JP2023520469A - ブルトン型チロシンキナーゼの阻害剤を使用する再発性多発性硬化症の治療方法 - Google Patents

ブルトン型チロシンキナーゼの阻害剤を使用する再発性多発性硬化症の治療方法 Download PDF

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Abstract

本明細書では、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することにより、それを必要とする対象における再発性多発性硬化症(RMS)を治療する方法が提供される。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月14日に出願された米国仮出願第63/051,767号、及び2020年4月3日に出願された米国仮出願第63/005,095号の優先権の利益を主張し、その各々の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
分野
本開示は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤を使用する再発性多発性硬化症(RMS)を治療する方法に関する。
背景
ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK):原発性免疫不全の遺伝的基礎を発見することは、免疫調節療法における新しい治療標的の源であった。ヒトにおいて、X染色体上に位置するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の遺伝子の変異は、循環B細胞が著しく欠如していること(Bruton OC.Pediatrics 1952,9:722-8;Conley ME,et al,Immunol Rev 2005,203:216-34)、及びB細胞受容体(BCR)複合体のアセンブリ及び免疫グロブリン遺伝子発現を妨げる、プロ-からプレ-B細胞への段階でのB細胞分化の欠陥によって、免疫グロブリンレベルが非常に低いこと(Reth M,Nielsen P.,Adv Immunol 2014,122:129-75.doi:10.1016/B978-0-12-800267-4.00004-3)を特徴とする免疫不全状態をもたらす可能性がある。罹患した男性患者は、原発性免疫不全であるX連鎖無ガンマグロブリン血症(XLA)を有しており、出生直後から再発性感染症にかかりやすい。XLAの患者は、静脈内(IV)免疫グロブリンの標準治療で比較的正常な生活を送ることができる。これは、特に免疫系が確立された人においてはBTKを安全に阻害できることを示唆している。IV免疫グロブリン補充療法は、感染率を低下させ、XLA患者の入院率を低下させ、これらの患者の長期予後を大幅に改善してきた。
BTKは、免疫系の個体発生及び正常な適応免疫応答中のB細胞の分化及び活性に不可欠である。BTKは、SrcファミリーキナーゼLynにより、チロシンY551のホスファチジルイノシトール3-キナーゼ-依存性血漿膜動員及びリン酸化によって活性化される。自己リン酸化及び活性化は、BTK固有の方法でチロシンY223でも発生する。活性化されると、BTKは、PLCγ2依存性及びCa2+依存性シグナル伝達を誘導し、これは、NF-κB-及びNFAT依存性経路の活性化をもたらし、細胞の活性化及び分化をもたらす(Niiro H,Clark EA.,Nat Rev Immunol 2002,2:945-56)。さらに、BTKは、好塩基球とマスト細胞との両方でFcεRIシグナル伝達において重要である。BTKヌルマウスは、FcεRIシグナル伝達を損ない、ヒスタミン及び炎症性サイトカインの放出を減少させた(Iyer AS,et al.,J Bio Chem 2011,286:9503-13.doi:10.1074/jbc.M110.1656131)。
多発性硬化症:多発性硬化症(MS)は、米国ではおよそ90万人(Wallin et al.2019)、世界では230万人(GBD 2016 Multiple Sclerosis Collaborators 2019)が罹患しているCNSの慢性、炎症性、脱髄性、及び変性の疾患である。MSは、主に若年成人の病気であり、患者の70%~80%は発病年齢(すなわち、医師への最初の臨床所見)が20~40歳であり(Anderson et al.1992;Noonan et al.2002)、表現型によって影響を受けた性別バイアスがあり、診断された患者の約64%~70%は女性である(Anderson et al.1992;Noonan et al.2002)。
伝統的に、MSは3つの臨床表現型に分類され、そのうちの1つは再発性MS(RMS)である。再発MS(RMS)形態は、RRMS及び活性SPMSを包含する。理論に縛られることを望まずに、MSのスペクトル全体にわたる障害進行は、2つの同時炎症メカニズム:活動性炎症及び慢性コンパートメント性炎症の結果として発生する可能性がある。これらの2つのタイプの炎症は、MSの異なるタイプ及びステージにわたって異なる程度で寄与し得る。
RMSは、白質に古典的な活動性脱髄斑を生じさせる、限局性のバルクT細胞及びB細胞の浸潤及び血液脳関門漏出を特徴とする活動性炎症機序に関連する。慢性区画化炎症は、再発又はDAとは無関係に起こる障害の増加の原因であり、脱髄及び軸索喪失を特徴とする(進行生物学;Lassmann et al.2019)。炎症のこの態様はMSの進行性形態の特質と考えられているが、RMS表現型はまた、進行生物学/慢性区画化炎症の徴候も有し、これは、血液脳関門の漏出なしにT細胞及びB細胞の慢性的でゆっくりとした蓄積としてそれ自体を表し、大脳及び小脳皮質における脊髄下脱髄病変、並びに白質における既存の病変のゆっくりとした拡大及び正常に見える白質及び灰白質におけるびまん性慢性炎症をもたらし得る(Lassmann 2018)。最後に、マクロファージ及びミクログリアを含む骨髄系細胞の役割はまた、病理学的及び臨床的結果の両方に影響を及ぼし得る(Absinta et al,2020)。
インビトロ細胞ベースの実験は、フェネブルチニブとのBTKの拮抗作用が、BCR依存性B細胞増殖の阻害、及び骨髄細胞からの炎症性サイトカイン産生の減少をもたらすことを示唆している(腫瘍壊死因子-α[TNF-α]を含む)。骨髄エフェクター機能はin vitroで免疫複合体によって引き起こされ、エビデンスの増加は、B細胞及び骨髄/ミクログリアがMSの免疫病理学の中心であり得ることを示唆している。
結果として、疾患の顕著な特徴は、MSのすべての形態において対処されておらず、RMSの治療は、深刻な満たされていない医学的必要性を表す。
開示の概要
本明細書では、再発性多発性硬化症(RMS)を治療するための、BTK阻害剤であるフェネブルチニブ、又はフェネブルチニブの薬学的に許容され得る塩の方法及び使用が、本明細書で提供される。
E1.第1の実施形態(実施形態1、「E1」)では、本明細書では、再発性多発性硬化症(RMS)の治療を必要とする対象における再発性多発性硬化症(RMS)を治療する方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、方法が提供される。
E2.RMSを有する対象における年間再発率(ARR)を低減させ、cCDP12を経験するリスクを低減させる方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、方法。
E2a.RMSを有する対象における年間再発率(ARR)を低減させる方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、方法。
E2b.RMSを有する対象におけるcCDP12を経験するリスクを低減させる方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、方法。
E2c.cCDP12が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後の対象における進行事象の最初の発生を含み、進行事象が、最初の障害進行から少なくとも12週間後に確認される、E2bに記載の方法。
E2d.RMSを有する対象におけるcCDP12の発症までの時間を増加させる方法であって、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を対象に投与することを含み、cCDP12の発症までの時間が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前から進行事象の最初の発生までの期間を含み、進行事象が、最初の障害進行から少なくとも12週間後に確認される、方法。
E2e.進行事象が、以下、
(a)≦5.5のベースライン総合障害度スケール(EDSS)スコアを有する対象における≧1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は>5.5のベースラインEDSSスコアを有する対象における≧0.5ポイントの増加(確認された障害進行[CDP])、
(b)25-フィート歩行時間計測試験(T25FWT)におけるベースラインからの≧20%の増加、又は
(c)9-ホールペグテスト(9-HPT)を完了するまでの時間におけるベースラインからの≧20%の増加、のうちの1つである、E2c又はE2dに記載の方法。
E3.対象における障害進行を評価することをさらに含む、E1からE2eのいずれか1つに記載の方法。
E4.障害進行が、総合障害度スケール(EDSS)、9ホールペグテスト(9-HPT)、又は25フィート歩行時間計測試験(T25FWT)、又はそれらの任意の組み合わせを使用して評価される、E3に記載の方法。
E5.複合的に12週間持続することが確認された障害進行(cCDP12)の発症を評価することを含み、cCDP12の発症が、以下、
(a)5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、
(b)9-HPTを完了するまでの時間の少なくとも20%のベースラインからの増加、又は
(c)T25FWTの少なくとも20%のベースラインからの増加、の少なくとも1つを含み、
ベースラインからの変化が、最初の増加から少なくとも12週間後に確認される、E1からE4のいずれか1つに記載の方法。
E6.対象における12週間で確認された障害進行(CDP12)の発症を評価することを含み、CDP12の発症が、5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加を含み、EDSSスコアの変化が、最初の増加から少なくとも12週間後に確認される、E1からE5のいずれか1つに記載の方法。
E7.複合的に24週間持続することが確認された障害進行(cCDP24)の発症を評価することを含み、cCDP24の発症が、以下、
(a)5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、
(b)9-HPTを完了するまでの時間の少なくとも20%のベースラインからの増加、又は
(c)T25FWTの少なくとも20%のベースラインからの増加、の少なくとも1つを経験する対象を含み、
ベースラインからの変化が、最初の増加から少なくとも24週間後に確認される、E1からE6のいずれか1つに記載の方法。
E8.対象における24週間で確認された障害進行(CDP24)の発症を評価することを含み、CDP24の発症が、5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加を含み、EDSSスコアの変化が、最初の増加から少なくとも24週間後に確認される、E1からE7のいずれか1つに記載の方法。
E9.対象における進行までの時間が増加し、進行が、以下、
5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は
5.5ポイントを超えるベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加を含む、E1からE8のいずれか1つに記載の方法。
E10.対象における進行までの時間が増加し、進行が、9-HPTを完了するまでの時間における少なくとも20%のベースラインからの増加を含む、E1からE9のいずれか1つに記載の方法。
E11.対象における進行までの時間が増加し、進行が、T25FWTにおける少なくとも20%のベースラインからの増加を含む、E1からE10のいずれか1つに記載の方法。
E12.対象における進行までの時間が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する対象と比較して増加する、E1からE11のいずれか1つに記載の方法。
E13.対象における進行までの時間が、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されたRMSを有する対象と比較して増加する、E1からE12のいずれか1つに記載の方法。
E14.対象における進行までの時間が、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、又は少なくとも35%増加する、E1からE13のいずれか1つに記載の方法。
E15.対象におけるCDP12の発症までの時間が増加する、E1からE14のいずれか1つに記載の方法。
E16.対象におけるcCDP12の発症までの時間が増加する、E1からE15のいずれか1つに記載の方法。
E17.対象におけるCDP24の発症までの時間が増加する、E1からE16のいずれか1つに記載の方法。
E18.対象におけるcCDP24の発症までの時間が増加する、E1からE17のいずれか1つに記載の方法。
E18a.発症までの時間が、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、又は少なくとも35%増加する、E1からE18のいずれか1つに記載の方法。
E19.対象における発症までの時間が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する別の対象と比較して増加する、E15からE18aのいずれか1つに記載の方法。
E20.対象における進行までの時間が、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されたRMSを有する別の対象と比較して増加する、E15からE19のいずれか1つに記載の方法。
E21.対象における進行までの時間が、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、又は少なくとも35%増加する、E15からE20のいずれか1つに記載の方法。
E22.対象がcCDP12を経験するリスクが低減する、E1又はE3からE21のいずれか1つに記載の方法。
E23.対象がCDP12を経験するリスクが低減する、E1からE22のいずれか1つに記載の方法。
E24.対象がcCDP24を経験するリスクが低減する、E1からE23のいずれか1つに記載の方法。
E25.対象がCDP24を経験するリスクが低減する、E1からE24のいずれか1つに記載の方法。
E26.リスクが、20%よりも多く、25%よりも多く、30%よりも多く、35%よりも多く、40%よりも多く、45%よりも多く、又は50%よりも多く低減する、E2からE25のいずれか1つに記載の方法。
E27.リスクが、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後、約12週間、約24週間、約36週間、約48週間、約72週間又は約96週間の期間にわたって低減する、E2からE26のいずれか1つに記載の方法。
E28.リスクが、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する別の対象と比較して低減する、E2からE27のいずれか1つに記載の方法。
E29.リスクが、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されたRMSを有する対象と比較して低減する、E2からE28のいずれか1つに記載の方法。
E30.対象の年間再発率を評価することをさらに含む、E1からE29のいずれか1つに記載の方法。
E31.対象の年間再発率が低減する、E1又はE2bからE30のいずれか1つに記載の方法。
E32.対象の年間再発率が、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、又は少なくとも60%低減する、E1からE31のいずれか1つに記載の方法。
E33.対象の年間再発率が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する別の対象と比較して低減する、E2からE32のいずれか1つに記載の方法。
E34.対象の年間再発率が、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されたRMSを有する別の対象と比較して低減する、E2からE33のいずれか1つに記載の方法。
E35.対象におけるT1 Gd+病変の数を評価することをさらに含む、E1からE34のいずれか1つに記載の方法。
E36.対象における新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数を評価することをさらに含む、E1からE35のいずれか1つに記載の方法。
E37.病変の数が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後、12週間、24週間、48週間若しくは96週間、又はそれらの任意の組み合わせで評価される、E35又はE36に記載の方法。
E38.対象におけるT1 Gd+病変の数が低減する、E1からE37のいずれか1つに記載の方法。
E39.対象における新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数が低減する、E1からE38のいずれか1つに記載の方法。
E40.病変の数が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後、12週間、24週間、48週間若しくは96週間にわたって低減する、E38又はE40に記載の方法。
E41.病変の数が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する別の対象と比較して低減する、E38からE40のいずれか1つに記載の方法。
E42.病変の数が、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されたRMSを有する別の対象と比較して低減する、E38からE41のいずれか1つに記載の方法。
E43.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後に、対象におけるcCDP12のリスクが低減し、対象の年間再発率が低減する、E1又はE3からE42のいずれか1つに記載の方法。
E44.リスクの低減及び年間再発率の低減が独立して、25%超、30%超、35%超又は40%超である、E2からE43のいずれか1つに記載の方法。
E45.リスクの低減及び年間再発率の低減が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を投与されず、任意にジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されるRMSを有する別の対象と比較される、E2からE44のいずれか1つに記載の方法。
E45a.対象におけるcCDP12の発症までの時間が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する別の対象と比較して低減する、E2dからE45のいずれか1つに記載の方法。
E45b.対象におけるcCDP12の発症までの時間が、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されたRMSを有する別の対象と比較して低減する、E2dからE45aのいずれか1つに記載の方法。
E45c.cCDP12の発症までの時間が、10%よりも多く、20%よりも多く、25%よりも多く、30%よりも多く、35%よりも多く、40%よりも多く、45%よりも多く、又は50%よりも多く低減する、E2dからE45bのいずれか1つに記載の方法。
E46.年間再発率の低減を必要とする再発性多発性硬化症(RMS)を有する対象における年間再発率を低減させる方法であって、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を対象に投与することを含む方法。
E47.対象が進行を経験するリスクが低減され、進行は、以下、
(a)5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、
(b)9-HPTを完了するまでの時間の少なくとも20%のベースラインからの増加、又は
(c)T25FWTの少なくとも20%のベースラインからの増加、の少なくとも1つを経験する対象を含み、
ベースラインからの変化が、最初の増加から少なくとも12週間後に確認される、E46に記載の方法。
E48.RMSを有する対象が進行を経験するリスクを低減させる方法であって、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を対象に投与することを含み、進行が、
(a)5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、
(b)9-HPTを完了するまでの時間の少なくとも20%のベースラインからの増加、又は
(c)T25FWTの少なくとも20%のベースラインからの増加、の少なくとも1つを経験する対象を含み、
ベースラインからの変化が、最初の増加から少なくとも12週間後に確認される、方法。
E49.対象の年間再発率が低減する、E48に記載の方法。
E50.年間再発率の低減が25%超、30%超、35%超、40%超又は45%超である、E46、E47又はE49に記載の方法。
E51.リスクが25%よりも多く、30%よりも多く、35%よりも多く、40%よりも多く、又は45%よりも多く低減する、E47からE50のいずれか1つに記載の方法。
E52.低減が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する別の対象と比較したものである、E46からE51のいずれか1つに記載の方法。
E53.低減が、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されたRMSを有する別の対象と比較したものである、E46からE52のいずれか1つに記載の方法。
E54.低減が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与を対象が開始した後、12週間、24週間、48週間、52週間又は96週間にわたる、E46からE53のいずれか1つに記載の方法。
E55.RMSの治療の有効性を評価するために、対象における1つ又は複数の臨床的又は実験室的評価項目を測定する工程をさらに含む、E1からE54のいずれか1つに記載の方法。
E56.1つ又は複数の臨床的又は実験室的評価項目が、対象のMSIS-29、Neuro-QoL Upper Extremity、PROMIS-FatigueMS、MSWS-12、PGI-S、WPAI:MS、PGI-C、EQ-5D-5L、C-SSRS、9-HPT、T25FWT、EDSS、SDMT、又はMRIからなる群より選択される、E55に記載の方法。
E57.臨床的又は実験室的評価項目が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始から、2週間、6週間、12週間、18週間、24週間、36週間、48週間、60週間、72週間、84週間、96週間、108週間、又は120週間後に測定される、E55又はE56に記載の方法。
E58.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、経口投与される、E1からE57のいずれか1つに記載の方法。
E59.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、1つ又は複数の錠剤又はカプセルの形態で投与される、E1からE58のいずれか1つに記載の方法。
E60.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、2つの錠剤の形態で1日2回投与され、各錠剤が、約100mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩を含む、E1からE59のいずれか1つに記載の方法。
E61.遊離型のフェネブルチニブが投与される、E1からE60のいずれか1つに記載の方法。
E62.対象が再発性寛解型MSを有する、E1からE61のいずれか1つに記載の方法。
E63.対象が、活動性二次進行性MSを有する、E1からE62のいずれか1つに記載の方法。
E64.再発性多発性硬化症(RMS)の治療を必要とする対象における再発性多発性硬化症の治療における使用のための化合物であって、化合物がフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、治療が、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物。
E65.RMSを有する対象における年間再発率(ARR)を低減させること、及びcCDP12を経験するリスクを低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、ARRを低減させること、及びcCDP12を経験するリスクを低減させることが、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物。
E65a.RMSを有する対象における年間再発率(ARR)を低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、ARRを低減させることが、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物。
E65b.RMSを有する対象におけるcCDP12を経験するリスクを低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、cCDP12を経験するリスクを低減させることが、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物。
E65c.cCDP12が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後の対象における進行事象の最初の発生を含み、進行事象が、最初の障害進行から少なくとも12週間後に確認される、E65bに記載の、使用のための化合物。
E65d.RMSを有する対象におけるcCDP12の発症までの時間を低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、cCDP12の発症までの時間を低減させることが、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含み、cCDP12の発症までの時間が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前から進行事象の最初の発生までの期間を含み、進行事象が、最初の障害進行から少なくとも12週間後に確認される、化合物。
E65e.進行事象が、以下、
(a)≦5.5のベースライン総合障害度スケール(EDSS)スコアを有する対象における≧1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は>5.5のベースラインEDSSスコアを有する対象における≧0.5ポイントの増加(確認された障害進行[CDP])、
(b)25-フィート歩行時間計測試験(T25FWT)におけるベースラインからの≧20%の増加、又は
(c)9-ホールペグテスト(9-HPT)を完了するまでの時間におけるベースラインからの≧20%の増加、のうちの1つである、E65c又はE65dに記載の使用のための化合物。
E66.治療が、対象における障害進行を評価することを含む、E64からE65eのいずれか1つの使用のための化合物。
E67.障害進行が、総合障害度スケール(EDSS)、9ホールペグテスト(9-HPT)、又は25フィート歩行時間計測試験(T25FWT)、又はそれらの任意の組み合わせを使用して評価される、E66に記載の使用のための化合物。
E68.治療が、複合的に12週間持続することが確認された障害進行(cCDP12)の発症を評価することをさらに含み、cCDP12の発症が、以下、
(a)5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、
(b)9-HPTを完了するまでの時間の少なくとも20%のベースラインからの増加、又は
(c)T25FWTの少なくとも20%のベースラインからの増加、の少なくとも1つを経験する対象を含み、
ベースラインからの変化が、最初の増加から少なくとも12週間後に確認される、E63からE67のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E69.治療が、対象における12週間で確認された障害進行(CDP12)の発症を評価することを含み、CDP12の発症が、5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加を含み、EDSSスコアの変化が、最初の増加から少なくとも12週間後に確認される、E64からE68のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E70.治療が、複合的に24週間持続することが確認された障害進行(cCDP24)の発症を評価することを含み、cCDP24の発症が、以下、
(a)5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、
(b)9-HPTを完了するまでの時間の少なくとも20%のベースラインからの増加、又は
(c)T25FWTの少なくとも20%のベースラインからの増加、の少なくとも1つを経験する対象を含み、
