JP2023527466A - ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、外周面に凹凸パターンが形成されたインプラントロールを用いて、前記凹凸パターンに対応する表面に凹凸を有し、低い表面粗さを有しながらも走行性と巻取性に優れたポリエステルフィルムとその製造方法が提供される。前記ポリエステルフィルムは、マルチレイヤーセラミックコンデンサ(MLCC)、偏光板、および光学透明接着剤などの製造の際、離型用基材フィルムとして好適に使用することができる。

Description

本発明は、ポリエステルフィルムおよびその製造方法に関するものである。
ポリエステルフィルム(Polyester film)は、低温から高温に至る広い温度範囲で物性安定性に優れ、他の高分子樹脂に比べて耐化学性に優れる。また、機械的強度、表面特性、厚さの均一性が良好で多様な用途に適用が可能である。よって、ポリエステルフィルムは、コンデンサ、写真フィルム、ラベル、感圧テープ、装飾用ラミネート、トランスファーテープ、偏光板、およびセラミック離型用グリーンシートなどに適用されており、その需要が次第に増大している。
このうち、電子材料用フィルムの場合、最近、光学市場の沈滞に伴い、競争が深化していて、より高い水準の物性と費用の節減が要求されている。
電子機器の小型化傾向につれて、コンデンサおよびインダクタなどの電子部品も小型化されており、セラミックグリーンシート自体も薄膜化されている。最近は、前記セラミックグリーンシートを薄膜として製造して、同じボリューム内により多くのセラミック層を積層することが、主要なイッシューとして浮び上がっている。
前記セラミックグリーンシートは、ポリエステルフィルムの表面に形成されたシリコーン離型層の上に、セラミックスラリーを塗布して製造した、薄膜のセラミックシートである。セラミックコンデンサなどを製造する過程で、前記ポリエステルフィルムは除去される。
一般に前記ポリエステルフィルムには、表面粗さの調節のための粒子が添加される。しかし、前記ポリエステルフィルムの表面粗さが高い場合は、フィルム自体の走行性と巻取性などは満足させることができるが、前記ポリエステルフィルムの表面に突出した粒子の突出形態が、前記シリコーン離型層上に転写されるという問題が発生する。前記転写問題は、前記ポリエステルフィルム上に積層されるセラミック層のコーティングの不均衡およびピンホールの発生を誘発するなど、加工性の低下につながる。
逆に、前記ポリエステルフィルムの表面粗さを低める場合は、前記ポリエステルフィルム上にセラミックスラリーを塗布する際、塗布安定性、フィルムの走行性および巻取性が低下し、ロールに巻き取る時、フォームロール抜け現象などが発生することがある。また、前記ポリエステルフィルムの表面にシリコーン離型層を塗布する過程で、フィルムの表面にスクラッチなどの欠陥が発生しうる。
したがって、前記問題点を解消することができるとともに優れた物性を有するポリエステルフィルムに対する要求が大きくなっている。
本発明は、低い表面粗さを有しながらも走行性と巻取性に優れた、ポリエステル離型フィルム用基材フィルムであるポリエステルフィルムを提供するためのものである。
そして、本発明は、前記ポリエステルフィルムの製造方法を提供するためのものである。
本発明の一実施形態によれば、ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物の溶融物を、外周面に凹凸パターンが形成されたインプリントロール上に供給して、前記凹凸パターンに対応する表面凹凸を有する未延伸フィルムを得る段階を含む、ポリエステルフィルムの製造方法が提供される。
発明の一態様で、前記インプリントロール上に供給される溶融物は、200℃~300℃の温度を有することができる。
発明の一態様で、前記インプリントロールは、25℃~130℃の外部表面温度を有すしうる。
発明の一態様で、前記インプリントロール上に供給された前記溶融物は、前記インプリントロールによってキャスティングと同時にインプリンティングされる。
発明の一態様で、前記インプリントロール上に供給された前記溶融物は、前記インプリントロールと、これに隣接したニップロールとの間のギャップを通過することができる。
発明の一態様で、前記ニップロールは、25℃~130℃の外部表面温度を有しうる。
発明の一態様で、前記インプリントロールの外周面上に形成されている前記凹凸パターンは、5μm~100μmの凹部の深さおよび10μm~100μmの凹部の周期を有しうる。
発明の一態様で、前記インプリントロールの外周面上に形成されている前記凹凸パターンは、アーク(弓状;arc)を含む断面形状または一つ以上の内角を含む断面形状を有しうる。
発明の一態様で、前記表面凹凸を有する未延伸フィルムを一軸または二軸に延伸する段階をさらに含むことができる。
発明の一態様で、前記延伸は、前記未延伸フィルムの機械方向(MD)、または機械方向(MD)及び横方向(TD)に、それぞれ2倍~6倍に延伸することであってもよい。
本発明の他の一実施形態によれば、一面上に表面凹凸が形成されており、JIS B-0601:1994の規格による7.0nm以上の中心線平均粗さ(Ra)を有する、ポリエステルフィルムが提供される。
