JP2023524408A - タンパク質ポリウレタンアロイ及びそれを含む層状材料 - Google Patents

タンパク質ポリウレタンアロイ及びそれを含む層状材料 Download PDF

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Abstract

1つ以上のポリウレタン内に溶解した1つ以上のタンパク質を含むタンパク質ポリウレタンアロイ。タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下においてポリウレタンよりも優れた1つ以上の機械的特性を有し得る。タンパク質ポリウレタンアロイは、1つ以上のタンパク質ポリウレタンアロイ層を含む層状材料に組み込まれ得る。

Description

(電子的に提出された配列表の参照)
本出願と共に提出されているASCIIテキストファイルで電子的に提出された配列表(名称:4431_068PC03_Seqlisting_ST25.txt、サイズ:4,936バイト、及び作製日:2021年4月22日)の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本開示は、ポリウレタン中に溶解された1つ以上のタンパク質を含む、タンパク質ポリウレタンアロイに関する。特定の実施形態では、この開示は、ポリウレタンの硬質相にのみ溶解した1つ以上のタンパク質を含む、タンパク質ポリウレタンアロイに関する。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリマーアロイは、天然レザーと同様の外観、感触、並びに審美的及び/又は機械的特性を有することができ、天然レザーから以前に調製された物品及び品物を作製するために使用することができる。
レザーとは、レザーが室内装飾材料として定期的に使用される家具産業、レザーがパンツ及びジャケットを製造するために使用される衣料産業、レザーがカジュアル及びドレスシューズを調製するために使用される靴産業、手荷物産業、ハンドバッグ、及びアクセサリー産業、並びに自動車産業を含む、多くの産業にわたって使用される汎用製品である。レザーに対する世界規模の貿易額は高く、レザー製品に対する継続かつ増加する需要がある。しかしながら、天然レザーの製造と関連する種々のコスト、制約、及び社会的懸念がある。何よりもまず、天然レザーは動物の皮膚から製造され、したがって家畜の飼育及び屠畜を必要とする。家畜を飼育するには、膨大な量の飼料、牧草地、水、及び化石燃料が必要であり、例えばメタンのような温室効果ガスによる大気及び水路の汚染に寄与する。レザー製造はまた、動物の処理に関連する社会的懸念を引き起こす。近年、かなり十分に立証された従来の高品質なハイドの利用可能性における減少もある。少なくともこれらの理由から、レザーの需要を満たす代替手段が望ましい。
本開示は、天然レザーの代替物として含む、様々な用途での使用に好適なタンパク質ポリウレタンアロイを提供する。
本開示の第1の実施形態(1)は、ポリウレタン内に溶解したタンパク質を含むタンパク質ポリウレタンアロイであって、タンパク質が、大豆タンパク質以外のタンパク質である、タンパク質ポリウレタンアロイを対象とする。
第2の実施形態(2)では、第1の実施形態(1)のタンパク質ポリウレタンアロイは、約-60℃~約30℃の範囲にわたる温度での動的機械分析(Dynamic Mechanical Analysis:DMA)tan(δ)ピークと、約120℃~約200℃の範囲にわたる第2のDMA弾性率遷移開始温度と、を有する。
第3の実施形態(3)では、第1の実施形態(1)又は第2の実施形態(2)のタンパク質ポリウレタンアロイは、透明である。
第4の実施形態(4)では、実施形態(1)~(3)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下においてポリウレタンのヤング率よりも約10%~約600%の範囲にわたり大きいヤング率を有する。
第5の実施形態(5)では、実施形態(1)~(3)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下においてポリウレタンのヤング率よりも約40%~約600%の範囲にわたり大きいヤング率を有する。
第6の実施形態(6)では、実施形態(1)~(5)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下においてポリウレタンのヤング率よりも約10MPa~約350MPaの範囲にわたり大きいヤング率を有する。
第7の実施形態(7)では、実施形態(1)~(5)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下においてポリウレタンのヤング率よりも約25MPa~約350MPaの範囲にわたり大きいヤング率を有する。
第8の実施形態(8)では、実施形態(1)~(5)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下においてポリウレタンのヤング率よりも約100MPa~約350MPaの範囲にわたり大きいヤング率を有する。
第9の実施形態(9)では、実施形態(1)~(8)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイは、約50MPa~約450MPaの範囲にわたるヤング率を有する。
第10の実施形態(10)では、実施形態(1)~(8)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイは、約75MPa~約450MPaの範囲にわたるヤング率を有する。
第11の実施形態(11)では、実施形態(1)~(10)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約5%~約70%の範囲にわたり大きい範囲の摂氏温度での第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する。
第12の実施形態(12)では、実施形態(1)~(10)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約15%~約70%の範囲にわたり大きい範囲の摂氏温度での第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する。
第13の実施形態(13)では、実施形態(1)~(12)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約5℃~約100℃の範囲にわたり大きい範囲の第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する。
第14の実施形態(14)では、実施形態(1)~(12)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約20℃~約80℃の範囲にわたり大きい範囲の第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する。
第15の実施形態(15)では、実施形態(1)~(12)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約40℃~約80℃の範囲にわたり大きい範囲の第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する。
第16の実施形態(16)では、実施形態(1)~(15)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイは、約130℃~約200℃の範囲にわたる第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する。
第17の実施形態(17)では、実施形態(1)~(15)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイは、約165℃~約200℃の範囲にわたる第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する。
第18の実施形態(18)では、実施形態(1)~(17)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのタンパク質は、約4~約5の範囲にわたる等電点と、約1重量%~約100重量%の範囲にわたるリジン重量パーセントと、を有する。
第19の実施形態(19)では、実施形態(1)~(18)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下における引張り強度を有し、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの引張り強度よりも約5%~約55%の範囲にわたり大きい引張り強度を有する。
第20の実施形態(20)では、実施形態(1)~(18)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下における引張り強度を有し、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの引張り強度よりも約15%~約55%の範囲にわたり大きい引張り強度を有する。
第21の実施形態(21)では、実施形態(1)~(20)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下における引張り強度を有し、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの引張り強度よりも約2MPa~約8MPaの範囲にわたり大きい引張り強度を有する。
第22の実施形態(22)では、実施形態(1)~(20)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下における引張り強度を有し、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの引張り強度よりも約5MPa~約8MPaの範囲にわたり大きい引張り強度を有する。
第23の実施形態(23)では、実施形態(1)~(22)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイは、約7MPa~約21MPaの範囲にわたる引張り強度を有する。
第24の実施形態(24)では、実施形態(1)~(23)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイは、約10重量%~約50重量%のタンパク質と、約50重量%~約90重量%のポリウレタンと、を含む。
第25の実施形態(25)では、実施形態(1)~(23)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイは、約20重量%~約35重量%のタンパク質と、約65重量%~約80重量%のポリウレタンと、を含む。
第26の実施形態(26)では、実施形態(1)~(25)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのタンパク質は、コラーゲン以外のタンパク質である。
第27の実施形態(27)では、実施形態(1)~(26)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下における水蒸気透過率を有し、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの水蒸気透過率よりも約20%~約600%の範囲にわたり大きい水蒸気透過率を有する。
第28の実施形態(28)では、実施形態(1)~(27)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下における水蒸気透過率を有し、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの水蒸気透過率よりも約30g/m/24時間~約500g/m/24時間の範囲にわたり大きい水蒸気透過率を有する。
第29の実施形態(29)では、実施形態(1)~(28)のいずれか1つに記載のタンパク質ポリウレタンアロイは、約30g/m2/24時間~約1000g/m/24時間の範囲にわたる水蒸気透過率を有する。
第30の実施形態(30)は、ポリウレタン内に溶解した大豆タンパク質を含む大豆タンパク質ポリウレタンアロイであって、大豆タンパク質ポリウレタンアロイが、約-60℃~約30℃の範囲にわたる温度での動的機械分析(DMA)tan(δ)ピークと、約130℃~約200℃の範囲にわたる第2のDMA弾性率遷移開始温度と、を有する、大豆タンパク質ポリウレタンアロイを対象とする。
第31の実施形態(31)では、第30の実施形態(30)の大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、透明である。
第32の実施形態(32)では、第30の実施形態(30)又は第31の実施形態(31)の大豆タンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、大豆タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下においてポリウレタンのヤング率よりも約60%~約570%の範囲にわたり大きいヤング率を有する。
第33の実施形態(33)では、実施形態(30)~(32)のいずれか1つに記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、大豆タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下においてポリウレタンのヤング率よりも約35MPa~約340MPaの範囲にわたり大きいヤング率を有する。
第34の実施形態(34)では、実施形態(30)~(33)のいずれか1つに記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、約90MPa~約400MPaの範囲にわたるヤング率を有する。
第35の実施形態(35)では、実施形態(30)~(34)のいずれか1つに記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、大豆タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し、大豆タンパク質ポリウレタンアロイの第2のDMA弾性率遷移開始温度は、大豆タンパク質の非存在下においてポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約15℃~約100℃高い範囲である。
第36の実施形態(36)では、実施形態(30)~(35)のいずれか1つに記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、大豆タンパク質の非存在下における引張り強度を有し、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの引張り強度よりも約10%~約45%の範囲にわたり大きい引張り強度を有する。
第37の実施形態(37)では、実施形態(30)~(36)のいずれか1つに記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、大豆タンパク質の非存在下における引張り強度を有し、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの引張り強度よりも約1.5MPa~約5.5MPaの範囲にわたり大きい引張り強度を有する。
第38の実施形態(38)では、実施形態(30)~(37)のいずれか1つに記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、約14MPa~約19MPaの範囲にわたる引張り強度を有する。
第39の実施形態(39)では、実施形態(30)~(38)のいずれか1つに記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、約10重量%~約50重量%の大豆タンパク質と、約50重量%~約90重量%のポリウレタンと、を含む。
第40の実施形態(40)では、実施形態(30)~(38)のいずれか1つに記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、約20重量%~約35重量%の大豆タンパク質と、約65重量%~約80重量%のポリウレタンと、を含む。
第41の実施形態(41)では、実施形態(30)~(40)のいずれか1つに記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下における水蒸気透過率を有し、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの水蒸気透過率よりも約20%~約600%の範囲にわたり大きい水蒸気透過率を有する。
第42の実施形態(42)では、実施形態(30)~(41)のいずれか1つに記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、タンパク質の非存在下における水蒸気透過率を有し、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの水蒸気透過率よりも約30g/m/24時間~約500g/m/24時間の範囲にわたり大きい水蒸気透過率を有する。
第43の実施形態(43)では、実施形態(30)~(42)のいずれか1つに記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、約30g/m/24時間~約1000g/m/24時間の範囲にわたる水蒸気透過率を有する。
第44の実施形態(44)では、実施形態(30)~(43)のいずれか1つに記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイのタンパク質は、大豆タンパク質単離物である。
第45の実施形態(45)では、実施形態(40)~(43)のいずれか1つに記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイのタンパク質は、化学修飾された大豆タンパク質単離物である。
本明細書に組み込まれる添付の図面は、本明細書の一部を形成し、本開示の実施形態を例示する。本明細書と合わせて、図面は更に、本開示の実施形態の原理を説明するのに役立ち、関連する分野(複数可)の当業者が本開示の実施形態を構成し使用することを可能にする。これらの図は、例示的であることを意図するものであって、限定するものではない。本開示は一般にこれらの実施形態の文脈で説明されているが、本開示の範囲をこれらの特定の実施形態に限定することを意図するものではないということを理解されたい。図面では、同様の参照番号は、同一又は機能的に類似の要素を示す。
図1は、様々な材料についての貯蔵弾性率対温度の動的機械分析(DMA)グラフである。 図2は、いくつかの実施形態による、ゼラチンポリウレタンアロイの最大引張り応力とゼラチン重量パーセントとの間の関係を示すグラフである。 図3は、いくつかの実施形態による、ゼラチンポリウレタンアロイのヤング率と、ゼラチン重量パーセントとの間の関係を示す、グラフである。 図4は、様々な材料についての貯蔵弾性率対温度のDMAグラフである。 図5は、いくつかの実施形態による、SPIポリウレタンアロイの最大引張り応力と、大豆タンパク質単離物(soy protein isolate:SPI)重量パーセントとの間の関係を示す、グラフである。 図6は、いくつかの実施形態による、SPIポリウレタンアロイのヤング率と、SPI重量パーセントとの間の関係を示す、グラフである。 図7は、様々な材料についての貯蔵弾性率対温度のDMAグラフである。 図8Aは、いくつかの実施形態による、様々なタンパク質ポリウレタンアロイの最大引張り応力を比較するグラフである。 図8Bは、いくつかの実施形態による、様々なタンパク質ポリウレタンアロイのヤング率を比較するグラフである。 図9は、いくつかの実施形態による、L3360と、ゼラチンL3360アロイとを比較する、DMAサーモグラムである。 図10は、いくつかの実施形態による、Hauthane HD-2001ポリウレタンと、ゼラチンHauthane HD-2001ポリウレタンアロイとを比較する、DMAサーモグラムである。 図11は、いくつかの実施形態による、SANCURE(商標)20025Fポリウレタンと、ゼラチンSANCURE(商標)20025Fポリウレタンアロイとを比較する、DMAサーモグラムである。 図12は、いくつかの実施形態による、IMPRANIL(登録商標)DLSポリウレタンと、ゼラチンIMPRANIL(登録商標)DLSポリウレタンアロイとを比較する、DMAサーモグラムである。 図13は、いくつかの実施形態による、BONDTHANE(商標)UD-108ポリウレタンと、ゼラチンBONDTHANE(商標)UD-108ポリウレタンアロイとを比較する、DMAサーモグラムである。 図14は、いくつかの実施形態による、BONDTHANE(商標)UD-303ポリウレタンと、ゼラチンBONDTHANE(商標)UD-303ポリウレタンアロイとを比較する、DMAサーモグラムである。 図15は、いくつかの実施形態による、BONDTHANE(商標)UD-250ポリウレタンと、ゼラチンBONDTHANE(商標)UD-250ポリウレタンアロイとを比較する、DMAサーモグラムである。 図16は、第1及び第2のDMA弾性率遷移開始温度を測定する方法論を示す、代表的なDMAグラフである。 図17は、いくつかの実施形態による層状材料を示す。 図18は、いくつかの実施形態による層状材料を示す。 図19は、いくつかの実施形態による、層状材料を作製する方法を示すブロック図である。 図20A~図20Fは、いくつかの実施形態による、層状材料を作製する方法を示す。 図20A~図20Fは、いくつかの実施形態による、層状材料を作製する方法を示す。 図20A~図20Fは、いくつかの実施形態による、層状材料を作製する方法を示す。 図20A~図20Fは、いくつかの実施形態による、層状材料を作製する方法を示す。 図20A~図20Fは、いくつかの実施形態による、層状材料を作製する方法を示す。 図20A~図20Fは、いくつかの実施形態による、層状材料を作製する方法を示す。 図21は、いくつかの実施形態によるスペーサ布を示す。 図22は、いくつかの実施形態による、IMPRAPERM(登録商標)DL 5249ポリウレタンと、大豆タンパク質単離物IMPRAPERM(登録商標)DL 5249アロイとを比較する、DMAサーモグラムである。 図23は、いくつかの実施形態による、多層タンパク質ポリウレタンアロイについての重量変化対時間として、構築物を通して輸送された水の重量を測定するグラフである。
不定冠詞「a」、「an」、及び「the」は、明らかに矛盾しない限り、又は文脈において別途明確に規定されていない限り、複数の指示対象を含む。
「含むこと(comprising)」という用語は、オープンエンドの移行句である。移行句「含むこと(comprising)」に続く要素のリストは、リストに具体的に列挙されたものに加えて要素が存在することができるように、非排他的リストである。「から本質的になる」という句は、構成成分の組成を特定の材料並びに構成成分の基本的及び新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。「からなる」という句は、特定の材料に構成成分の組成を限定し、特定されていないいかなる材料も除外する。
上方値及び下方値を含む数値の範囲が本明細書に列挙されている場合、特定の状況で特段明記しない限り、その範囲は、その端点、並びに範囲内の全ての整数及び分数を含むことが意図される。本開示、範囲を定義するときに列挙される特定の値に限定されることを意図するものではない。更に、量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、ある範囲、1つ以上の範囲、又は上方値と下方値とのリストとして与えられるとき、これは、そのようなペアが別々に開示されているかどうかに関係なく、任意の上方範囲限界又は値と任意の下方範囲限界又は値との任意のペアから形成される全ての範囲を具体的に開示するとして理解されるべきである。最後に、「約」という用語が、範囲の値又は端点を記載する際に使用される場合、本開示は、言及される特定の値又は端点を含むと理解されるべきである。範囲の数値又は端点が「約」を記載しているかどうかにかかわらず、範囲の数値又は端点は、「約」によって修飾されたものと、修飾されていないものとの2つの実施形態を含むことが意図されている。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、記載された値の±10%以内である値を指す。例えば、約3MPaは、2.7MPa~3.3MPaの任意の数を含み得る。
本明細書で使用される場合、第2の層「に結合した」として記載される第1の層は、2つの層間で、又は1つ以上の中間接着層を介して、直接の接触及び結合のいずれかによって、層が互いに結合していることを意味する。中間接着層は、第1の層を第2の層に結合させるのに役立つ任意の層であり得る。
本明細書で使用される場合、「上に配置された」という句は、第1の構成成分(例えば、層)が第2の構成成分と直接接触していることを意味する。第2の構成成分「の上に配置された」第1の構成成分は、第2の構成成分上に直接的に堆積され、形成され、位置され、又はそうでなければ適用され得る。言い換えれば、第1の構成成分が第2の構成成分上に配置されている場合、第1の構成成分と第2の構成成分との間に構成成分はない。
本明細書で使用される場合、「上に配置された」という句は、他の構成成分(例えば、層又は基材)が、第1の構成要素と第2の構成要素との間に存在してもよく、又は存在しなくてもよいことを意味する。
本明細書で使用される場合、「バイオ系ポリウレタン」とは、ジオール及び二酸などのポリオールの構築ブロックがコーンスターチなどの生体材料に由来する、ポリウレタンである。
本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、構成成分が、約0.1重量%を超えない検出可能な量で存在することを意味する。
本明細書で使用される場合、「含まない」という用語は、構成成分が、痕跡量でさえ、ブレンド又は材料(例えば、タンパク質ポリウレタンアロイ)中に存在しないことを意味する。
本明細書で使用される場合、「コラーゲン」は、コラーゲン型I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIII、XIV、XV、XVI、XVII、XVIII、XIX、及びXXを含むが、これらに限定されない、少なくとも28個の別個の天然に存在するコラーゲン型のファミリーを指す。本明細書で使用されるコラーゲンという用語はまた、組換え技術を使用して調製されたコラーゲンを指す。コラーゲンという用語は、コラーゲン、コラーゲンの断片、コラーゲン様タンパク質、三重らせんコラーゲン、アルファ鎖、モノマー、ゼラチン、三量体、及びそれらの組合せを含む。コラーゲン及びコラーゲン様タンパク質の組換え発現は、当該技術分野において既知である(例えば、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、Bell、欧州特許第1232182(B1)号、Bovine collagen and method for producing recombinant gelatin;Olsen,et al.、米国特許第6,428,978号、及びVanHeerde,et al.、同第8,188,230号)特に指定しない限り、天然に存在するか、又は組換え技術を使用して調製されたかを問わず、いかなる型のコラーゲンも本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて使用することができる。つまり、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコラーゲンは、ウシI型コラーゲンを用いて調製することができる。コラーゲンは、アミノ酸の繰り返しトリプレット、-(Gly-X-Y)n-によって特徴付けられ、コラーゲン中のアミノ酸残基のうちのおよそ3分の1がグリシンである。Xは、プロリンであることが多く、Yは、ヒドロキシプロリンであることが多い。したがって、コラーゲンの構造は、長さが異なる3本の絡み合ったペプチド鎖からなる場合がある。異なる動物は、異なるアミノ酸組成のコラーゲンを生成する場合があり、これにより、異なる特性(及び得られるレザーの違い)をもたらしてもよい。
いくつかの実施形態では、コラーゲンは、水中での溶解性を促進するよう化学修飾され得る。
コラーゲン、切断型コラーゲン、非修飾若しくは翻訳後修飾、又はアミノ酸配列修飾コラーゲンの任意の型は、タンパク質ポリウレタンアロイの一部として使用することができる。
いくつかの実施形態では、コラーゲンは、植物系コラーゲンであり得る。例えば、コラーゲンは、CollPlantによって作製された植物系コラーゲンであり得る。
いくつかの実施形態では、コラーゲン溶液は、コラーゲン細線維にフィブリル化され得る。本明細書で使用される場合、コラーゲン細線維は、トロポコラーゲン又はトロポコラーゲン様構造(三重らせん構造を有する)から構成されるナノファイバーを指す。いくつかの実施形態では、三重らせんコラーゲンは、コラーゲンのナノフィブリルを形成するためにフィブリル化され得る。
いくつかの実施形態では、組換えコラーゲンは、トロポコラーゲン(三量体コラーゲン)を形成することができる天然コラーゲン分子のアミノ酸配列のコラーゲン断片を含み得る。組換えコラーゲンはまた、天然コラーゲンアミノ酸配列(又はそのフィブリル形成領域、又は[Gly-X-Y]nを実質的に含むセグメントに)と少なくとも70、80、90、95、96、97、98、又は99%の同一又は類似のアミノ酸配列を有する修飾コラーゲン又は切断型コラーゲンを含み得る。いくつかの実施形態では、コラーゲン断片は、天然コラーゲンの50kDa部分であり得る。天然コラーゲン配列には、参照により組み込まれるアクセッション番号NP_001029211.1、NP_776945.1、及びNP_001070299.1によって記載される、CollAl、CollA2、及びCol3Alのアミノ酸配列が含まれる。いくつかの実施形態では、コラーゲン断片は、ヒトコラーゲンアルファ-1(III)(Col3A1、Uniprot#P02461、Entrez Gene ID#1281)の一部であり得る。いくつかの実施形態では、コラーゲン断片は、配列番号1として列挙されるアミノ酸配列を含み得る。
組換えコラーゲン及び組換えコラーゲン断片を生成する方法は、当該技術分野で既知である。例えば、米国仮特許出願第2019/0002893号、同第2019/0040400号、同第2019/0093116号、及び同第2019/0092838号は、本明細書に開示される組換えコラーゲン及び組換えコラーゲン断片を生成するために使用され得る、コラーゲン及びコラーゲン断片を生成するための方法を提供する。これらの4つの刊行物の内容物は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイは、ポリウレタンの複数の相のうちの1つのみと混和性であるタンパク質、又はそれがブレンドされる複数のポリウレタンを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、ポリウレタンの硬質相のみ、又は硬質相及び軟質相の両方を有する複数のポリウレタンと混和性である、タンパク質を含み得る。本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイは、ポリウレタン中に分散された粒子の形態でタンパク質を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有するタンパク質粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有する大豆タンパク質粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有するコラーゲン粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有するゼラチン粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有するウシ血清アルブミン粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有するエンドウ豆タンパク質粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有する卵白アルブミン粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有するカゼインタンパク質粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有するピーナッツタンパク質粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有するエデスチンタンパク質粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有するホエイタンパク質粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有するカランジャタンパク質粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有するセルラーゼ粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1ミクロン(μm)超の平均直径を有する組換えコラーゲン断片粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。
特定の実施形態では、本開示は、タンパク質と、タンパク質がポリウレタンの硬質相のみに溶解されるポリウレタンとの固有の組合せを提供する。本開示はまた、本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイを作製する方法を提供する。本開示はまた、タンパク質ポリウレタンアロイ層のうち1つ以上を含む層状材料、及び層状材料を作製する方法を提供する。タンパク質ポリウレタンアロイ及びタンパク質ポリウレタンアロイ層は、1つ以上の型のタンパク質及び1つ以上のポリウレタンを含み得る。
本明細書に開示されるアロイにおける使用に好適なタンパク質は、未修飾又は化学修飾され得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、タンパク質とポリウレタンの硬質相との混和性を促進するように修飾され得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、水中での溶解性を促進するよう化学修飾され得る。そのような実施形態では、水中での溶解性を促進するための化学修飾は、タンパク質とポリウレタンの硬質相との混和性を促進することができる。いくつかの実施形態では、化学修飾タンパク質は、部分的に加水分解されたタンパク質であり得る。いくつかの実施形態では、化学修飾タンパク質は、ポリエチレングリコール(PEG)鎖などの親水性ポリマー鎖のタンパク質への共有結合によって修飾されたタンパク質であり得る。
本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイで使用するのに好適なポリウレタンは、「軟質相」及び「硬質相」を含む少なくとも2つの相を含むものを含む。軟質相は、極性の違いに起因して、ウレタン含有相とは別個のポリウレタン内のポリオールセグメントから形成される。ウレタン含有相は硬質相と称される。この相分離は当該技術分野で周知であり、多くのポリウレタンの特性に基づく。
軟質相は、典型的には室温でエラストマーであり、典型的には室温未満の軟化点又はガラス遷移温度(glass transition temperature:Tg)を有する。Tgは、動的機械分析(DMA)によって測定され、tan(δ)のピーク、又は貯蔵弾性率の降下開始のいずれかによって定量化され得る。あるいは、Tgは、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry:DSC)によって測定することができる。場合によっては、軟質相に結晶化度が存在してもよく、これは、典型的には0℃~約60℃の融点として見ることができる。例えば、図13のUD-108ポリウレタンについて約35℃でのtan(δ)曲線のピークは、ポリウレタンの軟質相における結晶化度を示す。
硬質相は、典型的には、室温より高い、より典型的には約80℃のTg又は融点を有する。硬質相の軟化は、DMAによって測定される貯蔵弾性率(剛性と呼ばれることもある)の降下開始を測定することによって測定することができる。
ポリウレタン又はポリウレタンを含むタンパク質ポリウレタンアロイの「軟質相」は、ポリウレタンのポリオール構成成分を含む。その機能は、ポリウレタンへの靭性、伸長性、及び柔軟性を付与するために、そのTgを超える温度で軟質かつ可撓性となることである。典型的な軟質セグメントは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びそれらの混合物を含み得る。これらは、典型的には、約250ダルトン~約5キロダルトン超の分子量の範囲である。ポリウレタン又はポリウレタンを含むタンパク質ポリウレタンアロイの「硬質相」は、ポリオールを、ブタンジオール及びプロパンジオールなどの短鎖ジオールと共に接続するために使用されるイソシアネート(複数可)によって付与される、ポリマーのウレタンセグメントを含む。本ポリウレタンに有用な典型的なイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、及びフェニルジイソシアネートなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらの分子は、軟質セグメントを作製するために使用されるポリオールよりも極性及び剛性が高い。したがって、硬質セグメントはより剛性が高く、軟質セグメントと比較してより高い軟化点を有する。硬質相の機能は、他の特性、強度、耐熱性、及び耐磨耗性をポリウレタンに提供することである。
