JP2023551366A - シラン末端含有ポリマーに基づく熱促進型接着剤組成物 - Google Patents

シラン末端含有ポリマーに基づく熱促進型接着剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023551366A
JP2023551366A JP2023526349A JP2023526349A JP2023551366A JP 2023551366 A JP2023551366 A JP 2023551366A JP 2023526349 A JP2023526349 A JP 2023526349A JP 2023526349 A JP2023526349 A JP 2023526349A JP 2023551366 A JP2023551366 A JP 2023551366A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
reactive
silane
adhesive composition
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023526349A
Other languages
English (en)
Inventor
ベッカー-バイマン,クラウス
フランク,パトリック
ブンダーリヒ,シュテッフェン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kleiberit SE and Co KG
Original Assignee
Kleiberit SE and Co KG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kleiberit SE and Co KG filed Critical Kleiberit SE and Co KG
Publication of JP2023551366A publication Critical patent/JP2023551366A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J171/00Adhesives based on polyethers obtained by reactions forming an ether link in the main chain; Adhesives based on derivatives of such polymers
    • C09J171/02Polyalkylene oxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J183/00Adhesives based on macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only; Adhesives based on derivatives of such polymers
    • C09J183/04Polysiloxanes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G65/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule
    • C08G65/02Macromolecular compounds obtained by reactions forming an ether link in the main chain of the macromolecule from cyclic ethers by opening of the heterocyclic ring
    • C08G65/32Polymers modified by chemical after-treatment
    • C08G65/329Polymers modified by chemical after-treatment with organic compounds
    • C08G65/336Polymers modified by chemical after-treatment with organic compounds containing silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/54Silicon-containing compounds
    • C08K5/544Silicon-containing compounds containing nitrogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J11/00Features of adhesives not provided for in group C09J9/00, e.g. additives
    • C09J11/02Non-macromolecular additives
    • C09J11/06Non-macromolecular additives organic
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/80Siloxanes having aromatic substituents, e.g. phenyl side groups

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

本発明は、室温で液体である反応性一液型接着剤組成物であって、3重量%~90重量%の少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーと、0重量%~80重量%の少なくとも1種のシリコーン樹脂と、0.1重量%~5重量%の少なくとも1種の熱促進剤と、0.001重量%~5重量%の、第1級もしくは第2級アミノ基または硬化して第1級または第2級アミノ基を形成するブロックアミノ基を有する少なくとも1種の低分子シランと、0重量%~85重量%の少なくとも1種の増量剤とを有するものに関する。また、本発明は、上述される接着剤組成物を使用して2つの基材を接着するための方法、およびこのような手法で接着された系にも関する。

