JP2023531077A - 化合物の塩、及び塩を含む医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
【要約】本願は、下記式(I)化合物と酸とで形成する塩に関する。本願は、前記塩を用いてEGFRエクソン20挿入変異型非小細胞肺癌(NSCLC)を治療する方法に関する。TIFF2023531077000018.tif36153[前記酸は、塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、マレイン酸、臭化水素酸、クエン酸、L-酒石酸及びp-トルエンスルホン酸から選ばれる。]
Description
中国特許CN105461695Bには、複数の塩基性中心を有する式(I)化合物が開示されている。当該化合物のEGFR活性化変異(例えば、エクソン19欠失活性化変異、L858R活性化変異、T790M耐性変異及びエクソン20挿入変異)に対する阻害活性は、野生型EGFR(WT EGFR)に対する阻害活性よりも明らかに高く、かつ、これにより高い選択性と安全性、及び低い毒性と副作用を有する。
通常、活性を有する有機塩基性化合物に対して塩形成の研究を行う。しかしながら、当業者は、特定の有機塩基性化合物がどのような酸と、安定している塩を形成できるかを予期することができず、特定の有機塩基性化合物とその酸付加塩のどちらが更なる薬物開発に適するかを予期することができず、なおさら、形成したどのような塩がより良い化学的安定性、物理的安定性又は溶解度を有するか、さらに、どのような塩がこれらのより良い性質を同時に有するかを予期できないことは言うまでもない。特に、1種の有機塩基性化合物が複数の塩基性中心を有すれば、当業者は、それが1種の特定の酸と様々な当量比で形成した塩が同じ性質又は異なる性質を有するかを全く予期することができず、なおさら、どのような当量比の有機塩基性化合物と酸とが更なる薬物開発に適するかを全く予期できないことは言うまでもない。
本願は、更なる薬物開発に適した式(I)化合物の塩を求めることを目的とする。具体的に、本願は、更なる薬物開発に適した性質を有する塩を求めることを目的とし、当該塩は、合理的な塩形成当量比、より良い化学的安定性、より良い物理的安定性及び/又はより良い溶解度を有する。
本発明の1つの態様によれば、本願は、下記式(I)化合物と酸とで形成する塩に関する。
[前記酸は、塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、マレイン酸、臭化水素酸、クエン酸、L-酒石酸及びp-トルエンスルホン酸から選ばれる。]
[前記酸は、塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、マレイン酸、臭化水素酸、クエン酸、L-酒石酸及びp-トルエンスルホン酸から選ばれる。]
本発明のもう1つの態様にれば、本願は、本発明に記載の塩を含む医薬組成物に関し、当該医薬組成物は本発明に記載の塩と、薬学的に許容される担体と、を含む。
本発明のもう1つの態様によれば、本願は、本発明に記載の塩を患者に投与することを含む、EGFRエクソン20挿入変異型非小細胞肺癌(NSCLC)の治療方法に関する。
本発明のもう1つの態様によれば、本願は、本発明に記載の塩の、EGFRエクソン20挿入変異型非小細胞肺癌(NSCLC)を治療する薬物の製造への使用に関する。
1つの態様において、本発明は、下記式(I)化合物と酸とで形成する塩に関する。
[前記酸は、塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、マレイン酸、臭化水素酸、クエン酸、L-酒石酸及びp-トルエンスルホン酸から選ばれる。好ましくは、前記酸は、塩酸、メタンスルホン酸及びマレイン酸から選ばれる。]
より好ましくは、式(I)化合物と酸との当量比が1:1又は1:2である。さらに好ましくは、前記酸は、メタンスルホン酸である。さらにより好ましくは、式(I)化合物と酸との当量比が1:1である。
[前記酸は、塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、マレイン酸、臭化水素酸、クエン酸、L-酒石酸及びp-トルエンスルホン酸から選ばれる。好ましくは、前記酸は、塩酸、メタンスルホン酸及びマレイン酸から選ばれる。]
より好ましくは、式(I)化合物と酸との当量比が1:1又は1:2である。さらに好ましくは、前記酸は、メタンスルホン酸である。さらにより好ましくは、式(I)化合物と酸との当量比が1:1である。
本願の発明者は、式(I)化合物を有機酸又は無機酸と反応させる際に、意外に、式(I)化合物と幾つかの酸とが塩を形成することができ、他の酸とは全く塩を形成できないことを見出した。
さらに驚くべきことに、式(I)化合物:酸=1:1の仕込みモル比で式(I)化合物を、塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、マレイン酸、臭化水素酸、スルホサリチル酸、L-リンゴ酸、クエン酸又はL-酒石酸と反応させる場合、形成した幾つかの塩が式(I)化合物:酸=1:1の化学量論比を有するが、式(I)化合物は、幾つかの酸と、式(I)化合物:酸=1:1の化学量論比の塩を全く形成できない。具体的に、
塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、マレイン酸、臭化水素酸、クエン酸及びL-酒石酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:1の化学量論比(相応する塩は、以下、それぞれ1当量の塩酸塩、1当量のメタンスルホン酸塩、1当量のベンゼンスルホン酸塩、1当量のエタンスルホン酸塩、1当量のマレイン酸塩、1当量の臭化水素酸塩、1当量のクエン酸塩及び1当量のL-酒石酸塩と呼ばれる)を有させることができ、スルホサリチル酸及びL-リンゴ酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:1の化学量論比を有させることができない。
塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、マレイン酸、臭化水素酸、クエン酸及びL-酒石酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:1の化学量論比(相応する塩は、以下、それぞれ1当量の塩酸塩、1当量のメタンスルホン酸塩、1当量のベンゼンスルホン酸塩、1当量のエタンスルホン酸塩、1当量のマレイン酸塩、1当量の臭化水素酸塩、1当量のクエン酸塩及び1当量のL-酒石酸塩と呼ばれる)を有させることができ、スルホサリチル酸及びL-リンゴ酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:1の化学量論比を有させることができない。
また、さらに驚くべきことに、式(I)化合物:酸=1:2の仕込みモル比で式(I)化合物を、塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、硝酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸又はスルホサリチル酸と反応させる場合に、形成した幾つかの塩は、式(I)化合物:酸=1:2の化学量論比を有するが、式(I)化合物は、幾つかの酸と、式(I)
化合物:酸=1:2の化学量論比の塩を形成することができない。具体的に、
塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:2の化学量論比(相応する塩は、以下、それぞれ2当量の塩酸塩、2当量のメタンスルホン酸塩、2当量のベンゼンスルホン酸塩及び2当量のp-トルエンスルホン酸塩と呼ばれる)を有させることができるが、硝酸、硫酸及びスルホサリチル酸、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:2の化学量論比を有させることができない。
化合物:酸=1:2の化学量論比の塩を形成することができない。具体的に、
塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:2の化学量論比(相応する塩は、以下、それぞれ2当量の塩酸塩、2当量のメタンスルホン酸塩、2当量のベンゼンスルホン酸塩及び2当量のp-トルエンスルホン酸塩と呼ばれる)を有させることができるが、硝酸、硫酸及びスルホサリチル酸、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:2の化学量論比を有させることができない。
より具体的に、上記のように得られた塩は、1当量の塩酸塩、1当量のメタンスルホン酸塩、1当量のベンゼンスルホン酸塩、1当量のエタンスルホン酸塩、1当量のマレイン酸塩、1当量の臭化水素酸塩、1当量のクエン酸塩、1当量のL-酒石酸塩、2当量の塩酸塩、2当量のメタンスルホン酸塩、2当量のベンゼンスルホン酸塩及び2当量のp-トルエンスルホン酸塩、及び合理的な塩形成当量比を有さないスルホサリチル酸塩、L-リンゴ酸塩、硝酸塩及び硫酸塩を含む。例えば、上記のように得られた塩は、1当量の非晶質塩酸塩、1当量の非晶質メタンスルホン酸塩、1当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩、1当量の非晶質エタンスルホン酸塩、1当量の非晶質マレイン酸塩、1当量の結晶質臭化水素酸塩、1当量の非晶質クエン酸塩、1当量の非晶質L-酒石酸塩、2当量の非晶質塩酸塩、2当量の非晶質メタンスルホン酸塩、2当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩及び2当量の非晶質p-トルエンスルホン酸塩、及び合理的な塩形成当量比を有さない非晶質スルホサリチル酸塩、非晶質L-リンゴ酸塩、非晶質硝酸塩及び非晶質硫酸塩を含む。
上記のように得られた塩は、製造終了時に化学的安定性及び物理的安定性を有するか否かが、薬物開発にとって極めて重要である。塩の製造終了時における化学的安定性及び物理的安定性は、
前記塩の製造終了時における化学的安定性、すなわち、前記塩を製造するための遊離塩基の純度と比べて、製造終了時に得られた前記塩の純度が顕著に低下しないこと、及び
前記塩の製造終了時における物理的安定性、すなわち、前記塩は、製造終了時に直ちに結晶形態転換、吸湿及び/又は変色等を発生しないこと、
を含む。
前記塩の製造終了時における化学的安定性、すなわち、前記塩を製造するための遊離塩基の純度と比べて、製造終了時に得られた前記塩の純度が顕著に低下しないこと、及び
前記塩の製造終了時における物理的安定性、すなわち、前記塩は、製造終了時に直ちに結晶形態転換、吸湿及び/又は変色等を発生しないこと、
を含む。
製造終了時における化学的安定性及び物理的安定性は、異なる塩は異なるパフォーマンスを有し、ある塩がどのようなパフォーマンスを有するかが予期不可であることを明らかにした。具体的に、
1当量のクエン酸塩、1当量のL-酒石酸塩、硝酸塩及びL-リンゴ酸塩は、製造終了時に化学的には不安定であること、
2当量のp-トルエンスルホン酸塩及び硫酸塩は、製造終了時に物理的には不安定であること、及び
1当量の塩酸塩、2当量の塩酸塩、1当量のメタンスルホン酸塩、2当量のメタンスルホン酸塩、1当量のベンゼンスルホン酸塩、2当量のベンゼンスルホン酸塩、1当量のエタンスルホン酸塩、1当量のマレイン酸塩、1当量の臭化水素酸塩及びスルホサリチル酸塩は、製造終了時に化学的及び物理的に安定である。
1当量のクエン酸塩、1当量のL-酒石酸塩、硝酸塩及びL-リンゴ酸塩は、製造終了時に化学的には不安定であること、
