JP2023527220A - バイポーラフラット素子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、膨張黒鉛とバインダとを含有するコーティングを備えるバイポーラフラット素子に関し、そのコーティングはフラット導電性素子の二つの主面のうち少なくとも一方に適用される。

Description

本発明は、バイポーラフラット素子、バイポーラフラット素子を有する燃料電池又はレドックスフロー電池、及びバイポーラフラット素子の製造方法に関する。
ソフトシステム用の容量センサの製造に関しては、液体媒体中に膨張黒鉛を分散させることが既に提案されている(非特許文献1)。ソフトシステムとは、エラストマー等のように100%を超えて伸ばすことができるシステムのことである。その歪みは従来の歪みゲージでは捕捉不能であるか、困難を伴ってのみ捕捉可能なものである。従って、非特許文献1では、エラストマーや生体組織等の非伝統的なソフトマテリアルのモジュラスと同様のモジュラスを有する高変形性の導電性物質を提供することの必要性が指摘されている。膨張インターカレート黒鉛(EIG,expanded intercalated graphite)によって導電性が与えられている複合センサが提案されている。その製造には、シクロヘキサン中でEIG(硫酸のインターカレーションを用いて得られる)を超音波処理すること、シクロヘキサン中のEIGを特定のシリコーンエラストマーと混合すること、次いで、最終的な複合体中に10質量%の黒鉛含有量が得られるようにして導電性複合フィルムを成形することが含まれる。特定の試験では、黒鉛の割合を最大20質量%まで増大させているが、導電性の更なる増加は15%を超えては達成できていない。
本発明は別の問題に対処しているものであり、本発明は、燃料電池技術やレドックスフロー電池技術の分野におけるものとみなされるものである。
燃料電池(FC,fuel cell)とレドックスフロー電池(RFB,redox flow battery)はバイポーラプレートを含む。その機能は、燃料電池やレドックスフロー電池の技術分野の当業者には周知であるので、本願では更に説明しない。パイポーラプレートは非常に薄くなり得る。従って、本発明に関しては、バイポーラプレートではなくて、バイポーラフラット(平坦)素子と称する。
FCとRFBでは酸化還元反応が生じるので、金属性のパイポーラフラット素子の腐食に繋がり得る。黒鉛系のバイポーラフラット素子では、黒鉛粒子が周囲媒体によってプレートから離脱して、機械的損傷が生じる。FCやRFBの寿命を延ばすために、又は、少なくともそれに含まれるバイポーラフラット素子の寿命を延ばすために、こうした腐食や崩壊の問題に対処することが望まれている。原理的には、コーティングを適用することによって、バイポーラフラット素子をシールすることが想定される。しかしながら、ポリマー系コーティング剤等の従来のコーティング剤を用いて製造されるコーティングの多くは、あまりにも高過ぎる電気抵抗を有する。ポリマー系コーティング剤は、ほぼ完全に絶縁性のコーティングを形成することが多い。このようなコーティングをバイポーラフラット素子の表面に適用しても、意図した目的では使用不能となるため、選択肢とはならない。
バイポーラフラット素子は流れ場を有し得る。流れ場は、バイポーラフラット素子の表面上に形成されるチャネル(流路)構造であり、表面全体にわたる反応物質の均一な分布を促進する。このような流れ場は、変形成型、例えば流れ場を圧入することによって形成可能である。腐食と崩壊を防止するコーティングを変形の前に適用すること(プレコーティング)又は変形の後に適用すること(ポストコーティング)が想定される。プレコーティングの問題点は、コーティングも変形されてしまう点である。コーティングにひび割れがあってはならない。ポストコーティングでは、変形した(例えば、波打った)表面に均一なシールコーティングを適用することが困難である。
まとめると、以下の課題が存在している:
‐ バイポーラフラット素子を単純に製造すること;
‐ それと同時に、特定のFCやRFBのシステム要求に従って調節可能とすること、例えば、ほぼあらゆる形状に流れ場の流路構造を形成すること;
‐ また、プロセスにおいて、FCやRFBの高効率、つまり、エネルギー効率的な動作を可能にするようにバイポーラフラット素子の表面上の十分に低い面積抵抗率(area‐specific volume resistivity)を保証すること;及び、
‐ バイポーラフラット素子の腐食や崩壊を防止して、長期間にわたってエネルギー効率的な動作を維持可能とすること。
