JP2023534470A - エステル系物質の回分式製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、回分式反応器において、触媒下で、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、及びクエン酸からなる群から選択される1種以上の多価カルボン酸とアルキル炭素数が3~12のモノアルコールが反応する段階;を含み、前記回分式反応器の圧力は、前期圧力が0.3barg~1.0bargであり、後期圧力が0barg~0.5bargであり、前期圧力が後期圧力よりも大きく、前記前期及び後期は、反応転換率が30%~90%である時点のいずれかの時点に基づいて区分されるものであるエステル系物質の製造方法を提供し、この方法を適用する場合、エステル系物質の生産性を改善することができ、工程上のエネルギー消耗量を節減することができる。

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年9月24日に出願された韓国特許出願第10-2020-0124124号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
本発明は、回分式でエステル系物質を製造することにおいて、反応器の圧力を制御することを特徴とするエステル系物質の回分式製造方法に関する。
フタレート系可塑剤は、20世紀まで世界可塑剤市場の92%を占めており(Mustafizur Rahman and Christopher S.Brazel「The plasticizer market:an assessment of traditional plasticizers and research trends to meet new challenges」Progress in Polymer Science 2004、29、1223-1248参照)、主にポリ塩化ビニル(以下、PVCという)に柔軟性、耐久性、耐寒性などを付与し、溶融時に粘度を下げて加工性を改善するために使用される添加物であって、PVCに多様な含量で投入され、硬いパイプのような硬質製品から、柔らくてよく伸びて食品包装材及び血液バック、床材などに使用され得る軟質製品に至るまで、どの材料よりも実生活と密接な連関性を有し、人体との直接的な接触が不可避な用途として広く使用されている。
しかし、フタレート系可塑剤のPVCとの相溶性及び優れた軟質付与性にもかかわらず、近年、フタレート系可塑剤が含有されたPVC製品の日常生活での使用時に、製品の外部に少しずつ流出され、内分泌系障害(環境ホルモン)推定物質及び重金属水準の発癌物質として作用する可能性があるという有害性を巡る論難が提起されている(N.R.Janjua et al.「Systemic Uptake of Diethyl Phthalate、Dibutyl Phthalate、and Butyl Paraben Following Whole-body Topical Application and Reproductive and Thyroid Hormone Levels in Humans」Environmental Science and Technology 2008、42、7522-7527参照)。特に、1960年代米国でフタレート系可塑剤中のその使用量が最も多いジエチルヘキシルフタレート(di-(2-ethylhexyl)phthalate、DEHP)がPVC製品の外部に流出されるという報告が発表された後、1990年代に入って環境ホルモンへの関心が加わって、フタレート系可塑剤の人体への有害性に対する多様な研究をはじめ、汎世界的な環境規制が行われ始めた。
そこで、多くの研究陣は、フタレート系可塑剤、特に、ジ(2-エチルヘキシル)フタレートの流出による環境ホルモン問題、及び環境規制に対応するために、ジ(2-エチルヘキシル)フタレートの製造時に使用されるフタル酸が排除された新しい非フタレート系代替の可塑剤を開発するか、フタレートベースであるが、可塑剤の流出が抑制されて工業用として使用され得るジ(2-エチルヘキシル)フタレートを代替し得るフタレート系可塑剤を開発するだけでなく、フタレート系可塑剤の流出を抑制して人体への危害性を顕著に減らすことはもちろん、環境基準にも適合し得る流出抑制技術を開発するために研究を進めている。
このように、エステルベースの可塑剤として、既存の環境的問題のあるジ(2-エチルヘキシル)フタレートを代替し得る環境的問題から自由な物質の開発が活発に進められており、物性に優れたエステル系可塑剤を開発する研究はもちろん、このような可塑剤を製造するための設備に関する研究も活発に進められており、工程設計の側面で、より効率的かつ経済的で簡素な工程の設計が求められている。
一方、前記エステル系可塑剤を製造する工程は、大部分の産業現場で回分式工程が適用されており、回分式工程として反応器内の未反応物の還流と副反応物の効率的な除去のための気液分離システムに関する発明(韓国公開特許 第10-2019-0027622号公報)と、回分式工程の設備を簡素化するために1次直接エステル化反応及び2次トランスエステル化反応の設備を統合したシステムに関する発明(韓国公開特許 第10-2019-0027623号公報)などが紹介されている。