ベースラインからの変化が、最初の増加から少なくとも24週間後に確認される、E64からE69のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E71.治療が、対象における24週間で確認された障害進行(CDP24)の発症を評価することを含み、CDP24の発症が、5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加を含み、EDSSスコアの変化が、最初の増加から少なくとも24週間後に確認される、E64からE70のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E72.対象における進行までの時間が増加し、進行が、以下、
5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は
5.5ポイントを超えるベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加を含む、E64からE71のいずれか1つに記載の使用のため化合物。
E73.対象における進行までの時間が増加し、進行が、9-HPTを完了するまでの時間における少なくとも20%のベースラインからの増加を含む、E64からE72のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E74.対象における進行までの時間が増加し、進行が、T25FWTにおける少なくとも20%のベースラインからの増加を含む、E64からE73のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E75.対象における進行までの時間が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する対象と比較して増加する、E64からE74のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E76.対象における進行までの時間が、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されたRMSを有する対象と比較して増加する、E64からE75のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E77.対象における進行までの時間が、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、又は少なくとも35%増加する、E64からE76のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E78.対象におけるCDP12の発症までの時間が増加する、E64からE77のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E79.対象におけるcCDP12の発症までの時間が増加する、E64からE78のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E80.対象におけるCDP24の発症までの時間が増加する、E64からE79のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E81.対象におけるcCDP24の発症までの時間が増加する、E64からE80のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E81a.発症までの時間が、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、又は少なくとも35%増加する、E64からE81のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E82.対象における発症までの時間が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する別の対象と比較して増加する、E78からE81aのいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E83.対象における進行までの時間が、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されたRMSを有する別の対象と比較して増加する、E78からE82のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E84.対象における進行までの時間が、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、又は少なくとも35%増加する、E78からE83のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E85.対象がcCDP12を経験するリスクが低減する、E64又はE66からE84のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E86.対象がCDP12を経験するリスクが低減する、E64からE85のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E87.対象がcCDP24を経験するリスクが低減する、E64からE86のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E88.対象がCDP24を経験するリスクが低減する、E64からE87のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E89.リスクが、20%よりも多く、25%よりも多く、30%よりも多く、35%よりも多く、40%よりも多く、45%よりも多く、又は50%よりも多く低減する、E65からE88のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E90.リスクが、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後、約12週間、約24週間、約36週間、約48週間、約72週間又は約96週間の期間にわたって低減する、E65からE89のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E91.リスクが、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する別の対象と比較して低減する、E65からE90のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E92.リスクが、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されたRMSを有する対象と比較して低減する、E65からE91のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E93.治療が、対象の年間再発率を評価することを含む、E64からE92のいずれか1つの使用のための化合物。
E94.対象の年間再発率が低減する、E64又はE66からE93のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E95.対象の年間再発率が、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、又は少なくとも60%低減する、E64からE94のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E96.対象の年間再発率が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する別の対象と比較して低減する、E65からE95のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E97.対象の年間再発率が、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されたRMSを有する別の対象と比較して低減する、E65からE96のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E98.治療が、対象におけるT1 Gd+病変の数を評価することをさらに含む、E64からE97のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E99.治療が、対象における新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数を評価することをさらに含む、E64からE98のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E100.病変の数が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後、12週間、24週間、48週間若しくは96週間、又はそれらの任意の組み合わせで評価される、E98又はE99に記載の使用のための化合物。
E101.対象におけるT1 Gd+病変の数が低減する、E64からE100のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E102.対象における新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数が低減する、E64からE101のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E103.病変の数が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後、12週間、24週間、48週間若しくは96週間にわたって低減する、E101又はE102に記載の使用のための化合物。
E104.病変の数が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する別の対象と比較して低減する、E101からE103のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E105.病変の数が、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されたRMSを有する別の対象と比較して低減する、E101からE104のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E106.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後に、対象におけるcCDP12のリスクが低減し、対象の年間再発率が低減する、E64又はE66からE105のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E107.リスクの低減及び年間再発率の低減が独立して、25%超、30%超、35%超又は40%超である、E65からE106のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E108.リスクの低減及び年間再発率の低減が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を投与されず、任意にジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されるRMSを有する別の対象と比較される、E65からE107のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E109.年間再発率の低減を必要とする再発性多発性硬化症(RMS)を有する対象における年間再発率を低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、年間再発率を低減させることが、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日に2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物。
E110.対象が進行を経験するリスクが低減され、進行は、以下、
(a)5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、
(b)9-HPTを完了するまでの時間の少なくとも20%のベースラインからの増加、又は
(c)T25FWTの少なくとも20%のベースラインからの増加、の少なくとも1つを経験する対象を含み、
ベースラインからの変化が、最初の増加から少なくとも12週間後に確認される、E109に記載の使用のための化合物。
E111.RMSを有する対象が進行を経験するリスクを低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、リスクを低減させることが、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含み、進行は、以下、
(a)5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、
(b)9-HPTを完了するまでの時間の少なくとも20%のベースラインからの増加、又は
(c)T25FWTの少なくとも20%のベースラインからの増加、の少なくとも1つを経験する対象を含み、
ベースラインからの変化が、最初の増加から少なくとも12週間後に確認される、化合物。
E112.対象の年間再発率が低減する、E111に記載の使用のための化合物。
E113.年間再発率の低減が25%超、30%超、35%超、40%超又は45%超である、E109、E110又はE112に記載の使用のための化合物。
E114.リスクが25%よりも多く、30%よりも多く、35%よりも多く、40%よりも多く、又は45%よりも多く低減する、E110からE113のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E115.低減が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する別の対象と比較したものである、E109からE114のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E116.低減が、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されたRMSを有する別の対象と比較したものである、E109からE115のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E117.低減が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与を対象が開始した後、12週間、24週間、48週間、52週間又は96週間にわたる、E109からE116のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E118.RMSの治療の有効性を評価するために、対象における1つ又は複数の臨床的又は実験室的評価項目を測定する工程をさらに含む、E64からE117のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E119.1つ又は複数の臨床的又は実験室的評価項目が、対象のMSIS-29、Neuro-QoL Upper Extremity、PROMIS-FatigueMS、MSWS-12、PGI-S、WPAI:MS、PGI-C、EQ-5D-5L、C-SSRS、9-HPT、T25FWT、EDSS、SDMT、又はMRIからなる群より選択される、E118に記載の使用のための化合物。
E120.臨床的又は実験室的評価項目が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始から、2週間、6週間、12週間、18週間、24週間、36週間、48週間、60週間、72週間、84週間、96週間、108週間、又は120週間後に測定される、E118又はE119に記載の使用のための化合物。
E121.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、経口投与される、E64からE120のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E122.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、1つ又は複数の錠剤又はカプセルの形態で投与される、E64からE121のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E123.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、2つの錠剤の形態で1日2回投与され、各錠剤が、約100mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩を含む、E64からE122に記載の使用のための化合物。
E124.化合物が遊離型のフェネブルチニブである、E64からE123のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E125.対象が再発性寛解型MSを有する、E64からE124のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E126.対象が、活動性二次進行性MSを有する、E64からE125のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E127.本明細書では、さらに、E1からE63に記載のいずれかの方法における使用のための医薬の製造における使用のための化合物が提供され、化合物は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩である。
E128.再発が、対象が新たな又は悪化する神経学的MS徴候を経験することを含み、徴候が、少なくとも24時間持続し、徴候を経験する前に、対象が、少なくとも30日間、比較的安定した又は改善している神経学的状態を有していた、E2からE63のいずれか1つに記載の方法、又はE64からE126のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E129.再発が、以下、
EDSSで半ステップ(0.5ポイント)の増加、
錐体、歩行、小脳、脳幹、感覚、及び視覚からなる群から選択される1つの機能系スコア(FSS)で2ポイントの増加、又は
錐体、歩行、小脳、脳幹、感覚、及び視覚からなる群から選択される2つ以上のFSSで1ポイントの増加、の少なくとも1つの増加を含む、E128に記載の方法又は使用のための化合物。
E130.再発が、以下、
EDSSで半ステップ(0.5ポイント)の増加、
錐体、歩行、小脳、脳幹、感覚、及び視覚からなる群から選択される1つの機能系スコア(FSS)で2ポイントの増加、又は
錐体、歩行、小脳、脳幹、感覚、及び視覚からなる群から選択される2つ以上のFSSで1ポイントの増加、の少なくとも1つの増加を対象が経験することを含む、E2からE63のいずれか1つに記載の方法、又はE64からE126のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E131.増加を経験する前に、対象が、神経学的に安定であったか、又は少なくとも30日間改善していた、E130に記載の方法又は使用のための化合物。
E132.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、RMSを有する対象が、過去2年以内に少なくとも2回の臨床的再発を経験したか、又は過去12ヶ月以内に1回の臨床的再発を経験しており、過去12ヶ月に撮影されたMRIに少なくとも1つのT1Gd+病変を有する、E1からE63若しくはE128からE131のいずれか1つに記載の方法、又は、E64からE126若しくはE128からE131のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E133.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、RMSを有する対象が0~5.5のEDSSスコアを有する、E1からE63若しくはE128からE132のいずれか1つに記載の方法、又は、E64からE126若しくはE128からE132のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E134.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、対象が、<2.0のEDSSスコアと組み合わせて、徴候の発症から>10年のRMS疾患持続期間を有さない、E1からE63若しくはE128からE133のいずれか1つに記載の方法、又は、E64からE126若しくはE128からE133のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E135.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、対象が、以下、
>2×正常値の上限(ULN)である、アラニントランスアミナーゼ(ALT)又は(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)AST、
ジルベール症候群の診断なしで、1.5×ULNよりも多い総ビリルビン、又は
2×ULNよりも多い血清アミラーゼ又はリパーゼの持続的な上昇、のうちの1つ又は複数を有さない、E1からE63若しくはE128からE134のいずれか1つに記載の方法、又は、E64からE126若しくはE128からE134のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E136.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、対象が、以下、
(a)骨髄機能の有意な障害又は有意な貧血、白血球減少症、好中球減少症、若しくは血小板減少症、又は
(b)ヘモグロビン<9.5g/dL、絶対白血球数<4000細胞/mm(μL)、血小板数<100細胞×10/L、又は絶対好中球≦1500細胞/mm(μL)のいずれか1つ、
又は(a)と(b)の組み合わせを有さない、E1からE63若しくはE128からE135のいずれか1つに記載の方法、又は、E64からE126若しくはE128からE135のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
E137.本明細書ではさらに、対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される間に、強力なCYP3A4阻害剤を併せて投与されない、E1からE63、若しくはE128からE136のいずれか1つに記載の方法、又はE64からE126、若しくはE128からE136のいずれか1つに記載の化合物が提供される。
E138.強力なCYP3A4阻害剤が、ボセプレビル、コビシスタット、クラリスロマイシン、ダノプレビル/リトナビル、エルビテグラビル/リトナビル、インジナビル/リトナビル、イトラコナゾール、イデラリシブ、ケトコナゾール、ロピナビル/リトナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ポサコナゾール、リトナビル、サキナビル、テラプレビル、テリスロマイシン、又はボリコナゾールである、E137に記載の使用のための方法又は化合物。
E139.本明細書ではさらに、対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される間に、強力なCYP3A4誘導剤を併せて投与されない、E1からE63、若しくはE128からE138のいずれか1つに記載の方法、又はE64からE126、若しくはE128からE138のいずれか1つに記載の化合物が提供される。
E140.強力なCYP3A4誘導剤が、アパルタミド、カルバマゼピン、エンザルタミド、ミトタン、フェニトイン、リファンピン、又はハイパーフォリン(セントジョーンズワート)である、E139に記載の方法又は化合物。
E141.本明細書ではさらに、対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される間に、中程度のCYP3A4誘導剤を併せて投与されない、E1からE63、若しくはE128からE140のいずれか1つに記載の方法、又はE64からE126、若しくはE128からE140のいずれか1つに記載の化合物が提供される。
E142.中程度のCYP3A4誘導剤が、ボセンタン、デキサメタゾン、エファビレンツ、エトラビリン、フェノバルビタール、プリミドン、フェノバルビタール、又はリファブチンである、E141に記載の方法、又は使用のための化合物。
E143.本明細書ではさらに、対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される間に、狭い治療濃度域を有するCYP3A4基質を併せて投与されない、E1からE63、若しくはE128からE142のいずれか1つに記載の方法、又はE64からE126、若しくはE128からE142のいずれか1つに記載の化合物が提供される。
E144.狭い治療濃度域を有するCYP3A4基質が、アルフェンタニル、アステミゾール、シクロスポリン、シサプリド、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、エベロリムス、フェンタニル、ピモジド、キニジン、シロリムス、テルフェナジン、又はタクロリムスである、E143に記載の方法又は使用のための化合物。
3つの他のBTK阻害剤と比較したフェネブルチニブの比較キナーゼ選択性を示す。
B細胞及び骨髄前駆細胞系列の細胞活性化に対するBTK阻害剤の効果を評価するための概略図を提供する。
詳細な説明
本明細書では、再発性多発性硬化症(RMS)を治療するための、フェネブルチニブ、又はフェネブルチニブの薬学的に許容され得る塩の方法及び使用が、本明細書で提供される。
フェネブルチニブは、以下の式の化合物であり、
Figure 2023520469000002
以下の名称でも知られている、
GDC-0853、
(6S)-2-(ヒドロキシメチル))-1,1,3,6-テトラメチル-1,1,1,1-テトラヒドロ-4-アザ-1(2)-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジナ-6(1,4)-ピペラジナ-2(2,4),3(3,5),5(2,5)-トリピリジナ-7(3)-オキセタナヘプタファン-1(1H),3(3H)-ジオン、及び
(S)-2-(3’-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-5-((5-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[3,4’-ビピリジン]-2’-イル)-7,7-ジメチル-2,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-1-オン。
同じ化合物のさらなる名称は、例えば、異なる化学命名スキームを使用して知られている場合がある。化合物のRエナンチオマーは以下である、(R)-2-(3’-(ヒドロキシメチル)-1-メチル-5-((5-(2-メチル-4-(オキセタン-3-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)アミノ)-6-オキソ-1,6-ジヒドロ-[3,4’-ビピリジン]-2’-イル)-7,7-ジメチル-2,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[4,5]ピロロ[1,2-a]ピラジン-1-オン。
フェネブルチニブは、BTKの高度に選択的な経口投与される可逆的阻害剤である。米国特許第8,716,274号(参照によりその全文が本明細書に援用される)は、BTKの阻害に有用なヘテロアリールピリジン及びアザ-ピリドン化合物のクラスを開示している。国際公開第2017/148837号(参照によりその全文が本明細書に援用される)は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の固体形態及び製剤を開示している。
I.定義
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、限定することを意図するものではないことを理解するべきである。
本明細書(添付の特許請求の範囲を含む)で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別途内容が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「分子」への言及は、2つ以上のかかる分子の組み合わせを任意に含むといった具合である。
本明細書で使用される「約」という用語は、当業者であれば容易に理解するそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」に続く値又はパラメータへの言及は、その値又はパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつ説明する)。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、それぞれの値のプラスマイナス10%の範囲を指す。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、それぞれの値のプラスマイナス5%の範囲を指す。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、それぞれの値のプラスマイナス2%の範囲を指す。いくつかの実施形態では、「約」という用語は、それぞれの値のプラスマイナス1%の範囲を指す。
本明細書に記載される本開示の態様及び実施形態は、態様及び実施形態を「含む」、態様及び実施形態「からなる」、及び態様及び実施形態「から本質的になる」を含むことを理解されたい。