欧州特許第1120378号明細書 米国特許第1137373号明細書 米国特許第1191383号明細書 独国特許出願公開第10003927号明細書
White et al., Adv. Mater Technol. 2017, 2, 1700072 Artur Goldschmidt, Hans-Joachim Streitberger: BASF-Handbuch Lackiertechnik. Vincentz, Hanover 2002, ISBN 3-87870-324-4
本発明は、バイポーラフラット素子を提供することによって上記課題を解決することを目的としている。
従って、本発明の目的は、FCやRFBを長期間にわたってエネルギー効率的に動作させることができ、製造が特に簡単で、わずかな労力で特定のFCやRFB用に調節可能であるバイポーラフラット素子を提供することであるとされる。
この目的は、膨張黒鉛とバインダとを含有するコーティングを備えるバイポーラフラット素子によって達成され、そのコーティングは、フラット導電性素子の二つの主面のうち少なくとも一方に適用されている。
このようなバイポーラフラット素子は、コーティングを通してフラット導電性素子中に電流を流すことができ、コーティングを通る気体や(腐食性)液体の通過を防止又は抑制する。また、コーティングは、導電性素子が周囲の腐食性流体と直接接触することを防止する。結果として、腐食の影響を受け易い導電性素子であってもFCやRFBの腐食性媒体中において使用可能となる。その理由は、コーティングが、電流に対する顕著な抵抗を生じさせずに耐腐食コーティングとして機能するからである。また、本発明に従ってコーティングされる導電性素子は、特にそれ自体が十分気密性ではなくても、コーティングによってシール(密封)されて、FCにおいてバイポーラフラット素子として使用可能となる。
フラット導電性素子は箔やプレートであり得る。箔やプレートの幾何学的形状は特に制限されず、例えば、長方形や正方形のフラット導電性素子となり得る。
フラット導電性素子は、FC及び/又はRFB用のバイポーラプレートやバイポーラフラット素子用の材料として当業者に知られているあらゆる材料製となり得る。
フラット導電性素子は金属性フラット素子であり得る。「金属性」との用語は合金を含む。金属性フラット素子は、金属箔、金属シート、金属プレート、例えば、鋼箔、ステンレス鋼箔、鋼シート、ステンレス鋼シート、鋼プレート、ステンレス鋼プレートであり得る。金属性フラット素子の厚さは、10μm~300μm、例えば、20μm~250μmとなり得る。
本発明は、流れ場を形成するためのフラット金属素子の通常の変形を不必要なものとする。その理由は、コーティングが流れ場を有することができるからである。
フラット導電性素子は、黒鉛含有フラット素子であり得る。
黒鉛含有フラット素子は膨張黒鉛を含有し得る。これは、含有されている黒鉛の全部又は一部が膨張黒鉛として存在していることを意味する。
膨張黒鉛を含有するフラット素子は、例えば黒鉛箔として既知である。黒鉛箔は、黒鉛を特定の酸で処理して、グラフェン層同士の間に酸性アニオンがインターカレートされている黒鉛塩を形成することによって製造可能である。次いで、黒鉛塩を、例えば800℃の高温に晒すことによって膨張させる。次いで、その膨張で得られた膨張黒鉛を黒鉛箔にプレスする。黒鉛箔の製造方法は、例えば、特許文献1に記載されている。
一般的に、コーティング中のバインダの質量分率は、フラット素子中のバインダの質量分率よりも高い。
膨張黒鉛製のフラット素子を単純にエンボス加工することと比較して、本発明は驚異的な利点を提供する。
膨張黒鉛製のフラット素子の従来の製造では、常に膨張黒鉛にバインダを加える必要があり、又は後でフラット素子を含浸させる必要があり、これもバインダを用いて行われ得る。これが必要な気密性を与える。しかしながら、フラット素子中に分布するバインダによって導電性が損なわれる。また、バインダを導入する追加の工程ステップが必要とされる。また、フラット素子の加工可能性、適応性、圧縮性がバインダによって悪影響を受ける。
対照的に、本発明の黒鉛を含有するフラット素子は、フラット素子の性質を変化させず、電気的接触性を改善する。コーティング(特に、その中に含有されているバインダ)は、黒鉛を含有するフラット素子の主面(好ましくは両主面)をシールし、必要な気密性を保証する。バインダがコーティング中に集中しているので、黒鉛含有フラット素子の膨張黒鉛(実質的にバインダが存在しない)が、バイポーラフラット素子の加工可能性、適応性、及び圧縮性を決める。