Description

本発明は、室温で液体である反応性一液型(one-component)接着剤組成物であって、組成物の総重量に基づいて、3重量%~90重量%の少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーと、0重量%~80重量%の少なくとも1種のシリコーン樹脂と、0.1重量%~5重量%の少なくとも1種の熱促進剤と、0.001重量%~5重量%の、第1級もしくは第2級アミノ基または加水分解されると第1級もしくは第2級アミノ基になるブロックアミノ基を有する少なくとも1種の低分子量シランと、0重量%~85重量%の少なくとも1種の増量剤とを含有する、組成物に関する。本発明は、さらに、この接着剤組成物によって2つの基材を接合させるための方法、およびこのようにして接合された系にも関する。
熱促進型反応性接着剤は、工業分野において、フィード時間(多くの場合には、プロセスの影響により比較的長い)についての要件と、比較的速く硬化させることによりさらなる加工(たとえば鋸引き(sawing))を実施可能としたいという要件とを満たすために、広く使用されている。典型的な使用分野は、金属製アウタープライを有する断熱(insulation)パネルの製造である。この場合の硬化は、加熱されているプレス機の中において生じ、これによって化学的な硬化が促進される。多くの用途においては、膨張率が著しく異なる基材を接合するため、この場合のプレス温度は、組立物がたわむのを妨げるほど高い温度であってはならない。2K[二液型(two-component)]ポリウレタン接着剤の分野においては、たとえば東ソーから商品名Toyocat(登録商標)で入手できるものなどの、熱に不安定な促進剤が使用される。
こうした接着剤のイソシアネート成分は、一般的に、(ポリマー)メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)に基づく。モノマーMDIは、欧州化学品庁(the European Chemicals Agency)からの規制提案によって明らかになったところによると、増感作用があり、そのために、非常に最近になってREACHによって使用が規制されるようになった。
2K接着剤は、一般的には混合/計測ユニットを使用して加工され、そのプロセスにおいては、指定された混合比が常時観測されなければならない。あらかじめ定められた混合比から外れた際には、品質に欠陥が生じ得る。典型的な塗布技術は、スプレー塗布、またはコーティングレーキを使ったビード塗布(bead application)である。スプレー塗布の場合には、スプレーのミストが形成されてこれが周囲に放出され得るため、職場衛生のコンテクストにおいて考慮されなければならない。コーティングレーキを使ったビード塗布のコンテクストにおいては、時間が経つにつれて反応性の混合物がコーティングレーキ中に蓄積して、コーティングレーキが詰まる場合がある。この影響は、特にコーティングレーキと接着剤との相性が良くない場合に、悪化する。
代替的には、水分架橋型の1K[一液型]ポリウレタン接着剤が使用される。しかしながら、この方法の欠点は、硬化に伴ってCOが発生し、プレス工程中にこれを除去しなければないという点である。プレス時間が短すぎたり水分含有量が低すぎたりすると、いわゆる後膨張(post-expansion)が生じる可能性があり、これが生じると組立物の欠陥および/または強度低下につながり得る。
シランに基づくホットメルト接着剤が、ドイツ特許出願(出願番号第102020111278.5号)中に記載されている。
たとえば建築、船舶、または線路の分野において使用されるパネルの製造におけるさらなる要件は、火災防止である。上記に例示したような分野において使用されていて、DIN EN 13501:2019-05のクラスA2を満たす接着剤は、EN ISO 1716(2018-10)に従う建築物の内部の重要でない構成要素に関して、最大発熱量が4MJ/mであることが要求される。発熱量が15MJ/kg未満と低い低可燃性ポリウレタン接着剤が、たとえばWO03/051954A1中に記載されている。
液体の反応性の接着剤が熱硬化プロセスを受けるようなさらなる使用分野は、自動車のルーフライニングの製造またはパネルの製造である。US5,007,976Aは、フォーム状のコア、グラスファイバー、および布製アウタープライからなるサンドイッチ型の複合体をMDIに基づく1Kポリウレタン接着剤を使って90℃を上回る温度でプレスする方法を記載する。
本発明の目的は、イソシアネートを含まず、硬化時にガスを発生せず、1つの成分として製造され、有利なことには発熱量が比較的低い、熱促進型の接着剤組成物を提供することである。
この目的は、室温で液体である反応性一液型接着剤組成物であって、組成物の総重量に基づいて、
a)3重量%~90重量%の少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーと、
b)0重量%~80重量%の少なくとも1種のシリコーン樹脂と、
c)0.1重量%~5重量%の少なくとも1種の熱促進剤と、
d)0.001重量%~5重量%の、第1級もしくは第2級アミノ基または加水分解されると第1級もしくは第2級アミノ基になるブロックアミノ基を有する少なくとも1種の低分子量シランと、
e)0重量%~85重量%の少なくとも1種の増量剤とを含有する、組成物によって達成される。
また、上述される目的は、2つの基材を接合させるための方法であって、
(a)本発明に係る反応性一液型接着剤組成物を第1の基材に塗布して、接着剤領域を与える工程と、
(b)工程(a)からの接着剤領域に第2の基材を接触させる工程と、
(c)接着剤組成物を、好ましくは少なくとも50℃の温度において熱硬化させる工程とを含有する、方法によっても達成される。
また、上述される目的は、2つの基材から構成される接合基材系であって、2つの基材は共通接着剤領域を有し、共通接着剤領域において、2つの基材が、本発明に係る接着剤組成物を熱硬化させたものの使用により、特に本発明に係る方法によって、接合されている接合基材系によっても達成される。
驚くべきことに、特にサンドイッチ型の要素を製造するための、2つの基材の接合は、本発明に係る接着剤組成物を使えば、製造業におけるサイクルタイムを満たすことが明らかになった。本発明に係る接着剤組成物は、既設されている溶媒含有またはイソシアネート含有接着剤(たとえば、シーラント、床材用接着剤、組立用接着剤)を取り換える需要のある非常に多くの用途において、特に自動車および建築分野において、加工が簡単で、接着剤スペクトルが広く、硬化時の悪臭が少ないことが注目に値する。完全硬化が早いために、非常に多くの工業用途が可能となる。よって、本発明は、自動車および建築分野における本発明に係る接着剤組成物の使用にも関する。
さらに驚くべきことに、いわゆるアルファ-シラン(α-シラン)を含有する混合物、任意にはWO2003/014226A1、WO2010/066826A1、またはWO2013/026654A1中に記載されるシリコーン樹脂と、DE60116825T2中に記載されるような熱に不安定な促進剤との組み合わせによれば、低分子量シランおよび任意に増量剤およびさらに添加剤の存在下において、上述される目的を満足に達成できることも明らかになった。
このように、2つの基材を接合させるための常套的な方法によって、自動車両のためのルーフライニングを製造することが可能である。よって、本発明のさらなる一態様は、2つの基材を接合させるための本発明に係る方法であって、得られる接合基材系が自動車両のためのルーフライニングを構成する方法に関する。よって、本発明に係る基材系は、自動車両のためのルーフライニングであってもよい。
よって、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、二液型接着剤とも表面コーティング材料とも異なる。また、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、室温で液体であるため、室温で固体のホットメルト接着剤とも異なる。よって、本発明のコンテクストにおいて、「液体」という用語は、「固体」とは異なる(delimitation)と考える。いかなる場合においても、ブルックフィールド法による粘度の最大値が、20rpmおよび25℃において1000Pasを上回ってはならない。
本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、好ましくは、モノマーのイソシアネートを含まない。本発明のコンテクストにおいて、「モノマーのイソシアネートを含まない」とは、分率が、組成物の総量に基づいて1重量%未満であることを指す。この分率は、好ましくは0.1重量%未満である。
本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、好ましくは、組成物の総重量に基づいて、
a)3重量%~90重量%の少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーと、
b)0重量%~50重量%の少なくとも1種のシリコーン樹脂と、
c)0.1重量%~5重量%の少なくとも1種の熱促進剤と、
d)0.001重量%~5重量%の、第1級もしくは第2級アミノ基または加水分解されると第1級もしくは第2級アミノ基になるブロックアミノ基を有する少なくとも1種の低分子量シランと、
e)0重量%~80重量%の少なくとも1種の増量剤とを含有する。
より好ましくは、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、組成物の総重量に基づいて、
a)3重量%~50重量%の少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーと、
b)1重量%~30重量%の少なくとも1種のシリコーン樹脂と、
c)0.1重量%~2.5重量%の少なくとも1種の熱促進剤と、
d)0.01重量%~5重量%の、第1級もしくは第2級アミノ基または加水分解されると第1級もしくは第2級アミノ基になるブロックアミノ基を有する少なくとも1種の低分子量シランと、
e)10重量%~80重量%の少なくとも1種の増量剤とを含有する。
さらにより好ましくは、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、組成物の総重量に基づいて、
a)5重量%~25重量%の少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーと、
b)5重量%~20重量%の少なくとも1種のシリコーン樹脂と、
c)0.1重量%~1重量%の少なくとも1種の熱促進剤と、
d)0.1重量%~4重量%の、第1級もしくは第2級アミノ基または加水分解されると第1級もしくは第2級アミノ基になるブロックアミノ基を有する少なくとも1種の低分子量シランと、
e)30重量%~80重量%の少なくとも1種の増量剤とを含有する。
さらにより好ましくは、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、組成物の総重量に基づいて、
a)15重量%~25重量%の少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーと、
b)10重量%~12重量%の少なくとも1種のシリコーン樹脂と、
c)0.2重量%~0.5重量%の少なくとも1種の熱促進剤と、
d)1重量%~3重量%の、第1級もしくは第2級アミノ基または加水分解されると第1級もしくは第2級アミノ基になるブロックアミノ基を有する少なくとも1種の低分子量シランと、
e)59.5重量%~73.8重量%の少なくとも1種の増量剤とを含有する。
本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、成分a)~e)を含有し、成分b)およびe)は任意である(0重量%)。よって、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、成分a)、c)、d)、または成分a)、0.1重量%以上のb)、c)、d)、または成分a)、c)、d)、0.1重量%以上のe)、または成分a)、0.1重量%以上のb)、c)、d)、0.1重量%以上のe)を含有する。
本発明に係る組成物は、さらに、さらなる構成要素を備えてもよい。よって、本発明の一実施形態は、上述される成分からなる、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物に関する。本発明のさらなる一実施形態は、上述される成分に加えて、2、3、4、5、6、7、8、9、または10種など、1種以上の成分をさらに備える、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物に関する。
本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーを含有する。よって、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、1種のアルファシラン末端含有ポリマー、または2、3、もしくは4種などの、2種以上のポリマーを備えてもよい。この場合、ポリマーは純粋な物質を表しているのではなく、その製造の結果として特徴的な物質分布を有する複数の物質の混合物の形態であり、よって「ポリマー」はこうした物質の混合物を指すための簡略化された用語であるということが、当業者には明らかである。
