JP2023545001A - オオアザミ(Silybum marianum)抽出物をセノセラピューティクス剤(senotherapeutic agent)として含む組成物 - Google Patents

オオアザミ(Silybum marianum)抽出物をセノセラピューティクス剤(senotherapeutic agent)として含む組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、乾燥抽出物の全重量を基準として0.1重量%未満のシリマリンを含む、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含むかまたは当該抽出物からなる組成物の、組織における細胞老化を低減するためのセノセラピューティクス剤としての使用に関する。さらに、本発明は、組織における細胞老化に関連する障害を処置または予防するための方法において使用するための、セノセラピューティクス剤としての、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含むかまたは当該抽出物からなる組成物に関する。

Description

発明の分野
本発明は、乾燥抽出物の全重量を基準として0.1重量%未満のシリマリンを含む、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含むかまたは当該抽出物からなる組成物の、皮膚に存在する組織における細胞老化を低減するためのセノセラピューティクス剤としての、(化粧用)使用に関する。さらに、本発明は、皮膚に存在する組織における細胞老化に関連する障害を処置または予防するための方法において使用するための、セノセラピューティクス剤としての、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含むかまたは当該抽出物からなる組成物に関する。従って、本発明は、乾燥抽出物の全重量を基準として0.1重量%未満のシリマリンを含む、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物からなる活性成分、およびその使用に関する。特に、本発明は、組織内の加齢に関連するもしくはストレスに関連する老化細胞の予防および/または処置における;および/または組織内の細胞老化に関連する障害の処置における;より一般的には、組織老化および組織劣化の徴候の出現の遅延および/または予防におけるセノセラピューティクス剤としての使用のための、乾燥抽出物の全重量を基準として0.1重量%未満のシリマリンを含む、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物に関する。
細胞老化は、生理学的プロセスであり、永続的かつ不可逆的な細胞周期停止ならびに炎症促進性およびタンパク質分解性のセクレトームの獲得を特徴とする腫瘍抑制性の細胞の運命である。経時的な老化は、典型的には、皮膚細胞を含む老化細胞の増加と相関する。実際に、皮膚は人体の最初の障壁である。それは、温度および湿度の差異から、および外的環境による攻撃から器官を保護する。しかしながら、過剰な化学的および物理的刺激は、皮膚の正常な機能を劣化させ、その老化を誘発する。
皮膚の老化は内因性(例えば、時間、遺伝的因子、ホルモン)および外因性(例えば、UV曝露、汚染)の因子の両方による多因子プロセス駆動である。内因性または経時的老化の特徴には、見た目に明らかな兆候、例えば薄くそして乾燥した皮膚、小シワ、低下した弾力性、異常な色素沈着、毛の白化および脱毛が含まれる。
その中で、表皮の薄化が、基底ケラチノサイトの増殖および再生能力の低下を引き起こすことが報告されている。表皮に加えて、表皮真皮接合部(dermal epithelial junction:DEJ)および真皮の両方もまた、多くの場合、より薄くなる。真皮内に存在する線維芽細胞は、構造的完全性および弾力性を皮膚にもたらす細胞外マトリックス(ECM)を生成する。老化の間、ECMは、典型的には、構造的変化および分解を受け、しわの増加および皮膚の弾力性の喪失をもたらす。成体組織では、癌を推進する腫瘍形成性の無制限の増殖シグナルに対するだけでなく、多様なストレスに応答する多くの細胞タイプにおける正常な生物老化の生理学的プロセスにも寄与する防御機構として、老化は細胞損傷時に活性化される。細胞老化はしばしば、以下の3つの連続したプロセスを通して組織リモデリングを促進する:安定した増殖停止、免疫細胞を集めて細胞外マトリックスを修飾するSASP、および組織を再構築する近隣の前駆体の動員。
老化のマーカーは、老化に関連する皮膚の変化過程において説明される。それらの中で、セリンプロテアーゼの阻害剤であるプラスミノーゲンアクチベーター阻害因子1型(plasminogen activator inhibitor type 1:PAI-1)は、早発性老化症候群を有する患者および経時的に老化したドナーに由来する皮膚線維芽細胞において上昇する。さらに、老化マーカーの研究は、PAI-1が、必須の細胞周期チェックポイントp53の下流での老化の誘発におけるその役割により、細胞周期停止のメディエーターであることを報告した。
老化細胞は、特徴的な形態学的特徴、老化関連β-ガラクトシダーゼ(SA-β-gal)の高い活性、サイトカインおよびマトリックスメタロプロテイナーゼなどの老化関連分泌形質(SASP:senescence-associated secretory phenotype)の増加、ラミンB1発現の減少、および核HMGB1の細胞質への移行を示す(Wang and Dreesen, 2018: Frontiers in Genetics, Vol.9, Article 247)(非特許文献1)。さらに、永続的な増殖停止は、テロメアの短縮、ならびにp53活性の増強、p21およびp16INK4A-Rb発現の増加によって開始される細胞周期遮断によって駆動される(Lozano-Torres et al., 2019: Nature Reviews in Chemistry, Vol. 3, pages 426-441)(非特許文献2)。
増殖能力の喪失に加えて、老化細胞はしばしば、老化細胞抗アポトーシス経路(SCAP)と呼ばれる様々な機構の活性化を介して、アポトーシスに対する生存および耐性の増強をもたらす。これらの経路は直接、多くの特徴、その中でも成長停止、代謝リプログラミング、内因性および外因性アポトーシス経路に関連する。
老化細胞は、SASPとして知られる、数々の炎症性サイトカイン(例えば、IL-1α、IL-1β、IL-6、IL-8、(γ-HMGB1)、ケモカイン(例えば、CXCR2)、成長因子(例えば、IGFBP7)、ならびにメタロプロテイナーゼ(例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP-1およびMMP-3))などのプロテアーゼを分泌するそれらの能力によって説明され得る多面発現効果を発揮する。生理学的状況に応じて、SASP分泌は、特に持続性の老化細胞が、組織恒常性を損なうことによって周囲の微小環境に負の影響を及ぼす場合、有益であるかまたは有害であるかのいずれかであり得る。実際、いくつかのSASP成分、例えばIL-6およびIL-8は、分泌および膜結合IL-1αによって媒介されるオートクリン経路を介してSAGA(老化関連成長停止)を強化することができる。しかしながら、同じ分泌成分は、隣接細胞へのパラクリンシグナル伝達において作用し得、老化表現型を増殖させ、従って、周囲組織の再生能力を潜在的に妨害する。さらに、SASPサイトカインは、免疫細胞の浸潤を促進し、持続性および慢性の炎症、老化の特質、および加齢に関連する機能不全の主要な一因をもたらす。In vivoでは、上昇したIL-6が母斑メラノサイトで検出されたが、一方でMMPが経時的に老化したおよび光加齢した皮膚で検出され、これらは細胞外マトリックス(ECM)の分解の原因である。老化細胞において、HMGB1は核から細胞質および細胞外空間に移行し、IL-1β、IL-6およびMMP-3を含むSASP因子の放出を促進する。SASP分泌は老化に関連し、細胞周期停止から切り離され得る。実際、初代ヒト線維芽細胞における研究は、DNA損傷がp16INK4Aレベルとは無関係にSASPをもたらすことを実証した。SASPの転写のための1つの重要なアクターは、転写因子NF-kB(核に移行し、そこでそれはいくつかのSASP遺伝子のプロモーターと結合する)のリン酸化である。
典型的には老化細胞を選択的に殺すことができる剤として理解されるセノリティクス(senolytics)は、前臨床in vivoモデルにおいて成功裏に試験されるべき第一の潜在的なセノセラピー(senotherapy)であった。換言すると、剤は、その活性が組織中の老化細胞の細胞死、特にアポトーシス細胞死を特異的に誘導または促進することを含む場合に、セノリティック(senolytic)活性を有すると考えられる。PI3K経路を阻害し、Bcl-2ファミリー、p53/p21に作用するケルセチン、依存性受容体EFNBを干渉するダサチニブ;ABT-763;およびBcl-2/Bcl-xLタンパク質を標的とするナビトクラックス(ABT-263とも呼ばれる)を含む、いくつかのセノリティック剤が現在同定されている。他のセノリティック剤は、ペプチドFOXO4-D-Retro Inversoおよび17-DMAG(アルベスピマイシン)である。そのようなセノリティック剤は、アポトーシスプロセスの誘導によって老化細胞を選択的に殺すことができるが、非老化細胞または正常細胞では殺さない。今日まで、老化細胞を選択的に殺す剤に関する研究は、単一の化合物のみに焦点が当てられてきたが、例えば植物抽出物などの化合物の混合物に関する研究はほとんど行われていない。
セノモルフィックス(senomorphics)は、典型的には、老化のマーカーまたはそれらの分泌表現型を、アポトーシスを誘導することなく抑制し、セノリティクスとは異なるメカニズムによってセノモルフィック効果を提供する剤として理解される。換言すると、剤は、その活性が、組織中の老化細胞における老化表現型を抑制することを含む場合に、セノモルフィック(senomorphic)活性を有すると考えられる。
文献によれば、上記のセノリティック剤は、老化細胞においてセノモルフィック活性を発揮することを可能にするとは記載されなかった。
上述のものによると、組織内での老化細胞の発生または蓄積の予防は、老化細胞によって引き起こされる老化に関連するかもしくはストレスに関連する組織劣化を予防または処置するための興味深い戦略であると思われる。実際、老化線維芽細胞は、全皮膚細胞の20~60%を占める。しかしながら、細胞の増殖能力を拡大するためのp16INK4Aおよびp53の遮断またはテロメラーゼの活性化は、必然的に癌リスクの増加をもたらす。さらに、老化線維芽細胞から分泌されるMMP-1およびMMP-3、またはIL-6およびIL-8などの炎症性サイトカインは、皮膚状態の悪化をもたらすECMの分解において重要な役割を果たすSASPとして知られている。従って、老化細胞の数の増加の防止を確実にし、同時に細胞の増殖能力の拡大を制限するバランスのとれたアプローチが、組織内の老化に関連するおよびストレスに関連する細胞老化と戦うと考えられるべきである。
