JP2023549382A - 口腔衛生製品のためのブラッシングコンポーネント - Google Patents

Abstract

ブラッシングコンポーネントが提供される。ブラッシングコンポーネントは、対称点に対して回転対称に配置された傾斜毛房の内側グループを備える。ブラッシングコンポーネントは、内側グループを包囲し、第２の対称点に対して回転対称性を有する傾斜毛房の外側グループのセットも備える。第１の対称点及び第２の対称点の両方は、支持面の長手軸上に位置する。提案されるコンポーネントは、従来のブラッシングコンポーネントよりも、ユーザの口腔面のより多くの部分に向上されたブラッシング性能を提供する。

Description

本発明は、口腔衛生製品の分野、より詳細には、歯ブラシなどの口腔衛生製品のためのブラッシングコンポーネントに関する。

多くの口腔衛生製品は、ユーザの歯を洗浄するためにブラッシングコンポーネントを用いる。広く使用されている例としては、手動及び電動の歯ブラシがあり、これらは、ブラシヘッドのプラテンに取り付けられた毛の房を含む。

ブラッシング性能は、ユーザによる毛の房の正確な位置付け、房のブラッシング角度、及び／又はブラッシング中に毛の房によって歯／歯肉面に与えられる圧力に大きく依存することがある。故に、歯科専門家及び歯科医師は、典型的には、最適な臨床結果を達成するための正確な配置及びブラッシング角度を指定する使用説明書（ＤＦＵ）を連絡する。

しかしながら、多くのユーザは、このような使用説明書を読まない。更には、これらの指示は、ユーザにとって、従ったり及び／又は覚えておいたりすることが困難であることがある。ブラッシングに関する研究から得られたデータは、ユーザが好ましい又は最適な角度でブラッシングしていないことを明確に示している。

本発明は特許請求の範囲によって定められる。

本発明の態様に従った実施例によると、口腔衛生製品のためのブラッシングコンポーネントが提供され、ブラッシングコンポーネントは、
支持面と；
支持面から延在し、第１の対称点に対して回転対称性を有するように配置された複数の傾斜毛房を備える毛房の内側グループと；
支持面から延在する複数の毛房の外側グループであって、各毛房の外側グループは１つ又は複数の傾斜毛房を備える、複数の毛房の外側グループと
を備え、
複数の毛房の外側グループは、毛房の内側グループを包囲するように配置され、更に、第２の対称点に対して回転対称性を有するように配置され、
第１の対称点及び第２の対称点の両方は、支持面の長手軸上に位置する。

従来のブラッシングコンポーネントにおいて、毛房は、典型的には、製造の容易さのために、ブラシヘッドのプラテンに垂直な向きに向けられている。しかしながら、全ての房が単一の方向に向けられていると、結果的なブラッシング性能が向きに依存することになり、故に、使用中に理想的なブラッシング角度からずれると、ブラッシング性能が低下する。データは、ユーザは理想的なブラッシング角度でブラッシングしないことを示唆している。一方、提案される実施形態は、使用中のブラッシング角度及び／又は向きに対する過敏さを減らしつつ、高いブラッシング性能を提供する。このようにして、実施形態は、適当な又は最適なブラッシング性能を確保しつつ、ユーザの自然な動作に対応し得る。

提案される実施形態によると、回転対称的に分布した傾斜毛房を提供することによって、毛房は、ユーザのブラッシング角度が典型的なＤＦＵに従っていなくても、高いブラッシング性能を提供することができる。従って、ブラッシング性能が、ユーザによる向きに依存することが少なくなる。例えば、対称的に広がる向きの傾斜毛房は、ブラシヘッド上のより多くの房が、種々の角度で面に接触することを保証し、故に、ユーザの動作に対して製品をより堅牢にする。加えて、ユーザの動作に対する堅牢性は、単一の次元においてだけもたらされるものではなく、ロール、ヨー、ピッチ角度のそれぞれの角度に適用される。更には、使用時に、より多くの房が、高い実施性能の角度で口腔面に接触し、それによって高い性能を保証する。

