JP2023545697A - ヘッドアップディスプレイのための乗り物ペイン - Google Patents

Abstract

【課題】乗り物ペインの提供。【解決手段】設置された状態において、外部環境（１３）に面する外面（Ｉ）と、乗り物内部に面する内面（ＩＶ）とを有する、ヘッドアップディスプレイ（１００）のための乗り物ペイン（１）であって、－少なくとも１つの透明なペイン（２，３）、－前記ペイン（２，３）の端部領域（１１）における少なくとも１つのマスキングストリップ（５）、－印刷によって適用された、光を反射させるための少なくとも１つの反射層（９）であって、マスキングストリップ（５）の領域において、マスキングストリップの、乗り物の内部側に配置されている反射層（９）を含む、乗り物ペイン（１）。【選択図】図１

Description

本発明は、ヘッドアップディスプレイのための乗り物ペイン、その製造方法、及びその使用、並びに乗り物ペインを含むヘッドアップディスプレイ、及び対応して装備された乗り物に関する。

例えば、ＤＥ １０ ２００９ ０２０８２４Ａ１から知られているように、乗り物、特に乗用車には、いわゆるヘッドアップディスプレイ（ＨＵＤ）がますます装備されている。ヘッドアップディスプレイは、見る人又はドライバーに画像情報を表示するために提供される。画像生成器としてのプロジェクターにより、例えば、ダッシュボードの領域又はルーフ領域において、画像が、ウィンドシールドの上に投影され、そこで反射され、ドライバーによってウィンドシールドの後ろの仮想イメージとして知覚される。したがって、重要な情報、例えば、現在の走行速度、ナビゲーション、又は警告メッセージをドライバーの視野に投影することができ、ドライバーは、道路から視線をそらす必要なくこれらを知覚することができる。したがって、ヘッドアップディスプレイは、交通安全の向上に大きく貢献できる。

通常、乗り物ウィンドシールドは、熱可塑性フィルムを介して互いにラミネートされた２つのガラスペインからなる。上記のヘッドアップディスプレイを用いる場合、プロジェクター画像がウィンドシールドの両方の表面で反射されるという問題が生じる。したがって、ドライバーは、ウィンドシールドの内側表面に対する反射（一次反射）によって引き起こされる所望の一次画像だけを知覚するわけではない。ドライバーは、わずかにオフセットされた二次画像も知覚し、これは、通常強度が比較的弱く、ウィンドシールドの外側表面に対する反射（二次反射）によって引き起こされるものである。この問題は、一般に、反射表面を、一次画像と二次画像とが一致するように慎重に選択された互いに対する角度で配置するということで解決され、その結果、二次画像は、もはやひどく顕著なものではない。

また、透明な電気伝導性コーティングを備える乗り物ペインを提供することも知られている。これらのコーティングは、例えば、乗り物内部の加熱を低減し、ひいては熱快適性を改善するＩＲ反射コーティングとして作用することができ、または電圧源にそれらを接続して、電流がコーティングを流れるようにすることによって、加熱可能なコーティングとして用いることができる。複合ガラスの内部に伝導性コーティングを有するウィンドシールドは、ヘッドアップディスプレイに関して、伝導性コーティングが、プロジェクター画像に対する追加の反射境界面表面を形成するという問題を有する。これは、望ましくない二次画像ももたらす。

ヘッドアップディスプレイを設計する際、投影画像が、特に、太陽光入射の場合に十分な輝度を有し、見る人によって容易に認識可能であるように、プロジェクターが、対応して高い出力を有することを保証するように、さらに注意を払う必要がある。これは、プロジェクターの一定のサイズを要求し、対応する電力消費と関連する。

ヘッドアップディスプレイに関する別の問題は、複合ペインから反射される光の偏光である。一般に、ガラスからの反射の場合、入射面に対して垂直に偏光された（ｓ偏光の）光の割合が増加し、通常、見る人が偏光レンズを備えるサングラスを着用している場合、ＨＵＤディスプレイが見えないか、少なくともあまり見えないという事実をもたらす。ヘッドアップディスプレイの画像を認識可能とするために、サングラスをはずす必要がある。

対照的に、本発明の目的は、改善されたヘッドアップディスプレイの提供にあり、これにより、これらの欠点を回避することができる。例えば、望まれない二次画像が生じないヘッドアップディスプレイであって、乗り物におけるその構造が、表示される画像情報の十分な輝度及びコントラストを有する良好な認識性で、比較的容易に実装されることができるヘッドアップディスプレイを有することが望ましい。加えて、エネルギー消費は比較的低いのがよく、さらに、ＨＵＤディスプレイは、偏光レンズを備えるサングラスを用いた場合でさえ認識可能であるのがよい。さらに、ヘッドアップディスプレイは、乗り物の産業的な重大な製造において、製造するのが容易で経済的であるのがよい。

これら及び他の目的は、等位の請求項に係る、乗り物ペイン及びそのような乗り物ペインを備えるヘッドアップディスプレイ、並びにそれに対応して装備された乗り物によって、本発明の提案に従って達成される。本発明の有利な実施態様は、従属クレームから明らかになる。

本発明によれば、乗り物の外部環境から乗り物内部を分離する機能を果たす乗り物ペインが示される。乗り物ペインは、少なくとも１つの透明なペインを含む。原則として、乗り物ペインは、任意の所望の形態で実装することができ、特に、熱的に強化された単一ペイン安全ガラス又は複合ペインとして実装することができる。好ましくは、乗り物ペインは、乗り物ウィンドシールドとして機能する。

