JP2023532195A - バルブブロック及び洗浄液供給方法並びにバルブブロックの使用 - Google Patents

Abstract

【課題】分散型消費者に対して、高い柔軟性、低い複雑性を有し、全体重量を少なくして１つまたは複数の洗浄媒体の供給を可能にする。【解決手段】複数の消費者への洗浄媒体の供給に使用するためのバルブブロック（１０）であって、少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部（２２）と、少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部（２２）に接続された複数の切換バルブ（２４、２６）と、切換バルブ（２４、２６）を個別に交互に及び／又は切換バルブ（２４、２６）を複数同時に作動させるように構成されている制御ユニット（１４）と、センサ無しで少なくとも一つの切換バルブ（２４、２６）の切換位置を決定できるように構成されている位置検出ユニットと、を有するバルブブロック（１０）。【選択図】図３

Description

本発明は、複数の消費者に洗浄媒体を供給するためのバルブブロックおよび方法、ならびに使用に関するものである。

本発明は、分散型システムにおける洗浄媒体の供給分野に関するものである。現代の自動車では、例えば、フロントガラス、リアガラス、ヘッドライトの洗浄のほか、安全関連の運転支援システムの枠組みにおいて、車両に環境に関する情報を提供する、増え続ける数のセンサを洗浄する際にも洗浄液や圧縮空気などの洗浄媒体が必要である。これらには、例えば、フロントカメラやリアカメラ、ＬＩＤＡＲ（光検出及び測距）やＬＡＤＡＲ（レーザ検出及び測距）などの距離センサ、車線逸脱警報センサなどが含まれるが、これらだけではない。自律走行車の開発に伴い、センサの数はますます増えてくと考えられる。また、車両運行の安全性は、センサの機能性にも依存する。

今までは、個々の消費者には、必要に応じて作動する独自のポンプによって洗浄媒体が供給されていた。このようなポンプはかなり小型化されてきているとはいえ、その分、車重が増えることになる。

本発明は、分散型消費者に対して、高い柔軟性、低い複雑性を有し、全体重量を少なくして１つまたは複数の洗浄媒体の供給を可能にし、自律走行車に至る安全関連運転支援システムの増加の際に車両動作の機能安全を確保することを課題とするものである。

この課題は、複数の消費者への洗浄媒体の供給に使用するためのバルブブロックであって、少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部と、前記少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部に接続された複数の切換バルブと、前記切換バルブを個別に交互に及び／又は前記切換バルブを複数同時に作動させるように構成されている制御ユニットと、センサ無しで少なくとも一つの切換バルブの切換位置を決定できるように構成されている位置検出ユニットと、を有するバルブブロックによって解決される。

これにより、バルブブロックは、追加のセンサなしで切換バルブの切換位置を検出する機能を備えている。切換バルブは電気制御の電磁バルブである。切換バルブは、洗浄液や圧縮空気などの洗浄媒体を消費者に送るか、送らないかの２つの位置が定義されている。無給電の状態では、通常、アーマチュアがスプリングによってバルブ座に押し付けられ、バルブが閉じている閉弁状態である。このために、さまざまな構造が知られている。切換バルブのコイルに通電すると、アーマチュアはバネの力に抗してバルブ座から離れ、バルブが開く。切換位置の変化と切換バルブの電磁的特性の変化が相互に依存するため、センサ無しの位置検出では、切換ソレノイドはアクチュエータとセンサの機能を同時に果たす。位置検出部は、バルブシステムの電磁気的特性、特にインダクタンスを測定し、それによって切換位置を検出することができる。

この機能により、洗浄システムの自己診断の可能性が広がり、システムの故障に至るまでの問題を早期に発見することができる。このように、バルブブロックのセンサ無しの位置検出は、安全関連のセンサが汚れた際の車両の機能安全を保証する。

実施形態では、位置検出ユニットは、制御ユニットの一部として構成される。

実施形態において、切換バルブの少なくとも１つが切換可能な過圧バルブとして構成されていることは、操作上の安全性に寄与するものである。切換可能な過圧バルブは、洗浄媒体の圧力が過圧バルブに設定された圧力以上になると、洗浄システムの負荷を低減することで安全性を確保する。その後、洗浄液は過圧バルブから環境中に排出されるか、洗浄液タンクに戻される。過圧バルブの切り換えが可能なため、運用上必要であれば、制御ユニットはそれ以外の状況でも過圧バルブを開くことができる。また、過圧バルブにセンサ無しの位置検出機能を持たせることで、洗浄装置内の過圧などにより過圧バルブが開くことを検知することができる。