2当量のp-トルエンスルホン酸塩及び硫酸塩は、製造終了時に物理的には不安定であること、及び
1当量の塩酸塩、2当量の塩酸塩、1当量のメタンスルホン酸塩、2当量のメタンスルホン酸塩、1当量のベンゼンスルホン酸塩、2当量のベンゼンスルホン酸塩、1当量のエタンスルホン酸塩、1当量のマレイン酸塩、1当量の臭化水素酸塩及びスルホサリチル酸塩は、製造終了時に化学的及び物理的に安定である。
上記のように合理的な塩形成当量比を有しかつ製造終了時に化学的及び物理的に安定している塩は、1当量の塩酸塩、2当量の塩酸塩、1当量のメタンスルホン酸塩、2当量のメタンスルホン酸塩、1当量のベンゼンスルホン酸塩、2当量のベンゼンスルホン酸塩、1当量のエタンスルホン酸塩、1当量のマレイン酸塩及び1当量の臭化水素酸塩を含む。これらの塩は、貯蔵後でも化学的安定性及び物理的安定性を有するか否かも、薬物開発にとって極めて重要である。塩の貯蔵後の化学的安定性及び物理的安定性は、
前記塩の貯蔵後の化学的安定性、すなわち、前記塩の貯蔵前の純度と比べて、前記塩の貯蔵後の純度が顕著に低下しないこと、及び
前記塩の貯蔵後の物理的安定性、すなわち、前記塩は、貯蔵前後に結晶形態転換、吸湿及び/又は変色等を発生しないこと、
を含む。
前記塩の貯蔵後の化学的安定性、すなわち、前記塩の貯蔵前の純度と比べて、前記塩の貯蔵後の純度が顕著に低下しないこと、及び
前記塩の貯蔵後の物理的安定性、すなわち、前記塩は、貯蔵前後に結晶形態転換、吸湿及び/又は変色等を発生しないこと、
を含む。
貯蔵後の化学的安定性及び物理的安定性について、異なる塩は異なるパフォーマンスを有し、ある塩がどのようなパフォーマンスを有するかが予期不可であることを明らかにした。具体的に、
貯蔵後の化学的安定性及び物理的安定性について、異なる塩は異なるパフォーマンスを有し、ある塩がどのようなパフォーマンスを有するかが予期不可であることを明らかにした。具体的に、
1当量の塩酸塩、1当量のベンゼンスルホン酸塩及び1当量のマレイン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び/又は「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵条件下、化学的には不安定であること、
2当量の塩酸塩、2当量のメタンスルホン酸塩、2当量のベンゼンスルホン酸塩、1当量のエタンスルホン酸塩及び1当量のマレイン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び/又は「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵条件下、物理的には不安定であること、及び
1当量のメタンスルホン酸塩及び1当量の臭化水素酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵条件下、化学的及び物理的に安定していること。
貯蔵後の化学的安定性及び物理的安定性について、異なる塩は異なるパフォーマンスを有し、ある塩がどのようなパフォーマンスを有するかが予期不可であることを明らかにした。具体的に、
1当量の塩酸塩、1当量のベンゼンスルホン酸塩及び1当量のマレイン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び/又は「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵条件下、化学的には不安定であること、
2当量の塩酸塩、2当量のメタンスルホン酸塩、2当量のベンゼンスルホン酸塩、1当量のエタンスルホン酸塩及び1当量のマレイン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び/又は「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵条件下、物理的には不安定であること、及び
1当量のメタンスルホン酸塩及び1当量の臭化水素酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵条件下、化学的及び物理的に安定していること。
上記のように合理的な塩形成当量比を有しかつ製造終了時に化学的及び物理的に安定している塩は、1当量の塩酸塩、2当量の塩酸塩、1当量のメタンスルホン酸塩、2当量のメタンスルホン酸塩、1当量のベンゼンスルホン酸塩、2当量のベンゼンスルホン酸塩、1当量のエタンスルホン酸塩、1当量のマレイン酸塩及び1当量の臭化水素酸塩を含む。これらの塩がより良い溶解度を有するか否かも、薬物開発にとって極めて重要である。異なる塩が異なる溶解度を有することは、ある塩がどのような溶解度を有するかが予期不可であることを明らかにした。具体的に、
2当量のベンゼンスルホン酸塩及び1当量の臭化水素酸塩は、生理学的条件をシミュレーションする幾つかの溶媒中で2mg/mLの溶解度を満たさないこと、及び
1当量の塩酸塩、2当量の塩酸塩、1当量のメタンスルホン酸塩、2当量のメタンスルホン酸塩、1当量のベンゼンスルホン酸塩、1当量のエタンスルホン酸塩及び1当量のマレイン酸塩は、生理学的条件をシミュレーションする各種の溶媒中でも2mg/mL超えの溶解度を有すること。
2当量のベンゼンスルホン酸塩及び1当量の臭化水素酸塩は、生理学的条件をシミュレーションする幾つかの溶媒中で2mg/mLの溶解度を満たさないこと、及び
1当量の塩酸塩、2当量の塩酸塩、1当量のメタンスルホン酸塩、2当量のメタンスルホン酸塩、1当量のベンゼンスルホン酸塩、1当量のエタンスルホン酸塩及び1当量のマレイン酸塩は、生理学的条件をシミュレーションする各種の溶媒中でも2mg/mL超えの溶解度を有すること。
上記内容からわかるように、1当量のメタンスルホン酸塩は、驚くべき及び意外に、合理的な塩形成当量比、より良い化学的安定性、より良い物理的安定性及びより良い溶解度を同時に有し、これにより、更なる薬物開発に適した式(I)化合物の塩となる。
本発明のもう1つの態様にれば、本願は、本発明に記載の塩を含む医薬組成物に関し、当該医薬組成物は、本発明に記載の塩と、薬学的に許容される担体とを含む。
本発明のもう1つの態様によれば、本願は、本発明に記載の塩を患者に投与することを含む、EGFRエクソン20挿入変異型非小細胞肺癌(NSCLC)の治療方法に関する。
本発明のもう1つの態様によれば、本願は、本発明に記載の塩の、EGFRエクソン20挿入変異型非小細胞肺癌(NSCLC)を治療する薬物の製造への使用に関する。
本願を以下の実施例で説明する。
ICにより同一試料における遊離塩基の濃度及び酸基イオンの濃度を測定し、その後、以下のように当該試料中の塩基:酸の化学量論比を算出する。
その中、CFは、遊離塩基の濃度(mg/mL)であり、MFは、遊離塩基のモル質量(g/mol)であり、CCは、酸基イオンの濃度(mg/mL)であり、MCは、酸基イオンのモル質量(g/mol)である。
その中、CFは、遊離塩基の濃度(mg/mL)であり、MFは、遊離塩基のモル質量(g/mol)であり、CCは、酸基イオンの濃度(mg/mL)であり、MCは、酸基イオンのモル質量(g/mol)である。
実施例1:非晶質遊離塩基(試料番号:Y11526-45-RV-FWD1509-
AF-SU12)
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/アセトニトリル(v:v=1:1)を10mL添加し、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法(即ち、回転蒸発法)により溶媒除去し、約290mgの類白色固体を得、収率が約97%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図5)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図1)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が68.4℃及び104.7℃であることを示した(図2)。TGAにより、生成物の150℃における重量損失が約5.1%であることを示した(図3)。
非晶質遊離塩基(試料番号:Y11526-45-RV-FWD1509-AF-SU12)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定している。
AF-SU12)
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/アセトニトリル(v:v=1:1)を10mL添加し、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法(即ち、回転蒸発法)により溶媒除去し、約290mgの類白色固体を得、収率が約97%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図5)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図1)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が68.4℃及び104.7℃であることを示した(図2)。TGAにより、生成物の150℃における重量損失が約5.1%であることを示した(図3)。
非晶質遊離塩基(試料番号:Y11526-45-RV-FWD1509-AF-SU12)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定している。
実施例2:1当量の非晶質塩酸塩(試料番号:Y11526-42-SU11-メタノール-ジクロロメタン)
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)20mLと、1当量の塩酸希釈溶液(518μL,44mg/mL,メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)中)とを添加し、50℃で2時間反応させ、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約306mgの淡黄色固体を得、収率が約95%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図10)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図6)。DSCにより生成物のガラス転換温度が128.5℃であることを示した(図7)。TGAにより、生成物の150℃における重量損失が約5.1%であることを示した(図8)。ICにより生成物の遊離塩基の濃度が0.5mg/mLであり、かつ、塩素イオンの濃度が33.7mg/Lであることを示したので、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であった。