アルファシラン末端含有有機ポリマーは当業者に周知されており、たとえば市販品を入手することができる。たとえば、Wacker Chemie AG、ミュンヘン(ドイツ)は、このようなアルファ-シラン修飾ポリマーを、Geniosil(登録商標)STP-E10またはGeniosil(登録商標)XB 502などといった、Geniosil(登録商標)という商品名で販売している。
アルファ-シランは、いわゆるアルファ効果を有していることが注目に値する。この効果により、ケイ素原子を基準としてアルファ位にある(すなわち、たとえば、間に存在するのがメチレン架橋のみである)窒素または酸素などの負に帯電したドナーの近傍において、当該ケイ素原子上のアルコキシ基が活性化される。その結果、こうした基の、水などの求核剤に対する反応性が高くなる。これによって、たとえばスズ含有触媒を必要とすることなく、加水分解が促進される。このシランは、加水分解されて、架橋を有するシロキサンになり得る。よって、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、水分架橋反応を受けてシロキサンを形成することができるアルファシラン末端含有接着剤である。
少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーは、好ましくは、下記式(I)のアルファシラン末端含有有機ポリマーである:
Y-[(CR1a )-Si(R2ab1(OR3a3-b1 (I)
式中、
Yは、窒素、酸素、または硫黄を介して結合しているx価のポリマーラジカル基であり、
2aは、同一であっても異なっていてもよく、かつ、1価の、任意に置換されている、SiC結合している炭化水素ラジカル基であり、
1aは、同一であっても異なっていてもよく、かつ、水素原子であるか、または、窒素、リン、酸素、硫黄、もしくはカルボニル基を介して炭素原子に付着していてもよい1価の、任意に置換されている、炭化水素ラジカル基であり、
3aは、同一であっても異なっていてもよく、かつ、水素原子であるか、または、1価の、任意に置換されている、炭化水素ラジカル基であり、
xは、1~10の整数であり、
b1は、同一であっても異なっていてもよく、かつ、0、1、または2である。
このようなアルファシラン末端含有有機ポリマーは、WO2003/014226A1、WO2010/066826A1、またはWO2013/026654A1から周知される。
よって、ラジカル基R2aの例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、1-n-ブチル、2-n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチルラジカル基などのアルキルラジカル基;n-ヘキシルラジカル基などのヘキシルラジカル基;n-ヘプチルラジカル基などのヘプチルラジカル基;n-オクチルラジカル基、イソオクチルラジカル基などのオクチルラジカル基、および2,2,4-トリメチルペンチルラジカル基;n-ノニルラジカル基などのノニルラジカル基;n-デシルラジカル基などのデシルラジカル基;n-ドデシルラジカル基などのドデシルラジカル基;n-オクタデシルラジカル基などのオクタデシルラジカル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルラジカル基、およびメチルシクロヘキシルラジカル基などのシクロアルキルラジカル基;ビニル、1-プロペニル、および2-プロペニルラジカル基などのアルケニルラジカル基;フェニル、ナフチル、アントリル、およびフェナントリルラジカル基などのアリールラジカル基;o-、m-、およびp-トリルラジカル基などのアルカリルラジカル基;キシリルラジカル基およびエチルフェニルラジカル基;ならびにベンジルラジカル基などのアラルキルラジカル基、アルファ-およびベータ-フェニルエチルラジカル基である。置換されているラジカル基R2aの例は、3,3,3-トリフルオロ-n-プロピルラジカル基、2,2,2,2’,2’,2’-ヘキサフルオロイソプロピルラジカル基、およびヘプタフルオロイソプロピルラジカル基などのハロアルキルラジカル基、ならびにo-、m-、およびp-クロロフェニルラジカル基などのハロアリールラジカル基である。ラジカル基R2aは、好ましくは、任意にハロゲン原子で置換されていて1~6個の炭素原子を有する1価の炭化水素ラジカル基、より好ましくは1または2個の炭素原子を有するアルキルラジカル基、特にはメチルラジカル基を備える。
ラジカル基R1aの例は、水素原子、R2aについて明示したラジカル基、さらに、窒素、リン、酸素、硫黄、炭素、またはカルボニル基を介して炭素原子に結合している任意に置換されている炭化水素ラジカル基である。ラジカル基R1aは、好ましくは、水素原子、および1~20個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル基、特には水素原子を備える。
ラジカル基R3aの例は、水素原子、またはラジカル基R2aについて明示した例である。ラジカル基R3aは、好ましくは、水素原子、または1~10個の炭素原子を有し任意にハロゲン原子で置換されているアルキルラジカル基を備え、より好ましくは、1~4個の炭素原子を有するアルキルラジカル基、特にはメチルおよびエチルラジカル基を備える。
ポリマーラジカル基Yのもとになっているポリマーは、本発明の意味において、主鎖中にあるすべての結合の少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも90%が炭素-炭素結合、炭素-窒素結合、または炭素-酸素結合であるようなすべてのポリマーである。ポリマーラジカル基Yは、好ましくは、ポリマー鎖がポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマー、およびポリオキシプロピレン-ポリオキシブチレンコポリマーなどのポリオキシアルキレン;ポリイソブチレン、ポリエチレン、またはポリプロピレン、およびポリイソブチレンとイソプレンとのコポリマーなどの炭化水素ポリマー;ポリイソプレン;ポリウレタン;ポリエステル;ポリアミド;ポリアクリレート;ポリメタクリレートおよびポリカーボネートを備えていて、かつ、好ましくは、(1つまたは複数の)基-[(CR1a )-Si(R2ab1(OR3a3-b1]に-O-C(=O)-NH-、-NH-C(=O)-O-、-NH-C(=O)-NH-、-NR’-C(=O)-NH-、NH-C(=O)-NR’-、-NH-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-O-C(=O)-O-、-S-C(=O)-NH-、-NH-C(=O)-S-、-C(=O)-S-、-S-C(=O)-、-S-C(=O)-S-、-C(-O)-、-S-、-O-、および-NR’-を介して結合しており、式中、R’は、同一であっても異なっていてもよく、R2aについて明示した定義を有するか、または基-CH(COOR’’)-CH-C(O)OR’’である(式中、R’’は、同一であっても異なっていてもよくR2aについて明示した定義を有する)ような、有機ポリマーラジカル基を備える。ラジカル基R’の例は、シクロヘキシル、シクロペンチル、n-およびイソプロピル、n-、イソ-、およびt-ブチル、ならびにペンチルラジカル基、ヘキシルラジカル基、またはヘプチルラジカル基の様々な立体異性体、ならびにフェニルラジカル基である。ラジカル基R’は、好ましくは、基-CH(COOR’’)-CH-COOR’’、または1~20個の炭素原子を有する任意に置換されている炭化水素ラジカル基、より好ましくは1~20個の炭素原子を有する直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基、または6~20個の炭素原子を有し任意にハロゲン原子で置換されているアリール基を備える。ラジカル基R’’は、好ましくは、1~10個の炭素原子を有するアルキル基、より好ましくはメチル、エチル、またはプロピルラジカル基である。
特に好ましくは、式(I)中のラジカル基Yは、ポリウレタンラジカル基およびポリオキシアルキレンラジカル基、特にはポリオキシプロピレン含有ポリウレタンラジカル基またはポリオキシプロピレンラジカル基を備える。
本発明の特に好ましい一構成において、少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーは、シラン末端含有ポリエーテルおよびシラン末端含有ポリウレタン、特には、-O-C(=O)-NH-C(R1a基または-NH-C(=O)-NR’-C(R1a基を介して付着しているジメトキシメチルシリル、トリメトキシシリル、ジエトキシメチルシリル、またはトリエトキシシリル末端基をそれぞれ有するシラン末端含有ポリプロピレングリコールおよびシラン末端含有ポリウレタン(式中、R’およびR1aは上述される定義の1つを有する)を備える。
アルファシラン末端含有有機ポリマーの平均分子量Mnは、好ましくは少なくとも400g/mol、より好ましくは少なくとも600g/mol、特には少なくとも800g/mol、好ましくは最大で30000g/mol、より好ましくは最大で19000g/mol、特には最大で13000g/molである。粘度は、好ましくは少なくとも0.2Pas、より好ましくは少なくとも1Pas、非常に好ましくは少なくとも5Pas、好ましくは最大で1000Pas、より好ましくは最大で700Pasである(いずれの場合においても20℃で測定)。
本発明において使用されるアルファシラン末端含有有機ポリマーは、市販されている慣習的な製品であるか、または、化学において常套的な方法で調製することもできる。アルファシラン末端含有有機ポリマーは、たとえばヒドロシリル化、マイケル付加、Diels-Alder付加、またはイソシアネート官能基含有化合物とイソシアネート反応性基含有化合物との反応といった付加反応などの、様々な周知のプロセスによって調製することもできる。
非常に特に好ましくは、少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーは、少なくとも1つの末端基、好ましくは少なくとも2つの、特には複数の末端基を有する、下記式のポリマーである。
-X-C(=O)-N(R)-C(R)-Si(R(OR3-a
式中、
Xは、OまたはN(R)であり、
各Rは、それぞれ独立して、水素であるか、または1~20個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル基であり、
およびRは、互いに独立して、水素であるか、または1~20個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル基であり、
およびRは、互いに独立して、1~20個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル基であり、
aは、0、1、または2であり、ならびに
”は、ポリマーに付着するための結合を示す。
より好ましくは、Rは、水素、または1~4個の炭素原子を有するアルキルラジカル基であり、このアルキルラジカル基は直鎖状または分枝状であってよい。さらにより好ましくは、Rは、H、メチル、またはエチルであり、さらにより好ましくは水素またはメチルである。
Rは、特に好ましくは、水素である。
より好ましくは、RおよびRは同一である。さらにより好ましくは、RおよびRは、水素、または1~4個の炭素原子を有するアルキルラジカル基であり、このアルキルラジカル基は直鎖状または分枝状であってよい。さらにより好ましくは、RおよびRはH、メチル、またはエチルであり、さらにより好ましくは水素またはメチルである。
およびRは、特に好ましくは、水素である。
より好ましくは、RおよびRは同一である。さらにより好ましくは、RおよびRは1~4個の炭素原子を有するアルキルラジカル基であり、このアルキルラジカル基は直鎖状または分枝状であってよい。さらにより好ましくは、RおよびRはメチルまたはエチルである。
およびRは、特に好ましくは、メチルである。
好ましくは、aは0または1であり、より好ましくはaは1である。
少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーの例は、式-O-C(=O)-NH-CH-Si(CH)(OCHの少なくとも1つの末端基を有するポリマーである。
有機ポリマーは、好ましくは、ポリオキシアルキレン、炭化水素ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、またはポリカーボネートである。ポリオキシアルキレンが好ましい。有機ポリマーは、好ましくは、上述される末端基以外のシラン基を含有しない。
好ましいポリオキシアルキレンは、数平均分子量が、たとえば5000g/mol~50000g/mol、より好ましくは7500g/mol~30000g/mol、より好ましくは10000g/mol~15000g/molの範囲であるポリプロピレンである。
本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、さらに、少なくとも1種のシリコーン樹脂を備えてもよい。よって、2、3、または4種など、1種以上の異なるシリコーン樹脂が存在してもよい。好ましくは、シリコーン樹脂は1種のみである。こうしたシリコーン樹脂は、成分a)中に含まれるアルファシラン末端含有有機ポリマーとは異なる。
好ましくは、フェニルシリコーン樹脂である。シリコーン樹脂は、たとえばDE102013213835A1中に記載される。シリコーン樹脂は、上述される成分のうちの1つでない場合には、本発明のコンテクストにおいて、さらなる成分であるとみなされる。
よって、可能性のある、DE102013213835A1に記載のシリコーン樹脂は、下記式の単位を含有する。
3’ c’(R4’O)d’5’ e’SiO(4-c’-d’-e’)/2 (II)