傾斜毛房の内側グループを、毛房の内側グループを包囲する傾斜毛房の外側グループとともに提供することは、ブラシヘッドの性能を向上させる。実際、実験データは、毛房の内側グループを包囲する複数の毛房の外側グループを提供することが、向上されたブラッシング性能をもたらすことを示している。更には、毛房の内側グループとこれを包囲する毛房の外側グループのセットとの提案される組み合わせによるブラッシング性能の向上は、これらの特徴を別々に使用した場合に提供される個々の性能向上の合計を上回っている。

いくつかの実施形態において、内側グループの複数の傾斜毛房は、ｎ回対称で対称的に配置され、ｎは１よりも大きな整数である。例えば、毛房の内側グループは、３回対称に配置された３つの傾斜毛房を備える。別の実施例において、毛房の内側グループは、４回対称の４つの傾斜毛房を備える。なおも別の実施例において、毛房の内側グループは、５回対称の５つの傾斜毛房を備える。このような対称的な配置は、ユーザによる向きに過敏でない性能をもたらす能力によって堅牢性の利益を可能とする。堅牢性の利益を得るために必要とされる対称的に配置される房の最小数は３である。

実施形態において、毛房の内側グループは、第１の対称点に位置する非傾斜毛房を備える。このような構造は、対称的に配置された房とともに使用されるときに、更なる堅牢性の利益を得ることを可能とする。

他の実施例において、第１の対称点及び第２の対称点は、互いに実質的に一致する。更なる実施例において、毛房のグループ及び毛房の第２のグループの毛の遠位端部は、凸形状のブラッシング面を定める。複数の対称点を、長手軸に沿って、又は実質的に同一の位置に位置させることは、追加的な製造プロセスの単純化を可能とする。また、追加的な房の凸形状の性質は、ユーザによる向きへの依存の減少を可能とする。

毛房の内側グループの毛の遠位端部は、凸形状のブラッシング面を定める。故に、提案される実施形態は、２つの特徴、すなわち、凸形状のブラッシング面生むように適合された毛房のグループ全体にわたる毛の先端、及び、回転対称な傾斜毛房の組み合わせに基づく。凸形状のブラッシング面の提供の結果、中央の房の高さが外側の房の高さよりも大きくなる。更に、回転対称な傾斜毛房は、最適なブラッシング性能のためのブラッシング向き及び／又は角度への依存性を減少させる。

実施形態は、ブラッシング性能を（同一の毛の長さの毛房を利用する従来のブラッシングコンポーネントに比べて）向上させるために凸形状のブラッシング面を提供するという概念を用いる。毛房のグループ全体にわたって毛の先端に凸形状を用いることで、ブラッシング中の口腔面との接触を最大化する（というのは、毛の先端が平らな／平面的なブラッシング面を定めるときよりも多くの房が口腔面に晒されるからである）ことを保証することを助けることが実現されている。このことは、洗浄するのが困難であることがある口の下側舌領域について特に有利である。提案される凸形状の面は、口の下側舌領域の丸まった／湾曲した面（すなわち、下前歯の後ろ面）との接触の増加を提供する。

更には、凸形状のブラッシング面は、ユーザがアクセスすることが困難な歯と歯肉線との間などの口腔面の隙間へのアクセス性を向上させることを可能とする（というのは、凸形状のブラッシング面は、平らな／平面的なブラッシング面よりも良好に口腔面の輪郭に一致するからである。）従って、実施形態は、口腔面のより多くの部分を同時に洗浄するように構成されている房によって、向上されたブラッシング性能を提供する。

提案される実施形態は、向上されたアクセス性及び凸形状のブラッシング面の増加されたブラッシング面積を、回転対称な傾斜毛房のユーザの動作に対する堅牢性と組み合わせて、従来のブラッシングコンポーネントよりも、ユーザの口腔面のより多くの部分にいっそう優れたブラッシング性能を提供する。実際、提案される実施形態による実験は、毛房の外側グループによって包囲された、回転対称な傾斜（内側）毛房の提案される配置によって相乗効果が提供されることを示している。つまり、特徴の提案される組み合わせのブラッシング性能における向上は、別々に使用されたときの特徴によって提供される個々の性能向上の合計を上回っている。