「薬学的製剤」という用語は、活性成分の生物学的活性が有効になるような形態であり、かつ製剤が投与される対象に許容できないほどに有毒なさらなる成分を含有しない調製物を指す。いくつかの実施形態では、そのような製剤は滅菌である。「薬学的に許容され得る」賦形剤(ビヒクル、添加物)は、対象哺乳動物に適度に投与されて、用いられる有効用量の活性成分を提供することができるものである。
本明細書で使用されるとき、「治療」という用語は、臨床的病変の経過中に治療される個体又は細胞の自然経過を変化させるように設計された臨床的介入を指す。治療の望ましい効果としては、疾患進行速度の低減、疾患状態の回復又は緩和、及び予後の寛解又は改善を挙げることができる。いくつかの実施形態では、そのような効果の2つ以上が達成される。いくつかの実施形態では、個体は、それらの疾患又は障害に関連する1つ又は複数の徴候が弱められた場合、つまり、疾患又は障害が対象に対してより耐性であるか、又は退化若しくは衰退の速度、あるいは疾患若しくは障害の発症の速度が遅れるか又は停止する、又は疾患若しくは障害の進行が遅れるか又は停止する、又は退化の最終ポイントは衰弱が少ない場合、成功裏に「治療される」。例えば、個体は、疾患(例えば、MS)に関連付けられる1つ又は複数の徴候が軽減又は排除された場合に成功裏に「治療」され、このような場合には、限定されないが、疾患に起因する徴候の減少、疾患罹患者の生活の質の向上、疾患を治療するために必要とされる他の薬物の用量の減少、及び/又は個体の生存期間の延長が含まれる。特定の疾患又は障害の治療は、いくつかの実施形態では、限定されないが、本明細書で提供される実施例に記載されるものなどの、特定の臨床的エンドポイント又は他の評価項目を含み得る。
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、ある用量のフェネブルチニブ、又は等量のその薬学的に許容され得る塩を提供することについて言及している。遊離形態のフェネブルチニブと塩形態との間の分子量の差を考慮に入れて、フェネブルチニブの薬学的塩形態の対応する量を計算する方法は当業者には明らかであろう。例えば、本明細書で提供されるいくつかの実施形態では、対象は、1日に約400mgのフェネブルチニブ(200mg用量を2回として)、又はその薬学的に許容され得る塩を投与される。薬学的に許容され得る塩形態がそのような実施形態で投与される場合、遊離形態のフェネブルチニブよりも高い分子量を有する塩形態によって、1日に投与されるフェネブルチニブの薬学的に許容され得る塩の総量は、400mgを超えるが、約400mgの遊離形態のフェネブルチニブに対応する。
治療の目的のための「対象」は、哺乳類に分類される任意の動物を指し、ヒト、家畜及び農場動物、及び動物園動物、スポーツ動物、又はペット動物、例えば犬、馬、猫、牛などを含む。本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、対象はヒトである。いくつかの実施形態では、対象は患者である。
「投与開始前」には、例えば、実際の投与前であるが、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の最初の用量が投与されるのと同じ日、最初の投与前1週間以内、又は最初の投与前2週間以内、又は最初の投与前3週間以内、又は最初の投与前4週間以内、又は最初の投与前5週間以内、又は最初の投与前6週間以内、又は最初の投与前6週間以内、又は最初の投与の1日前と28日前の間、又は最初の投与前の0日から28日以内が含まれ得る。ある実施形態では、この期間は、「ベースライン」とも呼ばれ得る。よって、いくつかの実施形態では、ベースラインは、投与の直前の同じ日を含む、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の最初の用量を投与する前の1週間以内を含み得る。他の実施形態では、ベースラインは、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の最初の投与前の1ヶ月以内、又は0から28日以内、又は6週間以内を含む。いくつかの実施形態では、ベースラインには、投与開始の前日、又は投与開始前の1週間以内が含まれる。
本明細書で使用される「バイオマーカー」という用語は、試料中で検出され得る指標、例えば、予測指標、診断指標、及び/又は予後指標を指す。バイオマーカーは、特定の、分子的、病理学的、組織学的、及び/又は臨床的特徴により特徴づけられる疾患又は障害(例えば多発性硬化症)の特定のサブタイプの指標として機能し得る。いくつかの実施形態では、バイオマーカーは、遺伝子である。バイオマーカーには、限定されないが、ポリヌクレオチド(例えば、DNA及び/又はRNA)、ポリペプチド、ポリペプチド及びポリヌクレオチド修飾(例えば翻訳後修飾)、糖質、及び/又は糖脂質ベースの分子マーカーが含まれ得る。個体への臨床的利益の増加に関連するバイオマーカーの「量」又は「レベル」は、生物学的試料中で検出可能なレベルである。これらは、当業者に既知であり、かつ本明細書にも開示される方法によって測定され得る。評価されるバイオマーカーの発現レベル又は量は、いくつかの実施形態では、治療に対する応答を決定するために使用することができる。ある実施形態では、1つ又は複数のバイオマーカーの発現レベル又は量は、治療に対する特定の反応に関連している。
本明細書で使用される「試料」という用語は、例えば、物理的、生化学的、化学的、及び/又は生理学的特性に基づいて、特徴づけ及び/又は特定される細胞及び/又は他の分子の実体を含有する、目的とする対象及び/若しくは個体から得られるか、又はそれ由来の組成物を指す。例えば、「疾患試料」という句及びその変形は、特徴づけられるべき細胞及び/又は分子実体を含有することが期待されるか又は含有することが知られている、目的の対象から得られた任意の試料を指す。試料としては、初代又は培養細胞又は細胞株、細胞上清、細胞溶解物、血小板、血清、血漿、硝子体液、リンパ液、滑液、卵胞液、精液、羊水、乳、全血、血液由来の細胞、尿、脳脊髄液、唾液、痰、涙、汗、粘液、腫瘍溶解物、及び組織培養培地、組織抽出物(均質化組織など)、腫瘍組織、細胞抽出物、並びにそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、試料は血液試料である。他の実施形態において、試料は脳脊髄液(CSF)である。
「組織試料」又は「細胞試料」は、対象又は個体の組織から得られた同様の細胞の集合を意味する。組織試料又は細胞試料の供給源は、新鮮な、冷凍の、及び/又は保存された器官、生検、及び/又は吸引物由来の固体組織、血液又は血漿のような何らかの血液成分、脳脊髄液、羊水、腹水、又は間質液のような体液、対象の妊娠又は発育の任意の時期に由来する細胞であり得る。組織試料又は細胞試料は、初代若しくは培養細胞又は細胞株でもよい。任意に、組織又は細胞試料は、疾患組織/器官から得られる。組織試料又は細胞試料は、本質的に組織と自然に混在しない化合物、例えば、防腐剤、抗凝血剤、緩衝剤、定着剤、栄養剤、抗生物質などを含む場合がある。
本明細書で使用される場合、「参照試料」、「参照細胞」、「参照組織」、「対照試料」、「対照細胞」、又は「対照組織」とは、比較目的のために使用される試料、細胞、組織、標準物、又はレベルを指す。一実施形態では、基準試料、基準細胞、基準組織、対照試料、対照細胞、又は対照組織は、同じ対象又は個体の身体の健常な及び/又は罹患していない部分(例えば、組織又は細胞)から得られる。例えば、健常な及び/又は非疾患性の細胞又は組織は、疾患細胞又は組織に隣接している。別の実施形態では、基準試料は、同じ対象又は個体の身体の未処理組織及び/又は細胞から得られ、例えば、特定の治療の開始前に(例えばフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩での治療の開始前に)対象又は個体から取られた試料などである。さらに別の実施形態では、参照試料、参照細胞、参照組織、対照試料、対照細胞、又は対照組織は、対象又は個体ではない個体の身体の健常な及び/又は罹患していない部分(例えば、組織又は細胞)から得られる。さらに別の実施形態では、参照試料、参照細胞、参照組織、対照試料、対照細胞、又は対照組織は、対象又は個体ではない個体の身体の未治療の組織及び/又は細胞から得られる。
「総合障害度スケール」(EDSS)は、MSを有する対象の障害レベルにおける経時的な変化を定量化するためのClinRO尺度である。EDSSは、標準的な神経学的検査に基づいており、この検査は、機能システム(視覚、脳幹、錐体、小脳、感覚、腸及び膀胱、脳[又は精神])(機能システムスコア(FSS)として評価され、その後スコア付けられる)と、歩行(歩行スコアとしてスコア付けられる)とを組み込んでいる。各FSSは、0から5又は6の範囲の通常の臨床評価スケールであり、歩行スコアは0から12で評価される。これらの評価は、歩行及び支援デバイスの使用に関する観察と情報とを組み合わせて使用されて、EDSSの合計スコアが決定され得る。EDSSは、0.5ポイントきざみで0(通常)から10.0(死)にわたる障害度スケールである(Kurtzke 1983;Kappos 2011)。本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、性機能障害及び倦怠感の項目はEDSSスコアに含まれていない。
「9ホールペグテスト」(9-HPT)は、上肢(腕及び手)の機能の定量的尺度である(Goodkin et al.1988;Fischer et al.2001)。テストデバイスは、9つのペグを有する容器及び9つの空の穴を含むブロックからなる。対象は、9つのペグのそれぞれを一度に1つずつ拾い上げ、できるだけ早く9つの穴に配置する。すべてのペグが穴に入ると、対象は一度に1つずつ再度ペグを取り外し、容器に戻す。タスクを完了するための合計時間が記録される。利き手と非利き手の両方が2回テストされる(利き手の2回の正常に完了した試行の直後に、非利き手の2回の正常に完了した試行が続く)。それぞれの手の2回の試行が平均化され、それぞれの手の平均時間の逆数に変換され、2回の逆数が平均化される。9-HPTは、例えば、Multiple Sclerosis Functional Composite(MSFC)Administration and Scoring Manual(Fischer et al.,2001)に記載されているように実行され得る。上肢機能の有意な変化は、例えば、平均9-HPT時間のベースラインから20%悪化することによって示され得る。いくつかの実施形態では、有意な変化は、9-HPTを完了するまでの時間におけるベースラインからの≧20%の増加であり、9-HPTを完了するまでの時間の少なくとも20%のベースラインからの増加とも記載され得る。
「25フィート歩行時間計測試験」(T25FWT)は、時間制限のある25フィート歩行に基づく、可動性及び脚の機能の定量的尺度である。対象は、明確に印を付けられた25フィートのコースの一方の端から開始するように指導され、可能な限り迅速かつ安全に25フィート歩くように指示され、対象が歩行の開始から25フィートの最後までにかかる時間が計測される。いくつかの実施形態では、対象に同じ距離を歩いて戻らせることにより、タスクはすぐに再度実行され、完了した両方の試行の時間が平均化されて、T25FWTのスコアが生成される。対象は、タスクを実施する際に支援デバイス(例えば杖又は車椅子)を使用してもよい。T25FWTは、例えば、MSFC Administration and Scoring Manual(Fischer et al.,2001)に記載されているように実行され得る。可動性及び脚の機能の臨床的に有意な変化は、例えば、平均T25FWT時間のベースラインから20%悪化することによって示され得る。いくつかの実施形態では、有意な変化は、T25FWTにおけるベースラインからの≧20%の増加であり、これは、T25FWTにおける少なくとも20%のベースラインからの増加として記載され得る。
「記号数字モダリティ・テスト」(SDMT)は、(SDMT)は、認知機能障害の存在及び/又は認知機能の経時的変化及び治療に応じた変化を評価するために使用されるテストである。SDMTは、MSで一般的に見られる情報の処理速度の低下に特に敏感である場合がある(Benedict et al.2017)SDMTは、置換タスクを含む。参照キーを使用すると、対象は特定の数字を所与の幾何学的図形とペアにするために90秒を有する。回答は口頭で収集することができ、正しい回答の数がSDMTスコアとみなされる。認知処理における臨床的に有意な変化は、例えば、ベースラインからのSDMTスコアの4ポイントの減少によって示され得る。
「コロンビア自殺重症度評価スケール」(C-SSRS)は、(C-SSRS)は、対象の生涯の自殺傾向を評価するために使用されるツールであり、治療又はその一部を通じて自殺イベントを追跡するために使用され得る。構造化インタビューは、自殺念慮の強さ、行動、及び実際の/潜在的な致死性の試みを含む、自殺念慮の回想を促す。「ベースライン」C-SSRSには、例えば、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に収集されるC-SSRSが含まれ得る。そのようなC-SSRSは、例えば、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後に収集される続くC-SSRSと比較され得る。異なる評価期間(これは、例えば、臨床医の診察中に発生し得る)間の比較は、いくつかの実施形態では、「最後の診察以降」のC-SSRSとして説明され得る。
「EQ-5D-5L」は、医療経済分析で使用するための健康状態効用スコアを計算するために使用できる、検証済みの自己申告による健康状態質問票である(EuroQol Group 1990;Brooks 1996;Herdman et al.2011;Janssen et al.2013)。EQ-5D-5Lには2つの構成要素が存在する。1つは、可動性、セルフケア、通常の活動、痛み/不快感、不安/うつ病を評価する5つの項目の健康状態プロファイルであり、もう1つは、健康状態を測定するビジュアルアナログスケール(VAS)である。EQ-5D-5Lは、対象の現在の健康状態を捉えるために設計されている。公開されている重み付けシステムでは、対象の健康状態の単一の複合的スコアを作成できる場合がある。
「多発性硬化症の影響スケール29バージョン2」(MSIS-29、バージョン2)は、MSの身体的及び心理的影響の29項目の対象によって報告される尺度である(Hobart et al.2001)。対象は、「まったくない」(1)から「非常に」(4)までの4段階で、過去14日間に自分の機能及び幸福がどの程度影響を受けたかを評価するよう求められる。身体的スコアは、項目1-20の合計であり、これは0から100のスケールに変換される。心理的スコアは、項目21-29の合計であり、0から100のスケールに変換される。スコアが高いほど、MSの影響が大きいことを示し得る。臨床的に有意な影響は、MSIS-29のバージョン1における心理的スケールでの少なくとも7.5ポイントの変化によって示される。MSIS-29のバージョン2において、このレベルの変化も有意な影響を示し得る。
「多発性硬化症歩行スケール12項目」(MSWS-12)は、過去2週間の個体の歩行能力に対するMSの影響の12項目の自己報告尺度である。各項目は5ポイントのリッカート尺度でスコア付けされ、合計スコアは0~100のスケールに変換され、スコアが高いほど、歩行能力に対するMSの影響が大きいことを示す。
「神経障害における生活の質、上肢」(細かい運動能力と日常生活の活動;Neuro-QoL、上肢)は、上肢機能を評価するために使用される20項目の質問票であり、MSを有する対象がその各段階を通じて関与する(Gershon et al.2012)。項目には、着替え、料理、食事、掃除、及び書き取りの評価が含まれ、対象は5ポイントのリッカート尺度を使用して「問題なく」(5)から「できない」(1)までのパフォーマンスを評価する。項目スコアを合計し、100を掛け、80で割る、より高いスコア(範囲:0~100)は、より良好な健康報告機能を示す。
「PROMIS-FatigueMS」は、MSを有する対象の倦怠感の尺度として開発された8つの項目のスケールであり(Cook et al.2012)、回想期間は過去7日間である。このスケールは、それぞれのスコア付けされた質問について1と5の間のスコアを生成する5ポイントのリッカート型のスケールを含む。合計素点は、それぞれスコア付けされた質問の値の合計である。合計素点は、8から40の範囲である。スコアは、PROMIS Tスコアに変換することもでき、平均は50であり、標準偏差は10である。Tスコアは、34.7から81.3の範囲である。スコアが高いほど、倦怠感が強いと関連付けられる。
「患者による全体的な変化の印象」(PGI-C)は、6ヶ月前の時点と比較した、MS徴候の変化に対する対象の印象の単一項目評価である。対象は、「非常に良い」(1)から「非常に悪い」(7)までの7ポイントのリッカート尺度で答える。PGI-Cは、MSIS-29における臨床的に有意な変化を決定するためのアンカーとして使用される。
「患者による全体的な重症度の印象」(PGI-S)は、過去7日間のMS徴候の重症度に対する対象の印象の単一項目評価である。対象は、「なし」(1)から「非常に重症」(5)までの5ポイントのリッカート型尺度で答える。PGI-Sは、MSIS-29における臨床的に有意な変化を決定するためのアンカーとして使用される。
「作業生産性及び活動障害:多発性硬化症」(WPAI:MS)は、6項目の尺度である。対象は、過去7日間にMSによって仕事及び日常の活動が影響を受けた時間を推定する(Reilly et al.1993)。WPAI:MSは、常習的な欠勤及び「プレゼンティイズム」を評価する。これは、対象が仕事又は活動に出席していた時間を説明するが、彼らの健康は、通常のレベルで実行する能力に悪影響を及ぼしたと考えられている。スコアが高いほど、生産性の障害が大きいことを示す。
「確認された障害進行」(CDP)は、特定の期間にわたって持続する対象のEDSSスコアの増加を指す。これは、例えば、対象のEDSSスコアを計算すること、スコアが前のスコア(対象がフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に取られたスコアであり得る、ベースラインスコア等)に対して増加することを決定すること、及び、その後、スコアが最初の増加から指定された期間が経過した後もさらに増加すること(例えば、対象を再評価して再計算することによって)によって、評価され得る。例えば、12週間で確認された障害進行(CDP12)は、最初の増加から少なくとも12週間後に増加したままであるEDSSスコアを指す(例えば、最初の増加から少なくとも12週間後にEDDSスコアを再計算することによって確認される)。24週間で確認された障害進行(CDP24)最初の増加から少なくとも24週間後に増加したままであるEDSSスコアを指す(例えば、最初の増加から少なくとも24週間後にEDDSスコアを再計算することによって確認される)。最初の増加は、ベースラインEDSSスコア(フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前など)と比較され得るか、又は12、24、36、48、若しくは60週間など経時的に安定したままであった以前のEDSSスコアと比較され得る。いくつかの実施形態では、CDPは、≦5.5ポイントのベースラインEDSSスコアを有する対象におけるベースラインEDSSスコアからの≧1.0ポイントの増加、又は>5.5ポイントのベースラインEDSSスコアを有する対象におけるベースラインEDSSスコアからの≧0.5ポイントの増加を指す。特定の実施形態では、これらのCDPパラメータは、5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象におけるベースラインEDSSスコアから少なくとも1.0ポイントの増加、又は5.5ポイントを超えるベースラインEDSSスコアを有する対象におけるベースラインEDSSスコアから少なくとも0.5ポイントの増加として説明され得る。CDPの発症までの時間(例えば、CDP12又はCDP24の発症までの時間)は、以前のEDSSスコアが確立されたとき(例えば、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前からのベースラインEDSSスコア)からEDSSスコアの持続的な増加が観察されるまでの期間を指す。
「複合的に持続することが確認された障害進行」(cCDP)は、EDSS、9-HPT、及びT25FWTの組み合わせを使用した障害進行の複合的な尺度である。これは、進行事象の最初の発生によって決定される場合の特定の期間にわたる対象の障害の進行を評価する。進行事象は、以下、CDP(例えば、≦5.5ポイントのベースラインEDSSスコアを有する対象におけるベースラインEDSSスコアからの≧1.0ポイントの増加、又は>5.5ポイントのベースラインEDSSスコアを有する対象におけるベースラインEDSSスコアからの≧0.5ポイントの増加)、9ホールペグテスト(9-HPT)を完了するまでの時間におけるベースラインからの≧20%の増加、又は25フィート歩行時間計測試験(T25FWT)のベースラインからの≧20%の増加のいずれかを含み得る。ここで、進行事象の発生は、最初の発生から特定の期間が経過した後に確認される。例えば、複合的に12週間持続することが確認された障害進行(cCDP12)は、最初の時点での少なくとも1つの進行事象の発生を指し、同じ進行事象が(例えば、同じテストを使用して対象を再評価することにより)少なくとも12週間後に確認される。複合的に24週間持続することが確認された障害進行(cCDP12)は、最初の期間での少なくとも1つの進行事象の発生を指し、同じ進行事象が少なくとも24週間後に確認される。cCDPの発症までの時間(例えば、cCDP12又はcCDP24の発症までの時間)は、以前の評価スコアが確立されたとき(例えば、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前のベースラインスコア)から最初の事象が観察されるまでの期間を指す。理論に拘束されることを望まないが、下肢機能に重点が置かれる総合障害度スケール(EDSS)のみに基づく評価項目と比較して、cCDP12には次の少なくとも1つが必要である、1)≦5.5ポイントのベースライン(BL)スコアからの≧1.0ポイントのEDSSスコアの増加、又は>5.5ポイントのBLスコアからの≧0.5ポイントの増加(確認された障害進行)、2)9ホールペグテストを完了するまでの時間におけるBLからの20%の増加、3)25フィート歩行時間計測試験におけるBLからの20%の増加。よって、cCDP12は、特に初期の疾患段階で、より感度の高い障害の評価である。一次転帰としてのcCDP12の使用は、EDSS単独よりも障害進行又は改善のより明確で、より完全な全体像を提供し得る。
本明細書において言及される「再発」は、MSに起因する新たな又は悪化する神経学的徴候(単数又は複数)の発生であり、その直前に少なくとも30日間の比較的安定又は改善した神経学的状態が見られる。いくつかの実施形態では、徴候(単数又は複数)は>24時間持続し、交絡する臨床的要因(例えば、発熱、感染、傷害、併用薬に対する有害反応)に起因しない。いくつかの実施形態では、新たな又は悪化する神経学的徴候(単数又は複数)は、EDSSで半ステップ(0.5ポイント)、選択された機能系スコア(FSS)の1つで2ポイント、又は選択されたFSSで2つ以上で1ポイントの、少なくとも1つの増加と一致する客観的な神経学的悪化を伴い、選択されたFSSは、錐体、歩行、小脳、脳幹、感覚又は視覚のスコアからなる群から選択される。特定の実施形態では、一過性のけいれん、性機能障害、倦怠感、気分の変化、又は膀胱若しくは腸の緊急性若しくは失禁は、再発を確立するのに十分ではない。いくつかの実施形態では、性機能障害及び疲労をスコア化する必要はない。いくつかの実施形態では、臨床的再発を表すMSに適合する新たな又は悪化する神経学的事象を対象が経験する場合、対象は、その事象が本明細書中に記載されるすべての再発基準を満たすかどうかを判定するためにEDSS/FSSを使用して評価される。特定の実施形態では、そのようなEDSS評価は、事象の発症から7日以内に行われる。
本明細書中に記載されるいくつかの実施形態では、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を投与された対象の応答が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩以外の小分子免疫調節剤を投与された別の対象と比較され得る。特定の実施形態では、比較対象は、BTK阻害剤ではない小分子免疫調節剤を投与される。特定の実施形態では、比較対象は、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(デノボピリミジン合成に関与するミトコンドリア酵素)の阻害剤である小分子免疫調節剤を投与される。ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼのこのような阻害剤の例としては、テリフルノミド又はその薬学的に許容され得る塩、及びレフルノミド又はその薬学的に許容され得る塩が挙げられ得る。特定の実施形態では、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼは、テリフルノミド又はその薬学的に許容され得る塩である。
II.治療方法
本明細書では、約200mgの用量のフェネブルチニブを1日2回又は対応する量のその薬学的に許容され得る塩を、約400mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩の1日あたりの総量で対象に投与することによって、RMSの治療を必要とする対象におけるRMSを治療する方法が提供される。さらに、RMSの治療を必要とする対象におけるRMSの治療に使用するための化合物であって、化合物がフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、治療が、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は対応する量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物が提供される。さらなる実施形態では、RMSの治療を必要とする対象におけるRMSの治療のための医薬の製造における使用のための化合物であって、化合物がフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、治療が、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は対応する量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物が提供される。いくつかの実施形態では、RMSの治療は、総合障害度スケール(EDSS)、9ホールペグテスト(9-HPT)、又は25フィート歩行時間計測試験(T25FWT)、又はそれらの任意の組み合わせを使用して評価される。いくつかの実施形態では、RMSの治療は、確認された障害進行の発症までの時間(例えば、12週間又は24週間CDP)、又は複合的に持続することが確認された障害進行の発症までの時間(例えば、12週間又は24週間cCDP)に基づいて評価される。例えば、いくつかの実施形態では、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することによりRMSを有する対象を治療することは、EDSSの悪化の遅延(例えば、ベースラインと比較して0.5、1.0、1.5、又はそれを超えるポイントの増加)、9-HPT時間の悪化の遅延(ベースラインと比較して20%超)、T25FWT時間の悪化の遅延(ベースラインと比較して20%超)、CDP12の発症の遅延、CDP24の発症の遅延、cCDP12の発症の遅延、cCDP24の発症の遅延、少なくとも1つの進行事象の発症の遅延、少なくとも1つの進行事象を有するリスクの低減、又は対象における障害の低減をもたらす。いくつかの実施形態では、対象におけるRMSの治療は、対象の年間再発率を低減させることを含む。特定の実施形態では、対象におけるRMSの治療は、対象における年間再発率を低減させること、及びcCDP12の発症までの時間を遅延させることの両方を含む。他の実施形態では、RMSの治療は、MSIS-29、Neuro-QoL Upper Extremity、PROMIS-FatigueMS、MSWS-12、PGI-S、WPAI:MS、PGI-C、EQ-5D-5L、C-SSRS、9-HPT、T25FWT、EDSS、SDMT、MRIに基づいて評価される。いくつかの実施形態では、RMSの治療は、障害進行の発症を遅延させること、又は障害進行のリスクを低減させることを含み、障害進行は、CDP12、cCDP12、CDP24、又はcCDP24によって評価される。いくつかの実施形態では、発症は、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%遅延されるか、又はリスクが低減される。いくつかの実施形態では、遅延又は低減は少なくとも15%である。いくつかの実施形態では、遅延又は低減は少なくとも20%である。いくつかの実施形態では、遅延又は低減は少なくとも25%である。いくつかの実施形態では、遅延又は低減は少なくとも30%である。いくつかの実施形態では、遅延又は低減は少なくとも35%である。いくつかの実施形態では、遅延又は低減は少なくとも40%である。いくつかの実施形態では、遅延又は低減は少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、遅延又は低減は少なくとも50%である。いくつかの実施形態では、発症の遅発又は障害進行のリスク低減は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されず(あるいは、BTK阻害剤が投与されず)、任意に、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤(例えば、テリフルノミド又はその薬学的に許容され得る塩など)が投与される、RMSを有する別の対象と比較したものである。特定の実施形態では、RMSを治療することは、対象における年間再発率(ARR)を、例えば少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低減させることを含む。