JP2023531101A - 新規共晶溶媒 - Google Patents

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Abstract

本発明は、1又は複数のメタンスルホン酸の誘導体、1又は複数のアンモニウム塩、及び1又は複数の水素結合供与体を含む新規共晶溶媒(NES)を開示する。開示されたNESは、低い凝固点と共晶点、低粘度、無視できる程度の蒸気圧、非揮発性、より少ない含水量、高電位窓、高い熱安定性、高い溶解性、長い貯蔵寿命、高いリサイクル性、高い生分解性、高いイオン特性、空気及び湿気安定性、非腐食性、非変異原性、経済的、不燃性等の特徴を有し、幅広い用途を有する。

Description

本発明は、一般に化学溶媒に関し、より具体的には、メタンスルホン酸の誘導体を含む新規共晶溶媒(eutectic solvent)に関する。新規共晶溶媒には広い用途が期待される。
溶媒は、溶質を溶解する化学物質であり、化学、製薬、石油・ガス産業等において様々な用途があり、電気化学用途、化学合成、電気めっき、精製プロセス等を含む多様なプロセス及び用途に使用されているが、これらに限定されるものではない。溶媒の用途は、一般にバルク量での溶媒の使用を伴う。通常、溶媒は、特定の用途/プロセスで使用される化学物質の総体積の約80%を構成する。
産業で使用されるエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート等を含む従来の溶媒は、毒性が高く、揮発性、刺激性、発がん性、変異原性があり、コストが高く、電気化学用途、化学合成、電気めっき、電気化学用途、化学合成、電気めっきのための精製プロセス、精製プロセスオフ(purification processes off)等への適用が困難であり、大規模な産業用途には適していない。そのため、従来の溶媒の代替物となり得る溶媒の探索、実験、発明、開発、及び改良が長期間にわたって続けられている。
様々な代替物が時々提案された。それにもかかわらず、遅い速度論(kinetics)(反応が進行する反応速度)、低効率、及び高い資本コストにより、それらの用途は限られていた。
化学産業で使用される有毒な溶媒は、エチルアルコールのような有害性の低い有機溶媒に単に置き換えることができる。しかしながら、このような置換は、非経済的である可能性があるだけでなく、合成上の制限をもたらす可能性もある。
従来の溶媒に代わるグリーン(green)かつサステナブル(sustainable)な代替溶媒の探索において、イオン液体(Ionic liquids)は数十年にわたって研究され、実験されてきた。いくつかのイオン液体が、特異な物理的及び化学的特性、例えば、広い電気化学電位窓、高いイオン伝導率、無視できる程度の蒸気圧、溶媒が液体状態を維持する広い温度範囲、優れた熱安定性、有機分子と無機分子との両方に対する調整可能な溶解性、及び多くの合成上の柔軟性により、従来の溶媒に対する有力な代替物として見出された。さらに、室温イオン液体(RTIL)の発見により、溶媒としてのイオン液体の用途が増した。Analytica Chimica Acta 556(2006)38-45; doi:10.1016/j.aca.2005.06.038に公開されたSiddhartha Pandeyによる「Analytical applications of room-temperature ionic liquids: A review of recent efforts」というタイトルのレビュー論文は、RTILの可能性について詳細に言及している。
しかしながら、イオン液体には独自の制限と欠点がある。イオン液体は主に石油化学資源から製造されており、ほとんどの製造ルートはハロゲン原子の関与を必要とする。加水分解安定性が低く、毒性が高いため、イオン液体にハロゲン成分を使用することは望ましくない。従来の溶媒と比較してRTILの製造コストが高いことは、産業における用途を拡大する上での実質的な制限となっている。また、一般的なイオン液体には、溶質の溶解性が限られる、粘度が高い、生分解性が低い、及び廃棄コストが高いなど、いくつかの更なる欠点が観察されている。clean journal; DOI: 10.1002/clen.200600015に公開されたDongbin Zhao et. al.による「Toxicity of Ionic Liquids」というタイトルのレビュー論文は、イオン液体の毒性について言及している。
