JP2023529805A - 代替油脂としてのエステル交換綿実ステアリン - Google Patents

Abstract

食品に使用するための油脂組成物に関する。油脂組成物は、エステル交換綿実ステアリンを含む。更に、油脂組成物を含むショートニング、フィリング、フレーク状油脂、揚げ物用油脂、又は食品を提供する。当該組成物を含む食品を製造する方法及び該組成物を製造する方法が含まれる。【選択図】なし

Description

油脂は、ベーカリー製品において重要かつ多機能的な役割を果たす。油脂は、製品に構造展開、濃厚さ、及び柔らかさを与え、それにより、製品の食味を改善する。ケーキ及びアイシングのような一部の製品に対しては、油脂は通気の提供を助ける。デニッシュ又はパフペストリーに対しては、油脂は、製品におけるサクサクとした食感の展開を助けることができ、あるいは他の製品に対しては、グルテンを潤滑化することができる。油脂は、ケーキにおける膨化効果又はアイシングにおける所望の体積をもたらす空気を捕捉するのを助けるので、クリーミングプロセス（例えば、油脂を他の成分と組み合わせてバッター又は生地にすること）において極めて重要である。液体油は同じようには機能せず、全てのベーカリー製品に使用することはできない。ベーカリー製品の期待される品質をもたらすためには、より固形の油脂から提供される構造が必要である。

パーム油を使用せずにベーカリーショートニングを製造するための様々なアプローチが開発されてきた。１つのアプローチは、ココアバター、ヤシ油、シアバターなどの熱帯性又は外来油脂を使用することである。しかしながら、これらの代替案は非常に高価であり、サプライチェーン開発を必要とし得る。別のアプローチは、オレオゲルの使用であり、これは、液体油に構造を加えるために、ゲル化剤（例えば、植物性ワックス、乳化剤、ポリマー、又はデンプンなどの材料）を含有する。残念ながら、一般に、オレオゲルは機能性を欠き、大規模に製造することが非常に困難であり、通常、使用される材料（ゲル化剤）は、成分がシンプルではない。

様々な態様では、本発明は、油脂組成物を提供する。油脂組成物は食品に使用することができる。組成物は、エステル交換綿実ステアリンを含む。

様々な態様では、本発明は、ビスケット又はクッキーに使用するためのフィリングを提供する。フィリングは、フィリングの１５重量％～７５重量％であるエステル交換綿実ステアリンを含む。フィリングはまた、フィリングの４０重量％～８０重量％である１つ以上の糖を含む。フィリングは、パーム油を実質的に含まない。

様々な態様では、本発明は、アイシングに使用するためのアイシングショートニングを提供する。アイシングショートニングは、アイシングショートニングの０．１重量％～９９重量％であるエステル交換綿実ステアリンを含む。アイシングショートニングはまた、アイシングショートニングの０．０１重量％～１０重量％である１つ以上の乳化剤を含む。アイシングショートニングは、パーム油を実質的に含まない。

様々な態様では、本発明は、汎用ショートニングを提供する。汎用ショートニングは、汎用ショートニングの０．１重量％～１００重量％であるエステル交換綿実ステアリンを含む。汎用ショートニングはまた、汎用ショートニングの１重量％～９０重量％であるエステル交換綿実ステアリン以外の１つ以上の動物性油及び／又は植物性油を含み得る。汎用ショートニングは、パーム油を実質的に含まない。

様々な態様では、本発明は、フレーク状油脂を提供する。フレーク状油脂は、フレーク状油脂の１重量％～８０重量％であるエステル交換綿実ステアリンを含む。フレーク状油脂はまた、フレーク状油脂の２０重量％～９９重量％である、綿実ステアリン以外の１つ以上の動物性油及び／又は植物性油を含み得る。フレーク状油脂は、パーム油を実質的に含まない。

様々な態様では、本発明は、エステル交換綿実ステアリンを含む組成物を含む食品を提供する。

様々な態様では、本発明は、ビスケット若しくはクッキー、又はフィリングを含むビスケット若しくはクッキーを提供する。ビスケット又はクッキーは、２重量％～４０重量％であるエステル交換綿実ステアリンを含む。フィリングは、フィリングの１５重量％～７５重量％であるエステル交換綿実ステアリンを含む。フィリングはまた、フィリングの４０重量％～８０重量％である１つ以上の糖を含む。フィリングは、パーム油を実質的に含まない。

様々な態様では、本発明は、アイシングショートニングを含むアイシング又はフロスティングを提供する。アイシングショートニングは、アイシングショートニングの０．１重量％～９９重量％であるエステル交換綿実ステアリンを含む。アイシングショートニングはまた、アイシングショートニングの０．０１重量％～１０重量％である１つ以上の乳化剤を含む。アイシングショートニングは、パーム油を実質的に含まない。

様々な態様では、本発明は、汎用ショートニング又は揚げ物用油脂を含む揚げ物食品を提供する。汎用ショートニング又は揚げ物用油脂は、汎用ショートニング又は揚げ物用油脂の０．１重量％～１００重量％であるエステル交換綿実ステアリンを含む。汎用ショートニング又は揚げ物用油脂はまた、汎用ショートニング又は揚げ物用油脂の１重量％～９０重量％であるエステル交換綿実ステアリン以外の１つ以上の動物性油及び／又は植物性油を含み得る。汎用ショートニング又は揚げ物用油脂は、パーム油を実質的に含まない。

様々な態様では、本発明は、エステル交換綿実ステアリンを含む油脂組成物を使用して食品を製造する方法を提供する。本方法は、エステル交換綿実ステアリンと他の食用成分とを組み合わせて、食品を形成することを含む。

様々な態様では、本発明は、油脂組成物を作製する方法を提供する。本方法は、エステル交換綿実ステアリンと他の食用成分とを組み合わせて、油脂組成物を形成することを含む。

様々な態様では、本発明は、食品を形成するための、又は食品中の油脂を部分的に若しくは完全に置き換えるための、エステル交換綿実ステアリンを含む油脂組成物の使用を提供する。

本発明は、他の代替油脂組成物及びそれを含む食品に優るある特定の利点を提供する。例えば、特に持続可能性の理由から、パーム油の代替物を開発することが、食品産業から油及び油脂製造業者に明確に求められている。多くの場合、本発明の組成物又は食品は、パーム油を実質的に含まず、このことは、持続可能性の目的に有益である。様々な態様では、本発明の組成物又は食品は、完全水素添加油脂（例えば、４以下のヨウ素価を有する完全水素添加油脂）を実質的に含まず、このことは、健康目的に有益である。

油脂の機械的特性及び物理的構造は、その機能性に関与し、それを用いて製造される食品（例えば、ベーカリー品及び他の品物）の品質に影響を及ぼす。本発明の油脂組成物は、ベーカリー品などの多種多様な食品において代替油脂として利用することができるような特性及び構造（例えば、パーム油性油脂製品に類似した特性及び構造）を有する。本発明の油脂組成物は、油脂置換物の機能性及びそれを用いて製造される食品の品質に必要な特性及び構造を提供するために、合成添加剤（例えば、乳化剤、ワックスなど）又は非脂質材料（例えば、デンプン、タンパク質、エチルセルロースなど）の添加に依存しない組成物、好ましくは実質的にパーム油を含まない組成物を提供する。本発明の油脂組成物は、ベーカリー若しくは菓子ショートニングとして、又はベーカリーショートニングの成分として使用される代替油脂であり、これは、好ましくはパームではなく、水素添加されておらず、外来性でも熱帯性でもなく、純粋な脂質ベースのものであり、十分に確立された持続可能なサプライチェーンから提供される。

発明の詳細な説明
開示される主題は、列挙される請求項と共に説明されるが、例示される主題は、当該請求項を開示される主題に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。

この文書全体を通して、範囲形式で表される値は、範囲の限度として明示的に列挙された数値を含むだけでなく、各数値及び部分範囲が明示的に列挙されているかのように、その範囲内に包含される全ての個々の数値又は部分範囲も含むように、柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約０．１％～約５％」又は「約０．１％～５％」の範囲は、約０．１％～約５％だけでなく、示された範囲内の個々の値（例えば、１％、２％、３％及び４％）及び部分範囲（例えば、０．１％～０．５％、１．１％～２．２％、３．３％～４．４％）も含むと解釈されるべきである。「約Ｘ～Ｙ」という記述は、別段示されない限り、「約Ｘ～約Ｙ」と同じ意味を有する。同様に、「約Ｘ、Ｙ、又は約Ｚ」という記述は、別段示されない限り、「約Ｘ、約Ｙ、又は約Ｚ」と同じ意味を有する。