本発明の実施形態では、位置検出ユニットは、特にＬＥＤドライバユニットによって、１つまたは複数の切換バルブを有する少なくとも１つの電流測定回路に、特にパルス幅変調された複数のパルスを有し、切換バルブの位置に影響を与えないように測定される測定信号を与え、電流強度の経過を測定し、電流測定回路の切換バルブのうちいくつが開位置にあるかの指標となる一つまたは複数の期待値と比較するように構成されている。切換バルブの１つ以上のコイルを通過する電流測定回路に電流パルスが供給されると、コイルとアーマチュアを有するシステムのインダクタンスにより、測定回路を流れる電流は遅れて増加する。アーマチュアは、その位置によってコイルへの突出量が異なるため、システムのインダクタンスも変化する。これは、測定回路における測定電流の立ち上がりの速さに影響する。インダクタンスが大きいほど、電流の増加は遅くなる。一定時間後に到達する測定回路の電流の経過または値は、このようにコイル内のアーマチュアの位置に依存し、以前に決定された値と比較することができる。

測定信号は、コイル内のアーマチュアが実際に動いてしまうほど強くないことが望ましい。適切なパルス強度は、使用前に適切な測定を行うことで決定することができる。測定信号の特に好適な形態は、高速で短いパルスの連続であり、各パルスは電流を短時間増加させるだけであるが、測定回路の電流強度におけるそれらの影響が、単一のパルスの場合には位置の変化をもたらすが、一連の短いパルスでは位置の変化を引き起こさない値まで蓄積するように互いに密接に後続するものである。典型的な値は５～１５パルス、例えば方形パルスで、周波数が約１０ｋＨｚ～１００ｋＨｚ、デューティサイクルが２０～７０％である。適切な値は、選択されたコイルとアーマチュアのパラメータに依存し、試験で容易に決定することができる。

測定信号は、制御ユニットからの実際の切換信号に重畳することができる。計測パルスに対する計測回路のシステム応答は、切換バルブに現在通電しているかどうかには依存せず、アーマチュア位置のみに依存する。これは、バルブに異常がある場合、通電状態から離れることができる。

本発明の実施形態では、各切換バルブに対して固有の電流測定回路を有し、各電流測定回路における測定が、個別に、特に、複数の切換バルブを循環して連続に、又は、全ての電流測定回路からの合計信号に関して行われ、特に、少なくとも１つの切換可能な過圧バルブに対して、少なくとも１つの切換可能な過圧バルブの位置に関して評価する固有の電流測定回路が存在する。そのため、それぞれの変形例には異なる位置検出ユニットが必要である。各切換バルブが独自の電流測定回路を持つ場合、位置検出ユニットは、各電流測定回路に対して固有の測定回路を有するか、または和信号を形成し、そこから０、１、２または複数の切換バルブが開いているかどうかを判断することができる。測定時に開いているべき切換バルブが分かっているので、これらの切換バルブも確実に開いているかどうかを判断することができる。通常、洗浄媒体を同時に供給する消費者は２人までなので、このコスト削減のための実施形態で十分と思われる。ただし、切換可能な過圧バルブは、洗浄システム自体の安全性に関わるため、個別に監視することが望ましい。

本発明の他の態様は、複数の消費者への洗浄媒体の供給に使用するための、特に、センサなしにバルブ位置を検出する既に記載した実施形態のバルブブロックであって、少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部と、少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部に接続された複数の切換バルブと、切換バルブを個別に制御するように構成されている制御ユニットと、を有し、バルブブロックが、少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部と、少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部に接続された複数の切換バルブとを備えたバルブ分配ハウジングと、バルブブロックの電子制御ユニットが収容され、バルブ分配ハウジングと組み合わせてバルブブロックが形成されるカバーと、を有するバルブブロックに関する。

本発明のこの態様によれば、先に述べたセンサなしのバルブ位置検出に関する本発明の第１の態様と組み合わせて使用することもでき、各消費者に独自のポンプが割り当てられる分配システムの代わりに、消費者への洗浄液の供給を集中的に行うバルブブロックが使用される。バルブブロックは、１つまたは複数の洗浄媒体が圧力下でバルブブロックに導入される洗浄媒体供給接続部と、洗浄媒体を様々な消費者に分配する十分な数の切換バルブを備えている。そのため、１台の高圧ポンプですべての消費者に洗浄液を供給することができる。切換バルブは制御ユニットを介して制御される。制御ユニットはバルブブロックのカバーに収納されており、バルブ分配ハウジングから取り外し可能なので、バルブブロックの保守・修理も容易に実現できる。