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも20%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも25%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも30%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも35%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも40%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも50%である。いくつかの実施形態では、ARRの低減は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されず(あるいは、BTK阻害剤が投与されず)、任意に、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤(例えば、テリフルノミド又はその薬学的に許容され得る塩など)が投与される、RMSを有する別の対象と比較したものである。特定の実施形態では、対象におけるRMSの治療は、障害進行のリスクの低減(例えば、cCDP12を用いて評価される)及びARRの低減の両方を含み、これらはそれぞれ、例えば、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されず、任意にジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤が投与される、RMSを有する別の対象と比較したものであり得る。特定の実施形態では、障害進行のリスクは、ある期間にわたって低減し、例えば、12週間、18週間、24週間、36週間、48週間、60週間、72週間、84週間、96週間、108週間、又は120週間の期間にわたって、CDP12、cCDP12、CDP24、又はcCDP24によって評価される障害進行のリスクを低減させる。なおさらなる実施形態では、CDP12のリスク又はcCDP24のリスクが低減する。特定の実施形態では、RMSの治療を必要とする対象におけるRMSの治療は、対象におけるT1 Gd+病変の数を低減させることを含む。他の実施形態では、対象におけるRMSを治療することは、対象における新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数を低減させることを含む。特定の実施形態では、R1 Gd+病変の数並びに新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数の両方が低減する。特定の実施形態では、低減は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後、独立して、12週間、24週間、48週間若しくは96週間、又はそれらの任意の組み合わせにわたるものである。いくつかの実施形態では、低減は、年間で(annualized)例えば52週間にわたる。特定の実施形態では、R1 Gd+病変の数は、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低減する。いくつかの実施形態では、新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数は、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%減少する。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも20%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも25%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも30%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも35%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも40%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも50%である。いくつかの実施形態では、病変の低減は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されず(あるいは、BTK阻害剤が投与されず)、任意に、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤(例えば、テリフルノミド又はその薬学的に許容され得る塩など)が投与される、RMSを有する別の対象と比較したものである。
いくつかの実施形態では、約200mgの用量のフェネブルチニブを1日2回又は対応する量のその薬学的に許容され得る塩を、約400mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩の1日あたりの総量で対象に投与することによって、RMSの治療を必要とする対象におけるRMSを治療する方法が本明細書において提供される。さらに、RMSの治療を必要とする対象におけるRMSの治療に使用するための化合物であって、化合物がフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、治療が、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は対応する量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物が提供される。さらなる実施形態では、RMSの治療を必要とする対象におけるRMSの治療のための医薬の製造における使用のための化合物であって、化合物がフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、治療が、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は対応する量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物が提供される。いくつかのこのような実施形態では、対象におけるRMSの治療は、障害進行のリスクの低減(例えば、cCDP12を用いて評価される)及びARRの低減の両方を含み、これらはそれぞれ、例えば、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されず、任意にジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤が投与される、RMSを有する別の対象と比較したものであり得る。いくつかの実施形態では、個体におけるRMSを治療することは、cCDP12のリスクを低減させること、又はcCDP12までの時間を、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、又は少なくとも45%増加させることを含む(少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、又は少なくとも45%、ARRを低減させること、又はARRを相対的に低減させることと組み合わせて)。例えば、cCDP12のリスクを少なくとも30%低減させ、ARRを少なくとも30%低減させる。又は、cCDP12のリスクを少なくとも35%低減させ、ARRを少なくとも35%低減させる。又は、cCDP12のリスクを少なくとも40%低減させ、ARRを少なくとも40%低減させる。又は、cCDP12のリスクを少なくとも45%低減させ、ARRを少なくとも45%低減させる。いくつかの実施形態では、個体におけるRMSを治療することは、単独又はARRの低減と組み合わせて、cCDP12の発症までの時間を増加させることを含む。いくつかの実施形態では、cCDP12の発症までの時間は、少なくとも15%増加する。いくつかの実施形態では、cCDP12の発症までの時間は、少なくとも20%増加する。いくつかの実施形態では、cCDP12の発症までの時間は、少なくとも25%増加する。いくつかの実施形態では、cCDP12の発症までの時間は、少なくとも30%増加する。なおさらなる実施形態では、cCDP12の発症までの時間は、少なくとも35%増加する。なおさらなる実施形態では、例えば他の実施形態と組み合わせて、T1 Gd+病変の少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、又は少なくとも45%の低減がさらに存在する。いくつかの実施形態では、T1 Gd+病変は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていない別の対象と比較して低減される。なおさらなる実施形態では、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%のリスク低減cCDP24が存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%のCDP12(例えば、EDSS)のリスク低減が存在する。なおさらなる実施形態では、例えばフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を投与されていない別の対象と比較して、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%の新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の平均数の低減が存在する。
他の実施形態では、年間再発率の低減を必要とする再発性多発性硬化症(RMS)を有する対象における年間再発率を低減させる方法であって、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を対象に投与することを含む方法が本明細書において提供される。年間再発率の低減を必要とする再発性多発性硬化症(RMS)を有する対象における年間再発率を低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日に2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される、化合物がさらに提供される。また、年間再発率の低減を必要とするRMSを有する対象における年間再発率を低減させることにおける使用のための医薬の製造における使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日に2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される、化合物も提供される。いくつかの実施形態では、年間再発率(ARR)は、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも20%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも25%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも30%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも35%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも40%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも45%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも50%低減する。特定の実施形態では、対象のARRは、フェネブルチニブ若しくはその薬学的に許容され得る塩が投与されていない、又はBTK阻害剤が投与されていない、RMSを有する別の対象(例えば、比較対象)と比較して低減する。特定の実施形態では、比較対象は、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤(例えば、テリフルノミド又はその薬学的に許容され得る塩など)を投与される。特定の実施形態では、対象におけるARRを低減させる方法は、cCDP12の発症までの時間を低減させること、又はcCDP12のリスクを、例えば少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、若しくは少なくとも50%低減させることをさらに含む。
RMSを有する対象における進行のリスクを低減させる方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む方法が本明細書においてさらに提供される。また、RMSを有する対象における進行のリスクを低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される、化合物も提供される。なおさらなる実施形態では、RMSを有する対象における進行のリスクを低減させるための医薬の製造における使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される、化合物が提供される。RMSを有する対象における進行を遅延させる方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む方法が本明細書においてさらに提供される。また、RMSを有する対象における進行を遅延させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される、化合物も提供される。なおさらなる実施形態では、RMSを有する対象における進行を遅延させるための医薬の製造における使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される、化合物が提供される。いくつかの実施形態では、進行は、cCDP12(例えば、5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は9-HPTを完了するまでの時間における少なくとも20%のベースラインからの増加、又はT25FWTの少なくとも20%のベースラインからの増加、ここで、ベースラインからの変化は、最初の増加から少なくとも12週間後に確認される)を用いて評価される。いくつかの実施形態では、進行は、CDP12(例えば、5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、ここで増加は最初の増加から少なくとも12週間後に確認される)を用いて評価される。なおさらなる実施形態では、進行は、CDP24又はcCDP24を用いて評価される。特定の実施形態では、進行のリスクは、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低減する。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも20%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも25%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも30%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも35%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも40%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも45%である。特定の実施形態では、進行は、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%遅延する。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも20%である。いくつかの実施形態では、進行は少なくとも25%遅延する。いくつかの実施形態では、進行は少なくとも30%遅延する。いくつかの実施形態では、進行は少なくとも35%遅延する。いくつかの実施形態では、進行は少なくとも40%遅延する。いくつかの実施形態では、進行は少なくとも45%遅延する。いくつかの実施形態では、進行は少なくとも50%遅延する。特定の実施形態では、リスクの低減は、12週間、18週間、24週間、36週間、48週間、60週間、72週間、84週間、96週間、108週間、又は120週間にわたる。特定の実施形態では、この期間は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始直前に開始する。なおさらなる実施形態では、フェネブルチニブ若しくはその薬学的に許容され得る塩が投与されていない、又はBTK阻害剤が投与されていない、RMSを有する別の対象(例えば、比較対象)と比較して、進行のリスクが低減し、又は進行の開始が遅延する。特定の実施形態では、比較対象は、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤(例えば、テリフルノミド又はその薬学的に許容され得る塩など)を投与される。
さらなる実施形態では、RMSを有する対象における年間再発率(ARR)を低減させ、cCDP12を経験するリスクを低減させる方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む方法が本明細書において提供される。また、RMSを有する対象における年間再発率(ARR)を低減させること、及びcCDP12を経験するリスクを低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される、化合物も提供される。なおさらなる実施形態では、RMSを有する対象における年間再発率(ARR)を低減させる、及びcCDP12を経験するリスクを低減させるための医薬の製造における使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される、化合物も提供される。いくつかの実施形態では、年間再発率(ARR)は、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低減する。特定の実施形態では、cCDP12を経験するリスクは、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも20%低減し、cCDP12を経験するリスクは少なくとも20%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも25%低減し、cCDP12を経験するリスクは少なくとも25%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも30%低減し、cCDP12を経験するリスクは少なくとも30%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも35%低減し、cCDP12を経験するリスクは少なくとも35%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも40%低減し、cCDP12を経験するリスクは少なくとも40%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも45%低減し、cCDP12を経験するリスクは少なくとも45%低減する。いくつかの実施形態では、ARRは少なくとも50%低減し、cCDP12を経験するリスクは少なくとも50%低減する。特定の実施形態では、cCDP12を経験するリスクの低減は、以下の1つ又は複数を経験するリスクの低減を含む、(i)≦5.5のベースライン総合障害度スケール(EDSS)スコアを有する患者における≧1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は>5.5のベースラインEDSSスコアを有する患者においては≧0.5ポイント(確認された障害進行[CDP])、;(ii)25-フィート歩行時間計測試験(T25FWT)におけるベースラインからの≧20%の増加、又は(iii)9≧ホールペグテスト(9-HPT)を完了するまでの時間におけるベースラインからの20%の増加。特定の実施形態では、(i)~(iii)の少なくとも2つを経験するリスクが低減される。いくつかの実施形態では、(i)~(iii)のうちの1つを経験するリスクが低減される。いくつかの実施形態では、(i)~(iii)のうちの2つを経験するリスクが低減される。なおさらなる実施形態では、(i)~(iii)の3つすべてを経験するリスクが低減される。特定の実施形態では、ARR及びcCDP12を経験するリスクは、フェネブルチニブ若しくはその薬学的に許容され得る塩が投与されていない、又はBTK阻害剤が投与されていない、RMSを有する別の対象(例えば、比較対象)と比較して低減する。特定の実施形態では、比較対象は、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤(例えば、テリフルノミド又はその薬学的に許容され得る塩など)を投与される。
なおさらなる実施形態では、T1 Gd+病変の数の低減を必要とするRMSを有する対象におけるT1 Gd+病変の数を低減させる方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む方法が本明細書において提供される。さらに、新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数の低減を必要とするRMSを有する対象における新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数を低減させる方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む方法が提供される。また、T1 Gd+病変の数の低減を必要とするRMSを有する対象におけるT1 Gd+病変の数を低減させるための医薬の製造における使用のための化合物であって、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩が投与される、医薬の製造における使用のための化合物が提供される。さらに、新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数の低減を必要とするRMSを有する対象における新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数を低減させるための医薬の製造における使用のための化合物であって、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩が投与される、医薬の製造における使用のための化合物が提供される。患者における病変の数は、例えばMRIを使用して評価することができる。いくつかの実施形態では、R1 Gd+病変の数並びに新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数の両方が低減する。特定の実施形態では、低減は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後、独立して、12週間、24週間、48週間若しくは96週間、又はそれらの任意の組み合わせにわたるものである。いくつかの実施形態では、低減は、年間で(annualized)例えば52週間にわたる。特定の実施形態では、R1 Gd+病変の数は、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低減する。いくつかの実施形態では、新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数は、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%低減する。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも20%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも25%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも30%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも35%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも40%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、低減は少なくとも50%である。いくつかの実施形態では、病変の低減は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されず(あるいは、BTK阻害剤が投与されず)、任意に、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤(例えば、テリフルノミド又はその薬学的に許容され得る塩など)が投与される、RMSを有する別の対象と比較したものである。したがって、例えば、低減が相対的であるいくつかの実施形態において、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を投与される対象は、評価期間にわたって、(例えば、投与開始前と比較して)R1 Gd+病変の数並びに/あるいは新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数の全体的な増加を経験し得るが、この増加は、比較対象によって経験される増加よりも少ないであろう。したがって、例えば、RMSを有する対象においてR1 Gd+病変の数並びに/又は新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数を低減させるための方法、医薬の製造における使用のための化合物、及び化合物の使用が本明細書で提供され、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含み、低減は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を投与されない別の対象(例えば、比較対象)と比較したものであり、比較対象は、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害剤(例えば、テリフルノミド又はその薬学的に許容され得る塩など)が投与される。
またさらなる実施形態では、本明細書では、RMSを有する対象における障害を減少させる方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を、約400mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩の1日あたりの総量で対象に投与することを含む、方法が提供される。いくつかの実施形態では、RMSを有する対象における障害を減少させる方法における使用のための化合物であって、化合物がフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、方法が、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物が提供される。さらなる実施形態では、RMSを有する対象における障害を減少させる方法における使用のための医薬の製造における使用のための化合物であって、化合物がフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、方法が、対象に1日量の約400mgのフェネブルチニブ又は対応する量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物が提供される。障害を減少させることは、MSの心理的影響を低減すること、上肢機能を増加させること、歩行能力を増加させること、倦怠感を減少させること、作業状況を改善すること、若しくはMSの重症度の全体的な印象を減少させること、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。障害を減少させることには、RMSの1つ又は複数の徴候を減少させること、又は対象に対するRMSの1つ又は複数の身体的影響を減少させることがさらに含まれ得る。障害の減少(例えば、1つ若しくは複数の徴候又は身体的影響、又は本明細書に記載されるような他の態様を含む)は、本明細書に記載されるように、例えば、MSIS-29、Neuro-QoL Upper Extremity、PROMIS-FatigueMS、MSWS-12、PGI-S、WPAI:MS、PGI-C、EQ-5D-5L、C-SSRS、9-HPT、T25FWT、EDSS、SDMT、又はMRIを使用して、評価され得る。いくつかの実施形態では、9-HPT、T25FWT、又はEDSSのうちの1つ又は複数が使用される。いくつかの実施形態では、障害を減少させる方法は、T25FWT及び/又は9-HPTをより迅速に完了することができる対象、又はEDSSスコアの減少(例えば、「通常」により近い)を含む。ある実施形態では、障害の減少は、MSIS-29、Neuro-QoL Upper Extremity、PROMIS-FatigueMS、MSWS-12、PGI-S、WPAI:MS、PGI-C、EQ-5D-5L、C-SSRS、9-HPT、T25FWT、EDSS、SDMT、又はMRIを使用して評価されるものなどの、RMSの1つ又は複数の測定基準の改善を含む。ある実施形態では、改善は、RMSの少なくとも1つの測定基準(例えば、T25FWT時間、又は9-HPT時間、又はEDSSスコア)において、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前の同じ対象において評価された同じ測定基準と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、又は少なくとも35%の改善がされる。いくつかの実施形態では、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれを超える測定基準が改善され、各改善レベルは独立している(例えば、1つの測定基準は、少なくとも10%改善し、別の測定基準は少なくとも20%改善する)。いくつかの実施形態では、改善は少なくとも5%である。いくつかの実施形態では、改善は少なくとも10%である。いくつかの実施形態では、改善は少なくとも15%である。いくつかの実施形態では、改善は少なくとも20%である。いくつかの実施形態では、改善は少なくとも25%である。いくつかの実施形態では、改善は少なくとも30%である。いくつかの実施形態では、改善は少なくとも35%である。いくつかの実施形態では、改善は少なくとも40%である。なおさらなる実施形態では、改善は少なくとも45%である。いくつかの実施形態では、改善は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前の1週間以内、又は0から28日間以内、又は6週間以内の同じ対象において評価された同じ測定基準と比較される。