2003年に、塩化コリンのような第四級アンモニウム塩と尿素とを1:2のモル比で含み、一般に深共晶溶媒(Deep Eutectic Solvent)としても知られ、共晶溶媒(ES)と呼ばれる新しいクラスのイオン液体が、Abbott et al.によって提案された。
ESは、溶媒の合成において錯体を形成する(complexed)、対応する化合物の融点よりもはるかに低い融点を持つ共晶液体(eutectic liquids)である。ESは、ルイス酸又はブレンステッド酸と塩基とを、異なるカチオン種及びアニオン種と混合することによって形成される。American Chemical Societyにより発行されたChemical Reviews, dx.doi.org/10.1021/cr300162p | Chem. Rev. 2014, 114, 11060-11082に公開されたEmma L. Smith et. al.による「Deep Eutectic Solvents (DESs) and Their Applications」というタイトルのレビュー報告書は、様々な既存のESの様々な側面について論じている。Justyna Plotka-Wasylka et.al.によりMicrochemical Journal; https://doi.org/10.1016/j.microc.2020.105539に公開された「Deep eutectic solvents vs ionic liquids: Similarities and differences」というタイトルの別のレビュー報告書では、イオン液体と共晶溶媒の特性が比較されている。
一般的に入手可能なESは、特定のモル比で様々な水素結合供与体化合物と錯体を形成した第四級アンモニウム塩の混合物である。得られたESの純度は、対応する個々の成分の純度に依存する。ESは、費用対効果の高い方法で容易に製造でき、精製後の問題がなく、従来の溶媒及び既存のイオン溶媒と比較して簡単に廃棄できると考えられる。ESは、周囲温度で液体であることが好ましい。ESは、溶媒としての大きな可能性と産業用途により、代替のグリーン溶媒として急速に関心を集めている。さらに、ESはCOの吸収にその用途を見出しているが、これはまだ初期段階にあり大きな改善の余地がある。
しかしながら、化学産業で使用される他の溶媒と同様に、既存のESには制限がある。既存のESの合成では、様々な種類の第四級アンモニウム塩の使用が一般的であるが、第四級アンモニウム塩の大部分は有毒である。一般に、成分は真空で保存され、ESの調製に利用する前に乾燥する必要がある。既存の一般的なESを調製する間に、成分を混合し、約100℃で8~10時間ゆっくりと加熱し、真空中で保管する必要がある。ほとんどのESは、もともと粘性が非常に高く、取り扱いが困難である。ESの製造プロセス及び製造時間には、改善/修正の余地が多い。さらに、既存のESは、その特性を維持するために保管に特別な準備が必要である。したがって、既存のESに存在する制限への答えを持ち、低い凝固点と共晶点、低粘度、無視できる程度の蒸気圧、非揮発性、より少ない含水量、高電位窓、高い熱安定性、高い溶解性、長い貯蔵寿命、高いリサイクル性、高い生分解性、高いイオン特性、空気及び湿気安定性、非腐食性、非変異原性、経済的、不燃性等の望ましい特徴が改善され、その結果より広い用途を持つ新規ESが求められている。
本発明は、既存のESの制限に対する答えを有し、既存のESに対して上述の所望の改善された特性を有し、より広い用途を有する新規ES(NES)を開示する。
NESは、マンガン、亜鉛、セリウム、ニッケル、チタン、銅、ナトリウム、カリウム及びカルシウムからなる群から選択される様々な金属イオンとのメタンスルホン酸の塩から選択される1又は複数のメタンスルホン酸の誘導体;一般式NHXを有する1又は複数のアンモニウム塩(Xは、クロライド、メタンスルホネート、アセテート、スルフェート、トリフラート、トリメタンスルホネートからなる群から選択することができる。);尿素、チオ尿素、グリセロール、シュウ酸、酢酸、エチレングリコール、アセトアミド、ベンズアミド、アジピン酸、安息香酸、クエン酸からなる群から選択される1又は複数の水素結合供与体(hydrogen bond donor(s));を含み、メタンスルホン酸の誘導体、アンモニウム塩、及び水素結合供与体のモル比が、0.5~3:2~7:8~13の範囲内である。NESは、0.1Vから3.5Vまでの範囲の電位窓(potential window)と、10mS/cmから90mS/cmまでの範囲の伝導率(conductivity)を有する。さらに、NESは、1mPa.sから60mPa.sまでの範囲の粘度(viscosity)を有する。NESは、周囲圧力において5℃までの低温で液体の状態である。