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、タンパク質は、硬質相のみと混和性であってもよく、軟質相遷移を実質的に変化させないままである。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、タンパク質が硬質相に溶解する場合、硬質相が軟化し始める温度を著しく増加させ、したがって本明細書に記載のアロイの耐熱性が増加すると考えられる。本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイはまた、ベースポリウレタン(すなわち、タンパク質の非存在下においてポリウレタン自体は)に対して増加した剛性及び増加した強度を有し得る。
本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ及び層は、1つ以上のタンパク質を、液体状態で1つ以上の水媒性ポリウレタン分散液とブレンドし、ブレンドを乾燥させることによって、形成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ及び層は、水溶液中に溶解又は分散した1つ以上のタンパク質を、液体状態である1つ以上の水媒性ポリウレタン分散液とブレンドし、このブレンドを乾燥させることによって、形成することができる。いくつかの実施形態では、ポリウレタン分散液は、イオン性であり得、アニオン性又はカチオン性のいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタン分散液は、非イオン性であり得る。いくつかの実施形態では、ブレンドされたタンパク質及びポリウレタンはシートに形成され得、ある特定の実施形態では、直接コーティング、積層プロセス、又は熱成形プロセスなどの好適な結合プロセスを用いて基材層に結合され得る。ある特定の実施形態では、積層プロセスは、接着層を用いてシートを基材層に結合させることを含み得る。いくつかの実施形態では、ブレンドされたタンパク質及びポリウレタンは、ブレンドされたタンパク質及びポリウレタンを基材層に結合させるために、基材層上にコーティングされ得るか、又は別様に堆積され得る。いくつかの実施形態では、ブレンドされたタンパク質及びポリウレタンを基材層に結合させることにより、ブレンドされたタンパク質及びポリウレタンの一部が基材層の一部へと一体化され得る。
1つ以上の混和性タンパク質及びポリウレタンを含むタンパク質ポリウレタンアロイでは、1つ以上のタンパク質を、1つ以上のポリウレタンの硬質相内に溶解することができる。タンパク質ポリウレタンアロイは、アロイ中の1つ以上のポリウレタンの硬質相と混和性である少なくとも1つのタンパク質を含み得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、互いに混和性である複数のタンパク質及び/又は複数のポリウレタン硬質相を含み得る。これらの実施形態の全てにおいて、特定の理論に拘束されることを望まないが、タンパク質又は複数のタンパク質は、ポリウレタン、又は複数のポリウレタンの硬質相中に溶解されると考えられている。
1つ以上のポリウレタンの硬質相内に溶解した1つ以上のタンパク質は、ブレンドされた場合に均質な混合物を形成することができる。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質及びポリウレタン(複数可)がブレンドされ乾燥された場合に均質な混合物を形成するように、1つ以上のポリウレタン内に溶解された複数のタンパク質を含み得る。典型的には、タンパク質及びポリウレタンの均質な混合物を含むタンパク質ポリウレタンアロイは、ポリウレタン中に溶解しない相当量のタンパク質を含まない。すなわち、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、ポリウレタン内に分散されたタンパク質の断片を含み得る。
本明細書に記載の実施形態では、タンパク質とポリウレタンの硬質相との混和性は、ポリウレタン自体の熱機械的特性に対してアロイの1つ以上の他の熱機械的特性を著しく変化させることなく、タンパク質ポリウレタンアロイにおける硬質相のDMA弾性率遷移軟化開始温度を増加させることができる。例えば、タンパク質とポリウレタンの硬質相との混和性は、ポリウレタン自体の軟質相のDMA遷移温度と比較して、アロイ中の軟質相のDMA遷移温度を著しく変化させることなく、タンパク質ポリウレタンアロイにおける硬質相のDMA弾性率遷移開始温度を増加させることができる。
軟質相のDMA遷移温度は、ポリウレタン又はタンパク質ポリウレタンアロイのガラス遷移温度(Tg)と称され得る。軟質相又はTgのDMA遷移温度は、(i)軟質相のDMA貯蔵弾性率遷移開始温度(本明細書では「第1のDMA貯蔵弾性率遷移開始温度」と称される)又は(ii)軟質相に対応するDMA tan(δ)ピーク温度として定量化することができる。硬質相のDMA遷移温度は、ポリウレタン又はポリウレタンタンパク質アロイの貯蔵弾性率降下の開始によって測定することができ、硬質相のDMA弾性率遷移開始温度として定量化することができる(本明細書では「第2のDMA弾性率遷移開始温度」と称する)。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイの第2のDMA弾性率遷移開始温度は、約80℃超又は約130℃超であり得る。
例えば、コラーゲン及び大豆タンパク質を含む本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイにおける使用のために多くのタンパク質型が企図されているが、本明細書に開示される実施形態の全てについて、タンパク質がコラーゲン以外のタンパク質及び/又は大豆タンパク質以外のタンパク質であり得ることが理解される。したがって、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ中に溶解されたタンパク質は、コラーゲン以外のタンパク質であり得る。他の実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ中に溶解したタンパク質は、大豆タンパク質以外のタンパク質であり得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ中に溶解されたタンパク質は、コラーゲン以外のタンパク質及び大豆タンパク質以外のタンパク質であり得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、コラーゲンを含まないか、又はコラーゲンを実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質を含まないか、又は大豆タンパク質を実質的に含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質及びコラーゲンを含まないか、又は大豆タンパク質及びコラーゲンを実質的に含まなくてもよい。
前述のように、ポリウレタンの軟質相及び硬質相は、動的機械分析(DMA)を用いて測定することができる。したがって、本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイに含まれる1つ以上のポリウレタンは、少なくとも2つのDMA遷移温度を有し得、1つは軟質相に対応し、1つは硬質相に対応し得る。軟質相のDMA遷移温度は、軟質相に対応する「第1のDMA弾性率遷移開始温度」又はDMA tan(δ)ピーク温度として定量化することができる。硬質相のDMA遷移温度は、「第2のDMA弾性率遷移開始温度」によって定量化することができる。第1のDMA弾性率遷移開始温度又はDMA tan(δ)ピーク温度は、より低いDMA遷移温度であり、第2のDMA弾性率遷移開始温度は、より高いDMA遷移温度である。
同様に、本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイは、少なくとも2つの相を有し得る。少なくとも2つの相は、軟質相及び硬質相を含み得る。ポリウレタンについて上記したのと同じ様式で、アロイの異なる相を測定及び定量化することができる。
第1及び第2のDMA遷移温度を有するポリウレタン又はタンパク質ポリウレタンアロイは、第2のDMA遷移温度よりも低い温度で発生する第1のDMA遷移温度を有することを意味する。しかしながら、第1及び第2の遷移温度は、逐次遷移温度である必要はない。他のDMA遷移温度は、第1の遷移と第2の遷移との間で発生し得た。
いくつかの実施形態では、ポリウレタンの第1のDMA弾性率遷移開始温度は、30℃未満であり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンの第1のDMA弾性率遷移開始温度は、部分範囲を含む、約-65℃~約30℃の範囲であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポリウレタンの第1のDMA弾性率遷移開始温度は、約-65℃、約-60℃、約-55℃、約-50℃、約-45℃、約-40℃、約-35℃、約-30℃、約-25℃、約-20℃、約-15℃、約-10℃、約-5℃、約-1℃、0℃、約1℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、若しくは約30℃、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンの第1のDMA弾性率遷移開始温度は、約-65℃~約30℃、約-65℃~約25℃、約-65℃~約20℃、約-65℃~約15℃、約-65℃~約10℃、約-65℃~約5℃、約-65℃~約1℃、約-65℃~0℃、約-65℃~約-1℃、約-65℃~約-5℃、約-65℃~約-10℃、約-65℃~約-15℃、約-65℃~約-20℃、約-65℃~約-25℃、約-65℃~約-30℃、約-65℃~約-35℃、約-65℃~約-35℃、約-65℃~約-40℃、又は約-65℃~約-45℃であり得る。
図9~図15は様々な例示的ポリウレタンのDMAサーモグラムを示す。各例示的ポリウレタンの第1のDMA弾性率遷移開始温度(Tonset1)は、貯蔵弾性率(E’)曲線の勾配が第1の時間に有意に減少し始める温度である。この値を測定する方法論は図16に例示される。TA Instruments製のDMA-850などのDMA機器は、この温度を自動的に計算するようにプログラムすることができる。表4は、図9~図15のDMAグラフから自動的に計算された第1のDMA弾性率遷移開始温度を列挙する(実施例第1番~第7番を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、ポリウレタンの軟質相に対応するDMA tan(δ)ピーク温度は、30℃未満であり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンの軟質相に対応するDMA tan(δ)ピーク温度は、部分範囲を含む、約-60℃~約30℃の範囲であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポリウレタンの軟質相に対応するDMA tan(δ)ピーク温度は、約-60℃、約-55℃、約-50℃、約-45℃、約-40℃、約-35℃、約-30℃、約-25℃、約-20℃、約-15℃、約-10℃、約-5℃、約-1℃、0℃、約1℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、若しくは約30℃、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンの軟質相に対応するDMA tan(δ)ピーク温度は、約-60℃~約30℃、約-60℃~約25℃、約-60℃~約20℃、約-60℃~約15℃、約-60℃~約10℃、約-60℃~約5℃、約-60℃~約1℃約-60℃~0℃、約-60℃~約-1℃、約-60℃~約-5℃、約-60℃~約-10℃、約-60℃~約-15℃、約-60℃~約-20℃、約-60℃~約-25℃、約-60℃~約-30℃、約-60℃~約-35℃、又は約-60℃~約-40℃であり得る。
図9~図15のDMAサーモグラムは、様々な例示的なポリウレタンの軟質相に対応するDMA tan(δ)ピーク温度を示す。DMA弾性率遷移開始温度と同様に、TA Instruments製のDMA-850などのDMA機器は、この温度を自動的に計算するようにプログラムすることができる。表4は、図9~図15のDMAグラフから自動的に計算されたDMA tan(δ)ピーク温度を列挙する(実施例第1番~第7番を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、ポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度は、30℃超であり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度は、約45℃~約165℃の範囲であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度は、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃、約120℃、約125℃、約130℃、約135℃、約140℃、約145℃、約150℃、約155℃、約160℃、若しくは約165℃、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点とする任意の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度は、約45℃~約165℃、約50℃~約160℃、約55℃~約155℃、約60℃~約150℃、約65℃~約145℃、約70℃~約140℃、約75℃~約135℃、約80℃~約130℃、約85℃~約125℃、約90℃~約120℃、約95℃~約115℃、若しくは約100℃~約110℃であり得る。
図9~図15のDMAサーモグラムは、様々な例示的なポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度を示す。各例示的ポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度(Tonset2)は、貯蔵弾性率(E’)曲線の勾配が第2の時間に有意に減少し始める温度である。この値を測定する方法論は図16に例示される。TA Instruments製のDMA-850などのDMA機器は、この温度を自動的に計算するようにプログラムすることができる。表3は、図9~図15のDMAグラフから自動的に計算された第2のDMA弾性率遷移開始温度を列挙する(実施例第1番~第7番を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、ポリウレタンは軟質相に結晶化度を呈し得る。これは、ポリテトラメチレングリコール及びいくつかのポリエステルポリオールを含有するポリエーテル軟質セグメントにおいて一般的である。そのような実施形態では、ポリウレタンは、少なくとも3つの遷移:軟質相のTg、軟質相の融点、及び硬質相の弾性率遷移を呈し得る。軟質相におけるそのような溶融は、典型的には、存在する場合、0℃~約60℃で発生する。軟質相で結晶化度を呈する実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質が硬質相と混和性であり、軟質相の機械的特性を実質的に変化させないままであるので、典型的には、軟質相での溶融を依然として呈する。
本明細書に記載の典型的な実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下(すなわち、ポリウレタン自体)におけるポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移温度よりも高い第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し得る。アロイにおける第2のDMA弾性率遷移開始温度のこの増加は、タンパク質とポリウレタンの硬質相との混和性に起因すると考えられている。タンパク質のこの選択的混和性は、軟質相のDMA遷移温度が同様に増加することなく、第2のDMA弾性率遷移開始温度の増加によって示される(軟質相に対応する第1のDMA弾性率遷移開始温度又はDMA tan(δ)ピーク温度によって定量化される)。この選択的混和性は、例えば機械的及び熱的特性のために、タンパク質ポリウレタンアロイの特性を制御するために利用され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ及び/又は層状材料は、天然レザーと同様の外観及び感触、並びに機械的特性を有し得る。例えば、タンパク質ポリウレタンアロイ層又はタンパク質ポリウレタンアロイ層を含む層状材料は、とりわけ、天然レザーと同様の触覚特性、審美的特性、機械的/性能的特性、製造性特性、及び/又は熱特性を有し得る。天然レザーに類似し得る機械的/性能的特性としては、引張り強度、引裂き強度、破断伸び、耐磨耗性、内部凝集性、耐水性、通気性(いくつかの実施形態では水蒸気透過率測定によって定量化される)、及び反応染料で染色され、摩擦されたときに色を保持する能力(色堅牢度)が挙げられるが、これらに限定されない。天然レザーと同様であり得る触覚特性には、軟化性、剛性、摩擦係数、及び圧縮弾性率が含まれるが、これらに限定されない。天然レザーと同様であり得る審美的特性には、染料性、エンボス加工性、エージング、色、色の濃さ、及び色のパターンが含まれ得るが、これらに限定されない。天然レザーと同様であり得る製造特性には、ステッチ、切断、スカイブ、及び分割される能力が含まれるが、これらに限定されない。天然レザーと同様であり得る熱特性には、耐熱性及び著しく広い温度範囲、例えば25℃~100℃にわたる硬化又は軟化に対する耐性が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイの望ましい特性には、光学特性、触覚特性、審美的特性、熱特性、機械的特性、及び/又は通気性特性が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な熱特性は耐熱性及び耐溶融性を含み、例えば、材料の第2の弾性率遷移開始温度(Tonset2)を測定することによって定量化することができる。例示的な機械的特性としては、耐磨耗性、最大引張り応力(「引張り強度」とも称される)、及びヤング率が挙げられる。特に明記しない限り、本明細書に開示される最大引張り応力値及びヤング率値は、ASTM D638によって提供される方法に従って測定される。例示的な通気性特性には、g/m/24時間(24時間当たりの平方メートル当たりのグラム数)で測定された水蒸気透過率(moisture vapor transmission rate:MVTR)が含まれる。特に明記しない限り、本明細書に開示される水蒸気透過率は、ASTM E96-方法Bによって提供される方法に従って測定される。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、透明であり得る。いくつかの実施形態では、透明タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質がアロイ中のポリウレタンの硬質相と混和性であることを示し得る。本明細書で使用される場合、「透明」材料とは、約50%以下の不透明度を有する材料を意味する。不透明度は、材料の試料を白色の背景上に配置して、D65 10度光源を用いて分光計による反射率でY三刺激値(「オーバーホワイトY」)を測定することによって測定される。次いで、同じ試料を黒色の背景上に配置し、測定を繰り返し、「オーバーブラックY」を得る。不透明度パーセントは、「オーバーブラックY」÷「オーバーホワイトY」×100で計算される。100%の不透明度は最低透明度と定義され、0%の不透明度が最高の透明度として定義される。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは透明であり得、部分範囲を含む0%~約50%の範囲の不透明度を有し得る。例えば、透明なタンパク質ポリウレタンアロイは、0%~約40%、0%~約30%、0%~約20%、0%~約10%、又は0%~約5%の範囲にわたる不透明度を有し得る。タンパク質ポリウレタンアロイの透明度は、タンパク質ポリウレタンアロイを染色する前又は他の方法で着色する前に評価される。
透明なタンパク質ポリウレタンアロイは、1つ以上のタンパク質と1つ以上のポリウレタンとの適切な組合せを選択及びブレンドすることによって作製することができる。タンパク質とポリウレタンとの全ての組合せが透明タンパク質ポリウレタンアロイをもたらすわけではないが、所与のブレンドが本開示を考慮して透明タンパク質ポリウレタンアロイをもたらすかどうかを特定することは当業者の技術の範囲内である。本明細書に記載の透明なタンパク質ポリウレタンアロイ層を含む層状材料を対象とする実施形態では、透明なタンパク質ポリウレタンアロイ層は、層状材料に固有の特性を提供することができる。例えば、非透明層と比較して、透明なタンパク質ポリウレタンアロイ層は、染色された場合に固有の色の濃さを提供することができる。同様に、透明なタンパク質ポリウレタンアロイ層は、材料の審美的特性に著しく影響を与えることなく、その機械的特性を層状材料に提供することができる。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、1つ以上の着色剤を含み得る。いくつかの実施形態では、着色剤は、染料、例えば、繊維反応性染料、直接染料、又は天然染料であり得る。例示的な染料としては、アゾ構造酸性染料、金属錯体構造酸性染料、アントラキノン構造酸性染料、及びアゾ/ジアゾ直接染料が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、着色剤は、顔料、例えばレーキ顔料であり得る。
本明細書に記載の実施形態による1つ以上のタンパク質とブレンドするのに好適なポリウレタンは、脂肪族ポリウレタン、芳香族ポリウレタン、バイオ系ポリウレタン、又はアクリル酸修飾ポリウレタンを含むが、これらに限定されない。好適なポリウレタンは、Lubrizol、Hauthaway、及びStahlなどを含む製造業者から市販されている。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイのポリウレタンは、バイオポリウレタンであり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、水分散性ポリウレタンである。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、ポリエステルポリウレタンであり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、ポリエーテルポリウレタンであり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、ポリカーボネート系ポリウレタンであり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、脂肪族ポリエステルポリウレタンであり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、脂肪族ポリエーテルポリウレタンであり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、脂肪族ポリカーボネートポリウレタンであり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、芳香族ポリエステルポリウレタンであり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、芳香族ポリエーテルポリウレタンであり得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、芳香族ポリカーボネートポリウレタンであり得る。
いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びそれらの混合物からなる群から選択される軟質セグメントを有し得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、ジイソシアネート及び任意選択的に短鎖ジオールを含む硬質セグメントを有し得る。好適なジイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;4,4’ジフェニルメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニルジイソシアネート、及びそれらの混合物などの芳香族ジイソシアネートからなる群から選択することができる。好適な短鎖ジオールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、2,2メチル1,3プロパンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、及びそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、例えばトリメチロールプロパントリオールなどの多官能性アルコール、又はエチレンジアミン若しくは4,4’ジアミノ、ジフェニルジアミンなどのジアミンといった架橋剤。
例示的な市販のポリウレタンには、C.L.Hauthaway&Sons Corporationから入手可能なL3360及びHauthane HD-2001、Lubrizol Corporationから入手可能なSANCURE(商標)ポリウレタン、Bond Polymers Internationalから入手可能なBONDTHANE(商標)ポリウレタン、例えば、UD-108、UD-250、及びUD-303、並びにBASF製のEPOTAL(登録商標)ECO 3702及びEPOTAL(登録商標)P100 ECOが含まれるが、これらに限定されない。L3360は、35%の固形物量、50~500cps(センチポアズ)の粘度、及び約8.5lb/gal(ガロン当たりのポンド)の密度を有する脂肪族ポリエステルポリウレタンポリマー水性分散液である。HD-2001は、40%の固形物量、50~500cpsの粘度、及び約8.9lb/galの密度を有する脂肪族ポリエステルポリウレタンポリマー水性分散液である。BONDTHANE(商標)UD-108は、33%の固形物量、300cpsの粘度、及び8.7lb/galの密度を有する脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマー水性分散液である。BONDTHANE(商標)UD-250は、35%の固形物量、200cpsの粘度、及び8.8lb/galの密度を有する脂肪族ポリエステルポリウレタンポリマー水性分散液である。BONDTHANE(商標)UD-303は、35%の固形物量、500cps未満の粘度、及び8.7lb/galの密度を有する脂肪族ポリエーテルポリウレタンポリマー水性分散液である。EPTOAL(登録商標)P100 ECOは、およそ40%の固形分及び約40mPasの粘度を有するポリエステルポリウレタンエラストマー水性分散液である。
例示的なバイオ系ポリウレタンとしては、C.L.Hauthaway&Sons Corporationから入手可能なL3360、Covestroから入手可能なIMPRANIL(登録商標)Eco DLS、IMPRANIL(登録商標)Eco DL 519、IMPRANIL(登録商標)Eco DLP-R、及びIMPRAPERM(登録商標)DL 5249が挙げられるが、これらに限定されない。IMPRANIL(登録商標)Eco DLSは、およそ50%の固形物量、1,200MPa・s未満の粘度、及び約1.1g/ccの密度を有するアニオン性脂肪族ポリエステルポリウレタンポリマー水性分散液である。IMPRANIL(登録商標)Eco DL 519は、アニオン性脂肪族ポリエステルポリウレタンポリマー水性分散液である。IMPRANIL(登録商標)Eco DLP-Rは、アニオン性脂肪族ポリエステルポリウレタンポリマー水性分散液である。IMPRAPERM(登録商標)DL 5249は、アニオン性脂肪族ポリエステル-ポリウレタンポリマー水性分散液である。
いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、タンパク質と架橋され得る反応性基を含み得る。例示的な反応基としては、スルホネート、アルデヒド、カルボン酸若しくはエステル、又はブロックイソシアネートなど、及びそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。そのような実施形態では、ポリウレタンは、タンパク質上の反応基とポリウレタン中に存在する反応基との反応を通じてタンパク質ポリウレタンアロイ中のタンパク質に架橋され得る。
本明細書に記載の実施形態による1つ以上のポリウレタンとブレンドするのに好適なタンパク質としては、コラーゲン、ゼラチン、ウシ血清アルブミン(BSA)、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、卵白アルブミン、カゼイン、ピーナッツタンパク質、エデスチンタンパク質、ホエイタンパク質、カランジャンタンパク質、及びセルラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。好適なコラーゲンとしては、組換えコラーゲン(r-コラーゲン)、組換えコラーゲン断片、及び抽出コラーゲンが挙げられるが、これらに限定されない。好適な大豆タンパク質としては、大豆タンパク質単離物(SPI)、大豆かすタンパク質、及び大豆タンパク質誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質単離物は、部分的に加水分解された大豆タンパク質単離物であり得る。好適なエンドウタンパク質としては、エンドウ豆タンパク質単離物及びエンドウ豆タンパク質誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、エンドウ豆タンパク質単離物は、部分的に加水分解されたエンドウ豆タンパク質単離物であり得る。
以下の表1はタンパク質のいくつかの例示的なタンパク質及び特性を列挙する。ゼラチンはブタの皮膚からのゼラチンであるA型(Sigma Aldrich G2500)である。コラーゲンはWuxi BIOT Biology-technology Companyから購入したウシコラーゲンを抽出する。ウシ血清アルブミンSigma Aldrich 5470ウシ血清アルブミン。r-コラーゲンはModern Meadowからの組換えコラーゲンである。大豆タンパク質単離物はMP Medicals(IC90545625)から購入した大豆タンパク質単離物である。エンドウ豆タンパク質はBobs Red Mills(MTX5232)から購入したエンドウ豆タンパク質粉末である。卵白アルブミンタンパク質は鶏卵白(Sigma Aldrich A5253)からのアルブミンである。カゼインタンパク質はウシ乳(Sigma Aldrich C7078)からのカゼインである。ピーナッツタンパク質はTru-Nutから購入したピーナッツタンパク質粉末である。ホエイタンパク質はウシ乳(Sigma Aldrich W1500)からのホエイである。他の好適な大豆タンパク質単離物としては、AMD(Clarisoy 100、110、150、170、180)、又はDuPont(SUPRO(登録商標)XT 55、SUPRO(登録商標)XT 221D、及びSOBIND(登録商標)Balance)から購入した大豆タンパク質単離物が挙げられるが、これらに限定されない。他の好適なエンドウ豆タンパク質粉末としては、Puris(870及び870H)から購入したエンドウ豆タンパク質粉末が挙げられるが、これに限定されない。
カランジャタンパク質は、ポンガミア・ピンナタ(Pongamia pinnata)の木(ポンガミアグラブラ(Pongamia glabra)の木としても知られる)から収穫されたカランジャ種子に見られるタンパク質である。Rahman,M M.及びNetravali、「Green Resin from Forestry Waste Residue‘Karanja(Pongamia pinnata)Seed Cake’for Biobased Composite Structures」、ACS Sustainable Chem.Eng.、第2巻第2318~2328頁(2014年);を参照されたく、また、Mandalら、「Nutritional Evaluation of Proteins from three Non-traditional Seeds with or without Amino Acids Supplementation in Albino Rats」、Proc.Indian natn.Sci.Acad.、B50、第1巻第48~56頁(1984年)も参照されたい。タンパク質は溶媒抽出プロセスを用いてカランジャ種子から抽出することができる。Id.いくつかの実施形態では、カランジャンタンパク質は、カランジャンタンパク質単離物であり得る。そのような実施形態では、カランジャンタンパク質単離物は、脱脂カランジャ種子ケーキのアルカリ抽出及び酸沈殿によって得ることができる。Rahman,M M.及びNetravali、「Green Resin from Forestry Waste Residue‘Karanja(Pongamia pinnata)Seed Cake’for Biobased Composite Structures」、ACS Sustainable Chem.Eng.、第2巻第2318~2328頁(2014年);を参照されたい。
好適なセルラーゼタンパク質を以下の表1に列挙する。「セルラーゼ-RG」タンパク質は、CREATIVE ENZYMES(登録商標)から入手可能な天然のトリコデルマ(Trichoderma)種セルラーゼである。「セルラーゼ-IG」タンパク質は、Carolina Biological Supply Companyから入手可能な実験室グレードのセルラーゼである。
表1の50KDa組換えコラーゲン断片(50KDaのr-コラーゲン断片)は、配列番号1として列挙されたアミノ酸配列を含むコラーゲン断片である。
表1に列挙される「溶解方法」は、タンパク質が本明細書に記載のポリウレタンの硬質相と混和性である溶液中に溶解され得る、例示的な水性溶媒である。水溶液中に少なくとも部分的に溶解し得るタンパク質は、ポリウレタン分散液でタンパク質ポリウレタンアロイを形成するのに好適である。
Figure 2023524408000001
いくつかの実施形態では、タンパク質は、以下の特性:(i)本明細書に記載の範囲内の分子量、(ii)以下に記載の範囲内の等電点、(iii)以下に記載の範囲内のタンパク質100グラム当たりのリジンのグラム数で測定されたアミノ酸組成、及び(iv)200℃までのタンパク質の熱安定性のうち、1つ以上を有し得る。
タンパク質分子量
いくつかの実施形態では、タンパク質は、部分範囲を含む約1KDa(キロダルトン)~約700KDaの範囲にわたる分子量を有し得る。例えば、タンパク質は、約1KDa~約700KDa、約10KDa~約700KDa、約20KDa~約700KDa、約50KDa~約700KDa、約100KDa~約700KDa、約200KDa~約700KDa、約300KDa~約700KDa、約400KDa~約700KDa、約500KDa~約700KDa、約600KDa~約700KDa、約1KDa~約600KDa、約1KDa~約500KDa、約1KDa~約400KDa、約1KDa~約300KDa、約1KDa~約200KDa、約1KDa~約100KDa、約1KDa~約50KDa、約1KDa~約20KDa、若しくは約1KDa~約10KDaの範囲にわたる、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の分子量を有し得る。
タンパク質等電点
いくつかの実施形態では、タンパク質は、部分範囲を含む約4~約10の範囲にわたる等電点を有し得る。例えば、タンパク質は、約4~約10、約4.5~約9.5、約5~約9、約5.5~約8.5、約6~約8、約6.5~約7.5、若しくは約6.5~約7の範囲にわたる、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の等電点を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、約4~約5の範囲にわたる等電点を有し得る。
タンパク質アミノ酸組成
いくつかの実施形態では、タンパク質は、部分範囲を含む約0.5重量%~約100重量%の範囲にわたるタンパク質100グラム当たりのリジンのグラム数(「リジン重量パーセント」と呼ばれる)で測定されたアミノ酸組成物を有し得る。例えば、タンパク質は、約0.5重量%~約100重量%、約1重量%~約100重量%、約5重量%~約100重量%、約10重量%~約100重量%、約20重量%~約100重量%、約30重量%~約100重量%、約40重量%~約100重量%、約50重量%~約100重量%、約60重量%~約100重量%、約70重量%~約100重量%、約80重量%~約100重量%、若しくは約90重量%~約100重量%の範囲にわたる、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内のリジン重量パーセントを有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、ポリリジンであり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、部分範囲を含む約0.5重量%~約20重量%の範囲にわたるリジン重量パーセントを有し得る。例えば、タンパク質は、約0.5重量%~約20重量%、約1重量%~約19重量%、約2重量%~約18重量%、約3重量%~約17重量%、約4重量%~約16重量%、約5重量%~約15重量%、約6重量%~約14重量%、約7重量%~約13重量%、約8重量%~約12重量%、約9重量%~約11重量%、若しくは約9重量%~約10重量%の範囲にわたる、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内のリジン重量パーセントを有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、約1重量%~約20重量%の範囲にわたるリジン重量パーセントを有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、約5重量%~約20重量%の範囲にわたるリジン重量パーセントを有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、約1重量%~約12重量%の範囲にわたるリジン重量パーセントを有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、約5重量%~約12重量%の範囲にわたるリジン重量パーセントを有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、約1重量%~約15重量%の範囲にわたるリジン重量パーセントを有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、約5重量%~約15重量%の範囲にわたるリジン重量パーセントを有し得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、熱安定性であり得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、非熱安定性であり得る。本明細書に記載されるように、予備乾燥タンパク質粉末(3%未満の水分を有する)を0℃~200℃で走査する、タンパク質熱安定性は示差走査熱量測定(DSC)によって決定される。タンパク質のDSC曲線では、10mW/mgを超える吸熱ピークが「変性ピーク」であると決定され、吸熱「変性ピーク」に対応する温度はタンパク質の「変性温度」として定義される。「熱安定性」であるタンパク質は、タンパク質が200℃以上の変性温度を有することを意味する。本開示の目的のために、200℃未満の変性温度を有するタンパク質は、「非熱安定性」と見なされる。例えば、表1に列挙されたウシ乳からのホエイはDSCによる158℃での変性温度を有し、したがって、ホエイは非熱安定性と見なされることが見出された。