発明の一態様で、前記表面凹凸は、0.1μm~50μmの凸部高さおよび50μm~400μmの凸部の周期を有することができる。
発明の一態様で、前記表面凹凸は、アーク(弓状;arc)を含む断面形状を有することができる。
発明の一態様で、前記ポリエステルフィルムは、ASTM-D-1894の規格の試験法による0.40以下の静摩擦係数(μS)および0.40以下の動摩擦係数(μD)を有しうる。
以下、本発明の実施形態によるポリエステルフィルムおよびその製造方法について、より詳しく説明する。
本明細書で、別途に定義されない限り、全ての技術的用語および科学的用語は、本発明の属する通常の技術者によって一般に理解される意味と同一の意味を有する。本発明で説明に使用される用語は、単に特定具体例を効果的に記述するためであり、本発明を制限することを意図しない。
本明細書で使用される単数形態は、文言がこれと明確に反する意味を示さない限り、複数形態も含む。
本明細書で使用される“含む”の意味は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素および/または成分を具体化するのであり、他の特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素、成分および/または群の存在や付加を除外させるのではない。
本発明は多様な変更を加えることができ様々の形態を有することができるので、特定実施形態を例示して下記に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするのではなく、前記思想および技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解されなければならない。
本明細書で、例えば‘~上に’、‘~上部に’、‘~下部に’、‘~そばに’などで二つの部分の位置関係が説明される場合、‘直ちに’または‘直接’という表現が使用されない限り、二つの部分の間に一つ以上の他の部分が配置されてもよい。
本明細書で、例えば‘~後に’、‘~に次いで’、‘~次に’、‘~前に’などで時間的前後関係が説明される場合、‘直ちに’または‘直接’という表現が使用されない限り、連続的でない場合も含むことができる。
本明細書で、“少なくとも一つ”の用語は、一つ以上の関連項目から提示可能な全ての組み合わせを含むと理解されなければならない。
I.ポリエステルフィルムの製造方法
発明の一実施形態によれば、ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物の溶融物を、外周面に凹凸パターンが形成されたインプリントロール上に供給して、前記凹凸パターンに対応する表面凹凸を有する未延伸フィルムを得る段階を含む、ポリエステルフィルムの製造方法が提供される。
一般に、ポリエステルフィルムには、表面粗さの調節のための粒子が添加される。前記粒子は、ポリエステル表面に突出して表面粗さを高める。前記粒子の添加で表面粗さが高まったポリエステルフィルムは、優れた走行性と巻取性を示すことができる。しかし、前記ポリエステルフィルムの表面に突出した粒子の突出形態が離型フィルム上に転写され、このような転写の問題は、前記ポリエステルフィルム上に積層される、他の層のコーティングの不均衡およびピンホールの発生を誘発するなど、加工性の低下につながる。
しかし、本発明者の研究の結果、ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物の溶融物を、外周面に凹凸パターンが形成されたインプリントロール上に供給して、前記凹凸パターンに対応する表面凹凸を有する未延伸フィルムを得て、これを延伸することによって、低い表面粗さを有しながらも走行性と巻取性に優れたポリエステルフィルムを提供することができるのが確認された。
前記実施形態の製造方法によって提供されるポリエステルフィルムは、前記インプリントロールによって形成された表面凹凸を有する。即ち、前記実施形態によるポリエステルフィルムの製造方法では、従来の粒子添加による表面粗さの調節方法と異なり、前記インプリントロールを用いてフィルムの一面に表面凹凸を形成することによって、粒子を含まなくても適切な表面粗さの付与が可能である。それにより、前記実施形態の製造方法を通じて、従来の粒子突出による前述の問題点を解消することができる。さらに、前記実施形態の製造方法によって提供されるポリエステルフィルムは、一面に形成された前記表面凹凸による、優れた走行性と巻取性を示しうる。
このような特性を有するポリエステルフィルムは、高平滑用マルチレイヤーセラミックコンデンサ(MLCC)、偏光板、および光学透明接着剤などの製造時、離型用基材フィルムとして好適に使用することができる。
発明の一態様で、前記樹脂組成物はポリエステル樹脂を含む。
前記樹脂組成物には、互いに異なる組成を有する2種以上のポリエステル樹脂が含まれてもよい。
選択的に、前記樹脂組成物には、本発明の属する技術分野における通常使用される添加剤、例えば、ピニング剤(pinning agent)、帯電防止剤、紫外線安定剤、防水剤、スリップ剤、熱安定剤などが添加されてもよい。