さらに、老化細胞を選択的に排除することは、寿命を延ばすことができ、健康期間を改善することができ、広範囲の疾患処置および予防に有益であり得る(Gonzalez-Gualda et al., 2020, Aging Cell. 2020;19:e13142)(非特許文献3)。これらの知見は、老化細胞の抑制が、老化プロセスおよび組織劣化に対抗するための良好な標的であるという妥当性を提供する。結果として、信頼できるアプローチは、老化細胞を選択的に排除すること、および/またはそれらの機能、特にSASPを調節することからなる。
セノリティック剤およびセノモルフィック剤を含むいくつかのセノセラピューティクス剤が当技術分野で公知である。
US-A 2019/054097(特許文献1)は、ABT-263と同様の、老化細胞を選択的に殺す、いくつかのかなり複雑な合成低分子セノリティック剤を開示している。これらの化合物は、癌にも関与する抗アポトーシスBcl-2経路を干渉することも可能にする。WO2020/122392(特許文献2)は、老化細胞を回復するセノモルフィック剤として使用するための、シロリムス(ラパマイシン)の誘導体であるかなり複雑な免疫抑制剤ゾタロリムスを開示している。WO2020/132053(特許文献3)は、不安などの肥満誘発性神経精神障害を処置するためのセノセラピューティクス剤として、ダサチニブおよびケルセチンを開示している。これらの治療剤は、重度の望ましくない副作用を有し得る。
US-A2020/121620(特許文献4)は、他の分野における治療用途に典型的に使用される合成低分子薬剤に焦点を当てて、老化細胞を殺すためのセノリティック剤を教示している。また、KR-A2020/0072924(特許文献5)は、線維芽細胞を含む老化細胞を殺すためのセノリティック剤を教示している。
これらの前述の剤およびそのような剤を含む組成物の欠点は、これらが特定の剤に焦点を当てていることである。これらは多くの場合、合成起源のものであり、かなり複雑な化学構造を有し、これらを得るにはかなりの労力を必要とし、そして重度の望ましくない副作用を有する。
従って、天然起源であり、望ましくない副作用が低減されて、低い労力で得ることができるセノセラピューティクス物質を有するさらに別の組成物を得ることが望ましい。
自然界は、植物抽出物を含む、多種多様な植物ベースの剤および組成物を提供する。
植物オオアザミ(Silybum marianum)は伝統的に、肝機能を改善するため、総コレステロール量を低減するため、糖尿病を処置するため、乗り物酔いおよび心疾患を予防するために有効であることが知られている。オオアザミは時折、(ブレスト)ミルクシスル((blessed) milk thistle)とも称される。一方、「ミルクシスル(milk thistle)」という名称はあいまいである。それは、異なる種、例えばトゲチシャ(Lactuca serriola)、種々のノゲシ(Sonchus)種(例えば、オニノゲシ(Sonchus asper)、タイワンハチジョウナ(Sonchus arvensis)、ハルノノゲシ(Sonchus oleraceus))、ならびにオオアザミ(Silybum marianum)を指し得る。
また、それは、皮膚の外観を変化させるためにも考慮された。EP-B1845935(特許文献6)は、化合物シリマリンまたはイソシリビンが、毛および皮膚の色素沈着に影響を及ぼすことを含む多数の効果を有し得ることを教示している。EP-B2658522(特許文献7)は、抗酸化作用を有し、細胞ストレス因子を減少させるオオアザミおよびラカンカ(Momordica grosvenori)抽出物の組み合わせの外用投与を教示している。US-A2010/316743(特許文献8)は、多くの他の剤の他に、ミルクシスル抽出物を、終末糖化産物(AGE)の形成の阻害を促進するために使用できることを教示している。CN-A103961276(特許文献9)は、抗糖化化粧品組成物のために、多数の他の植物抽出物に加えて、ミルクシスル抽出物を教示している。CN-B104382833(特許文献10)は、抗しわ剤および皮膚改善剤として、とりわけミルクシスル抽出物を含み得る植物ペプチド溶液を教示している。JP-A2002/034505(特許文献11)は、低減された苦味を有する食品組成物を教示し、ミルクシスルから抽出できる多糖類およびシリマリンを含有する。US-A2019/175677(特許文献12)は、ニキビ、脂漏症、脂漏性皮膚炎および/または酒さの処置に使用するための、0.2%未満のシリマリンを含むオオアザミ痩果抽出物を教示している。WO2014/151891(特許文献13)は、ミルクシスル抽出物を含む植物抽出物を含むNrf2活性化剤を開示している。この文献はまた、有効成分としてのシリマリンを80重量%含有し得るオオアザミ種子抽出物にも言及している。EP-B0180505(特許文献14)は、抗炎症効果を得るための、ミルクシスルから抽出できるシリマリンを教示している。セノセラピューティクス用途、特にセノリティックおよび/またはセノモルフィック活性を発展させること、すなわち、組織内の老化細胞を標的とすることは、考慮されていなかったと考えられる。KR-A20200063855(特許文献15)は、メラニン産生を促進するため、白斑を予防するため、毛の白化および色素脱失のための、オオアザミの種子を欠いた花のヒドロエタノール抽出物を教示している。しかしながら、上記のようなセノセラピューティクス効果は開示されていない。シリビニン(シリマリンの主成分)を含有するオオアザミの花のヒドロエタノール抽出物が、フリーラジカルを捕捉することによって皮膚内の糖化タンパク質の形成を阻害すること(コラーゲンおよびエラスチンの保護)が記載されている(Seoungwoo Shin et al., Molecules 2015, 20, 3549-3564; doi:10.3390/molecules20033549)(非特許文献4)。
US-A 2019/054097 WO2020/122392 WO2020/132053 US-A2020/121620 KR-A2020/0072924 EP-B1845935 EP-B2658522 US-A2010/316743 CN-A103961276 CN-B104382833 JP-A2002/034505 US-A2019/175677 WO2014/151891 EP-B0180505
Wang and Dreesen, 2018: Frontiers in Genetics, Vol.9, Article 247 Lozano-Torres et al., 2019: Nature Reviews in Chemistry, Vol. 3, pages 426-441 Gonzalez-Gualda et al., 2020, Aging Cell. 2020;19:e13142 Seoungwoo Shin et al., Molecules 2015, 20, 3549-3564; doi:10.3390/molecules20033549
天然起源であり、望ましくない副作用が低く、低い労力で得ることができるセノセラピューティクス組成物に対する満たされていない需要が依然として存在する。
驚くべきことに、オオアザミの種子を欠いた花の抽出物が、セノセラピューティクス剤として使用できることが見出された。さらに、セノセラピューティクス剤としてのオオアザミの種子を欠いた花の少なくとも1種の抽出物を含む(または当該抽出物からなる)組成物が、組織における細胞老化を低減するために、および皮膚に存在する組織における細胞老化に関連する障害を処置または予防するために使用できることが驚くべきことに見出された。
従って、本発明は、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物のセノセラピューティクス剤としての(任意選択的に化粧用の)使用に関する。
本発明はまた、少なくとも、乾燥抽出物の全重量を基準として0.1重量%未満のシリマリン、または0.01重量%未満のシリマリン、または0.001重量%未満のシリマリン、または0重量%のシリマリンを含む、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物の有効量;または少なくとも前記抽出物を含む組成物を、それを必要とする皮膚または頭皮上に施与することによる、皮膚および毛包における加齢に関連するもしくはストレスに関連する老化細胞の予防および/または処置における;および/または皮膚および毛包における細胞老化に関連する障害の処置における、化粧用の皮膚および頭皮ケア方法に関する。
本発明の第1の態様は、乾燥抽出物の全重量を基準として、0.1重量%未満のシリマリン、または0.01重量%未満のシリマリン、または0.001重量%未満のシリマリン、または0重量%のシリマリンを含む、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含む(または当該抽出物からなる)組成物の、皮膚に存在する組織における細胞老化を低減するためのセノセラピューティクス剤としての、(任意選択的に化粧用の)使用に関する。
従って、本発明はまた、組織における細胞老化を低減するための方法(これは任意選択的に化粧用の方法である)であって、乾燥抽出物の全重量を基準として、0.1重量%未満のシリマリン、または0.01重量%未満のシリマリン、または0.001重量%未満のシリマリン、または0重量%のシリマリンを含む、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含む(または当該抽出物からなる)組成物の十分量を、前記組織にセノセラピューティクス剤として投与することを含む、前記の方法に関する。
従って、本発明はまた、対象の皮膚に存在する組織における細胞老化を低減するための方法(これは任意選択的に化粧用の方法である)であって、乾燥抽出物の全重量を基準として、0.1重量%未満のシリマリン、または0.01重量%未満のシリマリン、または0.001重量%未満のシリマリン、または0重量%のシリマリンを含む、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含む(または当該抽出物からなる)組成物を、前記対象の前記組織にセノセラピューティクス剤として投与することを含む、前記の方法に関する。
本発明のさらなる態様は、皮膚に存在する組織における細胞老化に関連する障害を処置または予防するための方法に使用するためのセノセラピューティクス剤としての、乾燥抽出物の全重量を基準として、0.1重量%未満のシリマリン、または0.01重量%未満のシリマリン、または0.001重量%未満のシリマリン、または0重量%のシリマリンを含む、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含むかまたは当該抽出物からなる組成物に関する。