本明細書に記載する方法、使用のための化合物、又は化合物の使用のいくつかの実施形態では、約200mgのフェネブルチニブ又は対応する量のその薬学的に許容され得る塩が、RMSを有する対象に1日2回投与され、RMSを有する対象は、改訂された2017年McDonald基準(Thompson et al.2018;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に従ってRMSの診断を有する。特定の実施形態では、RMSを有する対象は、改訂2017McDonald基準に従ってRMSの診断を有し、以下の少なくとも1つを有する、(a)フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前の、過去2年以内の少なくとも2回の記録された臨床的再発又は過去12ヶ月以内の1回の記録された臨床的再発、又は(b)フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前12ヶ月以内の少なくとも1つのT1 Gd+病変。T1 Gd+病変の存在の評価は、例えばMRIによって行うことができる。特定の実施形態では、RMSの診断は、aSPMSの診断を含み得る。なおさらなる実施形態では、RMSを有する対象は18~55歳である。いくつかの実施形態では、RMSを有する対象は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前、例えば、前の週又は先月中に、0~5.5のEDSSスコアを有する。いくつかの実施形態では、RMSを有する対象は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前少なくとも30日間、神経学的に安定している。いくつかのそのような実施形態では、方法、使用のための化合物、又は化合物の使用は、RMSを治療する、ARRを低減させる、障害を減少させる、少なくとも1つの進行事象の発症を遅延させる、少なくとも1つの進行事象を有するリスクを低減する、可動性を増加させる、又はcCDP12の発症までの時間を増加させる、又はそれらの任意の組み合わせ(それらを必要とするRMSを有する対象における)のためのものであり、対象に200mgのフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を1日2回投与することを含む。
本明細書中に記載される、化合物の方法、使用のための化合物、又は使用のための化合物のいくつかの実施形態において、約200mgのフェネブルチニブ又は対応する量のその薬学的に許容され得る塩は、RMSを有する対象に1日2回投与され、RMSを有する対象は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前の<2.0のEDSSスコアと組み合わせて、徴候の発症から10年を超える疾患持続期間を有さない。いくつかの実施形態では、RMSを有する対象は、PPMS又は非活動性SPMSの診断を有さない。いくつかの実施形態では、RMSを有する対象は進行性多巣性白質脳症を有しないか、又は進行性多巣性白質脳症の病歴を有しない。いくつかの実施形態では、RMSを有する対象は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前10年以内に癌の病歴を有しない。ある実施形態では、RMSを有する対象は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前10年以内に血液悪性腫瘍又は固形腫瘍を有しなかった。またさらなる実施形態では、RMSを有する対象は、他の神経障害を有しない。そのような他の神経障害には、例えば、そのような他の神経学的障害には、例えば、虚血性脳血管障害(例えば、脳卒中、一過性脳虚血発作、自発性頭蓋内出血、若しくは外傷性頭蓋内出血)又は脊髄の虚血の病歴、CNS又は脊髄腫瘍(例えば、髄膜腫又は神経膠腫)の病歴又は既知の存在、脊髄症の潜在的な代謝原因(例えば、未治療のビタミンB12欠乏症)の病歴又は既知の存在、脊髄症の感染原因(例えば、梅毒、ライム病、HTLV-1、帯状疱疹脊髄症)の病歴又は既知の存在、遺伝した進行性CNS変性障害(例えば、遺伝性対麻痺、ミトコンドリアミオパチー、脳症、乳酸アシドーシス、脳卒中症候群)の病歴、視神経脊髄炎スペクトル障害、進行性神経疾患(例えば、ループス、抗リン脂質抗体症候群、シェーグレン症候群、ベーチェット病)を引き起こす可能性のある全身性自己免疫障害の病歴又は既知の存在、サルコイドーシスの病歴又は既知の存在、又は重度の臨床的に重要な脳又は脊髄の外傷(例えば、脳挫傷、脊髄圧迫)の病歴が含まれ得る。いくつかの実施形態では、RMSを有する対象は、臨床的に有意な精神医学的疾患、肺疾患、腎臓疾患、肝臓疾患(ギルバート症候群を含む)、代謝疾患、胃腸(GI)疾患、又は心血管疾患(不整脈又はQTc延長を含む)、又は内分泌疾患(制御されない糖尿病、非結石性膵炎、又は慢性膵炎を含む)の証拠を有さない。いくつかの実施形態では、RMSを有する対象は、心疾患を有しない。ある実施形態では、RMSを有する対象は、うっ血性心不全を有しない。うっ血性心不全は、例えば、New York Heart Associationの基準を使用して評価され得る。ある実施形態では、RMSを有する対象は、New York Heart Associationによって説明されるうっ血性心不全のクラスIII又はクラスIVの基準を満たさない。またさらなる実施形態では、RMSを有する対象は、心室不整脈の病歴又はQT延長症候群若しくは他の遺伝的なリスク因子(例えば、ブルガダ症候群)などの心室不整脈のリスク因子、構造的心疾患、冠動脈心疾患(症候性のもの、又は診断検査によって、以前の冠動脈バイパス移植によって、若しくは血管再生されていないか、血管再生できない>70%の径狭窄率の冠動脈病変によって実証された虚血を有するもの)、臨床的に重要な電解質異常(例えば、低カリウム血症、低マグネシウム血症、低カルシウム血症)、原因不明の突然死の家族歴、又は心臓イオンチャネルの遺伝子変異(例えば、先天性QT延長症候群)を有しない。いくつかの実施形態では、RMSを有する対象は、遺伝性ガラクトース不耐性、総ラクターゼ欠損症、又はグルコース-ガラクトース吸収不良を有さない。いくつかの実施形態では、RMSを有する対象は、血清アルブミン<3.0g/dLの低タンパク質血症(例えば、重度の肝疾患又は腎症候群の症例)を有さない。いくつかの実施形態では、RMSを有する対象は、透析及び/又は推定糸球体濾過量(eGFR)<60mL/分/1.73mを受ける重度の腎障害を有さない。いくつかの実施形態では、RMSを有する対象は、60mL/分/1.73m以上の糸球体濾過率を有する。いくつかの実施形態では、RMSを有する被験体は、重度の肝疾患障害、例えばチャイルド・ピュー・クラスC障害を有さない。なおさらなる実施形態では、RMSを有する対象は、以下の1つ又は複数を有さない、ALT又はAST>2×正常値上限(ULN)、ジルベール症候群を有する対象を除き、1.5×ULNを超える総ビリルビン、又は2×ULNを超える血清アミラーゼ若しくはリパーゼの持続的上昇。特定の実施形態では、RMSを有する対象は、以下のいずれも有さない、(a)骨髄機能の有意な障害又は有意な貧血、白血球減少症、好中球減少症若しくは血小板減少症、又は(b)ヘモグロビン<9.5g/dL、絶対的白血球数<4000細胞/mm(μL)、血小板数<100細胞×10/L、若しくは絶対的好中球1500≦細胞/mm(μL)のいずれか、又は(a)と(b)の任意の組み合わせ。なおさらなる実施形態では、RMSを有する対象は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を投与されている間に、全身性コルチコステロイド又は免疫抑制薬による長期治療を必要とし得るいかなる合併症も有さない。なおさらなる実施形態では、RMSを有する対象は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前の、活動性、潜在性若しくは不適切に治療されたB型肝炎に対する陽性試験、又はC型肝炎の陽性検査、又は活動性若しくは潜在性若しくは不適切に治療された結核(TB)感染の証拠、又はそれらの任意の組み合わせを有さない。他の実施形態では、RMSを有する対象は、PT、INR又はaPTTなどの肝臓合成機能試験にいかなる異常も有さない。なおさらなる実施形態では、RMSを有する対象は、GI出血のための入院又は輸血の病歴、又は既知の出血体質、又は経口薬物吸収に影響を及ぼす可能性がある任意の症状、又は現在活動的な一次的若しくは二次的(非薬物関連)免疫不全の病歴(HIV感染の既知の病歴を含む)、又はIgG<500mg/dL、又はMRIスキャンの禁忌、又はガドリニウム投与の禁忌、又は移植若しくは抗拒絶療法の既往歴のうちの1つ又は複数を有さない。なおさらなる実施形態では、RMSを有する対象は、副腎皮質刺激ホルモン又は全身性コルチコステロイドを併せて投与されないか、又は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始4週間以内に副腎皮質刺激ホルモン又は全身性コルチコステロイドを投与されない。なおさらなる実施形態では、RMSを有する対象は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前12週間以内にIV Ig又はプラスマフェレーシスを投与されなかった。なおさらなる実施形態では、RMSを有する対象は、以前に別のBTK阻害剤を投与されたことがない。また他の実施形態では、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、RMSを有する対象は、7日以内又は5回の薬物除去半減期内(どちらか長い方)に、強力なCYP3A4阻害剤又は強力な若しくは中程度のCYP3A4誘導剤を投与されず、7日間以内又は5回の薬物除去半減期内(どちらか長い方)に、狭い治療濃度域を有するCYP3A4基質を投与されず、6ヶ月以内又は任意に2年以内に抗CD20を投与されず、8週間以内にフィンゴリモド、シポニモド、若しくはオザニモドを投与されず、6ヶ月以内にナタリズマブを投与されず(ナタリズマブが1年を超えて投与された場合)、12週間以内にミコフェノール酸モフェチル若しくはメトトレキサートを投与されず、テリフルノミドの血漿濃度が<0.02mg/Lでない限り、最後の24ヶ月以内にテリフルノミドを投与されず、又はクラドリビン、ミトキサントロン、ダクリズマブ、アレムツズマブ、若しくはシクロホスファミドを投与されない。なおさらなる実施形態では、RMSを有する対象は、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を投与されている間、強力なCYP3A4阻害剤、強力若しくは中程度のCYP3A4誘導剤、又は狭い治療濃度域を有するCYP3A4基質のいずれか1つ又は複数を併せて投与されない。強力なCYP3A4阻害剤の例としては、ボセプレビル、コビシスタット、クラリスロマイシン、ダノプレビル/リトナビル、エルビテグラビル/リトナビル、インジナビル/リトナビル、イトラコナゾール、イデラリシブ、ケトコナゾール、ロピナビル/リトナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、ポサコナゾール、リトナビル、サキナビル、テラプレビル、テリスロマイシン、及びボリコナゾールが挙げられる。強力なCYP3A誘導剤の例としては、アパルタミド、カルバマゼピン、エンザルタミド、ミトタン、フェニトイン、リファンピン、及びハイパーフォリン(セントジョンズワート)が挙げられる。中程度のCYP3A誘導剤の例としては、ボセンタン、デキサメタゾン、エファビレンツ、エトラビリン、フェノバルビタール、プリミドン、フェノバルビタール、及びリファブチンが挙げられる。狭い治療濃度域を有するCYP3A4基質の例としては、アルフェンタニル、アステミゾール、シクロスポリン、シサプリド、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、エベロリムス、フェンタニル、ピモジド、キニジン、シロリムス、テルフェナジン、及びタクロリムスが挙げられる。いくつかのそのような実施形態では、方法、使用のための化合物、又は化合物の使用は、RMSを治療する、ARRを低減させる、障害を減少させる、少なくとも1つの進行事象の発症を遅延させる、少なくとも1つの進行事象を有するリスクを低減する、可動性を増加させる、又はcCDP12の発症までの時間を増加させる、又はそれらの任意の組み合わせ(それらを必要とするRMSを有する対象における)のためのものであり、対象に200mgのフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を1日2回投与することを含む。
上記のように、フェネブルチニブは、BTKに非共有結合的かつ可逆的に結合するBTK阻害剤である。実施例4において示されるように、フェネブルチニブは、より低い選択性のBTK阻害剤と比較して、より少ないオフターゲット有害事象及び改善されたRMS治療指数に関連し得る、高い選択性及び高い効力を示す。さらに、長い滞留時間はまた、共有結合BTK阻害剤が有し得る免疫原性ハプテン形成のリスクなしに共有結合阻害の利点を模倣することによってMS治療指数を改善し得る。フェネブルチニブは、B細胞と骨髄系統始原細胞の両方の活性化を阻害することによる二重の作用機序を有し得、インビトロ試験により、フェネブルチニブが他のBTK阻害剤よりも高い効力で細胞を阻害することが示された(実施例4)。さらに、実施例5に例示されるように、MS以外の自己免疫障害における以前の臨床試験から、フェネブルチニブ周辺に大きな安全性データベースが存在し、このデータベースは、フェネブルチニブが安全で忍容性が高く、潜在的なBTKクラスの副作用は、他のBTK阻害剤と比較して、おそらくそのより高い選択性のためにフェネブルチニブとは関連性が低いことを実証している。フェネブルチニブの非共有結合性の結合、可逆的な機構、及びより大きな選択性は、RMSの治療において、他のBTK阻害剤と比較してより好ましい安全性プロファイルをもたらし得る。
III.薬学的組成物及び製剤
本明細書に記載の治療方法(例えば、RMSの治療など)に使用するための、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を含む医薬組成物及び製剤も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物及び製剤は、1又は複数の薬学的に許容され得る担体をさらに含む。国際公開第2017/148837号(参照によりその全文が本明細書に援用される)は、フェネブルチニブ及びその薬学的に許容され得る塩を含む製剤及び投与形態を開示している。いくつかの実施形態では、国際公開第2017/148837号に記載される製剤は、本明細書で提供される方法の1つ又は複数に従って、対象にフェネブルチニブを送達するために使用される。
フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩は、経口、非経口、肺内及び鼻腔内、並びに局所治療のために所望されるならば病巣内投与を含む、任意の好適な手段によって投与され得る。特定の実施形態では、経口投与が使用される。
フェネブルチニブの薬学的に許容され得る塩が、本明細書中の方法において使用される場合がある。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容され得る塩」という用語は、本明細書に説明される化合物上に見出される特定の置換基に応じて、比較的非毒性の酸又は塩基を用いて調製される活性化合物の塩を含むことを意味する。本開示の化合物が比較的酸性の官能基を含むとき、そのような化合物の中性形態を純粋な又は適切な不活性溶媒中の十分な量の所望の塩基と接触させることにより、塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容され得る無機塩基由来の塩の例には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン(manganic)、第一マンガン(manganous)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが含まれる。薬学的に許容され得る有機塩基由来の塩には、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N、N’-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの置換アミン、環状アミン、天然アミンなどを含む、一級、二級、及び三級アミンの塩が含まれる。本開示の化合物が比較的塩基性の官能基を含有するとき、そのような化合物の中性形態を純粋な又は適切な不活性溶媒中の十分な量の所望の酸と接触させることにより、酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容され得る酸付加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸(monohydrogencarbonic acid)、リン酸、一水素リン酸(monohydrogenphosphoric acid)、二水素リン酸(dihydrogenphosphoricacid)、リン酸、一水素リン酸(monohydrogenphosphoric acid)、硫酸、一水素硫酸(monohydrogensulfuric acid)、ヨウ化水素酸又は亜リン酸などのような無機酸由来のもの、並びに酢酸、プロピオン酸、イソブチル酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等などのような比較的非毒性の有機酸由来の塩が含まれる。また、アルギン酸塩などのアミノ酸の塩、及びグルクロン酸又はガラクツノロン酸などのような有機酸の塩も挙げられる(例えば、Berge,S.M.ら、「Pharmaceutical Salts」、Journal of Pharmaceutical Science(1977年)第66巻、第1~19頁を参照されたい)。本発明のある特定の化合物は、化合物を塩基付加塩又は酸付加塩のいずれかに変換することができる、塩基性官能基と酸性官能基の両方を含有している。
本明細書で提供される実施形態のいくつかでは、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の経口用量は、1つ又は複数の錠剤又はカプセルとして投与される。例えば、いくつかの実施形態では、約200mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩は、1つ又は複数の錠剤として1日2回投与され、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの錠剤として1日2回投与される。他の実施形態では、約200mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩は、1つ又は複数のカプセルとして1日2回投与され、例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのカプセルとして1日2回投与される。そのようなカプセル又は錠剤は、いくつかの実施形態では、それぞれ、約50mg、約75mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175,mg、約200mg、又は約225mgのフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を含み得る。例えば、ある実施形態では、約200mgがそれを必要とする対象に1日2回投与され、各200mgの用量は、約200mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩を含む1つのカプセルとして投与されるか、又は各200mgの用量は、約100mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩を含む2つのカプセルとして投与される。ある実施形態では、約200mgのフェネブルチニブは1日2回投与され(1日あたりの総量約400mg)、各200mgは、約100mgのフェネブルチニブを含む2つのカプセルとして投与される。他の実施形態では、約200mgがそれを必要とする対象に1日2回投与され、各200mgの用量は、約200mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩を含む1つの錠剤として投与されるか、又は各200mgの用量は、約100mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩を含む2つの錠剤として投与される。ある実施形態では、約200mgのフェネブルチニブは1日2回投与され(1日あたりの総量約400mg)、各200mgは、約100mgのフェネブルチニブを含む2つの錠剤として投与される。よって、いくつかの実施形態では、1日量のフェネブルチニブは1日あたり約400mg、例えば1日あたり約360mgから約440mg、又は等量のフェネブルチニブの薬学的に許容され得る塩である。ある実施形態では、400mgのフェネブルチニブが1日に投与される。
本明細書で提供されるさらなる実施形態では、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩と容器とを含む製造品又はキットが提供される。ある実施形態では、さらに、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を使用するための説明書を含む添付文書が含まれる。キットに適切な容器は、例えば、ボトル、ボックス、ブリスターパック、又はそれらの組み合わせ(例えば、ボックス内のブリスターパック)を含む。いくつかの実施形態では、容器は、製剤を保持し、容器上のラベル又は容器に関連するラベルは、使用上の指示を示し得る。製造品又はキットはさらに、商業的見地及びユーザの見地から望ましい他の材料を含んでもよく、使用説明書を含む添付文書が含まれる。
本明細書は、当業者が本発明を実践することを可能にするのに十分なものであるとみなされる。本明細書に示されて説明される修正に加えて、本発明の様々な修正は、前述の説明から当業者に明らかになり、それらは添付の特許請求の範囲内のものである。本明細書で引用されるすべての公報、特許、及び特許出願は、あらゆる目的のために参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
列挙される実施形態
実施形態1.再発性多発性硬化症(RMS)の治療を必要とする対象における再発性多発性硬化症を治療する方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、方法。
実施形態2.RMSを有する対象における年間再発率(ARR)を低減させ、cCDP12を経験するリスクを低減させる方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、方法。
実施形態3.複合的に12週間持続することが確認された障害進行(cCDP12)の発症を評価することを含み、cCDP12の発症が、以下、
(a)5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、
(b)9-HPTを完了するまでの時間の少なくとも20%のベースラインからの増加、又は
(c)T25FWTの少なくとも20%のベースラインからの増加、の少なくとも1つを経験する対象を含み、
ベースラインからの変化が、最初の増加から少なくとも12週間後に確認される、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態4.対象におけるcCDP12の発症までの時間が増加する、実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後に、対象におけるcCDP12のリスクが低減し、対象の年間再発率が低減し、リスクの低減及び年間再発率の低減が、独立して25%超である、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
実施形態6.年間再発率(ARR)の低減を必要とする再発性多発性硬化症(RMS)を有する対象における年間再発率を低減させる方法であって、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を対象に投与することを含む、方法。
実施形態7.年間再発率の低減が25%超である、実施形態6に記載の方法。
実施形態8.低減が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を投与されず、任意にジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されるRMSを有する別の対象と比較したものである、実施形態2から7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、経口投与される、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、1つ又は複数の錠剤又はカプセルの形態で投与される、実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、2つの錠剤の形態で1日2回投与され、各錠剤が、約100mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩を含む、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
実施形態12.遊離型のフェネブルチニブが投与される、実施形態1から11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13.再発性多発性硬化症(RMS)の治療を必要とする対象における再発性多発性硬化症の治療における使用のための化合物であって、化合物がフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、治療が、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物。
実施形態14.RMSを有する対象における年間再発率(ARR)を低減させること、及びcCDP12を経験するリスクを低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、ARRを低減させること、及びcCDP12を経験するリスクを低減させることが、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物。
実施形態15.複合的に12週間持続することが確認された障害進行(cCDP12)の発症を評価することをさらに含み、cCDP12の発症が、以下、
(a)5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、
(b)9-HPTを完了するまでの時間の少なくとも20%のベースラインからの増加、又は
(c)T25FWTの少なくとも20%のベースラインからの増加、の少なくとも1つを経験する対象を含み、
ベースラインからの変化が、最初の増加から少なくとも12週間後に確認される、実施形態13又は14に記載の使用のための化合物。
実施形態16.対象におけるcCDP12の発症までの時間が増加する、実施形態13から15のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
実施形態17.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後に、対象におけるcCDP12のリスクが低減し、対象の年間再発率が低減し、リスクの低減及び年間再発率の低減が、独立して25%超である、実施形態13から16のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
実施形態18.年間再発率の低減を必要とする再発性多発性硬化症(RMS)を有する対象における年間再発率を低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、低減させることが、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日に2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物。
実施形態19.年間再発率の低減が25%超である、実施形態18に記載の使用のための化合物。
実施形態20.低減が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を投与されず、任意にジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されるRMSを有する別の対象と比較される、実施形態13から19のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
実施形態21.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、経口投与される実施形態13から20のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
