JP2023516922A - プレバイオティックな有益性のための糖類とグリセロールの組み合わせの使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、望ましくない細菌に対して皮膚を保護するための糖類とグリセロールの組み合わせの使用に関する。本発明は、望ましくない細菌(例えば、とりわけ、大腸菌(E. coli)、黄色ブドウ球菌(S. aureus))の増殖を阻害することが本発明によって示されている乳酸のような代謝物を産生する表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)のような皮膚片利共生細菌によるプレバイオティクスとして作用する組成物を製剤するうえで特に有用である。本発明は、短期的に(即ち、迅速に)及び長期的に(即ち、持続的に)保護を提供するので、特に有用である。

Description

本発明は、望ましくない細菌に対して皮膚を保護するための糖類とグリセロールの組み合わせの使用に関する。本発明は、有害な細菌(例えば、とりわけ、大腸菌(E. coli)、黄色ブドウ球菌(S. aureus))の増殖を阻害することが本発明によって示されている乳酸のような代謝物を産生する表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)のような皮膚片利共生細菌によるプレバイオティクスとして作用する組成物を製剤するうえで特に有用である。本発明は、短期的に(即ち、迅速に)及び長期的に(即ち、持続的に)保護を提供するので、特に有用である。さらに、本発明を使用した場合、特に乳児の皮膚の微生物叢を破壊し得る従来の抗微生物活性物質を使用する必要はない。
哺乳類の皮膚は、身体の中で最も大きな器官の1つと見なされ、特に、最大の表面積を有する器官の1つと考えられる。皮膚は、身体に接触する空気、水、食物又は物質を介して身体に侵入し得る微生物に対する防御の最前線を形成する。身体が皮膚において又は全身的に感染した場合、そのような衛生問題への慣習的なアプローチは、当該病原微生物を低減させる又は殺す抗微生物活性物質で皮膚/身体を治療することであった。最近の研究によって、皮膚の表面上に恒久的に存在する多くの細菌(皮膚片利共生細菌と称される)は実際には感染を引き起こさず、むしろそれらは病気を引き起こす病原体から皮膚を保護する有益な細菌であることが示されている。そのような保護を説明するためにいくつかの機序が提案されており、よく知られている機序のうちの一部は、以下のとおりである: 病原体のコロニー形成を防ぐために皮膚上のスペースを物理的に占有する; 有害な病原性を有する可能性のある生物を寄せ付けない代謝物を産生する; 有害な病原体による感染を防ぐために先天的な防御機構を強化する代謝物を生成する;及び、別の有益性(例えば、皮膚のpH、バリア機能などを維持すること)を提供する。従って、最近では、感染症を治療する手段として広いスペクトルを有する抗菌活性物質で皮膚を処理して皮膚(又は、体の任意の他の部分)に存在する全ての微生物を殺すというアプローチから離れる傾向にある。むしろ、該アプローチは、皮膚片利共生生物を排除するために、所望の微生物の標的化された又は選択的な阻害/死滅に向けられている。これは、皮膚の微生物叢が長期的な衛生と健康のために健康的なバランスの取れた状態に維持されることを保証する。
本発明者らは、大腸菌(E. coli)及び黄色ブドウ球菌(S. aureus)などの皮膚上の非片利共生細菌を選択的に死滅させる問題を解決することを目指して、自身の研究をプレバイオティクス又は選択的発酵誘導物質(Selective Fermentation Inducers)(SFI)を使用して皮膚片利共生細菌の数及び機能を高めることに向けた。
彼らは、研究の過程で、皮膚上に存在する表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)が糖類とグリセロールを全く異なる方法で発酵し得ることを見いだした。糖類は、そのような病原体の増殖を迅速に(即ち、約24時間までの短い時間スケールで)阻害する代謝産物の生成を可能にし、グリセロールは、約24~96時間の長い時間スケールで(持続的に)阻害するのを可能にする。本発明者らの知る限り、この二重の方法で上記タイプの細菌を阻害することについて、糖類とグリセロールの組み合わせの使用は知られていない。
糖類が皮膚上の皮膚片利共生細菌の量を増加させることは知られている。WO2013/122931(P&G)は、皮膚微生物叢の健康を改善し、それによって皮膚の状態及び/又は外観を潜在的に改善するための、皮膚片利共生プレバイオティクスの局所使用を開示している。
WO2017/173244(Gojo Ind)は、表面に結合している病原体を低減させるための局所組成物を開示しており、ここで、該組成物は、活性成分及び少なくとも1種類の担体を含んでおり、ここで、該活性成分は、プレバイオティックな材料、プロバイオティックな材料及びシンバイオティック材料のうちの1種類以上を含んでおり、ここで、該局所組成物は、表面上に結合している病原体を統計的に有意な量で低減させる。
WO2013/122931 WO2017/173244
従って、本発明の目的は、皮膚上の有害な微生物の増殖を阻害するのに使用するための組成物を提供することである。