従って、本発明はまた、皮膚に存在する組織における加齢に関連するもしくはストレスに関連する老化細胞の予防および/または処置における;および/または前記組織における細胞老化に関連する障害の処置におけるセノセラピューティクス活性成分として使用するための、乾燥抽出物の全重量を基準として、0.1重量%未満のシリマリン、または0.01重量%未満のシリマリン、または0.001重量%未満のシリマリン、または0重量%のシリマリンを含む、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含む組成物に関する。
従って、本発明はまた、皮膚に存在する組織における細胞老化に関連する障害を処置または予防するための方法であって、乾燥抽出物の全重量を基準として、0.1重量%未満のシリマリン、または0.01重量%未満のシリマリン、または0.001重量%未満のシリマリン、または0重量%のシリマリンを含む、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含む(または当該抽出物からなる)組成物の十分量を、前記組織にセノセラピューティクス剤として投与することを含む、前記の方法に関する。
従って、本発明はまた、対象における皮膚に存在する組織における細胞老化に関連する障害を処置または予防するための非治療的方法であって、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含む(または当該抽出物からなる)組成物の十分量を、前記対象における前記組織にセノセラピューティクス剤として投与することを含む、前記の方法に関する。
従って、本発明はまた、対象における細胞老化に関連する障害を処置または予防するための方法であって、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含む(または当該抽出物からなる)組成物の十分量を、前記対象にセノセラピューティクス剤として投与することを含む、前記の方法に関する。
本発明はまた、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物、または少なくとも前記抽出物を含む組成物の、組織内、好ましくは皮膚および毛包における加齢に関連するまたはストレスに関連する老化細胞を予防することおよび/または処置することを意図した;および/または組織内、好ましくは皮膚および毛包における細胞老化に関連する障害の処置における、セノセラピューティクス活性成分としての、化粧的使用に関する。
本発明のオオアザミの種子を欠いた花の抽出物が、従来技術に記載されているものと比較して、異なる組織において新たな有益な効果を発揮することが見出された。実際、種子が除去されたオオアザミの抽出物は、第1に老化細胞(例えば、皮膚および毛包細胞)を選択的に殺すことができることが実証された。このように、オオアザミの前記抽出物がセノリティック活性を有することが見出された。第二に、そのような抽出物は、老化細胞の表現型を調節し、これらの細胞がこれらの有害な細胞を取り除くのを助けることが見出された。このように、オオアザミの前記抽出物がセノモルフィック活性を有することが見出された。これは、SASP分泌の調節を含み得る。また、これらの老化細胞の増殖能力も関与し得る。
図1(A、B、C)は、ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)の老化複製モデルにおけるオオアザミ花抽出物(SME)のセノリティック活性を示す。図1Aは、未処理またはABT-737もしくはSMEで処理した非老化細胞および老化細胞の細胞生存率を比較したものを示す。図1Bは、SA-β-Gal陽性細胞の数を示し、ここでは、ABT-737で処理した老化細胞を、異なる濃度のSMEで処理した老化細胞と比較した。図1Cは、ABT-737で処理した老化細胞におけるp21発現の減少を、異なる濃度のSMEで処理した老化細胞と比較したものを示す。
図2(A、B、C)は、老化HDFにおけるカスパーゼ-3/PARP経路を特異的に介したアポトーシスの誘導によるHDFの老化複製モデルにおけるオオアザミ花抽出物(SME)のセノリティック活性に関する。図2Aは、ABT-737またはSMEで処理された非老化細胞および老化細胞におけるアポトーシスを示す。図2Bは、ABT-737またはSMEで処理した非老化細胞および老化細胞における切断型カスパーゼ-3を示す。図2Cは、ABT-737またはSMEで処理された非老化細胞および老化細胞における切断されたポリ-ADP-リボースポリメラーゼ(PARP)を示す。
図3(A、B、C、D)は、SASP因子放出の阻害によるHDFの老化複製モデルにおけるオオアザミ花抽出物(SME)のセノモルフィック活性に関する。図3Aは、ABT-737またはSMEで処理された老化細胞におけるp-H2AX発現を示す。図3Bは、ABT-737またはSMEで処理された老化細胞におけるTNF-α発現を示す。図3Cは、ABT-737またはSMEで処理された老化細胞におけるIL-6発現を示す。図3Dは、ABT-737またはSMEで処理した老化細胞におけるMMP-1分泌を示す。
図4(A、B)は、老化HDFの増殖能力の回復による、HDFの老化複製モデルにおけるオオアザミ花抽出物(SME)のセノモルフィック活性に関する。図4Aは、ABT-737またはSMEで処理された老化細胞における細胞増殖パーセントを示す。図4Bは、ABT-737またはSMEで処理された老化細胞における細胞の倍加時間を示す。
図5は、老化HDFのコラーゲンI型合成能力の回復によるHDFの老化複製モデルにおけるオオアザミ花抽出物(SME)のセノモルフィック活性に関する。
図6は、ヒト毛乳頭細胞(HFDPC)の老化複製モデルにおけるオオアザミ花抽出物(SME)のセノリティック活性に関する。
発明の詳細な説明
本発明の第1の態様は、乾燥抽出物の全重量を基準として、0.1重量%未満のシリマリン、または0.01重量%未満のシリマリン、または0.001重量%未満のシリマリン、または0重量%のシリマリンを含む、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含む(または当該抽出物からなる)組成物の、皮膚に存在する組織における細胞老化を低減するためのセノセラピューティクス剤としての、(任意選択的に化粧用の)使用に関する。
より一般的には、本発明による抽出物は、組織老化および組織劣化の徴候の出現を遅延および/または防止することを可能にし得る。種子が除去されたオオアザミの花の抽出物からなる組成物において、前記組成物が抽出物であることが理解されよう。
特に、本出願において提供される実験的in vitro試験により、本発明によるオオアザミの種子を欠いた花の抽出物が、老化細胞、特に皮膚および毛包細胞を標的とすることによって、セノリティックおよび/またはセノモルフィック活性を実現することが実証された。より有利には、オオアザミの前記抽出物は、前記老化細胞においてセノリティックおよびセノモルフィック活性を発揮する。結果として、本発明によるオオアザミの前記抽出物は、セノセラピューティクスアプローチに適合することを可能にする剤として使用することができる。
植物オオアザミ(Silybum marianum)はキク(Asteraceae)属に属し(white patterned thistle)、多年生または二年生植物であり、葉は典型的には透明な白い縞を有する。元々、この植物は南ヨーロッパからアジアにわたる原産である。現在ではこれは世界中で発見されている。一般名「シリバム(Silybum)」は、ディオスコリデスによるギリシャ名に由来するものであり、乳状の液が裂けた葉から出てくるため、ブレストミルクシスル(blessed milk thistle)として広く知られている。オオアザミは伝統的に、肝機能を改善するため、総コレステロール量を減少させるため、糖尿病を処置するため、乗り物酔いおよび心疾患を予防するために有効であることが知られている。
本発明を通して使用される場合に、オオアザミの種子を欠いた花の抽出物とは、種子が除去されたオオアザミの花を意味する。好ましくは、本明細書で使用される場合に「花」という用語は、そこから種子が除去されたオオアザミの花のみを本質的に指す。
本発明による抽出物は、任意の手段によって得ることができる。それは、任意選択的に、商業的供給者によって得られていてもよく、あるいはオオアザミ植物またはそれらの1または複数の部分から部分的にまたは完全に調製されてもよい。
前記抽出物は、任意の種類の抽出物であってよい。それは、オオアザミのフレッシュな花から調製することができ、またはオオアザミの乾燥した花から調製することができ、またはオオアザミの凍結されたもしくは凍結乾燥された花から調製することができる。どちらの場合も、種子は除去されている。
好ましくは、オオアザミの花は、細断、混合または粉砕された形態で使用され得る。好ましい実施態様において、前記抽出物は、オオアザミの乾燥した花から、特にオオアザミの乾燥し、粉砕した花から調製される。
本明細書で使用される場合に、「抽出物」という用語は、当技術分野で一般的に理解される最も広い意味で理解され得る。抽出物は、原料(ここでは種子が除去されたオオアザミの花)の一部を抽出することによって作られる任意の物質であり得る。典型的には、抽出は溶媒を使用することによって達成される。従って、好ましい実施形態において、前記抽出物は、冷抽出または熱抽出、超音波抽出、還流冷却、針抽出およびマイクロ波抽出を含めた溶媒抽出法から得られる。好ましい実施形態において、前記抽出物は超音波抽出法を実施することによって得られる。
ここで、溶媒をオオアザミの花に加え、本明細書に記載されるような時間、一緒に置くことができる。さらなるステップにおいて、固形部分は、好ましくは、一次抽出によって分離される。これは、任意の手段、例えば、濾過、篩分け、限外濾過、クロスフロー濾過、遠心分離、経時的な沈殿、またはそれらの2つ以上の組合せによって達成され得る。
1種または複数の溶媒を抽出のために使用してもよい。このような溶媒は、この目的に適した任意の溶媒であってよい。典型的には、溶媒は、それが抽出のために使用される条件下で液体である。溶媒は、有機溶媒(例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、フェノール、グリセロール、1,3-ブチレングリコール、プロパンジオール等)、水(熱水または亜臨界水を含む)、水性バッファー、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。有機溶媒は、脂肪族または芳香族であってもよい。好ましくは、溶媒は水和されていてもよい。
本発明によるオオアザミの花抽出物は、シリマリンの任意の含有量を含むことができる。
成分「シリマリン」は、当該技術分野において一般的に理解されるように理解され得る。それは、シリビン(シリビニンとも呼ばれる)、イソシリビン、シリクリスチンおよびシリジアニンである4つのフラボノリグナンの混合物として理解され得る。
本発明の好ましい実施形態において、前記抽出物は、乾燥抽出物の全重量を基準として、0.1重量%未満のシリマリン、または0.01重量%未満のシリマリン、または0.001重量%未満のシリマリン、または0重量%のシリマリンを含む。
好ましい実施形態において、オオアザミの花抽出物は、ヒドロアルコール抽出物またはアルコール抽出物である。好ましくは、前記抽出物はヒドロアルコール抽出物である。
