下、または腫瘍転移もしくは腫瘍増殖の速度の低下、そのような用語が適用される障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状の進行の逆転、緩和、阻害、もしくはその予防などの少なくとも1つのプラスの治療効果を達成することを意味する。「処置すること」をすぐ上で定義したとおり、本明細書で使用される場合の「処置」という用語は、別段に示されていない限り、処置する行動を指す。「処置すること」という用語にはまた、対象のアジュバントおよびネオアジュバント処置が含まれる。本発明の目的では、有利な、または所望の臨床結果には、これに限定されないが、次のうちの1つまたは複数が含まれる:新生物または癌性細胞の増殖の減少(またはその破壊);転移性または新生細胞の阻害;腫瘍のサイズの縮小または減少;癌の寛解;癌から生じる症状の軽減;癌に罹患しているものの生活の質の向上;癌を処置するために必要とされる他の薬物の用量の減少;癌の進行の遅延;癌の治癒;癌の1つまたは複数の抵抗性機構の克服;および/または癌を有する患者の生存の延長。癌におけるプラスの治療効果はいくつかの方法で測定することができる(例えば、W.A.Weber、J.Nucl.Med.50:1S-10S(200)を参照されたい)。一部の実施形態では、本発明の方法により達成される処置は、部分応答(PR)、完全応答(CR)、全体応答(OR)、客観的応答率(ORR)、無増悪生存(PFS)、画像学的PFS、無転移生存(MFS)、無病生存期間(DFS)および全生存期間(OS)のいずれかである。「腫瘍進行までの時間」とも称されるPFSは、癌が成長していない処置中およびその後の時間の長さを示し、患者がCRまたはPRを経験している時間量、さらには患者が安定している疾患(SD)を経験している時間量を含む。DFSは、患者が無病を維持している処置中およびその後の時間の長さを指す。OSは、ナイーブまたは未処置対象または患者と比較した場合の平均余命の延長を指す。一部の実施形態では、本発明の方法に対する応答は、PR、CR、PFS、DFS、ORまたはOSのいずれかである。軟部組織応答の期間を含む、本発明の方法に対する応答は、Response Evaluation Criteria in Solid Tumors version 1.1(RECIST1.1)応答基準を使用して評価される。一部の実施形態では、本発明の方法により達成される処置は、PSA進行までの時間、細胞傷害性化学治療の開始までの時間、および50%以上のPSA応答を有する患者の割合により測定される。癌患者を処置するために有効である本発明の方法のための処置レジメンは、患者の病態、年齢、および体重、ならびに対象において抗癌応答を誘発する治療の能力などの因子により変動し得る。本発明の態様のいずれかの実施形態は、プラスの治療効果の達成においてあらゆる対象で有効であり得るということはなく、これに限定されないが、Cox対数順位検定、Cochran-Mantel-Haenszel対数順位検定、スチューデントt検定、chi2検定、MannおよびWhitneyによるU検定、Kruskal-Wallis検定(H検定)、Jonckheere-Terpstrat検定およびWilcon on検定などの当技術分野で公知の任意の統計検定により決定されるとおりの統計学的に有意な数の対象で有効であり得るはずである。「処置」という用語はまた、試薬、診断薬、結合化合物による、または別の細胞による、例えば細胞のin vitroおよびex vivo処置を包含する。
本明細書で使用される場合、薬物、化合物または医薬組成物の「投薬量」、「量」、「有効な投薬量」または「有効量」は、疾患、その合併症および疾患の発生中に現れる中間病理学的表現型の任意の1つまたは複数の有利か、または所望の、生化学的、組織学的および/または行動を含む症状に影響を及ぼすために十分な量である。治療用途では、「治療有効量」は、処置される障害の症状の1つまたは複数をある程度は軽減するはずの、投与される化合物の量を指す。癌の処置に関して、治療有効量は、(1)腫瘍のサイズを縮小する、(2)腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度減速させる、好ましくは停止する)、(3)腫瘍成長または腫瘍侵襲性をある程度阻害する(すなわち、ある程度減速させる、好ましくは停止する)、(4)癌と関連する1つまたは複数の徴候または症状をある程度軽減する(または、好ましくは、除去する)、(5)疾患を処置するために必要とされる他の薬物の用量を減少させる、および/または(6)別の薬物の作用を増強する、および/または(7)患者における疾患の進行を遅延させる作用を有する量を指す。有効な投薬量を1回または複数回の投与で投与することができる。本発明の目的では、薬物、化合物、または医薬組成物の有効な投薬量は、直接的または間接的に予防または治療処置を達成するために十分な量である。臨床の状況において理解されるとおり、薬物、化合物または医薬組成物の有効な投薬量は、別の薬物、化合物または医薬組成物と併せて達成されてもよいし、または達成されなくてもよい。