1当量の非晶質塩酸塩(試料番号:Y11526-42-SU11-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)20mLと、1当量の塩酸希釈溶液(518μL,44mg/mL,メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)中)とを添加し、50℃で2時間反応させ、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約306mgの淡黄色固体を得、収率が約95%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図10)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図6)。DSCにより生成物のガラス転換温度が128.5℃であることを示した(図7)。TGAにより、生成物の150℃における重量損失が約5.1%であることを示した(図8)。ICにより生成物の遊離塩基の濃度が0.5mg/mLであり、かつ、塩素イオンの濃度が33.7mg/Lであることを示したので、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であった。
1当量の非晶質塩酸塩(試料番号:Y11526-42-SU11-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
実施例3:2当量の非晶質塩酸塩(試料番号:Y11526-28-SU5-メタノール-ジクロロメタン)
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)5mLと、2当量の塩酸希釈溶液(1010μL,44mg/mL,メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)中)とを添加し、50℃で2時間反応させ、25℃に降温して引き続き約2時間反応させ、清澄溶液を得た。得られた清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約310mgの黄色固体を得、収率が約90%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図15)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図11)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が154.0℃であることを示した(図12)。TGAにより、生成物の110℃における重量損失が約4.3%であることを示した(図13)。ICにより、生成物の遊離塩基の濃度が0.5mg/mLであり、かつ塩化物イオンの濃度が77.4mg/Lであることを示したので、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:2であった。
2当量の非晶質塩酸塩(試料番号:Y11526-28-SU5-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)5mLと、2当量の塩酸希釈溶液(1010μL,44mg/mL,メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)中)とを添加し、50℃で2時間反応させ、25℃に降温して引き続き約2時間反応させ、清澄溶液を得た。得られた清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約310mgの黄色固体を得、収率が約90%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図15)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図11)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が154.0℃であることを示した(図12)。TGAにより、生成物の110℃における重量損失が約4.3%であることを示した(図13)。ICにより、生成物の遊離塩基の濃度が0.5mg/mLであり、かつ塩化物イオンの濃度が77.4mg/Lであることを示したので、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:2であった。
2当量の非晶質塩酸塩(試料番号:Y11526-28-SU5-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
実施例4:1当量の非晶質メタンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-42-SU10-メタノール-ジクロロメタン)
撹拌しながら、秤取した式(I)化合物アセトン(重量で、秤取した式(I)化合物の11.70倍)に添加して45~55℃に昇温した。溶解後、熱いうちに反応混合物をろ過し、ろ液を45~55℃に加熱し、水(重量で、秤取した式(I)化合物の1倍)を添加し、45~55℃で攪拌し続け、30分間内でメタンスルホン酸(重量で、秤取した式(I)化合物の0.188倍)を滴下し、45~55℃で60±10分間撹拌した。反応混合物を1.0~2.0時間内で20~30℃に降温し、晶析し、10~30℃で撹拌しながら、1.0~2.0時間晶析した。反応混合物をろ過し、ろ過ケーキをアセトン(重量で、秤取した式(I)化合物の0.78倍×2)で2回洗脱した。ろ過ケーキを40±5℃及び≦-0.07MPaの条件下で一定重量となるまで乾燥し、高結晶度物質を得た。
得られた高結晶度物質を約300mg称取し、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)を約50mL添加し、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約268mgの淡黄色固体を得、収率が約72%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図20)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図16)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が111.1℃であることを示した(図17)。TGAにより、生成物の140℃における重量損失が約3.9%であることを示した(図18)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であることを示した(図19)。
1当量の非晶質メタンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-42-SU10-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
撹拌しながら、秤取した式(I)化合物アセトン(重量で、秤取した式(I)化合物の11.70倍)に添加して45~55℃に昇温した。溶解後、熱いうちに反応混合物をろ過し、ろ液を45~55℃に加熱し、水(重量で、秤取した式(I)化合物の1倍)を添加し、45~55℃で攪拌し続け、30分間内でメタンスルホン酸(重量で、秤取した式(I)化合物の0.188倍)を滴下し、45~55℃で60±10分間撹拌した。反応混合物を1.0~2.0時間内で20~30℃に降温し、晶析し、10~30℃で撹拌しながら、1.0~2.0時間晶析した。反応混合物をろ過し、ろ過ケーキをアセトン(重量で、秤取した式(I)化合物の0.78倍×2)で2回洗脱した。ろ過ケーキを40±5℃及び≦-0.07MPaの条件下で一定重量となるまで乾燥し、高結晶度物質を得た。
得られた高結晶度物質を約300mg称取し、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)を約50mL添加し、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約268mgの淡黄色固体を得、収率が約72%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図20)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図16)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が111.1℃であることを示した(図17)。TGAにより、生成物の140℃における重量損失が約3.9%であることを示した(図18)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であることを示した(図19)。
1当量の非晶質メタンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-42-SU10-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
実施例5:2当量の非晶質メタンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-28-SU4-メタノール-ジクロロメタン)
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール 2mLと、2当量のメタンスルホン酸希釈溶液(798μL,148mg/mL,メタノール中)を添加し、清澄溶液から黄色不透明系となった。ジクロロメタンを2mL添加し、溶液が清澄となり、引き続き、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)1mLを添加した。50℃で2時間反応させ、25℃に降温して約3時間反応し続け、清澄溶液を得た。得られた清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約380mgの黄色固体を得、収率が約85%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図25)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図21)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が131.7℃であることを示した(図22)。TGAにより、生成物の130℃における重量損失が約2.4%であることを示した(図23)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:2であることを示した(図24)。
2当量の非晶質メタンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-28-SU4-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール 2mLと、2当量のメタンスルホン酸希釈溶液(798μL,148mg/mL,メタノール中)を添加し、清澄溶液から黄色不透明系となった。ジクロロメタンを2mL添加し、溶液が清澄となり、引き続き、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)1mLを添加した。50℃で2時間反応させ、25℃に降温して約3時間反応し続け、清澄溶液を得た。得られた清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約380mgの黄色固体を得、収率が約85%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図25)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図21)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が131.7℃であることを示した(図22)。TGAにより、生成物の130℃における重量損失が約2.4%であることを示した(図23)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:2であることを示した(図24)。