更には、いくつかの実施形態において、毛房のグループの毛の長さは、実質的に等しい。毛房の長さのこのような均一な性質は、単純化された製造プロセスを提供し、というのは、等しい長さの毛を用いた単一のユニットとして単一の毛房が製造され得るからである。

本発明の別の態様によると、提案される実施形態によるブラッシングコンポーネントを備える歯ブラシが提供される。

本発明のなおも別の態様によると、提案される実施形態によるブラッシングコンポーネントを備える口腔衛生製品が提供される。

本発明のこれらの及び他の態様は、本明細書において以下に説明される実施形態から明らかであり、これらを参照して明瞭にされるであろう。

次に、本発明のより良好な理解のために、及び、本発明がどのように実行に移されるかをより明確に示すために、添付の図面が例示のみを目的として参照される。

ブラッシングコンポーネントの２Ｄ平面図を図示する。 第２のブラッシングコンポーネントの２Ｄ平面図を、断面図とともに図示する。 ブラッシングコンポーネントが取り付けられた歯ブラシのヘッド端部の断面図を図示する。 図１において示されたブラッシングコンポーネントの上半分の２Ｄ平面図を、断面図とともに図示する。 毛房の（内側）グループが３つの傾斜毛房を備えるブラッシングコンポーネントの実施例を図示する。 毛房の（内側）グループが非傾斜毛房と５つの傾斜毛房とを備えるブラッシングコンポーネントの概念を図示する。 毛房の２つの（内側及び外側）グループがそれぞれ３つ及び６つの傾斜毛房を備えるブラッシングコンポーネントの概念を図示する。

本発明が図面を参照して説明される。

詳細な説明及び特定の実施例は、装置、システム及び方法の例示的な実施形態を示すが、例示のみを目的とすると意図されるものであり、本発明の範囲を限定すると意図されるものでないことが理解されるべきである。本発明の装置、システム及び方法のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面からより良好に理解されよう。特定の手段が互いに異なる従属請求項において記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。図面は単なる概略であって、縮尺通りに描かれていないことが理解されるべきである。図面全体を通じて同一の又は類似の部分を示すために同一の参照番号が使用されることも理解されるべきである。

本開示に従った実施態様は、広範なブラッシング角度について向上されたブラッシング性能の支援に関連するブラッシングコンポーネントのための毛房の様々な配置、適応例、及び／又は構成に関する。提案される概念によると、いくつもの可能な解決策が、個別に又は一緒に実現される。つまり、これらの可能な解決策は以下において個別に説明されるが、これらの可能な解決策のうちの２つ以上のものが１つの組み合わせ又は別の組み合わせにおいて実現され得る。

従って、提案される実施形態は、回転対称な傾斜毛房の毛の先端の全体にわたる凸形状のブラッシング面を提供することによって、ブラッシング性能を向上させる。それ故、実施形態は、ブラシヘッド及び歯ブラシなどの口腔衛生製品のために使用される。

口腔衛生製品のためのブラッシングコンポーネントは、典型的には、支持面（例えば、プラテン）に取り付けられた毛の房（すなわち、毛房）を備える。毛は単一のフィラメント、典型的にはナイロンであり、口腔面を洗浄するために使用される。故に、毛房は、緊密に束ねられたフィラメントの束であり、各毛の一端部はブラシヘッドに取り付けられ、各毛の他端部は自由端であり、口腔面の洗浄（毛によって口腔面のブラッシングすることによる）のために使用される。

傾斜毛房は、支持面に対して垂直でない角度でブラシヘッドに取り付けられた毛房である。つまり、傾斜毛房の毛は、支持面に対して９０°よりも小さく０°よりも大きな角度を形成する／定める。従って、傾斜毛房は、支持面に対して斜め向きの、傾けられた、又は傾斜された房を備えると考えられる。

