JP2023522737A

JP2023522737A - 香りブースター

Info

Publication number: JP2023522737A
Application number: JP2022564137A
Authority: JP
Inventors: リ，シュエジン
Original assignee: ジボダンエスエー
Priority date: 2020-04-22
Filing date: 2021-04-20
Publication date: 2023-05-31
Also published as: US20230193164A1; WO2021212352A1; KR20230008108A; MX2022013181A; BR112022021122A2; WO2021214009A1; CN115427546A

Abstract

液体フレグランス組成物および水崩壊性微粒子フレグランス組成物の両方を含み、これらは各々単一の水溶性エンベロープの別々の区画に封入され、微粒子フレグランス組成物は固体構成要素およびフレグランス構成要素を含む、香りをブーストする組成物。当該組成物は、洗濯機中の洗濯した布地に、即時型フレグランスおよび存続型フレグランスの両方を提供する。

Description

本開示は、洗濯物にフレグランスを付すこと、およびこれを達成するための製品に関する。

洗濯した布地に、長期型フレグランスを付与することが長い間所望されてきた。単独であるいは洗浄剤またはファブリックコンディショナーまたは柔軟剤などの洗濯製品の一部として、洗濯液に入れられたフレグランスは、即時型嗅覚インパクトを有する。より最近の開発において、所謂、香りブースターが提供されている。これらは、典型的には、洗浄液体に溶解するとフレグランスを放出する、フレグランスを含有する小さい水溶性固体粒子の形態である。これらは、数多の異なる形態で入手可能である。例えば、ポリエチレングリコールなどの水溶性ポリマーの粒子に、または固体石鹸の粒子に分散したフレグランスの液滴であり得る。別の種類は、塩などの水溶性結晶材料に沈着し、次いで、保護コーディングでコートされたフレグランスである。塩化ナトリウムは、一般的に使用される結晶材料であり、およびシリカは、一般的なコーティングである。

長期型フレグランスを洗濯した布地に付与する一般的な方法は、フレグランス含有マイクロカプセルの使用であった。マイクロカプセルは、一般的に洗濯製品に入れられ、それらは布地に付着し、乾燥の後そこに残存する。それらは、洗濯プロセス自体に耐えられるほど堅固であるが、摩擦により、壊れ、フレグランスを放出ように充分にもろい。いくつかのフレグランスブースターは、即時型および持続型フレグランス効果の両方を達成することを助けるために、フレグランス含有マイクロカプセルも包含している。

今や、即時型嗅覚インパクトおよび持続型嗅覚インパクトの両方を、単一の便利なパッケージにおいて達成することができることが見いだされた。したがって、液体フレグランス組成物および水崩壊性微粒子フレグランス組成物の両方を含み、これらは各々単一の水溶性エンベロープの別々の区画に封入され、微粒子フレグランス組成物は固体構成要素およびフレグランス構成要素を含む、香りをブーストする組成物が提供される。

そのような製剤の使用は、１つの便利なパッケージにおいて、液体フレグランス組成物による洗濯した布地の即時型のフレグランス付与と、乾燥の後、洗濯した布地に付着し続ける、微粒子フレグランス組成物によって供給される存続型（持続型）フレグランスとを可能とする。本開示は、したがって、上述の香りをブーストする組成物を洗濯液に添加することを含む、洗濯機内の洗濯液中の布地に、即時型フレグランスおよび持続型フレグランスの両方を提供する方法も提供する。

洗濯に添加される材料のための用途として水溶性エンベロープを使用する考えは、幅広く入手可能な「ユニドース（unidose）」形態の洗浄剤から周知であり、これは、単一の洗濯サイズの用量の洗浄剤が、水溶性エンベロープにパックされている。これは、具体的な用量の洗濯洗浄剤を計量する必要性を省き、面倒なこぼれの可能性を回避する。しかしながら、このような形態を使用する概念および固有の利点は、香りブースターに関しては知られていない。

「微粒子フレグランス組成物」とは、固体、粒子形態、一般に粉末の形態で、与えられるフレグランスを含有する組成物を意味する。かかる粒子は、固体構成要素およびフレグランス構成要素を含み、固体構成要素はフレグランス構成要素の担体として作用する。かかる粒子は、あらゆる便利な手段によって調製することができ、その特定の（しかし非限定的な）態様のいくつかを、本明細書にさらに後述する。