本発明に係る特定のバイポーラフラット素子において、導電性素子は膨張黒鉛を含有するフラット素子である。膨張黒鉛とバインダとを含有するコーティングは、膨張黒鉛を含有するフラット素子の二つの主面の各々に適用される。好ましくは、フラット素子の二つのコーティングの間に実質的にバインダが存在しない領域が存在する。実質的にバインダが存在しない領域において、バインダの質量分率は10質量%未満、好ましくは6質量%未満、例えば2質量%未満である。
バイポーラフラット素子の面積抵抗率(area‐specific volume resistivity)は、例えば、20mΩ・cm以下、好ましくは10mΩ・cm以下であり得る。
本発明に係るコーティング(例えば、二つの主面に適用されたコーティング)は、膨張黒鉛とバインダを含有する。
コーティングの厚さは、5~500μmの範囲内、好ましくは10~250μmの範囲内、例えば、20~100μmの範囲内であり得る。コーティングが両主面に適用される場合、このことが各コーティングに当てはまることが好ましい。このことは、FCやRFBの全抵抗を低く保つと同時に、耐腐食性と気密性を与えることができるという効果を有する。
コーティングが流れ場を有する場合、コーティングの最も薄い点における(例えば、流れ場の流路の領域内における)コーティングの厚さは、5~250μmの範囲内であり得る。コーティングの最も厚い点において(例えば、流れ場の流路同士の間や流路部分同士の間の領域において)コーティングはより厚く、20~500μmの範囲内の厚さを有する。本発明に係る特定のバイポーラフラット素子の場合、二つの主面に適用される二つのコーティングの各々が流れ場を有することができる。
コーティングをエンボス加工ツールで加工して、金属性フラット素子自体を変形させずにコーティング自体に流れ場をエンボス加工することによって、流れ場を有するコーティングが得られる。この特性は、エンボス加工ツールが押し込まれる領域においてコーティングの膨張黒鉛が(ほぼ)不可逆的に圧縮されることによって得られる。
本発明に係るバイポーラフラット素子において、コーティングは単層又は多層であり得る。コーティングがフラット導電性素子の両主面に適用される場合、両コーティングが単層であるか、両コーティングが多層であるか、又は、一方のコーティングが単層であり、他方のコーティングが多層であり得る。
多層コーティングでは、一つの層は隣接する他の層と異なり、一方のコーティング中の膨張黒鉛の質量分率及び/又はバインダの質量分率が他方のコーティングのものと異なり得る。バインダの質量分率は、フラット導電性素子の主面に近い層中において、同じコーティングの主面から遠い層よりも高いことが好ましい。一般的に、膨張黒鉛の質量分率は、金属素子の主面近くに位置する層中よりも同じコーティングの主面から遠い層中において高い。主面近くに適用される層が非常に良好なシールと耐腐食性を与えるとされる。基板又は金属素子の主面から遠い層は、その高い膨張黒鉛の含有量に起因して高い導電性を有する。また、金属素子の主面から遠い層は、圧縮可能な膨張黒鉛の割合が高いので良好に流れ場を成形することができる。
従って、本発明の更なる主題は、互いに隣接する第一層及び第二層を備える多層コーティングを有するバイポーラフラット素子であり、両層が膨張黒鉛とバインダを含有し、第一層中のバインダの質量分率が第二層中のものよりも高く、第二層中の膨張黒鉛の質量分率が第一層中のものよりも高い。バイポーラフラット素子は、フラット金属素子の二つの主面のうち少なくとも一方(好ましくは両主面)上に多層コーティングを備える。
少なくとも、フラット導電性素子の主面から遠い方の第二層は、比Qが0.25以上であるコーティング剤を用いて形成可能である。フラット導電性素子の主面に近い方の第一層も、本発明に従って比Qが0.25以上であるコーティング剤を用いて形成可能である。第二層を形成するのに用いられるコーティング剤のQが第一層を形成するのに用いられるコーティング剤のQよりも高くなるようにする点に注意されたい。代わりに、本発明に従うものではない比Qが0.25未満であるコーティング剤を第一層の形成用のコーティング剤として用いることもできる。