好ましくは、本発明に係る乗り物ペイン、特に乗り物ウィンドシールドは、複合ペインとして実装され、外面及び内面を有する第一のペインと、内面及び外面を有する第二のペインとを含み、これらは、少なくとも１つの熱可塑性の中間層（接着層）によって、互いに固定して連結される。第一のペインは、「外側のペイン」と呼ばれることもあり；第二のペインは、「内側のペイン」と呼ばれることもある。外側から内側まで、２つの個々のペインの表面又は面は、一般に、第Ｉ面、第ＩＩ面、第ＩＩＩ面、及び第ＩＶ面と呼ばれる。

本発明に係る乗り物ペインは、乗り物に設置された状態において、外部環境に面する外面と、乗り物内部に面する内面とを有する。複合ペインとして実装された乗り物ペインにおいて、第一のペインの外面は、乗り物ペインの外面であり、第二のペインの内面は、乗り物ペインの内面である。

本発明に係る乗り物ペインは、端部領域において、少なくとも１つのマスキングストリップを有し、これは、典型的には、ペインのペイン端部に隣接する。少なくとも１つのマスキングストリップは、１つ又は複数の層を含むコーティングであり、これがない場合に、設置された状態でペインを通して認識可能な構造を隠すために用いられる。特に、ウィンドシールドの場合、マスキングストリップは、ウィンドシールドを乗り物のボディに接着するための接着ビーズを隠す働きをし、すなわち、通常は不規則に適用される接着ビーズが外側で見えることを防止して、その結果、ウィンドシールドの調和した全体的な印象が作り出される。他方では、マスキングストリップは、用いられる接着剤材料に対するＵＶ保護として機能する。ＵＶ光による照射を継続すると、接着剤が損傷し、経時で、乗り物のボディへのペインの結合が緩まる。

少なくとも１つのマスキングストリップは、有色、好ましくは黒色の材料を含み、この材料は、好ましくは、ペインへベークすることができる。好ましくは、少なくとも１つのマスキングストリップは、特に、例えば、接着ビーズに対して、視覚的保護及びＵＶ保護として機能するように、不透明である。電気的に制御可能な機能層を含むペインの場合、マスキングストリップは、例えば、バスバー及び／又は接続素子をカバーするために用いることもできる。

本発明の文脈において、「透明」とは、乗り物ペインの全透過率が、ウィンドシールドの法規定に従っており、好ましくは可視光に対して７０％より大きい透過率、特に、７５％より大きい透過率、例えば、９５％より大きい透過率を有することを意味する。これに対応して、「不透明」とは、３０％未満、特に、２５％未満、例えば、５％未満、特に、０％の光透過率を意味する。

本発明に係る乗り物ペインは、乗り物内部に光を反射させるための少なくとも１つの反射層（ミラー層）をさらに含む。ここで、反射層は、マスキングストリップの領域において、マスキングストリップの、乗り物の内部側に配置されることが必要である。したがって、乗り物ペインの内面に向かって見た場合、反射層は、マスキングストリップの前に位置している。

「マスキングストリップの領域において」という表現は、乗り物ペインを通して直角に、又はペインを通して直交射影で見た場合、反射層が、マスキングストリップをカバーしているか重なっているように配置されることを意味する。反射層及び少なくとも１つのマスキングストリップは、乗り物ペインの異なる側、又は乗り物ペインの同じ側に配置することができる。反射層は、マスキングストリップと重ならないセクションを有さず、すなわち、反射層は、乗り物ペインの内面に向かって見た場合、それがマスキングストリップの前に位置している場所でのみ形成される。

「乗り物内部に光を反射させる」という表現は、乗り物に乗り物ペインが設置された状態を指す。反射光は、乗り物ペインの内面上で、乗り物ペインを離れる。

乗り物に乗り物ペインが設置された状態において、乗り物内部に配置された画像表示デバイスは、少なくとも１つの反射層と関連付けられる。画像表示デバイスは、画像ディスプレイを含み、その画像は、反射層に衝突し、反射層によって乗り物内部に反射される。画像表示デバイスは、ディスプレイと呼ばれることもあり、ＴＦＴディスプレイ、ＬＥＤディスプレイ、ＯＬＥＤディスプレイ、ＥＬディスプレイ、μＬＥＤディスプレイなどとして実装することができる。

反射層は、画像表示デバイスからの光を反射させるために適切に設計される。反射層は、入射光を反射するペインのコーティングであり、好ましくは、少なくとも１種の元素金属及び／又は少なくとも１種の金属酸化物を含むか、これからなる。金属は、好ましくは、アルミニウム、スズ、チタン、銅、クロム、コバルト、鉄、マンガン、ジルコニウム、セリウム、イットリウム、銀、金、白金、及びパラジウム、又はこれらの混合物からなる群から選択される。

反射層を製造するために、ペーストが、例えば、ＣＶＤ法などの気相堆積法、大気圧プラズマコーティング法、スプレー（スプレーコーティング）、又はゾル／ゲル法、及び任意選択的に、後のベーキング又は焼き戻しによって、ペインに適用される。好ましくは、ペーストは、印刷、特に、スクリーン印刷、パッド印刷又はオフセット印刷によって、ペインに適用される。次いで、適用されたペーストは、ベークされ、すなわち、熱処理によって圧縮される。有利には、適用されたペーストは、５０℃～１８０℃の温度で乾燥され、２００℃～１０００℃、特に、４００℃～７００℃の温度で焼成される。

ペーストは、少なくとも１種の金属が複合体として主に結合される、印刷可能な金属溶液を含む。ペーストは、溶媒、好ましくは、アルコール、グリコール、プロピレングリコール、及びこれらの誘導体から選択される溶媒、並びに／又は増粘剤、好ましくはセルロース誘導体若しくはポリアクリル酸をさらに含むことができる。