固体微粒子フレグランス組成物は水崩壊性であり、これは、個々の固体粒子が、水中で溶解または壊れて、フレグランスを放出することを意味する。粒子の固体構成要素の性質は、水の存在下で崩壊して、そこに含有されたフレグランスを崩壊する限り、重大ではない。例えば、固体構成要素は、完全に水溶性であってもよい。代替的に、細粒サイズのシリカなどのもともと水不溶性である材料を含んでもよい。

シリカを利用する微粒子フレグランス組成物の１つのタイプは、国際公開WO2004/083356に記載されたものであり、フレグランスは、微細で多孔性のシリカおよび水溶性塩の組み合わせによってカプセル化されている。

さらなる態様において、粒子は、固体、水溶性材料の粒子であり、フレグランスがそこに包含されている。これらは、例えば、スプレー乾燥によって形成してもよい。典型例において、フレグランスを、デンプンなどの好適な単体も含有する水中に乳化し、その結果得られる混合物を次いで噴霧乾燥し、フレグランスを含有する顆粒を形成する。

別のプロセスにおいて、コア粒子を、加熱した流動床に懸濁し、好適な溶解したバインダーとのフレグランスのエマルションを、懸濁したコア粒子に次いでスプレーする。コア粒子は、ただ単に支持コアとして機能するだけであり、したがってあらゆる好適な材料から選択することができ、例えば、コーンスターチである。

粒子中のフレグランスは、遊離フレグランスであってもよく、またはこれはマイクロカプセル化された形態のフレグランスであっても、またはこれらの形態の両方であってもよい。「マイクロカプセル化された形態」とは、フレグランスの液滴が、固体壁に囲まれていることを意味する。かかるマイクロカプセルは、典型的には、５～５００マイクロメートルのサイズの範囲内である。フレグランス含有マイクロカプセルおよびそれらの調製の背後にある技術は、周知であり、多く使用されており、あらゆる既知のマイクロカプセルは、本開示の組成物における使用に好適である。好適なマイクロカプセルの典型例は、アクリルのポリマー、ポリウレアおよびアミノプラストポリマー、たとえばウレア－およびメラミン－ホルムアルデヒドのシェルを有するものである。ゼラチンなどの天然のおよび生分解性の材料を、任意に架橋して使用してもよい。これらは、当業者に周知であり、あらゆる既知の方法によって調製してもよい。

具体的な態様において、ゼラチンなどの生分解性材料の壁を有するフレグランス含有マイクロカプセルは、デンプンなどの生分解性固体材料に分散され、任意に遊離のフレグランス液滴もその中にカプセル化される。

別のタイプの粒子を、水を吸収することができる乾燥材料を、乾燥した材料を製造するために充分な量において、典型的なマイクロカプセルの水性のスラリーに添加することによって提供する。典型的な好適な乾燥材料は、多孔質シリカ、ベントナイトおよびゼオライトなどの様々な鉱物、および水溶性デンプンを包含し、多孔質シリカがとくに有効である。水が完全に吸収されると、好適な粒子サイズを提供するために、乾燥した材料をふるいにかける。

シリカは、例えば、沈殿シリカまたはヒュームドシリカであってよい。これらは、容易に市販で入手可能であり、例えばEvonikのSipernat^TMシリーズである。水溶性アルカリ金属塩の典型例は、硫酸ナトリウムであり、これは、多くの洗濯用洗浄剤における一般的な成分である。別の例は、塩化ナトリウムである。顆粒は、他の可溶性または不溶性物質、たとえば充填剤および増量剤を加えて含有してもよい。かかる材料の典型例は、ベントナイトおよびゼオライトなどの鉱物を包含する。かかる顆粒は、マイクロカプセルの水性のスラリー、シリカおよび塩を単に混合し、および次いで好適な粒子サイズにふるいにかけることで調製する。

さらなるタイプの粒子は、国際公開WO2018/172514に記載されているものである。このケースにおいて、マイクロカプセルスラリーおよび水溶性ポリマーの溶液を混合し、および噴霧乾燥して、マイクロカプセルを含有する水溶性粒子を作り出す。具体的な態様において、水溶性ポリマーは、水溶性デンプンである。あらゆる水溶性、食品グレードデンプンを使用してもよく、例えばIngredionからのCapsul^TM、ワキシーメイズに由来する加工食品デンプンある。別の例は、部分的に加水分解された植物性デンプンであるマルトデキストリンであり、具体的なものは、１０～２０、より具体的に１２～１８のデキストロース当量のものである。