次に、図１を参照すると、提案される概念によるブラッシングコンポーネントが説明される。図１は、提案される実施形態によるブラッシングコンポーネントの２Ｄ平面図（すなわち、上からみたブラッシングコンポーネントの図）を図示する。この例示的な実施形態のブラッシングコンポーネントは、口腔衛生製品、具体的には歯ブラシのためのものである。

ブラッシングコンポーネントは、剛性の支持面１００（例えば、プラテン１００）と、毛房のグループとを備える。毛房のグループは、（毛房の）グループの内側セット１２０及び外側セット１４０として配置される。各毛房は、支持面１００から延在し、使用中に（すなわち、ブラッシング中に）ユーザの口腔面と接触するように構成される。具体的には、（毛房の）グループの内側セット１２０は、第１の毛房の内側グループ１２２、第２の毛房の内側グループ１２４、及び第３の毛房の内側グループ１２６を備え、外側グループの外側セット１４０は、第４の毛房の外側グループ１４２、第５の毛房の外側グループ１４４、第６の毛房の外側グループ１４６及び第７の毛房の外側グループ１４８を備える。

第１の毛房の内側グループ１２２、第２の毛房の内側グループ１２４、及び第３の毛房の内側グループ１２６の各々は、支持面上のそれぞれの対称点に対して回転対称性を有するように配置された複数の傾斜毛房を備える。故に、第１の毛房の内側グループ１２２は、支持面上の対称点１２２ｐに対して回転対称性を有するように配置された複数の傾斜毛房を備える。傾斜毛房の回転対称性は、毛房の各グループが、ユーザによる向きと性能のばらつきとの両方に対してより堅牢な口腔面に対する洗浄を提供することを可能とする。

また、毛房の各グループについて、グループの毛の遠位端部は、凸形状のブラッシング面（すなわち、支持面１００に対して外側に湾曲している又は丸まっている面）を定める。毛房の各グループによって定められる凸形状のブラッシング面は、口腔面とブラッシング面との間の面接触を最大化することを可能とする。

加えて、第１から第３の毛房の内側グループ１２２から１２６は、ｎ回対称で対称的に配置された複数の傾斜毛房を備え、ｎは１よりも大きな整数である。

具体的には、図１の実施例において、第１の毛房の内側グループ１２２、第２の毛房の内側グループ１２４、及び第３の毛房の内側グループ１２６の各々は、４回対称の４つの傾斜毛房を備える。更には、第１の毛房の内側グループ１２２、第２の毛房の内側グループ１２４、及び第３の毛房の内側グループ１２６の各々は、内側グループの対称点に位置する（中央の）非傾斜毛房も備える。例えば、第１の毛房の内側グループ１２２は、第１の毛房の内側グループ１２２の対称点１２２ｐとその中心が実質的に一致するように位置する中央の非傾斜毛房を備える。

ｎ回対称に配置された傾斜された毛を中央の非傾斜毛房と組み合わせることによって、ブラッシング性能がユーザによる向きに依存することが少なくなる。ｎの値を増やすことで、この依存性が更に減少し、従って、堅牢性が向上する。堅牢性の利益を提供するｎの最小値は３であることが提案されており、必要とされる傾斜毛房の最小数は３であり、３回対称に配置される。

図１において描かれるように、第２の毛房の内側グループ１２４及び第３の毛房の内側グループ１２６も第１の毛房の内側グループ１２２のものと同一の配置を有する。従って、第２の毛房の内側グループ１２４及び第３の毛房の内側グループ１２６は各々が、４回対称の４つの傾斜毛房と、内側グループのそれぞれの対称点１２４ｐ、１２６ｐに位置する中央の非傾斜毛房とを備える。

第１の毛房の内側グループ１２２、第２の毛房の内側グループ１２４、及び第３の毛房の内側グループ１２６は、直線的アレイに配置され、互いから離間される。直線的な配置とは、第１の毛房の内側グループ１２２、第２の毛房の内側グループ１２４、及び第３の毛房の内側グループ１２６のそれぞれの対称点１２２ｐ、１２４ｐ、１２６ｐが支持面１００の長手軸１０２に沿って位置するというものである。