また、ヒドロアルコールまたはアルコール抽出物は、抽出ステップの後の1または複数のさらなるステップにおいて水およびアルコール含有量が部分的にもしくは完全に除去されたペーストまたは固体であることもできる。好ましい実施形態では、ヒドロアルコールもしくはアルコール抽出物は乾燥粉末である。
好ましい実施形態において、オオアザミの花の抽出物は、10~90%(v/v)のエタノールを含有するか、または25~85%(v/v)のエタノールを含有するか、または50~82%(v/v)のエタノールを含有するか、または60~80%(v/v)のエタノールを含有するか、または65~75%(v/v)のエタノールを含有するか、または約70%(v/v)のエタノールを含有するエタノール/水混合物での抽出によって得られるヒドロエタノール抽出物である。
また、ヒドロエタノールまたはエタノール抽出物は、抽出ステップの後の1または複数のさらなるステップにおいて水およびエタノール含有量が部分的にもしくは完全に除去されたペーストまたは固体であることもできる。好ましい実施形態において、ヒドロエタノールまたはエタノール抽出物は乾燥粉末である。
抽出は、この目的に適した任意の温度で行うことができる。好ましくは、抽出は10~150℃、または15~100℃、または20~80℃、または25~70℃、または15~25℃の範囲の温度、または約20℃で行われる。好ましい実施形態において、抽出は周囲温度(すなわち、15~25℃、特に約20℃)で行われる。
好ましい実施形態において、抽出は、周囲温度(すなわち、15~25℃、特に約20℃)および周囲圧力(すなわち、980~1200hPa)で行われる。
好ましい実施形態において、抽出は、65~75%(v/v)エタノール、特に約70%(v/v)エタノールを含有するエタノール/水混合物を用いて、周囲温度(すなわち、15~25℃、特に約20℃)および周囲圧力(すなわち、980~1200hPa)で行われる。
好ましい実施形態において、オオアザミの花抽出物は、好ましくは種子が除去された、オオアザミの抽出物を含み、抽出は、65~75%(v/v)エタノール、特に約70%(v/v)エタノールを含有するエタノール/水混合物を用いて、周囲温度(すなわち、15~25℃、特に約20℃)および周囲圧力(すなわち、980~1200hPa)で行われる。
抽出は、この目的に適した任意の時間の間行うことができる。例えば、抽出は、30分未満、30分~1時間、1時間~2時間、90分~6時間、2時間~24時間、6時間~36時間、12時間~2日、1日~1週間、1週間~1ヶ月、または1ヶ月超の範囲の時間で行われてもよい。好ましい実施形態において、抽出は、6時間~18時間、20時間~2日、例示的には約10時間~90時間、20時間~70時間、または40時間~60時間の範囲の時間で(好ましくは15~25℃の周囲温度で)行われ得る。それは、一晩実施されてもよい。
従って、本発明によるオオアザミの抽出物を製造する方法は、以下のステップを含む:
(i)オオアザミの種子を欠いた花(任意選択的に乾燥されている)を提供するステップ、
(ii)前記花を少なくとも1種のアルコール性溶媒と接触させるステップであって:
(a)アルコール抽出が、15~60℃、好ましくは20~50℃、さらにより好ましくは25~30℃で、1時間~24時間、好ましくは2時間~20時間、最も好ましくは5~15時間行われ;および/または;
(b)ヒドロアルコール超音波抽出が、15~100℃、好ましくは15~80℃、最も好ましくは15~50℃で1時間~24時間、好ましくは2時間~20時間、最も好ましくは5~15時間行われる、前記ステップ;
(iii)ステップ(ii)の固体残渣から抽出物を分離するステップ;および
(iv)任意選択的に、前記の少なくとも1種の溶媒またはその一部を除去することによって前記抽出物を濃縮すること。
本発明による抽出物は、標準条件(約20℃の室温、約1013 hPaの標準圧力)で、液体、ペースト状または固体であり得る。この文脈において、「液体」および「流体」という用語は、互換可能に理解することができる。好ましくは、抽出物は、最初に液体形態で得られる。次いで、1種または複数の溶媒を、任意選択的に除去して、抽出物の固体形態を得ることができる。液体抽出物は、濃縮することもできる。好ましくは、次いで、1種または複数の溶媒の一部が除去される。任意選択的に、液体またはペースト状の抽出物を得てもよい。任意選択的に、抽出物はまた、1種または複数の溶媒で希釈されてもよい。任意選択的に、抽出物はまた、任意の手段(例えば、結晶化、クロマトグラフ法など)によって精製されてもよい。抽出物は、任意選択的に、「チンキ(tincture)」または「アブソリュート(absolute)」と称してもよい。
本発明のオオアザミの花抽出物は、任意選択的に、一定の分子量カットオフ値を有する限外濾過膜、またはイオン交換による分離、あるいは種々のクロマトグラフ法による分離、あるいは液液分離または結晶化もしくは沈殿を含む他の精製方法を実施することによって生成される画分で得てもよい。
例えば、本発明のオオアザミの花抽出物は、オオアザミの種子を欠いた花を乾燥させ、それを粉砕し、引き続きそれをアルコールまたは含水アルコールで抽出し、その後減圧下でろ過することにより調製することができる。
本発明の好ましい実施形態において、前記抽出物は、種子が除去されたオオアザミの花の(好ましくはヒドロアルコール性、特にヒドロエタノール性)抽出物を含むかまたは当該抽出物からなり、前記抽出物は、乾燥抽出物の全重量を基準として、0.1重量%未満のシリマリン、または0.01重量%未満のシリマリン、または0.001重量%未満のシリマリン、または0重量%のシリマリンを含む。
好ましい実施形態において、オオアザミの花抽出物は、種子が除去されたオオアザミの花を60~80%(v/v)エタノールを含有するエタノール/水混合物を用いて(好ましくは周囲温度、例えば15~25℃で)抽出することによって得られるヒドロエタノール抽出物であり、前記抽出物は、乾燥抽出物の全重量を基準として、0.1重量%未満のシリマリン、または0.01重量%未満のシリマリン、または0.001重量%未満のシリマリン、または0重量%のシリマリンを含む。
本明細書で使用される場合、用語「乾燥抽出物」は、乾燥物質としての、すなわち、溶媒を含まない、本発明による抽出物として最も広い意味で理解され得る。乾燥抽出物は、任意選択的に、乾燥物質として物理的に存在してもよい。しかしながら、乾燥物質に関するパーセンテージを参照する計算では、物理的形態で存在する乾燥物である必要はなく、乾燥抽出物は溶解した形態で存在してもよいことが直接理解されるであろう。次に、計算において、溶媒の質量が、全質量から数学的に減算される。
乾燥物質(物理的形態にある)は、適切な抽出方法、後続の得られた抽出物を乾燥させるステップによって得ることができる。乾燥は、当技術分野で公知のこの目的に適した任意の方法によって行うことができる。乾燥は、抽出のために使用される1種または複数の溶媒を除去することを意味する。1種または複数の溶媒の除去は、任意の手段によって行うことができる。例えば、それは、抽出物を高温乾燥雰囲気に付すこと、および/または溶媒を蒸発させるために抽出物を加熱プレート上に置くことによって達成することができる。例えば、乾燥は、真空および/または上昇させた温度(例えば、ロータリー(真空)エバポレーター中)での蒸発によって、または当該固体材料の結晶化によって達成することができる。代替的にまたは追加的に、乾燥は霧化によりまたは凍結乾燥により達成することができる。
本発明によれば、オオアザミの花抽出物は、任意のセノセラピューティクス活性を有し得る。それは、任意の手段によって、組織における細胞老化を減少させ、および/または組織における細胞老化に関連する障害を処置または予防し得る。
好ましい態様において、オオアザミの花抽出物は、セノリティック活性および/またはセノモルフィック活性を有する。
好ましい実施形態において、オオアザミの花抽出物は、組織中の老化細胞の細胞死を特異的に誘導または促進することを含む、セノリティック活性を有する。この文脈において、細胞死は、好ましくは、アポトーシス細胞死である。
好ましくは、前記抽出物はセノリティック活性を発揮する。換言すると、オオアザミの花抽出物は、セノリティック剤またはセノリティック成分として重要である。
本発明を通して使用される場合、用語「セノリティック」は、当技術分野で一般的に理解される最も広い意味で理解され得る。セノリティック活性は、老化細胞の細胞死を誘導または促進することを指す。それは、老化細胞を死滅させ得る。それは、老化細胞を排除し得る。死滅は、アポトーシスを誘導または促進し得る。
好ましくは、セノリティック活性は、老化細胞の細胞死を特異的に(また:選択的に)誘導または促進することを指す。これはまた、例えば、アポトーシスを誘導することによって、選択的に老化細胞を排除する能力と考えることもできる。それはまた、前記組織の正常な常在(すなわち、非老化)細胞に対する有害な影響が低減されたまたはさらには全くない、組織中に見出される老化細胞を選択的に死滅させる能力であり得る。そのようなセノリティック特性は、例えば、組織内の加齢に関連する老化細胞および/またはストレスに関連する老化細胞の数の増加を予防または減弱するために有益であり得る。
本明細書で使用される場合に、「老化細胞の細胞死を特異的に誘導または促進する」という表現は、対応する(すなわち匹敵する)非老化細胞に対してよりも老化細胞に対して強い活性を有するとして最も広い意味で理解され得る。本明細書において、用語「特異的に」は、選択的にであってもよい。対応する、したがって、匹敵する細胞は、典型的には、同じ組織タイプ起源であり、本質的には老化の程度のみが異なる。好ましい実施形態では、細胞死の誘導または促進は、対応する(すなわち匹敵する)非老化細胞と比較して、1.05倍超、または1.1倍超、または1.2倍超、または1.3倍超、または1.4倍超、または1.5倍超、または2倍超、老化細胞に対してもたらされる。
好ましい実施形態では、オオアザミの花抽出物は、組織中の老化細胞における老化表現型を抑制すること、組織中の老化細胞における代謝プロセスを回復すること、またはそれらの2つまたは全ての組み合わせを含むセノモルフィック活性を有する。
好ましくは、前記抽出物は、セノモルフィック活性を発揮する。換言すると、オオアザミの花抽出物は、セノモルフィック剤またはセノモルフィック成分として重要である。
本発明を通して使用される場合、用語「セノモルフィック」は、当技術分野で一般的に理解される最も広い意味で理解され得る。セノモルフィック活性は、組織中の老化細胞における老化表現型の抑制を含むことができ、または当該抑制に基づいてもよい。それは、老化細胞を殺すことなく老化関連分泌形質(SASP)因子分泌を阻害するための、および/または老化細胞の増殖停止を逆転させるための、および/または老化細胞、特に老化皮膚および毛包細胞の正常な代謝プロセスを維持するためにその能力を回復させるための能力を含み得る。セノモルフィック活性は、老化細胞の誘発を干渉すること、老化細胞を標的とすること、SASP因子分泌を低減または遮断すること、および/またはそれらの前記老化細胞によって以前に失われた成長能力を促進することによって、老化細胞の表現型を若い細胞(または非老化細胞)の表現型に調節またはさらには戻すことを含み得る。セノモルフィック活性は、老化細胞によるSASP因子分泌を抑制または減少させること、および/または健康期間および潜在的に寿命を延長するために、前記老化細胞の正常な代謝プロセスを維持するための能力を回復させることを含み得る。セノモルフィック活性は、例えば、組織内、特に皮膚および毛における細胞老化関連障害を予防および/または処置するために有益であり得る。本発明の組成物は、老化細胞を選択的に殺すために、および/または老化細胞からのSASP放出を阻害するために、および/または細胞増殖能力を再生するために、および/または老化誘導性細胞劣化を妨げるために、および/または老化細胞またはそれらの混合物における代謝プロセスを回復するために使用され得る。