三電極系におけるスキャンレート1mV/sでの例1のNESのサイクリックボルタンメトリー曲線。 非対称カーボンスチール/Znセットアップにおける電流2.5mA/cmでの例1のNESの電圧-時間電気化学的安定性及び電気めっき特性。 温度が上昇するにつれて、粘度の低下とともに例1のNESにおける分子によって得られるエネルギーは増加し、それによって、イオンはより高いエネルギー状態にあり、それが移動度の増加につながり、NESの伝導率が増加する。
I.定義
明細書及び添付の特許請求の範囲を解釈する目的で、以下の用語には以下に示す意味が与えられるものとする。
「溶媒(solvent)」という用語は、他の物質を溶解できる液体媒体を指すものとする。
「周囲温度(ambient temperature)」という用語は、25~30℃の範囲内の温度を意味するものとする。
「周囲圧力(ambient pressure)」という用語は、1barにおける大気圧を意味するものとする。
II.説明
ここで、本発明による様々な実施形態を詳細に参照し、それらの例を添付の図面に示し、以下に説明する。本明細書による発明は、それらの例示的な実施形態に限定されることを意図していないことが理解されるであろう。本発明は、特許請求の範囲によって定義される発明の精神及び範囲に含まれ得る、様々な代替物、修正物、均等物、及び他の実施形態を包含することを意図している。
NESは、マンガン、亜鉛、セリウム、ニッケル、チタン、銅、ナトリウム、カリウム及びカルシウムからなる群から選択される様々な金属イオンとのメタンスルホン酸の塩から選択される1又は複数のメタンスルホン酸の誘導体;一般式NHXを有する1又は複数のアンモニウム塩(Xは、クロライド、メタンスルホネート、アセテート、スルフェート、トリフラート、トリメタンスルホネートからなる群から選択することができる。);尿素、チオ尿素、グリセロール、シュウ酸、酢酸、エチレングリコール、アセトアミド、ベンズアミド、アジピン酸、安息香酸、クエン酸からなる群から選択される1又は複数の水素結合供与体;を含み、メタンスルホン酸の誘導体、アンモニウム塩、及び水素結合供与体のモル比が、0.5~3:2~7:8~13の範囲内である。NESは、0.1Vから3.5Vまでの範囲の電位窓と、10mS/cmから90mS/cmまでの範囲の伝導率を有する。さらに、NESは、1mPa.sから60mPa.sまでの範囲の粘度を有する。NESは、周囲圧力において5℃までの低温で液体の状態である。
NESは、マンガン、亜鉛、セリウム、ニッケル、チタン、銅、ナトリウム、カリウム及びカルシウムからなる群から選択される様々な金属イオンとのメタンスルホン酸の塩から選択される1又は複数のメタンスルホン酸の誘導体;一般式NHXを有する1又は複数のアンモニウム塩(Xは、クロライド、メタンスルホネート、アセテート、スルフェート、トリフラート、トリメタンスルホネートからなる群から選択することができる。);尿素、チオ尿素、グリセロール、シュウ酸、酢酸、エチレングリコール、アセトアミド、ベンズアミド、アジピン酸、安息香酸、クエン酸からなる群から選択される1又は複数の水素結合供与体;を混合することによって調製され、メタンスルホン酸の誘導体、アンモニウム塩、及び水素結合供与体のモル比は、0.5~3:2~7:8~13の範囲内である。適切に混合すると、混合物は周囲温度及び圧力において液体に変化し始める。成分の適切な混合を確実にし、プロセスをスピードアップするために、この混合物を60℃までの温度で均一に加熱してもよい。共晶溶媒を調製した後は、容器に保存することができ、周囲圧力において5℃までの低温で液体の状態を保つことができる。
NESの調製には、真空中での加熱/乾燥という特別な条件は必要ない。他の多くの共晶溶媒とは異なり、構成成分の混合は吸熱現象であるため、合成プロセスは既存の共晶溶媒よりも安全で非引火性である。本発明によれば、得られた透明液体NESは、室温で、気密容器に保存され、様々な用途に使用される準備ができている。