また、洗浄液の供給の切換場所をバルブブロックにすることで、軽量化も実現できる。というのは、バルブブロックの重量は節約したポンプの合計より軽くなるからである。また、電気ケーブルも不要になったため、配線も軽量化することができる。

本発明によるバルブブロックは、場合によっては、切換可能な過圧バルブを有していてもよい。過圧バルブは、洗浄媒体供給接続部側の圧力が予め設定された値を超えると開き、洗浄媒体供給口の圧力を低下させるように構成されている。そのため、過圧バルブは、例えば安全バルブのように構成されている。また、過圧バルブは、例えば電気的に作動する電磁バルブとして切り換え可能な構成になっており、制御ユニットによる制御も可能である。

本発明によるバルブブロックが固有の制御ユニットを有することにより、バルブブロックを異なる環境、例えば車種や車両設備に適応させ、それに応じてプログラムすることが可能となる。この目的のために、制御ユニットは、例えば、個々のバルブの割り当てと制御に従って書き込まれるフラッシュメモリを有し得る。このほかにも、知られているストレージを使用することも可能である。

特に、簡単で好適な一実施形態では、一方では電子制御ユニットと他方では複数の切換バルブ、特に過圧バルブとの間の電気的接続が、導電性のバネ接点、特に接点バネを介して可能であるか、または確立されている。これにより、バルブブロックの製造と保守・修理の簡略化を実現できる。バルブ分配ハウジングからカバーを取り外すと、このようなバネ接点の電気的接続は完全に解除される。カバーは、電気ケーブルで相互に接続されていない状態で、バルブ分配ハウジングから取り外すことができる。同時に、バネ接点、特に接触バネは、制御ユニットの回路基板上の対応する導電性接触面に押し付けられ、バルブ分配ハウジングにカバーを戻して接続すると同時に、安全で中断されない電気接触が保証される。

本発明の実施形態では、少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部の切換バルブへの接続が、少なくとも１つの中央供給路を介して行われ、少なくとも１つの中央供給路は、２つの対向する側で、それぞれ、個々の切換バルブへの接続部、特に、壁の開口部を有し、切換バルブは、中央供給路の両側に２列に配置されており、特に、異なる洗浄媒体、特に洗浄液及び圧縮空気のための複数の洗浄媒体供給接続部及び供給路が設けられており、洗浄媒体供給接続部及び供給路は、異なる切換バルブに接続されている。切換バルブは、中央供給路の方向に対して実質的に垂直に配置されることが好ましい。これにより、明快であると同時に、コンパクトな構成となり、バルブブロックの取り扱いを簡単化することができる。２列配置で内部にバルブがないため、消費者に供給するためのホースに接続するために、すべてのバルブに同じように簡単に手が届く。同時に、全ての切換バルブが片側に寄っていることで、加速した時、カーブした時、ブレーキした時などの運転状態の変化に対しても、全ての出口を均等に制御し、洗浄液を供給できるようなバルブブロックを車両に配置することが可能である。

好ましくは、少なくとも１つの切換可能な過圧バルブでは洗浄媒体が軸方向に流れ、残りの切換バルブでは洗浄媒体が半径方向に（放射状に）流れる。切換バルブに放射状に洗浄液を流すことで、高いスループットが実現される。有利なさらなる展開として、切換可能な過圧バルブが洗浄媒体供給接続部に接続され、洗浄媒体が軸方向に流される。過圧バルブにおいて軸方向に洗浄媒体が流れることにより、過圧バルブが安全バルブとしての機能が支えられている。

本発明の実施形態では、切換バルブは、過圧バルブ弁と異っている。したがって、切換バルブが第１のバネ力によって閉じられた状態に維持され、少なくとも１つの切換可能な過圧バルブが、第１のバネ力よりも大きい第２のバネ力によって閉じられた状態に維持され、特に切換バルブとは異なるコイル体を有する。