しかし、このような発明で紹介される回分式工程の場合、設備の簡素化や設備の変更による反応の改善を目的としており、この場合、工程上の設備の追加やラインの変更など、非常に多くのコストが求められる方法であって、容易に産業に適用し難い。そこで、工程条件の変形及び制御により反応が最適化できる工程の開発が必要な実情である。
韓国公開特許 第10-2019-0027622号公報 韓国公開特許 第10-2019-0027623号公報
Mustafizur Rahman and Christopher S.Brazel「The plasticizer market:an assessment of traditional plasticizers and research trends to meet new challenges」Progress in Polymer Science 2004、29、1223-1248 N.R.Janjua et al.「Systemic Uptake of Diethyl Phthalate、Dibutyl Phthalate、and Butyl Paraben Following Whole-body Topical Application and Reproductive and Thyroid Hormone Levels in Humans」Environmental Science and Technology 2007、41、5564-5570
本発明は、回分式でエステル系物質を製造する工程において、反応開始時点と反応途中での反応器の内部圧力を適宜制御することにより、高い転換率を達成して製品品質の均一性を確保することができ、還流量を低減してエネルギー使用量を節減することができながらも、反応時間の短縮などにより生産性も最大化することができる、エステル系物質の製造方法の提供を目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、エステル系組成物の製造方法を提供する。
(1)本発明は、回分式反応器において、触媒下で、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、及びクエン酸からなる群から選択される1種以上の多価カルボン酸とアルキル炭素数が3~12のモノアルコールが反応する段階;を含み、前記回分式反応器の圧力は、前期圧力が0.3barg~1.0bargであり、後期圧力が0barg~0.5bargであり、前期圧力が後期圧力よりも大きく、前記前期及び後期は、反応転換率が30%~90%の時点のいずれかの時点に基づいて区分される、エステル系物質の製造方法を提供する。
(2)本発明は、前記(1)において、前記回分式反応器の圧力は、前期圧力が0.4barg~1.0bargであり、後期圧力が0barg~0.4bargである、エステル系物質の製造方法を提供する。
(3)本発明は、前記(1)又は(2)において、前記モノアルコールは、多価カルボン酸の当量に対して20モル%~100モル%超過投入される、エステル系物質の製造方法を提供する。
(4)本発明は、前記(1)~(3)のいずれかにおいて、前記反応は、触媒存在下で行われ、前記触媒は、反応開始以前及び反応途中の少なくとも1以上の時点で投入される、エステル系物質の製造方法を提供する。
(5)本発明は、前記(1)~(4)のいずれかにおいて、前記触媒は、反応開始以前及び反応途中に投入される、エステル系物質の製造方法を提供する。
(6)本発明は、前記(1)~(5)のいずれかにおいて、前記後期圧力は、反応の進行につれて徐々に小さくなる、エステル系物質の製造方法を提供する。
(7)本発明は、前記(1)~(6)のいずれかにおいて、前記モノアルコールを反応中に追加投入する段階;をさらに含む、エステル系物質の製造方法を提供する。
(8)本発明は、前記(1)~(7)のいずれかにおいて、前記製造方法は、多価カルボン酸とモノアルコールのエステル化反応が行われる反応器、前記反応器からエステル化反応中に気化されたモノアルコール及び水が流入されて気液分離が行われ、液相は下部の反応器に投入され、気相は上部に排出されるカラム、前記カラムの上部に排出された気相を液化して液相混合物に転換する凝縮器、及び前記液相混合物が有機層及び水層に層分離され、分離された有機層は、前記カラムの上端に投入される、層分離器を含む反応ユニットで行われるエステル系物質の製造方法を提供する。
(9)本発明は、前記(1)~(8)のいずれかにおいて、前記反応ユニットは、反応器の前端に配置されるプレミキサーをさらに含み、前記多価カルボン酸及びモノアルコールはプレミキサーに投入されて混合及び予熱された後、反応器に移送される、エステル系物質の製造方法を提供する。
(10)本発明は、前記(1)~(9)のいずれかにおいて、触媒は、前記反応器、プレミキサー、及びカラムの液相から選択される1以上を介して投入されるエステル系物質の製造方法を提供する。
本発明は、エステル系物質を製造する過程で、特定の時点に基づいて反応前期と後期を区分し、この区分された時点に基づいて反応器の圧力を制御することにより、還流されるアルコール量を最小化することができ、反応時間を短縮してエネルギー使用量を節減しながらも、エステル系物質の生産性を最大化することができる。