そして、前記樹脂組成物には、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、高陵土および硫酸バリウムのような無機粒子;シリコーン樹脂、架橋ジビニルベンゼンポリメタクリレート、架橋ポリメタクリレート、架橋ポリスチレン樹脂、ベンゾグアナミン-ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン-メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂などからなる有機粒子;またはこれらの混合物がさらに添加されてもよい。
前記添加剤と粒子は、前記ポリエステル樹脂の重合時に添加されるか、ポリエステル樹脂を含むマスター配置チップの製造時に添加されるか、前記樹脂組成物の準備時に添加されてもよい。
発明の一態様で、前記ポリエステル樹脂の種類は特に制限されない。
前記ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸を主成分とする酸成分と、アルキレングリコールを主成分とするグリコール成分とを縮重合して得ることができる。
前記ジカルボン酸としては、テレフタル酸またはそのアルキルエステルやフェニルエステルなどを使用することができる。この他に、前記酸成分として、イソフタル酸、エチルパラベン、アジピン酸、セバシン酸、および5-ナトリウムスルホイソフタル酸といった二官能性カルボン酸またはそのエステル形成誘導体を使用することができる。
前記グリコール成分としては、エチレングリコールを主に使用することができ、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-ビスオキシエトキシベンゼン、ビスフェノール、ポリオキシエチレングリコールなどを共に使用することができる。
非制限的な例として、前記ポリエステル樹脂は、ジエチレングリコールとエチレングリコールを5:5のモル比で含む50モル%のグリコール成分、およびテレフタル酸とスルホテレフタル酸を8.5:1.5のモル比で含む50モル%の酸成分を縮重合して得ることができる。
好ましくは、前記ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどを使用することができる。
前記ポリエステル樹脂は、40,000g/mol~70,000g/molの重量平均分子量を有することが、前記ポリエステルフィルムが適切な耐溶剤性および機械的物性を有するようにするのに有利である。好ましくは、前記ポリエステル樹脂の重量平均分子量は40,000g/mol~70,000g/mol、あるいは45,000g/mol~65,000g/mol、あるいは50,000g/mol~60,000g/molであってもよい。
本明細書で、重量平均分子量は、GPC法によって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。前記GPC法によって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を測定する過程では、通常知られた分析装置と示差屈折率検出器(refractive index detector)などの検出器および分析用カラムを使用することができ、通常適用される温度条件、溶媒、流速(flow rate)を適用することができる。
前記測定条件の具体的な例として、高分子樹脂は1.0(w/w)% in THF(固形分基準約0.5(w/w)%)の濃度になるようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解させて、0.45μm孔径(pore size)のシリンジフィルター(syringe filter)を用いてろ過した後、GPCに20μLを注入し、GPCの移動相はテトラヒドロフラン(THF)を使用し、1.0mL/分の流速で流入し、カラムはAgilent PLgel 5μm Guard(7.5×50mm)一つと、Agilent PLgel 5μm Mixed D(7.5×300mm)二つを直列に連結し、検出器としてはAgilent 1260 Infinity II System、RI検出器(RI Detector)を用いて40℃で測定することができる。これを、テトラヒドロフランに0.1(w/w)%濃度で下記のように多様な分子量を有するポリスチレンを溶解させたポリスチレン標準品試料(STD A、B、C、D)を0.45μm孔径(pore size)のシリンジフィルター(syringe filter)でろ過した後、GPCに注入して形成された検定曲線を用いて高分子樹脂の重量平均分子量(Mw)値を求めることができる。
STD A(Mp):791,000/27,810/945
STD B(Mp):282,000/10,700/580
STD C(Mp):126,000/4,430/370
STD D(Mp):51,200/1,920/162
前記ポリエステル樹脂を含む前記樹脂組成物は、溶融押出機で加熱されて200℃~300℃の温度を有する溶融物を形成する。
図1を参照すれば、前記ポリエステル樹脂を含む前記樹脂組成物の溶融物は、前記溶融押出機の一方の側の端部に備えられたTダイ10を通じて、連続的に押し出される。
Tダイ10から押し出された前記溶融物は、外周面に凹凸パターン(a concave-convex pattern)が形成されたインプリントロール20上に供給される。