特に、構造上の措置により、切換バルブのバネ力を低く抑えることができます。本発明の実施形態では、切換バルブのバルブアーマチュアは、それぞれ、間隔空間とともに切換バルブに設けられ、切換バルブは、洗浄媒体供給接続部と流体的に連通し、軸方向後方部分が密閉されており、軸方向後方部分は、切換バルブのそれぞれの洗浄媒体出口に対向して配置され、流体は、特に、バルブアーマチュアの背面側にも作用し、および／または切換バルブのバルブアーマチュアはそれぞれシールコーンを備えている。切換バルブは未確定状態で閉じて、洗浄媒体が消費者に届くのを防ぐ。このため、切換バルブには通常、未確定状態で閉状態となる方法へ押し出すバネが装備されている。間隔空間と、特に、バルブアーマチュアの背面にも加圧された洗浄液がため、追加の圧力がバルブ座の方向にかかり、ばね力を比較的低く構成することができる。また、バルブアーマチュアの一部にシーリングコーンを形成することで、バルブアーマチュアの座部により密閉される開口部の気密性が高まり、この対策により、加えるべきバネ力を低く抑えることも可能である。

本発明の実施形態のバルブブロックでは、切換バルブは、例えば、同一または異なるサイズの標準化された接続口を有する、個別に溶接可能なバルブ接続部を備えるか又は備えることができる。つまり、バルブブロックは他の変更なしに、例えば洗浄液の量や圧力に対する要求が異なる消費者などの異なるシステム条件に柔軟に対応することができる。

好ましくは、電子制御ユニットは、複数の切換バルブを同時に切り替えるように構成されている。このように構成すると、複数の消費者に同時に１つまたは複数の洗浄媒体を供給することができる。さらに、電子制御ユニットで高圧ポンプを制御し、要求に応じて、バルブブロックに向かって異なる圧力の洗浄液を供給するよう設定することができる。好ましくは、電子制御ユニットは、同じ圧力で制御されるべき消費者のみが同時に洗浄媒体を供給されることを保証するロジック回路を実装している。

特に、安全に装着できるバルブブロックの実施形態では、バルブ接続部が配置されているバルブブロック、特にバルブ分配ハウジングの側面が、鏡面非対称および回転非対称である方向付与構造を備えている。この構造は、いわゆる「ポカヨケ」のような意味でのコード化として機能し、切換バルブを左右対称に配置しても、切換バルブの向きや個々の消費者への割り当てについてあいまいさが残らない。この構造により、スロットやホース接続口のコード化が容易となる。

発明の本発明の根底にある課題は、上述した本発明によるバルブブロックを用いて洗浄媒体を供給する方法、によって解決され、この方法は、バルブブロックの制御ユニットが、バルブブロックの個々のまたは複数の切換バルブを開閉するために制御し、位置検出ユニットがセンサ無しで少なくとも１つの切換バルブの切換位置を決定し、位置検出ユニットが、特に、１つまたは複数の切換バルブを有する少くとも１つの電流測定回路に、特にパルス幅変調された複数のパルスを有し、切換バルブの位置に影響を与えないように測定される測定信号を与え、電流強度の経過を測定し、電流測定回路の切換バルブのうちいくつが開位置にあるの指標となる一つまたは複数の期待値と比較する。

この方法は、本発明によるセンサ無しの位置検出用に構成されたバルブブロックと同じ特性、利点、特徴を有している。

複数の消費者に洗浄媒体を供給するための、特に自動車における、上述した発明に対応したシステムでのバルブブロックの使用であって、特に複数の消費者が、洗浄されるべき複数のセンサを含んでいる、使用である。

複数の消費者に洗浄媒体を供給するための本発明によるシステムにおける本発明によるバルブブロックの使用は、本発明の他の目的について説明した特徴、特性、および利点をも実現する。

本発明のさらなる特徴は、特許請求の範囲および添付図面とともに、本発明による実施形態の説明から明らかになるであろう。本発明による実施形態は、個々の特徴を満たしてもよいし、複数の特徴を組み合わせてもよい。

本発明の文脈では、「特に」または「好ましくは」と記された特徴は、任意の特徴として理解されるものとする。

本発明は、分散型消費者に対して、高い柔軟性、低い複雑性を有し、全体重量を少なくして１つまたは複数の洗浄媒体の供給を可能にし、自律走行車に至る安全関連運転支援システムの増加の際に車両動作の機能安全を確保することができる。

開状態における本発明によるバルブブロックの概略斜視図である。 バルブブロックの模式的な側面図である。 バルブブロックの断面図である。 バルブブロックの他の断面図である。 バルブブロックの他の断面図である。 本発明の方法による測定信号の応答を示す図である。