一実施形態では、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩の量を、1日1回約0.1mg~約2mg、好ましくは1日1回約0.25mg~約1.5mg、より好ましくは1日1回約0.5mg~約1.0mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.1mg、約0.25mg、約0.35mg、約0.5mg、約0.75mgまたは約1.0mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.1mg、約0.25mg、約0.35mg、または約0.5mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を、1日1回約0.25mg、約0.35mg、または約0.5mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.5mg、約0.75mgまたは約1.0mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.1mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.25mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.35mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.5mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約0.75mgの1日投薬量で投与する。一実施形態では、タラゾパリブまたはその薬学的に許容できる塩、好ましくはそのトシル酸塩を1日1回約1.0mgの1日投薬量で投与する。本明細書において提供される投薬量は、タラゾパリブの遊離塩基形態の用量を指すか、または投与されるタラゾパリブ塩形態の遊離塩基当量として計算される。例えば、0.5、0.75mgまたは1.0mgなどのタラゾパリブの投薬量または量は、遊離塩基当量を指す。この投与レジメンを調節して、最適な治療反応を得ることができる。例えば、用量を治療状況の緊急性により示されるとおり、比例して減少または増加させることができる。
「薬学的に許容できる塩」という用語は、本明細書で使用される場合、別段に示されていない限り、投与される生体に対する有意な刺激の原因となることなく、かつ化合物の生物学的活性および特性を排除しない化合物の製剤を指す。ある特定の事例では、薬学的に許容できる塩は、本明細書に記載の化合物を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸および同様のものなどの酸と反応させることにより得られる。一部の事例では、薬学的に許容できる塩は、本明細書に記載の酸性基を有する化合物をアンモニウム塩、ナトリウムもしくはカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウムもしくはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N-メチル-D-グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの有機塩基の塩、およびアルギニン、リシン、および同様のものなどのアミノ酸との塩などの塩を形成する塩基と反応させることにより、または既に決定された他の方法により得られる。
癌を有すると診断されているか、または有することが疑われる対象に適用される場合の「腫瘍」は、任意のサイズの悪性または潜在的に悪性の新生物または組織腫瘤を指し、原発性腫瘍および続発性新生物を含む。固形腫瘍は、通常は嚢胞または液体領域を含有しない組織の異常な成長または腫瘤である。固形腫瘍の例は、肉腫、癌腫、およびリンパ腫である。白血病(血液の癌)は一般に、固形腫瘍を形成しない(米国国立癌研究所、Dictionary of Cancer Terms)。
「腫瘍細胞量」とも称される「腫瘍量」は、全身に分布している腫瘍物質の全量を指す。腫瘍量は、リンパ節および骨髄を含む全身の癌細胞の総数または腫瘍の全体サイズを指す。腫瘍量は、例えば、キャリパーを使用する、または体内にある間に撮像技術、例えば、超音波、骨スキャン、コンピュータ断層撮影法(CT)、もしくは磁気共鳴画像法(MRI)スキャンを使用するなどの当技術分野で公知の様々な方法により決定することができる。
「腫瘍サイズ」という用語は、腫瘍の長さおよび幅として測定され得る腫瘍の全サイズを指す。腫瘍サイズは、例えば、対象から除去した際に腫瘍の寸法を、例えば、キャリパーを使用して測定する、または体内にある間に、撮像技術、例えば、骨スキャン、超音波、CRもしくはMRIスキャンを使用することなどによる当技術分野で公知の様々な方法により決定することができる。
本発明の方法は、癌を処置するために有用である。加えて、本発明の方法は、タラゾパリブでの処置などの癌処置に対して感受性がある、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される転移性腫瘍を同定するために有用である。一部の実施形態では、提供される方法は、次の効果のうちの1つまたは複数をもたらす(1)癌細胞増殖を阻害する;(2)癌細胞侵襲性を阻害する;(3)癌細胞のアポトーシスを誘発する;(4)癌細胞転移を阻害する;(5)血管新生を阻害する;または(6)癌処置に関連する1つまたは複数の耐性機構を克服する。
本発明の方法によれば、転移性腫瘍は、次世代シーケンシングを使用して、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定することができる。