タンパク質溶解
いくつかの実施形態では、1つ以上のポリウレタンとブレンドする前に、1つ以上のタンパク質を水溶液中に溶解して、水性タンパク質混合物を形成することができる。いくつかの実施形態では、タンパク質を1つ以上のポリウレタンとブレンドする前に水溶液に中にタンパク質を溶解することにより、タンパク質と1つ以上のポリウレタンの硬質相との混和性を促進することができる。例えば、タンパク質をポリウレタン(複数可)とブレンドする前に水溶液に中にタンパク質を溶解することにより、タンパク質と1つ以上のポリウレタンの硬質相との混和性を促進することができる。全てのタンパク質がポリウレタンの任意の相と天然に混和性であるわけではない。例えば、実施例33及び実施例34に例示されるように、カゼインは、必ずしもポリウレタンと混和性ではない。これらの2つの実施例に示されるように、カゼイン、水、及びL3360が混合される場合、カゼインはL3360と非混和性である。得られたフィルムは、フィルム中に多数の光学的に可視である顆粒を有する不透明な外観を有した。しかしながら、カゼインは、L3360と混合する前に、カゼインが水酸化ナトリウム溶液中に溶解される場合、L3360の硬質相と混和性である。これらの構成成分をブレンドすることによって得られたフィルムは、フィルム中に光学的に可視である顆粒がない透明かつ均一な外観を有した。
好適な水溶液としては、水、アルカリ水溶液、水性酸溶液、有機溶媒を含む水溶液、尿素溶液、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルカリ水溶液は、水酸化ナトリウム、アンモニア、又は水酸化アンモニウム溶液などの塩基性溶液であり得る。いくつかの実施形態では、酸性水溶液の例は、酢酸又は塩酸(HCl)溶液であり得る。好適な有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、及びグリセロールなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、水性タンパク質混合物中のタンパク質濃度は、部分範囲を含む約10g/L~約300g/Lの範囲であり得る。例えば、水性タンパク質混合物中のタンパク質濃度は、約10g/L、約20g/L、約30g/L、約40g/L、約50g/L、約60g/L、約70g/L、約80g/L、約90g/L、約100g/L、約150g/L、約200g/L、約250g/L、若しくは約300g/L、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、水性タンパク質混合物中のタンパク質濃度は、約10g/L~約300g/L、約20g/L~約250g/L、約30g/L~約200g/L、約40g/L~約150g/L、約50g/L~約100g/L、約60g/L~約90g/L、又は約70g/L~約80g/Lの範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質は、前処理及び/又は精製されて、水中の溶解性を改善することができる。好適な前処理には、酸処理、アルカリ処理、酵素加水分解、及び塩処理が含まれるが、これらに限定されない。例示的な酸処理は、酢酸又はHClなどの好適な酸を用いた酸加水分解である。例示的なアルカリ処理は、水酸化アンモニウム、NaOH、KOH、又はこれらの混合物などの好適な塩基を有するアルカリ加水分解である。加水分解のための例示的な酵素としては、パパイン、ブロメライン、トリプシン、及びアルカリ性プロテアーゼなどが挙げられるが、これらに限定されない。好適な精製処理には、カルシウム塩によるフィチン酸塩の除去、ダイアフィルトレーション、限外濾過、及び遠心分離などが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、1つ以上のポリウレタンとブレンドする前に、リジン又は他の親水性アミノ酸をタンパク質に添加することにより、タンパク質と1つ以上のポリウレタンの硬質相との混和性を促進することができる。
タンパク質加水分解
いくつかの実施形態では、タンパク質は、部分的に加水分解され得る。タンパク質の部分加水分解は、水中のタンパク質の溶解を促進することができ、及び/又はタンパク質とポリウレタンの硬質相との混和性を促進することができる。タンパク質の部分加水分解は、酵素又は強度から中程度の塩基を用いして達成することができる。加水分解に続いて、粘度の低減及び/又はタンパク質分子量の低減が起こり得る。タンパク質分子量の低減、したがってタンパク質加水分解のレベルを決定するための特徴付けの方法としては、光散乱、ゲル電気泳動、サイズ排除クロマトグラフィ、溶液粘度測定、トリニトロベンゼンスルホン酸若しくはニンヒドリンを用いた末端アミノ基検出、又はレーザ回折による粒径測定が挙げられるが、これらに限定されない。実施例21は、いくつかの実施形態による、水酸化ナトリウムを用いて調製された部分加水分解大豆タンパク質について記載する。
タンパク質のPEG修飾
いくつかの実施形態では、タンパク質は、PEGポリエチレングリコール(PEG)のタンパク質への共有結合によって化学修飾され得る。タンパク質のPEG修飾は、水中のタンパク質の溶解を促進することができ、及び/又はタンパク質とポリウレタンの硬質相とによる混和性を促進することができる。タンパク質のPEG修飾は、親水性ポリエチレングリコール(PEG)鎖をタンパク質に共有結合させる方法を用いて達成することができる。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ中のタンパク質の量は、部分範囲を含む、約10重量%~約50重量%のタンパク質の範囲であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ中のタンパク質の量は、約10重量%~約50重量%、約15重量%~約50重量%、約20重量%~約50重量%、約25重量%~約50重量%、約30重量%~約50重量%、約35重量%~約50重量%、約40重量%~約50重量%、約45重量%~約50重量%、約10重量%~約45重量%、約10重量%~約40重量%、約10重量%~約35重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約25重量%、約10重量%~約20、若しくは約10重量%~約15%、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の範囲である。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ中のタンパク質の量は、約20重量%~約35重量%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ中のポリウレタンの量は、部分範囲を含む、約50重量%~約90重量%の範囲であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ中のポリウレタンの量は、約50重量%~約90重量%、約55重量%~約90重量%、約60重量%~約90重量%、約65重量%~約90重量%、約70重量%~約90重量%、約75重量%~約90重量%、約80重量%~約90重量%、約85重量%~約90重量%、約50重量%~約85重量%、約50重量%~約80重量%、約50重量%~約75重量%、約50重量%~約70重量%、約50重量%~約65重量%、約50重量%~約60重量%、若しくは約50重量%~約55重量%、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ中のポリウレタンの量は、約65重量%~約80重量%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、上記の重量パーセント値及び範囲は、タンパク質ポリウレタンアロイ又はタンパク質ポリウレタンアロイ層の総重量に基づくことができる。いくつかの実施形態では、上記の重量パーセント値及び範囲は、タンパク質ポリウレタンアロイ又はタンパク質ポリウレタンアロイ層における唯一のタンパク質及びポリウレタンの総重量に基づくことができる。特に明記しない限り、ポリウレタン及びタンパク質の重量パーセント値又は範囲は、タンパク質ポリウレタンアロイ又はタンパク質ポリウレタンアロイ層における唯一のタンパク質及びポリウレタンの総重量に基づく。
いくつかの実施形態では、タンパク質の量+タンパク質ポリウレタンアロイ中のポリウレタンの量の合計は、約80重量%以上であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ中のタンパク質の量+ポリウレタンの量の合計は、約80重量%~100重量%、約82重量%~100重量%、約84重量%~100重量%、約86重量%~100重量%、約88重量%~100重量%、約90重量%~100重量%、約92重量%~100重量%、約94重量%~100重量%、約96重量%~100重量%、又は約98重量%~100重量%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、材料の総重量パーセントの一部を構成する水を含み得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ中の水の量は、部分範囲を含む、約1重量%~約10重量%の範囲であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ中の水の量は、約1重量%~約10重量%、約2重量%~約10重量%、約3重量%~約10重量%、約4重量%~約10重量%、約5重量%~約10重量%、約6重量%~約10重量%、約7重量%~約10重量%、約8重量%~約10重量%、約1重量%~約9重量%、約1重量%~約8重量%、約1重量%~約7重量%、約1重量%~約6重量%、約1重量%~約5重量%、約1重量%~約4重量%、若しくは約1重量%~約3重量%、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の範囲であり得る。
本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイは、(i)非アロイ化ポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも高い第2の動的機械分析(DMA)弾性率遷移開始温度、(ii)非アロイ化ポリウレタンの第1のDMA弾性率遷移開始温度と実質的に同じ第1の動的機械分析(DMA)弾性率遷移開始温度、(iii)非アロイ化ポリウレタンの軟質相に対応するDMA tan(δ)ピークの温度と実質的に同じ温度のDMA tan(δ)ピーク、(iv)非アロイ化ポリウレタンのヤング率よりも高いヤング率、(v)非アロイ化ポリウレタンの引張り強度よりも高い引張り強度、又は(vi)非アロイ化ポリウレタンのMVTRよりも高い水蒸気透過率(MVTR)のうち1つ以上を有し得る。
図1~図15は、いくつかの実施形態による、異なるポリウレタン中に様々な量の異なるタンパク質を溶解してポリウレタンアロイを形成することの効果を示す。表3~表6は、いくつかの実施形態による様々なタンパク質ポリウレタンアロイの熱的及び機械的特性、並びに様々なポリウレタンの熱的及び機械的特性を列挙する。試験した試料は、列挙されたタンパク質を、列挙されたポリウレタンの水性分散液とブレンドし、混合物を平坦なフィルムとして成形し、45℃で一晩(16~24時間)オーブン中にて乾燥させ、試験前に24時間、標準的な基準雰囲気(23℃、50%湿度)で調整することによって調製した。図面及び表3~6の重量パーセント値は、試料を作製するために使用されるブレンドに添加された固体の相対重量パーセントである。例えば、0.825グラムのゼラチン及び5.5gのL3360(35重量%の固形分)をブレンドして、30重量%のゼラチン及び70重量%のL3360を有する実施例第9番の試料を作製した。図面及び表3~6の重量パーセント値は、乾燥試料の総重量に基づいて、実施例第1番~第44番の乾燥試料中のタンパク質及びポリウレタンの重量パーセントに厳密に近似し得る。乾燥試料は、試料の総重量パーセントの小さな部分(例えば、約5%~約10重量%)を構成する水を含んでいた。
表7は、いくつかの実施形態による、様々なタンパク質ポリウレタンアロイの水蒸気透過率を列挙する。試験した試料は実施例第45番~第56番に記載されるように調製した。表7の重量パーセント値は、試料を作製するために使用されるブレンドに添加された固体の相対重量パーセントである。これらの重量パーセント値は、乾燥試料の総重量に基づいて、実施例第45番~第56番の乾燥試料中のタンパク質及びポリウレタンの重量パーセントに厳密に近似し得る。乾燥試料は、試料の総重量パーセントの小さな部分(例えば、約5%~約10重量%)を構成する水を含んでいた。
表3及び表4のDMA温度を、TA InstrumentsのDMA-850を用いて測定した。試験のために、金属ダイを用いて試料フィルムから1cm×2.5cmのストリップを切断した。切断フィルム試料を、試験のためにフィルム及び繊維テンションクランプに装填した。試験中、0.01ニュートン(N)の予荷重を切断フィルム試料に適用した。機器を-80℃まで冷却し、1分間保持し、次いで温度を4℃/分~200℃まで、又は試料が弱すぎて張力を保持することができなくなるまで上昇させた。温度勾配中、試料を1Hzの周波数にて0.1%の歪みで振動させた。得られた貯蔵弾性率、損失弾性率、及びtan(δ)値を、各試験について温度でプロットした。特に明記しない限り、本明細書で報告される全てのDMA試験データは、この試験方法を用いて測定された。表5及び表6の引張り強度値及びヤング率値を、ASTM D638によって提供される方法に従って測定した。引張り強度値及びヤング率値は、試験された少なくとも3つの試料標本の平均である。
図1に示すDMAグラフは、100%のL3360(実施例1)の測定貯蔵弾性率(E’)、並びに様々な重量パーセント、すなわち5重量%、10重量%、15重量%、20%、及び30重量%(実施例第9番及び実施例第25番~実施例第28番)でL3360内に溶解したゼラチンを示す。このグラフは、ゼラチンをL3360とブレンドすることが、100%のL3360の第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも高い第2のDMA弾性率遷移開始温度を有するアロイを作製することができるということを示している。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、ゼラチンを含む硬質相及びポリウレタンの硬質セグメントがより高いゼラチン含有量で連続的になるため、第2のDMA弾性率遷移開始温度の増加はこの試験でより明らかになるものと考えられる。この傾向はゼラチンがL3360の硬質相と混和性であることを示す。
ゼラチンと硬質相L3360とのこの混和性は、実施例第1番及び実施例第9番及び第25番~第28番の2つの異なる機械的特性を比較する、図2及び図3の機械的特性グラフ中に更に例示される。図2に示すように、試験したタンパク質ポリウレタンアロイの最大引張り応力(「引張り強度」)は、100%のL3360の最大引張り応力よりも大きい。最大引張り応力のこの増加は、10重量%以上のゼラチン重量パーセントで特に有意である。図3に示すように、試験したタンパク質ポリウレタンアロイのヤング率は、100%のL3360のヤング率よりも大きい。ヤング率のこの増加は、15重量%以上のゼラチン重量パーセントで特に有意である。
図4に示すDMAグラフは、100%のL3360(実施例1)の測定貯蔵弾性率(E’)、並びに様々な重量パーセント、すなわち10重量%、20%、及び30重量%(実施例第21番、第30番、及び第31番)でL3360内に溶解したSPIを示す。このサーモグラムは、SPIをL3360とブレンドすることが、100%のL3360の第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも高い第2のDMA弾性率遷移開始温度を有するタンパク質ポリウレタンアロイを作製することができるということを示している。より多くのSPIが添加されると、第2のDMA弾性率遷移開始温度の上昇が増加する。この傾向はSPIがL3360の硬質相と混和性であることを示す。
SPIと硬質相L3360とのこの混和性は、実施例第1番及び実施例第21番、第30番、及び第31番の2つの異なる機械的特性を比較する、図5及び図6の機械的特性グラフ中に更に例示される。図5に示すように、試験したタンパク質ポリウレタンアロイの最大引張り応力(「引張り強度」)は、100%のL3360の最大引張り応力よりも大きい。最大引張り応力のこの増加は、10重量%以上のSPI重量パーセントで特に有意である。図6に示すように、試験したタンパク質ポリウレタンアロイのヤング率は、100%のL3360のヤング率よりも大きい。ヤング率のこの増加は、15重量%以上のSPI重量パーセントで特に有意である。
図7に示すDMAグラフは、100%のL3360(実施例1)の測定貯蔵弾性率(E’)、及び30重量%(実施例第9番及び第17番~第23番)でL3360内に溶解した様々なタンパク質を示す。このグラフは、ゼラチン、SPI、及び他のタンパク質をL3360とブレンドして、100%のL3360の第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも高い第2のDMA弾性率遷移開始温度を有するタンパク質ポリウレタンアロイを作製することができるということを示している。ホエイを除く全てのタンパク質は、100%のL3360の第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも高い第2のDMA弾性率遷移開始温度を有するタンパク質ポリウレタンアロイを生成した。ホエイは、100%のL3360に対するタンパク質ポリウレタンアロイの機械的特性を改善する能力に起因して、L3360の硬質相と混和性であるものと考えられている。しかし、DSCによって決定されるように、ホエイが低い変性温度を有するため、ホエイは第2のDMA弾性率遷移開始温度を増加させなかったと考えられている。
更に、図7のグラフは、L3360内に様々なタンパク質を溶解しても、軟質相のDMA遷移温度が100%のL3360の軟質相のDMA遷移温度と有意に異なるタンパク質ポリウレタンアロイは得られなかったことを示す。表4に示すように、実施例第9番及び第17番~第23番の全てのデルタ第1弾性率遷移開始は10℃未満であった。これに関連して、実施例第9番及び第17番~第23番の全てのデルタTan(δ)ピーク温度は10℃未満であった。これらの結果は、タンパク質がL3360の軟質相と混和しなかったことを示す。
タンパク質と硬質相L3360とのこの選択的混和性は、図8A及び図8Bのグラフにプロットされた機械的特性試験結果において更に例示され、表5及び表6に報告されている。図8A及び図8Bのグラフは、実施例第1番及び実施例第9番及び第17番~第23番の引張り強度とヤング率とを比較する。引張り強度の増加及び/又はヤング率の増加は、タンパク質がL3360の硬質相と混和性であることを示し得る。表5及び表6は、材料の引張り強度及びヤング率を報告する。
軟質相及び硬質相の両方を有するポリウレタンの硬質相とタンパク質の選択的混和性を更に説明するために、ゼラチンを様々な例示的なポリウレタンとブレンドした。図9~図15は、これらの例示的なブレンドのDMAサーモグラム、並びにゼラチンの非存在下におけるポリウレタンのサーモグラムを示す。図9は、30重量%のゼラチン及び70重量%のL3360(実施例第9番)及び100%のL3360(実施例1)で作製されたタンパク質ポリウレタンアロイのDMAデータを比較する。図10は、30重量%のゼラチン及び70重量%のHD-2001(実施例第15番)及び100%のHD-2001(実施例第7番)で作製されたタンパク質ポリウレタンアロイのDMAデータを比較する。図11は、30重量%のゼラチン及び70重量%のSancure(実施例第14番)及び100%のSancure(実施例第6番)で作製されたタンパク質ポリウレタンアロイのDMAデータを比較する。図12は、30重量%のゼラチン及び70重量%のImpranil DLS(実施例第12番)及び100%のImpranil DLS(実施例第5番)で作製されたタンパク質ポリウレタンアロイのDMAデータを比較する。図13は、30重量%のゼラチン及び70重量%のUD-108(実施例第10番)及び100%のUD-108(実施例第2番)で作製されたタンパク質ポリウレタンアロイのDMAデータを比較する。図14は、30重量%のゼラチン及び70重量%のUD-303(実施例第13番)及び100%のUD-303(実施例第4番)で作製されたタンパク質ポリウレタンアロイのDMAデータを比較する。図15は、30重量%のゼラチン及び70重量%のUD-250(実施例第11番)及び100%のUD-250(実施例第3番)で作製されたタンパク質ポリウレタンアロイのDMAデータを比較する。
図22は、30重量%の大豆タンパク質単離物(SPI)、並びに70重量%のIMPRAPERM(登録商標)DL5249及び100%のIMPRAPERM(登録商標)DL5249ポリウレタン試料で作製されたタンパク質ポリウレタンアロイのDMAデータを比較する。0.44mmの平均厚さを有する図22の30重量%の大豆タンパク質単離物(SPI)及び70重量%のIMPRAPERM(登録商標)DL 5249アロイの3つの試料は、65.80MPaの平均ヤング率を有していた。0.7mmの平均厚さを有する図22の100%IMPRAPERM(登録商標)DL 5249ポリウレタンの3つの試料は、10.13MPaの平均ヤング率を有していた。図22に示すDMAデータ及びタンパク質ポリウレタンアロイのこの機械的試験の結果は、SPIとIMPRAPERM(登録商標)DL5249の硬質相との選択的混和性を示す。
表3及び表4は、様々な例示的なポリウレタン、及び30重量%のゼラチンとブレンドされたそれらの同じポリウレタンのDMAデータを報告する。表5及び表6は、様々な例示的なポリウレタン、及び30重量%のゼラチンとブレンドされたそれらの同じポリウレタンの引張り強度及びヤング率データを報告する。結果は、試験したポリウレタンの硬質相で試験したタンパク質の選択的混和性を示す。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有するポリウレタンを含み得る。同じタンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下においてポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約5℃~約100℃の範囲にわたり高い第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し得る。第2のDMA弾性率遷移開始温度のこの相対的な増加は、「第2デルタ弾性率遷移開始」と称することができる。いくつかの実施形態では、第2デルタ弾性率遷移開始は、約5℃以上であり得る。いくつかの実施形態では、デルタ第2の弾性率遷移開始は、約5℃~約100℃、約5℃~約95℃、約5℃~約90℃、約5℃~約85℃、約5℃~約80℃、約5℃~約75℃、約5℃~約70℃、約5℃~約65℃、約5℃~約60℃、約5℃~約55℃、約5℃~約50℃、約5℃~約45℃、約5℃~約40℃、約5℃~約35℃、約5℃~約30℃、約5℃~約25℃、約5℃~約20℃、約5℃~約15℃、約5℃~約10℃、約10℃~約100℃、約15℃~約100℃、約20℃~約100℃、約25℃~約100℃、約30℃~約100℃、約35℃~約100℃、約40℃~約100℃、約45℃~約100℃、約50℃~約100℃、約55℃~約100、約60℃~約100℃、約65℃~約100℃、約70℃~約100℃、約75℃~約100℃、約80℃~約100℃、約85℃~約100℃、約90℃~約100℃、若しくは約95℃~約100℃、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、第2デルタ弾性率遷移開始は、約5℃~約80℃の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第2デルタ弾性率遷移開始は、約20℃~約80℃の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第2デルタ弾性率遷移開始は、約40℃~約80℃の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、第2デルタ弾性率遷移開始は、約100℃超であり得る。例えば、第2デルタ弾性率遷移開始は、約100℃~約150℃の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有するポリウレタンを含み得る。同じ大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下においてポリウレタンの第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約15℃~約100℃の範囲にわたり高い第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し得る。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイの第2デルタ弾性率遷移開始は、約15℃以上であり得る。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイのデルタ第2の弾性率遷移開始は、約15℃~約100℃、約15℃~約95℃、約15℃~約90℃、約15℃~約85℃、約15℃~約80℃、約15℃~約75℃、約15℃~約70℃、約15℃~約65℃、約15℃~約60℃、約15℃~約55℃、約15℃~約50℃、約15℃~約45℃、約15℃~約40℃、約15℃~約35℃、約15℃~約30℃、約15℃~約25℃、約15℃~約20℃、約20℃~約100℃、約25℃~約100℃、約30℃~約100℃、約35℃~約100℃、約40℃~約100℃、約45℃~約100℃、約50℃~約100℃、約55℃~約100、約60℃~約100℃、約65℃~約100℃、約70℃~約100℃、約75℃~約100℃、約80℃~約100℃、約85℃~約100℃、約90℃~約100℃、若しくは約95℃~約100℃、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、部分範囲を含む、約100℃~約200℃の範囲にわたる第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、約100℃~約200℃、約100℃~約195℃、約100℃~約190℃、約100℃~約185℃、約100℃~約180℃、約100℃~約175℃、約100℃~約170℃、約100℃~約165℃、約100℃~約160℃、約100℃~約155℃、約100℃~約150℃、約100℃~約145℃、約100℃~約140℃、約100℃~約135℃、約100℃~約130℃、約100℃~約125℃、or約100~約120℃、約105℃~約200℃、約110℃~約200℃、約115℃~約200℃、約120℃~約200℃、約125℃~約200℃、約130℃~約200℃、約135℃~約200℃、約140℃~約200℃、約145℃~約200℃、約150℃~約200℃、約155℃~約200℃、約160℃~約200℃、約165℃~約200℃、約170℃~約200℃、約175℃~約200℃、若しくは約180℃~約200℃の範囲にわたる、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、約120℃~約200℃の範囲にわたる第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、約130℃~約200℃の範囲にわたる第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、約165℃~約200℃の範囲にわたる第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し得る。
いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、部分範囲を含む、約130℃~約200℃の範囲にわたる第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、約130℃~約200℃、約130℃~約195℃、約130℃~約190℃、約130℃~約185℃、約130℃~約180℃、約130℃~約175℃、約130℃~約170℃、約130℃~約165℃、約130℃~約160℃、約130℃~約155℃、約130℃~約150℃、約130℃~約145℃、約130℃~約140℃、約135℃~約200℃、約140℃~約200℃、約145℃~約200℃、約150℃~約200℃、約155℃~約200℃、約160℃~約200℃、約165℃~約200℃、約170℃~約200℃、約175℃~約200℃、約180℃~約200℃、約185℃~約200℃、若しくは約190℃~約200℃の範囲にわたる、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、30℃未満の第1のDMA弾性率遷移温度を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、部分範囲を含む、約-65℃~約30℃の範囲にわたる第1のDMA弾性率遷移開始温度を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイの第1のDMA弾性率遷移開始温度は、約-65℃~約30℃、約-65℃~約25℃、約-65℃~約20℃、約-65℃~約15℃、約-65℃~約10℃、約-65℃~約5℃、約-65℃~約1℃、約-65℃~0℃、約-65℃~約1℃、約-65℃~約-5℃、約-65℃~約-10℃、約-65℃~約-15℃、約-65℃~約-20℃、約-65℃~約-25℃、約-65℃~約-30℃、約-65℃~約-35℃、約-65℃~約-35℃、約-65℃~約-40℃、若しくは約-65℃~約-45℃の範囲、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下において第1のDMA弾性率遷移開始温度を有するポリウレタンを含み得る。その同じタンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下において、ポリウレタンの第1のDMA弾性率遷移開始温度+/-X℃である第1のDMA弾性率遷移開始温度を有し得る。第1のDMA弾性率遷移開始温度のこの相対的な増加又は減少は、「第1デルタ弾性率遷移開始」と称することができる。いくつかの実施形態では、Xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、30℃未満のDMA tan(δ)ピーク温度を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、部分範囲を含む、約-60℃~約30℃の範囲にわたるDMA tan(δ)ピーク温度を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイのDMA tan(δ)ピーク温度は、約-60℃~約30℃、約-60℃~約25℃、約-60℃~約20℃、約-60℃~約15℃、約-60℃~約10℃、約-60℃~約5℃、約-60℃~約1℃、約-60℃~0℃、約-60℃~約1℃、約-60℃~約-5℃、約-60℃~約-10℃、約-60℃~約-15℃、約-60℃~約-20℃、約-60℃~約-25℃、約-60℃~約-30℃、約-60℃~約-35℃、若しくは約-60℃~約-40℃の範囲、又はこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下においてポリウレタンの軟質相に対応するDMA tan(δ)ピーク温度を有するポリウレタンを含み得る。それと同じように、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下においてポリウレタンの軟質相に対応するDMA tan(δ)ピーク温度+/-Y℃であるDMA tan(δ)ピーク温度を有し得る。DMA tan(δ)ピーク温度のこの相対的な増加又は減少は、「デルタTan(δ)ピーク温度」と称することができる。いくつかの実施形態では、Yは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下において引張り強度を有するポリウレタンを含み得る。同じタンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの引張り強度よりも約5%~約55%大きい引張り強度を有し得る。引張り強度のこの相対的な増加率は、「デルタ引張り強度%」と称することができる。いくつかの実施形態では、デルタ引張り強度%は、5%以上であり得る。いくつかの実施形態では、デルタ引張り強度%は、約5%~約55%、約10%~約55%、約15%~約55%、約20%~約55%、約25%~約55%、約30%~約55%、約35%~約55%、約40%~約55%、約45%~約55%、約50%~約55%、約5%~約50%、約5%~約45%、約5%~約40%、約5%~約35%、約5%~約30%、約5%~約25%、約5%~約20%、約5%~約15%、若しくは約5%~約10%の範囲、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、デルタ引張り強度%は、約15%~約55%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、デルタ引張り強度%は、約55%超であり得る。例えば、デルタ引張り強度%は、約55%~約1000%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下において引張り強度を有するポリウレタンを含み得る。その同じ大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの引張り強度よりも約10%~約45%大きい引張り強度を有し得る。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイのデルタ引張り強度%は、10%以上であり得る。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイのデルタ引張り強度%は、約10%~約45%、約15%~約45%、約20%~約45%、約25%~約45%、約30%~約45%、約35%~約45%、約40%~約45%、約10%~約40%、約10%~約35%、約10%~約30%、約10%~約25%、約10%~約20%、若しくは約10%~約15%の範囲、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下において引張り強度を有するポリウレタンを含み得る。同じタンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの引張り強度よりも約2MPa(メガパスカル)~約8MPaの範囲にわたり大きい引張り強度を有し得る。引張り強度のこの相対的な増加は、「デルタ引張り強度」と称することができる。いくつかの実施形態では、デルタ引張り強度は、2MPa以上であり得る。いくつかの実施形態では、デルタ引張り強度は、は、約2MPa~約8MPa、約3MPa~約8MPa、約4MPa~約8MPa、約5MPa~約8MPa、約6MPa~約MPa、約7MPa~約8MPa、約2MPa~約7MPa、約2MPa~約6MPa、約2MPa~約5MPa、約2MPa~約4MPa、若しくは約2MPa~約3MPaの範囲、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、デルタ引張り強度は、約5MPa~約8MPaの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、デルタ引張り強度は、約8MPa超であり得る。例えば、デルタ引張り強度は、約8MPa~約15MPaの範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下において引張り強度を有するポリウレタンを含み得る。その同じ大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの引張り強度よりも約1.5MPa~約5.5MPaの範囲にわたり大きい引張り強度を有し得る。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイのデルタ引張り強度は、1.5MPa以上であり得る。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイのデルタ引張り強度は、約1.5MPa~約5.5MPa、約2MPa~約5.5MPa、約3MPa~約5.5MPa、約4MPa~約5.5MPa、約1.5MPa~約5MPa、約1.5MPa~約4MPa、若しくは約1.5MPa~約3MPaの範囲、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、部分範囲を含む約7MPa~約21MPaの範囲にわたる引張り強度を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、約7MPa~約21MPa、約10MPa~約21MPa、約15MPa~約21MPa、約7MPa~約15MPa、若しくは約7MPa~約10MPaの範囲にわたる引張り強度、又は端点を含む端点としてこれらの値のいずれかを有する範囲内の引張り強度であり得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、約21MPaを超える引張り強度を有し得る。例えば、タンパク質ポリウレタンアロイは、約21MPa~約25MPaの範囲にわたる引張り強度を有し得る。
いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、約14MPa~約19MPa又は約16MPa~約19MPaの範囲にわたる引張り強度を有し得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンは、約2MPa以上の引張り強度を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンは、部分範囲を含む約2MPa~約35MPaの範囲にわたる引張り強度を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンは、約2MPa~約35MPa、約5MPa~約30MPa、約10MPa~約25MPa、若しくは約15MPa~約20MPaの範囲にわたる、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内である引張り強度を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンは、約10MPa~約15MPaの範囲にわたる引張り強度を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンは、約1MPa~約35MPaの範囲にわたる引張り強度を有し得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下においてヤング率を有するポリウレタンを含み得る。同じタンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンのヤング率よりも約10%~約600%の範囲にわたり大きいヤング率を有し得る。ヤング率のこの相対的なパーセント増加は、「デルタヤング率%」と称することができる。いくつかの実施形態では、デルタヤング率%は、約10%以上であり得る。いくつかの実施形態では、デルタヤング率%は、約10%~約600%、約20%~約600%、約30%~約600%、約40%~約600%、約50%~約600%、約60%~約600%、約70%~約600%、約80%~約600%、約90%~約600%、約100%~約600%、約200%~約600%、約300%~約600%、約400%~約600%、約500%~約600%の範囲、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、デルタヤング率%は、約40%~約600%の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、デルタヤング率%は、約600%超であり得る。例えば、デルタヤング率%は、約600%~約2400%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下においてヤング率を有するポリウレタンを含み得る。同じ大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下におけるポリウレタンのヤング率よりも約60%~約570%の範囲にわたり大きいヤング率を有し得る。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイのデルタヤング率%は、約60%以上であり得る。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイのデルタヤング率%は、約60%~約570%、約100%~約570%、約200%~約570%、約300%~約570%、約400%~約570%、若しくは約500%~約570%の範囲、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下においてヤング率を有するポリウレタンを含み得る。同じタンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンのヤング率よりも約10MPa~約350MPaの範囲にわたり大きいヤング率を有し得る。ヤング率のこの相対的な増加は、「デルタヤング率」と称することができる。いくつかの実施形態では、デルタヤング率は、10MPa超であり得る。いくつかの実施形態では、デルタヤング率は、約10MPa~約350MPa、約25MPa~約350MPa、約50MPa~約350MPa、約100MPa~約350MPa、約150MPa~約350MPa、約200MPa~約350MPa、約250MPa~約350MPa、約300MPa~約350MPa、約10MPa~約300MPa、約10MPa~約250MPa、約10MPa~約200MPa、約10MPa~約150MPa、約10MPa~約100MPa、約10MPa~約50MPa、若しくは約10MPa~約25MPaの範囲、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、デルタヤング率は、約25MPa~約350MPaの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、デルタヤング率は、約100MPa~約350MPaの範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下においてヤング率を有するポリウレタンを含み得る。同じ大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、大豆タンパク質の非存在下におけるポリウレタンのヤング率よりも約35MPa~約340MPaの範囲にわたり大きいヤング率を有し得る。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイのデルタヤング率は、35MPa超であり得る。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイのデルタヤング率は、約35MPa~約340MPa、約50MPa~約340MPa、約100MPa~約340MPa、約150MPa~約340MPa、約200MPa~約340MPa、約250MPa~約340MPa、約300MPa~約340MPa、約35MPa~約300MPa、約35MPa~約250MPa、約35MPa~約200MPa、約35MPa~約150MPa、約35MPa~約100MPa、若しくは約35MPa~約50MPaの範囲、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、部分範囲を含む約50MPa~約450MPaの範囲のヤング率を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、約50MPa~約450MPa、約75MPa~約450MPa、約100MPa~約450MPa、約150MPa~約450MPa、約200MPa~約450MPa、約250MPa~約450MPa、約300MPa~約450MPa、約350MPa~約450MPa、約400MPa~約450MPa、約50MPa~約400MPa、約50MPa~約350MPa、約50MPa~約300MPa、約50MPa~約250MPa、約50MPa~約200MPa、約50MPa~約150MPa、約50MPa~約100MPa、若しくは約50MPa~約75MPaの範囲にわたる、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内のヤング率を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、約75MPa~約450MPaの範囲のヤング率を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、約450MPaを超えるヤング率を有し得る。例えば、タンパク質ポリウレタンアロイは、約450MPa~約580MPaの範囲にわたるヤング率を有し得る。
いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、部分範囲を含む約90MPa~約400MPaの範囲にわたるヤング率を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、約90MPa~約400MPa、約100MPa~約400MPa、約150MPa~約400MPa、約200MPa~約400MPa、約250MPa~約400MPa、約300MPa~約400MPa、約350MPa~約400MPa、約90MPa~約350MPa、約90MPa~約300MPa、約90MPa~約250MPa、約90MPa~約200MPa、約90MPa~約150MPa、若しくは約90MPa~約100MPaの範囲にわたる、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内のヤング率を有し得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンは、約10MPa以上のヤング率を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンは、部分範囲を含む約10MPa~約600MPaの範囲にわたるヤング率を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンは、熱可塑性コラーゲンエラストマー複合材料は、約10MPa~約600MPa、約10MPa~約500MPa、約10MPa~約400MPa、約10MPa~約300MPa、約10MPa~約200MPa、約10MPa~約100MPa、若しくは約10MPa~約50MPaの範囲にわたる、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内のヤング率を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンは、約50MPa~約100MPaの範囲にわたるヤング率を有し得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下において水蒸気透過率を有するポリウレタンを含み得る。その同じタンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下における水蒸気透過率よりも約20%以上大きい水蒸気透過率を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの水蒸気透過率よりも約20%~約600%大きい水蒸気透過率を有し得る。水蒸気透過率のこの相対的なパーセント増加は、「デルタMVTR%」と称することができる。いくつかの実施形態では、デルタMVTR%は、約20%以上であり得る。いくつかの実施形態では、デルタMVTR%は、約20%~約600%、約30%~約600%、約40%~約600%、約50%~約600%、約75%~約600%、約100%~約600%、約125%~約600%、約150%~約600%、約200%~約600%、約20%~約500%、約20%~約400%、約20%~約300%、約20%~約200%、約20%~約150%、約20%~約125%、若しくは約20%~約100%の範囲、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。
いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、約20%以上のデルタMVTR%を含み得る。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイのデルタMVTR%は、約20%~約600%、約30%~約600%、約40%~約600%、約50%~約600%、約75%~約600%、約100%~約600%、約125%~約600%、約150%~約600%、約200%~約600%、約20%~約500%、約20%~約400%、約20%~約300%、約20%~約200%、約20%~約150%、約20%~約125%、若しくは約20%~約100%の範囲、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下において水蒸気透過率を有するポリウレタンを含み得る。その同じタンパク質ポリウレタンアロイは、タンパク質の非存在下におけるポリウレタンの水蒸気透過率よりも約30g/m/24時間~約500g/m/24時間の範囲にわたり大きい水蒸気透過率を含み得る。水蒸気透過率のこの相対的な増加は、「デルタMVTR」と称することができる。いくつかの実施形態では、デルタMVTRは、30g/m/24時間以上であり得る。いくつかの実施形態では、デルタMVTRは、約30g/m/24時間~約500g/m/24時間、約40g/m/24時間~約500g/m/24時間、約50g/m/24時間~約500g/m/24時間、約75g/m/24時間~約500g/m/24時間、約100g/m/24時間~約500g/m/24時間、約150g/m/24時間~約500g/m/24時間、約200g/m/24時間~約500g/m/24時間、約300g/m/24時間~約500g/m/24時間、約30g/m/24時間~約400g/m/24時間、約30g/m/24時間~約300g/m/24時間、約30g/m/24時間~約200g/m/24時間、約30g/m/24時間~約150g/m/24時間、約30g/m/24時間~約100g/m/24時間、約30MPa~約75g/m/24時間、若しくは約30g/m/24時間~約50g/m/24時間の範囲、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。
いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、30g/m/24時間以上のデルタMVTRを含み得る。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイのデルタMVTRは、約30g/m/24時間~約500g/m/24時間、約40g/m/24時間~約500g/m/24時間、約50g/m/24時間~約500g/m/24時間、約75g/m/24時間~約500g/m/24時間、約100g/m/24時間~約500g/m/24時間、約150g/m/24時間~約500g/m/24時間、約200g/m/24時間~約500g/m/24時間、約300g/m/24時間~約500g/m/24時間、約30g/m/24時間~約400g/m/24時間、約30g/m/24時間~約300g/m/24時間、約30g/m/24時間~約200g/m/24時間、約30g/m/24時間~約150g/m/24時間、約30g/m/24時間~約100g/m/24時間、約30MPa~約75g/m/24時間、or約30g/m/24時間~約50g/m/24時間の範囲、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、部分範囲を含む約30g/m2/24時間~約1000g/m/24時間の範囲にわたる水蒸気透過率を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、約30g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約60g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約100g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約200g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約250g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約300g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約400g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約500g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約30g/m/24時間~約900g/m/24時間、約30g/m/24時間~約800g/m/24時間、約30g/m/24時間~約700g/m/24時間、約30g/m/24時間~約600g/m/24時間、約30g/m/24時間~約500g/m/24時間、約30g/m/24時間~約400g/m/24時間、約30g/m/24時間~約300g/m/24時間、約30g/m/24時間~約250g/m/24時間、約30g/m/24時間~約200g/m/24時間、若しくは約30g/m/24時間~約100g/m/24時間の範囲にわたる、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の水蒸気透過率を含み得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、約250g/m/24時間以上の水蒸気透過率を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイは、約250g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約250g/m/24時間~約700g/m/24時間、又は約250g/m/24時間~約500g/m/24時間の範囲にわたる水蒸気透過率を含み得る。
いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、部分範囲を含む約30g/m2/24時間~約1000g/m/24時間の範囲にわたる水蒸気透過率を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、約30g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約60g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約100g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約200g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約250g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約300g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約400g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約500g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約30g/m/24時間~約900g/m/24時間、約30g/m/24時間~約800g/m/24時間、約30g/m/24時間~約700g/m/24時間、約30g/m/24時間~約600g/m/24時間、約30g/m/24時間~約500g/m/24時間、約30g/m/24時間~約400g/m/24時間、約30g/m/24時間~約300g/m/24時間、約30g/m/24時間~約250g/m/24時間、約30g/m/24時間~約200g/m/24時間、若しくは約30g/m/24時間~約100g/m/24時間の範囲にわたる、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の水蒸気透過率を含み得る。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、約250g/m/24時間以上の水蒸気透過率を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、大豆タンパク質ポリウレタンアロイは、約250g/m/24時間~約1000g/m/24時間、約250g/m/24時間~約700g/m/24時間、又は約250g/m/24時間~約500g/m/24時間の範囲にわたる水蒸気透過率を含み得る。
図17はいくつかの実施形態による層状材料1700を示す。層状材料1700は、基材層1710に結合したポリウレタンタンパク質アロイ層1720を含む。ポリウレタンタンパク質アロイ層1720は、基材層1710の表面に直接結合することができるか、又は中間層、例えば接着層を介して基材層1710の表面に結合することができる。直接結合は、例えば、熱結合プロセス又はステッチングを用いて達成することができる。ポリウレタンタンパク質アロイ層1720は、「第1のポリウレタンタンパク質アロイ層」と称することができる。
ポリウレタンタンパク質アロイ層1720は、1つ以上のタンパク質型及び1つ以上のポリウレタンを含み得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンタンパク質アロイ層1720は、1つ以上のポリウレタン内に溶解された1つ以上のタンパク質を含み得る。いくつかの実施形態では、ポリウレタンタンパク質アロイ層1720は、透明であり得る。ポリウレタンタンパク質アロイ層の透明度は、ポリウレタンタンパク質アロイ層を染色するか、又は他の方法で着色する前に評価される。
透明なタンパク質ポリウレタンアロイ層は、層状材料に固有の特性を提供し得る。例えば、非透明層と比較して、透明なタンパク質ポリウレタンアロイ層は、染色された場合に固有の色の濃さを提供することができる。同様に、透明なタンパク質ポリウレタンアロイ層は、材料の審美的特性に著しく影響を与えることなく、その機械的特性を層状材料に提供することができる。
タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は、底面1722、上面1724、及び底面1722と上面1724との間で測定された厚さ1726を含む。いくつかの実施形態では、厚さ1726は、部分範囲を含む、約25ミクロン~約400ミクロン(マイクロメートル、μm)の範囲であり得る。例えば、厚さ1726は、約25ミクロン、約50ミクロン、約100ミクロン、約125ミクロン、約150ミクロン、約175ミクロン、約200ミクロン、約250ミクロン、約300ミクロン、約350ミクロン、若しくは約400ミクロン、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、厚さ1726は、約50ミクロン~約350ミクロン、約75ミクロン~約300ミクロン、約100ミクロン~約250ミクロン、約125ミクロン~約200ミクロン、又は約150ミクロン~約175ミクロンの範囲であり得る。
タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は、部分範囲を含む約25g/m~約125g/mの範囲にわたる、平方メートル当たりのグラム数(gsm、g/m)で測定された乾燥重量を有し得る。例えば、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は、約25g/m、約50g/m、約75g/m、約100g/m、若しくは約125g/mの乾燥重量、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の乾燥重量を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は、約25g/m~約125g/m、約25g/m~約100g/m、又は約50g/m~約100g/mの範囲にわたる乾燥重量を有し得る。
特に指定しない限り、層の乾燥重量は、以下の方法を用いて材料を作製するプロセス中に測定される。最初に、問題の層を材料に適用する前に、材料の第1の試料(直径約10センチメートル)を切断し、重量及び寸法を測定して第1の乾燥重量を計算する。犠牲層が存在する場合、重量及び寸法を測定する前に除去する。次に、問題の層を適用及び乾燥させた後、同じサイズの第2の試料を材料から切断し、重量及び寸法を測定して、第2の乾燥重量を計算する。犠牲層が存在する場合、重量及び寸法を測定する前に除去する。第3に、第1の乾燥重量を第2の乾燥重量から差し引いて、問題の層の乾燥重量を得る。全ての重量及び寸法測定は、同じ湿度レベルで、典型的には材料が作製される製造環境の湿度レベルで実行される。乾燥重量を計算する目的で、3つの別々の乾燥重量試験を行い、平均乾燥重量を層の乾燥重量として報告する。
いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は、非発泡層であり得る。「非発泡」層は、5%空隙以下、例えば0%空隙~5%空隙の層の空隙パーセントで測定された密度を有する層を意味する。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は、発泡層であり得る。そのような実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は、部分範囲を含む約5%の空隙~約70%の空隙の範囲にわたる層1720の空隙パーセントで測定された密度を有し得る。例えば、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は、約5%の空隙、約10%の空隙、約20%の空隙、約30%の空隙、約35%の空隙、約40%の空隙、約45%の空隙、約50%の空隙、約55%の空隙、約60%の空隙、約65%の空隙、若しくは約70%の空隙、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の空隙を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は、約10%~約65%、約20%~約60%、約30%~約55%、約35%~約50%、又は約40%~約45%の範囲にわたるパーセント空隙を有し得る。
空隙パーセント(「パーセント多孔度」とも称され得る)は、層の断面の画像分析によって、又は比重計を用いて層の試料のバルク密度を測定することによって測定することができる。特に指定しない限り、本明細書で報告される空隙パーセントは、層の断面の画像分析によって測定される。画像は37倍の倍率でImageJソフトウェア(又は同等のソフトウェア)を用いて分析される。ImageJソフトウェアは、学習可能なWekaセグメンテーション分類器を使用して、層内の空隙パーセントを計算する。空隙パーセントを計算する目的で、断面の3~5枚の別個の画像が評価され、平均空隙空間パーセントは層の空隙パーセントとして報告される。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は、1つ以上の発泡剤及び/又は泡安定剤を含み得る。好適な発泡剤及び泡安定剤は、層1730及び1740について本明細書で論じられるものを含む。
基材層1710は、底面1712、上面1714、及び底面1712と上面1714との間で測定された厚さ1716を含む。いくつかの実施形態では、厚さ1716は、部分範囲を含む約50ミクロン~約1000ミクロンの範囲であり得る。例えば、厚さ1716は、約50ミクロン、約100ミクロン、約150ミクロン、約200ミクロン、約250ミクロン、約300ミクロン、約350ミクロン、約400ミクロン、約500ミクロン、約600ミクロン、約700ミクロン、約800ミクロン、約900ミクロン、若しくは約1000ミクロン、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、厚さ1716は、約100ミクロン~約900ミクロン、約150ミクロン~約800ミクロン、約200ミクロン~約700ミクロン、約250ミクロン~約600ミクロン、約300ミクロン~約500ミクロン、又は約350ミクロン~約400ミクロンの範囲であり得る。
基材層1710は、部分範囲を含む約50g/m~約600g/mの範囲にわたる、平方メートル当たりのグラム数(g/m)で測定された乾燥重量を有し得る。例えば、基材層110は、約50g/m、約75g/m、約100g/m、約125g/m、約150g/m、約175g/m、約200g/m、約300g/m、約400g/m、約500g/m、若しくは約600g/mの乾燥重量、又は端点としてこれらの値のいずれか2つを有する範囲内の乾燥重量を有し得る。いくつかの実施形態では、基材層1710は、約75g/m~約500g/m、約100g/m~約400g/m、約125g/m~約300g/m、約150g/m~約200g/m、又は約175g/m~約200g/mの範囲にわたる乾燥重量を有し得る。
基材層1710は1つ以上のテキスタイル層を含み得る。1つ以上のテキスタイル層は、例えば、織布層、不織布層、ニット層、メッシュ生地層、又はレザー層であり得る。1つ以上のテキスタイル層は、リサイクルされた又は未使用の繊維、フィラメント、又はヤーンから構成され得る。いくつかの実施形態では、基材層1710は、ポリエステルニット層、ポリエステル綿スパンデックス混紡ニット層、又はスエード層であり得るか、又はこれらを含み得る。いくつかの実施形態では、基材層1710は、1つ以上の天然繊維、例えば、綿、リネン、シルク、羊毛、ケナフ、亜麻、カシミヤ、アンゴラ、竹、靱皮、麻、大豆、シーセル、牛乳若しくは牛乳タンパク質、スパイダーシルク、キトサン、菌糸体、細菌セルロースを含むセルロース、又は木材から作製された繊維から作製され得る。菌糸体とは、分岐した糸様菌糸の塊から構成される、真菌又は真菌様細菌コロニーの栄養部分である。真菌は、主に、菌糸の頂点で絶えず伸長している細胞壁から構成される。主にセルロースからなる植物、又はコラーゲンに依存する動物細胞の構造の構成成分とは異なり、真菌の細胞壁の構造オリゴ糖は、主にキチン及びベータグルカンに依存する。キチンとは節足動物の外骨格にも見られる強力で硬い物質である。
いくつかの実施形態では、基材層1710は、1つ以上の合成繊維、例えば、ポリエステル、ナイロン、芳香族ポリアミド、ポリオレフィン繊維、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、リオセル、ビスコース、抗微生物性ヤーン(A.M.Y.)、Sorbtek、ナイロン、エラストマー、例えば、LYCRA(登録商標)、スパンデックス、若しくはELASTANE(登録商標)、ポリエステル-ポリウレタンコポリマー、アラミド、炭素繊維及びフラーレンを含む炭素、ガラス、シリコン、鉱物、鉄、鋼、鉛、金、銀、白金、銅、亜鉛及びチタンを含有するものを含む金属若しくは金属合金、又はそれらの混合物から作製される繊維から作製され得る。
いくつかの実施形態では、不織布基材層1710は、ステープル不織布、メルトブローン不織布、スパンレイド不織布、フラッシュスパン不織布、又はこれらの組合せであり得る。いくつかの実施形態では、不織布基材層1710は、カーディングによって作製することができ、エアレイドであり得るか、又はウェットレイドであり得る。いくつかの実施形態では、カーディング、エアレイド、又はウェットレイド基材は、例えば、ニードルパンチ、水流絡合、積層、又は熱結合によって結合され得る。いくつかの実施形態では、不織布基材層1710は、1つ以上の天然繊維、例えば、綿、リネン、シルク、羊毛、ケナフ、亜麻、カシミヤ、アンゴラ、竹、靱皮、麻、大豆、シーセル、牛乳若しくは牛乳タンパク質、スパイダーシルク、キトサン、菌糸体、細菌セルロースを含むセルロース、又は木材から作製された繊維を含み得る。
いくつかの実施形態では、不織布基材層1710は、ポリマー中に機能性粒子を有するポリマー繊維を含み得る。例示的な機能性粒子としては、ポリマー繊維を作製するための押出プロセス中にポリマー樹脂中に混合されたセラミック粒子が挙げられる。そのようなセラミック粒子は、望ましい熱放散及び耐炎特性を有するポリマー繊維を提供することができる。いくつかの実施形態では、不織布基材層1710は、果肉(例えば、ブドウ果肉又はリンゴ果肉)又はパイナップル繊維で作製された繊維を含み得る。いくつかの実施形態では、不織布基材層1710は、リサイクル材料、例えば、リサイクルされたプラスチックから作製された繊維を含み得る。いくつかの実施形態では、不織布基材層1710は、藻類繊維を含み得る。いくつかの実施形態では、不織布基材層1710は、コルク繊維を含み得る。
いくつかの実施形態では、基材層1710は、スペーサ布、例えば、図21に示されるスペーサ布2100であり得るか、又はこれを含み得る。スペーサ布2100は、1つ以上のスペーサヤーン2130によって接続された第1の布層2110及び第2の布層2120を含む。スペーサヤーン(複数可)2130は、第1の布層2110と第2の布層2120との間に配置され、第1の布層2110の内面2114と第2の布層2120の内面2124との間の距離を定義する。第1の布層2110の外面2112及び第2の布層2120の外面2122は、それぞれ、基材層1710の上面1714及び底面1712を定義することができる。
第1の布層2110及び第2の布層2120は、1つ以上の布材料の層を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の布層2110及び第2の布層2120は、ステープル繊維、フィラメント、又はこれらの混合物から作製された1つ以上のテキスタイル層を含み得る。本明細書で使用される場合、「ステープル繊維」とは、約0.2mm~約5センチメートル(cm)の短い長さを有する繊維である。ステープル繊維は、天然に存在し得るか、又は切断したフィラメントであり得る。本明細書で使用される場合、「フィラメント」とは、5cm以上の長さを有する長い繊維である。いくつかの実施形態では、第1の布層2110及び第2の布層2120は、織布材料又はニット材料の1つ以上の層を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の布層2110の外面2112は、織布層又はニット布層によって定義することができる。いくつかの実施形態では、第2の布層2120の外面2122は、織布層又はニット布層によって定義することができる。
いくつかの実施形態では、第1の布層2110及び第2の布層2120は、1つ以上の天然繊維、例えば、綿、リネン、シルク、羊毛、ケナフ、亜麻、カシミヤ、アンゴラ、竹、靱皮、麻、大豆、シーセル、牛乳若しくは牛乳タンパク質、スパイダーシルク、キトサン、菌糸体、細菌セルロースを含むセルロース、又は木材から作製された繊維から作製され得る。いくつかの実施形態では、第1の布層2110及び第2の布層2120は、1つ以上の合成繊維、例えば、ポリエステル、ナイロン、芳香族ポリアミド、ポリオレフィン繊維、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、リオセル、ビスコース、抗微生物性ヤーン(A.M.Y.)、Sorbtek、ナイロン、エラストマー、例えば、LYCRA(登録商標)、スパンデックス、若しくはELASTANE(登録商標)、ポリエステル-ポリウレタンコポリマー、アラミド、炭素繊維及びフラーレンを含む炭素、ガラス、シリコン、鉱物、鉄、鋼、鉛、金、銀、白金、銅、亜鉛及びチタンを含有するものを含む金属若しくは金属合金、又はそれらの混合物から作製される繊維から作製され得る。スペーサヤーン(複数可)2130は、第1の布層2110及び第2の布層2120について上に列挙された天然又は合成材料のうちいずれかからなるモノフィラメントヤーン(複数可)を含み得る。
いくつかの実施形態では、基材層1710は、着色剤で着色され得る。いくつかの実施形態では、着色剤は、染料、例えば、酸性染料、繊維反応性染料、直接染料、硫化染料、塩基性染料、又は反応性染料であり得る。いくつかの実施形態では、着色剤は、顔料、例えばレーキ顔料であり得る。いくつかの実施形態では、層状材料の所望の審美性に応じて、第1の着色剤を1つ以上のタンパク質ポリウレタンアロイ層に組み込むことができ、第2の着色剤を基材層1710に組み込むことができる。
繊維反応性染料は、アルカリpH及び高温の存在下において、繊維状のセルロース基材中の求核性部位と共有結合を形成することができるペンダント基を含有する、1つ以上の発色団を含む。これらの染料は、高い洗浄堅牢度及び広範囲の輝く色調を達成することができる。例示的な反応性染料には、スルファトエチルスルホン(Remazol)、トリアジン、ビニルスルホン、及びアクリルアミド染料が含まれるが、これらに限定されない。これらの染料は、マイケル付加を介して繊維求核剤と反応することによって、絹、ウール、及びナイロンなどのタンパク質繊維を染色することができる。直接染料は、セルロース繊維又はタンパク質繊維を染色することができるアニオン性染料である。塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウムなどの電解質の存在下においては、沸点が近いほど、これらの染料はセルロースに対して親和性を有し得る。例示的な直接染料には、アゾ、スチルベン、フタロシアニン、及びジオキサジンが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、層状材料1700は、基材層1710の上面1714に結合したタンパク質ポリウレタンアロイ層1720を含み得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720の底面1722は、基材層1710の上面1714と直接接触し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720の底面1722は、接着層(例えば、接着層1750)を介して基材層1710の上面1714と結合し得る。いくつかの実施形態では、層状材料1700は、基材層1710の底面1712に結合したタンパク質ポリウレタンアロイ層1720を含み得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720の上面1724は、基材層1710の底面1712と直接接触し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720の上面1724は、接着層(例えば、接着層1750)を介して基材層1710の底面1712と結合し得る。いくつかの実施形態では、層状材料1700は、基材層1710の上面1714に結合したタンパク質ポリウレタンアロイ層1720と、基材層1710の底面1712に結合したタンパク質ポリウレタンアロイ層1720と、を含み得る。そのような実施形態では、層状材料1700は、基材層1710の対向する表面上に配置されたタンパク質ポリウレタンアロイ層1720を含む。