少なくとも一つのコーティングにおいて、膨張黒鉛を備える領域が有するコーティングの表面に平行な平均長さは、その平均厚さの二倍以上、特に四倍以上、好ましくは六倍以上、例えば、八倍以上となり得る。コーティングが流れ場を有する場合、その平均長さ対平均厚さの関係は、少なくともコーティングの特に薄い領域において保持される。平均厚さはコーティングの表面に対して垂直に測定される。本開示のコーティング剤をフラット導電性素子に適用する場合、その厚さを圧縮によって大幅に低減することができる。このことは、表面全体にわたって又は局所的にのみ行われ得る。例えば、厚さ200μmで適用されたコーティング剤から初めて、深さ100μmの流路を有する流れ場をエンボス加工ツールを用いて形成することができる。このことは、特に流路の領域において、膨張黒鉛を備えるコーティングの領域の極力な圧縮をもたらす。圧縮はコーティングの表面に実質的に垂直なもののみである。
平均長さと厚さを求めるため、コーティングと、その主面にコーティングが適用されているフラット導電性素子を切断し、膨張黒鉛を備える領域の平均長さと平均厚さをその切断面において顕微鏡で求める。切断面は糸鋸を用いて形成可能であり、その後研磨される。集束イオンビーム(FIB)を用いて、準備中にコーティング構造を破壊又は改変しないようにすることもできる。その後、コーティングの切断面を顕微鏡で分析する。
一つのコーティングにおいて、以下の式を用いる計算される比Qが0.25以上である:
=mSG/mSR
式中、
SGは、コーティングに含まれる膨張黒鉛の質量を表し、
SRは、コーティングに含まれる不揮発性コーティング成分の質量を表す。
に特に上限は無い。何故ならば、比較的厚いコーティングでは、膨張黒鉛を非常に高い割合で用いても腐食を防止する気密コーティングを生成することができるからである。好ましくはQは0.97以下である。Qは0.25~0.94の範囲内、好ましくは0.30~0.90の範囲内、特に好ましくは0.30~0.80の範囲内となり得る。
コーティングはバインダを含有する。コーティングを十分気密に導電性素子上に形成することができる及び/又はコーティングを有さない場合よりも周囲の腐食性媒体による導電性素子の腐食を遅らせることができるあらゆるバインダが適している。
バインダは、例えば、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を備え得る。熱可塑性樹脂は加工が簡単であり、熱変形性である。熱可塑性樹脂を含有するコーティングは、例えばホットカレンダー加工によって整形可能である。コーティングがバインダとして熱硬化性樹脂を含有する場合、特に高い耐熱性が得られる。このようなコーティングを有するバイポーラフラット素子は、例えば、180℃の典型的な動作温度における高温PEM燃料電池において使用可能である。
例えば、バインダは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンスルファイド、フルオロポリマー、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、及び/又はポリエステル樹脂を備え得る。
フルオロポリマーはその特に高い耐腐食性のために好ましい。適切なフルオロポリマーとして、ポリフッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、エチレン‐テトラフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリテトラフルオロエチレンが挙げられる。ポリフッ化ビニリデン‐ヘキサフルオロプロピレンコポリマーが特に適したフルオロポリマーであることが確かめられている。
バインダは、部分Rを有するシリコン化合物を備え得て、
Rは、‐Si(OR)(OR)(OR)、‐O‐Si(OR)(OR)(R)、又は、‐O‐Si(OR)(OR)(OR)を表し、
、R、Rはそれぞれ炭素原子を介して結合した部分である。
、R、Rは、好ましくはヒドロカルビル、アルコキシヒドロカルビル、又はポリアルコキシヒドロカルビルを表し、特に好ましくはアルキル、アルコキシアルキル、又はポリアルコキシアルキルを表し、最も好ましくはC~C18のアルキルを表し、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシルを表し、この中ではメチルが特に好ましい。
シリコン化合物はポリマーシリコン化合物であり得る。この場合、シリコン化合物は、複数の部分Rを有するポリマー鎖を備え得る。
本発明に係るバイポーラフラット素子は、フラット導電性素子にコーティング剤を適用することによって得られるものであり、そのコーティング剤は膨張黒鉛とバインダを含有する。
コーティング剤の残留乾燥質量に対するコーティング剤中に存在する膨張黒鉛の質量の比Qは好ましくは0.25以上である。従って、比Qを以下の式を用いて計算することができる:
=mBG/mBR
式中、
BGは、コーティング剤に含まれる膨張黒鉛の質量を表し、
BRは、コーティング剤の残留乾燥質量を表す。
比Qは0.25以上となり得る。Qに特に上限は無い。何故ならば、比較的厚いコーティングでは、膨張黒鉛を非常に高い割合で用いても腐食を防止するシールコーティングを生成することができるからである。好ましくはQは0.97以下である。特に、Qは0.25~0.94の範囲内、好ましくは0.30~0.90の範囲内、特に好ましくは0.30~0.80の範囲内となり得る。
比Qが、本発明に係るコーティング剤が生成される組成に因らない場合には、以下のようにしてQを求めることができる:
コーティング剤の同じ質量の二つのサンプルを取る。
一つ目のサンプルから蒸発によって全ての揮発性成分を除去する。温度を可能な限り低く保ち、含有されているバインダが分解し始めないようにする。特に、N,N‐ジメチルホルムアミド(DMF)やN‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)等の比較的高沸点であるが揮発性の希釈剤がコーティング剤中に存在する場合には、減圧下において、例えば、高真空下において蒸発が生じる。特定の希釈剤と共に共沸混合物を形成する溶媒(例えばDMFの場合には、n‐ヘプタンやエチルベンゼン)を加えることによって、特定の残留希釈剤の完全な蒸発を促進させることができる。次いで、一つ目のサンプルの残留乾燥質量を計量によって求める。揮発性バインダ成分が含まれる場合には、一つ目のサンプルの手順は上述のとおりであるが、バインダが事前に又は蒸発中に硬化する。従って、その残留乾燥質量BRは、コーティング剤中に含まれる不揮発性コーティング剤成分(バインダと膨張黒鉛を含む)の質量である。残留乾燥質量と同様にして、コーティングに含まれる不揮発性コーティング成分の質量も求められ、まずはコーティングを剥がす。剥がすことは、機械的に、又は例えば揮発性溶媒を用いて行われ得る。
二つ目のサンプルから濾過によって膨張黒鉛を分離する。膨張黒鉛の濾過ケーキを溶媒で洗浄して、残留バインダ成分が存在しないようにし、次いで得られた膨張黒鉛を乾燥させて、その質量を計量によってmBGとして求める。
次いで、二つ目のサンプルから分離された膨張黒鉛の質量mBGを、一つ目のサンプルから求められた残量乾燥質量mBRで割ることによって、Qが計算される。
コーティング剤はコーティングを形成するのに適している。コーティングは導電性である。「導電性」との用語は、コーティングを介する電気伝導に関する。その理由は、バイポーラフラット素子では、コーティングを介する電気伝導が存在し、バイポーラフラット素子の面積抵抗率(area‐specific volume resistance)がFCやRFBの経済的な動作のために十分に低くなるようにすることが重要だからである。
コーティング剤は膨張黒鉛を含有する。膨張黒鉛(expanded graphite)は剥離黒鉛(exfoliated graphite)や膨張性黒鉛(expandable graphite)とも称される。膨張黒鉛の生成方法は例えば特許文献2や特許文献3に記載されている。膨張黒鉛は、黒鉛を特定の酸で処理し、グラフェン層同士の間にインターカレートされた酸性アニオンを有する黒鉛塩を形成することによって生成可能であることが知られている。次いで、黒鉛塩を、例えば800℃以上の高温に晒すことによって膨張させる。例えば、蠕虫構造を有する膨張黒鉛を生成するためには、一般的には、天然黒鉛等の黒鉛を硝酸や硫酸等のインターカレート剤と混合し、例えば600℃~1200℃の高温で熱処理する(特許文献4を参照)。
コーティング剤に含まれる膨張黒鉛は、典型的には、一部が機械的に剥離した膨張黒鉛である。「一部が機械的に剥離した」とは、膨張した蠕虫構造が部分的に剥がれた形態であることを意味し、その部分的な剥がれは、例えば蠕虫構造の超音波処理によって生じる。超音波処理中には部分的剥離のみが生じて、平均粒径d50がマイクロメートル範囲になる。この場合、個々のグラフェン層には分裂しない。しかしながら、別の方法で膨張した蠕虫構造を粉砕することはできる。従って、コーティング剤に含まれる膨張黒鉛は、一部が機械的に剥離している膨張黒鉛に限定されるものではない。膨張黒鉛を、例えば、平均粒径によってより詳細に記述することができるが、その平均粒径の取り扱い方法は問わない。