式中、
3’は、同一であっても異なっていてもよく、かつ、水素原子であるか、1価の、SiC結合している、任意に置換されている脂肪族炭化水素ラジカル基であるか、または2単位分の式(II)同士を架橋している2価の、任意に置換されている、脂肪族炭化水素ラジカル基であり、
4’は、同一であっても異なっていてもよく、かつ、水素原子であるか、または、1価の、任意に置換されている、炭化水素ラジカル基であり、
5’は、同一であっても異なっていてもよく、かつ、1価の、SiC結合している、任意に置換されている芳香族炭化水素ラジカル基であり、
c’は0、1、2、または3であり、
d’は0、1、2、または3、好ましくは0、1、または2、より好ましくは0または1であり、
e’は0、1、または2、好ましくは0または1であり、
但し、c’+d’+e’の合計は3未満または3に等しく、少なくとも1つの単位においてe’は0以外であり、式(II)の単位の少なくとも40%においてc’+e’の合計は0または1である。
好適なシリコーン樹脂は、好ましくは少なくとも90重量%が式(II)の単位からなり、より好ましくは式(II)の単位のみからなる。
ラジカル基R3’の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、1-n-ブチル、2-n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチルラジカル基などのアルキルラジカル基;n-ヘキシルラジカル基などのヘキシルラジカル基;n-ヘプチルラジカル基などのヘプチルラジカル基;n-オクチルラジカル基、イソオクチルラジカル基などのオクチルラジカル基、および2,2,4-トリメチルペンチルラジカル基;n-ノニルラジカル基などのノニルラジカル基;n-デシルラジカル基などのデシルラジカル基;n-ドデシルラジカル基などのドデシルラジカル基;n-オクタデシルラジカル基などのオクタデシルラジカル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルラジカル基、およびメチルシクロヘキシルラジカル基などのシクロアルキルラジカル基;ビニル、1-プロペニル、および2-プロペニルラジカル基などのアルケニルラジカル基;フェニル、ナフチル、アントリル、およびフェナントリルラジカル基などのアリールラジカル基;o-、m-、p-トリルラジカル基などのアルカリルラジカル基;キシリルラジカル基およびエチルフェニルラジカル基;ならびに、ベンジルラジカル基、o-およびβ-フェニルエチルラジカル基などのアラルキルラジカル基である。
置換されているラジカル基R3’の例は、3,3,3-トリフルオロ-n-プロピルラジカル基、2,2,2,2’,2’,2’-ヘキサフルオロイソプロピルラジカル基、およびヘプタフルオロイソプロピルラジカル基などのハロアルキルラジカル基、ならびにo-、m-、およびp-クロロフェニルラジカル基などのハロアリールラジカル基である。
ラジカル基R3’は、好ましくは、1~6個の炭素原子を有し任意にハロゲン原子で置換されている1価炭化水素ラジカル基を備え、より好ましくは1または2個の炭素原子を有するアルキルラジカル基、特にはメチルラジカル基を備える。ラジカル基R3’は、代替的には、たとえばメチレン、エチレン、プロピレン、またはブチレンラジカル基などの、たとえば1~10個の炭素原子を有するアルキレンラジカル基といった、式(II)のシリル基2つを相互に結合する2価の脂肪族ラジカル基を備えていてもよい。
しかしながら、ラジカル基R3’は、好ましくは、任意にハロゲン原子で置換されていて1~18個の炭素原子を有する、SiC結合している1価の脂肪族炭化水素ラジカル基、より好ましくは1~6個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素ラジカル基、特にはメチルラジカル基を備える。
ラジカル基R4’の例は、水素原子、またはラジカル基R3’について明示した例である。
ラジカル基R4’は、好ましくは、水素原子である、または、任意にハロゲン原子で置換されていて1~10個の炭素原子を有するアルキルラジカル基、より好ましくは1~4個の炭素原子を有するアルキルラジカル基、特にはメチルおよびエチルラジカル基を備える。
ラジカル基R5’の例は、R3’について上述される芳香族ラジカル基である。
ラジカル基R5’は、好ましくは、たとえばエチルフェニル、トルイル、キシリル、クロロフェニル、ナフチル、またはスチリルラジカル基、より好ましくはフェニルラジカル基などの、任意にハロゲン原子で置換されていて1~18個の炭素原子を有する、SiC結合している芳香族炭化水素ラジカル基を備える。
好ましくは、すべてのラジカル基R3’の少なくとも90%がメチルラジカル基であり、すべてのラジカル基R4’の少なくとも90%がメチル、エチル、プロピル、またはイソプロピルラジカル基であり、すべてのラジカル基R5’の少なくとも90%がフェニルラジカル基である、シリコーン樹脂を使用する。
好ましいシリコーン樹脂は、いずれの場合も式(II)の単位の総数に基づいて、式(II)の単位の少なくとも40%、より好ましくは少なくとも60%において式中のc’が0であるものである。
好ましくは、いずれの場合も式(II)の単位の総数に基づいて、式(II)の単位の少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%において式中のd’の値が0または1であるシリコーン樹脂を使用する。
好ましくは、いずれの場合も式(II)の単位の総数に基づいて、式(II)の単位の少なくとも20%、より好ましくは少なくとも40%において式中のe’の値が1であるシリコーン樹脂を使用する。式中のe’が1である式(II)の単位のみを有するシリコーン樹脂を使用することもできるが、特に好ましくは、式(II)の単位の少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、最大で60%、より好ましくは最大で80%において、e’が0である。
好ましくは、いずれの場合も式(II)の単位の総数に基づいて、式(II)の単位の少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、特には少なくとも80%においてc’+e’の合計が1であるシリコーン樹脂を使用する。
本発明の特に好ましい一実施形態は、いずれの場合も式(II)の単位の総数に基づいて、式(II)の単位の少なくとも20%、より好ましくは少なくとも40%において式中のe’の値が1でありc’の値が0であるシリコーン樹脂を使用する。好ましくは、この場合、すべての式(II)の単位のうち最大で40%、より好ましくは最大で70%において、d’は0以外である。
本発明のさらに特に好ましい一実施形態において、使用されるシリコーン樹脂は、いずれの場合も式(II)の単位の総数に基づいて、式(II)の単位の少なくとも20%、より好ましくは少なくとも40%において、式中のe’の値が1でありc’の値が0であり、かつ、式(II)の単位の少なくとも1%、好ましくは少なくとも10%において式中のc’が1または2、好ましくは1であり、e’が0であるような、樹脂である。
シリコーン樹脂の例は、式SiO4/2、Si(OR4’)O3/2、Si(OR4’2/2、およびSi(OR4’1/2の(Q)単位、式PhSiO3/2、PhSi(OR4’)O2/2、PhSi(OR4’1/2、MeSiO3/2、MeSi(OR4’)O2/2、およびMeSi(OR4’1/2の(T)単位、式MeSiO2/2、MeSi(OR4’)O1/2、PhSiO2/2およびPhSi(OR4’)O1/2、MePhSiO2/2、およびMePhSi(OR4’)O1/2の(D)単位、ならびに式MeSiO1/2の(M)単位から実質的になる、好ましくはこれらのみからなる、オルガノポリシロキサン樹脂であって、式中、Meはメチルラジカル基であり、Phはフェニルラジカル基であり、R4’は水素原子である、または、任意にハロゲン原子で置換されていて1~10個の炭素原子を有するアルキルラジカル基、より好ましくは水素原子または1~4個の炭素原子を有するアルキルラジカル基を備え、当該樹脂は、(T)単位1モルあたり、(Q)単位を0~2mol、(D)単位を0~2mol、および(M)単位を0~2mol含有する。
シリコーン樹脂の好ましい例は、式PhSiO3/2、PhSi(OR4’)O2/2、およびPhSi(OR4’1/2のT単位、式MeSiO3/2、MeSi(OR4’)O2/2、およびMeSi(OR4’1/2のT単位、および式MeSiO2/2およびMeSi(OR4’)O1/2のD単位から実質的になる、好ましくはこれらのみからなる、オルガノポリシロキサン樹脂であって、式中、Meはメチルラジカル基であり、Phはフェニルラジカル基であり、R4’は水素原子である、または、任意にハロゲン原子で置換されていて1~10個の炭素原子を有するアルキルラジカル基、より好ましくは水素原子または1~4個の炭素原子を有するアルキルラジカル基を備え、(D)単位に対する(T)単位のモル比は0.5~2.0である。
これらの例の中で、特に好ましくは、式(II)の単位のうち少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、特には少なくとも85%が、式PhSiO3/2、PhSi(OR4’)O2/2、PhSi(OR4’1/2、MeSiO3/2、MeSi(OR4’)O2/2、およびMeSi(OR4’1/2のT単位で形成されているシリコーン樹脂であって、式PhSiO3/2、PhSi(OR4’)O2/2、およびPhSi(OR4’1/2のT単位を少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、特には少なくとも50%、MeSiO3/2、MeSi(OR4’)O2/2、およびMeSi(OR4’1/2のT単位を少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、特には少なくとも20%含有するシリコーン樹脂である。
シリコーン樹脂は、好ましくは、平均モル質量(数平均)Mnが少なくとも500g/mol、より好ましくは少なくとも600g/molである。平均モル質量Mnは、好ましくは、最大で400000g/mol、より好ましくは最大で100000g/mol、特には最大で50000g/molである。
このようなシリコーン樹脂は、23℃および1000hPaにおいて固体または液体のいずれであってもよく、シリコーン樹脂は好ましくは液体である。
シリコーン樹脂は、市販されている慣習的な製品(たとえば、Wacker Chemie(ドイツ)からのSilres(登録商標)IC 368)であるか、または、ケイ素化学において常套的な方法で調製することもできる。
本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、さらに、少なくとも1種の熱促進剤を備える。よって、1種の熱促進剤が含まれていてもよい。また、2、3、または4種など、2種以上の熱促進剤が含まれていてもよい。
熱促進剤は、たとえばDE60116825T2など、先行技術中に記載される。
少なくとも1種の熱促進剤は、好ましくは、式中nが1~3の整数である下記式(II):
Figure 2023551366000001
の二環式第3級アミン、またはその塩である。特に好ましくは、少なくとも1種の熱促進剤は、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)またはその塩である。
好ましくは、二環式第3級アミンの塩、特には、二環式第3級アミンと脂肪族モノカルボン酸との塩を使用し、このモノカルボン酸は、好ましくはメタクリル酸、クロトン酸、およびチグリン酸からなる群より選択され、混合比は、好ましくは、脂肪族モノカルボン酸に対する二環式第3級アミンのモル比が最大で1.3となるように確立される。
特に、DBUのクロトン酸塩が好ましい。
本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、さらに、第1級もしくは第2級、好ましくは第1級のアミノ基、または加水分解されると第1級もしくは第2級アミノ基になるブロックアミノ基を含有する少なくとも1種の低分子量シランを備える。よって、成分d)は、このようなシランを、2、3、または4種など、1種以上備えてもよい。好ましくは、成分d)は1種の成分のみからなる。成分d)は成分a)~c)とは異なり、成分a)~c)の1種として解釈できない場合にのみ、成分d)中に含まれる。
成分d)の少なくとも1種の低分子量シランは、第1級アミノ基-NHを有する。このアミノ基は、この場合、たとえばアミド基-C(=O)NHなどの官能基の一部であってよい、または、狭義の第1級アミンであってよい。有利には、アミンである。また、第2級アミノ基を有する低分子量シランを使用してもよい。また、ブロックアミノシランを使用することもできる。こうした場合、ブロックアミノ基は、加水分解されて、第1級または第2級アミノ基、好ましくは第1級アミノ基になる。一例として、Evonik(ドイツ)により商品名VPS 1262で販売されている((トリエトキシシリル)プロピル)メチルイソブチルイミンを挙げることができる。また、ここで、当該アミノ基は、官能基の一部であってよい、またはアミノ基であり、これが好ましい。言うまでもなく、2つ以上の第1級アミノ基が存在してもよく、特には2つ以上の第1級アミノ基、2つ以上の第2級アミノ基、ならびに少なくとも1つの第1級アミノ基および少なくとも1つの第2級アミノ基でもよい。第1級または第2級アミノ基の代わりに、そのブロック形態が存在してもよいことは、言うまでもない。しかしながら、好ましくは、第1級または第2級、より好ましくは第1級のアミノ基である。