本文書では、用語「ａ」、「ａｎ」、又は「ｔｈｅ」は、文脈が別段明確に指示しない限り、１つ以上のものを含むために使用される。用語「又は」は、別段示されない限り、非排他的な「又は」を指すために使用される。「Ａ及びＢのうちの少なくとも１つ」又は「Ａ又はＢのうちの少なくとも１つ」は、「Ａ、Ｂ、又はＡ及びＢ」と同じ意味を有する。更に、本明細書で用いられ、他の意味で定義されていない語法又は用語法は、あくまで説明を目的としたものであって限定を目的としたものではない点を理解されたい。セクション見出しの任意の使用は、文書の読解を支援するように意図されており、限定として解釈されるべきではない。セクション見出しに関連する情報は、その特定のセクション内に存在する場合もあり、当該セクション外に存在する場合もある。

本明細書に記載される方法では、行為は、時間的又は操作的な順序が明示的に列挙されている場合を除いて、本発明の原理から逸脱することなく任意の順序で行われ得る。更に、明示的な「特許請求の範囲」の文言によって別個に実行されことが記載されていない限り、特定の行為を並行して実行することができる。例えば、Ｘを行う請求された行為及びＹを行う請求された行為を単一の動作内で同時に実施することができ、結果として得られるプロセスは、請求されるプロセスの逐語的な範囲内に入る。

本明細書で使用するとき、用語「約」は、例えば、指定の値又は指定の範囲の限度の１０％以内、５％以内、又は１％以内の値又は範囲内のばらつきの程度を許容することができ、正確な指定の値又は範囲を含む。

本明細書で使用するとき、用語「実質的に」は、少なくとも約５０％、６０％、７０％、８０％、９０％、９５％、９６％、９７％、９８％、９９％、９９．５％、９９．９％、９９．９９％、又は少なくとも約９９．９９９％若しくはそれ以上、又は１００％のような大部分又はほとんどの部分を指す。本明細書で使用するとき、用語「実質的に含まない」は、存在する材料の量がその材料を含む組成物の材料特性に影響を及ぼさないよう、組成物の約０重量％～約５重量％、又は約０重量％～約１重量％、又は約５重量％以下、又は０重量％～５重量％であるが約４．５重量％以下若しくは以上、４、３．５、３、２．５、２、１．５、１、０．９、０．８、０．７、０．６、０．５、０．４、０．３、０．２、０．１、０．０１、若しくは約０．００１重量％以下、又は約０重量％がその材料であるように、有しないか又は微量を有することを意味し得る。

代替油脂組成物
本発明の様々な態様は、油脂組成物を提供する。組成物は、食品中の他の油脂を部分的に又は完全に置き換えるために使用することができる。組成物は、多種多様な食品において他の油脂を置き換えるのに必要な特性及び構造を提供することができる。油脂組成物は、エステル交換綿実ステアリンを含む。

綿実ステアリンは、綿実油から分離することができる綿実油の固形成分である。綿実は、より高い温度で融解する成分（ステアリン）と、より低い温度で融解する成分（オレイン）とを含む。エステル交換綿実ステアリンを生成するために使用される綿実ステアリンは、任意の適切な綿実ステアリン、例えば、第１の分別からの綿実ステアリン、第２の分別からの綿実ステアリン、第２の分別以降の分別からの綿実ステアリン、１つ以上の脱ろう分別からの綿実ステアリン、又はそれらの組み合わせであり得る。

エステル交換は、油分子のグリセロール断片上の脂肪酸を再配列及び再分配する方法である。再配置及び再分配は、出発物質上の脂肪酸の全体的な組成を変化させない。エステル交換は、化学的又は酵素的プロセスによって達成することができる。

化学的エステル交換は、脂肪酸がトリグリセリドのグリセロール骨格にわたってランダムに再分配されるプロセスである。このプロセスは、出発物質油（例えば、単一の油又は油のブレンド）を乾燥させ、ナトリウムメトキシドなどのエステル交換触媒、又は別の酸若しくは塩基触媒を添加することによって行われる。反応が完了したら、触媒を中和する。再配列された生成物を洗浄し、漂白し、脱臭してもよい。再配列された生成物は、出発物質油とは異なる物理化学的特性を有し得る。

酵素的エステル交換は、油及び油脂を修飾することができる別の手段である。このプロセスは、最も一般的には、固定化リパーゼを使用して、トリグリセリドのグリセロール骨格上の脂肪酸を再配列する。脂肪酸をグリセロール骨格上の特定の位置で標的とすることができる固定化リパーゼが存在し、したがって、そのような酵素的エステル交換中の脂肪酸の再配列は、化学的エステル交換よりもランダムではない場合がある。エステル交換後、油を脱臭して、最終油製品を製造する。酵素的エステル交換は、プロセスが柔軟であり、資本プロセス投入量が低いため、過去数十年にわたって人気を得ている。

油脂組成物中のエステル交換綿実ステアリンは、化学的エステル交換綿実ステアリンであることも、酵素的エステル交換綿実ステアリンであることも、それらの組合せであることもできる。エステル交換は、出発物質中の脂肪酸の配列及び分配と、エステル交換が実質的な完了まで行われる場合に得られる脂肪酸の定常状態の配列及び分配との間の任意の好適な程度まで行うことができる。様々な態様では、油脂組成物中のエステル交換綿実ステアリンは、実質的な完了まで化学的にエステル交換された化学的エステル交換綿実ステアリンであり、実質的な完了は、これが油分子のグリセロール単位上の脂肪酸の比較的定常状態にある配列及び分布に達している時点である。

油脂組成物の任意の好適な割合は、組成物の０．０１重量％～１００重量％が、エステル交換綿実ステアリンであり、組成物の２５重量％～９９重量％、又は０．０１重量％以上であるが１００重量％以下、又は０．０１重量％～１００重量％であり、０．０５重量％以下若しくは以上、０．１、０．２、０．４、０．６、０．８、１、１．５、２、２．５、３、４、５、６、８、１０、１２、１４、１６、１８、２０、２５、３０、３５、４０、４５、５０、５５、６０、６５、７０、７５、８０、８２、８４、８６、８８、９０、９２、９４、９５、９６、９７、９８、９９、９９．９重量％以上、又は９９．９９重量％が、エステル交換綿実ステアリンであるなどのエステル交換綿実ステアリンであり得る。

様々な態様では、組成物は、非エステル交換綿実ステアリンを含む。非エステル交換綿実ステアリンは、任意の好適な非エステル交換綿実ステアリン、例えば、第１の分別からの綿実ステアリン、第２の分別からの綿実ステアリン、第２の分別以降の分別からの綿実ステアリン、１つ以上の脱ろう分別からの綿実ステアリン、又はそれらの組み合わせを含み得る。非エステル交換綿実ステアリンは、０．０１重量％～９９．９９重量％、又は０．０１重量％以上であるが９９．９９重量％以下、又は０．０１重量％～９９．９９重量％であり、０．０５、０．１、０．２、０．４、０．６、０．８、１、１．５、２、２．５、３、４、５、６、８、１０、１２、１４、１６、１８、２０、２５、３０、３５、４０、４５、５０、５５、６０、６５、７０、７５、８０、８２、８４、８６、８８、９０、９２、９４、９５、９６、９７、９８、９９、９９．９重量％以上若しくは以下、又は９９．９９重量％など、油脂組成物の任意の好適な割合を形成し得る。様々な態様では、組成物は、非エステル交換綿実ステアリンを実質的に含まず、例えば、０重量％の非エステル交換綿実ステアリン、又は５重量％未満の非エステル交換綿実ステアリン、又は４．５％未満、４、３．５、３、２．５、２、１．５、１、０．８、０．６、０．５、０．４、０．３、０．２、０．１、０．０５重量％、若しくは０．０１重量％未満の非エステル交換綿実ステアリンを含む。

組成物は、パーム油（例えば、その画分、その高オレイン酸バージョン、それから形成される水素添加油、それから形成されるエステル交換油、又はそれらの組み合わせを含む）を実質的に含まない場合がある。例えば、組成物は、０重量％のパーム油、又は５重量％未満のパーム油、又は４．５％未満、４、３．５、３、２．５、２、１．５、１、０．８、０．６、０．５、０．４、０．３、０．２、０．１、０．０５重量％、又は０．０１重量％未満のパーム油を含み得る。