当技術分野で公知のとおり、「相同組換え不全スコア」または「(HRD)スコア」は、ゲノム不安定性の3つのDNAベースの測定値を積算したものであり、ヘテロ接合性消失、テロメアアレルの不均衡、および大規模な状態遷移の合計と定義される。
本発明の方法によれば、転移性腫瘍の生検からの相同組換え不全スコアを、次世代シーケンシング(NGS)を使用して決定することができる。例えば、myChoice(登録商標)CDx(Myriad Genetics,Inc.)などの相同組換え不全(HRD)アッセイを利用することができる。myChoice(登録商標)CDxは、BRCA1およびBRCA2(シーケンシングおよび大規模な再構成)バリアントを検出し、かつ3つの重要なバイオマーカー、すなわち、ヘテロ接合性消失、テロメアアレルの不均衡および大規模な状態遷移を使用してゲノム不安定性を評価することにより相同組換え不全状態を決定する、最初で唯一のFDA承認腫瘍検査である。Myriad myChoice(登録商標)CDxは、次世代シーケンシングベースのin vitro診断検査であり、これは、BRCA1およびBRCA2遺伝子のタンパク質コード領域およびイントロン/エクソン境界における単一のヌクレオチドバリアント、挿入および欠失、ならびに大規模な再構成バリアントの定性的検出および分類、ならびにホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織試料から単離されたDNAを使用しての、ヘテロ接合性消失(LOH)、テロメアアレルの不均衡(TAI)、および大規模な状態遷移(LST)のアルゴリズム測定であるゲノム不安定性スコア(GIS)の決定を評価する。
一実施形態では、本発明は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される対象において転移性癌を処置する方法であって、a)転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップと;b)相同組換え不全スコアが少なくとも33%である場合に、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を投与するステップとを含み、前記変異が生殖細胞系BRCA1または生殖細胞系BRCA2ではない、方法に関する。
別の態様では、本発明は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される対象において転移性癌を処置する際のタラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩の使用であって、a)転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップと;b)相同組換え不全スコアが少なくとも33%である場合に、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を投与するステップとを含み、前記変異が生殖細胞系BRCA1または生殖細胞系BRCA2ではない、使用に関する。
別の態様では、本発明は、相同組換え経路遺伝子に変異を有すると決定される対象において転移性癌を処置するための医薬としてのタラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩の使用であって、a)転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップと;b)相同組換え不全スコアが少なくとも33%である場合に、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を投与するステップとを含み、前記変異が生殖細胞系BRCA1または生殖細胞系BRCA2ではない、使用に関する。
本発明の一実施形態では、対象は哺乳類である。
本発明の一実施形態では、対象はヒトである。
一部の実施形態では、本発明の方法は、これに限定されないが、次のものの癌:
循環系、例えば、心臓(肉腫[血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫]、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫)、縦隔および胸膜、ならびに他の胸内器官、血管腫瘍および腫瘍関連血管組織;
呼吸器、例えば、鼻腔および中耳、副鼻腔、咽頭、気管、気管支および肺、例えば、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、気管支癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨腫様過誤腫、中皮腫;
胃腸系、例えば、食道(扁平上皮細胞癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、胃、膵臓(管状腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、類癌腫、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、類癌腫、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状線腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);