2当量の非晶質メタンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-28-SU4-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
実施例6:1当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-42-SU9-メタノール-ジクロロメタン)
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、1当量のベンゼンスルホン酸とともに250mLの丸底フラスコに放置して、15mLの水を添加し、50℃で2時間反応させ、清澄溶液を得た後に固体が析出した。懸濁液をドライアイス/エタノール混合物において2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により水を除去し、低結晶度試料を
得た。冷凍乾燥後の試料を5mLのメタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)に溶解し、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約320mgの淡黄色固体を得、収率が約83%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.7%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図30)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図26)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が100.7℃及び114.7℃であることを示した(図27)。TGAにより、生成物の150℃における重量損失が約3.8%であることを示した(図28)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であることを示した(図29)。
1当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-42-SU9-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、1当量のベンゼンスルホン酸とともに250mLの丸底フラスコに放置して、15mLの水を添加し、50℃で2時間反応させ、清澄溶液を得た後に固体が析出した。懸濁液をドライアイス/エタノール混合物において2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により水を除去し、低結晶度試料を
得た。冷凍乾燥後の試料を5mLのメタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)に溶解し、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約320mgの淡黄色固体を得、収率が約83%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.7%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図30)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図26)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が100.7℃及び114.7℃であることを示した(図27)。TGAにより、生成物の150℃における重量損失が約3.8%であることを示した(図28)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であることを示した(図29)。
1当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-42-SU9-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
実施例7:2当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-30-SU1-水)
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、2当量のベンゼンスルホン酸とともに250mLの丸底フラスコに放置して、15mLの水を添加し、50℃で2時間反応させ、清澄溶液を得た。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により水を除去し、約380mgの黄色固体を得、収率が約81%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.7%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図35)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図31)。DSCにより、生成物がガラス転換温度を有さないことを示した(図32)。TGAにより、生成物の100℃における重量損失が約1.9%であることを示した(図33)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:2であることを示した(図34)。
2当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-30-SU1-水)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、2当量のベンゼンスルホン酸とともに250mLの丸底フラスコに放置して、15mLの水を添加し、50℃で2時間反応させ、清澄溶液を得た。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により水を除去し、約380mgの黄色固体を得、収率が約81%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.7%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図35)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図31)。DSCにより、生成物がガラス転換温度を有さないことを示した(図32)。TGAにより、生成物の100℃における重量損失が約1.9%であることを示した(図33)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:2であることを示した(図34)。
2当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-30-SU1-水)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
実施例8:1当量の非晶質エタンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-28-SU7-メタノール-ジクロロメタン)
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1) 5mLと、1当量のエタンスルホン酸希釈溶液(541μL,128mg/mL,メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)中)とを添加し、50℃で2時間反応させ、25℃に降温して引き続き約2時間反応させ、清澄溶液を得た。得られた清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約340mgの黄色固体を得、収率が約90%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図40)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図36)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が102.4℃であることを示した(図37)。TGAにより、生成物の101℃における重量損失が約1.6%であることを示した(図38)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であることを示した(図39)。
1当量の非晶質エタンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-28-SU7-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1) 5mLと、1当量のエタンスルホン酸希釈溶液(541μL,128mg/mL,メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)中)とを添加し、50℃で2時間反応させ、25℃に降温して引き続き約2時間反応させ、清澄溶液を得た。得られた清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約340mgの黄色固体を得、収率が約90%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図40)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図36)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が102.4℃であることを示した(図37)。TGAにより、生成物の101℃における重量損失が約1.6%であることを示した(図38)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であることを示した(図39)。
1当量の非晶質エタンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-28-SU7-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
実施例9:1当量の非晶質マレイン酸塩(試料番号:Y11526-30-SU2-水)
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、1当量のマレイン酸とともに250mLの丸底フラスコに放置して、20mLの水を添加し、50℃で2時間反応させ、清澄溶液を得た。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により水を除去し、約330mgの淡黄色固体を得、収率が約89%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図45)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図41)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が89.2℃及び125.2℃であることを示した(図42)。TGAにより、生成物の100℃における重量損失が約0.9%であることを示した(図43)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であることを示した(図44)。