本明細書で使用される場合、SASP因子の例は、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、炎症性サイトカイン、例えばIL-1α、IL-1β、IL-6、IL-8;メタロプロテイナーゼ、例えばMMP-1およびMMP-3およびγ-H2AXからなる群から選択され得る。
オオアザミの花抽出物は、任意選択的に、老化細胞の(部分的)クリアランスを可能にする免疫系のメディエーターとしても機能し得る。
好ましい実施形態において、オオアザミの花抽出物は、セノリティック活性およびセノモルフィック活性の両方を有する。
好ましい実施形態では、オオアザミの花抽出物は、以下からなる群から選択される、組織中の老化細胞における1または複数の以下の活性を有する:
(a)組織中の老化細胞からの老化関連分泌形質(SASP)因子の放出を阻害すること、特に、SASP因子は、γ-H2AX、腫瘍壊死因子α、IL-1α、IL-1β、IL-6およびIL-8からなる群から選択されるインターロイキン(IL)などの炎症性サイトカイン、MMP-1およびMMP-3からなる群から選択されるマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)などのメタロプロテイナーゼからなる群から選択される;
(b)老化細胞の細胞増殖能を再生すること;
(c)老化細胞の老化誘導性細胞劣化を妨げること;
(d)老化細胞における代謝プロセスを回復させること、および
(e)老化細胞の細胞死を誘導または促進すること。
本発明の好ましい実施形態によれば、オオアザミの花抽出物または前記抽出物を含む化粧用組成物は、老化皮膚および毛包細胞を選択的に殺すこと、および/または老化皮膚および毛包細胞からのSASP放出を阻害すること、および/または皮膚および毛包細胞の増殖能力を再生すること、および/または老化誘導性皮膚および毛包劣化を妨げること、および/または老化皮膚および毛包細胞またはそれらの混合における代謝プロセスを回復することにおいて使用するのに適することができ、および/またはそれらに使用することが意図され得る。
好ましい実施形態において、前記組成物は、前記組成物の全重量を基準として、0.0001~20重量%、好ましくは0.001~15重量%、より好ましくは0.005~10重量%、特に0.01~5重量%のオオアザミの花抽出物を含む。
前記組成物は、オオアザミの花の抽出物に加えて、任意のさらに別の成分を含んでもよい。好ましくは、そのような1種または複数のさらに別の成分は、化粧品および/または医薬品における使用に適している。
従って、本発明による組成物は以下を含み得る:
(A)前記組成物の全重量を基準として、0.0001~20重量%、好ましくは0.001~15重量%、より好ましくは0.005~10重量%、特に0.01~5重量%の、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物;および
(B)少なくとも1つの化粧用におよび/または薬学的に許容可能なキャリア。
ここで、オオアザミの花抽出物は、1つの(または唯一の)活性成分とみなされ得る。用語「活性成分」は、所望で意図される活性を単独で示し得るか、またはそれ(ら)自体は不活性である1または複数のキャリアと一緒に活性を示し得る成分として、最も広い意味で理解され得る。好ましくは、本発明の活性成分は化粧用活性成分である。
本明細書で使用される場合に、用語「薬学的に許容可能なキャリア」、「薬学的に許容可能な賦形剤」、「化粧用に許容可能なキャリア」、「化粧用に許容可能な賦形剤」、「キャリア」および「賦形剤」は、オオアザミの花抽出物を含有する本発明の組成物の化粧用および/または薬理学的許容性を支持し得る任意の物質として、最も広い意味で互換的に理解され得る。
好ましくは、本発明によるオオアザミの花抽出物も、そのような抽出物を含有する組成物も、組織に施与されたときに毒性ではない。
本発明による組成物のそれぞれについて、製剤化および投与のための技術は、本発明の分野において周知である。
ready to use組成物は、好ましくは、液体製剤、特に外用(topic)投与に適した組成物である。前記組成物の保管形態はまた、液体であってもよいが、乾燥形態(例えば、粉末、例えばオオアザミの花抽出物を含むかまたは当該抽出物からなる粉末)であってもよく、またはペーストもしくはシロップなどであってもよい。任意選択的に、乾燥形態、ペーストまたはシロップは、興味対象の組織に投与される前に溶解または乳化されてもよい。
化粧用におよび/または薬学的に許容可能なキャリアは、典型的には、水性バッファー、生理食塩水、水、アルコール、植物油、鉱油、ポリマー、ガス(gaz)またはそれらの2つ以上の組み合わせからなるリストから選択され得る。
任意選択的に、化粧用にまたは薬学的に許容可能なキャリアは、1種または複数の化粧用にまたは薬学的に許容可能な添加剤を含み得る。好ましい実施形態では、そのような化粧用におよび/または薬学的に許容可能な添加剤は、香料/芳香物質、色素、顔料、乳化剤、滑沢剤、キレート剤、pH調整剤(acidity regulators)、抗菌剤、防腐剤、酸化防止剤、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。例えば、化粧用におよび/または薬学的に許容可能なキャリアは、任意選択的に、1種または複数の洗剤、トリエタノールアミン、1種または複数の香料、1種または複数の発泡剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS:sodium doceyl sulphate))、1種または複数の着色剤(例えば、食品着色剤、顔料)、1種または複数のビタミン、1種または複数の塩(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛塩)、1種または複数の保湿剤(例えば、ソルビトール、グリセロール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、マンニトール、プロピレングリコール、ポリデキストロース)、1種または複数の酵素、1種または複数の防腐剤(例えば、安息香酸、メチルパラベン)、1種または複数の酸化防止剤、1種または複数の薬草および植物抽出物、1種または複数の安定化剤、1種または複数のキレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1種または複数のポリマー(例えば、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、セルロース、カルボキシエチルセルロース)、1種または複数の安定剤、1種または複数の可溶化剤、1種または複数の皮膚軟化剤、および/または1種または複数の取り込みメディエーター(例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、細胞透過性ペプチド(CPP)、タンパク質形質導入ドメイン(PTD)、抗菌ペプチドなど)を含み得る。
さらに、本発明の組成物は、オオアザミの花抽出物に加えて、オオアザミの花抽出物と、上述のようなその活性またはその意図される用途に影響を及ぼすことなく、相乗的および/または相補的に作用する、1種または複数の他の活性成分を含むことができる。
本発明による組成物は、化粧品であってもよく、または化粧品に含まれていてもよい。皮膚への有害な影響は、安全性試験および法的要件に従って、軽減または回避することができる。
前記組成物は、任意の用途のためのものであり得る。特許請求の範囲に記載の所望の目的をもたらす任意の投与経路が適切である。投与は、局所(local)または全身投与であり得る。好ましくは、投与は局所投与である。投与は、外用投与、経皮投与、経口投与、注射による投与(例えば、静脈内(i.v.)、動脈内(i.a.)、腹腔内(i.p.)、筋肉内(i.m.)、および皮下(s.c.)注射)、または経鼻投与であり得る。例えば、本発明による組成物は、許容可能なキャリアおよび賦形剤と共に、外用(topical)、経口、直腸、経粘膜、経鼻、腸内、経腸および非経口投与のための任意の適切な形態で製剤化することができる。
好ましい実施形態において、前記組成物は、外用使用(topic use)のための組成物である。好ましい実施形態において、前記組成物は、組織を有する対象に外用的に投与される外用使用のための組成物である。換言すると、本発明による組成物は、外用的に投与することができる。好ましい実施形態では、前記組成物は、皮膚の一部、例えば、顔、頭皮、または身体の一部、または毛に外用的に投与される外用使用のための組成物である。皮膚は、乾燥皮膚、正常皮膚および油性皮膚を含む、すべてのタイプの皮膚であり得る。
オオアザミの花抽出物は、局所的および/または全身的効果を有し得る。好ましい実施形態において、局所的(locally)および外用的(topically)に投与される場合、それは(主にまたは完全に)局所的効果を有する。
本発明の文脈において使用される場合に、用語「対象」は、好ましくは任意の動物、より好ましくはヒトを含む哺乳動物、特にヒトである任意の生物として、最も広い意味で理解され得る。
前記組成物は、任意の用途のための組成物であってもよい。好ましくは、前記組成物は化粧品組成物、医薬組成物、またはニュートラシューティカル(nutraceutical)組成物である。好ましい実施形態では、前記組成物は、エマルション、ジェル、軟膏、トニック、液体石鹸、固形石鹸、バスオイル、シャワーオイル、マッサージオイル、メーキャップ、頭皮トリートメント、アフターシェーブ、シェービング製品、デオドラント、シャワージェル、シャンプー、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。好ましい実施形態では、前記組成物は、溶液、懸濁液、エマルション、クリーム、ペースト、ジェル、ローション、粉末、石鹸、界面活性剤含有水、オイル、およびスプレーからなる群から選択される、外用使用のための組成物である。
代替的な好ましい実施形態において、前記組成物は、組織を有する対象に経口的に投与されるニュートラシューティカル組成物である。オオアザミの花抽出物は、任意選択的に、食品、例えば、フードサプリメントに含まれていてもよい。従って、典型的には、オオアザミの花抽出物は全身的な効果を有する。本発明によるニュートラシューティカル組成物は、許容可能なキャリアまたは賦形剤と共に、経口投与に適した任意の通例の形態に、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒、粉末、溶液、エマルションおよび懸濁液に製剤化することができる。