本発明に適用された反応ユニットを示した工程図である。
以下、本発明に対する理解を助けるために、本発明をさらに詳細に説明する。ここで、本明細書及び特許請求の範囲に用いられる用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるとの原則に即し、本発明の技術的思想に適合する意味と概念に解釈されなければならない。
本発明の一実施形態によれば、エステル系物質の回分式製造方法は、回分式反応器と還流システムのためのカラム、層分離器及び凝縮器を含む反応ユニットで行われる。
また、前記製造方法は、回分式反応器において、触媒下で、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、及びクエン酸からなる群から選択される1種以上の多価カルボン酸とアルキル炭素数が3~12のモノアルコールが反応する段階;を含む。
また、前記回分式反応器の圧力は、前期圧力が0.3barg~1.0bargであり、後期圧力が0barg~0.5bargであり、前期圧力が後期圧力よりも大きく、前記前期及び後期は、反応転換率が30%~90%の時点のいずれかの時点に基づいて区分される。
本明細書において、反応前期の場合、反応物が反応器に投入された後、昇温が始まる時点から前記転換率30%~90%の間の時点、好ましくは30%~80%、40%~80%、又は50%~80%のいずれかの時点までを意味し、反応後期の場合、前記定義した一時点以後から反応が終結する時点までを意味してよい。この際、反応が終結したという意味は、反応物中の多価カルボン酸及びモノアルコールのうち、限定反応物として使用される物質の反応器内の残留量が投入量に対して1%以下の水準に低下するか、反応の転換率が少なくとも97%以上、好ましくは98%以上、又は99%以上であることを意味してよい。これは、装置及び設備条件に応じて、減圧、加圧、蒸留、抽出、濾過などの化学工学的な方法により、反応物が状況に合わせて任意に処理できることを考慮したものであり、反応転換率が99%以上の水準に到達されるように工程が設計される場合にのみ効率性及び製品の品質が担保され得ることを考慮したものである。
以下、本発明の一実施形態による製造方法に適用される反応について説明する。
本発明の製造方法は、エステル系物質を製造する方法であって、多価カルボン酸とモノアルコールが反応するエステル化反応が適用される方法であってよい。
前記多価カルボン酸としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、及びクエン酸からなる群から選択される1種以上が適用される。前記多価カルボン酸は、多価カルボン酸そのものだけでなく、無水物、塩化アシルのようなその誘導体も含む概念であって、例えば、前記説明したテレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸などの無水物も、本発明の多価カルボン酸として使用してよい。前記モノアルコールは、炭素数が3~12のものが適用され、この炭素数のみ満たすと、線状又は分岐状のアルキル基を有してよく、線状と分岐状が混合された異性体の混合物であってよく、前記分岐状は、1以上の構造異性体を含む混合物であってよい。可塑剤の性能を具現するにおいて、このモノアルコールのアルキル基炭素数は、用途に応じて異なって適用されてよく、ブレンディングする可塑剤としてどの可塑剤を選択するかによって異なって適用されてよいが、好ましくは炭素数が4~10であってよく、前記アルコールを1種以上使用するものであってよい。
これにより製造されるエステル系物質は、代表的には、アルキル基が前記モノアルコールから由来するものが結合されたテレフタレート、イソフタレート、フタレート、シクロヘキサン1,2-ジエステル、シクロヘキサン1,3-ジエステル、シクロヘキサン1,4-ジエステル、シクロヘキサン1,2,4-トリエステル、トリメリテート、又はクエン酸塩があってよい。
本発明の一実施形態による製造方法は、エステル化反応として反応が行われ得る反応温度及び時間、触媒の種類及び含量は、当業界に適用される一般的な条件がそのまま適用されてよく、場合によっては、工程運営に適宜調節して適用してよい。
前記多価カルボン酸とモノアルコールのエステル化反応は、温度が120~250℃であってよく、好ましくは140~230℃であってよく、さらに好ましくは150~230℃であってよい。この範囲で温度が適宜調節されると、触媒の変性防止や反応性の向上、そしてエネルギー効率性の側面で好ましいことがある。
本発明の一実施形態によれば、反応器の圧力が特定の範囲に制御される必要がある。具体的には、前記回分式反応器の圧力は、前期圧力が0.3barg~1.0bargであり、後期圧力が0barg~0.5bargである。ここで、圧力bargは反応器のケージ圧力であり、絶対圧力が考慮されないものであって、0bargは大気圧と同一の圧力、すなわち、常圧を意味してよい。