1当量の非晶質マレイン酸塩(試料番号:Y11526-30-SU2-水)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、1当量のマレイン酸とともに250mLの丸底フラスコに放置して、20mLの水を添加し、50℃で2時間反応させ、清澄溶液を得た。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により水を除去し、約330mgの淡黄色固体を得、収率が約89%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図45)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図41)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が89.2℃及び125.2℃であることを示した(図42)。TGAにより、生成物の100℃における重量損失が約0.9%であることを示した(図43)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であることを示した(図44)。
1当量の非晶質マレイン酸塩(試料番号:Y11526-30-SU2-水)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
実施例10:1当量の結晶質臭化水素酸塩(試料番号:Y11526-33-SU8-メタノール-ジクロロメタン)
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1) 20mLと、1当量の臭化水素酸希釈溶液(728μL,70mg/mL,メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)中)とを添加し、50℃で2時間反応させ、清澄に近い溶液(微量の不溶性不純物を有する)を得た。不純物を0.45μmのろ過膜でろ過し、清澄溶液を得、得られた清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約310mgの淡黄色固体を得、収率が約90%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が棒状及び塊状の試料であることを示した(図50)。XRPDにより、生成物が高い結晶度を有することを示した(図46)。DSCにより、生成物が約30℃から脱水し始めることを示した(図47)。TGAにより、生成物の110℃における重量損失が約1.8%であることを示した(図48)。KFにより、生成物が1.9%の水を含有することを示した。ICにより、生成物の遊離塩基の濃度が0.5mg/mLであり、かつ臭化物イオンの濃度が68.1mg/Lであることを示したので、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1である。
1当量の結晶質臭化水素酸塩(試料番号:Y11526-33-SU8-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約300mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1) 20mLと、1当量の臭化水素酸希釈溶液(728μL,70mg/mL,メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)中)とを添加し、50℃で2時間反応させ、清澄に近い溶液(微量の不溶性不純物を有する)を得た。不純物を0.45μmのろ過膜でろ過し、清澄溶液を得、得られた清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、約310mgの淡黄色固体を得、収率が約90%であった。
HPLCにより、生成物の純度が99.9%であることを示した。PLMにより、生成物が棒状及び塊状の試料であることを示した(図50)。XRPDにより、生成物が高い結晶度を有することを示した(図46)。DSCにより、生成物が約30℃から脱水し始めることを示した(図47)。TGAにより、生成物の110℃における重量損失が約1.8%であることを示した(図48)。KFにより、生成物が1.9%の水を含有することを示した。ICにより、生成物の遊離塩基の濃度が0.5mg/mLであり、かつ臭化物イオンの濃度が68.1mg/Lであることを示したので、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1である。
1当量の結晶質臭化水素酸塩(試料番号:Y11526-33-SU8-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で合理である。
実施例11:非晶質硝酸塩(試料番号:Y11526-18-RV7-メタノール-ジクロロメタン)
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、2当量の硝酸希釈溶液(144μL,180mg/mL,1,4-ジオキサン中),50℃で2時間反応させた。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、非晶質に近い物質を得た。
得られた非晶質に近い物質を約80mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)を約10mL添加し、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、非晶質硝酸塩を得た。
XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図51)。1H-NMRにより生成物の分解発生を示した(図52)。
非晶質硝酸塩(試料番号:Y11526-18-RV7-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に少なくとも化学的に不安定である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、2当量の硝酸希釈溶液(144μL,180mg/mL,1,4-ジオキサン中),50℃で2時間反応させた。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、非晶質に近い物質を得た。
得られた非晶質に近い物質を約80mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)を約10mL添加し、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、非晶質硝酸塩を得た。
XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図51)。1H-NMRにより生成物の分解発生を示した(図52)。
非晶質硝酸塩(試料番号:Y11526-18-RV7-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に少なくとも化学的に不安定である。
実施例12:非晶質硫酸塩(試料番号:Y11526-15-RV3-メタノール-アセトニトリル)
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、2当量の硫酸希釈溶液(228μL,180.3mg/mL,1,4-ジオキサン中)を添加し、50℃で2時間反応させた。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、非晶質に近い物質を得た。
得られた非晶質に近い物質を約80mg称取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/アセトニトリル(v:v=1:1)を約10mL添加し、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、非晶質硫酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の純度が99.7%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図57)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図53)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が103.3℃及び152.8℃であることを示した(図54)。TGAにより、生成物の100℃における重量損失が約3.2%であることを示した(図55)。ICにより、生成物の遊離塩基の濃度が0.5mg/mLであり、かつ硫酸イオンの濃度が162.5mg/Lであることを示したので、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1.7であり、不合理である。
非晶質硫酸塩(試料番号:Y11526-15-RV3-メタノール-アセトニトリル)は、製造終了時に化学的に安定しているが、一定の吸湿性を有するため、物理的には不安定であり、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で不合理である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、2当量の硫酸希釈溶液(228μL,180.3mg/mL,1,4-ジオキサン中)を添加し、50℃で2時間反応させた。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、非晶質に近い物質を得た。
得られた非晶質に近い物質を約80mg称取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/アセトニトリル(v:v=1:1)を約10mL添加し、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、非晶質硫酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の純度が99.7%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図57)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図53)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が103.3℃及び152.8℃であることを示した(図54)。TGAにより、生成物の100℃における重量損失が約3.2%であることを示した(図55)。ICにより、生成物の遊離塩基の濃度が0.5mg/mLであり、かつ硫酸イオンの濃度が162.5mg/Lであることを示したので、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1.7であり、不合理である。
非晶質硫酸塩(試料番号:Y11526-15-RV3-メタノール-アセトニトリル)は、製造終了時に化学的に安定しているが、一定の吸湿性を有するため、物理的には不安定であり、かつ、塩基:酸の化学量論比の点で不合理である。