有利な低分子量シランは、100g/mol~500g/molの範囲の分子量を有する。
好ましい低分子量シランは、DE102012200790A1中に記載される。よって、好ましい低分子量シランは、下記式の単位を含有するものである。
DSi(OR7’g’8’ (3-g’) (IX)
式中、
7’は、同一であっても異なっていてもよく、かつ、水素原子または任意に置換されている炭化水素ラジカル基を示し、
Dは、同一であっても異なっていてもよく、かつ、第1級または第2級またはブロックアミノ基の塩基窒素(basic nitrogen)を有する、1価の、SiC結合しているラジカル基を示し、
8’は、同一であっても異なっていてもよく、かつ、塩基窒素を含まない、1価の、任意に置換されている、SiC結合している有機ラジカル基を示し、
g’は1、2、または3、好ましくは2または3である。
任意に置換されている炭化水素ラジカル基R7’の例は、以下にラジカル基R3’について明示した例である。
ラジカル基R7’は、好ましくは、水素原子、および任意にハロゲン原子で置換されていて1~18個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル基、より好ましくは、水素原子、および1~10個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル基、特にはメチルおよびエチルラジカル基を備える。
ラジカル基R8’の例は、以下にR3’について明示した例である。
ラジカル基R8’は、好ましくは任意にハロゲン原子で置換されていて1~18個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル基、より好ましくは1~5個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル基、特にはメチルラジカル基を備える。
ラジカル基Dの例は、式HN(CH-、HN(CHNH(CH-、HN(CHNH(CHNH(CH-、HCNH(CH-、CNH(CH-、CNH(CH-、CNH(CH-、C11NH(CH-、C13NH(CH-、C15NH(CH-、HN(CH-、HN-CH-CH(CH)-CH-、HN(CH-、シクロ-CNH(CH-、シクロ-C11NH(CH-、フェニル-NH(CH-、(CHN(CH-、(CN(CH-、(CNH(CH-、(CNH(CH-、(C11NH(CH-、(C13NH(CH-、(C15NH(CH-、HN(CH)-、HN(CHNH(CH)-、HN(CHNH(CHNH(CH)-、HCNH(CH)-、CNH(CH)-、CNH(CH)-、CNH(CH)-、C11NH(CH)-、C13NH(CH)-、C15NH(CH)-、シクロ-CNH(CH)-、シクロ-C11NH(CH)-、フェニル-NH(CH)-、(CHN(CH)-、(CN(CH)-、(CNH(CH)-、(CNH(CH)-、(C11NH(CH)-、(C13NH(CH)-、(C15NH(CH)-、(CHO)Si(CHNH(CH-、(CO)Si(CHNH(CH-、(CHO)(CH)Si(CHNH(CH-、および(CO)(CH)Si(CHNH(CH-のラジカル基、ならびに、上述される第1級アミノ基と、第1級アミノ基に対して反応性のある(すなわち、ブロックアミノ基を含有する)エポキシド基または二重結合を含有する化合物との反応生成物である。
式(IX)のシランの例は、HN(CH-Si(OCH、HN(CH-Si(OC、HN(CH-Si(OCHCH、HN(CH-Si(OCCH、HN(CHNH(CH-Si(OCH、HN(CHNH(CH-Si(OC、HN(CHNH(CH-Si(OCHCH、HN(CHNH(CH-Si(OCCH、HN(CHNH(CH-Si(OH)、HN(CHNH(CH-Si(OH)CH、HN(CHNH(CHNH(CHSi-(OCH、HN(CHNH(CHNH(CH-Si(OC、シクロ-C11NH(CHSi-(OCH、シクロ-C11NH(CH-Si(OC、シクロ-C11NH(CH-Si(OCHCH、シクロ-C11NH(CH-Si(OCCH、シクロ-C11NH(CH-Si(OH)、シクロ-C11NH(CH-Si(OH)CH、フェニル-NH(CH-Si(OCH、フェニル-NH(CH-Si(OC、フェニル-NH(CH-Si(OCHCH、フェニル-NH(CH-Si(OCCH、フェニル-NH(CH-Si(OH)、フェニル-NH(CH-Si(OH)CH、HN((CH-Si(OCH、HN((CH-Si(OCHN((CH-Si(OCHCH、HN((CH-Si(OCCH、シクロ-C11NH(CH)-Si(OCH、シクロ-C11NH(CH)-Si(OC、シクロ-C11NH(CH)-Si(OCH)2CH、シクロ-C11NH(CH)-Si(OCCH、シクロ-C11NH(CH)-Si(OH)、シクロ-C11NH(CH)-Si(OH)CH、フェニル-NH(CH)-Si(OCH、フェニル-NH(CH)-Si(OC、フェニル-NH(CH)-Si(OCHCH、フェニル-NH(CH)-Si(OCCH、フェニル-NH(CH)-Si(OH)、およびフェニル-NH(CH)-Si(OH)CH、ならびに、これらの部分加水分解物であり、好ましくは、HN(CHNH(CH-Si(OCH、HN(CHNH(CH-Si(OC、HN(CHNH(CH-Si(OCHCH、シクロ-C11NH(CH-Si(OCH、シクロ-C11NH(CH-Si(OC、およびシクロ-C11NH(CH-Si(OCHCH、ならびにこれらの各場合における部分加水分解物であり、特に好ましくは、HN(CHNH(CH-Si(OCH、HN(CHNH(CH-Si(OCHCH、シクロ-C11NH(CH-Si(OCH、シクロ-C11NH(CH-Si(OCHCH、ならびにこれらの各場合における部分加水分解物である。
また、特に好ましい例は、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルジメトキシシラン、または3-ウレイドプロピルトリメトキシシランでもある。特に好ましくは、3-アミノプロピルトリメトキシシランである。
さらに、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、さらに、少なくとも1種の増量剤を備えてもよい。増量剤の例は、たとえばチョークなどの炭酸カルシウム、またはたとえば溶融アルミナなどのアルミナである。
本発明に係る反応性一液型接着剤組成物によれば、高レベルの充填(filling)を実現することができ、この点は、様々な用途において有利で有り得る。ここで挙げることのできる例には、良好な熱伝導性が要求される、または燃焼挙動の観点において特段の条件が要求される用途が含まれる。
本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、たとえばサンドイッチ型の要素を製造するために使用することができる。本発明に係る反応性一液型接着剤組成物において熱促進剤を使用する配合物は、室温において数分間で加工でき、その結果、約60℃を上回る高温条件下でのプレス時間を短縮できることが明らかになった。触媒としてのアミンの使用が、たとえば、二液型コーティングについてWO2019/004922A1中に記載される。公知の市販品であるToyocat(登録商標)DB 40はブロックアミンであり、たとえばDE102016200704A1中に記載されている。
また、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、たとえばビニルトリメトキシシランなどの水捕捉剤を備えてもよい。
PCS値(燃焼の熱)を下げるために、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、たとえばチョークなどの上述される増量剤を備えてもよい。少なくとも1種のシリコーン樹脂の使用によって、低い発熱量が促進され得る。
本発明に係る反応性一液型接着剤組成物の硬化において、シロキサン基が形成される縮合反応により、メタノールが除去される。
本発明に係る方法の場合、本発明に係る反応性一液型接着剤組成物を、たとえば歯付きスパチュラ塗布、ビード塗布、スプレー塗布、またはスロットダイ塗布といった慣習的な技術によって、基材に塗布することができ、任意に水とともに噴霧し、次いで、たとえば少なくとも60℃の温度においてプレスすることができる。本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、自動車分野におけるルーフライニングの製造、またはパネルの製造に、特に好適である。本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、特にアルミニウムプレートが使用されているサンドイッチ型の要素にとって、特に好適である。また、ミネラルウールパネル、特にステンレス鋼アウタープライを有するものも、本発明のコンテクストにおいて好適である。
よって、本発明は、2つの基材を接合させて接合基材系が得られる本発明に係る方法、および、自動車分野におけるルーフライニングまたはパネルを備える本発明に係る基材系にも関する。さらに、当該系は、好ましくは、特にアルミニウムプレートが使用されているサンドイッチ型の要素であってもよい。好ましいパネルは、ミネラルウールパネル、特にステンレス鋼アウタープライを有するものである。
さらに、本発明は、接合が困難なアルミニウムプレートまたはステンレス鋼プレートにとって特に好適であると同時に、たとえば、コーティング無しまたはコーティング有りであって接合が容易な鋼シートアウタープライの場合においても非常に好適である。
よって、本発明は、2つの基材を接合させて接合基材系が得られる本発明に係る方法、および、本発明に係る基材系であって、少なくとも第1または第2の基材が、アルミニウムプレートもしくはステンレス鋼プレートである、またはコーティング有りもしくはコーティング無しの鋼シートアウタープライである、基材系にも関する。
驚くべきことに、2~3分後には、工業的に使用されている1Kおよび2Kポリウレタン接着剤のレベルにほぼ相当する強度が得られる。
実施例
本発明に係る接着剤配合物についての実施例1:
180gのGeniosil STP-E10と、120gのSilres 368と、15gのDynasylan VTMOを、バタフライスターラーを備えるプラネタリミキサに投入した。続いて、700gのCALCIT MX 30を少しずつ添加し、混合物を撹拌して、増量剤をよく分散させた。この混合物を室温および減圧(50mbar)下において30分間撹拌した。次いで、さらに15gのビニルトリメトキシシラン、DE60116825T2の実施例3からの促進剤(DBUとクロトン酸との混合物)4g、および20gのGeniosil GF95を添加して、混合物を減圧下(50mbar)においてさらに5分間撹拌した(表1を参照)。
Figure 2023551366000002
得られた配合物の物理化学的特性が、表2中に記載される。
Figure 2023551366000003
*)皮膜形成時間は、23℃および相対湿度50%において木製スパチュラを接着剤のビード中に押し込んだ後で引き上げることによって確認する。この手順を、木製スパチュラが接着剤で湿らなくなるまで、60秒毎に繰り返す。
本発明に係る方法についての使用例1(自動車両のためのルーフライニングの製造):
上述される発明の実施例1からの接着剤を約100g/m、剛性フォーム状材料に塗布して、水を約35g/mで噴霧する。この系から製造される、さらなるグラスファイバーマットおよびファブリックからなる組立物を、120℃において40秒間プレスする。プレス時間の終了後、手剥がし試験における接着剤の強度は、フォーム状材料の本来の強度よりも少しだけ強く、接着剤が組立物の全体に浸透している。
本発明に係る方法についての使用例2(ミネラルウールパネルの製造):
歯付きスパチュラを使用して、上述される実施例からの接着剤を約400g/m、(コーティング有り)金属シートに塗布し、約100gの水を噴霧して、密度約110kg/mのミネラルウールを、当該ミネラルウールの繊維がシートに対して垂直に立つように挿入する。この組立物を、60℃において3.5または4.5分間プレスする。プレス時間の直後に、組立物を手で引き剥がしたところ、多くの繊維が抜けた。
本発明は、現行の先行技術において使用されている反応性ポリウレタン接着剤との比較において、イソシアネートを含まない代替物を提示する。強度の発現は、ポリウレタン接着剤の場合に匹敵する。本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、アルミニウムプレートが使用されているサンドイッチ型の要素にとって特に好適である。ミネラルウールパネル、特にステンレス鋼アウタープライを有するものも、本発明のコンテクストにおいて好適である。
ミネラルウールパネル製造のために現在使用されているのは2Kポリウレタン接着剤であり、低圧または高圧機械を使用して混合して、噴霧法または注入法によって塗布するものである。これらの方法は要件が厳しく、ミスが生じやすく、高価な機械への投資が必要である。
実施例1の本発明に係る反応性一液型接着剤組成物について、EN ISO 1716の燃焼熱が7.8MJ/kgであることを確認した。この比較的低い値は、一方では増量剤分率が多いことに起因し、他方ではシリコーン樹脂分率に起因する。よって、最大約500g/mの塗布率において、DIN EN 13501:2019-05のクラスA2を満たすミネラルウールパネルを製造することができる。また、実施例1の本発明に係る反応性一液型接着剤組成物は、良好な耐熱性を呈する。