以下、本発明の一般的な考え方を制限することなく、図面を参照した実施形態によって本発明を説明し、その際、本文でより詳細に説明されていない本発明のすべての詳細に関して、図面への明示的な参照がなされる。

図面において、同一または類似の要素および／または部品には同一の参照番号を付し、重複する説明を省略する。

図面のみからとらえるもの、また他の特徴と組み合わせて開示された個々の特徴も含め、言及されたすべての特徴は、単独でも組み合わせでも、本発明に不可欠であると考えられる。本発明による実施形態は、個々の特徴またはいくつかの特徴の組み合わせによって実現され得る。

図１は、本発明の一実施態様のバルブブロック１０を開状態にて示す概略斜視図である。切換バルブのセンサレスの位置検出という本発明の側面は、同時に実現することができ、図６に関連して以下に説明される。

図１の上部には、カバー１２の下面が示されており、その中には電子制御ユニット１４の回路基板１５が配置されており、その下面には接触面１７があり、そのうちの２つのみ直接参照番号が記載されている。回路基板１５の２つの長辺には、さらなる接触面１７のペアが描かれている。カバー１２は、さらに、例えば、（図示しない）接点を有するソケットなどのコネクタ１６を備えている。

図１の下部には、バルブ分配ハウジング２０の内部の斜視図が示されている。そこには、８個の切換バルブ２６が４個ずつ２列に並列に配置されるとともに、過圧バルブ２４が配置され、それぞれの上面には、バルブブロック１０が閉じられると、電子制御ユニット１４の回路基板１５上の接触面１７に接触して、電気接続を確立する２個の接触バネ３０が配置されている。バルブ分配ハウジング２０に溶接された接続口２８は、バルブ分配ハウジング２０の下側に示されている。これらは、異なる寸法とすることができ、標準化されていることが望ましい。

バルブ分配ハウジング２０は、外枠に取り付けるための４つの取付部２１を有している。切換バルブ２６は、過圧バルブ２４と同様に、電磁バルブとして構成されている。図１には、磁気リターン要素とコイル体３８が表示されている。過圧バルブ２４に対向する切換バルブは存在しない。この位置で、洗浄媒体供給接続部２２が下側に隠れている。

図２は、図１のバルブブロック１０を外側から模式的に示した図である。接続口２８は、過圧バルブ２４も含む切換バルブ２６の列と同じである。他の接続口２８の列は、遠近法においてその背後に隠されている。

図２では、図３、図４、図５の断面を定義する３つの断面平面Ａ－Ａ、Ｂ－Ｂ、Ｃ－Ｃが示されている。断面平面Ａ－Ａによって張られる平面における水平断面は、図３に示され、バルブブロック１０の中央供給路３２を有する部分を通る断面を規定する。洗浄媒体供給接続部２２は、この中央供給路３２に直接開口している。洗浄媒体供給接続部２２からバルブブロック１０内に導入された洗浄媒体、例えば洗浄液が、まず中央供給路３２に充填される。そこから、洗浄媒体は壁面開口部３４を通過して、切換バルブ２６の環状空洞に入り、放射状に流れる。切換バルブ２６とは異なり、過圧バルブ２４では、半径方向の流れではなく、軸方向の流れとなる。図示の断面平面Ａ－Ａでは、過圧バルブ２４との接続はない。

また、図３では、数カ所に構造物５２が見えるが、これは、洗浄媒体用のホースを接続口２８に接続する際の誤りを防止する役割を果たす。この構造物は、鏡面対称ではなく、また回転対称でもないため、消費者につながるホースとの接続を行う際に、バルブブロック１０の向きについて疑問を持つことがない。

図４は、図２のバルブブロック１０の断面平面Ｂ－Ｂによる第１の垂直断面を示す図である。この断面は、バルブブロック１０の、洗浄媒体供給接続部２２と、対向する過圧バルブ２４が配置されている部分を示している。洗浄媒体供給接続部２２は、中央供給路３２に直接開口しており、障害物無しに接続されている。洗浄媒体供給接続部２２を介して高圧の洗浄媒体が充填された中央供給路３２の空洞部は、過圧バルブ２４のバルブアーマチュア４０の開口部と連通し、バルブアーマチュア４０を軸方向に加圧する。バルブアーマチュアはプラスチックに設けられてもよく、バネ４６で付勢され、中央供給路３２内の洗浄媒体の圧力がバネ４６の反力を上回ると開く。過圧バルブ２４のバルブアーマチュア４０が上昇すると、中央供給路３２と接続口２８を備えたオーバーフロー接続部との接続が確立されるので、洗浄媒体の圧力が例えばバネ４６の閉鎖圧を下回るまでオーバーフロー接続部を介して洗浄媒体を排出することができる。