さらなる態様において、先の述べたデンプンは、他の水溶性材料によって部分的に置き換えられてもよい。かかる材料の１つは、マンニトールであり、これは甘味料として使用される糖アルコールである。デンプンの１０重量％～４０重量％は、マンニトールによって置き換えられてもよい。

本開示の固体フレグランス組成物において使用するためのフレグランスは、当該目的のために好適なあらゆるフレグランスであってよい。マイクロカプセル化の一定の形態が、マイクロカプセル化することができるフレグランスに一定の限界をもたらすことが知られているが、これらの限界は、周知であり、当業者はこれを許容することができる。この可能な制限を考慮すると、マイクロカプセルに使用されるフレグランス、および存在する場合あらゆるカプセル化されていないフレグランスは、所望の快楽的効果に依存して、同一であっても、異なっていてもよい。当該製品は、相当な種類の快楽的効果を可能とする。

第２の区画において、液体フレグランス組成物が含有されている。このフレグランス組成物はあらゆる所望されるフレグランスであってよく、またはエンベロープ材料に有害な効果をほとんどまたは全く与えない、水混和性であるが非水性の溶媒に溶解または分散したあらゆるフレグランスであってもよい。かかる溶媒の好適な例は、以下を包含する：一般的なフレグランス溶媒、たとえば、ジプロピレングリコール、グリセロール、プロピルグリコール、トリアセチンおよびトリエチルシトラート。非イオン性界面活性剤を添加してもよく、典型例はアルコールエトキシレートであり、たとえばShellのNeodol^TMシリーズ、およびBASFのDehydol^TMシリーズである。この溶液中の、フレグランスの重量割合は、０．１～５０％である。溶液は任意に、非イオン性界面活性剤を含有していてもよい。

液体フレグランス組成物のフレグランスは、微粒子フレグランス組成物におけるフレグランスと同一であってもよく、またはこれは異なっていてもよい。

微粒子フレグランス組成物および液体フレグランス組成物が収容されるエンベロープは、あらゆる好適な材料であってよい。例えば、ユニドース洗浄剤組成物の調製のために有用な材料を、ここで使用してもよい。典型例は、ポリ（ビニルアルコール）であるが、ゼラチンなどの他の水溶性材料も使用してもよい。かかるエンベロープを作る方法は、周知であり、例えばUS特許4844828および欧州特許2508436に記載されている。

当該区画における他の添加剤は、保存料ならびに顔料および染料などの着色物物質を包含する。

微粒子フレグランスおよび液体フレグランス組成物は、既知の方法によって、水溶性材料の区画（単数）または区画（複数）にパッケージしてもよい。

洗濯に加えると、エンベロープ材料は溶解し、液体フレグランスおよび微粒子フレグランス組成物の両方を洗濯物に放出する。液体フレグランス組成物は、即時型嗅覚の印象を提供する。微粒子フレグランス組成物は、次いで崩壊し、そこに含有されたフレグランスを放出し、より長く続く、嗅覚の効果を提供する。微粒子フレグランス組成物が、マイクロカプセルを含む場合、それらは洗濯した布地に付着する。マイクロカプセルを好適な表面改変剤で処理して、洗濯物の物品に対してそれらをより実質的にすることにより、マイクロカプセルの洗濯した布地の残る能力を強めてもよい。かかる改変剤の典型例は、非イオン性多糖類、たとえばマンナン、グルカン、グルコマンナン、キシログルカン、ヒドロキシアルキルセルロース、デキストラン、ガラクトマンナン、およびそれらの混合物を包含する。

本開示は、特定の態様を示す以下の例を参照してさらに説明し、これらは、本開示の範囲についていかなる意味でも限定することを意図していない。すべての量は重量による。

例１
これは、２つの区画のエンベロープの調製を記載する。
（ａ）液体フレグランス組成物の調製。

フレグランスを界面活性剤と混合した。溶媒を次いで添加し、十分に混合した。

（ｂ）シリカを用いた固体フレグランス組成物の調製。
フレグランスを含有するアミノプラストマイクロカプセルの水性のスラリーを、国際公開WO2008/098387に記載された方法によって調製した。スラリーは４５％のマイクロカプセル重量固体含量を有していた。