前記インプリントロール20上に供給された前記溶融物は、冷却と共にフィルム加工される。即ち、前記インプリントロール20上に供給された前記溶融物は、前記インプリントロール20によってキャスティングと同時にインプリンティングされる。
前記インプリントロール20は、その外周面に反復的且つ連続的な凹部(concave portion)と凸部(convex portion)からなる凹凸パターンが形成されている。したがって、前記フィルム加工によって、前記凹凸パターンに対応する表面凹凸を有する未延伸フィルム100が得られる。前記溶融物に対するフィルム加工と表面凹凸の付与とは同時に、そして連続的に行われる。
前記インプリントロール20の外周面に形成されている前記凹凸パターンは、アーク(弓状;arc)を含む断面形状を有することができる。即ち、前記凹凸パターンは、その断面が内角を有しない弧、円弧といった丸い形状を有することができる。
また、前記インプリントロール20の外周面に形成されている前記凹凸パターンは、一つ以上の内角を含む断面形状を有することができる。ここで、前記内角は二つ以上の直線が連結されて前記凹凸パターンの断面で成す角度を意味する。例えば、前記内角が一つである場合、三角断面を意味し、前記内角が二つである場合、四角断面を意味する。好ましくは、前記凹凸パターンは、一つ~五つの内角を含む断面形状を有することができる。
非制限的な例として、前記インプリントロールの外周面に形成されている前記凹凸パターンは円錐、三角錐、または四角錐の形態の凹部を有することができ、このとき、前記凹凸パターンの凹部は三角断面を有する。
発明の一態様で、前記インプリントロール20の外周面に形成されている前記凹凸パターンは、5μm~100μmの凹部の深さ、および10μm~100μmの凹部の周期を有することができる。
前記凹部の深さは、前記インプリントロール20の外周面から、前記凹部の最も深い地点までの垂直距離を意味する。前記凹部の周期は、任意の凹部のある一地点と、これと隣接した他の凹部の対応地点とを結ぶ弧の長さを意味する。
好ましくは、前記インプリントロール20の外周面に形成されている前記凹凸パターンは、5μm~50μm、あるいは5μm~20μmの凹部深さ;および10μm~70μm、あるいは30μm~60μmの凹部周期を有することができる。
好ましくは、前記凹部周期(T)対前記凹部深さ(D)の比率(T:D)は、1:0.1~1:2、あるいは1:0.1~1:1.5、あるいは1:0.15~1:1、あるいは1:0.15~1:0.5であってもよい。
前記凹凸パターンで、前記凹部周期(T)を基準にして前記凹部深さ(D)が大きくなる場合、前記樹脂組成物の溶融物が凹凸パターン内に浸透しにくいため、均一な表面凹凸を得ることができない。したがって、前記比率(T:D)は1:2以下であるのが好ましい。
但し、前記周期(T)を基準にして前記凹部深さ(D)が過度に小さい場合、未延伸フィルム上に形成された表面凹凸の高さが低く、前記未延伸フィルムに対する延伸工程を経るにつれて表面凹凸の高さがさらに低くなることで適切な表面粗さを有しにくいのでありうる。したがって、前記比率(T:D)は1:0.1以上であるのが好ましい。
一方、前記インプリントロール20上に供給される前記溶融物は、200℃~300℃の温度を有することが好ましい。
即ち、前記樹脂組成物が、溶融状態で十分な加工性を維持することができるようにするために、前記溶融物は200℃以上の温度を有することが好ましい。但し、前記樹脂組成物が過度に高い温度で加熱される場合、構成成分が劣化によって変成されうるのであり、前記インプリントロール20で前記溶融物の冷却効率が低下しうる。したがって、前記溶融物は300℃以下の温度を有することが好ましい。
特に、前記インプリントロール20は、25℃~130℃の外部表面温度を有することが好ましい。具体的に、前記インプリントロール20は、25℃~130℃、あるいは25℃~100℃、あるいは30℃~100℃、あるいは30℃~80℃の外部表面温度を有することができる。
ポリエステル樹脂(特に、ポリエチレンテレフタレート)は、加熱するほど結晶化度が高まる。しかし、前記結晶化度が過度に高まる場合、延伸工程にて破断率が高まりうる。したがって、前記インプリントロール20の外部表面温度は、130℃以下、あるいは100℃以下、あるいは80℃以下であることが好ましい。
但し、過度に低い温度で前記溶融物を加工する場合、前記溶融物上に凹凸パターンが適切に形成されないのでありうる。したがって、前記インプリントロール20の外部表面温度は25℃以上、あるいは30℃以上であることが好ましい。
図2を参照すれば、前記インプリントロール20上に供給される前記溶融物は、前記インプリントロール20と、これに隣接したニップロール30との間のギャップ(ニップともいう)を通過することができる。これによって、均一な厚さと均一な凹凸パターンが形成された未延伸フィルムが得られる。
前記ギャップの大きさは、ポリエステルフィルムの厚さなどを考慮して決定される。例えば、前記ギャップの大きさは200μm~2,000μmであってもよい。
前記インプリントロール20とニップロール30を用いたフィルム工程が、より効率的に行われるようにするために、前記ニップロール30の材質は、金属またはポリマーであることが好ましい。