反射層を製造するためのそのようなペーストは、例えばＦｅｒｒｏ ＧｍｂＨ社から、市販で入手可能である。加えて、そのようなコーティングは、特許文献により知られている（例えば、ＷＯ２００５／０６３６４５を参照のこと）。

例えば、反射層は、少なくとも１種の金属酸化物、任意選択的に、少なくとも１種の溶媒及び／又は少なくとも１種の増粘剤、並びに不可避不純物からなり、反射層における不可避不純物の割合は、５質量％未満であり、好ましくは１質量％未満である。反射層における金属酸化物含有量は、好ましくは少なくとも７０％、好ましくは少なくとも８０％、特に、少なくとも９０％である。

反射層は、有利には、ペイン上の光の単なる反射と比較して、反射光の特性を改善することができる。

本発明の有利な実施態様において、反射層は、法線に対して６５°の入射角で測定される、１５％より大きい、好ましくは２５％以上の、可視波長領域における光の全反射率（Ｒ_Ｌ）を有する。ここで、光は、好ましくは、可視波長領域のｓ偏光及びｐ偏光を含む。

したがって、反射光の割合は比較的高く、光の反射率（Ｒ_Ｌ）は、例えば、およそ２５％である。

加えて、入射面内に偏光された光（ｐ偏光）の比較的高い割合も、有利には、反射されることができる。

本発明の別の有利な実施態様において、反射層は、法線に対して６５°の入射角で測定される、５％より大きい、好ましくは１５％より大きい、可視波長領域におけるｐ偏光の反射率（Ｒ_ｐ－Ｌ）を有する。

本発明の文脈において、可視波長領域は、好ましくは、３８０ｎｍ～７８０ｎｍである。

特に好ましくは、上述の反射値は、光源によって用いられる波長領域におけるｓ偏光及びｐ偏光、又はｐ偏光に当てはまる。

本発明は、少なくとも１つの典型的には不透明なマスキングストリップと重なった反射層が、マスキングストリップに対する高いコントラストでの良好な画像表示を可能にし、その結果、それは明るく見え、さらに、ひいては、良好に認識可能となるという発見に基づく。有利には、これは、画像表示デバイスの出力の低減を可能にし、その結果、エネルギー消費が低減される。これは、本発明の主な利点である。

本発明に係るヘッドアップディスプレイは、特に、乗り物ペインの比較的小さい領域だけに反射層を提供する必要がある場合、コスト効率が良く、技術的に簡単に実装することができる。

少なくとも１つのマスキングストリップは、好ましくは、少なくとも１つのペインに、印刷、特にスクリーン印刷によって適用される。印刷インクは、ペイン上に印刷され、その後、例えば、最大７００℃で、乾燥されるか、ベークされる。印刷インクは、好ましくは、光、溶媒、及び摩擦に対して恒久的に耐性がある。少なくとも１つのマスキングストリップは、特に、様々なサイズのドットに移行できる。これらのいわゆる「スクリーン印刷ドット」は、ブラックスクリーン印刷された端部の視覚的にベタの印象を解消することを意図する。

少なくとも１つのマスキングストリップは、好ましくは黒色であり、ブラックプリント又はマスキングプリントと呼ばれることもある。マスキングストリップの材料は、他の一般的な適用方法、たとえばブラシ、ロール、スプレーなどによってペインに適用することもでき、次いで、好ましくはベークされる。

乗り物ペインの好ましい実施態様によれば、少なくとも１つのマスキングストリップは、単層からなる。これは、乗り物ペインの特に簡単で経済的な製造という利点を有する。なぜならば、単層だけをマスキングストリップのために形成する必要があるからである。

少なくとも１つのマスキングストリップは、原則として、ペインの各側に適用することができる。複合ペインの場合、それは、好ましくは、第一のペインの内面（第ＩＩ面）又は第二のペインの内面（第ＩＩＩ面）に適用され、それは、外部影響から保護される。特に好ましくは、第一のペインの内面（第ＩＩ面）に適用される。

複合ペインの形態で実装される本発明に係る乗り物ペインの好ましい実施態様によれば、反射層は、第二のペインの外面（第ＩＶ面）に取り付けられ、特に容易な製造を可能にする。本発明者らは、この構造で、反射光の割合が特に高いことを実証することができた。加えて、邪魔な二次画像を回避することができる。反射層は、通常、風化に対してかなり強いが、反射層を、外部影響から保護するために、カバー層、特に、ポリマー層又はガラス層によってカバーすることができる。ガラス層は、特に、熱可塑性の中間層によって、複合ペインに取り付けることができる。

複合ペインの形態で実装される本発明に係る乗り物ペインの別の好ましい実施態様によれば、反射層は、第二のペインの内面（第ＩＩＩ面）に取り付けられ、反射層が外部影響から保護されるという利点を有する。

複合ペインの形態で実装される本発明に係る乗り物ペインの別の好ましい実施態様によれば、反射層は、第一のペインの内面（第ＩＩ面）に取り付けられ、すなわち、（不透明な）マスキング層の上に取り付けられる。本発明者らが、驚くべきことに実証することができたように、この構造で、ｐ偏光を含む反射光の割合は特に高く、それは、偏光レンズを備えるサングラスを用いた場合でさえ、ＨＵＤディスプレイがはっきりと見えるという利点を有する。１つ又は複数の他の層を、マスキング層と反射層との間に配置することができる。代わりに、反射層は、マスキング層に直接適用することができる。