実施形態22.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、1つ又は複数の錠剤又はカプセルの形態で投与される、実施形態13から21のいずれか1つに記載の、使用のための化合物。
実施形態23.フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、2つの錠剤の形態で1日2回投与され、各錠剤が、約100mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩を含む、実施形態13から22のいずれか1つに記載の、使用のための化合物。
実施形態24.化合物が遊離型のフェネブルチニブである、実施形態13から23のいずれか1つに記載の使用のための化合物。
実施例
本開示は、以下の実施例を参照することによってより完全に理解されることになる。しかしながら、本実施例は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。本明細書に記載の実施例及び実施形態は例示のみを目的とするものであり、それを考慮に入れた様々な改変又は変化が当業者に提案され、本出願の精神及び範囲並びに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであることは理解されよう。
実施例1:再発性多発性硬化症を有する成人におけるフェネブルチニブの有効性及び安全性を評価するための、多施設無作為化二重盲検二重ダミーの並行群間の第III相試験
この第III相試験は、再発性多発性硬化症(RMS)患者におけるテリフルノミドと比較したフェネブルチニブの有効性、安全性及び薬物動態を評価するであろう。この試験の具体的な目的と対応する評価項目の概要を以下に示す。
主要有効性目的
この試験の主要な有効性目的は、以下の共主要評価項目に基づいて、テリフルノミドと比較したフェネブルチニブの有効性を評価することである。
・ 複合的に12週間持続することが確認された障害進行(cCDP12)の発症までの時間は、以下の3つの基準の少なくとも1つによる進行の最初の発生として定義される:
- ≦5.5のベースライン総合障害度スケール(EDSS)スコアを有する患者における≧1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は>5.5のベースラインEDSSスコアを有する患者においては≧0.5ポイント(確認された障害進行[CDP])
- 25-フィート歩行時間計測試験(T25FWT)におけるベースラインからの≧20%の増加
- 9-ホールペグテスト(9-HPT)を完了するまでの時間におけるベースラインからの≧20%の増加
・ 年間治験実施計画書で定義された再発率
副次的有効性目的
この試験の第2の有効性目的は、以下の評価項目に基づいてテリフルノミドと比較したフェネブルチニブの治療の有効性を評価することである:
・ 複合的に24週間持続することが確認された障害進行(cCDP24)の発症までの時間
・ ベースラインEDSSスコアが≦5.5の患者におけるEDSSスコアのベースラインからの≧1.0ポイントの増加又はベースラインEDSSスコアが>5.5(CDP)の患者における≧0.5ポイントの増加として定義される、12週CDP(CDP12)の発症までの時間
・ 24週CDP(CDP24)の発症までの時間
・ 脳磁気共鳴画像法(MRI)によって検出されるT1強調ガドリニウム(Gd)増強病変の総数
・ 脳MRIによって検出される新たな及び/又は拡大しているT2強調病変の総数
・ 脳MRIによって検出される第24週から第96週までの全脳容積の変化率
・ 第96週での患者により報告される多発性硬化症(MS)の身体的影響(多発性硬化症の影響スケール[MSIS]-29の身体的スケールによって測定される)におけるベースラインからの変化
・ 記号数字モダリティ・テスト(SDMT)スコアの4ポイントの悪化の発症までの時間。
探索的な有効性目的
この試験の探索的有効性の目的は、テリフルノミドと比較したフェネブルチニブの有効性を評価することであり、以下の評価項目を含み得るが、それらに限定されない:
・ SDMTが4ポイント悪化した患者の割合
・ 以下の患者報告結果(PRO)について、ベースラインからの変化及び120週でベースラインから有意に悪化した患者の割合:
- MSの心理的影響(MSIS-29心理学的スケール)
- 上肢機能(神経障害における生活の質上肢機能フォーム)
- 歩行(多発性硬化症歩行スケール、12項目[MSWS-12])
- 倦怠感(患者報告結果の測定情報システム
- 多発性硬化症の倦怠感の短いフォーム)
- 作業状況(作業生産性活動指数:MS v2.0)
- MS重症度の全体的な印象(患者による全体的な重症度の印象
・ 12週間で確認された9-HPTの≧20%増加までの時間
・ 12週間で確認されたT25FWTの≧20%増加までの時間
・ 24週間で確認されたT25FWTの≧20%増加までの時間
・ 24週間で確認された9-HPTの≧20%増加までの時間
・ 脳MRIによって検出されたベースラインからの新たなT1低強度病変(ブラックホール)の総数
・ 再発のない患者の割合
・ 第96週での患者により報告されたMSの身体的影響(MSIS-29身体的スケール)のベースラインから有意に悪化した患者の割合
・ 第96週での患者により報告されたMSの心理的影響(MSIS-29心理的スケール)のベースラインから有意に悪化した患者の割合
・ 第96週及び一次分析の臨床的カットオフ時の障害進行(cCDP12、cCDP24、CDP12、及びCDP24)のない患者の割合。
安全性目的
この試験の安全性目的は、以下の評価項目に基づいて、テリフルノミドと比較したフェネブルチニブの安全性を評価することである。
・ 有害事象、重篤な有害事象、試験治療の中止につながる有害事象の性質、頻度、タイミング、及び重症度
・ 標的とした生命徴候におけるベースラインからの変化
・ 対象となるECGパラメータのベースラインからの変化
・ 試験治療投与後の臨床検査結果のベースラインからの変化
・ コロンビア自殺重症度評価スケール(C-SSRS)のベースラインからの変化。
薬物動態学的目的
この試験の薬物動態学的(PK)目的は、以下の評価項目に基づいてフェネブルチニブのPKプロファイルを特徴づけることである:
・ 特定の時点におけるフェネブルチニブの血漿濃度
わずかなPK試料はすべての患者で収集される。ただし、MS患者のフェネブルチニブの薬物動態をよりよく特徴づけるために、より集中的なPK試料が患者の小さなサブセットで収集される。
この試験の探索的PKの目的は以下のとおりである:
・ 以下の評価項目に基づいて、薬物曝露とフェネブルチニブの有効性及び安全性との間の潜在的な関係を評価すること、
- フェネブルチニブの血漿濃度と有効性評価項目との間の関係
- フェネブルチニブの血漿濃度と安全性評価項目との間の関係
・ 以下の評価項目に基づいて、選択された共変量とフェネブルチニブへの曝露との間の潜在的な関係を評価すること、
- 選択された共変量とフェネブルチニブの血漿濃度との間の関係
バイオマーカーの目的
この試験の探索的なバイオマーカーの目的は、フェネブルチニブへの応答を予測し(すなわち、予測バイオマーカー)、有効性の初期の代理であり、より重篤な疾患状態への進行に関連し(すなわち、予後バイオマーカー)、フェネブルチニブに対する後天的な耐性に関連し、有害事象の発生に対する感受性に関連するか、若しくは有害事象のモニタリング若しくは調査の改善につながる可能性があり、フェネブルチニブ活性の証拠を提供することができ(すなわち、薬力学的バイオマーカー)、又は疾患生物学及び薬物安全性の知識及び理解を高めることができるバイオマーカーを同定及び/又は評価することである。バイオマーカー評価項目には、以下の評価項目が含まれ得るが、これらに限定されない、
・ 血液(血清及び/又は血漿及び/又はRNA)中のベースラインバイオマーカーと、有効性、PK、又は他のバイオマーカー評価項目との間の関係
・ 血液バイオマーカー(血清及び/又は血漿及び/又はRNA)中のベースラインから治療後サンプリングまでの変化と、有効性、PK、又は他のバイオマーカー評価項目との間の関係
・ HLA遺伝子型を含むがこれらに限定されない遺伝学、有効性、PK、又は他のバイオマーカー評価項目との間の関係。
健康状態の有用性目的
この試験の探索的な健康状態の有用性目的は、以下の評価項目に基づいて、フェネブルチニブで治療した患者の健康状態の有用性スコアを評価することである、
・ 薬理経済学的モデリングをサポートし得る、EuroQol 5-Dimension、5-Level Questionnaire(EQ-5D-5L)インデックススコアと臨床測定値との関係
詳細な試験デザイン
これは、RMSを有する患者におけるフェネブルチニブの有効性及び安全性を評価するための無作為化多施設二重盲検二重ダミー並列群の第III相試験である。
この試験は以下からなる、
・ スクリーニング
・ 二重盲検治療段階(DBT)、
・ 二重盲検安全性フォローアップ(DBT-SFU)、
・ 任意で行われる非盲検延長(OLE)
・ OLE安全性フォローアップ(OLE-SFU)段階。
スクリーニング段階はおよそ4週間続く。スクリーニングに失敗した患者には、最大1回の再スクリーニングが許可される。
二重盲検治療段階の間、最初の24週間は4週間ごとに、その後は12週間ごとに、有効性及び安全性について患者を診療所で評価する。すべての適格患者は、二重盲検治療段階で、1:1で毎日の経口フェネブルチニブ(200mgを1日2回[BID])又は毎日の経口テリフルノミド(14mgを1日1回[QD])に無作為化される。
DBT段階の持続時間は部分的に事象によって引き起こされる。一次分析は、およそ180のcCDP12事象が発生したとき及びすべての患者が少なくとも96週間DBT段階に参加したときに行われる。DBT段階は、一次分析の結果が開示され、試験が現場で非盲検になるときに完了したと考えられる。
DBT段階中に何らかの理由で試験治療を中止した患者は、DBT段階に残るが、試験治療を受けることはない。これらの患者は、予定とおりDBTの診察に引き続き参加するが、有効性及び安全性の評価は省略される。
DBT段階の終わりに、患者がDBT段階の終わりに試験治療を継続し、OLEに参加したくない場合、又は患者がDBTの終わりから8週間未満で試験薬を中止した場合、患者は8週間のDBT-SFUに入る。
DBT段階の終わりに、フェネブルチニブ治療の使用の一次分析及び利益リスク評価が肯定的である場合、DBT段階を完了しており治験責任医師の意見ではフェネブルチニブ治療から利益を得ることができる適格患者に対して任意に行われるOLE段階が計画される。患者は、フェネブルチニブが患者の国で市販されるまで、現地の規則に従って、又は、治験依頼者がフェネブルチニブRMSプログラムを終了することを決定するまで非盲検フェネブルチニブを受けることができる。非盲検フェネブルチニブによる治療は、4年を超えない。
OLEフェネブルチニブを初期に中止したか又はOLE段階を完了した患者は、OLE-SFUに入ることになる。患者は、およそ8週間安全のために追跡される。
患者集団
およそ524人の患者が、この試験に登録される。
選択基準
患者は次の試験登録基準を満たさなければならない、
・ 署名済みインフォームドコンセントフォーム
・ インフォームドコンセントフォームの署名時の年齢が18-65歳であること
・ 治験責任医師の判断による、治験実施計画書を遵守する能力
・ スクリーニング時の0から6.5までのEDSSスコア
・ 治験実施計画書の基準によって定義されるRMSの診断。
・ 無作為化及びベースライン評価の前に少なくとも30日間神経学的に安定していること
・ それぞれの手で<240秒で9-HPTを完了する能力
・ T25FWTを実施する能力
・ プロトンポンプ阻害剤(PPI)又はH2-受容体アゴニストを現在投与されている患者は、1日目の試験薬の開始前のスクリーニング期間中に安定な用量で治療し、試験治療の期間中安定な用量を維持する計画を立てなければならない。
・ 患者は、無作為化から2週間以内にPPI又はH2Raを開始してはならない。
・ MSの対症療法(例えば、ファンプリジン、大麻)及び/又は理学療法を必要とする患者は、1日目の試験薬の開始前のスクリーニング期間中に安定した用量で治療しなければならず、試験治療の期間中安定した用量を維持する計画を立てなければならない。
・ 患者は、無作為化から4週間以内に、MSの対症療法、又は理学療法を開始してはならない。
・ 妊娠の可能性がある女性の場合、治療期間中、試験薬の最終投与後28日間、及び必要な加速的排除の治験実施計画書を実施する前に、禁欲維持(異性との性交を控える)又は失敗率が年に<1%の避妊の使用に同意すること。女性は、この同じ期間中に卵子を提供することを控えなければならない。ホルモン避妊法は、バリア法によって補完されなければならない。
・ 男性の場合、禁欲維持(異性との性交を控える)又はコンドームの使用の同意、及び精子の提供を控える旨の同意。
除外基準
以下の基準のいずれかを満たす患者は、試験登録から除外される、
・ 原発性進行性MS又は非活動性二次進行性MSの診断
・ スクリーニング若しくはベースラインでの既知の若しくは疑わしい活動性感染、あるいは、入院又はスクリーニング前の8週間以内若しくはスクリーニング中にIVの抗菌薬での治療若しくはスクリーニングの前の2週間以内若しくはスクリーニング中に経口の抗菌薬での治療を必要とする感染の主要なエピソード
・ 確認された又は疑われる進行性多巣性白質脳症(PML)の病歴
・ スクリーニングから10年以内の血液悪性腫瘍及び固形腫瘍を含む癌の病歴。切除され、治癒したとみなされる皮膚の基底細胞癌腫又は扁平上皮癌腫、及びスクリーニングの>1年前に治癒療法によって明らかな成功を収めて治療された子宮頸部の上皮内癌腫は、除外されない。
・ 以下を含むがこれらに限定されない、他の神経障害の既知の存在:
- 虚血性脳血管障害(例えば、脳卒中、一過性脳虚血発作、自然発生的な頭蓋内出血、若しくは外傷性頭蓋内出血)又は脊髄の虚血の病歴
- CNS又は脊髄腫瘍(例えば、髄膜腫、神経膠腫)の病歴又は既知の存在
- 脊髄症の潜在的な代謝原因(例えば、未治療のビタミンB12欠乏症)の病歴又は既知の存在
- 脊髄症の感染原因(例えば、梅毒、ライム病、HTLV-1、帯状疱疹脊髄症)の病歴又は既知の存在
- 遺伝性進行性CNS変性障害の病歴(例えば、遺伝性不全対麻痺、ミトコンドリア筋症、脳症、乳酸アシドーシス、脳卒中[MELAS]症候群)
- 視神経脊髄炎スペクトラム障害
- 進行性神経疾患(例えば、ループス、抗リン脂質抗体症候群、シェーグレン症候群、ベーチェット病)を引き起こす可能性のある全身性自己免疫障害の病歴又は既知の存在
- サルコイドーシスの病歴又は既知の存在
- 重度の臨床的に有意な脳又は脊髄外傷の病歴(例えば、脳挫傷、脊髄圧迫)
・ 治験責任医師の意見では患者の参加が除外される、臨床的に重要な心血管(不整脈若しくはQTc延長を含む)、精神疾患、肺疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、内分泌疾患(制御不能な糖尿病、非胆石性膵炎、若しくは慢性膵炎を含む)、代謝性疾患、又は胃腸疾患の証拠
・ うっ血性心不全についてニューヨーク心臓病学会クラスIII及びクラスIV基準を満たす患者
・ 患者の安全に影響を与え得る臨床的に関連する異常を示す12-誘導ECGのスクリーニング、又は>30分離れた少なくとも2つのECGによって示される>440msのFridericiaの式を使用して修正されたQT間隔を含む試験結果の解釈
・ 治験責任医師によって決定される場合に、QTに対して臨床的に有意な効果を有する用量で、QT間隔を延長することがよく知られている薬剤での現在の治療
・ 心室不整脈の病歴又はQT延長症候群及び他の遺伝的なリスク因子(例えば、ブルガダ症候群)などの心室不整脈のリスク因子、構造的心疾患、冠動脈心疾患(症候性のもの、又は診断検査によって、以前の冠動脈バイパス移植によって、若しくは血管再生されていないか、血管再生できない>70%の径狭窄率の冠動脈病変によって実証された虚血を有するもの)、臨床的に重要な電解質異常(例えば、低カリウム血症、低マグネシウム血症、低カルシウム血症)、原因不明の突然死の家族歴、又は心臓イオンチャネルの遺伝子変異(例えば、先天性QT延長症候群)
・ 血清アルブミン<3.0g/dLの低タンパク質血症(例えば、重度の肝疾患又は腎症候群の症例)
・ 推定糸球体濾過量(eGFR)<60mL/分/1.73mに示される中程度から重度の腎機能障害(eGFR45-59mL/分/1.73mの場合は繰り返すことができる)
・ 骨髄機能の有意な障害又は有意な貧血、白血球減少症若しくは血小板減少症及び/又は以下の検査結果のいずれかを有する患者、
- <9.5g/dLのヘモグロビン(9-9.4g/dLの場合は繰り返すことができる)
- 絶対的白血球数<4000細胞/mm(μL)
- 血小板数<100細胞x109/L(80-100x10/Lの場合は繰り返すことができる)
- 絶対好中球≦1500細胞/mm(μL)
・ 試験の過程で全身性コルチコステロイド又は免疫抑制剤による慢性治療を必要とし得る併発疾患
・ スクリーニング前の12ヶ月以内のアルコール又は他の薬物乱用の病歴
・ 妊娠中若しくは授乳中、又は試験中若しくは試験薬の最終投与後6ヶ月若しくは12ヶ月(ローカルラベルから該当する場合)に妊娠する意図を有する
出産可能なすべての女性は、スクリーニング時に血清妊娠検査を受けることになる。尿妊娠検査は、指定されたその後の診察時に局所的に実施される。尿妊娠検査が陽性である場合、血清妊娠検査(局所的に実施)によって確認される必要がある。
・ 活動性、潜伏性、又は不適切に治療されたB型肝炎の陽性スクリーニング検査(以下のいずれかによって証明される)、
- 陽性B型肝炎表面抗原
- 検出可能なHep BウイルスDNAを有する陽性B型肝炎コア抗体[総HBcAb]
・ C型肝炎の陽性スクリーニング検査(陽性C型肝炎抗体)。
・ 以下で定義される結核(TB)による活動性若しくは潜伏性又は不適切に治療された感染症の証拠、
- スクリーニング時又はスクリーニング前の3ヶ月以内の陽性QuantiFERON TB-Gold(QFT)検査 QFTが利用できない場合、陰性Mantoux精製タンパク質誘導体皮膚試験(Centers for Disease Control and Preventionガイドラインによって定義される)が、スクリーニング診察時又はスクリーニングの前3ヶ月以内に実施され、局所的に読み取られ得る。
- Bacille Calmette-Guerinワクチン接種歴のある患者は、QFT検査のみを使用してスクリーニングする必要がある。
- 不確定性のQFT検査は繰り返される必要がある。
- 陽性QFT検査又は2回連続の不確定性QFT結果は、確定診断TB検査とみなされる必要がある。
- 不確定性QFT検査とその後の陰性QFT検査は、陰性診断TB検査とみなされる必要がある。
・ 治験責任医師が臨床的に重要であると判断した肝合成機能検査(例えば、PT、INR、PTT、アルブミン)の異常
・ 胃腸出血のための入院又は輸血の病歴があること
・ 既知の出血体質であること
・ 経口薬物吸収に影響を及ぼす可能性のある任意の症状
・ HIV感染又はIgG<500mg/dLの既知の病歴を含む、一次的若しくは二次的(非薬物関連)免疫不全の病歴又は現在活性なそのような免疫不全
・ MRIスキャンを完了できないこと(ペースメーカー、人工内耳、頭蓋内血管クリップ、試験への参加から6週間以内の手術、予定されたMRIスキャンの時間の前の8週間以内に移植された冠動脈ステントを含むがこれらに限定されない、MRIスキャンの禁忌)、又はガドリニウム投与の禁忌
・ 移植又は抗拒絶療法の任意の以前の病歴
・ スクリーニング前4週間以内の副腎皮質刺激ホルモン又は全身性コルチコステロイド療法。スクリーニング前にMSに全身性コルチコステロイドを使用した患者の場合、スクリーニング期間は延長され得る。患者が適格であるためには、スクリーニングとベースラインの間に全身性コルチコステロイドは投与されてはならない。
・ 無作為化前の12週間以内のIV Ig又は血漿交換による治療
・ フェネブルチニブ又はテリフルノミドの任意の成分(賦形剤を含む)に対する感受性又は不耐性
・ 無作為化前の6週間以内の弱毒生ワクチンの接種 不活化ワクチン製剤が投与される場合、インフルエンザワクチン接種は許容される。
・ 非ステロイド性抗症薬、アスピリン、及び他のサリチル酸塩以外の全身抗凝固薬(経口又は注射可能)又は抗血小板薬(アスピリンは162mgQDまで許可)の必要性
・ 任意の適応症に対するフェネブルチニブ又は別のブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤による以前の治療
・ 以下の検査結果のうちの1つ又は複数を有する、
- ALT又はAST>2×正常値上限(ULN、2-3×ULNの場合は繰り返すことができる)
- ジルベール病の患者を除いて、1.5×ULN超の総ビリルビン(1.6-3×ULNの場合は繰り返すことができる)
この試験のためにスクリーニングされた患者は、治験の適格性を満たすという唯一の目的のために治療から撤退されるべきではない。医学的理由以外の理由で現在の治療を中止する患者は、試験への参加を決定する前に、治療選択肢について具体的に通知される必要がある。
実施例2:多施設無作為化二重盲検二重ダミー並列群の第III相試験(再発性多発性硬化症の成人患者におけるテリフルノミドと比較したフェネブルチニブの有効性及び安全性を評価するため)
この第III相試験は、再発性多発性硬化症(RMS)を有する成人患者におけるテリフルノミドと比較したフェネブルチニブの有効性及び安全性を評価するであろう。フェネブルチニブの薬物動態(PK)も評価する。この試験の具体的な目的と対応する評価項目の概要を以下に示す
主要有効性目的
この試験の主要な有効性目的は、以下の共主要評価項目に基づいて、テリフルノミドと比較したフェネブルチニブの有効性を評価することである。
・ 複合的に12週間持続することが確認された障害進行(cCDP12)の発症までの時間(ベースラインから以下の3つの基準のうちの1つによる進行事象の最初の発生までの時間として定義され、初回の障害進行の少なくとも12週間後である定期的な診察で確認される必要がある):
・ ≦5.5のベースライン総合障害度スケール(EDSS)スコアを有する患者における≧1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は>5.5のベースラインEDSSスコアを有する患者においては≧0.5ポイントの増加(確認された障害進行[CDP])
・ 25-フィート歩行時間計測試験(T25FWT)におけるベースラインからの≧20%の増加
・ 9-ホールペグテスト(9-HPT)を完了するまでの時間におけるベースラインからの≧20%の増加
年間再発率(ARR)
副次的有効性目的
この試験の第2の有効性目的は、以下の評価項目に基づいてテリフルノミドと比較したフェネブルチニブの治療の有効性を評価することである:
・ 複合的に24週間持続することが確認された障害進行(cCDP24)の発症までの時間
・ ベースラインEDSSスコアが≦5.5の患者におけるEDSSスコアのベースラインからの≧1.0ポイントの増加又はベースラインEDSSスコアが>5.5の患者における≧0.5ポイントの増加として定義される、CDP12の発症までの時間
・ 24週CDP(CDP24)の発症までの時間
・ 磁気共鳴画像法(MRI)によって検出されたT1強調MRI(T1 Gd+)上のガドリニウム増強病変の総数
・ MRIによって検出される新たな及び/又は拡大しているT2強調病変の総数
・ MRIにより評価した場合の第24週からの全脳容積の%変化率
・ 多発性硬化症の影響スケール(29項目)、バージョン2(MSIS-29 v2)身体的スケールによって測定された、患者により報告されるMSの身体的影響のベースラインからの変化率
・ 記号数字モダリティ・テスト(SDMT)スコアの12週間で確認された4ポイントの悪化の発症までの時間。
・ 血清ニューロフィラメント軽鎖(NfL)濃度のベースラインから48週目までの変化
上記の副次的評価項目は、統計階層の順序を反映していない。副次的評価項目の統計的階層は治験実施計画書でさらに論じられ、詳細は統計分析計画(SAP)に見出すことができる。
探索的有効性目的
この試験の探索的有効性の目的は、テリフルノミドと比較したフェネブルチニブの有効性を評価することであり、以下の評価項目に基づくが、それらに限定されない:
・ SDMTが4ポイント悪化した患者の割合
・ 12週間で確認されたT25FWTの≧20%増加の開始までの時間
・ 12週間で確認された9-HPTの≧20%増加の開始までの時間
・ 24週間で確認されたT25FWTの≧20%増加の開始までの時間
・ 24週間で確認された9-HPTの≧20%増加の開始までの時間
・ 第96週での患者により報告されたMSIS-29 v2心理的スケールによって評価されるMSの心理的影響のベースラインから有意に悪化した患者の割合
・ MRIスキャンによって検出されたベースラインからの新たなT1低強度病変(ブラックホール)の総数
・ 第96週目及び一次解析の臨床的カットオフ時に、治験実施計画書で定義された再発がない患者の割合
・ 第96週での患者により報告されたMSIS-29 v2身体的スケールによって評価されるMSの身体的影響のベースラインから有意に悪化した患者の割合
・ 第96週及び一次分析の臨床的カットオフ時に、cCDP12、cCDP24、CDP12、及びCDP24によって評価される障害進行のない患者の割合。
注:この試験では、スクリーニングMRI測定は、ベースライン測定値として使用される
安全性目的この試験の安全性目的は、以下の評価項目に基づいて、テリフルノミドと比較したフェネブルチニブの安全性を評価することである。
・ 有害事象、重篤な有害事象、試験治療の中止又は用量の中断につながる有害事象の性質、頻度、タイミング、及び重症度
・ 標的とした生命徴候におけるベースラインからの変化
・ 対象となるECGパラメータのベースラインからの変化
・ 臨床検査結果のベースラインからの変化
・ Columbia-Suicide Severity Rating Scale(C-SSRS)によって評価される自殺企図又は自殺行動を有する患者の割合
薬物動態学的目的
この試験のPK目的は、以下の評価項目に基づいてフェネブルチニブのPKプロファイルを特徴づけることである:
・ 特定の時点におけるフェネブルチニブの血漿濃度
わずかなPK試料はすべての患者で収集される。ただし、MS患者のフェネブルチニブPKをよりよく特徴づけるために、より集中的なPK試料が、さらなる評価について同意する患者の小さなサブセットで収集される。
この試験の探索的PKの目的は以下のとおりである:
・ 以下の評価項目に基づいて、薬物曝露とフェネブルチニブの有効性及び安全性との間の潜在的な関係を評価すること、
・ フェネブルチニブの血漿濃度と有効性評価項目との間の関係
・ フェネブルチニブの血漿濃度と安全性評価項目との間の関係
・ 以下の評価項目に基づいて、選択された共変量とフェネブルチニブへの曝露との間の潜在的な関係を評価すること、
・ 選択された共変量とフェネブルチニブの血漿濃度との間の関係
バイオマーカーの目的
この試験の探索的なバイオマーカーの目的は、フェネブルチニブへの応答を予測し(すなわち、予測バイオマーカー)、有効性の初期の代理であり、より重篤な疾患状態への進行に関連し(すなわち、予後バイオマーカー)、フェネブルチニブに対する後天的な耐性に関連し、有害事象の発生に対する感受性に関連するか、若しくは有害事象のモニタリング若しくは調査の改善につながる可能性があり、フェネブルチニブ活性の証拠を提供することができ(すなわち、薬力学的[PD]バイオマーカー)、又は疾患生物学及び薬物安全性の知識及び理解を高めることができるバイオマーカーを同定及び/又は評価することである。バイオマーカー評価項目には、以下の評価項目が含まれ得るが、これらに限定されない:
・ 血液(血清及び/又は血漿)中のベースラインバイオマーカー、有効性、PK、又は他のバイオマーカー評価項目との間の関係
・ 血液バイオマーカー(血清及び/又は血漿)中のベースラインから治療後サンプリングまでの変化と、有効性、PK、又は他のバイオマーカー評価項目との間の関係
・ ヒト白血球抗原(HLA)遺伝子型を含むがこれらに限定されない遺伝学、有効性、PK、又は他のバイオマーカー評価項目との間の関係。
探索的バイオマーカー分析結果は、臨床試験報告(CSR)とは別に報告され得る。
健康状態の有用性目的
この試験の探索的な健康状態の有用性目的は、以下の評価項目に基づいて、フェネブルチニブで治療した患者の健康状態の有用性スコアを評価することである:
・ 薬理経済学的モデリングをサポートし得る、EuroQol 5 Dimension、5 Level Questionnaire(EQ 5D 5L)インデックススコアと臨床測定値との関係
・ 入院回数(例えば、最後の臨床訪問から収集)
・ 緊急治療室訪問回数
試験の説明
この試験は、RMS及び活動性二次進行性MS(総称してRMSと呼ばれる)を有する成人患者におけるテリフルノミドと比較したフェネブルチニブの有効性及び安全性を評価するための無作為化多施設二重盲検二重ダミー並列群の第III相試験である。適格な患者はすべて、対話型音声又はウェブベースの応答システム(IxRS)を介して2つの群のいずれか1つに1:1で無作為化される。
・ フェネブルチニブ治療群:テリフルノミド対応プラセボを用いたフェネブルチニブ(200mg経口[PO]BID)
・ テリフルノミド治療群:盲検様式でのフェネブルチニブ対応プラセボとのテリフルノミド(14mg PO QD)
およそ734人の患者が登録され、世界中で採用される。試験治療を早期に中止したり、何らかの理由で治験を中止したりした患者は交代しない。この試験は以下の段階からなる:
・ スクリーニング段階
・ 二重盲検治療(DBT)段階
・ DBT後安全性フォローアップ(DBT後-SFU)段階
・ 任意で行われる非盲検延長(OLE)段階
・ OLE安全性フォローアップ(OLE-SFU)段階
試験期間は、事象によって引き起こされる一次分析の結果として、患者ごとに異なる。無作為化は以下の基準に従って層別化される:
・ グローバルな領域(米国vs.米国以外)
・ EDSSスコア(<4.0vs.≧4.0)
・ スクリーニング時のT1Gad+病変の有無
スクリーニング段階
スクリーニング段階は最大4週間とすべきである。最初のスクリーニングに失敗した患者は、1回の再スクリーニングの機会を得る資格があり得る(患者ごとに合計2回のスクリーニング)。再スクリーニング中、いくつかのスクリーニング手順を繰り返す必要がない場合がある。