組成物は、完全水素添加油を実質的に含まない場合がある。本明細書で使用するとき、完全水素添加油は、４以下のヨウ素価を有する油である。例えば、組成物は、０重量％の完全水素添加油、又は５重量％未満の完全水素添加油、又は４．５％未満、４、３．５、３、２．５、２、１．５、１、０．８、０．６、０．５、０．４、０．３、０．２、０．１、０．０５重量％、若しくは０．０１重量％未満の完全水素添加油を含み得る。

組成物は、乳化剤、非綿実ワックス、非脂質材料、デンプン、タンパク質、セルロース、セルロース誘導体、エステル交換綿実ステアリン以外の植物性油、又はそれらの組み合わせを実質的に含まない場合がある。例えば、組成物は、０重量％のこれらの成分のうちのいずれか１つ以上、又は５重量％未満、若しくは４．５％未満、４、３．５、３、２．５、２、１．５、１、０．８、０．６、０．５、０．４、０．３、０．２、０．１、０．０５重量％、若しくは０．０１重量％未満のこれらの成分のうちのいずれか１つ以上を含み得る。

エステル交換綿実ステアリンに加えて、油脂組成物は、他の物質を実質的に含まない場合も、任意の１つ以上の好適な成分を含む場合もある。例えば、油脂組成物は、乳化剤、ワックス（例えば、非綿実ステアリン由来ワックス、又は綿実ステアリン由来ワックス）、炭水化物（例えば、デンプン）、タンパク質、セルロース、セルロース誘導体（例えば、エチルセルロース）、食用着色料、増量剤（例えば、繊維）、香味料、エステル交換綿実ステアリン以外の植物性油、動物性油（例えば、ラード、獣脂、乳脂肪など）、又はこれらの組み合わせを含み得る。油脂組成物は、綿実ステアリン以外のエステル交換油（例えば、エステル交換大豆油）、完全水素添加油（例えば、完全水素添加綿実油）、ポリソルベート、モノグリセリド、ジグリセリド、又はそれらの組み合わせを含み得る。

エステル交換綿実ステアリンに加えて１つ以上の植物性油を含む組成物の態様では、植物性油は、任意の好適な植物性油、例えば、ココナッツ油、トウモロコシ油、キャノーラ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、菜種油、紅花油、胡麻油、大豆油、ヒマワリ油、カカオバター、シアバター、マンゴーバター、それらの画分、それらの中オレイン酸型若しくは高オレイン酸型、それらの低リノレン酸型、それらの低飽和型、それらから形成される水素添加油（例えば、部分的又は完全水素添加）、それらから形成されるエステル交換油、又はそれらの組み合わせであり得る。エステル交換綿実ステアリン以外の１つ以上の植物性油は、組成物の０．０１重量％～９９．９９重量％、１０重量％～９０重量％、又は０．０１重量％以上であるが９９．９９重量％以下、又は０．０１重量％～９９．９９重量％であり、０．０５、０．１、０．２、０．４、０．６、０．８、１、１．５、２、２．５、３、４、５、６、８、１０、１２、１４、１６、１８、２０、２５、３０、３５、４０、４５、５０、５５、６０、６５、７０、７５、８０、８２、８４、８６、８８、９０、９２、９４、９５、９６、９７、９８、９９、９９．９重量％以上若しくは以下、又は９９．９９重量％など、油脂組成物の任意の好適な割合を形成し得る。

油脂組成物は、食品に使用される油脂を置き換えるため、及び／又は食品の調製に使用される油脂を置き換えるための任意の好適な組成物であり得る。例えば、組成物は、ショートニング、汎用ショートニング、アイシングショートニング、フィリング油脂、フレーク状油脂、揚げ物用油脂、ポンプ注入可能なショートニング、又はそれらの組み合わせであり得る。組成物は、アイシングショートニング、汎用ショートニング、フィリングショートニング、ペストリーショートニング、パイショートニング、クッキーショートニング、ケーキショートニング、又はフレーク状油脂であり得る。

食品は、油脂組成物を含む任意の好適な食品、例えば、油脂組成物を、別の油脂組成物（例えば、パーム油性油脂組成物）の部分的又は完全な置換物として含む食品であり得る。食品は、揚げ物食品、ベーカリー食品、ビスケットフィリング、アイシング、フロスティング、菓子、ボンボンフィリング、アイスクリームコーティング、チョコレート若しくはナッツスプレッド、マーガリン若しくはスプレッド（油中水型エマルション）、又はそれらの組み合わせを含み得る。食品は、ポテトチップ、フレンチフライ、フライドチキン製品、天ぷら製品、ビスケット、クッキー、パイ、ケーキ、ウエハース、フィリング、生地、グレーズ、ペストリー、ドーナツ、アイシング、フロスティング、ピザクラスト、アメリカンスタイルビスケット、チューインガム、代替肉、乳製品類似製品（例えば、乳製品に対する乳成分不使用又は低乳成分置換製品）、又はそれらの組み合わせを含み得る。

代替油脂組成物は、ビスケットフィリング（例えば、ビスケット又はクッキー用）であり得る。エステル交換綿実ステアリンは、ビスケットフィリングの１５重量％～７５重量％、又は２５重量％～６０重量％、又は１５重量％以上であるが７５重量％以下、又は１５重量％～７５重量％であり、２０重量％以下若しくは以上、２５、３０、３５、４０、４５、５０、５５、６０、６５、７０重量％、又は７５重量％であり得る。ビスケットフィリングは、糖を含み得る。例えば、糖は、ビスケットフィリングの４０重量％～８０重量％、又は４０重量％以上であるが８０重量％以下、又は４０重量％～８０重量％であり、４５重量％以下若しくは以上、５０、５５、６０、６５、７０、７５重量％、又は８０重量％であり得る。ビスケットフィリングは、塩、バニラ、乳化剤、香味料、着色料、ココアパウダー、又はそれらの組み合わせを含み得る。

代替油脂組成物は、アイシングショートニング（例えば、アイシング又はフロスティング形成用）であり得る。エステル交換綿実ステアリンは、アイシングショートニングの０．１重量％～９９重量％、又は４０重量％～９７重量％、又は０．１重量％以上であるが９９重量％以下、又は０．１重量％～９９重量％であり、１重量％以下若しくは以上、２、５、１０、１５、２０、２５、３０、３５、４０、４５、５０、５５、６０、６５、７０、７５、８０、８５、９０、９５、９６、９７、９８重量％、又は９９重量％であり得る。アイシングショートニングは、１つ以上の乳化剤を含み得る。例えば、１つ以上の乳化剤は、組成物の０．０１重量％～１０重量％、又は０．０１重量％以上、又は０．５重量％以下又は以上、１、２、４、６、８重量％、又は１０重量％であり得る。

代替油脂組成物は、汎用ショートニングであり得る。エステル交換綿実ステアリンは、汎用ショートニングの０．１重量％～１００重量％、又は１０重量％～１００重量％、又は０．１重量％以上であるが１００重量％以下、又は０．１重量％～１００重量％であり、１重量％以下若しくは以上、２、４、６、８、１０、１５、２０、２５、３０、３５、４０、４５、５０、５５、６０、６５、７０、７５、８０、８５、９０、９５、９６、９７、９８、９９、９９．５、９９．９重量％、又は１００重量％であり得る。汎用ショートニングは、１重量％～９０重量％、又は１重量％以上であるが９０重量％以下、又は１重要％～９０重量％であり、５重量％以下若しくは以上、１０、１５、２０、２５、３０、３５、４０、４５、５０、５５、６０、６５、７０、７５、８０、８５重量％、又は９０重量％．などの、エステル交換綿実ステアリン以外の１つ以上の動物性油及び／又は植物性油を含み得る。汎用ショートニングは、エステル交換綿実ステアリン以外のエステル交換植物性油、例えば、エステル交換大豆油を含み得る。汎用ショートニングは、完全水素添加油（例えば、４以下のヨウ素価を有する油）、例えば、完全水素添加綿実油を含み得る。