本発明に係る乗り物ペインの別の好ましい実施態様によれば、第一のペインの内面（第ＩＩ面）上の（不透明な）マスキングストリップに加えて、少なくとも１つのさらなるマスキングストリップが、第二のペインの内面（ＩＩＩ）及び／又は第二のペインの外面（ＩＶ）に配置される。さらなるマスキングストリップは、ペインの接着を改善する機能を果たし、好ましくは、セラミック粒子と混合され、この粒子は、マスキングストリップに荒い接着表面を与え、これは、第ＩＶ面で、例えば、乗り物のボディへの乗り物ペインの接着を支持する。第ＩＩＩ面で、これは、複合ペインの２つの個々のペインのラミネート加工を支持する。好ましくは、第ＩＩ面に配置されたマスキングストリップも、セラミック粒子と混合される。第二のペインの外面（第ＩＶ面）に適用されるさらなるマスキングストリップを、例えば、反射層の端部を隠すか、透明領域への移行の端部を設計するように、審美的な理由のために提供することもできる。

反射層が、第ＩＩ面で不透明なマスキングストリップと重なるように配置されるセクションにおいて、好ましくは、マスキングストリップは、好ましくは拡張部を備え、言いかえれば、他のセクションよりも大きい幅（延在方向に対して垂直な寸法）を有する。このように、マスキングストリップは、反射層の寸法に適切に適合させることができる。

少なくとも１つのペインは、好ましくは、ガラス、特に好ましくは板ガラス、フロートガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、アルミノシリケートガラス、又は透明なプラスチック、好ましくは剛直な透明なプラスチック、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、及び／又はこれらの混合物を含有するか、これで製造されている。適切なガラスは、例えば、ＥＰ ０ ８４７ ９６５ Ｂ１から知られている。

少なくとも１つのペインは、透明であってよく、染色されているか、着色されていてもよい。ウィンドシールドは、中心視野において、十分な光透過率、好ましくは、ＥＣＥ－Ｒ４３に従って、主な透視領域Ａにおいて少なくとも７０％の光透過率を有する必要がある。少なくとも１つのペインは、好ましくは曲げられ；言いかえれば、それは、曲率を有する。

少なくとも１つのペインは、それ自体が知られているさらなる適切なコーティング、例えば、反射防止コーティング、こびりつき防止コーティング、ひっかき傷防止コーティング、光触媒コーティング、又は太陽光保護コーティング、又は低Ｅコーティングを有することができる。

少なくとも１つのペインの厚さは、幅広く種々の値であってよく、個々の場合の要求に適合させることができる。好ましくは、１．０ｍｍ～２５ｍｍ、好ましくは１．４ｍｍ～２．１ｍｍの標準厚さを有するペインが用いられる。ペインのサイズは、幅広く種々の値であってよく、用途に依存する。

乗り物ペインは、所望されるあらゆる３次元形状を有することができる。好ましくは、少なくとも１つのペインは、シャドーゾーンを有さず、その結果、それは、例えば、カソードスパッタリングによってコーティングされることができる。好ましくは、少なくとも１つのペインは、平坦であるか、１つ又は複数の空間的な方向に、わずかに又は強く曲がっている。少なくとも１つのペインは、無色であってよく、有色であってもよい。

少なくとも１つの熱可塑性の中間層は、少なくとも１種の熱可塑性プラスチック、好ましくは、ポリビニルブチラール（ＰＶＢ）、エチレン酢酸ビニル（ＥＶＡ）、及び／若しくはポリウレタン（ＰＵ）、又はこれらのコポリマー若しくは誘導体を含有するか、これで製造されており、任意選択的に、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）との組み合わせを含有するか、これで製造されている。しかし、熱可塑性の中間層は、例えば、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリアクリレート、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリカーボネート（ＰＣ）、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリアセテート樹脂、注型用樹脂、アクリレート、フッ素化エチレン－プロピレン、ポリフッ化ビニル、及び／若しくはエチレンテトラフルオロエチレン、又はこれらのコポリマー若しくは混合物を含有することもできる。

熱可塑性の中間層は、好ましくは、ポリビニルブチラール（ＰＶＢ）、特に好ましくは、ポリビニルブチラール（ＰＶＢ）及び可塑剤などの当業者に知られている添加剤を含有するか、これで製造されている。好ましくは、熱可塑性の中間層は、少なくとも１種の可塑剤を含有する。

可塑剤は、プラスチックをより柔らかく、より柔軟に、より滑らかに、かつ／またはより弾性にする化合物である。それらは、プラスチックの熱弾性領域をより低い温度にシフトさせ、その結果、プラスチックが、使用温度の領域で、所望のより弾性的な特性を有するようになる。好ましい可塑剤は、カルボン酸エステルであり、特に、低揮発性のカルボン酸エステル、脂肪、油、軟質樹脂、及びショウノウである。他の可塑剤は、好ましくは、トリ－又はテトラエチレングリコールの脂肪族ジエステルである。可塑剤として特に好ましく用いられるのは、３Ｇ７、３Ｇ８、又は４Ｇ７であり、ここで最初の数字は、エチレングリコール単位の数を示し、最後の数字は、化合物のカルボン酸部分の炭素原子の数を示す。したがって、３Ｇ８は、トリエチレングリコール－ビス－（２－エチルヘキサノエート、言いかえれば、式Ｃ_４Ｈ_９ＣＨ（ＣＨ_２ＣＨ_３）ＣＯ（ＯＣＨ_２ＣＨ_２）_３Ｏ_２ＣＣＨ（ＣＨ_２ＣＨ_３）Ｃ_４Ｈ_９の化合物を表す。