本発明の一実施形態による製造方法において、エステル化反応が行われる反応温度は、モノアルコールの沸点以上の温度であって、反応が行われるにつれてモノアルコールの一部は反応に関与せず気化される量が存在し、これと同時に、反応副産物として水が発生し、水はモノアルコールとともに共沸をなして反応器の上部に還流される。このような還流過程は、エステル化反応中に必然的に発生し、これをどのように制御するかによって、反応生産性とエネルギー効率性に大きな影響を及ぼすことができる。
このような反応環境において、反応前期に圧力を上げて加圧下でエステル化反応を行う場合には、気化されるアルコールをある程度反応器内の反応が起こるサイトに滞留するようにできることから、反応速度が速くなり、還流量が減少してエネルギー効率性を向上させることができる。
本発明のように、反応前期に圧力を上げて加圧下で反応を行い、その反応器の圧力を0.3barg~1.0bargに設定する場合には、反応初期に発生するアルコールの気化を適切な水準に制御することができるため、反応が円滑に進行されるように誘導し、最適の反応速度を維持することができるという点で、前述した問題がほとんど起こらない。
しかし、0.3barg未満に圧力を設定すると、モノアルコールの還流を抑制する効果がほとんどないので、相当量のアルコールが気化して還流循環するようになりこれは、反応器から凝縮器と層分離器とを循環しながらエネルギーを多量消費する問題を引き起こす。さらに、このような還流循環により、反応器内に存在して反応に関与しなければならないアルコールの絶対量の損失が発生し、反応性を低下させることができ、これを取り返すためのアルコールの追加投入は、エネルギーの追加損失を引き起こし、悪循環が持続するという問題が発生する可能性がある。
また、1.0bargを超えるように圧力設定をすると、還流が最大限抑制され、アルコールが反応器に存在する量は多くなるが、これと同時に反応生成物として発生する生成水も多くなるので、逆反応を誘導して一定の水準で可逆反応状態に到逹するようになり、そこで、正反応速度が顕著に低下するという問題を引き起こすことがある。前記のような問題を防止し、反応速度の改善とエネルギー効率性の向上の側面で、反応前期の圧力は、好ましくは0.3barg~1.0bargに制御されてよく、好ましくは0.4~1.0bargに制御されてよく、さらに好ましくは0.5~0.9barg、又は0.5~0.8bargに制御されてよい。
一方、前記のような加圧下での反応は、適正時点に解除される必要がある。反応過程中の加圧下でのみ反応を行う場合には、反応副産物である水が反応器内に滞留する時間が長くなるが、水が除去されないと、正反応方向に反応がよく進行されないこともあるので、反応速度が低下する可能性がある。また、触媒は、水に敏感であるので、触媒が失活する問題が発生する可能性がある。このように、エステル化反応で反応圧力を制御することは、反応を改善する一方向に流れず、改善する部分と悪化する部分の両方も共存することになる。
これにより、加圧を解除する時点は、水の存在により発生する触媒の失活の問題や逆反応活性化の問題を防止し、アルコールの還流量が多くなることによって反応速度が遅くなるという問題を防止する側面で選択されてよく、その時点は、反応転換率が少なくとも30%の後である必要があり、最大90%を越えない水準に設定する必要がある。すなわち、反応前期と後期を分ける基準は、反応転換率が30%~90%の間の時点であり、好ましくは30%~80%であってよく、さらに好ましくは40%~80%、又は50%~80%であってよい。このような転換率の時点に反応器の圧力が適切な水準に下げると、エネルギー節減と生産性向上の両側面を全て達成することができるという利点がある。
この時点以降の反応後期の反応器の圧力は、0barg~0.5bargに下げて設定される。この際、反応後期の圧力は、反応前期の圧力よりも小さくする必要があり、好ましくは0barg~0.4bargであってよい。反応後期の反応器圧力は、少なくとも大気圧又はそれ以上に高く設定され、反応前期の圧力よりも低くすることに意味がある。このように、加圧を反応後期に解放すると、一定量生成された水を除去することに効果的であり、モノアルコールは超過量投入されることから、一定の部分が還流されても反応器内に残留するモノアルコール量は当量よりも高いことがあるので、水の除去がより有意味な影響を与える可能性がある。また、反応後期に行くほど触媒の役割が重要となり、水を持続的に除去しながら触媒の失活を防止することも重要となる可能性がある。
一方、さらに前記後期圧力は、反応の進行につれて徐々に低下するように制御されてよい。例えば、前期圧力から後期圧への減圧後、反応が進行するにつれて、後期圧力が徐々に低下するように制御してよく、この場合、圧力は、前述した0barg~0.5bargの範囲で徐々に低下してよい。さらに具体的には、反応後期の圧力は、0.4bargから始まり、0.2bargを経て、常圧まで低下するように制御されてよい。このように、圧力がさらに低下するように制御する場合、相対的に加圧の必要性が低下する反応後半部に圧力を下げることにより、工程の安定性を図ることができるという利点がある。
このような反応器の圧力制御により、反応速度を改善し、転換率が最大値に到達する時間を短縮して生産性を改善することができ、エネルギー消耗量を最小化することにより、工程の効率化も図ることができる。