いくつかの実施形態では、例えば図18に示されるように、層状材料1700は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720と基材層1710との間に配置された第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730を含み得る。そのような実施形態では、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720に結合される。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720の底面1722は、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730の上面1734と直接接触し得る。
第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は、底面1732、上面1734、及び底面1732と上面1734との間で測定された厚さ1736を含む。いくつかの実施形態では、厚さ1736は、部分範囲を含む約25ミクロン~約600ミクロンの範囲であり得る。例えば、厚さ1736は、約25ミクロン、約50ミクロン、約100ミクロン、約125ミクロン、約150ミクロン、約175ミクロン、約200ミクロン、約225ミクロン、約250ミクロン、約275ミクロン、約300ミクロン、約400ミクロン、約500ミクロン、若しくは約600ミクロン、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、厚さ1736は、約50ミクロン~約500ミクロン、約75ミクロン~約400ミクロン、約100ミクロン~約300ミクロン、約125ミクロン~約275ミクロン、約150ミクロン~約250ミクロン、約175ミクロン~約225ミクロン、又は約200ミクロン~約225ミクロンの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、厚さ1736は、厚さ1726よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、厚さ1736は、厚さ1726未満であり得る。いくつかの実施形態では、厚さ1736は、厚さ1726よりも5ミクロン以上大きくてもよく、又は厚さ1726よりも5ミクロン以上小さくてもよい。
第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は、部分範囲を含む約30g/m~約600g/mの範囲にわたる、平方メートル当たりのグラム数(g/m)で測定された乾燥重量を有し得る。例えば、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は、約30g/m、約40g/m、約60g/m、約80g/m、約100g/m、約120g/m、約140g/m、約150g/m、約200g/m、約300g/m、約400g/m、約500g/m、若しくは約600g/mの乾燥重量、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の乾燥重量を有し得る。いくつかの実施形態では、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は、約40g/m~約500g/m、約60g/m~約400g/m、約80g/m~約300g/m、約100g/m~約200g/m、約120g/m~約150g/m、又は約140g/m~約150g/mの範囲にわたる乾燥重量を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は第1の重量を有し得、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は第2の重量を有し得、第1の重量は第2の重量未満であり得る。いくつかの実施形態では、第1の重量は、第2の重量よりも5g/m以上小さくてもよい。
いくつかの実施形態では、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は、発泡剤を含み得る。いくつかの実施形態では、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は、発泡安定剤を含み得る。発泡剤又は泡安定剤は、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730のブレンド中に第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730中の空間の形成を促進することができる。好適な泡安定剤としては、HeiQ Chemtexから入手可能である、HeiQ Chemtex 2216-T(非イオン性及びアニオン性界面活性剤の安定化ブレンド)、HeiQ Chemtex 2241-A(修飾HEUR(疎水性修飾エチレンオキシドウレタン)増粘剤)、HeiQ Chemtex 2243(非イオン性シリコーン分散液)、又はHeiQ Chemtex 2317(非イオン性及びアニオン性界面活性剤)泡安定剤が挙げられるが、これらに限定されない。使用される場合、泡安定剤は、機械的に作製された発泡体(気泡)を安定化するのに役立つ。機械的に作製された発泡体は、例えば、ロータ及び/又は圧縮空気によって作製され得る。使用される場合、発泡剤は、化学反応によって、及び/又は層内の熱発生を介して、層内に発泡体(気泡)を作製することができる。
いくつかの実施形態では、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は、(i)層1730が1つ以上の発泡剤又は泡安定剤を含むか、かつ/又は(ii)層1730がタンパク質ポリウレタンアロイ層1720よりも低い密度を含むかのいずれかであるので、「発泡タンパク質ポリウレタンアロイ層」と称することができる。
第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は、部分範囲を含む約5%の空隙~約70%の空隙の範囲にわたる層1730の空隙パーセントで測定された密度を有し得る。例えば、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は、約5%の空隙、約10%の空隙、約20%の空隙、約30%の空隙、約35%の空隙、約40%の空隙、約45%の空隙、約50%の空隙、約55%の空隙、約60%の空隙、約65%の空隙、若しくは約70%の空隙、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の空隙を有し得る。いくつかの実施形態では、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は、約10%~約65%、約20%~約60%、約30%~約55%、約35%~約50%、又は約40%~約45%の範囲にわたるパーセント空隙を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は第1の密度を有し得、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は第2の密度を有し得、第1の密度は第2の密度よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の密度は、5%以上の空隙で第2の密度よりも大きくてもよい。
異なる重量及び/又は密度を有する複数のタンパク質ポリウレタンアロイ層の層化を使用して、層状材料の材料特性を調節することができる。例えば、より小さな重量及び/又は密度を有する層を使用して、層状材料の軟化性及び/又は柔軟性を高めることができる。一方で、大きな重量及び/又は密度を有する層は、層状材料の強度を高めることができる。加えて、比較的小さな重量及び/又は密度を有する1つ以上の層を用いることで、切断、ステッチング、及び/又は形成プロセス工程(例えば、スカイビング(skyving))を層状材料上で実行することができる容易さを高めることができる。複数のタンパク質ポリウレタンアロイ層の層化により、材料設計での自由度が増す。
いくつかの実施形態では、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は、発泡剤、発泡安定剤、又は1つ以上の着色剤などの存在し得る任意の他の構成成分に加えて、更に含み得る。第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730の着色剤の種類及び含有量は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720について本明細書に記載の種類及び量のいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は、着色剤を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。
いくつかの実施形態では、例えば図18に示されるように、層状材料1700は、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730と基材層1710との間に配置された第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740を含み得る。そのような実施形態では、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730に結合される。いくつかの実施形態では、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730の底面1732は、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740の上面1744と直接接触し得る。
第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は、底面1742、上面1744、及び底面1742と上面1744との間で測定された厚さ1746を含む。いくつかの実施形態では、厚さ1746は、部分範囲を含む約25ミクロン~約600ミクロンの範囲であり得る。例えば、厚さ1746は、約25ミクロン、約50ミクロン、約100ミクロン、約125ミクロン、約150ミクロン、約175ミクロン、約200ミクロン、約225ミクロン、約250ミクロン、約275ミクロン、約300ミクロン、約400ミクロン、約500ミクロン、若しくは約600ミクロン、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、厚さ1746は、約50ミクロン~約500ミクロン、約75ミクロン~約400ミクロン、約100ミクロン~約300ミクロン、約125ミクロン~約275ミクロン、約150ミクロン~約250ミクロン、約175ミクロン~約225ミクロン、又は約175ミクロン~約200ミクロンの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、厚さ1746は、厚さ1726より大きくてもよい。いくつかの実施形態では、厚さ1746は、厚さ1726未満であり得る。いくつかの実施形態では、厚さ1746は、厚さ1726よりも5ミクロン以上大きくてもよく、又は厚さ1726よりも5ミクロン以上小さくてもよい。いくつかの実施形態では、厚さ1746は、厚さ1736と同じであり得る。いくつかの実施形態では、厚さ1746は、厚さ1736よりも大きいか、又は厚さ1736未満であり得る。いくつかの実施形態では、厚さ1746は、厚さ1736よりも5ミクロン以上大きくてもよく、又は厚さ1736よりも5ミクロン以上小さくてもよい。
第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は、部分範囲を含む約30g/m~約600g/mの範囲にわたる、平方メートル当たりのグラム数(g/m)で測定された乾燥重量を有し得る。例えば、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は、約30g/m、約40g/m、約60g/m、約80g/m、約100g/m、約120g/m、約140g/m、約150g/m、約200g/m、約300g/m、約400g/m、約500g/m、若しくは約600g/mの乾燥重量、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の乾燥重量を有し得る。いくつかの実施形態では、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は、約40g/m~約500g/m、約60g/m~約400g/m、約80g/m~約300g/m、約100g/m~約200g/m、約120g/m~約150g/m、又は約120g/m~約140g/mの範囲にわたる乾燥重量を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は第1の重量を有し得、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は第3の重量を有し得、第1の重量は第3の重量未満であり得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は第1の重量を有し得、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は第2の重量を有し得、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は第3の重量を有し得、第1の重量は、第2の重量及び第3の重量未満であり得る。いくつかの実施形態では、第1の重量は、第2の重量及び/又は第3の重量よりも5g/m以上小さくてもよい。
いくつかの実施形態では、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は、発泡剤を含み得る。いくつかの実施形態では、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は、発泡安定剤を含み得る。発泡剤及び/又は泡安定剤は、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740のブレンド中に第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740中の空間の形成を促進することができる。好適な発泡剤としては、HeiQ Chemtexから入手可能である、HeiQ Chemtex 2216-T(非イオン性及びアニオン性界面活性剤の安定化ブレンド)、HeiQ Chemtex 2241-A(修飾HEUR(疎水性修飾エチレンオキシドウレタン)増粘剤)、HeiQ Chemtex 2243(非イオン性シリコーン分散液)、又はHeiQ Chemtex 2317(非イオン性及びアニオン性界面活性剤)泡安定剤が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は、(i)層1740が1つ以上の発泡剤又は泡安定剤を含むか、かつ/又は(ii)層1740がタンパク質ポリウレタンアロイ層120よりも低い密度を含むかのいずれかであるので、「発泡タンパク質ポリウレタンアロイ層」と称することができる。
第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は、部分範囲を含む約5%の空隙~約70%の空隙の範囲にわたる層1740の空隙パーセントで測定された密度を有し得る。例えば、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は、約5%の空隙、約10%の空隙、約20%の空隙、約30%の空隙、約35%の空隙、約40%の空隙、約45%の空隙、約50%の空隙、約55%の空隙、約60%の空隙、約65%の空隙、若しくは約70%の空隙、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の空隙を有し得る。いくつかの実施形態では、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は、約10%~約65%、約20%~約60%、約30%~約55%、約35%~約50%、又は約40%~約45%の範囲にわたるパーセント空隙を有し得る。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は第1の密度を有し得、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は第3の密度を有し得、第1の密度は第3の密度よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720は第1の密度を有し得、第2のタンパク質ポリウレタンアロイ層1730は第2の密度を有し得、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は第3の密度を有し得、第1の密度は第2の密度及び第3の密度よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の密度は、5%以上の空隙で第2の密度及び/又は第3の密度よりも大きくてもよい。
いくつかの実施形態では、層状材料1700は、同じタンパク質及びポリウレタンを有する複数のタンパク質ポリウレタンアロイ層を含み得る。いくつかの実施形態では、層状材料1700は、複数のタンパク質ポリウレタンアロイ層を含み得、異なる層は、異なるタンパク質及び/又は異なるポリウレタンを有し得る。
いくつかの実施形態では、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は、発泡剤、発泡安定剤、1つ以上の着色剤などの存在し得る任意の他の構成成分に加えて、更に含み得る。第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740の着色剤の種類及び含有量は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720について本明細書に記載の種類及び量のいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、第3のタンパク質ポリウレタンアロイ層1740は、着色剤を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。
いくつかの実施形態では、例えば図18に示されるように、層状材料1700は、ベースコート層1760を含み得る。ベースコート層1760は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720の上面1724上に配置することができる。ベースコート層1760は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720に直接的又は間接的に結合し得る。いくつかの実施形態では、ベースコート層1760は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720の上面1724上に配置することができる。いくつかの実施形態では、ベースコート層1760の底面1762は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720の上面1724と直接接触し得る。
ベースコート層1760は、底面1762、上面1764、及び底面1762と上面1764との間で測定された厚さ1766を含む。いくつかの実施形態では、厚さ1766は、部分範囲を含む約20ミクロン~約200ミクロンの範囲であり得る。例えば、厚さ1766は、約20ミクロン、約30ミクロン、約40ミクロン、約50ミクロン、約60ミクロン、約70ミクロン、約80ミクロン、約90ミクロン、約100ミクロン、約150ミクロン、若しくは約200ミクロン、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、厚さ1766は、約30ミクロン~約150ミクロン、約40ミクロン~約100ミクロン、約50ミクロン~約90ミクロン、約60ミクロン~約80ミクロン、又は約60ミクロン~約70ミクロンの範囲であり得る。
ベースコート層1760を含む実施形態では、ベースコート層1760は、層状材料1700の以下の特性:(i)耐磨耗性、色堅牢度、又は加水分解耐性のうち1つ以上を提供することができる。ベースコート層1760はまた、トップコート層を含む実施形態において、トップコート層に層状材料1700を接着するのに役立ち得る。いくつかの実施形態では、ベースコート層1760は、1つ以上のポリマー材料を含み得る。ベースコート層1760に好適な材料としては、ポリエーテルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリウレタン、アクリルポリマー、及びイソシアネート又はカルボジイミドなどの架橋剤が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、層状材料1700は、複数のベースコート層1760を含み得る。いくつかの実施形態では、ベースコート層1760は、層状材料1700に存在しなくてもよい。
ベースコート層1760は、部分範囲を含む約20g/m~約100g/mの範囲にわたる、平方メートル当たりのグラム数(g/m)で測定された乾燥重量を有し得る。例えば、ベースコート層1760は、約20g/m、約30g/m、約40g/m、約50g/m、約60g/m、約70g/m、約80g/m、約90g/m、若しくは約100g/mの乾燥重量、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の乾燥重量を有し得る。いくつかの実施形態では、ベースコート層1760は、約30g/m~約90g/m、約40g/m~約80g/m、又は約50g/m~約70g/mの範囲にわたる乾燥重量を有し得る。
いくつかの実施形態では、例えば図18に示されるように、層状材料1700は、トップコート層1770を含み得る。トップコート層1770は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720の上面1724上に配置することができる。トップコート層1770は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720に直接的又は間接的に結合し得る。いくつかの実施形態では、トップコート層1770の底面1772は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720の上面1724と直接接触し得る。ベースコート層1760を含む実施形態では、トップコート層1770は、ベースコート層1760の上面1764上に配置され得る。いくつかの実施形態では、トップコート層1770は、ベースコート層1760の上面1764上に配置され得る。いくつかの実施形態では、トップコート層1770の底面1772は、ベースコート層1760の上面1764と直接接触し得る。
トップコート層1770は、底面1772、上面1774、及び底面1772と上面1774との間で測定された厚さ1776を含む。いくつかの実施形態では、厚さ1776は、部分範囲を含む約10ミクロン~約80ミクロンの範囲であり得る。例えば、厚さ1776は、約10ミクロン、約20ミクロン、約30ミクロン、約40ミクロン、約50ミクロン、約60ミクロン、約70ミクロン、若しくは約80ミクロン、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、厚さ1776は、約20ミクロン~約70ミクロン、約30ミクロン~約60ミクロン、又は約30ミクロン~約50ミクロンの範囲であり得る。
トップコート層1770を含む実施形態では、トップコート層1770は、層状材料1700の以下の特性:表面感触、耐染色性、耐炎性、光沢レベル、又は色の外観のうち1つ以上を提供することができる。いくつかの実施形態では、トップコート層1770は、1つ以上のポリマー材料を含み得る。トップコート層1770に好適な材料としては、ポリウレタン、アクリル、シリコーン系感触剤、艶消し剤、及び光沢剤が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、層状材料1700は、複数のトップコート層1770を含み得る。いくつかの実施形態では、トップコート層1770は、層状材料1700に存在しなくてもよい。いくつかの実施形態では、トップコート層1770は、透明又は半透明であり得る。いくつかの実施形態では、トップコート層1770は、外観に影響を及ぼすために、1つ以上の染料、1つ以上の顔料、及び/又は1つ以上の反射剤を含み得る。
トップコート層1770は、部分範囲を含む約10g/m~約80g/mの範囲にわたる、平方メートル当たりのグラム数(g/m)で測定された乾燥重量を有し得る。例えば、トップコート層1770は、約10g/m、約20g/m、約30g/m、約40g/m、約50g/m、約60g/m、約70g/m、若しくは約80g/mの乾燥重量、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の乾燥重量を有し得る。いくつかの実施形態では、トップコート層1770は、約20g/m~約70g/m、約30g/m~約60g/m、又は約30g/m~約50g/mの範囲にわたる乾燥重量を有し得る。
一緒に、タンパク質ポリウレタンアロイ層(複数可)1720、1730、1740、ベースコート層(複数可)1760、及び/又はトップコート層(複数可)1770は、層状材料1700の層状集合体1780を定義することができる。層状集合体1780は本明細書に記載の任意の数のタンパク質ポリウレタンアロイ層を含み得る。例えば、層状集合体1780は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20個のタンパク質ポリウレタンアロイ層を含み得る。いくつかの実施形態では、層状材料1700は、基材層1710の底面1712に結合した層状集合体1780を含み得る。基材層1710の底面1712に結合した層状集合体1780は、基材層1710の上面1714に結合した層状集合体1780について本明細書に記載の層及び材料のいずれかを含み得る。いくつかの実施形態では、層状材料1700は、基材層1710の上面1714に結合した層状集合体1780と、基材層1710の底面1712に結合した層状集合体1780と、を含み得る。そのような実施形態では、層状材料1700は、基材層1710の対向する表面1712及び1714の上に配置された層状集合体1780を含む。
いくつかの実施形態では、層状材料1700のタンパク質ポリウレタンアロイ層は、接着層1750により基材層1710の表面に結合している。そのような実施形態では、接着層1750は、底面1752、上面1754、及び底面1752と上面1754との間で測定された厚さ1756を含む。いくつかの実施形態では、厚さ1756は、部分範囲を含む約10ミクロン~約50ミクロンの範囲であり得る。例えば、厚さ1756は、約10ミクロン、約20ミクロン、約30ミクロン、約40ミクロン、若しくは約50ミクロン、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、厚さ1756は、約20ミクロン~約40ミクロンの範囲であり得る。接着層1750に好適な接着剤としては、ポリウレタン接着剤、ホットメルト接着剤、エマルジョンポリマー接着剤、乾式ウェブ接着剤、乾式ラミネート接着剤、又は湿式ラミネート接着剤が挙げられるが、これらに限定されない。C.L.Hauthaway&Sons Corporationから入手可能なHauthane HD-2001は、接着層1750に好適な例示的ラミネート接着剤である。例示的なポリウレタン接着剤としては、Hauthaway製のL-2183、L-2245、L-2255、及びCovestro製のIMPRANIL(登録商標)DAH、DAAが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な乾式ウェブ接着剤としては、Protechnic製の9D8D20が挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、層状材料1700は、接着層1750を含まなくてもよい。
接着層1750は、部分範囲を含む約10g/m~約50g/mの範囲にわたる、平方メートル当たりのグラム数(g/m)で測定された乾燥重量を有し得る。例えば、接着層1750は、約10g/m、約20g/m、約30g/m、約40g/m、若しくは約50g/mの乾燥重量、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の乾燥重量を有し得る。いくつかの実施形態では、接着層1750は、約20g/m~約40g/mの範囲にわたる乾燥重量を有し得る。
層状材料1700は、1つ以上のタンパク質ポリウレタンアロイ層、及び本明細書に記載の1つ以上のベースコート及び/又はトップコート層を、基材層1710に結合させることによって作製することができる。いくつかの実施形態では、層(複数可)は、続いて、基材層の表面上に積層され得る。層(複数可)は、基材層1710の上面1714及び/又は底面1712のいずれかに結合され得る。いくつかの実施形態では、層(複数可)は、積層後、及び1つ以上の層を基材層1710に結合させる前又は後に除去される犠牲層上に積層され得る。層状材料の各タンパク質ポリウレタンアロイ層は、ロール式ナイフコーティング(knife over roll coating)、グラビアコーティング、スロットダイコーティング、多層スロットダイコーティング、又はカーテンコーティングを含むがこれらに限定されない任意の好適なコーティング技術を用いて堆積させることができる。多層スロットダイコーティングは複数の隣接する層の同時コーティングを可能にすることができる。
いくつかの実施形態では、基材層1710は、接着層1750でコーティングされ得、追加の層(例えば、層1720、1730、1740、1760、及び/又は1770)は、任意の適切な順序で接着層1750上に形成され得る。そのような実施形態では、層は、犠牲層ではなく接着層1750上に形成されている状態で、方法1900について以下に記載されるのと同じ様式で接着層1750上に形成され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のブレンド混合物は、例えばコーティング又は注入プロセスを用いて、基材層1710の表面に直接適用され得る。そのような実施形態では、ブレンド混合物は、基材層1710の少なくとも一部に浸透し得る。適用後、ブレンド混合物を乾燥させて、タンパク質ポリウレタンアロイ層(例えば、層1720)を形成することができる。いくつかの実施形態では、乾燥後、タンパク質ポリウレタンアロイ層及び基材層1710を加熱(例えば、熱プレス)して、層が一緒に結合するのを助けることができる。乾燥前若しくは乾燥後、並びに/又はタンパク質ポリウレタンアロイ層及び基材層1710を結合させる前若しくは後に、他の層(例えば、層1730、1740、1760、及び/又は1770)を、任意の適切な順序でタンパク質ポリウレタンアロイ層上に適用することができる。そのような実施形態では、他の層は、方法1900について以下に記載されるのと同じ様式でタンパク質ポリウレタンアロイ層上に形成され得、この層は、犠牲層ではなくタンパク質ポリウレタンアロイ層上に形成される。
いくつかの実施形態では、製造中、層状材料の層間に装飾層を適用することができる。例えば、ロゴ、美術的パターン、図面、又は記号を、第1の層上に別の層を配置する前に、第1の層に適用することができる。装飾層は、例えば、スクリーン印刷、デジタル印刷、又は転写印刷を用いて適用することができる。
いくつかの実施形態では、層状材料の層を犠牲層上に形成し、形成後に基材層に結合させることができる。図19は、いくつかの実施形態による、層状材料1700を作製するための方法1900を示す。図20A~図20Fは方法1900の工程を示す。特に明記しない限り、方法1900の工程は、本明細書に記載される順序で実行される必要はない。加えて、特に指定しない限り、方法1900の工程は順次実行される必要はない。工程は同時に実行することができる。一例として、方法1900は、各個々のタンパク質ポリウレタンアロイ層の堆積後の溶媒除去工程を含む必要はない。むしろ、複数のタンパク質ポリウレタンアロイ層からの溶媒(例えば、水)は、単一の工程で除去することができる。方法1900は、基材層1710の片側又は両側に層を結合させるために使用することができる。
工程1902では、例えば図20Aに示されるように、トップコート層1770を犠牲層2000の上面2002の上に配置することができる。トップコート層1770は、任意の好適なコーティング技術、例えば、逆転写紙でのロール式ナイフ、スプレー、又はローラコーティングを用いて、犠牲層2000の上に配置することができる。犠牲層2000とは、層状材料1700の層を定義しない材料の層である。むしろ、犠牲層2000は層状材料1700の製造中に除去される。犠牲層2000は、機械的に、例えば犠牲層2000を剥離することによって、又は化学的に、例えば犠牲層2000を溶解することによって除去することができる。いくつかの実施形態では、犠牲層2000は、剥離ライナーであり得る。犠牲層2000に好適な材料としては、粒質剥離紙が挙げられるが、これに限定されない。例示的な粒質剥離紙としては、Sappi紙、例えば、Matte Freeport 189、Freeport 123、又はExpresso 904から入手可能な剥離紙が挙げられる。いくつかの実施形態では、方法1900は、工程1902を含まない。すなわち工程1902は任意選択である。いくつかの実施形態では、工程1918で犠牲層2000を除去した後、トップコート層1770を層状材料1700に適用することができる。いくつかの実施形態では、工程1920でタンパク質ポリウレタンアロイ層(複数可)を基材層1710に結合させた後、トップコート層1770を層状材料1700に適用することができる。
工程1904では、例えば図20Bに示されるように、ベースコート層1760は犠牲層2000上に配置することができる。トップコート層1770を含む実施形態では、ベースコート層1760はトップコート層1770上に配置することができる。ベースコート層1760は、任意の好適なコーティング技術、例えば、逆転写紙でのロール式ナイフ、スプレー、又はローラコーティングを用いて、犠牲層2000の上に配置することができる。いくつかの実施形態では、方法1900は、工程1904を含まない。工程1904は任意選択である。いくつかの実施形態では、工程1918で犠牲層2000を除去した後、ベースコート層1760を層状材料1700に適用することができる。いくつかの実施形態では、工程1920でタンパク質ポリウレタンアロイ層(複数可)を基材層1710に結合させた後、ベースコート層1760を層状材料1700に適用することができる。
工程1906では、水溶液中に分散又は溶解した1つ以上のポリウレタンを1つ以上のタンパク質とブレンドして、水溶液中にブレンド混合物を形成することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリウレタンは、タンパク質(複数可)とブレンドする前に、水溶液中に分散又は溶解することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリウレタンは、タンパク質(複数可)とブレンドする間に、水溶液中に分散又は溶解させることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリウレタン及び1つ以上のタンパク質は、均質なブレンドが形成されるまで、好適な容器内でブレンドすることができる。好適なブレンド機器としては、ブレンダ、スタンドミキサ、インラインミキサ、又は高剪断ミキサが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、タンパク質(複数可)は、工程1906においてポリウレタンとブレンドする前に、水溶液中に分散又は溶解され得る。好適な水溶液としては、水、アルカリ水溶液、水性酸溶液、有機溶媒を含む水溶液、尿素溶液、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルカリ水溶液は、水酸化ナトリウム、アンモニア、又は水酸化アンモニウム溶液などの塩基性溶液であり得る。いくつかの実施形態では、酸性水溶液の例は、酢酸又は塩酸(HCl)溶液であり得る。好適な有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、及びグリセロールなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、水性タンパク質混合物中のタンパク質濃度は、部分範囲を含む約10g/L~約300g/Lの範囲であり得る。例えば、水性タンパク質混合物中のタンパク質濃度は、約10g/L、約20g/L、約30g/L、約40g/L、約50g/L、約60g/L、約70g/L、約80g/L、約90g/L、約100g/L、約150g/L、約200g/L、約250g/L、若しくは約300g/L、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、水性タンパク質混合物中のタンパク質濃度は、約10g/L~約300g/L、約20g/L~約250g/L、約30g/L~約200g/L、約40g/L~約150g/L、約50g/L~約100g/L、約60g/L~約90g/L、又は約70g/L~約80g/Lの範囲であり得る。
タンパク質/ポリウレタンブレンド中のタンパク質の量は、部分範囲を含み、タンパク質及びポリウレタンの重量に基づいて、約5重量%~約60%の範囲であり得る。例えば、ブレンド中のタンパク質の量は、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、若しくは約60重量%、又は端点としてこれらの値のいずれか2つ有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、ブレンド中のタンパク質の量は、約10重量%~約55重量%、約15重量%~約50重量%、約20重量%~約45重量%、約25重量%~約40重量%、又は約30重量%~約35重量%であり得る。いくつかの実施形態では、タンパク質/ポリウレタンブレンド中のタンパク質の量は、20重量%~40重量%の範囲であり得る。