また、長手軸１０２はブラッシングコンポーネントの対称線と一致し、従って、毛房のグループの内側セット１２０によって提供されるブラッシング性能は、第１の毛房の内側グループ１２２、第２の毛房の内側グループ１２４、及び第３の毛房の内側グループ１２６の各々の全体にわたって均一であるだけでなく、ブラッシングコンポーネント自体にわたって均一である。従って、ブラッシングコンポーネントが提供する洗浄は、口腔面全体にさえもわたり、ブラッシング面全体にわたって不規則に分布した比較的毛房の密度が高いエリアに集中することがない。毛房の密度が高いエリアに集中すると、口腔面のあるエリアが他のエリアよりも多く洗浄されるので望ましくない。

ブラッシングコンポーネントは、（毛房の）（外側）グループのセット１４０を備える。外側セット１４０は、第４の毛房の外側グループ１４２、第５の毛房の外側グループ１４４、第６の毛房の外側グループ１４６及び第７の毛房の外側グループ１４８を備える。

第４の毛房の外側グループ１４２及び第７の毛房の外側グループ１４８は、支持面１００の長手軸の反対側の端部に位置し、各々が傾斜毛房を備える。第４の毛房の外側グループ１４２及び第７の毛房の外側グループ１４８について、傾斜毛房はブラッシングコンポーネントの中心点１２４ｐに向かって傾斜され、この中心点１２４ｐは第２の毛房の内側グループ１２４の対称点１２４ｐと実質的に一致する。

第５の毛房の外側グループ１４４及び第６の毛房の外側グループ１４６は、支持面１００の長手軸の反対側の側部に位置し、各々が非傾斜毛房を備える。

外側グループのセット１４０は、長手軸１０２に対して対称である。このようにして、複数の毛房の外側グループによる口腔面の洗浄は、ブラッシングコンポーネント全体にわたって均一である。

毛房の外側グループは、ブラッシングコンポーネントの面積を増加させるように実現され、ブラッシングコンポーネントは、ユーザの口腔のより大きな面積をカバーする。従って、各ブラッシングストロークによってユーザの口腔のより多くの部分がブラッシングされ、それによってブラッシング性能が向上される。

コンピュータシミュレーション及び実験室における研究は、組み合わされた特徴の間に相乗効果があることを立証している。この相乗効果は、各特長に関連する個々の性能向上の合計を上回るブラッシング性能における向上をもたらす。例えば、以下の表（表１）は、ブラッシングコンポーネントの様々な構成から得られる様々なブラッシング性能の向上を詳細に示している。

表１から、平らなブラッシング面を形成する回転対称な傾斜毛房は５％の性能向上しか提供しないことが分かる。更には、凸形状のブラッシング面を形成する非傾斜毛房は、如何なる性能向上も提供していない。しかしながら、回転対称な傾斜毛房が凸形状のブラッシング面を定めるように構成されたとき、更に５％の性能向上が得られる（結果的に、全部で１０％の性能向上がもたらされる）。故に、回転対称な傾斜毛房と凸形状のブラッシング面との提案される組み合わせから相乗効果が見られる。

図２は、第２のブラッシングコンポーネントの２Ｄ平面図を図示する。ブラッシングコンポーネントは、支持面２００と、支持面２００から延在する毛房のグループ２２０とを備える。毛房のグループ２２０は、支持面２００上の対称点２２０ｐに対して回転対称性を有するように配置された４つの傾斜毛房２２２、２２４、２２８、２３０を備える。毛房のグループ２２０は、グループ２２０の対称点２２０ｐに位置する単一の非傾斜毛房２２６を更に備える。故に、毛房のグループ２２０の配置は、図１の実施形態における第１の毛房のグループ１２２から第３の毛房のグループ１２６の各々と同一である。