尿生殖路、例えば、腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および/または尿道(扁平上皮細胞癌、移行細胞または尿路上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胎生癌、奇形癌、絨毛上皮腫、肉腫、間質性細胞癌、線維腫、線維線種、類腺腫瘍、脂肪腫);
肝臓(例えば、肝細胞癌、肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、膵臓内分泌腫瘍(褐色細胞種、インスリノーマ、血管作動性腸管ペプチド腫瘍、島細胞腫瘍およびグルカゴノーマなど);
骨、例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(小神経膠腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(osteochronfroma、骨軟骨性外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽芽細胞腫、軟骨粘液線維種、類骨腫および巨細胞腫;
神経系、例えば、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、頭蓋癌(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳癌(神経膠星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、脳室上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);
生殖系、例えば、婦人科、子宮(子宮内膜癌腫)、子宮頸(子宮頸癌、前腫瘍性子宮頚部異形成)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌]、顆粒膜-卵胞膜細胞腫瘍、セルトリ-ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮細胞癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮細胞癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、ファロピウス管(癌腫)および女性生殖器と関連する他の部位;胎盤、陰茎、前立腺、精巣、および男性生殖器と関連する他の部位;
血液系、例えば、血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];
口腔、例えば、口唇、舌、歯肉、口腔底、口蓋、および口腔の他の部位、耳下腺、および唾液腺の他の部位、扁桃、中咽頭、上咽頭、梨状陥凹、下咽頭、ならびに口唇、口腔および咽頭の他の部位;
皮膚、例えば、悪性黒色腫、皮膚黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、カポジ肉腫、異形成性母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、およびケロイド;
副腎:神経芽細胞腫;ならびに
結合および軟部組織、後腹膜および腹膜、眼、眼内黒色腫、および付属器、乳房、頭部または/および頸部、肛門領域、甲状腺、副甲状腺、副腎および他の内分泌腺および関連構造、リンパ節の二次および詳細不明悪性新生物、呼吸器および消化系の二次悪性新生物ならびに他の部位の二次悪性新生物を含む他の組織
を含む癌を処置するために有用であり得る。
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「癌」の例には、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、乳癌(三重陰性乳癌、ホルモン陽性乳癌、HER2陰性乳癌、HER2陽性乳癌およびトリプル陽性乳癌を含む)、卵巣癌、結腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、前立腺癌(去勢感受性またはホルモン感受性前立腺癌および去勢抵抗性前立腺癌としても公知のホルモン不応性前立腺癌を含む)、肝細胞癌、びまん性大細胞B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、黒色腫および唾液腺腫瘍または上述の癌の1つまたは複数の組合せから選択される癌が含まれる。
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「癌」の例には、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、乳癌(三重陰性乳癌、ホルモン陽性乳癌、およびHER2陰性乳癌を含む)、卵巣癌、前立腺癌(去勢感受性またはホルモン感受性前立腺癌および去勢抵抗性前立腺癌としても公知のホルモン不応性前立腺癌を含む)、または上述の癌の1つまたは複数の組合せから選択される癌が含まれる。
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「癌」の例には、前立腺癌、アンドロゲン受容体陽性乳癌、肝細胞癌、および唾液腺腫瘍、または上述の癌の1つまたは複数の組合せから選択される癌が含まれる。
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「癌」の例には、アンドロゲン受容体陽性乳癌、肝細胞癌、および唾液腺腫瘍、または上述の癌の1つまたは複数の組合せから選択される癌が含まれる。