タンパク質/ポリウレタンブレンド中のポリウレタン(複数可)の量は、部分範囲を含み、タンパク質及びポリウレタンの重量に基づいて、約10重量%~約85重量%の範囲であり得る。例えば、ブレンド中のポリウレタン(複数可)の量は、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、若しくは約85重量%、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、ブレンド中のポリウレタン(複数可)の量は、約20重量%~約75重量%、約30重量%~約65重量%、又は約40重量%~約55重量%の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、ブレンド温度は、部分範囲を含む、約室温(18℃)~約100℃の範囲であり得る。例えば、ブレンド温度は、約18℃、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、約90℃、若しくは約100℃、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、ブレンド温度は、約18℃~約90℃、約18℃~約80℃、約18℃~約70℃、約18℃~約60℃、約18℃~約50℃、約18℃~約40℃、又は約18℃~約30℃の範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、工程1906のブレンド時間は、部分範囲を含む、約15分~約3時間の範囲であり得る。例えば、ブレンド時間は、約30分間、約1時間、約90分間、約2時間、約150分間、若しくは約3時間、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、ブレンド時間は、約15分間~約150分間、約15分間~約2時間、約15分間~約90分間、又は約15分間~約1時間の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、工程1906のブレンド速度は、部分範囲を含む、約150rpm~約250rpmの範囲であり得る。例えば、ブレンド速度は、約150rpm、約175rpm、約200rpm、約225rpm、又は約250rpmであり得る。いくつかの実施形態では、ブレンド速度は、約150rpm~約225rpm、約150rpm~約200rpm、又は約150rpm~約225rpmの範囲であり得る。ブレンド速度は、ブレンド装置(例えば、インペラのサイズ)のサイズ及び/又は構成成分がブレンドされる容器のサイズに依存し得る。
いくつかの実施形態では、工程1906において、1つ以上の添加剤をブレンドに添加することができる。添加剤(複数可)は、タンパク質ポリウレタンアロイ層の最終特性、したがって層状材料1700の最終特性に影響を及ぼし得る。例えば、添加される添加剤(複数可)は、以下の材料特性:剛性、弾性、皮膜引張り強さ、引裂き強度、難燃性、化学的安定性、又は湿潤安定性のうち1つ以上に影響を及ぼし得る。好適な添加剤としては、架橋剤、充填剤、染料、顔料、可塑剤、ワックス、レオロジー改質剤、難燃剤、抗微生物剤、抗真菌剤、抗酸化剤、UV安定剤、機械的発泡剤、化学的発泡剤、及び泡安定剤などが挙げられるが、これらに限定されない。好適な染料としては、繊維反応性染料又は天然染料が挙げられるが、これらに限定されない。好適な架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、(例えば、Sigma Aldridgeから入手可能なポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル(PEGDE))、イソシアネート系架橋剤(例えば、Lanxessから入手可能なX-TAN(登録商標))、及びカルボジイミド系架橋剤が挙げられるが、これらに限定されない。好適な発泡剤としては、HeiQ Chemtexから入手可能である、HeiQ Chemtex 2216-T(非イオン性及びアニオン性界面活性剤の安定化ブレンド)、HeiQ Chemtex 2241-A(修飾HEUR(疎水性修飾エチレンオキシドウレタン)増粘剤)、HeiQ Chemtex 2243(非イオン性シリコーン分散液)、又はHeiQ Chemtex 2317(非イオン性及びアニオン性界面活性剤)泡安定剤が挙げられる。好適な抗微生物剤/抗真菌剤としては、Ultra-Fresh DW-56、又はレザー産業で使用される他の抗微生物剤/抗真菌剤が挙げられる。好適な難燃剤としては、CETAFLAM(登録商標)DB9(炭素鎖含有ポリマーを有するC-PO(OH)若しくはC-PO(OR)基を含有する、有機リン化合物)、CETAFLAM(登録商標)PD3300(炭素鎖含有ポリマーを有するC-PO(OH)若しくはC-PO(OR)基を含有する、有機リン化合物)、又はコーティングされたテキスタイルに使用される他の難燃剤が挙げられる。好適な充填剤としては、熱可塑性マイクロスフェア、例えばEXPANCEL(登録商標)Microspheresが挙げられるが、これらに限定されない。好適なレオロジー改質剤としては、アルカリ膨潤性レオロジー改質剤、疎水性に改質されたエチレンオキシド系ウレタン(HEUR)レオロジー改質剤、及び体積排除増粘剤が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なアルカリ膨潤性レオロジー改質剤としては、Dow Chemicals製のACRYSOL(商標)DR-106、ACRYSOL(商標)ASE-60、Scott-Bader製のTEXICRYL(登録商標)13-3131、及びTEXICRYL(登録商標)13-308が挙げられるが、これらに限定されない。例示的なHEUR改質剤としては、Stahl製のRM-4410及びHeiQ製のChemtex 2241-Aが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な体積排除増粘剤としては、Dow Chemicals製のWALOCEL(商標)XM 20000 PV及びSigma-Aldrich製のメチルヒドロキシエチルセルロースが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ブレンドは、1つ以上の着色剤を含み得る。いくつかの実施形態では、着色剤は、染料、例えば、繊維反応性染料、直接染料、又は天然染料であり得る。例示的な染料としては、アゾ構造酸性染料、金属錯体構造酸性染料、アントラキノン構造酸性染料、及びアゾ/ジアゾ直接染料が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、着色剤は、顔料、例えばレーキ顔料であり得る。いくつかの実施形態では、ブレンドは、約2重量%以下の着色剤含有量を含み得る。例えば、ブレンドは、約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約1.5重量%、又は約2重量%の着色剤を含み得る。いくつかの実施形態では、ブレンドは、約0.1重量%~約2重量%、約0.5重量%~約1.5重量%、又は約0.1重量%~約1重量%の着色剤を含み得る。いくつかの実施形態では、ブレンドは、着色剤を含まないか、又は着色剤を実質的に含まなくてもよい。そのような実施形態では、ブレンドから作製されたタンパク質ポリウレタンアロイ層は、着色剤を含まないか、又は着色剤を実質的に含まなくてもよい。
工程1908では、ブレンド混合物の層が、犠牲層2000の上面2002上に配置される。ブレンド混合物は、犠牲層2000の上面2002上にコーティングされ得る。工程1902及び工程1904を含まない実施形態では、ブレンド混合物は、犠牲層2000の上面2002上に直接コーティングされ得る。工程1904を含む実施形態では、ブレンド混合物は、ベースコート層1760の表面上に直接コーティングされ得る。工程1902を含むが工程1904は含まない実施形態では、ブレンド混合物は、トップコート層1770の表面上に直接コーティングされ得る。いくつかの実施形態では、ブレンド混合物は、所望の厚さまでブレンド混合物を表面上にコーティングすることによってシートへと形成することができる。コーティングは、注入、押出、及び成形などを含み得る。いくつかの実施形態では、シートは、例えば、ブレード、ナイフ、ローラ、ロール式ナイフ、カーテンコーティング、及びスロットダイコーティングを用いて、所望の厚さまで広げることができる。
いくつかの実施形態では、コーティング中のブレンド混合物の温度は、約40℃以上であり得る。例えば、ブレンド混合物の温度は、部分範囲を含む約40℃~約100℃の範囲であり得る。例えば、温度は、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、約90℃、若しくは約100℃、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、コーティング中のブレンド混合物の温度は、約40℃~約90℃、約40℃~約80℃、約40℃~約70℃、約40℃~約60℃、又は約40℃~約50℃の範囲であり得る。約40℃未満の温度でのコーティングは、ブレンド混合物を過度に粘性にし、均一な厚さの層の形成を困難にする可能性がある。
工程1910では、例えば図20Cに示されるように、溶媒(例えば、水)を、コーティングされたブレンド混合物から除去して、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720を形成することができる。好適な溶媒除去方法としては、トンネル乾燥、真空乾燥、熱風オーブン乾燥、湿度室乾燥、熱風による浮上乾燥、及び予熱のための中間範囲IR(赤外線)とその後続く乾燥のための熱風との組合せによるオーブンが挙げられるが、これらに限定されない。
工程1910の好適な溶媒除去温度は、部分範囲を含む約室温(18℃)~約100℃の範囲であり得る。例えば、溶媒は、約18℃、約35℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、約90℃、若しくは約100℃の温度、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の温度で除去されてもよい。いくつかの実施形態では、溶媒は、約18℃~約35℃、約18℃~約50℃、約18℃~約60℃、約18℃~約70℃、約18℃~約80℃、約18℃~約90℃、又は約18℃~約100℃の範囲にわたる温度で除去されてもよい。工程1910における溶媒除去のための好適な湿度値は、部分範囲を含む0%RH(相対湿度)~約65%RHの範囲の湿度を含む。例えば、湿度は、約10%RH、約20%RH、約40%RH、約50%RH、若しくは約65%RH、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、湿度は、0%RH~約50%RH、0%RH~約40%RH、0%RH~約20%RH、又は0%RH~約10%RHであり得る。溶媒除去温度及び/又は湿度は、タンパク質ポリウレタンアロイ層、したがって層状材料の最終特性に影響を及ぼし得る。工程1910における溶媒除去温度及び/又は湿度は、以下の材料特性:剛性、弾性、皮膜引張り強さ、引裂き強度、難燃性、化学的安定性、及び湿潤安定性のうち1つ以上に影響を及ぼし得る。例えば、比較的高い湿度及び比較的低い温度は、より軟質でより弾性のある材料をもたらし得る。逆に、比較的低い湿度及び比較的高い温度は、より硬く弾性が低い材料をもたらし得る。
いくつかの実施形態では、工程1906~工程1910を複数回繰り返して、犠牲層2000上に複数のタンパク質ポリウレタンアロイ層1720を形成することができる。いくつかの実施形態では、工程1906~工程1910を順次繰り返して、犠牲層2000上に複数のタンパク質ポリウレタンアロイ層1720を形成することができる。いくつかの実施形態では、工程1906~工程1910は工程1912~工程1916の後に繰り返されて、1つ以上の発泡タンパク質ポリウレタンアロイ層1730/1740上に1つ以上のタンパク質ポリウレタンアロイ層1720を形成することができる。いくつかの実施形態では、方法1900は、工程1906~工程1910を含まなくてもよい。
工程1912では、水溶液中に分散又は溶解された1つ以上のポリウレタンを、タンパク質(複数可)とブレンドし、発泡させて、水溶液中に発泡ブレンド混合物を形成することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリウレタンは、タンパク質(複数可)及び発泡とブレンドする前に、水溶液中に分散又は溶解することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリウレタンは、タンパク質(複数可)及び発泡とブレンドする間に、水溶液中に分散又は溶解させることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリウレタン及び1つ以上のタンパク質は、均質なブレンドが形成されるまで、好適な容器内でブレンドすることができる。好適なブレンド機器としては、ブレンダ、スタンドミキサ、インラインミキサ、又は高剪断ミキサが挙げられるが、これらに限定されない。ブレンドは、例えば、機械的発泡プロセス又は化学発泡プロセスを用いて発泡されてもよい。例示的な機械的発泡機器は、Hansa Mixer又はGEMATA(登録商標)発泡剤を含む。ブレンド及び発泡は別々に又は同時に実行することができる。
工程1912におけるブレンド及び発泡に好適なポリウレタン(複数可)は、タンパク質ポリウレタンアロイ層について本明細書で論じられるものである。いくつかの実施形態では、工程1912において、1つ以上の発泡剤及び/又は泡安定剤がブレンドに添加され得る。好適な発泡剤及び泡安定剤は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1730/1740について本明細書で論じられるものを含む。
いくつかの実施形態では、ブレンドは、発泡剤又は約10重量%以下の泡安定剤含有量を含み得る。例えば、ブレンドは、約0.1重量%、約1重量%、約2.5重量%、約5重量%、約7.5重量%、又は約10重量%の発泡剤又は泡安定剤を含み得る。いくつかの実施形態では、ブレンドは、約0.1重量%~約10重量%、約1重量%~約7.5重量%、約2.5重量%~約5重量%、約0.1重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約2.5重量%の発泡剤又は泡安定剤を含み得る。いくつかの実施形態では、ブレンドは、発泡剤及び/若しくは泡安定剤を実質的に含まないか、又は発泡剤及び/若しくは泡安定剤を含まなくてもよい。そのような実施形態では、ブレンドから作製されたタンパク質ポリウレタンアロイ層は、発泡剤及び/若しくは泡安定剤を実質的に含まないか、又は発泡剤及び/若しくは泡安定剤を含まなくてもよい。
工程1912での発泡は、発泡タンパク質ポリウレタンアロイ層に所望の密度を付与するために使用することができる。いくつかの実施形態では、発泡ブレンド混合物は、溶媒が工程1916で除去される前に、部分範囲を含む約300g/L~約900g/Lの範囲にわたる液体密度を有し得る。例えば、工程1912で形成された発泡ブレンド混合物は、約300g/L、約400g/L、約500g/L、約600g/L、約700g/L、約800g/L、若しくは約900g/Lの液体密度、又は端点としてこれらの値のうちいずれか2つを有する範囲内の液体密度であり得る。いくつかの実施形態では、発泡ブレンド混合物は、約300g/L~約800g/L、約300g/L~約700g/L、約400g/L~約600g/L、約300g/L~約500g/L、又は約300g/L~約600g/Lの範囲にわたる液体密度を有し得る。いくつかの実施形態では、工程1906で形成されたブレンド混合物は、工程1910で溶媒がブレンド混合物から除去される前に、工程1916で溶媒が除去される前の工程1912で形成された発泡ブレンド混合物の液体密度よりも高い液体密度を有し得る。
いくつかの実施形態では、タンパク質(複数可)は、工程1912でポリウレタン及び発泡とブレンドする前に、水溶液中に分散又は溶解され得る。好適な水溶液には、工程1906について上で論じたものが含まれる。水溶液中のタンパク質濃度は、工程1906について上で論じた任意の値又は範囲であり得る。工程1912のタンパク質/ポリウレタンブレンド中のタンパク質の量は、工程1906について上で論じた任意の値又は範囲であり得る。工程1912のブレンド温度は、工程1906について上で論じた任意の温度又は温度範囲であり得る。工程1912のブレンド時間は、工程1906について上で論じた任意の時間又は時間範囲であり得る。工程1912のブレンド速度は、工程1906について上で論じた任意の速度又は速度範囲であり得る。いくつかの実施形態では、工程1912において、1つ以上の添加剤をブレンドに添加することができる。工程1912で添加された添加剤(複数可)は、工程1906について上で論じた添加剤のうちのいずれかであり得る。
工程1914では、発泡ブレンド混合物の層が、犠牲層2000の上に配置される。いくつかの実施形態では、発泡ブレンド混合物の層は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720の表面上に配置される。いくつかの実施形態では、ブレンド及び発泡混合物は、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720の表面上に直接コーティングされ得る。いくつかの実施形態では、発泡ブレンド混合物は、所望の厚さまでブレンド混合物を表面上にコーティングすることによってシートへと形成することができる。コーティングは、注入、押出、及び成形などを含み得る。いくつかの実施形態では、シートは、例えば、ブレード、ナイフ、ローラ、ロール式ナイフ、カーテンコーティング、及びスロットダイコーティングを用いて、所望の厚さまで広げることができる。
工程1916では、例えば図20Dに示されるように、溶媒(例えば、水)を、コーティングされた発泡ブレンド混合物から除去して、発泡タンパク質ポリウレタンアロイ層1730を形成することができる。好適な溶媒除去方法としては、トンネル乾燥、真空乾燥、熱風オーブン乾燥、湿度室乾燥、熱風による浮上乾燥、及び予熱のための中間範囲IRとその後続く乾燥のための熱風との組合せによるオーブンが挙げられるが、これらに限定されない。工程1916の好適な溶媒除去温度は、工程1910について上で論じた温度又は温度範囲のいずれかであり得る。工程1916の湿度値は、工程1910について上で論じた湿度値又は湿度範囲のいずれかであり得る。
いくつかの実施形態では、工程1912~工程1916を複数回繰り返して、犠牲層2000、例えば発泡タンパク質ポリウレタンアロイ層1730及び発泡タンパク質ポリウレタンアロイ層1740の上に複数の発泡タンパク質ポリウレタンアロイ層を形成することができる。そのような実施形態では、別個の工程1912で形成された発泡ブレンド混合物は、異なる液体密度を有し得る。例えば、1つの発泡ブレンド混合物の液体密度は、別の発泡ブレンド混合物の液体密度よりも10g/L~300g/L以上又は以下であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1のブレンド混合物は、約300g/L~約500g/Lの範囲にわたる液体密度を有し得、第2のブレンド混合物は、約600g/L~約700g/Lの範囲にわたる液体密度を有し得る。別の例としては、第1のブレンド混合物は、約300g/L~約400g/Lの範囲にわたる液体密度を有し得、第2のブレンド混合物は、約500g/L~約700g/Lの範囲にわたる液体密度を有し得る。
いくつかの実施形態では、工程1912~工程1916を順次繰り返して、犠牲層2000上に複数の発泡タンパク質ポリウレタンアロイ層を形成することができる。いくつかの実施形態では、工程1912で形成された発泡混合物及びブレンド混合物を使用して、工程1914~工程1916で複数の発泡タンパク質ポリウレタンアロイ層を形成することができる。いくつかの実施形態では、工程1912~工程1916は、工程1906~1910のセットを実行してタンパク質ポリウレタンアロイ層1720と犠牲層2000との間に1つ以上の発泡タンパク質ポリウレタンアロイ層を形成する前に、実行され得る。いくつかの実施形態では、方法1900は、工程1912~工程1916を含まなくてもよい。
工程1918において、犠牲層2000は、例えば図20Eに示されるように、工程1902~工程1916で形成された層(複数可)から除去される。犠牲層2000は機械的プロセス又は化学プロセスによって除去することができる。例えば、犠牲層2000は、犠牲層2000を他の層から剥がすことによって除去することができる。別の例として、犠牲層2000は、犠牲層2000を溶解することによって除去することができる。いくつかの実施形態では、工程1902~工程1916で形成された層(複数可)を工程1920で基材層1710に結合させる前に、犠牲層2000を工程1918で除去することができる。いくつかの実施形態では、犠牲層2000は、工程1920の後に除去することができる。
工程1920では、工程1902~工程1916で形成された層(複数可)は、例えば図20Fに示されるように、基材層1710に結合している。工程1920において、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720、及び工程1906~工程1916で形成された任意の他のタンパク質ポリウレタンアロイ層は、基材層1710に結合している。いくつかの実施形態では、工程1920で1つ以上のタンパク質ポリウレタンアロイ層(例えば、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720)を基材層1710に結合させることは、熱プレスプロセスを含む。そのような実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層(例えば、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720)は、基材層1710と直接接触し得る。また、そのような実施形態では、タンパク質ポリウレタンアロイ層は、基材層1710へと部分的に溶融することができ、冷却の際には2つの層がしっかりと結合する。いくつかの実施形態では、工程1920で1つ以上のタンパク質ポリウレタンアロイ層(例えば、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720)を基材層1710に結合させることは、積層プロセスを含む。そのような実施形態では、積層は、接着層1750で達成することができる。そのような実施形態では、基材層1710及び/又はタンパク質ポリウレタンアロイ層は、スロットダイ成形、キスコーティング、ドローダウン技術、又は逆転写コーティングなどの既知の技術によって接着剤でコーティングすることができる。いくつかの実施形態では、積層プロセスは、基材層1710及び他の層(複数可)を加熱下においてローラに通すことを含み得る。
いくつかの実施形態では、工程1920は、方法1900から省略することができる。そのような実施形態では、工程1902~工程1916で形成された層(複数可)は、タンパク質ポリウレタンアロイ層又は基材層1710を有しない層状材料を定義する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される層状材料は、同じ厚さの天然レザーの引裂き強度よりも少なくとも約1%大きい引裂き強度を有し得る。例えば、層状材料は、同じ厚さの天然レザーの引裂き強度よりも約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約150%、又は約200%大きい引裂き強度を有し得る。いくつかの実施形態では、層状材料は、部分範囲を含む、約20N~約300Nの範囲の引裂き強度を有し得る。例えば、層状材料の引裂き強度は、約20N、約30N、約40N、約50N、約60N、約70N、約80N、約90N、約100N、約125N、約150N、約175N、約200N、約225N、約250N、約275N、若しくは約300N、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、引裂き強度は、約30N~約275N、約40N~約250N、約50N~約225N、約60N~約200N、又は約75N~約175N、約80N~約150N、約90N~約125N、又は約100N~約125Nの範囲であり得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ層は、部分範囲を含む、約2N~約30Nの範囲の引裂き強度を有し得る。例えば、タンパク質ポリウレタンアロイ層の引裂き強度は、約2N、約4N、約5N、約10N、約15N、約20N、約25N、若しくは約30N、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、引裂き強度は、約4N~約25N、約5N~約20N、又は約10N~約15Nの範囲であり得る。
引裂き強度又は引裂き抵抗は、材料が引裂きの影響にどれだけよく耐えることができるかの尺度である。引裂き抵抗は、様々な方法、例えば、ASTM D412によって提供される方法、又はISO3377(「バウマン引裂き」とも称される)によって提供される方法によって測定することができる。ASTM D624によって提供される方法はまた、引裂きの形成に対する耐性及び引裂きの拡張に対する耐性を測定するために使用され得る。使用される方法に関係なく、最初に、引裂きを誘発するために試験された材料試料で切断が行われる。次いで、試料を2つのグリップ間で保持し、試料が2つに避けるまで均一な引っ張り力を加える。次いで、引裂き抵抗は、加えられた力を材料の厚さで割ることによって計算される。特に指定しない限り、本明細書に報告される引裂き強度値は、ISO 3377によって測定される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される層状材料は、部分範囲を含む、約1kPa(キロパスカル)~約100MPa(メガパスカル)の範囲の引張り強度を有し得る。例えば、層状材料は、約1kPa、約50kPa、約100kPa、約200kPa、約300kPa、約400kPa、約500kPa、約600kPa、約700kPa、約800kPa、約900kPa、約1MPa、約5MPa、約10MPa、約20MPa、約30MPa、約40MPa、約50MPa、約60MPa、約70MPa、約80MPa、約90MPa、若しくは約100MPa、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の引張り強度を有し得る。いくつかの実施形態では、引張り強度は、約50kPa~約90MPa、約100kPa~約80MPa、約200kPa~約70MPa、約300kPa~約60MPa、約400kPa~約50MPa、約500kPa~約40MPa、約600kPa~約30MPa、約700kPa~約20MPa、約800kPa~約10MPa、又は約1MPa~約5MPaの範囲であり得る。
材料の「手触り」ともまた称される軟化性は、ISO17235によって決定することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の層状材料の外面は、部分範囲を含む約2mm~約12mmの範囲にわたる軟化性を有し得る。例えば、層状材料の外面は、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、若しくは約12mm、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の軟化性を有し得る。いくつかの実施形態では、軟化性は、約3mm~約11mm、約4mm~約10mm、約5mm~約9mm、約6mm~約8mm、又は約6mm~約7mmであり得る。特に指定しない限り、本明細書にて開示される軟化性の値は、ISO17235によって決定される。
材料の柔軟性又は歪みは、例えば、等式:ΔL/Lを用いて、引張り力が加えられたときに破損時のその伸長性を測定することによって決定することができ、式中、ΔLは、引張り力が加えられた後の材料の長さの変化であり、Lは、材料の元の長さである。柔軟性は、ASTM D412によって提供される方法に従って測定することもできる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される層状材料は、部分範囲を含む約100%~約400%の範囲の柔軟性を有し得る。例えば、層状材料は、約100%、約200%、約300%、若しくは約400%、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の柔軟性を有し得る。いくつかの実施形態では、柔軟性は、約100%~約200%、約100%~約300%、約200%~約300%、又は約200%~約400%であり得る。特に指定しない限り、本明細書に開示される柔軟性値は、ASTM D412によって測定される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ層は、層状材料について上記のような柔軟性値又は範囲を有し得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の層状材料は、約8%以下のヒステリシス実験において永久歪みを有し得る。いくつかの実施形態では、層状材料は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、若しくは約8%、又は端点としてこれらの値のうちいずれか2つを有する範囲内の永久歪みを有し得る。いくつかの実施形態では、層状材料は、約1%~約8%、約2%~約7%、約3%~約6%、又は約4%~約5%の永久歪みを有し得る。
特に指定しない限り、永久歪み値は、以下の方法によって測定される。ドッグボーン形状である引張り標本の材料を切断し、試料の元の長さを測定する。試料は、長さ約110mm及び幅10mm(ゲージ長75~100mm)を有するドッグボーン形状を有するように切断される。次いで、試料を、INSTRON(登録商標)機を用いてその長さに沿って、両方とも毎秒3ミリメートルの一定の速度で、15%歪みまで引き伸ばし、0%歪みに戻す。これを5回繰り返す。次いで、元の試料長さと、最後の戻りサイクルで負荷がゼロになる試料の長さとの間の距離を測定する。材料を繰り返し歪めた後に測定された長さと元の長さとの間の差のパーセントが永久歪み%である。永久歪み値を計算する目的で、材料の3つの別個の試料を評価し、平均永久歪み値を材料の永久歪み値として報告する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の層状材料は、約75g/m/時間以上の水蒸気透過率(MVTR)を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の層状材料は、部分範囲を含む約75g/m/時間~約200g/m/時間の範囲のMVTRを有し得る。例えば、層状材料は、約80g/m/時間~約190g/m/時間、約90g/m/時間~約180g/m/時間、約100g/m/時間~約170g/m/時間、約110g/m/時間~約160g/m/時間、約120g/m/時間~約150g/m/時間、又は約130g/m/時間~約140g/m/時間のMVTRを有し得る。特に指定しない限り、本明細書に開示されるMVTR値は、ASTM E96(「材料の水蒸気透過試験のための標準試験方法」)-手順B、水法、約74.3°F、約50%相対湿度、及び3/4インチ空気間隙を用いて測定される。
本明細書で報告されるような水蒸気透過率を有する層状材料は、材料の通気性が望ましい特性である様々な用途での使用に好適であり得る。通気性が望ましい場合がある例示的な用途としては、履物、衣服、及び室内装飾材料が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の層状材料は、同じ厚さを有する同じ数の層を有し、同じポリマー材料(複数可)からなるが、ポリマー材料(複数可)にタンパク質がブレンドされていない層状ポリマー材料と比較して、著しく高い水蒸気透過率を有し得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の層状材料は、ISO11640(「レザー-色堅牢度についての試験-往復摩擦サイクルに対する堅牢度」)湿潤摩擦堅牢度試験に従って測定した場合、クラス4以上の色堅牢度を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の層状材料は、ISO11640の湿潤摩擦堅牢度試験に従って測定される場合、クラス4、クラス4.5、又はクラス5の色堅牢度を有し得る。クラス4以上の色堅牢度は、様々な用途に対して望ましい耐磨耗性を有する本明細書に記載の層状材料を提供することができる。
本明細書に記載の層状材料は、材料中に顔料を含まずにクラス4以上の色堅牢度を達成することができる。これは、ポリウレタン(複数可)中にブレンドされたタンパク質(複数可)を含まない同じポリウレタン(複数可)で作製された層状ポリウレタン材料と比較して、独特の特性である。本明細書に記載の層状材料内のタンパク質は、材料を着色するために使用される染料へ良好に接着することができる。高い色堅牢度を達成するために、ポリウレタン材料は通常、染料が一般にはポリウレタンによく接着しないので、顔料を用いて着色される。染料とポリウレタンとの間の不良な接着は比較的低い色堅牢度をもたらす。本明細書に記載の染色された層状材料は、改善された色の濃さ、及び顔料を用いて着色されたポリウレタンでは達成不可能な他の審美的特徴を有し得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される層状材料、又は本明細書に記載される層状材料の個別の層は、天然レザーを処理するために使用される仕上げ処理と同じ又は同様の仕上げ処理に供されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の層状材料は、材料の感触などの材料の特性を調整するために、タンブリング又はステーキングされ得る。そのような実施形態では、従来のテキスタイルのタンブリング法及びステーキング法を使用することができる。
いくつかの実施形態では、層状材料、又は層状材料の個々の層は、粗い外面を有し得る。例えば、タンパク質ポリウレタンアロイ層1720の上面1724は粗い表面を有し得、トップコート層1770の上面1774は粗い表面を有し得、ベースコート層1760の上面1764は粗い表面を有し得、タンパク質ポリウレタンアロイ層1730の上面1734は粗い表面を有し得、タンパク質ポリウレタンアロイ層1740の上面1744は粗い表面を有し得る。粗い外面は、天然レザーのものと外観及び感触で類似する表面テクスチャを作り出すことができる(例えば、石目天然レザー)。いくつかの実施形態では、犠牲層2000の上面2002は、方法1900中に上面2002上に直接配置された層の表面上に移送される粗い表面を有し得る。
粗い面は1inよりも少なくとも約1%大きい平方インチ当たりの表面積を有する。言い換えれば、いくつかの実施形態では、粗い外面を有する層を含む層状材料1700の1平方インチ試料は、完全に滑らかな表面を有する材料の1平方インチ試料よりも少なくとも約1%大きい表面積を有し得る。いくつかの実施形態では、粗い外面は、1inより少なくとも約1%大きい、1inより約10%大きい、1inより約20%大きい、1inより約30%大きい、1inより約40%大きい、1inより約50%大きい、1inより約60%大きい、1inより約70%大きい、1inより約80%大きい、1inより約90%大きい、1inより約100%大きい、1inより約150%大きい、1inより約200%大きい、1inより約250%大きい、1inより約300%大きい、1inより約350%大きい、1inより約400%大きい、1inより約450%大きい、若しくは1inより約500%大きい平方インチ当たりの表面積、又は端点を含むこれらの値のいずれか2つを端点として有する範囲内の平方インチ当たりの表面積を有し得る。いくつかの実施形態では、粗い表面は、1inより約1%超~1inより約500%超、1inより約10%超~1inより約450%超、1inより約20%超~1inより約400%超、1inより約30%超~1inより約350%超、1inより約40%超~1inより約300%超、1inより約50%超~1inより約250%超、1inより約60%超~1inより約200%超、1inより約70%超~1inより約150%超、又は1inより約80%超~1inより約100%超の平方インチ当たりの表面積を有し得る。特に指定しない限り、本明細書に開示される材料の表面積はプロフィロメトリを用いて測定される。不透明材料の場合、光学的プロフィロメトリが使用される。いくつかの実施形態では、層状材料、又は層状材料の個々の層は、滑らかな外面を有し得る。滑らかな面は1inよりも1%未満大きい平方インチ当たりの表面積を有する。例えば、滑らかな表面は1in~1.01in未満の平方インチ当たりの表面積を有し得る。いくつかの実施形態では、犠牲層2000の上面2002は、方法1900中に上面2002上に直接配置された層の表面上に移送される滑らかな表面を有し得る。
いくつかの実施形態では、層状材料、又は層状材料の個々の層は、テクスチャ加工された外面を有し得る。いくつかの実施形態では、犠牲層2000の上面2002は、方法1900中に上面2002上に直接配置された層の表面上に移送されるテクスチャ加工された表面を有し得る。いくつかの実施形態では、テクスチャ加工された外面は、粗い表面について上述したように、平方インチ当たりの表面積、又は平方インチ当たりの表面積範囲とすることができる。