NESは、その構成成分の固有の性質により毒性がなく容易に廃棄でき、環境に対してより安全である。メタンスルホン酸は、生分解を受けて二酸化炭素とスルフェートを形成する有機酸である。また、他の鉱酸と比較して、性質上、毒性及び腐食性が低いため、グリーンな酸であると見なされる。提案されたNESの他の成分は、水素結合供与体と1種又は複数種のアンモニウム塩であり、NESは生分解性でエコフレンドリー(eco-friendly)なものとなる。
NESは、全ての成分が非常に経済的であり自然界に豊富であるために、既存のESと比べて比較的経済的であり、提案されたNESはサステナブルな共晶溶媒である。提案されたNESは、粘度が低く、熱的及び化学的安定性が高く、電位窓が広く、揮発性が低く、不燃性である。成分の特有の化学的性質と化学結合により、既存の溶媒に対して化学的及び熱的に安定している。既存のES、イオン液体、及び有機溶媒に対していくつかの利点があるため、提案されたNESは、電気化学用途、エネルギー貯蔵デバイス、金属、その複合材料及びその合金の電気めっき、二酸化炭素の捕捉、触媒、有機合成、精製プロセス、バイオリファイナリープロセス、製薬、水処理、金属加工、コーティング、無電解コーティング、金属ナノ粒子合成、金属電解研磨、金属抽出、金属酸化物の加工、ガス吸着、バイオトランスフォーメーション、及びエレクトロニクスを含むがこれらに限定されない広い用途を有する。
以下の例示的な例は、本発明による好ましいNES組成物の製造方法及び使用方法をさらに説明するために提供される。これらは、特許請求された発明の範囲を限定することを意図していない。
例1
NES組成物を調製するプロセスにおいて、2モルのメタンスルホン酸亜鉛、10モルのチオ尿素、及び5モルの塩化アンモニウムを回転底フラスコ内で混合する。適切に混合するためにフラスコを50rpmで回転させる。約45分間にわたり回転させた後、固体混合物がNES溶媒に変化し始める。ただし、迅速な結果に向けてプロセスを促進させるためには、成分をオイルバス中で混合し、45℃で15分間にわたり回転させて、透明な液体NES溶媒を得る。
例2
NES組成物を調製するプロセスにおいて、1.7モルのメタンスルホン酸カルシウム、9モルのチオ尿素、及び5モルの塩化アンモニウムを回転底フラスコ内で混合する。適切に混合するためにフラスコを50rpmで回転させる。約45分間にわたり回転させた後、固体混合物がNES溶媒に変化し始める。ただし、迅速な結果のためには、成分をオイルバス中で混合し、60℃で15分間にわたり回転させて、透明な液体NES溶媒を得る。
例3
NES組成物を調製するプロセスにおいて、1.7モルのメタンスルホン酸カルシウム、10モルのエチレングリコール、及び4モルの酢酸アンモニウムを回転底フラスコ内で混合する。適切に混合するためにフラスコを50rpmで回転させる。約45分間にわたり回転させた後、固体混合物がNES溶媒に変化し始める。ただし、迅速な結果のためには、成分をオイルバス中で混合し、45℃で15分間にわたり回転させて、透明な液体NES溶媒を得る。
IV.実験
実験1
サイクリックボルタンメトリーは、バイオロジックVPM3(Biologic VPM3)電気化学ワークステーションを使用して、-1.5Vから2.5Vまで(対Ag/AgCl)の電圧範囲内で1mVs-1において、作用電極としてグラファイト、対電極としてプラチナメッシュ、及び参照電極としてAg/AgClをそれぞれ備えた三電極系(three-electrode system)を使用して実施される。
三電極系のサイクリックボルタモグラム。NES番号1の電位窓を測定するため、三電極系が、-1.5Vから2.5まで1mV/sのスキャンレートで、CV実験のために上記のように使用される。
例1のNESについて図1に示すサイクリックボルタモグラムは、亜鉛の可逆的な電気化学析出/溶解を示す。イニシャルの亜鉛めっき/剥離の対応する開始電位は、-0.31V及び-0.01Vである。他の既存の溶媒と比較して、NESでは、めっきと剥離の間の電位分離(potential separation)がより小さく、応答電流がより高いことがわかり、Zn析出/溶解のより優れた可逆性とより速い速度論を示唆している。特に、NESは、-1.5Vから2Vまでの広い安定した電気化学窓を示す。クーロン効率(CE)は徐々に増加し、3サイクル後には約99.9%に達する。
実験2