実施例13:2当量の非晶質p-トルエンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-23-FD11-水)
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、2当量のp-トルエンスルホン酸とともに40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、50℃で2時間反応させた。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、非晶質に近い物質を得た。得られた非晶質に近い物質を、10mLの水の中で十分に溶解し、得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により水を除去し、2当量の非晶質p-トルエンスルホン酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の純度が99.6%であることを示した。PLMにより、生成物が塊状の試料であることを示した(図62)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図58)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が98.4℃であることを示した(図59)。TGAにより、生成物の140℃における重量損失が約3.8%であることを示した(図60)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:2であることを示した(図61)。
2当量の非晶質p-トルエンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-23-FD11-水)は、製造終了時に化学的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点では合理であるが、環境条件へ短時間露出するとすぐに固結してガラス状に融合する(図63)ので、物理的には不安定である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、2当量のp-トルエンスルホン酸とともに40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、50℃で2時間反応させた。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、非晶質に近い物質を得た。得られた非晶質に近い物質を、10mLの水の中で十分に溶解し、得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により水を除去し、2当量の非晶質p-トルエンスルホン酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の純度が99.6%であることを示した。PLMにより、生成物が塊状の試料であることを示した(図62)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図58)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が98.4℃であることを示した(図59)。TGAにより、生成物の140℃における重量損失が約3.8%であることを示した(図60)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:2であることを示した(図61)。
2当量の非晶質p-トルエンスルホン酸塩(試料番号:Y11526-23-FD11-水)は、製造終了時に化学的に安定しており、かつ、塩基:酸の化学量論比の点では合理であるが、環境条件へ短時間露出するとすぐに固結してガラス状に融合する(図63)ので、物理的には不安定である。
実施例14:非晶質スルホサリチル酸塩(試料番号:Y11526-25-FD13-1,4-ジオキサン)
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、1当量のスルホサリチル酸とともに40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、50℃で2時間反応させ、得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、非晶質スルホサリチル酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の純度が99.7%であることを示した。PLMにより、生成
物が不規則な試料であることを示した(図68)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図64)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が72.1℃であることを示した(図65)。TGAにより、生成物の80℃における重量損失が約1.2%であることを示した(図66)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:0.8であることを示し(図67)、不合理である。
非晶質スルホサリチル酸塩(試料番号:Y11526-25-FD13-1,4-ジオキサン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しているが、塩基:酸の化学量論比の点で不合理である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、1当量のスルホサリチル酸とともに40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、50℃で2時間反応させ、得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、非晶質スルホサリチル酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の純度が99.7%であることを示した。PLMにより、生成
物が不規則な試料であることを示した(図68)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図64)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が72.1℃であることを示した(図65)。TGAにより、生成物の80℃における重量損失が約1.2%であることを示した(図66)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:0.8であることを示し(図67)、不合理である。
非晶質スルホサリチル酸塩(試料番号:Y11526-25-FD13-1,4-ジオキサン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しているが、塩基:酸の化学量論比の点で不合理である。
実施例15:非晶質スルホサリチル酸塩(試料番号:Y11526-25-FD12-1,4-ジオキサン)
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、2当量のスルホサリチル酸とともに40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、50℃で2時間反応させ、得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、非晶質スルホサリチル酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の純度が99.8%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図73)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図69)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が86.3℃であることを示した(図70)。TGAにより、生成物の110℃における重量損失が約2.7%であることを示した(図71)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1.5であることを示し(図72)、不合理である。
非晶質スルホサリチル酸塩(試料番号:Y11526-25-FD12-1,4-ジオキサン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しているが、塩基:酸の化学量論比の点で不合理である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、2当量のスルホサリチル酸とともに40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、50℃で2時間反応させ、得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、非晶質スルホサリチル酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の純度が99.8%であることを示した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図73)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図69)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が86.3℃であることを示した(図70)。TGAにより、生成物の110℃における重量損失が約2.7%であることを示した(図71)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1.5であることを示し(図72)、不合理である。
非晶質スルホサリチル酸塩(試料番号:Y11526-25-FD12-1,4-ジオキサン)は、製造終了時に化学的及び物理的に安定しているが、塩基:酸の化学量論比の点で不合理である。
実施例16:非晶質L-リンゴ酸塩(試料番号:Y11526-17-RV6-メタノール-ジクロロメタン)
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、1当量のL-リンゴ酸とともに40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、50℃で2時間反応させた。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、高結晶度物質を得た。
得られた高結晶度物質を約80mg称取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)を約10mL添加し、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、非晶質L-リンゴ酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の純度が91.1%であることを示し、すなわち、製造前の塩の遊離塩基の純度と比べて、製造終了時に得られた前記塩の純度が明らかに低下した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図78)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図74)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が80.8℃であることを示した(図75)。TGAにより、生成物の120℃における重量損失が約3.3%であることを示した(図76)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:0.6であることを示し(図77)、不合理である。