好ましくは、熱可塑性の中間層は、少なくとも、少なくとも３質量％、好ましくは少なくとも５質量％、特に好ましくは少なくとも２０質量％、さらにより好ましくは少なくとも３０質量％、特に、少なくとも４０質量％の可塑剤を含有する。可塑剤は、好ましくは、トリエチレングリコール－ビス－（２－エチル）ヘキサノエートを含有するか、これで製造されている。

より好ましくは、熱可塑性の中間層は、少なくとも６０質量％、特に好ましくは少なくとも７０質量％、特に、少なくとも９０質量％、例えば、少なくとも９７質量％のポリビニルブチラールを含有する。

熱可塑性の中間層は、単一のフィルムによって形成することも、１つより多くのフィルムによって形成することもできる。

熱可塑性の中間層は、互いに上下に配置された、１つ又はそれより多くの熱可塑性フィルムによって形成することができ、熱可塑性の中間層の厚さは、０．２５ｍｍ～１ｍｍであり、典型的には、０．３８ｍｍ又は０．７６ｍｍである。しかし、透明な接着剤の場合、厚さがおよそ１０μｍであることも想定され得る。

熱可塑性の中間層は、機能的な熱可塑性の中間層、特に、音響減衰特性を有する中間層、赤外線放射反射中間層、赤外線放射吸収中間層、及び／又は紫外線放射吸収中間層であってもよい。例えば、熱可塑性の中間層は、可視光の狭い帯域を遮るバンドフィルターフィルムであってもよい。

本発明はさらに、本発明に係る乗り物ペインを備えるヘッドアップディスプレイに及ぶ。ヘッドアップディスプレイは、反射層に関連付けられかつ反射層に向けられる画像ディスプレイを有する画像表示デバイスを含み、その画像は、反射層によって乗り物内部に反射される。複数の反射層が提供される場合、対応する数の画像表示デバイスを提供することができる。

本発明はさらに、本発明に係るヘッドアップディスプレイを備える乗り物に及ぶ。

本発明はさらに、本発明に係る乗り物ペインを製造する方法に及ぶ。方法は、
（ａ）少なくとも１つのマスキングストリップを少なくとも１つのペインの端部領域に適用すること、
（ｂ）マスキングストリップの、乗り物の内部側で、マスキングストリップの領域において、乗り物内部に光を反射させるための少なくとも１つの反射層を配置すること
を含む。

少なくとも１つのマスキングストリップは、好ましくは印刷、特にスクリーン印刷によって、又は他の一般的な適用方法、たとえばブラシ、ロール、スプレーなどによって、少なくとも１つのペイン上に適用され、次いで、好ましくはベークされる。反射層は、好ましくは、印刷によって適用され、ベークされる。

複合ペインを製造するために、好ましくは、少なくとも２つのペインは、好ましくは、熱、減圧、及び／又は圧力の作用下で、少なくとも１つの熱可塑性接着剤層によって、互いに連結される（ラミネートされる）。それ自体が知られている方法は、複合ペインを製造するために用いることができる。例えば、いわゆるオートクレーブ法は、およそ２時間にわたって、およそ１０ｂａｒ～１５ｂａｒの高圧かつ１３０℃～１４５℃の温度で実施することができる。それ自体が知られている減圧バッグ又は減圧リング法は、例えば、およそ２００ｍｂａｒかつ１３０℃～１４５℃にて操作する。２つのペイン及び熱可塑性の中間層を、少なくとも１組のローラー間のカレンダーにおいてプレスして、複合ペインを形成することもできる。複合ペインを製造するためのこのタイプの施設は知られており、通常、プレスの上流に少なくとも１つの加熱トンネルを有する。プレス操作中の温度は、例えば、４０℃～１５０℃である。カレンダー加工とオートクレーブ法との組み合わせは、特に、実際には有用であると分かった。代わりに、減圧ラミネート装置を用いることができる。これらは、１つ又はそれより多くの加熱可能で脱気可能なチャンバからなり、そこでは、第一のペイン及び第二のペインを、例えば、約６０分以内で、０．０１ｍｂａｒ～８００ｍｂａｒの減圧かつ８０℃～１７０℃の温度にてラミネートすることができる。

本発明はさらに、陸上、空中、又は水上の交通のための乗り物、特に、自動車における本発明に係る乗り物ペインの使用に及ぶ。本発明によれば、乗り物ウィンドシールドとしての乗り物ペインの使用が好ましい。

複合ペインは、有利には、乗り物のウィンドシールド又はルーフパネルであってよく、他の乗り物グレージング、例えば、好ましくは鉄道車両又はバスにおける、乗り物の仕切りであってもよい。原則として、乗り物ペインの特徴を有する複合ペインは、建築のグレージング、例えば、建物の外部ファサードにおけるグレージング、又は建物の内部の仕切りであってもよい。

本発明の様々な実施態様は、個々に、又は任意の組み合わせにおいて実施することができる。特に、上に言及され、以下に説明される特徴は、示された組み合わせでだけでなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組み合わせで、又は別々に用いることができる。

本発明は、添付の図面を参照して、例示的な実施態様を用いて、以下でより非常に詳しく説明される。それらは、縮尺どおりではなく、簡略化された表現で表される：

図１は、本発明に係るヘッドアップディスプレイの例示的な実施態様の断面図である。 図２は、図１の乗り物ペインの平面図である。 図３～４は、乗り物ペインの様々な実施態様の断面図である。 図３～４は、乗り物ペインの様々な実施態様の断面図である。 図５は、様々な乗り物ペイン（複合ペイン）の波長の関数として測定された全反射率Ｒを示すグラフである。 図６は、図５と類似した様々な乗り物ペインの波長の関数として測定された全反射率Ｒを示すグラフであり、全反射率Ｒはさらに、反射光のｓ偏光（ｓ－ｐоｌ）及びｐ偏光（ｐ－ｐоｌ）の関数として示される。 図７は、本発明に係る方法を示すフローチャートである。