本出願の文脈における細胞老化は、最も広い意味で理解され得る。それは何らかの理由を有し得る。好ましい実施形態において、細胞老化は、加齢に関連する老化細胞、ストレスに関連する老化細胞、またはその両方の存在から生じる。
老化細胞が由来する、および/または老化細胞が位置する組織は、任意の組織であってもよい。好ましい実施形態において、組織は、皮膚に存在する組織、特に真皮組織、表皮組織、皮下組織、毛包組織、およびそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される。
細胞老化の意図される低減は、任意の化粧および/または治療目的のために試みられ得る。本発明の好ましい実施形態において、組織における細胞老化の低減は、皮膚、毛、またはその両方の外観または他の特性を改善するためのものである。
老化細胞は、任意の起源のものであってよい。好ましい実施形態において、老化細胞は、皮膚、特に真皮組織、表皮組織、皮下組織、毛包組織、およびそれらの2つ以上の組み合わせに由来する。本発明の好ましい実施形態において、老化細胞は、皮膚、毛包および身体から選択される組織に由来する。より一般的には、組織は、間葉(mesenchymatous)起源の細胞によって構成され得る。ここでは、老化が内因性因子および外因性因子の両方によって誘導され得る。好ましくは、組織は、皮膚および/または毛包から選択され得る。好ましい実施形態において、老化皮膚細胞は、線維芽細胞、メラニン細胞、ケラチノサイト、内皮細胞および脂肪細胞から選択される。好ましい実施形態において、老化細胞は、線維芽細胞、メラニン細胞、ケラチノサイト、内皮細胞および脂肪細胞から選択される老化皮膚細胞である。
本発明の好ましい実施形態において、組織における細胞老化を低減することは、皮膚の弾力性、皮膚のハリ、皮膚の厚さ、皮膚の色合い(skin tone)、皮膚のラジアンス(skin radiance)、皮膚バリア、皮膚の保湿、皮膚の若返り、またはそれらの2つ以上を改善するため、あるいは、皮膚のたるみ、皮膚の色素過剰、皮膚の色素脱失、皮膚の弾力性およびハリの喪失、紅斑、皮膚バリア機能不良、DNA損傷、脱毛、毛の薄化、毛の脆弱性、白毛(grey-hair)、またはそれらの2つ以上を妨げるかまたは改良するためである。
従って、オオアザミの花抽出物を含む組成物は、皮膚の弾力性、皮膚のハリ、皮膚の厚さ、皮膚のたるみ、皮膚の色合い、皮膚のラジアンス、皮膚バリア、皮膚の保湿、皮膚の若返り、皮膚の色素過剰、皮膚の色素脱失、皮膚の弾力性およびハリの喪失、紅斑、皮膚バリア機能不良、DNA損傷、脱毛、毛の薄化、毛の脆弱性、白毛、またはそれらの混合状態を処置または予防または改善するために使用することができる。
本願が使用され得るいくつかの分野はまた、治療/薬学的用途にも関する。
従って、本発明のさらなる態様はまた、皮膚に存在する組織における細胞老化に関連する障害を処置または予防するための方法において使用するための、セノセラピューティクス剤としての、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含むかまたは当該抽出物からなる組成物に関する。
本発明の化粧用用途の文脈においてなされる定義および好ましい実施形態が、必要な変更を加えて、本発明の用途のための組成物に適用されることは理解されるだろう。
換言すると、本願はまた、皮膚に存在する組織における細胞老化に関連する障害を処置または予防するための方法に関し、ここで、前記組織は、(セノセラピューティクス剤としての)オオアザミの花抽出物を含むかまたは当該抽出物からなる組成物の十分な量で前記組織へ投与される。
本明細書で使用される場合に、「剤」は、前記組成物の任意の成分として最も広い意味で理解され得る。それは、異なる化学物質、すなわち化合物を含有する複合成分であってもよく、または単一成分からなる成分であってもよい。本発明によるオオアザミの花の抽出物は、好ましくは、多くの化学物質を含む複合成分である。セノセラピューティクス剤はまた、「セノセラピューティクス成分」とも称し得る。
本発明はまた、皮膚および毛包における加齢に関連するまたはストレスに関連する老化細胞の予防におよび/または処置における;および/または皮膚および毛包における細胞老化に関連する障害の処置におけるセノセラピューティクス活性成分として使用するための、オオアザミの種子を欠いた花の抽出物を含む化粧用組成物に関する。
本発明はまた、皮膚に存在する組織内の細胞老化に関連する障害の処置において;および/または前記組織内の加齢に関連する老化細胞を減弱するために、セノセラピューティクス活性成分として使用するための、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含む医薬組成物に関する。
本発明はまた、皮膚および毛内の加齢に関連するまたはストレスに関連する老化細胞の予防におよび/または処置における;および/または皮膚および毛内の細胞老化に関連する障害の処置におけるセノセラピューティクス活性成分として使用するための、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を少なくとも含むニュートラシューティカル組成物に関する。
本発明はまた、対象における皮膚に存在する組織における細胞老化に関連する障害を処置または予防するための方法であって、前記組織が、(セノセラピューティクス剤としての)種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含むかまたは当該抽出物からなる組成物の十分量で、前記対象の前記組織に投与される、前記の方法に関する。本願はまた、対象における細胞老化に関連する障害を処置または予防するための方法であって、皮膚に存在する組織が、(セノセラピューティクス剤としての)種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含むかもしくは当該抽出物からなる組成物の十分量で、前記対象に投与される、前記の方法に関する。
本発明はまた、皮膚に存在する組織内の加齢に関連するまたはストレスに関連する老化細胞の予防におよび/または処置における;および/または前記組織内の細胞老化に関連する障害の処置におけるセノセラピューティクス活性成分として使用するための、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物(活性成分としての)に関する。
上記を考慮すると、本発明はまた、皮膚に存在する組織内の加齢に関連するまたはストレスに関連する老化細胞の予防におよび/または処置における;および/または前記組織内の細胞老化に関連する障害の処置における、セノセラピューティクス活性成分として使用するための、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物に関する。
処置されるべき障害は、細胞老化に関連する任意の障害であってよい。本明細書で使用される場合に、用語「障害」は、処置されるべき任意の状態(例えば、病理学的状態)として、最も広い意味で理解され得る。それはまた、生来の疾患または後天性の疾患であってもよい。
興味対象の組織を有する対象は、障害に罹患してしてもよく、または障害を発症するリスクを有していてもよい。本明細書で使用される場合に「~に罹患している」という用語は、対象が関連する(病理学的)状態を発症したという様式で、最も広い意味で理解され得る。障害に罹患している対象は、必ずしも医学的症状を有するわけではなく、任意選択的に医学的症状を有する。「リスクを有する」または「発症するリスクを有する」という語句は、対象が本発明の意味において障害を有する一定のリスクを有することを意味する。治療の文脈において、対象はまた「患者」とも称され得る。
本発明の好ましい実施形態において、前記障害は、(病理学的な)皮膚乾燥、(病理学的な)色素過剰、(病理学的な)色素脱失、(病理学的な)皮膚の弾力性およびハリの喪失、紅斑、(病理学的な)脱毛、毛の薄化、毛の脆弱性、白毛および組織線維化疾患からなる群から選択される。
障害はまた、組織内の細胞老化に関連する障害であってもよい。本明細書で使用される場合、用語「組織内の細胞老化に関連する障害」は、例えば、上記で定義された皮膚障害、および組織線維化疾患を含めた、組織における任意の生理学的障害を含み得る。
前記障害はまた、組織内の皮膚および毛における細胞老化に関連する障害であってもよい。本明細書で使用する場合に、用語「皮膚および毛における細胞老化に関連する障害」は、例えば前記組織内の非老化(正常)細胞と比較した老化皮膚および毛包細胞の蓄積又は増加量による、これらの組織における生理学的障害として、最も広い意味で理解され得る。
障害は、内因性因子および外因性因子の両方、例えば時間、遺伝的因子、ホルモン、光、UV曝露、汚染;より一般的には外部因子および環境因子、によって誘発され得る。障害の例は、シワ(wrinkles)、小ジワ(fine lines)、たるみ、乾燥、くすみ(dullness)、色素過剰、色素脱失、皮膚の弾力性およびハリの喪失、紅斑、皮膚バリア機能不良、DNA損傷、脱毛、毛の薄化、毛の脆弱性および白毛であり得る。
驚くべきことに、0.01重量%未満のシリマリンを含有する抽出物が、上記の目的に特に有益であることが見出された。
本発明の化粧用用途および本発明の用途用の組成物の文脈においてなされる定義および好ましい実施形態が、必要な変更を加えて、本発明の組成物に適用されることは理解されるだろう。
本明細書および特許請求の範囲を通じて、文脈が別途要求する場合を除き、オープン型の語句、例えば「含む(comprise)」、「含有する(contain)」、「包含する(include)」等、およびバリエーション、例えば「含む(comprises)」、「含有する(contains)」、「包含する(includes)」、「含んでいる(comprising)」、「含有している(containing)」、「包含している(including)」等は、言及した成分、構成要素、整数またはステップ、あるいは成分、構成要素、整数またはステップの群を含むことを意味するが、任意の他の成分を排除することは意味しないと理解され得る。
本発明を説明する文脈において(特に特許請求の範囲の文脈において)使用される「a」および「an」および「the」という用語ならびに類似の参照は、本明細書において別段の示唆がない限り、または文脈によって明らかに否定されていない限り、単数形と複数形との両方をカバーするものと解釈すべきである。本明細書における値の範囲の記述は、単に、当該範囲内のそれぞれの別個の値を個々に参照する簡略な方法として機能することを意図するものである。本明細書において別段の示唆がない限り、それぞれの個々の値は、それが本明細書に個々に、ならびに互いに組み合わせて列挙されているかのように、本明細書中に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書において別段の示唆がない限り、または明確に文脈に相反しない限り、任意の適切な順番で行うことができる。本明細書において供される、いずれかのおよび全ての例、または例示的な語句(例えば、「などの」、「例えば」)の使用は、単に本発明をよりよく理解させることを意図するものであり、別段特許請求される発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいずれの文言も、本発明の実施に必須な特許請求の範囲に記載されていない要素を示していると解釈すべきではない。