ここで重要なことは、前記ニップロール30によって前記インプリントロール20に付与される圧力である。前記ニップロール30によって一定の圧力が加えられることによって、前記溶融物は、前記インプリントロール20に形成されている凹凸パターンの内部に浸透するようになり、冷却されて前記凹凸パターンに対応する表面凹凸を有する未延伸フィルムを形成することができる。
好ましくは、前記ニップロール30によって前記インプリントロール20に付与される圧力は、1kgf/cm2~100kgf/cm2あるいは1kgf/cm2~50kgf/cm2であってもよい。前記溶融物が、前記インプリントロール20の凹凸パターンの内部に、よく浸透できるようにするために、前記ニップロール30によって、前記インプリントロール20に付与される圧力は1kgf/cm2以上であることが好ましい。但し、前記圧力が過度に大きい場合、前記ギャップを通過する前記溶融物の厚さの制御が難しいのでありうる。したがって、前記ニップロール30によって前記インプリントロール20に付与される圧力は、100kgf/cm2以下、あるいは50kgf/cm2以下であることが好ましい。
前記ニップロール30は、前記インプリントロール20と同等な程度の外部表面温度を有することが、向上した加工性の確保のために好ましい。例えば、前記ニップロール30は、25℃~130℃、あるいは25℃~100℃、あるいは30℃~100℃、あるいは30℃~80℃の外部表面温度を有することができる。
一方、発明の他の一態様によれば、図3のように、外周面に凹凸パターンが形成されたインプリントニップロール35を用いて、前記凹凸パターンに対応する表面凹凸を有する未延伸フィルムを得る段階を行うことができる。
具体的に、ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物の溶融物をキャスティングロール25上に供給する段階;前記溶融物を、前記キャスティングロール25と、前記キャスティングロール25に隣接し外周面に凹凸パターンが形成されたインプリントニップロール35との間のギャップを通過させて、前記凹凸パターンに対応する表面凹凸を有する未延伸フィルムを得る段階を行うことができる。
ここで、前記インプリントニップロール35の外周面に形成された凹凸パターンに関する説明は、前述のインプリントロール20の外周面に形成された凹凸パターンに関する説明で代える。
一方、前述の方法によって、前記凹凸パターンに対応する表面凹凸を有する未延伸フィルム(または‘キャスティングシート’という)が得られる。
発明の一態様で、前述の方法によって得られた前記未延伸フィルムは、その一面に、前記凹凸パターンに対応する表面凹凸を有しうる。
一般に、樹脂組成物の溶融物の粘度、凹凸パターンの密度、工程速度などによって、前記樹脂組成物の溶融物がインプリントロールの外周面に形成されている凹凸パターンを満たす比率が変わることになる。したがって、前記未延伸フィルムが有する表面凹凸の凸部高さは、前記凹凸パターンの凹部深さと比較して、同一であるか小さくてもよい。
一方、前記ポリエステルフィルムの製造方法は、前記表面凹凸を有する未延伸フィルムを、一軸延伸または二軸延伸する段階をさらに含むことができる。
前記一軸延伸は、前記未延伸フィルムの機械方向(MD、あるいは長さ方向という)または横方向(TD、あるいは幅方向という)に行うことができる。
前記二軸延伸は、前記未延伸フィルムの機械方向(MD)に延伸した後に横方向(TD)に延伸する逐次延伸;または機械方向(MD)および横方向(TD)に同時に延伸する同時延伸で行うことができる。
前記延伸は、前記未延伸フィルムの機械方向(MD)または機械方向(MD)と横方向(TD)に2倍~6倍で行うことができる。例えば、前記一軸延伸は、機械方向(MD)あるいは横方向(TD)に2倍~6倍で行うことができる。前記二軸延伸は、機械方向(MD)と横方向(TD)にそれぞれ2倍~6倍で行うことができる。
前記延伸段階の遂行を通じて得られる延伸フィルムは、前記未延伸フィルムと対比してその厚さが減少し、その一面に形成された前記表面凹凸の形態が変化する。
図4を参照すれば、発明の一態様で前記未延伸フィルムに対する逐次二軸延伸による表面凹凸とその断面形状の変化について分かる。前記図4で(a)は、前記凹凸パターンに対応する表面凹凸を有する未延伸フィルムを示したものである。図4の(b)のように前記未延伸フィルムに対する縦延伸の際、前記表面凹凸の凸部高さは低まり、凸部の周期が増加し、フィルムの厚さが減少する。図4の(c)のように前記縦延伸されたフィルムに対する横延伸の際、前記表面凹凸の凸部高さはさらに低まり、凸部の周期がさらに増加し、フィルムの厚さがさらに減少する。
図5は、本発明によるポリエステルフィルムの断面図であって、(a)前記未延伸フィルム100と(b)延伸されたフィルム105を示したものである。
発明の一態様で、一面に表面凹凸を有する前記未延伸フィルムの場合、前記延伸によって前記表面凹凸の凸部の周期(T)が増加し、凸部高さ(H)が減少する。
好ましくは、前記延伸によって得られた延伸フィルムは、その一面に、0.1μm~50μm、あるいは0.2μm~20μm、あるいは0.4μm~10μmの凸部高さ;および50μm~400μm、あるいは50μm~300μm、あるいは100μm~300μm、あるいは150μm~250μmの凸部の周期を有する表面凹凸を有することができる。