また、過圧バルブ２４は、切替可能な電磁バルブである。このため、過圧バルブ２４も、コイル体３６とコイル４８とを備えている。コイル体３６は、内部部品として、すなわちバネ４６、バルブアーマチュア４０、コイルコア４９、磁気リターン要素５０を有する。したがって、バルブブロック１０の電子制御ユニット１４は、許容できない過圧がない場合でも、過圧バルブ２４を開閉させることができる。これは、例えば、第２の洗浄媒体貯蔵容器を満たすために行うことができる。リターン要素５０は、特に同一の部品からなる２部品式のリターンプレートとして構成することができ、これにより、製造および組み立てが容易になる。

図５は、一対の切換バルブ２６が通過する、図２のバルブブロック１０を垂直断面面Ｃ－Ｃを示している。切換バルブ２６は、構造的には、切換可能な過圧バルブ２４と同一または類似しているが、過圧バルブ２４とは異なる役割を有し、過圧バルブ２４と異なり軸方向ではなく径方向に流されるので、個々の要素の寸法が切換可能な過圧バルブ２４と異なっている。それぞれのバルブアーマチュア４０の周囲には、各切換バルブ２６が、バルブアーマチュア４０の外周に延び、バルブアーマチュア４０の上端まで延びる間隔空間４２を有している。間隔空間４２は、中央供給路３２と常時連通しており、高圧で洗浄媒体が充填される。このように洗浄媒体がバルブアーマチュア４０の上側を、閉じる方向に加圧するので、切換バルブ２６を閉じるために必要なバネ４６のバネ力は小さくなる。なお、バネ４６は、過圧バルブ２４のバネ４６よりも弱く、小さくてもよい。これにより、切換バルブ２６の「セルフシール」機能が実現され、リークが非常に低く保たれる。

それぞれのバルブアーマチュア４０の下面は、それぞれの接続口２８に開口する洗浄媒体出口４４を押圧している。密閉性を高め、比較的低いバネ力で十分な密閉な接続を可能にするために、バルブアーマチュア４０は、それぞれ、洗浄媒体出口４４の開口部上で確実で密閉された座部を保証するシーリングコーン４１として輪郭付けされている。それぞれのコイル４８に通電することにより、それぞれのバルブアーマチュア４０を上昇させると、中央供給路３２と切換バルブ２６の洗浄媒体出口４４との接続が解除され、高圧の洗浄媒体が切換バルブ２６とそれぞれの出口を通過して切換バルブ２６に接続されている消費者に供給される。

切換バルブ２６は、過圧バルブ２４と同様に、磁束を通す部品を除いて、プラスチックのみを用いた軽量な構造であってもよい。

図１乃至図５に示す実施形態に補足して、例えば、洗浄媒体として圧縮空気を想定した第２の洗浄媒体供給接続部を設けることができる。そして、図４及び図５の断面平面Ｂ－Ｂ又はＣ－Ｃにおいて、洗浄媒体用の第１の中央供給路３２の上又は下に配置され、ハウジングの適切な三次元構造化によって、第１の中央供給路３２と気密に分離されている第２の中央供給路が続いている。第２の中央供給路は、１つ以上の切換バルブに第２の洗浄媒体として圧縮空気を供給することができる。そして、これらの切換バルブは、第１の中央供給路３２に接続されていない。

図６は、本発明による方法による測定信号２に対する測定信号応答４、６を示す図である。横軸は時間軸ｔ、縦軸は電流Ｉを表し、それぞれ任意の単位で表示されている。測定信号２は，デューティサイクル約４０％の１１個の電流パルスを含む。個々のパルスの長さは約５～１０μｓである。この測定信号２は、この場合、切換バルブを備えた測定回路に入力される。電流応答４、６は、各パルス内で増加し、パルス間の休止時間で減少するという共振回路の典型的な挙動を示している。それぞれの増加の大きさは、各期間での減衰の大きさを上回るため、応答信号４、６は全体的に増加する。