本発明の全ての構成要素についてより詳細に説明する。これらの要素は特定の実施態様と共に列挙されているが、追加的な実施態様を作成するために、任意の方法および任意の数で組み合わせることができることが理解されるべきである。様々に記載された例および実施態様は、明示的に記載された実施態様のみに本発明を限定するように解釈されるべきではない。この記載は、明示的に説明された実施態様を任意の数の開示された構成要素と組み合わせる実施態様を支持し、包含するものと理解されるべきである。さらに、本出願において説明されるすべての構成要素の任意の置換および組み合わせは、文脈が別段の指示をしない限り、本出願の記載によって開示されたとみなされるべきである。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載の方法および材料が好ましいが、本明細書に記載のものと類似または同等の他の方法および材料も同様に、本発明の実施または試験において使用することができる。
本明細書において引用または参照される全ての文献は、参照により組み込まれ、本発明の実施において使用され得る。より具体的には、全ての参照された文献は、あたかも各個々の文献が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されたのと同じ程度まで参照により組み込まれる。
以下の例および図面は、本発明のさらなる実施態様をその範囲を限定することなく説明することを意図するものである。

1.オオアザミ花抽出物の調製
種子を除去したオオアザミの花を乾燥し、粉砕した。次いで、粉砕したオオアザミ粉末100gを、70%(v/v)エタノール(および30%(v/v)水)を用いたヒドロアルコール抽出により、室温で一晩抽出した。上清をろ過によって回収した。ロータリー真空エバポレーション(Heidolph, Schwabach,ドイツ)により、エタノールおよび水を、回収した上清から除去した。得られた抽出物を凍結乾燥して、オオアザミ花抽出物(SME)を得た。
2.in vitro比較試験
この試験では、オオアザミの花抽出物(SME)のセノセラピューティクス効果を実証した。オオアザミの抽出物のセノセラピューティクス効果は、老化皮膚および毛包細胞におけるそのセノリティック活性および/またはそのセノモルフィック活性に起因し得る。
材料:
試薬は以下のように得た:セノリティック剤として一般に知られる剤「ABT-737」はabcam(MA,米国)から購入し;3-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、Duchefa(Haarlem,オランダ)から購入し;Hoechst33342、すなわち死細胞アポトーシスキットはInvitrogen(CA,米国)から購入し;抗体および老化β-ガラクトシダーゼ染色キットはCST(MA,米国)から得た。
老化皮膚老化細胞表現型の誘導
非老化ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)をATCC PCS-201-010(商標)(VA,米国)から得、10%(v/v)ウシ胎仔血清およびペニシリン/ストレプトマイシン(100IU/50μg/mL)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;Hyclone,UT,米国)において、37℃で空気中5%のCOを含む加湿雰囲気中で培養した。8~10代の継代からの非老化HDFを、80~90%の間のコンフルエント度で実験に使用した。老化HDFは、40継代に対応する累積集団倍加数(CPD)によって誘導された。細胞は40継代後に老化表現型を獲得した。
毛乳頭老化細胞表現型(HFDPC)の誘導
毛乳頭細胞を、18継代に対応する累積集団倍加数(CPD)によって誘導した。HFDPCは18継代後に老化表現型を獲得した。
細胞生存アッセイ
非老化および老化HDFを、それぞれ24ウェルプレート上に播種した。試験物質の処理(SME、ABT-737などによる意味)と共に3日間インキュベートした後、MTTアッセイを用いてHDF生存率を決定した。
SA-β-ガラクトシダーゼ染色アッセイ(老化細胞マーカー)
HDFおよびHFDPCを、一定の細胞密度で6ウェルプレートに播種した。試験物質の処理と共に3日間インキュベートした後、老化β-ガラクトシダーゼ染色キット(CST,MA,米国)を用いて細胞を染色した。SA-β-galを使用して、老化細胞において観察される異常な酵素活性を評価する。培養物を、染色溶液を添加した後、一晩インキュベートした;老化細胞におけるSA-β-galは青色に染まる。老化細胞の割合を、青色に染色された老化細胞の数を細胞の総数で割ったものとして計算した。染色された細胞および総細胞の平均数を決定した。
アポトーシスマーカーおよびSASPマーカーの免疫蛍光染色
HDFを24ウェルプレート上に播種した。試験物質の処理と共に3日間インキュベートした後、HDFを4%(w/v)ホルムアルデヒドで15分間室温で固定し、PBS中の5%ウシ血清アルブミン、0.3%(w/v)Tween 20で1時間ブロッキングした。使用した抗体、カスパーゼ-3、PARP、IL-6およびIL-8(1:50希釈;CST,米国)を各ウェルに加え、続いて4℃で一晩置いた。細胞をPBSで洗浄し、Hoechst33342(1:10000,Invitrogen,米国)と室温で10分間インキュベートした。引き続き、蛍光顕微鏡法(EVOS;Life Technologies GmbH,ドイツ)によって蛍光を分析した。
SASPマーカーの酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)
細胞上清中のMMP-1のレベルを、Human matrix metalloproteinase 1(MMP-1)Quantikine ELISA Kit(R&D system Inc.,米国)によって、製造業者のプロトコールに従って測定した。HDFを、様々な濃度のSME 100および200ppmで3日間処理し、細胞上清をSME処理後に回収した。
統計解析:
全てのデータを平均±標準偏差として表した。データの統計的有意性は分散の二元配置分析によって決定した。p<0.05、**p<0.01は統計的に有意であることを示した。
結果:
結果を、3つの独立したアッセイを行うことによって得た。
非老化細胞対照と比較して ##p<0.01
老化細胞対照と比較して p<0.05;**p< 0.01;***p<0.001
SMEが老化HDFにおいてセノリティック活性を有するかどうかを調べるために(図1)、老化HDFおよび非老化HDFにおける細胞生存率を観察した。老化および非老化HDFをSMEで3日間処理した。実験アッセイを検証するために、老化HDF(培養で少なくとも40継代)におけるSME(100および200ppm)のセノリティック効果と比較した、既知のセノリティック化学化合物(ABT-737)の効果を決定した(図1A)。実際、3日間の処理は、老化HDFにおけるSMEの有意な特異的セノリティック効果を実証した。細胞生存率がSME処理老化HDFにおいて35%減少し、非老化HDFにおいて変化は観察されず、老化HDFにおけるSMEの特異的セノリティック活性が確認された。
さらに、図1Bにおいて、SA-β-Gal活性を、陽性対照としてのABT-737、および50、100および200ppmのSMEによって処理したHDFのこの老化モデルにおいて調べた。SMEによる3日間の処理後、SA-β-Gal染色は、用量依存的に有意に減少し、SMEが老化HDFの数に影響する能力が確認された。さらに、SMEによって100ppmおよび200ppmで3日間処理した、または処理しなかった非老化および老化HDFにおける老化マーカーp21の発現を定量化した(図1C)。未処理老化HDFにおけるp21の強い発現により、この細胞周期阻害剤を老化マーカーとして研究することの妥当性が確認される。SMEによる3日間の処理は、老化HDFにおけるp21発現の用量依存的阻害を実証し、SMEのセノモルフィック活性を実証した。
セノリティック効果の作用機序を明らかにするために、アネキシンVおよびヨウ化プロピジウム(PI)染色後のフローサイトメーターによりアポトーシス細胞を調べた。処置3日後のアポトーシスHDF(アネキシンV-FITC陽性)のパーセンテージの定量化を行った(図2A)。既知のアポトーシス化合物を用いてアッセイを検証した。非老化HDFにおいて、SMEによる3日間の処置は、アポトーシスHDFの数を変えず、非老化HDFに対するSMEの非毒性が実証された。さらに、200ppmのSMEは、複製モデル老化HDFにおけるアポトーシスHDFの数を有意に増加させ、図1Aおよび図1Bに示されるSMEのセノリティック活性が確認された。
誘導されたアポトーシスが老化HDFに特異的であることを確認するために、非老化および老化HDF内のカスパーゼ-3発現を決定した。実際、カスパーゼ-3は、細胞アポトーシスの実行相において中心的な役割を果たし、そのタンパク質分解性切断はその活性化をもたらす。ポリ-ADP-リボースポリメラーゼ(PARP)(カスパーゼによって媒介される)の切断阻害は細胞の分解を促進し、アポトーシスを起こしている細胞のマーカーとしての役割を果たす。図2Bおよび2Cは、SME濃度100ppmおよび200ppmでの3日間のSME処理後の、切断されたカスパーゼ-3および切断されたPARPのそれぞれの発生を示す。切断されたカスパーゼ-3(図2B)および切断されたPARP(図2C)の蛍光強度分析の定量化を得た。SMEによる3日間の老化HDFの処理は、カスパーゼ-3およびPARPの切断を有意に増加させ、SMEによる老化HDFにおけるアポトーシスの特異的誘導が確認され、SMEのセノリティック活性が実証された。
前述のデータは、SMEが老化細胞(ヒト皮膚線維芽細胞(HDF)として例示される)を、それらをアポトーシスに誘導することによって、選択的に殺すことを可能にすることを実証する。
SMEのセノモルフィック活性を調べるために、特異的SASPマーカーおよびSASP調節因子の免疫蛍光強度測定を行った。SASP因子放出の阻害によるHDFの老化複製モデルにおけるSMEのセノモルフィック活性が報告された(図3)。図3A、図3Bおよび3Cは、それぞれγ-H2AXマーカー、TNF-αおよびIL-6細胞発現に対応する免疫蛍光強度測定の定量化を示す。MMP-1の分泌が図3Dに示され、ELISAアッセイによって測定される。100ppmおよび200ppmのSME濃度でSASP因子放出を調節することが知られているDNA損傷応答マーカーγ-H2AXの発現レベルに及ぼす老化HDFにおけるSMEの効果を調べた(図3A)。老化HDFは、非老化HDFと比較して、γ-H2AX発現の強い増加を有する。この強力な発現は、老化HDFにおけるγ-H2AX発現の用量依存的減少を誘導したSMEによる3日間の処理後に有意に打ち消された。