代替油脂組成物は、フレーク状油脂であり得る。エステル交換綿実ステアリンは、１重量％～８０重量％のフレーク状油脂、又は１０重量％～５０重量％のフレーク状油脂、又は５重量％以上であるが８０重量％以下、又は１重量％～８０重量％であり、５重量％以下若しくは以上、１０、１５、２０、２５、３０、３５、４０、４５、５０、５５、６０、６５、７０、７５重量％、又は８０重量％であり得る。フレーク状油脂は、組成物の２０重量％～９９重量％、又は２０重量％以上であるが９９重量％以下、又は２０重量％～９９重量％であり、２５重量％以下若しくは以上、３０、３５、４０、４５、５０、５５重量％、又は６０重量％などの、綿実ステアリン以外の１つ以上の動物性油又は植物性油を含み得る。フレーク状油脂は、４以下のヨウ素価を有する完全水素添加綿実油などの完全水素添加油を含み得る。

エステル交換綿実ステアリンは、従来の油脂又はパーム油性油脂から調製される食品に対して匹敵する又は改善された品質の食品の生産を可能にするために、適切な構造（例えば、硬度）及び／又は他の機能性を提供するなど、食品又は食品の調製において他の油脂を置き換えるのに好適な特性を有し得る。

エステル交換綿実ステアリンは、２０℃～６０℃、２５℃～５０℃、又は２０℃以上であるが６０℃以下、又は２５℃～６０℃であり、２６℃以下若しくは以上、２８、３０、３２、３４、３６、３８、４０、４１、４２、４３、４４、４６、４８、５０、５２、５４、５６、５８℃、若しくは６０℃など、ＡＯＣＳ法Ｃｃ１８－８０などによって決定して、任意の好適な融点を有し得る。

エステル交換綿実ステアリンは、０℃～４０℃、１０℃～３０℃、又は０℃以上であるが４０℃以下、又は０℃～４０℃であり、５℃以下若しくは以上、１０、１５、２０、２５、３０、３５℃、又は４０℃など、ＤＳＣによって決定して、任意の適切な結晶化開始点を有し得る。

２０重量％～５０重量％、２５重量％～４５重量％、又は２０重量％以上であるが５０重量％以下、又は２０重量％～５０重量％であり、３６重量％以下若しくは以上、３７、３８、３９、４０、４１、４２、４３、４４、４５、４６、４８重量％、又は５０重量％など、エステル交換綿実ステアリンの任意の好適な割合が、Ｃ１６：０の脂肪酸であるＣ１６：０脂肪酸エステル（すなわち、グリセロール単位での総脂肪酸の割合）であり得る。

５重量％～２５重量％、１１重量％～２０重量％、又は５重量％以上であるが２５重量％以下、又は５重量％～２５重量％であり、６、８、１０、１１、１２、１３、１４、１５、１６、１７、１８、２０、２２、２４重量％以下若しくは以上、又は２５重量％など、エステル交換綿実ステアリンの任意の好適な割合がＣ１８：１脂肪酸エステルであり得る。

３０重量％～６０重量％、３７重量％～５５重量％、又は３０重量％以上であるが６０重量％以下、又は３０重量％～６０重量％であり、３５重量％以下若しくは以上、３６、３７、３８、３９、４０、４１、４２、４３、４４、４５、５０、５５重量％、又は６０重量％など、エステル交換綿実ステアリンの任意の好適な割合がＣ１８：２脂肪酸エステルであり得る。

２５重量％～６０重量％、３０重量％～５０重量％、又は３０重量％以上であるが６０重量％以下、又は３０重量％～６０重量％であり、３５重量％以下若しくは以上、４０、４１、４２、４３、４４、４５、４６、４７、４８、４９、５０、５５重量％、又は６０重量％など、エステル交換綿実ステアリンの任意の好適な割合が飽和脂肪酸エステルであり得る。

食品
本発明の様々な態様は、エステル交換綿実ステアリンを含む油脂組成物を含む食品を提供する。食品は、その代替油脂組成物を含む任意の好適な食品であり得る。例えば、食品は、揚げ物食品、ベーカリー食品、ビスケットフィリング、アイシング、フロスティング、菓子、ボンボンフィリング、アイスクリームコーティング、チョコレート若しくはナッツスプレッド、マーガリン若しくはスプレッド（油中水型エマルション）、又はそれらの組み合わせを含み得る。食品は、ポテトチップ、フレンチフライ、フライドチキン製品、天ぷら製品、ビスケット、クッキー、パイ、ケーキ、ウエハース、フィリング、生地、グレーズ、ペストリー、ドーナツ、アイシング、フロスティング、ピザクラスト、アメリカンスタイルビスケット、チューインガム、代替肉、乳製品類似製品（例えば、乳製品に対する乳成分不使用又は低乳成分置換製品）、又はそれらの組み合わせを含み得る。

様々な態様では、食品は、パーム油を実質的に含まない場合がある（例えば、油脂組成物と食品の残余分との両方が、パーム油を実質的に含まない）。他の態様では、油脂組成物、食品の残余部、又はそれらの組み合わせは、少なくともいくらかのパーム油を含む。

様々な態様では、食品は、完全水素添加油を実質的に含まない場合がある（例えば、油脂組成物と食品の残余分との両方が、完全水素添加油を実質的に含まない）。完全水素添加油は、４以下のヨウ素価を有し得る。他の態様では、油脂組成物、食品の残余部、又はそれらの組み合わせは、少なくともいくらかの完全水素添加油を含む。

食品は、フィリングを含む場合も含まない場合もあるビスケット又はクッキーであり得る。ビスケット又はクッキーは、２重量％～４０重量％であるエステル交換綿実ステアリンを含む。フィリングは、フィリングの１５重量％～７５重量％、又は２５重量％～６０重量％、又は１５重量％以上であるが７５重量％以下、又は１５重量％～７５重量％であり、２０重量％以下若しくは以上、２５、３０、３５、４０、４５、５０、５５、６０、６５、７０重量％、又は７５重量％であるエステル交換綿実ステアリンを含み得る。フィリングはまた、フィリングの４０重量％～８０重量％、又は４０重量％以上であるが８０重量％以下、又は４０重量％～８０重量％であり、４５重量％以下若しくは以上、５０、５５、６０、６５、７０、７５重量％、又は８０重量％である１つ以上の糖を含み得る。フィリングは、パーム油を実質的に含まない場合がある。フィリングは、４以下のヨウ素価を有する完全水素添加油を実質的に含まない場合がある。

食品は、アイシングショートニングを含むアイシング又はフロスティングであり得る。アイシングショートニングは、アイシングショートニングの０．１重量％～９９重量％、又は４０重量％～９０重量％、又は０．１重量％以上であるが９９重量％以下、又は０．１重量％～９９重量％であり、１重量％以下若しくは以上、２、５、１０、１５、２０、２５、３０、３５、４０、４５、５０、５５、６０、６５、７０、７５、８０、８５、９０、９５、９６、９７、９８重量％、又は９９重量％であるエステル交換綿実ステアリンを含み得る。アイシングショートニングは、アイシングショートニングの０．０１重量％～１０重量％、又は０．０１重量％以上であるが１０重量％以下、又は０．０１重量％～１０重量％であり、０．１重量％以下若しくは以上、０．５、１、２、４、６、８重量％、又は１０重量％である１つ以上の乳化剤を含み得る。アイシングショートニングは、パーム油を実質的に含まない場合がある。アイシングショートニングは、４以下のヨウ素価を有する完全水素添加油を実質的に含まない場合がある。

食品は、汎用ショートニング又は揚げ物用油脂を含む揚げ物食品であり得る。食品は、食品を汎用ショートニング又は揚げ物用油脂で揚げることによって調製され得る。汎用ショートニング又は揚げ物用油脂は、汎用ショートニング又は揚げ物用油脂の０．１重量％～１００重量％、又は１０重量％～１００重量％、又は０．１重量％以上であるが１００重量％以下、又は０．１重量％～１００重量％であり、１重量％以下若しくは以上、２、４、６、８、１０、１５、２０、２５、３０、３５、４０、４５、５０、５５、６０、６５、７０、７５、８０、８５、９０、９５、９６、９７、９８、９９、９９．５、９９．９重量％、又は１００重量％であるエステル交換綿実ステアリンを含み得る。汎用ショートニング又は揚げ物用油脂はまた、汎用ショートニング又は揚げ物用油脂の１重量％～９０重量％、又は１重量％以上であるが９０重量％以下、又は１重要％～９０重量％であり、５重量％以下若しくは以上、１０、１５、２０、２５、３０、３５、４０、４５、５０、５５、６０、６５、７０、７５、８０、８５重量％、又は９０重量％である、エステル交換綿実ステアリン以外の１つ以上の動物性油及び／又は植物性油を含み得る。汎用ショートニング又は揚げ物用油脂は、パーム油を実質的に含まない場合がある。