Claims (17)

  1. 室温で液体である反応性一液型接着剤組成物であって、前記組成物の総重量に基づいて、
    a)3重量%~90重量%の少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーと、
    b)0重量%~80重量%の少なくとも1種のシリコーン樹脂と、
    c)0.1重量%~5重量%の少なくとも1種の熱促進剤と、
    d)0.001重量%~5重量%の、第1級もしくは第2級アミノ基または加水分解されると第1級もしくは第2級アミノ基になるブロックアミノ基を有する少なくとも1種の低分子量シランと、
    e)0重量%~85重量%の少なくとも1種の増量剤とを含有する、組成物。
  2. 前記少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーは下記式(I)を有することを特徴とする、請求項1に記載の反応性一液型接着剤組成物:
    Y-[(CR1a )-Si(R2ab1(OR3a3-b1 (I)
    式中、
    Yは、窒素、酸素、または硫黄を介して結合しているx価のポリマーラジカル基であり、
    2aは、同一であっても異なっていてもよく、かつ、1価の、任意に置換されている、SiC結合している炭化水素ラジカル基であり、
    1aは、同一であっても異なっていてもよく、かつ、水素原子であるか、または、窒素、リン、酸素、硫黄、もしくはカルボニル基を介して炭素原子に付着していてもよい1価の、任意に置換されている、炭化水素ラジカル基であり、
    3aは、同一であっても異なっていてもよく、かつ、水素原子であるか、または、1価の、任意に置換されている、炭化水素ラジカル基であり、
    xは、1~10の整数であり、
    b1は、同一であっても異なっていてもよく、かつ、0、1、または2である。
  3. 前記少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーは、式-X-C(=O)-N(R)-C(R)-Si(R(OR3-aの少なくとも1つの末端基を有し、式中、
    Xは、OまたはN(R)であり、
    各Rは、それぞれ独立して、水素であるか、または1~20個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル基であり、
    およびRは、互いに独立して、水素であるか、または1~20個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル基であり、
    およびRは、互いに独立して、1~20個の炭素原子を有する炭化水素ラジカル基であり、
    aは、1または2であり、ならびに
    ”は、前記ポリマーに付着するための結合を示すことを特徴とする、請求項1または2に記載の反応性一液型接着剤組成物。
  4. 前記少なくとも1種の有機ポリマーは、ポリオキシアルキレン、炭化水素ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、またはポリカーボネートであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の反応性一液型接着剤組成物。
  5. 前記少なくとも1種の有機ポリマーはポリオキシアルキレンであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の反応性一液型接着剤組成物。
  6. 前記第1級もしくは第2級アミノ基または加水分解されると第1級もしくは第2級アミノ基になるブロックアミノ基を有する少なくとも1種の低分子量シランは、100~500g/molの範囲の分子量を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の反応性一液型接着剤組成物。
  7. 前記少なくとも1種のシリコーン樹脂はフェニルシリコーン樹脂であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の反応性一液型接着剤組成物。
  8. 前記少なくとも1種の熱促進剤は、式中nが1~3の整数である下記式(II):
    Figure 2023551366000004