好ましくは、前記延伸フィルムの一面に形成されている前記表面凹凸において、前記周期(T)対前記凸部高さ(H)の比率(T:H)は、1:0.001~1:1、あるいは1:0.002~1:0.5、あるいは1:0.002~1:0.1、あるいは1:0.002~1:0.05であってもよい。
前記延伸工程の効率性を確保しながら前記延伸工程で前記フィルムの破断を防止するために、前記延伸は80℃~120℃、あるいは90℃~110℃、あるいは90℃~100℃下で行われることが好ましい。
そして、前記未延伸フィルムは、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度で前記延伸工程に提供されることが、適正水準の結晶化度を確保する側面から好ましい。好ましくは、前記延伸工程に提供される前記未延伸フィルムの温度は、80℃~120℃、あるいは90℃~110℃、あるいは90℃~100℃であってもよい。
一方、前記延伸工程後、必要によって延伸されたフィルムを熱処理および弛緩する熱処理段階をさらに行うことができる。
前記熱処理段階は、180℃~260℃、あるいは190℃~250℃、あるいは200℃~240℃の温度下で行うことができる。前記弛緩の際、弛緩率は、機械方向および横方向に対して0.1%~10%に調節することができる。
前記熱処理段階の温度が過度に低い場合、ポリエステルの結晶化度が低まって、機械的物性が低下するか、残留延伸応力を十分に解消しないことから熱収縮率が高まりうる。前記熱処理段階の温度が過度に高い場合、ポリエステルの熱分解による機械的物性が低下するか、フィルムの高温熱変形によって品質低下が発生しうる。
II.ポリエステルフィルム
発明の他の一実施形態によれば、一面上に表面凹凸が形成されており、JIS B-0601:1994の規格による7.0nm以上の中心線平均粗さ(Ra)を有する、ポリエステルフィルムが提供される。
前記ポリエステルフィルムは、前述の『I.ポリエステルフィルムの製造方法』によって得られたものであってもよい。
好ましくは、前記ポリエステルフィルムは、前記製造方法によって二軸延伸されたフィルムであってもよい。
前記ポリエステルフィルムの一面上に形成されている前記表面凹凸は、アーク(弓状;arc)を含む断面形状を有することができる。即ち、前記表面凹凸は、その断面が内角を有しない弧、円弧といった丸い形状を有しうる。
発明の一態様で、前記ポリエステルフィルムの一面上に形成されている前記表面凹凸は、0.1μm~50μmの凸部高さおよび50μm~400μmの凸部の周期を有しうる。
好ましくは、前記ポリエステルフィルムの一面上に形成されている前記表面凹凸は、0.1μm~50μm、あるいは0.2μm~20μm、あるいは0.4μm~10μmの凸部高さ;および50μm~400μm、あるいは50μm~300μm、あるいは100μm~300μm、あるいは150μm~250μmの周期を有しうる。
好ましくは、前記ポリエステルフィルムの一面に形成されている前記表面凹凸において、前記周期(T)対前記凸部高さ(H)の比率(T:H)は、1:0.001~1:1、あるいは1:0.002~1:0.5、あるいは1:0.002~1:0.1、あるいは1:0.002~1:0.05であってもよい。
前記表面凹凸で、前記周期(T)を基準にして前記凸部高さ(H)が過度に小さい場合、前記表面凹凸による適切な表面粗さを有し難いのでありうる。したがって、前記比率(T:H)は1:0.001以上であるのが好ましい。
但し、前記表面凹凸で、前記周期(T)を基準にして前記凸部高さ(H)が過度に大きい場合、前記表面凹凸による表面粗さが過度に大きくなって、前記ポリエステルフィルム上に積層される任意の層のコーティングの不均衡など加工性の低下が誘発されうる。したがって、前記比率(T:D)は1:1以下であるのが好ましい。
一面に前記表面凹凸が形成された前記ポリエステルフィルムは、低い表面粗さを有しながらも優れた走行性と巻取性を示すことができる。
発明の一態様で、前記ポリエステルフィルムは、JIS B-0601:1994の規格による7.0nm以上の中心線平均粗さ(Ra)を有することができる。好ましくは、前記ポリエステルフィルムは、JIS B-0601:1994規格による7.0nm~35.0nm、あるいは7.5nm~35.0nm、あるいは7.5nm~33.0nm、あるいは7.6nm~33.0nmの中心線平均粗さ(Ra)を有しうる。
発明の一態様で、前記ポリエステルフィルムは、ASTM-D-1894の標準試験法による0.40以下、あるいは0.35~0.40の静摩擦係数(μS);そして0.40以下、あるいは0.33~0.40の動摩擦係数(μD)を有しうる。
前記ポリエステルフィルムは、10μm~250μm、あるいは10μm~200μm、あるいは20μm~150μm、あるいは30μm~100μmの厚さを有することができる。ここで、前記厚さは、前記ポリエステルフィルムの一面に形成された表面凹凸における凸部を含んで測定した厚さを意味する。
そして、前記ポリエステルフィルムは、1.0%以下、あるいは0.1%~1.0%、あるいは0.3%~0.6%のヘイズ;そして90.0%以上、あるいは90.0%~92.0%、あるいは90.0%~91.0%の全光線透過率を有しうる。