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「癌」の例には、三重陰性乳癌、ホルモン陽性乳癌、HER2陰性乳癌、三重陽性乳癌、去勢感受性前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、肝細胞癌、および唾液腺腫瘍または上述の癌の1つまたは複数の組合せから選択される癌が含まれる。
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「癌」の例には、三重陰性乳癌、ホルモン陽性乳癌、およびHER2陰性乳癌、または上述の癌の1つまたは複数の組合せから選択される癌が含まれる。
一実施形態では、本発明と関連して本明細書において使用される場合の「癌」の例には、去勢感受性前立腺癌および去勢抵抗性前立腺癌または上述の癌の1つまたは複数の組合せから選択される癌が含まれる。
本発明の一実施形態では、癌は固形腫瘍である。
本発明の一実施形態では、癌は固形腫瘍であり、その固形腫瘍はアンドロゲン依存性である。
本発明の一実施形態では、癌は固形腫瘍であり、その固形腫瘍はアンドロゲン受容体を発現する。
一実施形態では、癌は前立腺癌である。
一実施形態では、癌は高リスク前立腺癌である。
一実施形態では、癌は局所進行前立腺癌である。
一実施形態では、癌は高リスク局所進行前立腺癌である。
一実施形態では、癌は去勢感受性前立腺癌である。
一実施形態では、癌は転移去勢感受性前立腺癌である。
一実施形態では、癌は、DNA損傷修復変異(DDR変異)を有する去勢感受性前立腺癌または転移去勢感受性前立腺癌である。DDR変異には、ATM、ATR、BRCA1、BRCA2、CHEK2、FANCA、MLH1、MRE11A、NBN、PALB2、およびRAD51Cが含まれる。
一実施形態では、癌は、去勢感受性前立腺癌としても公知のホルモン感受性前立腺癌である。ホルモン感受性前立腺癌は通常、アンドロゲン枯渇治療にまだ応答する前立腺の組織学的または細胞学的に確認される腺癌により特徴づけられる。
一実施形態では、癌は非転移性ホルモン感受性前立腺癌である。
一実施形態では、癌は高リスク非転移性ホルモン感受性前立腺癌である。
一実施形態では、癌は転移ホルモン感受性前立腺癌である。
一実施形態では、癌は、ホルモン不応性前立腺癌またはアンドロゲン依存性前立腺癌としても公知の去勢抵抗性前立腺癌である。去勢抵抗性前立腺癌は通常、アンドロゲン枯渇治療によって、および/または精巣摘除術後に達成されるテストステロンの去勢レベル(例えば、1.7nmol/L以下のテストステロンレベルまたは50ng/dL以下のテストステロンレベル)の設定で、去勢抵抗性(例えば、1週間以上の各評価間でPSAが2回以上連続して上昇していて、任意選択で、PSAレベル2ng/mL以上で、nadirの50%またはそれ以上の上昇が2回以上生じていると定義される)である前立腺の組織学的または細胞学的に確認される腺癌によって特徴づけられる。
一実施形態では、癌は非転移性去勢抵抗性前立腺癌である。
一実施形態では、癌は非転移性去勢抵抗性前立腺癌である。
一実施形態では、癌は転移性去勢抵抗性前立腺癌である。
一実施形態では、癌は、DNA修復欠損を伴う転移性去勢抵抗性前立腺癌である。
一実施形態では、癌は乳癌である。
一実施形態では、癌は、局所進行または転移乳癌である。
一実施形態では、癌は三重陰性乳癌である。
一実施形態では、癌は、エストロゲン陽性および/またはプロゲステロン陽性乳癌を含むホルモン陽性乳癌である。
一実施形態では、癌はHER2陰性乳癌である。
一実施形態では、癌は生殖細胞系BRCA変異HER2陰性乳癌である。
一実施形態では、癌はHER2陽性乳癌である。
一実施形態では、癌は三重陽性乳癌である。
一実施形態では、癌は卵巣癌である。
一実施形態では、癌は小細胞肺癌である。
一実施形態では、癌はユーイング肉腫である。
一実施形態では、癌は肝細胞癌腫である。
一実施形態では、癌は唾液腺腫瘍である。
一実施形態では、癌は局所進行性である。
一実施形態では、癌は非転移性である。
一実施形態では、癌は転移性である。
一実施形態では、癌は難治性である。
一実施形態では、癌は再発性である。
一実施形態では、癌は、標準処置に非寛容性である。
一実施形態では、癌はCDK12変異を有する。
本発明の一実施形態では、前記方法を、処置に対する抵抗性を発生させている癌と診断されている対象に投与する。
さらなる一態様では、本発明の方法は加えて、それらの量が一緒に前記癌の処置において有効である、抗腫瘍薬、抗血管新生薬、シグナル伝達阻害薬および抗増殖薬などのさらなる抗癌薬を投与することを含み得る。一部のそのような実施形態では、抗腫瘍薬は、有糸分裂阻害薬、アルキル化薬、代謝拮抗薬、インターカレーティング抗生物質、成長因子阻害薬、放射線、細胞周期阻害薬、酵素、トポイソメラーゼ阻害薬、生体応答修飾物質、抗体、細胞傷害薬、抗ホルモン、アンドロゲン枯渇治療および抗アンドロゲンからなる群から選択される。本発明の一実施形態では、さらなる抗癌薬は抗アンドロゲンである。本発明の一実施形態では、抗アンドロゲンは、エンザルタミドまたはアパルタミドである。
(実施例1)
BRCA1/2野生型HER2陰性乳癌および他の固形腫瘍におけるタラゾパリブの第II相治験からのゲノム分析:他のHR変異を有する非BRCA1/2変異腫瘍における相同組換え(HR)不全スコア、ヘテロ接合性消失および変異
方法
治験設計:
相同組換えに変異を有するHER2陰性進行乳癌または他の固形腫瘍を有するBRCA1およびBRCA2野生型患者におけるPARP阻害薬タラゾパリブの第II相治験を図1に示されているとおりに行った。
適格条件:
適格な患者は、転移性疾患について少なくとも1つの先行治療ラインで進行していたHER2陰性進行または転移乳癌を有する成人(18歳以上)であった。適格な患者には、少なくとも1つの先行治療ラインで進行していた乳癌の他に進行性または転移性固形腫瘍を有する成人(18歳以上)も含まれた。患者は、生殖細胞系または体細胞検査でBRCA1またはBRCA2遺伝子のいずれかにおいて病原性変異を有さないことを必要とされた。彼らは、多様な生殖細胞系または体細胞検査で検出されるHR経路関連遺伝子において、病原性またはおそらく病原性変異を有することを必要とされた。これらの遺伝子には、治験責任医師の裁量でPALB2、CHEK2、ATM、NBN、BARD1、BRIP1、RAD50、RAD51C、RAD51D、MRE11、ATR、PTEN、遺伝子のファンコニ貧血相補群(FANCA、FANCC、FANCD2、FANCE、FANCF、FANCG、FANCL)、および他のHR関連遺伝子が含まれる。RECIST version 1.1により測定可能な疾患が必要とされる。研究登録前に許容される先行全身治療の数に上限はなかった。患者は、白金製剤での治療中または白金製剤中断の8週間以内に進行していたことは許容されなかった。対象は、0~2のEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータス(PS)ならびに肝臓、腎臓および血液パラメーターのスクリーニング臨床検査値に基づき適正な臓器機能を有することを必要とした。経口薬物を摂取することが可能であることが必要とされた。出産可能性のある性的に活発な患者は避妊することが要求され、出産可能年齢の女性は、スクリーニング時に妊娠について検査され;女性は、妊娠中または育児中ならば参加を許容されず、スクリーニング時に妊娠について検査された。
何らかのPARP阻害薬を以前に服用した、研究登録の21日以内に何らかの抗癌治療を受けていた、研究登録の14日以内に放射線治療を受けた、処置を必要とする活発な脳転移または軟髄膜疾患を有した場合、患者は除外された。ヒト免疫不全ウイルス感染または活動性C型肝炎もしくはB型肝炎ウイルス感染している患者は除外された。また、長期間の入院、大きな外科手術を必要とするか、または研究登録の前21日以内に他の治験薬を投与された患者は除外された。追加の重要な除外基準は、研究参加をおそらく妨害する他の合併症、例えば、CTCAE version 4において感染グレード≧3、または7日以内に非経口抗生物質を必要とすること、またはタラゾパリブに対する既知の過敏症であった。
処置:
タラゾパリブを1mgで、毎日ほぼ同じ時間に、まるごとの服用で毎日連続して経口投与した。処置サイクルは28日間続いた。病歴、理学的検査、臨床検査値(全血球数(CBC)および包括的代謝パネル)、生命徴候、ECOG PS評価および尿妊娠検査(出産可能年齢の女性についてのみ)を含む医師評価により、患者を各処置サイクルの1日目に評価した。14日目の医師評価が第1のサイクルで必要とされ、CBCが、第1のサイクルでは毎週、次いで、その後の各サイクルの開始前に必要とされた。疾患の進行または許容されない毒性まで、処置を継続した。安全性を毎回の医師訪問時に評価し、臨床検査値、患者の報告および患者の日誌により継続してモニターした。有害事象(AE)および重篤AE(SAE)をCTCAE version 4.0に従って格付けした。SAEグレード≧3をData Safety Monitoring Committeeに報告した。
腫瘍応答の評価:
腫瘍評価を基線で、かつ2サイクル後ごとに行い、応答をRECIST version 1.1に従って評価した。6サイクル後には、医師の裁量により腫瘍評価は3サイクルごとで許容された。CTスキャンが基線で必要とされ、骨疾患が既知であるか、疑われている患者は基線で、かつその後の腫瘍評価で、骨のイメージング(例えば、骨スキャンまたはPETスキャン)が必要とされた。
腫瘍ゲノミクス:
HRDスコアをホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織で、MyChoice(登録商標)CDx HRDアッセイ(Myriad)により評価した。FFPE腫瘍組織の次世代シーケンシングを、108の遺伝子パネルアッセイ(Myriad)を使用して行った。
統計的解析:
登録された20人の患者全員が分析に含まれた。腫瘍応答をRECIST version 1.1により、完全応答(CR)、部分応答(PR)、安定している疾患(SD)、または進行(PD)と分類した。主目標は客観的応答率(ORR)であり、二次目標には、臨床的有用率(CBR:CR+PR+SD)、PFS、および安全性が含まれた。統計的計画をORR≦5%の帰無仮説で設計し、80%の検出力にして、0.05のアルファでORR≧30%を検出した。統計的制約に基づき、20人のうち少なくとも3人の患者が応答するならば、統計学的有意性が言明されるであろう。
結果
患者の特徴:
生殖細胞系または腫瘍組織のいずれかの次世代シーケンシングアッセイでの非BRCA1またはBRCA2 HR関連変異の同定に基づき、20人の患者がこの2段階研究に登録された。10人の患者の第1段階で観察された2つの部分応答に基づき、追加の10人の患者を研究設計に従って登録した(図1)。登録された20人の患者のうち、13人の患者がHER2陰性乳癌(ホルモン受容体陽性n=11;三重陰性乳癌(TNBC)n=2)を有し、7人の患者が他の腫瘍型(膵臓n=3、混合ミュラー子宮(mixed Mullerian uterine)、精巣、耳下腺腺房細胞癌がそれぞれn=1)を有した。患者の75パーセントが女性であり、年齢中央値は53.9歳であった。患者は、進行疾患のために中央値で2つの先行治療ラインを受けていた(範囲は1~8)。先行治療ラインには、科学治療、ホルモン治療および標的薬が含まれた。白金ベースの治療が患者の35%に既に投与されていたが、最終の白金投与から8週以内に疾患進行を有した患者はこの研究から除外された。
生殖細胞系組織または腫瘍組織のいずれかで行われたいずれかのCLIA承認次世代シーケンシングアッセイにより検出されたとおり、登録患者は、ATM(n=3)、BRIP1(n=2)、CHEK2(n=3)、FANCA(n=1)、PALB2(n=6)において生殖細胞系変異を、またはATM(n=2)、ATR(n=1)、PTEN(n=5)、RAD50(n=1)において体細胞変異を有した(表1)。変異は、病原性またはおそらく病原性の臨床アノテーションを有することが必要とされた。2人の患者が研究登録時に複数の認定変異を有した(gPALB2/gBRIP1を有する膵臓癌;gCHEK2/gFANCA/sPTENを有する乳癌)。
Figure 2023551968000002
タラゾパリブ有効性:
登録された患者全員を1日1回1mgのタラゾパリブ単独治療で、経口で処置した。19人の患者が疾患の進行により治療を中止した;患者1人は、非標的疾患の拡大の懸念により、RECIST安定の疾患で治療を中断した。RECIST version 1.1により記録されたとおりの応答率を乳癌および非乳癌群により層別した(表2)。最良処置効果を、研究で処置された20人の患者全員についてウォーターフォールプロットによってまとめた(図2)。
Figure 2023551968000003
タラゾパリブ応答についてのバイオマーカーとしての腫瘍HRDスコアの評価:
この研究に登録された患者からの腫瘍が高レベルのゲノム不安定性を有するかを決定するために、Myriad MyChoice HRDアッセイ(図3)をこの治験で処置された20人の患者のうちの18人(2人は試料が不十分であったため除外)の原発性(n=12)または転移性(n=17)FFPE腫瘍組織で行った。行われた18のアッセイのうち、2つは失敗したので、分析から除外した。7人の患者で、HRD分析を原発性および転移性腫瘍試料の両方で行った(図4)。これらの患者では、HRDスコアは、生検よりも転移で有意に高かった(36.5に対して平均46.2、対t検定によるとp=0.018)。したがって、HRDスコアはアーカイバルFFPE試料から容易に得ることができ、転移性生検は、原発性腫瘍と比較して高いHRDスコアをもたらした。
次に、HRDスコアがタラゾパリブ治療に対する応答についてのバイオマーカーとして役立ち得るかを決定するために、標的病変の最長径の和(SLD)の変化による最良総合処置効果を腫瘍HRDスコアの関数としてプロットした(図5)。患者1人あたり1つよりも多いHRDスコアが利用可能であった場合、高い方のスコアを使用した(例えば、原発性および転移性スコアの両方が得られた場合)。HRDスコアが高いほど、治療に対する良好な応答と相関して(ピアソンのr=0.64、p=0.008)、処置効果とHRDスコアとの間の正の相関が実証された。特に、gPALB2を有する患者に由来した5つのアッセイされた腫瘍全部が(1つのgPALB2腫瘍HRDスコアは失敗)、33のHRDカットオフを超え、5つのうち4つが、42のHRDカットオフを超えた。したがって、HRDスコアは、タラゾパリブ単独治療に対する応答についての有用なバイオマーカーであり得る。さらに、gPALB2変異を有する腫瘍は、gBRCA1/2変異腫瘍を反映する高度なゲノム不安定性と相関した。
ゲノム不安定性の上昇がタラゾパリブに対する処置効果と正に相関していたので、これらの腫瘍におけるゲノム変異のさらなる調査を行った。原発性および転移性試料を、ヒト癌においてHR不全と関連する108の遺伝子のハイブリダイゼーション捕捉パネルでシーケンシングした。原発性および転移性病変におけるゲノム変異をビニングした。最も共通して検出された改変には、PIK3CA(n=8)、PALB2(n=6)、ATM(n=5)、KRAS(n=4)、PTEN(n=5)およびTP53(n=4)における変異が含まれた。1つを除く全ての症例において、エントリー基準として使用された、CLIA承認NGSにより検出されたHR関連変異が検出された(耳下腺腫瘍におけるsRAD50は検出されなかった)。これには、エントリー基準として使用されたgPALB2、gCHEK2、およびgATM変異の全てが含まれた。加えて、エントリー基準として使用されたsPTEN変異も全て検出された。この所見は、これらの改変がサンプリングされた腫瘍の高対立遺伝子画分において存在するであろうこと、したがって、疾患発症または悪性進行のいずれかに寄与したであろうことを示している。
最後に、NGSパネルアッセイを利用して、アッセイされた遺伝子におけるLOHを検出した(表3)。
Figure 2023551968000004