一方、本発明の一実施形態によれば、前記エステル系物質の製造に投入される原料は、前述したように多価カルボン酸とモノアルコールであり、これらは、理論上カルボキシル基1モルに対してヒドロキシル基1モルのモル比で反応する。さらに具体的には、多価カルボン酸がジカルボン酸である場合、ジカルボン酸とモノアルコールは1:2のモル比で、多価カルボン酸がトリカルボン酸である場合、トリカルボン酸とモノアルコールは1:3のモル比で反応する。これにより投入される原料として、カルボン酸とモノアルコールの理論投入量は、2価~4価カルボン酸に基づいて1:2~1:4のモル比であってよい。
このモル比は、反応に必要な最小量を満たす範囲であり、過度な量のアルコール投入により発生する不必要な還流によるエネルギー損失を防止し、反応の転換率の達成と最小限の滞留時間の制御の側面で必要なアルコール超過量を考慮すると、前記モノアルコールは、多価カルボン酸の当量に対して20モル%~100モル%を超過投入されるものであってよい。本発明において、モノアルコールが多価カルボン酸の当量に対して超過投入されるということは、多価カルボン酸の全量を反応させるために必要なモノアルコールの量、すなわち、当量(equivalent)に対してモノアルコールが超過投入されることを意味する。さらに具体的には、例えば、モノアルコールが多価カルボン酸の当量に対して60モル%超過投入されるということは、モノアルコールが当量の160モル%で投入されることを意味する。本発明において、超過投入されるモノアルコールの量は、多価カルボン酸の当量に対して20モル%以上、30モル%以上、40モル%以上、又は50モル%以上であってよく、100モル%以下、90モル%以下、80モル%以下、又は70モル%以下であってよい。モノアルコールの超過投入量が上述した範囲内の場合、前記のような圧力制御による効果を最大化することができる。具体的には、本発明の製造方法を適用するに当たり、超過投入されるモノアルコールの量が、多価カルボン酸の当量に対して20モル%~40モル%の場合には、エネルギー使用量の改善を最大化することができ、40モル%~100モル%の場合には、生産性の改善もさらに最大化することができる。
また、前記モノアルコールは過量投入されるので、反応開始以前に投入される以外に、反応途中にもさらに投入されてよい。よって、本発明の製造方法は、前記モノアルコールを反応中に追加投入する段階をさらに含むものであってよい。モノアルコールを反応開始以前に全量投入せず、反応途中の適切な時点に分けて投入すると、反応初期に過量投入されたアルコールを加熱するために使用される不必要なエネルギーを減らすことができるという利点がある。ただし、このようにアルコールを分けて投入すると、全量を反応開始以前に投入する場合に対して初期アルコールの量が相対的に少ないので、初期反応速度は、全量反応開始時点に投入する場合に対して低下する可能性がある。よって、反応速度とエネルギー使用量とのバランスを考慮して、モノアルコールを反応途中に追加投入するか否か、及びその量を決定することが好ましい。
モノアルコールを反応中に追加投入する際、その時点は転換率20%以上、又は30%以上であり、60%以下、又は50%以下の時点であってよい。早すぎる時点にモノアルコールを追加投入すると、前述したモノアルコールの追加投入の利点を保つことができず、遅すぎる時点にモノアルコールを追加投入すると、既に残存する多価カルボン酸が少ないので、モノアルコールの追加投入による反応速度の改善効果が微々たることがある。
本発明の製造方法で使用される触媒は、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、アルキル硫酸などの酸触媒、乳酸アルミニウム、フッ化リチウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化カルシウム、塩化鉄、リン酸アルミニウムなどの金属塩、ヘテロポリ酸などの金属酸化物、天然/合成ゼオライト、陽イオン及び陰イオン交換樹脂、テトラアルキルチタネート(tetra alkyl titanate)及びそのポリマーなどの有機金属から選択された1種以上であってよく、好ましくはテトラアルキルチタネートであってよい。前記テトラアルキルチタネートとしては、TiPT、TnBT、TEHTなどが使用可能である。このように、テトラアルキルチタネートを触媒として使用する場合、後続の工程で発生し得る触媒副産物を制御又は発生させないので好ましい。
触媒の使用量は、種類によって異なり、一例として、均一触媒の場合には、投入される多価カルボン酸の総100重量部に対して0.01~5重量部、0.01~3重量部、0.1~1重量部、0.1~0.5重量部、又は0.1~0.3重量部の範囲内、そして不均一触媒の場合には、投入される多価カルボン酸の総100重量部に対して5~200重量部、5~100重量部、20~200重量部、或いは20~150重量部の範囲内であってよい。触媒の使用量が少なすぎると、触媒活性自体が少なくて反応が円滑に進行されない可能性があり、触媒の使用量が多すぎると、触媒のコストが増加するだけでなく、過度な触媒がむしろ逆反応をもたらし、最終転換率の低下という問題が発生する可能性がある。