食品の製造方法
本発明の様々な態様は、エステル交換綿実ステアリンを含む油脂組成物を使用して食品を製造する方法を提供する。本方法は、油脂組成物を含む食品を形成する任意の好適な方法であり得る。本方法は、エステル交換綿実ステアリンと他の食用成分とを組み合わせて、食品を形成することを含み得る。例えば、エステル交換綿実ステアリンと他の食用成分とを組み合わせることは、エステル交換綿実ステアリン中の他の成分を揚げること、アイシングを形成すること、フィリングをビスケット若しくはクッキーに加えること、アイシングをベーカリー食品に加えること、又はそれらの組み合わせを含み得る。

油脂組成物の製造方法
本発明の様々な態様は、エステル交換綿実ステアリンを含む油脂組成物の製造方法を提供する。本方法は、油脂組成物を形成する任意の好適な方法であり得る。本方法は、エステル交換綿実ステアリンと他の１つ以上の食用成分とを組み合わせて、油脂組成物を形成することを含み得る。

エステル交換綿実ステアリンと他の１つ以上の食用成分とを組み合わせることは、任意の好適な方法で行うことができる。組み合わせることは、エステル交換綿実ステアリンを融解させ、他の食用成分をそれとブレンドすることを含み得る。組み合わせることはまた、ブレンド、並びにエステル交換及び／又は水素添加及び／又は分別などの更なる処理を含み得る。

本方法は、エステル交換綿実ステアリンと他の食用成分との混合物を結晶化することを更に含み得る。本方法は、油脂組成物を形成するためにエステル交換綿実ステアリンと他の食用成分との結晶化混合物を混練することなどの機械的加工を更に含み得る。

油脂組成物の使用
本発明の様々な態様は、エステル交換綿実ステアリンを含む油脂組成物の使用を提供する。使用は、任意の好適な使用、例えば、本明細書に記載される油脂組成物を使用する方法と合致する任意の好適な使用であり得る。使用は、本明細書に記載される任意の食品などの食品中の油脂を部分的又は完全に置き換えるためであり得る。使用は、食品を形成するためであり得る。

とりわけ、本発明の組成物の利点の少なくともいくつかは、これによりビスケット（クッキー）フィリングのための実行可能な非パーム性代替物が提供されるという事実にある。このようにして生産されたビスケットフィリングは、上部のビスケットがフィリングに付着するくらい十分に軟らかいが、フィリングがサンドイッチビスケットから絞り出されないくらい十分に堅いように、適当な粘稠度を有する。本発明は更に、アイシングのための実行可能な非パーム性代替物を提供する。本発明は、アイシングのための実行可能な非パーム性代替物を提供する。本発明は、フレーク状油脂のための実行可能な非パーム性代替物を提供する。

本発明の例示的な態様
食品に使用するための油脂組成物であって、
エステル交換綿実ステアリンを含む、油脂組成物。

エステル交換綿実ステアリンが、第１の分別からのエステル交換綿実ステアリン、第２の分別からのエステル交換綿実ステアリン、第２の分別以降の分別からのエステル交換綿実ステアリン、１つ以上の脱ろう分別からのエステル交換綿実ステアリン、又はそれらの組合せを含む、食品に使用するための油脂組成物。

エステル交換綿実ステアリンが、化学的エステル交換綿実ステアリンを含む、食品に使用するための油脂組成物。エステル交換綿実ステアリンは、第１の分別からのエステル交換綿実ステアリン、第２の分別からのエステル交換綿実ステアリン、第２の分別以降の分別からのエステル交換綿実ステアリン、１つ以上の脱ろう分別からのエステル交換綿実ステアリン、又はそれらの組合せを含んでもよい。エステル交換綿実ステアリンは、完全に化学的エステル交換される。

あるいは、エステル交換綿実ステアリンは、酵素的エステル交換綿実ステアリンを含んでもよい。

好ましくは、油脂組成物はパーム油を実質的に含まない。

本発明は更に、４以下のヨウ素価を有する完全水素添加油を実質的に含まない、本発明の組成物を提供する。

本発明は、組成物が、乳化剤、非綿実ワックス、デンプン、タンパク質、セルロース、セルロース誘導体、エステル交換綿実ステアリン以外の植物性油、又はそれらの組み合わせを実質的に含まない、前述の組成物を提供する。

本発明は、組成物の約０．０１重量％～約１００重量％が、エステル交換綿実ステアリンである、前述の組成物を提供する。

本発明は、組成物の約２５重量％～約９９重量％が、エステル交換綿実ステアリンである、前述の組成物を提供する。

本発明は、非エステル交換綿実ステアリンを更に含む、前述の組成物を提供する。

そのような非エステル交換綿実ステアリンは、第１の分別からの綿実ステアリン、第２の分別からの綿実ステアリン、第２の分別以降の分別からの綿実ステアリン、１つ以上の脱ろう分別からの綿実ステアリン、又はそれらの組み合わせを含む。

非エステル交換綿実ステアリンは、組成物の約０．０１重量％～９９．９９重量％の量で存在し得る。

本発明は、組成物が、乳化剤、ワックス、炭水化物、タンパク質、セルロース、セルロース誘導体、食用着色料、増量剤、香味料、エステル交換綿実ステアリン以外の植物性油、動物性油、又はそれらの組み合わせを更に含む、前述の組成物を提供する。

本発明は、植物性油が、ココナッツ油、トウモロコシ油、キャノーラ油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、菜種油、紅花油、胡麻油、大豆油、ヒマワリ油、カカオバター、シアバター、マンゴーバター、それらの画分、それらの中オレイン酸型若しくは高オレイン酸型、それらの低リノレン酸型、それらの低飽和型、それらから形成される水素添加油（例えば、部分的又は完全水素添加）、それらから形成されるエステル交換油、又はそれらの組み合わせを含む、前述の組成物を提供する。

本発明は、エステル交換綿実ステアリン以外の１つ以上の植物性油が、組成物の０．０１重量％～９９．９９重量％である、前述の組成物を提供する。

本発明は、エステル交換綿実ステアリン以外の１つ以上の植物性油が、組成物の１０重量％～９０重量％である、前述の組成物を提供する。

本発明は、エステル交換大豆油、完全水素添加綿実油、ソルビン酸カリウム、ポリソルベート、モノグリセリド、ジグリセリド、又はそれらの組み合せを更に含む、前述の組成物を提供する。

本発明は、組成物が、ショートニング、汎用ショートニング、アイシングショートニング、フィリング油脂、フレーク状油脂、揚げ物用油脂、ポンプ注入可能なショートニング、又はそれらの組み合わせである、前述の組成物を提供する。

本発明は、組成物が、アイシングショートニング、汎用ショートニング、フィリングショートニング、ペストリーショートニング、パイショートニング、クッキーショートニング、ケーキショートニング、又はフレーク状油脂である、前述の組成物を提供する。

本発明は、食品が、揚げ物食品、ベーカリー食品、ビスケットフィリング、アイシング、フロスティング、菓子、ボンボンフィリング、アイスクリームコーティング、チョコレート若しくはナッツスプレッド、マーガリン若しくはスプレッド（油中水型エマルション）、又はそれらの組み合わせを含む、前述の組成物を提供する。

本発明は、食品が、ポテトチップ、フレンチフライ、フライドチキン製品、天ぷら製品、ビスケット、クッキー、パイ、ケーキ、ウエハース、フィリング、生地、グレーズ、ペストリー、ドーナツ、アイシング、フロスティング、ピザクラスト、アメリカンスタイルビスケット、チューインガム、代替肉、乳製品類似製品、又はそれらの組み合わせを含む、前述の組成物を提供する。

本発明は、組成物がビスケットフィリングであり、組成物の１５重量％～７５重量％が、エステル交換綿実ステアリンである、前述の組成物を提供する。

本発明は、組成物がビスケットフィリングであり、組成物の約２５重量％～約６０重量％が、エステル交換綿実ステアリンである、前述の組成物を提供する。

本発明は、組成物が前述のビスケットフィリングであり、組成物の４０重量％～８０重量％が糖である、組成物を提供する。

本発明は、組成物が前述のビスケットフィリングであり、組成物が、塩、バニラ、乳化剤、香味料、着色料、ココアパウダー、又はそれらの組み合わせを含む、組成物を提供する。