本発明の第1の態様は、皮膚片利共生細菌に栄養を与えることによって非片利共生細菌から皮膚を保護するための糖類とグリセロールの組み合わせに関する。
本発明の好ましい態様は、迅速な保護及び長期的な保護の両方を提供するための、第1の態様の組み合わせの使用に関する。
本発明の第2の態様は、皮膚への適用に適した組成物内における糖類とグリセロールの組み合わせの使用に関する。
本発明の別の態様は、非片利共生細菌から皮膚を保護する方法に関し、ここで、該方法は、糖類とグリセロールの組み合わせを含む組成物を該皮膚に適用する段階を含む。
これらの及び他の、態様、特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲を読むことによって当業者に明らかになるであろう。不確かさを避けるために、本発明の一態様の任意の特徴は、本発明の他の任意の態様において利用することができる。表現「含む(comprising)」は、「含む(including)」を意味するが、必ずしも「からなる」又は「構成されている」を意味するわけではないということが意図されている。言い換えれば、記載されている段階又はオプションは、包括的である必要はない。以下に記載されている実施例は、本発明を明確にすることを意図しており、本発明をそれらの実施例自体に限定することを意図するものではないことは留意されたい。同様に、別途示されていない限り、全てのパーセンテージは、重量/重量パーセントである。実施例及び比較実施例における場合を除いて、又は、明示的に示されている場合を除いて、本「詳細な説明」及び「特許請求の範囲」において材料の量又は反応の条件、材料の物理的特性及び/若しくは使用について示している全ての数字は、「約」という単語によって修飾されているものとして理解されるべきである。「xからyまで」の形式で表される数値範囲は、xとyを含むものと理解される。特定の特徴について、複数の好ましい範囲が「xからyまで」の形式で記述されている場合、異なるエンドポイントを組み合わせたすべての範囲も考慮されることは理解される。
本発明は、皮膚片利共生細菌に栄養を与えることによって非片利共生細菌から皮膚を保護するための糖類とグリセロールの組み合わせの使用に関する。さらに、本発明は、皮膚保護剤としてのスキンケア組成物におけるこの組み合わせの使用に関する。さらに、本発明は、片利共生細菌栄養剤としてのスキンケア組成物におけるこの組み合わせの使用にも関する。あるいは、本発明は、さらにまた、片利共生細菌のためのプレバイオティクスとしてのスキンケア組成物におけるこの組み合わせの使用にも関する。本発明は、これまで知られていない又は報告されていない2種類の相補的な有益性を提供することによって機能する。この組み合わせを使用すると、非片利共生細菌に対する短時間の又は迅速な保護が提供される。短時間の又は迅速な保護とは、該組み合わせが、皮膚にその組み合わせが適用された後、0~24時間の時間範囲でそのような非片利共生細菌に対する有益性を提供することを意味する。それは、さらに、長期的な(即ち、長期間持続的な)保護も提供する。長期的な保護とは、該組み合わせが、皮膚に適用された後、24~96時間の時間範囲で保護を提供することを意味する。このことは、本発明者らが一方の有益性は主に糖類の使用によって達成され且つ他方の有益性は主にグリセロールの使用によって達成されることを発見したので、類のないことである。本発明において、該迅速な保護は、主に糖類の存在によって得られる。本発明者らは、これは、糖類が、非片利共生細菌に迅速に作用する乳酸のような代謝産物を短期間に放出する皮膚片利共生細菌のプレバイオティクスであるために達成されると考えている。長期的な有益性は、グリセロールの存在によるものと考えられている。グリセロールも、有害な細菌に長期間作用する乳酸などの特定の代謝物を長期間にわたって放出する皮膚片利共生細菌のプレバイオティクスとして作用すると考えられている。
本発明の一態様(例えば、本発明による組成物又は使用)に関して以下に記載されている任意の好ましい事項は、同様に、本発明のその他の態様のいずれか1つでの使用においても好ましい。
本発明において使用するのに好ましい糖類は、以下のものから選択される: グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース若しくはリボースを包含する単糖類;又は、スクロース、ラクトース、ラクツロース、マルトース若しくはトレハロースを包含する二糖類;又は、フルクトースオリゴ糖若しくはガラクトースオリゴ糖を包含するオリゴ糖類;又は、アルファグルカン若しくはイヌリンを包含する多糖類。本発明において使用するのに最も好ましい糖類は、スクロースである。
さらにまた、好ましくは、本発明による使用は、界面活性剤、皮膚軟化剤、保湿剤又はそれらの混合物のうちの1以上も含む組成物中の糖類とグリセロールの組み合わせの使用である。
従って、本発明は、さらに、スキンケア組成物又は皮膚クレンジング組成物の中の、皮膚微生物叢をバランスさせる薬剤の組み合わせとしての糖類とグリセロールの組み合わせの使用を提供する。