非晶質L-リンゴ酸塩(試料番号:Y11526-17-RV6-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に少なくとも化学的に不安定であり、かつ塩基:酸の化学量論比の点で不合理である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、1当量のL-リンゴ酸とともに40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、50℃で2時間反応させた。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、高結晶度物質を得た。
得られた高結晶度物質を約80mg称取し、40mLガラスフラスコに放置して、メタノール/ジクロロメタン(v:v=1:1)を約10mL添加し、清澄溶液を得た。当該清澄溶液を高速揮発法により溶媒除去し、非晶質L-リンゴ酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の純度が91.1%であることを示し、すなわち、製造前の塩の遊離塩基の純度と比べて、製造終了時に得られた前記塩の純度が明らかに低下した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図78)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図74)。DSCにより、生成物のガラス転換温度が80.8℃であることを示した(図75)。TGAにより、生成物の120℃における重量損失が約3.3%であることを示した(図76)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:0.6であることを示し(図77)、不合理である。
非晶質L-リンゴ酸塩(試料番号:Y11526-17-RV6-メタノール-ジクロロメタン)は、製造終了時に少なくとも化学的に不安定であり、かつ塩基:酸の化学量論比の点で不合理である。
実施例17:1当量の非晶質クエン酸塩(試料番号:Y11526-10-FD6-1,4-ジオキサン)
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、1当量のクエン酸とともに
40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、50℃で2時間反応させた。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、1当量の非晶質クエン酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の純度が94.4%であることを示し、即ち、製造前の塩の遊離塩基の純度と比べて、製造終了時に得られた前記塩の純度が明らかに低下した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図83)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図79)。DSCにより、生成物がガラス転換温度を有さないことを示した(図80)。TGAにより、生成物の120℃における重量損失が約9.6%であることを示した(図81)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であることを示した(図82)。
1当量の非晶質クエン酸塩(試料番号:Y11526-10-FD6-1,4-ジオキサン)は、製造終了時に塩基:酸の化学量論比の点では合理であるが、少なくとも化学的に不安定である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、1当量のクエン酸とともに
40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、50℃で2時間反応させた。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、1当量の非晶質クエン酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の純度が94.4%であることを示し、即ち、製造前の塩の遊離塩基の純度と比べて、製造終了時に得られた前記塩の純度が明らかに低下した。PLMにより、生成物が不規則な試料であることを示した(図83)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図79)。DSCにより、生成物がガラス転換温度を有さないことを示した(図80)。TGAにより、生成物の120℃における重量損失が約9.6%であることを示した(図81)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であることを示した(図82)。
1当量の非晶質クエン酸塩(試料番号:Y11526-10-FD6-1,4-ジオキサン)は、製造終了時に塩基:酸の化学量論比の点では合理であるが、少なくとも化学的に不安定である。
実施例18:1当量の非晶質L-酒石酸塩(試料番号:Y11526-10-FD7-1,4-ジオキサン)
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、1当量のL-酒石酸とともに40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、50℃で2時間反応させた。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、1当量の非晶質L-酒石酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の分解発生を示した(図88)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図84)。DSCにより、生成物がガラス転換温度を有さないことを示した(図85)。TGAにより、生成物の120℃における重量損失が約8.7%であることを示した(図86)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であることを示した(図87)。
1当量の非晶質L-酒石酸塩(試料番号:Y11526-10-FD7-1,4-ジオキサン)は、製造終了時に塩基:酸の化学量論比の点では合理であるが、少なくとも化学的に不安定である。
式(I)化合物(純度99.9%)を約100mg秤取し、1当量のL-酒石酸とともに40mLガラスフラスコに放置して、1,4-ジオキサンを10mL添加し、50℃で2時間反応させた。得られた清澄溶液をドライアイス/エタノール混合物中で2時間予め凍結し、その後、冷凍乾燥法により1,4-ジオキサンを除去し、1当量の非晶質L-酒石酸塩を得た。
HPLCにより、生成物の分解発生を示した(図88)。XRPDにより、生成物が非晶質であることを示した(図84)。DSCにより、生成物がガラス転換温度を有さないことを示した(図85)。TGAにより、生成物の120℃における重量損失が約8.7%であることを示した(図86)。1H-NMRにより、生成物中の塩基:酸の化学量論比が約1:1であることを示した(図87)。
1当量の非晶質L-酒石酸塩(試料番号:Y11526-10-FD7-1,4-ジオキサン)は、製造終了時に塩基:酸の化学量論比の点では合理であるが、少なくとも化学的に不安定である。
実施例1~18からわかるように、
塩基:酸の仕込みモル比が1:1である場合、スルホサリチル酸及びL-リンゴ酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:1の化学量論比を有させることができず、
塩基:酸の仕込みモル比が1:1である場合、塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、マレイン酸、臭化水素酸、クエン酸及びL-酒石酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:1の化学量論比を有させることができ、
塩基:酸の仕込みモル比が1:2である場合、硝酸、硫酸及びスルホサリチル酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:2の化学量論比を有させることができず、及び
塩基:酸の仕込みモル比が1:2である場合、塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:2の化学量論比を有させることができる。
塩基:酸の仕込みモル比が1:1である場合、スルホサリチル酸及びL-リンゴ酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:1の化学量論比を有させることができず、
塩基:酸の仕込みモル比が1:1である場合、塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、マレイン酸、臭化水素酸、クエン酸及びL-酒石酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:1の化学量論比を有させることができ、
塩基:酸の仕込みモル比が1:2である場合、硝酸、硫酸及びスルホサリチル酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:2の化学量論比を有させることができず、及び
塩基:酸の仕込みモル比が1:2である場合、塩酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸は、得られた塩に式(I)化合物:酸=1:2の化学量論比を有させることができる。
実施例1~18からわかるように、
1当量の非晶質クエン酸塩、1当量の非晶質L-酒石酸塩、非晶質硝酸塩及び非晶質L-リンゴ酸塩は、製造終了時に化学的には不安定であり、
2当量の非晶質p-トルエンスルホン酸塩及び非晶質硫酸塩は、製造終了時に、物理的には不安定であり、及び
1当量の非晶質塩酸塩、2当量の非晶質塩酸塩、1当量の非晶質メタンスルホン酸塩、2当量の非晶質メタンスルホン酸塩、1当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩、2当量の非
晶質ベンゼンスルホン酸塩、1当量の非晶質エタンスルホン酸塩、1当量の非晶質マレイン酸塩、1当量の結晶質臭化水素酸塩及び非晶質スルホサリチル酸塩は、製造終了時に、化学的及び物理的に安定している。
1当量の非晶質クエン酸塩、1当量の非晶質L-酒石酸塩、非晶質硝酸塩及び非晶質L-リンゴ酸塩は、製造終了時に化学的には不安定であり、
2当量の非晶質p-トルエンスルホン酸塩及び非晶質硫酸塩は、製造終了時に、物理的には不安定であり、及び
1当量の非晶質塩酸塩、2当量の非晶質塩酸塩、1当量の非晶質メタンスルホン酸塩、2当量の非晶質メタンスルホン酸塩、1当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩、2当量の非