本発明は、組成物がアイシングショートニングであり、組成物の約０．１重量％～約９９重量％が、エステル交換綿実ステアリンである、前述の組成物を提供する。

本発明は、組成物がアイシングショートニングであり、組成物の約４０重量％～約９７重量％が、エステル交換綿実ステアリンである、前述の組成物を提供する。

本発明は、組成物がアイシングショートニングであり、組成物の０．０１重量％～１０重量％が、１つ以上の乳化剤である、組成物を提供する。

本発明は、組成物が汎用ショートニングであり、組成物の約０．１重量％～約１００重量％が、エステル交換綿実ステアリンである、前述の組成物を提供する。

本発明は、組成物が汎用ショートニンであり、組成物の約１０重量％～約１００重量％が、エステル交換綿実ステアリンである、前述の組成物を提供する。

本発明は、組成物が前述の汎用ショートニングであり、組成物の例えば１重量％～９０重量％がエステル交換綿実ステアリン以外の１つ以上の動物性油及び／又は植物性油である、組成物を提供する。

本発明は、組成物が前述の汎用ショートニングであり、組成物がエステル交換綿実ステアリン以外のエステル交換植物性油を含む、組成物を提供する。

本発明は、組成物が前述の汎用ショートニングであり、組成物が完全水素添加油を含む、組成物を提供する。

本発明は、組成物がフレーク状油脂であり、組成物の１重量％～８０重量％が、エステル交換綿実ステアリンである、前述の組成物を提供する。

本発明は、組成物が前述のフレーク状油脂であり、組成物の１０重量％～５０重量％が、エステル交換綿実ステアリンである、組成物を提供する。

本発明は、組成物が前述のフレーク状油脂であり、組成物の５０重量％～９０重量％が綿実ステアリン以外の１つ以上の動物性油又は植物性油である、組成物を提供する。

本発明は、組成物が前述のフレーク状油脂であり、組成物が完全水素添加油を含む、組成物を提供する。

本発明は、エステル交換綿実ステアリンが２０℃～６０℃の融点を有する、前述の油脂組成物を提供する。

本発明は、エステル交換綿実ステアリンが２５℃～５０℃の融点を有する、前述の油脂組成物を提供する。

本発明は、エステル交換綿実ステアリンの２０重量％～５０重量％がＣ１６：０脂肪酸エステルである、前述の油脂組成物を提供する。

本発明は、エステル交換綿実ステアリンの２５重量％～４５重量％がＣ１６：０脂肪酸エステルである、前述の油脂組成物を提供する。

本発明は、エステル交換綿実ステアリンの５重量％～２５重量％がＣ１８：１脂肪酸エステルである、前述の油脂組成物を提供する。

本発明は、エステル交換綿実ステアリンの１１重量％～２０重量％がＣ１８：１脂肪酸エステルである、前述の油脂組成物を提供する。

本発明は、エステル交換綿実ステアリンの３０重量％～６０重量％がＣ１８：２脂肪酸エステルである、前述の油脂組成物を提供する。

本発明は、エステル交換綿実ステアリンの３７重量％～５５重量％がＣ１８：２脂肪酸エステルである、前述の油脂組成物を提供する。

本発明は、エステル交換綿実ステアリンの２５重量％～６０重量％が飽和脂肪酸エステルである、前述の油脂組成物を提供する。

本発明は、エステル交換綿実ステアリンの３０重量％～５０重量％が飽和脂肪酸エステルである、前述の油脂組成物を提供する。

更に、本発明は、ビスケット又はクッキーに使用するためのフィリングであって、
フィリングの１５重量％～７５重量％であるエステル交換綿実ステアリンと、
フィリングの４０重量％～８０重量％である１つ以上の糖と、を含み、
フィリングが、パーム油及び４未満のヨウ素価を有する完全水素添加油を実質的に含まない、フィリングを提供する。

本発明は更に、アイシングに使用するためのアイシングショートニングであって、
アイシングショートニングの０．１重量％～９９重量％であるエステル交換綿実ステアリンと、
アイシングショートニングの０．０１重量％～１０重量％である１つ以上の乳化剤と、
アイシングショートニングが、パーム油及び４以下のヨウ素価を有する完全水素添加油を実質的に含まない、アイシングショートニングを提供する。

本発明は、汎用ショートニングであって、
汎用ショートニングの０．１重量％～１００重量％であるエステル交換綿実ステアリンと、
汎用ショートニングの１重量％～９０重量％であるエステル交換綿実ステアリン以外の１つ以上の動物性油及び／又は植物性油と、を含み、
汎用ショートニングが、パーム油を実質的に含まない、汎用ショートニングを提供する。

本発明は、フレーク状油脂であって、
フレーク状油脂の１重量％～８０重量％であるエステル交換綿実ステアリンと、
フレーク状油脂の２０重量％～９９０重量％である綿実ステアリン以外の１つ以上の動物性油又は植物性油と、を含み、
フレーク状油脂が、パーム油を実質的に含まない、フレーク状油脂を提供する。

本発明は、食品が、揚げ物食品、ベーカリー食品、ビスケットフィリング、アイシング、フロスティング、菓子、ボンボンフィリング、アイスクリームコーティング、チョコレート若しくはナッツスプレッド、マーガリン若しくはスプレッド（油中水型エマルション）、又はそれらの組み合わせを含む、本発明の食品を提供する。

食品が、ポテトチップ、フレンチフライ、フライドチキン製品、天ぷら製品、ビスケット、クッキー、パイ、ケーキ、ウエハース、フィリング、生地、グレーズ、ペストリー、ドーナツ、アイシング、フロスティング、ピザクラスト、アメリカンスタイルビスケット、チューインガム、代替肉、乳製品類似製品、又はそれらの組み合わせを含む、本発明の食品。

本発明は更に、食品がパーム油を実質的に含まない、本発明の食品を提供する。

本発明は更に、食品が完全水素添加油を実質的に含まない、本発明の食品を提供する。

本発明は、フィリングを含むビスケット又はクッキーであって、フィリングが、
フィリングの１５重量％～７５重量％であるエステル交換綿実ステアリンと、
フィリングの４０重量％～８０重量％である１つ以上の糖と、を含み、
フィリングが、パーム油及び４未満のヨウ素価を有する完全水素添加油を実質的に含まない、ビスケット又はクッキーを提供する。

本発明は、アイシングショートニングを含むアイシング又はフロスティングであって、アイシングショートニングが、
アイシングショートニングの０．１重量％～９９重量％であるエステル交換綿実ステアリンと、
アイシングショートニングの０．０１重量％～１０重量％である１つ以上の乳化剤と、を含み、
アイシングショートニングが、パーム油及び４未満のヨウ素価を有する完全水素添加油を実質的に含まない、アイシング又はフロスティングを提供する。

本発明は、汎用ショートニング又は揚げ物用油脂を含む揚げ物食品であって、汎用ショートニング又は揚げ物用油脂が、
汎用ショートニング又は揚げ物用油脂の０．１重量％～１００重量％であるエステル交換綿実ステアリンと、
汎用ショートニング又は揚げ物用油脂の１重量％～９０重量％であるエステル交換綿実ステアリン以外の１つ以上の動物性油及び／又は植物性油と、を含み、
汎用ショートニング又は揚げ物用油脂が、パーム油を実質的に含まない、揚げ物食品を提供する。

本発明は、本発明の組成物を使用して食品を製造する方法であって、
エステル交換綿実ステアリンと他の食用成分とを組み合わせて、食品を形成することを含む、方法を提供する。

本発明は更に、エステル交換綿実ステアリンと他の食用成分とを組み合わせることが、エステル交換綿実ステアリン中の他の成分を揚げること、アイシングを形成すること、フィリングをビスケット若しくはクッキーに加えること、アイシングをベーカリー食品に加えること、又はそれらの組み合わせを含む、本発明の方法を提供する。