本明細書中で使用されている「皮膚」は、体の任意の部分(例えば、顔、首、胸、背中、腕、腕の下、手、脚、臀部及び頭皮)の皮膚を包含することが意図されている。それは、乳児の皮膚を保護するのに特に有用である。乳児は、年齢が5歳未満の子供、好ましくは、3歳未満の子供、さらに好ましくは、1歳未満の子供を意味する。病原体に対するそのような使用は、好ましくは、非治療的であり、例えば、化粧品組成物又はパーソナルケア組成物を介して送達される。さらに、本発明の組成物及び本発明の方法も、好ましくは、非治療的使用のためのものである。開示及び請求されている、本発明における糖類とグリセロールの組み合わせによる有益性は、本発明の糖類とグリセロールの組み合わせを含む組成物によっても及び本発明の方法によっても、達成され得るということは、理解されるべきである。逆に、開示及び請求されている、本発明の組成物及び方法における有益性は、糖類及びグリセロールの組み合わせを含むことによるものであると理解される。そのような組成物は、リーブオン組成物の形態にあることができる。あるいは、そして等しく好ましくは、それは、局所領域(例えば、哺乳動物の、特に、ヒトの、皮膚及び毛髪)に選択的な保護の有益性を提供するためのウォッシュオフ形態を介して提供され得る。そのような組成物は、さらに、外観、クレンジング又は一般的な美的なものを改善するために人体に適用される任意の製品を包含する。本発明の組成物は、無水基剤、液体、ローション、クリーム、フォーム、スクラブ、ゲル又はエマルションであり得る局所的に許容される担体と一緒に送達され得る。
代替え的に、本発明は、皮膚片利共生細菌に栄養を与えることによって非片利共生細菌から皮膚を保護するのに使用するための糖類とびグリセロールの組み合わせを提供し、ここで、該糖類は、以下のものから選択される: グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース若しくはリボースを包含する単糖類;又は、スクロース、ラクトース、ラクツロース、マルトース若しくはトレハロースを包含する二糖類;又は、フルクトースオリゴ糖若しくはガラクトースオリゴ糖を包含するオリゴ糖類;又は、アルファグルカン若しくはイヌリンを包含する多糖類。
本発明による組成物は、好ましくは、該組成物の0.1~80重量%、さらに好ましくは、0.5~50%、一層さらに好ましくは、0.5~20重量%の糖類を含む。本発明の組成物中のグリセロールの量は、好ましくは、該組成物の0.1~80重量%、さらに好ましくは、0.5~50重量%、一層さらに好ましくは、0.5~20重量%の範囲内である。
本発明において、糖類とグリセロールの重量比は、好ましくは、1:1~1:4の範囲内であり、好ましくは、1:1~1:3の範囲内であり、さらに好ましくは、1:1~1:2の範囲内である。
本発明による糖類とグリセロールの組み合わせは、好ましくは、皮膚片利共生細菌に対するプレバイオティクスである。該皮膚片利共生細菌は、好ましくは、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)である。該皮膚は、本発明に従って、非片利共生細菌から保護され、ここで、該非片利共生細菌は、大腸菌(E. coli)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、緑膿菌(P. aeruginosa)、シュードモナス・アクネス(P. acnes)又はそれらを混合したものであり得る。そのような非片利共生細菌は、掻痒、不快感又は悪臭を生み出すなどの特定の負の属性をもたらし得るので、消費者は、多くの場合、そのような非片利共生細菌は望ましくない又は不快であると感じる。特定の場合には、それらは、有害であり得るか、又は、極端な場合には病原性であり得る。従って、該非片利共生細菌は、好ましくは、望ましくない細菌、不快な細菌、有害な細菌及び/若しくは病原性の細菌又はこれらの属性の組み合わせを有する細菌である。
本発明の組成物は、好ましくはウォッシュオフ組成物であり、これは、1~80重量%の界面活性剤を含ませることによって可能になる。一般に、該界面活性剤は、Schwartz及びPerryによる「“Surface Active Agents” Vol. 1」、Schwartz、Perry及びBerchによる「Interscience 1949, Vol. 2」、「Interscience 1958」及び/若しくはManufacturing Confectioners Companyによって公開された「McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents」の現行版などのよく知られている教本又は「“Tenside-Taschenbuch”, H. Stache, 2nd Edn.,
Carl Hauser Verlag, 1981」に記載されている界面活性剤から選択され得る。任意のタイプの界面活性剤、即ち、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性又は両性を使用することができるが、好ましい界面活性剤は、アニオン性又は非イオン性のタイプのものである。
本発明によるウォッシュオフ組成物のpHは、5~11の範囲内であり、好ましくは、5.5~10の範囲内である。
該界面活性剤は石鹸であり得る。石鹸は、本発明の組成物の個人的な洗浄用途に適した界面活性剤である。該石鹸は、好ましくは、C8-C24石鹸であり、さらに好ましくは、C10-C20石鹸であり、及び、最も好ましくは、C12-C16石鹸である。該石鹸は、1つ又は複数の炭素-炭素二重結合又は三重結合を有していても又は有していなくてもよい。該石鹸のカチオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムであることができる。好ましくは、該石鹸のカチオンは、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムから選択される。さらに好ましくは、該石鹸のカチオンは、ナトリウム又はカリウムである。