試験への登録の候補である患者は、すべての適格基準が満たされていることを確実にするために治験責任医師によって評価される。すべての患者は、試験に関連する手順(スクリーニング評価を含む)の前、及び試験への登録を目的とした既存の医薬品の変更の前に、インフォームドコンセント用紙に署名しなければならない。
スクリーニングの手順には、病歴の収集、身体検査、完全な神経学的検査、避妊方法のレビュー、EDSSスコア、9-HPT、T25FWT、ECG、MRIスキャン、並びに血液及び尿の試料が含まれる。
二重盲検治療段階
DBT段階の持続時間は部分的に事象によって引き起こされる。一次データ分析は、約212のcCDP12事象が発生し、各無作為化患者が少なくとも96週間のDBTを有する場合に行われる。DBT段階は、一次分析の結果が開示され、試験が現場で非盲検になるときに完了したと考えられる。予想よりも遅い障害進行速度のために最後の患者がDBT段階で第96週を完了したときに、cCDP事象の予測数(212)に達していない場合、DBT段階は、治療の違いを検出するための統計的検出力を維持するために、一次分析に必要な数のcCDP12事象が発生するまで継続する。結果として、DBT段階は、試験に登録された患者の最初の群について96週間を超えて延長し得る。
試験評価は、活動スケジュールに記載されているように行う。すべての適格患者を、DBT段階において、フェネブルチニブ200mg PO BID+テリフルノミド対応プラセボ又はテリフルノミド14mg PO QD+フェネブルチニブ-対応プラセボのいずれかに1:1で無作為化する。DBT段階中に何らかの理由で試験治療を中止した患者は、簡略化された活動スケジュールに従ってDBT段階に残るが、試験治療を受けることはない。
試験薬及び対応プラセボは、最初の24週間は4週間ごとに、その後は12週間ごとに分注される。
試験診察間に、半構造化電話インタビューが、6週間(±3日間)ごとにDBT段階中に実施される。半構造化電話インタビューからの臨床的に重要な所見を有する患者は、予定外の来院のために診療所に連れてくるべきである。
予定外の来院は、必要な任意の時間にスケジュールすることができる。予定外の来院で行われた評価は、活動のDBTスケジュールに示されている。テリフルノミドの適用可能な局所標識要件を満たすために追加のトランスアミナーゼ試験を必要とする患者、及び/又は治験責任医師が必要と考える患者は、予定外の来院を使用して行うことができる。
二重盲検治療段階の試験治療中止後の手順
DBT段階中に何らかの理由で試験治療を中止した患者は、DBT段階に残るが、試験治療を受けることはない。これらの患者は、予定通りDBTの診察に引き続き参加するが、有効性及び安全性の評価は省略される。
具体的な排除手順がなければ、血漿中テリフルノミド濃度を0.02mg/Lに低下させるのに最大2年かかる可能性がある。したがって、DBT段階中に試験治療を中止するすべての患者(すなわち、両方の治療群の患者)は、加速テリフルノミド除去手順(ATEP)を受けることになる。
二重-盲検治療後-安全性フォローアップ段階
DBT段階の終わりに、患者は、以下の基準の1つが満たされた場合、少なくとも8週間続くDBT後-SFU段階に入る。
・ 患者は、DBT段階の終了時に試験治療を継続しており、OLEに参加することを希望していない。
・ 患者はDBTフェネブルチニブを中止し、DBT段階において8週間未満のフォローアップを行った。
DBT段階においてテリフルノミド治療群に無作為化された患者は、DBT後-SFUの間、好ましくは初期段階にATEPを完了しなければならない。DBT後-SFU段階に市販のテリフルノミドを開始するか又は開始する予定のテリフルノミド治療群の患者は、ATEPを受ける必要はない。フェネブルチニブ治療群の患者は、少なくとも8週間のウォッシュアウト期間の前に、DBT後-SFU段階内に新たなDMTを開始することを許されない。安全性評価のみが、DBT後-SFU段階の間に収集される。
任意で行われる非盲検延長段階
DBT段階の終わりに、フェネブルチニブ治療の使用の一次分析及び利益-リスク評価が肯定的である場合、試験治療のDBT段階を完了しており治験責任医師の意見ではフェネブルチニブ治療から利益を得ることができる適格患者に対して計画されている、MSを有する成人患者におけるフェネブルチニブ200mg BIDの試験のための任意に行われる包括的なOLE段階がある。適格患者は、OLE段階への参加について同意を与える必要がある。OLE段階に参加することに同意した患者は、フェネブルチニブの投与前に、OLE段階の適格基準を満たすことが要求される。
OLE段階では、各患者の非盲検フェネブルチニブ治療期間はおよそ96週間であり、フェネブルチニブ治療の長期安全性及び有効性がRMS患者において評価される。治験依頼者は、OLEの期間を延長することを決定することができる。
適格である場合、DBT段階を完了し、開始後すぐにはOLE段階に入らない患者は、再検討して、OLE段階が開始されてから最大8週間後にOLE段階に入ることができる。治験依頼者と相談し、症例ごとにエントリーを評価する。
DBT段階にテリフルノミド治療群に無作為化された適格患者は、非盲検フェネブルチニブを開始する前にATEPを受けなければならず、トランスアミナーゼ試験のために、OLE第4、8、16、及び20週にさらなる検査室訪問を必要とする。DBT段階においてフェネブルチニブ治療群に無作為化された、OLEに参加している患者は、可能な限り早く活動のOLEスケジュールを開始する。すべての患者は、12週間ごとに診療を受けることになる。
OLE段階の間、すべての患者は、1日に合計4つのフェネブルチニブ錠剤に対して、2つの100mgのフェネブルチニブ錠剤PO BIDを自己投与する。OLE段階を完了するか又はそこから離脱する患者は、OLE-SFU段階に入る。試験診察間に、半構造化電話インタビューが、6週間(±3日間)ごとにOLE段階中に実施される。成人患者におけるフェネブルチニブ200mg BIDの他の全般的MS試験に参加し、試験薬に関する試験を完了した患者は、OLEへの参加に適格であり得る。
非盲検延長-安全性フォローアップ段階
フェネブルチニブを早期に中断したOLE段階の患者又はOLE期を完了した患者は、OLE-SFU期に入る。患者は、およそ8週間安全のために追跡される。安全性評価のみが、OLE-SFU段階の間に収集される。患者は、OLE-SFU段階を完了するまで新しいDMTを開始しない。安全性評価のみが、OLE-SFU段階の間に収集される。
予定外の来院
潜在的なMS再発、疾患進行、新たな神経徴候、妊娠の疑い、トランスアミナーゼの臨床的に有意な増加、又は他の安全事象の評価のための追加の予定外の来院は、試験中の任意の時点で起こり得る。MSの再発又はMSの悪化を示唆する新たな神経学的徴候を有する患者は、可能な限り早く、新たな神経学的徴候の発症から7日以内に治験責任医師によって実施されるEDSS、9-HPT、及びT25FWTを有する必要がある。テリフルノミドの適用可能な局所標識要件を満たすために追加のトランスアミナーゼ試験を必要とする患者、及び/又は治験責任医師が必要と考える患者は、予定外の来院を使用して行うことができる。
患者数
RMSを有するおよそ734人の患者が登録され、世界的に募集される。
選択基準
患者は次の試験登録基準を満たさなければならない、
・ 署名済みインフォームドコンセントフォーム
・ インフォームドコンセントフォームの署名時の年齢が18-55歳であること
・ 治験実施計画書を遵守する能力
・ スクリーニング時のEDSSスコア0-5.5
・ 改訂された2017年McDonald基準(Thompson et al.2018)及び以下のいずれかによるRMS*の診断:
- 過去2年以内の少なくとも2回の記録された臨床的再発又はスクリーニングの12ヶ月以内の1回の記録された臨床的再発(ただし、スクリーニング前30日以内ではない)
- 無作為化前の12ヶ月におけるMRIでの少なくとも1つのT1Gd+病変の存在の実証
* RMSは、Lublin 2014によって定義されるaSPMSを含み得る。
・ 無作為化及びベースライン評価の前に少なくとも30日間神経学的に安定していること
・ 9-HPTをそれぞれの手で<240秒で完了する能力
・ T25FWTを実施する能力
・ 妊娠の可能性のある女性の場合:禁欲(異性間の性交を控える)又は避妊を使用することの合意、及び卵の提供を控えることの合意 ホルモン避妊法は、バリア法によって補完されなければならない。
・ 男性の場合:禁欲維持(異性との性交を控える)又はコンドームの使用の同意、及び精子の提供を控える旨の同意。
除外基準
以下の基準のいずれかを満たす患者は、試験登録から除外される、
・ 徴候の発症から>10年の疾患期間及びスクリーニング時のEDSSスコア<2.0
・ 妊娠中若しくは授乳中、又は試験中若しくは試験薬の最終投与後8週間以内(ATEPあり)に妊娠することを意図している
妊娠可能な女性は、スクリーニング時に血清妊娠検査が陰性であり、その後のすべての来院時に尿妊娠検査が陰性でなければならない。尿妊娠検査が陽性である場合、それは血清妊娠検査によって、理想的には中央検査室から確認されなければならない。
・ 試験中又は試験薬の最終投与後8週間以内(ATEPあり)に子どもの父親になる予定の男性
・ PPMS又は非活動性SPMSの診断
・ スクリーニング若しくはベースラインでの既知の若しくは疑わしい活動性感染、あるいは、入院又はスクリーニング前の8週間以内若しくはスクリーニング中にIVの抗菌薬での治療若しくはスクリーニングの前の2週間以内若しくはスクリーニング中に経口の抗菌薬での治療を必要とする感染の主要なエピソード
・ 確認された又は疑われる進行性多巣性白質脳症(PML)の病歴
・ スクリーニングから10年以内の血液悪性腫瘍及び固形腫瘍を含む癌の病歴
切除され、治癒したとみなされる皮膚の基底細胞癌腫又は扁平上皮癌腫、及びスクリーニングの>1年前に治癒療法によって明らかな成功を収めて治療された子宮頸部の上皮内癌腫は、除外されない。
・ 以下を含むがこれらに限定されない、他の神経障害の既知の存在:
・ 虚血性脳血管障害(例えば、脳卒中、一過性脳虚血発作、自然発生的な頭蓋内出血、若しくは外傷性頭蓋内出血)又は脊髄の虚血の病歴
・ CNS又は脊髄腫瘍(例えば、髄膜腫、神経膠腫)の病歴又は既知の存在
・ 脊髄症の潜在的な代謝原因(例えば、未治療のビタミンB12欠乏症)の病歴又は既知の存在
・ 脊髄症の感染原因(例えば、梅毒、ライム病、HTLV-1、帯状疱疹脊髄症)の病歴又は既知の存在
・ 遺伝性進行性CNS変性障害の病歴(例えば、遺伝性不全対麻痺、ミトコンドリア筋症、脳症、乳酸アシドーシス、及び脳卒中様発作[MELAS]症候群)
・ 視神経脊髄炎スペクトラム障害
・ 進行性神経疾患(例えば、ループス、抗リン脂質抗体症候群、シェーグレン症候群、ベーチェット病)を引き起こす可能性のある全身性自己免疫障害の病歴又は既知の存在
・ サルコイドーシスの病歴又は既知の存在
・ 重度の臨床的に有意な脳又は脊髄外傷の病歴(例えば、脳挫傷、脊髄圧迫)
・ 治験責任医師の意見では患者の参加が除外される、臨床的に有意な精神医学的疾患、肺疾患、腎臓疾患、肝臓疾患(ギルバート症候群を含む)、代謝疾患、胃腸(GI)疾患、又は心血管疾患(不整脈又はQTc延長を含む)、又は内分泌疾患(制御されない糖尿病、非結石性膵炎、又は慢性膵炎を含む)の証拠。
・ うっ血性心不全についてニューヨーク心臓病学会クラスIII及びクラスIV基準の存在
・ 患者の安全に影響を与え得る臨床的に関連する異常を示す12-誘導ECGのスクリーニング、又は>30分離れた少なくとも2つのECGによって示される>440msのFridericiaの式を使用して修正されたQT間隔(QTcF)を含む試験結果の解釈
・ 治験責任医師によって決定される場合に、QTに対して臨床的に有意な効果を有する用量で、QT間隔を延長することがよく知られている薬剤での現在の治療
・ 心室不整脈の病歴又はQT延長症候群及び他の遺伝的なリスク因子(例えば、ブルガダ症候群)などの心室不整脈のリスク因子、構造的心疾患、冠動脈心疾患(症候性のもの、又は診断検査によって、以前の冠動脈バイパス移植によって、若しくは血管再生されていないか、血管再生できない>70%の径狭窄率の冠動脈病変によって実証された虚血を有するもの)、臨床的に重要な電解質異常(例えば、低カリウム血症、低マグネシウム血症、低カルシウム血症)、原因不明の突然死の家族歴、又は心臓イオンチャネルの遺伝子変異(例えば、先天性QT延長症候群)
・ ガラクトース不耐性、総ラクターゼ欠損症、又はグルコース-ガラクトース吸収不良の稀な遺伝的問題
・ 血清アルブミン<3.0g/dLの低タンパク質血症(例えば、重度の肝疾患又は腎症候群の症例)
・ 透析及び/又は推定糸球体濾過量(eGFR)<60mL/分/1.73mを受ける重度の腎障害を有する患者(eGFR 45-59mL/分/1.73 mの場合は繰り返すことができる)
・ 重度の肝疾患障害(チャイルド・ピュー・クラスC)
・ 以下の検査結果のうちの1つ又は複数:
・ ALT又はAST>2×正常値上限(ULN;2-3×ULNの場合は繰り返すことができる)
・ ジルベール症候群の患者を除いて、1.5×ULN超の総ビリルビン(1.6-3 ×ULNの場合は繰り返すことができる)
・ 2×ULNよりも多い血清アミラーゼ又はリパーゼの持続的な上昇、のうちの1つを有さない、方法又は化合物
・ 骨髄機能の有意な障害又は有意な貧血、白血球減少症、好中球減少症若しくは血小板減少症、及び/又は以下の検査結果のいずれかを有する患者:
・ <9.5g/dLのヘモグロビン(9-9.4g/dLの場合は繰り返すことができる)
・ 絶対的白血球数<4000細胞/mm(μL)
・ 血小板数<100細胞×10/L(80-100×10/Lの場合は繰り返すことができる)
・ 絶対好中球≦1500細胞/mm(μL)
・ 試験の過程で全身性コルチコステロイド又は免疫抑制剤による慢性治療を必要とし得る併発疾患
・ スクリーニング前の12ヶ月以内のアルコール又は他の薬物乱用の病歴
・ 活動性、潜伏性、又は不適切に治療されたB型肝炎の陽性スクリーニング検査(以下のいずれかによって証明される)、
・ 陽性B型肝炎表面抗原(HBsAg)
・ 検出可能なB型肝炎ウイルス(HPV)DNAを有する陽性B型肝炎コア抗体[総HBcAb]
・ C型肝炎の陽性スクリーニング検査(陽性C型肝炎抗体)
・ 以下で定義される結核(TB)による活動性若しくは潜伏性又は不適切に治療された感染症の証拠、
・ スクリーニングで陽性のQuantiFERON TB-Gold(QFT)試験が見出された。QFT試験は、中央検査室を通して行われなければならない。
・ Bacille Calmette-Guerinワクチン接種歴のある患者は、QFT検査のみを使用してスクリーニングする必要がある。
・ 不確定性のQFT検査は繰り返される必要がある。
・ 陽性QFT検査又は2回連続の不確定性QFT結果は、確定診断TB検査とみなされる必要がある。
・ 不確定性QFT検査とその後の陰性QFT検査は、陰性診断TB検査とみなされる必要がある。
・ 治験責任医師が臨床的に重要であると判断した肝合成機能検査(例えば、PT、INR、aPTT)の異常。
・ 胃腸出血のための入院歴又は輸血歴
・ 既知の出血体質であること
・ 経口薬物吸収に影響を及ぼす可能性のある任意の症状
・ HIV感染の既知の病歴を含む、一次的若しくは二次的(非薬物関連)免疫不全の病歴又は現在活性なそのような免疫不全
・ IgG<500mg/dLの患者
・ MRIスキャンを完了できないこと(ペースメーカー、人工内耳、頭蓋内血管クリップ、試験への参加から6週間以内の手術、予定されたMRIスキャンの時間の前の8週間以内に移植された冠動脈ステントを含むがこれらに限定されない、MRIスキャンの禁忌)、又はガドリニウム(Gd)投与の禁忌
・ 移植又は抗拒絶療法の任意の以前の病歴
・ スクリーニング前4週間以内の副腎皮質刺激ホルモン又は全身性コルチコステロイド療法。
患者が適格であるためには、スクリーニングとベースラインの間に全身性コルチコステロイドは投与されてはならない。
・ 試験薬の開始前のスクリーニング段階中にプロトンポンプ阻害剤(PPI)又はH-受容体アゴニスト(HRA)の不安定な投与レジメンを受けること、及び/又は試験治療の期間中に安定な用量を維持する計画がないこと
患者は、無作為化から2週間以内にPPI又はH2RAを開始してはならない。
・ MSの対症療法(例えば、ファンプリジン、大麻)の不安定なレジメンを受けること。患者は、試験薬の開始前のスクリーニング期間中に安定した用量で治療されなければならず、及び/又は試験治療の期間中に安定した用量を維持する計画はない
患者は、無作為化から4週間以内に、MSの対症療法を開始してはならない。
患者は、無作為化の4週間以内に理学療法を開始してはならない。
・ 無作為化前の12週間以内のIV Ig又は血漿交換による治療
・ フェネブルチニブ又はテリフルノミドの任意の成分(賦形剤を含む)に対する感受性又は不耐性
・ 安全性及び/又は有効性の理由から以前に中止されたテリフルノミド療法
・ 無作為化前の6週間以内の弱毒生ワクチンの接種
不活化ワクチン製剤が投与される場合、インフルエンザワクチン接種は許容される。
・ 非ステロイド性抗炎症薬、アスピリン、及び他のサリチル酸塩以外の全身抗凝固薬(経口又は注射可能)又は抗血小板薬(アスピリンは162mgQDまで許可)の必要性
・ 任意の適応症に対するフェネブルチニブ又は別のBTK阻害剤による以前の治療
・ テリフルノミド、レフルノミド、又はテリフルノミド中の任意の不活性成分に対する過敏反応の病歴を有する患者
・ 強力なCYP3A4阻害剤、強力なCYP3A4誘導剤又は中程度のCYP3A4誘導剤での、無作為化前の7日以内又は5回の薬物除去半減期(いずれか長い方)の治療
・ 狭い治療濃度域を有するCYP3A4基質での、無作為化前の7日以内又は5回の薬物除去半減期(いずれか長い方)の治療
・ オクレリズマブを含む抗CD20療法の以前の使用は、最後の注入がスクリーニングの2年より前でなければ、スクリーニング時にB細胞数が正常であり、治療中止は安全上の理由又は有効性の欠如によって動機付けされなかった
・ 無作為化から8週間以内の、フィンゴリモド、シポニモド、又はオザニモドの以前の使用
・ 1年超及び無作為化から6ヶ月以内のナタリズマブの以前の使用
・ 無作為化12週間以内のミコフェノール酸モフェチル又はメトトレキサートによる以前の治療
・ スクリーニング時にテリフルノミド血漿中濃度が<0.02mg/Lでない限り、過去24ヶ月以内のテリフルノミドの以前の使用
・ クラドリビン、ミトキサントロン、ダクリズマブ、アレムツズマブ、又はシクロホスファミドでの以前の治療
・ スクリーニング前24週間以内若しくは治験薬の5半減期(いずれか長い方)の任意の治験薬(高用量ビオチンを含む)での治療、又はMSのための任意の実験手順での治療(例えば、慢性脳脊髄静脈不全症の治療)
・ 任意の禁止されている併用薬の要件
・ コレスチラミン又は活性炭の慢性使用
・ 該当するローカルラベルに記載されている適切なウォッシュアウトを含まない、上記にまだリストされていない他の免疫調節剤又は免疫抑制剤での以前の治療
ウォッシュアウト要件が該当するローカルラベルに記載されていない場合、ウォッシュアウト期間は薬剤の半減期の5倍でなければならない。ウォッシュアウトに必要な時間を決定する際には、以前の投薬のPD効果も考慮する必要がある。
この試験のためにスクリーニングされた患者は、治験の適格性を満たすという唯一の目的のために治療から撤退されるべきではない。医学的理由以外の理由で現在の治療を中止する患者は、試験への参加を決定する前に、治療の選択肢について具体的に通知される必要がある。
非盲検延長段階の適格性基準
以下の基準を満たす患者が、OLE段階に参加する:
・ 試験のDBT段階を完了し(試験治療に残り、他のDMT投与されていない)、治験責任医師の意見では、フェネブルチニブでの治療から恩恵を受け得る者
・ OLE段階に参加するため及び試験の治験実施計画書に適合するために、署名済みインフォームドコンセントフォームを提供することができ、それを受け入れる者
・ DBT段階中にテリフルノミド治療群に無作為化された患者は、非盲検フェネブルチニブの初回投与の前にATEPを受けなければならない。
・ 妊娠の可能性のある女性の場合:禁欲(異性間の性交を控える)又は避妊を使用することの合意、及び卵の提供を控えることの合意 ホルモン避妊法は、バリア法によって補完されなければならない。
・ 男性の場合:禁欲(異性との性交を控える)又はコンドームの使用の同意、及び精子の提供を控える旨の同意。
試験の長さ
DBT段階の期間は、およそ188週間又はおよそ3.5年になる(試験に入る最後の患者について、最後の患者は、92週間+DBTの96週間後に無作為化されたと仮定する)。最初の患者のスクリーニングから試験の最後までの試験の最長期間は、およそ292週間又はおよそ5.5年であると予想される(試験への最後の患者について、募集の92週間+DBTの96週間+OLE中の96週間+OLE SFUの8週間を想定)。
フェネブルチニブ及びフェネブルチニブ対応プラセボ
患者は、毎日総量400mgのフェネブルチニブ(又はプラセボ)を、2つの100mg錠剤をPO BIDで服用する。患者は、朝に2つの100mg錠剤を、夕方に2つの100mg錠剤を自己口投与する。フェネブルチニブ(又は対応プラセボ)は、食物の有無にかかわらず経口摂取され得る。錠剤は、いくらかの水で完全に嚥下されなければならず、食物を伴って又は伴わずに摂取され得、毎日同じ時間に摂取されなければならない。患者は、フェネブルチニブ(又は対応プラセボ)飲み忘れた場合は、次の予定された服用時に一緒に服用してはならない旨、指示される必要がある。フェネブルチニブ(又は対応プラセボ)の投与は、制酸剤の使用とずらして行う必要がある(つまり、治験薬は制酸剤投与の2時間前又は2時間後に服用する必要がある)。さらに、任意の制酸薬(例えば、次サリチル酸ビスマス、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム-マグネシウム)を併用薬として記録すべきである。
テリフルノミド及びテリフルノミド対応プラセボ
比較薬であるテリフルノミド(又は対応プラセボ)は、1回の14mgカプセルPO QD(1日1カプセル)として毎日投与される。カプセルは、いくらかの水で完全に嚥下されなければならず、食物を伴って又は伴わずに摂取され得、毎日同じ時間に摂取されなければならない。患者は、飲み忘れた場合は、次の予定された服用時に一緒に服用してはならない旨、指示される必要がある。
統計的方法
一次分析
フェネブルチニブ群とテリフルノミド群とを比較するための2つの共-一次分析がある:無作為化からcCDP12までの時間及び無作為化から一次分析時までの治験実施計画書で定義された再発の年間割合。2つの共一次分析のうちの少なくとも1つが統計的に有意である場合、試験は陽性とみなされる。I型エラーは、フォールバック手順(Food and Drug Administration[FDA]guidance on Multiple Endpoints in Clinical Trialsを参照のこと)を用いて制御することになる。
・ 複合的に12週間持続するcCDP12の発症までの時間(ベースラインから以下の3つの基準のうちの1つによる進行事象の最初の発生までの時間として定義され、初回の障害進行の少なくとも12週間後である定期的な診察で確認される必要がある):
・ ≦5.5のベースラインEDSSスコアを有する患者における≧1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は>5.5のベースラインEDSSスコアを有する患者においては≧0.5ポイント(確認された障害進行[CDP])
・ T25FWTのベースラインからの≧20%の増加
・ 9-HPTを完了するまでの時間におけるベースラインからの≧20%の増加
cCDPの確認には、初期の複合的な障害進行事象をもたらした特定の複合的な構成要素が必要である。初期の事象と確認診察の間のすべての評価は、確認されるべき複合的な障害進行事象の定義を満たす必要がある。初期の障害進行の確認には、治験実施計画書によって定義された再発後90日以内に生じる評価は、使用されない。試験治療を早期に中止した患者は、治験に指定された評価を継続するよう求められ、次回の予定された診察時に一次及び二次評価をフォローアップするためにあらゆる努力が払われる。患者が試験治療を中止したか、確認診察がDBT段階中に生じたかに関係なく、次の予定された診察で対応する確認診察を伴うすべての初期の障害進行事象が統計分析ついて考慮されることになる。
・ ARR:
・ 治験実施計画書で定義された再発は、MSに起因する新たな又は悪化する神経徴候の発生と定義される。徴候は>24時間持続しなければならず、交絡する臨床的要因(例えば、発熱、感染、傷害、薬物に対する有害反応)に起因するものではなく、少なくとも30日間にわたる安定した又は改善した神経学的状態がすぐ前にあるべきである。新たな又は悪化する神経学的徴候は、EDSSスケールで少なくとも半ステップ、又は適切なFSSで1つの2ポイント、又は適切なFSSの2つ以上で1ポイントの増加と一致する客観的な神経学的悪化を伴わなければならない。変更は、選択されたFSS(すなわち、錐体、歩行、小脳、脳幹、感覚、又は視覚)に影響を及ぼす必要がある。一過性のけいれん、性機能障害、倦怠感、気分の変化、又は膀胱若しくは腸の緊急性若しくは失禁は、再発を確立するのに十分ではない。
・ 治験実施計画書で定義された再発の導出は、事前に指定された基準に基づいて治験依頼者が行う。導出は、治療する治験責任医師によって臨床的再発事象に関して収集されたデータ、並びに試験する治験責任医師によって提供された対応するEDSS及びFSSスコアに適用される。
試料サイズの決定
この試験の目的は、ベースラインからcCDP12までの期間及び一次分析時までのARRの共-主要評価項目に対するフェネブルチニブの効果に関する推定と仮説検証である。p値並びにポイント及び区間の推定値を、a)ベースラインからcCDP12までの時間に対する真の基礎となるハザード比、及びb)真の基礎となる年間再発率比について得ることになる。
この治験の試料サイズは、対照群と実験群と間に差がないという帰無仮説の検定に基づいている。この研究では、92週間の予想される募集で、およそ734人の患者を登録する。一次分析は、cCDP12までの時間の評価項目について、およそ212のcCDP12事象に基づいており、治験実施計画書で定義された再発事象はすべて、無作為化からARR評価項目に関する一次分析時までに起こった。この試料サイズは、主要な有効性及び一連の統計的仮定によって決定される。
禁止される治療
以下のカテゴリーにおける投薬は、治験薬の最初の投与前から治験薬の最終投与までの7日間又は5半減期のいずれか長い方の期間、禁止する必要がある。
・ 強力なCYP3A4阻害剤
・ 強力又は中程度のCYP3A誘導剤
以下の投薬は、試験治療中は禁止されるべきである:
・ 狭い治療濃度域を有するCYP3A4基質。
Figure 2023520469000003
他の禁止されている治療
以下に説明するように、試験治療を継続しているDBT段階にある患者、OLE段階にある患者、及びOLE-SFU段階にある患者に対して、以下の併用療法を使用することは禁止されている。
・ 治験療法(治験実施計画書で義務付けられた試験治療以外)
・ 任意のB細胞標的療法(例えば、リツキシマブ、アレムツズマブ、アタシセプト、ベリムマブ、オファツムマブ、又はオクレリズマブ)
・ BTK阻害剤(フェネブルチニブ以外)
・ MSのための任意の他のDMT(高用量ビオチン、クラドリビン、ミトキサントロン、インターフェロン、フマル酸ジメチル及びその他のフマル酸塩、並びにフィンゴリモド及びその他のスフィンゴシン-1-リン酸受容体モジュレータを含むが、これらに限定されない)
・ 非ステロイド性抗炎症薬、アスピリン、及び他のサリチル酸塩以外の全身抗凝固薬(経口又は注射可能)又は抗血小板薬(アスピリンは1日1回162mgまで許可)
・ PKサンプリングが必要な診察で、独立した用量の酸還元剤(例えば、PPI、H2RA)の使用は禁止されている。
DBT治療及びDBT-SFUを中止した患者に対して、DBT段階中に、以下に説明するように、以下の併用療法の使用は禁止されている:
・ 治験療法(治験実施計画書で義務付けられた試験治療以外)
フェネブルチニブ使用後にDMTを投与する場合は注意が必要である。フェネブルチニブから他の製品への切り替えに関連するリスクに関して利用できるデータは不十分である。
Figure 2023520469000004
実施例3:多施設無作為化二重盲検二重ダミー並列群の第III相試験(再発性多発性硬化症の成人患者におけるテリフルノミドと比較したフェネブルチニブの有効性及び安全性を評価するため)
この第III相試験は、RMSを有する成人対象におけるテリフルノミドと比較したフェネブルチニブの有効性及び安全性を調査する。この試験の具体的な目的、対応する評価項目、選択基準、除外基準、及び他の態様は、上記の実施例2に記載されている通りであるが、ここでは、年間再発率(ARR)が唯一の主要評価項目であり、複合的に12週間持続することが確認された障害進行(cCDP12)が副次的評価項目である。
実施例4:BTK阻害剤のin vitro特性の比較
3つのBTK阻害剤、フェネブルチニブ、エボブルチニブ、及びトレブルチニブのin vitro特性を、表3にまとめる。エボブルチニブ及びトレブルチニブは共有結合阻害剤であるのに対して、フェネブルチニブは非共有結合阻害剤である。フェネブルチニブ、エボブルチニブ、トレブルチニブのキナーゼ選択性、及び共有結合BTK阻害剤であるイブルチニブも図1に示す。
BTK阻害能力(IC50)と、フェネブルチニブ(FEN)、エボブルチニブ(EVO)、及びトレブルチニブ(TOL)のキナーゼ選択性とを、内部で、又は200を超えるヒトキナーゼの市販のパネルで評価した。FEN、TOL、及びEVOを1μMでスクリーニングし、EVOはさらに10μMでスクリーニングした。これは、EVOがFEN及びTOLよりも弱いBTK IC50を有するためである。1又は10μMでの初期スクリーニングで少なくとも50%阻害されたすべてのキナーゼについて、IC50値を決定した。IC50値を使用して決定された選択性の値が共有結合阻害剤EVO及びTOLに関係していることを実証するために、それらの共有結合反応性(又はkinact/K不活化効率)を、BTK及びBMXに対する蛍光活性部位リガンドとの共有結合阻害剤による競合をリアルタイムでモニタリングすることにより、生化学的アッセイで測定した。FENを、B細胞(CD69)及び好塩基球(CD63)の活性化をブロックする能力についても、ヒト全血で試験した。BTK・FEN複合体からのFEN放出速度を、生化学的プレインキュベーション-希釈実験で定量化した。この実験では、速度定数koff及び滞留時間1/koffでBTK活性が回復した。