また、前記触媒は、反応開始以前及び反応途中の少なくとも1以上の時点に投入されるものであってよく、さらに具体的には、前記触媒は、反応開始以前と反応途中との両方で投入されてよい。触媒を、このように反応開始以前のみでなく、反応途中にも投入すると、反応進行中にも反応速度を高めて、反応時間を最小化することができる。
以下、前記製造方法が適用される工程について添付の図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態によれば、エステル系物質の製造方法は、回分式反応器と還流システムの構築のためのカラム(ストリッパー)、層分離器、及び凝縮器を含み、場合によっては、熱交換器も含んでよい。
図1は、本発明に係るエステル化反応が行われる反応ユニット10を示したものであって、この反応ユニット10は、多価カルボン酸とモノアルコールのエステル化反応が行われる反応器11;前記反応器からエステル化反応中に気化されたモノアルコール及び水が流入されて気液分離が行われ、液相は下部の反応器に投入され、気相は上部に排出されるカラム12;前記カラムの上部に排出された気相を液化して液相混合物に転換する凝縮器19;及び前記液相混合物が有機層及び水層に層分離が行われ、分離された有機層は、前記カラムの上端に投入される層分離器13;を含んでよい。
より具体的には、多価カルボン酸とモノアルコールが原料投入ライン11bに投入されてエステル化反応が行われ、前記原料投入ライン11bは、前端にプレミキサー(未図示)をさらに設置してプレミキサーに原料を投入して反応器に供給してよく、一つの原料投入ライン11bにラインミキシングを行って供給してもよく、原料別に異なる投入ラインに供給してもよい。原料の投入方法は、反応器内に原料が供給され得る方法であれば、特に制限されない。
前記プレミキサーの設置により反応原料を導入すると、プレミキサーで反応原料を予熱してから導入してよく、この際、触媒は、反応器に直ちに投入してよい。この場合、反応原料と触媒をともに反応温度まで昇温する時に発生する触媒と反応原料との間の副反応を防止することができるという利点がある。
反応器11では、反応が行われるにつれてモノアルコールが反応に関与するが、反応に関与せずにモノアルコールの沸騰点以上でエステル化反応が起こるにつれて、気化される量が必然的に存在してよく、これと同時に、反応生成物としてエステル系物質以外に水が発生され、水はモノアルコールとともに気化され、反応器11の上部のカラム12に移動し、この際、気相排出ライン14を介して移動してよい。
カラム12では、反応器11から流入された気相のモノアルコール及び水が、層分離器13から有機層ライン17を介してカラム12の上端に投入される液相のモノアルコールにより液化されてよく、大部分気相のモノアルコールが選択的に液化され、液相流入ライン15を介して再び反応器11に液相モノアルコールが投入され、これは、反応に再び関与するものであってよい。
カラム上部ライン16を介してカラム12の上端から、気相の水と液化されないモノアルコールの一部は、層分離器13に流入されてよく、層分離器では、モノアルコールと水が、それぞれ有機層及び水層に分離されてよく、分離された有機層は、有機層ライン17を介してカラム12に、水層は、水層ライン18を介して系外部に排出されるか、様々なルートで生成水が活用されてよい。
一方、前記層分離器13は、液相のモノアルコール及び水が層分離される設備であり、この点で、層分離器13で、又は層分離器13に投入する前に気相のモノアルコール及び水は液化される必要がある。これにより、本発明の一実施形態による製造方法の反応ユニットには、カラム12と層分離器13とを連結するカラム上部ライン16の中間に凝縮器19が設置され、気相のモノアルコール及び水の熱を、凝縮器19を介して除去することにより、層分離器13を投入する前に液化させてよい。
また、本発明の製造方法において、前記触媒は、前記反応器11、プレミキサー、及びカラムの液相から選択される1以上を介して投入されるものであってよい。このような経路を介して触媒を投入することにより、不必要に消失する触媒の量を最小化することができる。
実施例
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。しかし、下記実施例は、本発明を例示するためのものであって、これらのみで本発明の範囲が限定されるものではない。
材料及び設備
多価カルボン酸としてはフタル酸、モノアルコールとしては2-エチルヘキサノール、触媒としてはテトラブチルチタネートを使用した。反応を行うための反応器としては、還流設備が備えられた回分式反応器を使用した。
実施例及び比較例
前述した材料及び設備を用いて、フタル酸及び2-エチルヘキサノールのエステル化反応を行った。各実施例及び比較例では、特定の時点に基づいて加圧及び/又は加圧解除を行うか、2-エチルヘキサノール又は触媒を追加投入するなどの制御を行い、制御される条件に応じて、実施例及び比較例をグループ別に分けて以下に整理した。一方、本実施例及び比較例で超過投入されるアルコールの量は、フタル酸の当量に対して超過投入される2-エチルヘキサノールのモル%に該当する値であって、例えば、フタル酸100モルに対して2-エチルヘキサノールが320モル投入されると、2-エチルヘキサノールは、当量である200モルに対して120モルがさらに投入されたものであるので、この場合、超過投入されるアルコールの量は、120/200*100モル%=60モル%である。そして、触媒は、投入されたフタル酸に対して0.23重量%で投入した。また、本実施例及び比較例において、加圧解除時点は、反応開始時点から経過した時間を意味し、表中のブランクは、測定を省略したことを意味する。