マイクロカプセルスラリーをシリカにスプレーし、混合物を混合し、硫酸ナトリウムを次いで添加し、十分に混合した。混合物における構成要素の重量割合は、以下の表に示されるとおりであった：

構成要素を十分に混合し、２０メッシュのふるいでふるいにかけた。
（ｃ）デンプンを用いた固体フレグランス組成物の調製

デンプンおよびマンニトールを６０℃の水に添加し、水相を調製した。フレグランスを次いでこの水相に添加し、乳化して、エマルションを形成した。マイクロカプセルスラリーをこのエマルションに添加し、十分に混合した。GEA Niro Mobile Minorスプレードライヤーを使用して、以下のパラメーターで、混合物を次いで噴霧乾燥し、固体粒子を形成した：

スプレー液滴サイズは、０．５および２μｍの間とした（動的光散乱法により制御）
入口温度：１９０℃
出口温度：９０℃
結果は、乾燥した粉末である。この粉末を次いで硫酸ナトリウムと混合し、２０メッシュのふるいでふるいにかけた。

（ｄ）水溶性エンベロープの調製。
２つのチャンバーを有するエンベロープを、ポリ（ビニルアルコール）フィルムから標準的な方法によって調製した。２つのチャンバーに、以下の表に示されるとおりの成分の組み合わせを充填した：

（ｅ）洗濯テストおよび評価。
１ｋｇのテリータオルおよび１枚の綿のＴシャツを標準的な洗濯物とした、上入れ式洗濯機に、（ｄ）で調製したエンベロープを添加した。２０ｇの液体洗浄剤を、２５Ｌ水の洗浄液体に添加した。洗濯サイクルは、室温での洗濯サイクルおよび２回のすすぎサイクルからなった。タオルを洗濯機で乾燥させた。

比較のために、フレグランス含有マイクロカプセルを含有することが知られている、１５ｇの商業的に入手可能な香りブースター（Downy^TM Unstopable^TM ex Procter & Gamble）でエンベロープを置き換えて同じ洗濯および乾燥サイクルを、実施した。この香りブースターの２つの異なる種類をテストした。

タオルおよびＴシャツを、熟練した官能評価専門家のパネルによって、以下の時点においてフレグランスを評価した：
‐ 洗濯サイクルが終了、濡れている
‐ 洗濯機乾燥、摩擦前
‐ 洗濯機乾燥、摩擦後

評価スケールは、以下の１～５のスケール：
０－フレグランス強度なし、
１－極めて弱いフレグランス強度、
２－弱いフレグランス強度、
３－中程度なフレグランス強度、
４－強い強度、
５－極めて強い強度

以下の結果が観察された：

この説明にしたがって調製したフレグランスブースターは、評価の高い市販の製品と少なくとも同等に有効であるが、使用が非常により便利であることが見いだされた。

Claims

液体フレグランス組成物および水崩壊性微粒子フレグランス組成物の両方を含み、これらは各々単一の水溶性エンベロープの別々の区画に封入され、微粒子フレグランス組成物は固体構成要素およびフレグランス構成要素を含む、香りをブーストする組成物。
水崩壊性微粒子フレグランス組成物の固体構成要素が、完全に水溶性である、請求項１に記載の香りをブーストする組成物。
水崩壊性微粒子フレグランス組成物の固体構成要素が、水不溶性材料を含む、請求項１に記載の香りをブーストする組成物。
微粒子フレグランス組成物が、マイクロカプセル化されたフレグランスを含む、請求項１に記載の香りをブーストする組成物。
微粒子フレグランス組成物が、フレグランス含有マイクロカプセルおよび乾燥材料の混合物を含む、請求項３に記載の香りをブーストする組成物。
乾燥材料が、シリカである、請求項５に記載の香りをブーストする組成物。
洗濯機内の洗濯液中の布地に、即時型フレグランスおよび持続型フレグランスの両方を提供する方法であって、洗濯液に請求項１に記載の香りをブーストする組成物を添加することを含む、前記方法。