該石鹸は、脂肪及び/又は脂肪酸を鹸化することによって得ることができる。石鹸の製造において一般的に使用される油脂は、獣脂、獣脂ステアリン、パーム油、パームステアリン、ダイズ油、魚油、ヒマシ油、米ぬか油、ヒマワリ油、ココナッツ油、ババス油、パーム核油などである。上記プロセスでは、該脂肪酸は、ココナッツ油、米ぬか油、落花生油、獣脂油、ヤシ油、パーム核油、綿実油、ダイズ油、ヒマシ油などから選択された油脂に由来する。
典型的な脂肪酸ブレンドは、5~30%のココナッツ脂肪酸と70~95%の硬化米ぬか油に由来する脂肪酸で構成されていた。落花生、ダイズ、獣脂、ヤシ、パーム核などの他の適切な油脂に由来する脂肪酸も、他の所望の比率で使用することができる。最も好ましい石鹸は、ラウリン酸石鹸である。該石鹸は、本発明の固体形態で存在する場合、その組成物の30~90重量%、好ましくは、50~85重量%、さらに好ましくは、55~75重量%の量で存在している。該石鹸は、その組成物の液体形態で存在する場合、その組成物の0.5~20重量%、好ましくは、1~10重量%で存在している。
あるいは、該界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、例えば、1~8のエチレンオキシドを含むC8-C22(好ましくは、C8-C16)脂肪アルコールエトキシレートである。該界面活性剤は、好ましくは、第一級アルキルスルフェート、第二級アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート又はエトキシ化アルキルスルフェートから選択される。該組成物は、さらに、アニオン性界面活性剤、例えば、アルキルエーテルスルフェート(好ましくは、1~3のエチレンオキシド基を有する天然源又は合成源のアルキルエーテルスルフェート)及び/又はスルホン酸を含むことができる。特に好ましいのは、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムである。該組成物中には、アルキルポリグルコシド(好ましくは、C6~C16の炭素鎖長を有するアルキルポリグルコシド)も存在させることができる。液体形態の洗浄用途における適切な界面活性剤濃度は、一般に、当該組成物の0.5重量%を超えるが10重量%未満であり、好ましくは、1~5重量%である。固体組成物においては、該界面活性剤は、好ましくは、当該組成物の5~40重量%、好ましくは、10~30重量%で存在している。
水は、該組成物の構成に応じて、好ましくは、該組成物の10~90重量%で存在することができる。固体組成物では、水は、10~30%で存在し得るが、液体組成物又は半固体組成物では、水は、40~90%で存在し得る。
本発明による組成物がリーブオン組成物である場合、それは、好ましくは、1種類以上の界面活性剤、皮膚軟化剤、保湿剤、顔料及び防腐剤を含む。
本発明によるリーブオン組成物のpHは、5~9の範囲内であり、好ましくは、5.5~8の範囲内である。
担体は、該組成物の成分に対する希釈剤又は分散剤として作用する。該担体は、水性ベースであることができるか、無水物又はエマルションであることができ、それにより、油中水型エマルション又は水中油型エマルションが一般に好ましい。水の使用が望まれる場合、水は、典型的には、該組成物のバランスを構成し、これは、最も好ましくは、該組成物の40~80重量%である。
本発明の組成物中の他の任意の担体を補助するために、水に加えて、有機溶媒を場合により担体として含ませることができる。その例としては、エチルアルコール及びイソプロピルアルコールなどのアルカノール類などがある。
他の適切な有機溶媒としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油及びジカプリン酸ネオペンチルグリコールなどのエステル油などがある。典型的には、そのようなエステル油は、該組成物を乳化するのを助け、そして、多くの場合、安定した(そして、最も好ましくは)油中水型エマルションを生成するために、有効量が使用される。
必要に応じて、皮膚軟化剤を担体として使用することもできる。1-ヘキサデカノール(即ち、セチルアルコール)のようなアルコールが好ましい。他の皮膚軟化剤としては、シリコーン油及び合成エステルなどがある。使用に適したシリコーン油としては、3~9個(好ましくは、4~5個)のケイ素原子を含む環状又は線状のポリジメチルシロキサンなどがある。皮膚軟化剤として有用な不揮発性シリコーン油としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン及びポリエーテルシロキサンコポリマーなどがある。有用な不揮発性ポリアルキルシロキサンは、ポリジメチルシロキサンである。シリコーンエラストマーも使用することができる。場合により使用することができるエステル皮膚軟化剤は、以下のとおりである:
(i)10~20個の炭素原子を有する脂肪酸のアルケニルエステル又はアルキルエステル。それらの例としては、イソアラキジルネオペンタノエート、イソノニルイソナノノエート、オレイルミリステート、オレイルステアレート及びオレイルオレエートなどがある;