グループ1.加圧及び加圧解除制御による効果の確認
フタル酸及び2-エチルヘキサノールと、触媒であるテトラブチルチタネートとを回分式反応器に投入し、回分式反応器を加熱してエステル化反応を行った。各場合において、超過投入されるアルコールの量を調節するか、初期反応圧力を上げて進行するか、加圧解除時点を調節するなどの操作を行い、具体的な条件を以下のように整理した。
前記表1の比較例、実施例、及び参考例において、時間の経過による反応器内部の温度を表2に、転換率を表3に整理した。一方、転換率は、各時間までの累積生成水の質量を測定した後、測定された累積生成水の質量を100%転換率の達成時に生成される理論的な生成水の質量で割って計算し、本格的には、生成水が確認される時点である反応開始以後の120分時点から測定及び計算した。
前記表2及び3に示したように、加圧下で反応を開始するが、約転換率50%の時点に加圧を解除するか、減圧した実施例1-1及び1-2の場合、比較例及び参考例に対して早い時点に高い転換率が達成され、最終転換率が達成された時点での反応器内部の温度もまた、理想的な温度範囲である210~230℃の範囲内に含まれ、反応を行う途中にエネルギーの損失が最小化されることを確認することができる。
一方、加圧を全く行わない比較例1-1の場合、反応途中に大量のアルコールが気化されることにより、実施例に対して転換率がゆっくり上昇し、最終転換率においても、実施例に対して低い値を示した。これは、気化されたアルコールの相当部分が再び反応に関与せず、原料の損失が発生することから、目的とするエステル系化合物が十分に生成されないことを意味する。また、加圧を行うが、反応途中に減圧せず、反応終了時まで加圧を維持した比較例1-2の場合、気化されたアルコールを加圧して液化後に再び反応に関与させることから、比較例1-1よりは転換率が速く上昇したが、フタル酸がある程度消耗した反応中盤以降にも、液化されるアルコールの量が相対的に多く維持されることにより、反応器内部の温度が好ましい範囲よりも高くなるという問題が発生した。これは、最終転換率の達成時に得られる製品の品質を低下させる要因として作用する可能性がある。
その他に、アルコールを過量投入せず、当量に合わせて投入し、加圧後に減圧する操作を行わない参考例1-1及び1-2の場合には、反応途中にアルコールの気化が多量発生し、反応に関与できるアルコールの量が足りなくなり、転換率が一定値以上に増加することなく停滞されることを確認した。これは、目的とする反応が十分に達成されないことを意味し、本発明で行われるエステル化反応においては、十分な転換率を達成するために、アルコールが過量投入されなければならないことを反証する。
グループ2.触媒追加/分割投入量による効果の確認
前記グループ1の実施例と同様に実施し、グループ1の実施例で最初に投入された触媒の量(フタル酸に対して0.23重量%)を100%とする場合、前記100%の触媒投入量に加え、その後触媒を追加投入するか、前記100%の触媒を分けて投入する操作をさらに行って実施した。各場合に対する具体的な条件を以下の表4に整理した。
また、前記グループ1と同様に、前記表4の実施例で時間の経過による反応器内部の温度及び転換率を表5に整理した。
前記表5から確認できるように、触媒を追加投入した実施例2-1~2-3は、いずれも高い最終転換率を示した。また、同一の条件で触媒を100%追加投入するか、200%追加投入した実施例2-1及び2-2を比較してみると、180分に100%の触媒を1回のみ追加投入した実施例2-1でより速い時間に高い転換率が達成されたが、これは、120分及び240分にそれぞれ100%の触媒を追加投入した実施例2-2の場合、過量投入された触媒により必要以上の反応が活性化され、これが反応器内部の温度の上昇をもたらし、むしろ実施例2-1よりも転換率が遅く上昇されたことが予想される。また、同時点に減圧するが、触媒を追加投入した実施例2-3と触媒を分割投入した実施例2-4を比較してみると、反応器内部の温度は同様の傾向に上昇したが、触媒をより多く投入した実施例2-3の方から、さらに高い最終転換率を示すことが確認された。これは、触媒投入量の増加が転換率の改善につながる可能性があることを意味する。ただし、前述した実施例2-1及び実施例2-2の比較から確認できるように、過度な触媒投入量の増加は、むしろ良くない影響を及ぼす可能性があるので、適切な範囲内で触媒投入量が決定される必要がある。
グループ3.アルコール投入量による効果の確認
前記グループ1の実施例と同様に実施し、超過投入されるアルコールの量を調節し、100%に該当する触媒を反応途中に追加投入して実施した。各場合に対する具体的な条件を以下の表6に整理した。
また、前記グループ1と同様に、前記表6の実施例で時間の経過による反応器内部の温度及び転換率を表7に整理した。