いくつかの実施形態では、テクスチャは、マクロスケールのテクスチャ、例えば、Sappi North Americaという称号のS.D.Warren Companyによって製造された、商標ULTRACAST(登録商標)又は商標名Classicの下で市販されているSappi/Warren剥離紙で使用される多くのテクスチャのうちいずれかであってもよい。マクロスケールテクスチャの例は、約50~約300ミクロンの特徴深さを有する天然レザーしぼの繰り返しである。任意の他の所望のマクロスケールテクスチャが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、マクロスケールテクスチャは、「革しぼテクスチャ」であり得る。本明細書で使用される場合、「革しぼテクスチャ」という用語は、天然レザーの外観及び感触を模倣するテクスチャである。例示的な「革しぼテクスチャ」としては、Sappi Matte Freeport 189、Sappi Freeport 123、又はSappi Expresso 904が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、テクスチャは、マイクロスケールのテクスチャであり得る。いくつかの実施形態では、テクスチャは、50ミクロン未満、例えば1000ナノメートル~50ミクロン未満の特徴サイズを有する表面特徴を伴うマイクロスケールのテクスチャであり得る。マイクロスケールのテクスチャの例は当該技術分野において「シャークレット」と呼ばれる。シャークレットテクスチャは、細菌成長を妨げるように構成された表面を有する製品を提供するために適用され得る。表面のマイクロスケールテクスチャは、何百万もの小さなうねを有する菱形のパターンで配置された鮫肌突起を繰り返す。シャークレット材料は、例えば、米国特許第7,650,848号及び同第8,997,672号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、テクスチャは、1000ナノメートル未満、例えば10ナノメートル~1000ナノメートル未満の特徴サイズを有する表面特徴を伴うナノスケールのテクスチャであり得る。ナノスケールテクスチャの一例は、約400ナノメートル幅の一連の隆起部を有し、およそ800ナノメートル離間し、およそ100ナノメートルの深さを有する回折格子である。
本明細書で考察される実施形態は、以下の実施例で更に明らかになるであろう。これらの実施例は、上記の実施形態に限定されないことを理解されたい。
[実施例1]
試料は、5.5gのHauthaway製水媒介ポリウレタン分散液L3360と、10mLの脱イオン水とを混合し、1000rpm(毎分回転数)で30分間50℃にて撹拌することによって調製した。次いで、溶液を直径10cmのテフロン(登録商標)蒸発皿にピペットで移した。皿を45℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥後、乾燥した試料を標準的な基準雰囲気(23℃、湿度50%)で24時間調整し、ポリウレタンフィルムを得た。
TA Instruments製のDMA-850を用いてフィルムを試験した。金属ダイを用いて各フィルムから1cm×2.5cmのストリップを切断した。切断フィルム試料を、試験のためにフィルム及び繊維テンションクランプに装填した。試験中、0.01Nの予荷重を切断フィルム試料に適用した。機器を-80℃まで冷却し、1分間保持し、次いで温度を4℃/分~200℃まで、又は試料が弱すぎて張力を保持することができなくなるまで上昇させた。温度勾配中、試料を1Hzの周波数にて0.1%の歪みで振動させた。貯蔵弾性率、損失弾性率、及びtan(δ)を、両フィルムについて温度でプロットした。得られた第2の貯蔵弾性率遷移(測定された貯蔵弾性率の最後の減少の開始点として取得、すなわち、第2のDMA弾性率遷移開始温度)は、対照試料について114.9℃であった。
加えて、(ASTM D638による)5つの引張り標本を、金属ダイを用いて乾燥及び調整された試料フィルムから各々切断した。切断したフィルム試料をINSTRON(登録商標)5960シリーズ機に入れ、破断するまで100ミリメートル/分で張力をかけて引っ張った。平均ヤング率、平均引張り強度(最大引張り応力)、及び平均破断伸びを記録した。ヤング率は59MPaであり、最大引張り応力は12.9MPaであり、破断伸びは402%であった。
[実施例2~実施例8]
実施例2~実施例8は、ポリウレタン分散液の範囲を示すために、実施例1と同じ方法を用いて実施した。使用したポリウレタン及び得られた特性を表3~表6に列挙する。
[実施例9]
試料は、0.825g(グラム)のゼラチンをブタの皮膚から10mL(ミリリットル)の脱イオン水中へと溶解し、50℃で1時間、1000rpm(毎分回転数)で磁気撹拌棒により撹拌することによって調製した。ゼラチンを完全に溶解した後、溶液のpHを0.1N水酸化ナトリウムで7.0まで調節した。次いで、5.5gのL3360を溶液に添加し、1000rpmで30分間撹拌した。次いで、ポリウレタン及びゼラチン溶液を直径10cmのテフロン(登録商標)蒸発皿にピペットで移した。皿を45℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥後、乾燥した試料を標準的な基準雰囲気(23℃、湿度50%)で24時間調整して、ゼラチンポリウレタンアロイフィルムを作製した。
ピペット操作時、ゼラチンポリウレタン溶液は外観が乳白色であり、微粒子は見えなかった。乾燥後、ゼラチンポリウレタン溶液は、光学的に可視な顆粒を有しない均一な外観を有する透明フィルムを生成した。実施例33と実施例34とを組み合わせたこの結果は、タンパク質が硬質相と混和性である場合、タンパク質ポリウレタンアロイは透明であり、かつ特性が増強され得ることを示す。
DMA試験を実施例1に概説されるように実施した。ゼラチンポリウレタンアロイについて得られた第2の貯蔵弾性率遷移(測定された貯蔵弾性率の最後の減少の開始点として取得、すなわち、第2のDMA弾性率遷移開始温度)は、180.6℃であり、実施例1に記載の対照試料よりも65.7℃増加した。
引張り試験を実施例1に概説されるように実施した。平均ヤング率は344MPaであり、測定された平均引張り応力は19.8MPaであり、平均破断伸びはゼラチンポリウレタンアロイについて197%であった。
この実施例の第2のDMA弾性率遷移開始温度の上昇は、実施例1のポリウレタン単独と比較して、弾性率及び強度の増加、並びに伸長性の減少と共に、ゼラチンポリウレタンアロイ中の溶解ゼラチンがポリウレタンの硬質相と混和性であることを示す。
[実施例10~実施例19]
実施例10~実施例19は、異なる製造業者及び異なるタンパク質からのポリウレタン分散液の範囲を示すために、実施例9で使用したものと同じ方法を用いて実施した。これらのアロイの得られた特性を表3~表6に列挙する。
[実施例20]
試料は、0.825g(グラム)のSigma製ウシ血清アルブミン(BSA)を10mL(ミリリットル)の脱イオン水中へと溶解し、20℃で1時間、1000rpm(毎分回転数)で磁気撹拌棒により撹拌することによって調製した。次いで、5.5gのL3360を溶液に添加し、1000rpmで30分間撹拌した。次いで、ポリウレタン及びBSA溶液を直径10cmのテフロン(登録商標)蒸発皿にピペットで移した。皿を25℃のベンチトップ上で一晩乾燥させた。乾燥後、乾燥した試料を標準的な基準雰囲気(23℃、湿度50%)で24時間調整して、BSAポリウレタンアロイフィルムを作製した。
DMA試験を実施例1に概説されるように実施した。BSAポリウレタンアロイについて得られた第2の貯蔵弾性率遷移(測定された貯蔵弾性率の最後の減少の開始点として取得、すなわち、第2のDMA弾性率遷移開始温度)は、184.9℃であり、実施例1に記載の対照試料よりも70℃増加した。
引張り試験を実施例1に概説されるように実施した。平均ヤング率は174MPaであり、測定された平均引張り応力は11.7MPaであり、平均破断伸びはBSAポリウレタンアロイについて123%であった。
[実施例21]
大豆タンパク質単離物(SPI)を、0.05mol/L濃度で15mLの水酸化ナトリウム溶液中に0.75gのSPIを添加することによって分散させた。分散液を、磁気撹拌棒により600rpmにて3時間80℃で撹拌した。次いで、5gのL3360を溶液に添加し、600rpmで30分間撹拌した。次いで、SPIポリウレタン溶液を直径10cmのテフロン(登録商標)蒸発皿にピペットで移した。皿を45℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥後、乾燥した試料を標準的な基準雰囲気(23℃、湿度50%)で24時間調整して、SPIポリウレタンアロイフィルムを作製した。
DMA試験を実施例1に概説されるように実施した。SPIポリウレタンアロイについて得られた第2の貯蔵弾性率遷移(測定された貯蔵弾性率の最後の減少の開始点として取得、すなわち、第2のDMA弾性率遷移開始温度)は、186.6℃であり、実施例1の対照よりも72℃増加した。
引張り試験を実施例1に概説されるように実施した。平均ヤング率は396MPaであり、測定された平均引張り応力は18MPaであり、平均破断伸びはSPIポリウレタンアロイについて151%であった。
第2のDMA弾性率遷移開始温度の上昇は、弾性率及び強度の増加、並びに伸長性の減少と共に、SPIポリウレタンアロイ中の溶解SPIがポリウレタンの硬質相と混和性であることを示す。
[実施例22~実施例23]
実施例22~実施例23は、実施例21と同じ方法を用いて予備形成した。使用されるタンパク質及びこれらのタンパク質ポリマーアロイの得られた特性を表3~表6に列挙する。
[実施例24~実施例29]
試料は実施例9と同じ方法によって調製した。ゼラチン及びL3360量を変化させて、アロイ試料中の2つの構成成分の様々な質量比を達成した。ゼラチン及びPU分散液の質量並びに得られた質量分率を、以下の表2に要約する。
Figure 2023524408000002
引張り及びDMA試験を実施例1に概説されるように実施した。アロイの得られた特性を表3~表6に列挙する。
[実施例30]
大豆タンパク質単離物(SPI)を、0.25gのSPIを15mLの脱イオン水に添加することによって分散させた。分散液を、磁気撹拌棒により600rpmにて3時間80℃で撹拌した。次いで、6.42gのL3360を溶液に添加し、600rpmで30分間撹拌した。次いで、SPIポリウレタン溶液を直径10cmのテフロン(登録商標)蒸発皿にピペットで移した。皿を45℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥後、乾燥した試料を標準的な基準雰囲気(23℃、湿度50%)で24時間調整して、SPIポリウレタンアロイフィルムを作製した。
引張り及びDMA試験を実施例1に概説されるように実施した。アロイの得られた特性を表3~表6に列挙する。
[実施例31]
大豆タンパク質単離物(SPI)を、0.05mol/L濃度で15mLの水酸化ナトリウム溶液中に0.5gのSPIを添加することによって分散させた。分散液を、磁気撹拌棒により600rpmにて3時間80℃で撹拌した。次いで、6.42gのL3360を溶液に添加し、600rpmで30分間撹拌した。次いで、SPIポリウレタン溶液を直径10cmのテフロン(登録商標)蒸発皿にピペットで移した。皿を45℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥後、乾燥した試料を標準的な基準雰囲気(23℃、湿度50%)で24時間調整して、SPIポリウレタンアロイフィルムを作製した。
引張り及びDMA試験を実施例1に概説されるように実施した。アロイの得られた特性を表3~表6に列挙する。
[実施例32]
ホエイタンパク質(Sigma製ウシ乳ホエイW1500)を、0.05mol/Lの濃度で15mLの水酸化ナトリウム溶液中に0.75gのホエイを添加することによって分散させた。分散液を、磁気撹拌棒により600rpmにて3時間80℃で撹拌した。次いで、5gのL3360を溶液に添加し、600rpmで30分間撹拌した。次いで、ホエイポリウレタン溶液を直径10cmのテフロン(登録商標)蒸発皿にピペットで移した。皿を45℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥後、乾燥した試料を標準的な基準雰囲気(23℃、湿度50%)で24時間調整して、ホエイポリウレタンアロイフィルムを作製した。
DMA試験を実施例1に概説されるように実施した。ホエイポリウレタンアロイについて得られた第2の貯蔵弾性率遷移(測定された貯蔵弾性率の最後の減少の開始点として取得、すなわち、第2のDMA弾性率遷移開始温度)は、100.9℃であり、実施例1の対照と比較して14℃減少した。
引張り試験を実施例1に概説されるように実施した。平均ヤング率は105MPaであり、測定された平均引張り応力は7.6MPaであり、平均破断伸びはホエイポリウレタンアロイについて224%であった。
ホエイはポリウレタンの硬質相と混和性であるように見えるが、タンパク質自体の熱安定性が乏しいため、第2のDMA弾性率遷移温度は増加しなかったと考えられる。上述のように、ホエイは158℃で変性温度を有し、したがって、非熱安定性と見なされた。
[実施例33]
0.75gのカゼイン(ウシ乳、Sigma、C7078から)を、他の添加剤を一切含まない20mLのガラスバイアル内の15mLの脱イオン水(pH=7)中に添加し、600rpmで撹拌し、90℃まで加熱し、3時間維持した。
次いで、5gのL3360を20mLのガラスバイアル中に添加した。ガラスバイアルに蓋をし、最大速度で1分間ボルテックスした。次いで、混合カゼインポリウレタン液を10cmのテフロン(登録商標)皿に移した。皿を45℃のオーブンで一晩(16~24時間)乾燥させた。
乾燥後、カゼインポリウレタンアロイフィルムは、フィルム中において多数の光学的に可視である顆粒を伴う不透明な外観を有した。このフィルムの引張り特性は、INSTRON(登録商標)5960シリーズ機を用いて5つの引張り標本を測定することによって測定した。試料を破断するまで100ミリメートル/分の張力で引っ張った。フィルムの平均引張り強度は4.96MPaであった。フィルムの平均破断伸びは12.03%であった。フィルムの平均ヤング率は158MPaであった。これらの結果は、実施例39の結果と共に、カゼインが不溶性であり、pH7では水に分散せず、したがって混合時にL3360に溶解しないことを示す。
[実施例34]
0.75gのカゼイン(ウシ乳、Sigma、C7078から)を、20mLのガラスバイアル内の15mLの0.05mol/LのNaOH脱イオン水溶液中に分散させ、600rpmで撹拌し、90℃まで加熱し、3時間維持した。均一な分散液を得た。
次いで、5gのL3360を20mLのガラスバイアル中に添加した。その後、ガラスバイアルに蓋をし、最大速度で1分間ボルテックスした。次いで、混合カゼインポリウレタン液を10cmのテフロン(登録商標)皿に移した。皿を45℃のオーブンで一晩(16~24時間)乾燥させた。
乾燥後、カゼインポリウレタンアロイフィルムは、フィルム中に光学的に可視な顆粒を有しない透明かつ均一な外観を有した。このフィルムの引張り特性は、INSTRON(登録商標)5960シリーズ機を用いて5つの引張り標本を測定することによって測定した。試料を破断するまで100ミリメートル/分の張力で引っ張った。フィルムの平均引張り強度は15.5MPaであった。フィルムの平均破断伸びは160%であった。フィルムの平均ヤング率は160MPaであった。実施例33と比較して増大した弾性率、強度、及び伸長性は、修飾カゼインがポリウレタン内に溶解し、ポリウレタンの硬質相と混和性であることを示す。
[実施例35]
0.375gの大豆タンパク質単離物(SPI)及び0.375gのr-コラーゲンを、20mLガラスバイアル中の0.05mol/L濃度で15mLの水酸化ナトリウム溶液へと添加した。大豆タンパク質単離物はMP Medicals(IC90545625)から購入した大豆タンパク質単離物であった。r-コラーゲンはModern Meadowからの組換えコラーゲンであった。バイアル内の溶液を、磁気撹拌棒により600rpmにて2時間80℃で混合した。
次いで、5gのL3360を20mLのガラスバイアル中に添加した。ガラスバイアルに蓋をし、最大速度で1分間ボルテックスした。次いで、混合SPI/r-colポリウレタン液を10cmのテフロン(登録商標)皿に移した。皿を45℃のオーブンで一晩乾燥させた。乾燥後、乾燥した試料を標準的な基準雰囲気(23℃、湿度50%)で24時間調整して、SPI/r-colポリウレタンアロイフィルムを作製した。
このフィルムの引張り特性は、INSTRON(登録商標)5960シリーズ機を用いて5つの引張り標本を測定することによって測定した。試料を破断するまで100ミリメートル/分の張力で引っ張った。フィルムの平均引張り強度は15.71MPaであった。フィルムの平均破断伸びは175.9%であった。フィルムの平均ヤング率は247.1MPaであった。フィルムはまた、実施例1に記載の方法に従うTA Instruments製DMA-850も用いて試験した。SPI/r-colポリウレタンアロイの結果として得られた第2の貯蔵弾性率遷移(測定された貯蔵弾性率の最後の減少の開始点として取得、すなわち、第2のDMA弾性率遷移開始温度)は、184.9℃であった。
実施例第1及び実施例第9と比較して、これらの結果は、弾性率及び強度の増加並びに伸長性の低減と共に、第2のDMA弾性率遷移開始温度の増加を示し、ポリウレタンアロイ中のSPIとr-colとのブレンドがポリウレタンの硬質相と混和性であり、特性の対応する増強を示したことを示している。
[実施例37]
実施例36と同じ方法を用いて、Bobs Red Mills製の0.375gのエンドウ豆タンパク質MTX5232、0.375gのr-コラーゲン(Modern Meadow製組換えコラーゲン)、及び5gのL3360ポリウレタン分散液によりフィルムを作製した。
得られたタンパク質ポリウレタンアロイフィルムを、実施例36について説明したように、同じ引張り及びDMA試験方法を用いて試験した。フィルムの平均引張り強度は15.36MPaであった。フィルムの平均破断伸びは183.17%であった。フィルムの平均ヤング率は231.13MPaであった。エンドウ豆タンパク質/r-colポリウレタンアロイの第2のDMA弾性率遷移開始温度は189.65℃であった。
実施例第1及び実施例第9と比較して、これらの結果は、弾性率及び強度の増加と共に、第2のDMA弾性率遷移開始温度の増加を示し、タンパク質ポリウレタンアロイ中のエンドウ豆タンパク質とr-colとのブレンドがポリウレタンの硬質相と混和性であり、特性の対応する増強を示したことを示している。
[実施例38]
ゼラチン溶液は、0.825g(グラム)のゼラチンをブタの皮膚(Sigma Aldrich G2500)から10mL(ミリリットル)の脱イオン水中へと溶解し、50℃で1時間、1000rpm(毎分回転数)で磁気撹拌棒により撹拌することによって調製した。ゼラチンを完全に溶解した後、溶液のpHを0.1N水酸化ナトリウムで7.0まで調節した。Navy Black #1684繊維反応性染料を、ゼラチン100部当たり4.05部でゼラチン溶液へと添加し、45℃で15分間混合した。次いで、5.5gのL3360を溶液に添加し、1000rpmで30分間撹拌した。次いで、ポリウレタン及びゼラチン溶液を直径10cmのテフロン(登録商標)蒸発皿にピペットで移した。皿を45℃のオーブン内で一晩乾燥させた。得られたフィルムは均一に染色され、試料全体にわたり相分離又は色の違いはなかった。タンパク質を含まない同じポリウレタン分散液の同等のフィルムは、均一に染色できなかった。
[実施例39A]
化学修飾大豆タンパク質溶液(化学修飾SUPRO(登録商標)XT55大豆タンパク質単離物、及び化学修飾SUPRO(登録商標)XT221D大豆タンパク質単離物)を、2つの5mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液を調製することによって調製した。調製したら、40ミリグラム(mg)のDABCO(1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)を各溶液へと添加し、溶解させた。DABCOを溶解したら、300mgのポリ(エチレングリコール)モノグリシジルエーテル-550Mnを各溶液へと添加し、続いて0.75gのSUPRO(登録商標)XT55大豆タンパク質単離物を一方の溶液へと添加し、0.75gのSUPRO(登録商標)XT221D大豆タンパク質単離物を他方の溶液へと添加した。溶液を600rpmにて65℃で45分間撹拌して、修飾せずに0.1mol/Lの水酸化ナトリウム単独で個々の大豆タンパク質と比較して、水溶液中ではるかに高い溶解性を有する化学修飾大豆タンパク質を作製した。ポリ(エチレングリコール)モノグリシジルエーテル修飾タンパク質溶液は、ポリ(エチレングリコール)モノグリシジルエーテルを含まない同一のタンパク質溶液と比較して有意に透明であり、溶解性の増加を示した。加えて、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)データは、可溶性修飾タンパク質溶液が最小限の加水分解を示し、タンパク質の溶解性がタンパク質修飾に起因するものであり、使用された塩基性条件による加水分解によるものではなかったことを示した。
[実施例39B]
化学修飾大豆タンパク質溶液(化学修飾SUPRO(登録商標)XT55大豆タンパク質単離物、及び化学修飾SUPRO(登録商標)XT221D大豆タンパク質単離物)を、2つの5mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液を調製することによって調製した。調製したら、40mgのDABCO(1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)を各溶液へと添加し、溶解させた。DABCOを溶解したら、300mgのポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル-550Mnを溶液へと添加し、続いて0.75gのSUPRO(登録商標)XT55大豆タンパク質単離物を一方の溶液へと添加し、0.75gのSUPRO(登録商標)XT221D大豆タンパク質単離物を他方の溶液へと添加した。溶液を600rpmにて65℃で45分間撹拌して、修飾せずに0.1mol/Lの水酸化ナトリウム単独で個々の大豆タンパク質と比較して、水溶液中ではるかに高い溶解性を有する大豆タンパク質を作製した。ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテル修飾タンパク質溶液は、ポリ(エチレングリコール)ジグリシジルエーテルを含まない同一のタンパク質溶液と比較して有意に透明であり、溶解性の増加を示した。加えて、SECデータは、可溶性修飾大豆タンパク質溶液が最小限の加水分解を示し、タンパク質の溶解性がタンパク質修飾に起因するものであり、使用された塩基性条件による加水分解によるものではなかったことを示した。
[実施例40]
SUPRO(登録商標)XT55大豆タンパク質単離物(SPI)を、0.1mol/L濃度で5mLの水酸化ナトリウム溶液中に0.75gのSPIを添加することによって分散させた。分散液を、磁気撹拌棒により600rpmにて2時間65℃で撹拌した。HeiQ Chemtex 2317(アニオン性界面活性剤)をタンパク質100質量部当たり5部の量で添加した。次いで、5gのL3360を溶液に添加し、600rpmで30分間撹拌した。次いで、SPIポリウレタン溶液を直径10cmのテフロン(登録商標)蒸発皿にピペットで移した。皿を45℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥後、乾燥した試料を標準的な基準雰囲気(23℃、湿度50%)で24時間調整して、SPIポリウレタンアロイフィルムを作製した。
[実施例41]
ゼラチン溶液は、3.885gのゼラチンをブタの皮膚(Sigma Aldrich G2500)から22mLの脱イオン水へと溶解し、50℃で1時間、オーバーヘッドインペラミキサを用いて450rpmで撹拌することによって調製した。ゼラチンを完全に溶解した後、溶液のpHを1N水酸化ナトリウムで7.0まで調節した。pH調節後、抗微生物性Ultra-Fresh DW-56を、ゼラチン溶液100重量部当たり1.2部で添加した。次いで、溶液を50℃で10分間混合して、全ての構成成分の良好な分散を確実にした。10分後、15mLの溶液を等分し、Antifoam 204(Sigma Aldrich製の有機ポリエーテル分散液の混合物)を、推定された最終溶液重量100部当たり0.5部で添加した。等分した溶液を50℃で10分間混合して、全ての構成成分の良好な分散を確実にした。次いで、25.885gのL3360を溶液に添加した。L3360の添加後、43℃~45℃の温度に達するまで溶液を混合した。
溶液のもう一方のアリコートに、溶液重量の100部当たり5.5部のHeiQ Chemtex 2216-T(非イオン性及びアニオン性界面活性剤の安定化ブレンド)、及び100部当たり2.2部のHeiQ Chemtex 2317(非イオン性及びアニオン性界面活性剤の安定化ブレンド)を、HeiQ Chemtex 2243(非イオン性シリコーン分散液)の100部当たり0.1部と共に添加した。次いで、溶液を、43℃~45℃の温度で650g/L~850g/Lの湿潤密度に達するまで機械的に泡立てて冷凍し、それによって発泡ブレンド混合物を形成した。
トップコート及びベースコートを含む表面仕上げを調製して、タンパク質ポリウレタンアロイのプレスキンを作製した。トップコートブレンドは、9.74部のStahl Melio WF-5227.A LIQ、100部のStahl WT-42-511、30部のStahl DI-17-701、30部のStahl XR-13-820、及び25部の水をブレンドすることによって作製された。ベースコートブレンドは、450部のStahl RC-43-023、50部のStahl RU-3901、150部のStahl RA-30、50部のStahl FI-1208、30部のStahl XR-13-820、及び100部のStahl RA-22-063をブレンドすることによって作製した。
ブレンドした非発泡溶液を、ドローダウン装置を用いて目標の湿潤厚さ200gsmで乾燥したプレスキン上に堆積させ、Mathis LTE-S Labcoater中において75℃、2000rpmの空気速度、及び試料の下から70%の空気を吹き込んで15分間乾燥させて、タンパク質ポリウレタンアロイ層を形成した。この第1の層を乾燥させた後、ブレンドした発泡溶液の第2の層を、第1の層上に目標の湿潤厚さ350gsmで堆積させ、Mathis LTE-S Labcoater内で、75℃にて5分間、次いで100℃にて5分間、最後に120℃で5分間、700rpmの空気速度で、70%の空気を下から吹き込みながら、勾配様の乾燥手順で15分間乾燥させて、第1の発泡タンパク質ポリウレタンアロイ層を形成した。発泡層を乾燥させた後、ブレンドした発泡溶液の第3の層を、第1の発泡層上に目標の湿潤厚さ350gsmで堆積させ、Mathis LTE-S Labcoater内で、75℃にて5分間、次いで100℃にて5分間、最後に120℃で、700rpmの空気速度にて、70%の空気を下から吹き込みながら、勾配様の乾燥手順で15分間乾燥させて、第2の発泡タンパク質ポリウレタンアロイ層を形成した。
試料を完全に乾燥させ、24時間にわたり23℃及び湿度50%の条件付けチャンバ内で24時間調整した後、試料を切断し、本明細書に記載のDMA及び引張り機械的特性試験に従って試験した。得られた第2の貯蔵弾性率遷移(測定された貯蔵弾性率の最後の減少の開始点として取得、すなわち、第2のDMA弾性率遷移開始温度)は、190℃であり、ヤング率は88.9MPaであり、引張り応力は5.4MPaであり、破断伸びは110%であった。
[実施例42]
試料は、1gの50KDa rColを5mLの脱イオン水中へと溶解し、20℃で1時間、1000rpmで磁気撹拌棒により撹拌することによって調製した。50KDa rColタンパク質は、配列番号1として列挙されたアミノ酸配列を含むModern Meadowによって調製されたコラーゲン断片であった。1時間撹拌した後、6.7gのL3360を溶液に添加し、1000rpmで30分間撹拌した。次いで、ポリウレタン及び50KDa rCol溶液を直径10cmのテフロン(登録商標)蒸発皿にピペットで移した。皿を45℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥後、乾燥した試料を標準的な基準雰囲気(23℃、湿度50%)で24時間調整して、50KDa rColポリウレタンアロイフィルムを作製した。
DMA試験を実施例1に概説されるように実施した。50KDa rColポリウレタンアロイについて得られた第2の貯蔵弾性率遷移(測定された貯蔵弾性率の最後の減少の開始点として取得、すなわち、第2のDMA弾性率遷移開始温度)は、177.8℃であり、実施例1に記載の対照試料よりも62.9℃増加した。
引張り試験を実施例1に概説されるように実施した。平均ヤング率は161MPaであり、測定された平均引張り応力は17MPaであり、平均破断伸びは50KDa rColポリウレタンアロイについて173%であった。
[実施例43]
試料は、CREATIVE ENZYMES(登録商標)から入手可能な天然トリコデルマ(Trichoderma)種セルラーゼ(Cellulase-RG)1gを脱イオン水5mLへと溶解し、磁気撹拌棒により1000rpmで20℃にて1時間撹拌することによって調製した。1時間撹拌した後、11.4gのL3360を溶液に添加し、1000rpmで30分間撹拌した。次いで、ポリウレタン及びセルラーゼ溶液を直径10cmのテフロン(登録商標)蒸発皿にピペットで移した。皿を45℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥後、乾燥した試料を標準的な基準雰囲気(23℃、湿度50%)で24時間調整して、セルラーゼポリウレタンアロイフィルムを作製した。
DMA試験を実施例1に概説されるように実施した。Celluase-RGポリウレタンアロイについて得られた第2の貯蔵弾性率遷移(測定された貯蔵弾性率の最後の減少の開始点として取得、すなわち、第2のDMA弾性率遷移開始温度)は、153.1℃であり、実施例1に記載の対照試料よりも38.2℃増加した。
引張り試験を実施例1に概説されるように実施した。平均ヤング率は184MPaであり、測定された平均引張り応力は14.7MPaであり、平均破断伸びはセルラーゼポリウレタンアロイについて252%であった。
[実施例44]
試料は、Carolina Biological Supply Companyから入手可能な実験室グレードのセルラーゼ(Cellulase-IG)1gを5mLの脱イオン水へと溶解し、磁気撹拌棒により1000rpmで20℃にて1時間撹拌することによって調製した。1時間撹拌した後、11.4gのL3360を溶液に添加し、1000rpmで30分間撹拌した。次いで、ポリウレタン及びセルラーゼ溶液を直径10cmのテフロン(登録商標)蒸発皿にピペットで移した。皿を45℃のオーブン内で一晩乾燥させた。乾燥後、乾燥した試料を標準的な基準雰囲気(23℃、湿度50%)で24時間調整して、セルラーゼポリウレタンアロイフィルムを作製した。
DMA試験を実施例1に概説されるように実施した。Cellulase-IGポリウレタンアロイについて得られた第2の貯蔵弾性率遷移(測定された貯蔵弾性率の最後の減少の開始点として取得、すなわち、第2のDMA弾性率遷移開始温度)は、122.1℃であり、実施例1に記載の対照試料よりも7.2℃増加した。
引張り試験を実施例1に概説されるように実施した。平均ヤング率は84MPaであり、測定された平均引張り応力は15.1MPaであり、平均破断伸びはセルラーゼポリウレタンアロイについて286%であった。
[実施例45]
2つの対照試料(実施例第45a番及び実施例第45b番)を、各々以下のプロセスに従って調製した。0.4gのAF-715(Quaker Colorから入手可能な消泡剤)を、C.L.Hauthaway&Sons Corporation製の38gの水媒介ポリウレタン分散液HauthaneHD-2001へと混合した。混合物を、インペラを用いて500rpmの速度で混合し、室温で5分間撹拌させた。混合物を適切に混合した後、0.6gのBORCHI(登録商標)Gel L 75 Nを添加して混合物の粘度を上昇させ、混合物を5分間混合させた。次いで、混合物を、Mathis LTE-S Labcoaterコータを用いて剥離紙上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。次いで、コーティングを剥離紙から除去して、タンパク質を含有しないポリウレタンフィルムを作製した。
乾燥後、実施例45aの試料の厚さは0.4mmであり、実施例45bの試料の厚さは0.4mmであった。表7に報告されるように、実施例45aのポリウレタンフィルムは30g/m/24時間の水蒸気透過率を有し、実施例45bのポリウレタンフィルムは38g/m/24時間の水蒸気透過率を有した。
[実施例46]
2つの試料(実施例第46a番及び実施例第46b番)を、各々以下のプロセスに従って調製した。ブタ皮膚からの13.25gのゼラチンを、2gの抗微生物Ultra-Fresh DW-56、0.8gのAF-715(Quaker Colorから入手可能な消泡剤)、及び50℃で75mLの水の溶液中に溶解した。ゼラチンが完全に溶解するまで、500rpmでインペラを用いて溶液を撹拌した。次いで、溶液のpHを、8~9のpHが達成されるまで1M NaOHを用いて増加させた。pHを調節した後、C.L.Hauthaway&Sons Corporation製の77gの水媒介ポリウレタン分散液Hauthane HD-2001を、ゼラチン溶液に添加し、15分間撹拌した。ゼラチン及びポリウレタン溶液を適切に混合した後、Stahl製の1gのRM-4410を添加して溶液の粘度を増加させ、溶液を5分間混合した。次いで、この溶液を、薄いIMPRANIL(登録商標)DLSコーティング層(厚さ0.03mm)で表面をコーティングした厚さ0.35mmのマイクロスエードテキスタイル上にコーティングした。ゼラチンポリウレタン溶液を、薄いIMPRANIL(登録商標)DLSコーティング層の上に、手持ち式ドローダウン装置を用いてコーティングし、標準基準雰囲気(23℃及び湿度50%)で乾燥させて、テキスタイル裏材を有するゼラチン-ポリウレタンフィルムを作製した。薄いIMPRANIL(登録商標)DLSコーティングを使用して、ゼラチンポリウレタンコーティングがマイクロスエードテキスタイルに深く浸透するのを防止した。
乾燥後、実施例第46a番の試料の厚さは0.77mmであり(これは、ゼラチン-ポリウレタンフィルム、薄いIMPRANIL(登録商標)DLSコーティング、及びマイクロスエードテキスタイルの厚さの合計であった)、実施例46bの試料の厚さは0.82mmであった(これは、ゼラチン-ポリウレタンフィルム、薄いImpranil(登録商標)DLSコーティング、及びマイクロスエードテキスタイルの厚さの合計であった)。
表7に報告されるように、実施例第46a番の試料は180g/m/24時間の水蒸気透過率を有し、これは、実施例第45a番の試料と比較して150g/m/24時間の増加であり、実施例第45b番の試料と比較して142g/m/24時間の増加であった。また表7に報告されるように、実施例第46b番の試料は138g/m/24時間の水蒸気透過率を有し、これは、実施例第45a番の試料と比較して108/m/24時間の増加であり、実施例第45b番の試料と比較して100g/m/24時間の増加であった。
薄いIMPRANIL(登録商標)DLSコーティング又はマイクロスエードテキスタイルのいずれも、実施例第46a番又は第46b番の試料の水蒸気透過率に有意な影響を及ぼさなかった。言い換えれば、表7に報告される水蒸気透過率は、ゼラチン-ポリウレタンフィルムのみの水蒸気透過率を反映する。
[実施例47]
2つの対照試料(実施例第47a番及び実施例第47b番)を、各々以下のプロセスに従って調製した。0.4gのAF-715(Quaker Colorから入手可能な消泡剤)を、Hauthaway製の38gの水媒介ポリウレタン分散液L3360へと混合した。混合物を、インペラを用いて500rpmの速度で混合し、室温で5分間撹拌させた。混合物を適切に混合した後、0.6gのBORCHI(登録商標)Gel L 75 Nを添加して混合物の粘度を上昇させ、混合物を5分間混合させた。次いで、混合物を、Mathis LTE-S Labcoaterコータを用いて剥離紙上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。次いで、コーティングを剥離紙から除去して、タンパク質を含有しないポリウレタンフィルムを作製した。
乾燥後、実施例47aの試料の厚さは0.32mmであり、実施例47bの試料の厚さは0.36mmであった。表7に報告されるように、実施例47aのポリウレタンフィルムは23g/m/24時間の水蒸気透過率を有し、実施例47bのポリウレタンフィルムは27g/m/24時間の水蒸気透過率を有した。
[実施例48]
2つの試料(実施例第48a番及び実施例第48b番)を、各々以下のプロセスに従って調製した。ブタ皮膚からの13.25gのゼラチンを、2gの抗微生物Ultra-Fresh DW-56、0.8gのAF-715(Quaker Colorから入手可能な消泡剤)、及び50℃で75mLの水の溶液中に溶解した。ゼラチンが完全に溶解するまで、500rpmでインペラを用いて溶液を撹拌した。次いで、溶液のpHを、8~9のpHが達成されるまで1M NaOHを用いて増加させた。pHを調節した後、Hauthawayy製の77gの水媒介ポリウレタン分散液L3360をゼラチン溶液へと添加し、15分間撹拌した。ゼラチン及びポリウレタン溶液を適切に混合した後、Stahl製の1gのRM-4410を添加して溶液の粘度を増加させ、溶液を5分間混合した。次いで、この溶液を、薄いIMPRANIL(登録商標)DLSコーティング層(厚さ0.03mm)で表面をコーティングした厚さ0.35mmのマイクロスエードテキスタイル上にコーティングした。ゼラチン及びポリウレタン溶液を、薄いIMPRANIL(登録商標)DLSコーティング層の上に、手持ち式ドローダウン装置を用いてコーティングし、標準基準雰囲気(23℃及び湿度50%)で乾燥させて、テキスタイル裏材を有するゼラチン-ポリウレタンフィルムを作製した。薄いIMPRANIL(登録商標)DLSコーティングを使用して、ゼラチンポリウレタンコーティングがマイクロスエードテキスタイルに深く浸透するのを防止した。
乾燥後、実施例第48a番の試料の厚さは0.77mmであり(これは、ゼラチン-ポリウレタンフィルム、薄いIMPRANIL(登録商標)DLSコーティング、及びマイクロスエードテキスタイルの厚さの合計であった)、実施例48bの試料の厚さは0.84mmであった(これは、ゼラチン-ポリウレタンフィルム、薄いImpranil(登録商標)DLSコーティング、及びマイクロスエードテキスタイルの厚さの合計であった)。