(ii)エーテルエステル、例えば、エトキシ化脂肪アルコールの脂肪酸エステル;
(iii)多価アルコールエステル。エチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200-6000)モノ及びジ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシ化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ及びジ脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪酸エステル、エトキシ化グリセリルモノステアレート、1,3-ブチレングリコールモノステアレート、1,3-ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、満足のいく多価アルコールエステルである;
(iv)蝋エステル、例えば、蜜蝋、鯨蝋、ステアリン酸ステアリル及びベヘン酸アラキジル;及び、
(v)ステロールエステル、その例は、コレステロール脂肪酸エステルである。
皮膚軟化剤は、存在する場合、典型的には、該組成物の0.1~50重量%(これは、そこに含まれる全ての範囲を包含する)を構成する。
10~30個の炭素原子を有する脂肪酸も、担体として含まれ得る。そのような脂肪酸の例としては、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸又はエルカ酸及びそれらの混合物などがある。
ワセリン又はパラフィンを使用することにより、保湿を改善することができる。増粘剤は、さらに、該組成物中の担体の一部として使用することもできる。典型的な増粘剤としては、架橋アクリレート(例えば、Carbopol(登録商標)982)、疎水性修飾アクリレート(例えば、Carbopol(登録商標)1382)、セルロース誘導体及び天然ガムなどがある。有用なセルロース誘導体の中には、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロースがある。本発明に適した天然ガムとしては、グアー、キサンタン、菌核、カラギーナン、ペクチン及びこれらのガムの組み合わせなどがある。該増粘剤の量は、該組成物の0.001~5重量%の範囲であることができ、最適には、0.01~0.5重量%の範囲であることができる。
界面活性剤も存在させることができる。存在する場合、界面活性剤の総量は、該組成物の2~40重量%であり、好ましくは、4~20重量%であり、最適には、5~12重量%である。該界面活性剤は、アニオン性活性剤、非イオン性活性剤、カチオン性活性剤及び両性活性剤からなる群から選択される。特に好ましい非イオン性界面活性剤は、以下のものである:疎水性物質1モルあたり2~100モルのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドと縮合した酸性疎水性物質又はC10-20脂肪アルコールを有する非イオン性界面活性剤;エチレングリコールのモノ及びジ脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセリド;ソルビタン、モノ及びジ-C8-C20脂肪酸;ブロックコポリマー(エチレンオキシド/プロピレンオキシド);及び、ポリオキシエチレンソルビタン、並びに、それらの組み合わせ。アルキルポリグリコシド及びサッカリド脂肪アミド(例えば、メチルグルコンアミド)も、適切な非イオン性界面活性剤である。
好ましいアニオン性界面活性剤としては、石鹸、アルキルエーテルスルフェート及びスルホネート、アルキルスルフェート及びスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキル及びジアルキルスルホスクシネート、C8-20アシルイセチオネート、アシルグルタメート、C8-20アルキルエーテルホスフェート及びそれらの組み合わせなどがある。
様々な他の成分もまた、組成物中で使用することができる。活性物質は、皮膚軟化剤以外で且つ単に当該組成物の物理的特性を改善する成分以外の皮膚有益剤(skin benefit agent)として定義される。このカテゴリーに限定されないが、一般的な例としては、タルク及びシリカなどの増量剤顔料、並びに、アルファ-ヒドロキシ酸、ベータ-ヒドロキシ酸及び亜鉛塩などがある。
ベータヒドロキシ酸としては、サリチル酸などがある。酸化亜鉛及びジンクピリチオンは、有用な亜鉛塩の例である。
適切な防腐剤としては、p-ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩及びさまざまな第四級アンモニウム化合物などがある。特に好ましい防腐剤は、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール及びベンジルアルコールである。防腐剤は、該組成物の0.1~2重量%である。
包装は、パッチ、ボトル、チューブ、ロールボールアプリケーター、噴射剤駆動エアロゾル装置、スクイーズ容器又は蓋付きジャーであることができる。
理論に拘束されることを望まないが、本発明者らは、本発明において使用される糖類とグリセロールの組み合わせが、皮膚片利共生細菌に対するプレバイオティクスとして作用すると信じている。皮膚片利共生細菌は、好ましくは、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)を含む。