まず、図１及び２を検討する：図１は、高度に簡略化され、模式的な表現で、乗り物における本発明に係るヘッドアップディスプレイ１００の例示的な実施態様の断面図を表す。ヘッドアップディスプレイ１００の乗り物ペイン１の平面図は、図２に表される。図１の断面図は、図２に示される乗り物ペイン１の切断線Ａ－Ａに対応する。

乗り物ペイン１は、複合ペインの形態（図３～４も参照のこと）で実装され、第一のペイン２（例えば外側のペイン）と第二のペイン３（例えば内側のペイン）とを含み、これらは、熱可塑性の中間層４によって、互いに固定して連結される。乗り物ペイン１は、乗り物に設置され、外部環境１３から乗り物内部１２を分離する。例えば、乗り物ペイン１は、自動車のウィンドシールドである。代わりに、乗り物ペインは、ただ１つの別個のペインを、好ましくは、熱的に強化された単一ペイン安全ガラスの形態で有する（図示せず）。

第一のペイン２及び第二のペイン３は、それぞれ、ガラス、好ましくは、熱的に強化されたソーダ石灰ガラスで製造されており、可視光に対して透明である。熱可塑性の中間層４は、熱可塑性プラスチック、好ましくは、ポリビニルブチラール（ＰＶＢ）、エチレン酢酸ビニル（ＥＶＡ）、及び／又はポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）からなる。

第一のペイン２の外側表面Ｉは、外部環境１３に面し、同時に、乗り物ペイン１の外側表面である。第一のペイン２の内側表面ＩＩ、及び第二のペイン３の外側表面ＩＩＩは、それぞれ、中間層４に面する。第二のペイン３の内側表面ＩＶは、乗り物内部１２に面し、同時に、乗り物ペイン１の内側表面である。言うまでもなく、乗り物ペイン１は、任意の適切な幾何学的形状及び／又は曲率を有することができる。乗り物ペイン１として、それは、典型的には、凸の曲率を有する。

乗り物ペイン１の端部領域１１において、第一のペイン２の内面（第ＩＩ面）に、枠状の周囲の第一のマスキングストリップ５がある。第一のマスキングストリップ５は、不透明であり、乗り物ペイン１の内側に配置された構造、例えば、乗り物ペイン１を乗り物のボディに接着するための接着ビーズが見えることを防止する。第一のマスキングストリップ５は、好ましくは黒色である。第一のマスキングストリップ５は、マスキングストリップに従来用いられている電気的に非伝導性の材料、例えば、黒色の着色スクリーン印刷インクで製造されており、それは、ベークされる。

さらに、乗り物ペイン１は、第二のペイン３の外面ＩＶの端部領域１１において、電気的に非伝導性の材料で製造された第二のマスキングストリップ６を有する。第二のマスキングストリップ６は、枠状に周方向に実装される。第一のマスキングストリップ５のように、第二のマスキングストリップ６は、マスキングストリップに従来用いられている電気的に非伝導性の材料、例えば、黒色の着色スクリーン印刷インクで製造されており、それは、ベークされる。

第二のペイン３の外面ＩＶには、反射層９があり、それは、ペーストとしてペイン３上に印刷によって適用され、ベークされる。反射層は、少なくとも１種の金属酸化物を含有する金属酸化物コーティングである。

乗り物ペイン１を通して直角に見た場合、反射層９は、第一のマスキングストリップ５に重ねて配置され、第一のマスキングストリップ５は、反射層９に完全に重なり、すなわち、反射層９は、第一のマスキングストリップ５と重ならないセクションを有さない。ここで、反射層９は、例えば、乗り物ペイン１の端部領域１１の下側（エンジン側）のセクション１１’にのみ配置される。しかし、反射層９を、端部領域１１の、上側（ルーフ側）のセクション１１”又は側面のセクションに配置することも可能である。さらに、複数の反射層９を、例えば、端部領域１１の、下側（エンジン側）のセクション１１’及び上側（ルーフ側）のセクション１１”に配置されるように提供することができる。例えば、反射層９を、（部分的に）周囲画像が生み出されるように、配置することができる。

第一のマスキングストリップ５は、端部領域１１の下側（エンジン側）のセクション１１’において広げられ、すなわち、第一のマスキングストリップ５は、端部領域１１の下側（エンジン側）のセクション１１’において、乗り物ペインの端部領域１１の上側（ルーフ側）のセクション１１”よりも大きい幅を有する（図１において見えない端部領域１１の側面のセクションについても同様）。「幅」は、その延在方向に対して垂直な第一のマスキングストリップ５の寸法を意味する。ここでは、反射層９は、例えば、第二のマスキングストリップ６の上方に配置されている（言いかえれば重なっていない）が、しかし、審美的な理由で、重なりがあることは等しく可能である。