前記表7に示されたように、同一の条件下でアルコール投入量のみ調節した場合、より多くのアルコールが投入されるほど反応に関与するアルコールが多くなり、転換率が速く上昇することを確認することができる。ただし、より多くのアルコールが投入されるほど過投入されたアルコールの加熱に消耗するエネルギー使用量が多くなるので、目標とする反応完了時間及びエネルギー使用量などを考慮して、本発明の範囲内で適切なアルコール投入量を決定することが好ましい。
グループ4.アルコール及び触媒追加投入による効果の確認
前記グループ1の実施例と同様に実施し、過量投入されるアルコール中の一部を反応途中に投入し、触媒も反応途中に追加投入して実施した。各場合に対する具体的な条件を以下の表8に整理した。
また、前記グループ1と同様に、表8の実施例で時間の経過による反応器内部の温度及び転換率を表9に整理した。
前記表9に示されたように、超過投入されるアルコールを、反応開始以前に全て投入せず、反応途中に投入しても、反応開始時点で加圧し、反応途中に加圧を解除する本発明の製造方法を用いると、高い転換率で目的とするエステル系物質が製造できることを確認した。
グループ5.後期圧力追加制御による効果の確認
前記グループ1の実施例と同様に実施し、前期圧力から後期圧力に減圧させる操作後、後期圧力を追加的に減圧する操作をさらに行って実施した。各場合に対する具体的な条件を以下の表10に整理した。
具体的には、前記実施例5-1は、270分に圧力を0.8bargから0.4bargに下げた後、さらに330分に圧力を0.2bargに下げ、390分に圧力を常圧に下げたものである。また、前記実施例5-1は、200%の触媒中の100%は反応開始時点に、残り100%は反応開始以後の270分時点に投入したものである。
また、前記グループ1と同様に、表10の実施例で時間の経過による反応器内部の温度及び転換率を表11に整理した。
前記表11に示されたように、反応後期の圧力を一気に下げず、ゆっくり下げる方式で制御する場合にも、反応後期の圧力を一気に下げる場合と同様に高い転換率が得られることを確認した。また、このように圧力を徐々に変化させる場合、一気に圧力を変化させる場合に対して工程の安定性を有することになるという利点がある。
10 反応ユニット
11 反応器
11b 原料投入ライン
12 カラム
13 層分離器
14 気相排出ライン
15 液相流入ライン
16 カラム上部ライン
17 有機層ライン
18 水層ライン
19 凝縮器

Claims (10)

  1. 回分式反応器において、触媒下で、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、及びクエン酸からなる群から選択される1種以上の多価カルボン酸とアルキル炭素数が3~12のモノアルコール1種以上が反応する段階を含み、
    前記回分式反応器の圧力は、前期圧力が0.3barg~1.0bargであり、後期圧力が0barg~0.5bargであり、前期圧力が後期圧力よりも大きく、
    前記前期及び後期は、反応転換率が30%~90%の時点のいずれかの時点に基づいて区分されるエステル系物質の製造方法。
  2. 前記回分式反応器の圧力は、前期圧力が0.4barg~1.0bargであり、後期圧力が0barg~0.4bargである、請求項1に記載のエステル系物質の製造方法。
  3. 前記モノアルコールは、多価カルボン酸の当量に対して20モル%~100モル%超過投入される、請求項1に記載のエステル系物質の製造方法。
  4. 前記反応は、触媒存在下で行われ、
    前記触媒は、反応開始以前及び反応途中の少なくとも1以上の時点で投入される、請求項1に記載のエステル系物質の製造方法。
  5. 前記触媒は、反応開始以前及び反応途中に投入される、請求項4に記載のエステル系物質の製造方法。
  6. 前記後期圧力は、反応の進行につれて徐々に低下する、請求項1に記載のエステル系物質の製造方法。
  7. 前記モノアルコールを反応中に追加投入する段階をさらに含む、請求項1に記載のエステル系物質の製造方法。
  8. 前記製造方法は、
    多価カルボン酸とモノアルコールのエステル化反応が行われる反応器と、
    前記反応器からエステル化反応中に気化されたモノアルコール及び水が流入されて気液分離が行われ、液相は下部の反応器に投入され、気相は上部に排出されるカラムと、
    前記カラムの上部に排出された気相を液化して液相混合物に転換する凝縮器と、
    前記液相混合物が有機層及び水層に層分離が行われ、分離された有機層は、前記カラムの上端に投入される層分離器と、を含む反応ユニットで行われる、請求項1に記載のエステル系物質の製造方法。
  9. 前記反応ユニットは、反応器の前端に配置されるプレミキサーをさらに含み、
    前記多価カルボン酸及びモノアルコールは、プレミキサーに投入されて混合及び予熱されてから反応器に移送される、請求項8に記載のエステル系物質の製造方法。
  10. 触媒は、前記反応器、プレミキサー、及びカラムの液相から選択される1以上を介して投入される、請求項9に記載のエステル系物質の製造方法。
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