さらに、図3Bおよび3Cは、TNF-αおよびIL-6としてそれぞれ例示されるSASP因子の発現レベルにおける、老化HDFにおける100ppmおよび200ppmのSME濃度でのSMEの効果を示す。老化HDFは、非老化HDFと比較して、TNF-αおよびIL-6発現の強い増加を有する。これらの強力な発現は、老化HDFにおけるこれらのSASP因子発現の用量依存的減少を誘導したSMEによる3日間の処理後に有意に打ち消された。
さらに、図3Dは、SMEによって100ppmおよび200ppmで3日間処理された、または処理されなかった非老化または老化HDFの培養物の上清中のMMP-1分泌レベルを示す。ABT-737を陽性対照として使用した。MMP-1は、老化に関連する皮膚マトリックス分解に関与する周知のSASP因子である。MMP-1分泌が、非老化HDFと比較して、老化HDFにおいて有意に増加した。この強力な分泌は、老化HDFによるMMP-1分泌の減少を誘導したSMEによる3日間の処理後に有意に打ち消された。
前述の結果は、SASP分泌を阻害することによって老化細胞(HDFとして例示される)においてSMEによって発揮されるセノモルフィック活性を実証している。
SMEのさらなるセノモルフィック活性を調べるために、老化HDFの老化複製モデルを用いて、SMEが老化HDFの増殖能力を回復できるかどうかを決定した(図4)。この目的のために、老化HDFの除去後に細胞増殖を刺激するSME能力の評価を、老化HDFと非老化HDFの分染によって可能にした。老化および非老化HDFをそれぞれ1:9の比で混合し、SMEで3日間処理し、次いで細胞を回収し、再び播種した。3日間のインキュベーション後、細胞増殖速度および集団倍加時間を細胞計数によって測定した。図4Aおよび図4Bの結果は、細胞計数によって測定された。
図4Aは、50、100および200ppmのSME濃度でのSME処理後の混合された老化および非老化HDFの細胞増殖速度をそれぞれ示す。実際、SMEは200ppmのSME濃度で増殖速度を有意に増加させ、老化HDFの除去後の皮膚の再生を改善するその能力が実証される。引き続き、図4Bは、SMEによる3日間の処理後の、混合した老化および非老化HDFの倍加時間におけるSMEの効果を実証する。実際、SMEは200ppmのSME濃度で集団倍加時間を有意に減少させ、老化HDFの除去後の皮膚の再生を改善するその能力が確認される。
前述の結果は、増殖速度および倍加時間の両方を改善することによって、老化HDFにおいてSMEによって発揮されるセノモルフィック活性を実証する。
SMEのセノモルフィック活性を実証するために、HDFの老化複製モデルを用いて、SMEがI型コラーゲンの合成における老化HDFの能力の回復を可能にするか否かを決定した。この目的のために、ELISAキットを用いて、細胞上清中のI型コラーゲン量を測定することにより、この効果を評価した。図5は、50、100および200ppmの濃度のSMEが、非老化HDFと比較して、老化HDFにおけるI型コラーゲン合成を用量依存的に増加させたことを示す。この結果により、老化HDFを選択的に殺すためのSMEの能力(セノリティック活性を示唆)に加えて、それが、SMEがI型コラーゲンを合成するための老化HDFの能力(セノモルフィック活性を示唆)の回復も可能にすることを示すことが確認される。I型コラーゲンの刺激は老化細胞では観察されなかったので、この効果は老化細胞に特異的であると考えられる。従って、SMEは老化細胞を標的とすることによって、皮膚の若返り、老化した皮膚の皮膚修復のために、および抗しわ剤として、使用され得る。
さらに、陽性対照としてのABT-737、および50、100および200ppmの濃度のSMEで処理した毛乳頭細胞のこの老化モデルにおいてSA-β-Gal活性を調べた(図6)。200ppmのSMEによる3日間の処理後、SA-β-Gal染色は用量依存的に有意に減少し、毛乳頭細胞の数に影響を及ぼすSMEの能力が確認され、従って、セノリティック活性が確認された。これは、上記のポジティブな効果が様々な細胞タイプにおいて使用できることを実証する。
以上のことから、本発明のオオアザミの抽出物(SME)を、セノセラピューティクス剤として非常に良好に使用できることが実験的に見出された。特に、このような抽出物はセノリティックおよびセノモルフィック活性を有することが見出された。老化細胞における細胞死が、特に老化細胞のアポトーシスの誘導および促進によって、選択的にそれぞれ誘導および促進された。さらに、老化表現型は、オオアザミの抽出物(SME)での処理により、生存老化細胞において抑制できた。
従って、そのような抽出物が、組織における細胞老化を低減するため、皮膚、毛または両方の外観または他の特性を改善するため、特に、皮膚の弾力性、皮膚のハリ、皮膚の厚さ、皮膚の色合い、皮膚のラジアンス、皮膚バリア、皮膚の保湿、皮膚の若返り、またはそれらの2つ以上を改善するため、ならびに、皮膚のたるみ、皮膚の色素過剰、皮膚の色素脱失、皮膚の弾力性およびハリの喪失、紅斑、皮膚バリア機能不良、DNA損傷、脱毛、毛の薄化、毛の脆弱性、白毛、またはそれらの2つ以上を妨げるかまたは改良するため、ならびに乾燥、色素過剰、色素脱失、皮膚の弾力性およびハリの喪失、紅斑、脱毛、肥満、糖尿病、神経変性疾患、変形性関節症、アテローム性動脈硬化、加齢性眼疾患および組織線維化疾患を処置または予防するために使用できることが示された。
3.化粧品処方例
外用適用に適したオオアザミ花抽出物(SME)を含むクリームを、通例の方法に従って調製する:
Figure 2023545001000001

Claims (13)

  1. 乾燥抽出物の全重量を基準として、0.1重量%未満のシリマリン、または0.01重量%未満のシリマリン、または0.001重量%未満のシリマリン、または0重量%のシリマリンを含む、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含むかまたは当該抽出物からなる組成物の、皮膚に存在する組織における細胞老化を低減するためのセノセラピューティクス剤としての、化粧用の使用。
  2. オオアザミの前記抽出物が、ヒドロアルコール抽出物またはアルコール抽出物である、請求項1に記載の化粧用の使用。
  3. オオアザミの前記抽出物が、ヒドロアルコール抽出物である、請求項1または2に記載の化粧用の使用。
  4. オオアザミの前記抽出物が、前記組織における老化細胞の細胞死、特にアポトーシス細胞死を特異的に誘導または促進することを含むセノリティック活性を有する、請求項1~3のいずれか1つに記載の化粧用の使用。
  5. オオアザミの前記抽出物が、前記組織における老化細胞の老化表現型の抑制、前記組織における老化細胞の増殖能力の回復、前記組織における老化細胞中の代謝プロセスの回復、またはそれらの2つもしくは全ての組み合わせを誘導するセノモルフィック活性を有する、請求項1~4のいずれか1つに記載の化粧用の使用。
  6. オオアザミの前記抽出物が、以下からなる群から選択される、前記組織中の老化細胞に対する1または複数の以下の活性を有する、請求項1~5のいずれか1つに記載の化粧用の使用:
    (a)組織中の老化細胞からの老化関連分泌形質(SASP)因子の放出を阻害すること、特にここで、SASP因子は、γ-H2AX、腫瘍壊死因子α、IL-1α、IL-1β、IL-6およびIL-8からなる群から選択されるインターロイキン(IL)などの炎症性サイトカイン、MMP-1およびMMP-3からなる群から選択されるマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)などのメタロプロテイナーゼからなる群から選択される;
    (b)老化細胞の細胞増殖能力を再生すること;
    (c)老化細胞の老化誘導性細胞劣化を妨げること;
    (d)老化細胞における代謝プロセスを回復させること、および
    (e)老化細胞の細胞死を誘導または促進すること。
  7. 前記組成物が、前記組成物の全重量を基準として、0.0001~20重量%、好ましくは0.001~15重量%、より好ましくは0.005~10重量%、特に0.01~5重量%のオオアザミの前記抽出物を含む、請求項1~6のいずれか1つに記載の化粧用の使用。
  8. 前記組成物が、前記組織を有する対象に外用的に投与される外用使用のための組成物であり、特に、前記組成物が、溶液、懸濁液、エマルション、クリーム、ペースト、ジェル、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤含有水、オイルおよびスプレーからなる群から選択される外用使用のための組成物であるか;または
    前記組成物が、前記組織を有する対象に経口的に投与されるニュートラシューティカル組成物である、
    請求項1~7のいずれか1つに記載の化粧用の使用。
  9. 細胞老化が、加齢に関連する老化細胞、ストレスに関連する老化細胞、または両方の存在から生じる、請求項1~8のいずれか1つに記載の化粧用の使用。
  10. 皮膚に存在する組織が、表皮組織、皮下組織、毛包組織、およびそれらの2つ以上の組み合わせから選択される、請求項1~9のいずれか1つに記載の化粧用の使用。
  11. 前記組織における細胞老化を低減することが、皮膚、毛または両方の外観または他の特性を改善するため、特に、皮膚の弾力性、皮膚のハリ、皮膚の厚さ、皮膚の色合い、皮膚のラジアンス、皮膚バリア、皮膚の保湿、皮膚の若返り、またはそれらの2つ以上を改善するためであり、あるいは、皮膚のたるみ、皮膚の色素過剰、皮膚の色素脱失、皮膚の弾力性およびハリの喪失、紅斑、皮膚バリア機能不良、DNA損傷、脱毛、毛の薄化、毛の脆弱性、白毛、またはそれらの2つ以上を妨げるかまたは改良するためである、請求項1~10のいずれか1つに記載の化粧用の使用。
  12. 皮膚に存在する組織における細胞老化に関連する障害を処置または予防するための方法において使用するための、セノセラピューティクス剤としての、種子が除去されたオオアザミの花の抽出物を含むかまたは当該抽出物からなる組成物。
  13. 請求項12の使用のための組成物であって、
    (A)前記障害が、皮膚乾燥、色素過剰、色素脱失、皮膚の弾力性およびハリの喪失、紅斑、脱毛、毛の薄化、毛の脆弱性、白毛および組織線維化疾患からなる群から選択され;
    (B)オオアザミの少なくとも1種の抽出物が請求項1~3のいずれか1つにおけるように定義され;
    (C)前記組成物が請求項7または8におけるように定義され;
    (D)細胞老化が請求項9におけるように定義され;
    (E)皮膚に存在する組織が請求項10におけるように定義され;
    (F)目的が請求項11におけるように定義され;または
    (G)特徴(A)~(F)のいずれかの2つ以上の組み合わせである、
    前記組成物。
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