本発明は更に、組み合わせることが、エステル交換綿実ステアリンを融解させ、他の食用成分をそれとブレンドすることを含む、本発明の方法を提供する。

本発明は更に、エステル交換綿実ステアリンと他の食用成分との混合物を結晶化することを更に含む、本発明の方法を提供する。

本発明は、エステル交換綿実ステアリンと他の食用成分との結晶化混合物を混練することを更に含む、本発明の方法を提供する。

更に、本発明は、食品中の油脂を置き換えることを含む、本発明の組成物の使用を提供する。

本発明は更に、組成物を用いて食品を形成することを含む、本発明の組成物の使用を提供する。

本発明の様々な態様は、例示として提供される以下の実施例を参照することによって、よりよく理解され得る。本発明は、本明細書に示される実施例に限定されない。

化学的エステル交換され二重分別された綿実ステアリン（ＩＥ ＤＦＣＳ）及び化学的エステル交換綿実ステアリン（ＩＥ ＣＳ）を本明細書の実施例で使用した。化学的エステル交換プロセスを以下で詳述する。まず、二重分別した綿ステアリンを乾燥させた（２００ｍｂａｒ、１１０℃、撹拌下で３０分間）。真空を破壊して、触媒ナトリウムメトキシド（無水）を加えた。ナトリウムメトキシド（０．１％ｗ／ｗ）を加えた後、反応を真空（１００ｍｂａｒ）下で開始し、３０分間継続した。真空を解除し、５０％クエン酸溶液を加えて、触媒を不活性化した（５～１０分間の撹拌）。綿ステアリンを１．２５％活性漂白土（Ｐｕｒｅ－Ｆｌｏ Ｂ８０）で事後漂白した（２００ｍｂａｒ、１１０℃、撹拌下で３０分間）。漂白土を、予熱したブフナーフィルタ上で濾過することにより除去した。漂白後、綿ステアリンを脱臭した。脱臭は、まず材料を真空下（１トル未満）で２４０℃に加熱することによって完了させた。目標温度に達したら、加熱した水添加フラスコによる水蒸気蒸留を１時間実施した（５％の水を加えて水蒸気を１時間発生させた）。次に、水蒸気フラスコへの水供給を止め、材料を真空下で１１０℃に冷却した。目標温度に達した後、真空を解除しながら窒素オーバーレイを加え、エステル交換綿ステアリンを反応器フラスコから引き出した。

表１及び表２は、エステル交換され二重分別された綿ステアリン（ＩＥ ＤＦＣＳ）及びエステル交換綿実ステアリン（ＩＥ ＣＳ）の特性、並びに綿実ステアリン（ＣＳ）及び二重分別綿実ステアリン（ＤＦＣＳ）の特性を示す。表１は、固形油脂含量、融点、脂肪酸プロファイル、及び飽和脂肪酸含量を示し、表２は、示差走査熱量測定（ＤＳＣ）によって決定した材料の結晶化及び融解プロファイルを示す。表１の融点は、油脂が試験条件下で十分に流動性となる温度を決定することで、ＡＯＣＳ法Ｃｃ１８－８０により決定した。表１中の固形油脂含量は、ＡＯＣＳ法Ｃｄ １６ｂ－９３により決定し、脂肪酸プロファイルは、ＡＯＣＳ法Ｃｅ １ｈ－０５により決定した。

実施例１．ビスケット油脂フィリングのための化学的エステル交換され二重分別された綿実ステアリンの使用
ビスケット油脂フィリング（サンドイッチクッキー用）は、非常に特異的な固形分及び結晶化挙動を有する必要がある。エステル交換され二重分別された綿実ステアリン（ＩＥ ＤＦＣＳ）により、ビスケット（クッキー）フィリング用の実行可能な非パーム性代替物が生産される。表３は、ＩＥ ＤＦＣＳを用いて配合したビスケット油脂フィリング組成を示す。

以下の手順を使用してビスケットフィリングを形成した。ＩＥ ＤＦＣＳを融解させ、他の成分と混合した。かき取り表面熱交換器を使用して混合物を冷却し、結晶化プロセスを開始した。ビスケットフィリングをビスケット（クッキー）上に堆積させた。ＩＥ ＤＦＣＳにより、ビスケット（クッキー）フィリング用の実行可能な非パーム性代替物が生産された。ビスケットフィリングは、上部のビスケットがフィリングに付着するくらい十分に軟らかいが、フィリングがサンドイッチビスケットから絞り出されないくらい十分に堅いように、適当な粘稠度を有した。

実施例２．化学的エステル交換され二重分別された綿実ステアリンのアイシングショートニングにおける使用、及びそれからのアイシング調製
ＩＥ ＤＦＣＳの物理的及び化学的特性に基づくと、この油脂を使用して、ケーキ、アイシング、又はフィリングの作製に使用される油脂系を製造することができる。伝統的に、乳化剤（モノ及びジグリセリド又はポリソルベート６０など）は、油脂と水とを組み合わせるときに表面張力を低下させることによって、ケーキ、アイシング、又はフィリングを作製するのを助けるために使用される。乳化剤により、エマルション安定性、通気及び泡安定性、結晶変態、又は団粒軟化の提供が助けられ得る。ケーキ、アイシング、又はフィリングに使用されるショートニングは、ＩＥ ＤＦＣＳと乳化剤とを組み合わせることによって、又はＩＥ ＤＦＣＳと他の油脂及び乳化剤とを組み合わせることによって作製することができる。表４は、ＩＥ ＤＦＣＳを用いて製造したアイシングショートニングの２つの配合を示す。

アイシングショートニングを、油脂を融解させ、他の成分を組み合わせ、冷却し、結晶化し、機械加工し、包装することによって生産した。アイシングショートニングを結晶化するために、かき取り表面熱交換器（ＳＳＨＥ）を使用した。ピンローター機械又は中間結晶化装置を組み合わせて又は個別に使用して、均質性を確実にするために採用した機械加工を行った。

アイシングショートニングは、アイシング又はフロスティングを製造するために使用される。アイシング及びフロスティングは、ケーキの装飾に使用され得る。表５は、アイシング配合、続いてその調製手順を示す。

アイシングを製造するために、ショートニング、糖、バニラ、及び塩をミキシングボウル中で混合した。ソルビン酸カリウムを別の容器中で水に溶解させた。ショートニング、糖、バニラ、及び塩を、低速で１分間混合した。この間に、水／ソルビン酸カリウム混合物の半分を加えた。ミキサーを止め、ボウルを擦り取った。混合を低速で４分間再開した。混合の最初の３０秒間に、残りの水／ソルビン酸カリウム混合物を加えた。ミキサーを止め、ボウルを擦り取った。混合を再開し、０．８の目標比重に達するまで継続した。ＩＥ ＤＦＣＳにより、アイシングのための実行可能な非パーム性代替物が生産された。

実施例３．化学的エステル交換され二重分別された綿実ステアリンの汎用ショートニングにおける使用
ＩＥ ＤＦＣＳの物理的及び化学的特性に基づくと、この油脂を使用して、非パーム性汎用ショートニングを生産することができる。非パーム性汎用ショートニングは、パイ、パウンドケーキ、クッキー（ビスケット）、ウエハース、フィリング、層状生地、グレーズ、ドーナツ揚げ、及び追加の食品の製造に使用することができる。表６は、ＩＥ ＤＦＣＳを用いて製造された非パーム性汎用ショートニングの配合を示す。

汎用ショートニングを、油脂相を融解させ、他の成分を組み合わせ、冷却し、結晶化し、混錬などの機械加工を行い、包装することによって生産した。汎用ショートニングを冷却及び結晶化するために、かき取り表面熱交換器（ＳＳＨＥ）を使用した。ピンローター機械又は中間結晶化装置を組み合わせて又は個別に使用して、均質性を確実にするために採用した機械加工を行った。ＩＥ ＤＦＣＳにより、非パーム性汎用ショートニング用の実行可能な非パーム性代替物が生産された。

実施例４．化学的エステル交換され二重分別された綿実ステアリン又は化学的エステル交換綿ステアリンのフレーク状油脂における使用
ＩＥ ＤＦＣＳ又はＩＥ ＣＳを他の油脂と組み合わせることにより、非パーム性フレーク状ショートニングを作製することが可能である。表７は、ＩＥ ＤＦＣＳ又はＩＥ ＣＳを含む非パーム性フレーク状油脂の４つの配合を提示する。

油脂を融解させ、油をそれと混合した。フレーク状油脂を、グリコールによって冷却したステンレス鋼ベルト又はドラム上に融解させた油脂混合物を分配することによって作製した。油脂は、ベルトを下って又はドラム上を移動するにつれて、硬化した形態に結晶化された。次に、油脂をベルト又はドラムから擦り落とし、フレークと呼ばれるより小さい片に破壊した。ＩＥ ＣＳだけでなくＩＥ ＤＦＣＳ油によっても、フレーク状油脂用の実行可能な非パーム性代替物が生産された。