電流応答４はバルブが閉じている状態を表し、電流応答６はバルブが開いている状態を表している。この２つの電流応答は，約９～１１パルス後の個々のパルスについて，選択された両方のパラメータについて互いに明確に区別できる。これは，バルブアーマチュアの変位によって測定回路のインダクタンスが変化したためである。この場合、測定信号が小さすぎるため、それだけでバルブアーマチュアの位置を変化させることはできない。また、複数の切換バルブを持つ測定回路では、２以上のバルブアーマチュアが開位置にあるかどうかをこの方法で判断することも可能である。

図面のみからとらえるもの、また他の特徴と組み合わせて開示された個々の特徴も含め、言及されたすべての特徴は、単独でも組み合わせでも、本発明に本質的なものであると考えられる。本発明による実施形態は、個々の特徴またはいくつかの特徴の組み合わせによって実現され得る。本発明の文脈では、「特に」または「好ましくは」と記された特徴は、自由選択の特徴として理解されるものとする。

２…測定信号
４…バルブ閉時の電流応答
６…バルブ開放時の電流応答
１０…バルブブロック
１２…カバー
１４…電子制御ユニット
１５…回路基板
１６…接続部
１７…接触面
２０…バルブ分配ハウジング
２１…固定部
２２…洗浄媒体供給接続部
２４…切替過圧バルブ
２６…切換バルブ
２８…接続口
３０…接触バネ
３２…中央供給ロ
３４…壁面開口部
３６…過圧バルブのコイル体
３８…切換バルブのコイル体
４０…バルブアーマチュア
４１…シーリングコーン
４２…間隔空間
４４…洗浄媒体出口
４６…バネ
４８…コイル
４９…コイルコア
５０…磁気リターン要素
５２…構造体

Claims (15)