    の二環式第3級アミン、またはその塩であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の反応性一液型接着剤組成物。
  9. 前記少なくとも1種の熱促進剤はDBUまたはその塩であることを特徴とする、請求項8に記載の反応性一液型接着剤組成物。
  10. 前記少なくとも1種の熱促進剤は前記二環式第3級アミンの塩であることを特徴とする、請求項8または9に記載の反応性一液型接着剤組成物。
  11. 前記少なくとも1種の熱促進剤は、前記二環式第3級アミンと脂肪族モノカルボン酸との塩であり、前記モノカルボン酸はメタクリル酸、クロトン酸、およびチグリン酸からなる群より選択され、混合比は、好ましくは、前記脂肪族モノカルボン酸に対する前記二環式第3級アミンのモル比が最大で1.3となるように確立されることを特徴とする、請求項10に記載の反応性一液型接着剤組成物。
  12. 前記組成物の総重量に基づいて、
    a)3重量%~90重量%の前記少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーと、
    b)0重量%~50重量%の前記少なくとも1種のシリコーン樹脂と、
    c)0.1重量%~5重量%の前記少なくとも1種の熱促進剤と、
    d)0.001重量%~5重量%の、前記第1級もしくは第2級アミノ基または加水分解されると第1級もしくは第2級アミノ基になるブロックアミノ基を有する少なくとも1種の低分子量シランと、
    e)0重量%~80重量%の前記少なくとも1種の増量剤とを含有することを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の反応性一液型接着剤組成物。
  13. 前記組成物の総重量に基づいて、
    a)3重量%~50重量%の前記少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーと、
    b)1重量%~30重量%の前記少なくとも1種のシリコーン樹脂と、
    c)0.1重量%~2.5重量%の前記少なくとも1種の熱促進剤と、
    d)0.01重量%~5重量%の、前記第1級もしくは第2級アミノ基または加水分解されると第1級もしくは第2級アミノ基になるブロックアミノ基を有する少なくとも1種の低分子量シランと、
    e)10重量%~80重量%の前記少なくとも1種の増量剤とを含有することを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の反応性一液型接着剤組成物。
  14. 前記組成物の総重量に基づいて、
    a)5重量%~25重量%の前記少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーと、
    b)5重量%~20重量%の前記少なくとも1種のシリコーン樹脂と、
    c)0.1重量%~1重量%の前記少なくとも1種の熱促進剤と、
    d)0.1重量%~4重量%の、前記第1級もしくは第2級アミノ基または加水分解されると第1級もしくは第2級アミノ基になるブロックアミノ基を有する少なくとも1種の低分子量シランと、
    e)30重量%~80重量%の前記少なくとも1種の増量剤とを含有することを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の反応性一液型接着剤組成物。
  15. 前記組成物の総重量に基づいて、
    a)15重量%~25重量%の前記少なくとも1種のアルファシラン末端含有有機ポリマーと、
    b)10重量%~12重量%の前記少なくとも1種のシリコーン樹脂と、
    c)0.2重量%~0.5重量%の前記少なくとも1種の熱促進剤と、
    d)1重量%~3重量%の、前記第1級もしくは第2級アミノ基または加水分解されると第1級もしくは第2級アミノ基になるブロックアミノ基を有する少なくとも1種の低分子量シランと、
    e)59.5重量%~73.8重量%の前記少なくとも1種の増量剤とを含有することを特徴とする、請求項1~14のいずれか1項に記載の反応性一液型接着剤組成物。
  16. 2つの基材を接合させるための方法であって、
    (a)請求項1~15のいずれか1項に記載の反応性一液型接着剤組成物を第1の基材に塗布して、接着剤領域を与える工程と、
    (b)前記工程(a)からの接着剤領域に第2の基材を接触させる工程と、
    (c)前記接着剤組成物を、好ましくは少なくとも50℃の温度において熱硬化させる工程とを含有する、方法。
  17. 2つの基材から構成される接合基材系であって、前記2つの基材は共通接着剤領域を有し、前記共通接着剤領域において、前記2つの基材が、請求項1~15のいずれか1項に記載の接着剤組成物を熱硬化させたものの使用によって接合されている、接合基材系。
JP2023526349A 2020-10-30 2021-10-29 シラン末端含有ポリマーに基づく熱促進型接着剤組成物 Pending JP2023551366A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102020128608.2A DE102020128608A1 (de) 2020-10-30 2020-10-30 Thermobeschleunigte Klebstoffzusammensetzungen auf Basis silanterminierter Polymere
DE102020128608.2 2020-10-30
PCT/EP2021/080117 WO2022090462A1 (de) 2020-10-30 2021-10-29 Thermobeschleunigte klebstoffzusammensetzungen auf basis silanterminierter polymere