フレーク状油脂を使用して、アメリカンスタイルビスケット及びピザクラストを製造した。以下、アメリカンビスケット及びピザクラストについての配合及び調製手順を提示する。

ビスケットを製造するために、全ての乾燥成分を１２クオートのミキシングボウルに加え、へら型アタッチメントを用いて低速で１分間混合した。ボウル及びへらを擦り取った。油脂フレークをミキシングボウルに入れ、第１の量の水を流しながら３０秒間混合した。第２の水をボウルに加え、３０秒間混合する。ボウル及びパドルを擦り落とし、ミキサーを止め、生地をボウルの中で反転させた。更に１５秒間低速で混合する。生地をミキサーから取り出し、打ち粉をしたベンチ上に置き、１．０～１．５インチの厚さにプレスした。小麦粉を生地の上に軽く広げた。ロッドをガイドとして、また麺棒を使用して、生地を１／２インチの厚さに圧延した。小麦粉を生地から払い落とした後、生地を３つに折った。生地を９０度回転させた後、１／２インチを超えないように再度圧延した。ビスケットカッターを使用して、生地を２．２５インチの円に切断した。ビスケットを、間を２インチあけて、半分のシートパン上に置いた。生地を３７５°Ｆで１１．５分間予熱したオーブンで焼いた。

全ての成分を、１２クオートのＭｃＤｕｆｆｙボウル中で組み合わせた。全ての成分を低速で２分間混合した後、生地が十分に発達するまで中速で７～８分間混合した。生地を丸めてボールにし、覆いをして１０分間休ませた。生地を２５０グラム分に分割し、可逆シーター上で１０インチの円盤にシート化した。生地の片側をドッキングした。加熱した生地プレスを使用して、華氏３７５度で７秒間、丸型生地をプレスした。生地をプレスから取り出し、１０分間冷却させ、直ちに冷凍した。翌週、ピザ生地を４００°Ｆで１２分間焼いた。
実施例５．化学的エステル交換され二重分別された綿実ステアリン又は化学的エステル交換綿ステアリンのソフトキャンディーフィリングにおける使用

軟質フィリングを製造するために、油脂を５０℃に融解させた。乾燥固形材料を混合ボウルに加えた。融解した油脂の２／３を、１０分間の混合時間をかけて混合ボウルに徐々に加えた。速度を上げ、残りの油脂を加え、１０分間混合した。レシチンを加え、フィリングを１０分間混合した。混合後、ボウルを氷浴に置き、フィリングを所望の温度に達するまで手で混合した。チョコレートシェルにフィリングを充填し、室温で保存した。
実施例６．化学的エステル交換され二重分別された綿実ステアリン又はエステル交換綿ステアリンのチョコレートスプレッドにおける使用

全ての粉末成分を一緒にブレンドした。ナッツペーストを加え、全ての成分を手で穏やかに混合した。別の容器中で、レシチンと融解させた油脂とを混合した。融解させた油脂／レシチンブレンドを粉末成分に加えた。生成物を瓶に注ぎ、冷却させた。ＩＥ ＤＦ ＣＳ及びＩＥ ＣＳは両方とも、スプレッド配合物用の実行可能な選択肢となった。
実施例７：化学的エステル交換され二重分別された綿実ステアリンのアイスクリームコーティングにおける使用

全ての成分を電子レンジで使用できるボウル中で混合し、完全に融解するまで一度に２０秒間高温で加熱した（約１００°Ｆ）。混合物を加熱サイクル間で撹拌した。完全に融解したら、混合物を手で連続的に混合し、数分間冷却させた。予め製造したアイスクリームバーを使用し、コーティングに浸漬させた。過剰なコーティングをアイスクリームバーから滴下させた後、バーを慎重に包装し、冷凍庫で保存した。ＩＥ ＤＦＣＳは、実行可能なアイスクリームコーティングとなった。

採用されている用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、そのような用語及び表現の使用において示され記載される特徴又はその部分のいずれの等価物も排除する意図はないが、本発明の態様の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。

Claims (20)

1. 食品に使用するための油脂組成物であって、
   エステル交換綿実ステアリンを含む、油脂組成物。
2. 前記エステル交換綿実ステアリンが、第１の分別からのエステル交換綿実ステアリン、第２の分別からのエステル交換綿実ステアリン、第２の分別以降の分別からのエステル交換綿実ステアリン、１つ以上の脱ろう分別からのエステル交換綿実ステアリン、又はそれらの組合せを含む、請求項１に記載の組成物。
3. 前記エステル交換綿実ステアリンが、化学的エステル交換綿実ステアリンを含む、請求項１に記載の組成物。
4. 前記エステル交換綿実ステアリンが、酵素的エステル交換綿実ステアリンを含む、請求項１に記載の組成物。
5. 前記組成物が、パーム油を実質的に含まない、請求項１に記載の組成物。
6. 前記組成物が、４以下のヨウ素価を有する完全水素添加油を実質的に含まない、請求項１に記載の組成物。
7. 前記組成物が、乳化剤、非綿実ワックス、デンプン、タンパク質、セルロース、セルロース誘導体、エステル交換綿実ステアリン以外の植物性油、又はそれらの組み合わせを実質的に含まない、請求項１に記載の組成物。
8. 前記組成物の約０．０１重量％～約１００重量％が、前記エステル交換綿実ステアリンである、請求項１に記載の組成物。
9. 非エステル交換綿実ステアリンを更に含む、請求項１に記載の組成物。
10. 前記組成物が、乳化剤、ワックス、炭水化物、タンパク質、セルロース、セルロース誘導体、食用着色料、増量剤、香味料、エステル交換綿実ステアリン以外の植物性油、動物性油、又はそれらの組み合わせを更に含む、請求項１に記載の組成物。
11. 前記組成物が、ショートニング、汎用ショートニング、アイシングショートニング、フィリング油脂、フレーク状油脂、揚げ物用油脂、ポンプ注入可能なショートニング、クッキーショートニング、ケーキショートニング、ペストリーショートニング、パイショートニング、又はそれらの組み合わせである、請求項１に記載の組成物。
12. 前記組成物が、ビスケットフィリング、アイシングショートニング、汎用ショートニング、又はフレーク状油脂である、請求項１に記載の組成物。
13. 前記食品が、揚げ物食品、ベーカリー食品、ビスケットフィリング、アイシング、フロスティング、菓子、ボンボンフィリング、アイスクリームコーティング、チョコレート若しくはナッツスプレッド、マーガリン若しくはスプレッド（油中水型エマルション）、又はそれらの組み合わせを含む、請求項１に記載の組成物。
14. 前記食品が、ポテトチップ、フレンチフライ、フライドチキン製品、天ぷら製品、ビスケット、クッキー、パイ、ケーキ、ウエハース、フィリング、生地、グレーズ、ペストリー、ドーナツ、アイシング、フロスティング、ピザクラスト、アメリカンスタイルビスケット、チューインガム、代替肉、乳製品類似製品、又はそれらの組み合わせを含む、請求項１に記載の組成物。
15. 請求項１に記載の組成物を含む、食品。
16. 前記食品が、揚げ物食品、ベーカリー食品、ビスケットフィリング、アイシング、フロスティング、菓子、又はそれらの組み合わせを含む、請求項１５に記載の食品。
17. 前記食品が、ポテトチップ、フレンチフライ、フライドチキン製品、天ぷら製品、ビスケット、クッキー、パイ、ケーキ、ウエハース、フィリング、生地、グレーズ、ペストリー、ドーナツ、アイシング、フロスティング、ピザクラスト、アメリカンスタイルビスケット、チューインガム、代替肉、乳製品類似製品、又はそれらの組み合わせを含む、請求項１５に記載の食品。
18. 請求項１に記載の組成物を使用して食品を製造する方法であって、
    前記エステル交換綿実ステアリンと他の食用成分とを組み合わせて、前記食品を形成することを含む、方法。
19. 請求項１に記載の組成物を製造する方法であって、
    前記エステル交換綿実ステアリンと他の食用成分とを組み合わせて、請求項１に記載の組成物を形成することを含む、方法。
20. 食品中の油脂の部分的又は完全な置換における、及び／又は前記食品を形成するための、請求項１に記載の組成物の使用。