1. 複数の消費者への洗浄媒体の供給に使用するためのバルブブロック（１０）であって、
   少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部（２２）と、
   前記少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部（２２）に接続された複数の切換バルブ（２４、２６）と、
   前記切換バルブ（２４、２６）を個別に交互に及び／又は前記切換バルブ（２４、２６）を複数同時に作動させるように構成されている制御ユニット（１４）と、
   センサ無しで少なくとも一つの切換バルブ（２４、２６）の切換位置を決定できるように構成されている位置検出ユニットと、
   を有するバルブブロック（１０）。
2. 前記位置検出ユニットは、前記制御ユニット（１４）の部分として構成されていることを特徴とする請求項１に記載のバルブブロック（１０）。
3. 前記複数の切換バルブ（２４，２６）の少なくとも１つが、切換可能な過圧バルブ（２４）として構成されていることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のバルブブロック（１０）。
4. 前記位置検出ユニットは、特にＬＥＤドライバユニットによって、１つまたは複数の前記切換バルブ（２４、２６）を有する少なくとも１つの電流測定回路に、特にパルス幅変調された複数のパルスを有し、前記切換バルブ（２４、２６）の位置に影響を与えないように測定される測定信号（２）を与え、電流強度（４、６）の経過を測定し、前記電流測定回路の前記切換バルブ（２４、２６）のうちいくつが開位置にあるかの指標となる１つまたは複数の期待値と比較するように構成されていることを特徴とする請求項１乃至請求項３の何れか一項に記載のバルブブロック（１０）。
5. 各切換バルブ（２４、２６）に対して固有の電流測定回路を有し、各電流測定回路における測定が、個別に、特に、前記複数の切換バルブを循環して連続に、又は、全ての電流測定回路からの合計信号に関して行われ、特に、少なくとも１つの切換可能な過圧バルブ（２４）に対して、前記少なくとも１つの切換可能な過圧バルブ（２４）の位置に関して評価する固有の電流測定回路が存在することを特徴とする請求項４に記載のバルブブロック（１０）。
6. 複数の消費者への洗浄媒体の供給に使用するための、特に、請求項１乃至請求項５の何れか一項に記載のバルブブロック（１０）であって、
   少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部（２２）と、
   前記少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部（２２）に接続された複数の切換バルブ（２４、２６）と、
   前記切換バルブ（２４、２６）を個別に制御するように構成されている制御ユニット（１４）と、を有し、
   前記バルブブロック（１０）が、前記少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部（２２）と、前記少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部（２２）に接続された複数の切換バルブ（２６）とを備えたバルブ分配ハウジング（２０）と、前記バルブブロック（１０）の電子制御ユニット（１４）が収容され、前記バルブ分配ハウジング（２０）と組み合わせて前記バルブブロック（１０）が形成されるカバー（１２）と、を有することを特徴とするバルブブロック（１０）。
7. 一方では前記電子制御ユニット（１４）と他方では前記複数の切換バルブ（２４、２６）との間の電気的接続が、導電性のバネ接点、特に接点バネ（３０）を介して可能であるか、または確立されていることを特徴とする請求項６に記載のバルブブロック（１０）。
8. 前記少なくとも１つの洗浄媒体供給接続部（２２）の前記切換バルブ（２４、２６）への接続が、少なくとも１つの中央供給路（３２）を介して行われ、前記少なくとも１つの中央供給路（３２）は、２つの対向する側で、それぞれ、個々の前記切換バルブ（２４、２６）への接続部、特に、壁の開口部を有し、前記切換バルブ（２４、２６）は、前記少なくとも１つの中央供給路（３２）の両側に２列に配置されており、特に、異なる洗浄媒体、特に洗浄液及び圧縮空気のための複数の洗浄媒体供給接続部（２２）及び供給路（３２）が設けられており、前記洗浄媒体供給接続部（２２）及び前記供給路（３２）は、異なる切換バルブ（２６）に接続されていることを特徴とする請求項１乃至請求項７の何れか一項に記載のバルブブロック（１０）。
9. 前記少なくとも１つの切換可能な過圧バルブ（２４）では洗浄媒体が軸方向に流れ、残りの切換バルブ（２６）では洗浄媒体が半径方向に流れることを特徴とする請求項３乃至請求項７の何れか一項に記載のバルブブロック（１０）。
10. 前記切換バルブ（２６）が第１のバネ力によって閉じられた状態に維持され、前記少なくとも１つの切換可能な過圧バルブ（２４）が、前記第１のバネ力よりも大きい第２のバネ力によって閉じられた状態に維持され、特に前記切換バルブ（２６）とは異なるコイル体（３６）を有することを特徴とする請求項３乃至請求項９の何れか一項に記載のバルブブロック（１０）。
11. 前記切換バルブ（２６）のバルブアーマチュア（４０）は、それぞれ、間隔空間（４２）とともに前記切換バルブ（２６）に設けられ、前記切換バルブ（２６）は、前記洗浄媒体供給接続部（２２）と流体的に連通し、軸方向後方部分が密閉されており、前記軸方向後方部分は、前記切換バルブ（２６）のそれぞれの洗浄媒体出口に対向して配置され、流体は、特に、前記バルブアーマチュア（４０）の背面側にも作用し、および／または前記切換バルブ（２６）の前記バルブアーマチュア（４０）はそれぞれシールコーン（４１）を備えていることを特徴とする請求項１乃至請求項１０の何れか一項に記載のバルブブロック（１０）。
12. 前記切換バルブ（２６）は、個別に溶接可能なバルブ接続部（２８）を備えるか又は備えることができることを特徴とする請求項１乃至請求項１１の何れか一項に記載のバルブブロック（１０）。
13. バルブ接続部（１６）が配置されているバルブブロック（１０）、特にバルブ分配ハウジング（２０）の側面が、鏡面非対称および回転非対称である方向付与構造（５２）を備えていることを特徴とする請求項１乃至請求項１２の何れか一項に記載のバルブブロック（１０）。
14. 請求項１乃至請求項１３の何れか一項に記載のバルブブロック（１０）を用いて洗浄媒体を供給する方法であって、
    前記バルブブロック（１０）の制御ユニット（１４）が、前記バルブブロック（１０）の個々のまたは複数の切換バルブ（２４、２６）を開閉するために制御し、
    位置検出ユニットがセンサ無しで少なくとも１つの切換バルブ（２４、２６）の切換位置を決定し、
    前記位置検出ユニットが、特に、１つまたは複数の前記切換バルブ（２４、２６）を有する少くとも１つの電流測定回路に、特にパルス幅変調された複数のパルスを有し、前記切換バルブ（２４、２６）の位置に影響を与えないように測定される測定信号（２）を与え、電流強度（４、６）の経過を測定し、前記電流測定回路の前記切換バルブ（２４、２６）のうちいくつが開位置にあるの指標となる一つまたは複数の期待値と比較することを特徴とする
    方法。
15. 複数の消費者に洗浄媒体を供給するための、特に自動車における、請求項１乃至請求項１３の何れか一項に記載のバルブブロック（１０）の使用であって、特に複数の消費者が、洗浄されるべき複数のセンサを含んでいる、使用。