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023551366A true JP2023551366A (ja) 2023-12-08

Family

ID=78592820

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023526349A Pending JP2023551366A (ja) 2020-10-30 2021-10-29 シラン末端含有ポリマーに基づく熱促進型接着剤組成物

Country Status (9)

Country Link
US (1) US20230383155A1 (ja)
EP (1) EP4237485A1 (ja)
JP (1) JP2023551366A (ja)
CN (1) CN116490585A (ja)
AU (1) AU2021372804A1 (ja)
CA (1) CA3194083A1 (ja)
DE (1) DE102020128608A1 (ja)
MX (1) MX2023004996A (ja)
WO (1) WO2022090462A1 (ja)

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5007976A (en) 1989-10-16 1991-04-16 Process Bonding, Inc. Method of making a headliner
EP1197506B1 (en) 2000-10-13 2006-01-25 Tosoh Corporation Catalyst for production of a two component polyurethane sealant
DE10139132A1 (de) 2001-08-09 2003-02-27 Consortium Elektrochem Ind Alkoxyvernetzende einkomponentige feuchtigkeitshärtende Massen
DE10162344A1 (de) 2001-12-18 2003-07-10 Henkel Kgaa Schwerbrennbare Polyurethanklebstoffe
DE102008054541A1 (de) 2008-12-11 2010-06-17 Wacker Chemie Ag Alkoxysilanterminierte Polymere enthaltende Polymerabmischungen
DE102011081264A1 (de) 2011-08-19 2013-02-21 Wacker Chemie Ag Vernetzbare Massen auf Basis von organyloxysilanterminierten Polymeren
DE102012200790A1 (de) 2012-01-20 2013-07-25 Wacker Chemie Ag Silanvernetzende schäumbare Mischungen
DE102013213835A1 (de) 2013-07-15 2015-01-15 Wacker Chemie Ag Vernetzbare Massen auf Basis von Phenylsiliconharzen und organyloxysilanterminierten Polymeren
DE102016200704A1 (de) 2016-01-20 2017-07-20 Bona Gmbh Deutschland Verfahren zur Erhöhung der Anwendungssicherheit und der Alterungsbeständigkeit von Klebstoffen und anderen Produkten, enthaltend silanfunktionalisierte Präpolymere
WO2018001470A1 (de) * 2016-06-28 2018-01-04 Wacker Chemie Ag Vernetzbare massen auf basis von organyloxysilanterminierten polymeren
EP3494188B1 (de) * 2016-08-03 2019-11-06 Wacker Chemie AG Vernetzbare beschichtungsmassen auf basis von organyloxysilanterminierten polymeren
CN106367005A (zh) * 2016-08-26 2017-02-01 广州市高士实业有限公司 环保阻燃单组份硅烷改性聚醚密封胶及其制备方法
WO2019004922A1 (en) 2017-06-30 2019-01-03 Bona AB COATING SYSTEM, APPLICATION METHOD, AND KIT FOR USE
DK3724277T3 (da) * 2017-12-14 2022-01-24 Akzo Nobel Coatings Int Bv Underlag, belagt med et coatingsystem i flere lag, og fremgangsmåde til kontrol af akvatisk biobegroning på menneskeskabte objekter ved anvendelse af et sådan coatingsystem i flere lag
DE102020111278A1 (de) 2020-04-24 2021-10-28 Klebchemie M.G. Becker Gmbh & Co. Kg Reaktive Heißschmelzklebstoffzusammensetzungen basierend auf alpha-Silan-terminierten organischen Polymeren

Also Published As

Publication number Publication date
AU2021372804A1 (en) 2023-05-18
EP4237485A1 (de) 2023-09-06
WO2022090462A1 (de) 2022-05-05
CN116490585A (zh) 2023-07-25
DE102020128608A1 (de) 2022-05-05
MX2023004996A (es) 2023-05-12
CA3194083A1 (en) 2022-05-05
US20230383155A1 (en) 2023-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6138785B2 (ja) オルガニルオキシシラン末端ポリマーに基づく架橋性材料
DK1877459T4 (en) MOISTURIZING COMPOSITION WITH INCREASED EXTENSION
EP0625548B1 (en) Room-temperature-curable organopolysiloxane composition and method for its preparation
US9862867B2 (en) Alkoxy-functional organopolysiloxane resin and polymer and related methods for forming same
JP5969129B2 (ja) オルガニルオキシシラン末端を有する重合体を基剤とする多成分架橋性組成物
CN100432153C (zh) 有机聚硅氧烷组合物及其在室温可交联的低模量组合物内的用途
US8618235B2 (en) Silicone composition
US5700532A (en) Stable silicone coated fabric without adhesion promoter
CN106232576A (zh) 含脒基或含胍基的硅烷
AU2007242766A1 (en) Moisture-hardening compositions containing silane-functional polymers and aminosilane adducts
CA2644503A1 (en) Moisture-curing compositions containing silane-functional polymers with good adhesive properties
US9527959B2 (en) Moisture curable organopolysiloxane composition
EP3119847B1 (en) Alkoxy group-containing silicones with reactive functional groups of defined reactivity
CN106573234A (zh) 具有硅氧烷结构单元的交联催化剂
JP2019511585A (ja) オルガニルオキシシラン末端ポリマーをベースとする架橋性材料
JP2003528198A (ja) シリコーンアミノ−エポキシ架橋性システム
CN101381461B (zh) 基于有机硅化合物的可交联材料
JPH01100181A (ja) ポリアルコキシシリルアルキレンジシラザン及びその製法
JPS62252456A (ja) 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物
CN107771175A (zh) 用于可固化组合物的脒催化剂
JP2023551366A (ja) シラン末端含有ポリマーに基づく熱促進型接着剤組成物
KR20080083158A (ko) 알콕시실란 종결된 중합체를 함유하는 중합체 혼합물
CN107735438A (zh) 含胍基的催化剂
JP2023523937A (ja) アルファ-シラン末端有機ポリマーをベースとする反応性ホットメルト接着剤組成物
EP0106363A2 (en) Water resistant room temperature vulcanizable polyorganosiloxane compositions and method for preparing same

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A529

Effective date: 20230613