線Ａ－Ａに沿った断面図２０１が、ブラッシングコンポーネントとともに図示されている。

傾斜毛房２２２、２２４、２２８、２３０は、支持面上の対称点２２０ｐに対して回転対称性を有するように配置される。故に、毛房のグループは、４回対称の４つの傾斜毛房を備える。平面図から、各傾斜毛房は、他の房から独立的な方向に傾斜されていることが分かる。

更には、断面図２０１において、各傾斜毛房の角度、従って、毛房２２２、２２４、２２８、２３０の長さ及び向きの違いも示されている。毛房２２２の向きは、毛房２２４に比べて傾斜されて描かれ、同様に、毛房２２８の向きは、毛房２３０に比べて傾斜されて描かれている。加えて、毛房２２４の傾斜の性質により、房の毛の長さは毛房２２２の毛の長さよりも短いように見え、同様に、毛房２３０の毛の長さは毛房２２８の毛の長さよりも短いように見える。しかしながら、毛房２２２、２２４、２２８、２３０の毛の長さは実質的に等しい。

毛房のグループ２２２、２２４、２２８、２３０の遠位端部は合わさって凸形状のブラッシング面２３２（例えば、より長い毛の長さを有する非傾斜毛房２２６に起因する）を定める。従って、ブラッシングコンポーネントは凸形状のブラッシング面から利益を得、ブラッシングコンポーネントと口腔面との間の最大面接触を可能とし、それによって、ブラッシング性能が向上する。加えて、凸形状のブラッシング面は、口腔面の輪郭に一致し、歯と歯肉線との間などの届くのが難しい口腔面の隙間へのより高いアクセス性を可能とする。

図３は、提案される実施形態による歯ブラシ３００のヘッド端部の断面図を図示する。歯ブラシは、長細状のシャフト３０２と、シャフト３０２の（遠位）端部の近くに取り付けられた歯ブラシヘッド３０４と、歯ブラシヘッド３０４上に支持されたブラッシングコンポーネント３２０とを備える。故に、ブラッシングコンポーネント３２０は歯ブラシヘッド３０４に固定され、歯ブラシヘッド３０４は歯ブラシシャフト３０２に固定される。

使用時に、ユーザは歯ブラシシャフト３０２を（近位端部において）保持して、彼／彼女の口腔面を洗浄するためにブラッシングコンポーネント３２０を使用する。

ブラッシングコンポーネント３２０は、支持面３２２と、支持面３２２から延在する毛房のグループ３２４とを備える。毛房のグループ３２４は、対称点３２０ｐに対して回転対称性を有するように配置された複数の傾斜毛房３２６を備える。傾斜毛房３２６は、ｎ回対称で対称的に配置され、ｎは１よりも大きな整数である。この場合、毛房のグループは、４回対称の４つの傾斜毛房３２６を備える。単一の非傾斜毛房３２８が対称点３２０ｐに位置する。

各個々の毛房３２６、３２８の遠位端部は、凸形状のブラッシング面を定める。加えて、毛房のグループ３２４の毛の遠位端部は合わさって凸形状のブラッシング面３３０を定める。すなわち、毛房のグループ３２４全体にわたる毛の長さは、支持面３２２に対して外側に湾曲した又は丸まったブラッシング面３３０を定めるように適合される。このことは、口腔面へのブラッシングコンポーネントのアクセス性を保証する。

図４は、図１において示されたブラッシングコンポーネントの上半分の断面図４０１を図示し、この図は、図４に図示された線Ｂ－Ｂに沿っている。ブラッシングコンポーネントは、支持面４００と、支持面４００から延在する毛房のグループ４２０とを備える。毛房のグループ４２０の毛の遠位端部は合わさって凸形状のブラッシング面４２２を定める。

図４の断面図４０１から、毛房のグループの凸形状のブラッシング面４２２はブラッシングコンポーネント全体に広がっていることが観察され得る。中央の長手軸４０２からの垂直的変位４０４が最も小さい毛房のグループが、最も長い毛の長さ４２４を有する。すなわち、毛の長さの平均は、中央の長手軸４０２からの距離が増すにつれて（非線形的に）減少する。