本発明によれば、低い表面粗さを有しながらも走行性と巻取性に優れたポリエステルフィルムとその製造方法が提供される。前記ポリエステルフィルムは、マルチレイヤーセラミックコンデンサ(MLCC)、偏光板、および光学透明接着剤などの製造の際、離型用基材フィルムとして好適に使用することができる。
本発明によるポリエステルフィルムの製造方法に関する一態様を示したものである。 本発明によるポリエステルフィルムの製造方法に関する他の一態様を示したものである。 本発明によるポリエステルフィルムの製造方法に関するまた他の一態様を示したものである。 本発明によるポリエステルフィルムの製造時、未延伸フィルムに対する逐次二軸延伸による表面凹凸とその断面形状の変化を示したものである。 本発明によるポリエステルフィルムの断面図であって、(a)延伸前のポリエステルフィルムと(b)延伸後のポリエステルフィルムを示したものである。
以下、発明の理解のために好ましい実施例が提示される。しかし、下記の実施例は本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明をこれらのみに限定するのではない。
製造例1
ジエチレングリコールとエチレングリコールを5:5のモル比で含む50モル%のグリコール成分と、テレフタル酸とスルホテレフタル酸を8.5:1.5のモル比で含む50モル%の酸成分とを縮重合してポリエステル樹脂を得た。
実施例1
前記製造例1で得られたポリエステル樹脂を溶融押出機に投入して300℃の溶融物(固有粘度0.63)を形成した。前記溶融物はTダイ10を通じて連続的に押し出された。
前記溶融物はインプリントロール20上に供給された。前記インプリントロール20としては、その外周面に、50μmの凹部周期(T)および19.2μmの凹部深さ(D)を有する凹凸パターンが形成されたものを用いた。前記凹部は、前記インプリントロールの中心方向に頂点が向かう円錐の形態を有する。
前記インプリントロール20の外部表面温度は80℃で維持された。
前記溶融物は、前記インプリントロール20と、これに隣接したニップロール30との間のギャップを通過した。前記ニップロール30の外部表面温度は、80℃に維持された。前記ニップロール30によって前記インプリントロール20に付与される圧力は、50kgf/cm2に維持された。
前記溶融物は、前記ニップを通過する際に、一面に、前記インプリントロール20の凹凸パターンに対応する表面凹凸が形成された未延伸フィルムを形成した。
前記未延伸フィルムは、前記ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)以上である、90℃の温度を有する状態で延伸工程に伝達された。前記未延伸フィルムは、95℃の温度下で機械方向(MD)に2倍延伸および横方向(TD)に3倍延伸された。
前記延伸工程の後、前記延伸されたフィルムを230℃下で10秒間熱処理してポリエステルフィルムを得た。
実施例2~6および比較例1~4
下記表1に示したインプリントロール20の凹凸パターンの形態および外部表面温度、延伸条件を異にしたことを除いて、前記実施例1と同様の方法と条件の下で、実施例2~6および比較例1~4のポリエステルフィルムを得た。
Figure 2023527466000002
試験例
(1)未延伸フィルムの結晶化度:結晶化度は、測定された試料の密度(勾配管を使用、25℃で測定)を用いて、下記のような計算式で計算した。その値を前記表1に記載した。
*結晶化度=[[(試料の密度)-(100% amorphous PETの密度)]/[(理論的な100%結晶PETの密度)-(100% amorphous PETの密度)]]×100
(100% amorphous PETの密度:1.335g/cm3、理論的な100%結晶PETの密度:1.455g/cm3
(2)フィルムの厚さ:電気マイクロメータ測定器(Mahr社、Millimar-1240、ドイツ)を用いて、フィルムの幅方向に1cm間隔で五つの地点の厚さ(表面凹凸の凸部基準)を測定して、その値の平均値を算出した。
(3)フィルムの粗さ(Ra):製造されたポリエステルフィルムの全幅中、任意の中央地点を選定し、これを中心にして横5cm、縦5cm大きさに裁断して試料を準備した。2次元接触式表面粗さ測定器(KOSAKA社、SE-3300、日本)を用いてJIS B-0601:1994の規格の測定方法によって、前記試料に対するRa(中心線平均粗さ)を測定した。前記表面粗さ測定器のカットオフ(cut-off、λc)値は0.08mmと設定し、測定長さは1.50mmである。
(4)表面凹凸の形状:ミクロトーム(Microtome)装置(LEICA社、EM-UC7、ドイツ)を用いてフィルムを切断した後、その断面を光学顕微鏡(Olympus、BX51、日本)の試料台に載せて、フィルム切断面上の表面凹凸の線幅および凹部深さを測定した。
(5)ヘイズおよび全光線透過率:ASTM D-1003の規格の試験法によってフィルムのヘイズ(Haze、%)および全光線透過率(T.t、%)を測定した。ヘーズメーター(Haze Meter)(日本電色工業株式会社(NIPPON DENSHOKU社)、NDH-5000、日本)を準備し、当該機器のキャリブレーション(calibration)を実施した。前記機器の試料台に試料(横5cm、縦5cm)を載せ、ホルダー(holder)で試料を固定した後、開始ボタンを押して測定した。総5回測定して平均値を導出した。