コーティング剤に含まれる膨張黒鉛(例えば、一部が機械的に剥離した膨張黒鉛)は、一般的には、粒子の形態で存在する。その平均粒径d50は50μm未満、より一般的には30μm未満、好ましくは25μm未満、特に好ましくは20μm未満、例えば15μm未満となり得る。平均粒径d50は以下説明するようにして求められる。小粒径が、コーティング剤を用いて形成可能なコーティングの高密度にとって好ましい。平均粒径d50がコーティング厚さと比較して小さい場合、コーティング厚さ全体にわたって広がる粒子は全く(又はほとんど)存在しない。このことは、コーティング剤でコーティングされたバイポーラフラット素子の耐腐食性と、コーティングの機械強度との両方を向上させる。結果として、流れ場についての高い設計自由度と共に、FCやRFBの特に高い安定性が得られる。所望の粒径分布が、例えば、以下の例で示すように超音波処理によって設定可能である。
本願における平均粒径d50は体積基準のものである。以下の粒径分布(体積基準分布累積Q、分布密度q)は、ISO13320-2009に従ってレーザー回折によって求められる。この目的用に、SUCELL分散ユニットとHELOS(H2295)センサユニットとを備えるSympatec社製の測定デバイスを使用することができる。
本発明に係る特定のコーティング剤は、直径が100μmを超える粒子を含有しない。直径が50μmを超える粒子が存在しないことが特に好ましい。このことは、メッシュサイズ100μm又はメッシュサイズ50μmのグリッドにコーティング剤を通すことによって当業者には実現可能である。必要であれば、コーティング剤を事前に希釈して、グリッドを通過させ易くすることができる。グリッド上の(任意で希釈させた)コーティング剤を注意深く攪拌して、小さな粒子の凝集体をばらばらにする。コーティング剤がこの粒径上限を満たす場合には、安定であり、多様な用途で使用可能であり、特定のコーティングデバイス、特にコーティング剤を噴霧するためのコーティングデバイスが有し得る例えば篩やノズル等の細孔が作業中に詰まることがない。
コーティング剤は一般的に希釈剤を含有する。典型的には、膨張黒鉛の少なくとも一部が希釈剤中に分散し、バインダの少なくとも一部が希釈剤中に分散又は溶解している。このことの効果は、特に均一なコーティング剤が提供可能であり、そのコーティング剤を用いて形成可能なコーティング中の黒鉛及びバインダの特に均一な分布がもたらされることである。窮極的には、このことが、フラット導電性素子の特に信頼性があるシールに繋がり、つまりはFCやRFBの長寿命に繋がる。更なる利点は、希釈剤の割合を注意深く選択することによって粘度をあらゆる粘度に調節可能な点である。希釈剤は水又は有機溶媒を備え得る。好ましい有機溶媒は、極性非プロトン性溶媒と芳香族溶媒である。適切な極性非プロトン性溶媒として、ケトン、Nアルキル化有機アミド、Nアルキル化有機尿素が挙げられ、ケトン、Nアルキル化環状有機アミド、Nアルキル化環状有機尿素が好ましく、例えば、アセトン、NMP、DMFである。適切な芳香族溶媒として、アルキルベンゼン、特にモノアルキルベンゼンやジアルキルベンゼンが挙げられ、好ましくはトルエンやキシレンが挙げられ、例えばトルエンを含む。上記溶媒のうちでは、1013.25mbarにおける沸点が250℃未満、特に230℃未満、例えば210℃未満であるものが好ましい。このことは、コーティング剤をフラット導電性素子に適用した後の乾燥工程を促進する。希釈剤とバインダを選択する際に、当業者は、バインダを可能限り多く希釈剤中に溶解させて、膨張黒鉛及びバインダを高い質量分率で有する低粘度コーティング剤を得ることができるようにすることができる。これによって、乾燥又は硬化中に放出される溶媒が少なくなるので、コーティングをより簡単に行うことができる。
コーティング剤は、1~35質量%、好ましくは2~25質量%、特に好ましくは2.5~20質量%の膨張黒鉛を含有し得る。これらの範囲内で安定なコーティング剤が調合可能であり、また、フラット導電性素子の主面に良好に適用可能であることが確かめられている。また、このようにして得られたコーティングは、低い電気抵抗性を有するので、非常に低い面積抵抗率(area‐specific volume resistance)を有するバイポーラフラット素子を実現可能である。