言い方を変えれば、毛房のグループの毛の長さは、中央の長手軸４０２からの垂直的変位４０４の大きさに反比例する。従って、長手軸４０２からの垂直的変位４０４が最も大きい毛房のグループが、最も短い毛の長さ４２６を有する。毛房のグループによって定められるブラッシング面４２２の凸形状の性質は、ブラッシング時に口腔面との最大接触を提供する。

４回対称で対称的に配置された傾斜毛房を有する１つ又は複数の毛房のグループを用いるものとして例示的な実施形態が上述されたが、実施形態は４回対称性を用いることに限定されるものではないことが理解されるべきである。すなわち、実施形態は対称点に対して回転ｎ回対称性を有するように配置された複数の傾斜毛房を備える毛房のグループを用い、ｎは１よりも大きな整数であることが提案される。

実施例として、図５によって描かれているように、ｎは３でもよく、毛房の内側グループは、３回対称に配置された３つの傾斜毛房を備える。

図５は、例示的な実施形態によるブラッシングコンポーネントのための毛房の内側グループ５００を図示する。毛房の内側グループ５００は、（それぞれの第１の矢印５０４ａ、第２の矢印５０４ｂ、第３の矢印５０４ｃによって示されるように）異なる方向に傾斜された第１の毛房５０２ａ、第２の毛房５０２ｂ及び第３の毛房５０２ｃを備える。傾斜毛房５０２ａ、５０２ｂ、５０２ｃは、対称点５０６ｐに対して回転対称性を有するように配置される。具体的には、毛房５０２ａ、５０２ｂ、５０２ｃの内側グループ５００は、３回対称性を有するように配置される。

更なる実施例として、図６によって描かれているように、ｎは５でもよく、毛房の内側グループは、５回対称に配置された５つの傾斜毛房を備える。

図６は、例示的な実施形態によるブラッシングコンポーネントのための毛房の内側グループ６００を図示する。毛房の内側グループ６００は、（それぞれの第１の矢印６０４ａ、第２の矢印６０４ｂ、第３の矢印６０４ｃ、第４の矢印６０４ｄ、第５の矢印６０４ｅによって示されるように）異なる方向に傾斜された第１の毛房６０２ａ、第２の毛房６０２ｂ、第３の毛房６０２ｃ、第４の毛房６０２ｄ及び第５の毛房６０２ｅを備える。傾斜毛房６０２ａ、６０２ｂ、６０２ｃ、６０２ｄ、６０２ｅは、対称点６０６ｐに対して回転対称性を有するように配置される。具体的には、毛房６０２ａ、６０２ｂ、６０２ｃ、６０２ｄ、６０２ｅの内側グループ６００は、５回対称性を有するように配置される。毛房の内側グループ６００は、その中心が対称点６０６ｐに位置する非傾斜毛房６０８も備える。

なおも更なる実施例として、代替的な実施形態は、毛房の内側及び外側グループを備え、毛房の外側グループは内側グループを包囲し、２つの異なるグループは、回転対称性を有するように配置されるが、ｎの値が異なっている。例えば、図７によって描かれるように、毛房の外側グループについてｎは６であり、内側グループについてｎは３である。このように、毛房の外側グループは６回対称に配置された６つの傾斜毛房を備え、毛房の内側グループは３回対称に配置された３つの傾斜毛房を備える。

具体的には、図７は、（それぞれの矢印７０４によって示されるように）異なる方向に傾斜され、６回対称性を有するように配置された６つの毛房を備える第１の毛房の外側グループ７０２を図示する。第１の毛房の外側グループ７０２は、第２の毛房の内側グループ７０６（図７において、網掛けによって第１の外側グループから区別される）の周りに配置される（すなわち、第２の毛房の内側グループ７０６を包囲する）。第２の毛房の内側グループ７０６は、（それぞれの矢印７０８によって示されるように）異なる方向に傾斜され、３回対称性を有するように配置された３つの毛房を備える。第１の毛房の外側グループ７０２及び第２の毛房の内側グループ７０６の両方は、同一の対称点７１０ｐに対して回転対称性を有する。