従って、本発明は、バリアの健康又はNMFを改善することにより、皮膚の健康及び皮膚の弾力性を増大させること、促進すること、改善すること、維持すること又は持続させることを意図している。これは、バランスの取れた微生物叢の健康を通じて健康な皮膚生態系を確保することによって達成される。バランスの取れた微生物叢の健康とは、片利共生細菌と非片利共生細菌の比率が、短時間と長時間の両方の期間にわたって、皮膚の健康が維持される望ましい範囲に維持されることを意味する。
本発明は、乳児が成長するにつれて乳児の長期的な健康のための健康な皮膚微生物叢の成長及び維持を広域スペクトル抗菌剤が妨げる傾向があるため、広域スペクトル抗菌剤の使用があまりに過酷であると考えられる乳児の皮膚での使用に特に有用である。乳児の皮膚バリアは成人の皮膚よりも脆弱であることは広く認められている。乳児の肌のバリアはより繊細で、その表面からの水分の損失は大人の肌における水の損失よりも速い。同様に、乳児の皮膚の微生物叢は、成人の皮膚の微生物叢とは異なるように見える。出生後すぐに、乳児の皮膚と皮膚の微生物叢は、最大で約3~5年間変化し続ける。該微生物叢は、バリア機能とともに、皮膚の自然防御において重要な役割を果たしている。従って、乳幼児の皮膚微生物叢は、その自然な成長及び成熟を可能にし、それによって最適な皮膚の健康を維持するために、栄養を与えられるべきであることは不可欠である。
かくして、乳児の皮膚に使用されるか又は他の人の皮膚に使用されるかにかかわらず、本発明において使用するための組成物は、慣習的な抗微生物性化合物を実質的に含まない。実質的に含まないとは、慣習的な抗微生物活性物質が、当該組成物の0.1重量%未満、さらに好ましくは、0.05重量%未満、一層さらに好ましくは、0.01重量%未満、一層さらに好ましくは、0.001重量%未満でしか存在していないことを意味する。慣習的な抗微生物活性物質とは、皮膚を攻撃する細菌、例えば、とりわけ、大腸菌(E. coli)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、緑膿菌(P. aeruginosa)又はシュードモナス・アクネス(P. acnes)を殺す又は阻害する抗微生物活性物質を意味する。それらの微生物の安定性のために該組成物に含まれる防腐剤は、上記で記載した抗微生物活性物質の定義からは除外される。防腐剤は、増殖して該組成物を分解する可能性のある微生物に対して該組成物が安定であることを保証するために含まれている。他方、抗微生物性化合物は、組成物が適用される基体(例えば、皮膚)上に存在している微生物の増殖を妨げるために、当該組成物に含まれる。
慣習的な抗微生物性化合物は、一般に、ビグアニド系、ビスフェノール系、ハロフェノール系、微量作用性金属化合物(例えば、銀及び亜鉛)、カチオン性抗微生物性化合物又は精油活性物質のクラスのものである。ビグアニドは、さらに誘導体化され得る一般的な基礎構造を有している(例えば、クロルヘキシジン又はポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB))。ビスフェノールとしては、トリクロサン又はヘキサクロロフェンなどがある。ハロフェノールとしては、クロロキシレノール(PCMX)などがある。カチオン性化合物は、抗微生物活性物質の別のクラスである(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム又は臭化セチルトリメチルアンモニウム)。
低沸点アルコールのクラス(これらは、速効性抗微生物剤である)は、特に、本発明の組成物の中に実質的な量では含まれていない。理想的には、それらは該組成物の中には存在しない。低沸点アルコールとは、2~5個の炭素原子を有する一価アルコールを意味する。
本発明の組成物が乳児の皮膚に使用するために製剤される場合、それは香気成分を実質的に含まないことが好ましい。香気成分とは、香料を形成するために配合される分子又は分子の群を意味する。そのような化合物の特徴は、それらが揮発性(さまざまな程度で)で、心地よい香りを提供することである。香料又は香料成分に関連して、「実質的に含まない」とは、それらが、当該組成物の0.05重量%未満で、さらに好ましくは、0.01重量%未満で、一層さらに好ましくは、0.005重量%未満で、一層さらに好ましくは、0.001重量%未満で存在していることを意味する。
あらゆるタイプの肌に適した、特に、滋養分の多い乳児の肌に適した、一連の製品を開発することを目標として、本発明は、皮膚片利共生細菌のためのさまざまなプレバイオティクスを調べることを目的とし、そして、糖類とグリセロールのこの独特な組み合わせに到達して、該目的を達成した。驚くべきことに、それは、微生物叢のバランスをとる利点を提供するだけでなく、短期的にも長期的にもそれを行うことがわかった。
グリセロールは、さまざまなスキンクレンジング製品及びスキンケア製品において見られる一般的な成分である。グリセリンの主な機能は、保湿剤として作用することであり、それによって、バリア機能の改善をとおして肌の潤いと健康を維持する。インビトロ及びエクスビボの両方の方法を使用して、本発明により、皮膚片利共生細菌がグリセロールを食物源として利用することができ、それによって、グリセロールを「皮膚プレバイオティクス」成分とすることができることが見出された。皮膚片利共生細菌は、グリセロール及び類似の化合物を利用することにより、皮膚に有益であると知られているさまざまな脂肪酸を生成することができる。これは、グリセロールによって提供されるバリアの利点を超える付加的な利点である。