晶質ベンゼンスルホン酸塩、1当量の非晶質エタンスルホン酸塩、1当量の非晶質マレイン酸塩、1当量の結晶質臭化水素酸塩及び非晶質スルホサリチル酸塩は、製造終了時に、化学的及び物理的に安定している。
実施例19:固体貯蔵安全性試験
各種の非晶質固形塩を秤取し(2mgの試料を2部秤取して固体の貯蔵安全性研究に用いた後に純度測定を行い、10mgの試料を1部秤取して固体の貯蔵安全性に用いた後にXRPD測定を行う)、ガラスフラスコに放置した。25℃/60%RHでの固体貯蔵安全性試験において、非晶質固形塩を25℃/60%RHで定温定湿箱中に開放放置し、光を避けて1週間放置し(すなわち、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」)、また、60℃での固体貯蔵安全性試験において、非晶質固形塩を60℃オーブン中に密閉放置し、光を避けて1週間加熱し(すなわち、「固体/60℃/密閉容器/1週間」)、その後、試料を取り出し、純度測定、結晶形態検出及び外観観察をそれぞれ行った。
実施例1~10に対して上記固体貯蔵安全性試験を行い、結果を表1に示す。
各種の非晶質固形塩を秤取し(2mgの試料を2部秤取して固体の貯蔵安全性研究に用いた後に純度測定を行い、10mgの試料を1部秤取して固体の貯蔵安全性に用いた後にXRPD測定を行う)、ガラスフラスコに放置した。25℃/60%RHでの固体貯蔵安全性試験において、非晶質固形塩を25℃/60%RHで定温定湿箱中に開放放置し、光を避けて1週間放置し(すなわち、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」)、また、60℃での固体貯蔵安全性試験において、非晶質固形塩を60℃オーブン中に密閉放置し、光を避けて1週間加熱し(すなわち、「固体/60℃/密閉容器/1週間」)、その後、試料を取り出し、純度測定、結晶形態検出及び外観観察をそれぞれ行った。
実施例1~10に対して上記固体貯蔵安全性試験を行い、結果を表1に示す。
非晶質遊離塩基は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で、良好な物理的安定性及び化学的安定性を示し、「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で非晶質転換から中等結晶度へ変化した。
1当量の非晶質塩酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で良好な物理的安定性及び化学的安定性を示し、「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で純度低下が発生した(約2%)。
2当量の非晶質塩酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で軽く変色し、一定の吸湿性を示し(一部凝集)、「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で良好な物理的安定性及び化学的安定性を示した。
1当量の非晶質メタンスルホン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び「固体/60℃/密閉容器/1週間」の2つの貯蔵安全性試験条件下で共に良好な物理的安定性及び化学的安定性を示した。
2当量の非晶質メタンスルホン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で非晶質転換から低結晶度へ変化し、かつ、一定の吸湿性を示し(凝集)、「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で一定の吸湿性を示した(一部凝集)。
1当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で純度低下が発生し(約2%)、「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で良好な物理的安定性及び化学的安定性を示した。
2当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で軽く変色して明らかな吸湿性を示し(固結してガラス状に融合)、「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で良好な物理的安定性及び化学的安定性を示した。
1当量の非晶質エタンスルホン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で明らかな吸湿性を示し(固結してガラス状に融合)、「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で良好な物理的安定性及び化学的安定性を示した。
1当量の非晶質マレイン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で軽く変色して一定の吸湿性を示し(凝集)、「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵安全性試験条件下で純度低下が発生し(約2%)、かつ非晶質転換から低結晶度へ変化した。
1当量の結晶質臭化水素酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び「固体/60℃/密閉容器/1週間」の2つの貯蔵安全性試験条件下で共に良好な物理的安定性及び化学的安定性を示した。
実施例19からわかるように、
1当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩、1当量の非晶質塩酸塩及び1当量の非晶質マレイン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び/又は「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵条件下化学的には不安定であり、
2当量の非晶質塩酸塩、2当量の非晶質メタンスルホン酸塩、2当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩、1当量の非晶質エタンスルホン酸塩及び1当量の非晶質マレイン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び/又は「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵条件下、物理的には不安定であり、及び
1当量の非晶質メタンスルホン酸塩及び1当量の結晶質臭化水素酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵条件下、化学的及び物理的に安定している。
1当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩、1当量の非晶質塩酸塩及び1当量の非晶質マレイン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び/又は「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵条件下化学的には不安定であり、
2当量の非晶質塩酸塩、2当量の非晶質メタンスルホン酸塩、2当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩、1当量の非晶質エタンスルホン酸塩及び1当量の非晶質マレイン酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び/又は「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵条件下、物理的には不安定であり、及び
1当量の非晶質メタンスルホン酸塩及び1当量の結晶質臭化水素酸塩は、「固体/25℃/60%RH/開放/1週間」及び「固体/60℃/密閉容器/1週間」の貯蔵条件下、化学的及び物理的に安定している。
実施例20:固体溶解度試験
各種の非晶質固形塩(20mgの遊離塩基に相当)5部を秤取し、それぞれ10mL以下の溶媒(0.1N HCl溶液(pH 1.0)、50mMリン酸塩緩衝液(pH 4.5)、FeSSIF-V1(pH 5.0)、FaSSIF-V1(pH 6.5)及びSGF(pH 2.0))に添加し、37℃で2時間撹拌した。その後、懸濁液を37℃で遠心し、上清液をHPLCで溶解度測定を行い、固体部分のXRPDを測定した。目標溶解度が少なくとも2mg(遊離塩基で)/mLであった。
各種の非晶質固形塩(20mgの遊離塩基に相当)5部を秤取し、それぞれ10mL以下の溶媒(0.1N HCl溶液(pH 1.0)、50mMリン酸塩緩衝液(pH 4.5)、FeSSIF-V1(pH 5.0)、FaSSIF-V1(pH 6.5)及びSGF(pH 2.0))に添加し、37℃で2時間撹拌した。その後、懸濁液を37℃で遠心し、上清液をHPLCで溶解度測定を行い、固体部分のXRPDを測定した。目標溶解度が少なくとも2mg(遊離塩基で)/mLであった。
実施例1~10に対して、上記の2時間固体溶解度試験を行い、結果を表2に示す。同様に、実施例1及び4に対して24時間固体溶解度試験を行い、結果を表3に示す。
2時間固体溶解度試験において、2当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩は、0.1N HCl溶液(pH 1.0)中で、1当量の結晶質臭化水素酸塩は、FaSSIF-V1(pH 6.5)中で、2mg/mLの溶解度を満たさず、1当量の非晶質塩酸塩、2当量の非晶質塩酸塩、1当量の非晶質メタンスルホン酸塩、2当量の非晶質メタンスルホン酸塩、1当量の非晶質ベンゼンスルホン酸塩、1当量の非晶質エタンスルホン酸塩及び1当量の非晶質マレイン酸塩は、全ての測定溶媒中でいずれも2mg/mL超えの溶解度を有する。なお、24時間固体溶解度試験において、非晶質遊離塩基および1当量の非晶質メタンスルホン酸塩は、FeSSIF-V1(pH 5.0)及びFaSSIF-V1(pH 6.5)中で2mg/mL超えの溶解度を有する。
実施例1~20からわかるように、1当量の非晶質メタンスルホン酸塩は、合理的な塩形成当量比、より良い化学的安定性、より良い物理的安定性及びより良い溶解度を同時に有している。
上記の発明は、理解の明瞭化のために図示及び例示により詳しく説明されているが、本発明の範囲は、これらの記載及び実施例により制限されるものではないと理解され得る。
Claims (8)
- 前記酸は、塩酸、メタンスルホン酸及びマレイン酸から選ばれる請求項1に記載の塩。
- 式(I)化合物と酸との当量比が1:1又は1:2である請求項1又は2に記載の塩。
- 前記酸は、メタンスルホン酸である請求項3に記載の塩。
- 式(I)化合物と酸との当量比が1:1である請求項4に記載の塩。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の塩又は請求項6の医薬組成物を患者に投与することを含むEGFRエクソン20挿入変異型非小細胞肺癌(NSCLC)の治療方法。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の塩の、EGFRエクソン20挿入変異型非小細胞肺癌(NSCLC)を治療する薬物の製造への使用。
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