コーティング剤は分散剤を含有することが好ましい。希釈剤に応じて、コーティング剤の立体安定性、静的安定性、静電安定性をもたらす多様な分散剤が使用可能である。適切な分散剤の選択に関して、当業者は関連の専門書(例えば、非特許文献2)を参照するものである。分散剤は、カチオン性、アニオン性(例えば、アルコールエトキシサルフェート(AES))、両性イオン界面活性剤、又はポリマー分散剤であり得る。適切なポリマー分散剤は、例えば、ポリアルコキシル化合物(例えば、Tween20やTween80)や、ポリビニルピロリドン(PVP)である。また、Byk‐190やByk‐2012も適切な分散剤である。特に好ましい分散剤はPVPである。コーティング剤中において、分散剤は、コーティング剤が特に安定な分散体として存在することを保証する。特に水を希釈剤として使用する場合には、沈殿挙動が改善される。また、分散剤の量によってコーティング剤の粘度が調節可能であることが確かめられている。窮極的には、分散剤を有するコーティング剤は貯蔵及び処理に優れたものとなり得る。PVPを用いて、レーザー回折での小粒径と非常に低い粘度との両方が達成可能であることが確かめられている。他の分散剤では、これら両方のパラメータを同時に最適範囲内に調節することがやや困難であった。また、分散剤は、コーティング剤を用いて形成されたコーティングにも含まれている。本発明に係るバイポーラフラット素子において、コーティングは分散剤を含有し得て、例えば、コーティング剤に関して上述した分散剤のうちの一つを含有し得る。
また、本発明は、本発明に係るバイポーラフラット素子を有する燃料電池にも関する。
また、本発明は、本発明に係るバイポーラフラット素子を有するレドックスフロー電池にも関する。
また、本発明は、バイポーラフラット素子の製造方法にも関し、膨張黒鉛とバインダとを含有するコーティング剤をフラット導電性素子に適用する。コーティング剤は初期コーティング剤厚さで適用され得る。結果物の複合コーティングをカレンダー加工することが好ましい。カレンダー加工中に、少なくとも複合コーティングの特定の表面領域において、コーティングの厚さが、コーティング剤の初期厚さの最大限で半分にまで、好ましくは最大限で四分の一まで、例えば最大限で八分の一まで低減する。これによって、コーティングが流れ場を有するバイポーラフラット素子を特に簡単に製造することができる。
本発明を以下の例と図面によって例示するが、これらに限定されるものではない。
粒子状に存在している膨張黒鉛の粒径分布を示す。 粒子状に存在している膨張黒鉛の粒径分布を示す。

黒鉛分散水の生成
黒鉛分散水を生成するため、1.5gの分散剤(ポリビニルピロリドン(PVP))と、0.75gの安息香酸を1.4Lの希釈剤(水)に溶解させた。232.5gの膨張黒鉛をその溶液に加えて、超音波を用いて分散させた。総入力エネルギーは略4.5kWhであった。
黒鉛分散水の粒径分布を測定した。その分布は図1に示されている。
プレミックスの生成
黒鉛分散水を100℃で24時間にわたって乾燥させた。容易に(再)分散可能なプレミックスが得られた。そのプレミックスは、粒子状の膨張黒鉛と、略0.65質量%の分散剤(ポリビニルピロリドン(PVP))と、少量の安息香酸を含んでいた。
コーティング剤の生成
バインダとして、ポリフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー(PVDF/HFP)の溶液を希釈剤(アセトン)中に生成した(アセトン中の9質量%のPVDF/HFP)。その溶液をプレミックスに加えて、15分間にわたる超音波処理によってプレミックスを溶液中に再分散させた。
コーティング剤の質量分率
PVDF/HFP:7.8%
膨張黒鉛:5.2%
PVP:0.09%
少量の安息香酸
コーティング剤の粒径分布を測定し、図2に示す。
図1及び図2に示される粒径分布は、バッチセルを有する島津製作所のSALD‐7500測定装置を用いて、ISO13320‐2009に従ってレーザー回折によって測定された。
鋼のシートと箔をコーティング剤でコーティングした。
また、自立(フリースタンディング)の薄い黒鉛コーティングを生成することもできた。そのために、まずは、分離用コーティングを金属箔に適用した。次いで、コーティング剤をその金属箔に適用し、結果物のコーティングを注意深く剥がした。
本発明に係る第一のバイポーラフラット素子の製造
希釈剤(アセトン)中に5.5質量%の膨張黒鉛と、8質量%のPVDF/HFPを含有するコーティング剤を上述のようにして調製した。厚さ0.1mmの金属箔の両面をコーティング剤で厚さ略200μmにコーティングした。次いで、エンボス加工ツールを用いて、コーティングされた金属箔を200℃でエンボス加工した。結果として、エンボス加工流れ場を、金属箔を変形させずに、適用済みのコーティングに形成することができた。流路の深さは略100μmであった。
本発明に係る第二のバイポーラフラット素子の製造