表7に報告されるように、実施例第48a番の試料は117g/m/24時間の水蒸気透過率を有し、これは、実施例第47a番の試料と比較して94g/m/24時間の増加であり、実施例第47b番の試料と比較して90g/m/24時間の増加であった。また表7に報告されるように、実施例48bの試料は74g/m/24時間の水蒸気透過率を有し、これは、実施例第47a番の試料と比較して51g/m/24時間の増加であり、実施例第47b番の試料と比較して47g/m/24時間の増加であった。
薄いIMPRANIL(登録商標)DLSコーティング又はマイクロスエードテキスタイルのいずれも、実施例第46a番又は第46b番の試料の水蒸気透過率に有意な影響を及ぼさなかった。言い換えれば、表7に報告される水蒸気透過率は、ゼラチン-ポリウレタンフィルムのみの水蒸気透過率を反映する。
[実施例49]
2つの対照試料(実施例第49a番及び実施例第49b番)を、各々以下のプロセスに従って調製した。0.2gのAF-715(Quaker Colorから入手可能な消泡剤)を、Hauthaway製の38gの水媒介ポリウレタン分散液L3360へと混合した。混合物を、インペラを用いて500rpmの速度で5分間混合した。混合物を適切に混合した後、0.6gのBORCHI(登録商標)Gel L 75 Nを添加して混合物の粘度を上昇させ、混合物を再び5分間再び混合した。次いで、このポリウレタン混合物を、Mathis LTE-S Labcoaterを用いて剥離紙上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。
次いで、発泡溶液を、HeiQ Chemtex 2216-T(溶液重量に基づいて3%)、HeiQ Chemtex 2317(溶液重量に基づいて3%)、HeiQ Chemtex 2241-A(溶液重量に基づいて1%)、及びHeiQ Chemtex 2243(溶液重量に基づいて0.1%)により、Hauthaway製の水媒介ポリウレタン分散液L3360を混合することによって調製した。この混合物を、室温にてインペラを用いて500rpmで5分間撹拌した。次いで、混合物を泡立たせて、700g/L~900g/Lの湿潤密度を有する発泡混合物を作製した。発泡混合物を、Mathis LTE-S Labcoaterを用いて、事前にコーティングされたポリウレタン層上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。この第1の発泡コーティングを乾燥させた後、同じ発泡混合物から作製された第2の発泡コーティング層を、同一の条件を用いて第1の発泡コーティング上にコーティングした。第2の発泡層の乾燥後、三層試料を剥離紙から除去した。
実施例第49a番の試料の三層試料の厚さは0.23mmであり、実施例第49b番の三層試料の厚さは0.24mmであった。表7に報告されるように、実施例第49a番の三層試料は83g/m/24時間の水蒸気透過率を有し、実施例第49b番の三層試料は87g/m/24時間の水蒸気透過率を有した。
[実施例50]
2つの試料(実施例第50a番及び実施例第50b番)を、各々以下のプロセスに従って調製した。5.3gのSUPRO(登録商標)XT221D大豆タンパク質単離物を30gの水と混合した。次いで、混合物のpHを、8~9のpHが達成されるまで1M NaOHを用いて増加させた。pHを調節した後、Ultra-Fresh DW-56(大豆タンパク質単離物質量に基づいて15重量%)及びAF-715消泡剤(溶液重量に基づいて1重量%)を混合物へと添加し、混合物を、大豆タンパク質単離物が完全に溶解するまで、インペラを用いて500rpmで撹拌した。大豆タンパク質単離物が完全に溶解すると、Hauthaway製の32gの水媒介ポリウレタン分散液L3360をタンパク質溶液へと添加し、溶液をインペラにより500rpmの速度で10分間室温にて撹拌した。次いで、このタンパク質溶液を、Mathis LTE-S Labcoaterを用いて剥離紙上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。
次いで、5.3gのSUPRO(登録商標)XT221D大豆タンパク質単離物を30gの水と混合することによって、発泡溶液を調製した。混合物のpHを、8~9のpHが達成されるまで1M NaOHを用いて増加させた。pHを調節し、大豆タンパク質単離物が完全に溶解したら、Ultra-Fresh DW-56(大豆タンパク質質量に基づいて15重量%)、HeiQ Chemtex 2216-T(溶液重量に基づいて3重量%)、HeiQ Chemtex 2317(溶液重量に基づいて3%)、HeiQ Chemtex 2241-A(溶液重量に基づいて1%)、HeiQ Chemtex 2243(溶液重量に基づいて0.1%)、Hauthaway製の32gの水媒介ポリウレタン分散液L3360を溶液へと添加し、溶液を5分間室温でインペラを用いて500rpmにて撹拌した。次いで、この溶液を泡立たせて、700g/L~900g/Lの湿潤密度を有する発泡溶液を作製した。発泡溶液を、Mathis LTE-S Labcoaterを用いて、事前にコーティングされたタンパク質溶液層上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。この第1の発泡溶液コーティングを乾燥させた後、第2の発泡層を、同じ条件を用いて第1の発泡コーティング上にコーティングした。第2の発泡溶液層を乾燥させた後、三層試料を剥離紙から除去した。
実施例第50a番の三層試料の厚みは0.24mmであり、実施例第50b番の三層試料の厚みは0.25mmであった。表7に報告されるように、実施例第50a番の試料は268g/m/24時間の水蒸気透過率を有し、これは、実施例第49a番の試料と比較して185g/m/24時間の増加であり、実施例第49b番の試料と比較して181g/m/24時間の増加であった。また表7に報告されるように、実施例第50b番の試料は277g/m/24時間の水蒸気透過率を有し、これは、実施例第49a番の試料と比較して194g/m/24時間の増加であり、実施例第49b番の試料と比較して190g/m/24時間の増加であった。
[実施例51]
対照試料は、0.4gのAF-715(Quaker Colorから入手可能な消泡剤)を、Covestro製の38gの水媒介ポリウレタン分散液IMPRAPERM(登録商標)DL5249へと混合することによって調製した。混合物を、インペラを用いて500rpmの速度で混合し、室温で5分間撹拌させた。混合物を適切に混合した後、0.6gのBORCHI(登録商標)Gel L 75 Nを添加して混合物の粘度を上昇させ、混合物を5分間混合させた。次いで、混合物を、Mathis LTE-S Labcoaterコータを用いて剥離紙上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。次いで、コーティングを剥離紙から除去して、タンパク質を含有しないポリウレタンフィルムを作製した。
乾燥後、試料の厚みは0.08mmであった。表7に報告されるように、ポリウレタンフィルムは、338g/m/24時間の水蒸気透過率を有した。
[実施例52]
2つの試料(実施例第52a番及び実施例第52b番)を、各々以下のプロセスに従って調製した。5.3gのSUPRO(登録商標)XT221D大豆タンパク質単離物を30gの水と混合した。次いで、混合物のpHを、8~9のpHが達成されるまで1M NaOHを用いて増加させた。pHを調節した後、Ultra-Fresh DW-56(大豆タンパク質単離物質量に基づいて15重量%)及びAF-715消泡剤(溶液重量に基づいて1重量%)を混合物へと添加し、混合物を、大豆タンパク質単離物が完全に溶解するまで、インペラを用いて500rpmで撹拌した。大豆タンパク質単離物が完全に溶解すると、Covestro製の32gの水媒介ポリウレタン分散液IMPRAPERM(登録商標)DL 5249をタンパク質溶液へと添加し、溶液をインペラにより500rpmの速度で10分間室温にて撹拌した。次いで、このタンパク質溶液を、Mathis LTE-S Labcoaterを用いて剥離紙上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。
次いで、5.3gのSUPRO(登録商標)XT221D大豆タンパク質単離物を30gの水と混合することによって、発泡溶液を調製した。混合物のpHを、8~9のpHが達成されるまで1M NaOHを用いて増加させた。pHを調節し、大豆タンパク質単離物が完全に溶解したら、Ultra-Fresh DW-56(大豆タンパク質質量に基づいて15重量%)、HeiQ Chemtex 2216-T(溶液重量に基づいて3重量%)、HeiQ Chemtex 2317(溶液重量に基づいて3%)、HeiQ Chemtex 2241-A(溶液重量に基づいて1%)、HeiQ Chemtex 2243(溶液重量に基づいて0.1%)、Covestro製の32gの水媒介ポリウレタン分散液IMPRAPERM(登録商標)DL 5249を溶液へと添加し、溶液を5分間室温でインペラを用いて500rpmにて撹拌した。次いで、この溶液を泡立たせて、700g/L~900g/Lの湿潤密度を有する発泡溶液を作製した。発泡溶液を、Mathis LTE-S Labcoaterを用いて、事前にコーティングされたタンパク質溶液層上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。この第1の発泡コーティングを乾燥させた後、第2の発泡層を、同じ条件を用いて第1の発泡コーティング上にコーティングした。第2の発泡溶液層を乾燥させた後、三層試料を剥離紙から除去した。
実施例第52a番の試料の三層試料の厚さは0.22mmであり、実施例第52b番の三層試料の厚さは0.23mmであった。表7に報告されるように、実施例第52a番の試料は626g/m/24時間の水蒸気透過率を有し、実施例第52b番の試料は644g/m/24時間の水蒸気透過率を有した。3つの試料全てがIMPRAPERM(登録商標)DL5249を用いて作製された実質的に同じ厚さを有する非発泡層を含んでいたため、水蒸気透過率の変化を評価する目的で、実施例第52a番及び第52b番の水蒸気透過率を、実施例第51番の水蒸気透過率と比較することができる。実施例第52a番及び第52b番の発泡層は、それらの高い多孔度のため、これらの試料の水蒸気透過率に有意な影響を及ぼさなかった。実施例第51番の試料と比較して、実施例第52a番の試料は水蒸気透過で288g/m/24時間の増加を示し、実施例第52b番の試料は水蒸気透過での306g/m/24時間の増加を示した。
[実施例53]
対照試料は、0.2gのAF-715(Quaker Colorから入手可能な消泡剤)を、Covestro製の38gの水媒介ポリウレタン分散液IMPRAPERM(登録商標)DL5249へと混合することによって調製した。混合物を、インペラを用いて500rpmの速度で5分間混合した。混合物を適切に混合した後、0.6gのBORCHI(登録商標)Gel L 75 Nを添加して混合物の粘度を上昇させ、混合物を再び5分間再び混合した。次いで、このポリウレタン混合物を、Mathis LTE-S Labcoaterを用いて剥離紙上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。
次いで、発泡溶液を、HeiQ Chemtex 2216-T(溶液重量に基づいて3%)、HeiQ Chemtex 2317(溶液重量に基づいて3%)、HeiQ Chemtex 2241-A(溶液重量に基づいて1%)、及びHeiQ Chemtex 2243(溶液重量に基づいて0.1%)により、Hauthaway製の水媒介ポリウレタン分散液L3360を混合することによって調製した。この混合物を、室温にてインペラを用いて500rpmで5分間撹拌した。次いで、混合物を泡立たせて、700g/L~900g/Lの湿潤密度を有する発泡混合物を作製した。発泡混合物を、Mathis LTE-S Labcoaterを用いて、事前にコーティングされたポリウレタン層上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。この第1の発泡コーティングを乾燥させた後、同じL3360発泡混合物から作製された第2の発泡コーティング層を、同一の条件を用いて第1の発泡コーティング上にコーティングした。第2の発泡層の乾燥後、三層試料を剥離紙から除去した。
実施例第53番の三層試料の厚みは0.32mmであった。表7で報告するように、実施例第53番の三層試料は水蒸気透過率が84g/m/24時間であった。
[実施例54]
5.3gのSUPRO(登録商標)XT221D大豆タンパク質単離物を30gの水と混合することによって、試料を調製した。混合物のpHを、8~9のpHが達成されるまで1M NaOHを用いて増加させた。pHを調節した後、Ultra-Fresh DW-56(大豆タンパク質単離物質量に基づいて15重量%)及びAF-715消泡剤(溶液重量に基づいて1重量%)を混合物へと添加し、混合物を、大豆タンパク質単離物が完全に溶解するまで、インペラを用いて500rpmで撹拌した。大豆タンパク質単離物が完全に溶解すると、Covestro製の53.7gの水媒介ポリウレタン分散液IMPRAPERM(登録商標)DL 5249をタンパク質溶液へと添加し、溶液をインペラにより500rpmの速度で10分間室温にて撹拌した。次いで、このタンパク質溶液を、Mathis LTE-S Labcoaterを用いて剥離紙上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。
次いで、5.3gのSUPRO(登録商標)XT221D大豆タンパク質単離物を30gの水と混合することによって、発泡溶液を調製した。混合物のpHを、8~9のpHが達成されるまで1M NaOHを用いて増加させた。pHを調節し、大豆タンパク質単離物が完全に溶解したら、Ultra-Fresh DW-56(大豆タンパク質質量に基づいて15重量%)、HeiQ Chemtex 2216-T(溶液重量に基づいて3重量%)、HeiQ Chemtex 2317(溶液重量に基づいて3%)、HeiQ Chemtex 2241-A(溶液重量に基づいて1%)、HeiQ Chemtex 2243(溶液重量に基づいて0.1%)、Hauthaway製の53.7gの水媒介ポリウレタン分散液L3360を溶液へと添加し、溶液を5分間室温でインペラを用いて500rpmにて撹拌した。次いで、この溶液を泡立たせて、700g/L~900g/Lの湿潤密度を有する発泡溶液を作製した。発泡溶液を、Mathis LTE-S Labcoaterを用いて、事前にコーティングされたタンパク質溶液層上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。この第1の発泡溶液コーティングを乾燥させた後、第2の発泡L3360層を、同じ条件を用いて第1の発泡コーティング上にコーティングした。第2の発泡溶液層を乾燥させた後、三層試料を剥離紙から除去した。
実施例第54番の三層試料の厚みは0.32mmであった。表7に報告するように、実施例第54番の試料は166g/m/24時間の水蒸気透過率を有し、これは、実施例第53番の試料と比較して82g/m/24時間の増加であった。図23のグラフは、実施例第54番の試料の通気性が経時的に一貫していることを示す。試料を通して輸送される水の量は、通気性試験中に時間とともに直線的に増加した。図23のグラフは、タンパク質ポリウレタンアロイ中のタンパク質が、経時的にアロイの通気性にいかなる有意な変動も引き起こさないことを示す。
[実施例55]
対照試料は、0.4gのAF-715(Quaker Color製の消泡剤)を、Covestro製の25重量%のIMPRAPERM(登録商標)DL5249及びHauthaway製の75重量%のL3360で構成される38gの水媒介ポリウレタン分散液へと混合することによって調製した。混合物を、インペラを用いて500rpmの速度で混合し、室温で5分間撹拌させた。混合物を適切に混合した後、0.6gのBORCHI(登録商標)Gel L 75 Nを添加して混合物の粘度を上昇させ、混合物を5分間混合させた。次いで、混合物を、Mathis LTE-S Labcoaterコータを用いて剥離紙上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。次いで、コーティングを剥離紙から除去して、タンパク質を含有しないポリウレタンフィルムを作製した。
乾燥後、試料の厚みは0.07mmであった。表7に報告されるように、ポリウレタンフィルムは、168g/m/24時間の水蒸気透過率を有した。
[実施例56]
5.3gのSUPRO(登録商標)XT221D大豆タンパク質単離物を30gの水と混合することによって、試料を調製した。混合物のpHを、8~9のpHが達成されるまで1M NaOHを用いて増加させた。pHを調節した後、Ultra-Fresh DW-56(大豆タンパク質単離物質量に基づいて15重量%)及びAF-715消泡剤(溶液重量に基づいて1重量%)を混合物へと添加し、混合物を、大豆タンパク質単離物が完全に溶解するまで、インペラを用いて500rpmで撹拌した。大豆タンパク質単離物が完全に溶解すると、Covestro製の25重量%のIMPRAPERM(登録商標)DL 5249から構成される53.7gの水媒介ポリウレタン分散液及びHauthaway製の75重量%のL3360をタンパク質溶液へと添加し、溶液をインペラにより500rpmの速度で10分間室温にて撹拌した。次いで、このタンパク質溶液を、Mathis LTE-S Labcoaterを用いて剥離紙上にコーティングし、75℃で10分間、及び100℃で10分間乾燥させた。
乾燥後、試料の厚みは0.05mmであった。表7に報告するように、試料は266g/m/24時間の水蒸気透過率を有し、これは、実施例第55番の試料と比較して98g/m/24時間の増加であった。
例示的表
以下の表3~表6は、実施例第1番~第31番のDMA及び機械的特性試験結果を報告する。表中の「Sancure」ポリウレタンとは、Lubrizol製の水中47%固形分の脂肪族ポリエステルポリウレタン分散液である、SANCURE(商標)20025Fである。「Impranil DLS」ポリウレタンとは、Covestro製の水中50%固形物量を有する脂肪族ポリエステルポリウレタンである、IMPRANIL(登録商標)DLSである。「L2996」ポリウレタンとは、Hauthaway製の水中35%固形物量を有する脂肪族ポリカーボネートポリウレタン分散液である。「ゼラチン」タンパク質とは、Sigma製のA型ブタ皮膚ゼラチンG2500である。「SPI」タンパク質とは、MP Medicals製の大豆タンパク質単離物IC90545625である。「コラーゲン」タンパク質とは、中国におけるWuxi BIOT biology technologyのウシコラーゲンである。「BSA」タンパク質とは、Sigma製のウシ血清アルブミン5470である。Modern Meadow製の酵母で調製された「rCol」タンパク質組換えウシコラーゲン。「アルブミン」タンパク質とは、Sigma製の鶏卵白アルブミンA5253である。「エンドウ豆」タンパク質とは、Bobs Red Mills製のエンドウ豆タンパク質粉末MTX5232である。「ピーナッツ」タンパク質とは、Tru-Nut製のピーナッツタンパク質粉末である。表7は実施例第45番~第56番の水蒸気透過率試験結果を報告する。
Figure 2023524408000003
Figure 2023524408000004
Figure 2023524408000005
Figure 2023524408000006
Figure 2023524408000007
様々な実施形態が本明細書で記載されてきたが、それらは、限定ではなく例として提示されている。適応及び修正は、本明細書に提示された教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図されることが明らかである。したがって、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に開示された実施形態に対して形態及び詳細の様々な変更を行うことができることは、当業者には明らかであろう。本明細書に提示された実施形態の要素は、必ずしも相互に排他的ではないが、当業者によって理解されるように、様々な状況を満たすように交換され得る。
本開示の実施形態は、添付の図面に示されるようなその実施形態を参照して本明細書で詳細に記載され、同様の参照番号は、同一又は機能的に類似する要素を示すために使用される。「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「ある特定の実施形態」などの言及は、記載された実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むわけではないことを示す。更に、このような句は、必ずしも同じ実施形態を言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性がある実施形態と関連して記載される場合、明確に記載されているかどうかに関わりなく、他の実施形態と関連するこのような特徴、構造、又は特性への影響は、当業者の知見内であるものとする。
実施例は、本開示の例示であるが、限定するものではない。当業者には明らかであろう、当分野に通常遭遇する種々の条件及びパラメータの他の好適な修正及び適応は、本開示の趣旨及び範囲内である。
本明細書で使用される表現又は専門用語は、説明目的のためであり、限定するものではないことを理解されたい。本開示の広がり及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではないが、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物に従って定義されるべきである。
配列
配列番号1:ヒトコラーゲンアルファ-1(III)鎖
DVKSGVAVGGLAGYPGPAGPPGPPGPPGTSGHPGSPGSPGYQGPPGEPGQAGPSGPPGPPGAIGPSGPAGKDGESGRPGRPGERGLPGPPGIKGPAGIPGFPGMKGHRGFDGRNGEKGETGAPGLKGENGLPGENGAPGPMGPRGAPGERGRPGLPGAAGARGNDGARGSDGQPGPPGPPGTAGFPGSPGAKGEVGPAGSPGSNGAPGQRGEPGPQGHAGAQGPPGPPGINGSPGGKGEMGPAGIPGAPGLMGARGPPGPAGANGAPGLRGGAGEPGKNGAKGEPGPRGERGEAGIPGVPGAKGEDGKDGSPGEPGANGLPGAAGERGAPGFRGPAGPNGIPGEKGPAGERGAPGPAGPRGAAGEPGRDGVPGGPGMRGMPGSPGGPGSDGKPGPPGSQGESGRPGPPGPSGPRGQPGVMGFPGPKGNDGAPGKNGERGGPGGPGPQGPPGKNGETGPQGPPGPTGPGGDKGDTGPPGPQGLQGLPGTGGPPGENGKPGEPGPKGDAGAPGAPGGKGDAGAPGERGPP

Claims (45)

  1. ポリウレタン内に溶解したタンパク質を含むタンパク質ポリウレタンアロイであって、前記タンパク質が、大豆タンパク質以外のタンパク質である、タンパク質ポリウレタンアロイ。
  2. 前記タンパク質ポリウレタンアロイが、以下:
    約-60℃~約30℃の範囲にわたる温度での動的機械分析(Dynamic Mechanical Analysis:DMA)tan(δ)ピークと、
    約120℃~約200℃の範囲にわたる第2のDMA弾性率遷移開始温度と、
    を有する、請求項1に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  3. 前記タンパク質ポリウレタンアロイが、透明である、請求項1又は請求項2に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  4. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下において前記ポリウレタンの前記ヤング率よりも約10%~約600%の範囲にわたり大きいヤング率を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  5. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下において前記ポリウレタンの前記ヤング率よりも約40%~約600%の範囲にわたり大きいヤング率を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  6. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下において前記ポリウレタンの前記ヤング率よりも約10MPa~約350MPaの範囲にわたり大きいヤング率を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  7. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下において前記ポリウレタンの前記ヤング率よりも約25MPa~約350MPaの範囲にわたり大きいヤング率を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  8. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下において前記ポリウレタンの前記ヤング率よりも約100MPa~約350MPaの範囲にわたり大きいヤング率を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  9. 前記タンパク質ポリウレタンアロイが、約50MPa~約450MPaの範囲にわたるヤング率を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  10. 前記タンパク質ポリウレタンアロイが、約75MPa~約450MPaの範囲にわたるヤング率を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  11. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約5%~約70%の範囲にわたり大きい範囲の摂氏温度での第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  12. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約15%~約70%の範囲にわたり大きい範囲の摂氏温度での第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  13. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約5℃~約100℃の範囲にわたり大きい範囲の第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  14. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約20℃~約80℃の範囲にわたり大きい範囲の第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  15. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約40℃~約80℃の範囲にわたり大きい範囲の第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  16. 前記タンパク質ポリウレタンアロイが、約130℃~約200℃の範囲にわたる第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  17. 前記タンパク質ポリウレタンアロイが、約165℃~約200℃の範囲にわたる第2のDMA弾性率遷移開始温度を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  18. 前記タンパク質が、以下:
    (a)約4~約5の範囲にわたる等電点と、
    (b)約1重量%~約100重量%の範囲にわたるリジン重量パーセントと、
    を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  19. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下における引張り強度を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記引張り強度よりも約5%~約55%の範囲にわたり大きい引張り強度を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  20. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下における引張り強度を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記引張り強度よりも約15%~約55%の範囲にわたり大きい引張り強度を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  21. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下における引張り強度を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記引張り強度よりも約2MPa~約8MPaの範囲にわたり大きい引張り強度を有する、請求項1~20のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  22. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下における引張り強度を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記引張り強度よりも約5MPa~約8MPaの範囲にわたり大きい引張り強度を有する、請求項1~20のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  23. 前記タンパク質ポリウレタンアロイが、約7MPa~約21MPaの範囲にわたる引張り強度を有する、請求項1~22のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  24. 約10重量%~約50重量%の前記タンパク質と、約50重量%~約90重量%の前記ポリウレタンと、を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  25. 約20重量%~約35重量%の前記タンパク質と、約65重量%~約80重量%の前記ポリウレタンと、を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  26. 前記タンパク質が、コラーゲン以外のタンパク質である、請求項1~25のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  27. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下における水蒸気透過率を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記水蒸気透過率よりも約20%~約600%の範囲にわたり大きい水蒸気透過率を有する、請求項1~26のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  28. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下における水蒸気透過率を有し、前記タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記水蒸気透過率よりも約30g/m/24時間~約500g/m/24時間の範囲にわたり大きい水蒸気透過率を有する、請求項1~27のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  29. 前記タンパク質ポリウレタンアロイが、約30g/m/24時間~約1000g/m/24時間の範囲にわたる水蒸気透過率を有する、請求項1~28のいずれか一項に記載のタンパク質ポリウレタンアロイ。
  30. ポリウレタン内に溶解した大豆タンパク質を含む大豆タンパク質ポリウレタンアロイであって、前記大豆タンパク質ポリウレタンアロイが、約-60℃~約30℃の範囲にわたる温度での動的機械分析(DMA)tan(δ)ピークと、約130℃~約200℃の範囲にわたる第2のDMA弾性率遷移開始温度と、を有する、大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  31. 前記大豆タンパク質ポリウレタンアロイが、透明である、請求項30に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  32. 前記ポリウレタンが、大豆タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、前記大豆タンパク質ポリウレタンアロイが、大豆タンパク質の非存在下において前記ポリウレタンの前記ヤング率よりも約60%~約570%の範囲にわたり大きいヤング率を有する、請求項30又は請求項31に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  33. 前記ポリウレタンが、大豆タンパク質の非存在下においてヤング率を有し、前記大豆タンパク質ポリウレタンアロイが、大豆タンパク質の非存在下において前記ポリウレタンの前記ヤング率よりも約35MPa~約340MPaの範囲にわたり大きいヤング率を有する、請求項30~32のいずれか一項に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  34. 前記大豆タンパク質ポリウレタンアロイが、約90MPa~約400MPaの範囲にわたるヤング率を有する、請求項30~33のいずれか一項に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  35. 前記ポリウレタンが、大豆タンパク質の非存在下において第2のDMA弾性率遷移開始温度を有し、前記大豆タンパク質ポリウレタンアロイの前記第2のDMA弾性率遷移開始温度が、大豆タンパク質の非存在下において前記ポリウレタンの前記第2のDMA弾性率遷移開始温度よりも約15℃~約100℃高い範囲である、請求項30~34のいずれか一項に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  36. 前記ポリウレタンが、大豆タンパク質の非存在下における引張り強度を有し、前記大豆タンパク質ポリウレタンアロイが、大豆タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記引張り強度よりも約10%~約45%の範囲にわたり大きい引張り強度を有する、請求項30~35のいずれか一項に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  37. 前記ポリウレタンが、大豆タンパク質の非存在下における引張り強度を有し、前記大豆タンパク質ポリウレタンアロイが、大豆タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記引張り強度よりも約1.5MPa~約5.5MPaの範囲にわたり大きい引張り強度を有する、請求項30~36のいずれか一項に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  38. 前記大豆タンパク質ポリウレタンアロイが、約14MPa~約19MPaの範囲にわたる引張り強度を有する、請求項30~37のいずれか一項に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  39. 約10重量%~約50重量%の前記大豆タンパク質と、約50重量%~約90重量%の前記ポリウレタンと、を含む、請求項30~38のいずれか一項に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  40. 約20重量%~約35重量%の前記大豆タンパク質と、約65重量%~約80重量%の前記ポリウレタンと、を含む、請求項30~38のいずれか一項に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  41. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下における水蒸気透過率を有し、前記大豆タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記水蒸気透過率よりも約20%~約600%の範囲にわたり大きい水蒸気透過率を有する、請求項30~40のいずれか一項に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  42. 前記ポリウレタンが、タンパク質の非存在下における水蒸気透過率を有し、前記大豆タンパク質ポリウレタンアロイが、タンパク質の非存在下における前記ポリウレタンの前記水蒸気透過率よりも約30g/m/24時間~約500g/m/24時間の範囲にわたり大きい水蒸気透過率を有する、請求項30~41のいずれか一項に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  43. 前記大豆タンパク質ポリウレタンアロイが、約30g/m/24時間~約1000g/m/24時間の範囲にわたる水蒸気透過率を有する、請求項30~42のいずれか一項に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  44. 前記大豆タンパク質が、大豆タンパク質単離物である、請求項30~43のいずれか一項に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
  45. 前記大豆タンパク質が、化学修飾された大豆タンパク質単離物である、請求項30~43のいずれか一項に記載の大豆タンパク質ポリウレタンアロイ。
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