ヘッドアップディスプレイ１００は、ダッシュボード７に配置された画像生成器としての画像表示デバイス８をさらに有する。画像表示デバイス８は、光１０（画像情報）を生み出すために用いられ、この光は、反射層９に向けられ、反射層９によって、乗り物内部１２へ反射光１０’として反射され、見る人、例えばドライバーは、それを見ることができる。反射層９は、画像表示デバイスの光の反射、すなわち画像ディスプレイの画像の反射のために適切に実装される。反射層９が以下に対して適切に配置されるならば、例えば、自動車のＡピラーにおいて、又はルーフ上に、（それぞれ、乗り物の内部側で）画像表示デバイス８を配置することも可能である。複数の反射層９が提供される場合、別々の画像表示デバイス８は、各反射層９と関連付けられることができ、すなわち、複数の画像表示デバイス８を配置することができる。例えば、乗り物ペイン１がルーフパネル、サイドペイン、又はリアペインであることも可能である。

図２の平面図において、反射層９は、端部領域１１の下側セクション１１’に沿って延在するように示される。

ここで図３～４を参照すると、乗り物ペイン１の様々な実施態様の断面図が表されている。図３～４の断面図は、図２に示される乗り物ペイン１の端部領域１１の下側セクション１１’における切断線Ａ－Ａに対応する。

図３に表される乗り物ペイン１の変形において、第一の（不透明な）マスキングストリップ５は、第一のペイン２の内面（第ＩＩ面）に位置している。反射層９は、第二のペイン３の外面（第ＩＶ面）に適用される。画像表示デバイス８からの光１０は、反射層９によって、乗り物内部１２へ反射光１０’として反射される。光１０、１０’の偏光（ｓ偏光、ｐ偏光）は、模式的に示される。この変形は、入射光１０の比較的大きい割合が反射されるという利点を有する。加えて、画像は、高いコントラストで、不透明な（第一の）マスキング層５の背景に対して容易に認識可能である。

図４に表される乗り物ペイン１の変形は、反射層９が（第一の）マスキング層５に適用されている点でのみ図３の変形と異なる。この変形は、入射光１０のｐ偏光を含む比較的大きい割合が反射されるという特定の利点を有する。加えて、画像は、高いコントラストで、不透明な（第一の）マスキング層５の背景に対して容易に認識可能である。反射層９は、複合ペインの内部において、外部影響からよく保護される。

すべての例示的な実施態様において、反射層９は、第一のマスキングストリップ５の、乗り物の内部側に配置され、すなわち、乗り物ペイン１の内面を見る場合、反射層９は、第一のマスキングストリップ５の前に位置している。

図５は、グラフを用いて、様々な乗り物ペイン（複合ペイン）による、波長（ｎｍ）の関数としての測定された（入射光の％における）全反射率Ｒを示す。測定は、法線に対して６５°の入射角でなされた。曲線Ｆ３Ｂ、Ｆ３Ｃ、及びＦ３Ｄは、この順序で、第ＩＶ面に反射層９を有し、マスキング層５を有さない乗り物ペイン１（Ｆ３Ｂ）、第ＩＶ面に反射層９を有し、マスキング層５を有する乗り物ペイン１（Ｆ３Ｃ）、及び第ＩＩ面に反射層９を有し、マスキング層５を有し、反射層がマスキング層５の上に配置された乗り物ペイン１（Ｆ３Ｄ）を指す。

構造Ｆ３Ｂでの全反射率が最も高く、構造Ｆ３Ｃでの全反射率が、実際に比較的低いが、依然として比較的良好であることを理解することができる。構造Ｆ３Ｄで、全反射率は比較的低い。

図６は、グラフにおいて、構造Ｆ３Ｂ、Ｆ３Ｃ、及びＦ３Ｄに係る様々な乗り物ペインによる波長（ｎｍ）の関数として測定された（入射光の％における）全反射率Ｒを示し、全反射率Ｒはさらに、反射光のｓ偏光（ｓ－ｐоｌ）及びｐ偏光（ｐ－ｐоｌ）の関数として示される。これらの測定も、法線に対して６５°の入射角でなされた。

したがって、ｓ偏光した反射光の割合は、構造Ｆ３Ｂにおいて特に高い。特に、構造Ｆ３Ｂ、Ｆ３Ｃ、及びＦ３Ｄは、反射性コンビネーションフィルムよりｐ偏光の高い全反射率を有する。驚くべきことに、構造Ｆ３Ｄのｐ偏光反射光の割合は特に高く、特に、構造Ｆ３Ｂ及びＦ３Ｃよりも高い。

図７は、フローチャートを用いて、本発明に係る方法を示す。ここでは、第一のステップＩにおいて、少なくとも１つのマスキングストリップ５が、少なくとも１つのペイン２、３の端部領域１１に適用される。第二のステップにおいて、画像データを表示するために乗り物内部に光を反射するための少なくとも１つの反射層９は、マスキングストリップ５の、乗り物の内部側で、マスキングストリップ５の領域において、配置される。

したがって、上記の説明から、本発明は、改善された乗り物ペイン又はそれを備えるヘッドアップディスプレイを利用可能にし、それは、マスキングストリップに対する高いコントラストで良好な画像表示を可能にする。望まれない二次画像は回避することができる。本発明に係るヘッドアップディスプレイは、既知の製造方法を用いて、簡単で経済的に製造することができる。

参照番号
１ 乗り物ペイン
２ 第一のペイン
３ 第二のペイン
４ 中間層
５ 第一のマスキングストリップ
６ 第二のマスキングストリップ
６’ さらなるマスキングストリップ
７ ダッシュボード
８ 画像表示デバイス
９ 反射層
１０、１０’ 光
１１、１１’、１１” 端部領域
１２ 乗り物内部
１３ 外部環境
１００ ヘッドアップディスプレイ
Ｉ 第一のペイン２の外面
ＩＩ 第一のペイン２の内面
ＩＩＩ 第二のペイン３の内面
ＩＶ 第二のペイン３の外面
Ａ－Ａ’ 切断線