すなわち、第１の毛房の外側グループ７０２及び第２の毛房の内側グループ７０６の対称点７１０ｐは、互いに実質的に一致する。

特許請求された発明を実践するにあたって、図面、本開示、及び添付の特許請求の範囲を検討することにより、開示された実施形態に対する変形例が、当業者によって理解及び実行され得る。特許請求の範囲において、「備える」という語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形の要素は、複数性を排除するものではない。

特定の手段が互いに異なる従属請求項において記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。特許請求の範囲又は説明において「適合される」という語が使用されているならば、「適合される」という語は「構成される」という語と等価であると意図されることに留意されたい。請求項における任意の参照記号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。

Claims (15)

1. 口腔衛生製品のためのブラッシングコンポーネントであって、前記ブラッシングコンポーネントは、
   支持面と、
   前記支持面から延在し、第１の対称点に対して回転対称性を有するように配置された複数の傾斜毛房を備える毛房の内側グループと、
   前記支持面から延在する毛房の外側グループのセットであって、各毛房の外側グループは１つ又は複数の傾斜毛房を備える、毛房の外側グループのセットと
   を備え、
   前記毛房の外側グループのセットは、前記毛房の内側グループを包囲するように配置され、更に、第２の対称点に対して回転対称性を有するように配置され、
   前記第１の対称点及び前記第２の対称点の両方は、前記支持面の長手軸上に位置する、ブラッシングコンポーネント。
2. 前記第１の対称点及び前記第２の対称点は、互いに実質的に一致する、請求項１に記載のブラッシングコンポーネント。
3. 前記毛房の内側グループの前記複数の傾斜毛房は、ｎ回対称で対称的に配置され、ｎは１よりも大きな整数である、請求項１に記載のブラッシングコンポーネント。
4. ｎは３以上の整数である、請求項３に記載のブラッシングコンポーネント。
5. 前記毛房の内側グループは、３回対称に配置された３つの傾斜毛房を備える、請求項３に記載のブラッシングコンポーネント。
6. 前記毛房の内側グループは、４回対称の４つの傾斜毛房を備える、請求項３に記載のブラッシングコンポーネント。
7. 前記毛房の内側グループは、５回対称の５つの傾斜毛房を備える、請求項３に記載のブラッシングコンポーネント。
8. 前記毛房の内側グループは、前記対称点に位置する非傾斜毛房を備える、請求項１から７のいずれか一項に記載のブラッシングコンポーネント。
9. 前記毛房の内側グループの毛の遠位端部は、凸形状のブラッシング面を定める、請求項１から８のいずれか一項に記載のブラッシングコンポーネント。
10. 毛房の前記毛の長さは実質的に等しい、請求項１から９のいずれか一項に記載のブラッシングコンポーネント。
11. 前記複数の毛房の外側グループは、ｎ回対称で対称的に配置され、ｎは１よりも大きな整数である、請求項１から１０のいずれか一項に記載のブラッシングコンポーネント。
12. 前記毛房の外側グループのセットは、５回対称に配置された５つの毛房の外側グループを備える、請求項１１に記載のブラッシングコンポーネント。
13. 前記支持面から延在する第２の毛房の内側グループであって、前記第２の毛房の内側グループは、第２の対称点に対して回転対称性を有するように配置された第２の複数の傾斜毛房を備える、第２の毛房の内側グループを更に備え、
    前記複数の毛房の外側グループは、前記第２の毛房の内側グループを包囲するように配置される、請求項１から１２のいずれか一項に記載のブラッシングコンポーネント。
14. 前記毛房の内側グループ及び前記第２の毛房の内側グループの毛の遠位端部は、凸形状のブラッシング面を定める、請求項１３に記載のブラッシングコンポーネント。
15. 請求項１から１４のいずれか一項に記載のブラッシングコンポーネントを備える、歯ブラシ。

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