FENはBTKを強力に阻害し(IC50=2.3nM)、TOLはIC50=1.5nMでBTKを阻害するのに対して、EVOははるかに効力が低い(IC50=32nM)。全血では、FENは、B細胞(CD69 IC50=8nM)及び好塩基球(CD63 IC50=31nM)の活性化を強力にブロックする。キナーゼパネルでは、FEN(1μM)は、3/286のオフターゲットキナーゼのみを>50%阻害するのに対して、TOL(1μM)は、19/218のオフターゲットキナーゼを阻害する。EVOは、1μMで3/221のオフターゲットキナーゼを阻害するが、10μMでは18/218のキナーゼを阻害する。キナーゼIC50値に基づいて、FENは、試験した全286のキナーゼに対して>130倍選択的であるのに対して、EVOは、Bmx(0.5×)、TEC(2×)、ErbB4(10×)、Blk(23×)、及びFlt3(71×)に対して<75倍選択的である。TOLは、BMX、BLK、ERBB4、TXK、及びLCKに対して<10倍選択的であり、<100倍の選択性で11の追加のキナーゼ(Src、Fgr、TEC、RIPK2、BRK、CSK、YES、ERBB2、EGFR、HCK、及びSRM)を阻害する。試験した化合物間のキナーゼ選択性の違いを図1にさらに示す。さらに、BMX対BTKのkinact/Kの比により評価された場合のEVO及びTOLの共有結合速度選択性(EVO=0.5、TOL=1)は、これらのキナーゼに対するこれらの阻害剤のIC50選択性(EVO=0.5、TOL=2)にほぼ等しいことがわかった。最後に、プレインキュベーション-希釈アッセイでは、BTK・FEN複合体は高い安定性を示した。FENは、BTKからゆっくりと解離し、BTKに結合された18.3時間の滞留時間を示す。フェネブルチニブの遅い解離速度論は、有効性に良い影響を及ぼし得る。フェネブルチニブの高い選択性は、オフターゲット効果を制限することによって、より選択的でない阻害剤と比較して、RMSにおいてより好ましい安全性プロファイルをもたらし得る。フェネブルチニブの非共有結合性の結合機構はまた、共有結合性阻害剤よりもRMSにおいてより好ましい安全性プロファイルをもたらし得る。
Figure 2023520469000005
Figure 2023520469000006
非公開のキナーゼ選択性のデータは、概して、Crawford,et al.,J Med Chem 2018,61:2227-2245(SI pp S31-S32)の手順に従って得た。非公開の共有結合反応(kinact/K)のデータは、概して、N末端Hisタグ付き完全長組換えヒトBTKを使用して、Schnute,et al.,ACS Med Chem Lett 2018,10:80-85(SI pp S29-S31)の手順に従って得た。BTK滞留時間のデータは、Crawford,et al.,J Med Chem 2018,61:2227-2245(SI pp S43)の手順に従って得た。非公開の競合的結合速度のデータは、概して、N末端Hisタグ付き完全長組換えヒトBTKを使用して、Schnute,et al.,ACS Med Chem Lett 2018,10:80-85(SI pp S29-S31)の手順に従って得た。イブルチニブ(別の共有結合BTK阻害剤)がヒト全血中のB細胞及び好塩基球の活性化に及ぼす影響も、評価された(CD63 IC50nM=171、CD69 IC50 nM=12、Crawford,et al.,J Med Chem 2018,61:2227-2245)。
図2は、フェネブルチニブ、エボブルチニブ及びトレブルチニブを評価するために使用されるインビトロB細胞及び骨髄前駆細胞系列細胞活性化アッセイの概略図である。これらのアッセイからのEC50値を以下の表4及び5に示す。一対一で、フェネブルチニブは、骨髄前駆細胞系列の細胞におけるFRシグナル伝達の阻害において(好塩基球、表4)、及びB細胞におけるB細胞受容体シグナル伝達の阻害において(表5)、エボブルチニブ及びトレブルチニブと比較した場合、最も強力なBTKiであった。
Figure 2023520469000007
Figure 2023520469000008
実施例5:多発性硬化症以外の多様な自己免疫症状を有する患者の大きな集団におけるフェネブルチニブの安全性のまとめ
フェネブルチニブは、関節リウマチ(RA;Chan P,et al.Pharm Res.2020,37:25;Cohen S,et al.Arthritis Rheumatol.2020.doi:10.1002/art.41275;ClinicalTrials.gov:NCT02983227)、全身性エリテマトーデス(SLE;ClinicalTrials.gov:NCT02908100;ClinicalTrials.gov:NCT03407482)、及び慢性自発性蕁麻疹(CSU;ClinicalTrials.gov:NCT03693625;ClinicalTrials.gov:NCT03137069)の自己免疫症状について臨床試験で以前に評価されている。200mgのフェネブルチニブを1日2回、又はプラセボを服用するこの試験における792名の患者から得られる安全性データを分析した。観察された有害事象の要約を表6に提供する。有害事象は、フェネブルチニブで治療された、自己免疫症状を有する患者ではほとんどが非重篤であった。無症状で可逆的な肝臓アミノトランスフェラーゼの上昇が、フェネブ ルチニブと因果関係のある唯一のリスクであった。他に肝機能障害の兆候はなく、Hy’s law症例もなく、治療中止により上昇はベースライン/正常値に戻った。
Figure 2023520469000009
表7は、以前の無作為化臨床試験における感染有害事象を有する患者の割合をまとめたものである。RA及びSLEにおけるバックグラウンド免疫抑制療法の使用(例えば、メトトレキサート、コルチコステロイド)にもかかわらず、プラセボ(各症状のための標準ケア)と比較してフェネブルチニブ群における感染率の不均衡はなかった。感染のパターン、持続期間、重篤度、又は重症度に不均衡はなかった。フェネブルチニブ併用群の6名2.0%)、プラセボ併用群の5名(1.8%)が重篤な感染症を有した。
Figure 2023520469000010
他の潜在的クラスの効果は、おそらくBTKに対するフェネブルチニブの選択性が高いことから、フェネブルチニブにあまり関連しない可能性がある。例えば、出血又はあざが、フェネブルチニブ群の患者の7.7%(n=23)及び併用プラセボ群の3.2%(n=9)で認められた。これらの割合は、B細胞悪性腫瘍を有するイブルチニブ治療患者の報告(出血又はあざ、39%、大出血、4%、Imbruvica USPI、2020年12月、<https://imbruvica.com/files/prescribing-information.pdf>)よりも実質的に低い。フェネブルチニブの無作為化臨床試験患者は、心房細動、粗動、又は他の上室性頻脈性不整脈を有しておらず、これはイブルチニブについて報告されているものよりも実質的に低い(4%のグレード≧3心房細動/粗動、1%の心室頻拍性不整脈、中程度の治療時間(medium treatment time)19.1)。

Claims (67)

  1. 再発性多発性硬化症(RMS)の治療を必要とする対象における再発性多発性硬化症を治療する方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、方法。
  2. RMSを有する対象における年間再発率(ARR)を低減させ、cCDP12を経験するリスクを低減させる方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、方法。
  3. 複合的に12週間持続することが確認された障害進行(cCDP12)の発症を評価することを含み、cCDP12の発症が、以下、
    (a)5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、
    (b)9-HPTを完了するまでの時間の少なくとも20%のベースラインからの増加、又は
    (c)T25FWTの少なくとも20%のベースラインからの増加、の少なくとも1つを含み、
    ベースラインからの変化が、最初の増加から少なくとも12週間後に確認される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 対象におけるcCDP12の発症までの時間が増加する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後に、対象におけるcCDP12のリスクが低減し、対象の年間再発率が低減し、リスクの低減及び年間再発率の低減が、独立して25%超である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 年間再発率(ARR)の低減を必要とする再発性多発性硬化症(RMS)を有する対象における年間再発率を低減させる方法であって、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を対象に投与することを含む、方法。
  7. 年間再発率の低減が25%超である、請求項6に記載の方法。
  8. RMSを有する対象におけるcCDP12を経験するリスクを低減させる方法であって、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、方法。
  9. cCDP12が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後の対象における進行事象の最初の発生を含み、進行事象が、最初の障害進行から少なくとも12週間後に確認される、請求項8に記載の方法。
  10. RMSを有する対象におけるcCDP12の発症までの時間を増加させる方法であって、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を対象に投与することを含み、cCDP12の発症までの時間が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前から進行事象の最初の発生までの期間を含み、進行事象が、最初の障害進行から少なくとも12週間後に確認される、方法。
  11. 進行事象が、以下、
    (a)≦5.5のベースライン総合障害度スケール(EDSS)スコアを有する対象における≧1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は>5.5のベースラインEDSSスコアを有する対象における≧0.5ポイントの増加(確認された障害進行[CDP])、
    (b)25-フィート歩行時間計測試験(T25FWT)におけるベースラインからの≧20%の増加、又は
    (c)9-ホールペグテスト(9-HPT)を完了するまでの時間におけるベースラインからの≧20%の増加、のうちの1つである、請求項9又は請求項10に記載の方法。
  12. cCDP12を経験するリスクが少なくとも25%低減するか、又はcCDP12の発症までの時間が少なくとも25%低減するか、又はそれらの組み合わせである、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 対象がCDP12を経験するリスクが低減する、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 対象がcCDP24を経験するリスクが低減する、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 対象におけるT1 Gd+病変の数が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する対象と比較して低減する、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 対象における新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する対象と比較して低減する、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 病変の相対的低減が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後、12週間、24週間、48週間、若しくは96週間にわたって低減する、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 相対的低減が、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%である、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 低減が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を投与されず、任意にジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されるRMSを有する別の対象と比較したものである、請求項2から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、経口投与される、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、1つ又は複数の錠剤又はカプセルの形態で投与される、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、2つの錠剤の形態で1日2回投与され、各錠剤が、約100mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩を含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 遊離型のフェネブルチニブが投与される、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 再発が、対象が新たな又は悪化する神経学的MS徴候を経験することを含み、前記徴候が、少なくとも24時間持続し、前記徴候を経験する前に、対象が、少なくとも30日間、比較的安定した又は改善している神経学的状態を有していた、請求項2から7又は12から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 再発が、以下、
    EDSSで半ステップ(0.5ポイント)の増加、
    錐体、歩行、小脳、脳幹、感覚、及び視覚からなる群から選択される1つの機能系スコア(FSS)で2ポイントの増加、又は
    錐体、歩行、小脳、脳幹、感覚、及び視覚からなる群から選択される2つ以上のFSSで1ポイントの増加、の少なくとも1つの増加を含む、請求項2から7又は12から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、RMSを有する対象が、過去2年以内に少なくとも2回の臨床的再発を経験したか、又は過去12ヶ月以内に1回の臨床的再発を経験しており、過去12ヶ月に撮影されたMRIに少なくとも1つのT1Gd+病変を有する、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、RMSを有する対象が0~5.5のEDSSスコアを有する、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、対象が、<2.0のEDSSスコアと組み合わせて、徴候の発症から>10年のRMS疾患持続期間を有さない、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、対象が、以下、
    >2×正常値の上限(ULN)である、アラニントランスアミナーゼ(ALT)又は(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)AST、
    ジルベール症候群の診断なしで、1.5×ULNよりも多い総ビリルビン、又は
    2×ULNよりも多い血清アミラーゼ又はリパーゼの持続的な上昇、のうちの1つ又は複数を有さない、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される間に、強力なCYP3A4阻害剤を併せて投与されない、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される間に、強力なCYP3A4誘導剤を併せて投与されない、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される間に、中程度のCYP3A4誘導剤を併せて投与されない、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される間に、狭い治療濃度域を有するCYP3A4基質を併せて投与されない、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 再発性多発性硬化症(RMS)の治療を必要とする対象における再発性多発性硬化症の治療における使用のための化合物であって、化合物がフェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、治療が、対象に約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物。
  35. RMSを有する対象における年間再発率(ARR)を低減させること、及びcCDP12を経験するリスクを低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、ARRを低減させること、及びcCDP12を経験するリスクを低減させることが、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物。
  36. 複合的に12週間持続することが確認された障害進行(cCDP12)の発症を評価することをさらに含み、cCDP12の発症が、以下、
    (a)5.5ポイント以下のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は5.5ポイント超のベースラインEDSSスコアを有する対象における少なくとも0.5ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、
    (b)9-HPTを完了するまでの時間の少なくとも20%のベースラインからの増加、又は
    (c)T25FWTの少なくとも20%のベースラインからの増加、の少なくとも1つを含み、
    ベースラインからの変化が、最初の増加から少なくとも12週間後に確認される、請求項34又は35に記載の使用のための化合物。
  37. 対象におけるcCDP12の発症までの時間が増加する、請求項34から36のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  38. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後に、対象におけるcCDP12のリスクが低減し、対象の年間再発率が低減し、リスクの低減及び年間再発率の低減が、独立して25%超である、請求項34から37のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  39. 年間再発率の低減を必要とする再発性多発性硬化症(RMS)を有する対象における年間再発率を低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、前記低減させることが、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物。
  40. 年間再発率の低減が25%超である、請求項39に記載の使用のための化合物。
  41. RMSを有する対象におけるcCDP12を経験するリスクを低減させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、リスクを低減させることが、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含む、化合物。
  42. cCDP12が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後の対象における進行事象の最初の発生を含み、進行事象が、最初の障害進行から少なくとも12週間後に確認される、請求項41に記載の使用のための化合物。
  43. RMSを有する対象におけるcCDP12の発症までの時間を増加させることにおける使用のための化合物であって、化合物が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩であり、cCDP12の発症までの時間を増加させることが、対象に、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与することを含み、cCDP12の発症までの時間が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前から進行事象の最初の発生までの期間を含み、進行事象が、最初の障害進行から少なくとも12週間後に確認される、化合物。
  44. 進行事象が、以下、
    (a)≦5.5のベースライン総合障害度スケール(EDSS)スコアを有する対象における≧1.0ポイントのEDSSスコアのベースラインからの増加、又は>5.5のベースラインEDSSスコアを有する対象における≧0.5ポイントの増加(確認された障害進行[CDP])、
    (b)25-フィート歩行時間計測試験(T25FWT)におけるベースラインからの≧20%の増加、又は
    (c)9-ホールペグテスト(9-HPT)を完了するまでの時間におけるベースラインからの≧20%の増加、のうちの1つである、請求項42又は43に記載の使用のための化合物。
  45. cCDP12を経験するリスクが少なくとも25%低減するか、又はcCDP12の発症までの時間が少なくとも25%低減するか、又はそれらの組み合わせである、請求項34から44のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  46. 対象がCDP12を経験するリスクが低減する、請求項34から45のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  47. 対象がcCDP24を経験するリスクが低減する、請求項34から46のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  48. 対象におけるT1 Gd+病変の数が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する対象と比較して低減する、請求項34から47のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  49. 対象における新たな及び/又は拡大しているT2超強度病変の数が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が投与されていないRMSを有する対象と比較して低減する、請求項34から48のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  50. 病変の相対的低減が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始後、12週間、24週間、48週間、若しくは96週間にわたって低減する、請求項48又は49に記載の使用のための化合物。
  51. 相対的低減が、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、又は少なくとも50%である、請求項48から50のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  52. 低減が、フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩を投与されず、任意にジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの小分子阻害剤を投与されるRMSを有する別の対象と比較される、請求項35から51のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  53. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、経口投与される、請求項34から52のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  54. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、1つ又は複数の錠剤又はカプセルの形態で投与される、請求項34から53のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  55. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩が、2つの錠剤の形態で1日2回投与され、各錠剤が、約100mgのフェネブルチニブ又は等量のその薬学的に許容され得る塩を含む、請求項34から54のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  56. 遊離型のフェネブルチニブが投与される、請求項34から55のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  57. 再発が、対象が新たな又は悪化する神経学的MS徴候を経験することを含み、前記徴候が、少なくとも24時間持続し、前記徴候を経験する前に、対象が、少なくとも30日間、比較的安定した又は改善している神経学的状態を有していた、請求項35から40又は45から56のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  58. 再発が、以下、
    EDSSで半ステップ(0.5ポイント)の増加、
    錐体、歩行、小脳、脳幹、感覚、及び視覚からなる群から選択される1つの機能系スコア(FSS)で2ポイントの増加、又は
    錐体、歩行、小脳、脳幹、感覚、及び視覚からなる群から選択される2つ以上のFSSで1ポイントの増加、の少なくとも1つの増加を含む、請求項35から40又は45から57のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  59. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、RMSを有する対象が、過去2年以内に少なくとも2回の臨床的再発を経験したか、又は過去12ヶ月以内に1回の臨床的再発を経験しており、過去12ヶ月に撮影されたMRIに少なくとも1つのT1Gd+病変を有する、請求項34から58のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  60. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、RMSを有する対象が0~5.5のEDSSスコアを有する、請求項34から59のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  61. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、対象が、<2.0のEDSSスコアと組み合わせて、徴候の発症から>10年のRMS疾患持続期間を有さない、請求項34から60のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  62. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩の投与開始前に、対象が、以下、
    >2×正常値の上限(ULN)である、アラニントランスアミナーゼ(ALT)又は(アスパラギン酸トランスアミナーゼ)AST、
    ジルベール症候群の診断なしで、1.5×ULNよりも多い総ビリルビン、又は
    2×ULNよりも多い血清アミラーゼ又はリパーゼの持続的な上昇、のうちの1つ又は複数を有さない、請求項34から61のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  63. 対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される間に、強力なCYP3A4阻害剤を併せて投与されない、請求項34から62のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  64. 対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される間に、強力なCYP3A4誘導剤を併せて投与されない、請求項34から63のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  65. 対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される間に、中程度のCYP3A4誘導剤を併せて投与されない、請求項34から64のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  66. 対象が、約200mgのフェネブルチニブを1日2回又は等量のその薬学的に許容され得る塩を投与される間に、狭い治療濃度域を有するCYP3A4基質を併せて投与されない、請求項34から65のいずれか一項に記載の使用のための化合物。
  67. フェネブルチニブ又はその薬学的に許容され得る塩である、請求項1から33のいずれか一項に記載の方法のための医薬の製造における使用のための化合物。
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