広範な実験をとおして、本発明者らは、正常な皮膚にグリセロールと糖類の組み合わせを適用した際、脂肪酸、有機酸及びジオールなどのさまざまな代謝物が確実に増加することを観察した。乳酸を主成分とする有機酸がモデル代謝物として観察された。乳酸には、水分補給、弾力性及びバリア機能など、複数の皮膚有益性があることが知られている。従って、グリセロールと糖類が豊富な製品は、皮膚(特に、乳児の皮膚)の微生物叢に栄養を与えるのに、及び、乳児のより健康な皮膚へのバリア機能を改善するのに、役立つことが分かっている。
従って、本発明は、皮膚表面上での非片利共生細菌の増殖を防止するための組成物を提供する。試験され、阻害されることが観察された典型的な非片利共生細菌には、大腸菌(E. coli)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、緑膿菌(P. aeruginosa)、シュードモナス・アクネス(P. acnes)又はそれらの混合物が含まれる。
従って、本発明のさらなる利点は、特に乳児の皮膚微生物叢に栄養を与え、特定の場合には攻撃者であり得る望ましくない細菌と戦うのを助け、感染から皮膚を保護し、及び、プレバイオティックな水分又はプレバイオティックな加湿を提供するのを助ける、プレバイオティックなグリセリンの使用を提供することである。別の意味では、本発明は、乳児の皮膚をケアすることができる。本発明がこれを行う1つの方法は、身体の天然微生物叢を使用して皮膚表面上に保護バリアを提供すること及び天然微生物叢に栄養を供給するためにプレバイオティクスを使用することによる。このようにして、本発明は、健康で弾力性のある皮膚を発達させ、より良いバリアを改善し、構築する。本発明の別の利点は、微生物叢の健康において重要な役割を果たす皮膚のpHを乱さず、皮膚がその自然の水分を保持するのを助けるために必要不可欠な栄養素を皮膚に補充することである。
本発明のさらに別の態様は、皮膚片利共生細菌に栄養を与えることによって、非片利共生細菌から、さらには、望ましくない非片利共生細菌から、皮膚を保護するのに使用するための糖類及びグリセロールを含む組成物に関する。本発明による使用は一般に非治療的性質のものであるが、該組成物は、治療用途においても使用することができる。従って、該組成物は、好ましくは、皮膚片利共生細菌に栄養を与えることによって有害な細菌から皮膚を治療的に保護するのに使用するための組成物である。本発明は、さらにまた、湿疹、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、にきび及びフケなどの皮膚状態の治療において使用するための糖類及びグリセロールの組み合わせを含む組成物にも関する。
本発明のさらに別の態様は、有害な細菌から皮膚を保護する方法に関し、ここで、該方法は、糖類とグリセロールの組み合わせを含有する組成物を皮膚に適用する段階を含む。本発明者らは、この組み合わせが皮膚片利共生細菌に対するプレバイオティクスとして振る舞う組成物の中に含まれている場合、上記のことがこの組み合わせによって可能になると信じている。彼らは、皮膚片利共生細菌である表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)に関する実験データでこのことを観察したが、健康な皮膚にコロニーを形成することが知られている他の多くのそのような有益な細菌でも可能であり得ると思われる。そのような皮膚片利共生細菌によって分泌される代謝産物の結果として、皮膚が有害な細菌から保護されていると考えられる。該代謝物は、一般に、脂肪酸、有機酸、ジオール又はフェノール誘導体のクラスのものである。さらに、本発明者らは、本発明の方法が糖類及びグリセロールを含む組成物並びに皮膚片利共生細菌によってそれから生成される代謝物を含んでおり、皮膚片利共生細菌に悪影響を及ぼさないが、非片利共生細菌の増殖を阻害すると考えている。
従って、本発明は、良い微生物に栄養を与え、それによって、微生物叢の健康を維持することを提供する。本発明は、適切な微生物が増殖するのを助けるために宿主の微小環境を維持するのに役立つ。これは、宿主のpHマントルを維持することによって行われる。あるいは、本発明は、有益な微生物が増殖するのを助けながら、皮膚のような外部表面上に存在している有害微生物の数を選択的に低減させることによって、微生物叢のバランスが得られることを保証する。従って、本発明の方法は、皮膚の健康に有益な効果をもたらすために、糖類及びグリセロールを含む組成物並びにそれから皮膚片利共生細菌によって生成される代謝産物を提供する。
ここで、以下の非限定的な例の助けを借りて、本発明について実証する。
実施例
実施例A-C、1-3: さまざまな量のスクロース及びグリセリンを使用した乳酸の生成:
表1に記載されている以下の材料/材料の組み合わせを使用して、乳酸の生成に対するそれらの効果について研究した。データを生成させるために使用した方法を以下に示す。生成された乳酸(発酵代謝物)の量についても、表-1に要約されている。
有機酸分析:
細菌上清をペトリ平板に移し、熱風オーブン内で40℃で乾燥させた。乾燥後、その残留物を1N HCl:メタノール混合物に溶解させ、その後、メチル化剤を添加し、次いで、75℃で40分間加熱した。
そのメチル化された有機酸を、GC-MSを使用して分析した。
Figure 2023516922000001
上記の表のデータは、糖類(スクロース)とグリセロールの両方を含む本発明による組み合わせが、乳酸の生成において長期増強及び短期増強の両方を提供することを示している。
黄色ブドウ球菌(S. aureus)の阻害:
表2に記載されている以下の材料/材料の組み合わせを使用して、黄色ブドウ球菌(S. aureus)の阻害に対するそれらの効果について研究した。データを生成させるために使用した方法を以下に示す。%増殖阻害についても、表-1に要約されている。
増殖阻害アッセイ
表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)12228を、プレバイオティクスの存在下及び非存在下において、Tryptic Soyブロスに植え付けた。そのブロス培養物を、37℃で24時間及び72時間、好気的にインキュベートした。各時点の終わりに、そのブロス培養物を遠心分離し、上清を収集した。
黄色ブドウ球菌(S. aureus)をこれらの上清の存在下で増殖させ、そして、37℃に設定されたiEMS PlateリーダーにおいてOD620nmで1時間の時間間隔で24~72時間にわたって動力学的増殖曲線を測定した。
Figure 2023516922000002
上記の表のデータは、糖類(スクロース)とグリセロールの両方を含む本発明による組み合わせが、黄色ブドウ球菌(S. aureus)の阻害において長期有益性及び短期有益性の両方を提供することを示している。

Claims (15)

  1. 皮膚片利共生細菌に栄養を与えることによって非片利共生細菌から皮膚を保護するための、糖類とグリセロールとの組み合わせの使用。
  2. 前記組み合わせが迅速な保護及び長期的な保護の両方を提供する、請求項1に記載の使用。
  3. 前記糖類が、下記:
    グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース若しくはリボースを包含する単糖類;又は、
    スクロース、ラクトース、ラクツロース、マルトース若しくはトレハロースを包含する二糖類;又は、
    フルクトースオリゴ糖若しくはガラクトースオリゴ糖を包含するオリゴ糖類;又は、
    アルファグルカン若しくはイヌリンを包含する多糖類;
    から選択される、請求項1に記載の使用。
  4. 前記糖類が、迅速な保護を提供する皮膚片利共生細菌のためのプレバイオティクスである、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用。
  5. グリセロールが、長期的な保護を提供する皮膚片利共生細菌のためのプレバイオティクスである、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用。
  6. 前記皮膚片利共生細菌が表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)である、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用。
  7. 前記有害な細菌が、大腸菌(E. coli)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、緑膿菌(P. aeruginosa)、シュードモナス・アクネス(P. acnes)又はそれらの混合物を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用。
  8. 前記糖類とグリセロールとの組み合わせの前記使用が、皮膚への適用に適した組成物内である、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用。
  9. 前記組成物が、当該組成物の0.1~80重量%の糖類を含む、請求項8に記載の使用。
  10. 前記組成物が、当該組成物の0.1~80重量%のグリセロールを含む、請求項8又は9に記載の使用。
  11. 糖類とグリセロールとの組み合わせの使用であって、当該糖類とグリセロールとの重量比が、1:1~1:4の範囲内、好ましくは、1:1~1:3の範囲内、さらに好ましくは、1:1~1:2の範囲内である、使用。
  12. 前記組成物が、慣習的な抗微生物性化合物を実質的に含まない、先行する請求項8~11のいずれか1項に記載の使用。
  13. 非片利共生細菌に対して皮膚を保護する方法であって、糖類とグリセロールとの組み合わせを含有する組成物を皮膚に適用する段階を含む、方法。
  14. 糖類とグリセロールとの前記組み合わせが、表皮ブドウ球菌(S. epidermidis)を含む皮膚片利共生細菌に対するプレバイオティクスである、請求項13に記載の方法。
  15. 糖類とグリセロールとを含む前記組成物及び皮膚片利共生細菌によってそれから生成される代謝物が、皮膚片利共生細菌に悪影響を及ぼさないが、非片利共生細菌の増殖を阻害する、請求項13又は14に記載の方法。
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