gPALB2変異を有する腫瘍では、6つのうち3つはPALB2についてLOHを有し、追加の2つの腫瘍は2つの独立したPALB2変異を有し、二対立遺伝子不活性化を示唆した。残りの1つの腫瘍は、その試料についてのHRDアッセイが失敗した状況では、不確実なLOH結果を有した。したがって、おそらく、gPALB2変異を有するコホートにおける腫瘍の全部ではないがほとんどがPALB2遺伝子機能の完全な不活性化を有した。LOHと関連した他の検出された変異には、全てのsTP53変異(n=4)、全てのgCHEK2変異(n=3)、gFANCA(n=1)、全てのsRB1変異(n=3)およびNF1(n=1)が含まれた。3つのgATM変異のうち、1つはLOHを有したが、その他(n=2)は2つの独立した変異を有し、二対立遺伝子不活性化を示唆した。sATM変異は、乳癌におけるLOHと、かつ睾丸癌における2つの独立した(おそらく二対立遺伝子)変異と関連した。したがって、HR不全と関連する複数の遺伝子がおそらく、腫瘍におけるLOHおよび/または二対立遺伝子不活性化、特に、gPALB2、gCHEK2、およびgATM/sATMと関連した。
本明細書で引用された全ての刊行物および特許出願は、それらの全体が参照により本明細書に援用される。上述の発明を多少詳細に、実例および実施例で記載してきたが、本発明の教示を考慮することで、添付の特許請求の範囲の意図および範囲から逸脱することなく、それらに対して一定の変化および変更を行うことができることは当技術分野において通常の技能を有する者には容易に分かるであろう。

Claims (21)

  1. タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩での処置のために、相同組換え経路遺伝子において変異を有する転移性腫瘍を有すると決定される対象を選択する方法であって、a)前記転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップと;b)前記相同組換え不全スコアが少なくとも33%である場合に、前記対象をタラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩での処置のために選択するステップとを含み、前記変異が生殖細胞系BRCA1または生殖細胞系BRCA2ではない、方法。
  2. タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を、選択された患者に投与するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記変異が体細胞または生殖細胞系変異である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記変異が、PALB2、CHEK2、ATM、BRIP1、RAD50、ATR、PTEN、またはFANCAである、請求項1または請求項2に記載の方法。
  5. 前記変異が、gCHEK2、gPALB2、またはsPTENである、請求項1または請求項2に記載の方法。
  6. 前記変異がgPALB2である、請求項1または請求項2に記載の方法。
  7. 前記転移性腫瘍が乳房腫瘍である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記乳房腫瘍がHER2陰性乳房腫瘍である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記転移性腫瘍が、次世代シーケンシングにより相同組換え経路遺伝子において変異を有すると決定される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップが、次世代シーケンシングにより行われる、請求項1に記載の方法。
  11. 前記相同組換え不全スコアが少なくとも42%である、請求項1に記載の方法。
  12. 相同組換え経路遺伝子において変異を有すると決定される対象において転移性腫瘍を処置する方法であって、a)前記転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップと;b)前記相同組換え不全スコアが少なくとも33%である場合に、タラゾパリブ、またはその薬学的に許容できる塩を投与するステップとを含み、前記変異が生殖細胞系BRCA1または生殖細胞系BRCA2ではない、方法。
  13. 前記変異が体細胞または生殖細胞系変異である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記変異が、PALB2、CHEK2、ATM、BRIP1、RAD50、ATR、PTEN、またはFANCAである、請求項12または請求項13に記載の方法。
  15. 前記変異が、gCHEK2、gPALB2、またはsPTENである、請求項12または請求項13に記載の方法。
  16. 前記変異がgPALB2である、請求項12または請求項13に記載の方法。
  17. 前記転移性腫瘍が乳房腫瘍である、請求項12に記載の方法。
  18. 前記乳房腫瘍がHER2陰性乳房腫瘍である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記転移性腫瘍が、次世代シーケンシングにより相同組換え経路遺伝子において変異を有すると決定される、請求項12に記載の方法。
  20. 前記転移性腫瘍の生検から相同組換え不全スコアを決定するステップが、次世代シーケンシングにより行われる、請求項12に記載の方法。
  21. 前記相同組換え不全スコアが少なくとも42%である、請求項12に記載の方法。
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