本発明に係る乗り物ペインは、乗り物に設置された状態において、外部環境に面する外面と、乗り物内部に面する内面とを有する。複合ペインとして実装された乗り物ペインにおいて、第一のペインの外面は、乗り物ペインの外面であり、第二のペインの外面は、乗り物ペインの内面である。

第一のペイン２の外面Ｉは、外部環境１３に面し、同時に、乗り物ペイン１の外面である。第一のペイン２の内面ＩＩ、及び第二のペイン３の内面ＩＩＩは、それぞれ、中間層４に面する。第二のペイン３の外面ＩＶは、乗り物内部１２に面し、同時に、乗り物ペイン１の内面である。言うまでもなく、乗り物ペイン１は、任意の適切な幾何学的形状及び／又は曲率を有することができる。乗り物ペイン１として、それは、典型的には、凸の曲率を有する。

Claims (16)

1. 設置された状態において、外部環境（１３）に面する外面（Ｉ）と、乗り物内部に面する内面（ＩＶ）とを有する、ヘッドアップディスプレイ（１００）のための乗り物ペイン（１）であって、
   － 少なくとも１つの透明なペイン（２，３）
   － 前記ペイン（２，３）の端部領域（１１）における少なくとも１つのマスキングストリップ（５）、
   － 特に、印刷によって適用された、光を反射させるための少なくとも１つの反射層（９）であって、前記マスキングストリップ（５）の領域において、前記マスキングストリップの、前記乗り物の内部側に配置されている反射層（９）を含む、乗り物ペイン（１）。
2. 複合ペインの形態で実装されており、設置された状態において、前記外部環境（１３）に面する外面（Ｉ）と、内面（ＩＩ）とを含む第一のペイン（２）、及び設置された状態において、前記乗り物内部（１２）に面する内面（ＩＩＩ）と、外面（ＩＶ）とを含む第二のペイン（３）を含み、これらのペインが、少なくとも１つの熱可塑性の中間層（４）によって、互いに固定して連結されている、請求項１に記載の乗り物ペイン（１）。
3. 前記少なくとも１つのマスキングストリップ（５）が、前記第一のペイン（２）の前記内面（ＩＩ）に適用されている、請求項２に記載の乗り物ペイン（１）。
4. 前記反射層（９）が、前記第二のペイン（３）の前記外面（ＩＶ）に取り付けられている、請求項３に記載の乗り物ペイン（１）。
5. 前記反射層（９）が、前記第二のペイン（３）の前記内面（ＩＩＩ）に取り付けられている、請求項３に記載の乗り物ペイン（１）。
6. 前記反射層（９）が、前記第一のペイン（２）の前記内面（ＩＩ）で、前記マスキング層（５）に取り付けられている、請求項３に記載の乗り物ペイン（１）。
7. 前記少なくとも１つのマスキングストリップ（５）が、枠状に周方向に形成されており、特に、前記反射層（９）に重なるセクション（１１’）において、そことは異なるセクション（１１”）での幅よりも大きい幅を有する、請求項１～６のいずれか一項に記載の乗り物ペイン（１）。
8. 前記少なくとも１つのマスキングストリップ（５）が、前記第一のペイン（２）の前記内面（ＩＩ）に配置されており、少なくとも１つのさらなるマスキングストリップ（６’）が、前記第二のペイン（３）の前記内面（ＩＩＩ）及び／又は前記第二のペイン（３）の前記外面（ＩＶ）に配置されている、請求項１～７のいずれか一項に記載の乗り物ペイン（１）。
9. 前記反射層（９）が、少なくとも１種の元素金属又は少なくとも１種の金属酸化物を含有する、請求項１～８のいずれか一項に記載の乗り物ペイン（１）。
10. 前記金属が、アルミニウム、スズ、チタン、銅、クロム、コバルト、鉄、マンガン、ジルコニウム、セリウム、イットリウム、銀、金、白金、及びパラジウム、又はこれらの混合物からなる群から選択される、請求項９に記載の乗り物ペイン（１）。
11. 前記反射層（９）が、元素金属又は金属酸化物を含有するペーストを前記ペイン（２，３）上に印刷し、次いで、ペーストをベークすることによって製造されたものである、請求項９又は１０に記載の乗り物ペイン（１）。
12. 前記反射層（９）が、法線に対して６５°の入射角で測定される、５％より大きい、好ましくは１５％より大きい、可視波長領域におけるｐ偏光の反射率を有する、請求項１～１１のいずれか一項に記載の乗り物ペイン（１）。
13. － 請求項１～１２のいずれか一項に記載の乗り物ペイン（１）、
    － 前記反射層（９）に関連づけられており、前記反射層（９）に向けられる画像ディスプレイを有する画像表示デバイス（８）であって、その画像が、前記反射層（９）によって前記乗り物内部（１２）に反射される、画像表示デバイス（８）
    を含む、ヘッドアップディスプレイ（１００）。
14. 請求項１３に記載のヘッドアップディスプレイ（１００）を含む乗り物。
15. （ａ）少なくとも１つのマスキングストリップ（５）を前記少なくとも１つのペイン（２，３）の端部領域（１１）に適用すること、
    （ｂ）前記マスキングストリップ（５）の、前記乗り物の内部側で、前記マスキングストリップ（５）の領域において、光を反射させるための反射層を配置すること、
    を含む、請求項１～１２のいずれか一項に記載の乗り物ペイン（１）の製造方法。
16. 陸上、空中、又は水上の交通のための乗り物における、特に、乗り物ウィンドシールドとしての、請求項１～１２のいずれか一項に記載の乗り物ペイン（１）の使用。

Images