NES溶液中の金属の電気めっき及びめっき除去能力を測定する。
カーボンスチールの作用電極(シート:10mm*0.2mm*50mm)と亜鉛の対/参照電極(直径:10mm*0.2mm*50mm)を、カーボンスチール//Zn非対称セルで構成された長方形の形で(with a rectangle shaped made up the Carbon steel//Zn asymmetric cells)、例1のNES内にサスペンドする。Zn-カーボンスチール非対称セルの電圧-時間電気化学的安定性試験の結果を図2に示す。NESは、良好な電気めっき能力を示す。NECは、サイクルでもより高い安定性を示す。
実験3
例1のNESのイオン伝導率及び粘度に対する温度変化の影響を測定する。
イオン伝導率の測定には、S230ベンチ伝導率計(S230 Bench Conductivity Meter)(Mettler-Toledo GmbH)を使用する。各実験の前に、装置を標準KCl溶液に対して校正する。
NESの粘度の評価には、Dv2tブルックフィールド粘度計(Dv2t Brookfield Viscometer)を使用する。
Figure 2023531101000002
どちらの場合も、恒温水浴を使用して温度を±0.5℃以内に制御する。
NESは、10から60℃の測定温度範囲にわたって優れたイオン伝導率を示し、特に高い温度で25.97mS/cmから81.42mS/cmまで増加した。これは、温度が上昇すると、NES媒体内の分子によって得られるエネルギーが、粘度の低下(10℃で50mPa.sから60℃で5mPa.sまで)とともに増加し、よってイオンはより高いエネルギー状態になるという事実によって説明でき、その結果、移動度が増加し、NESの伝導率が増加する。分解生成物が観察されないため、NESは熱的に安定している。
図3を参照すると、温度が上昇すると、粘度の低下とともにNES内の分子によって得られるエネルギーが増加し、イオンはより高いエネルギー状態になり、このことは移動度の増加につながり、それによりNESの伝導率が増加する。
実験4
例1、2及び3において作製された(developed)NESを使用してCO吸収を測定する。COガスを、10ml/minの流速で5mlの作製されたNESを保持するバイアル(10ml)に流し込む。0.1mgの精度の秤を使用して一定間隔でバイアルを量り、吸収されたCOの重量パーセントを計算する。温度の影響を減らすために、実験中は一定温度の水浴にバイアルを部分的に浸しておく。
テストは上記の方法を使用して準備され、COの一定流量を使用して27℃の一定温度で試験される。
NESのスクリーニングによると、カルシウムを含むNESは、大気圧でNESの固定モル比に対して測定した場合、高いCO吸収能力を示した。
表2は、2時間の実験中のNESそれぞれのCO取り込みの比較を表す。
Figure 2023531101000003

Claims (6)

  1. マンガン、亜鉛、セリウム、ニッケル、チタン、銅、ナトリウム、カリウム及びカルシウムからなる群から選択される様々な金属イオンとのメタンスルホン酸の塩から選択される1又は複数のメタンスルホン酸の誘導体;
    一般式NHXを有する1又は複数のアンモニウム塩(Xは、クロライド、メタンスルホネート、アセテート、スルフェート、トリフラート、トリメタンスルホネートからなる群から選択することができる。);
    尿素、チオ尿素、グリセロール、シュウ酸、酢酸、エチレングリコール、アセトアミド、ベンズアミド、アジピン酸、安息香酸、クエン酸からなる群から選択される1又は複数の水素結合供与体
    を含む新規共晶溶媒。
  2. メタンスルホン酸の誘導体、アンモニウム塩、及び水素結合供与体のモル比が、0.5~3:2~7:8~13の範囲内である、請求項1に記載の新規共晶溶媒。
  3. 0.1Vから3.5Vまでの範囲の電位窓を有する、請求項1又は2のいずれかに記載の新規共晶溶媒。
  4. 10mS/cmから90mS/cmまでの範囲の伝導率を有する、請求項1~3のいずれかに記載の新規共晶溶媒。
  5. 1mPa.sから60mPa.sまでの範囲の粘度を有する、請求項1~4のいずれかに記載の新規共晶溶媒。
  6. 周囲圧力において5℃までの低温で液体の状態である、請求項1~5のいずれかに記載の新規共晶溶媒。
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