(6)摩擦係数:ASTM-D-1894の標準試験法によってフィルムの静摩擦係数(μS)および動摩擦係数(μD)を測定した。
摩擦係数測定器(株式会社東洋精機製作所(Toyoseiki社)、TR-2、日本)を準備した。前記機器の測定台に試料(横20cm、縦11cm)を、シワがつかないように載せた後、スレッド(sled;横10.5cm、縦9.5cm)の背面に、前記試料を取付けた。前記スレッドをロードセル(load cell)に連結し、静摩擦係数(μS)および動摩擦係数(μD)をそれぞれ5回測定して平均値を導出した。
(7)走行性:前記動摩擦係数値でもって、下記の基準によって走行性を評価した。
*非常に良い(◎)-動摩擦係数0.35未満
*良い(○)-動摩擦係数0.35~0.40
*悪い(X)-動摩擦係数0.40超過
(8)延伸工程性:フィルムの延伸工程における破断の発生有無を基準にして延伸工程性を評価した。
*X:破断されない
*O:破断される
Figure 2023527466000003
上記表2を参照すれば、実施例のフィルムは、表面凹凸を有しない比較例1~3のフィルムに比べて高い表面粗さ値を示し、延伸工程で破断が発生せずに優れた走行性を示した。
表面凹凸を有しない比較例1~3のフィルムは、実施例のフィルムに比べて表面粗さが低くて走行性が良くないことが確認された。比較例4のフィルムは過度に低い凹部深さの表面凹凸を有して適切な表面粗さを示さず走行性が劣悪なことが確認された。
10:Tダイ
20:インプリントロール
25:キャスティングロール
30:ニップロール
35:インプリントニップロール
100:未延伸フィルム
105:延伸フィルム

Claims (14)

  1. ポリエステル樹脂を含む樹脂組成物の溶融物を外周面に凹凸パターンが形成されたインプリントロール上に供給して、前記凹凸パターンに対応する表面凹凸を有する未延伸フィルムを得る段階
    を含む、ポリエステルフィルムの製造方法。
  2. 前記インプリントロール上に供給される溶融物は、200℃~300℃の温度を有する、請求項1に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  3. 前記インプリントロールは、25℃~130℃の外部表面温度を有する、請求項1に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  4. 前記インプリントロール上に供給された前記溶融物は、前記インプリントロールによってキャスティングと同時にインプリンティングされる、請求項1に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  5. 前記インプリントロール上に供給された前記溶融物は、前記インプリントロールおよびこれに隣接したニップロールの間のギャップを通過する、請求項1に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  6. 前記ニップロールは、25℃~130℃の外部表面温度を有する、請求項5に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  7. 前記インプリントロールの外周面上に形成されている前記凹凸パターンは、5μm~100μmの凹部の深さおよび10μm~100μmの凹部の周期を有する、請求項1に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  8. 前記インプリントロールの外周面上に形成されている前記凹凸パターンは、アーク(arc)を含む断面形状または一つ以上の内角を含む断面形状を有する、請求項7に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  9. 前記表面凹凸を有する未延伸フィルムを一軸延伸または二軸延伸する段階をさらに含む、請求項1に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  10. 前記延伸は、前記未延伸フィルムの機械方向(MD)に、または機械方向(MD)と横方向(TD)に、それぞれ2倍~6倍に延伸することである、請求項9に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  11. 一面上に表面凹凸が形成されており、JIS B-0601:1994の規格による7.0nm以上の中心線平均粗さ(Ra)を有する、ポリエステルフィルム。
  12. 前記表面凹凸は、0.1μm~50μmの凸部の高さおよび50μm~400μmの凸部の周期を有する、請求項11に記載のポリエステルフィルム。
  13. 前記表面凹凸は、アーク(arc)を含む断面形状を有する、請求項12に記載のポリエステルフィルム。
  14. 前記ポリエステルフィルムは、ASTM-D-1894の規格の試験法による0.40以下の静摩擦係数(μS)および0.40以下の動摩擦係数(μD)を有する、請求項11に記載のポリエステルフィルム。
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