厚さ0.1mmの金属箔の両面を第一コーティング剤で厚さ略100μmにコーティングした。使用した第一コーティング剤は、希釈剤(アセトン)中に5.5質量%の膨張黒鉛と、15質量%のPVDF/HFPを含有していた。次いで、第二コーティング剤を両面に厚さ略400μmで適用した。使用した第二コーティング剤は、希釈剤(アセトン)中に15質量%の膨張黒鉛と、8質量%のPVDF/HFPを含有していた。このようして多層コーティングでコーティングされた金属箔を、エンボス加工ツールを用いて200℃でエンボス加工した。結果として、エンボス加工流れ場を、金属箔を変形させずに、適用済みの多層コーティングに形成することができた。流路の深さは略350μmであった。
本発明に係る第三のバイポーラフラット素子の製造
密度0.3g/cmで厚さ2mmの黒鉛箔をコーティング剤でコーティングした。コーティング厚さは両面において100μmmであった。コーティング剤は、希釈剤(アセトン)中に5.5質量%の膨張黒鉛と、8質量%のPVDF/HFPを含有していて、上述のようにして作製されたものである。このようにしてコーティングされた黒鉛箔を、エンボス加工ツールを用いて200℃でエンボス加工した。これによって、シールされたエンボス加工パターンを形成することができた。
更なる試験で、コーティング剤がカレンダー加工可能であることが確かめられた。ドクターブレードを用いて、コーティング剤を高さ300μmで金属箔に適用した。次いで、複合コーティングをカレンダー加工することによって、コーティングをちょうど25μmの厚さに圧縮した。燃料電池とレドックスフロー電池用のバイポーラフラット素子を製造するために、本発明に係るコーティング剤を用いて金属箔と黒鉛箔を工業規模でコーティングすることが可能である。

Claims (15)

  1. 膨張黒鉛とバインダとを含むコーティングを備えるバイポーラフラット素子であって、前記コーティングがフラット導電性素子の二つの主面のうち少なくとも一方に適用されている、バイポーラフラット素子。
  2. 前記フラット導電性素子が金属性フラット素子である、請求項1に記載のバイポーラフラット素子。
  3. 前記フラット導電性素子が黒鉛含有フラット素子である、請求項1に記載のバイポーラフラット素子。
  4. 前記黒鉛含有フラット素子が膨張黒鉛を含む、請求項3に記載のバイポーラフラット素子。
  5. 前記コーティングに含まれるバインダの質量分率が、前記黒鉛含有フラット素子に含まれるバインダの質量分率よりも高い、請求項3又は4に記載のバイポーラフラット素子。
  6. 前記バイポーラフラット素子の面積抵抗率が20mΩ・cm以下である、請求項1に記載のバイポーラフラット素子。
  7. 前記バインダが熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を備える、請求項1に記載のバイポーラフラット素子。
  8. 前記バインダが、部分Rを有するシリコン化合物を備え、
    Rが、‐Si(OR)(OR)(OR)、‐O‐Si(OR)(OR)(R)、又は‐O‐Si(OR)(OR)(OR)を表し、
    、R、Rがそれぞれ炭素原子を介して結合した部分である、請求項1に記載のバイポーラフラット素子。
  9. 前記コーティングが分散剤を含む、請求項1に記載のバイポーラフラット素子。
  10. 前記コーティングの厚さが5~500μmの範囲内である、請求項1に記載のバイポーラフラット素子。
  11. 前記膨張黒鉛を含むコーティングの領域の前記コーティングの表面に平行な平均長さが、平均厚さの二倍以上である、請求項1に記載のバイポーラフラット素子。
  12. =mSG/mSRに従って計算される前記コーティングの比Qが0.25以上であり、
    SGは、前記コーティングに含まれる黒鉛の質量を表し、
    SRは、前記コーティングに含まれる不揮発性コーティング成分の質量を表す、請求項1に記載のバイポーラフラット素子。
  13. 膨張黒鉛とバインダとを含むコーティング剤をフラット導電性素子に適用することによって得られる請求項1に記載のバイポーラフラット素子。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載のバイポーラフラット素子を有する燃料電池又はレドックスフロー電池。
  15. 膨張黒鉛とバインダとを含むコーティング剤をフラット導電性素子に適用して、バイポーラフラット素子を製造する方法。
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